(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】灯具、器具、及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 15/01 20060101AFI20240531BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20240531BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240531BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240531BHJP
【FI】
F21V15/01 500
F21V33/00 400
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020013621
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-024938(JP,A)
【文献】特表2010-512179(JP,A)
【文献】特開2005-100809(JP,A)
【文献】特表2007-526617(JP,A)
【文献】特開2019-029070(JP,A)
【文献】米国特許第5896695(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00 - 9/90
F21S 2/00 - 45/70
F21V 23/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の照射面及び前記照射面と対向する開口面を有する長尺で箱形の第1外郭部と、
前記第1外郭部の前記開口面を覆う第2外郭部と、
前記第1外郭部及び前記第2外郭部で囲まれて形成された第1内部空間に配置され、前記照射面に向かって光を照射する光源部と、
前記第1外郭部の長手方向に沿って設けられ、前記第1内部空間に侵入し又は侵入しようとする虫を忌避させる忌避剤と、を備え
、
前記忌避剤は、前記第1外郭部に、前記第1外郭部と、前記光源部が設けられた台座部との隙間を塞ぐように、設けられている
灯具。
【請求項2】
前記忌避剤は、前記第1内部空間に面した箇所に配置されている、請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記忌避剤は、前記第1内部空間に面していない前記第1外郭部の箇所又は前記第2外郭部の箇所に配置されている、請求項1に記載の灯具。
【請求項4】
前記忌避剤は、前記第1内部空間に面した箇所と、前記第1内部空間に面していない前記第1外郭部の箇所又は前記第2外郭部の箇所と、にそれぞれ配置されている、請求項1に記載の灯具。
【請求項5】
前記忌避剤は、前記第1外郭部及び前記第2外郭部のうち、いずれか一方又は双方に取り付けられている、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項6】
透光性の照射面及び前記照射面と対向する開口面を有する箱形の第1外郭部と、前記第1外郭部の前記開口面を覆う第2外郭部と、前記第1外郭部及び前記第2外郭部で囲まれて形成された第1内部空間に配置され、前記照射面に向かって光を照射する光源部と、を有する灯具が装着される器具であって、
断面形状が凹状であり、前記灯具が装着される灯具装着部と、
前記灯具が装着された状態における前記灯具装着部の内部である第2内部空間に面した箇所に配置され、前記第1内部空間に侵入し又は侵入しようとする虫を忌避させる忌避剤と、を備えた器具。
【請求項7】
前記灯具装着部には、被取付部により囲まれた第3内部空間に連通する貫通孔が形成されており、
前記貫通孔の付近には、前記第2内部空間に侵入した虫を、前記貫通孔を通じて外部へ誘引する誘引剤が設けられている、請求項6に記載の器具。
【請求項8】
透光性の照射面及び前記照射面と対向する開口面を有する箱形の第1外郭部と、前記第1外郭部の前記開口面を覆う第2外郭部と、前記第1外郭部及び前記第2外郭部で囲まれて形成された第1内部空間に配置され、前記照射面に向かって光を照射する光源部と、前記第1内部空間に侵入し又は侵入しようとする虫を忌避させる忌避剤と、を有する灯具が装着される器具であって、
断面形状が凹状であり、前記灯具が装着される灯具装着部と、
前記灯具が装着された状態における前記灯具装着部の内部である第2内部空間に侵入した虫を外部へ誘引する誘引剤と、を有し、
前記灯具装着部には、被取付部により囲まれた第3内部空間に連通する貫通孔が形成されており、
前記誘引剤は、前記貫通孔の付近に設けられている、器具。
【請求項9】
前記貫通孔を通じて前記第2内部空間から前記第3内部空間へ出し入れ自在とされ、前記貫通孔の付近に設けられた捕捉部材を更に備え、
前記誘引剤は、前記捕捉部材に設けられている、請求項7又は請求項8に記載の器具。
【請求項10】
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の灯具と、
被取付部に取り付けられ、前記灯具が装着される器具と、を備えた照明装置。
【請求項11】
灯具と、
請求項6~請求項9のいずれか一項に記載の器具と、を備えた照明装置。
【請求項12】
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の灯具と、
請求項6~請求項9のいずれか一項に記載の器具と、を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、虫を忌避させる忌避部材を備えた灯具、灯具が取り付けられる器具、及び灯具と器具とを備えた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前から、天井又は壁等の被取付部に取り付けられる照明装置が知られている。例えば、特許文献1に開示された照明器具は、光を照射させる光源ユニットと、天井又は壁等の被取付部に固定され、光源ユニットが取り付けられる器具本体と、を有している。光源ユニットは、長尺状に形成された取付部材と、取付部材に取り付けられる光源部と、透光性を有し、光源部を覆うようにして取付部材に取り付けられるカバーと、を有している。光源部は、カバーと取付部材とで囲まれた内部空間に配置されている。
【0003】
照明装置では、カバー部材と取付部材との間に生じた隙間に虫が入り込み、該カバーと取付部材とで囲まれた内部空間に虫が侵入して堆積するおそれがある。照明器具は、取付部材とカバーとで囲まれた内部空間に虫が堆積すると、外部から虫が透けて見えてしまい、外観が著しく低下してしまう。また、照明器具は、堆積した虫によって、カバーを透過する光が遮られて透過率が低下するおそれがある。更に、光源部等に虫が付着すると、部品が劣化したり、短絡等の不具合を生じたりしてしまい、安全性を阻害するおそれがある。
【0004】
そこで、特許文献1の照明器具では、カバーと取付部材との間に弾性部材を設けて密着させ、カバー部材と取付部材との間から虫が入り込む事態を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具では、虫が弾性部材を弾性変形させながら僅かな隙間を形成し、取付部材とカバーとで囲まれた内部空間に侵入するおそれがある。
【0007】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、光源部が設けられた空間に虫が侵入する事態を抑制することができる、灯具、器具、及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る灯具は、透光性の照射面及び前記照射面と対向する開口面を有する長尺で箱形の第1外郭部と、前記第1外郭部の前記開口面を覆う第2外郭部と、前記第1外郭部及び前記第2外郭部で囲まれて形成された第1内部空間に配置され、前記照射面に向かって光を照射する光源部と、前記第1外郭部の長手方向に沿って設けられ、前記第1内部空間に侵入し又は侵入しようとする虫を忌避させる忌避剤と、を備え、前記忌避剤は、前記第1外郭部に、前記第1外郭部と、前記光源部が設けられた台座部との隙間を塞ぐように、設けられているものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、第1外郭部及び第2外郭部で囲まれて形成された内部空間に侵入し又は侵入しようとする虫を忌避させる忌避剤を備えているので、光源部が設けられた内部空間に虫が侵入する事態を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置を示した斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置を灯具と器具とに分解して示した斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明装置の灯具を分解して示した斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明装置の変形例の主要部を示した縦断面図である。
【
図6】実施の形態2に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。
【
図7】実施の形態3に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。
【
図8】実施の形態3に係る照明装置の変形例1の主要部を示した縦断面図である。
【
図9】実施の形態3に係る照明装置の変形例2の主要部を示した縦断面図である。
【
図10】実施の形態3に係る照明装置の変形例3の主要部を示した縦断面図である。
【
図11】実施の形態4に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。
【
図12】実施の形態5に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。
【
図13】実施の形態5に係る照明装置の捕捉部材を取り外す手順を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置を示した斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明装置を灯具と器具とに分解して示した斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。
図4は、実施の形態1に係る照明装置の灯具を分解して示した斜視図である。
【0013】
(照明装置100)
本実施の形態に係る照明装置100は、
図1~
図3に示すように、長手方向Xに延びる長尺状であり、天井又は壁など被取付部103に取り付けられて、室内空間等の照明空間に光を照射するものである。照明装置100は、照明空間に光を照射する長尺の灯具101と、天井又は壁等の被取付部103に取り付けられて固定され、長尺の灯具101が着脱自在に取り付けられる長尺の器具102と、を備えている。
【0014】
灯具101は、
図4に示すように、第1外郭部1と、第2外郭部2と、光源部3と、制御部4と、取付具5と、忌避剤6と、を有している。一方、器具102は、
図2に示すように、器具本体部7と、端子台8と、取付バネ9と、を有している。
【0015】
(灯具101)
先ず、灯具101の各構成要素を
図1~
図4に基づいて説明する。第1外郭部1は、透光性の材料を用いて形成され、光源部3の周囲を覆うカバー部材である。透光性の材料とは、例えば、ポリカーボネイト若しくはアクリル等の合成樹脂、又はガラス等である。第1外郭部1は、使用される材料に応じて、射出成形、押出し成形、三次元積層造形等により形成される。
【0016】
第1外郭部1は、
図1及び
図2に示すように、透光性の照射面及び照射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、第1外郭部1は、
図3に示すように、照射面の側に設けられた湾曲面状のカバー主部10と、カバー主部10の長手方向Xの両端面を塞ぐカバー端部11と、カバー主部10における短手方向Yの両端縁から被取付部103に向かって立ち上がるカバー壁面部12と、カバー壁面部12の両端縁から開口の内方側に向かって突き出す一対のL字状の台座取付部13とを有している。
【0017】
カバー主部10は、一例として縦断面が湾曲面状とした構成を示しているが、例えば、V字状、W字状、矩形状等でもよく、その他の形状でもよい。カバー端部11は、カバー主部10に接着等によって一体的に取り付けられている。カバー壁面部12は、
図3に示すように、被取付部103に向かって立ち上がる両端縁が開口の内方側へ向くように形成されており、これらの両端縁にL字状の台座取付部13が設けられている。
【0018】
台座取付部13は、
図3に示すように、第1外郭部1の長手方向Xに沿って形成されており、第1外郭部1に第2外郭部2を取り付けるために設けられている。台座取付部13は、第2外郭部2を支持するカバー支持部13aと、第2外郭部2を係止させるカバー係止部13bと、でL字状に形成されている。
【0019】
カバー支持部13aは、第1外郭部1の開口の一部を塞ぐように第1外郭部1の短手方向Yに延伸させて形成されている。カバー支持部13aの上面には、第2外郭部2が載置される。カバー支持部13aは、第1外郭部1の長手方向Xに沿って両側に並行して形成されている。並行するカバー支持部13a及び13aの間には、光源部3が配置される。
【0020】
カバー係止部13bは、被取付部103に向かって延伸させて形成されており、中間部分においてカバー壁面部12の先端縁が接続されている。カバー係止部13bは、上端にフック部13cが形成されており、このフック部13cが第2外郭部2に掛け止められる構成である。
【0021】
第2外郭部2は、板金で形成されており、
図3及び
図4に示すように、第1外郭部1の開口面を覆うものである。第1外郭部1と第2外郭部2とで囲まれた空間が第1内部空間S1となる。第2外郭部2は、第1外郭部1の長手方向Xに沿って延びる平板状の台座部20と、台座部20の短手方向Yの両端縁から被取付部103に向かって立ち上がる台座側部21と、を有している。第2外郭部2は、台座部20が台座取付部13のカバー支持部13aに載置されて支持され、台座側部21の上端部がカバー係止部13bのフック部13cに掛け止められて固定されている。なお、第1外郭部1に第2外郭部2を取り付ける手段は、図示した構成に限定されない。例えば、第1外郭部1に第2外郭部2を接着させて取り付ける構成でもよいし、第1外郭部1に対して第2外郭部2をスライドさせて取り付ける構成でもよいし、その他の構成でもよい。
【0022】
台座部20には、カバー主部10の側となる下面に、光源部3が取り付けられている。また、台座部20には、第1外郭部1の開口側となる上面に、制御部4と、電線配置具40と、電線保持具41と、取付バネ9に係合する取付具5と、が設けられている。なお、台座部20には、制御部4、電線配置具40、電線保持具41及び取付バネ9を取り付けるための取付孔が形成されている。
【0023】
光源部3は、
図3及び
図4に示すように、長尺の基板3aと、基板3aの表面に実装された複数の発光素子3bと、を有している。基板3aは、台座部20の下面に、例えば、接着剤等を用いて取り付けられている。発光素子3bは、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)素子である。複数の発光素子3bは、基板3aの長手方向Xに沿って直線状に実装されており、第1外郭部1のカバー主部10と対向している。光源部3は、制御部4から電力が供給されて発光素子3bを発光させる。発光素子3bから発光された光は、カバー主部10を介して室内空間等の照明空間に照射される。なお、光源部3の動作熱は、第2外郭部2を介して灯具101の外部空間等の放熱領域に向けて放熱される。
【0024】
制御部4は、長尺状の保護ケースの内部に制御装置が設けられた構成であり、台座部20の上面にネジ等の接合部材を用いて取り付けられている。制御部4は、器具102を被取付部103に取り付けるために用いられる吊りボルト(図示は省略)の位置を考慮して、吊りボルト(図示は省略)と保護ケースが接触しない位置を選択して配置されている。制御装置は、基板と、基板に実装される電子部品等と、を有している。制御部4は、光源部3と電線4aで接続され、端子台8と電線4bを介して接続されている。電線4bの一端部には、端子台8に接続された電線8aのコネクタに接続するためのコネクタが設けられている。制御部4は、端子台8から供給された電力を光源部3に供給する電源としての機能と、点灯電力の制御を行う機能を有している。なお、制御部4の動作熱は、第2外郭部2を介して灯具101の外部空間等の放熱領域に向けて放熱される。
【0025】
電線配置具40は、電線4a及び4bが吊りボルト(図示は省略)と接触しないように配線するために設けられている。電線保持具41は、電線4aの一端部にある給電部の損傷を防止し、且つ給電部と台座部20との絶縁距離を確保する目的で設けられている。
【0026】
取付具5は、
図4に示すように、器具本体部7に設けられた取付バネ9と係合し、灯具101を器具102に取り付けるために設けられている。取付具5は、取付バネ9に対応する位置であって、台座部20の長手方向Xにおける両端にそれぞれ設けられている。なお、取付具5は、照明装置100の形状及び大きさに応じて、位置及び個数を適宜変更して設けるものとする。なお、図示することは省略したが、器具102に取付具5を設け、灯具101に取付バネ9を設けてもよい。
【0027】
忌避剤6は、
図3及び
図4に示すように、第1外郭部1及び第2外郭部2で形成された第1内部空間S1に面した箇所に配置され、第1内部空間S1に侵入し又は侵入しようとする虫を忌避させるものである。忌避剤6は、液体、ジェル状又はペースト状の半液体、個体及び気体のいずれでもよい。また、忌避剤6は、経皮型及び経口型のいずれでもよい。
【0028】
忌避剤6は、図示例の場合、カバー壁面部12の上端部と台座取付部13の下端部とで形成される窪みに設けられている。忌避剤6は、図示したように、第1外郭部1の長手方向Xに沿って連続して設けてもよいし、図示することは省略したが、間隔をあけて複数箇所に分散させて設けてもよい。忌避剤6は、例えば、塗布、吹き付け又は貼り付け等の方法により直接設けてもよい。あるいは、忌避剤6は、スポンジ状の多孔質材料若しくは繊維質材料に虫を忌避させる成分を含侵させたもの、又はシート状部材の表面に忌避成分を塗布若しくは吹き付けたりしたものを設置してもよい。
【0029】
ここで、虫とは、例えば、飛翔性昆虫及び徘徊性昆虫である。飛翔性昆虫とは、例えば、ハエ類、ユスリカ類、蚊類、ヨコバイ類、ウンカ類、コナジラミ類、ハチ類、ゴキブリ類等である。徘徊性昆虫は、例えば、アリ類、シロアリ類、ハネカクシ類、アブラムシ類、シミ類、ノミ類、シラミ類、ダニ類、ムカデ類、蜘蛛類等である。なお、これらの虫は、一例である。
【0030】
なお、長期使用によって忌避剤6が効果を発揮しなくなった場合には、第1外郭部1を器具102から取り外して、忌避剤6を充填したり、忌避剤6の設置をやり直したりする等のメンテナンスを行う。
【0031】
(器具102)
器具本体部7は、
図1及び
図2に示すように、長手方向Xに沿って延びる本体部7aと、本体部7aの両端に取り付けられた端板部7bと、を有している。本体部7aは、板金を折り曲げて形成されている。具体的には、本体部7aは、
図3に示すように、短手方向Yの断面形状が凹状となるように折り曲げられて形成され、長手方向Xに沿って延設させた凹部70を有している。そして、本体部7aは、短手方向Yにおける凹部70の開口端縁から被取付部103に向かって斜め上方に折り曲げて形成され、長手方向Xに沿って延設させた斜面部71を有している。斜面部71は、灯具101から照射される光の一部を反射させて側方に配光するために設けられている。なお、本体部7aは、金属以外の材料を用いて形成してもよく、例えば、樹脂材料を用いて形成してもよい。
【0032】
凹部70は、長手方向Xに延びる平板状の天面部72と、短手方向Yにおける天面部72の両端縁から灯具101に向かって屈曲させた側面部73と、を有している。側面部73の端縁は、矩形の開口を形成する開口縁部となる。
【0033】
天面部72には、器具102を被取付部103に取り付けるための吊りボルト又はネジ等の接合部材を通す複数の取付孔(図示は省略)が形成されている。器具102は、天面部72が被取付部103に吊りボルト又はネジ等の接合部材で接合されることで、被取付部103に取り付けられる。また、天面部72には、外部電線を照明装置100の内部へ通すための通線孔が形成されている。外部電線は、照明装置100の内部で端子台8に接続される。なお、外部電線は、電力の供給を受けるための外部電源線が含まれている。また、外部電線は、照明装置100の外部と通信を行うための制御線を含んでもよい。
【0034】
端板部7bは、本体部7aの長手方向Xにおける両端面を塞ぐように、本体部7aの長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。なお、端板部7bには、複数の照明装置100を長手方向Xに連結設置する場合に、開放して送り電線を通すノックアウト7cを設けてもよい。また、端板部7bの下端には、本体部7aの長手方向Xにおける中央に向かって屈曲させた下面部が形成されている。
【0035】
器具102は、器具本体部7の凹部70と端板部7bとで囲まれた部分が灯具装着部7dとなる。灯具装着部7dには、灯具101が着脱自在に装着される。灯具101は、灯具装着部7dに装着された状態で、開口から一部が収容される。灯具101が灯具装着部7dに装着された状態における灯具装着部7dの内部を第2内部空間S2とする。
【0036】
図2に示すように、灯具装着部7dの内部には、端子台8及び取付バネ9が設けられている。端子台8は、器具本体部7の天面部72に固定されている。端子台8は、建物等に設けられた図示省略の固定配線に接続されて、商用電源から電力供給を受けると共に、制御用の通信を中継するために設けられている。端子台8は、一端部にコネクタを有する電線8aを介して制御部4に接続される。
【0037】
取付バネ9は、器具102に灯具101を取り付けるために設けられている。取付バネ9は、
図2に示すように、例えば、ステンレス等の弾性を有する材質であり、帯状の板材を湾曲させて形成した板バネである。取付バネ9は、基端部が天面部72に取り付けられており、灯具装着部7dの開口側に向かって突き出している。取付バネ9は、図示例の場合、天面部72の長手方向Xにおける両端にそれぞれ1つずつ設けられている。なお、取付バネ9は、図示した2つに限定されない。例えば、照明装置100の長手方向Xの長さが短い場合には、長手方向Xにおける一端側に取付バネ9を設け、長手方向Xにおける他端側にフックなどで固定する機構としてもよい。また、照明装置100の長手方向Xの長さが長い場合には、長手方向Xにおける両端と中央にそれぞれ取付バネ9を設けてもよい。要するに、取付バネ9は、照明装置100の形状及び大きさに応じて、位置及び個数を適宜変更して設けるものとする。
【0038】
ここで、虫が第1内部空間S1及び第2内部空間S2へ侵入する主要な経路1~経路3を説明する。まず、経路1について説明する。照明空間である外部空間にいる虫は、
図3に示すように、灯具101のカバー壁面部12の上端部と、器具102の側面部73の下端部との僅かな隙間から第2内部空間S2へ侵入する。第2内部空間S2に侵入した虫は、カバー係止部13bの上端部と、台座側部21の上端部との間の僅かな隙間に入り込み、カバー支持部13aと台座部20との間の僅かな隙間を通じて、その先の第1内部空間S1へと侵入する。
【0039】
次に、経路2について説明する。照明空間である外部空間にいる虫は、
図3に示すように、灯具101のカバー壁面部12の上端部と、器具102の側面部73の下端部との僅かな隙間から第2内部空間S2へ侵入する。そして、第2内部空間S2に侵入した虫は、台座部20に形成された取付孔を通じてカバー支持部13aと台座部20との間の僅かな隙間に入り込み、その先の第1内部空間S1へと侵入する。
【0040】
次に、経路3について説明する。照明空間である外部空間にいる虫は、
図1及び
図2に示すように、灯具101のカバー端部11と、器具102の端板部7bとの僅かな隙間から第2内部空間S2へ侵入する。そして、第2内部空間S2に侵入した虫は、カバー端部11と、台座部20の長手方向Xにおける両端面との間の僅かな隙間を通じて、その先の第1内部空間S1へと侵入する。
【0041】
ここで、第1内部空間S1は、虫を侵入させたくない空間である。また、第2内部空間S2は、虫が第1内部空間S1に侵入する際の経路となり得る空間である。照明装置100は、第1内部空間S1に虫が侵入し、カバー主部10等に堆積すると、外部から虫が透けて見えてしまい、外観が著しく低下してしまう。また、第1外郭部1に堆積した虫は、第1外郭部1を透過する光を遮るため、透過率を低下させるおそれがある。更に、光源部3等に虫が付着すると、電子部品等が劣化したり、回線が短絡したりする等の不具合を生じさせてしまい、安全性を阻害するおそれがある。
【0042】
そこで、本実施の形態1に係る灯具101では、透光性の照射面及びこの照射面と対向する開口面を有する箱形の第1外郭部1と、第1外郭部1の開口面を覆う第2外郭部2と、第1外郭部1及び第2外郭部2で囲まれて形成された第1内部空間S1に配置され、照射面に向かって光を照射する光源部3と、第1内部空間S1に侵入し又は侵入しようとする虫を忌避させる忌避剤6と、を備えている。具体的には、忌避剤6は、第1内部空間S1に面した箇所に配置されている。
【0043】
つまり、本実施の形態1に係る照明装置100は、第1外郭部1及び第2外郭部2で囲まれて形成された第1内部空間S1に侵入し又は侵入しようとする虫を忌避させる忌避剤6を備えているので、虫が第1内部空間S1よりも手前の領域に留まりやすくなる。よって、照明装置100は、光源部3が設けられた第1内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。なお、仮に第1内部空間S1に虫が侵入しても、第1内部空間S1の外部へ虫を移動させることができる。
【0044】
図5は、実施の形態1に係る照明装置の変形例の主要部を示した縦断面図である。
図5に示す照明装置100Aは、台座部20のカバー主部10の側となる下面に忌避剤6が設けられた構成である。忌避剤6は、基板3aの長手方向Xに沿った側面に沿って配置され、カバー支持部13aの内端部と、カバー支持部13aの上面に載置させた台座部20の下面との間の僅かな隙間を塞ぐように設けられている。照明装置100Aでは、忌避剤6の効果が、カバー支持部13aの上面と、台座部20の下面との間の隙間にも及ぶため、虫が第1内部空間S1の手前で留まりやすくなり、これらの虫が第1内部空間S1に侵入する事態を効果的に抑制することができる。
【0045】
なお、忌避剤6は、第1外郭部1の長手方向Xに沿って連続して設けてもよいし、間隔をあけて複数箇所に分散させて設けてもよい。照明装置100Aは、カバー支持部13aと台座部20との間の隙間を忌避剤6で完全に塞ぎ、物理的に侵入経路を遮断することで、虫が第1内部空間S1に侵入する事態を確実に抑制することができる。
【0046】
また、忌避剤6は、台座部20のカバー主部10の側となる下面に設ける構成に限定されず、例えば、カバー支持部13a、台座部20及び基板3aに渡って設けてもよい。この場合、忌避剤6は、配光等の光学特性及び意匠性を損なわない範囲で設けるものとする。また、忌避剤6は、カバー支持部13aと台座部20との間の隙間を塞ぐ箇所に設ける必要はなく、該隙間の近傍に設けてもよい。
【0047】
実施の形態2.
次に、本実施の形態2に係る照明装置200を
図6に基づいて説明する。
図6は、実施の形態2に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0048】
図6に示すように、本実施の形態2に係る照明装置200では、忌避剤6が、第1外郭部1及び第2外郭部2で形成された第1内部空間S1に面していない箇所に配置された構成を特徴としている。具体的には、忌避剤6は、カバー支持部13aの上面と台座部20の下面との間に配置されている。本実施の形態2に係る照明装置200では、忌避剤6の効果がカバー支持部13aと台座部20との間の隙間に及び、虫を第1内部空間S1の手前で留めることができるため、これらの虫が第1内部空間S1に侵入する事態を効果的に抑制することができる。
【0049】
また、本実施の形態2に係る照明装置200では、カバー支持部13aの上面と台座部20の下面との間に形成された僅かな隙間に忌避剤6を設け、当該隙間にのみ忌避剤6の成分を充満させれば足りるので、忌避剤6の効果が長期間に亘って維持される。よって、照明装置200は、忌避剤6の補充又は設置のやり直し等のメンテナンスの負担が軽減され、経済性に優れている。
【0050】
なお、忌避剤6は、弾性変形する多孔質材料又は繊維質材料に虫を忌避させる成分を含侵させた構成とすることで、カバー支持部13aの上面と台座部20の下面とに密着させることができる。更に、忌避剤6は、第1外郭部1の長手方向Xに沿って連続して設けてもよいし、間隔をあけて複数箇所に分散させて設けてもよい。照明装置200は、カバー支持部13aと台座部20との間の隙間を忌避剤6で完全に塞ぎ、物理的に侵入経路を遮断することで、虫が第1内部空間S1に侵入する事態を確実に抑制することができる。
【0051】
また、実施の形態2に係る照明装置200では、カバー支持部13aの上面と台座部20の下面との間にのみ忌避剤6を配置した構成を示したが、実施の形態1で示したように、第1外郭部1及び第2外郭部2で形成された第1内部空間S1に面した箇所に忌避剤6を配置した構成を併用してもよい。
【0052】
実施の形態3.
次に、本実施の形態3に係る照明装置(300、300A、300B、300C)を
図7~
図10に基づいて説明する。
図7は、実施の形態3に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。なお、実施の形態1及び2で説明した照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0053】
本実施の形態3に係る照明装置300では、
図7に示すように、忌避剤6が、第1外郭部1及び第2外郭部2で形成された第1内部空間S1に面していない箇所に配置された構成を特徴としている。具体的には、忌避剤6は、台座部20の上面であって台座部20の略中央に配置された制御部4の両側にそれぞれ設けられ、第2内部空間S2に面した箇所に配置されている。忌避剤6は、図示例の場合、第1外郭部1の長手方向Xに沿って連続して設けられている。なお、忌避剤6は、第1外郭部1の長手方向Xに沿って間隔をあけて複数箇所に分散させて設けてもよい。また、忌避剤6は、台座部20の上面に配置すればよく、図示した箇所に限定されない。
【0054】
本実施の形態3に係る照明装置300では、忌避剤6の忌避成分が第2内部空間S2に充満するので、灯具101と器具102との間の僅かな隙間、並びに天面部72に形成された取付孔及び通線孔から虫が第2内部空間S2に侵入する事態を抑制でき、ひいては虫が第1内部空間S1に侵入する事態を抑制することができる。
【0055】
また、照明装置300の長期使用によって忌避剤6が効果を発揮しなくなった場合には、灯具101を器具102から取り外して、忌避剤6を充填したり、忌避剤6の設置をやり直したりする等のメンテナンスを行う。このとき、灯具101を器具102から取り外す作業だけで良く、第2外郭部2を第1外郭部1から取り外す作業の必要がないので、作業性に優れている。
【0056】
次に、
図8は、実施の形態3に係る照明装置の変形例1の主要部を示した縦断面図である。
図8に示す照明装置300Aも、忌避剤6が、第1外郭部1及び第2外郭部2で形成された第1内部空間S1に面していない箇所に配置された構成を特徴としている。具体的には、忌避剤6は、器具本体部7の凹部70を形成する天面部72に設けられ、第2内部空間S2に面した箇所に配置されている。忌避剤6は、図示例の場合、台座部20の略中央に配置された制御部4の両側であって、第1外郭部1の長手方向Xに沿って連続して設けられている。なお、忌避剤6は、第1外郭部1の長手方向Xに沿って間隔をあけて複数箇所に分散させて設けてもよい。また、忌避剤6は、天面部72に配置すればよく、図示した箇所に限定されない。
【0057】
照明装置300Aでは、忌避剤6の忌避成分が第2内部空間S2に充満するので、灯具101と器具102との間の僅かな隙間、並びに天面部72に形成された取付孔及び通線孔から虫が第2内部空間S2に侵入する事態を抑制でき、ひいては虫が第1内部空間S1に侵入する事態を抑制することができる。
【0058】
また、照明装置300Aの長期使用によって忌避剤6が効果を発揮しなくなった場合には、灯具101を器具102から取り外して、忌避剤6を充填したり、忌避剤6の設置をやり直したりする等のメンテナンスを行う。このとき、灯具101を器具102から取り外す作業だけで良く、第2外郭部2を第1外郭部1から取り外す作業の必要がないので、作業性に優れている。
【0059】
次に、
図9は、実施の形態3に係る照明装置の変形例2の主要部を示した縦断面図である。
図9に示す照明装置300Bも、忌避剤6が、第1外郭部1及び第2外郭部2で形成された第1内部空間S1に面していない箇所に配置された構成を特徴としている。具体的には、忌避剤6は、器具本体部7の凹部70を形成する左右の側面部73のそれぞれに設けられ、第2内部空間S2に面した箇所に配置されている。忌避剤6は、図示例の場合、凹部70の開口端縁の近傍に配置され、第1外郭部1の長手方向Xに沿って連続して設けられている。なお、忌避剤6は、第1外郭部1の長手方向Xに沿って間隔をあけて複数箇所に分散させて設けてもよい。また、忌避剤6は、側面部73に配置すればよく、図示した箇所に限定されない。
【0060】
照明装置300Bでは、忌避剤6の忌避成分が第2内部空間S2に充満するので、灯具101と器具102との間の僅かな隙間、並びに天面部72に形成された取付孔及び通線孔から虫が第2内部空間S2に侵入する事態を抑制でき、ひいては虫が第1内部空間S1に侵入する事態を抑制することができる。特に、照明装置300Bでは、忌避剤6を凹部70の開口端縁の近傍に配置することで、虫が第2内部空間S2に侵入する事態を効果的に抑制できる。
【0061】
また、照明装置300Bの長期使用によって忌避剤6が効果を発揮しなくなった場合には、灯具101を器具102から取り外して、忌避剤6を充填したり、忌避剤6の設置をやり直したりする等のメンテナンスを行う。このとき、灯具101を器具102から取り外す作業だけで良く、第2外郭部2を第1外郭部1から取り外す作業の必要がないので、作業性に優れている。
【0062】
次に、
図10は、実施の形態3に係る照明装置の変形例3の主要部を示した縦断面図である。
図10に示す照明装置300Cも、忌避剤6が、第1外郭部1及び第2外郭部2で形成された第1内部空間S1に面していない箇所に配置された構成を特徴としている。具体的には、忌避剤6は、台座部20の上面に設置された制御部4の保護カバーの外面に設けられ、第2内部空間S2に面した箇所に配置されている。忌避剤6は、図示例の場合、保護カバーの長手方向Xに沿った左右の両側面にそれぞれ設けられている。なお、忌避剤6は、制御部4の保護カバーの外面に設ければよく、図示した箇所に限定されない。
【0063】
照明装置300Cでは、忌避剤6の忌避成分が第2内部空間S2に充満するので、灯具101と器具102との間の僅かな隙間、並びに天面部72に形成された取付孔及び通線孔から虫が第2内部空間S2に侵入する事態を抑制でき、ひいては虫が第1内部空間S1に侵入する事態を抑制することができる。特に、照明装置300Cでは、制御部4の保護カバーの内部へ虫が侵入する事態を効果的に抑制できるので、虫によって制御装置の故障等が生じることがなく、長期に亘って制御部4の動作の安定性が確保できる。
【0064】
また、照明装置300Cの長期使用によって忌避剤6が効果を発揮しなくなった場合には、灯具101を器具102から取り外して、忌避剤6を充填したり、忌避剤6の設置をやり直したりする等のメンテナンスを行う。このとき、灯具101を器具102から取り外す作業だけで良く、第2外郭部2を第1外郭部1から取り外す作業の必要がないので、作業性に優れている。
【0065】
なお、本実施の形態3に係る照明装置(300、300A、300B、300C)は、忌避剤6を第2内部空間S2に面した箇所にのみ配置した構成を示したが、実施の形態1で示したように、第1外郭部1及び第2外郭部2で形成された第1内部空間S1に面した箇所に忌避剤6を配置した構成を併用してもよい。また、実施の形態3に係る照明装置(300、300A、300B、300C)は、実施の形態2で示したように、カバー支持部13aの上面と台座部20の下面との間に忌避剤6を配置した構成を併用してもよい。
【0066】
実施の形態4.
次に、本実施の形態4に係る照明装置400を
図11に基づいて説明する。
図11は、実施の形態4に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。なお、実施の形態1~3で説明した照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0067】
本実施の形態4に係る照明装置400では、忌避剤6が、第1外郭部1及び第2外郭部2で形成された第1内部空間S1に面した箇所に設置された第1忌避剤60と、第1内部空間S1に面していない箇所に設置された第2忌避剤61と、で構成されている。具体的には、第1忌避剤60は、カバー壁面部12の上端部と台座取付部13の下端部とで形成される窪みに設けられている。第2忌避剤61は、台座部20の上面であって制御部4の両側にそれぞれ設けられ、第2内部空間S2に面した箇所に配置されている。第1忌避剤60は、第1外郭部1の長手方向Xに沿って連続して設けてもよいし、間隔をあけて複数箇所に分散させて設けてもよい。また、第2忌避剤61は、保護カバーの長手方向Xに沿って連続して設けてもよいし、間隔をあけて複数箇所に分散させて設けてもよい。
【0068】
なお、
図11に示した照明装置400では、第1忌避剤60及び第2忌避剤61を設けた構成を示したが、第2忌避剤61を省略して第1忌避剤60のみを設けた構成としてもよいし、第1忌避剤60を省略して第2忌避剤61のみを設けた構成としてもよい。また、第1忌避剤60及び第2忌避剤61は、図示した箇所に設ける構成に限定されず、実施の形態1~3で説明した箇所に設けてもよい。
【0069】
本実施の形態4に係る照明装置400では、凹部70を形成する左右の側面部73に、第2内部空間S2に侵入した虫を、器具102と被取付部103とで囲まれた第3内部空間S3へ逃がすための貫通孔73aが形成されている。貫通孔73aの個数は、1つでもよいし複数でもよい。また、貫通孔73aの大きさは、照明装置400の大きさ及び形状、或いは設置場所に応じて、適宜変更して設けるものとする。なお、側面部73に放熱用又は配線用の孔が形成されている場合には、該孔は虫を第3内部空間S3へ逃す貫通孔として利用されてもよい。
【0070】
第3内部空間S3は、図示例の場合、器具102の斜面部71、側面部73及び端板部7b、並びに被取付部103で囲まれた空間である。第3内部空間S3は、凹部70を挟んで左右の側方にそれぞれ形成されている。第3内部空間S3は、貫通孔73aを通じて第2内部空間S2と連通している。
【0071】
第3内部空間S3には、貫通孔73aの近傍に、虫を誘う誘引剤74が設けられている。誘引剤74は、図示例の場合、斜面部71の下部と側面部73の下部とで形成された窪みを利用して設けられている。誘引剤74は、虫が好む成分を含んだものであり、液体、ジェル状又はペースト状の半液体、個体、気体のいずれでもよい。誘引剤74は、器具102の長手方向Xに沿って連続して設けてもよいし、間隔をあけて複数箇所に分散させて設けてもよい。誘引剤74は、経皮型及び経口型のいずれでもよい。また、誘引剤74は、虫を殺傷する成分を含んだものでもよい。誘引剤74は、例えば、塗布、吹き付け又は貼り付け等の方法により直接設けてもよいし、スポンジ状の多孔質材料若しくは繊維質材料に虫を誘引させる成分を含侵させたもの、又はシート状部材の表面に誘引成分を塗布若しくは吹き付けたりしたものを設置してもよい。
【0072】
なお、誘引剤74を設ける箇所は、図示したように、第3内部空間S3に面した貫通孔73aの近傍が好適であるが、第3内部空間S3内の他の箇所でもよいし、第2内部空間S2に面した箇所に設けてもよい。要するに、誘引剤74は、虫を第2内部空間S2から第3内部空間S3に誘引させることができれば、どの箇所に設けてもよい。
【0073】
また、照明装置400の長期使用によって誘引剤74の効果を発揮しなくなった場合には、器具102を被取付部103から外して、誘引剤74を充填したり、誘引剤74の設置をやり直したりする等のメンテナンスを行う。
【0074】
ここで、虫を第3内部空間S3に誘引させる主要な経路1~経路3を説明する。まず、経路1について説明する。照明空間である外部空間にいる虫は、灯具101のカバー壁面部12の上端部と、器具102の側面部73の下端部との僅かな隙間から第2内部空間S2へ侵入する。そして、虫は、誘引剤74に誘引されて、側面部73の貫通孔73aを通じて第3内部空間S3へと侵入する。
【0075】
次に、経路2について説明する。被取付部103が天井である場合に、天井裏の空間にいる虫は、被取付部103及び器具102の天面部72に形成された取付用又は電線用等の孔から第2内部空間S2に侵入する。そして、虫は、誘引剤74に誘引されて、側面部73の貫通孔73aを通じて第3内部空間S3へと侵入する。次に、経路3について説明する。天井裏の空間にいる虫は、被取付部103に形成された取付用又は電線用等の孔から第3内部空間S3へ直接侵入する。
【0076】
以上のように、本実施の形態4に係る照明装置400は、灯具装着部7dに外部へ連通する貫通孔73aが形成されている。貫通孔73aの付近には、第2内部空間S2に侵入した虫を、貫通孔73aを通じて外部へ誘引する誘引剤74が設けられている。よって、照明装置400は、第2内部空間S2に侵入した虫を、貫通孔73aを通じて外部へ誘引することができるので、光源部3が設けられた第1内部空間S1に虫が侵入する事態を抑制できる。
【0077】
実施の形態5.
次に、本実施の形態5に係る照明装置500を
図12及び
図13に基づいて説明する。
図12は、実施の形態5に係る照明装置の主要部を示した縦断面図である。なお、実施の形態1~4で説明した照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0078】
本実施の形態5に係る照明装置500は、
図12に示すように、貫通孔73aを通じて第2内部空間S2から第3内部空間S3へ出し入れ自在とされ、貫通孔73aの付近に設けられた捕捉部材75を備えた構成を特徴としている。その他の構成については、基本的には実施の形態4の構成と同じである。
【0079】
捕捉部材75は、斜面部71の下部と側面部73の下部とで形成された窪みに設置する溝部75aと、溝部75aの一端縁に設けられ、貫通孔73aの開口縁に引っ掛ける掛止部75bと、を有しており、器具102の側面部73に着脱自在に取り付けられる。溝部75aには、誘引剤74が設けられている。捕捉部材75は、第2内部空間S2から貫通孔73aを通じて第3内部空間S3への出し入れができる大きさで構成されている。捕捉部材75は、器具102の長手方向Xに沿った所定の長さを有する単体で構成してもよいし、器具102の長手方向Xに沿って所定の間隔をあけて複数個配置した構成でもよい。
【0080】
捕捉部材75は、掛止部75bを貫通孔73aの開口縁に引っ掛け、灯具101が器具102に取り付けられた状態において、容易に取り外せないようになっている。つまり、捕捉部材75は、照明装置500が振動又は衝撃等を受けても容易に取り外れることがない。なお、図示することは省略したが、捕捉部材75は、灯具101が器具102に取り付けられた状態において、器具102から取り外すことができる構成としてもよい。
【0081】
図13は、実施の形態5に係る照明装置の捕捉部材を取り外す手順を示した説明図である。
図13(A)は、側面部73の貫通孔73aの開口縁に掛止部75bを掛け止めて捕捉部材75を第3内部空間S3に設置した状態を示している。
図13(B)は、貫通孔73aから取り外せる位置まで捕捉部材75を持ち上げた状態を示している。
図13(C)は、溝部75aを第3内部空間S3から第2内部空間S2へ移動させた状態を示している。
【0082】
捕捉部材75は、照明装置500の長期使用によって誘引剤74の効果を発揮できなくなった場合に、
図13(A)~(C)に示すように、側面部73の貫通孔73aの開口縁から取り外され、誘引剤74を充填したり、誘引剤74の設置をやり直したりする等のメンテナンスが行われる。また、捕捉部材75の溝部75aには、誘引剤74によって誘引され、死滅した虫が捕捉されている場合がある。この場合、捕捉部材75を取り外すことで、誘引剤74のメンテナンスのついでに虫を除去できるので、器具102を清潔な状態に保つことができる。
【0083】
以上、実施の形態に基づいて照明装置を説明したが、照明装置は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した照明装置の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。また、第1外郭部1と第2外郭部2は、別物部材で構成した例を示したが、例えば、筒状部材として一体的に形成した構成でもよい。要するに、照明装置は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0084】
1 第1外郭部、2 第2外郭部、3 光源部、3a 基板、3b 発光素子、4 制御部、4a、4b 電線、5 取付具、6 忌避剤、7 器具本体部、7a 本体部、7b 端板部、7c ノックアウト、7d 灯具装着部、8 端子台、8a 電線、9 取付バネ、10 カバー主部、11 カバー端部、12 カバー壁面部、13 台座取付部、13a カバー支持部、13b カバー係止部、13c フック部、20 台座部、21 台座側部、40 電線配置具、41 電線保持具、60 第1忌避剤、61 第2忌避剤、70 凹部、71 斜面部、72 天面部、73 側面部、73a 貫通孔、74 誘引剤、75 捕捉部材、75a 溝部、75b 掛止部、100、100A 照明装置、101 灯具、102 器具、103 被取付部、200 照明装置、300、300A、300B、300C 照明装置、400 照明装置、500 照明装置、S1 第1内部空間、S2 第2内部空間、S3 第3内部空間。