(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】変流器及び配電システム
(51)【国際特許分類】
G01R 1/22 20060101AFI20240531BHJP
G01R 15/20 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
G01R1/22 B
G01R15/20 C
(21)【出願番号】P 2020506330
(86)(22)【出願日】2018-08-09
(86)【国際出願番号】 US2018046133
(87)【国際公開番号】W WO2019032912
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-07-28
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520038770
【氏名又は名称】ヴェルディグリス テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VERDIGRIS TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】NASA Ames Research Park, Building 19, #1077, Mountain View, California 94035, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110004196
【氏名又は名称】弁理士法人ナビジョン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】チュー ヨン
(72)【発明者】
【氏名】コー サント
(72)【発明者】
【氏名】サーヴェン ダニー
(72)【発明者】
【氏名】チャン マーティン
(72)【発明者】
【氏名】クルゼク ジャレド
(72)【発明者】
【氏名】トーレス ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】シャド サミ
(72)【発明者】
【氏名】ファヌフ ジョー
(72)【発明者】
【氏名】クワム ジェイクス
(72)【発明者】
【氏名】シェラワット アンジャリ
(72)【発明者】
【氏名】リー ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドマン ジェイスン
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0200291(US,A1)
【文献】特開2007-205971(JP,A)
【文献】実開平6-62375(JP,U)
【文献】実開平2-141866(JP,U)
【文献】特開2001-235488(JP,A)
【文献】特開平7-325109(JP,A)
【文献】特開2003-98199(JP,A)
【文献】特開2018-17687(JP,A)
【文献】実開昭51-108670(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0086281(US,A1)
【文献】特許第7125722(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2020/0348036(US,A1)
【文献】Natasha Lomas,“Verdigris takes $9M to power its AI energy consumption analytics b2b startup”,2016年03月24日,http://web.archive.org/web/20160324114326/https://techcrunch.com/2016/03/24/verdigris-takes-9m-to-power-its-ai-energy-consumption-analytics-b2b-startup/
【文献】“How to Install a Verdigris System”,Verdigris Technologies,2016年06月18日,http://web.archive.org/web/20160617194118/http://verdigris.co/pdf/Verdigris_Install.pdf
【文献】“Verdigris Overview”,YouTube [online] [video],Verdigris,2016年08月10日,[2023年10月27日検索],<https://www.youtube.com/watch?v=BtTLNOEZ8F8>,5:39~5:55
【文献】“6 Installing Verdigris Smart Current Transformers”,Verdigris,2018年02月06日,https://www.youtube.com/watch?v=J6nY5Y4NPcY,特に、0:08/2:14を参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/22
G01R 15/00-15/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上半部と、前記上半部にヒンジで接続された下半部とを有するボディ
であって、前記ボディの上半部及び下半部は電気ケーブルを囲むように構成された検知用の隙間を画定する、ボディと、
前記ボディの前記上半部に含まれる1つのフェライトコアと、
前記ボディの前記下半部に含まれる2つのフェライトコアで構成された一対のフェライトコアであって、前記2つフェライトコアの間に形成された隙間を画定する一対のフェライトコアと、
前記一対のフェライトコアの各フェライトコアの間に形成された前記隙間に配置されたセンサと、
ソフトウェアによって設定可能なレジスタを有するメモリと、
ラッチ機構とを備え、
前記レジスタは、前記一対のフェライトコア及び前記センサに関連付けられた既定のスケーリングファクタを有し、
前記スケーリングファクタは、シミュレーションした試験電流を用いて、事前にキャリブレーションを行うことによって決定され、
前記ラッチ機構は、
前記ボディの前記上半部及び前記下半部の一方に形成された開口と、
前記ボディの前記上半部及び前記下半部の他方に配置され、かつ、前記開口と係合して前記上半部及び前記下半部を閉じた状態に維持するように構成された少なくとも1つの歯と、
前記歯に把持及び接続されるように構成されたグリップタブであって、前記グリップタブに加えられた力を利用して、前記歯を、前記開口に対して移動させ、前記開口から外すように構成されたグリップタブと
、
前記グリップタブに機械的に接続されたスライダ機構であって、前記少なくとも1つの歯は前記スライダ機構に機械的に接続される、スライダ機構と、
前記スライダ機構に隣接して配置された付勢部材であって、前記少なくとも1つの歯を前記開口に係合させる付勢力を提供するように構成された付勢部材とを備え
、
前記ボディは雌コネクタ及び雄コネクタをさらに備え、前記雌コネクタは保持部を備え、前記雄コネクタは受け部を備え、前記保持部は前記受け部に接続するように構成され、前記ボディの雄コネクタは、前記ボディの上半部及び下半部を接続するヒンジであり、前記ラッチ機構と協同して、前記ボディの上半部と下半部との間の検知用の隙間を片手で操作して開閉することを実現する、変流器。
【請求項2】
複数のセンサをさらに備え、
前記ボディは、複数の検知用の隙間を画定し、
各検知用の隙間は、前記複数のセンサの1つに対応付けられる、請求項
1に記載の変流器。
【請求項3】
前記ボディは、複数の上半部と、複数の下半部を備え、
前記複数の検知用の隙間はそれぞれ、前記複数の上半部の1つと、前記複数の下半部の1つによって画定される、請求項
2に記載の変流器。
【請求項4】
前記複数の検知用の隙間のうちの第1の検知用の隙間は、前記複数の上半部のうちの第1の上半部と、前記複数の下半部のうちの第1の下半部によって画定され、
前記複数の検知用の隙間のうちの第2の検知用の隙間は、前記複数の上半部のうちの第2の上半部と、前記複数の下半部のうちの第2の下半部によって画定され、
前記第1の下半部は、前記第2の上半部の上面に物理的に接続される、請求項
3に記載の変流器。
【請求項5】
前記上半部及び前記下半部は、それぞれ整列した複数の凹部を有しており、
前記複数の凹部が、第1の検知用の隙間と、前記第1の検知用の隙間の横に隣接して配置された少なくとも1つの第3の検知用の隙間を画定する、請求項
2に記載の変流器。
【請求項6】
前記第1の上半部及び前記第1の下半部は、それぞれ整列した複数の凹部を有しており、
前記第1の上半部及び前記第1の下半部の前記複数の凹部が、前記第1の検知用の隙間と、前記第1の検知用の隙間の横に隣接して配置された少なくとも1つの第3の検知用の隙間を画定し、
前記第2の上半部及び前記第2の下半部は、それぞれ整列した複数の凹部を有しており、
前記第2の上半部及び前記第2の下半部の前記複数の凹部が、前記第2の検知用の隙間と、前記第2の検知用の隙間の横に隣接して配置された少なくとも1つの第4の検知用の隙間を画定する、請求項
4に記載の変流器。
【請求項7】
電源と、
前記電源に電気的に接続された配電線と、
前記配電線の外部に機械的に接続するように構成された検知用の隙間を備える変流器であって、前記配電線から電流を取得するように構成された変流器と、
前記変流器に電気的に接続され、かつ、前記配電線から取得された前記電流によって駆動されるように構成された電子装置と
を含み、
前記変流器は、
上半部と、前記上半部にヒンジで接続された下半部とを有するボディ
であって、前記ボディの上半部及び下半部は前記配電線を囲むように構成された検知用の隙間を画定する、ボディと、
前記ボディの前記上半部に含まれる1つのフェライトコアと、
前記ボディの前記下半部に含まれる2つのフェライトコアで構成された一対のフェライトコアであって、前記2つフェライトコアの間に形成された隙間を画定する一対のフェライトコアと、
前記一対のフェライトコアの各フェライトコアの間に形成された前記隙間に配置されたセンサと、
ソフトウェアによって設定可能なレジスタを有するメモリと、
ラッチ機構とを備え、
前記レジスタは、前記一対のフェライトコア及び前記センサに関連付けられた既定のスケーリングファクタを有し、
前記スケーリングファクタは、シミュレーションした試験電流を用いて、事前にキャリブレーションを行うことによって決定され、
前記ラッチ機構は、
前記ボディの前記上半部及び前記下半部の一方に形成された開口と、
前記ボディの前記上半部及び前記下半部の他方に配置され、かつ、前記開口と係合して前記上半部及び前記下半部を閉じた状態に維持するように構成された少なくとも1つの歯と、
前記歯に把持及び接続されるように構成されたグリップタブであって、前記グリップタブに加えられた力を利用して、前記歯を、前記開口に対して移動させ、前記開口から外すように構成されたグリップタブと
、
前記グリップタブに機械的に接続されたスライダ機構であって、前記少なくとも1つの歯は前記スライダ機構に機械的に接続される、スライダ機構と、
前記スライダ機構に隣接して配置された付勢部材であって、前記少なくとも1つの歯を前記開口に係合させる付勢力を提供するように構成された付勢部材とを備え
、
前記ボディは雌コネクタ及び雄コネクタをさらに備え、前記雌コネクタは保持部を備え、前記雄コネクタは受け部を備え、前記保持部は前記受け部に接続するように構成され、前記ボディの雄コネクタは、前記ボディの上半部及び下半部を接続するヒンジであり、前記ラッチ機構と協同して、前記ボディの上半部と下半部との間の検知用の隙間を片手で操作して開閉することを実現する、配電システム。
【請求項8】
前記変流器は、複数のセンサをさらに備え、
前記ボディは、複数の検知用の隙間を画定し、
各検知用の隙間は、前記複数のセンサの1つに対応付けられる、請求項
7に記載の配電システム。
【請求項9】
前記ボディは、複数の上半部と、複数の下半部を備え、
前記複数の検知用の隙間はそれぞれ、前記複数の上半部の1つと、前記複数の下半部の1つによって画定される、請求項
8に記載の配電システム。
【請求項10】
前記複数の検知用の隙間のうちの第1の検知用の隙間は、前記複数の上半部のうちの第1の上半部と、前記複数の下半部のうちの第1の下半部によって画定され、
前記複数の検知用の隙間のうちの第2の検知用の隙間は、前記複数の上半部のうちの第2の上半部と、前記複数の下半部のうちの第2の下半部によって画定され、
前記第1の下半部は、前記第2の上半部の上面に物理的に接続される、請求項
9に記載の配電システム。
【請求項11】
前記上半部及び前記下半部は、それぞれ整列した複数の凹部を有しており、
前記上半部及び前記下半部の前記複数の凹部が、第1の検知用の隙間と、前記第1の検知用の隙間の横に隣接して配置された少なくとも1つの第3の検知用の隙間を画定する、請求項
8に記載の配電システム。
【請求項12】
前記第1の上半部及び前記第1の下半部は、それぞれ整列した複数の凹部を有しており、
前記第1の上半部及び前記第1の下半部の前記複数の凹部が、前記第1の検知用の隙間と、前記第1の検知用の隙間の横に隣接して配置された少なくとも1つの第3の検知用の隙間を画定し、
前記第2の上半部及び前記第2の下半部は、 それぞれ整列した複数の凹部を有しており、
前記第2の上半部及び前記第2の下半部の前記複数の凹部が、前記第2の検知用の隙間と、前記第2の検知用の隙間の横に隣接して配置された少なくとも1つの第4の検知用の隙間を画定する、請求項
10に記載の配電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力システムに関し、より詳細には、エネルギの監視及び分配システムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
関連技術
関連技術の実施形態では、スマートメータは、電気エネルギの消費を記録し、インターバルメータや使用時間メータ等の従来の電気機械式メータに急速に取って代わりつつある。スマートメータは、メータの自動読み取り、リアルタイム又は実質的にリアルタイムのセンサ、停電通知、遠隔通知、電力品質の監視等の従来の電気機械式メータが提供できない機能を有するため、様々な分野の顧客(すなわち、住宅、商業、工業)にとって魅力的である。さらに、スマートメータは、メータと電力会社の間で双方向の無線通信により、エネルギ消費に関する情報を通信できるため、監視と請求の双方を容易にすることができる。しかしながら、一般的なスマートメータは、ストラクチャ全体の電力消費(ワット数)のみを算出するように設計されている点で制限がある。建物の個別の分岐回路の消費電力を監視することは、建物全体のエネルギ使用量を判断するのに有用である。個別の分岐回路を監視することにより、分岐回路の障害が発生し得る状態を把握し、電気パラメータの閾値を超えたときに、警告を通知することもできる。
【0003】
したがって、関連技術のシステムでは、電気を測定することにより、消費者が使用している電気量を判断することができる。従来の関連技術のシステムでは、通常、建物(家庭又は会社等)と電力会社の間の電力線に接続された電気メータを用いて測定が行われていた。しかしながら、このようなシステムでは、建物全体のエネルギの総使用量の情報しか提供できず、建物内の特定の回路に関するエネルギ消費量の情報を提供できなかった。
【0004】
建物の各分岐回路の電流は、電流センサを接続して、建物の分電盤から分岐した各電力ケーブル内を流れる電流を検知することによって測定できる。関連技術のスマート測定システムは、センサを各回路、多くの場合、回路遮断器に接続して、建物内の個別の回路を分析するように開発された。しかしながら、これらの関連技術のシステムは、回路遮断器全体の電源を切断することによって動作時間のロスが発生することがあり、または、通電した電力線にセンサを接続するため危険な場合がある。いくつかの関連技術の電流センサは、導体を流れる電流を表す出力を生成する検出式変流器を備えている。
【0005】
さらに、従来の実施形態では、スマートメータは、電圧測定値及び電力測定値を生成し、これらの測定値は、波形として記録され、データ処理システムに送信される。このような波形には、イベントに関する情報も含まれていることがあるため、監視対象の電力システムの異常や他の問題を、データ処理システムに通知することができる。
【0006】
従来の検知式変流器には、電力ケーブルを囲み、磁気透過型コアの周りに巻き付けられたワイヤコイルを備えているものがある。関連技術のヒンジ及び分割コアを備えた検知式変流器は、電力ケーブルを外すことなく、既存の電力ケーブルに簡単に取り付けることができるため、よく利用されている。関連技術のヒンジ及び分割コアを備えた検知式変流器は、接続された電力ケーブルを囲むことができるが、生じた電流の伝達は、時間の経過と共に、そのキャリブレーションを失う傾向がある。
【0007】
また、従来の変流器は、サイズが大きくて重いため、変流器をブレーカパネルに設置することが難しく、変流器が、接続されたワイヤから外れてしまう。さらに、過剰な信号線によって干渉やクロストークが発生し、信号品質が低下する可能性がある。
【0008】
さらに、関連技術のシステムでは、相当の準備とインフラストラクチャの構築を要する特定の場所に対して電力が分配される。このため、関連技術の配電システムでは、配電システムに接続される装置を選択する際の柔軟性がない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の態様は、変流器を備える。変流器は、上半部と上半部にヒンジで接続された下半部とを有するボディと、把持されるように構成されたグリップタブ、グリップタブに機械的に接続されたスライダ機構、及び、スライダ機構に機械的に接続された横方向に延在する歯であって、開口と係合して上半部及び下半部を閉じた状態に維持するように構成された歯を備えるラッチ機構と、少なくとも1つの横方向に延在する歯を開口に係合させる付勢力を提供する付勢部材とを含み、ラッチ機構は、スライド機構を介して、グリップ部分に加えられた張力を変換して、横方向に延在する歯が、上半部及び下半部の一方に形成された開口に対して移動するように構成され、開口から外れる。
【0010】
本出願の他の態様は、配電システムを含む。配電システムは、電源と、電源に電気的に接続された配電線と、配電線の外部に機械的に接続するように構成された検知用の隙間を有する変流器であって、配電線から電流を取得するように構成された変流器と、変流器に電気的に接続され、配電線から取得された電流によって駆動するように構成された電子装置とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の態様に係る例示的な変流器の上部を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の態様に係る例示的な変流器の底部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の態様に係る例示的な変流器の第1の端部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の態様に係る例示的な変流器の第2の端部を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の態様に係る例示的な変流器の第1の側部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の態様に係る例示的な変流器の第2の側部を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、本開示の態様に係る例示的な変流器の分解図である。
【
図8】
図8は、本開示の態様に係る例示的な変流器の開いた状態を示す概略図である。
【
図9】
図9は、本開示の態様に係る例示的な変流器の閉じた状態を示す概略図である。
【
図10】
図10は、本開示の態様に係る例示的な複数の隙間を有する変流器を示す。
【
図11】
図11は、本開示の態様に係る例示的な複数の隙間を有する変流器を示す。
【
図12】
図12は、本開示の態様に係る例示的な複数の隙間を有する変流器を示す。
【
図13】
図13は、本開示の態様に係る例示的な変流器を用いた配電システムを示す。
【
図14】
図14は、本開示の態様に係るエネルギモニタを示す。
【
図15-1】
図15-1は、本開示の態様に係る変流器回路を示すブロック図である。
【
図15-2】
図15-2は、本開示の態様に係る変流器回路を示すブロック図である。
【
図16A-1】
図16A-1は、本開示の態様に係る変流器の例示的な制御部と、例示的な通信回路を示す概略図である。
【
図16A-2】
図16A-2は、本開示の態様に係る変流器の例示的な制御部と、例示的な通信回路を示す概略図である。
【
図16B-1】
図16B-1は、本開示の態様に係る変流器の例示的な制御部と、例示的な通信回路を示す概略図である。
【
図16B-2】
図16B-2は、本開示の態様に係る変流器の例示的な制御部と、例示的な通信回路を示す概略図である。
【
図16C-1】
図16C-1は、本開示の態様に係る変流器の例示的な制御部と、例示的な通信回路を示す概略図である。
【
図16C-2】
図16C-2は、本開示の態様に係る変流器の例示的な制御部と、例示的な通信回路を示す概略図である。
【
図17A】
図17Aは、本開示の態様に係る例示的なホール効果センサ及び関連する回路を示す概略図である。
【
図17B】
図17Bは、本開示の態様に係る例示的なホール効果センサ及び関連する回路を示す概略図である。
【
図18】
図18は、例示的な実施形態に係るエネルギモニタ用のHDMI(登録商標)入力1800の一例を示す電子回路図である。
【
図19】
図19は、本開示の態様に係る例示的な実施形態が適用される例示的なシステムを示す。
【
図20】
図20は、別の例示的な実施形態に係るエネルギモニタを示す。
【
図21】
図21は、本出願のいくつかの例示的な実施形態の使用に適した例示的なコンピュータ装置を含む例示的なコンピュータ環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、本出願の図面及び例示的な実施形態の詳細を示す。図中の冗長な要素の参照番号及び説明は、明確にするために省略されている。以下の説明全体で用いる用語は、例示であって限定を意図するものではない。例えば、「自動」の用語は、本発明の実施形態を実施する当業者が所望する実施形態に応じて、全自動を意味し、または、実施形態の特定の態様におけるユーザ又はオペレータの制御を伴う半自動実施形態を意味する。
【0013】
図1及び
図2は、本開示の態様に係る例示的な変流器100の上部を示す斜視図及び底部を示す斜視図である。さらに、
図3及び4は、本開示の態様に係る例示的な変流器100の端部を示す斜視図である。
図5及び
図6は、本開示の態様に係る例示的な変流器100の側部を示す斜視図である。図に示すように、変流器100は、雌コネクタ110及び雄コネクタ115を備えたボディ105を含む。いくつかの例示的な実施形態では、雌コネクタ110及び雄コネクタ115の一方又は双方は、ケーブル5によってボディ105に接続できる。いくつかの実施形態では、雌コネクタ110及び雄コネクタ115は、複数の変流器100の接続を可能にするように構成できる。例えば、或る変流器100の雌コネクタ110を、別の変流器100の雄コネクタ115に接続することができる。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態では、雌コネクタ110は、雌型のミニHDMI(High Definition Media Interface)ポート112を備えることができ、雄コネクタ115は、雄型のミニHDMIプラグ117を備えることができる。しかしながら、当業者であれば、他の種類のポート及びプラグを使用できることは明らかであろう。また、雌コネクタ110は、雄コネクタ115の受け部119と係合するように構成された保持部114を備えることができる。いくつかの実施形態では、保持部114は、雄コネクタ115の対応するノッチに係合するように構成された、雌コネクタ110に設けられた可撓性部材でもよい。しかしながら、当業者であれば、他の構成が可能であることは明らかであろう。
【0015】
ボディ105は、電気ケーブル205を囲むように構成された検知用の隙間120を備える。以下に説明するように、ボディ105は、検知用の隙間120を通る電気ケーブル205に基づく情報を検出する様々なセンサ及び電子装置を備えることができる。さらに、ボディ105の電子回路は、検知用の隙間を通る電気ケーブル205から電流を取得できる。ボディ105は、雄コネクタ115によって接続された上半部125及び下半部130を備え、これはヒンジとして機能し、上半部125及び下半部130は、顎のように開閉することができる。図に示すように、ケーブル5は、雌コネクタ110と下半部130を接続する。
【0016】
上半部125は、ボディ部12と、ボディ側壁13とを含む。また、上半部125は、ボディ部12の上部に設けられたラッチ機構14と、ボディ部12に取り付けて上半部125の内部を閉じる蓋18とを含む。上半部125の内部については、より詳細に後述する。以下に説明するように、ラッチ機構14は、ヒンジ部24によってスライダ部22(
図1~6では隠れており、
図7に示されている)に接続されたグリップタブ20を備える。いくつかの実施形態では、図に示すように、グリップタブ20は、雄コネクタ115を覆うように湾曲している。グリップタブ20は、ヒンジ部24を中心に回動し、スライダ部22に力を加えて、ラッチ機構14を解放することができる。
【0017】
下半部130は、下半部130の内部を画定するボディ部1と、下半部130の内部を囲むベースプレート9とを備える。下半部130の内部については、より詳細に後述する。ケーブル5は、ボディ部1の側壁26を通って延在することができる。
【0018】
また、変流器100は、LEDや他の視覚的なインジケータ等のインジケータ装置4を備え、接続状態、信号状態、又は当業者にとって周知の他の情報等の状態及び/又は通知情報を提供することができる。図に示すように、インジケータ装置4は、変流器100の一方の端部に配置され、グリップタブ20を介して視認できる。
【0019】
図7は、本開示の態様に係る例示的な変流器100の分解図である。上述したように、上半部125は、ボディ部12と、ボディ側壁13とを含む。また、上半部125は、ボディ部12の上部に設置されたラッチ機構14と、ボディ部12に取り付けて上半部125の内部を閉じる蓋18とを含む。
【0020】
図7に示すように、一体型の上側フェライトコア17が、上半部125の内側に配置される。一体型の上側フェライトコア17は、検知用の隙間120の周囲を覆うように構成されたU字形状を有する。代替的に、フェライトコアリーフスプリング19を一体型の上側フェライトコア17の上部に配置し、下向きの付勢力を与えて、一体型の上側フェライトコア17を下半部130に向かって付勢してもよい。
【0021】
また、ラッチ機構14は、上半部125の内部において、検知用の隙間120に向かってスライダ部22を付勢する1以上の付勢部16(例えば、スプリング)を備える。付勢部16は、スライダ部22に挿入されたラッチピン15によって支持してもよい。また、スライダ部22は、下半部130のボディ1の歯受け開口30に係合するように構成された横方向に延在する一対又は複数対の歯28を備えてもよい。上述したように、ラッチ機構14のグリップタブ20は、ヒンジ部24によってスライダ部22に接続される。後述するように、グリップタブ20に張力が加えられると、スライダ部22は、付勢部16の付勢力に逆らって移動して検知用の隙間120から離れ、横方向に延在する歯28が、歯受け開口30から外れる。
【0022】
さらに、下半部130は、下半部130の内部を画定するボディ部1と、下半部130の内部を覆うベースプレート9とを備える。下半部130の内部には、変流器100を制御する電子回路と、変流器100に組み込まれた任意のセンサとを備える回路基板2を設置することができる。例えば、図に示すように、下半部130の内部にホール効果センサ3を設置して、回路基板2に接続してもよい。さらに、インジケータ装置4は、回路基板2に接続してもよい。ホール効果センサ3が組み込まれた回路基板2は、検知用の隙間120を通る電気ケーブル205内を流れる電流を取得することができる。
【0023】
下半部130の内部は、2つの部材で構成された下側フェライトコア7,8を備えてもよい。図に示すように、2つの部材で構成された下側フェライトコア7,8は、ホール効果センサ3の反対側に配置することができる。各下側フェライトコア7,8は、各フェライトコア7,8を上半部125に向かって付勢する付勢力を与えるように構成された底部フェライトコアリーフスプリング11,10に接続できる。
【0024】
さらに、下半部130の内部には、ボディ部1の側壁26を介して延在するケーブル5を保持する保持クリップ6を設けてもよい。
【0025】
図8は、本開示の態様に係る例示的な変流器100の開いた状態を示す概略図である。同様に、
図9は、本開示の態様に係る例示的な変流器100の閉じた状態を示す概略図である。説明するために、これらの概略図は、例示的な変流器100の写真に重ねられている。
【0026】
図8に示すように、変流器のボディ105の上半部125及び下半部130は、雄コネクタ115を中心に回転させることによって開いた状態になる。このように開くことにより、電気ケーブル205(
図1~6に示す)を検知用の隙間120に挿入できる。グリップタブ20を検知用の隙間120から離れる方向805に引くことにより、上半部125と下半部130を離すことができる。グリップタブ20を方向805に引くことにより、ラッチ機構14のスライダ部22は、方向805に移動し、ラッチピン15を付勢部16の付勢力に逆らってスライドさせることができる。スライダ部22が移動することにより、横方向に延在する歯28が、下半部130のボディ1の歯受け開口30から外れる方向に移動する。横方向に延在する歯28が、歯受け開口30から外れると、上半部125及び下半部130が開く。この構造により、手袋をした状態でも、ボディ105の上半部125及び下半部130を、片手で安全に開けることができる。
【0027】
横方向に延在する歯28が外れると、横方向に延在する歯28は、一体型の上側フェライトコア17に対して移動する。上半部125及び下半部130が開いている場合、一体型の上側フェライトコア17は、一方の下側フェライトコア7に接触するが、他方の下側フェライトコア8から離れる。2つの下側フェライトコア7,8の間において、ホール効果センサ3が、検知用の隙間120の下に配置される。下側フェライトコア7,8の間には、ホール効果センサ3が図示されているが、他の種類のセンサを検知用の隙間120の周辺領域に設置して、検知用の隙間120を流れる電気を、非接触方式で監視及び検出してもよい。例えば、温度センサ、流量センサ、又は他のセンサは、当業者であれば明らかであろう。さらに、変流器100は、検知用の隙間120を通る電気ケーブルから電流を取得することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ブレード突起を検知用の隙間120に組み込み、検知用の隙間120を通る電気ケーブルに穴を開け、直接タップしてもよい(例えば、直接又は接触方式によって監視される)。
【0028】
図9に示すように、グリップタブ20が外れるため、付勢部16が、ラッチ機構14のスライダ部22を方向810に付勢することができる。ラッチ機構14のスライダ部22が方向810に付勢されると、横方向に延在する歯28が、歯受け開口30と係合し、上半部125及び下半部130を確実に保持することができる。この構造により、手袋をした状態でも、ボディ105の上半部125及び下半部130を、片手で安全に閉じることができる。
【0029】
図9に示すように、変流器のボディ105の上半部125及び下半部130は、閉じた状態である。この状態では、一体型の上側フェライトコア17は、下側フェライトコア部7,8の双方に接触し、検知用の隙間120の周囲に実質的に隣接する磁気回路を形成し、検知用の隙間120に挿入された電気ケーブル205(
図1~6)をほぼ完全に覆う。しかしながら、ホール効果センサ3が設置される2つの下側フェライトコア部7,8の間には、小さな隙間が存在する。下半部130のボディ1の内部に、ホール効果センサ3と下側フェライトコア部7,8を配置することにより、下側フェライトコア部7,8の間にスペースを設け、ホール効果センサ3を配置し、その状態を確実に維持することができる。下側フェライトコア部7,8の間にスペースを設け、ホール効果センサ3を配置して、その状態を確実に維持することにより、検知用の隙間120を通る電流の測定値を取得することができる。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、検知用の隙間120を通る電気ケーブル205(
図1~6に示す)から電流を取得することもできる。
【0030】
さらに、下側フェライトコア部7,8の間には、ホール効果センサ3が図示されているが、他の種類のセンサを検知用の隙間120の周辺領域に組み込んで、検知用の隙間を流れる電流を、非接触方式で監視及び検出してもよい。例えば、温度センサ、流量センサ、又は他のセンサは、当業者には明らかであろう。さらに、変流器100は、検知用の隙間120を通る電気ケーブルから電流を取得することができる。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、ブレード突起を検知用の隙間120に設置し、検知用の隙間120を通る電気ケーブルに穴を開け、直接タップすることができる(例えば、直接又は接触方式で監視される)。
【0031】
上述した変流器100の実施形態は、1つの検知用の隙間120のみを設けた。しかしながら、例示的な実施形態は、この構成に限定されず、後述するように、複数の検知用の隙間を設けてもよい。
【0032】
図10~
図12は、本開示の態様に係る例示的な複数の隙間を有する変流器を示す。
図10は、複数の検知用の隙間1020a,1020b,1020cを有する変流器1000の実施形態を示しており、各検知用の隙間1020a,1020b,1020cは、平行に配置され、電気ケーブル2005a,2005b,2005cを囲む。図に示すように、各検知用の隙間1020a,1020b,1020cは、個別のボディ1005a,1005b,1005cによって形成される。個別のボディ1005a,1005b,1005cは、それぞれ上述した
図1~
図9に示す変流器100と同様の構造を有することができる。例えば、上側ボディ1005aは、上半部125に類似する構造を有する上半部1025aと、下半部130に類似する構造を有する下半部1030aによって形成される。同様に、中間ボディ1005bは、上半部125に類似する構造を有する上半部1025bと、下半部130に類似する構造を有する下半部1030bによって形成される。さらに、下側ボディ1005cは、上半部125に類似する構造を有する上半部1025cと下半部1030cによって形成される。したがって、上半部1025a~1025c及び下半部1030a~1030cの構成要素の重複する説明は省略する。
【0033】
図に示すように、上側ボディ1005aの下半部1030aは、中間ボディ1005bの上半部1025bに機械的に接続される。機械的な接続は、特に限定されず、接着剤による取り付け、機械的な取り付け(例えば、ねじ取り付け、ボルト取り付け、凸部及び溝等)、溶接、又は当業者に明らかな他の取り付け方法が含まれる。代替的に、中間ボディ1005bの上半部1025bは、上側ボディ1005aの下半部1030aと一体的に形成してもよい。
【0034】
また、中間ボディ1005bの下半部1030bは、下側ボディ1005cの上半部1025cに機械的に接続される。機械的な接続は、特に限定されず、接着剤による取り付け、機械的な取り付け(例えば、ねじ取り付け、ボルト取り付け、凸部及び溝等)、溶接、又は当業者に明らかな他の取り付け方法が含まれる。代替的に、下側ボディ1005cの上半部1025cは、中間ボディ1005bの下半部1030bと一体的に形成してもよい。
【0035】
図10には、3つの検知用の隙間が示されているが、他の例示的な実施形態は、4つ以上の検知用の隙間又は3つ未満の検知用の隙間を設けてもよい。
【0036】
上述した変流器1000の構造は、多くの利点を有する。例えば、この構造は、片手で操作して開閉することができる。関連技術の構造の多くは、これを行うことができない。この機能は、スプリングによる閉機構と、比較的小さなヒンジの回転によって実現される。一方、関連技術の構造は、機械的なラッチに摩擦を利用するため、片手で閉じるには必要とされる力が大きく、または、アームの回転が大き過ぎるため、片手で閉じることができない。
【0037】
図11は、複数の検知用の隙間1120a,1120b,1120c,1120dを有する変流器1100の例示的な実施形態を示しており、各検知用の隙間は、電気ケーブル2105a,2105b,2105c,2105dを囲むように直線状に配置されている。図に示すように、複数の検知用の隙間1120a,1120b,1120c,1120dは、単一のボディ1105によって形成される。単一のボディ1105は、上述した
図1~
図9に示す変流器100と同様の構造を有することができる。例えば、ボディ1105は、上半部125と同様の構造を有する上半部1125と、下半部130と同様の構造を有する下半部1130によって形成することができる。
図11には、4つの検知用の隙間1120a,1120b,1120c,1120dが示されているが、
図11に示すように、他の例示的な実施形態は、5つ以上の検知用の隙間又は4つ未満の検知用の隙間を設けてもよい。
【0038】
図12は、検知用の隙間1220ai-aiv,1220bi-biv,1220ci-civの複数のグループを有する変流器1200の例示的な実施形態を示す。検知用の隙間1220ai-aiv,1220bi-biv,1220ci-civの各グループは、図に示すように、検知用の隙間1220ai-aiv,1220bi-biv,1220ci-civの他の各グループと平行に配置される。さらに、検知用の隙間1220ai,1220aii,1220aiii,1220aivは、直線状に配置され、電気ケーブル2220ai、2220aii、2220aiii、2220aivを囲む。さらに、検知用の隙間1220bi,1220bii,1220biii,1220bivは、直線状に配置され、電気ケーブル2220bi、2220bii、2220biii,2220bivを囲む。さらに、検知用の隙間1220ci,1220cii,1220ciii,1220civは、直線状に配置され、電気ケーブル2220ci,2220cii,2220ciii,2220civを囲む。
【0039】
図に示すように、検知用の隙間1220ai-aiv,1220bi-biv,1220ci-civの各グループは、個別のボディ1205a,1205b,1205cによって形成される。個別のボディ1205a,1205b,1205cは、それぞれ、上述した
図1~
図9に示す変流器100と同様の構造を有することができる。例えば、上側ボディ1205aは、上半部125に類似する構造を有する上半部1225aと、下半部130に類似する構造を有する下半部1230aによって形成することができる。同様に、中間ボディ1205bは、上半部125と同様の構造を有する上半部1225bと、下半部130と同様の構造を有する下半部1230bによって形成することができる。さらに、下側ボディ1205cは、上半部125と同様の構造を有する上半部1225cと、下半部1
230cによって形成することができる。このため、上半部1225a~1225c及び下半部1230a~1230cの構成要素の重複する説明は省略する。
【0040】
図に示すように、上側ボディ1205aの下半部1230aは、中間ボディ1205bの上半部1225bに機械的に接続される。機械的な接続は、特に限定されず、接着剤による取り付け、機械的な取り付け(例えば、ねじ取り付け、ボルト取り付け、凸部及び溝等)、溶接、又は当業者に明らかな他の取り付け方法が含まれる。代替的に、中間ボディ1205bの上半部1225bを、上側ボディ1205aの下半部1230aと一体的に形成してもよい。
【0041】
さらに、中間ボディ1205bの下半部1230bは、下側ボディ1205cの上半部1225cに機械的に接続される。機械的な接続は、特に限定されず、接着剤による取り付け、機械的な取り付け(例えば、ねじ取り付け、ボルト取り付け、凸部及び溝等)、溶接、又は当業者に明らかな他の取り付け方法が含まれる。代替的に、下側ボディ1205cの上半部1225cを、中間ボディ1205bの下半部1230bと一体的に形成してもよい。
【0042】
図12には、12個の検知用の隙間が示されているが、他の例示的な実施形態は、13個以上の又は12個未満の検知用の隙間を設けてもよい。
【0043】
上述した変流器100,1000,1100,1200は、様々な目的に利用することができる。いくつかの例示的な実施形態では、配電システムの一部として利用することができる。
図13は、本開示の態様に係る例示的な変流器を使用する、そのような配電システム1300を示す。図に示すように、配電システム1300は、交流(AC)電源1305(例えば、配電線1307(交流電流を伝送する電力ケーブル等)に接続される交流発電機又は当業者に明らかな他の交流電源)を含む。
【0044】
配電システム1300では、一連の変流器1309,1311,1313,1314,1316,1318,1319が、配電線1307に沿って任意の場所に設置され、配電線1307に沿った任意の場所で電流を取得することができる。各変流器1309,1311,1313,1314,1316,1318,1319は、
図1~12を参照して説明した変流器100/1000/1100/1200と同様の構造を有することができる。
図8及び
図9に関連して説明したように、各変流器1309,1311,1313,1314,1316,1318,1319は、対応するラッチ機構のグリップタブを引くことによって開き、横方向に延在する歯が、歯受け開口から外れ、上半部及び下半部が離れる。各変流器1309,1311,1313,1314,1316,1318,1319が開いた状態で配電線1307を検知用の隙間に挿入し、上半部及び下半部を閉じることにより、配電線1307に設置することができる。
【0045】
各変流器1309,1311,1313,1314,1316,1318,1319は、配電線から電流を取得し、変流器1309,1311,1313,1314,1316,1318,1319に接続された装置1310,1315,1320,1325,1330,1335,1340に電流を提供することができる。例えば、変流器1309は、ラップトップコンピュータ又はデスクトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータ装置1310に接続し、これらにエネルギを供給することができる。また、変流器1311は、個人用の音楽プレーヤ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末、又はデジタルカメラ等の携帯型の電子機器1315に接続して、これらにエネルギを供給することができる。さらに、変流器1313は、テレビ、ステレオシステム、DVDプレーヤ、ブルーレイプレーヤ等の個人用のエンターテインメント装置1320に接続して、これらにエネルギを供給することができる。
【0046】
また、光源1325、例えば、電球、発光ダイオード(LED)、電球型蛍光ランプ(CFL)、又は当業者にとって明らかな他の光発生装置等に、変流器1314を接続してエネルギを供給することができる。さらに、サーバ装置1330、メインフレーム、又は他のネットワークコンピュータ装置に変流器1316を接続して、エネルギを供給することができる。
【0047】
さらに、家電製品1335,1340、例えば、ストーブ、オーブン、電子レンジ、冷蔵庫等に、変流器1318,1319を接続して電気を供給することができる。さらに、追加の変流器を用いて配電線1307から電流を取得し、当業者に明らかな任意の装置にエネルギを供給してもよい。
【0048】
他の実施形態では、上述した変流器を用いて、電気回路に接続された電気機器を識別するために利用可能な電圧波形及び電流波形を検出することができる。これらの電気回路は、建物の電力システムの分岐回路とすることができる。電気回路の統合された信号の波形成分を分解することにより、電気回路に接続された装置の電気的な特徴を明らかにすることができる。本開示の態様では、上述した変流器を用いて、電気回路の電流波形を検知することができる。
【0049】
図14は、本開示の態様に係るエネルギモニタを示す。エネルギモニタ1400は、CPU1401と、メモリ1404と、センサアレイ1402と、ベースバンドプロセッサ1403とを含むことができる。センサアレイ1402からのデータは、メモリ1404に送られ、CPU1401によって処理され、電力監視システム等の受信装置が使用するフォーマットに変換される。次いで、処理されたデータは、ベースバンドプロセッサ1403によって受信装置に送信され、LTE等の無線プロトコルを用いたストリーミングデータ又はバッチデータとして実現することができる。センサアレイ1402から記録されたデータには、60ヘルツ(Hz)等の特定のサンプルレートで通知された周波数、電圧、及び電力データが含まれる。代替的に、いくつかの実施形態では、電流データを通知してもよく、また、受信した電圧データ及び電流データに基づいて算出された電力データを通知してもよい。このデータは、履歴データ、ストリーミングデータ、又はその双方とすることができる。
【0050】
例示的な実施形態では、信号がセンサアレイのセンサ(例えば、変流器100/1000/1100/1200等)に入力され、センサの負荷抵抗のインピーダンスが、エネルギモニタによって測定される。測定されたインピーダンスに基づいて、値がテーブルに保存され、いずれのセンサが接続されているか検出することができる。このような実施形態により、設置されているセンサの種類を容易に判別できるため、センサの種類(例えば、200アンペア用の変流器、1000アンペア用の変流器等)に関する物理的な検査が不要になる。
【0051】
図15-1及び図15-2は、本開示の態様に係る変流器の回路1500を示すブロック図である。また、
図16A-1~図16C-2は、本開示の態様に係る変流器の制御部及び通信回路の一例を示す概略
図1600A~1600Cである。
【0052】
図15-1~
図16C-2を参照すると、電子装置パッケージは、限定ではないがPSoC(programmable system on chip)、他のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラム可能な装置等の制御部1505と、限定ではないがLVDS(low voltage differential signaling)又は他のシリアル/パラレル通信回路等の通信回路1605と、メモリ1610と、アンプと、ホール効果センサ1515と、デジタルバス1620とを含むことができる。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、電子装置パッケージに他の回路要素が含まれ得ることは明らかであろう。
【0053】
制御部1505は、1以上のアナログデジタルコンバータ(ADC)、限定ではないが16ビット又は他の分解能のADC等と、1以上のデジタルアナログコンバータ(DAC)、限定ではないが16ビット又は他の分解能のDAC等と、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリと、デジタル論理回路と、アナログ回路とを含むことができる。制御部1505は、限定ではないが通信及びデータサンプリング等の変流器の全体的な処理を制御することができる。
【0054】
図16Bを参照すると、シングルエンド信号がアダプタに供給され、インピーダンス制御及びLVDSを提供する差動ドライバに供給される。各出力信号は、2本のワイヤを必要とする。したがって、全ての信号の出力は、2本のワイヤを必要とする。変流器は、変流器のデジタルバスとメイン制御システムとの間の接続と、「デイジーチェーン」方式による他の複数の変流器のデジタルバスとのシリアル接続を可能にするコネクタをさらに含むことができる。
【0055】
例示的な実施形態では、複数のセンサ(例えば、変流器等)は、直接又は、センサの側面及び/又は前面から入力を受信可能なアダプタを介してデイジーチェーンを構築することができ、1つのセンサから出たワイヤを後続のセンサの端子ブロックに接続することができ、データのチャネルをエネルギモニタに提供することができる。このような接続により、エネルギモニタは、マイクロコントローラ内のアナログシステムを再ルーティングすることができるため、他のエネルギモニタのサイズを自動的に検出することができる。例示的な実施形態では、ユーザが、センサ(例えば、変流器(CT)等)を設置する場合、様々なセンサ(例えば、アンペア定格が200のCTとアンペア定格が1000のCT等)を、建物の電力システムの分岐回路に接続して、デイジーチェーンを構築することができる。ユーザは、センサから送信された情報に基づき、いずれのセンサがいずれの分岐回路に接続されているか、また、センサのアンペア定格を事後的に特定することができる。
【0056】
図17A及び
図17Bは、本開示の態様に係る例示的なホール効果センサ及び関連する回路を示す概略図である。上述したように、ホール効果センサは、上側フェライトコア及び下側フェライトコアの間の隙間に配置して、これらのコアの磁束を測定することができる。ホール効果センサから出力されたアナログ信号は、デジタル信号に変換されるため、制御部は、磁束の測定値を電流の測定値に変換することができる。
図17Bの例では、シングルエンド信号がアダプタに提供され、差動ドライバに送られ、インピーダンス制御及びLVD(low voltage differential)を提供する。全ての信号の出力は、2本のワイヤを必要とする。
【0057】
変流器は、複数のフェライトコアの少なくとも1つに接続された物理的な電気的接続を備え、通電導体の近接からフェライトコアの少なくとも1つの表面領域に発生する、当該コアに容量結合した小さな電圧を検知することができる。例えば、電子装置パッケージのプリント回路基板(PCB)のパッドをスプリングに取り付け、スプリングが、フェライトコアの少なくとも1つに接触して、フェライトコアとの電気的接続を提供することができる。フェライトコアが配置されるが、フェライトは半導体であるため、ワイヤとの間で容量結合が形成される。検知された電圧は、トランスインピーダンスアンプによって増幅され、制御部内のA/Dコンバータに送信される。検出された電圧は、個別に測定された既知の位相の線間電圧と相関するため、変流器が測定している電流の電圧位相を決定することができる。例えば、システムの動作中に、フェライトコアの小さな電圧を用いて、測定した電流と測定した線間電圧との相関を導出し、電力を決定することができる。
【0058】
分散サンプリング用の標準的なデジタルバスを有する従来のシステムでは、電圧測定値及び電流測定値は、整列しない。本開示の態様では、電圧測定値及び電流測定値は、同期して生成される。例えば、制御部は、開示されたシステムのデジタルバスを介して変換開始信号を送信することにより、変流器及び電圧測定装置に対し、それぞれ電流及び電圧を同期してサンプリングさせ、電圧測定値及び電流測定値を、同時かつ確定的に取得することができる。
【0059】
図18は、例示的な一実施形態に係るエネルギモニタ用のHDMI入力1800の一例を示す電子回路図である。
【0060】
図19は、本開示の態様に従って例示的な実施形態が適用されたシステムの一例を示す。図に示すように、このシステムは、建物又はエリアの電力線に沿って設置されたエネルギモニタ(Em)と、電気バス(Bで指定)とを含むことができる。イベント検出システムは、所望の実施形態(例えば、コンピュータ、データセンタ等)に応じた任意のシステムとすることができる装置である。例えば、上述した
図21に示すコンピュータ装置2105等のコンピュータ装置である。
【0061】
図19に示すように、信号、例えば変流器からの信号が、イベントモニタ(EM)に送信され、イベントモニタは、CT信号が故障イベント(例えば、監視対象の回路に接続された装置の異常な消耗)を示すか否か判断する。EMは、監視対象の信号をイベント検出システムに送信することができ、イベント検出システムは、後で分析するために信号を保存し、及び/又は障害の検出を通知する。
【0062】
イベント検出システムは、電力システムの複数のエネルギモニタを管理するように構成することができ、物理的な中央処理装置(CPU)1900と、データベース1901と、出力インタフェース(I/F)1902と、通信プロセッサ1903と、入力I/F1904と、短期メモリ1905(例えば、キャッシュ等)とを含むことができる。データベース1901は、エネルギモニタによって提供されるデータ測定値を管理するように構成された1以上の記憶装置とすることができる。出力I/F1902は、波形やイベント等の外部出力をイベント検出システムのオペレータに提供する。通信プロセッサ1903は、エネルギモニタからネットワーク1910を介してデータを受信し、初期処理を実行するインタフェースとして機能することができる。入力I/F1904は、キーボードやタッチスクリーン、マウス等を含むオペレータからの入力のためのインタフェースを提供する。短期メモリ1905は、エネルギモニタから送信されたデータを一時的に記憶するキャッシュとして機能することができる。
【0063】
図20は、別の例示的な実施形態に係るエネルギモニタを示す。エネルギモニタは、四角形のフォームファクタを備えることができ、また、CPU2001、シグナルプロセッサ2002、ベースバンドプロセッサ2003、及びメモリ2004を含む通信/デジタル層2000を含むことができる。エネルギモニタの第2のレベル2020からのデータは、デジタル信号の形式でシグナルプロセッサ2002に送信され、メモリ2004に送られ、CPU2001によって処理されて、電力監視システム等の受信装置が使用するフォーマットに変換される。次いで、処理されたデータは、ベースバンドプロセッサ2003によって受信装置に送信され、LTE等の無線プロトコルを用いたストリーミングデータ又はバッチデータとして実現される。シグナルプロセッサ2002から受信したデータには、60ヘルツ(Hz)等の特定のサンプリングレートで報告される周波数データ、電圧データ、及び電力データが含まれ得る。代替的に、いくつかの実施形態では、電流データを報告し、受信した電圧及び電流のデータに基づいて電力データを算出できる。このデータは、履歴データ、ストリーミングデータ、又はその双方とすることができる。
【0064】
通信/デジタル層2000が、プリント回路基板(PCB)2010に接続され、PCB2010は、通信/デジタル層2000から受信した異なる受信と、通信/デジタル層2000から取得したステータスに応じて、LEDを駆動するように構成されたLED光リング2011を含むことができる。
【0065】
第2のレベル2020は、デジタル信号を、アナログ/デジタルコンバータ2021を介して通信/デジタル層2000に提供するように構成されたアナログ信号システムを含むことができる。第2のレベル2020は、他のエネルギモニタから高電圧を離れる高電圧分離部2022と、電力線/電力グリッド/電力システムから電圧測定値及び他の測定値を受信するように構成された電力管理部2023とを含む。コネクタ2024は、電力線/電力グリッド/電力システムに接続されたセンサアレイ用のコネクタポートであり、HDMIコネクタポートとすることができる。センサアレイは、
図1~
図12を参照して説明した変流器等の1以上の変流器を含むことができる。
【0066】
上述したように、変流器は、HDMIケーブル等のケーブルで接続されたPSoC(Programmable System-on-Chip)1505を備えたクリップとすることができる。このクリップは、電力線/電力グリッド/電力システムの露出したワイヤに取り付けられるように構成できる。変流器は、磁気センサ(例えば、サンプリング(7260回/秒等)されたホール効果センサ)1515を含むことができ、電流を測定するために、完全に覆われた鉄材料を含むことができる。例示的な実施形態では、磁気センサに隙間を設けることができ、空気の誘電率によって電流の飽和を防止できるため、磁気センサの質量を減らし、センサを上記の
図1~
図12に示す変流器100/1000/1100/1200等のより小さなフォームファクタデバイスに配置することができる。
【0067】
例示的な実施形態では、PSoC1505は、マイクロコントローラであり、プログラムによってアナログサブモジュールを容易に再ルーティングすることができ、ボードに組み込まれたセンサからのデータを読み込むシリアルペリフェラルインタフェース通信を処理する。例示的な実施形態では、フェライトの間のセンサが、フェライトコアに含まれる磁束を測定し、サンプリングし、アナログ/デジタルコンバータにダンプする。例示的な実施形態では、アナログデジタルコンバータに入る物理的なタップが、フェライトコアに設けられる。そのような実施形態は、動作時に(例えば、システムのロード)、電圧線に対する容量結合の測定を容易にすることができる。そのような実施形態では、電圧の位相を人が決定することなく、エネルギモニタの位相を特定することができる。
【0068】
そのような実施形態では、クリップされた変流器の容量結合に基づいて、磁気センサ(例えば、ホール効果センサ1515)は、適用される位相増幅システムを実現するのに十分な表面積及び容量結合を有する。さらに、変流器は、短い時間、電圧信号に接続される容量結合を促進するのに十分なワイヤから距離を有しており、電圧信号を増幅することができる。このような信号の増幅により、エネルギモニタは、動作している電圧位相に関する信号を自動的に提供できる。
【0069】
例示的な実施形態では、エネルギモニタで使用される通信回路1605は、センサアレイ又は変流器とエネルギモニタの間のケーブルを介して受信した信号から、シュミットトリガを用いて、クロック信号を生成することができる。次いで、通信回路1605のソフトウェアが、サンプリングのクロックの基礎として利用可能なフェーズロックループ(PLL)を生成できる。このような実施形態では、シリアルペリフェラルインタフェースを用いて、シュミットトリガ用の入力電圧周波数を組み込むことができる。
【0070】
例示的な実施形態では、エネルギモニタは、複数のデータサンプルを同時に受信する必要がある。このため、エネルギモニタは、シュミットトリガ及びPLLに基づき、全てのセンサ(CT等)に対し、同期したサンプリングを指示することができる。次いで、サンプルに関し、通信回路1605は、そのサンプルをシフトレジスタに送り、全てのシステムが、シフトレジスタ内にデータを保持すると、通信回路1605は、データを出力し、待機し、そして、次のサイクルの次のサンプルのために動作する。
【0071】
例示的な実施形態では、特定のコマンドがエネルギモニタに対して発行されるコマンドモードがある。エネルギモニタは、いずれの回路にエネルギモニタが接続されているかを示すインタフェースとしてのLEDを備え、設置する者は、システムを視覚的に確認することができる。
【0072】
データ取得モードでは、例示的な実施形態は、超高速のデジタルバスを備え、特に、入力される電圧が物理的に遠いため、全てのデータを同期してサンプリングする必要がある。データを整列させるために、物理的な不均等に関わらず、全てのデータを同じマイクロ秒で正確に瞬時に循環させる必要がある。これは、整列させるための条件であり、起動シーケンスをロードするために必要である。
【0073】
例示的な実施形態では、エネルギモニタは、そのシリアル番号と、エネルギモニタのチェーンに沿った位置を把握する。このようなデータは、ソフトウェアで設定可能なレジスタに保存され、レジスタは、起動時に全ての詳細をエネルギモニタに通知する。機械的に動作するフェライトセンサが存在するため、フェライトの位置と磁束の強さは、機械的な動作と共に変化する。工場における各エネルギモニタのキャリブレーションでは、システムにおいて試験電流がシミュレーションされ、そのキャリブレーションが、センサに組み込まれる。したがって、エネルギモニタがシステムに接続されると、エネルギモニタは、電流帯域(例えば、0.1アンペア、0.5アンペア、1アンペア、3アンペア、10アンペア、20アンペア)について、スケーリングファクタを使用する。これらの既定のスケーリングファクタは、フェライトとセンサの各組み合わせに関連付けられ、ソフトウェアで設定可能なレジスタに保存される。
【0074】
図21は、いくつかの例示的な実施形態に適した例示的なコンピュータ装置2105を含む例示的なコンピュータ環境2100を示す。コンピュータ環境2100内のコンピュータ装置2105は、1以上の処理部、コア又はプロセッサ2110、メモリ2115(例えば、RAM及び/又はROM等)、内部記憶装置2120(例えば、磁気式記憶装置、光学式記憶装置、ソリッドステートストレージ、及び/又はオーガニックストレージ)、及び/又は入出力インタフェース2125を含むことができ、これらは、情報を通信するための通信機構又はバス2130に接続することができ、または、コンピュータ装置2105に組み込むことができる。
【0075】
コンピュータ装置2105は、入力/インタフェース2135及び出力装置/インタフェース2140に通信可能に接続することができる。入力/インタフェース2135及び出力装置/インタフェース2140の一方又は双方は、有線インタフェース又は無線インタフェースとすることができ、また、取り外しができる。入力/インタフェース2135には、任意の装置、コンポーネント、センサ、若しくはインタフェース、又は、入力情報を提供可能な物理的又は仮想的なもの(ボタン、タッチスクリーンインタフェース、キーボード、ポインティング/カーソルコントロール、マイク、カメラ、ブライユ、モーションセンサ、光学式リーダ等)が含まれる。
【0076】
出力装置/インタフェース2140には、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカ、ブライユ等が含まれる。いくつかの例示的な実施形態では、入力/インタフェース2135(例えば、ユーザインタフェース)及び出力装置/インタフェース2140は、コンピュータ装置2105に組み込み、または、コンピュータ装置2105に物理的に接続できる。他の例示的な実施形態では、他のコンピュータ装置が、コンピュータ装置2105の入力/インタフェース2135及び出力装置/インタフェース2140として機能し、または、これらの機能を提供してもよい。これらの要素には、ユーザがAR環境と相互作用することが可能な周知のARハードウェア入力が含まれるが、これらに限定されない。
【0077】
コンピュータ装置2105の例には、高機能のモバイル装置(例えば、スマートフォン、自動車や他の機械に設置される装置、人や動物によって運ばれる装置等)、モバイル装置(例えば、タブレット端末、ノート型コンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ポータブルテレビ、ラジオ等)、及び携帯用に設計されていない装置(デスクトップコンピュータ、サーバ装置、その他のコンピュータ、インフォメーションセンタ、1以上のプロセッサが組み込まれ及び/又は接続されたテレビ、ラジオ等)が含まれるが、これらに限定されない。
【0078】
コンピュータ装置2105は、任意の数のネットワーク接続されたコンポーネント、ネットワーク装置、及び、構成が同一又は異なる1以上のコンピュータ装置を含むシステムと通信するため、(例えば、入出力インタフェース2125を介して)外部記憶装置2145及びネットワーク2150に通信可能に接続される。コンピュータ装置2105又は接続された任意のコンピュータ装置は、サーバ、クライアント、シンサーバ、汎用マシーン、専用マシーン、又は別のラベルとして機能し、これらのサービスを提供し、又はこれらとして参照される。
【0079】
入出力インタフェース2125には、コンピュータ環境2100内の少なくとも全てのネットワーク接続されたコンポーネント、装置、及びネットワークと情報を通信するため、任意の通信プロトコル、通信標準、入出力プロトコル、又は入出力標準(例えば、イーサネット(登録商標)802.11xs、USB、WiMAX(登録商標)、モデム、携帯電話ネットワーク等)を利用する有線インタフェース及び/又は無線インタフェースが含まれるが、これらに限定されない。ネットワーク2150は、任意のネットワーク又はネットワークの組み合わせ(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、電話ネットワーク、携帯電話ネットワーク、衛星ネットワーク等)とすることができる。
【0080】
コンピュータ装置2105は、一時的な媒体及び非一時的な媒体を含むコンピュータ使用可能な媒体又はコンピュータ可読媒体を使用し、及び/又は、これらを使用して通信することができる。一時的な媒体には、伝送媒体(金属ケーブルや光ファイバ等)、信号、搬送波等が含まれる。非一時的な媒体には、磁気媒体(ディスクやテープ等)、光学媒体(CD ROM、DVD、ブルーレイディスク等)、ソリッドステートメディア(RAM、ROM、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ等)、及び他の不揮発性記憶装置又は揮発性記憶装置が含まれる。
【0081】
いくつかの例示的なコンピュータ環境では、コンピュータ装置2105を用いて、技術、方法、アプリケーション、処理、又はコンピュータ実行可能な命令を実施できる。コンピュータ実行可能な命令は、一時的な媒体から読み出し、また、非一時的な媒体に格納して読み出すことができる。実行可能命令には、プログラミング言語、スクリプト言語、及び機械言語(C、C++、C#、Java(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Python、Perl、JavaScript(登録商標)等)のうちの1以上を用いて生成することができる。
【0082】
1以上のプロセッサ2110は、現実の環境又は仮想環境において、任意のオペレーティングシステム(OS)(図示せず)の制御下で実行できる。1以上の応用例が可能であり、これらには、論理部2155、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)部2160、入力部2165、出力部2170、センサ処理部2175、電圧測定部2180、及び容量結合部2185、並びに、異なる機能部がOSや他のアプリケーション(図示せず)を用いて相互に通信するための通信機構2195が含まれる。
【0083】
例えば、センサ処理部2175、電圧測定部2180及び容量結合部2185は、上述した1以上の例示的な実施形態の態様である。説明した機能部及び構成要素は、設計、機能、構成、又は実装が様々であり、上述した説明に限定されない。
【0084】
いくつかの例示的な実施形態では、API部2160が情報又は実行命令を受信すると、これらの情報又は実行命令は、1以上の他の機能部(例えば、モデルセンサ処理部2175、電圧測定部2180、及び容量結合部2185)に送信される。
【0085】
いくつかの例では、論理部2155が、機能部の間の情報の流れを制御し、上述した実施形態のAPI部2160、入力部2165、センサ処理部2175、電圧測定部2180、及び容量結合部2185が提供するサービスを指示するように構成できる。例えば、1以上の処理又は実装の流れは、論理部2155のみが制御し、又は論理部2155及びAPI部2160が制御してもよい。
【0086】
上述した詳細な説明では、ブロック図、概略図及び例を用いて、装置及び/又は処理の様々な実施形態等について説明している。そのようなブロック図、概略図及び例が1以上の機能及び/又は処理を含む限りにおいて、そのようなブロック図、フローチャート又は例における各機能及び/又は処理は、様々なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの実質的な組み合わせにより、個別及び/又は複合的に実施することができる。一実施形態では、本内容は、ASICを用いて実施することができる。しかしながら、本明細書に開示された実施形態は、全体的又は部分的に、1以上のプロセッサによって実行される1以上のプログラムとして、1以上のコントローラ(マイクロコントローラ等)によって実行される1以上のプログラムとして、ファームウェアとして、又はこれらの実質的な任意の組み合わせとして、標準的な集積回路を用いて同様に実施することができる。
【0087】
特定の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示であり、保護の範囲を限定するものではない。実際、本明細書で説明した新規の方法及び装置の形態は、様々な他の形態で具現化することができる。さらに、保護の精神から逸脱することなく、本明細書に記載した方法及びシステムを様々に省略し、置換し、及び変更することができる。付随する実施形態及びこれに均等な実施形態は、そのような形態又は変形例を包含するものであり、保護の範囲及び精神に含まれる。