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  • 特許-高所作業テーブル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】高所作業テーブル
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/06 20060101AFI20240531BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B66F9/06 M
B66F11/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021152064
(22)【出願日】2021-09-17
(65)【公開番号】P2023044172
(43)【公開日】2023-03-30
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】514167927
【氏名又は名称】株式会社佐藤組
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 周一
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-076286(JP,U)
【文献】特開2001-010798(JP,A)
【文献】特開2001-354400(JP,A)
【文献】実開昭63-180349(JP,U)
【文献】特開2003-104694(JP,A)
【文献】特開昭61-106398(JP,A)
【文献】特開平10-175797(JP,A)
【文献】特開昭59-167497(JP,A)
【文献】特開平09-040382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高所作業機のブーム先端に装着される取付部と、
この取付部に起伏可能に取付けられた起伏部と、
この起伏部に旋回可能に取付けられた旋回部と、
この旋回部に取付けられたテーブル本体と、
前記起伏部を起伏駆動する起伏駆動部と、
前記旋回部を旋回駆動する旋回駆動部と、
エンジンで稼動し、前記起伏駆動部および前記旋回駆動部に電力を供給する発電機と、
を備え、
前記発電機は、前記テーブル本体に設け
前記テーブル本体は、
前記旋回部に取付けられた主テーブルと、
該主テーブルに着脱可能に装着される副テーブルと、
を備え、
該副テーブルは、
前記主テーブルに着脱自在に装着される装着フレームと、
該装着フレームの前記主テーブルの一端側に連接される連絡テーブルと、
該連絡テーブルに連結され、前記主テーブルから所定間隔をあけて平行に延出した右側テーブルおよび左側テーブルと、
前記右側テーブルおよび前記左側テーブルのそれぞれの先端側対向部分に設けられる傾斜部と、
該傾斜部にそれぞれ設けられる可動テーブルと、
を有し、
前記主テーブル、前記連絡テーブル、前記右側テーブルおよび前記左側テーブル上を作業者が移動できる構成とし、
前記可動テーブルは、それぞれ前記主テーブル側が前記右側テーブルおよび前記左側テーブルに軸支され、先端側が前記右側テーブルおよび前記左側テーブルの先端側に収まる退避位置から前記右側テーブルおよび前記左側テーブルの内側と面一になる張出位置まで回動可能に構成した、
ことを特徴とする高所作業テーブル。
【請求項2】
前記起伏駆動部は、前記取付部と前記起伏部との間に架設された伸縮装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の高所作業テーブル。
【請求項3】
前記旋回部は、前記テーブル本体を載置するターンテーブルを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の高所作業テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば風力発電装置のブレードメンテナンスなどに用いられる高所作業テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の高所作業テーブルとしては、種々のものが提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、足場枠に設けた昇降装置とナセル側吊元との間に牽引ロープを設けたゴンドラ装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、作業台を首振りモータにより首振り動させるようにした高所作業車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017―125363号公報
【文献】特開2021-102501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらゴンドラ装置の昇降装置や高所作業車の首振りモータは、ゴンドラや作業台に設けられたバッテリで駆動する構造では駆動時間を長く確保することが困難であり、ゴンドラや作業台の外部から電源ケーブルで導かれた電力によって駆動する構造では電源ケーブルの配設が必要となる。
【0007】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、駆動時間を長く確保することができるとともに外部からの電源ケーブルの配設を不要とすることができる高所作業テーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る高所作業テーブルは、高所作業機のブーム先端に装着される取付部と、この取付部に起伏可能に取付けられた起伏部と、この起伏部に旋回可能に取付けられた旋回部と、この旋回部に取付けられたテーブル本体と、起伏部を起伏駆動する起伏駆動部と、旋回部を旋回駆動する旋回駆動部と、エンジンで稼動し、起伏駆動部および旋回駆動部に電力を供給する発電機とを備え、この発電機は、テーブル本体に設け、このテーブル本体は、旋回部に取付けられた主テーブルと、この主テーブルに着脱可能に装着される副テーブルとを備え、この副テーブルは、主テーブルに着脱自在に装着される装着フレームと、この装着フレームの主テーブルの一端側に連接される連絡テーブルと、この連絡テーブルに連結され、主テーブルから所定間隔をあけて平行に延出した右側テーブルおよび左側テーブルと、これら右側テーブルおよび左側テーブルのそれぞれの先端側対向部分に設けられる傾斜部と、この傾斜部にそれぞれ設けられる可動テーブルとを有し、主テーブル、連絡テーブル、右側テーブルおよび左側テーブル上を作業者が移動できる構成とし、可動テーブルは、それぞれ主テーブル側が右側テーブルおよび左側テーブルに軸支され、先端側が右側テーブルおよび左側テーブルの先端側に収まる退避位置から右側テーブルおよび左側テーブルの内側と面一になる張出位置まで回動可能に構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る高所作業テーブルによれば、駆動時間を長く確保することができるとともに外部からの電源ケーブルの配設を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明に係る高所作業テーブルを装着した高所作業車を示す斜視図。
図2】同高所作業車のブームを伸長させた状態を示す側面図。
図3】同高所作業テーブルを示す側面図。
図4】同高所作業テーブルを示す分解斜視図。
図5】同高所作業テーブルを示す平面図。
図6】同高所作業テーブルの可動テーブルの動作を説明するための平面図。
図7】同高所作業テーブルの作用を説明するための平面図。
図8】同高所作業テーブルの作用を説明するための平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1および図2中、符号1は、高所作業機としての高所作業車を示し、この高所作業車1は車両本体2を備えている。
【0013】
この車両本体2上には、この車両本体2に対して水平に旋回可能な旋回台3が設けられている。
【0014】
この旋回台3には、伸縮可能なブーム4が起伏可能に取付けられている。
【0015】
そして、このブーム4には、高所作業テーブル5が取付可能となっている。
【0016】
すなわち、この高所作業テーブル5は、ブーム4の先端部に装着される取付部6を有している。
【0017】
この取付部6は、図3および図4に示すように、一端部がブーム4の先端部に連結された第1アーム7と、一端がブーム4の先端部に連結され、他端部が第1アーム7の他端部に連結された第2アーム8を有していて、ブーム4の先端部と第1アーム7と第2アーム8とで三角形状に構成されている。
【0018】
第1アーム7と第2アーム8との連結部9には、起伏部10が起伏可能に軸支され、起伏駆動部11によって起伏動されるように構成されている。
【0019】
すなわち、この起伏駆動部11は、一端部が第2アーム8の中途部に連結され、他端部が第2アーム8から延出する第3アーム12を有している。
【0020】
この第3アーム12の他端部と起伏部10の起伏動端部との間には伸縮シリンダ(伸縮装置)13が架設されている。
【0021】
この伸縮シリンダ13は、第1モータ14によって伸縮駆動されるようになっていて、これにより起伏部10が起伏動されるようになっている。
【0022】
そして、この伸縮シリンダ13が図示しない制御部に伸縮駆動制御されることにより起伏部10が起伏動され高所作業テーブル5が水平に維持されるように構成されている。
【0023】
起伏部10には、ターンテーブル15を備えた旋回部16が取付けられている。
【0024】
ターンテーブル15は、起伏部10に固定される固定部17と、この固定部17に支持されて回転する回転部18とを有し、この回転部18は旋回駆動部19によって旋回駆動されるようになっている。
【0025】
旋回駆動部19は、回転部18を駆動する第2モータ20や、この第2モータ20からの駆動力を回転部18に減速して伝達する伝達機構(図示しない。)などを有している。
【0026】
そして、第1モータ14および第2モータ20の電源は、たとえばガソリンエンジンなどで稼動する発電機21から供給されるようになっていて、この発電機21は高所作業テーブル5に設けられている。
【0027】
この高所作業テーブル5は、ターンテーブル15によって旋回するテーブル本体22を有している。
【0028】
このテーブル本体22は、ターンテーブル15の回転部18に取付けられる主テーブル23を備えている。
【0029】
この主テーブル23は、図5にも示すように、長細く形成され、中央部分がターンテーブル15上に載置され、中央部分の両側がターンテーブル15上から張出す大きさとなっている。
【0030】
この主テーブル23には、副テーブル24が着脱可能に取付けられている。
【0031】
副テーブル24は、主テーブル23の底部に長さ方向に沿って挿入され、取付具25…によって着脱可能に装着される装着フレーム26を有している。
【0032】
この装着フレーム26には、主テーブル23の一端側に連接する連絡テーブル27が連結されている。
【0033】
この連絡テーブル27には、主テーブル23の長さ方向に張出すように連接される右側テーブル28および左側テーブル29が連結されている。
【0034】
右側テーブル28および左側テーブル29は、所定間隔を開けて平行に構成されている。
【0035】
そして、主テーブル23、連絡テーブル27、右側テーブル28および左側テーブル29上を作業者が移動できるようになっている。
【0036】
さらに、右側テーブル28および左側テーブル29のそれぞれの先端側対向部分には傾斜部30,30が設けられていて、この傾斜部30,30には、可動テーブル31,31が設けられている。
【0037】
この可動テーブル31,31は、それぞれ主テーブル23側が右側テーブル28および左側テーブル29に軸支され、先端側が右側テーブル28および左側テーブル29の先端側に収まる退避位置から右側テーブル28および左側テーブル29の内側と面一になる張出位置まで回動可能に構成されている。
【0038】
主テーブル23には、上述の発電機21の他に操作盤32などが設けられている。
【0039】
この発電機21は、主テーブル23の中央部外側、すなわち、ターンテーブル15の近傍に設けられている。
【0040】
操作盤32は、主テーブル23の内側で発電機21の近傍に設けられている。
【0041】
しかして、図7および図8に示すように、たとえば風力発電装置33のブレード34のメンテナンスを行う場合は、操作盤32を操作して高所作業テーブル5の高さや水平位置を制御し、ブレード34の両側に右側テーブル28および左側テーブル29を位置させる。
【0042】
すなわち、ブレード34の先端側の細い部分のメンテナンスは、図7に示すように、ブレード34の細い部分が右側テーブル28および左側テーブル29間の奥側すなわち主テーブル23に近い側に位置するようにする。
【0043】
また、ブレード34の基端側の太い部分のメンテナンスは、図8に示すように、可動テーブル31,31を右側テーブル28および左側テーブル29内に退避させて右側テーブル28および左側テーブル29の間隔を広くし、ブレード34の太い部分が右側テーブル28および左側テーブル29の先端側間すなわち傾斜部30,30間に位置するようにする。
【0044】
以上の構成によれば、起伏部10を起伏動してテーブル本体22を水平に維持する伸縮シリンダ13用の第1モータ14およびターンテーブル15用の第2モータ20などの電源は、テーブル本体22に設けられた発電機21によって供給するようにしたので、バッテリ駆動と比べ駆動時間を長く確保することができるとともに外部からの電源ケーブルの配設を不要とすることができる。
【0045】
また、右側テーブル28および左側テーブル29の先端側に可動テーブル31,31を設けたので、ブレード34の太さが異なってもメンテナンスを良好に行うことができる。
【0046】
さらに、副テーブル24は主テーブル23に着脱可能に設けたので、主テーブル23は単独で使用することができる。
【0047】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0048】
すなわち、本発明に係る高所作業テーブルは、高所作業機のブーム先端に装着される取付部と、この取付部に起伏可能に取付けられた起伏部と、この起伏部に旋回可能に取付けられた旋回部と、この旋回部に取付けられたテーブル本体と、起伏部を起伏駆動する起伏駆動部と、旋回部を旋回駆動する旋回駆動部と、エンジンで稼動し、起伏駆動部および旋回駆動部に電力を供給する発電機とを備え、この発電機は、テーブル本体に設け、このテーブル本体は、旋回部に取付けられた主テーブルと、この主テーブルに着脱可能に装着される副テーブルとを備え、この副テーブルは、主テーブルに着脱自在に装着される装着フレームと、この装着フレームの主テーブルの一端側に連接される連絡テーブルと、この連絡テーブルに連結され、主テーブルから所定間隔をあけて平行に延出した右側テーブルおよび左側テーブルと、これら右側テーブルおよび左側テーブルのそれぞれの先端側対向部分に設けられる傾斜部と、この傾斜部にそれぞれ設けられる可動テーブルとを有し、主テーブル、連絡テーブル、右側テーブルおよび左側テーブル上を作業者が移動できる構成とし、可動テーブルは、それぞれ主テーブル側が右側テーブルおよび左側テーブルに軸支され、先端側が右側テーブルおよび左側テーブルの先端側に収まる退避位置から右側テーブルおよび左側テーブルの内側と面一になる張出位置まで回動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0049】
上記本発明は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。該実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
【0050】
(1)起伏駆動部は、取付部と起伏部との間に架設された伸縮装置を備える。
(2)旋回部は、テーブル本体を載置するターンテーブルを備える
【符号の説明】
【0051】
1 高所作業機(高所作業車)
4 ブーム
5 高所作業テーブル
6 取付部
10 起伏部
11 起伏駆動部
13 伸縮装置(伸縮シリンダ)
15 ターンテーブル
16 旋回部
19 旋回駆動部
21 発電機
22 テーブル本体
23 主テーブル
24 副テーブル
28 右側テーブル
29 左側テーブル
30 傾斜部
31 可動テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8