IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トヨタマップマスターの特許一覧

特許7496712検索データベースの更新方法、その装置及びそのコンピュータプログラム
<>
  • 特許-検索データベースの更新方法、その装置及びそのコンピュータプログラム 図1
  • 特許-検索データベースの更新方法、その装置及びそのコンピュータプログラム 図2
  • 特許-検索データベースの更新方法、その装置及びそのコンピュータプログラム 図3
  • 特許-検索データベースの更新方法、その装置及びそのコンピュータプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】検索データベースの更新方法、その装置及びそのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/901 20190101AFI20240531BHJP
   G06F 16/9032 20190101ALI20240531BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
G06F16/901
G06F16/9032
G01C21/36
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020084827
(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2021179816
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】出口 悟
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-145706(JP,A)
【文献】国際公開第2012/063772(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象と関連付けられた被検索ワードを保存する被検索ワード保存部と、
検索ワード入力部と、
検索履歴保存部と、
検索対象表示部と、
検索履歴関係特定部及び決定部を含む被検索ワード更新部と、
を備えてなる検索データベースの更新装置を用いる検索データベースの更新方法であって、
前記検索履歴保存部に、前記検索ワード入力部から入力された第1の検索クエリと、該第1の検索クエリの後に入力された第2の検索クエリとを保存させ、前記第1及び第2の検索クエリは1又は2以上の検索ワードを含んでおり、
前記被検索ワード更新部は、
前記検索履歴関係特定部に、前記第2の検索クエリに対応して前記検索対象表示部に表示された検索対象から第1の検索対象が選択されたとき、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの関係を特定させ、
前記決定部に、前記検索履歴関係特定部により特定された関係に基づき、前記検索履歴保存部に保存されている前記第1の検索クエリから新たに登録する被検索ワードを決定させ、
該決定された被検索ワードを選択された前記検索対象と関連付けて前記被検索ワード保存部に保存させる、検索データベースの更新方法において、
前記検索履歴関係特定部が特定する関係には、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの時間間隔に関する第1の関係と、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリに含まれるワードに関する第2の関係とが含まれ、
前記第1の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの実行時間の間が所定の時間間隔以内であり、
前記第2の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとに同じワードが含まれていることであり、
前記第1の関係と前記第2の関係がともに満足すると前記検索履歴関係特定部により特定されたとき、前記決定部に、前記第1の検索クエリのワードの中から、前記第2の検索クエリに含まれていないワードを決定させる、検索データベースの更新方法。
【請求項2】
前記決定部に、前記第2の検索クエリに含まれていなかったワードの中から最も入力順位の高いワードを、前記第1の検索クエリのワードの中から決定させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定部に、前記第1の検索クエリのワードの中から前記第2の検索クエリに含まれていなかったワードであって前記第2の検索クエリに含まれていたワードに近接して入力されたワードを、決定させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
検索対象と関連付けられた被検索ワードを保存する被検索ワード保存部と、
検索ワード入力部と、
検索履歴保存部と、
検索対象表示部と、
検索履歴関係特定部及び決定部を含む被検索ワード更新部と、
を備えてなる検索データベースの更新装置であって、
前記検索履歴保存部に、前記検索ワード入力部から入力された第1の検索クエリと、該第1の検索クエリの後に入力された第2の検索クエリとを保存させ、前記第1及び第2の検索クエリは1又は2以上の検索ワードを含んでおり、
前記被検索ワード更新部は、
前記検索履歴関係特定部に、前記第2の検索クエリに対応して前記検索対象表示部に表示された検索対象から第1の検索対象が選択されたとき、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの関係を特定させ、
前記決定部に、前記検索履歴関係特定部により特定された関係に基づき、前記検索履歴保存部に保存されている前記第1の検索クエリから新たに登録する被検索ワードを決定させ、
該決定された被検索ワードを選択された前記検索対象と関連付けて前記被検索ワード保存部に保存させる、検索データベースの更新装置において、
前記検索履歴関係特定部が特定する関係には、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの時間間隔に関する第1の関係と、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリに含まれるワードに関する第2の関係とが含まれ、
前記第1の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの実行時間の間が所定の時間間隔以内であり、
前記第2の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとに同じワードが含まれていることであり、
前記第1の関係と前記第2の関係がともに満足すると前記検索履歴関係特定部により特定されたとき、前記決定部に、前記第1の検索クエリのワードの中から、前記第2の検索クエリに含まれていないワードを決定させる、検索データベースの更新装置。
【請求項5】
検索対象と関連付けられた被検索ワードを保存する被検索ワード保存部と、
検索ワード入力部と、
検索履歴保存部と、
検索対象表示部と、
検索履歴関係特定部及び決定部を含む被検索ワード更新部と、
を備えてなる検索データベースの更新装置用のコンピュータプログラムであって、
前記検索履歴保存部に、前記検索ワード入力部から入力された第1の検索クエリと、該第1の検索クエリの後に入力された第2の検索クエリとを保存させ、前記第1及び第2の検索クエリは1又は2以上の検索ワードを含んでおり、
前記被検索ワード更新部は、
前記検索履歴関係特定部に、前記第2の検索クエリに対応して前記検索対象表示部に表示された検索対象から第1の検索対象が選択されたとき、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの関係を特定させ、
前記決定部に、前記検索履歴関係特定部により特定された関係に基づき、前記検索履歴保存部に保存されている前記第1の検索クエリから新たに登録する被検索ワードを決定させ、
該決定された被検索ワードを選択された前記検索対象と関連付けて前記被検索ワード保存部に保存させる、コンピュータプログラムにおいて、
前記検索履歴関係特定部が特定する関係には、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの時間間隔に関する第1の関係と、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリに含まれるワードに関する第2の関係とが含まれ、
前記第1の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの実行時間の間が所定の時間間隔以内であり、
前記第2の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとに同じワードが含まれていることであり、
前記第1の関係と前記第2の関係がともに満足すると前記検索履歴関係特定部により特定されたとき、前記決定部に、前記第1の検索クエリのワードの中から、前記第2の検索クエリに含まれていないワードを決定させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検索データベースの更新方法、その装置及びそのコンピュータプログラムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置において施設を目的地として検索する際、その施設の名称や電話番号が不明なことがある。その場合、施設に関係するキーワードを入力し、当該キーワードに応じて表示される施設の候補から、希望する施設を目的地としてオペレータ等の利用者に指定させることがある。
かかるシステムの検索データベースでは、施設に関連付けられた被検索ワードが保存されており、検索クエリとして入力されたワードと一致する被検索ワードに関連する施設が候補として選択されて、表示される。
【0003】
施設の検索精度を上げるため、検索データベースの被検索ワードはデフォルトのものに加えて、施設管理者からの提供される新たな被検索ワードが加えられたり、修正されたりする。
また、利用者の検索履歴に基づき、被検索ワードが加えられることがある。例えば、ワードAが入力されて検索が実行されたときには候補として選択表示されなかった施設abであっても、ワードAに続けてワードBが入力されたときに候補として選択表示され、かつ同様な検索が実行されたときに高い確率で希望する目的地として利用者に指定される施設abがある。かかる施設abには被検索ワードBが登録されている。ここで、利用者の利用傾向からみて、ワードAも被検索ワードとして利用できることが予測されるので、ワードAを被検索ワードとして施設abに関連付けて保存される。
本願発明に関連する文献として特許文献1~3を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-056574号公報
【文献】特開2014-052938号公報
【文献】特開2013-037483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
利用者による実際の検索操作において、上記の例の場合、ワードAを入力して検索したとき目的地とする施設が表示されないと、続けてワードBを入力するときばかりでなく、当該ワードAを消去して一旦検索クエリを終了し、新たにワードBを入力して次の検索クエリを実行する場合がある。
この場合、ワードAは一旦消去されているため、被検索ワードとして反映することができない。
換言すれば、利用者による検索履歴が効率的にナビゲーションの検索用データベースの更新に反映されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はかかる課題を解決すべくなされたものであり、その第1の局面は次のように規定される。即ち、
検索対象と関連付けられた被検索ワードを保存する被検索ワード保存部と、
検索ワード入力部と、検索履歴保存部と、検索対象表示部と、検索履歴関係特定部及び決定部を含む被検索ワード更新部と、を備えている検索データベースの更新装置を用いる検索データベースの更新方法であって、
前記検索履歴保存部に、前記検索ワード入力部から入力された第1の検索クエリと、該第1の検索クエリの後に入力された第2の検索クエリとを保存させ、前記第1及び第2の検索クエリは1又は2以上の検索ワードを含んでおり、
前記被検索ワード更新部は、
前記検索履歴関係特定部に、前記第2の検索クエリに対応して前記検索対象表示部に表示された検索対象から検索対象が選択されたとき、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの関係を特定させ、
前記決定部に、前記検索履歴関係特定部により特定された関係に基づき、前記検索履歴保存部に保存されている前記第1の検索クエリから新たに登録する被検索ワードを決定させ、
該決定された被検索ワードを選択された前記検索対象と関連付けて前記被検索ワード保存部に保存させる、検索データベースの更新方法。
【0007】
このように規定される検索データベースの更新方法によれば、一旦消去された第1の検索クエリの検索ワードを被検索ワードとして用いることができる。よって、利用者の検索履歴をより幅広くナビゲーションシステムの検索用データベースの更新に反映できる。
【0008】
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、第1の局面の更新方法において、前記検索履歴関係特定部が特定する関係には、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの時間間隔に関する第1の関係と、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリに含まれるワードに関する第2の関係とが含まれ、
前記第1の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの実行時間の間が所定の時間間隔以内であり、
前記第2の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとに同じワードが含まれていることであり、
前記第1の関係と前記第2の関係がともに満足すると前記検索履歴関係特定部により特定されたとき、前記被検索ワード決定部に、前記第1の検索クエリのワードの中から、前記第2の検索クエリに含まれていないワードを決定させる。
【0009】
このように規定される第2の局面の更新方法によれば、第1の検索クエリと第2の検索クエリとの間に時間的かつ内容的な関係があるときにのみ第1の検索クエリのワードが決定されて、被検索ワードとして採用され、選択された検索対処と関連付けて被検索ワード保存部に保存される。よって、採用された被検索ワードと検索対象との関係の確からしさが担保される。
第1の検索クエリとして入力されたワードの中から被検索ワードとして採用するものは、最も入力順位の高いものとすることができる(第3の局面)。利用者は検索対象として最も興味のある検索ワードを最初に入力する場合が多いからである。
【0010】
また、第1の検索クエリとして入力されたワードの中から被検索ワードとして採用するものとして、前記第2の検索クエリに含まれていなかったワードであって前記第2の検索クエリに含まれていたワードに近接して入力されたワードを、決定することができる(第4の局面)。
近接して入力されたワードどうしは関係性が高いと考えられるからである。
【0011】
この発明の第5の局面は次のように規定される。即ち、
検索対象と関連付けられた被検索ワード20保存する被検索ワード保存部と、
検索ワード入力部と、
検索履歴保存部と、
検索対象表示部と、
検索履歴関係特定部及び決定部を含む被検索ワード更新部と、
を備えてなる検索データベースの更新装置であって、
前記検索履歴保存部に、前記検索ワード入力部から入力された第1の検索クエリと、該第1の検索クエリの後に入力された第2の検索クエリとを保存させ、前記第1及び第2の検索クエリは1又は2以上の検索ワードを含んでおり、
前記被検索ワード更新部は、
前記検索履歴関係特定部に、前記第2の検索クエリに対応して前記検索対象表示部に表示された検索対象から第1の検索対象が選択されたとき、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの関係を特定させ、
前記決定部に、前記検索履歴関係特定部により特定された関係に基づき、前記検索履歴保存部に保存されている前記第1の検索クエリから新たに登録する被検索ワードを決定させ、
該決定された被検索ワードを選択された前記検索対象と関連付けて前記被検索ワード保存部に保存させる、検索データベースの更新装置。
このように規定される第5の局面の発明は第1の局面の発明と同様の作用を奏する。
【0012】
この発明の第6の局面は次のように規定される。即ち、
前記検索履歴関係特定部が特定する関係には、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの時間間隔に関する第1の関係と、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリに含まれるワードに関する第2の関係とが含まれ、
前記第1の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの実行時間の間が所定の時間間隔以内であり、
前記第2の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとに同じワードが含まれていることであり、
前記第1の関係と前記第2の関係がともに満足すると前記検索履歴関係特定部により特定されたとき、前記決定部に、前記第1の検索クエリのワードの中から、前記第2の検索クエリに含まれていないワードを決定させる、第5の局面に記載の装置。
このように規定される第6の局面の発明は第2局面の発明と同様の作用を奏する。
【0013】
この発明の第7の局面は次のように規定される。即ち、
前記決定部に、前記第2の検索クエリに含まれていなかったワードの中から最も入力順位の高いワードを、前記第1の検索クエリのワードの中から決定させる、第6の局面に記載の装置。
このように規定される第7の局面の発明は第3の局面の発明と同様の作用を奏する。
【0014】
この発明の第8の局面は次のように規定される。即ち、
前記決定部に、前記第1の検索クエリのワードの中から前記第2の検索クエリに含まれていなかったワードであって前記第2の検索クエリに含まれていたワードに近接して入力されたワードを、決定させる、第6の局面に記載の装置。
このように規定される第8の局面の発明は第4の局面の発明と同様の作用を奏する。
【0015】
この発明の第9の局面は次のように規定される。即ち、
検索対象と関連付けられた被検索ワード20保存する被検索ワード保存部と、
検索ワード入力部と、
検索履歴保存部と、
検索対象表示部と、
検索履歴関係特定部及び決定部を含む被検索ワード更新部と、
を備えてなる検索データベースの更新装置用のコンピュータプログラムであって、
前記検索履歴保存部に、前記検索ワード入力部から入力された第1の検索クエリと、該第1の検索クエリの後に入力された第2の検索クエリとを保存させ、前記第1及び第2の検索クエリは1又は2以上の検索ワードを含んでおり、
前記被検索ワード更新部は、
前記検索履歴関係特定部に、前記第2の検索クエリに対応して前記検索対象表示部に表示された検索対象から第1の検索対象が選択されたとき、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの関係を特定させ、
前記決定部に、前記検索履歴関係特定部により特定された関係に基づき、前記検索履歴保存部に保存されている前記第1の検索クエリから新たに登録する被検索ワードを決定させ、
該決定された被検索ワードを選択された前記検索対象と関連付けて前記被検索ワード保存部に保存させる、コンピュータプログラム。
このように規定される第9の局面の発明は第1の局面の発明と同様の作用を奏する。
【0016】
この発明の第10の局面は次のように規定される。即ち、
前記検索履歴関係特定部が特定する関係には、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの時間間隔に関する第1の関係と、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリに含まれるワードに関する第2の関係とが含まれ、
前記第1の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとの実行時間の間が所定の時間間隔以内であり、
前記第2の関係の満足条件は、前記第1の検索クエリと前記第2の検索クエリとに同じワードが含まれていることであり、
前記第1の関係と前記第2の関係がともに満足すると前記検索履歴関係特定部により特定されたとき、前記決定部に、前記第1の検索クエリのワードの中から、前記第2の検索クエリに含まれていないワードを決定させる、第9の局面に記載のコンピュータプログラム装置。
このように規定される第10の局面の発明は第2の局面の発明と同様の作用を奏する。
【0017】
この発明の第11の局面は次のように規定される。即ち、
前記決定部に、前記第2の検索クエリに含まれていなかったワードの中から最も入力順位の高いワードを、前記第1の検索クエリのワードの中から決定させる、第10の局面に記載のコンピュータプログラム。
このように規定される第11の局面の発明は第3の局面の発明と同様の作用を奏する。
【0018】
この発明の第12の局面は次のように規定される。即ち、
前記決定部に、前記第1の検索クエリのワードの中から前記第2の検索クエリに含まれていなかったワードであって前記第2の検索クエリに含まれていたワードに近接して入力されたワードを、決定させる、第9の局面に記載のコンピュータプログラム。
このように規定される第12の局面の発明は第4の局面の発明と同様の作用を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1はこの発明の実施形態の検索データベースの更新装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は検索履歴保存部と被検索ワード更新部の詳細なブロック図である。
図3図3はコンピュータ装置を実施形態の更新装置として機能させたときのブロック図である。
図4図4は実施形態の更新装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示すとおり、この発明の実施形態の検索データベースの更新装置1はナビゲーション装置10の機能を用いる部分Aと、更新のための専用部分Bとから構成される。図1において、点線で囲まれる部分はサーバ装置が担い、実践で囲まれる入出力部30は利用者のインターフェースの部分であり、車両に組付けられたナビゲーション端末であったり、タブレットやスマートホンなどの端末であったりする。サーバ側の機能の一部を端末側に担わせることもできる。
ナビゲーション装置10の機能を用いる部分Aには、マップデータ保存部20、入出力部30、施設抽出部40、指定決定部45が備えられる。なお、ナビゲーション装置10は、その他、経路探索部や道路地図保存部など、ナビゲーション操作を行うために必要な機能を備えている。
【0021】
マップデータ保存部20には施設データ保存部21と被検索ワード保存部23が備えられる。施設データ保存部21にはナビゲーションの検索対象となる施設データが保存されている。施設データとしては施設名称、住所、電話番号等がある。施設データ保存部21に保存されている施設ごとの被検索ワードが被検索ワード保存部23に保存されている。被検索ワードは施設に関連するワードであり、例えば、施設が「出口うなぎ店」のとき、被検索ワードとして、「うなぎ」、「禁煙」、「駐車場あり」、などがある。これらの被検索ワードはデフォルトとしてナビゲーション装置の当初から登録保存されている。
利用者に対するインターフェースとなる入出力装置30は、検索ワード入力部31、施設表示部33及び施設指定部35を備える。入出力装置30としてタッチパネル式のディルプレイを用いたときには、これに各部が物理的に統合されている。各部を別の装置とすることもできる。
【0022】
利用者は検索ワード入力部31を介して検索ワードをテキスト入力することができる。検索ワードを音声入力し、音声認識機能を用いてテキスト変換してもよい。
施設表示部33には、検索を実行したときに候補として挙げられる施設が所定のルールに従って順位付けて表示される。表示の内容は、施設名称、住所、施設の種類等である。
施設指定部35はカーソルやタッチによる静電変化等を用いて、施設表示部33に表示された施設を指定することを利用者に許容する。
【0023】
ナビゲーション装置10がキーワード検索モードのとき、施設抽出部40は、検索ワード入力部31から入力された検索クエリに含まれるワード(キーワード)を被検索ワード保存部23に保存されている被検索ワードに照らして、同じワードに関係する施設を施設データ保存部21から読み出して施設表示部33に表示させる。同じワードに関係する施設が複数存在したときには、所定のルールで順位付けをして、上位のものから順に所定数(ディスプレイの大きさや解像度に依存)表示する。順位付けを決定するルールは自車位置からの距離であったり、指定の履歴だったりする。
【0024】
施設表示部33に表示された候補施設の中から利用者が施設を指定すると、指定決定部45は指定を決定し、これを目的地とする。ナビゲーション装置10の図示しない経路探索部は当該目的地までの経路探索を実行する。施設表示部33に候補施設が表示されたのにも関わらず指定が行われなかったとき、指定決定部45は指定がなされなかった旨を決定する。
【0025】
サーバ装置に組み込まれる更新のための専用部分Bは、履歴制御部50、検索履歴保存部60及び被検索ワード更新部70を備えている。
履歴制御部50は、検索に利用したワードを検索履歴保存部60にその時刻とともに保存する。
検索履歴保存部60のより詳細な構成を図2に示す。
検索履歴保存部60には第1の検索クエリ保存部61と第2の検索クエリ保存部63とが備えられ、それぞれワード保存領域611,631と時刻保存領域613,633を備える。更に、第3以上の検索クエリ保存部を設けることができる。
【0026】
図1に戻り、履歴制御部50は、指定決定部45の出力を参照して、施設表示部33に表示された候補施設を利用者が指定したか否かを検出する。利用者が特定の施設を指定せずに、検索を終了したとき(第1の検索クエリの終了)、履歴制御部50はそれまでに入力された検索ワードを第1の検索クエリ保存部61のワード保存領域611に保存するとともに、保存した時刻が時刻保存領域に613に書き込まれる。なお、検索の終了は、検索自体の終了、検索モードの変更、及び入力した検索ワードを全消去して新たな検索ワードが入力されたとき(第2の検索クエリ)を指す。
【0027】
第1の検索クエリにおいていずれかの施設が指定されたときは検索ワードの保存は行われない。
最初の検索クエリ(第1の検索クエリ)において、施設の指定が行われなかったにも関わらず、続いて入力された検索クエリ(第2の検索クエリ)が実行されて、そのときに表示された候補施設について利用者による指定が行なわれたとき、指定決定部45の出力を参照して、履歴制御部45は、その時の検索ワードを第2の検索クエリ保存部63のワード保存領域631へ保存するとともに、保存の時刻を時刻保存領域633へ書き込む。
【0028】
図2に示すように、被検索ワード更新部70は検索履歴関係特定部71と決定部73とを備える。
検索履歴関係特定部71は時刻比較部713とワード比較部711とを備える。時刻比較部713は第1及び第2の検索クエリ保存部61,63の各時刻保存領域613、633に保存されている時刻を比較し、両者に間にしきい値時間Ts(例えば1時間)以上の時間間隔があるか否かを比較する。
【0029】
ワード比較部711は第1及び第2の検索クエリ保存部61,63の各ワード保存領域611、631に保存されている検索ワードに同じワードが含まれているか否かを比較する。
決定部73は、第1の検索クエリ保存部61のワード保存領域611に保存されているワードの中から、第2の検索クエリにおいて指定された施設に関連のあるワードを抽出する。抽出されたワードは新たな被検出ワードとして、被検出ワード保存部23に書き込まれて保存される。
【0030】
図3に走行環境特定装置1のサーバ装置側のハード構成を示す。
演算部300はCPU301、ROM303及びRAM305を備え、システム全体の制御をつかさどる。それとともに、施設抽出部40、指定決定部45、履歴制御部50、被検索ワード更新部70として機能する。ROM303は、演算部300を制御する制御プログラム等が格納された不揮発性メモリである。RAM305は、キーボード等の入力装置330を介して利用者により予め設定された各種設定値を読み出し可能に格納したり、CPU301に対してワーキングエリアを提供したりする。演算部300を制御する制御プログラムはROM303に限らずRAM305や第1、第2記憶装置340及び350に格納されていてもよい。
【0031】
第1記憶装置340はマップデータ保存部20として機能する。マップデータ保存部20は外部サーバを利用することもできる。
第2記憶装置350は検索履歴保存部60として機能する。
第1、第2記憶装置はハードメモリやフラッシュメモリなど、サーバシステムのメモリ装置の一部の領域を利用することが好ましい。
【0032】
データを一時的に保存する、いわゆるバッファメモリには、演算部のRAMの一部領域を利用できる。
出力装置320はディスプレイや音声出力装置であり、入力装置330は音声入力部や、ディスプレイに重ねて配置されるタッチパネル式のキーボートやマウスなどが該当する。
通信インターフェース306を介して、端末側の入出力部30と通信可能となる。
コンピュータを構成する各装置はシステムバス307で連結されている。
【0033】
次に、更新装置1の動作について図4のフローチャートを参照しながら説明する。
ナビゲーション装置10がキーワード検索モードとなっており、最初の検索(第1の検索クエリ)において検索ワードが入力され、それに応じた候補施設が施設表示部33に表示されてもいずれの候補施設も指定されなかったとき(ステップ1:NO)、ステップ3において第1の検索クエリで入力された検索ワードとその時刻とが第1の検索クエリ保存部61に保存される(ステップ3)。候補施設が指定されたとき(ステップ1:YES)には、ステップ6において指定された施設が目的地として設定される。
【0034】
第2の検索クエリを実行したときに施設が指定されると(ステップ5:YES)、ステップ6の実行とともに検索ワードと時刻が第2の検索クエリ保存部63に保存される(ステップ7)。第2の検索クエリにおいても施設が指定されないときは(ステップ5:NO)、更新装置1の処理は終了となる。
【0035】
ステップ9では、第1の検索クエリ保存部61の時刻保存領域613に保存されている第1の検索クエリの実行時刻と、第2の検索クエリ保存部63の時刻保存領域633に保存されている第2の検索クエリの実行時刻が時刻比較部713により比較される。比較の結果、前者と後者との時間間隔がしきい値時間Ts(例えば1時間)以内であったとき(ステップ9:YES)、ステップ11に進む。当該時間間隔がしきい値時間Tsを超過していたときは(ステップ9:NO)、処理が終了となる。
【0036】
ステップ11では、第1の検索クエリ保存部61のワード保存領域611に保存されている検索ワードと第2の検索クエリ保存部63のワード保存領域631に保存されている検索ワードとが比較される。比較の結果、両者に同じワードがあるとき(ステップ11:YES)、ステップ13に進んで、第1の検索クエリの検索ワードから、当該同じワード以外のワード、即ち、第2の検索クエリの検索ワードに含まれていないものを抽出する。同じワードがないとき(ステップ11:NO)は処理を終了する。
なお、この同じワードは被検索ワードの対象とはならない。第1の検索クエリにおいて目的とする施設が表示されなかったからである。
【0037】
ここに、第1の検索クエリの検索ワードは次のようであった。
「出口」 × 「ひつまぶし」
第2の検索クエリの検索ワードは次のようであった。
「出口」 × 「うなぎ」
なお、検索対象となる施設は「出口うなぎ店」である。
両者は「出口」なる検索ワードを同じとしている。
ここに、出口うなぎ店に関係づけられている被検索キーワードとして「うなぎ」が保存されており、「ひつまぶし」と「出口」は保存されていないことがわかる。
この発明では、「ひつまぶし」を出口うなぎ店の被検索ワードとして登録し、保存することを目指す。
【0038】
そのため、ステップ15では、まずステップ13で抽出された異なるワードが第1の検索クエリにおいて入力順位が1位であったか否かを検証する。上記の例では、異なるワード「ひつまぶし」は入力順位が2位であるので(ステップ15:NO)、ステップ17にすすむ。ここで、当該異なるワードの入力順位が1位のときは、ステップ19に進んでそのワードを新たな被検索ワードに決定し、被検索ワード保存部23に書き込んで保存する。
【0039】
ステップ17では、ステップ11で検証した同じワードと近接するワード(この例では「ひつまぶし」)を第1の検索クエリの検索ワードから抽出して(ステップ17:YES)、ステップ19の処理を実行する。同じワードに近接するワードがないとき(例えば、第1の検索クエリが1つの検索ワードのみからなり、その検索ワードが第2の検索クエリにも含まれているとき)、処理を終了する。これにより、施設「出口うなぎ店」について「ひつまぶし」が被検索ワードとして登録されて被検索ワード保存部23に保存される。
【0040】
本発明は、上記実施形態、実施例、変形例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 更新装置
10 ナビゲーション装置
21 施設データ保存部
23 被検索ワード保存部
31 検索ワード入力部
33 施設表示部
60 検索履歴保存部
61 第1の検索クエリ保存部
63 第2の検索クエリ保存部
70 被検索ワード更新部
71 検索履歴関係特定部
73 決定部
図1
図2
図3
図4