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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】搬送装置および搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020077003
(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公開番号】P2021172481
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126712
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 督生
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】古賀 直幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 敦
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-285183(JP,A)
【文献】特開2018-122985(JP,A)
【文献】特開2010-058904(JP,A)
【文献】特開昭62-181845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納機構から出庫される物品の搬送および収納機構へ入庫される物品の少なくとも一方を行う搬送装置であって、
前記収納機構に対応する位置に備わるリングレールと、
前記リングレール上を周回走行可能なループ台車と、
前記リングレールの一部と、前記収納機構からの入出庫レーンとの間に備わる中間ユニットと、を備え、
前記中間ユニットは、前記ループ台車の走行方向に沿って並走移動可能であり、
前記リングレールを基準として、走行中の前記中間ユニットと走行中の前記ループ台車との相対位置が同期する場合に、前記中間ユニットと前記ループ台車との間で、前記物品の受け渡しが行われ、
前記ループ台車は、前記物品の受け渡し時も停止状態ではなく、
前記中間ユニットと前記ループ台車との相対的な速度差が略「0 」となる場合に、相対位置が同期し、
前記入出庫レーンは、
前記収納機構からの出庫を行って前記中間ユニットを介して前記物品を前記ループ台車に渡す出庫レーンと、
前記ループ台車から前記中間ユニットを介して前記収納機構への入庫を行う入庫レーンと、を含み、
前記中間ユニットは、前記リングレールの直線部分の一部に平行する範囲であると共に前記出庫レーンおよび前記入庫レーンまでの範囲である並走範囲をカバーする範囲で、並走移動可能であり、
前記中間ユニットは、前記並走範囲に対応して前記リングレールの直線部分と平行な並走レールと、前記並走レール上を往復移動できる並走台車とを備え、
前記並走台車および前記ループ台車のそれぞれは、前記走行方向と交差する方向に沿って前記物品の受け渡しを行う、受け渡し機構を備え、
前記中間ユニットは、前記ループ台車の走行方向に沿って並走移動し、
前記リングレールは、前記入出庫レーンに対向する部分での直線部分とコーナー部分を備える周回状であり、
前記リングレール上を、複数の前記ループ台車が走行可能であり、
前記複数のループ台車は、連結可能であり、
前記リングレールの前記直線部分に沿って、複数の前記中間ユニットを備えるとともに、それぞれの前記中間ユニットは、複数の前記並走台車を備え、前記複数の並走台車は、連結可能である、搬送装置。
【請求項2】
前記中間ユニットは、前記並走移動において、前記出庫レーンと対向する位置において、前記出庫レーンからの物品を出庫物品として受け取り、
前記中間ユニットは、前記並走移動において、前記入庫レーンと対向する位置において、前記ループ台車から受けた物品を入庫物品として、前記入庫レーンに渡す、請求項記載の搬送装置。
【請求項3】
前記中間ユニットと前記ループ台車の相対位置が同期する場合において、
前記中間ユニットが前記出庫物品を保持する場合には、前記中間ユニットは、前記出庫物品を前記ループ台車に渡し、
前記ループ台車が前記入庫物品を保持する場合には、前記ループ台車は、前記入庫物品を前記中間ユニットに渡す、請求項記載の搬送装置。
【請求項4】
前記中間ユニットと前記ループ台車の相対位置の同期を検出する、検出機構を更に備え、
前記検出機構は、前記中間ユニットと前記ループ台車との側方同士を結ぶコネクタもしくは側方同士の位置関係を検出する光学センサーを含む、請求項1からのいずれか記載の搬送装置。
【請求項5】
請求項1からのいずれか記載の搬送装置と、
前記中間ユニットとの間で、入庫のための物品の受け渡しを行う入庫レーンと、
前記中間ユニットとの間で、出庫のための物品の受け渡しを行う出庫レーンと、
前記入庫レーンおよび前記出庫レーンとに接続して、前記物品を収納する収納機構と、
を備え、
前記収納機構は自動倉庫である搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動倉庫などから出庫される物品を次の工程に搬送したり、自動倉庫などに入庫するための物品を搬送したりする搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製造工場や物品の流通センターなどにおいて、様々な物品ケースを出庫して次の工程に搬送したり、別の工程からの物品を入庫するために搬送したりすることが多くなってきている。
【0003】
例えば、製造工場においては、単数もしくは複数の物品を、パレットのような物品ケースに収容して、自動倉庫のような収納機構に収納している。この収納されている物品を、次の製造工程や出荷工程のために、自動倉庫のような収納機構から、次の工程の作業場所に、対応する物品を搬送する必要が生じる。例えば、収納機構に収納されている物品Aを、あるタイミングで次の工程に搬送し、同じく収納されている別の物品Bを、別のタイミングで次の工程に搬送する必要がある。
【0004】
収納機構として自動倉庫が用いられる場合には、自動倉庫から出庫レーンを通じて物品ケースが出庫される。この出庫された物品が、人力あるいは人力で走行されるカートなどによって、次の工程の場所まで搬送されることがある。
【0005】
しかしながら、製造工場の製造工程や出荷工程の自動化の進歩に伴って、自動倉庫から出庫される物品の搬送効率向上の必要性(単位時間あたりに搬送できる物品の個数を増加させる必要性)が、高まっている。また、製造工場だけでなく、Eコマースの進展に伴う配送や流通基地の多機能化、大型化に伴い、自動倉庫などから出庫される物品の搬送の効率化も求められている。
【0006】
逆に、自動倉庫などの収納機構に対して、物品を入庫させるために、自動倉庫の前段階の工程から物品が搬送されることも多く生じている。この場合も、製造工場の自動化や効率化、あるいは流通基地の多機能化、大型化に伴い、自動倉庫に入庫させるための物品の搬送の効率化が求められている。効率化は、上述の通り、単位時間における物品の搬送数(自動倉庫からの出庫に基づく搬送および自動倉庫への入庫に対応する搬送の両方向があり得る)の増加である。
【0007】
このとき、出庫や入庫の起点となる自動倉庫と、これの搬送先(あるいは搬送元)となる次工程(あるいは前工程)との場所とは、当然に離隔している。この離隔しているエリアを、上記のような人力あるいは人力操作カートなどで搬送することは、効率が低い。当然にコストや人的負担も高く、多数の物品を処理する必要のある製造工場や流通センターなどにおいては、適していない。
【0008】
また、搬送すべきエリアの空間的な効率活用のためには、人力搬送やカート搬送は、交通整理の問題にもつながり好ましくない。
【0009】
このため、入庫や出庫と次工程(前工程)との間における物品の運搬において、レール上を走行する走行台車を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2018-122988号公報
【文献】特開2018-122985号公報
【文献】特開2009-126668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1は、クロスソータ用コンベヤを有する搬送台車を複数連結し、連結した複数の前記搬送台車を前記搬送ルートに沿って走行させる仕分けコンベヤにおいて、前記搬送ルートを走行する複数の前記搬送台車を所定数毎にグループ分けした各グループに含まれる前記搬送台車の1つに、同一のグループに含まれる前記搬送台車の動作状況を管理する台車側管理装置を設け、前記台車側管理装置は、同一のグループに含まれる前記搬送台車の各々に設けた前記クロスソータ用コンベヤの各々の駆動モータ動作を搬送台車間の連結部に沿わせて設置する動力線及び制御線を介して正逆回転非回転として管理するとともに、仕分け先を、各クロスソータ用コンベヤ毎に演算し記憶し読みだすことで前記各々の駆動モータ動作を管理することを特徴とする仕分けコンベアを開示する。
【0012】
特許文献2は、一方向に延出されるリンクと、第1走行ホイール及び第2走行ホイールが各々摺接される第1レール及び第2レールを有する仕分けコンベヤ用レールで、前記第1レール及び前記第2レールは、丸パイプ形状部材で構成され、前記第1レール及び前記第2レールは、搬送ルートのカーブにて、搬送台車の搬送方向の姿勢が前記カーブの求心点側に向けて下り傾斜となるよう高低差を付けて前記搬送ルートに設置され、前記第1レール及び前記第2レールは、少なくとも前記カーブ開始位置から所定範囲で、前記高低差によって生じる傾斜角度、及び隣り合う2台の搬送台車のうち、先頭側の搬送台車が有する前記リンクの延出方向と後尾側の搬送台車が有する前記リンクの延出方向とのなす角度を考慮したレール間隔を空けて設置されることを特徴とするコンベア用レールを開示する。
【0013】
特許文献1、2は、それぞれソーターと呼ばれるように非常に軽量の物品(例えば郵便物など)を、リング状のレールを移動する走行台車が停止したときに、物品を走行台車に投入する。投入は、人力であったり台車に対応する投入装置が用いられたりする。このとき、走行台車にはかごが設けられており、このかごが傾くことで投入が可能である。また、軽量の物品であれば、走行台車が停止しない状態でも、物品を投入して運搬させることもできる。
【0014】
しかしながら、特許文献1、2は、軽量である物品を、専用の投入装置や人力で投入できる場合にしか使用できない問題がある。製造工場や流通センターなどで自動倉庫を基準に搬送される物品ケースは、数10Kgから1000Kg程度あることもあり、このような場所には適さない問題がある。
【0015】
また、特許文献1、2は、走行台車への物品の投入時に、走行台車を一旦停止させるなどの必要があり、走行台車への投入(あるいは取り出し)のたびに一旦停止することによって、搬送効率が低下する問題がある。上述したように、製造工場や流通センターの多機能化、巨大化に伴う搬送効率の向上においては、好ましくない問題を根本的に抱えている。
【0016】
また、特許文献1は仕分け能力を確保するための走行台車上のコンベアの駆動制御に係る技術であり、特許文献2はリングレールの作りこみに関する技術であり、いずれも、搬送効率を向上させることに関している技術ではない。加えて、特許文献1、2は、仕分け能力を確保するための走行台車上のコンベアの駆動制御方法に関するものである。
【0017】
特許文献3は、貯留コンベア(31)が配置された複数の仕分けゾーン(3)と、自動倉庫(1)と仕分けゾーン(3a),(3b)・・の間でパレット(5)を受渡しする搬送台車(2)と、各仕分けゾーンゾーン(3a),(3b)・・に端末装置(80)が配置され且つ自動倉庫(1)の入出庫、搬送台車(2)及び各仕分けゾーンゾーン(3a),(3b)・・の貯留コンベア(31)の作動を制御する管理用コンピュータとを備え、仕分け作業開始の際には、該当するパレット(5)を自動倉庫(1)から所定の仕分けゾーン(3c)へ移動させ、仕分け作業終了の際には、余剰の物品(C)が積載されたパレット(5)を仕分けゾーン(3c)から自動倉庫(1)へ移動させる自動倉庫の仕分けシステムを開示する。
【0018】
特許文献3も、特許文献1、2と同じようにそもそも搬送効率を考慮した技術ではない。しかしながら、特許文献3に開示のあるリングレールと走行台車による、自動倉庫から出庫された物品の搬送では、自動倉庫の出庫レーンに到達した走行台車を停止させてから物品を出庫レーンから走行台車に移し替える(入庫であれば逆動作)。このため、毎回走行台車を一旦停止させることになり、搬送効率の向上には限界がある。一旦停止している間には、物品そのものを移動させる作業ができないからである。これが受け渡しの都度に発生して、これらの時間が蓄積することで、搬送効率が非常に下がっていくからである。これは、特許文献1,2と同じ問題を抱えている状態である。仮に走行台車の数を増やして効率を向上させようとしても、すべての走行台車が移し替えのたびに停止することになるので、効率向上には限界が生じてしまう。
【0019】
以上のように、従来技術では、自動倉庫などの収納機構を起点とする物品の搬送の効率化が根本的に不十分なままであるという問題を有していた。
【0020】
本発明は、上記の課題に鑑み、リングレールを走行するループ台車を停止させることなく物品の受け渡しを可能として搬送効率を向上させる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題に鑑み、本発明の搬送装置は、
収納機構から出庫される物品の搬送および収納機構へ入庫される物品の少なくとも一方を行う搬送装置であって、
収納機構に対応する位置に備わるリングレールと、
リングレール上を周回走行可能なループ台車と、
リングレールの一部と、収納機構からの入出庫レーンとの間に備わる中間ユニットと、を備え、
中間ユニットは、ループ台車の走行方向に沿って並走移動可能であり、
リングレールを基準として、走行中の中間ユニットと走行中のループ台車との相対位置が同期する場合に、中間ユニットとループ台車との間で、物品の受け渡しが行われ、
ループ台車は、物品の受け渡し時も停止状態ではなく、
中間ユニットとループ台車との相対的な速度差が略「0 」となる場合に、相対位置が同期し、
入出庫レーンは、
収納機構からの出庫を行って中間ユニットを介して物品をループ台車に渡す出庫レーンと、
ループ台車から中間ユニットを介して収納機構への入庫を行う入庫レーンと、を含み、
中間ユニットは、リングレールの直線部分の一部に平行する範囲であると共に出庫レーンおよび入庫レーンまでの範囲である並走範囲をカバーする範囲で、並走移動可能であり、
中間ユニットは、並走範囲に対応してリングレールの直線部分と平行な並走レールと、並走レール上を往復移動できる並走台車とを備え、
並走台車およびループ台車のそれぞれは、走行方向と交差する方向に沿って物品の受け渡しを行う、受け渡し機構を備え、
中間ユニットは、ループ台車の走行方向に沿って並走移動し、
リングレールは、入出庫レーンに対向する部分での直線部分とコーナー部分を備える周回状であり、
リングレール上を、複数のループ台車が走行可能であり、
複数のループ台車は、連結可能であり、
リングレールの直線部分に沿って、複数の中間ユニットを備えるとともに、それぞれの中間ユニットは、複数の並走台車を備え、複数の並走台車は、連結可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の搬送装置では、収納機構から出庫される物品がループ台車に渡されるときも、ループ台車から収納機構への入庫のために物品が渡されるときも、ループ台車を停止させる必要が無い。このため、リングレールを周回走行するループ台車が止まることなく、物品の受け渡しが可能となる。これにより、搬送装置全体での搬送効率を向上させることができる。
【0023】
また、自動倉庫などの収納機構への入庫および収納機構からの出庫のいずれの方向での荷物の搬送においても利用可能である。
【0024】
また、製造工場や流通センターなどですでに設置済の収納機構などがある場合でも、リングレールと中間ユニットとを設置することで搬送装置を実現できるので、搬送装置の設置のフレキシビリティも高い。結果として、自動倉庫などを含む搬送システム全体の構築の柔軟性が高くなり、製造工場や流通センターなどでの搬送処理の効率化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の形態1における搬送装置とその周辺を含む模式図である。
図2】本発明の実施の形態1における搬送装置での物品の出庫を説明する模式図である。
図3】本発明の実施の形態1における入庫方向での物品の受け渡しを説明する説明図である。
図4】中間ユニットとその周辺にフォーカスした模式図である。
図5】中間ユニットとループ台車との間での物品の受け渡しを説明する模式図である。
図6】本発明の実施の形態1における搬送装置とその周辺の模式図である。
図7】本発明の実施の形態2における中間ユニットとループ台車とにフォーカスした模式図である。
図8】本発明の実施の形態2における中間ユニットとループ台車とにフォーカスした模式図である。
図9】本発明の搬送システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の第1の発明に係る搬送装置は、収納機構から出庫される物品の搬送および収納機構へ入庫される物品の少なくとも一方を行う搬送装置であって、
収納機構に対応する位置に備わるリングレールと、
リングレール上を周回走行可能なループ台車と、
リングレールの一部と、収納機構からの入出庫レーンとの間に備わる中間ユニットと、を備え、
中間ユニットは、ループ台車の走行方向に沿って並走移動可能であり、
リングレールを基準として、走行中の中間ユニットと走行中のループ台車との相対位置が同期する場合に、中間ユニットとループ台車との間で、物品の受け渡しが行われ、
ループ台車は、物品の受け渡し時も停止状態ではない。
【0027】
この構成により、物品の搬送を実際に行うループ台車を停止させることなく、物品の受け渡しを行える。この物品の受け渡しにより、ループ台車は次々と、リングレールを走行して物品を搬送できる。結果として、搬送能力、搬送効率を高めることができる。
【0028】
本発明の第2の発明に係る搬送装置では、第1の発明にくわえて、中間ユニットは、ループ台車の走行方向に沿って並走移動し、
中間ユニットとループ台車との相対的な速度差が略「0」となる場合に、相対位置が同期する。
【0029】
この構成により、相対位置が同期している時間において、ループ台車と中間ユニットとは並走しながら物品の受け渡しを行える。
【0030】
本発明の第3の発明に係る搬送装置では、第1の発明に加えて、入出庫レーンは、
収納機構からの出庫を行って中間ユニットを介して物品をループ台車に渡す出庫レーンと、
ループ台車から中間ユニットを介して収納機構への入庫を行う入庫レーンと、を
含む。
【0031】
この構成により、搬送装置は、入庫方向と出庫方向のいずれにも対応できる。
【0032】
本発明の第4の発明に係る搬送装置では、第3の発明に加えて、中間ユニットは、並走移動において、出庫レーンと対向する位置において、出庫レーンからの物品を出庫物品として受け取り、
中間ユニットは、並走移動において、入庫レーンと対向する位置において、ループ台車から受けた物品を入庫物品として、入庫レーンに渡す。
【0033】
この構成により、中間ユニットを介して、ループ台車と収納機構との間での物品の入庫と出庫が行われる。結果として、物品の搬送が開始および終了できる。
【0034】
本発明の第5の発明に係る搬送装置では、第4の発明に加えて、中間ユニットとループ台車の相対位置が同期する場合において、
中間ユニットが出庫物品を保持する場合には、中間ユニットは、出庫物品をループ台車に渡し、
ループ台車が入庫物品を保持する場合には、ループ台車は、入庫物品を中間ユニットに渡す。
【0035】
この構成により、中間ユニットを介して、ループ台車と収納機構との間での物品の入庫と出庫が行われる。結果として、物品の搬送が開始および終了できる。
【0036】
本発明の第6の発明に係る搬送装置では、第3から第5のいずれかの発明に加えて、中間ユニットは、リングレールの直線部分の一部に平行する範囲であると共に出庫レーンおよび入庫レーンまでの範囲である並走範囲をカバーする範囲で、並走移動可能である。
【0037】
この構成により、中間ユニットは、ループ台車との並走での物品の受け渡しを行うことと、入出庫レーンとの物品のやり取りの両方に対応することができる。
【0038】
本発明の第7の発明に係る搬送装置では、第6の発明に加えて、中間ユニットは、並走範囲に対応してリングレールの直線部分と平行な並走レールと、並走レール上を往復移動できる並走台車とを備える。
【0039】
この構成により、ループ台車を停止させることなく物品の入庫や出庫を行って搬送を実現できる。
【0040】
本発明の第8の発明に係る搬送装置では、第7の発明に加えて、並走台車およびループ台車のそれぞれは、走行方向と交差する方向に沿って物品の受け渡しを行う、受け渡し機構を備える。
【0041】
この構成により、ループ台車と並走台車との間での物品の受け渡しを確実に行える。
【0042】
本発明の第9の発明に係る搬送装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、リングレールは、入出庫レーンに対向する部分での直線部分とコーナー部分を備える周回状であり、
リングレール上を、複数のループ台車が走行可能である。
【0043】
この構成により、搬送効率を高めることができる。
【0044】
本発明の第10の発明に係る搬送装置では、第9の発明に加えて、複数のループ台車は、連結可能である。
【0045】
この構成により、搬送能力を高めることができる。
【0046】
本発明の第11の発明に係る搬送装置では、第9または第10の発明に加えて、リングレールの直線部分に沿って、複数の中間ユニットを備える。
【0047】
この構成により、搬送能力を高めることができる。
【0048】
本発明の第12の発明に係る搬送装置では、第1から第11のいずれかの発明に加えて、中間ユニットとループ台車の相対位置の同期を検出する、検出機構を更に備え、
検出機構は、中間ユニットとループ台車との側方同士を結ぶコネクタもしくは側方同士の位置関係を検出する光学センサーを含む。
【0049】
この構成により、相対位置の同期を確実に検出して、物品の受け渡しを確実に行える。
【0050】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0051】
(実施の形態1)
【0052】
(発明者による分析)
従来技術でも説明したように、特許文献1、2で開示されるように軽量(例えば書類や郵便物)物品の受け渡しは、受け渡し対象の台車と、台車への受け渡しを行う収納機構との間では、双方が走行しながらでも簡単に引き渡せる。収納機構から台車へ投げ入れるなどを行えば済むからである。しかしながら、工場や配送センターなどで取り扱われる重量のある物品は、その重さや形状、あるいは安全性(保護の必要性)などから、投げ入れるなどはできない。
【0053】
これに対応するために、物品を収容している収納機構から物品を次工程に搬送する搬送用の台車に物品を渡す際に、台車を収納機構に対応する位置に停止させて物品を渡すことが考えられる。しかしながら、物品を渡すたびに台車を停止させているのでは、搬送効率が非常に低下してしまう問題がある。また、収納機構から台車に物品を渡して次工程に搬送するだけでなく、収納機構に物品を収納する方向の移動もある。この場合も台車を毎回停止させることは、搬送効率を著しく低下させる。
【0054】
発明者は、このような点を解析し、リングレールなどを巡回する台車を用いた搬送装置においては、台車を停止させずに物品の受け渡しを行うことが必要であるとの本発明に至った。
【0055】
(全体概要)
【0056】
図1は、本発明の実施の形態1における搬送装置とその周辺を含む模式図である。図1では、搬送装置1を基準とする一つの方向に収納機構100が備わり、逆の方向に次工程が備わる態様が示されている。収納機構100は、例えば、自動倉庫などがある。
【0057】
搬送装置1が工場や配送センターなどに設置される場合には、多数の物品を次工程に引き渡すために、あるいは別工程からの物品を受けて収納するために、自動倉庫が用いられることが多い。この自動倉庫は、多数の物品200を収納する。収納している物品200を、次工程に搬送したり、別工程からの物品200を収納したりする。
【0058】
自動倉庫を一例とした収納機構100が搬送装置1を基準とする位置に備わっている。勿論、自動倉庫などではなく、物品200の入庫や出庫を行う収納機能を持っている他の要素が設置されてもよい。また、図1では、次工程は別の工程を示すものであるが、次工程にも自動倉庫などの収納機構100が備わっていることでもよい。
【0059】
搬送装置1は、収納機構100から出庫される物品200の搬送および収納機構100へ入庫される物品200の搬送の少なくとも一方を行う。すなわち、図1の態様においては、収納機構100から出庫される物品200を次工程に搬送する。もしくは次工程や別の工程からの物品200を収納機構100に入庫させるための搬送を行う。
【0060】
すなわち、収納機構100を基準とすれば、搬送装置1は、物品200を次工程に搬送する方向と、次工程から収納機構100に物品200を搬送する方向との少なくとも一方を実行する。
【0061】
搬送装置1は、リングレール2、ループ台車3、中間ユニット4を備える。
【0062】
リングレール2は、図1に示すように、収納機構100と次工程との間で、実際に物品200を搬送するための周回状のレールである。リングレール2は、収納機構100と次工程との間での搬送距離や搬送範囲に応じた大きさを有していればよい。また、リングレール2上を、実際に物品200を搬送するループ台車3が周回走行する。ここで、複数のループ台車3が周回走行してもよい。
【0063】
複数のループ台車3が周回走行することで、搬送能力が向上する。このため、ループ台車3の数に応じた、リングレール2の長さ、大きさが定められることもよい。このように、リングレール2は、収納機構100と次工程とを結ぶ(物品200の搬送として結ぶ)。
【0064】
ループ台車3は、リングレール上を周回走行可能である。図1では、ループ台車3が走行している状態を示している。ループ台車3に合わせて表示されている矢印は、ループ台車3の周回方向である。単数のループ台車3が周回走行してもよいし、複数のループ台車3が周回走行してもよい。ここで、複数のループ台車3が周回走行する場合には、基本的に、複数のループ台車3のそれぞれは、同一方向を周回走行する。
【0065】
ループ台車3は、リングレール2に走行機構を嵌合させて走行すればよい。すなわち、いわゆるモノレールのような機構によりループ台車3が走行する。あるいは、電車のような機構によりループ台車3が走行する。走行機構はどのようなものでもよく、ループ台車3がリングレール2を周回走行できればよい。
【0066】
中間ユニット4は、リングレール2の直線部分の一部と収納機構100からの入出庫レーン7との間に備わる。このような位置に備わることで、中間ユニット4は、リングレール2を周回走行するループ台車3と対向する位置になることがある。
【0067】
収納機構100は、物品200を搬送装置1により搬送させるために出庫する場合と、搬送装置1によって搬送された物品200を入庫する場合とを有する。このため、収納機構100と搬送装置1との間には、入出庫レーン7が備わる。入出庫レーン7は、構造上の必要に応じて、入庫レーン71と出庫レーン72とを備える。この入出庫レーン7を介して、実際の収納機構100や次工程は、搬送装置1との間で受け渡す物品200の供給と受け取りを行う。
【0068】
中間ユニット4は、この入出庫レーン7とリングレール2との間に設けられる。この位置に設けられることで、リングレール2を周回走行するループ台車3との間での物品200の受け渡しを行える。この構成により、中間ユニット4は、出庫レーン72から出庫された物品200を受けることができる。この受けた物品200を、中間ユニット4は、後述するようにループ台車3に引き渡す。逆に、中間ユニット4は、ループ台車3から物品200を受け取り、入庫レーン71を通じて収納機構100に入庫させることができる。
【0069】
中間ユニット4は、リングレール2の一部分に対応する範囲で、ループ台車3と並走可能である。ある並走範囲において、並走可能である。中間ユニット4は、並走範囲に対応してリングレール2の直線部分と並走レール42と、並走レール42上を往復移動できる並走台車41とを備えている構成も好適である。
【0070】
この構成により、中間ユニット4は、ある範囲においてループ台車3と並走できる。この並走の中で、中間ユニット4は、物品200をループ台車3に渡す。あるいは、並走の中で、中間ユニット4は、物品200をループ台車3から受け取る。
【0071】
ここで、上述したように中間ユニット4は入出庫レーン7との間で物品200をやり取りする。入出庫レーン7は、収納機構100との物品200の入出庫をやり取りできる。すなわち、これらがつながることで、収納機構100との入出庫と、ループ台車3との物品200の受け渡しとがつながる。結果的に、ループ台車3を介した物品200の搬送が実現できる。
【0072】
ここで、中間ユニット4は、ループ台車3の走行方向に沿って並走可能である。この並走の途中において、リングレール2を基準として、走行中のループ台車3と並走中の中間ユニット4との相対位置が同期するタイミングがある。この相対位置が同期するタイミングで、中間ユニット4とループ台車3との間で、物品200の受け渡しが行われる。一つには、相対位置が同期しているタイミングで、中間ユニット4からループ台車3に物品200が渡される。もう一つには、相対位置が同期しているタイミングで、ループ台車3から中間ユニット4に物品200が渡される。
【0073】
このとき、ループ台車3と中間ユニット4との相対位置が同期しているタイミングで、物品200の受け渡しが行われる。ループ台車3は、リングレール2を周回走行しており、中間ユニット4は、走行範囲を並走している。この周回走行と並走において、相対位置が同期するタイミングがある。
【0074】
この同期するタイミングにおいては、ループ台車3は走行を続けているので、ループ台車3は走行を停止していない。走行の中で、ループ台車3と中間ユニット4との相対的な速度が略「0」となる場合が、相的位置が同期するタイミングである。すなわち、相対位置が同期するタイミングでも、ループ台車3は、周回走行を止めていない(停止状態ではない)。
【0075】
中間ユニット4は、ループ台車3の走行方向に沿って並走できる。この並走の中で、相対速度の差が0となって相対位置が同期する(位置的に隣接して相互の速度差が0である)タイミングが生じる。これが、相対位置が同期するタイミングである。
【0076】
停止状態ではない場合でも、中間ユニット4との相対速度の差が0であり、相対位置が同期している状態である。この状態であれば、中間ユニット4とループ台車3とは、物品200の受け渡しが可能である。すなわち、相対速度の差が0であって相対位置が同期している状態であれば、お互いが隣接して停止していることと物理的に同様である。
【0077】
この状態であれば、中間ユニット4からループ台車3に物品200を渡すことができる。あるいは、ループ台車3から中間ユニット4に物品200を渡すことができる。中間ユニット4は、ループ台車3を停止させることなく物品200を受け渡しする、介在的な要素である。実際には、ループ台車3は、入出庫レーン7を介して、収納機構100や次工程との間での物品の出庫、入庫(受け渡し)を実行できる。この受け渡しは、物品200の搬送の実現である。
【0078】
すなわち、中間ユニット4との相対位置の同期を利用して、ループ台車3を停止させることなく物品200を、収納機構100と次工程との間での搬送を実現できる(そのために、入出庫レーン7との間での物品200の受け渡しを行える)。ループ台車3と並走できる中間ユニット4が、入出庫レーン7(言い換えれば収納機構100や次工程)との間に介在する。この介在により、ループ台車3を停止させることなく、ループ台車3と入出庫レーン7との間での物品200との受け渡しを可能とできる。
【0079】
ループ台車3は、中間ユニット4を介して受け取った物品200を、リングレール2を走行して必要な場所に搬送できる。この搬送の途中にある物品200の受け渡しにおいてループ台車3は停止の必要が無い。結果として、搬送装置1の搬送効率は高まる。
【0080】
(物品の出庫)
図2は、本発明の実施の形態1における搬送装置での物品の出庫を説明する模式図である。図2では、搬送装置1の物品200の出庫に関する部分をフォーカスした状態であって、処理フローに従った状態を示している。変化する状態を示している。
【0081】
入出庫レーン7は、中間ユニット4を介して物品200をループ台車3に渡す出庫レーン72と、ループ台車3から中間ユニット4を介して収納機構100への入庫を行う入庫レーン71とを備える。図1図2にはこれが示されている。出庫レーン72は、収納機構100からの出庫、あるいは次工程などの別工程からの出庫を行う際に、物品200を出庫するレーンである。
【0082】
入庫レーン71は、収納機構100や次工程への物品200の入庫(渡し)を行うために、備わる。出庫レーン72は、収納機構100や次工程(別工程)からの物品200の出庫を行うために備わる。勿論、収納機構100や次工程から直接的に中間ユニット4に物品200が受け渡しされてもよい。ただ、入出庫レーン7が備わることで、収納機構100などと中間ユニット4との間での物品の入出庫がスムーズになる。
【0083】
図2を用いて、物品200の出庫に基づく搬送について説明する。図2では、左上をスタートとして、右上、左下、右下の順序で、動作フローが示されている。それぞれの間にある矢印は、動作フローの順序を示している。
【0084】
(第1段階:出庫レーン72に物品200が設置される)
第1段階では、出庫レーン72に物品200が設置される。収納機構100から物品200が出庫レーン72に設置されてもよいし、次工程(別工程)から物品200が出庫レーン72に設置されてもよい。
【0085】
ここで、出庫レーン72は、中間ユニット4に向けて物品200を移動させる移動機構を備えている。これにより、出庫レーン72は、中間ユニット4に向けて物品200を移動させることができる。この移動によって、出庫レーン72は、物品200を中間ユニット4に近づける。図2での、出庫レーン72に示される矢印は、物品200の移動方向を示す。
【0086】
ここで、中間ユニット4は、並走レール42の並走範囲において並走している。また、リングレール2においては、ループ台車3は、周回方向に走行を続けている。それぞれの矢印は、この並走と周回走行を示している。
【0087】
(第2段階:出庫レーン72から中間ユニット4への物品200の移動)
【0088】
図2の右上は、第1段階に続く第2段階を示す。第2段階では、出庫レーン72から中間ユニット4に物品200が渡される。中間ユニット4は、並走しながら往復移動している。この往復移動の中で、出庫レーン72と対向する位置に到達するタイミングがある(複数回ある)。この位置にある場合に、出庫レーン72は、物品200を中間ユニット4に渡す。例えば、出庫レーン72と中間ユニット4とが移動用の連結機構を有しており、物品200を渡せばよい。連結といっても、物理的な連結ではなく、コンベア機能などが物品200を渡せるようであればよい。
【0089】
このようにして、ループ台車3に介在する中間ユニット4に、まずは物品200が渡される。
【0090】
中間ユニット4は、リングレール2と並走しつつ、出庫レーン72の前を往復移動する(並走レール42の上を並走台車41が往復移動する)。この往復移動の中で、中間ユニット4が、出庫レーン72からの物品200を受け取り可能な位置に来るタイミングがある(図2の第2段階のタイミング)。
【0091】
一方、出庫レーン72は、物品200の出庫からの次工程への搬送の必要なタイミングで、物品200を中間ユニット4に向けて移動させている。これら2つのタイミングが重なる場合に、出庫レーン72から中間ユニット4に物品200が渡される。これが第2段階である。この第2段階により、中間ユニット4が、実際の搬送を実行するループ台車3に物品200を渡す準備状態となる。
【0092】
(第3段階:中間ユニット4とループ台車3の相対位置が同期する)
図2の左下の状態が、第3段階である。ループ台車3は、リングレール2上を周回走行している。この周回走行の中で、ループ台車3が中間ユニット4と並ぶタイミングが生じる。特に、相対位置が同期するタイミングが生じる。中間ユニット4が並走している領域に、ループ台車3が到達すると、中間ユニット4とループ台車3とが並走状態となる。
【0093】
この並走状態の中で、第3段階の図のように、中間ユニット4とループ台車3との相対位置が同期することがある。相対位置が同期とは、並走状態を基準としたときに、相互の位置がそろって並んだ状態である。また、ループ台車3と中間ユニット4とのそれぞれは走行を継続している。この走行継続の中で、相対速度が、略「0」となる状態がある。この場合には、相対位置が並んでおりかつその状態が一定時間維持される。
【0094】
このようにループ台車3と中間ユニット4が相対速度の差が0となって並んだ状態が、相対位置が同期している状態である。隣り合ったループ台車3と中間ユニット4が、まるで並んだように並走している状態である。
【0095】
中間ユニット4が、リングレール2に対して並走可能であって、並走状態においてループ台車3が並走することで、このようにそれぞれが並んで相対位置が同期するタイミングが、生じる。複数のループ台車3が、リングレール2を走行している場合には、複数のループ台車3のそれぞれが、いずれかの中間ユニット4と相対位置が同期するタイミングが生じる。
【0096】
この相対位置が同期した状態では、中間ユニット4とループ台車3との間で、物品200を受け渡しすることが可能となる。
【0097】
(第4段階:同期状態で、中間ユニット4からループ台車3に物品200を渡す)
図2の右下が、第4段階を示している。同期状態であるから、相対速度差が0でループ台車3と中間ユニット4とが並んでいる。この状態であれば、中間ユニット4は、ループ台車3に物品200を渡すことができる。例えば、中間ユニット4が、コンベアのような物品200を移動させる手段を有しており、ループ台車3がこのコンベア移動される物品200を受け取り可能な構造を有していればよい。
【0098】
例えば、同期状態ではループ台車3と中間ユニット4とが並走可能に隣接して近接する。この状態で、中間ユニット4からループ台車3に物品200が押し出される。この押し出しを受けて、ループ台車3は、物品200を受け取る。
【0099】
このように、出庫レーン72から出庫された物品200は、第4段階でループ台3に渡される。
【0100】
ループ台車3は、図1の通りリングレール2を周回走行する。この周回走行によって、次工程(別工程)の位置まで、物品200を搬送できる。搬送先において可能である状態ならば、ループ台車3から人力で物品200を取り出してもよいし、後述するようなループ台車3からの取り出しにより、物品200を次工程や次工程に備わる収納機構100に渡すことができる。
【0101】
これらの結果、搬送装置1のある位置から出庫された物品200が、別の位置まで、物品200が搬送される。このとき、第3段階、第4段階に示すように、ループ台車3は停止していない。停止することなく、ループ台車3は、物品200を受け取り搬送することができる。
【0102】
これは、出庫レーン7とループ台車3との間に、ループ台車3と並走可能な中間ユニット4が存在することによる。出庫レーン7は、ループ台車3に対して並走せず、その相対位置を合わせる走行が無い。このため、出庫レーン7からループ台車3に物品200を渡すには、ループ台車3が停止するしかない。
【0103】
これに対して、並走可能な中間ユニット4が介在することで、相対位置の同期を利用して、出庫レーン72から物品200をループ台車3に渡すことができる。この引き渡しにより、ループ台車3が停止することなく物品200を受け取って、次工程に搬送できるようになる。
【0104】
図2では、収納機構100から出庫される物品200を、搬送装置1が(ループ台車3を用いて)、次工程(別工程や別の位置にある収納機構などに)へ搬送する状態を説明している。
【0105】
すなわち、収納機構100から出庫レーン72へまず物品200が供給される(もちろん、収納機構100からではなく別の要素や手作業で供給されてもよい)。出庫レーン72は、物品200を中間ユニット4に向けて移動させる。中間ユニット4は、リングレール2に対して(すなわち、リングレール2を周回走行するループ台車3に対して)、並走移動する。
【0106】
中間ユニット4は、この並走移動において、出庫レーン72と対向する位置において、出庫レーン72から物品200を受け取る。さらに、中間ユニット4は、ループ台車3と相対位置が同期する場合において、物品200を、ループ台車3に渡す。渡されたループ台車3は、受け取った物品200を、リングレール2の周回走行において、必要な次工程の位置にまで搬送する。搬送された物品200は、人力作業、機械作業、次に説明する入庫方向での処理動作などのいずれかによって、次工程に引き渡される。すなわち、中間ユニット4とループ台車3の相対位置が同期する場合において、中間ユニット4は、出庫対象となる出庫物品を保持している場合には、この出庫物品をループ台車3に渡す。これにより、ループ台車3は停止することなく物品200を受け取ってそのまま周回走行による搬送を実現できる。
【0107】
(入庫レーンへの物品移動)
図2では、収納機構100あるいはその他の要素から出庫レーン72を介して出庫された物品が、ループ台車3によって別の位置に搬送されることを説明した。搬送された物品200は、次工程などに引き渡される。この次工程での引き渡しでは、次工程に備わる収納機構100やその他の要素に物品200が引き渡される。すなわち、次工程での収納機構100などに対しては搬送されてきた物品200が入庫される状態となる。
【0108】
あるいは、搬送された物品200を、収納機構100に入庫させる必要がある場合もある。この場合も、収納機構100とは異なる位置から搬送された物品200が、入庫される状態となる。これらの入庫までの間においては、リングレール2を周回走行するループ台車3が物品200を搬送する。この搬送された物品200は、収納機構100などに入庫される必要がある(入庫とは、収納機構100に収納させるだけでなく、次工程や別工程に引き渡すことも含む)。
【0109】
この入庫においても、ループ台車3から入庫レーン71に物品200を引き渡す必要がある。この入庫のための引き渡しでも、ループ台車3を停止させずに行うことが求められる。図1で示すリングレール2においては、ループ台車3が周回走行している。この周回走行しているループ台車3は、ある場所においては、出庫される物品200を受け取る。別の場所においては、受け取っている物品200を入庫として引き渡す。
【0110】
出庫の物品200を受け取る際には、図2で説明したように中間ユニット4を介在させることで、ループ台車3は停止することなく受け取れる。このため、入庫のためであっても、ループ台車3が停止しないことが好ましい。入庫のためにループ台車3が停止すると、リングレール2全体での搬送効率を下げてしまうからである。
【0111】
このためループ台車3に乗っている物品200を引き渡す入庫方向においても、図3のように、中間ユニット4を介する。仲介させることで、ループ台車3を停止させずに、物品200を入庫方向に移動させることができる。図3は、本発明の実施の形態1における入庫方向での物品の受け渡しを説明する説明図である。
【0112】
図3の左上、右上、左下、右下の順序で動作フローを説明している。この順序に合わせて、第1段階、第2段階、第3段階、第4段階の順序での説明がなされている。
【0113】
(第1段階:ループ台車3が中間ユニット4に近づく)
入庫方向であるので、あるループ台車3は、物品200を載せている。ループ台車3はリングレール2を周回走行している。この周回走行の中で、入庫対象となる入庫レーン71に近づいていく。この入庫レーン71には対応する位置において、並走移動する中間ユニット4が備わる。中間ユニット4は、並走移動している。このため、第1段階では、ループ台車3が周回走行の中で、入庫対象となる入庫レーン71に対応する中間ユニット4に近づいていく。
【0114】
近付く中で、中間ユニット4は、ループ台車3と並走移動している。
【0115】
(第2段階:ループ台車3と中間ユニット4とが相対位置で同期する)
第1段階が進むと、ループ台車3と中間ユニット4とが相対位置で同期する。これが第2段階である。相対位置での同期とは、上述した通りである。相対位置で同期することで、相対速度の差が無い状態で、ループ台車3と中間ユニット4とが並走する状態となる。
【0116】
(第3段階:ループ台車3から中間ユニット4に物品200が移動)
第3段階では、相対位置が同期しているループ台車3から中間ユニット4へ物品200が移動する。図2で説明したのと同様に、ループ台車3は、中間ユニット4に移動させる方向に向けたコンベア機構などを備えていればよい。このコンベア機構によって、ループ台車3は、物品200を中間ユニット4に移動させることができる。
【0117】
この移動によって、ループ台車3は、物品200を自己から離して中間ユニット4に渡すことができる。これにより、リングレール2での搬送そのものを終えることができる。
【0118】
(第4段階:中間ユニット4から入庫レーン71に移動)
第4段階では、入庫レーン71と対向する位置に到達した中間ユニット4が、物品200を入庫レーン71に移動させる。中間ユニット4も、コンベア機構などを備えており、入庫レーン71に引き渡す方向に物品200を移動させることができる。
【0119】
入庫レーン71は、図3の矢印にあるように、収納機構100やその他の要素に向けて、物品200を移動させることができる。入庫レーン71も、コンベア機構などを備えており、この機構によって移動させることができる。この移動によって、収納機構100やその他の要素に、搬送されてきた物品200が入庫させられる。
【0120】
この入庫によって、搬送された物品200を次工程などに適切に引き渡せる。また、図3の第2、第3段階において説明したように、ループ台車3が停止することなく、物品200を、ループ台車3から中間ユニット4を介して収納機構100などに入庫させることができる。
【0121】
すなわち、中間ユニット4は、並走移動において、入庫レーン71と対向する位置においてループ台車3から受けた物品を入庫物品として入庫レーン71に渡す。このとき、ループ台車3が入庫対象となる入庫物品を保持する場合に、ループ台車3は、入庫物品を中間ユニット4に渡す。これらの一連の結果、搬送されてきた物品200は、収納機構100などの次工程に入庫される(引き渡される)。
【0122】
(中間ユニット)
図4は、中間ユニットとその周辺にフォーカスした模式図である。
【0123】
中間ユニット4は、リングレール2の一部に平行する範囲において並走する。この範囲は、図4に示す入庫レーン71と出庫レーン72とまでの範囲である並走範囲をカバーする範囲である。すなわち、この入庫レーン71から出庫レーン72までの範囲をカバーする範囲で、中間ユニット4は、走行する。このとき、走行は往復移動である。走行範囲が限定されているので、往復移動により、ループ台車3との並走を継続するためである。
【0124】
このカバーする範囲が並走範囲である。
【0125】
中間ユニット4は、この並走範囲を並走移動可能である。往復移動であっても、ある期間においては、ループ台車3と同じ方向に向けて並走できる。この同じ方向での並走の間に、ループ台車3との間で相対位置の同期をとることができる。
【0126】
また、中間ユニット4は、図4に示すような構成を有することも好適である。すなわち、並走範囲に対応して、リングレール2に平行な並走レール42と、並走レール42を往復移動できる並走台車41とから構成されることも好適である。
【0127】
このような構成により、並走台車41が、往復移動の中でループ台車3と並走可能となる。また、並走レール42は、上述したように入庫レーン71から出庫レーン72までの範囲をカバーする並走範囲に設けられる。このため、並走台車41は、入庫レーン71への物品200の引き渡しや、出庫レーン72からの物品の供給を可能とできる。
【0128】
また、並走範囲での並走が可能であることで、この範囲に到達したループ台車3との間で、相対位置が同期する状態となることも可能である。この並走中での相対位置の同期によって、ループ台車3と並走台車41とが、物品200の受け渡しを行える。
【0129】
(物品の受け渡し)
図5は、中間ユニットとループ台車との間での物品の受け渡しを説明する模式図である。中間ユニット4からループ台車3へ、あるいは、ループ台車3から中間ユニット4へ物品200が渡される。勿論、図4で説明したように、中間ユニット4が並走レール42と並走台車41とから構成される場合には、並走台車41とループ台車3との間で物品200が受け渡される。
【0130】
中間ユニット4(並走台車41)とループ台車3のそれぞれは、走行方向と交差する方向に沿って、物品200を受け渡す。例えば、走行方向に略直交する方向に沿って、物品200を受け渡す。この方向で受け渡すことで、相対位置が同期している並列状態で、中間ユニット4とループ台車3との間での、物品200の受け渡しが可能となる。
【0131】
ここで、中間ユニット4(並走台車41)は、コンベア機構45を備える。同様に、ループ台車3もコンベア機構35を備える。それぞれのコンベア機構35、45は、走行方向に交差する方向において、物品200を移動させることができる。図5では、物品200が、コンベア機構35、45で交差する方向に移動される状態が示されている。
【0132】
このコンベア機構35、45により、物品200は、ループ台車3から中間ユニット4に移動する。あるいは、物品200は、中間ユニット4からループ台車3に移動する。コンベア機構35とコンベア機構45とのつながりにより、物品200が、引き渡されるからである。
【0133】
このようなコンベア機構35、45により、中間ユニット4とループ台車3との間での物品200の受け渡しが可能となる。勿論、中間ユニット4と入出庫レーン7との間での物品200の受け渡しも同様に行われる。
【0134】
ここでは、コンベア機構35、45を例として説明したが、コンベア機構以外の機構により、物品200の受け渡しが行われてもよい。また、交差方向に受け渡しを行うので、図5のように走行方向に対して略直交方向だけでなく、斜め方向での受け渡しが行われてもよい。
【0135】
(リングレールとループ台車)
【0136】
リングレール2は、図1に示すように、ある方向から別の方向へループ台車3による物品200の運搬を可能とする周回状であることが好ましい。周回状であることで、ループ台車3は、周回走行を続けることができるので、ループ台車3に次々と物品200を載せて出庫方向に搬送したり、物品200を載せて入庫方向に搬送したりできる。
【0137】
また、周回状であることで、ループ台車3は、同一方向を連続的に周回走行できるので、連続的な物品200の搬送が可能となる。特に、始点と終点による往復運動を必要としないので、ループ台車3は、連続的な周回走行のみで物品200の搬送を継続できる。
【0138】
また、リングレール2が周回状であることで、複数のループ台車3が同じリングレール2を周回走行することもできる。このときも、複数のループ台車3がリングレール2を同一方向にそろって周回走行することができる。この周回走行により、複数のループ台車3のそれぞれが、物品200を搬送できる。これにより、搬送装置1による物品200の搬送量や搬送能力が高まる。
【0139】
このとき、上述したように、ループ台車3は停止することなく物品200の受け渡しを可能である。このこととループ台車3が連続的に周回走行可能であることとが相まって、搬送装置1の搬送能力や搬送効率が高まる。
【0140】
また、リングレール2に複数のループ台車3が備わって周回走行する場合には、これも相まって、さらに搬送能力が向上する。
【0141】
リングレール2は、入出庫レーン7に対向する部分での直線部分とコーナー部分とを備える周回状であることも好適である。図1に示すような形状である。このような形状により、上述したループ台車3の周回走行が可能となる。また、入出庫レーン7に対向する部分が直線部分であることで、ループ台車3と並走する中間ユニット4が、直線移動によりループ台車3と並走できる。
【0142】
すなわち、並走範囲においては、中間ユニット4はループ台車3と直線走行により並走できる。この直線走行での並走により、物品200の受け渡しが容易かつ確実に行える。
【0143】
また、入出庫レーン7と対向する部分でリングレール2が直線部分であることで、入出庫レーン7と対向する範囲にある中間ユニット4は、入出庫レーン7との間での物品200の受け渡しを、容易かつ確実に行える。また図1に示すように、入出庫レーン7、中間ユニット4および中間ユニット4と物品の受け渡しを行う位置でのループ台車3とのそれぞれは、対向する位置関係になる。
【0144】
このような位置関係となる場所で、リングレール2は直線部分を持っていることで、入出庫レーン7とループ台車3との間での中間ユニット4を介した物品200の受け渡しが、容易かつ確実に行える。すなわち、最終的な必要性である、入出庫レーン7とループ台車3との間での物品200の受け渡しが、確実に行えて、ループ台車3を停止させることなく、ループ台車3による物品200の搬送が確実に行える。
【0145】
(ループ台車と中間ユニット)
図6は、本発明の実施の形態1における搬送装置とその周辺の模式図である。
【0146】
図6に示されるように、複数のループ台車3は連結可能である。図6に右上の2台のループ台車3は、連結されている。このように連結されることで、ループ台車3の搬送能力(搬送できる物品200の数を増加させることができる。あるいは、連結された複数のループ台車3が一度に到達するので、大きな物品200を、ループ台車3のそれぞれに乗せることもできる)を向上させることができる。勿論、リングレール2を走行するすべてのループ台車3が連結されることでもよい。
【0147】
また、連結されていることで、対応する中間ユニット4との間で受け渡し可能となる物品200の数を増やすことができる。また、これに合わせて図6の右上に示されるように、並走レール42の上を並走する並走台車41も複数となってもよい。この複数の並走台車41は、連結されてもよいし、未連結で備わっていてもよい。複数の並走台車41が複数のループ台車3と並走することで、物品200の受け渡しを、それぞれの組み合わせにおいて実行することができる。
【0148】
この構成により、物品200の搬送能力を更に高めることができる。
【0149】
中間ユニット4は、リングレール2の直線部分に対応する領域に沿って設けられることが好適である。この直線部分において、複数の中間ユニット4が備わることも好適である。図6では、複数の場所において、中間ユニット4が備わっている態様が示されている。
【0150】
複数の中間ユニット4が備わっていることで、複数の個所での入出庫レーン7に対応して物品200の受け渡しを可能とできる。これにより、物品200の搬送能力を高めることができる。また、搬送において、搬送の開始位置と搬送の終了位置のバリエーションを増加させることができる。
【0151】
なお、図6での搬送装置1において、複数の個所に中間ユニット4が備わっている。これら複数の中間ユニット4のそれぞれは、搬送の開始位置や終了位置のいずれに対応してもよい。搬送状況に応じて、柔軟に搬送の開始位置として用いられたり、終了位置として用いられたりすればよい。変化してもよい。
【0152】
このような柔軟性により、搬送装置1は、出庫元や入庫先の収納機構100や次工程との組み合わせにおいて、柔軟な搬送を実現できる。
【0153】
以上のように、実施の形態1における搬送装置1は、実際の搬送を担うループ台車3を停止させることなく物品200を搬送できる。結果として、搬送能力や搬送効率を高めることができる。
【0154】
(実施の形態2)
【0155】
実施の形態2について説明する。
【0156】
(検出機構)
【0157】
ここで、検出機構により、ループ台車3と中間ユニット4との相対位置の同期を検出するバリエーションについて説明する。勿論、検出機構が用いられずに、ループ台車3と中間ユニット4のそれぞれの走行開始時刻、走行速度、相対距離などから、中間ユニット4の走行開始に対してループ台車3が所定時間後に並ぶタイミングを計ることができる。このような仕組みでループ台車3と中間ユニット4との相対位置の同期を検出することでもよい。
【0158】
図7は、本発明の実施の形態2における中間ユニットとループ台車とにフォーカスした模式図である。図7では、中間ユニット4(並走台車41)とループ台車3との相対位置の同期を検出する検出機構8が備わっている状態を示している。図7では、理解の容易性のために、検出機構8がブロックとして示されているが、実際には、搬送装置1全体を制御する制御部などに組み込まれればよい。あるいは、ループ台車3や中間ユニット4に組み込まれて制御部などで判断されることでもよい。あるいは、ループ台車3や中間ユニット4に検出機構8が組み込まれてもよい。
【0159】
検出機構8は、ループ台車3と中間ユニット4との相対位置の同期を検出する。相対位置の同期とは、実施の形態1で説明したように、並走状態での位置が並んだ状態であり、相対速度の差が略0となっている状態である。すなわち、一定時間において、隣り合って並走している状態である。
【0160】
検出機構8は、この相対位置の同期を検出する。
【0161】
図7では、その一例として、ループ台車3と中間ユニット4とのそれぞれに光学センサー36、46が備わっている状態を示している。光学センサー36と光学センサー46とが、光の照射および受光を行うことで、相互の側方同士での位置関係を検出できる。
【0162】
図7の状態であれば、光学センサー36と光学センサー46とが相互に光の照射と受光をすることで、側方での位置がそろっているかそろっていないかが判断できる。検出機構8は、この光学センサーでの結果にもとづいて相対位置の同期を検出できる。
【0163】
光学センサー36と光学センサー46との相互の光の照射と受光がそろっていれば、検出機構8は、相対位置が同期しているとして判断する。逆にそろっていなければ、相対位置が同期していないとして判断する。
【0164】
図8は、本発明の実施の形態2における中間ユニットとループ台車とにフォーカスした模式図である。図8は、検出機構8による相対位置の同期の検出において、ループ台車3と中間ユニット4との側方同士を結ぶコネクタ37、47が用いられている態様が示されている。
【0165】
コネクタ37とコネクタ47とは、その位置が側方同士においてそろうと嵌合ないしは連結することが可能である。この状態は、ループ台車3と中間ユニット4とが側方同士で並んでいる状態である。すなわち、相対位置が同期している。
【0166】
検出機構8は、このコネクタ37とコネクタ47との連結などに基づいて、ループ台車3と中間ユニット4との相対位置の同期を検出する。また、コネクタ同士の連結により、相対位置が同期して並走する時間(物品200を受け渡しするのに必要な時間)を、確保することができる。
【0167】
このように検出機構8により、相対位置の同期を確実に検出でき、ループ台車3と中間ユニット4との間での物品200の受け渡しを確実に行える。また受け渡しに必要な時間の確保も実現できる。
【0168】
(搬送システム)
図9は、本発明の搬送システムの模式図である。搬送システム300は、実施の形態1、2で説明した搬送装置1と、中間ユニット4との間で入庫のための物品200の受け渡しを行う入庫レーン71と、中間ユニット4との間で出庫のための物品200の受け渡しを行う出庫レーン72と、入庫レーン71および出庫レーン72とに接続して、物品200を収納する収納機構100を備える。
【0169】
ここで、収納機構100は、自動倉庫110である。
【0170】
図9に示す全体が、搬送システム300を示す。搬送システム300は、自動倉庫110を基準として、これから出庫される物品200を次工程に搬送する、あるいは自動倉庫110に物品200を入庫させるために搬送する。この搬送においては、実施の形態1,2で説明したように、搬送装置1のリングレール2を周回走行するループ台車3が停止する必要が無い。これにより、自動倉庫110から次工程へ、あるいは次工程から自動倉庫110への物品200の搬送における搬送能力と搬送効率が高まる。
【0171】
この高い能力と効率により、搬送システム1は、多数の物品200を効率よく搬送できる。この物品200が、重量の大きなものであっても、中間ユニット4とループ台車3との間での受け渡しでの搬送によるので、効率的な搬送が可能である。
【0172】
なお、次工程に自動倉庫110が備わっていてもよい。また、図9で示す位置関係以外の場所に自動倉庫110が備わって、物品200の搬送の基点とされてもよい。
【0173】
なお、実施の形態1~2で説明された搬送装置および搬送システムは、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
【符号の説明】
【0174】
1 搬送装置
2 リングレール
3 ループ台車
35 コンベア機構
36 光学センサー
37 コネクタ
4 中間ユニット
41 並走台車
42 並走レール
45 コンベア機構
46 光学センサー
47 コネクタ
7 入出庫レーン
71 入庫レーン
72 出庫レーン
8 検出機構
100 収納機構
110 自動倉庫
200 物品
300 搬送システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9