(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】タロットカード解説書
(51)【国際特許分類】
B42D 15/00 20060101AFI20240531BHJP
A63F 9/06 20060101ALI20240531BHJP
B42F 21/02 20060101ALI20240531BHJP
A63F 1/06 20060101ALN20240531BHJP
【FI】
B42D15/00 321E
A63F9/06
B42D15/00 321Z
B42F21/02 B
A63F1/06 Z
(21)【出願番号】P 2023147251
(22)【出願日】2023-09-11
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】523347316
【氏名又は名称】高橋 千恵
(74)【代理人】
【識別番号】100147393
【氏名又は名称】堀江 一基
(72)【発明者】
【氏名】高橋 千恵
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-141013(JP,A)
【文献】登録実用新案第3099271(JP,U)
【文献】登録実用新案第3020808(JP,U)
【文献】実開昭58-29477(JP,U)
【文献】実開平4-71278(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-25/485
A63F 1/06- 1/18
A63F 9/06- 9/12
B42F 21/02
B42F 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードの意味について説明したタロットカード解説書であって、
前記カードデッキを構成する所定のタロットカードのそれぞれに対応する所定のページを有し、
前記所定のページは、対応する前記所定のタロットカードをそれのみで特定できる固有番号を表記しており小口部分に形成されるインデックスと、前記固有番号により特定される前記所定のタロットカードの占いにおける意味の解説を表記した解説表記部と、を有
し、
前記カードデッキを構成する所定のタロットカードのそれぞれに対応する前記固有番号が表記されており対応する所定のタロットカードに貼着可能な固有番号シールを有するタロットカード解説書。
【請求項2】
前記カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードに対応する少なくとも78の前記固有番号は、連続しており抜けのない通し番号になっており、前記所定のページは前記通し番号順にならんでいることを特徴とする請求項1に記載のタロットカード解説書。
【請求項3】
前記所定のページにおける前記インデックスおよび前記解説表記部の表記の向きが、前記小口部分を上下に開く縦開きにした際に正しく読める向きであることを特徴とする請求項1に記載のタロットカード解説書。
【請求項4】
前記所定のページがリング綴じ方式により綴じられていることを特徴とする請求項1に記載のタロットカード解説書。
【請求項5】
前記カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードに対応する少なくとも78の前記固有番号は、アラビア数字で表記されていることを特徴とする請求項1に記載のタロットカード解説書。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タロットカード解説書およびタロットカード占い方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タロットカード占いは、合計78枚のタロットカードから構成されるカードデッキ(一部のカードのみを使用する場合もある)を用いた占いであり、世界各国で人気のある占いである。各タロットカードは、それぞれが異なる意味を有しており、また、そのタロットカードが引かれた向きが正位置か逆位置かによっても意味が変化するため、タロットカード占いは、多様でストーリ性の高い占いを提供することができる。
【0003】
ここで、タロットカード占いを行う占い師は、従来の一般論としては、タロットカードの意味を事前に理解しておく必要があると言われている。しかしながら、タロットカード占いはカードデッキを構成するタロットカードの枚数が多く、しかもその意味が抽象的であるため、タロットカードの意味と、その具体的な占いへの適用を完全に記憶しておくのには、時間と労力が必要である。また、タロットカードの意味を解説した従来の解説書は、引かれたカードに対応するページを開くのに手間がかかり、占い師が占いの現場で使用すると占いの雰囲気を損ねる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】1枚から占える未来がわかる完全版タロット占い, 主婦の友社, ISBN-13 978-4074533688
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、必要な情報をスムーズに得ることができ、占いの現場で使用するのに適したタロットカード解説書等に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るタロットカード解説書は、
カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードの意味について説明したタロットカード解説書であって、
前記カードデッキを構成する所定のタロットカードのそれぞれに対応する所定のページを有し、
前記所定のページは、対応する前記所定のタロットカードをそれのみで特定できる固有番号を表記しており小口部分に形成されるインデックス(爪ともいう)と、前記固有番号により特定される前記所定のタロットカードの占いにおける意味の解説を表記した解説表記部と、を有する。
【0007】
従来のタロット占いのカードデッキを構成するタロットカードは、図柄のみ(カードの名称を文字表記してあるものを含む)、または図柄と部分的な番号によってカードを特定することが可能であるものの、カードをそれのみで特定する固有の番号を表記していない。一方、本発明に係るタロットカード解説書は、少なくとも78枚のタロットカードに対して、各カードをそれのみで特定できる固有番号を与えたうえで、対応するカードの意味を表記した所定ページに固有番号を表記した切り込みインデクスを形成している。これにより、このような解説書を用いる占い師は、占いの現場で、引かれたカードに対応するページを素早く開くことが可能となり、占いの雰囲気を損ねることがない。したがって、このようなタロットカード解説書は、占い師が占いの現場で使用するのに適している。また、このようなタロットカード解説書を用いることで、タロットカードの意味を完全に記憶していない人でも、必要な情報をスムーズに得ることができ、適切なコミュニケーション空間を維持しながらタロット占いを行うことが可能である。
【0008】
また、たとえば、本発明に係るタロットカード解説書は、前記カードデッキを構成する所定のタロットカードのそれぞれに対応する前記固有番号が表記されており対応する所定のタロットカードに貼着可能な固有番号シールを有してもよい。
【0009】
このような固有番号シールを有していれば、事前に固有番号シールを使用するタロットカートに貼り付けておくことにより、引かれたタロットカードの固有番号を簡単に認識することができる。
【0010】
また、たとえば、前記カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードに対応する少なくとも78の前記固有番号は、連続しており抜けのない通し番号になっており、前記所定のページは前記通し番号順にならんでいてもよい。
【0011】
このような固有番号の与え方をしていることにより、引かれたカードに対応するページをより素早く開くことが可能となる。
【0012】
また、たとえば、前記所定のページにおける前記インデックス、前記解説表記部の表記の向きが、前記小口部分を上下に開く縦開きにした際に正しく読める向きであってもよい。
【0013】
このような縦開きのタロットカード解説書は、占い師が占いの現場で使用する際に、占いを受ける人(カードを引く人)に対して各ページの表記が見えにくい状態で解説書を開くことができる。したがって、このようなタロットカード解説書は、占い師の言葉を待つ間に占いを受ける人の注意が散漫になることを防止することができ、占い師が占いの現場で使用するのに適している。
【0014】
また、たとえば、前記所定のページがリング綴じ方式により綴じられていてもよい。
【0015】
リング綴じ方式のタロットカード解説書は、所定のページを開きやすく、また、所定のページを開いた状態に維持することも容易である。したがって、このようなタロットカード解説書は、たとえば一度の占いにおいて複数のタロットカードを引く場合において、特に好適に使用できる。
【0016】
また、たとえば、前記カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードに対応する少なくとも78の前記固有番号は、アラビア数字で表記されていてもよい。
【0017】
アラビア数字は日常的に頻繁に使用されている数字であり識別が容易であるため、このような表記の固有番号を使用することで、引かれたカードに対応するページをより素早く開くことが可能となる。
【0018】
また、たとえば、本発明に係るタロットカード占い方法は、カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードであって、所定のタロットカードをそれのみで特定できる固有番号が各タロットカードに表記してあるものを準備するステップと、
前記カードデッキを構成する所定のタロットカードのそれぞれに対応する所定のページを有し、前記所定のページは、前記固有番号に対応するインデックスと、前記固有番号により特定される前記所定のタロットカードの占いにおける意味の解説を表記した解説表記部と、を有するタロットカード解説ツールを準備するステップと、
占いにおいて選択された所定のタロットカードに表記された前記固有番号を認識し、前記タロットカード解説ツールにおける前記インデックスと前記固有番号の表記とを対応づけ、占いにおいて選択された前記所定のタロットカードに対応する前記所定のページを開くステップと、を実行する。
【0019】
このようなタロットカード占い方法によれば、すべてのタロットカードの意味を完全に記憶していなくても、雰囲気を損ねることなくタロット占いを行うことが可能である。また、このような占い方法によれば、占い師は、占いの現場で、引かれたカードに対応するページを素早く開くことが可能となり、占いの雰囲気を損ねることがない。なお、このようなタロットカード占い方法は、固有番号を認識する入力部、タロットカードや所定のページを電子的に表示する表示部、演算部および記憶部等を有する電子計算機器によって実行することが可能であり、その場合も同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係るタロットカード解説書における固定番号シールページを開いた状態を示す概念図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す固定番号シールをタロットカードに貼り付けた状態を示す概念図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すタロットカード解説書における所定のページの第1の例を開いた状態を示す概念図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すタロットカード解説書における所定のページの第2の例を開いた状態を示す概念図である。
【
図5】
図5は、
図1に示すタロットカード解説書における所定のページの第3の例を開いた状態を示す概念図である。
【
図6】
図6は、
図1に示すタロットカード解説書におけるしおりページを開いた状態を示す概念図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態に係るタロットカード解説書における所定のページの第4の例を開いた状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態に係るタロットカード解説書10における固有番号シールページ30を開いた状態を示す概念図である。タロットカード解説書10は、タロット占いにおいてカードデッキを構成する少なくとも78枚(タロットカードは通常は78枚で1セット)のタロットカードについて、それぞれのタロット―カードの占いでの意味について解説している。
【0022】
図1に示すように、タロットカード解説書10は、たとえば表紙11と後述する所定のページ20との間などに、固有番号シール31、32、33を有する固有番号シールページ30を有する。固有番号シールページ30は、タロット占いのカードデッキを構成する所定のタロットカード70(
図2参照)のそれぞれに対応する固有番号21b、22b、23bが記載されており対応する所定のタロットカード70(タロットカード71~73)に貼着可能な固有番号シール31、32、33を有する。
【0023】
図2は、
図1に示すタロットカード解説書10を用いるタロット占いで使用するカードデッキを構成する78枚のタロットカードのうち3枚を例示した概念図である。ここで、タロット占いのカードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードには、タロットカードのタイプ(ウェイト版、マルセイユ版など)などに応じて若干の違いはあるものの、それぞれカードの名称(愚者、吊り人、カップの2など)が定められている。また、タロットカードの図柄には、そのカードの名称などに関連する一定の法則性がある(たとえば「カップの2」のカードには2つのカップが描かれる)ものの、具体的な描写については多種多様なバリエーションが存在する。
【0024】
すなわち、タロットカードは、タロット占いについて豊富な知識や経験を有する者であれば、その図柄を注意深く観察すれば、たとえ初見であっても、そのタロットカードが78枚のタロットカードのうちどのカードであるかを理解可能である。しかしながら、タロット占いについての知識が不十分であったり、使い慣れていないカードであったりする場合などにおいて、特定のタロットカードがどのカードであるかを即座に認識することが難しい場合がある。
【0025】
また、カードデッキを構成する78枚のタロットカードは、大アルカナなどと呼ばれる22枚のグループや、小アルカナの数札のように、部分的な番号が与えられているものが存在する。しかし、タロットカードのなかには、小アルカナの人物札のように番号が与えられてないカードもあり、従来のタロットカードは、カードをそれのみで特定する固有の番号を表記していない。このことは、カードデッキを構成するカードの多さや図柄の描写の自由さと相まって、特定のタロットカードがどのカードであるかを即座に認識することを困難にしている。
【0026】
そこで、本発明に係るタロットカード解説書10では、カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードに対して、対応する所定のタロットカードをそれのみで特定できる固有番号を与え、それを対応ページのインデックス21a、21b(
図1等参照)に表示している。
図1に示す固有番号シール31、32、33を含む77枚の固有番号シールは、
図2に示すように、タロットカード解説書10が与える固有番号に対応する所定のタロットカード71、72、73に対して貼り付けて使用する。タロットカード解説書10を用いたタロット占いを行う際、使用するタロットカードに対して事前に固有番号シール31、32、33を貼着しておくことにより、占いにおいて引かれたタロットカード71、72、73の固有番号を、占い師が即座に認識できる。
【0027】
図1に示すように、固有番号シール31、32、33は、カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードに対して、それぞれ準備されている。固有番号シール31、32、33の裏面には糊が付着しており、それぞれ台紙から剥がして使用することができる。
図2に示される固有番号シール31、32、33以外の他の固有番号シールについても、タロットカード解説書10の所定のページ20においてインデックスに表記される固有番号を参照し、各タロットカードに対応する固有番号シールを貼っておく。
【0028】
タロットカード解説書10は、タロット占いのカードデッキを構成する78のタロットカードのそれぞれに対応する所定のページ20を有する。
図3は、
図1に示すタロットカード解説書10における所定のページ20の第1の例である「愚者のカード」の解説ページ21を開いた状態を示す概念図である。
図3に示すように、「愚者のカード」の解説ページ21は、対応する所定のタロットカードである「愚者のカード」71(
図2参照)をそれのみで特定できる固有番号21bを表記するインデックス(爪ともいう)21aを有する。インデックス21aは、タロットカード解説書10の小口部分12に形成される。
【0029】
また、
図3に示すように、所定のページ20の第1の例である「愚者のカード」の解説ページ21は、固有番号21bにより特定される所定のタロットカード70である「愚者のカード」71の占いにおける意味の解説を表記した解説表記部21dを有する。解説表記部21dには、「愚者のカード」71の意味を象徴する「キーワード」や、正位置で引かれた時の意味である「正位置の意味」や、逆位置で引かれた時の意味である「逆位置の意味」などが表記されている。
【0030】
また、
図3に示すように、「愚者のカード」の解説ページ21には、固有番号21bにより特定される所定のタロットカードである「愚者のカード」71の名称を表記した名称表記部21cや、固有番号21bにより特定される所定のタロットカードの図柄の例を表記するカード図柄例表記部21eなどを有する。なお、
図3に示すカード図柄例表記部21eに示す図柄は、
図2に示す「愚者のカード」71の図柄の一例にすぎず、使用するタロットカードの具体的な図柄は、タロットカード解説書10のカード図柄例表記部21eに示す図柄と異なるものであってもよい。タロットカード解説書10を使う占い師は、任意の図柄のタロットカードを、タロットカード解説書10と組み合わせて使用することができる。
【0031】
図4は、
図1に示すタロットカード解説書10における所定のページ20の第2の例である「吊し人のカード」の解説ページ22を開いた状態を示す概念図である。
図4に示すように、「吊し人のカード」の解説ページ22は、「愚者のカード」の解説ページ21と同様に、「吊し人のカード」72(
図2参照)をそれのみで特定できる固有番号22bを表記するインデックス22aを有する。インデックス22aは、隣接するページのインデックスとは位置をずらして、タロットカード解説書10の小口部分12に形成される。
【0032】
また、
図4に示すように、「吊し人のカード」の解説ページ22には、「愚者のカード」の解説ページ21と同様に、固有番号22bにより特定される所定のタロットカードである「吊し人のカード」72の占いにおける意味の解説を表記した解説表記部22dや、「吊し人のカード」72の名称を表記した名称表記部22cや、「吊し人のカード」72の図柄の例を表記するカード図柄例表記部22eなどを有する。
【0033】
図5は、
図1に示すタロットカード解説書10における所定のページ20の第3の例である「カップの2のカード」の解説ページ23を開いた状態を示す概念図である。
図5に示すように、「カップの2のカード」の解説ページ23は、「愚者のカード」の解説ページ21と同様に、「カップの2のカード」73(
図2参照)をそれのみで特定できる固有番号23bを表記するインデックス23aを有する。インデックス23aは、隣接するページのインデックスとは位置をずらして、タロットカード解説書10の小口部分12に形成される。
【0034】
また、
図5に示すように、「カップの2のカード」の解説ページ23には、「愚者のカード」の解説ページ21と同様に、固有番号23bにより特定される所定のタロットカードである「カップの2のカード」73の占いにおける意味の解説を表記した解説表記部23dや、「カップの2のカード」73の名称を表記した名称表記部23cや、「カップの2のカード」73の図柄の例を表記するカード図柄例表記部23eなどを有する。
【0035】
タロットカード解説書10は、
図2に示すタロットカード71~73以外の他のタロットカードについても、
図3~
図4に示す解説ページ21~23と同様の解説ページを有する。
【0036】
図3~
図5に示すように、タロットカード解説書10では、解説ページ21~23で例示される所定のページ20におけるインデックス21a~23aおよび解説表記部21d~23dの表記の向きが、小口部分12を上下に開く縦開きにした際に正しく読める向きであり、タロットカード解説書10は縦開きになっている。このようなタロットカード解説書10では、占いの現場において占い師がタロットカード解説書10を開く際、表紙11などで占いを受ける人の視線を遮りながら、所定のページ20を開くことが可能である。したがって、このようなタロットカード解説書10は、占い師の言葉を待つ間に占いを受ける人の注意が散漫になることを防止することができ、占い師が占いの現場で使用するのに適している。
【0037】
また、タロットカード解説書10では、解説ページ21~23で例示される所定のページ20が綴じリング14を用いたリング綴じ方式により綴じられている。リング綴じ方式のタロットカード解説書10は、所定のページ20を開きやすく、また、所定のページ20を開いた状態に維持することも容易である。したがって、このようなタロットカード解説書10は、たとえば一度の占いにおいて複数のタロットカードを引く場合において、特に好適に使用できる。ただし、タロットカード解説書10は、接着で閉じる無線綴じや、本の中心を針金で綴じる平綴じや、糸で綴じるミシン綴じなど、リング綴じ以外の方式で綴じられていてもよい。
【0038】
また、
図3~
図5に示すように、タロットカード解説書10では、カードデッキを構成する78枚のタロットカードに対して、「0」~「77」の固有番号21b、22b、23bを与えている。このように、タロットカード解説書10では、カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードに対応する少なくとも78の固有番号は、連続しており抜けのない通し番号になっている。また、
図3~
図5に示すように、各所定のページ20は、通し番号順にならんでいる。さらに、インデックス21a~23aに表記される固有番号21b~23bは、アラビア数字で表記されている。このようなタロットカード解説書10では、引かれたカードに対応するページをより素早く開くことが可能となる。
【0039】
ただし、所定のページに表記する固有番号としては、タロットカード解説書10に示すもののみには限定されず、上述した例とは異なる番号を各タロットカードに付与していてもよい。たとえば、タロットカード解説書10の例では、固有番号「0」~「21」については「大アルカナ」のタロットカードにギリシャ数字などで表記される数に一致するが、固有番号とタロットカードの部分的な番号は、必ずしも一致させる必要はない。また、固有番号の表記も、アラビア数字のみには限定されず、他の数字による表記、数字と記号とを組み合わせた表記であっても、タロットカードを素早く特定できるものであれば、表記の形式は任意である。
【0040】
図6は、
図1に示すタロットカード解説書10におけるしおりページ41を開いた状態を示す概念図である。
図6に示すように、タロットカード解説書10はしおりページ41を有しており、しおりページ41には、占いで引かれたタロットカードに対応する解説が記載された所定のページに挟むことができる複数のしおり42が収納されている。それぞれのしおり42は、「過去」、「現在」、「近い未来」、「対策」、「本心」、「環境」、「結論」など、互いに異なる言葉が記載されている。これらの言葉は、タロットカード占いにおいて、あるカードで占う対象として頻繁に使用されるものを示している。
【0041】
複数のしおり42としては、たとえば貼ってはがせる糊がついていたり、マグネットを有していたりすることにより、所定のページ20から脱落を防止する機能を有していてもよい。
【0042】
占い師がタロットカード解説書10を用いてタロットカード占いを行う場合、たとえば以下のような手順で行うことができる。まず、タロット占いに使用するカードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードに対して、
図1に示す固有番号シールを、
図2に示すように対応するタロットカード(図柄面)に貼り付ける。これにより、所定のタロットカードをそれのみで特定できる固有番号21b~23bが各タロットカードに表記してあり、カードデッキを構成する78枚のタロットカードが準備される。
【0043】
また、占い師は、カードデッキを構成する所定のタロットカード70のそれぞれに対応しており所定のタロットカード70の占いにおける意味の解説を表記した所定のページ20を有するタロットカード解説ツールとしてのタロットカード解説書10を準備する。
図3~
図5に示すように、タロットカード解説書10のそれぞれの解説ページ21、22、23は、固有番号21b~23bに対応するインデックス21a、22a、23aを有する。
【0044】
次に、占い師は、カードデッキを構成する78枚のタロットカードのうちいずれかを占いを受ける者に選択させ、占いにおいて選択された所定のタロットカード70に表記された固有番号21b~23bを認識する。さらに、占い師は、タロットカード解説書10におけるインデックスと選択された所定のタロットカード70に表記された固有番号21b~23bの表記とを対応づけ、占いにおいて選択された所定のタロットカード70に対応する所定のページ20を開く。占い師は、所定のページ20の記載内容から占いにおいて選択された所定のタロットカード70の意味を理解し、占いを受ける者に対して、占いの結果を告げることができる。
【0045】
このように、タロットカード解説書10は、少なくとも78枚のタロットカード70に対して、各カードをそれのみで特定できる固有番号21b~23bを与えたうえで、対応するカードの意味を表記した各解説ページ21~23の小口部分12に、固有番号21b~23bを表記した切り込みインデクスを形成している。これにより、このようなタロットカード解説書10を用いる占い師は、占いの現場で、引かれたカードに対応するページを素早く開くことが可能となり、解説書を見ながら占いを行った場合でも、占いの雰囲気を損ねることがない。したがって、このようなタロットカード解説書10は、占い師が占いの現場で使用するのに適している。また、このようなタロットカード解説書10を用いることで、タロットカードの意味を完全に記憶していなくても、雰囲気を損ねることなくタロット占いを行うことが可能である。
【0046】
また、タロットカード占いは、従来のように記憶に頼って行う場合には、タロットカード78枚の正位置と逆位置の意味である156通りの意味を記憶する必要がある。しかし、タロットカード解説書10を用いることにより、記憶に頼らず、短い習得時間で、簡単にタロット占いを行うことができるので、占いに関する専門的な知識がなくても、手軽に多くの人がタロット占いを行うことを可能とする。
【0047】
以上のように、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上述した実施形態のみには限定されず、多くの他の実施形態や変形例が本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。たとえば、
図1および
図3~
図6に示すタロットカード解説書10では、1枚のタロットカードの解説が1ページ毎に割り振られているが、1枚のタロットカードの解説が複数ページに渡って記載されていたり、複数枚のタロットカードの解説が1ページにまとめて記載されたりしてもかまわない。
【0048】
また、タロットカード解説書10では、所定のページ21~23における見開き下側部分21gに解説表記部21d~23d等が配置されており、見開き上側部分21fはブランクになっているが、タロットカードの解説表記部21d~23dは、見開き上側部分21fのみまたは、見開き上側部分21fおよび見開き下側部分21gの両方に配置されていてもかまわない。
【0049】
図7は、本発明の第2実施形態に係るタロットカード解説書110における所定のページの第4の例である「愚者のカード」の解説ページ121を開いた状態を示す概念図である。
図7に示すように、タロットカード解説書110では、対応する所定のタロットカードである「愚者のカード」71(
図2参照)の解説が、見開き上側部分121fと見開き下側部分121gの両方に記載されている。
【0050】
見開き上側部分121fには、「愚者のカード」71の名称を表記した名称表記部121cや、「愚者のカード」71の図柄の例を表記するカード図柄例表記部121eなどが配置される。また、見開き下側部分121gには、「愚者のカード」71(
図2参照)を特定する固有番号21bを表記するインデックス21aが配置されている。
【0051】
図7に示すように、「愚者のカード」の解説ページ121では、「愚者のカード」71の占いにおける意味の解説を表記した解説表記部121dが、見開き上側部分121fと見開き下側部分121gとに跨って記載されている。見開き上側部分121fには、対応する所定のタロットカードである「愚者のカード」71の意味を象徴する「キーワード」121ddや、「愚者のカード」71のカード自体の意味121daなどが記載されている。
【0052】
一方、見開き下側部分121gには、「愚者のカード」71の「正位置の意味」121dbと「逆位置の意味」121dcとが、ページの左側と右側とに分けて記載してある。さらに、「正位置の意味」121dbと「逆位置の意味」121dcのそれぞれについて、「全体運」、「恋愛」のような占い目的別の解説である占い目的別解説(正位置)121db1および占い目的別解説(逆位置)121dc1が記載されている。このように、目的別解説を設けて、正位置と逆位置に分けて配置することにより、タロットカード解説書110を使用する占い師は、知りたい情報を迅速に読み取ることが可能となる。
【0053】
また、タロットカード解説書110は、綴じ部分の左端部と右端部とに、それぞれ複数のしおりひも(スピンともいう)117、118が取付けられている。たとえば、左側のしおりひも117は、正位置で引かれたタロットカードの解説ページの目印として使用し、右側のしおりひも118は、逆位置で引かれたタロットカードの解説ページの目印として使用するなどの使い分けが可能である。
【0054】
第2実施形態に係るタロットカード解説書110は、所定のカードの解説が、見開き上側部分121fと見開き下側部分121gの両方に記載されている点と、しおりひも117、118を有する点でタロットカード解説書10とは異なるが、その他の点ではタロットカード解説書10と同様である。タロットカード解説書110は、タロットカード解説書10との共通点については、タロットカード解説書10と同様の効果を奏する。
【0055】
なお、本発明に係るタロットカード占い方法は、占い師がタロットカード解説書10、110を用いて行うことも可能であるが、スマートフォンやパソコンなどの表示部、演算部および記憶部等を有する電子計算機によって実行することも可能である。この場合、タロットカードやタロットカードの解説ページの表記や所定のページを開くステップは電子計算機の表示部および演算部等により実行される。また、固有番号に対応するインデックスは、電子計算機によって認識されるコード等で構成される。
【符号の説明】
【0056】
10、110…タロットカード解説書
11…表紙
12…小口部分
14…綴じリング
20…所定のページ
21、121…「愚者のカード」の解説ページ
21a、22a、23a…インデックス
21b、22b、23b…固有番号
21c、22c、23c、121c…名称表記部
21d、22d、23d、121d…解説表記部
21e、22e、23e、121e…カード図柄例表記部
21f、121f…見開き上側部分
21g、121g…見開き下側部分
22…「吊し人のカード」の解説ページ
23…「カップの2のカード」の解説ページ
30…固有番号シールページ
31、32、33…固有番号シール
42…しおり
41…しおりページ
70…所定のタロットカード
71…「愚者のカード」
72…「吊し人のカード」
73…「カップの2のカード」
117、118…しおりひも
121da…カード自体の意味
121db…正位置の意味
121db1…占い目的別解説(正位置)
121dc…逆位置の意味
121dc1…占い目的別解説(逆位置)
121dd…キーワード
【要約】
【課題】知識の無い人でも必要な情報をスムーズに得ることができ、占いの現場で使用するのに適したタロットカード解説書等を提供する。
【解決手段】カードデッキを構成する少なくとも78枚のタロットカードの意味について説明したタロットカード解説書であって、前記カードデッキを構成する所定のタロットカードのそれぞれに対応する所定のページを有し、前記所定のページは、対応する前記所定のタロットカードをそれのみで特定できる固有番号を表記しており小口部分に形成されるインデックスと、前記固有番号により特定される前記所定のタロットカードの占いにおける意味の解説を表記した解説表記部と、と有するタロットカード解説書。
【選択図】
図3