IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工マリンマシナリ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-冷熱回収システム 図1
  • 特許-冷熱回収システム 図2
  • 特許-冷熱回収システム 図3
  • 特許-冷熱回収システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】冷熱回収システム
(51)【国際特許分類】
   F01K 17/04 20060101AFI20240531BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20240531BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240531BHJP
   F01K 25/10 20060101ALI20240531BHJP
   F17C 9/04 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
F01K17/04 B
F25B27/00 Q
F25B1/00 399Y
F01K25/10 A
F01K25/10 K
F17C9/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020144576
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039507
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】518131296
【氏名又は名称】三菱重工マリンマシナリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 亮
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 英司
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104748280(CN,A)
【文献】特開2014-104847(JP,A)
【文献】特開2020-029830(JP,A)
【文献】特開2013-087187(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0010334(KR,A)
【文献】特開昭57-171009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 25/10;17/04
F01D 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを貯留するように構成された液化ガス貯留装置を有する船舶又は浮体に設置される冷熱回収システムであって、
前記液化ガスの冷熱エネルギーにより駆動するように構成された冷熱用タービンを含む冷熱回収サイクルと、
前記冷熱回収サイクルを流れる冷熱用熱媒体の冷熱エネルギーにより空気を冷却するように構成された空調用蒸発器を含む空調サイクルと、を備え、
前記冷熱回収サイクルおよび前記空調サイクルは、前記冷熱回収サイクルを流れる前記冷熱用熱媒体と、前記空調サイクルを流れる空調用熱媒体との間で熱交換を行うように構成された熱交換器を共有しており、
前記空調サイクルは、前記熱交換器により冷却されて前記空調用蒸発器に導入される前記空調用熱媒体を膨張させるように構成された空調用膨張器を含み、
前記熱交換器は、前記冷熱回収サイクルにおいて前記冷熱用熱媒体を蒸発させるための蒸発器として機能し、前記空調サイクルにおいて前記空調用熱媒体を凝縮させるための凝縮器として機能する、
冷熱回収システム。
【請求項2】
前記冷熱回収サイクルは、
前記冷熱用タービンにより膨張された前記冷熱用熱媒体を前記液化ガスの冷熱エネルギーにより冷却するように構成された冷熱用凝縮器と、
前記冷熱用凝縮器により冷却された前記冷熱用熱媒体を圧縮するように構成された冷熱用ポンプと、をさらに含む、
請求項1に記載の冷熱回収システム。
【請求項3】
前記空調サイクルは、
記空調用蒸発器により加熱された前記空調用熱媒体を圧縮するように構成された空調用コンプレッサと、をさらに含む、
請求項1又は2に記載の冷熱回収システム。
【請求項4】
前記空調用膨張器は、空調用タービンを含む、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の冷熱回収システム。
【請求項5】
前記冷熱回収サイクルおよび前記空調サイクルは、前記冷熱用タービンおよび前記空調用タービンを動力源として発電を行うように構成された発電機を共有している、
請求項4に記載の冷熱回収システム。
【請求項6】
前記冷熱回収サイクルを流れる前記冷熱用熱媒体は、前記空調サイクルを流れる前記空調用熱媒体と同種の熱媒体からなる、
請求項5に記載の冷熱回収システム。
【請求項7】
前記冷熱回収システムの外部から導入された海水を送るための海水供給ラインをさらに備え、
前記冷熱回収サイクルは、前記冷熱用タービンに導入される前記冷熱用熱媒体と、前記海水供給ラインを流れる前記海水との間で熱交換を行うように構成された冷熱用蒸発器をさらに含む、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の冷熱回収システム。
【請求項8】
液化ガスを貯留するように構成された液化ガス貯留装置を有する船舶又は浮体に設置される冷熱回収システムであって、
前記液化ガスの冷熱エネルギーにより駆動するように構成された冷熱用タービンを含む冷熱回収サイクルと、
前記冷熱回収サイクルを流れる冷熱用熱媒体の冷熱エネルギーにより空気を冷却するように構成された空調用蒸発器を含む空調サイクルと、
前記冷熱回収システムの外部から導入された海水を送るための海水供給ラインと、を備え、
前記冷熱回収サイクルおよび前記空調サイクルは、前記冷熱回収サイクルを流れる前記冷熱用熱媒体と、前記空調サイクルを流れる空調用熱媒体との間で熱交換を行うように構成された熱交換器を共有しており、
前記冷熱回収サイクルは、前記冷熱用タービンに導入される前記冷熱用熱媒体と、前記海水供給ラインを流れる前記海水との間で熱交換を行うように構成された冷熱用蒸発器を含み、
前記冷熱回収システムは、
前記冷熱エネルギーが回収された前記液化ガスを気化したガスの温度を取得するように構成されたガス温度取得装置と、
前記ガス温度取得装置により取得される前記ガスの温度が目標温度になるように、前記海水供給ラインを流れる前記海水の流量を制御する制御部、を含む制御装置と、
をさらに備える、冷熱回収システム。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記制御部が設定した前記海水供給ラインを流れる前記海水の目標流量を、前記空調サイクルの稼働状況に応じて増減させるように構成された調整部をさらに含む、
請求項8に記載の冷熱回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液化ガスの冷熱エネルギーを回収するための冷熱回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液化ガス(例えば、液化天然ガス)は、輸送や貯蔵を目的として液化され、都市ガスや火力発電所などの供給先に供給するに際して、海水などの熱媒体で昇温して気化させることが行われる。液化ガスを気化させる際に、液化ガスの冷熱エネルギーを海水に捨てるのではなく回収することが行われることがある(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
特許文献1では、液化ガスの冷熱エネルギーを電力として回収する冷熱発電サイクルが開示されている。この冷熱発電サイクルとしては、二次媒体ランキンサイクル方式などが知られている(特許文献1参照)。二次媒体ランキンサイクル方式は、クローズドループ内を循環する二次媒体を、蒸発器にて海水を熱源として加熱して蒸発させ、この蒸気を冷熱発電用のタービンに導入して動力を得た後に、液化天然ガスにて冷却、凝縮させる方式である。
【0004】
特許文献2では、液化ガスから回収した冷熱エネルギーを冷却源として、冷凍サイクルを循環する冷媒を冷却し、空調機(冷凍サイクルの蒸発器)にて上記冷媒により船舶の内部の空気を冷却する船舶用の空調システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭61-59803号公報
【文献】特開2015-155787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の冷熱発電サイクルのような、海水を熱源として二次媒体を加熱する構成では、二次媒体と海水との温度差を大きくすることはできないため、冷熱発電サイクルの効率を効果的に向上させることができない虞がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の船舶用の空調システムのような、液化ガスから回収した冷熱エネルギーを空調機に使用する構成にすると、空調機が停止した際に液化ガスからの冷熱エネルギーの回収が不十分となる虞があるため、液化ガスの冷熱エネルギーを回収するための回収システムの信頼性が低いものとなる虞がある。また、液化ガスから回収した冷熱エネルギーを空調機に使用することで、船舶の消費電力を多少は抑制できるが、上述した船舶用の空調システムの構築を促すほどの消費電力の削減効果を得られない虞がある。
【0008】
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、冷熱回収システムの効率を向上させることができる冷熱回収システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施形態にかかる冷熱回収システムは、
液化ガスを貯留するように構成された液化ガス貯留装置を有する船舶又は浮体に設置される冷熱回収システムであって、
前記液化ガスの冷熱エネルギーにより駆動するように構成された冷熱用タービンを含む冷熱回収サイクルと、
前記冷熱回収サイクルを流れる冷熱用熱媒体の冷熱エネルギーにより空気を冷却するように構成された空調用蒸発器を含む空調サイクルと、を備え、
前記冷熱回収サイクルおよび前記空調サイクルは、前記冷熱回収サイクルを流れる前記冷熱用熱媒体と、前記空調サイクルを流れる空調用熱媒体との間で熱交換を行うように構成された熱交換器を共有している。
【発明の効果】
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、冷熱回収システムの効率を向上させることができる冷熱回収システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態にかかる冷熱回収システムを備える水上浮遊構造体の構成を概略的に示す概略構成図である。
図2】本開示の一実施形態にかかる冷熱回収システムを備える水上浮遊構造体の構成を概略的に示す概略構成図である。
図3】本開示の一実施形態にかかる冷熱回収システムにおける冷熱用タービンおよび空調用タービンを説明するための説明図である。
図4】本開示の一実施形態における制御装置の機能を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態にかかる冷熱回収システムを備える水上浮遊構造体の構成を概略的に示す概略構成図である。
幾つかの実施形態にかかる冷熱回収システム1は、図1に示されるように、水上浮遊構造体10に設置される。水上浮遊構造体10は、水上に浮遊可能な構造体である。水上浮遊構造体10は、プロペラなどの推進器を駆動させるように構成された推進装置を有し、推進装置を駆動させることで自走可能な船舶10A、又は推進装置を有さない浮体10Bを含むものである。水上浮遊構造体10は、冷熱回収システム1と、液化ガス供給システム2と、を備える。
【0014】
(冷熱回収システム)
冷熱回収システム1は、図1に示されるように、液化ガスの冷熱エネルギーにより駆動するように構成された冷熱用タービン3を含む冷熱回収サイクル4と、冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体の冷熱エネルギーにより空気を冷却するように構成された空調用蒸発器52を含む空調サイクル5と、を備える。
【0015】
(液化ガス供給システム)
液化ガス供給システム2は、図1に示されるように、液化ガスを貯留するように構成された液化ガス貯留装置21と、液化ガス貯留装置21から供給される液化ガスや液化ガスを気化したガスを導くための液化ガス供給ライン22と、液化ガス供給ライン22に設けられた液化ガス用ポンプ23と、液化ガス供給ライン22の液化ガス用ポンプ23よりも下流側に設けられた第1の熱交換器25と、を含む。
【0016】
液化ガス供給ライン22は、流体(液化ガスや液化ガスを気化したガス)が流通可能な流路を有する。液化ガス供給ライン22は、その一方側221が液化ガス貯留装置21に接続され、その他方側222が液化ガスを気化したガスの供給先24に接続される。ガスの供給先24は、水上浮遊構造体10に設置されてもよいし、陸上などの水上浮遊構造体10の外部に設置されてもよい。液化ガス用ポンプ23を駆動させることにより、液化ガス貯留装置21に貯留される液化ガスが液化ガス供給ライン22に送られて、液化ガス供給ライン22を上流側(一方側221)から下流側(他方側222)に向かって流れる。
【0017】
(第1の熱交換器)
第1の熱交換器25は、液化ガス供給ライン22を流れる液化ガスと、冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体との間で熱交換を行うように構成されている。図示される実施形態では、第1の熱交換器25は、液化ガス供給ライン22に設けられた液化ガスが流れる第1熱交換部251と、冷熱回収サイクル4の冷熱用熱媒体を循環させるための循環ライン41に設けられた冷熱用熱媒体が流れる第2熱交換部252と、第1熱交換部251および第2熱交換部252を収容する第1のケーシング253と、を含む。
【0018】
第2熱交換部252を流れる冷熱用熱媒体は、第1熱交換部251を流れる液化ガスよりも高温になっている。第1熱交換部251と第2熱交換部252との間で熱交換が行われて、第1熱交換部251を流れる液化ガスの冷熱エネルギーが、第2熱交換部252を流れる冷熱用熱媒体に回収される。これにより、第1熱交換部251を流れる液化ガスが加熱され、第2熱交換部252を流れる冷熱用熱媒体が冷却される。
【0019】
(第2の熱交換器)
図示される実施形態では、図1に示されるように、液化ガス供給システム2は、液化ガス供給ライン22の第1の熱交換器25よりも下流側に設けられた第2の熱交換器26をさらに含む。第2の熱交換器26は、液化ガス供給ライン22を流れる液化ガスと海水との間で熱交換を行うように構成されている。なお、第2の熱交換器26は、液化ガスと海水との間に中間熱媒体を介して間接的に熱交換を行うように構成されていてもよい。図1に示される実施形態では、第2の熱交換器26は、液化ガス供給ライン22に設けられた液化ガスが流れる第3熱交換部261と、水上浮遊構造体10の外部で取得された海水が流れる第4熱交換部262と、第3熱交換部261および第4熱交換部262を収容する第2のケーシング263と、を含む。第3熱交換部261を流れる液化ガスは、第4熱交換部262を流れる海水よりも低温になっている。第3熱交換部261と第4熱交換部262との間で熱交換が行われて、第3熱交換部261を流れる液化ガスが加熱される。ガスの供給先24には、第1の熱交換器25および第2の熱交換器26にて加熱されて気化したガスが送られる。
【0020】
(冷熱回収サイクル)
冷熱回収サイクル4は、図1に示されるように、液化ガス貯留装置21から供給される液化ガスと熱交換される冷熱用熱媒体を循環させるように構成されている。冷熱回収サイクル4は、冷熱用熱媒体を循環させるための循環ライン41を含む。循環ライン41は、流体(冷熱用熱媒体)が流通可能な流路を有する。
【0021】
以下、液化ガス貯留装置21から供給される液化ガスの具体例として液化天然ガス(LNG)を、冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体の具体例としてプロパンを例に挙げて説明するが、本開示は、液化天然ガス以外の液化ガス(液化石油ガス、液体水素など)を、液化ガス貯留装置21から供給される液化ガスとした場合にも適用可能であり、また、プロパン以外の熱媒体を、冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体とした場合にも適用可能である。
【0022】
図示される実施形態では、冷熱回収サイクル4は、冷熱用熱媒体をオーガニックランキンサイクルの下で循環させるように構成されている。冷熱回収サイクル4は、上述した循環ライン41と、上述した冷熱用タービン3と、冷熱用タービン3により膨張された冷熱用熱媒体を液化ガスの冷熱エネルギーにより冷却するように構成された冷熱用凝縮器42と、冷熱用凝縮器42により冷却された冷熱用熱媒体を圧縮するように構成された冷熱用ポンプ43と、冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体と、空調サイクルを流れる空調用熱媒体との間で熱交換を行うように構成された第3の熱交換器44と、を含む。図1に示される実施形態では、液化ガス供給システム2および冷熱回収サイクル4は、第1の熱交換器25を共有しており、冷熱回収サイクル4の冷熱用凝縮器42は、第1の熱交換器25からなる。
【0023】
冷熱用タービン3は、循環ライン41の第3の熱交換器44よりも下流側に位置し、冷熱用凝縮器42(第1の熱交換器25)よりも上流側に位置している。冷熱用ポンプ43は、循環ライン41の冷熱用凝縮器42(第1の熱交換器25)よりも下流側に位置し、第3の熱交換器44よりも上流側に位置している。ここで、「上流側」は、循環ライン41を流れる冷熱用熱媒体の流れ方向の上流側を意味し、「下流側」は、循環ライン41を流れる冷熱用熱媒体の流れ方向の下流側を意味している。
【0024】
冷熱用ポンプ43を駆動させることにより、冷熱回収サイクル4を冷熱用熱媒体が循環する。冷熱用凝縮器42(第1の熱交換器25)にて冷却された冷熱用熱媒体は、冷熱用ポンプ43により圧縮された後に、第3の熱交換器44に導かれる。第3の熱交換器44は、冷熱用ポンプ43により圧縮された冷熱用熱媒体を、空調用熱媒体の熱エネルギーにより加熱するように構成されている。第3の熱交換器44にて空調用熱媒体に加熱された冷熱用熱媒体が冷熱用タービン3に導入される。
【0025】
(冷熱用タービン)
冷熱用タービン3は、図1に示されるように、回転シャフト31と、回転シャフト31に取り付けられたタービン翼32と、回転シャフト31およびタービン翼32を回転可能に収容するケーシング33と、回転シャフト31とケーシング33との間のシールする軸封シール部34と、を含む。回転シャフト31は、その軸線方向の少なくとも一方側がケーシング33の外部に突出している。ケーシング33には、冷熱用熱媒体をケーシング33の内部に導入するための導入口35と、タービン翼32を通過した冷熱用熱媒体をケーシング33の外部に排出するための排出口36と、が形成されている。
【0026】
冷熱用タービン3は、冷熱用熱媒体を作動流体とし、該作動流体により駆動するように構成されている。導入口35を通じてケーシング33の内部に導入された冷熱用熱媒体のエネルギーによりタービン翼32を回転させる。タービン翼32を通過した冷熱用熱媒体は、排出口36を通じてケーシング33の外部に排出された後に、冷熱用凝縮器42に導かれる。
【0027】
冷熱回収サイクル4は、タービン翼32の回転力を動力として回収するように構成されている。図示される実施形態では、冷熱回収サイクル4は、冷熱用タービン3の駆動により発電を行うように構成された冷熱用の発電機45をさらに含む。冷熱用の発電機45は、回転シャフト31に機械的に接続されており、タービン翼32の回転力を電力に変換するように構成されている。なお、他の幾つかの実施形態では、冷熱回収サイクル4は、タービン翼32の回転力を電力に変換するのではなく、動力伝達装置(例えば、カップリングやベルト、プーリなど)によりそのまま動力として回収してもよい。
【0028】
(空調サイクル)
空調サイクル5は、図1に示されるように、冷熱用熱媒体と熱交換される空調用熱媒体を循環させるように構成されている。空調サイクル5は、空調用熱媒体を循環させるための循環ライン51を含む。循環ライン51は、流体(空調用熱媒体)が流通可能な流路を有する。
以下、空調サイクル5を流れる空調用熱媒体の具体例としてプロパンを例に挙げて説明するが、本開示は、プロパン以外の熱媒体を、空調サイクル5を流れる空調用熱媒体とした場合にも適用可能である。
【0029】
図示される実施形態では、空調サイクル5は、蒸発行程、圧縮行程、凝縮行程および膨張行程を有する冷凍サイクルの下で空調用熱媒体を循環させるように構成されている。空調サイクル5は、上述した循環ライン51と、上述した空調用蒸発器52と、上述した第3の熱交換器44と、第3の熱交換器44により冷却された空調用熱媒体を膨張させるように構成された空調用膨張器53と、空調用蒸発器52により加熱された空調用熱媒体を圧縮するように構成された空調用コンプレッサ54と、を含む。冷熱回収サイクル4および空調サイクル5は、第3の熱交換器44を共有している。
【0030】
空調用蒸発器52は、循環ライン51の空調用膨張器53よりも下流側に位置し、空調用コンプレッサ54よりも上流側に位置している。第3の熱交換器44は、循環ライン51の空調用コンプレッサ54よりも下流側に位置し、少なくとも1つの空調用膨張器53よりも上流側に位置している。ここで、「上流側」は、循環ライン51を流れる空調用熱媒体の流れ方向の上流側を意味し、「下流側」は、循環ライン51を流れる空調用熱媒体の流れ方向の下流側を意味している。
【0031】
空調用熱媒体は、空調用コンプレッサ54により圧縮されて昇温した後に、第3の熱交換器44に導かれる。第3の熱交換器44は、空調用コンプレッサ54により圧縮された空調用熱媒体を、冷熱用熱媒体の冷熱エネルギーにより冷却するように構成されている。第3の熱交換器44にて冷熱用熱媒体に冷却された空調用熱媒体は、空調用膨張器53にて減圧膨張された後に、空調用蒸発器52に導入される。空調用蒸発器52にて空調用熱媒体が放熱凝縮して空気又は空気と熱交換を行う中間熱媒体の何れか一方から吸熱することで、水上浮遊構造体10の室内空気が冷却される。空調用蒸発器52を通過した空調用熱媒体は、空調用コンプレッサ54に導かれる。
【0032】
幾つかの実施形態にかかる冷熱回収システム1は、図1に示されるように、上述した冷熱用タービン3を含む冷熱回収サイクル4と、上述した空調用蒸発器52を含む空調サイクル5と、を備え、冷熱回収サイクル4および空調サイクル5は、上述した第3の熱交換器44を共有している。
【0033】
第3の熱交換器44は、冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体と、空調サイクル5を流れる空調用熱媒体との間で熱交換を行うように構成されている。図示される実施形態では、第3の熱交換器44は、循環ライン41に設けられた冷熱用熱媒体が流れる第5熱交換部441と、循環ライン51に設けられた空調用熱媒体が流れる第6熱交換部442と、第5熱交換部441および第6熱交換部442を収容する第3のケーシング443と、を含む。第5熱交換部441を流れる冷熱用熱媒体は、第6熱交換部442を流れる空調用熱媒体よりも低温になっている。第5熱交換部441と第6熱交換部442との間で熱交換が行われて、第5熱交換部441を流れる冷熱用熱媒体が加熱され、第6熱交換部442を流れる空調用熱媒体が冷却される。
【0034】
上記の構成によれば、冷熱回収サイクル4および空調サイクル5は、冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体と、空調サイクル5を流れる空調用熱媒体との間で熱交換を行うように構成された第3の熱交換器44を共有している。このため、第3の熱交換器44は、冷熱回収サイクル4においては冷熱用熱媒体を加熱して蒸発させるための蒸発器として機能し、空調サイクル5においては空調用熱媒体を冷却して凝縮させるための凝縮器として機能する。第3の熱交換器44における冷熱用熱媒体と空調用熱媒体との間の熱交換により、冷熱用熱媒体は、空調用熱媒体から熱が伝達されて加熱される。
【0035】
第3の熱交換器44に導入される空調用熱媒体は、空調サイクル5の圧縮工程(空調用コンプレッサ54)において圧縮されることで、船舶10A又は浮体10Bの外部から取得される船外水(海水)よりも高温になっている。或る実施例では、船外水が25℃程度であるのに対して、第3の熱交換器44に導入される空調用熱媒体は、40℃以上になっている。第3の熱交換器44に導入された冷熱用熱媒体は、空調用熱媒体と熱交換することで、仮に船外水と熱交換する場合に比べて、その温度を上昇させることができる。第3の熱交換器44に導入された冷熱用熱媒体の温度を上昇させることで、冷熱用タービン3に導入される冷熱用熱媒体の温度を上昇させることができるため、冷熱用タービン3の効率を向上させることができ、ひいては冷熱回収システム1の効率を向上させることができる。
【0036】
幾つかの実施形態では、上述した冷熱回収サイクル4は、図1に示されるように、冷熱用タービン3により膨張された冷熱用熱媒体を液化ガスの冷熱エネルギーにより冷却するように構成された冷熱用凝縮器42(第1の熱交換器25)と、冷熱用凝縮器42により冷却された冷熱用熱媒体を第3の熱交換器44に送るように構成された冷熱用ポンプ43と、をさらに含む。
【0037】
上記の構成によれば、冷熱回収サイクル4は、蒸発器として機能する第3の熱交換器44と、上記冷熱用タービン3と、冷熱用タービン3により膨張された冷熱用熱媒体を液化ガスの冷熱エネルギーにより冷却するように構成された冷熱用凝縮器42と、冷熱用凝縮器42により冷却された冷熱用熱媒体を第3の熱交換器44に送るように構成された冷熱用ポンプ43と、を含む。この場合には、冷熱用熱媒体は、冷熱回収サイクル4を冷熱用凝縮器42、冷熱用ポンプ43、第3の熱交換器44(蒸発器)および冷熱用タービン3をこの順に循環する。冷熱用タービン3に導入される冷熱用熱媒体の温度を上昇させることで、冷熱回収サイクル4の効率を向上させることができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、上述した空調サイクル5は、図1に示されるように、第3の熱交換器44により冷却されて空調用蒸発器52に導入される空調用熱媒体を膨張させるように構成された空調用膨張器53と、空調用蒸発器52により加熱された空調用熱媒体を圧縮するように構成された空調用コンプレッサ54と、をさらに含む。
【0039】
上記の構成によれば、空調サイクル5は、凝縮器として機能する第3の熱交換器44と、上記空調用蒸発器52と、第3の熱交換器44により冷却されて空調用蒸発器52に導入される空調用熱媒体を膨張させるように構成された少なくとも1つの空調用膨張器53と、空調用蒸発器52により加熱された空調用熱媒体を圧縮するように構成された空調用コンプレッサ54と、含む。この場合には、空調サイクル5は、凝縮行程(第3の熱交換器44)、膨張行程(空調用膨張器53)、蒸発行程(空調用蒸発器52)および圧縮行程(空調用コンプレッサ54)を有する冷凍サイクルを構成し、空調用熱媒体は、空調サイクル5を第3の熱交換器44、空調用膨張器53、空調用蒸発器52および空調用コンプレッサ54をこの順に循環する。第3の熱交換器44に導入される空調用熱媒体は、上流側の空調用コンプレッサ54により圧縮され、昇温、昇圧しているので、空調用熱媒体と熱交換することで、仮に船外水(例えば、海水)と熱交換する場合に比べて、空調用熱媒体の温度を上昇させることができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、空調用コンプレッサ54は、低圧段コンプレッサ54Aと、循環ライン51の低圧段コンプレッサ54Aよりも下流側に設けられた高圧段コンプレッサ54Bと、を含む。空調サイクル5は、循環ライン51の第3の熱交換器44と空調用膨張器53との間にて分岐して、循環ライン51の低圧段コンプレッサ54Aと高圧段コンプレッサ54Bとの間に合流するバイパスライン55と、バイパスライン55に設けられるバイパス用膨張器56と、をさらに含む。
【0041】
図示される実施形態では、バイパスライン55は、循環ライン51の第3の熱交換器44よりも下流側、且つ空調用膨張器53よりも上流側に位置する分岐部P1に一方側551が接続され、循環ライン51の低圧段コンプレッサ54Aよりも下流側、且つ高圧段コンプレッサ54Bよりも上流側に位置する合流部P2に他方側552が接続されている。循環ライン51の第3の熱交換器44よりも下流側、且つ空調用膨張器53よりも上流側を流れる空調用熱媒体は、該空調用熱媒体のガス成分がバイパスライン55にバイパスライン55の一方側551から取り込まれ、バイパス用膨張器56にて減圧膨張された後に、高圧段コンプレッサ54Bに導入される。この場合には、高圧段コンプレッサ54Bへの空調用熱媒体の導入量を増大できるため、空調サイクル5の効率向上が図れる。
【0042】
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、空調サイクル5は、バイパスライン55のバイパス用膨張器56よりも下流側(他方側552)を流れる空調用熱媒体と、循環ライン51の分岐部P1よりも下流側、且つ空調用膨張器53よりも上流側を流れる空調用熱媒体と、の間で熱交換を行うように構成された第4の熱交換器57をさらに含む。この場合には、第4の熱交換器57により、バイパスライン55を流れる空調用熱媒体が、循環ライン51を流れる空調用熱媒体から吸熱することで、空調サイクル5の効率向上が図れる。
【0043】
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、上述した空調用膨張器53およびバイパス用膨張器56の夫々は、膨張弁からなる。
【0044】
(空調用タービン)
図2は、本開示の一実施形態にかかる冷熱回収システムを備える水上浮遊構造体の構成を概略的に示す概略構成図である。
幾つかの実施形態では、上述した冷熱回収システム1は、図2に示されるように、上述した冷熱回収サイクル4と、上述した空調サイクル5と、を備え、上述した空調用膨張器53は、空調用タービン6を含む。
【0045】
空調用タービン6は、図2に示されるように、回転シャフト61と、回転シャフト61に取り付けられたタービン翼62と、回転シャフト61およびタービン翼62を回転可能に収容するケーシング63と、回転シャフト61とケーシング63との間のシールする軸封シール部64と、を含む。回転シャフト61は、その軸線方向の少なくとも一方側がケーシング63の外部に突出している。ケーシング63には、空調用熱媒体をケーシング63の内部に導入するための導入口65と、タービン翼62を通過した空調用熱媒体をケーシング63の外部に排出するための排出口66と、が形成されている。
【0046】
空調用タービン6は、空調用熱媒体を作動流体とし、該作動流体により駆動するように構成されている。空調用タービン6は、導入口65を通じてケーシング63の内部に導入された空調用熱媒体のエネルギーによりタービン翼62を回転させる。タービン翼62を通過した空調用熱媒体は、排出口66を通じてケーシング63の外部に排出される。図示される実施形態では、空調用タービン6の作動流体である空調用熱媒体は、気液二相流の状態でタービン翼62に導入されるため、空調用タービン6は、二相流タービンからなる。上記の構成によれば、空調サイクル5は、空調用タービン6を含むので、空調用タービン6により空調サイクル5において生じる動力を回収することができる。
【0047】
図示される実施形態では、空調サイクル5は、空調用タービン6の駆動により発電を行うように構成された空調用の発電機58をさらに含む。空調用の発電機58は、回転シャフト61に機械的に接続されており、タービン翼62の回転力を電力に変換するように構成されている。なお、他の幾つかの実施形態では、空調サイクル5は、タービン翼62の回転力を電力に変換するのではなく、動力伝達装置(例えば、カップリングやベルト、プーリなど)によりそのまま動力として回収してもよい。
【0048】
図3は、本開示の一実施形態にかかる冷熱回収システムにおける冷熱用タービンおよび空調用タービンを説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、図3に示されるように、上述した冷熱回収サイクル4および上述した空調サイクル5は、上述した冷熱用タービン3および上述した空調用タービン6を動力源として発電を行うように構成された発電機58Aを供給している。
【0049】
発電機58Aは、回転シャフト31および回転シャフト61の夫々に機械的に接続されており、タービン翼32およびタービン翼62の夫々の回転力を電力に変換するように構成されている。このような発電機58Aは、冷熱回収サイクル4にて冷熱用の発電機45および空調用の発電機58として機能する。
【0050】
上記の構成によれば、冷熱回収サイクル4および空調サイクル5は、発電機58Aを共有している。この場合には、冷熱用タービン3および空調用タービン6の夫々に対して個別に発電機を設ける必要がないので、冷熱回収システム1の大型化や高額化を抑制できる。
【0051】
幾つかの実施形態では、図3に示されるように、上述した冷熱回収サイクル4および上述した空調サイクル5は、冷熱用タービン3および空調用タービン6を動力源として発電を行うように構成された発電機58Aを供給している。上述した冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体は、空調サイクル5を流れる空調用熱媒体と同種の熱媒体からなる。
【0052】
冷熱用タービン3および空調用タービン6の夫々は、発電機58Aに機械的に接続されている。仮に冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体が、空調サイクル5を流れる空調用熱媒体とは異なる種類の熱媒体からなる場合には、冷熱用タービン3と空調用タービン6との間で熱媒体が流通して熱媒体同士が混同しないように、冷熱用タービン3および空調用タービン6の夫々のシール性能を高性能にする必要がある。
【0053】
図示される実施形態では、冷熱回収システム1は、冷熱用タービン3の外部に突出した回転シャフト31を収容する第1のシャフトカバー11と、空調用タービン6の外部に突出した回転シャフト61を収容する第2のシャフトカバー12と、を備える。この場合には、第1のシャフトカバー11や第2のシャフトカバーにより、冷熱用タービン3の軸封シール部34から外部に漏洩した冷熱用熱媒体や、空調用タービン6の軸封シール部64から外部に漏洩した空調用熱媒体の、大気中への放出を抑制できる。
【0054】
上述した「冷熱用タービン3と空調用タービン6との間で熱媒体が流通する」とは、冷熱用タービン3の軸封シール部34から外部に漏洩した冷熱用熱媒体が、空調用タービン6の軸封シール部64を通過して空調用タービン6の内部に流入することや、空調用タービン6の軸封シール部64から外部に漏洩した空調用熱媒体が、冷熱用タービン3の軸封シール部34を通過して冷熱用タービン3の内部に流入することなどを意味している。
【0055】
上記の構成によれば、冷熱回収サイクル4を流れる冷熱用熱媒体は、空調サイクル5を流れる空調用熱媒体と同種の熱媒体からなる。この場合には、冷熱用タービン3と空調用タービン6との間で熱媒体が流通して熱媒体同士が混合することが許容されるため、冷熱用タービン3および空調用タービン6の夫々のシール性能を高性能にしなくても良い。これにより、冷熱用タービン3や空調用タービン6の高額化を抑制できるため、冷熱回収システム1の高額化を抑制できる。
【0056】
幾つかの実施形態では、図1図2に示されるように、上述した冷熱回収システム1は、冷熱回収システム1の外部から導入された海水を送るための海水供給ライン7をさらに備え、冷熱回収サイクル4は、冷熱用タービン3に導入される冷熱用熱媒体と、海水供給ライン7を流れる海水との間で熱交換を行うように構成された冷熱用蒸発器46をさらに含む。
【0057】
図示される実施形態では、冷熱回収システム1は、海水供給ライン7に設けられた海水用ポンプ71をさらに備える。海水用ポンプ71は、電力により駆動するように構成されている。海水用ポンプ71を駆動させることにより、海水供給ライン7に設けられた冷熱用蒸発器46に船舶10A又は浮体10Bの外部から取得された海水が送られる。冷熱用蒸発器46は、循環ライン41に設けられた冷熱用熱媒体が流れる第7熱交換部461と、海水供給ライン7に設けられた海水が流れる第8熱交換部462と、を含む。第7熱交換部461は、循環ライン41の冷熱用タービン3よりも上流側、且つ冷熱用ポンプ43よりも下流側に位置している。図1および図2に示される実施形態では、第7熱交換部461および第8熱交換部462は、第3のケーシング443に収容されている。なお、他の幾つかの実施形態では、第7熱交換部461および第8熱交換部462は、第3のケーシング443とは別のケーシングに収容されていてもよい。
【0058】
上記の構成によれば、冷熱回収サイクル4は、冷熱用タービン3に導入される冷熱用熱媒体と、海水供給ライン7を流れる海水との間で熱交換を行うように構成された冷熱用蒸発器46を含む。この場合には、空調サイクル5が動作しない場合、すなわち、空調用熱媒体により冷熱用熱媒体が加熱されない場合でも、冷熱用蒸発器46における冷熱用熱媒体と海水との間の熱交換により、冷熱用タービン3に導入される冷熱用熱媒体を加熱できる。冷熱用蒸発器46により冷熱回収サイクル4の一部(第3の熱交換器44)を冗長化できるため、冷熱回収システム1の信頼性を向上させることができる。
【0059】
(制御装置)
図4は、本開示の一実施形態における制御装置の機能を説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、上述した冷熱回収システム1は、冷熱エネルギーが回収された液化ガスを気化したガスの温度を取得するように構成されたガス温度取得装置8と、ガス温度取得装置8により取得されるガスの温度ATが目標温度TTになるように、海水供給ライン7を流れる海水の流量を制御する制御部91を含む制御装置9と、を備える。
【0060】
図示される実施形態では、ガス温度取得装置8は、液化ガス供給ライン22における第2の熱交換器26とガスの供給先24との間を流れるガスの温度を取得する温度センサからなる。
【0061】
図示される実施形態では、図4に示されるように、制御部91と、調整部92と、データベース部93と、を備える。制御部91および調整部92の夫々は、必要な情報をデータベース部93から取得するように構成されている。制御装置9は、ガスの供給先24に供給されるガスの温度を制御するための電子制御ユニットであり、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ、外部記憶装置などの記憶装置、I/Oインターフェース、通信インターフェースなどからなるマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。そして、例えば上記メモリの主記憶装置にロードされたプログラムの命令に従ってCPUが動作(例えばデータの演算など)することで、前述する各部を実現してもよい。
【0062】
ガス温度取得装置8によるガス温度の取得は、継続的に行われる。制御装置9は、ガス温度取得装置8の取得したガス温度ATを信号として有線又は無線の通信回線を通じて継続的に受信するように構成されている。制御装置9が受信したガス温度ATは、時系列情報とともにデータベース部93に記憶される。
【0063】
制御部91は、予め設定された目標温度TTと上述した取得ガス温度ATとの偏差ΔTと、上記偏差ΔTと海水供給ライン7を流れる海水の目標流量SFとを関連付ける第1の関連付け情報931と、に基づいて、海水供給ライン7を流れる海水の目標流量SFを決定する目標流量決定部94を含む。
【0064】
第1の関連付け情報931は、上記海水の目標流量SFを決定する前に、データベース部93に予め記憶されている。制御部91の目標流量決定部94は、上記海水の目標流量SFを決定する際に、データベース部93に記憶された第1の関連付け情報931を参照する。
【0065】
第1関連付け情報931は、上記温度偏差ΔTを入力情報とし、上記海水の目標流量SFを出力情報として出力できる情報であればよく、入力情報と出力情報との対応関係を示すリストや表、マップ、関数、機械学習のモデルなどが含まれる。第1関連付け情報931は、過去の実績値や実験値、数値解析結果などから求められる。制御部91の目標流量決定部94は、第1関連付け情報931を参照し、上記偏差ΔTから、この偏差ΔTに対応する上記海水の目標流量SFを取得できる。
【0066】
図示される実施形態では、制御部91は、制御指令値に応じて出力を調整可能な上述した海水用ポンプ71に対して、上記海水の目標流量SFに対応する制御指令値を出力する制御を行う制御指令値出力部95をさらに含む。
【0067】
上記の構成によれば、制御装置9は、ガス温度取得装置8により取得されるガスの温度ATが目標温度TTになるように、海水供給ライン7を流れる海水の流量を制御する制御部91を含む。この場合には、海水供給ライン7を流れる海水の流量を適量にできるとともに、海水を海水供給ライン7に流すための海水用ポンプ71の出力を適正なものにすることができる。海水用ポンプ71の出力を適正なものにすることで、海水用ポンプ71の電力消費を抑制でき、ひいては冷熱回収システム1の電力消費を抑制できる。
【0068】
幾つかの実施形態では、図4に示されるように、上述した制御装置9は、上述した制御部91と、制御部91が設定した海水供給ライン7を流れる海水の目標流量SFを、空調サイクル5の稼働状況に応じて増減させるように構成された調整部92と、を含む。空調サイクル5の稼働状況に応じて、第3の熱交換器44における熱交換量が増減するため、海水用ポンプ71の必要出力も増減する。
【0069】
図示される実施形態では、制御装置9は、空調サイクル5の稼働状況に関する情報50を取得可能に構成されている。空調サイクル5の稼働状況に関する情報50には、空調サイクル5の稼働、休止を示す情報だけでなく、空調サイクル5の第3の熱交換器44(第6熱交換部442)に供給される空調用熱媒体の流量などの情報を含んでいてもよい。
【0070】
調整部92は、空調サイクル5の稼働状況に関する情報50と、空調サイクル5の稼働状況に関する情報50と上記海水の目標流量SFの補正値SF1との関連付ける第2の関連付け情報932と、に基づいて、上記海水の目標流量SFの補正値SF1を決定する補正値決定部96と、補正値決定部96で決定された補正値SF1を上記海水の目標流量SFに加減乗除することで、上記海水の目標流量SFを補正する目標流量補正部97と、を含む。
【0071】
制御指令値出力部95は、海水用ポンプ71に対して、目標流量補正部97により補正後の海水の目標流量SFに対応する制御指令値を出力する制御を行う。これにより、調整部92により補正後の海水の目標流量SFは、空調サイクル5の稼働状況による影響が反映されたものとなる。調整部92は、空調サイクル5の稼働状況による影響を、一定期間経過後の海水の目標流量SFに反映させてもよい。
【0072】
第2の関連付け情報932は、上記補正値SF1を決定する前に、データベース部93に予め記憶されている。調整部92は、上記補正値SF1を決定する際に、データベース部93に記憶された第2の関連付け情報932を参照する。
【0073】
第2関連付け情報932は、上記空調サイクル5の稼働状況に関する情報50を入力情報とし、上記海水の目標流量SFの補正値SF1を出力情報として出力できる情報であればよく、入力情報と出力情報との対応関係を示すリストや表、マップ、関数、機械学習のモデルなどが含まれる。第2関連付け情報932は、過去の実績値や実験値、数値解析結果などから求められる。調整部92は、第2関連付け情報932を参照し、上記空調サイクル5の稼働状況に関する情報50から、この情報50に対応する上記補正値SF1を取得する。
【0074】
空調サイクル5の稼働状況に応じて、液化ガスを目標温度TTにするために要する海水供給ライン7を流れる海水の流量が異なる。上記の構成によれば、制御装置9は、制御部91が設定した海水供給ライン7を流れる海水の目標流量SFを、空調サイクル5の稼働状況に応じて増減させるように構成された調整部92を含むので、海水用ポンプ71の出力を空調サイクル5の稼働状況に対応した適正なものにすることで、海水用ポンプ71の電力消費を抑制でき、ひいては冷熱回収システム1の電力消費を抑制できる。また、制御装置9は、上記調整部92を含むので、空調サイクル5の稼働状況の変化によるガス温度や海水用ポンプ71の出力の急激な変化を抑制できる。
【0075】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0076】
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
【0077】
1)本開示の少なくとも一実施形態にかかる冷熱回収システム(1)は、
液化ガスを貯留するように構成された液化ガス貯留装置(21)を有する船舶(10A)又は浮体(10B)に設置される冷熱回収システム(1)であって、
前記液化ガスの冷熱エネルギーにより駆動するように構成された冷熱用タービン(3)を含む冷熱回収サイクル(4)と、
前記冷熱回収サイクル(4)を流れる冷熱用熱媒体の冷熱エネルギーにより空気を冷却するように構成された空調用蒸発器(52)を含む空調サイクル(5)と、を備え、
前記冷熱回収サイクル(4)および前記空調サイクル(5)は、前記冷熱回収サイクル(4)を流れる前記冷熱用熱媒体と、前記空調サイクル(5)を流れる空調用熱媒体との間で熱交換を行うように構成された熱交換器(第3の熱交換器44)を共有している。
【0078】
上記1)の構成によれば、冷熱回収サイクルおよび空調サイクルは、冷熱回収サイクルを流れる冷熱用熱媒体と、空調サイクルを流れる空調用熱媒体との間で熱交換を行うように構成された熱交換器を共有している。このため、上記熱交換器は、冷熱回収サイクルにおいては冷熱用熱媒体を加熱して蒸発させるための蒸発器として機能し、空調サイクルにおいては空調用熱媒体を冷却して凝縮させるための凝縮器として機能する。上記熱交換器における冷熱用熱媒体と空調用熱媒体との間の熱交換により、冷熱用熱媒体は、空調用熱媒体から熱が伝達されて加熱される。
【0079】
上記熱交換器に導入される空調用熱媒体は、空調サイクルの圧縮工程において圧縮されることで、船舶又は浮体の外部から取得される船外水よりも高温になっている。上記熱交換器に導入された冷熱用熱媒体は、空調用熱媒体と熱交換することで、仮に船外水と熱交換する場合に比べて、その温度を上昇させることができる。上記熱交換器に導入された冷熱用熱媒体の温度を上昇させることで、冷熱用タービンに導入される冷熱用熱媒体の温度を上昇させることができるため、冷熱用タービンの効率を向上させることができ、ひいては冷熱回収システムの効率を向上させることができる。
【0080】
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の冷熱回収システム(1)であって、
前記冷熱回収サイクル(4)は、
前記冷熱用タービン(3)により膨張された前記冷熱用熱媒体を前記液化ガスの冷熱エネルギーにより冷却するように構成された冷熱用凝縮器(42)と、
前記冷熱用凝縮器(42)により冷却された前記冷熱用熱媒体を前記熱交換器(第3の熱交換器44)に送るように構成された冷熱用ポンプ(43)と、をさらに含む。
【0081】
上記2)の構成によれば、冷熱回収サイクルは、蒸発器として機能する上記熱交換器と、上記冷熱用タービンと、冷熱用タービンにより膨張された冷熱用熱媒体を液化ガスの冷熱エネルギーにより冷却するように構成された冷熱用凝縮器と、冷熱用凝縮器により冷却された冷熱用熱媒体を上記熱交換器に送るように構成された冷熱用ポンプと、を含む。この場合には、冷熱用熱媒体は、冷熱回収サイクルを冷熱用凝縮器、冷熱用ポンプ、上記熱交換器および冷熱用タービンをこの順に循環する。冷熱用タービンに導入される冷熱用熱媒体の温度を上昇させることで、冷熱回収サイクルの効率を向上させることができる。
【0082】
3)幾つかの実施形態では、上記1)又は2)に記載の冷熱回収システム(1)であって、
前記空調サイクル(5)は、
前記熱交換器(第3の熱交換器44)により冷却されて前記空調用蒸発器(52)に導入される前記空調用熱媒体を膨張させるように構成された空調用膨張器(53)と、
前記空調用蒸発器(52)により加熱された前記空調用熱媒体を圧縮するように構成された空調用コンプレッサ(54)と、をさらに含む。
【0083】
上記3)の構成によれば、空調サイクルは、凝縮器として機能する上記熱交換器と、上記空調用蒸発器と、上記熱交換器により冷却されて空調用蒸発器に導入される空調用熱媒体を膨張させるように構成された空調用膨張器と、空調用蒸発器により加熱された空調用熱媒体を圧縮するように構成された空調用コンプレッサと、含む。この場合には、空調サイクルは、凝縮行程(熱交換器)、膨張行程(空調用膨張器)、蒸発行程(空調用蒸発器)および圧縮行程(空調用コンプレッサ)を有する冷凍サイクルを構成し、空調用熱媒体は、空調サイクルを上記熱交換器、空調用膨張器、空調用蒸発器および空調用コンプレッサをこの順に循環する。上記熱交換器に導入される空調用熱媒体は、上流側の空調用コンプレッサにより圧縮され、昇温、昇圧しているので、空調用熱媒体と熱交換することで、仮に船外水と熱交換する場合に比べて、空調用熱媒体の温度を上昇させることができる。
【0084】
4)幾つかの実施形態では、上記3)に記載の冷熱回収システム(1)であって、
前記空調用膨張器(53)は、空調用タービン(6)を含む。
【0085】
上記4)の構成によれば、空調サイクルは、空調用タービンを含むので、空調用タービンにより空調サイクルにおいて生じる動力を回収することができる。
【0086】
5)幾つかの実施形態では、上記4)に記載の冷熱回収システム(1)であって、
前記冷熱回収サイクル(4)および前記空調サイクル(5)は、前記冷熱用タービン(3)および前記空調用タービン(6)を動力源として発電を行うように構成された発電機(58A)を共有している。
【0087】
上記5)の構成によれば、冷熱回収サイクルおよび空調サイクルは、発電機を共有している。この場合には、冷熱用タービンおよび空調用タービンの夫々に対して個別に発電機を設ける必要がないので、冷熱回収システムの大型化や高額化を抑制できる。
【0088】
6)幾つかの実施形態では、上記5)に記載の冷熱回収システム(1)であって、
前記冷熱回収サイクル(4)を流れる前記冷熱用熱媒体は、前記空調サイクル(5)を流れる前記空調用熱媒体と同種の熱媒体からなる。
【0089】
冷熱用タービンおよび空調用タービンの夫々は、発電機に機械的に接続されている。仮に冷熱回収サイクルを流れる冷熱用熱媒体が、空調サイクルを流れる空調用熱媒体とは異なる種類の熱媒体からなる場合には、冷熱用タービンと空調用タービンとの間で熱媒体が流通して熱媒体同士が混同しないように、冷熱用タービンおよび空調用タービンの夫々のシール性能を高性能にする必要がある。上記6)の構成によれば、冷熱回収サイクルを流れる冷熱用熱媒体は、空調サイクルを流れる空調用熱媒体と同種の熱媒体からなる。この場合には、冷熱用タービンと空調用タービンとの間で熱媒体が流通して熱媒体同士が混合することが許容されるため、冷熱用タービンおよび空調用タービンの夫々のシール性能を高性能にしなくても良い。これにより、冷熱用タービンや空調用タービンの高額化を抑制できるため、冷熱回収システムの高額化を抑制できる。
【0090】
7)幾つかの実施形態では、上記1)~6)の何れかに記載の冷熱回収システム(1)であって、
前記冷熱回収システム(1)の外部から導入された海水を送るための海水供給ライン(7)をさらに備え、
前記冷熱回収サイクル(4)は、前記冷熱用タービン(3)に導入される前記冷熱用熱媒体と、前記海水供給ライン(7)を流れる前記海水との間で熱交換を行うように構成された冷熱用蒸発器(46)をさらに含む。
【0091】
上記7)の構成によれば、冷熱回収サイクルは、冷熱用タービンに導入される冷熱用熱媒体と、海水供給ラインを流れる海水との間で熱交換を行うように構成された冷熱用蒸発器を含む。この場合には、空調サイクルが動作しない場合、すなわち、空調用熱媒体により冷熱用熱媒体が加熱されない場合でも、冷熱用蒸発器における冷熱用熱媒体と海水との間の熱交換により、冷熱用タービンに導入される冷熱用熱媒体を加熱できる。冷熱用蒸発器により冷熱回収サイクルの一部(第3の熱交換器)を冗長化できるため、冷熱回収システムの信頼性を向上させることができる。
【0092】
8)幾つかの実施形態では、上記7)に記載の冷熱回収システム(1)であって、
前記冷熱エネルギーが回収された前記液化ガスを気化したガスの温度を取得するように構成されたガス温度取得装置(8)と、
前記ガス温度取得装置(8)により取得される前記ガスの温度が目標温度になるように、前記海水供給ライン(7)を流れる前記海水の流量を制御する制御部(91)、を含む制御装置(9)と、
をさらに備える。
【0093】
上記8)の構成によれば、制御装置は、ガス温度取得装置により取得されるガスの温度が目標温度になるように、海水供給ラインを流れる海水の流量を制御する制御部を含む。この場合には、海水供給ラインを流れる海水の流量を適量にできるとともに、海水を海水供給ラインに流すための海水用ポンプ(71)の出力を適正なものにすることができる。海水用ポンプの出力を適正なものにすることで、海水用ポンプの電力消費を抑制でき、ひいては冷熱回収システムの電力消費を抑制できる。
【0094】
9)幾つかの実施形態では、上記8)に記載の冷熱回収システム(1)であって、
前記制御装置(9)は、
前記制御部(91)が設定した前記海水供給ラインを流れる前記海水の目標流量を、前記空調サイクル(5)の稼働状況に応じて増減させるように構成された調整部(92)をさらに含む。
【0095】
空調サイクルの稼働状況に応じて、液化ガスを目標温度にするために要する海水供給ラインを流れる海水の流量が異なる。上記9)の構成によれば、制御装置は、制御部が設定した海水供給ラインを流れる海水の目標流量を、空調サイクルの稼働状況に応じて増減させるように構成された調整部を含むので、海水用ポンプ(71)の出力を空調サイクルの稼働状況に対応した適正なものにすることで、海水用ポンプの電力消費を抑制でき、ひいては冷熱回収システムの電力消費を抑制できる。また、制御装置は、上記調整部を含むので、空調サイクルの稼働状況の変化によるガス温度や海水用ポンプの出力の急激な変化を抑制できる。
【符号の説明】
【0096】
1 冷熱回収システム
2 液化ガス供給システム
3 冷熱用タービン
4 冷熱回収サイクル
5 空調サイクル
6 空調用タービン
7 海水供給ライン
8 ガス温度取得装置
9 制御装置
10 水上浮遊構造体
10A 船舶
10B 浮体
11 第1のシャフトカバー
12 第2のシャフトカバー
21 液化ガス貯留装置
22 液化ガス供給ライン
23 液化ガス用ポンプ
24 ガスの供給先
25 第1の熱交換器
26 第2の熱交換器
31,61 回転シャフト
32,62 タービン翼
33,63 ケーシング
34,64 軸封シール部
35,65 導入口
36,66 排出口
41 (冷熱用熱媒体の)循環ライン
42 冷熱用凝縮器
43 冷熱用ポンプ
44 第3の熱交換器
45,58,58A 発電機
46 冷熱用蒸発器
50,931,932 情報
51 (空調用熱媒体の)循環ライン
52 空調用蒸発器
53 空調用膨張器
54 空調用コンプレッサ
54A 低圧段コンプレッサ
54B 高圧段コンプレッサ
55 バイパスライン
56 バイパス用膨張器
57 第4の熱交換器
71 海水用ポンプ
91 制御部
92 調整部
93 データベース部
94 目標流量決定部
95 制御指令値出力部
96 補正値決定部
97 目標流量補正部
AT 取得ガス温度
P1 分岐部
P2 合流部
SF 目標流量
SF1 補正値
TT 目標温度
図1
図2
図3
図4