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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】UO曲げ成形の素材寸法決定方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/01 20060101AFI20240531BHJP
   B21C 37/08 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B21D5/01 S
B21C37/08 E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020134771
(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公開番号】P2022030639
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100155457
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】福島 正彦
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-027554(JP,A)
【文献】特開2018-161684(JP,A)
【文献】特開平5-115921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/01
B21C 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シミュレーションにより平板素材にUO曲げ成形を施して管状部品を形成する第1のステップと、
前記管状部品の長手方向複数箇所の断面における全周の周方向長さとその目標値とを比較する第2のステップと、
前記周方向長さとその目標値との比較結果に基づいて、前記平板素材の寸法を修正する第3のステップとを有するUO曲げ成形の素材寸法決定方法。
【請求項2】
前記第2のステップで、前記管状部品の長手方向複数箇所の断面における周方向の圧縮歪とその目標値とを比較し、
前記第3のステップで、前記周方向の圧縮歪とその目標値との比較結果に基づいて、前記平板素材の寸法を修正する請求項1に記載のUO曲げ成形の素材寸法決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シミュレーションによるUO曲げ成形の素材寸法決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体を構成する部品は、金属板をプレス成形することにより製造されることが多い。具体的には、平坦な金属板を打ち抜いて所定形状のブランク材を形成し、このブランク材にプレス成形を施した後、成形品の不要部分を切断除去する。このとき、プレス成形前のブランク材を、プレス成形後の成形品に必要最小限の大きさ(形状)とすれば、材料歩留まりが高められる。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、コンピュータシミュレーションによる繰り返し計算で、ブランク材の形状を最適化する方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-45627号公報
【文献】特開2014-4626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンピュータシミュレーションによるブランク材形状の最適化は、例えば以下のような手順で行われる。まず、シミュレーションにより、図12(A)に示す平板状のブランク材101にプレス成形を施し、図12(B)に示す成形品102を形成する。この成形品102の輪郭(端部の位置)と、図12(C)に示す完成部品103の輪郭(端部の位置)とを比較し、ブランク材101の寸法の過不足ΔL’を計算する。こうして計算した過不足ΔL’に基づいてブランク材101の形状を修正し、再びプレス成形を行う。以上の工程を、成形品102が要求品質を満たすまで(すなわち、成形品102の輪郭と完成部品103の輪郭との差が所定範囲内となるまで)繰り返す。
【0006】
ところで、プレス成形の一種として、平板状のブランク材を管状に成形する、いわゆるUO曲げ成形が知られている(例えば、上記の特許文献2参照)。一般的なUO曲げ成形では、まず、平板状のブランク材をU曲げ金型でプレスすることでU字形の成形品を形成する(U曲げ工程)。次いで、図13に示すように、U字形の成形品201をO曲げ金型202,203でプレスすることで成形品201の端部同士を突き合わせる{図13(B)参照}。その後、さらにプレスすることで、成形品201が外周側に張り出し{図13(C)参照}、金型201に押し付けられることで管状部品204が形成される{図13(D)参照}。管状部品204には、端部同士の突き合わせ部205が設けられる。
【0007】
このようなUO曲げ成形の素材(ブランク材)の形状を、図12と同様の方法により最適化しようとすると、シミュレーションでのUO曲げ成形により得られた管状部品206の輪郭(端部の位置)と、設計図面上の管状部品の輪郭(端部の位置)とを比較する必要がある。しかし、管状部品204は端部同士が突き合わされているため、端部の位置で素材寸法の過不足を計算することが難しい。例えば、シミュレーションで成形した管状部品204に図14(A)(B)の上図に示すような成形不良が生じていた場合でも、この管状部品204の突き合わせ部205と、同下図に示す設計図面上の管状部品204’の突き合わせ部205’の位置(水平方向位置)は変わらないため、突き合わせ部の位置から素材寸法の過不足を計算することができない。
【0008】
そこで、本発明は、シミュレーションによりUO曲げ成形の素材形状を最適化する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、シミュレーションにより平板素材にUO曲げ成形を施して管状部品を形成する第1のステップと、前記管状部品の長手方向複数箇所の断面における周方向長さとその目標値とを比較する第2のステップと、前記周方向長さとその目標値との比較結果に基づいて、前記平板素材の寸法を修正する第3のステップとを有するUO曲げ成形の素材寸法決定方法を提供する。
【0010】
このように、本発明では、管状部品の端部(突き合わせ部)の位置ではなく、管状部品の断面における周方向長さとその目標値とを比較する。例えば、図14(A)上図のような成形不良が生じた場合は周方向長さが目標値(同下図の周方向長さ)よりも長くなり、図14(B)上図のような成形不良が生じた場合は周方向長さが目標値(同下図の周方向長さ)よりも短くなるため、これらの成形不良を検知することができる。そして、この周方向長さとその目標値との比較結果に基づいて、平板素材の寸法を修正することで、平板素材の形状を最適化することができる。
【0011】
管状部品の素材の端部同士が突き合わされている場合(すなわち、周方向長さが目標値と一致している場合)であっても、O曲げ工程(図13参照)で素材に加わる周方向の圧縮応力が不足していると、素材が金型に十分な力で押し付けられず、成形不良を招くことがある。このような成形不良は、管状部品の周方向長さを目標値と比較するだけでは検知することができない。
【0012】
そこで、前記第2のステップで、前記管状部品の長手方向複数箇所の断面における周方向の圧縮歪とその目標値とを比較し、前記第3のステップで、前記周方向の圧縮歪とその目標値との比較結果に基づいて、前記平板素材の寸法を修正することが好ましい。このように、管状部品の周方向長さだけでなく、周方向の圧縮歪とその目標値とを比較することで、素材に加わる圧縮応力の過不足を検知できる。この周方向の圧縮歪とその目標値との比較結果に基づいて、平板素材の寸法を修正することで、平板素材の寸法をより適正な値に設定することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、シミュレーションによりUO曲げ成形の素材形状を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るUO曲げ成形の素材寸法決定方法のフロー図である。
図2】(A)~(D)は、UO曲げ成形の各工程の断面図である。
図3】(A)(B)は、U曲げ工程の断面図である。
図4】(A)~(C)は、第一O曲げ工程の断面図である。
図5】(A)~(C)は、第二O曲げ工程の断面図である。
図6】管状部品の斜視図である。
図7】管状部品の平面図である。
図8】管状部品の断面図である。
図9】管状部品を展開した平板素材の平面図である。
図10】他の実施形態に係るUO曲げ成形の素材寸法決定方法のフロー図である。
図11】さらに他の実施形態に係るUO曲げ成形の素材寸法決定方法のフロー図である。
図12】プレス成形品の素材寸法決定方法の比較例を示し、(A)は平板素材の断面図、(B)はシミュレーションによるプレス成形品の断面図、(C)は設計図面上のプレス成形品の断面図である。
図13】(A)~(D)は、従来のUO曲げ成形におけるO曲げ工程の断面図である。
図14】(A)(B)の上図は、成形不良が生じた管状部品の断面図であり、下図は、設計時図面上の管状部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
本実施形態に係るUO曲げ成形の素材寸法決定方法は、図1に示すステップS1~S4を経て行われる。各ステップS1~S4は、キーボード等の入力部、入力部で入力された情報を基に演算を行う演算部、及び、演算部の結果を表示するモニター等の表示部を備えたコンピュータを用いて行われる。以下、各ステップS1~S4を詳しく説明する。
【0017】
(1)第1のステップS1(UO曲げ成形)
第1のステップS1では、上記コンピュータによるシミュレーション(例えば、有限要素法によるシミュレーション)により、平板素材に対してUO曲げ成形を施す。本実施形態では、まず、図2(A)に示す平板素材2に、U曲げ工程、第一O曲げ工程、及び第二O曲げ工程を施して、図2(D)に示す管状部品1を成形する。以下、各工程を説明する。
【0018】
U曲げ工程では、平板素材2にU曲げ加工を施して、図2(B)に示すU曲げ成形品3を形成する。具体的には、図3に示すように、平板素材2をU曲げ金型21、22でプレスしてU曲げ成形品3を形成する。U曲げ成形品3は、底部11と、底部11の両端から立ち上がった一対の縦壁部12とを有する断面U字形を成している。平板素材2及びこれから成形されるU曲げ成形品3はソリッド要素としてモデル化され、U曲げ金型21、22は剛体としてモデル化される。尚、平板素材2及びU曲げ成形品3を、シェル要素としてモデル化してもよい。
【0019】
第一O曲げ工程では、U曲げ成形品3に第一O曲げ加工を施して、図2(C)に示す第一O曲げ成形品4を形成する。具体的には、図4に示すように、U曲げ成形品3を第一O曲げ金型23、24でプレスして、U曲げ成形品3の縦壁部12に肩曲げ部13を形成する。U曲げ成形品3及びこれから成形される第一O曲げ成形品4はソリッド要素としてモデル化され、第一O曲げ金型23、24は剛体としてモデル化される。尚、U曲げ成形品3及び第一O曲げ成形品4を、シェル要素としてモデル化してもよい。
【0020】
第二O曲げ工程では、第一O曲げ成形品4に第二O曲げ加工を施して、図2(D)に示す管状部品1を形成する。具体的には、図5(A)に示すように、第一O曲げ成形品4を、剛体モデルからなる第二O曲げ金型25、26でプレスして、素材の端部同士を突き合わせる{図5(B)参照}。その後、さらにプレスすることで、第二O曲げ成形品4の縦壁部12(特に、型曲げ部13よりも上方の領域)を外周側に張り出させて、上型25の成形面に押し付ける。これにより、金型25、26の成形面に倣った管状部品1が成形される{図5(C)参照}。第一O曲げ成形品4及びこれから成形される管状部品1はソリッド要素としてモデル化され、第二O曲げ金型25、26は剛体としてモデル化される。尚、第一曲げ成形品4及び管状部品1を、シェル要素としてモデル化してもよい。
【0021】
本実施形態の管状部品1は、例えば、自動車のリアサスペンションの左右のトレーリングアームとして用いられ、図6に示すように湾曲した中空管状を成している。図示例の管状部品1は、図7に示す平面視で湾曲している。管状部品1は、さらに他の方向に湾曲していてもよく、例えば、管状部品1の一方の端部を図中上向きあるいは下向きに湾曲させてもよい。管状部品1は、異形(非円形)断面を有する。管状部品1は、長手方向で断面形状が異なっている。管状部品1の上面には、素材の端部同士の突き合わせ部14が長手方向に沿って設けられる。
【0022】
尚、UO曲げ成形は上記に限らず、例えば、第一O曲げ工程を省略して、U曲げ成形品にO曲げ工程を施して管状部品を形成してもよい。また、管状部品の形状は上記に限らず、例えば、長手方向が直線状のものや、円形断面のもの、あるいは断面形状が長手方向で不変のものであってもよい。
【0023】
(2)第2のステップS2(周方向長さ・圧縮歪のチェック)
第2のステップS2では、管状部品1の周方向長さ及び周方向の圧縮歪をチェックする(図1参照)。具体的には、まず、図7に示すように、管状部品1の長手方向の複数箇所における断面P~Pを設定する。各断面P~Pは、長手方向と略直交する平面上に設定され、例えば、突き合わせ部14と直交する平面上に設定される。断面P~Pのピッチは、有限要素法のメッシュの大きさに応じて設定され、例えば1~2mm程度に設定される(図7では、図の簡略化のためにピッチを大きめに示している)。
【0024】
そして、管状部品1の各断面P~Pの板厚中心における周方向長さL~Lを計算する(図8参照)。そして、管状部品1の断面P~Pにおける周方向長さL~Lと、それぞれの目標値L0~L0とを比較する。周方向長さの目標値L0~L0は、設計図面上の管状部品の各断面P~Pの板厚中心における周方向長さである。そして、シミュレーションによる管状部品1の周方向長さL~Lと、それぞれの目標値L0~L0との差ΔL~ΔLを算出する。そして、この差ΔL~ΔLが所定範囲内である断面では、素材の端末同士が設計図面通りに突き当たっている(すなわち、突き合わせ部14が所望の位置に配されている)と判定される。一方、上記の差ΔL~ΔLが所定範囲外である断面では、素材の端末同士の突き合わせ状態が不良と判定され、第3のステップS3に進む。
【0025】
また、管状部品1の各断面P~Pにおける周方向の圧縮歪を計算する。具体的には、各断面P~Pにおける周方向の圧縮歪ε~εの分布(平板素材2の各要素の周方向寸法と管状部品1の各要素の周方向寸法との比)を計算する。一方、管状部品1の各断面P~Pにおける周方向の圧縮歪の目標値を設定する。この目標値は、例えば、理想的な成形状態における圧縮歪分布をシミュレーションで計算したり、過去の実際のプレス成形のデータに基づいて設定したりすることができる。そして、各断面P~Pにおける周方向の圧縮歪ε~εとその目標値とを比較する。本実施形態では、シミュレーションによる各断面P~Pにおける周方向の圧縮歪ε~εの分布と、それぞれの目標値ε0~ε0との差Δε~Δεを算出する。そして、この差Δε~Δεが所定範囲内である断面では、素材に適正な圧縮応力が加わっていると判定される。一方、上記の差Δε~Δεが所定範囲外である断面では、素材に加わる圧縮応力が過剰である、あるいは不足していると判定され、第3のステップS3に進む。
【0026】
(3)第3のステップS3(素材寸法修正)
第3のステップS3では、まず、管状部品1にUO曲げの逆演算を施すことにより、管状部品1を平板状に展開した平板素材2’を取得する(図9参照)。この平板素材2’には、管状部品1の各断面P~Pに相当する断面線P’~P’が設けられる。各断面線P’~P’の端部で、突き合わせ部を構成する平板素材2’の端部2a’、2b’が設定される。そして、第2のステップS2において、素材の周方向長さとその目標値との比較結果(ΔL~ΔL)又は周方向の圧縮歪とその目標値との比較結果(Δε~Δε)、あるいはこれらの双方に基づいて、平板素材2’の断面線P’~P’の長さを修正し、平板素材2’の端部2a、2bの位置を調整する。このとき、断面線P’~P’の長さの修正量や、断面線P’~P’の何れの端部を動かして長さを修正するか等は、過去のデータ等に基づいて設定される。
【0027】
その後、第3のステップS3で寸法を修正した平板素材2’を用いて、再びUO曲げ成形(第1のステップS1)及び周方向長さ及び歪チェック(第2のステップS2)を行う。そして、管状部品1の各断面P~Pにおける周方向長さとその目標値との差ΔL~ΔL、及び、管状部品1の各断面P~Pにおける周方向の圧縮歪とその目標値との差Δε~Δεが全て所定範囲内となるまで、上記のステップS1~S3が繰り返される。ΔL~ΔL及びΔε~Δεが全て所定範囲内となったら、第4のステップS4に進む。
【0028】
(4)第4のステップS4(素材寸法確定)
第4のステップS4では、管状部品1にUO曲げの逆演算を施すことにより、管状部品1を平板状に展開する。これにより、所望の突き合わせ状態が得られるように寸法(形状)が最適化された平板素材を取得できる。
【0029】
本発明は、上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と同様の点については重複説明を省略する。
【0030】
図10に示す実施形態では、第2のステップS2を、管状部品1の周方向長さをチェックするステップS2aと、管状部品1の周方向の圧縮歪をチェックするステップS2bとに分けて行っている。具体的には、第1のステップS1の後、管状部品1の周方向長さをその目標値と比較し(ステップS2a)、これらの差が所定範囲外であれば、平板素材2’の寸法を修正して(第3のステップS3)、再びUO曲げ成形を施す(第1のステップS1)。これらの工程を繰り返して、周方向長さと目標値との差が所定範囲内となったら、管状部品1の周方向の圧縮歪を目標値と比較し(ステップS2b)、これらの差が所定範囲外であれば、平板素材2’の寸法を修正して(第3のステップS3)、再びUO曲げ成形を施す(第1のステップS1)。これらの工程を繰り返して、周方向の圧縮歪と目標値との差が所定範囲内となったら、第4のステップS4に進む。
【0031】
図11に示す実施形態では、管状部品1の周方向の圧縮歪のチェックを省略している。具体的には、管状部品1の周方向長さとその目標値のみを比較し(第2のステップS2)、これらの差が所定範囲外であれば、平板素材2’の寸法を修正して(第3のステップS3)、再びUO曲げ成形を施す(第1のステップS1)。これらの工程を繰り返して、周方向の圧縮歪と目標値との差が所定範囲内となったら、第4のステップS4に進む。このように、圧縮歪をチェックするステップを省略することで、上記の実施形態と比べて計算負荷が軽減されるため、計算時間が短縮される。
【符号の説明】
【0032】
1 管状部品
2 平板素材
3 U曲げ成形品
4 第一O曲げ成形品
14 突き合わせ部
-P 断面
’-P’ 断面線
~L 周方向長さ
ε 周方向の圧縮歪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14