(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】固体ビーム・ルーティングのための方法、及び光リサイクルのための方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20240531BHJP
B29C 64/264 20170101ALI20240531BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240531BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240531BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20240531BHJP
【FI】
B29C64/393
B29C64/264
B33Y10/00
B33Y50/02
B29C64/153
(21)【出願番号】P 2023000351
(22)【出願日】2023-01-05
(62)【分割の表示】P 2019561168の分割
【原出願日】2018-05-11
【審査請求日】2023-01-26
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517405068
【氏名又は名称】シューラット テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】SEURAT TECHNOLOGIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】デムス,ジェイムズ エー.
(72)【発明者】
【氏名】リード,フランシス エル.
(72)【発明者】
【氏名】トゥームレ,エリック
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-026616(JP,A)
【文献】特開2015-182413(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0120518(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間的角度光弁に接続されたコントローラにより指示された角度を通して2次元パターン化された光ビームを案内することによって、前記空間的角度光弁を通して前記2次元パターン化された光ビームをタイルの連続として粉末ベッド上に案内することを含み、
前記コントローラにより指示された前記角度を通して前記2次元パターン化された光ビームを案内することは、前記角度に時間変化する変化を引き起こす前記空間的角度光弁内の液晶の時間変化する広がり回転を引き起こすように、前記空間的角度光弁に光パターンを加えることを含み、
前記光パターンは、
光強度が前記空間的角度光弁にわたって横方向に繰り返し変化す
る、
固体ビーム・ルーティングのための方法。
【請求項2】
前記空間的角度光弁により、電圧、電流、熱、音、光、電界、磁界、化学反応、量子スピン変化、エネルギー、または機械の少なくとも1つであるように選択された付加光学アドレス・パターンおよび刺激に応じて、所定の角度を通して前記2次元パターン化された光ビームを案内することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空間的角度光弁により、前記2次元パターン化された光ビームのパターンを変更することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記空間的角度光弁により、刺激に応じて前記2次元パターン化された光ビームの光を異なる方向に出力先変更するように配置された複数個の別個の区画を画定することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記空間的角度光弁により、前記付加光学アドレス・パターンに応じて前記2次元パターン化された光を異なる方向にパターン化および出力先変更するように配置された複数個の別個の区画を画定することをさらに含み、前記2次元パターン化された光ビームの得られるパターンが直線偏向の重畳の1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記空間的角度光弁は、フーリエ光学部の間に位置決めされ、刺激に応じて前記2次元パターン化された光ビームの光を異なる方向にパターン化および出力先変更するように配置された複数個の別個の区画を画定し、任意のパターンを形成することができる、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記空間的角度光弁が前記角度に前記時間変化する変化を引き起こすプリズムとして機能するように、前記コントローラにより、前記空間的角度光弁に前記光パターンを加えることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記空間的角度光弁を前記角度に前記時間変化する変化を引き起こす前記プリズムとして機能させて前記時間変化する広がり回転を引き起こすために、前記コントローラにより、前記空間的角度光弁にわたって繰り返されるストライプパターンを加えることによって、前記空間的角度光弁に前記光パターンを加えることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
光弁により、1つまたは複数の光源により射出された1つまたは複数の光ビームに応じて、前記光弁によって通過される第1の正の光パターン、および前記光弁によって拒絶された光の第2の負の光パターンを生成することと、
複数の固体ビーム切換ユニットの少なくとも1つの固体ビーム切換ユニットが、電圧、電流、熱、音、光、電界、磁界、化学反応、量子スピン変化、エネルギー、または機械の少なくとも1つであるように選択された付加光学アドレス・パターンおよび刺激に応じて、角度を通して前記第1の正の光パターンおよび前記第2の負の光パターンの一方を案内するように、前記複数の固体ビーム切換ユニットにより、前記第1の正の光パターンおよび前記第2の負の光パターンを受けて案内することと、
前記光弁に接続されたコントローラにより、前記角度に時間変化する変化を引き起こす前記光弁内の液晶の時間変化する広がり回転を引き起こすように、前記光弁に光パターンを加えることによって前記角度を指示することであって、前記光パターンは、
光強度が前記光弁にわたって横方向に繰り返し変化す
ることと、を含む、
光リサイクルのための方法。
【請求項10】
前記複数の固体ビーム切換ユニットの少なくとも1つにより、前記第1の正の光パターンおよび前記第2の負の光パターンの一方のパターンを変更することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
光パターン強度、光パターン配向、および光パターン寸法の少なくとも1つを変換することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の正の光パターンおよび前記第2の負の光パターンを、少なくとも部分的に組み合わることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の固体ビーム切換ユニットの少なくともいくつかが、切換階層内に配置されている、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の固体ビーム切換ユニットの少なくともいくつかが、二値ツリー切換階層内に配置されている、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の正の光パターンおよび前記第2の負の光パターンを生成することが、前記複数の固体ビーム切換ユニットの少なくとも1つの固体ビーム切換ユニットを通して通過され、粉末ベッドで受けられる場合に、前記光弁により、空間的および角度電力密度内容の両方を保存することを含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願へのクロスリファレンス
本開示は、全体を本明細書に援用する、2017年5月11日出願の米国特許出願第62/504,853号の優先権を主張する特許出願の一部である。
【0002】
本開示は概して、付加製造のための光学技術に関し、より詳細には、任意選択でパターン化された光をリサイクルすることが可能な固体ルーティング・サブシステムを含む光学システムに関する。
【背景技術】
【0003】
付加製造のためのレーザ系システムは典型的には、光源と粉末ベッドの間で光をルーティングする費用が高く制御するのが難しい光学機械システムを必要とする。このような光学機械システムは、正確なキャリブレーションを必要とし、工業または工場設定の際の振動または移動による損傷または不整合の影響を受けやすい。このような光学機械システムを減らすまたはなくすことにより、有利には、システム費用が少なくなる。
【0004】
別の実質的なシステム費用は、エネルギー使用に関する。光がマスクまたは光学光弁によってパターン化される場合、パターンで使用されない光はしばしば廃棄されて、システム・エネルギー効率全体が小さくなる。例えば、レーザ系付加製造システムは、光源を負および正の画像に分割することによってパターンを作り出すことを必要とする可能性があり、一方の画像は部分を形成するために使用され、もう一方は廃棄される。このようなパターンは、電磁波偏光状態を回転させることによって透過または反射された光の空間的変調を可能にする液晶系光弁の使用により作り出すことができる。典型的な例は、液晶充填光弁を通過し、その後、駆動ビーム上の偏光空間内にパターンを空間的に刻み込む偏光「駆動ビーム」を有する。所望の光の偏光状態は、光学システムの残りまで続くことが可能にされ、望ましくない状態が拒絶され、ビーム・ダンプまたは他のエネルギー拒絶デバイスに捨てられる。
【0005】
上記付加製造のためのシステムに関連するものとして、特許文献1には、回路装置、発光部、及び光射出調整機構を備え、立体造形に用いることができるプロジェクターシステム、並びにプロジェクターシステムを用いた立体造形生成装置が記載されている。また、特許文献2には、粉末床を結像するための2次元エネルギーパターニングシステムを含み、パターニングされたビームおよびパターニングされないビームの両方の再生利用を行うことができる付加製造システムおよび方法が記載されている。
【0006】
本開示の非限定的および非排他的実施形態が、以下の図を参照して記載されており、同様の参照番号は、そうでないと明記されていない限り、様々な図面全体を通して同様の部分に言及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2015-182413号公報
【文献】米国特許出願公開第2017/0120518号明細書
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1B】付加製造システム上に形成されている構造の上面図である。
【
図3A】レーザを含む付加製造システムを示す図(cartoon)である。
【
図3C】複数個の画像リレーを使用して光を案内および再パターン化する「開閉所」を備えた付加製造システムの一実施形態である。
【
図3D】パターン化された2次元エネルギーの再利用をサポートする開閉所システムを示す。
【
図3E】ミラー画像ピクセル・再マッピングを示す。
【
図3F】ピクセル・再マッピング用の画像リレーを変換する一連の画像を示す図。
【
図4A】本開示の実施形態に従う、付加製造過程におけるレーザ光リサイクル用エネルギー・パターン化二値ツリー・システムのレイアウトの図である。
【
図4B】1つの入力から複数個の出力へのパターン・リサイクルを示す図である。
【
図4C】複数個の入力から1つの出力へのパターン・リサイクルを示す図である。
【
図4D】2つの光弁パターン化ステップ、および切換が少なくともいくつかのエネルギー・ステアリング・ユニットに利用可能なビーム出力先変更をサポートする開閉所概念の実施の略図的例である。
【
図4E】2つの光弁パターン化ステップ、および切換が全てのエネルギー・ステアリング・ユニットに利用可能なビーム出力先変更をサポートする開閉所概念の実施の略図的例である。
【
図5A】印刷バーを備えた固体システムを使用した複数個のタイルの面積印刷を示す図である。
【
図5B】粉末ベッドと同一の広がりを持つような寸法のマトリックスを備えた固体システムを使用した複数個のタイルの面積印刷を示す図である。
【
図5C】個別のステアリング・ユニットを有し、粉末ベッドと同一の広がりを持つような寸法のマトリックスを備えた固体システムを使用した複数個のタイルの面積印刷を示す図である。
【
図6B】光パターンをステアリングするように働く付加電圧を有する固体スキャナを示す図である。
【
図6C】異なる方向に光をステアリングするように働く付加電圧を受けてそれぞれ作用する、複数個の個別の区画を有する固体スキャナを示す図である。
【
図6D】入光パターンを再パターン化するように働く任意の付加電圧を受けてそれぞれ作用する、複数個の個別の区画を有する固体スキャナを示す図である。
【
図6E】ビーム全体が5つの異なる角度に運ばれることになる、5つの時系列および異なる電圧変化を有する固体スキャナを示す図である。
【
図6F】角度付けられた光入力を再標準化する修正プレートを有する固体スキャナを示す図である。
【
図7A】光エネルギー・リサイクルの態様を示すフローチャートである。
【
図7B】固体システム内で光を分配する時間的アルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図8A】複数個のチャンバをサポートする例示的な固体開閉所システムを示す。
【
図8B】複数個のチャンバをサポートする例示的な固体開閉所システムを示す。
【
図9】少なくとも3つのチャンバをサポートする開閉所システムの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、その一部を形成し、開示を実施することができる特定の例示的実施形態を例示するために示される添付の図面に言及する。これらの実施形態は、当業者が本明細書に開示された概念を実施することを可能にするように十分詳細に記載され、本開示の範囲から逸脱することなく様々な開示された実施形態への変更を行い、他の実施形態を利用することができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味として解釈するべきではない。
【0010】
本開示は、印刷されるパターンによる望ましくない光の拒絶によって生じるような、付加製造システムで廃棄される光を少なくするのに適した光学システムを提案している。提案した光学システムは、例えば、これに限らないが、マスクが光に加えられるレーザ系付加製造技術で利用することができる。有利には、本開示による様々な実施形態では、廃棄されたエネルギーは、均質化した形、またはパターン化された光としてのいずれかでリサイクルし、高いスループット率を維持するために使用することができる。さらに、廃棄されたエネルギーは、より難しい材料を印刷する強度を大きくするためリサイクルおよび再利用することができる。
【0011】
拒絶光をリサイクルおよび再利用することによって、システム強度を、拒絶された光の割合に比例して大きくすることができる。これにより、高い印刷率を維持するために、全てのエネルギーを使用することが可能になる。加えて、光のリサイクルは潜在的に、単一のバーが形成プラットフォームにわたって掃引する「バー」印刷が可能になる。別の方法では、パターン・リサイクルにより、形成プラットフォームの全ての面積に印刷するための移動を必要としない形成プラットフォームと同一の広がりを持つ固体マトリックスの生成が可能になる。
【0012】
一実施形態では、1つまたは複数のエネルギー・ビームを射出するように位置決めされた1つまたは複数のレーザまたは電子ビームを含む、1つまたは複数のエネルギー源を有する付加製造システムが開示されている。ビーム成形光学技術は、エネルギー源から1つまたは複数のエネルギー・ビームを受け、単一のビームを形成することができる。エネルギー・パターン化ユニットは、単一のビームを受信または生成し、2次元パターンをビームに伝達し、パターン内にない未使用エネルギーを拒絶することができる。画像リレーは、2次元パターン化されたビームを受け、高さ固定または可動形成プラットフォーム(例えば、粉末ベッド)上の所望の位置に2次元画像として集束する。特定の実施形態では、エネルギー・パターン化ユニットからのあらゆる拒絶エネルギーの一部または全てが再利用される。
【0013】
いくつかの実施形態では、レーザ・アレイからの複数個のビームは、ビーム・ホモジナイザを使用して結合される。この結合されたビームは、透過または反射ピクセル・アドレス指定可能な光弁のいずれかを備えたエネルギー・パターン化ユニットで案内することができる。一実施形態では、ピクセル・アドレス指定可能な光弁は、偏光素子を有する液晶モジュール、および2次元入力パターンを提供する光投影ユニットの両方を備えている。画像リレーによって集束される2次元画像は、3D構造を形成するために粉末ベッド上の複数個の位置に向けて連続して案内することができる。
【0014】
図1Aに示すように、付加製造システム100は、ビーム成形光学部114に向けて1つまたは複数の連続または断続的エネルギー・ビームを案内することができるエネルギー源112を備えたエネルギー・パターン化システム110を有する。必要に応じて、成形の後に、ビームはエネルギー・パターン化ユニット116によってパターン化され、全体的に一部のエネルギーは拒絶エネルギー処理ユニット118に案内される。パターン化されたエネルギーは、典型的にはベッド146の近くで集束される2次元画像122として、物体処理ユニット140に向けて画像リレー120によって中継される。(任意の壁148を備えた)ベッド146は、材料ディスペンサ142によって分配される材料144を入れるチャンバを形成することができる。画像リレー120によって案内されるパターン化されたエネルギーは、溶融、融合、焼結、混合、結晶構造を変化させる、応力パターンに影響を与える、あるいは、分配された材料144を化学的または物理的に変更して、所望の性状を有する構造を形成することができる。
【0015】
エネルギー源112は、光子(光)、電子、イオン、または案内、成形およびパターン化することが可能な他の適切なエネルギー・ビームもしくは束を生成する。複数個のエネルギー源を組み合わせて使用することができる。エネルギー源112は、レーザ、白熱光、集光型太陽光、他の光源、電子ビーム、またはイオン・ビームを含むことができる。可能なレーザ・タイプとしては、これに限らないが、ガス・レーザ、化学レーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、固体レーザ(例えば、ファイバ)、半導体(例えば、ダイオード)レーザ、自由電子レーザ、ガス動的レーザ、「ニッケル状」サマリウム・レーザ、ラマン・レーザ、または核励起レーザが挙げられる。
【0016】
ガス・レーザは、ヘリウム・ネオン・レーザ、アルゴン・レーザ、クリプトン・レーザ、キセノン・イオン・レーザ、窒素レーザ、二酸化炭素レーザ、一酸化炭素レーザ、またはエキシマ・レーザなどのレーザを含むことができる。
【0017】
化学レーザは、フッ化水素レーザ、フッ化重水素レーザ、COIL(化学酸素・ヨウ素レーザ)、またはAgil(全気体相ヨウ素レーザ)などのレーザを含むことができる。
【0018】
金属蒸気レーザは、ヘリウム・カドミウム(HeCd)金属蒸気レーザ、ヘリウム水銀(HeHg)金属蒸気レーザ、ヘリウム・セレニウム(HeSe)金属蒸気レーザ、ヘリウム銀(HeAg)金属蒸気レーザ、ストロンチウム蒸気レーザ、ネオン銅(NeCu)金属蒸気レーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザ、またはマンガン(Mn/MnCl2)蒸気レーザなどのレーザを含むことができる。
【0019】
固体レーザは、ルビー・レーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、ネオジムYLF(Nd:YLF)固体レーザ、ネオジム・ドープ・オルトバナジウム酸イットリウム(Nd:YVO4)レーザ、ネオジム・ドープ・イットリウム・カルシウム・オキソボレートNd:YCa4O(BO3)3または単にNd:YCOB、ネオジム・ガラス(Nd:Glass)レーザ、チタン・サファイア(Ti:sapphire)レーザ、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、イッテルビウムYAG(Yb:YAG)レーザ、イッテルビウム:2O3(ガラスまたはセラミック)レーザ、イッテルビウム・ドープ・ガラス・レーザ(ロッド、板/チップ、およびファイバ)、ホルミウムYAG(Ho:YAG)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、セリウム・ドープ・リチウム・ストロンチウム(または、カルシウム)フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、プロメチウム147ドープ・リン酸塩ガラス(147Pm+3:Glass)固体レーザ、クロム・ドープ・クリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、エルビウム・ドープおよびエルビウム・イッテルビウム共ドープ・ガラス・レーザ、三価ウラン・ドープ・フッ化カルシウム(U:CaF2)固体レーザ、二価サマリウム・ドープ・フッ化カルシウム(Sm:CaF2)レーザ、またはF中心レーザなどのレーザを含むことができる。
【0020】
半導体レーザは、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、GaInP、InGaAs、InGaAsO、GaInAsSb、鉛塩、垂直キャビティ表面放射レーザ(VCSEL)、量子カスケード・レーザ、ハイブリッド・シリコン・レーザ、またはその組合せなどのレーザ媒体タイプを含むことができる。
【0021】
例えば、一実施形態では、単一のNd:YAG Qスイッチレーザは、複数個の半導体レーザと併せて使用することができる。別の実施形態では、電子ビームは、紫外線半導体レーザ・アレイと併せて使用することができる。さらに他の実施形態では、2次元アレイのレーザを使用することができる。複数個のエネルギー源を備えたいくつかの実施形態では、エネルギー・ビームの前パターン化は、エネルギー源を選択的に作動および停止することによって行うことができる。
【0022】
ビーム成形ユニット114は、結合する、集束する、分散する、反射する、屈折させる、均一化させる、強度を調節する、周波数を調節する、あるいはエネルギー・パターン化ユニット116に向けてエネルギー源112から受けられる1つまたは複数のエネルギー・ビームを成形および案内するための、様々な画像化光学部を含むことができる。一実施形態では、それぞれ別個の光波長を有する複数個の光ビームは、波長選択鏡(例えば、二色性)または回折素子を使用して結合することができる。他の実施形態では、複数個のビームは、多面鏡、マイクロレンズ、および屈折または回折光学素子を使用して均質化または結合することができる。
【0023】
エネルギー・パターン化ユニット116は、静的または動的エネルギー・パターン化要素を含むことができる。例えば、光子、電子、またはイオン・ビームは、固定または可動要素を備えたマスクによって遮断することができる。画像パターン化のフレキシビリティおよび容易性を大きくするために、ピクセル・アドレス指定可能マスキング、画像生成、または伝達を使用することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー・パターン化ユニットは、パターン化を行うために、単独で、または他のパターン化機構と併せてアドレス指定可能光弁を備えている。光弁は、透過性、反射性であってもよく、または透過性および反射性要素の組合せを使用することができる。パターンは、電気または光学アドレス指定を使用して動的に変更することができる。一実施形態では、透過性光学アドレス指定光弁は、弁を通過する光の偏光を回転させるように働き、光学的にアドレス指定されたピクセルは光投影源によって規定されるパターンを形成する。別の実施形態では、反射性光学アドレス指定光弁は、読取ビームの偏光を変えるための書込ビームを含んでいる。さらに別の実施形態では、電子パターン化デバイスは、電気または光子刺激源からアドレス・パターンを受信し、電子のパターン化放出を生成する。
【0024】
拒絶エネルギー処理ユニット118は、パターン化およびエネルギー・パターン画像リレー120の通過がされないエネルギーを分配、出力先変更、または利用するために使用される。一実施形態では、拒絶エネルギー処理ユニット118は、エネルギー・パターン化ユニット116から熱を除去する受動的または能動的冷却要素を含むことができる。他の実施形態では、拒絶エネルギー処理ユニットは、エネルギー・パターンを規定する際に使用されないあらゆるビーム・エネルギーを吸収し熱に変換する「ビーム・ダンプ」を含むことができる。さらに別の実施形態では、拒絶ビーム・エネルギーは、ビーム成形光学部114を使用してリサイクルすることができる。別の方法では、または加えて、拒絶ビーム・エネルギーは、加熱またはさらなるパターン化のために、物体処理ユニット140に案内することができる。特定の実施形態では、拒絶ビーム・エネルギーは、追加のエネルギー・パターン化システムまたは物体処理ユニットに案内することができる。
【0025】
画像リレー120は、エネルギー・パターン化ユニット116からパターン化された画像(典型的には、2次元)を受信し、物体処理ユニット140に向けて案内する。ビーム成形光学部114と同様の方法で、画像リレー120は、結合する、集束する、分散する、反射する、屈折させる、強度を調節する、周波数を調節する、あるいはパターン化された画像を成形および案内するための光学部を含むことができる。
【0026】
物体処理ユニット140は、壁面チャンバ148、ベッド146、および材料を分配させる材料ディスペンサ142を備えることができる。材料ディスペンサ142は、分配する、取り除く、混合する、材料タイプまたは粒子寸法にグラデーションまたは変化を与える、または材料の層厚さを調節することができる。材料としては、金属、セラミック、ガラス、高分子粉末、固体から液体へのおよびその逆への熱誘導相変化を行うことが可能な他の溶融可能材料、またはその組合せを挙げることができる。材料はさらに、溶融不可能材料に沿って離れる、または蒸発/崩壊/燃焼あるいは破壊過程を行わせながら、いずれかまたは両方の構成物質を、溶融可能な構成物質を溶融するために画像化リレー・システムによって選択的にターゲット化することができる溶融可能材料および溶融不可能材料の複合体を含むことができる。特定の実施形態では、材料のスラリー、スプレー、コーティング、ワイヤ、ストリップ、またはシートを使用することができる。望ましくない材料は、噴射機、真空システムの使用、ベッド146の掃除、振動、揺動、傾斜、または反転により廃棄またはリサイクルするために取り除くことができる。
【0027】
材料処理構成部品に加えて、物体処理ユニット140は、3D構造を保持および支持する構成部品、チャンバを加熱または冷却する機構、補助または支持光学部、ならびに材料または環境条件を監視または調節するセンサおよび制御機構を備えることができる。物体処理ユニットは、全体的にまたは部分的に、望ましくない化学作用を減らし、(特に、反応金属での)火災または爆発の危険性を低くするために、真空または不活性ガス環境を支持することができる。
【0028】
制御プロセッサ150は、付加製造システム100のあらゆる構成部品を制御するように接続することができる。制御プロセッサ150は、動作を調整するために、様々なセンサ、アクチュエータ、加熱または冷却システム、モニタ、およびコントローラに接続することができる。イメージャ、光強度モニタ、熱、圧力または気体センサを含む幅広い範囲のセンサを使用して、制御または監視の際に使用される情報を提供することができる。制御プロセッサは、単一の中心コントローラであってもよく、または別の方法では、1つまたは複数の独立制御システムを備えることができる。コントローラ・プロセッサ150は、製造指示の入力を可能にするインターフェイスを備えている。幅広い範囲のセンサの使用により、品質、製造スループット、およびエネルギー効率を良くする様々なフィードバック制御機構が可能になる。
【0029】
図1Bは、材料144を支持するベッド146を示す図(cartoon)である。一連の連続して付加される2次元パターン化エネルギー・ビーム画像(点線124の四角形)を使用して、構造149は付加的に製造される。理解されるように、非四角形境界を有する画像パターンを使用することができ、重なるまたは相互浸透画像を使用することができ、画像は2つ以上のエネルギー・パターン化システムによって提供することができる。他の実施形態では、画像は、案内された電子もしくはイオン・ビームと併せて、または印刷もしくは選択スプレー・システムと併せて形成することができる。
【0030】
図2は、記載した光学および機械構成部品によって支持される付加製造過程の一実施形態を示すフローチャートである。ステップ202では、材料は、ベッド、チャンバ、または他の適切な支持体内に位置決めされている。材料は、溶融、融合、焼結され、結晶構造を変化させ、応力パターンに影響を与えるように誘導され、あるいは他の仕方で化学的または物理的に変更されて所望の性状を有する構造を形成することが可能な粉末であってよい。
【0031】
ステップ204では、パターン化されていないエネルギーが、これに限らないが、固体もしくは半導体レーザ、またはワイヤの下に電子を流す電源供給を含む、1つまたは複数のエネルギー射出器によって射出される。ステップ206では、パターン化されていないエネルギーが成形および変更される(例えば、強度が変調または集束される)。ステップ208では、このようなパターン化されていないエネルギーがパターン化され、エネルギーは、ステップ210で処理されているパターンの一部を形成していない(これは、排熱への変換、またはパターン化されたもしくはパターン化されていないエネルギーとしてのリサイクルを含むことができる)。ステップ212では、次に2次元画像を形成する、パターン化されたエネルギーは、材料に向けて中継される。ステップ214では、画像が材料に加えられて、3D構造の一部を形成する。これらのステップは、画像(または、異なるおよび連続画像)が材料の上層の必要な領域全てに加えられるまで繰り返すことができる(ループ218)。材料の上層へのエネルギーの付加が終了すると、新しい層を付加して(ループ216)、3D構造を形成し続けることができる。残りの余分な材料を取り除くまたはリサイクルすることができる場合に、これらのプロセス・ループは、3D構造が完了するまで続けられる。
【0032】
図3Aは、エネルギー・パターン化システム310の一部として複数個の半導体レーザを使用する付加製造システム300の一実施形態である。制御プロセッサ350は、マルチレーザ312、光パターン化ユニット316、画像リレー320、およびシステム300のあらゆる他の構成部品の動作を調整するために、様々なセンサ、アクチュエータ、加熱または冷却システム、モニタ、およびコントローラに接続することができる。このような接続は全体として、システム300の構成部品を囲む点線351によって示されている。分かるように、接続は、有線または無線、連続または断続的であってもよく、フィードバックの能力を含むことができる(例えば、熱加熱を感知した温度に応じて調節することができる)。マルチレーザ312は、例えば、90mm幅×20mm高さである1000nm波長の光ビーム301を射出することができる。ビーム301は、ビーム303を作り出すために、画像化光学部370によって再寸法化される。ビーム303は、6mm幅×6mm高さであり、混合ビーム305を生成するように共に光を混合する光均質化デバイス372に入射する。ビーム305はその後、ビーム307に光を再成形する画像化アセンブリ374に入射し、その後、ホット・コールド・ミラー376に入射する。ミラー376は、1000nm光が通過することを可能にするが、450nm光を反射する。1080pピクセル解像度および450nmで低電力光を投影することが可能な光プロジェクタ378は、ビーム309を射出し、その後、ホット・コールド・ミラー376に入射する。ビーム307および309は、ビーム311に重なり、両方とも20mm幅、20mm高さの画像において光学アドレス指定光弁380の上で画像化される。ホモジナイザ372およびプロジェクタ378から形成される画像は、再生成され、光弁380上に重ねられる。
【0033】
光学アドレス指定光弁380は、光(典型的には、400~500nmの範囲)によって刺激され、偏光器382に入射する透過ビーム313内に偏光回転パターンを刻み込む。偏光器382は、2つの偏光状態を分割し、p偏光をビーム317内に透過し、s偏光をビーム315内に反射し、反射した偏光はその後、拒絶エネルギーを処理するビーム・ダンプ318に送られる。理解されるように、他の実施形態では、偏光を逆転させることができ、s偏光がビーム317内に形成され、p偏光がビーム315内に反射される。ビーム317は、パターン化された光を再寸法化する光学部384を含む最終画像化アセンブリ320に入る。このビームは、可動ミラー386からビーム319に反射し、物体処理ユニット340内で材料ベッド344に加えられた集束画像で終端する。画像内の領域の深さは、複数個の層に及ぶように選択されて、数層の誤差または補正の範囲内に最適集束を提供する。
【0034】
ベッド390は、材料ディスペンサ342によって分配される材料344を含むチャンバ壁面388内で持ち上げるまたは下げる(垂直に指標化する)ことができる。特定の実施形態では、ベッド390は固定されたままにすることができ、最終画像化アセンブリ320の光学部は、垂直に持ち上げるまたは下げることができる。材料分配は、必要に応じて、新しい層の材料を提供することが可能な、ホッパ394内に保持された粉末を均一に広げることができるスイーパ機構392によって行われる。6mm幅×6mm高さの画像は、ベッドの異なる位置で可動ミラー386によって連続して案内することができる。
【0035】
この付加製造システム300内で粉末状セラミックまたは金属材料を使用する場合、粉末は、部分が形成されるときに基質(および、その後の層)の上に、約1~3粒子厚さの薄い層で広げることができる。パターン化されたビーム319によって粉末が溶融、焼成、または融合されると、下位層に結合して、固体構造を作り出す。パターン化されたビーム319は、40Hzでパルス状に動作させて、粉末の選択したパターン化領域が溶融されるまで、10msから0.5ms(望ましくは、3から0.1ms)の間隔で連続した6mm×6mm画像位置まで移動することができる。ベッド390はその後、1つの層に対応する厚さだけ下がり、スイーパ機構392は粉末状材料の新しい層を広げる。この過程は、2D層が所望の3D構造を形成するまで繰り返される。特定の実施形態では、物体処理ユニット340は制御環境を有することができる。これにより、酸化または化学反応、あるいは火災または爆発(反応金属が使用される場合)の危険性なく、反応材料を不活性ガス、または真空環境において製造することが可能になる。
【0036】
図3Bは、
図3Aの光パターン化ユニット316の動作をより詳細に示している。
図3Bに示すように、代表的な入力パターン333(ここでは、数字「9」とする)が、ミラー376に向けてビーム309として投影された8×12ピクセル・アレイの光内で規定される。各グレー・ピクセルは光充填ピクセルを示し、白色ピクセルは点火されていない。実際、各ピクセルは、光がない、部分的光強度、または最大光強度を含む様々なレベルの光を有することができる。ビーム307を形成するパターン化されていない光331は、温冷ミラー376まで案内され、これを通過し、パターン化されたビーム309と結合される。パターン化されたビーム309は、配線X5によるコンピュータX3によって制御される光プロジェクタ378によって生成される。温冷ミラー376による反射後、パターン化された光ビーム311は、ビーム311内のビーム307および309の重なりにより形成され、両方とも、光学アドレス指定光弁380上で画像化される。パターン化されていない光331の偏光状態を回転させる光学アドレス指定光弁380は、パターン化された光ビーム309/311および配線X4によるコンピュータX3から来る電気信号によって刺激され、ビーム313への、数字「9」のパターン内で偏光された光307/311の偏光状態を選択的に回転させないようにする。ビーム313内のパターン333を示す回転していない光はその後、偏光器ミラー382を通過することが可能になり、ビーム317およびパターン335が得られる。第2の回転状態の偏光された光は、偏光器ミラー382によって、光のない数字「9」からなる負のピクセル・パターン337を搬送するビーム315内に拒絶される。
【0037】
他のタイプの光弁を、記載した光弁と交換する、または併せて使用することができる。反射光弁、または選択的回折もしくは屈折に基づく光弁を使用することもできる。特定の実施形態では、非光学アドレス指定光弁を使用することができる。これらとしては、これに限らないが、電気アドレス指定可能ピクセル素子、可動ミラーまたはマイクロ・ミラー・システム、圧電またはマイクロ作動光学システム、固定または可動マスク、またはシールド、あるいは高い強度の光パターン化を提供することが可能なあらゆる他の従来のシステムが挙げられる。電子ビーム・パターン化では、これらの弁はアドレス位置に基づいて電子を選択的に放出することができ、したがって、弁から出る電子のビーム上にパターンを形成することができる。
【0038】
図3Cは、エネルギー切換ユニットX0の詳細および動作を示している。
図3Cに示すように、s偏光状態の代表的入力パターン376(ここでは、8×12ピクセル・アレイで数字「9」と示す)を搬送する光ビーム311が、単一ピクセル液晶(LC)セル380に入射する。必要に応じて、ビーム311の偏光状態を回転させるLCセル380は、偏光された光311の偏光状態をビーム313のp偏光状態に選択的に回転させ、その後、ビーム全体を偏光器素子382を通して画像情報335を搬送するビーム317内に通過させるように、配線X4を通して電気的に刺激されたコンピュータX3である。別の方法では、LCセル380は、ビーム311の偏光状態を回転させずに、ビーム313のs偏光の偏光状態を保持し、画像情報337を搬送するビーム315内に反射を生じさせるように、配線X4を通してコンピュータX3によって案内することができる。また、偏光器素子382を使用して、画像情報X2を担持する源ビームX1から光を受けることができる。ビームX1のルーティングは、その偏光状態に基づいて全体的に受動的であり、X1がs偏光である場合、ビーム317内に反射し、別の方法では、p偏光である場合、ビーム315内に透過される。
【0039】
他のタイプのエネルギー切換デバイスは、記載したLCセルと交換、または併せて使用することができる。反射LCセル、または可動ミラーなどの機械的移動もしくは選択的屈折に基づくエネルギー切換デバイスは、圧電またはマイクロ作動光学システム、固定または可動マスク、またはシールド、あるいは高い強度のエネルギー切換を行うことが可能なあらゆる他の従来のシステムを使用することもできる。電子ビームでは、これらの切換機構は、ビームを異なる経路(channel)またはルート(route)に案内する大型EMフィールド・アレイからなっていてもよい。
【0040】
図3Dは、パターン化された2次元エネルギーの再利用を可能にする開閉所システムを備えた付加製造システムの一実施形態である。
図1Aに関して論じた実施形態と同様に、付加製造システム220は、ビーム成形光学部114に向けて1つまたは複数の連続または断続的エネルギー・ビームを案内するエネルギー源112を備えたエネルギー・パターン化システムを有する。成形後、ビームはエネルギー・パターン化ユニット230によって2次元パターン化され、普通はエネルギーの一部は拒絶エネルギー処理ユニット222に案内される。パターン化されたエネルギーは、典型的には可動または固定高さベッドの近くで集束される2次元画像として、1つまたは複数の物体処理ユニット234A、234B、234C、または234Dに向けて複数個の画像リレー232の1つによって中継される。(任意の壁を備えた)ベッドは、材料ディスペンサによって分配された材料を入れるチャンバを形成することができる。画像リレー232によって案内されるパターン化されたエネルギーは、溶融、融合、焼結、混合、結晶構造を変化させる、応力パターンに影響を与える、あるいは、分配された材料を化学的または物理的に変更して、所望の性状を有する構造を形成することができる。
【0041】
本実施形態では、拒絶エネルギー処理ユニットは、拒絶されパターン化されたエネルギーの再利用を可能にする複数個の構成部品を有する。リレー228A、228B、および228Cはそれぞれ、エネルギーを電気生成器224、温冷熱管理システム225、またはエネルギー・ダンプ226に伝達することができる。任意選択で、リレー228Cは、別の処理のために、画像リレー232内にパターン化されたエネルギーを案内することができる。他の実施形態では、パターン化されたエネルギーは、エネルギー源112によって提供されるエネルギー・ビーム内への挿入のために、リレー228Bおよび228Aにリレー228Cによって案内することができる。画像リレー232を使用して、パターン化された画像の再利用も可能である。画像は、1つまたは複数の物体処理ユニット234A~Dへの分配のために、出力先変更、反転、ミラーリング、サブ・パターン化、あるいは変換させることができる。有利には、パターン化された光の再利用は、付加製造過程のエネルギー効率を良くすることができ、いくつかの場合では、ベッドで案内されるエネルギー強度を良くする、または製造時間を少なくすることができる。
【0042】
図3Eは、再利用のための拒絶エネルギー・ビームの単純な幾何的変換を示す
図235である。入力パターン236は、ミラー画像ピクセル・パターン238を提供することが可能な、画像リレー237内に案内される。分かるように、個別のピクセルおよびピクセルのグループの幾何的変換、またはパターン再マッピングを含む、より複雑なピクセル変換が可能である。ビーム・ダンプで廃棄される代わりに、この再マッピングされたパターンは、製造スループットまたはビーム強度を良くするために、物体処理ユニットに案内することができる。
【0043】
図3Fは、再利用のための拒絶エネルギー・ビームの複数個の変換を示す。入力パターン236は、ピクセル・パターン239を提供することが可能な、一連の画像リレー237B~E内に案内される。
【0044】
光リサイクルおよび再利用をサポートする別の実施形態では、1つまたは複数の光源からの光の多重マルチビームが提供される。複数個の光ビームを再成形および混合して、第1の光ビームを提供することができる。空間的偏光パターンを第1の光ビームに加えて、第2の光ビームを提供することができる。第2の光ビームの偏光状態を分割して、第3の光ビームを反射させ、これを第4の光ビームに再成形することができる。第4の光ビームを、複数個の光ビームの1つとして導入して、第5の光ビームを得ることができる。実際、このようなまたは同様のシステムは、付加製造システムに関連するエネルギー費用を少なくすることができる。偏光変更モードで動作する空間的偏光弁または光弁によって拒絶された望ましくない光を収集、ビーム結合、均質化および再導入することによって、伝送される光電力全体が潜在的に、光弁によって加えられるパターンに影響されないことが可能である。これは有利には、所望のパターン内への光弁を通過する光の効果的な再分配につながり、光強度をパターン化された領域の量に比例して大きくする。
【0045】
単一のビーム内にマルチレーザからのビームを結合することは、ビーム強度を大きくする1つの方法である。一実施形態では、波長選択ミラーまたは回折素子のいずれかを使用して、それぞれ別個の光波長を有する複数個の光ビームを結合することができる。特定の実施形態では、波長依存屈折効果に敏感でない反射光学素子を使用して、マルチ波長ビームを案内することができる。
【0046】
パターン化された光は、可動ミラー、プリズム、回折光学素子、または実質的な物理移動を必要としない固体光学システムを使用して案内することができる。一実施形態では、粉末ベッドの上表面の位置の入射光の強度およびピクセル寸法に関連する拡大率および画像距離を、付加的に製造した3次元(3D)印刷ジョブに対して判断することができる。複数のレンズ・アセンブリの1つは、拡大率を有する入射光を提供するように構成することができ、レンズ・アセンブリは両方とも、第1のセットの光学レンズおよび第2のセットの光学レンズであり、第2のセットの光学レンズはレンズ・アセンブリから交換することができる。補償ガントリー上に取り付けられた1つまたは複数のセットのミラー、および形成プラットフォーム・ガントリー上に取り付けられた最終ミラーの回転を使用して、粉末ベッドの上表面の位置上に前駆体ミラーから入射光を案内することができる。補償ガントリーおよび形成プラットフォーム・ガントリーの並進移動はまた、粉末ベッドの上表面の位置への前駆体ミラーからの入射光の距離が画像距離と実質的に等しいことを保証することが可能である。実際、これにより、システムの高い利用可能性を保証しながら、異なる粉末状材料に対する形成領域の位置にわたって光学ビーム移動寸法および強度の迅速な変化が可能になる。
【0047】
特定の実施形態では、粉末ベッドを保持するための形成プラットフォームをそれぞれ有する複数の形成チャンバは、形成チャンバ内への1つまたは複数の入射エネルギー・ビームを受けるおよび案内するように配置された複数個の光学機械アセンブリと併せて使用することができる。複数個のチャンバは、1つまたは複数の形成チャンバの内側での1つまたは複数の印刷ジョブの同時印刷を可能にする。他の実施形態では、取り外し可能なチャンバ側壁は、形成チャンバからの印刷オブジェクトの除去を単純化して、粉末状材料の迅速な交換が可能になる。チャンバはまた、調節可能処理温度制御を備えることができる。
【0048】
別の実施形態では、1つまたは複数の形成チャンバは、固定高さで維持された形成チャンバを有することができ、光学部は垂直に移動可能である。レンズ・アセンブリの最終光学部と粉末ベッドの上表面の間の距離は、形成プラットフォームを固定高さに保持しながら、粉末層の厚さに等しい距離だけ、最終光学部を上向きに指標化することによって基本的に一定になるように管理することができる。有利には、垂直に移動する形成プラットフォームと比べて、形成プラットフォームの変化する質量の正確なミクロン・スケール移動が必要ないので、大きく重い物体をより容易に製造することができる。典型的には、0.1~0.2立方メートルより大きい容量の(すなわち、100~200リットルより大きい、または500~1,000kgより重い)金属粉末を意図した形成チャンバは、形成プラットフォームを固定高さに保持するために最も有利である。
【0049】
一実施形態では、粉末ベッドの層の一部を選択的に溶融または融合させて、形成プラットフォーム上に粉末ベッドの層の別の部分を含むように、粉末ベッドの層の融合部分から1つまたは複数の一時壁面を形成することができる。選択した実施形態では、流体通路を1つまたは複数の第1の壁面に形成して、より良い熱管理を可能にすることができる。
【0050】
改善した粉末処理は、改善した付加製造システムの別の態様であってもよい。粉末ベッドを支持する形成プラットフォームは、ホッパ内で形成プラットフォームから実質的に粉末ベッドを分離させるために、傾斜、反転および揺動が可能であり得る。粉末ベッドを形成する粉末状材料は、後の印刷ジョブで再利用するために、ホッパ内に収集することができる。粉末収集過程は自動化することができ、真空または気体噴射システムを使用して、粉末除去および取り除きを助けることもできる。
【0051】
開示した付加製造システムのいくつかの実施形態は、市販のチャンバより長い部品を容易に取り扱うように構成することができる。連続(長い)部品は、第1の区画から第2の区画まで長手方向に連続して前進させることができる。第1の区画では、粒状材料の選択した粒を混合させることができる。第2の区画では、粒状材料の混合されていない粒を取り除くことができる。連続部品の第1の部分は、第2の区画から第3の区画まで前進させることができ、連続部品の最後の部分は第1の区画内に形成され、第1の部分は第1の区画および第2の区画内で第1の部分が占める横および交差方向に同じ位置で維持される。実際、付加製造および清掃(例えば、使用されていないまたは混合されていない粒状材料の分離および/または再利用)は、粒状材料および/または部品を取り除くために停止する必要なく、部品コンベヤ上で異なる位置または区画で並行に(すなわち、同時に)行うことができる。
【0052】
別の実施形態では、付加製造能力は、エンクロージャの内部とエンクロージャの外部の間の気体物質の交換を制限するエンクロージャの使用によって改善することができる。エアロックは、内部と外部の間のインターフェイスを提供し、内部は電力ベッド融合をサポートするものを含む、複数個の付加製造チャンバを有する。気体管理システムは、限定酸素濃度で、またはそれより下で内部に気体酸素を維持して、粉末のタイプのフレキシビリティおよびシステム内で使用することができる処理が大きくなる。
【0053】
別の製造実施形態では、エンクロージャ内に含まれる3Dプリンタを有することによって能力を改善することができ、プリンタは2,000キログラム以上の重量を有する部品を作り出すことが可能である。気体管理システムは、大気レベルより下の濃度でエンクロージャ内に気体酸素を維持することができる。いくつかの実施形態では、エアロックがエンクロージャ内の気体環境とエンクロージャ外の気体環境の間で、エンクロージャおよびエアロック両方の外部の位置まで緩衝するように働くので、車両は部品をエンクロージャ内部からエアロックを通して輸送することができる。
【0054】
他の製造実施形態は、粉末ベッド融合付加製造システムにおいてリアルタイムで粉末試料を収集することを必要とする。インジェスタ・システムは、粉末試料の過程中収集および特徴化に使用される。収集は周期的に行うことができ、特徴化の結果は、粉末ベッド融合過程に対する調節につながる。インジェスタ・システムは任意選択で、プリンタ・パラメータの変更、またはライセンス粉末材料の適切な使用の検証などの、監査、処理調節または動作の1つまたは複数に使用することができる。
【0055】
付加製造過程のさらに別の改善を、クレーン、リフト・ガントリー、ロボット・アーム、または人間が移動することが難しいまたは不可能である部品の操作を可能にする同様のものの使用により行うことができる。マニピュレータ・デバイスは、部品の再位置決めまたは操作を可能にするように、部品上の様々な永久的または一時的に付加製造された操作点を把持することができる。
【0056】
本開示によると、拒絶された、望ましくないおよび/または使用されていない光をリサイクルすることが可能な光学システムが提供される。望ましくない光のリサイクルおよび再利用により、形成プラットフォームに提供されるレーザ射出光の強度を大きくすることができる。さらに、望ましくない光のリサイクルおよび再利用により、システムに関連するエネルギー費用を少なくすることができる。偏光変更モードで動作する空間的偏光弁または光弁によって拒絶された望ましくない光を収集、ビーム結合、均質化および再導入することによって、伝送される光電力全体が潜在的に、光弁によって加えられるパターンに影響されないことが可能である。これは有利には、所望のパターン内への光弁を通過する光の効果的な再分配につながり、光強度をパターン化された領域の量に比例して大きくする。これは、(
図1A~
図3Bに関して本明細書に記載したものなどの)粉末ベッド融合技術を使用する先進的付加製造方法に関する、特に、レーザ付加製造に関する特定の使用を有する。これは、大きな強度により、より短い滞在時間およびより速い印刷速度が可能になって、効率を維持しながら材料変換速度を大きくすることができるからである。
【0057】
光弁または光変調器により、光の空間的パターンを光ビーム上に刻むことができる。光学強度が光学システムの関心事または性能指数である場合、システム電力の保存は優先である。液晶系デバイスは、ビーム内で「ピクセル」を選択的に回転させ、その後、回転および非回転ピクセルを分離させるようにビームを偏光器を通して通過させることによって、偏光ビームをパターン化することが可能である。拒絶偏光状態をダンプする代わりに、光子を光弁に対する元の入力ビームと結合するおよび均質化することができる。光学経路は、1)光源と光弁の間の光学透過断片(本明細書では「f1」と示す)、2)例えば、戻りループを考慮した、光弁と源の間の光学透過断片(本明細書では「f2」と示す)、および所望の透過状態に対してパターン化された光弁の断片(本明細書では「fp」と示す)を含む、3つのセグメントに分割することができる。最終光電力は、等式1で以下のように示すことができる。
【0058】
【0059】
したがって、等式1によると、透過断片f1およびf2が1の完全値まで大きくなると、最終電力はパターン化されたビームの断片に関わらず、最初の電力に等しくなる。最終強度は、パターン化された領域の量に比例して初期強度に対して大きくなる。このように大きくなった強度は、滞在時間における補償が必要であるが、これは先験的に知られている。
【0060】
この概念の一例の実施は、レーザが材料の粉末層を溶融するために使用される、付加製造の分野である。ビーム・リサイクルなしで、パターン化領域充填ファクタが小さくなると、材料印刷速度も小さくなり、それによって、プリンタの全体的量的生産速度が低くなる。光のリサイクルによる滞在時間の補償は、強度が高ければ高いほど、非直線方法では滞在時間が短くなることである。より短い滞在時間は、さらに速い印刷速度、およびより速い全体的量的変換速度につながる傾向がある。低充填ファクタ印刷領域に対する材料印刷の速度を大きくするこのような能力により、付加製造機械が、エンジニアリング形状変換速度に高レベルの粉末を維持することが可能になり、したがって、より高い性能製品につながる。
【0061】
この概念の別の例の実施は、形成プラットフォームの上を掃引する光のバーの使用の際であり、この光のバーは、粉末基質から2次元(2D)固体層を作り出すための掃引の際に変調によりオンまたはオフされる。この例と併せたリサイクル光の使用は新しい。形成プラットフォーム全体の上を掃引するバーの使用は、100%充填ファクタで常に印刷することが可能である必要があることを必要とする。しかし典型的には、形成プラットフォームの10~33%だけしか使用されない。この低充填ファクタは、平均的に、レーザ電力内の資本設備が、システムに対して3から10倍寸法が大きいことを意味する。しかし、光をリサイクルすることができ、充填ファクタに比例して所要の滞在時間に合わせるためにバー掃引速度が変更される場合、印刷速度は、最適な充填ファクタ効率により近くなるように大きくすることができる。このような場合、資本設備を十分利用することができる。光の掃引バーで印刷する能力により、単一指向性印刷が可能になり、それによって、光を移動させるのに必要なガントリー・システムを単純化することができる。このような能力はまた、粉末掃引機構の容易な一体化を可能にする。
【0062】
印刷バー概念の別の例の実施は、前の層が印刷されるときに、次の粉末の層の下にある、バーに続く粉末分配システムを備えている。有利には、これによりシステム・ダウン・タイムを最小限に抑えることができる。
【0063】
光リサイクルの別の例の実施は、1つまたは複数の他の印刷チャンバと光を共有することである。この例により効果的に、市販のレーザ光が、壁面コンセントで利用可能な電気とよく似た、オンデマンド資源のようになる。
【0064】
図2および関連する記載を参照して前に記したように、リサイクル光は、均質化されたパターンのない光ビームの再利用に限る必要はない。パターン化された画像の再利用も可能であり、拒絶光パターンは、1つまたは複数の物体処理ユニットへの分配のために、反転、ミラーリング、サブ・パターン化、あるいは変換することが可能である。光をリサイクルする一実施形態が、
図4Aに示され、この図は、1つの入力401および(2
n-1)個のパターン化レベル402A~Dから2
n個の画像を生成することが可能なエネルギー・パターン化二値ツリー・システム400を示している。各段階で、「正の」光パターンおよび「負の」または拒絶光パターン対応部分は、追加パターン化ユニットに向けて、またはパターン化出力408として生成および案内することができる。各光パターンは、パターンを変更する、選択したパターン領域内の強度を小さくする、あるいは光特徴を変更することができる多段変換404によりさらに変更することができる。
【0065】
図4Bは、組み合わされた光パターン化およびステアリング機構412の使用による、1つの入力411から複数個の出力414へのパターン・リサイクルを示す
図410である。この例では、4つの出力経路が提供され、第1の可能な出力経路はパターン化された光がなく、第2の出力経路はミラーリングされているが、そうでなければ入力パターン411と等しい小さい光強度パターンを有し、第3の出力経路は光ピクセル出力先変更によって生成された新しいパターンを有し、第4の出力経路は明らかにより小さく高い強度パターンを有する。理解されるように、これらのパターンは単なる例であり、より小さく、より大きく、異なるように成形された、またはより低い/高い光強度パターンを有する幅広い範囲の出力パターンを適切な調節で形成することができる。いくつかの実施形態では、出力パターンを、入力画像全体の光学反射、反転などによって変更することができ、他の実施形態では、ピクセル・ブロックまたは個別のピクセル・レベル調節が可能である。
【0066】
図4Cは、組み合わされた光パターン化およびステアリング機構422の使用による、複数個の入力421から出力424へのパターン・リサイクルを示す
図420である。この例では、入力パターン1と一致および組み合わせるように、光入力パターン2、3、および4を回転または反転させることによって、4つのパターン化された入力がより高い強度の出力424内に組み合わせられる。
図4Bと同様に、これらのパターンは単なる例であり、パターンおよび光強度に対する全体画像、ピクセル・ブロック、または個別のピクセル・レベル変更が可能であることを理解されたい。
【0067】
図4Dは、2つの光弁パターン化ステップおよびビーム出力先変更を詳細に説明する、付加製造に対する開閉所概念の実施の略図的例であり、各画像はエネルギー・ステアリング・ユニットの半分にアクセスすることしかできない。この例では、1つの画像はビーム・ステアリング・ユニット471、462、472、および466にアクセスすることしかできず、第2の画像は470、473、455、および474にアクセスすることができる。動作中、s偏光状態のパターン化されていない赤外線ビーム430は、ビーム434を介してプロジェクタからのパターン化された紫外線画像433(ここでは、8×12ピクセル・フォーマットで数「9」で示す)によってアドレス指定される、(例えば、
図3Bの光パターン化ユニット316と同様の)エネルギー・パターン化ユニット432に入射する。UV光がエネルギー・パターン化ユニットに入射すると、画像情報433を含むビーム431の偏光状態が維持される。430の内側で偏光器素子に入射する際、エネルギー・パターン化ユニット432はその後、ビームを分割し、p偏光状態の画像446を(例えば、
図3CにX0で示すように)エネルギー切換ユニット447にビーム435に沿って案内する。s偏光状態の画像437はその後、ビーム436に沿って、画像情報439を含むUVビーム440によってアドレス指定される第2のエネルギー・パターン化ユニット438に送られる。エネルギー・パターン化ユニット438は、p偏光状態の画像442をビーム441に沿ってエネルギー切換ユニット449に送る。エネルギー・パターン化ユニット438からのs偏光の画像444は、ビーム443に沿ってビーム・ダンプ445に送られ、拒絶される、あるいは利用される。
【0068】
446として示した第1の画像は、p偏光状態の画像情報446を含むビーム435を受け、この例では、まだ画像情報446を含み、p偏光を維持するビーム457に変化させずに通過させるエネルギー切換ユニット447に入射し、その後、エネルギー切換ユニット458に入射する。エネルギー切換ユニット458は、画像情報446を含むビーム457を受け、この例では、s偏光状態に変換し、まだ画像情報446を含んでいるビーム463に通過させ、その後、エネルギー切換ユニット464に入射する。エネルギー切換ユニット464は、画像情報446を含むビーム463を受け、この例では、s偏光状態を維持し、まだ画像情報446を含んでいるビーム465に通過させ、その後、エネルギー・ステアリング・ユニット466に入射する。機械的(回転)検流計または他の固体もしくは回転デバイスである可能性がある、エネルギー・ステアリング・ユニット466はその後、ビーム465をその動作範囲内で印刷ベッド上の所望のタイル位置に案内する。
【0069】
442として示された第2の画像は、p偏光状態で画像情報442を含むビーム441を受け、この例では、まだ画像情報442を含み、p偏光を維持したビーム450に変化させずに通過させるエネルギー切換ユニット449に入射し、その後、エネルギー切換ユニット451に入射する。エネルギー切換ユニット451は、画像情報442を含むビーム450を受け、この例では、p偏光状態を維持し、まだ画像情報442を含んでいるビーム467に通過させ、その後、エネルギー切換ユニット468に入射する。エネルギー切換ユニット468は、画像情報442を含むビーム467を受け、この例では、p偏光状態を維持し、まだ画像情報442を含んでいるビーム469に通過させ、その後、エネルギー・ステアリング・ユニット470に入射する。機械的(回転)検流計または他の固体もしくは回転デバイスである可能性がある、エネルギー・ステアリング・ユニット470はその後、ビーム469をその動作範囲内で印刷ベッド上の所望のタイル位置に案内する。この例では、少なくとも
図3Dおよび
図5A~
図5Cに関して開示で論じられたような画像リレーは、ビーム435/441とエネルギー・ステアリング・ユニットの間で起こる。レンズ、ミラー、および他の前、後、または中間光学部はこの
図4Dには示されていないが、必要に応じて利用することができる。
【0070】
図4Eは、2つの光弁パターン化ステップおよびビーム出力先変更を詳細に説明する、開閉所概念の実施の略図的例であり、切換はエネルギー・ステアリング・ユニットの全体にアクセスするように示されている。この例では、1つの画像は次に、ビーム・ステアリング・ユニット471、462、472、466、470、473、455、および474にアクセスすることができる。s偏光状態のパターン化されていない赤外線ビーム430は、ビーム434を介してプロジェクタからのパターン化された紫外線画像433(ここでは、8×12ピクセル・フォーマットで数「9」で示す)によってアドレス指定される、(
図3Bに316で示すような)エネルギー・パターン化ユニット432に入射する。UV光がエネルギー・パターン化ユニットに入射すると、画像情報430を含むビーム431の偏光状態が維持される。430の内側で偏光器素子に入射する際、エネルギー・パターン化ユニット432はその後、ビームを分割し、p偏光状態の画像446を(
図3CにX0で示すように)エネルギー切換ユニット447にビーム435に沿って案内する。s偏光状態の画像437はその後、ビーム436に沿って、画像情報439を含むUVビーム440によってアドレス指定される第2のエネルギー・パターン化ユニット438に送られる。エネルギー・パターン化ユニット438は、p偏光状態の画像442をビーム441に沿ってエネルギー切換ユニット449に送る。エネルギー・パターン化ユニット438からのs偏光の画像444は、ビーム443に沿ってビーム・ダンプ445に送られ、拒絶される、あるいは利用される。
【0071】
446として示した第1の画像は、p偏光状態の画像情報446を含むビーム435を受け、この例では、まだ画像情報446を含む、ビーム448への切換を生じさせるs偏光に偏光状態を変更するエネルギー切換ユニット447に入射し、その後、エネルギー切換ユニット449に入射する。エネルギー切換ユニット449は、画像情報446を含むビーム448を受け、この例では、s偏光状態を維持して変更されず、まだ画像情報446を含んでいるビーム450に通過させ、その後、エネルギー切換ユニット451に入射する(この過程は、
図3Cで、ビーム317内の偏光器382とのビームX1の相互作用により詳細に記載されている)。エネルギー切換ユニット451は、画像情報446を含むビーム450を受け、この例では、s偏光状態を維持し、まだ画像情報446を含んでいるビーム452に通過させ、その後、エネルギー切換ユニット453に入射する。エネルギー切換ユニット453は、画像情報446を含むビーム452を受け、この例では、ビームをp偏光状態に維持し、まだ画像情報446を含んでいるビーム454に通過させ、その後、エネルギー・ステアリング・ユニット455に入射する。機械的(回転)検流計または他の固体もしくは回転デバイスである可能性がある、エネルギー・ステアリング・ユニット455はその後、ビーム454をその動作範囲内で印刷ベッド上の所望のタイル位置に案内する。
【0072】
442として示された第2の画像は、p偏光状態で画像情報442を含むビーム441を受け、この例では、まだ画像情報442を含む、ビーム456への切換を生じさせるs偏光に偏光状態を変更するエネルギー切換ユニット449に入射し、その後、エネルギー切換ユニット447に入射する。エネルギー切換ユニット447は、画像情報442を含むビーム456を受け、この例では、s偏光状態を維持して変更されず、まだ画像情報442を含んでいるビーム457に通過させ、その後、エネルギー切換ユニット458に入射する(この過程は、
図3Cで、ビーム317内の偏光器382とのビームX1の相互作用により詳細に記載されている)。エネルギー切換ユニット458は、画像情報442を含むビーム457を受け、この例では、このビームをp偏光状態に変更したが、まだ画像情報442を含んでいるようにしたビーム459へと通過させ、その後、エネルギー切換ユニット460に入射する。エネルギー切換ユニット460は、画像情報442を含むビーム459を受け、この例では、このビームをs偏光状態に変更したが、まだ画像情報446を含んでいるようにしたビーム461へと通過させ、その後、エネルギー・ステアリング・ユニット462に入射する。機械的(回転)検流計または他の固体もしくは回転デバイスである可能性がある、エネルギー・ステアリング・ユニット462はその後、ビーム461をその動作範囲内で印刷ベッド上の所望のタイル位置に案内する。この例では、少なくとも
図3Dおよび
図5A~
図5Cに関して開示で論じられたような画像リレーは、ビーム435/441とエネルギー・ステアリング・ユニットの間で起こる。レンズ、ミラー、および他の前、後、または中間光学部は
図4Eには示されていないが、必要に応じて利用することができる。
【0073】
図5Aは、印刷バー概念を使用した複数個のタイルの領域印刷を示す
図500である。印刷バー506は、検流計ミラー・セット、または可動ミラーが必ずしも必要ない固体システムを含むことができる。複数個の入力パターン503は、画像パイプおよび光学部の固体アレイを組み込む、印刷バー506内に複数個の画像リレー504によって出力先変更される。印刷バー506は、図に示すように、単一の軸に沿って粉末ベッド510にわたって移動させることができ、選択的に1つまたは複数のタイル512を照射する。より大きな粉末ベッドを有する他の実施形態では、印刷バーは、粉末ベッド510を覆うように、XおよびY軸両方に沿って移動させることができる。一実施形態では、印刷バーに関連する光学部は単一のタイル寸法を支持するように固定することができ、他の実施形態では、可動光学部を使用して、タイル寸法を増減させる、または印刷バーのあらゆるZ軸移動を補償することができる。別の実施形態では、パターン化された画像は、これに限らないが、
図4Aに関して論じたようなエネルギー・パターン化二値ツリー・システムを含む、リサイクルされた光パターンを使用して生成することができる。特定の実施形態では、複数個のタイルを所与の期間で同時に印刷することができる。別の方法では、利用可能なパターン化されたエネルギー、熱の問題、または他の印刷バー構成の問題が完全利用を可能にしない場合、タイルのサブセットを異なる時に印刷することができる。
【0074】
図5Bは、複数個のビーム・ステアリング・ユニットからなるオーバーヘッド固定アレイ・システムを使用した複数個のタイルの領域印刷を示す
図501である。508で区切られたユニット・セルとしてのビーム・ステアリング・ユニットは、可動ミラー(検流計)または代替固体ビーム・ステアリング・システムからなっていてもよい。複数個の入力パターン503は、光学のアレイを組み込む、マトリックス508内に複数個の画像リレー504によって出力先変更される。マトリックス508は、粉末と同一の広がりを持つような寸法をしており、粉末ベッド510にわたって移動させる必要がない。これにより実質的に、印刷バーの移動に関連する誤差が少なくなり、システムのアセンブリおよび動作を単純にすることができる。一実施形態では、マトリックスに関連する光学部は単一のタイル寸法を支持するように固定することができ、他の実施形態では、可動光学部を使用して、タイル寸法を増減させる、またはマトリックス508のあらゆるZ軸移動を補償することができる。
図5Aに関して論じた実施形態と同様に、パターン化された画像は、これに限らないが、
図4A、
図4D、または
図4Eに関して論じたようなエネルギー・パターン化二値ツリー・システムを含む、リサイクルされた光パターンを使用して生成することができる。特定の実施形態では、複数個のタイルを所与の期間で同時に印刷することができる。別の方法では、利用可能なパターン化されたエネルギー、熱の問題、または他のマトリックス構成の問題が完全利用を可能にしない場合、タイルのサブセットを異なる時に印刷することができる。
【0075】
図5Cは、代替階層システムを使用した複数個のタイルの領域印刷を示す
図502である。複数個の入力パターン503は、個別のビーム・ステアリング・ユニット510内に複数個の画像リレー504によって出力先変更され、その後、複数個の光学部およびビーム・ステアリング・ユニットを組み込む、マトリックス508内にパターン化された画像を案内する。マトリックス508は、粉末と同一の広がりを持つような寸法をしており、粉末ベッド510にわたって移動させる必要がない。
図5Aに関して論じた実施形態と同様に、パターン化された画像は、これに限らないが、
図4Aに関して論じたようなエネルギー・パターン化二値ツリー・システムを含む、リサイクルされた光パターンを使用して生成することができる。特定の実施形態では、複数個のタイルを所与の期間で同時に印刷することができる。別の方法では、利用可能なパターン化されたエネルギー、熱の問題、または他のマトリックス構成の問題が完全利用を可能にしない場合、タイルのサブセットを異なる時に印刷することができる。
【0076】
図6Aは、光弁602、入力光パターン601Aおよび出力光パターン603Aを含む固体スキャナ・サブシステム600を示す図である。作動されていない、液晶セル境界材料の詳細図が、
図602Aとして拡大した形で示されている。このような図では、入力光パターンは、光弁602を通過するときに変更されない。光弁602は、別の方法では、あらゆる適切な電圧制御複屈折材料で形成することができる。他の電子光学材料を、液晶の代わりに使用することができる。一般的に、固体スキャナ(別の方法では、「空間的角度光弁」として知られる)を配置して、電圧、電流、熱、音、光、電界、磁界、化学反応、量子スピン変化、エネルギー、または機械の少なくとも1つであるように選択された付加光学アドレス・パターンおよび刺激に応じて、所定の角度を通して2次元パターン化された光ビームを案内することができる。
【0077】
理解されるように、電子光学材料は、誘電偏光密度関数、P(t)のテイラーの展開によって特徴づけることができる。
【0078】
P(t)=ε0*Σi=1→x,by1(χ(i)*Ei(t));χ(1)*E(t)
【0079】
ビーム・ステアリング/変更を得るための材料屈折率の同様の変更はまた、この等式において高次項を使用することができ、一次項のみに基づくこれらのビーム・ステアリング機構に限るものではない。
【0080】
図6Aでは、液晶(LC)配置の(χ
1材料を使用した)線形電子光学効果がオフ状態で示されており、LCセルは垂直整列方法を使用してプレートに整列され、それによって、分子はセルの厚さ全体を通して先端-先端(tip-tip)で配置される。この配向では、セルを通過するあらゆる光場は、偏光に関わらず等方性屈折率を示し、セルを通して弱まることなく続く。光弁から出る出力光パターン603Aの配向は、光弁に入るものと同じである。
【0081】
図6Bは、入力光パターン601Bを可変スキャン角度605を通してステアリングして、出力パターン603Bを提供するために、印加電圧で作動された空間的角度光弁602を示す図である。電圧パターンは、空間的角度光弁602の上に刻まれ、それによって、電圧は繰返しの前に短いスパンで空間的角度光弁602にわたって横に変化し、この「ストライプ」パターンは空間的角度光弁602全体にわたって繰り返す。電圧変化は、光弁602B内の液晶に電圧変化(ここでは、拡大画像602B上でV
1→Vi(Vi>V1)を伝達する光伝導体上に刻まれた画像パターンによって生じる。電圧が加えられると、液晶分子の広がり回転がセルにわたる結果となり、その後、入射光によってみられる屈折率の変化を作り出す。セルのこの当該部分を通過するこの光への効果は、楔/プリズムを通過したのと同じであり、その結果、(あらゆる光パターンを含む)光場のその当該部分が角度605を通して変位/ステアリングされる。角度変位は、V
1→Viの間の差の大きさに直接対応する。
【0082】
図6Cは、それぞれ、異なる方向に光をステアリングするように働く付加電圧を受けて作用する、複数個の別個の区画を備えた空間的角度光弁を示す図である。光弁612、画像制御光学部614、入力光パターン611Aおよび出力光パターン613Aを含む固体スキャナ・サブシステム610が示されている。
図6Aおよび
図6Bに関して記載したものの延長と考えることができるこの実施形態では、電圧変化(V
1→Vi)は、空間的角度光弁612上の別個の領域にわたって、任意の方向に生じる。これにより、入射パターン611Dを任意のパターン613B内に再フォーマット化することが可能になる。電圧変化がまだ直線パターンであり、それによって、得られるパターンは直線偏向の重畳を使用して利用可能なものに限られることが留意され得る。
【0083】
図6Dは、それぞれ、入射光パターン621Dを再パターン化するように働く任意の付加電圧を受けて作用する、複数個の別個の区画を備えた空間的角度光弁サブシステム620を示す図である。
図6Cおよび
図6Bに関して記載したものの延長と考えることができるこの実施形態では、電圧変化(V
1→Vi)は、空間的角度光弁612上の別個の領域にわたって、任意の方向に生じる。フーリエ光学部624および626の助けをかりて、光学回旋/相関を介してパターン操作が可能とされ、任意のパターン623B内への入射パターン621Dの再フォーマットが可能になる。
【0084】
図6Eは、(あらゆる含有パターンを備えた)ビーム全体が5つの異なる角度633A~Eに運ばれる結果となる、5つの時系列および異なる電圧変化を有する空間的角度光弁サブシステム630を示す図である。分かるように、このようなシステムは、
図4Aおよび
図5A~
図5Cに関して記載されたようなツリー系開閉所システムに対する部分的または完全ビーム・ステアリング解決法を提供するように適合することができる。有利には、パターンは利用のために所望の方向に電子的に案内することができるので、これにより光学機械または光ガントリー・システムの必要性が小さくなる、またはなくなる。特定の実施形態では、空間的角度光弁632はビーム631Eのパターン化またはパターンを変更することができ、追加の光学部(図示せず)はさらに、所望のパターンを提供するように、光回転、反射、または他の変換を行うことができる。
【0085】
図6Fは、角度付けされた光入力を再標準化するために、修正プレート640を有する空間的角度光弁サブシステム640を示す図である。前の固体ビーム・ステアリング素子(図示せず)によってステアリングされた後に望ましくない角度で入射する光ビーム641を、所望の角度に(この場合、修正プレートと垂直に)出力先変更し、追加のパターン化光弁およびビーム・ステアリング素子642に通過させることができる。パターン化されたビームは、粉末ベッドまたは固体光パターン化/案内二値ツリー・システムの次のレベルに向かう様々な光ビーム角度643の1つで案内される、
図6Eに関して論じたのと同様の方法でステアリングすることができる。
【0086】
図7Aは、光エネルギー・リサイクルの態様を示すフローチャート700である。図に示すように、所定の領域(例えば、単一の印刷ベッド)に光エネルギーを分配する方法が示されている。ステップ702では、意図した印刷オブジェクト(支持構造を含む)は、j個のスライス、j=1からJに計算的に分割またはスライスされる。典型的には、印刷オブジェクト全体が分割されるが、特定の実施形態では、印刷オブジェクト全体のサブセットまたは部分を製造することができる。各計算的に画定されたスライスは、次のスライスの前に十分印刷される。
【0087】
ステップ704では、各スライスに対して、印刷されるピクセル全てが判断され、タイルに分割される。タイルは、正方形、長方形、または円形を含むあらゆる形状を有するように構成することができる。タイルは、隣接するタイルに連続していなくともよく、同一形状でなくともよい。各タイルは、透過もしくは反射光弁、または本明細書で開示したような他のエネルギー・ビーム・パターン化ユニットによって案内される2次元エネルギー・ビーム画像によって全体としてアドレス指定可能でなければならない。
【0088】
ステップ706では、K個のタイルを印刷するためにシーケンスが確立される。典型的には、連続または隣接するタイルをシーケンスで処理することができるが、いくつかの実施形態では、幅広く離れたタイルを処理することができる。これにより、部品または印刷ベッドのより良い熱分配および冷却を可能にすることができる。
【0089】
ステップ708では、各所望のタイルを作り出すためのパターン化されたエネルギーが判断される。ステップ710では、スライスj内のK個のタイルの印刷が完了し、過程はその後、J個のスライス全てに対して繰り返される。
【0090】
ステップ712では、光弁からの拒絶エネルギーをリサイクルおよび/または集中させて、印刷性能を改善する、またはエネルギー使用全体を減らすことができる。例えば、4,000,000(4M)ピクセルをアドレス指定することが可能な光弁が使用される場合、1,000,000(1M)ピクセルを含むタイルを画定し、全ての光を残りの1Mピクセルに戻してリサイクルすることができる。これにより、効果的な光強度の最大4倍の増加につながる可能性がある。各スライス/タイルならびに結合するための層の所与の材料および深さに対する電力束範囲を効果的に調節する能力は、システム設計および動作におけるフレキシビリティを提供する。例えば、この方法は、入力電力束がP0であるシステムにおいて有用であるが、P0<P1<=P<=P2であるようなより高い値Pが、材料または画定された層厚さの効果的な溶融に必要である。方法は、電力レベルPを範囲[P1,P2]内で集中させることによって、その時間間隔で溶融するための適当な数のピクセルを画像化するためにリサイクルまたは集中したエネルギーを使用することができる。
【0091】
図7Bは、所与の期間利用可能な光またはエネルギーを時間的に分配する方法を示すフローチャート720である。典型的には、光またはエネルギーは、パターン化された画像を受け、部分を形成する準備ができた1つまたは複数の印刷ベッドのみで案内されるが、特定の実施形態では、エネルギーの一部はまた、一般的なチャンバ加熱または粉末ベッド調整のために均質化および使用することができる。
【0092】
方法のステップ722では、印刷が完了するまで、一連の時間ステップtが画定される。ステップ724では、各時間間隔で、全ての(または多くの)可能な印刷位置およびタイルのリストが生成される。複数個の印刷ベッドを含む一実施形態では、各印刷ベッドに対する1つの適格なタイルが選択される。ステップ728では、適格なタイルの間で利用可能な光をどのように分配するかの決定が行われる。決定は、ピクセル寸法、タイル優先度、ピクセル再マッピング能力、または材料性状に左右される可能性がある。例えば、低い需要のピクセルは、高い需要のピクセルに再マッピングする、または電力レベルPを集中させるように「リサイクル」することができる。他の実施形態では、選択したタイルは他の前に優先的に印刷することができる。これにより、最近印刷されたタイルへの隣接が可能になる、または熱処理のための冷却/加熱速度を管理することが可能になる。エネルギーを分配することはまた、回転、反転、またはタイル印刷優先度を変更するミラーリング能力の利用可能性で、ピクセル再マッピング・システムに左右されることがある。複数個のタイプの材料が同じまたは異なる印刷ベッドで使用される場合、電力レベルまたはエネルギー集中は、材料の溶融点に左右される可能性がある。例えば、電力レベルP1はスチールに必要であり得るが、より高い束P2はタングステンに必要である。
【0093】
ステップ730では、エネルギーはステップ728で判断されたようにパターン化され、ステップ732では、選択したタイル全ては、パターン化したエネルギーを同時に受ける。いくつかの実施形態では、タイルに向けて案内されたエネルギー・パターンのサブセットを使用して、溶融または融合ではなく、加熱することができる。最後に、過程はステップ722で規定された次の時間間隔に対して繰り返される。
【0094】
図8Aおよび
図8Bは共に、複数個のチャンバを支持する例示的開閉所システム800Aおよび800Bを示している。複数個のエネルギー・ビーム入力は、パターン化されていない電力ビーム発生器802、パターン化された書込ビーム804、またはビーム・リサイクル注入ポート806を介して提供されるリサイクルされたエネルギーを含むことができる。エネルギーは光弁808によってパターン化され、それはエネルギー・ビームを正および負の画像810に分割する。負のビーム812は、開閉所820を介して再マッピングする、または注入ポート806を通してリサイクルすることができる。正の画像は、開閉所820にルーティングし、所望のチャンバ部分またはチャンバに案内することができる。再マッピングされた負の電力ビーム816および正の電力ビーム818に対する開閉所入力は両方とも、開閉所820においてルーティング、組合せ、出力先変更、または強度あるいはパターン変更することができる。開閉所820からの出力は、1つまたは複数個のチャンバ822、1つまたは複数個のサブ・チャンバ824、または複数個のチャンバ内の複数個のサブ・チャンバに案内することができる。
【0095】
図9は、ダイオード・レーザ・エネルギーで少なくとも3つのチャンバを支持する固体開閉所システムの一実施形態900を示している。コンピュータ論理デバイス901は、ダイオード・レーザ動作902、パターン化機構アドレス光911、光弁動作914、LCセル動作920、934、および948、固体亜鉛めっき鉄板アドレス光927、941、および955、ならびに固体亜鉛めっき鉄板929、943、および957を調整する。複数個の射出器からなるダイオード・レーザ902は、ビーム905を作り出すために画像化光学部904によって再寸法化される、90mm幅、20mm高さのビーム3で、1000nmの光を射出する。ビーム5は、4.5mm幅、4.5mm高さであり、混合されたビーム907を作り出すために互いに光を混合する光均質化デバイス906に入射する。ビーム907はその後、光をビーム909内に再成形する画像化アセンブリ908に入射し、その後、1000nm光が通過するのを可能にするが、450nm光を反射するホット・コールド・ミラー910に入射する。1080pおよび450nmでの低電力光を投影することが可能なプロジェクタは、ビーム912を射出し、それはその後、ホット・コールド・ミラー910に入射する。ビーム912および909は、ビーム913に重なり、両方とも、24mm幅、24mm高さの画像内で光学アドレス指定光弁914上に画像化される。ホモジナイザ906およびプロジェクタ911が出力する画像は、914で再生成され、重ねられる。光学アドレス指定光弁914は、450nm光によって刺激され、偏光器916に入射する透過ビーム915内に偏光回転パターンを刻み込む。偏光器916は、2つの偏光状態を分割して、p偏光をビーム917内に透過し、s偏光をビーム・ダンプ919にその後送られるビーム918内に反射させる。全ビームの偏光状態を回転させるように制御することができる、あるいはビーム921の状態をs偏光またはp偏光のいずれかにすることを可能にしないLCセル920に、ビーム917が入る。ビーム921はその後、p偏光がビーム923内に通過することを可能にするように構成された、またはLCセル920の状態によってs偏光をビーム933へと反射させるように構成された偏光器922に入射する。偏光器922を通してビーム923内に透過される光はその後、粉末ベッドで画像を8mm幅および8mm高さに再寸法化する最終画像化アセンブリ924に入る。ビーム925は、二色性ミラー926をビーム928内に反射し、固体亜鉛めっき鉄板機構930に入射する。固体亜鉛めっき鉄板930は、二色性ミラー926を通過し、固体亜鉛めっき鉄板機構930に入射するアドレス源927からの青色コヒーレント・レーザ光の3波混合によってアドレス指定される。入射点では、アドレス源927から射出される青色コヒーレント光の3つのビームが、固体亜鉛めっき鉄板機構929上に干渉格子962を形成して、コンピュータ論理デバイス901によって案内されるような亜鉛めっき鉄板ビーム出力先変更に望ましい配向の方向に鋸歯波形パターンを生じさせる。ビーム928が固体亜鉛めっき鉄板機構929を通過した後に、鋸歯パターン962による垂直入射から、+5°の角度で逸脱するビーム930につながる。ビーム930はその後、固体亜鉛めっき鉄板機構929の角度移動によって生じる光学歪みを修正するFシータ・レンズ931に入射し、粉末ベッド(図示せず)内で終端するビーム932につながる。
【0096】
LCセル920がビーム917の偏光状態を回転させるようにコンピュータ論理デバイス901によって構成される場合、ビーム921は、第2のLCセル934に入射するビーム933につながる、偏光器ミラー922で反射するs偏光の光につながる。LCセル934がビーム933の偏光状態を回転させないようにコンピュータ論理デバイス901によって構成される場合、ビーム935は、粉末ベッドで8mm幅および8mm高さに画像を再寸法化する最終画像化アセンブリ938に入射するビーム937につながる、偏光器ミラー936で反射するs偏光の光状態を維持する。ビーム939は、二色性ミラー940でビーム942内に反射し、固体亜鉛めっき鉄板機構943に入射する。固体亜鉛めっき鉄板493は、二色性ミラー40を通過し、固体亜鉛めっき鉄板機構943に入射するアドレス源941からの青色コヒーレント・レーザ光の3波混合によってアドレス指定される。入射点では、アドレス源941から射出される青色コヒーレント光の3つのビームが、固体亜鉛めっき鉄板機構943上に干渉格子963を形成して、コンピュータ論理デバイス901によって案内されるような亜鉛めっき鉄板ビーム出力先変更がないことに望ましい無状態波形パターンを生じさせる。ビーム942が固体亜鉛めっき鉄板機構943を通過した後に、無状態パターン963による垂直入射から逸脱されていないビーム944につながる。ビーム944はその後、固体亜鉛めっき鉄板機構943の角度移動によって生じる光学歪みを修正するFシータ・レンズ945に入射し、粉末ベッド(図示せず)内で終端するビーム946につながる。
【0097】
LCセル934がビーム933の偏光状態を回転させるようにコンピュータ論理デバイス901によって構成される場合、ビーム935は、第3のLCセル948に入射するビーム947につながる、偏光器ミラー936を透過するp偏光の光につながる。LCセル948がビーム947の偏光状態を回転させるようにコンピュータ論理デバイス901によって構成される場合、ビーム948は、粉末ベッドで8mm幅および8mm高さに画像を再寸法化する最終画像化アセンブリ952に入射するビーム951につながる、偏光器ミラー950で反射するs偏光の光状態に変換するように回転する。ビーム953は、二色性ミラー954でビーム956内に反射し、固体亜鉛めっき鉄板機構957に入射する。固体亜鉛めっき鉄板機構957は、二色性ミラー954を通過し、固体亜鉛めっき鉄板機構957に入射するアドレス源955からの青色コヒーレント・レーザ光の3波混合によってアドレス指定される。入射点では、アドレス源955から射出される青色コヒーレント光の3つのビームが、固体亜鉛めっき鉄板機構957上に干渉格子964を形成して、コンピュータ論理デバイス1によって案内されるような亜鉛めっき鉄板ビーム出力先変更に望ましい配向の方向に鋸歯波形パターンを生じさせる。ビーム56が固体亜鉛めっき鉄板機構957を通過した後に、鋸歯パターン964による垂直入射から、-5°の角度で逸脱するビーム958につながる。ビーム958はその後、固体亜鉛めっき鉄板機構957の角度移動によって生じる光学歪みを修正するFシータ・レンズ959に入射し、粉末ベッド(図示せず)内で終端するビーム960につながる。
【0098】
有利には、開閉所システムは、画像リレーが付加製造粉末ベッド上で生成および伝達される画像の空間的および角度電力密度内容(エタンデュの形で)を両方とも保存する実施形態をサポートすることができる。これは、角度電力密度を保存することなく、空間的性状を保存する多くの従来の画像リレー・システムとは異なる。また、空間的性状を保存することなく、角度電力密度を保存する多くの従来の電力伝達光学技術(すなわち、非画像化光学技術)とは異なる。開閉所システムの選択した実施形態により、あらゆる数の印刷チャンバへの1つまたは複数の切換レベルを通した空間的および角度電力密度の保存が可能になる。
【0099】
本開示の目的で、エタンデュは、mm*mradの単位でビーム・パラメータ積(BPP)の関数として規定することができる。これは、粉末ベッドの受け角度によって乗算される受け面積と比較して、源の射出角度によって乗算された射出面積に対応している。一実施形態では、2次元パターン化エネルギー・ビームが、ビーム・パターン化ユニットで生成され、少なくとも1つの粉末ベッドで受けられる2次元パターン化画像の50%より大きい角度電力密度および75%より大きいエタンデュ内容を保存する。他の好ましい実施形態では、2次元パターン化エネルギー・ビームが、ビーム・パターン化ユニットで生成され、少なくとも1つの粉末ベッドで受けられる2次元パターン化画像の70%より大きい角度電力密度および85%より大きいエタンデュ内容を保存する。特定の実施形態では、電力は1つまたは複数のダイオード・レーザによって提供される。
【0100】
分かるように、前述の実施形態での使用に適した多くの応用例がある。例えば、医療用応用例は、顧客にあまり損傷および痛みを与えないで刺青インクをより迅速に飽和させるために、医療用レーザの形状および強度をパターン化することによって迅速な刺青またはポート・ワイン染み除去を含むことができる。形状および強度レベルをパターン化することによって変わる組織に関する外科的焼灼であるので、所望の処理に基づく形状および強度をパターン化することによる皮膚リサーフェシングまたは変更が可能である。別の潜在的応用例は、光線力学的治療、または蛍光色素分子パターン化のいずれかによる、パターン化された光および強度を使用したガン除去である。同様に、骨、歯、眼レンズ、または白内障除去は、より低い熱影響パターン化および再成形の利用可能性によって改善することができる。
【0101】
材料処理はまた、記載した光処理方法およびシステムによって改善することができ、3D印刷部品の処理、付加製造または機械加工部品のバリ取り、円滑化またはテクスチャ表面化が単純化される。「透明な」構造の応力(除去または改良のいずれか)の容量変更が可能である。重大な整列アセンブリ上での画像ベース溶接、応力計測学を使用して観察することしかできない応力パターンを埋め込むことによる画像ベース製品認証、および画像ベース・ドリルも改善される。
【0102】
軍事応用例としては、応力パターン認証、エネルギー兵器収差修正の位相および大きさパターン化、およびターゲット面透過改良を挙げることができる。記載した時間ベース・ビーム・ステアリングは、複数個の射出ポートへの集中エネルギー武器システムの時間共有に対して直接応用可能である。他の軍事応用例としては、画像形成プラズマ生成およびレンズ化、および脆く位置決めすることが難しい光学機械システムの使用を必要とすることなく、複数個の物体の同時ターゲット化を挙げることができる。
【0103】
本発明の多くの変更形態および他の実施形態は、前述の説明および関連する図面で提示した教示の恩恵を受ける当業者には直ぐに分かるだろう。したがって、本発明は開示した特定の実施形態に限るものではなく、変更形態および実施形態は添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図したものであることを理解されたい。また、本発明の他の実施形態を、本明細書に特に開示していない素子/ステップがなくとも実施することができることを理解されたい。