(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】ショーツ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/494 20060101AFI20240531BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
A61F13/494 100
A61F13/496
(21)【出願番号】P 2021087458
(22)【出願日】2021-05-25
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】594152929
【氏名又は名称】株式会社タカギ
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】猪口 えり
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-44206(JP,A)
【文献】特開2006-2255(JP,A)
【文献】登録実用新案第3002607(JP,U)
【文献】登録実用新案第3156150(JP,U)
【文献】特表2007-526038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A41B9/02-9/04、9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショーツ本体と、シート状の吸収体と、前記ショーツ本体に接合され、前記吸収体を前記ショーツ本体から遊離させた状態で保持する防水布とを具備し、
前記吸収体は、表側の層と裏側の層とを持ち、裏側の層を形成する素材は表側の層を形成する素材よりも水分の吸収性に優れ、
前記防水布は、前記吸収体の裏面全体を覆う底部と、該底部の周縁から中央に向かって延び、前記吸収体の表面の中央部を覆わず周縁部全体を覆う蓋部と、前記蓋部の内側縁から折り返して前記吸収体の表面周縁部に当接するように延びる当接部とを有し、
前記当接部を前記吸収体の
前記表側の層の周縁部及び前記裏側の層の周縁部に縫合し、前記防水布における前記当接部以外の部位を前記吸収体に縫合せず、該吸収体から遊離させ
、前記表側の層が外部に面するようにしたショーツ。
【請求項2】
前記防水布は、前記吸収体を覆う部位から相互に逆となる二方向または略放射状を描く三以上の方向に延び、その延びた先側の端部が前記ショーツ本体に接合される接合部分となる複数の緩衝部を有し、
前記防水布における前記接合部分以外の部位を前記ショーツ本体から遊離させてある請求項1に記載のショーツ。
【請求項3】
前記緩衝部は、前記吸収体からしみ出した液を収容可能な空間を内部に有する請求項2に記載のショーツ。
【請求項4】
前記緩衝部は前記吸収体よりも高い伸縮性を有する請求項2又は3に記載のショーツ。
【請求項5】
前記緩衝部は、前記防水布における前記吸収体を覆う部位側から前記接合部分側に近づくにつれてその幅が狭くなっている請求項2~4の何れか一項に記載のショーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、生理用ショーツや失禁用ショーツ等として用いて好適なショーツに関する。
【背景技術】
【0002】
独立行政法人国民生活センターによると、少量の失禁尿を吸収することをうたった洗濯して繰り返し使える布製の下着(失禁パンツ)である商品につき、テストを実施したところ、広告等に表示されている吸収量よりも大幅に少ない量で、上に着用している衣服まで尿がしみ出す可能性のあるものが多いことが報告されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「少量の失禁尿を吸収するとうたった下着 -過信は禁物、しみ出すことも-」独立行政法人国民生活センター 平成28年5月19日:公表 http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20160519_1.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなしみ出しの大きな発生原因として、失禁パンツに使用されている吸収体に、失禁パンツの着用者の体勢の変化等により荷重が掛かり、この荷重によって吸収体からしみ出した体液が失禁パンツの縫製時にできる針穴や縫着糸を伝って外部に漏れてしまうことが考えられる。
【0005】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、吸収体の性能を十分に発揮させることのできるショーツを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るショーツは、ショーツ本体と、シート状の吸収体と、前記ショーツ本体に接合され、前記吸収体を前記ショーツ本体から遊離させた状態で保持する防水布とを具備し、前記吸収体は、表側の層と裏側の層とを持ち、裏側の層を形成する素材は表側の層を形成する素材よりも水分の吸収性に優れ、前記防水布は、前記吸収体の裏面全体を覆う底部と、該底部の周縁から中央に向かって延び、前記吸収体の表面の中央部を覆わず周縁部全体を覆う蓋部と、前記蓋部の内側縁から折り返して前記吸収体の表面周縁部に当接するように延びる当接部とを有し、前記当接部を前記吸収体の前記表側の層の周縁部及び前記裏側の層の周縁部に縫合し、前記防水布における前記当接部以外の部位を前記吸収体に縫合せず、該吸収体から遊離させ、前記表側の層が外部に面するようにした(請求項1)。
【0007】
上記ショーツにおいて、前記防水布は、前記吸収体を覆う部位から相互に逆となる二方向または略放射状を描く三以上の方向に延び、その延びた先側の端部が前記ショーツ本体に接合される接合部分となる複数の緩衝部を有し、前記防水布における前記接合部分以外の部位を前記ショーツ本体から遊離させてあってもよい(請求項2)。
【0008】
上記ショーツにおいて、前記緩衝部は、前記吸収体からしみ出した液を収容可能な空間を内部に有していてもよい(請求項3)。
【0009】
上記ショーツにおいて、前記緩衝部は前記吸収体よりも高い伸縮性を有していてもよい(請求項4)。
【0010】
上記ショーツにおいて、前記緩衝部は、前記防水布における前記吸収体を覆う部位側から前記接合部分側に近づくにつれてその幅が狭くなっていてもよい(請求項5)。
【発明の効果】
【0011】
本願発明では、吸収体の性能を十分に発揮させることのできるショーツが得られる。
【0012】
すなわち、本願の各請求項に係る発明のショーツでは、防水布で覆わない吸収体の表面中央部から尿、経血等の体液を吸収体に吸収させることができる。また、本発明のショーツでは、吸収体をショーツ本体から遊離させつつ、この吸収体の表面の周縁部と裏面全体とを防水布で覆ってあるので、着用者の体勢の変化等により吸収体に荷重が掛かり、吸収体から体液がしみ出した場合でも、この体液は防水布内に留まり、上記荷重が取り除かれれば再度吸収体に吸収されることになる。そして、斯かる過程が繰り返されることで、吸収体本来の吸収量に達するまで体液を吸収体に分散吸収させることができる。そのため、本発明のショーツでは、体液が吸収体の表面中央部の例えば一点に集中的に流入し、この流入直後の時点では吸収体がその体液の全量を吸収しきれなかった場合でも、吸収体に吸収されなかった体液は一時的に防水布内に堰き止められた後、吸収体において体液が浸透していない部分に徐々に吸収されていくのであり、このように体液を吸収体全体に分散させて吸収させることができるので、外部への液漏れ防止をも図ることができる。つまり、本発明のショーツでは、従来のショーツと同じ大きさ、素材の吸収体を使用した場合でも、体液の吸収量(保持量)を実質的に増やすことができるので、それだけ着用者は安心して使用することができる。
【0013】
さらに、本発明のショーツでは、防水布における当接部のみを吸収体に縫合してあり、当接部と吸収体の周縁部とに形成される縫合部分は防水布の底部と蓋部とで囲繞された空間内に位置するので、吸収体から押し出された液が前記縫合部分にある針穴や縫着糸を伝って外部に漏れるということは確実に防止される。加えて、防水布における当接部以外の部位を吸収体に接合せず、吸収体から遊離させてあるので、防水布を吸収体に接着や圧着する工程が不要で製作の工数低下を図れる上、遊離させた範囲が広い分だけ、防水布に保持された吸収体に余分な負荷が掛かり難く、これにより、吸収体の吸収性能を最大限に発揮させ易くすることができる。
【0014】
請求項2に係る発明のショーツでは、吸収体をショーツ本体から遊離させた状態で保持する防水布の全体をショーツ本体に接合せず、防水布に設けた複数の緩衝部の端部(接合部分)のみを接合し、これにより、防水布において吸収体を覆う部位は複数の緩衝部を介してショーツ本体に接合された状態となっているので、斯かる防水布によって保持された吸収体はその移動の自由度が高くなる。そのため、通常、厚みがそれなりに有り、ショーツを構成する他の材料からすると硬い素材である吸収体(ニードルパンチ不織布等の不織布が主であることが多い)が存在すると、ショーツを着用したときに違和感を覚え易いが、上記のように吸収体の移動自由度が高まる本ショーツでは、上記違和感が軽減され、履き心地が良くなる。
【0015】
請求項3に係る発明のショーツでは、吸収体からしみ出した体液を緩衝部内の空間に貯留することが可能となるので、吸収体から一時的にしみ出した体液が防水布内に収まりきらずに外部に漏れるということを起こり難くすることができ、また、吸収体にその容量を超える体液が流入した場合でも、ある程度は外部に体液を漏らさずに緩衝部内に留めておくことができ、最終的に吸収体に流入した体液の全量を吸収しきれなかった場合でも、体液が外側にしみ出す量を軽減させるとともに、外部へしみ出すまでの時間を遅くすることが可能となる。
【0016】
請求項4に係る発明のショーツでは、緩衝部に高い伸縮性を持たせることで、防水布がいわばハンモックのような機能を持つことになり、これにより、ショーツ着用者の体勢の変化に伴う着用者の所定の部位からの吸収体の位置ずれの防止を図ることができる。
【0017】
請求項5に係る発明のショーツでは、緩衝部の幅を防水布における吸収体を覆う部位側から接合部分側に向けて狭めることで、防水布にいわばハンモックのような機能を持たせることができ、これにより、ショーツ着用者の体勢の変化に伴う着用者の所定の部位からの吸収体の位置ずれの防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(A)及び(B)は、本発明の一実施の形態に係るショーツの正面図及び背面図である。
【
図2】前記ショーツの要部の構成を示す説明図である。
【
図3】(A)~(C)は、前記ショーツの試作品の要部をその正面、背面及び斜めからそれぞれ撮影した写真である。
【
図4】(A)及び(B)は、
図2におけるF4A―F4A線切断端面図及びF4B―F4B線切断端面図である。
【
図5】(A)~(C)は、前記ショーツのそれぞれ異なる変形例の要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0020】
図1(A)及び(B)に示すショーツは、失禁等をケアしたいときや生理中に着用して好適なショーツであり、ショーツ本体1のマチ部2(
図2中段左図、
図3(A)及び(C)も参照)に、
図2上段に示すように、シート状の吸収体3をショーツ本体1から遊離させた状態で保持する防水布4(
図2中段右図参照)を接合して構成してある。なお、
図2上段の図は防水布4が接合された状態のマチ部2の平面図、
図2中段左図は防水布4が取り付けられていない状態のマチ部2の平面図、
図2中段右図は吸収体3を保持する状態の防水布4の平面図、
図2下段左図は吸収体3を保持していない状態の防水布4の平面図(破線は吸収体3が収まる位置を示している)、
図2下段右図は吸収体3の平面図をそれぞれ示す。
【0021】
吸収体3は、尿、経血等の体液(水分)を吸収・保持でき、かつ、洗濯により繰り返し使用できるものであるのが好ましい。本例の吸収体3は、
図5(A)及び(B)に示すように、表側(着用者の肌に触れる側)の層3aと裏側の層3bを持つ2層構造としてあり、表側の層3aは、肌触りが良く、戻り感(裏側の層3bで吸収した水分が肌側に戻ってくる感触)の少ない機能素材(例えば水分が通る多数の隙間(貫通孔等)を有し、かつ、その表面に撥水性を持たせた素材)で形成してあり、裏側の層3bは、尿、経血等の水分の吸収性に優れた素材(例えばニードルパンチ不織布等の不織布)で形成してある。そして、二つの層3a、3bは縫合により一体化されている。
【0022】
防水布4は、
図2、
図4(A)及び(B)に示すように、吸収体3の裏面(下面)全体を覆う平面視略分銅状の底部5と、底部5の周縁(四辺)から中央に向かって延び、吸収体3の表面(上面)の中央部を覆わず周縁部全体を覆う蓋部6と、蓋部6の内側縁から折り返して吸収体3の表面周縁部に当接するように延びる当接部7とを有し、当接部7を吸収体3の周縁部に縫着糸8によって縫合し、防水布4における当接部7以外の部位を吸収体3に縫合せず、吸収体3から遊離させてある。
図3(B)に示すように、防水布4の下面側(ショーツ本体1のマチ部2(表マチ)に接する面側)には、全面に縫合部が存在しない。なお、防水布4の素材には、防水機能を有する適宜のものを選択可能である。
【0023】
このように構成した本例のショーツでは、防水布4で覆わない吸収体3の表面中央部から尿、経血等の体液を吸収体3に吸収させることができる。また、吸収体3をショーツ本体1から遊離させつつ、この吸収体3の表面の周縁部と裏面全体とを防水布4で覆ってあるので、着用者の体勢の変化等により吸収体3に荷重が掛かり、吸収体3から体液がしみ出した場合でも、この体液は防水布4内に留まり、上記荷重が取り除かれれば再度吸収体3に吸収されることになる。そして、斯かる過程が繰り返されることで、吸収体3本来の吸収量に達するまで体液を吸収体3に分散吸収させることができる。そのため、体液が吸収体3の表面中央部の例えば一点に集中的に流入し、この流入直後の時点では吸収体3がその体液の全量を吸収しきれなかった場合でも、吸収体3に吸収されなかった体液は一時的に防水布4内に堰き止められた後、吸収体3において体液が浸透していない部分に徐々に吸収されていくのであり、このように体液を吸収体3全体に分散させて吸収させることができるので、外部への液漏れ防止をも図ることができる。つまり、本例のショーツでは、従来のショーツと同じ大きさ、素材の吸収体3を使用した場合でも、体液の吸収量(保持量)を実質的に増やすことができるので、それだけ着用者は安心して使用することができる。
【0024】
さらに、本例のショーツでは、防水布4における当接部7のみを吸収体3に縫着糸8で縫合してあり、当接部7と吸収体3の周縁部とに形成される縫合部分は防水布4の底部5と蓋部6とで囲繞された空間内に位置するので、吸収体3から押し出された液が前記縫合部分にある針穴や縫着糸8を伝って外部に漏れるということは確実に防止される。加えて、防水布4における当接部7以外の部位を吸収体3に接合せず、吸収体3から遊離させてあるので、防水布4を吸収体3に接着や圧着する工程が不要で製作の工数低下を図れる上、遊離させた範囲が広い分だけ、防水布4に保持された吸収体3に余分な負荷が掛かり難く、これにより、吸収体3の吸収性能を最大限に発揮させ易くすることができる。
【0025】
また、
図2、
図4(B)に示すように、防水布4は、吸収体3を覆う部位(表裏何れかから覆う部位)から相互に逆となる二方向(本例では前後方向)に延び、その延びた先側の端部がショーツ本体1に接合される接合部分(本例では縫着糸9で縫合される縫合部分)10となる複数の緩衝部11を有し(底部5及び蓋部6の一部を緩衝部11としてあり)、防水布4における接合部分10以外の部位をショーツ本体1から遊離させてある。
【0026】
このように本例のショーツでは、吸収体3をショーツ本体1から遊離させた状態で保持する防水布4の全体をショーツ本体1に接合せず、防水布4に設けた複数の緩衝部11の端部(接合部分10)のみを接合し、これにより、防水布4において吸収体3を覆う部位は複数の緩衝部11を介してショーツ本体1に接合された状態となっているので、斯かる防水布4によって保持された吸収体3はその移動の自由度が高くなる(
図3(C)参照)。そのため、通常、厚みがそれなりに有り、ショーツを構成する他の材料からすると硬い素材である吸収体3が存在すると、ショーツを着用したときに違和感を覚え易いが、上記のように吸収体3の移動自由度が高まる本例のショーツでは、上記違和感が軽減され、履き心地が良くなる。
【0027】
また、本例のショーツでは、
図4(B)に示すように、緩衝部11を防水布4において上下二重になっている部分(底部5,蓋部6)で構成し、緩衝部11が吸収体3からしみ出した液を収容可能な空間Sを内部に有するようにしてある。そのため、吸収体3からしみ出した体液を緩衝部11内の空間Sに貯留することが可能となるので、吸収体3から一時的にしみ出した体液が防水布4内に収まりきらずに外部に漏れるということを起こり難くすることができ、また、吸収体3にその容量を超える体液が流入した場合でも、ある程度は外部に体液を漏らさずに緩衝部11内に留めておくことができ、最終的に吸収体3に流入した体液の全量を吸収しきれなかった場合でも、体液が外側にしみ出す量を軽減させるとともに、外部へしみ出すまでの時間を遅くすることが可能となる。
【0028】
本例において、防水布4の緩衝部11は吸収体3よりも高い伸縮性を有することが好ましく、この場合、防水布4がいわばハンモックのような機能を持つことになり、これにより、ショーツ着用者の体勢の変化に伴う着用者の所定の部位からの吸収体3の位置ずれの防止を図ることができる。
【0029】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0030】
上記実施の形態では、吸収体3及び防水布4をショーツ本体1のマチ部2に設けてあるが、これに限らず、吸収体3及び防水布4を設ける位置は、ショーツの用途等に応じて適宜に定めればよい。
【0031】
上記実施の形態では、緩衝部11の幅を略一定としてあるが、
図5(A)に示すように、防水布4における吸収体3を覆う部位側から接合部分10側に近づくにつれてその幅が狭くなるようにしてもよい。この場合も、防水布4にいわばハンモックのような機能を持たせることができ、これにより、ショーツ着用者の体勢の変化に伴う着用者の所定の部位からの吸収体3の位置ずれの防止を図ることができる。
【0032】
上記実施の形態では、防水布4において吸収体3を覆う部位から前後方向に緩衝部11を延ばしてあるが、
図5(B)に示すように、左右方向に緩衝部11を延ばしてもよい。また、
図5(C)に示すように、防水布4において吸収体3を覆う部位から略放射状を描く三以上の方向に向けて緩衝部11を延ばしてもよい。但し、緩衝部11の数を増やし過ぎると吸収体3の移動の自由度が損なわれるので、各緩衝部11の寸法、形状等にもよるが、緩衝部11を四つ以下とするのが好ましい。
【0033】
上記実施の形態では、当接部7を吸収体3の周縁部に縫合してあるが、これに限らず、例えば当接部7と吸収体3の周縁部とを接着や圧着して接合してもよく、あるいは当接部7と吸収体3の周縁部とに面ファスナーを設けて防水布4に吸収体3を着脱自在に装着するようにしてもよい。
【0034】
なお、本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1 ショーツ本体
2 マチ部
3 吸収体
3a 表側の層
3b 裏側の層
4 防水布
5 底部
6 蓋部
7 当接部
8 縫着糸
9 縫着糸
10 接合部分
11 緩衝部
S 空間