(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】産業用ロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 9/00 20060101AFI20240531BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
B25J9/00 B
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2020218959
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 隆之
(72)【発明者】
【氏名】荒川 洋
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-25587(JP,A)
【文献】特開平3-184731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物が搭載されるハンドと、前記ハンドの基端部が固定されるハンド支持部材と、前記ハンド支持部材が水平方向へ直線的に往復移動可能となるように前記ハンド支持部材を保持するアームと、前記アームが連結される本体部と、前記アームに対して前記ハンド支持部材を往復移動させる駆動機構とを備え、
前記本体部は、前記アームが固定される回動軸と、前記回動軸を回動させる回動機構とを備え、
前記アームに対する前記ハンド支持部材の往復移動方向を前後方向とし、上下方向と前後方向とに直交する方向を左右方向とすると、
前記アームは、前記アームの中心部を構成するとともに前記回動軸に固定されるブロック状のアーム本体と、前記アーム本体の左右方向の側面のそれぞれに固定される平板状の第1平板部材と、前記アーム本体の前後方向の両側に配置される平板状の複数の第2平板部材とを備え、
前記第1平板部材の厚さ方向は、左右方向と一致し、
前記第1平板部材の前後方向の長さは、前記アーム本体の前後方向の長さよりも長くなっており、
前記第1平板部材の前端は、前記アーム本体の前端よりも前側に配置され、
前記アームは、複数の前記第2平板部材として、上下方向を厚さ方向として配置され前記第1平板部材に固定される複数の第3平板部材と、前後方向を厚さ方向として配置され前記第1平板部材に固定される複数の第4平板部材と、左右方向を厚さ方向として配置され前記第3平板部材および前記第4平板部材の少なくともいずれか一方に固定される複数の第5平板部材とを備えることを特徴とする産業用ロボット。
【請求項2】
前記第1平板部材は、前記アームの前後方向の全域に配置されていることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
【請求項3】
前記ハンドの先端は、前記ハンド支持部材が前記アームに対して前側に移動するにしたがって前記本体部から離れ、
前記アーム本体は、前記アーム本体の前後方向の中心よりも後ろ側で前記回動軸に固定されていることを特徴とする請求項1または2記載の産業用ロボット。
【請求項4】
前記アーム本体には、前記アーム本体の下面から上側に向かって窪む複数の凹部が形成され、
上下方向から見たときに、前記アーム本体の前後方向の中心よりも前側に配置される複数の前記凹部の総面積は、前記アーム本体の前後方向の中心よりも後ろ側に配置される複数の前記凹部の総面積よりも広くなっていることを特徴とする請求項3記載の産業用ロボット。
【請求項5】
前記アームは、2枚の前記第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに上下方向を厚さ方向として配置され前記第1平板部材に固定される平板状の複数の第6平板部材と、2枚の前記第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに前後方向を厚さ方向として配置され前記第1平板部材に固定される平板状の複数の第7平板部材と、2枚の前記第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに左右方向を厚さ方向として配置され前記第6平板部材および前記第7平板部材の少なくともいずれか一方に固定される平板状の複数の第8平板部材とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項6】
前記ハンドとしての第1ハンドおよび第2ハンドと、前記第1ハンドの基端部が固定される前記ハンド支持部材としての第1ハンド支持部材と、前記第2ハンドの基端部が固定される前記ハンド支持部材としての第2ハンド支持部材と、前記アームに対して前記第1ハンド支持部材を往復移動させる前記駆動機構としての第1駆動機構と、前記アームに対して前記第2ハンド支持部材を往復移動させる前記駆動機構としての第2駆動機構と、前記第1ハンド支持部材を前後方向に案内する第1ガイド機構と、前記第2ハンド支持部材を前後方向に案内する第2ガイド機構とを備え、
前記第1ガイド機構は、前記アームの上面側に配置され、
前記第2ガイド機構は、左右方向における前記アームの両側に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項7】
前記第1ガイド機構は、前後方向を長手方向とする4本の第1ガイドレールと、前記第1ガイドレールに上側から係合する第1ガイドブロックとを備え、
前記第2ガイド機構は、前後方向を長手方向とする4本の第2ガイドレールと、前記第2ガイドレールに左右方向の外側から係合する第2ガイドブロックとを備え、
4本の前記第2ガイドレールのうちの2本の前記第2ガイドレールは、前記アームの右側に配置され、残りの2本の前記ガイドレールは、前記アームの左側に配置されていることを特徴とする請求項6記載の産業用ロボット。
【請求項8】
前記アームは、2枚の前記第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに上下方向を厚さ方向として配置され前記第1平板部材に固定される平板状の複数の第6平板部材と、2枚の前記第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに前後方向を厚さ方向として配置され前記第1平板部材に固定される平板状の複数の第7平板部材と、2枚の前記第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに左右方向を厚さ方向として配置され前記第6平板部材および前記第7平板部材の少なくともいずれか一方に固定される平板状の複数の第8平板部材とを備え、
前記アームの、2枚の前記第1平板部材の左右方向の内側部分の高さは、前記アームの、2枚の前記第1平板部材の左右方向の外側部分の高さよりも低くなっており、
前記第1駆動機構の一部および前記第1ガイド機構は、2枚の前記第1平板部材の上端側部分の左右方向の内側に配置されていることを特徴とする請求項6または7記載の産業用ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象物を搬送するための産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空中でガラス基板を搬送する産業用ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の産業用ロボットは、ガラス基板が搭載される2個のハンドと、ハンドが固定される2個のハンド支持部材と、2個のハンド支持部材を保持するアームと、アームが連結される本体部とを備えている。アームは、前後方向に細長い略直方体状に形成されている。ハンド支持部材は、アームに対して前後方向へ直線的に往復移動可能となっている。本体部は、アームの中心部が固定される円筒状の昇降部材を備えている。
【0003】
特許文献1に記載の産業用ロボットでは、アームは、中空状に形成されるアームのフレームとなるアームフレームと、アームの上下、左右および前後の側面を構成するカバー部材と、アームの中心部に配置されるモータ収容部材と、モータ収容部材の上面に固定される上面カバーとを備えている。アームフレームは、アームフレームの右側面を構成する右側板部と、アームフレームの左側面を構成する左側板部と、アームフレームの上側面を構成する上側板部と、アームフレームの下側面を構成する下側板部とを備えている。
【0004】
モータ収容部材は、上面が開口する箱状に形成されている。モータ収容部材には、アームフレームの中心部が固定されており、モータ収容部材とアームフレームとによってアームの骨格が形成されている。モータ収容部材は、昇降部材の上端面に固定されている。なお、特許文献1に記載の産業用ロボットでは、モータ収容部材と右側板部との間、および、モータ収容部材と左側板部との間に隙間が形成されており、右側板部および左側板部は、モータ収容部材に固定されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の産業用ロボットのようにガラス基板等の搬送対象物を搬送する産業用ロボットの場合、産業用ロボットが使用される用途等に応じて、ハンドに搭載される搬送対象物の搬送距離が長くなるとともに、搬送対象物の重量が重くなることがある。搬送対象物の搬送距離が長くなると、アームに対するハンドおよびハンド支持部材の移動距離が長くなるため、アームの前後方向の長さが長くなってアームが大型化し、その結果、アームの重量が重くなるおそれがある。また、アームが大型化するとともに、ハンドに搭載される搬送対象物の重量が重くなると、ハンドおよびハンド支持部材を移動可能に保持するアームの剛性および強度を確保できなくなるおそれがある。
【0007】
特許文献1に記載の産業用ロボットでは、箱状に形成されるモータ収容部材とアームフレームとによってアームの骨格が形成されているため、アームの前後方向の長さが長くなってアームが大型化しても、アームを軽量化することが可能である。一方で、特許文献1に記載の産業用ロボットでは、モータ収容部材と右側板部との間、および、モータ収容部材と左側板部との間に隙間が形成されていて、右側板部および左側板部がモータ収容部材に固定されていないため、アームが大型化するとともに、ハンドに搭載される搬送対象物の重量が重くなると、アームの剛性および強度が確保できなくなるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、搬送対象物が搭載されるとともにアームに対して前後方向へ直線的に往復移動するハンドを備える産業用ロボットにおいて、アームに対するハンドの移動距離が長くなってアームが大型化しても、また、ハンドに搭載される搬送対象物の重量が重くなっても、アームを軽量化しつつ、アームの剛性および強度を確保することが可能な産業用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、搬送対象物が搭載されるハンドと、ハンドの基端部が固定されるハンド支持部材と、ハンド支持部材が水平方向へ直線的に往復移動可能となるようにハンド支持部材を保持するアームと、アームが連結される本体部と、アームに対してハンド支持部材を往復移動させる駆動機構とを備え、本体部は、アームが固定される回動軸と、回動軸を回動させる回動機構とを備え、アームに対するハンド支持部材の往復移動方向を前後方向とし、上下方向と前後方向とに直交する方向を左右方向とすると、アームは、アームの中心部を構成するとともに回動軸に固定されるブロック状のアーム本体と、アーム本体の左右方向の側面のそれぞれに固定される平板状の第1平板部材と、アーム本体の前後方向の両側に配置される平板状の複数の第2平板部材とを備え、第1平板部材の厚さ方向は、左右方向と一致し、第1平板部材の前後方向の長さは、アーム本体の前後方向の長さよりも長くなっており、第1平板部材の前端は、アーム本体の前端よりも前側に配置され、アームは、複数の第2平板部材として、上下方向を厚さ方向として配置され第1平板部材に固定される複数の第3平板部材と、前後方向を厚さ方向として配置され第1平板部材に固定される複数の第4平板部材と、左右方向を厚さ方向として配置され第3平板部材および第4平板部材の少なくともいずれか一方に固定される複数の第5平板部材とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の産業用ロボットでは、アームは、アームの中心部を構成するブロック状のアーム本体と、アーム本体の左右方向の側面のそれぞれに固定される平板状の第1平板部材と、アーム本体の前後方向の両側に配置される平板状の複数の第2平板部材とを備えている。そのため、本発明では、アームの、中心部以外の部分を平板状の部材で構成することが可能になる。したがって、本発明では、アームに対するハンドおよびハンド支持部材の移動距離が長くなってアームが大型化しても、ブロック状のアーム本体によってアームの全体が構成されている場合と比較して、アームを軽量化することが可能になる。
【0011】
また、本発明では、ブロック状に形成されていて強度および剛性が比較的高いアーム本体がアームの中心部を構成するとともに回動軸に固定されている。また、本発明では、前後方向の長さがアーム本体の長さよりも長い第1平板部材がブロック状のアーム本体の左右方向の側面のそれぞれに固定されるとともに、アーム本体の前後方向の両側に、上下方向を厚さ方向として配置され第1平板部材に固定される複数の第3平板部材と、前後方向を厚さ方向として配置され第1平板部材に固定される複数の第4平板部材と、左右方向を厚さ方向として配置され第3平板部材および第4平板部材の少なくともいずれか一方に固定される複数の第5平板部材とが配置されている。
【0012】
そのため、本発明では、アームが前後方向で大型化するとともに、アームに対するハンドに搭載される搬送対象物の重量が重くなっても、アームの剛性および強度を確保することが可能になる。すなわち、本発明では、アームが大型化しても、また、ハンドに搭載される搬送対象物の重量が重くなっても、アームを軽量化しつつ、アームの剛性および強度を確保することが可能になる。
【0013】
本発明において、第1平板部材は、アームの前後方向の全域に配置されていることが好ましい。このように構成すると、アームの剛性および強度を高めることが可能になる。
【0014】
本発明において、ハンドの先端は、ハンド支持部材がアームに対して前側に移動するにしたがって本体部から離れ、アーム本体は、アーム本体の前後方向の中心よりも後ろ側で回動軸に固定されていることが好ましい。このように構成すると、アームの、回動軸よりも前側部分の剛性を高めることが可能になる。したがって、ハンドおよびハンド支持部材がアームに対して前側に移動したときの、回動軸を支点とするアームの撓みを抑制することが可能になる。
【0015】
本発明において、アーム本体には、アーム本体の下面から上側に向かって窪む複数の凹部が形成され、上下方向から見たときに、アーム本体の前後方向の中心よりも前側に配置される複数の凹部の総面積は、アーム本体の前後方向の中心よりも後ろ側に配置される複数の凹部の総面積よりも広くなっていることが好ましい。このように構成すると、アーム本体の前後方向の中心よりも後ろ側の部分(すなわち、アーム本体の、回動軸が固定される部分)の剛性および強度を確保しつつ、アーム本体の重量を効果的に軽減することが可能になる。
【0016】
本発明において、アームは、2枚の第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに上下方向を厚さ方向として配置され第1平板部材に固定される平板状の複数の第6平板部材と、2枚の第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに前後方向を厚さ方向として配置され第1平板部材に固定される平板状の複数の第7平板部材と、2枚の第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに左右方向を厚さ方向として配置され第6平板部材および第7平板部材の少なくともいずれか一方に固定される平板状の複数の第8平板部材とを備えることが好ましい。このように構成すると、アームの左右方向の幅が広くなっても(すなわち、アームが左右方向で大型化しても)、アームを軽量化しつつ、アームの剛性および強度を確保することが可能になる。
【0017】
本発明において、産業用ロボットは、たとえば、ハンドとしての第1ハンドおよび第2ハンドと、第1ハンドの基端部が固定されるハンド支持部材としての第1ハンド支持部材と、第2ハンドの基端部が固定されるハンド支持部材としての第2ハンド支持部材と、アームに対して第1ハンド支持部材を往復移動させる駆動機構としての第1駆動機構と、アームに対して第2ハンド支持部材を往復移動させる駆動機構としての第2駆動機構と、第1ハンド支持部材を前後方向に案内する第1ガイド機構と、第2ハンド支持部材を前後方向に案内する第2ガイド機構とを備え、第1ガイド機構は、アームの上面側に配置され、第2ガイド機構は、左右方向におけるアームの両側に配置されている。この場合には、第1ガイド機構がアームの上面側に配置され、第2ガイド機構が左右方向におけるアームの両側に配置されているため、第1ガイド機構および第2ガイド機構を設置しやすくなる。
【0018】
本発明において、たとえば、第1ガイド機構は、前後方向を長手方向とする4本の第1ガイドレールと、第1ガイドレールに上側から係合する第1ガイドブロックとを備え、第2ガイド機構は、前後方向を長手方向とする4本の第2ガイドレールと、第2ガイドレールに左右方向の外側から係合する第2ガイドブロックとを備え、4本の第2ガイドレールのうちの2本の第2ガイドレールは、アームの右側に配置され、残りの2本のガイドレールは、アームの左側に配置されている。
【0019】
この場合には、第1ガイド機構が4本の第1ガイドレールを備えているため、第1ハンドに搭載される搬送対象物の重量が重くなっても、比較的小型の第1ガイドレールおよび第1ガイドブロックを設置することが可能になる。したがって、第1ガイドレールおよび第1ガイドブロックを設置しやすくなる。また、この場合には、第2ガイド機構が4本の第2ガイドレールを備えているため、第2ハンドに搭載される搬送対象物の重量が重くなっても、比較的小型の第2ガイドレールおよび第2ガイドブロックを設置することが可能になる。したがって、第2ガイドレールおよび第2ガイドブロックを設置しやすくなる。
【0020】
本発明において、アームは、2枚の第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに上下方向を厚さ方向として配置され第1平板部材に固定される平板状の複数の第6平板部材と、2枚の第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに前後方向を厚さ方向として配置され第1平板部材に固定される平板状の複数の第7平板部材と、2枚の第1平板部材の左右方向の両側に配置されるとともに左右方向を厚さ方向として配置され第6平板部材および第7平板部材の少なくともいずれか一方に固定される平板状の複数の第8平板部材とを備え、アームの、2枚の第1平板部材の左右方向の内側部分の高さは、アームの、2枚の第1平板部材の左右方向の外側部分の高さよりも低くなっており、第1駆動機構の一部および第1ガイド機構は、2枚の第1平板部材の上端側部分の左右方向の内側に配置されていることが好ましい。
【0021】
このように構成すると、アームの左右方向の幅が広くなっても、アームを軽量化しつつ、アームの剛性および強度を確保することが可能になる。また、このように構成すると、第1駆動機構の一部および第1ガイド機構がアームの上面側に配置されていても、第1駆動機構の一部および第1ガイド機構がアームの上面から上側に突出するのを防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明では、搬送対象物が搭載されるとともにアームに対して前後方向へ直線的に往復移動するハンドを備える産業用ロボットにおいて、アームに対するハンドの移動距離が長くなってアームが大型化しても、また、ハンドに搭載される搬送対象物の重量が重くなっても、アームを軽量化しつつ、アームの剛性および強度を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの平面図である。
【
図4】
図1に示す産業用ロボットの構成を説明するための平面図である。
【
図5】(A)は、
図4に示すアームの平面図であり、(B)は、
図4に示すアームの側面図である。
【
図7】(A)は、
図5に示すアームの背面図であり、(B)は、
図5(A)のE-E断面の断面図である。
【
図8】(A)は、
図5に示すアーム本体の平面図であり、(B)は、(A)のF-F断面の断面図である。
【
図11】
図10に示す第1駆動機構および第1ガイド機構の構成を説明するための側面図である。
【
図12】
図10に示す第2駆動機構および第2ガイド機構の構成を説明するための側面図である。
【
図13】
図10に示す第1ガイド機構および第2ガイド機構の構成を説明するための背面図である。
【
図14】
図10に示す第1駆動機構、第2駆動機構、第1ガイド機構および第2ガイド機構の構成を説明するための背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
(産業用ロボットの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の平面図である。
図2は、
図1に示す産業用ロボット1の側面図である。
図3は、
図1に示す産業用ロボット1の背面図である。
図4は、
図1に示す産業用ロボット1の構成を説明するための平面図である。
【0026】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、搬送対象物2(以下、「ワーク2」とする。)を搬送するためのロボットである。本形態のロボット1は、真空中でワーク2を搬送する。ロボット1によって搬送されるワーク2の重量は、比較的重くなっている。たとえば、ワーク2の重量は、270kg程度となっている。ワーク2は、長方形の平板状に形成されている。
【0027】
ロボット1は、ワーク2が搭載される2個のハンド5、6と、ハンド5の基端部が固定されるハンド支持部材7(
図13参照)と、ハンド6の基端部が固定されるハンド支持部材8と、ハンド支持部材7、8を保持するアーム9と、アーム9が連結される本体部10とを備えている。本形態のハンド5は第1ハンドであり、ハンド6は第2ハンドであり、ハンド支持部材7は第1ハンド支持部材であり、ハンド支持部材8は第2ハンド支持部材である。
【0028】
本体部10は、アーム9が固定される回動軸11と、回動軸11を回動させる回動機構12と、回動軸11および回動機構12を昇降させる昇降機構と、これらの構成が収容されるケース体13とを備えている。回動軸11は、細長い円筒状に形成されている。回動軸11は、回動軸11の軸方向と上下方向とが一致するように配置されており、上下方向を回動の軸方向として回動可能になっている。回動機構12は、たとえば、回動軸11を回動させるためのモータと、モータの動力を回動軸11に伝達するプーリおよびベルト等を備えている。ケース体13は、略有底円筒状に形成されている。ケース体13の上端には、円板状に形成されたフランジ14が固定されている。フランジ14には、回動軸11の上端側部分が配置される貫通穴が形成されている。
【0029】
ハンド5、6、ハンド支持部材7、8およびアーム9は、本体部10の上側に配置されている。上述のように、ロボット1は、真空中でワーク2を搬送する。本形態では、ロボット1の、フランジ14の下端面よりも上側の部分が真空領域VRの中に配置されており、ハンド5、6、ハンド支持部材7、8およびアーム9は、真空チャンバー内(真空中)に配置されている。一方、ロボット1の、フランジ14の下端面よりも下側の部分は、大気領域ARの中(大気中)に配置されている。
【0030】
アーム9は、ハンド支持部材7、8が水平方向へ直線的に往復移動可能となるようにハンド支持部材7、8を保持している。具体的には、アーム9は、ハンド支持部材7とハンド支持部材8とが水平方向の同じ方向へ直線的に往復移動可能となるように(すなわち、ハンド5とハンド6とが水平方向の同じ方向へ直線的に往復移動可能となるように)ハンド支持部材7、8を保持している。本形態では、アーム9に対するハンド支持部材7、8の移動距離が比較的長くなっている。たとえば、アーム9に対するハンド支持部材7、8の移動距離は、4700mmとなっている。
【0031】
以下の説明では、アーム9に対するハンド支持部材7、8の往復移動方向(
図1等のX方向)を「前後方向」とし、上下方向(鉛直方向)と前後方向とに直交する
図1等のY方向を「左右方向」とする。また、前後方向の一方側である
図1等のX1方向側を「前」側とし、その反対側である
図1等のX2方向側を「後ろ」側とし、左右方向の一方側である
図1等のY1方向側を「右」側とし、その反対側である
図1等のY2方向側を「左」側とする。
【0032】
ロボット1は、アーム9に対してハンド支持部材7を往復移動させる駆動機構17と、アーム9に対してハンド支持部材8を往復移動させる駆動機構18と、ハンド支持部材7を前後方向に案内するガイド機構19と、ハンド支持部材8を前後方向に案内するガイド機構20とを備えている(
図4参照)。本形態の駆動機構17は第1駆動機構であり、駆動機構18は第2駆動機構であり、ガイド機構19は第1ガイド機構であり、ガイド機構20は第2ガイド機構である。
【0033】
また、ロボット1は、アーム9の後端部に固定されるリンク支持部材21と、一端部がリンク支持部材21に回動可能に連結されるとともに他端部がハンド5の後端部に回動可能に連結されるリンク機構22と、一端部がリンク支持部材21に回動可能に連結されるとともに他端部がハンド6の後端部に回動可能に連結されるリンク機構23と、リンク機構22、23に沿ってリンク支持部材21とハンド5、6との間で引き回される配線(ケーブル)24とを備えている。
【0034】
(アームの構成)
図5(A)は、
図4に示すアーム9の平面図であり、
図5(B)は、
図4に示すアーム9の側面図である。
図6は、
図5に示すアーム9の底面図である。
図7(A)は、
図5に示すアーム9の背面図であり、
図7(B)は、
図5(A)のE-E断面の断面図である。
図8(A)は、
図5に示すアーム本体27の平面図であり、
図8(B)は、
図8(A)のF-F断面の断面図である。
図9は、
図8に示すアーム本体27の底面図である。
【0035】
アーム9は、ハンド5、6の下側に配置されている。アーム9は、前後方向に細長い略直方体状に形成されている。上述のように、本形態では、アーム9に対するハンド支持部材7、8の移動距離が比較的長くなっているため、アーム9の前後方向の長さは比較的長くなっている。アーム9は、アーム9の中心部を構成するブロック状のアーム本体27と、アーム本体27の左右方向の側面のそれぞれに固定される平板状の平板部材28とを備えている。
【0036】
また、アーム9は、アーム本体27の前後方向の両側に配置される平板状の複数の平板部材29~32と、アーム本体27の後ろ側に配置される平板状の平板部材33と、2枚の平板部材28の左右方向の両側に配置される平板状の複数の平板部材34~36と、アーム本体27と平板部材32とを繋ぐための固定用部材とを備えている。本形態のアーム9は、アーム本体27と、平板部材28~36と、固定用部材と、これらの部材を繋ぐ複数のボルトとによって構成されている。
【0037】
アーム本体27は、アルミニウム合金で形成されている。また、アーム本体27は、直方体状のアルミニウム合金に切削加工を行うことで形成されている。アーム本体27は、前後方向に細長い直方体状に形成されている。また、アーム本体27は、上下方向の厚さが薄い扁平な直方体状に形成されている。アーム本体27の左右の両側面は、左右方向に直交する平面となっている。また、アーム本体27の前後の両側面は、前後方向に直交する平面となっており、アーム本体27の上下の両面は、上下方向に直交する平面となっている。アーム本体27の前後方向の長さは、アーム9の前後方向の長さの1/3~1/2程度となっている。
【0038】
アーム本体27は、回動軸11に固定されている。具体的には、アーム本体27の左右方向の中心部分が回動軸11の上端面に固定されている。また、アーム本体27は、アーム本体27の前後方向の中心よりも後ろ側で回動軸11に固定されている。すなわち、アーム本体27の、前後方向の中心よりも後ろ側の部分が回動軸11に固定されている。本形態では、アーム本体27の前後方向の長さの約1/5だけ、アーム本体27の後側面から離れた位置において、アーム本体27が回動軸11に固定されている。
【0039】
アーム本体27の、回動軸11が固定される位置には、上下方向でアーム本体27を貫通する貫通穴27aが形成されている。貫通穴27aは、円筒状に形成される回動軸11の軸心を中心とする円形状に形成されている。
図8(B)に示すように、アーム本体27の前後方向の両方の端部27bの上面の高さは、アーム本体27の、端部27bを除いた部分である中央部27cの上面の高さよりも低くなっている。具体的には、端部27bの上面の高さは、平板部材29の厚さ分だけ中央部27cの上面の高さよりも低くなっている。また、中央部27cでは、左右方向の両方の端部27dの上面の高さが、中央部27cの、端部27dを除いた部分の上面の高さよりもわずかに高くなっている。
【0040】
アーム本体27の下面には、上側に向かって窪む複数の凹部27eが形成されている。
図8(B)に示すように、凹部27eは、アーム本体27の上面の近傍まで窪んでいる。
図9に示すように、上下方向から見たときに、アーム本体27の前後方向の中心よりも前側に配置される大半の凹部27eの面積は、アーム本体27の前後方向の中心よりも後ろ側に配置される凹部27eの面積よりも広くなっている。また、上下方向から見たときに、アーム本体27の前後方向の中心よりも前側に配置される複数の凹部27eの総面積は、アーム本体27の前後方向の中心よりも後ろ側に配置される複数の凹部27eの総面積よりも広くなっている。すなわち、アーム本体27の前後方向の中心よりも前側の部分の密度は、アーム本体27の前後方向の中心よりも後ろ側の部分の密度よりも低くなっている。
【0041】
平板部材28~36は、アルミニウム合金で形成されている。平板部材28~36のそれぞれの厚さは、互いに略等しくなっている。平板部材28は、前後方向に細長い長方形の平板状に形成されている。平板部材28の厚さ方向は左右方向と一致している。平板部材28の前後方向の長さは、アーム本体27の前後方向の長さよりも長くなっている。本形態では、平板部材28の前後方向の長さは、アーム本体27の前後方向の長さの2倍~3倍程度となっている。また、平板部材28の高さ(上下方向の幅)は、アーム本体27の高さよりも高くなっている。本形態では、平板部材28の高さは、アーム本体27の高さの約1.5倍程度となっている。
【0042】
平板部材28は、アーム本体27の左右方向の側面のそれぞれに複数のボルトによって固定されており、アーム本体27の左右方向の側面に直接固定されている。また、平板部材28の前後方向の中心部分がアーム本体27の左右方向の側面に固定されており、平板部材28の前端面は、アーム本体27の前面よりも前側に配置され、平板部材28の後端面は、アーム本体27の後面よりも後ろ側に配置されている。
【0043】
すなわち、平板部材28の前端は、アーム本体27の前端よりも前側に配置され、平板部材28の後端は、アーム本体27の後端よりも後ろ側に配置されている。平板部材28の下端面は、上下方向においてアーム本体27の下面と同じ位置に配置されている。平板部材28の上端面は、アーム本体27の上面よりも上側に配置されている。また、平板部材28は、アーム9の前後方向の全域に配置されている。すなわち、平板部材28は、アーム9の前後方向の全域でアーム9の一部を構成している。
【0044】
平板部材29は、前後方向を長辺方向とする長方形の平板状に形成されている。平板部材29の厚さ方向は上下方向と一致している。平板部材29は、アーム本体27の前後方向の両側に配置されている。アーム本体27の前側に配置される平板部材29の後端部は、アーム本体27の前側の端部27bの上面に複数のボルトによって固定され、アーム本体27の後ろ側に配置される平板部材29の前端部は、アーム本体27の後ろ側の端部27bの上面に複数のボルトによって固定されている。アーム本体27の前側に配置される平板部材29の後端面は、中央部27cの前端面に接触し、アーム本体27の後ろ側に配置される平板部材29の前端面は、中央部27cの後端面に接触している。
【0045】
アーム本体27の前側に配置される平板部材29の前端面は、前後方向において平板部材28の前端面とほぼ同じ位置に配置され、アーム本体27の後ろ側に配置される平板部材29の後端面は、前後方向において平板部材28の後端面とほぼ同じ位置に配置されている。平板部材29の左右方向の幅は、アーム本体27の左右方向の幅と等しくなっており、平板部材29の左右方向の両端面は、左右方向における平板部材28の内側面に接触している。平板部材29は、複数のボルトによって平板部材28にも固定されている。平板部材29の上面は、中央部27cの上面と同一平面上に配置されており、平板部材29の左右方向の両端部の上面の高さは、平板部材29の、左右方向の両端部を除いた部分の上面の高さよりもわずかに高くなっている(
図7参照)。
【0046】
平板部材32は、前後方向に細長い長方形の平板状に形成されている。平板部材32の厚さ方向は左右方向と一致している。平板部材32は、アーム本体27の前後方向の両側に配置されるとともに、アーム9の左右方向の中心位置に配置されている。平板部材32の前後方向の一方の端面は、アーム本体27の前後の側面に接触している。平板部材32の前後方向の他方の端面は、前後方向において平板部材28の前後方向の端面と同じ位置に配置されている。
【0047】
平板部材32の下端面は、上下方向において平板部材28の下端面と同じ位置に配置されている。平板部材32の上端面は、平板部材29の下面に接触している。平板部材32は、複数のボルトによって平板部材29に固定されている。また、平板部材32の前後方向の一端部には、四角柱状の固定用部材が複数のボルトによって固定されており、固定用部材は、複数のボルトによってアーム本体27の前後の側面に固定されている。すなわち、平板部材32は、固定用部材を介してアーム本体27にも固定されている。
【0048】
平板部材30は、左右方向を長辺方向とする長方形の平板状に形成されている。平板部材30の厚さ方向は前後方向と一致している。平板部材30は、アーム本体27の前後方向の両側に配置されるとともに、平板部材32の左右方向の両側に配置されている。また、複数の平板部材30が前後方向において一定の間隔をあけた状態で配置されている。本形態では、アーム本体27の前後方向の両側、かつ、平板部材32の左右方向の両側において、2枚の平板部材30が前後方向において一定の間隔をあけた状態で配置されている。
【0049】
平板部材30の下端面は、上下方向において平板部材28の下端面と同じ位置に配置されている。平板部材32の上端面は、平板部材29の下面に接触している。平板部材30は、複数のボルトによって平板部材29に固定されている。また、平板部材30の左右方向の両端面は、平板部材28、32に接触しており、平板部材30は、複数のボルトによって平板部材28、32にも固定されている。
【0050】
平板部材34は、前後方向に細長い長方形の平板状に形成されている。平板部材34の厚さ方向は上下方向と一致している。平板部材34は、2枚の平板部材28の左右方向の両側に配置されている。平板部材34の前後方向の長さは、平板部材28の前後方向の長さとほぼ等しくなっている。平板部材34の前端面は、前後方向において平板部材28の前端面と略同じ位置に配置され、平板部材34の後端面は、前後方向において平板部材28の後端面と略同じ位置に配置されている。平板部材34の左右方向の内端面は、左右方向において平板部材28の左右方向の内側面と同じ位置に配置されている。平板部材34の下面は、平板部材28の上端面に接触している。平板部材34は、複数のボルトによって平板部材28に固定されている。
【0051】
平板部材36は、前後方向に細長い長方形の平板状に形成されている。平板部材34の厚さ方向は左右方向と一致している。平板部材36は、2枚の平板部材28の左右方向の両側に配置されている。平板部材36は、アーム9の左右方向の側面を構成している。平板部材36の前後方向の長さは、平板部材34の前後方向の長さと等しくなっている。平板部材36の前端面は、前後方向において平板部材34の前端面と同じ位置に配置され、平板部材36の後端面は、前後方向において平板部材34の後端面と同じ位置に配置されている。
【0052】
平板部材36の下端面は、上下方向において平板部材28の下端面と同じ位置に配置され、平板部材36の上端面は、上下方向において平板部材28の上端面と同じ位置に配置されている。平板部材36の左右方向の外側面は、左右方向において平板部材34の左右方向の外端面と同じ位置に配置されている。平板部材36の上端面は、平板部材34の下面に接触している。平板部材36は、複数のボルトによって平板部材34に固定されている。
【0053】
平板部材35は、上下方向を長辺方向とする長方形の平板状に形成されている。平板部材35の厚さ方向は前後方向と一致している。平板部材35は、2枚の平板部材28の左右方向の両側に配置されている。また、複数の平板部材35が前後方向において一定の間隔をあけた状態で配置されている。本形態では、2枚の平板部材28の左右方向の両側において、10枚の平板部材35が前後方向において一定の間隔をあけた状態で配置されている。
【0054】
平板部材35の下端面は、上下方向において平板部材28の下端面と同じ位置に配置されている。平板部材35の上端面は、平板部材34の下面に接触している。平板部材35は、複数のボルトによって平板部材34に固定されている。また、平板部材35の左右方向の両端面は、平板部材28、36に接触しており、平板部材35は、複数のボルトによって平板部材28、36にも固定されている。
【0055】
平板部材31は、左右方向を長辺方向とする略長方形の平板状に形成されている。また、平板部材31は、左右方向の中心部が下側に向かって窪む凹形状に形成されている。平板部材31の厚さ方向は前後方向と一致している。平板部材31は、アーム本体27の前後方向の両側に配置されている。平板部材31は、アーム9の前後方向の側面を構成している。平板部材31の外形は、平板部材28、29、34、36によって形成される輪郭に応じた形状になっている(
図7(A)参照)。
【0056】
平板部材31の下端面は、上下方向において平板部材28の下端面と同じ位置に配置されている。平板部材31の前後方向の内側面は、平板部材28、32の前後方向の外側面に接触している。平板部材31の上端面は、平板部材29、34の下面に接触している。平板部材31の左右方向の外側面は、平板部材36の左右方向の内側面に接触している。平板部材31は、複数のボルトによって、平板部材28、29、32、34、36に固定されている。
【0057】
平板部材33は、左右方向を長辺方向とする長方形の平板状に形成されている。平板部材33の厚さ方向は上下方向と一致している。平板部材33の下面は、平板部材28の下端面よりも上側に配置されている。平板部材33は、アーム9の後端部において、複数のボルトによって平板部材28、31、32に固定されている。
【0058】
上述のように、平板部材28の上端面は、アーム本体27の上面よりも上側に配置されている。また、平板部材36の上端面は、上下方向において平板部材28の上端面と同じ位置に配置されている。そのため、本形態では、
図7に示すように、アーム9の、2枚の平板部材28の左右方向の内側部分の高さは、アーム9の、2枚の平板部材28の左右方向の外側部分の高さよりも低くなっている。
【0059】
本形態の平板部材28は、第1平板部材である。また、本形態の平板部材29~32は、アーム本体27の前後方向の両側に配置される第2平板部材である。また、本形態では、平板部材29は、上下方向を厚さ方向として配置され平板部材28に固定される第3平板部材であり、平板部材30、31は、前後方向を厚さ方向として配置され平板部材28に固定される第4平板部材であり、平板部材32は、左右方向を厚さ方向として配置され平板部材29~31に固定される第5平板部材である。
【0060】
また、本形態では、平板部材34は、2枚の平板部材28の左右方向の両側に配置されるとともに上下方向を厚さ方向として配置され平板部材28に固定される第6平板部材であり、平板部材35は、2枚の平板部材28の左右方向の両側に配置されるとともに前後方向を厚さ方向として配置され平板部材28に固定される第7平板部材であり、平板部材36は、2枚の平板部材28の左右方向の両側に配置されるとともに左右方向を厚さ方向として配置され平板部材34、35に固定される第8平板部材である。
【0061】
(ハンドおよびハンド支持部材の構成)
ハンド5は、ワーク2が搭載される複数のフォーク40と、複数のフォーク40の基端部が固定されるハンド基部41とを備えている。ハンド6は、ハンド5と同様に、ワーク2が搭載される複数のフォーク40と、複数のフォーク40の基端部が固定されるハンド基部42とを備えている。本形態のハンド5、6は、4本のフォーク40を備えている。フォーク40は、前後方向に細長い直線状に形成されている。ハンド基部41、42には、フォーク40の後端部が固定されている。ハンド基部41は、ハンド5の後端部を構成し、ハンド基部42は、ハンド6の後端部を構成している。
【0062】
ハンド基部41、42は、左右方向に細長い略長方形状の平板状に形成されている。ハンド基部41の長さ(左右方向の長さ)は、ハンド基部42の長さ(左右方向の長さ)よりも短くなっている。ハンド5とハンド6とは、前後方向から見たときに、上下方向で互いに重なるように配置されている。本形態では、前後方向から見たときに、ハンド6が上側に配置され、ハンド5が下側に配置されている。ハンド5、6の左右方向の幅は、アーム9の左右方向の幅よりも広くなっている。
図3に示すように、ハンド5とハンド6とは、前後方向から見たときに、ハンド5の中心とハンド6の中心とが左右方向において一致するように配置されている。また、ハンド5、6は、前後方向から見たときに、ハンド5、6の中心とアーム9の中心とが左右方向において一致するように配置されている。
【0063】
フォーク40の先端(前端)は、アーム9に対してハンド5、6が最も後ろ側に移動しているときでも、本体部10よりも前側に配置されている(
図1参照)。すなわち、ハンド5、6の先端は、アーム9に対してハンド支持部材7、8が最も後ろ側に移動しているときでも、本体部10よりも前側に配置されている。そのため、ハンド5、6の先端は、ハンド支持部材7、8がアーム9に対して前側に移動するにしたがって本体部10から離れる。
【0064】
ハンド支持部材7は、ハンド基部41の下側に配置される2個のスライド部材43によって構成されている(
図13参照)。2個のスライド部材43は、左右方向に間隔をあけた状態で配置されている。また、2個のスライド部材43は、左右方向において2枚の平板部材28の間に配置されている。前後方向から見たときのスライド部材43の形状は略L形状となっている。ハンド基部41は、スライド部材43の上端面に固定されている。
【0065】
ハンド支持部材8は、ハンド基部42の下側に配置される2個のスライド部材44によって構成されている。2個のスライド部材44は、左右方向に間隔をあけた状態で配置されている。また、2個のスライド部材44は、左右方向においてアーム9の外側に配置されている。前後方向から見たときのスライド部材44の形状は略L形状となっている。ハンド基部42は、スライド部材44の上端面に固定されている。
【0066】
(駆動機構およびガイド機構の構成)
図10は、
図4のG部の拡大図である。
図11は、
図10に示す駆動機構17およびガイド機構19の構成を説明するための側面図である。
図12は、
図10に示す駆動機構18およびガイド機構20の構成を説明するための側面図である。
図13は、
図10に示すガイド機構19、20の構成を説明するための背面図である。
図14は、
図10に示す駆動機構17、18およびガイド機構19、20の構成を説明するための背面図である。
【0067】
駆動機構17は、モータ46と、モータ46の動力をハンド支持部材7に伝達するためのプーリ47~52およびベルト53~55とを備えている。モータ46は、アーム9の後面に固定されるモータ収容部材56の中に収容されている。プーリ47は、モータ46の出力軸に固定されている。
図11に示すように、プーリ48は、回転軸57の上端部に固定され、プーリ49は、回転軸57の下端部に固定されている。回転軸57は、上下方向を回転の軸方向とする回転が可能になるようにモータ収容部材56に回転可能に保持されている。ベルト53は、プーリ47とプーリ48とに掛け渡されている。
【0068】
図11に示すように、プーリ50は、回転軸58の下端部に固定され、プーリ51は、回転軸58の上端部に固定されている。回転軸58は、上下方向を回転の軸方向とする回転が可能になるように、後ろ側に配置される平板部材29の後端部および平板部材33に回転可能に保持されている。プーリ52は、回転軸の上端部に固定されている。この回転軸は、上下方向を回転の軸方向とする回転が可能になるように、前側に配置される平板部材29の前端部に回転可能に保持されている。プーリ50、51は、アーム9の後端部に配置され、プーリ52は、アーム9の前端部に配置されている。
【0069】
プーリ50は、アーム9の内部に配置されている。プーリ51、52は、平板部材29の上側に配置されている。ベルト54は、プーリ49とプーリ50とに掛け渡されている。ベルト55は、プーリ51とプーリ52とに掛け渡されている。ベルト55には、ハンド支持部材7が固定されている。具体的には、左側に配置されるスライド部材43がベルト55に固定されている。ベルト55は、アーム本体27および平板部材29の上側に配置されている。また、プーリ51、52およびベルト55は、2枚の平板部材28の上端部の左右方向の内側に配置されている。すなわち、駆動機構17の一部は、2枚の平板部材28の上端部の左右方向の内側に配置されている。
【0070】
駆動機構18は、モータ61と、モータ61の動力をハンド支持部材8に伝達するためのプーリ62~67およびベルト68~70とを備えている。モータ61は、アーム9の後面の右端部に固定されるモータ収容部材71の中に収容されている。プーリ62は、モータ61の出力軸に固定されている。
図10に示すように、プーリ63は、回転軸72の右端部に固定され、プーリ64は、回転軸72の左端部に固定されている。回転軸72は、左右方向を回転の軸方向とする回転が可能になるようにモータ収容部材71に回転可能に保持されている。ベルト68は、プーリ62とプーリ63とに掛け渡されている。
【0071】
図14に示すように、プーリ65は、回転軸73に固定されている。プーリ66は、回転軸73の左右方向の両端部のそれぞれに固定されている。回転軸73は、左右方向を回転の軸方向とする回転が可能になるように2枚の平板部材36の後端部に回転可能に保持されている。プーリ67は、回転軸の左右方向の両端部のそれぞれに固定されている。この回転軸は、左右方向を回転の軸方向とする回転が可能になるように2枚の平板部材36の前端部に回転可能に保持されている。プーリ65、66は、アーム9の後端部に配置され、プーリ67は、アーム9の前端部に配置されている。
【0072】
プーリ65は、アーム9の内部に配置されている。プーリ66、67は、アーム9の左右方向の外側に配置されている。ベルト69(
図10参照)は、プーリ64とプーリ65とに掛け渡されている。ベルト70は、プーリ66とプーリ67とに掛け渡されている。ベルト70には、ハンド支持部材8が固定されている。具体的には、2本のベルト70のそれぞれに、2個のスライド部材44のそれぞれが固定されている。ベルト70は、アーム9の左右方向の外側に配置されている。
【0073】
ガイド機構19は、アーム9の上面側に配置されている。また、ガイド機構19は、2枚の平板部材28の上端部の左右方向の内側に配置されている。ガイド機構19は、前後方向を長手方向とする4本のガイドレール76と、ガイドレール76に上側から係合するガイドブロック77とを備えている。本形態では、1本のガイドレール76に4個のガイドブロック77が係合している。本形態のガイドレール76は第1ガイドレールであり、ガイドブロック77は第1ガイドブロックである。
【0074】
4本のガイドレール76は、アーム本体27および平板部材29の上面に固定されている。4本のガイドレール76のうちの2本のガイドレール76は、アーム本体27および平板部材29の上面の右端側に固定され、残りの2本のガイドレール76は、アーム本体27および平板部材29の上面の左端側に固定されている。ガイドブロック77は、スライド部材43の下端面に固定されている。本形態では、8個のガイドブロック77が1個のスライド部材43に固定されている。なお、アーム9には、プーリ51、52、ベルト55およびガイド機構19を上側から覆うカバー78が固定されている。カバー78は、ハンド基部41よりも下側に配置されている。
【0075】
ガイド機構20は、左右方向におけるアーム9の両側に配置されている。ガイド機構20は、前後方向を長手方向とする4本のガイドレール80と、ガイドレール80に左右方向の外側から係合するガイドブロック81とを備えている。本形態では、1本のガイドレール80に4個のガイドブロック81が係合している。本形態のガイドレール80は第2ガイドレールであり、ガイドブロック81は第2ガイドブロックである。
【0076】
4本のガイドレール80のうちの2本のガイドレール80は、右側に配置される平板部材36の右面に固定され、残りの2本のガイドレール80は、左側に配置される平板部材36の左面に固定されている。すなわち、4本のガイドレール80のうちの2本のガイドレール80は、アーム9の右側に配置され、残りの2本のガイドレール80は、アーム9の左側に配置されている。また、アーム9の左右の両側のそれぞれに配置される2本のガイドレール80は、上下方向に間隔をあけた状態で配置されており、この2本のガイドレール80の間には、ベルト70が配置されている。ガイドブロック81は、左右方向におけるスライド部材44の内側面に固定されている。本形態では、8個のガイドブロック81が1個のスライド部材44に固定されている。なお、アーム9には、プーリ66、67、ベルト70およびガイド機構20を左右方向の外側から覆うとともに上下方向の両側から覆うカバー82が固定されている。
【0077】
(リンク支持部材およびリンク機構の構成、配線の引き回し)
リンク支持部材21は、アーム9の後面に固定されている。リンク支持部材21は、アーム9の後面から後ろ側に向かって伸びる第1支持部21aと、第1支持部21aの後端から右側に向かって伸びる第2支持部21bと、第2支持部21bの右端から上側に向かって伸びる第3支持部21cとから構成されている。前後方向から見たときに、リンク機構22は、リンク機構23の下側に配置されている。リンク機構22、23は、基端部がリンク支持部材21に回動可能に連結されるリンク部材85と、先端部がハンド5、6の後端部に回動可能に連結されるリンク部材86とを備えている。
【0078】
リンク部材85の基端部は、リンク支持部材21に対して上下方向を回動の軸方向とするリンク部材85の回動が可能となるように、リンク支持部材21に連結されている。また、リンク部材85の基端部は、第3支持部21cの後面側に回動可能に連結されている。リンク部材86の先端部は、ハンド5、6に対して上下方向を回動の軸方向とするリンク部材86の回動が可能となるように、ハンド基部41、42の後面側に連結されている。また、リンク部材86の先端部は、ハンド基部41、42の右端側に回動可能に連結されている。
【0079】
リンク部材86の基端部は、リンク部材85に対して上下方向を回動の軸方向とするリンク部材86の回動が可能となるように、リンク部材85の先端部に連結されている。リンク部材85とリンク部材86との連結部は、リンク部材85とリンク支持部材21との連結部、および、リンク部材86とハンド基部41、42との連結部よりも左側に配置されている。
図1の二点鎖線で示すように、ハンド5、6が本体部10に対して前側に移動すると、リンク機構22、23は伸び、
図1の実線で示すように、ハンド5、6が本体部10に対して後ろ側に移動すると、リンク機構22、23は折れ曲がって縮む。リンク部材85、86は、細長い角溝状に形成されている。
【0080】
なお、本形態では、ハンド5、6が本体部10に対して最も後ろ側まで移動している状態(
図1の実線で示す状態)で回動軸11が回動して、ハンド5、6およびアーム9が回動する。すなわち、リンク機構22、23は折れ曲がっている状態でハンド5、6およびアーム9が回動する。このときの最大旋回半径R1(
図1参照)は、ロボット1がリンク機構22、23を備えていないときの最大旋回半径とほぼ等しくなっている。
【0081】
配線24は、本体部10の内部からハンド5、6まで引き回されている。配線24の一端は、ハンド5、6に設置されるセンサに接続されている。配線24の一部は、回動軸11の内周側およびアーム本体27の貫通穴27aの中に配置されている。また、配線24は、貫通穴27aから後ろ側に向かって、アーム本体27および平板部材29の上面に沿って引き回された後、第1支持部21aの上面、第2支持部21bの前面および第3支持部21cの前面に沿って引き回されている。また、配線24は、リンク機構22、23に沿ってハンド基部41、42まで引き回されている。配線24の一部は、細長い角溝状に形成されるリンク部材85、86の内側に収容されている。
【0082】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、アーム9の中心部は、ブロック状のアーム本体27によって構成されているが、アーム9の、中心部以外の部分は、平板状の平板部材28~36によって構成されている。そのため、本形態では、アーム9に対するハンド5、6およびハンド支持部材7、8の移動距離が長くなってアーム9が前後方向で大型化しても、ブロック状のアーム本体27によってアーム9の全体が構成されている場合と比較して、アーム9を軽量化することが可能になる。
【0083】
また、本形態では、ブロック状に形成されていて強度および剛性が比較的高いアーム本体27がアーム9の中心部を構成するとともに回動軸11に固定されている。また、本形態では、前後方向の長さがアーム本体27の長さよりも長い平板部材28がアーム本体27の左右方向の側面のそれぞれに固定されるとともに、アーム本体27の前後方向の両側に、上下方向を厚さ方向として配置され平板部材28に固定される平板部材29と、前後方向を厚さ方向として配置され平板部材28に固定される平板部材30、31と、左右方向を厚さ方向として配置され平板部材29~31に固定される平板部材32とが配置されている。
【0084】
そのため、本形態では、アーム9が前後方向で大型化するとともに、ハンド5、6に搭載されるワーク2の重量が重くなっても、アーム9の剛性および強度を確保することが可能になる。すなわち、本形態では、アーム9が大型化しても、また、ハンド5、6に搭載されるワーク2の重量が重くなっても、アーム9を軽量化しつつ、アーム9の剛性および強度を確保することが可能になる。また、本形態では、平板部材28がアーム9の前後方向の全域に配置されているため、アーム9の剛性および強度を高めることが可能になる。
【0085】
本形態では、アーム9の、2枚の平板部材28の左右方向の両側は、上下方向を厚さ方向として配置され平板部材28に固定される平板状の平板部材34と、前後方向を厚さ方向として配置され平板部材28に固定される平板状の平板部材35と、左右方向を厚さ方向として配置され平板部材34、35に固定される平板状の平板部材36とによって構成されている。そのため、本形態では、アーム9の左右方向の幅が広くなっても(すなわち、アーム9が左右方向で大型化しても)、アーム9を軽量化しつつ、アーム9の剛性および強度を確保することが可能になる。
【0086】
本形態では、アーム本体27は、アーム本体27の前後方向の中心よりも後ろ側で回動軸11に固定されている。そのため、本形態では、アーム9の、回動軸11よりも前側部分の剛性を高めることが可能になる。したがって、本形態では、ハンド5、6およびハンド支持部材7、8がアーム9に対して前側に移動したときの、回動軸11を支点とするアーム9の撓みを抑制することが可能になる。また、本形態では、比較的重量の重いモータ46、61がアーム9の後ろ側に配置されているが、アーム本体27の前後方向の中心よりも後ろ側でアーム本体27が回動軸11に固定されており、アーム本体27の、回動軸11の前側に配置される部分の重量が重くなっているため、回動軸11の上端に載置される全ての構成の、回動軸11に対する重量バランスを保つことが可能になる。
【0087】
本形態では、上下方向から見たときに、アーム本体27の前後方向の中心よりも前側に配置される複数の凹部27eの総面積は、アーム本体27の前後方向の中心よりも後ろ側に配置される複数の凹部27eの総面積よりも広くなっている。そのため、本形態では、アーム本体27の前後方向の中心よりも後ろ側の部分(すなわち、アーム本体27の、回動軸11が固定される部分)の剛性および強度を確保しつつ、アーム本体27の重量を効果的に軽減することが可能になる。
【0088】
本形態では、ガイド機構19は、アーム9の上面側に配置され、ガイド機構20は、左右方向におけるアーム9の両側に配置されている。そのため、本形態では、ガイド機構19、20を設置しやすくなる。また、本形態では、ガイド機構19、20が4本のガイドレール76、80を備えているため、ハンド5、6に搭載されるワーク2の重量が重くなっても、比較的小型のガイドレール76、80およびガイドブロック77、81を設置することが可能になる。したがって、本形態では、ガイド機構19、20をより設置しやすくなる。
【0089】
本形態では、駆動機構17の一部(具体的には、プーリ51、52およびベルト55)およびガイド機構19は、2枚の平板部材28の上端側部分の左右方向の内側に配置されているが、アーム9の、2枚の平板部材28の左右方向の内側部分の高さは、アーム9の、2枚の平板部材28の左右方向の外側部分の高さよりも低くなっている。そのため、本形態では、駆動機構17の一部およびガイド機構19がアーム9の上面側に配置されていても、駆動機構17の一部およびガイド機構19がアーム9の上面から上側に突出するのを防止することが可能になる。
【0090】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0091】
上述した形態において、平板部材32は、平板部材29または平板部材30、31に固定されていなくても良い。また、上述した形態において、平板部材36は、平板部材34または平板部材35に固定されていなくても良い。さらに、上述した形態において、アーム9の、2枚の平板部材28の左右方向の内側部分の高さと、アーム9の、2枚の平板部材28の左右方向の外側部分の高さとが同じ高さになっていても良い。また、上述した形態において、平板部材28は、アーム9の前後方向の全域に配置されていなくても良い。また、上述した形態において、アーム9は、平板部材34~36を備えていなくても良い。
【0092】
上述した形態において、アーム本体27の前後方向の中心部が回動軸11に固定されていても良い。また、上述した形態において、アーム本体27の前後方向の中心よりも前側に配置される複数の凹部27eの総面積と、アーム本体27の前後方向の中心よりも後ろ側に配置される複数の凹部27eの総面積とが等しくなっていても良い。さらに、上述した形態において、アーム本体27に凹部27eが形成されていなくても良い。また、上述した形態において、アーム本体27は、鋳造品であっても良い。
【0093】
上述した形態において、プーリ51、52、ベルト55およびガイド機構19が、左右方向におけるアーム9の両側に配置されていても良い。また、上述した形態において、ガイド機構19が備えるガイドレール76の本数は2本であっても良い。同様に、ガイド機構20が備えるガイドレール80の本数は2本であっても良い。さらに、上述した形態において、ロボット1が備えるハンドの数は、1個であっても良い。また、上述した形態において、ボールネジを用いてハンド支持部材7、8を前後方向に移動させても良い。また、ロボット1は、大気中でワーク2を搬送しても良い。
【符号の説明】
【0094】
1 ロボット(産業用ロボット)
2 ワーク(搬送対象物)
5 ハンド(第1ハンド)
6 ハンド(第2ハンド)
7 ハンド支持部材(第1ハンド支持部材)
8 ハンド支持部材(第2ハンド支持部材)
9 アーム
10 本体部
11 回動軸
12 回動機構
17 駆動機構(第1駆動機構)
18 駆動機構(第2駆動機構)
19 ガイド機構(第1ガイド機構)
20 ガイド機構(第2ガイド機構)
27 アーム本体
27e 凹部
28 平板部材(第1平板部材)
29 平板部材(第2平板部材、第3平板部材)
30、31 平板部材(第2平板部材、第4平板部材)
32 平板部材(第2平板部材、第5平板部材)
34 平板部材(第6平板部材)
35 平板部材(第7平板部材)
36 平板部材(第8平板部材)
76 ガイドレール(第1ガイドレール)
77 ガイドブロック(第1ガイドブロック)
80 ガイドレール(第2ガイドレール)
81 ガイドブロック(第2ガイドブロック)
X 前後方向
Y 左右方向