(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】有機化合物における、または、関する改善
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20240531BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20240531BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240531BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240531BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20240531BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240531BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20240531BHJP
C11D 3/382 20060101ALI20240531BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20240531BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20240531BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20240531BHJP
B01J 13/02 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/11
A61Q5/02
A61Q5/12
A61Q13/00
A61Q19/10
C11D3/20
C11D3/382
C11D3/50
C11D17/08
C11B9/00 Z
B01J13/02
(21)【出願番号】P 2020548788
(86)(22)【出願日】2019-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2019055722
(87)【国際公開番号】W WO2019175017
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-03-02
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルガレリ,ネリー
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン,イアン,マイケル
【審査官】片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/134179(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/096790(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0031722(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0175052(US,A1)
【文献】特開平06-219920(JP,A)
【文献】特表平06-508105(JP,A)
【文献】特表2017-538688(JP,A)
【文献】特開平11-180818(JP,A)
【文献】特表2015-519312(JP,A)
【文献】国際公開第2003/043609(WO,A1)
【文献】牛山徹哉,微細化澱粉の構造解析とマイクロカプセル化wall素材利用,北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2017年02月08日,https://www.agr.hokudai.ac.jp/gs/master/2017/17034001.pdf[retrieved on 2023-02-09]
【文献】清水直人,米澱粉のナノスケール加工技術の開発と機能性マイクロカプセル化の検討,日本食品工学会誌,第18巻第1号,2017年,https://secure01.blue.shared-server.net/www.jsfe.jp/journal/kaiho/18/1801.pdf[retrieved on 2023-02-09]
【文献】Jason Z. Li,The Use of Starch-Based Materials for Microencapsulation,Microencapsulation in the Food Industry,2014年,p.195-210
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
C11D1/00-19/00
C11B1/00-15/00
C11C1/00-5/02
B01J13/00-22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸濁媒体に少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルを含むケラチン基質への沈着のための組成物であって、前記マイクロカプセルが、コア、および前記コアのまわりにシェルを含み、シェルが、アミロペクチン、デキストリン、高分岐のデンプン、グリコーゲン、およびフィトグリコーゲン、およびそれらの混合物からなる群から選択される高分岐の多糖類を含み、高分岐の多糖類が、主鎖、主鎖に付着した1以上の第2鎖、および、少なくとも1つの第2鎖に付着した1以上の第3鎖を含み、および高分岐の多糖類の量が、
ケラチン基質への沈着のための懸濁媒体に少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルを含む組成物の総重量を参照し、0.01から1wt%までであ
り、高分岐の多糖類が、マイクロカプセルシェルの中に包埋された、またはマイクロカプセルシェルに包埋および付着された前記組成物。
【請求項2】
高分岐の多糖類における1,6’-グリコシド結合の1,4’-グリコシド結合に対する比率が、1/50より大きい、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
高分岐の多糖類の量が、マイクロカプセル懸濁体の総重量を参照し、0.02から0.5wt%までである、請求項1
または2に記載の組成物。
【請求項4】
コアが、フレグランス成分、コスメティック成分、またはそれらの混合物を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルのシェルが、熱硬化性樹脂を含む、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
-懸濁媒体において、コア材料の液滴を、シェル-形成モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体の存在下分散させ、エマルジョンを得る、
-モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体に、液滴と懸濁媒体との界面にて反応を引き起こさせ、コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを得る、
-高分岐の多糖類を添加する、
-高分岐の多糖類が、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中に、および/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着されている、コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを含む組成物を得る、
-スラリーに、1以上の、懸濁化剤または防腐剤を任意に添加する、
-任意に、スラリーを脱水させ、コア-シェルマイクロカプセルの組成物を形成する、
ステップを含む、高分岐の多糖類を、マイクロカプセルシェルの中に、および/またはマイクロカプセルシェルに、包埋および/または付着させる、
高分岐の多糖類が、アミロペクチン、デキストリン、高分岐のデンプン、グリコーゲン、およびフィトグリコーゲン、およびそれらの混合物からなる群から選択され、および
高分岐の多糖類が、主鎖、主鎖に付着した1以上の第2鎖、および、少なくとも1つの第2鎖に付着した1以上の第3鎖を含み、および
高分岐の多糖類の量が、
コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを含む組成物の総重量を参照し、0.01から1wt%までである方法。
【請求項7】
請求項
6に記載の方法により得ることができるマイクロカプセル。
【請求項8】
少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルの、
ケラチン基質の表面への沈着を高めるための方法であって、方法が、高分岐の多糖類を、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中に、および/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させるステップ、請求項
6に記載の方法を含む、前記方法。
【請求項9】
少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルの、
ケラチン基質の表面へ沈着された少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルのすすぎ耐性を増加させるための方法であって、方法が、請求項
6に記載の方法による、高分岐の多糖類を、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中に、および/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させるステップを含む、前記方法。
【請求項10】
高分岐の多糖類を、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、
包埋させること、または包埋およ
び付着させることにより、請求項
6に記載の方法により、少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルの、
ケラチン基質の表面への沈着を高めるための、高分岐の多糖類の使用。
【請求項11】
高分岐の多糖類を、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中に、および/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させることにより、請求項
6に記載の方法により、表面へ沈着された少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルのすすぎ耐性を増加させるための、高分岐の多糖類の使用。
【請求項12】
請求項1~
5のいずれか一項に記載の組成物を含む、消費者製品。
【請求項13】
消費者製品が、シャンプー、ヘアケアコンディショナー、シャワージェルまたは液体石鹸である、請求項
12に記載の消費者製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン基質への改善された沈着、およびこれら基質へ沈着されると改善されたすすぎ耐性を表す、コア-シェルマイクロカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
カプセル化された機能的材料を、ハウスホールドケア、パーソナルケア、およびファブリックケア製品などの消費者製品に組み込むことは知られている。機能的材料は、例えばフレグランス、コスメティック剤、薬物、および基質エンハンサーを包含する。
かかる機能的材料の送達のために具体的に好適なマイクロカプセルは、コア-シェルマイクロカプセルであり、ここでコアは大抵、機能的材料を含み、および、シェルは、機能的材料を通さないまたは部分的に通さない。大抵、これらのマイクロカプセルは、水性媒体において使用され、およびカプセル化された成分は疎水性である。シェル材料の広い選択が使用することができ、ただしシェル材料は、カプセル化された成分を通さないまたは部分的に通さない。
【0003】
機能的材料の中で、フレグランス組成物は、様々な理由でカプセル化される。マイクロカプセルは、消費者製品ベースなどの、外部の懸濁媒体から香料成分を隔離および保護することができ、ここでそれらは非親和性または不安定である。それらはまた、香料成分の、スキン、ヘア、ファブリック、または固いハウスホールド表面などの基質への沈着を助けるためにも使用される。それらはまた、香料の放出の時間空間を制御する手段としても作用し得る。
熱硬化性樹脂は、香料組成物のための、一般的なカプセル化材料である。アミノプラスト樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリラート樹脂、およびそれらの組み合わせから形成されるコア-シェルマイクロカプセルは、一般に、水性懸濁媒体において、界面活性剤含有媒体においてさえ分散されるとき、フレグランスの漏出に極めて耐性である。さらにまた、洗濯洗浄剤またはコンディショナーなどの消費者製品に組み込まれるとき、それらは、香料がこれらの製品に直接組み込まれる場合に達成不可能である香料の利点を提供する。
【0004】
多くの実例において、しかしながら、滑らかな表面およびとくにスキンおよびヘアなどのケラチン表面への沈着および接着は、不充分であり、およびマイクロカプセルの使用に関連する期待される利点は最適ではない。これは、大量の水が関わるリンスオフ製品に、とくに当てはまる。このケースにおいて、沈着の欠如は、マイクロカプセルが沈着を意図する表面を見つける可能性が低いレベルに、マイクロカプセルが希釈されていることに起因し得る。大量のすすぎ水もまた、マイクロカプセルを表面から洗い落とし得る。
US 2012/0282309 A1は、アニオン性ポリアクリラートマイクロカプセル、および、カチオン性沈着ポリマーまたはアミノシリコーンなどの沈着補剤を含有するヘアコンディショナー組成物を開示する。US 8,927,026 B2は、アニオン性ポリアクリラートマイクロカプセルおよびカチオン性沈着ポリマーを含有するシャンプー組成物に関する。
【0005】
これらの場合の両方において、マイクロカプセルは、アニオン性界面活性剤でコートされ、および、カチオン性ポリマーは、シャンプーまたはコンディショナーベースに添加される前に、コートされたマイクロカプセルでプレミックスを形成することにより添加される。かかるアプローチは複雑であり、および、プレミックスおよびシャンプーまたはコンディショナーベースを混和する間、プレミックスにおけるマイクロカプセルの凝集および相分離などの、静電誘導による非親和性の問題につながり得る。これは、最終製品の特性に影響を与え得る、および、マイクロカプセルが使用される最終製品の組成物を改変することを要求し得る。
【発明の概要】
【0006】
したがって、先行技術における上述の欠点を克服することは、本発明の根本にある課題である。とりわけ、ケラチン基質への改善された沈着、およびこれら基質へ沈着されると改善されたすすぎ耐性を表すマイクロカプセルを提供することは、本発明の根本にある課題である。マイクロカプセルは、低価および製造において単純、および用途に関して多目的であるべきである。それらの使用に関連して、製品の全くなにも、またはほんの最小限の改変のみが要求されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、例3で得られたシャンプーおよびヘアケアコンディショナー組成物の沈着およびすすぎ耐性を示す。
【0008】
本発明の第1の側面において、懸濁媒体に少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルを含む組成物が提供される。マイクロカプセルは、コア、およびコアのまわりにシェルを含む。シェルは、アミロペクチン、デキストリン、高分岐のデンプン、グリコーゲンおよびフィトグリコーゲン、およびそれらの混合物からなる群から選択される高分岐の多糖類を含む。
本発明の文脈において、用語「高分岐の多糖類」、またはより一般に「高分岐のポリマー」は、主鎖または核、主鎖または核に付着した1以上の第2鎖、および、少なくとも1以上の第2鎖に付着した1以上の第3鎖を含むポリマーを指す。
【0009】
典型的には、第2鎖は、それに付着した1以上の第3鎖を有するが、あいまいさを回避するために、高分岐のポリマーにおけるいくつかの第2鎖は、それに付着した第3鎖を有しなくてもまたよい。高分岐のポリマーにおける第2鎖の、好ましくは少なくとも10%、好ましくは20%より多く、なおより好ましくは25%より多くは、それに付着する1以上の第3鎖を有する。
本発明は、高分岐の多糖類をコア-シェルマイクロカプセルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルに、包埋および/または付着させることはが、コア-シェルマイクロカプセルの、とりわけスキンまたはヘアなどのケラチン表面への沈着およびすすぎ耐性を改善するという発見に基づく。
【0010】
とりわけ、改善された沈着およびすすぎ耐性は、コア-シェルマイクロカプセルが、シャンプー、シャワージェル、石鹸および洗浄剤などのリンスオフ消費者製品、およびコンディショニング組成物、例えばファブリックケアコンディショナーまたはヘアケアコンディショナーを用いて、スキンまたはヘアに適用されるとき観測される。
この知見は、高分岐のポリグリセロールで処理された表面は、細胞およびタンパク質接着に耐性であり、バイオフィルム形成に対して良好な保護を提供する、例えばY. Zhou et al., Adv. Mater. 2010, 22, 4567-4590を参照、ことが知られているので、驚きであった。
【0011】
高分岐の多糖類の上記の枝分かれの度合いを特徴づける好適なやり方は、1,6’-グリコシド結合の1,4’-グリコシド結合に対する比率を参照することである。
本発明の特定の態様において、高分岐の多糖類における1,6’-グリコシド結合の1,4’-グリコシド結合に対する比率は、1/50より大きい、より具体的には1/40より大きい、なおより具体的には1/35より大きい。1,6’-グリコシド結合の1,4’-グリコシド結合に対する1/50より小さい比率を有する高分岐の多糖類の特性は、線状多糖類のそれと同様であり、およびしたがって、本発明のために好適でない。とりわけ、線状多糖類をもつマイクロカプセルスラリーの粘度は、一定の多糖類分子量にて、1,6’-グリコシド結合の1,4’-グリコシド結合に対する比率を減少させるとともに強く上昇し、スラリーをより非流動性にし、および最終製品に組み込むことをより困難にする。
【0012】
本発明の文脈において、高分岐のポリマーは、マイクロカプセルシェルに包埋および/または付着され得る。とりわけマイクロカプセルシェルに包埋および/または付着される高分岐のポリマーの量は、マイクロカプセル懸濁体の総重量を参照し、0.01から1wt%まで、より具体的には0.02から0.5wt%まで、およびなおより具体的には0.05から0.25wt%までであり得る。より低い量にて、高分岐のポリマーは有効ではない一方、より高い量にて、マイクロカプセルの表面は飽和であり、およびそれより多くの高分岐のポリマーがそれの中に組み込まれることができない。これは、マイクロカプセルスラリーの粘度の上昇、またはスラリーにおける相分離などの、望ましくない効果をもたらし得る。
コアは、フレグランス成分、コスメティック成分、またはそれらの混合物を含み得る。
【0013】
本発明の有利な態様において、少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルのシェルは、熱硬化性樹脂、とりわけアミノプラスト樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリアクリル樹脂、およびそれらの混合物からなる群から選択される熱硬化性樹脂を含む。これらの樹脂は、小さいおよび/または揮発性機能的材料のカプセル化のために具体的に好適であると、当該技術分野において周知である。
【0014】
本発明の第2の側面において、
-とりわけ乳化剤を含む、懸濁媒体において、コア材料の液滴を、シェル-形成モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体の存在下分散させ、エマルジョン、とりわけ水中油エマルジョンを得る、
-モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体に、液滴と懸濁媒体との界面にて反応を引き起こさせ、コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを得る、
-高分岐のポリマーを添加する、
-高分岐のポリマーが、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着されている、コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを含む組成物を得る、
-スラリーに、1以上の、懸濁化剤または防腐剤を任意に添加する、
-任意に、スラリーを脱水させ、コア-シェルマイクロカプセルの組成物を、とりわけ粉末の形態で形成する、
ステップを含む、高分岐のポリマーを、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させる方法が提供される。
【0015】
注目すべきことに、高分岐のポリマーの添加は、シェル-形成モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体が、反応を引き起こす前、これらの材料の反応の間、または反応の完結の後で成立する。高分岐のポリマーの全量は、1つの操作において添加されてもよく、または、それは連続しておよび/または分けて(portion-wise)添加されてもよい。
本発明の特定の態様において、高分岐のポリマーは、高分岐のポリグリセロール、高分岐のポリエリトリトール、および高分岐の多糖類からなる群から選択される。これらの高分岐のポリマーは、天然において幅広く広まっている、および/または非毒性、ならびに完全に生分解性であるという利点を有する。
【0016】
本発明のさらに特定の態様において、高分岐の多糖類は、アミロペクチン、デキストリン、高分岐のデンプン、グリコーゲンおよびフィトグリコーゲンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。これらのポリマーは、商業的に容易に入手可能であるという利点を有する。
さらにまた、本発明は、上記の方法により得ることができるマイクロカプセル、とりわけコア-シェルマイクロカプセルを指す。本発明はまた、懸濁媒体に少なくとも1つのかかるマイクロカプセルを含む組成物を指す。
【0017】
本発明の第3の側面において、少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルの、表面、とりわけケラチン表面への沈着を高める方法であって、方法が、高分岐のポリマーを、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させるステップを含む前記方法が提供される。有利には、これは、上記のとおりの、高分岐のポリマーを、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させるための方法により達成される。本発明はまた、高分岐のポリマーを、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させることにより、とりわけ上記の方法により、少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルの、表面、とりわけケラチン表面への沈着を高めるための、高分岐のポリマーの使用を指す。
【0018】
本発明の第4の側面において、少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルの、表面、とりわけケラチン表面へ沈着された少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルのすすぎ耐性を増加させる方法であって、方法が、高分岐のポリマーを、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させるステップを含む、前記方法が提供される。有利には、これは、上記のとおりの、高分岐のポリマーを、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させるための方法により達成される。本発明はまた、高分岐のポリマーを、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、包埋および/または付着させることにより、とりわけ上記の方法により、表面、とりわけケラチン表面へ沈着された少なくとも1つのコア-シェルマイクロカプセルのすすぎ耐性を増加させるための、高分岐のポリマーの使用を指す。
【0019】
さらにまた、本発明は、本明細書に上述のとおりの組成物を含む消費者製品を指す。消費者製品は、シャンプー、ヘアケアコンディショナー、シャワージェルまたは液体石鹸でもよい。
高分岐のポリマーが核から生じる場合、核は、第2鎖が付着していてもよい2以上の化学的機能を有してもよい。以下において、これは、多機能的核と称される。第2鎖は、核化学的機能から、重合により成長してもよく、または接合により核化学的機能に付着されてもよい。多機能的核は、グリセロール、エリトリトール、グリシドール、2,2-ビスメチロール-プロピオン酸、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン酸、エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリエチレングリコールトリ(メタ)アクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート、フラノース(フルクトースなど)、1,2-ジ(オキシラン-2-イル)エタン-1,2-ジオール、またはピラノース(グルコースなど)を包含してもよい。
【0020】
本発明の好ましい態様において、多機能的核は、グリセロール、エリトリトール、グリシドール、フラノース、ピラノース、およびグリコゲニンからなる群から選択される。
具体的な態様において、高分岐のポリマーは、第2の第3鎖およびより高いオーダーの鎖を含み、ここで第2鎖は、主鎖または核に付着されている。第1、第2、第3、およびより高いオーダーの鎖は、1以上の官能基、好ましくはヒドロキシ、アミン、グリシジル、イソシアナート、ビニルおよび(メタ)アクリロイルなどの複数の官能基を有する多官能性ポリマーでもよい。
本発明の好ましい態様において、第1、第2、第3、およびより高いオーダーの鎖は、複数のヒドロキシ基を有してもよく、およびポリグリセロール、ポリエリトリトールおよび多糖類からなる群から選択される。
【0021】
多糖類鎖は、様々な糖部分および糖に由来する部分を含んでもよい。糖部分は、グルコース、ラムノース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、フコース、アピオース、およびフルクトースなどのピラノースおよびフラノースを包含してもよい。糖に由来する部分は、脱水ピラノース、脱水フラノース、グルクロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、およびスルファトガラクトースを包含してもよい。鎖は、異なる糖部分および糖に由来する部分を含んでもよい。
ある態様において、多糖類鎖は、グルコースなどのピラノースモノマーを含む。
具体的な態様において、ピラノースモノマーは、グルコースである。典型的には、多糖類鎖における2つのグルコース環の間の共有結合は、環の1つのC1炭素上のヒドロキシル基と、他の環のC4’炭素のヒドロキシル基との間で形成され(1,4’グリコシド結合と称され)、a-D-グルコースが関与する場合にデンプン-ベースのポリマーを、またはβ-D-グルコースが関与する場合にセルロース-ベースのポリマーを産生する。
【0022】
他方、多糖類鎖上の分岐は、大抵、第1の鎖上に位置付けられる任意の環のC1炭素上に位置付けられるヒドロキシル基、および第2鎖上に位置付けられる任意の環のC6’炭素、C3’炭素、またはC2’炭素上に位置付けられるヒドロキシル基に関与し、所謂1,6’-グリコシド結合、1,3’-グリコシド結合または1,2’-グリコシド結合を産生する。
具体的に好ましい高分岐の多糖類は、アミロペクチン、グリコーゲン、フィトグリコーゲン、および酵素的に分岐のデンプンからなる群から選択されてもよい天然の多糖類のものを包含する。これら多糖類ポリマーは、1,6’-、1,3’-および1,2’-結合により互いに連結した1,4’-結合されたピラノースの鎖の存在により特徴づけられる。
【0023】
アミロペクチンは、主鎖(または最初のオーダーの鎖)、第2鎖(または第2のオーダーの鎖)、第3鎖(または第3のオーダーの鎖)、および、オーダーXの各鎖が、最初のグルコースによりオーダーX-1の鎖に付着されるように互いに連結されたより高いオーダーの鎖をもつ、1,4’-グリコシド結合により互いに結合されたα-D-グルコースユニットの鎖の木のような樹状の配置により特徴づけられ、ここで分岐に関与する大部分の結合は1,6’-グリコシド結合である。1,6’-グリコシド結合の1,4’-グリコシド結合に対する比率は、典型的には約1/30と約1/24との間である。
アミロペクチン部分に関与するピラノースユニットの数は、デンプン供給源の起源による。例えば、トウモロコシデンプンのアミロペクチン部分に関与する結ばれたピラノースユニットの数は、280と35,000との間であり、一方、ジャガイモデンプンのアミロペクチン部分に関与する結ばれたピラノースユニットの数は、1,100と220,000との間である。
【0024】
アミロペクチンの酸または酵素分解は、高分岐のデキストリンの形成につながる。これらのデキストリンは、1,2’-グリコシド結合および1,3’-グリコシド結合をさらに含んでもよい。これらのデキストリンもまた、本発明のため有用である。
グリコーゲンおよびフィトグリコーゲンは、分岐が互いに連結するやり方においてアミロペクチンと同様であるが、分岐の大体球状の樹状配置により、および、アミロペクチンと比較してより高い分岐密度により特徴づけられる。アミロペクチンにおける1,6’-グリコシド結合の1,4’-グリコシド結合に対する比率は、典型的には1/12と1/8との間である。
グリコーゲン分岐酵素(識別番号:EC2.4.1.18、グルクロノシルトランスフェラーゼともまた称される)で酵素処置に供されたデンプンは、1,6’-グリコシド結合の1,4’-グリコシド結合に対する比率を、典型的には約1/30と約1/24との間に有し、およびしたがって、また本発明のためにも有用である。例えば、高分岐のデンプンは、デンプンまたはデンプン誘導体を部分的または完全にゼラチン化した形態で、グリコーゲン分岐酵素(識別番号:EC2.4.1.18)で処理することにより得られる。高分岐のデンプンは、6%、好ましくは6.5%の度合いの分子の分岐を有する。分子の分岐の度合いは、α-1,6-およびα-1,4-グリコシドの繋がりの合計の、α-1,6-グリコシドの繋がりのパーセンテージ(α-1,6/(α-1,6+α-1,4)×100%)として定義される。
多糖類における1,6’-グリコシド結合のレベルは、イソアミルを使用する生成物の酵素的な脱分岐の前および後の還元末端の量の差を測定することにより決定されてもよい(例えばY. Takeda et al., Carbohydr. Res. 1993, 240, 253-263参照)。
【0025】
オクテニルコハク酸無水物(OSA)またはドデセニルコハク酸無水物(DDSA)で官能化されたデンプンなどの疎水性に修飾されたアミロペクチン豊富なデンプンもまた、本発明のため有用である。典型的には、これらの修飾されたデンプンは、乾燥デンプンの、1と10との間の重量%の置換グレードを有する。
本発明に従って有用であり得る他の特定の高分岐のポリマーは、ポリグリセロール、ポリエリトリトール、ポリ(3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン)およびポリ(2-ヒドロキシメチルオキセタン)などの合成のポリ(ポリオール)、ポリ(1,6-アンヒドロ-β-D-グルコ(マンノ,ガラクト)ピラノース)、ポリ(5,6-アンヒドロ-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-グルコフラノース)高分岐のポリエーテルケタールグリコポリマー、ポリ(3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン酸)、ポリ(2,2-ジ(オキシラン-2-イル)プロパノイル塩化物、またはポリ(エーテル-コ-エステル)高分岐のポリマーなどの高分岐のポリマーからなる群から選択されてもよい。
【0026】
本発明の具体的な態様において、コア-シェルマイクロカプセルは、コア-シェルマイクロカプセルを含有するスラリーを調製し、およびスラリーに高分岐のポリマーを、それがマイクロカプセルの表面に吸着する目的で添加することにより形成されてもよい。
別の具体的な態様において、高分岐のポリマーは、高分岐のポリマーを、新生のマイクロカプセルのスラリーに添加すること、および、それらが形成する際に新生のコア-シェルマイクロカプセルのシェルの中におよび/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに、高分岐のポリマーを包埋および/または付着させることにより、コア-シェルマイクロカプセル中に組み込まれてもよい。
【0027】
本発明の文脈において、用語「新生の(nascent)」は、それがマイクロカプセルを指すとき、形成されているプロセス中のマイクロカプセル、およびここで界面重合、ポリ付加、重縮合、ラジカル重合、開環重合、等などのシェル形成反応が起きているマイクロカプセルを説明する。
これらのシェル形成プロセスにおいて、反応場所は典型的には、液滴が分散される外部水相から疎水性コア材料の液滴を分離する界面である。典型的なマイクロカプセル化プロセスにおいて、この界面は、界面活性剤またはポリマー乳化剤により安定化されている。
本発明の具体的な態様において、高分岐のポリマーは、マイクロカプセルシェル-形成プロセスの間に添加され、マイクロカプセル化が進行する際に、ポリマーがシェルの中に物理的に包埋されるようになる。
【0028】
より具体的な態様において、本発明の組成物は、以下のステップを含む方法に従って形成されてもよい:
a)乳化剤を含む水相中に、機能的材料の液滴を、シェル-形成モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体の存在下分散させ、水中油エマルジョンを形成する、
b)モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体に、液滴と懸濁媒体との界面にて反応を引き起こさせ、新生のコア-シェルマイクロカプセルのスラリーを形成する、
c)高分岐のポリマーを新生のマイクロカプセルのスラリーに添加し、コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを含む組成物を形成する、ここで、高分岐のポリマーは、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中に包埋されている、
d)スラリーに、1以上の、懸濁化剤または防腐剤、または他の任意の従来の賦形剤を任意に添加する、
e)任意に、スラリーを脱水させ、コア-シェルマイクロカプセルの組成物を粉末の形態で形成する。
【0029】
ステップa)を行う際に、混合装置およびの混合スピードは、任意の所望される液滴サイズを提供するために、それ自体知られる仕方で制御されてもよい。プロペラ、タービン、Mig撹拌器などのピッチドビームをもつクロスビーム撹拌器での混合は、効果的であり得る。典型的には、エマルジョンは、ピッチドビームをもつクロスビーム撹拌器を備え、および、0.7のリアクター直径比率に対する撹拌器直径を有する、1リットルの体積を有する槽に関しては、100~2000rpm、より具体的には250から1500rpmまで、およびなおより具体的には500rpmから1000rpmまでの間隔内の撹拌スピードにて形成される。撹拌器装置は、タービン、Mig撹拌器を含んでもよい。しかしながら当業者は、かかる撹拌条件は、かかる撹拌条件は、リアクターのサイズおよびスラリーの体積、撹拌器の直径とリアクターの直径の比との比率に対する撹拌器の正確な形状に応じて変化してもよいことを理解するだろう。例えば、0.5から0.9までの撹拌器と反応器の直径の比率、および、0.5から9トンまでの範囲のスラリー体積を備えたMig撹拌器のために、本発明の文脈における好ましい撹拌スピードは、150rpmから50rpmまでである。
ステップc)を行う際に、高分岐のポリマーの添加は、シェル-形成モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体が、反応を引き起こす前に、またはこれらの材料の反応の間にされてもよい。高分岐のポリマーの全量は、1つの操作において添加されてもよく、または、それは連続しておよび/または分けて(portion-wise)添加されてもよい。
【0030】
機能的材料の広い選択物は、本発明のコア-シェルマイクロカプセルにおいて採用されてもよい。コアは、とりわけ、油、エッシェンシャル油、フレグランス油、バイオサイド、フェロモン、親油性コスメティック成分、および局所薬物からなる群から選択される疎水性材料を含んでもよい。
【0031】
一態様において、疎水性コア材料は、少なくとも1のフレグランス成分を含むフレグランス組成物である。
本発明に従ってカプセル化されてもよい香料成分の包括的なリストは、香料の文献、例えば"Perfume & Flavor Chemicals"、S.Arctander (Allured Publishing、1994)に見出され得る。本発明に従ってカプセル化された香料は、ADOXAL(商標) (2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);AGRUMEX(商標) (2-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);ALDEHYDE C 10 DECYIC (デカナール);ALDEHYDE C 11 MOA (2-メチルデカナール);ALDEHYDE C 11 UNDECYENIC (ウンデカ-10-エナール);ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC (ウンデカナール);ALDEHYDE C 12 LAURIC (ドデカナール);ALDEHYDE C 12 MNA PURE (2-メチルウンデカナール);ALDEHYDE ISO C 11 ((E)-ウンデカ-9-エナール);ALDEHYDE MANDARINE 10%/TEC ((E)-dodec-2-エナール);ALLYL AMYL GLYCOLATE (アリル 2-(イソペンチルオキシ)アセタート);ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE (アリル 3-シクロヘキシルプロパノアート);ALLYL OENANTHATE (アリル ヘプタノアート);AMBER CORE(商標) (1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール);AMBERMAX(商標) (1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-.ベータ.,1,1,5,5-ペンタメチル-2H-2,4a-メタノナフタラ-エン-8-エタノール);AMYL SALICYLATE (ペンチル 2-ヒドロキシベンゾアート);APHERMATE (1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチル ホルマート);
【0032】
BELAMBRE(商標) ((1R,2S,4R)-2'-イソプロピル-1,7,7-トリメチルスピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,4'-[1,3]ジオキサン]);BIGARYL (8-(sec-ブチル)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン);BOISAMBRENE(商標) FORTE(商標) ((エトキシメトキシ)シクロドデカン);BOISIRIS(商標) ((1S,2R,5R)-2-エトキシ-2,6,6-トリメチル-9-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン);BORNYL アセタート ((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル アセタート);BUTYL BUTYRO LACTATE (1-ブトキシ-1-オキソプロパン-2-イル ブチラート);BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE PARA (4-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);CARYOPHYLLENE ((Z)-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン);CASHMERAN(商標) (1,1,2,3,3-ペンタメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン-4(5H)-オン);CASSYRANE(商標) (5-tert-ブチル-2-メチル-5-プロピル-2H-フラン);CITRAL ((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRAL LEMAROME(商標) N ((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRATHAL(商標) R ((Z)-1,1-ジエトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);CITRONELLAL (3,7-ジメチルオクタ-6-エナール);CITRONELLOL (3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);CITRONELLYL ACETATE (3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート);CITRONELLYL FORMATE (3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルホルマート);CITRONELLYL NITRILE (3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル);CITRONELLYL PROPIONATE (3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルプロピオナート);CLONAL (ドデカンニトリル);CORANOL (4-シクロヘキシル-2-メチルブタン-2-オール);COSMONE(商標) ((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン);CYCLAMEN ALDEHYDE (3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール);CYCLOGALBANATE (アリル 2-(シクロヘキシルオキシ)アセタート);シクロヘキシル サリチラート (シクロヘキシル 2-ヒドロキシベンゾアート);CYCLOMYRAL (8,8-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド);
【0033】
DAMASCENONE ((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE ALPHA ((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE DELTA ((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DECENAL-4-TRANS ((E)-デカ-4-エナール);DELPHONE (2-ペンチルシクロペンタノン);DIHYDRO ANETHOLE (プロパン二酸 1-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチル) 3-エチルエステル);DIHYDRO JASMONE (3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン); DIMETHYL BENZYL CARBINOL (2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール);DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE (2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イル アセタート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE (2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブチラート);DIMETHYL OCTENONE (4,7-ジメチルオクタ-6-エン-3-オン);DIMETOL (2,6-ジメチルヘプタン-2-オール);DIPENTENE (1-メチル-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エン);DUPICAL(商標) ((E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イルインデン)ブタナール);EBANOL(商標) ((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);ETHYL CAPROATE (エチルヘキサノアート);ETHYL CAPRYLATE (エチルオクタノアート);ETHYL LINALOOL ((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ETHYL LINALYL ACETATE ((Z)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);ETHYL OENANTHATE (ヘプタン酸エチル);ETHYL SAFRANATE (エチル 2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボキシラート);EUCALYPTOL ((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン);
【0034】
FENCHYL ACETATE ((2S)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);FENCHYL ALCOHOL ((1S,2R,4R)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール);FIXOLIDE(商標) (1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-5,6,7,8-テトラヒドロnaphthalen-2-イル)エタノン);FLORALOZONE(商標) (3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール);FLORHYDRAL (3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);FLOROCYCLENE(商標) ((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオナート);FLOROPAL(商標) (2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン);FRESKOMENTHE(商標) (2-(sec-ブチル)シクロヘキサノン);FRUITATE ((3aS,4S,7R,7aS)-エチル オクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-3a-カルボキシラート);FRUTONILE (2-メチルデカンニトリル);GALBANONE(商標) PURE (1-(3,3-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);GARDOCYCLENE(商標) ((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルイソブチラート);GERANIOL ((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);GERANYL ACETATE SYNTHETIC ((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル アセタート);GERANYL ISOBUTYRATE ((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル イソブチラート);GIVESCONE(商標) (エチル2-エチル-6,6-ジメチルシクロヘキサ-2-エンカルボキシラート);
【0035】
HABANOLIDE(商標) ((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);HEDIONE(商標) (メチル 3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);HARBANATE(商標) ((2S)-エチル 3-イソプロピルビシクロ[2.2.1]へプタ-5-エン-2-カルボキシラート);HEXENYL-3-CIS BUTYRATE ((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルブチラート);HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE ((E)-2-ベンジリデンオクタナール);ヘキシルイソブチラート(ヘキシルイソブチラート);ヘキシル サリチラート(ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);INDOFLOR(商標) (4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ダイオキシン);IONONE BETA ((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISONE ALPHA ((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRONE アルファ ((E)-4-(2,5,6,6-テトラメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);ISOE SUPER(商標) (1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);ISOCYCLOCITRAL (2,4,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);ISONONYL ACETATE (3,5,5-トリメチル酢酸ヘキシル);ISOPROPYL METHYL-2-BUTYRATE (イソプロピル2-メチルブタノアート);ISORALDEINE(商標) 70 ((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);
【0036】
JASMACYCLENE(商標) ((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イル アセタート);JASMONE CIS ((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン);KARANAL(商標) (5-(sec-ブチル)-2-(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)-5-メチル-1,3-ジオキサン);KOAVONE ((Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルへプタ-3-エン-2-オン);LEAF ACETAL ((Z)-1-(1-エトキシエトキシ)ヘキサ-3-エン);LEMONILE(商標) ((2E,6Z)-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエンニトリル);LIFFAROME(商標)GIV ((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルメチルカルボナート);LILIAL(商標) (3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール);LINALOOL (3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);LINALYL ACETATE (3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イル アセタート);
【0037】
MAHONIAL(商標) ((4E)-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-4-デカエナール);MALTYL ISOBUTYRATE (2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イルイソブチラート);MANZANATE (エチル2-メチルペンタノアート);MELONAL(商標) (2,6-ジメチルへプタ-5-エナール);MENTHOL (2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール);MENTHONE (2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン);METHYL CEDRYL KETONE (1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン);METHYL NONYL KETONE EXTRA (ウンデカン-2-オン);METHYL OCTYNE CARBONATE (メチルノナ2-イノアート);METHYL PAMPLEMOUSSE (6,6-デメトキシ-2,5,5-トリメチルヘキサ-2-エン);MYRALDENE (4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);NECTARYL (2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);NEOBERGAMATE(商標) FORTE (2-メチル-6-メチレンオクタ-7-エン-2-イル アセタート);NEOFOLIONE(商標) ((E)-メチルノナ2-エノアート);NEROLIDYLE(商標) ((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-イルアセタート);NERYL ACETATE HC ((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);NONADYL (6,8-ジメチルノナン-2-オール);NONENAL-6-CIS ((Z)-ノナ6-エナール);NYMPHEAL(商標) (3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール);
【0038】
ORIVONE(商標) (4-(tert-ペンチル)シクロヘキサノン);PARADISAMIDE(商標) (2-エチル-N-メチル-N-(m-トリル)ブタンアミド);PELARGENE (2-メチル-4-メチレン-6-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);PEONILE(商標) (2-シクロヘキシルインデン-2-フェニルアセトニトリル);PETALIA(商標) (2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル);PIVAROSE(商標) (2,2-ジメチル-2-フェニルエチルプロパノアート);PRECYCLEMONE(商標) B (1-メチル-4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);PYRALONE(商標) (6-(sec-ブチル)キノリン);RADJANOL(商標) SUPER ((E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール);RASPBERRY (N112) (4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);RHUBAFURANE(商標) (2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン);ROSACETOL (2,2,2-トリクロロ-1-フェニル酢酸エチル);ROSALVA (デカ-9-エン-1-オール);ROSYFOLIA ((1-メチル-2-(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル)-メタノール);ROSYRANE(商標) SUPER (4-メチレン-2-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);
【0039】
SERENOLIDE (2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);SILVIAL(商標) (3-(4-イソブチルフェニル)-2-メチルプロパナール);スピロGALBANONE(商標) (1-(スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);STEMONE(商標) ((E)-5-メチルヘプタン-3-オン オキシム);SUPER MUGUET(商標) ((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);SYLKOLIDE(商標) ((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);TERPINENE GAMMA (1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン);TERPINOLENE (1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン);TERPINYL ACETATE (2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-イル アセタート);TETRAHYDRO LINALOOL (3,7-ジメチルオクタン-3-オール);TETRAHYDRO MYRCENOL (2,6-ジメチルオクタン-2-オール);THIBETOLIDE (オキサシクロヘキサデカン-2-オン);トリデセン-2-ニトリル ((E)-トリデカ-2-エンニトリル);UNDECAVERTOL ((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール);VELOUTONE(商標) (2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン);VIRIDINE(商標)((2,2-デメトキシエチル)ベンゼン);ZINARINE(商標) (2-(2,4-ジメチルシクロヘキシル)ピリジン);およびそれらの混合物から選択される、好ましくは香料成分を含む。
【0040】
カプセル化された組成物における使用のための香料成分およびコスメティック活性物質は、好ましくは疎水性である。好ましくは、コスメティック活性物質は、1.5以上、より好ましくは3以上の計算されたオクタノール/水の分配係数(ClogP)を有する。好ましくはコスメティック活性物質のClogPは、2から7までである。
具体的に有用なコスメティック活性物質は、エモリエント、スムージング活性物質、ハイドレーティング活性物質、スージングおよびリラクシング活性物質、デコラティブ活性物質、デオドラント、アンチエイジング活性物質、ドレイニング活性物質、リモデリング活性物質、スキンレベリング(levelling)活性物質、防腐剤、アンチオキシダント活性物質、抗細菌または静菌活性物質、クレンジング活性物質、潤滑(lubricating)活性物質、ストラクチャリング活性物質、ヘアコンディショニング活性物質、ホワイトニング活性物質、テキスチャリング活性物質、ソフトニング活性物質、ふけ防止活性物質、およびエクスフォリエーション活性物質(exfoliating actives)からなる群から選択されてもよい。
【0041】
具体的に有用なコスメティック活性物質は、これらに限定されないが、アルキルジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、スチレン-エチレン-スチレンおよびスチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー等などの疎水性ポリマー;水素化されたイソパラフィン、シリコーン油等などの鉱油;アルガン油、ホホバ油、アロエベラ油等などの植物油;脂肪酸および脂肪族アルコールおよびそれらのエステル;糖脂質;ホスホ脂質;セラミドなどのスフィンゴ脂質;ステロールおよびステロイド;テルペン、セスキテルペン、トリテルペンおよびそれらの誘導体;アルニカ油、アルテミシア油、樹皮油、シラカバ油、カレンデュラ油、シナモン油、エキナセア油、ユーカリ油、人参油、ナツメ油、ヒマワリ油、ジャスミン油、ラベンダー油、ハス種子油、シソ油、ロスマリー油、白檀油、ティーツリー油、タイム油、バレリアン油、よもぎ油、イランイラン油、ユッカ油等などのエッセンシャル油を包含する。
【0042】
ある態様において、コスメティック活性物質は、フサヌススピカツスカーネル油などのサンダルウッド油;パンテニルトリアセタート(CAS-No.:94089-18-6);トコフェリルアセタート;トコフェロール、ナリンゲニン(CAS-No.:480-41-1);リノール酸エチル;ファルネシルアセタート;ファルネソール;シトロネリルメチルクロトナート(CAS-No.:20770-40-5);セラミド-2(1-ステアロイル-C18-スフィンゴシン、CAS-No:100403-19-8);およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
機能的コア材料は、極性溶媒、油、ワックスなどの様々な疎水性賦形剤、および非極性ポリマーと任意に混和されてもよい。
【0043】
本発明のコア-シェルマイクロカプセルを形成するために、シェル-形成モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体の広い選択物が使用され得る。これらのシェル形成材料は、シリカート、金属、および金属オキシドなどの無機材料、または、界面活性剤、天然の、半合成の、および合成の有機ポリマーなどの有機材料、およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。シリカート、ゼラチン、ゼラチン/アラビアガム複合体、ゼラチン/カルボキシメチルセルロース複合体、アルギン酸/カルシウム複合体、界面活性剤ラメラ相、およびアミノプラスト樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、およびポリアクリラート樹脂などの熱硬化性樹脂を含むシェルは、具体的に好適である。
【0044】
具体的な態様において、コア-シェルマイクロカプセルのシェルは、アミノプラスト樹脂を含む。かかるマイクロカプセルは、
a)乳化剤を含む水相に、機能的材料の液滴をアミノ-アルデヒド予備縮合体の存在下分散させる、
b)モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体に、液滴と水相との界面にて反応を引き起こさせ、新生のコア-シェルマイクロカプセルのスラリーを形成する。重縮合は、85±10℃の温度にて、約1から約4までの時間、およびpH3.9±1.0にて実施される。
c)新生のコア-シェルマイクロカプセルのスラリーへ、高分岐のポリマーを添加し、コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを含む組成物を形成する、ここで高分岐のポリマーは、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中に包埋および/またはコア-シェルマイクロカプセルのシェルに付着されている、
d)スラリーに、1以上の、懸濁化剤、防腐剤、または他の任意の従来の賦形剤を任意に添加する、
e)任意に、スラリーを脱水させ、コア-シェルマイクロカプセルの組成物を粉末の形態において形成する、
のステップによって得られ得る。
【0045】
乳化剤は、好ましくは、商標LUPASOL(商標)(ex. BASF)の下で商業的に入手可能なものなど、LUPASOL(商標)PA140、またはLUPASOL(商標)VFRなどの、スルホナート基を有するアクリルコポリマー;商標LUVISKOL(商標)(例としてLUVISKOL(商標)K15、K30またはK90、ex. BASF)の下で商業的に入手可能なものなどのアクリルアミドとアクリル酸とのコポリマー;アルキルアクリラートとN-ビニルピロリドンとのコポリマー、ナトリウムポリカルボキシラート(ex. polyscience Inc.)またはナトリウムポリ(スチレンスルホナート)(ex. polyscience Inc.);ビニルおよびメチルビニルエーテル-無水マレイン酸コポリマー(例としてAGRIMER(商標)VEMA AN、ex. ISP)、および、エチレン、イソブチレンまたはスチレン-無水マレイン酸コポリマー(例としてZEMAC(商標));四級アンモニウム基を含有するカチオン性モノマーから形成される両性コポリマー;およびアニオンを形成し得るモノマー、より具体的には、アクリル酸またはメタクリル酸とアクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウム塩化物(APTAC)またはメタクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウム塩化物(MAPTAC)とのコポリマーなどのアクリル酸、メタクリル酸またはその誘導体に基づくモノマー、アクリル酸モノマーから形成されるターポリマー、MAPTACモノマーおよびアクリルアミドモノマー)からなる群から選択されるポリマー安定剤である。
【0046】
アミノ-アルデヒド予備縮合体は、尿素、チオ尿素、アルキル尿素、ベンゾグアナミンまたはグリコールウリル、および、メラミンなどの6-置換-2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジンなどの少なくとも1つのアミンと、ホルム、アセトアルデヒド、グリオオキサルまたはグルタルアルデヒドなどの少なくとも1つのアルデヒドとの、ポリマーまたはコポリマーなどの反応生成物でもよい。好適なアミノ-アルデヒド予備縮合体は、これらに限定されないが、商標CYMEL(商標)(ex. Cytec Technology Corp.)またはLURACOLL(商標)(ex. BASF)の下で市販のものなどの、部分的にメチル化されたモノ-およびポリ-メチロール-1,3,5-トリアミノ-2,4,6-トリアジン予備縮合体、および/または、モノ-およびポリアルキロール-ベンゾグアナミン予備縮合体、および/またはモノ-およびポリアルキロール-グリコールウリル予備縮合体を包含する。これらのアルキロール化されたポリアミンは、部分的にアルキル化された形態において提供されてもよく、典型的には1~6個のメチレンユニットを有する短鎖のアルコールの添加により得られる。
【0047】
別の具体的な態様において、コア-シェルマイクロカプセルのシェルは、ポリ尿素樹脂を含む。かかるマイクロカプセルは、
a)乳化剤を含む水相に、機能的材料の液滴を、ポリイソシアナートの存在下分散させる、
b)モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体に、液滴と水相との界面にて反応を引き起こさせ、新生のコア-シェルマイクロカプセルのスラリーを形成する。この反応は、ポリアミンの存在下、80±5℃の温度にて、約2から約6までの時間、8.5±1.0のpHにて実施される、
c)高分岐のポリマーを新生のマイクロカプセルのスラリーに添加し、コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを含む組成物を形成する、ここで、高分岐のポリマーは、コア-シェルマイクロカプセルのシェルの中に包埋されている、
d)スラリーに、1以上の、懸濁化剤、防腐剤、または他の任意の従来の賦形剤を任意に添加する、
e)任意に、スラリーを脱水させ、コア-シェルマイクロカプセルの組成物を、とりわけ粉末の形態で形成する、
ステップにより得られる。
【0048】
ポリイソシアナートは、1,6-ジイソシアナートヘキサン(CAS No.:822-06-0)、1,5-ジイソシアナート-2-メチルペンタン(CAS No.:34813-62-2)、1,4-ジイソシアナート-2,3-ジメチルブタン、2-エチル-1,4-ジイソシアナートブタン、1,5-ジイソシアナートペンタン(CAS No.:4538-42-5)、1,4-ジイソシアナートブタン(CAS No.:4538-37-8)、1,3-ジイソシアナートプロパン(CAS NO.:3753-93-3)、1,10-ジイソシアナートデカン(CAS No.:538-39-0)、1,2-ジイソシアナートシクロブタン、ビス(4-イソシアナートシクロヘキシル)メタン(CAS No.:5124-30-1)、3,3,5-トリメチル-5-イソシアナートメチル-1-イソシアナートシクロヘキサン(CAS No.:4098-71-9)、2-イミドジカルボニックジアミド(CAS No.:4035-89-6)、ビウレット(CAS No.:108-19-0)、トルエンジイソシアナートのポリイソシアヌラート(CAS No.:141-78-6、商標名DESMODUR(商標)RCの下でBayerから市販)、1,6-ジイソシアナートヘキサンのポリイソシアヌラートのトリメチロールプロパン予備縮合体(CAS No.:53200-31-0、商標名DESMODUR(商標)N100の下でBayerから市販)、トルエンジイソシアナートのトリメチロールプロパン予備縮合体(CAS No.:9081-90-7、商標名DESMODUR L75の下でBayerから市販)、キシリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン予備縮合体(CAS No.:865621-91-6;商標名TAKENATED-110Nの下で、Mitsui Chemicalから市販)からなる群から選択されてもよい。ヘキサメチレンジイソシアナートに基づく脂肪族ポリイソシアナートなどの修飾されたイソシアナートおよびアルキレンオキシド、とくにエチレンオキシド(BAYHYDUR(商標)の名の下で売られる)、例えばBayhydur(商標)XP 2547(Bayerから市販)およびそれらの混合物もまた包含される。1,2-エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、ヒドラジン;1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノ-1-メチルプロパン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ビス(2-メチルアミノエチル)エーテル(CAS No.:3033-62-3)、グアニジン(CAS No.:113-00-8)、グアニジンカルボナート塩(CAS No593-85-1)、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール(CAS No.:1455-77-2)、メラミン、尿素、商標名LUPアミン(商標)(ex. BASF)の下で商業的に入手可能なものなどのポリ(ビニルアミン)など、商標名LUPASOL(商標)(ex. BASF)の下で商業的に入手可能なものなどのポリマーのポリアミン、商標名JEFFAMINE(商標)(ex. Huntsman)の下で入手可能なものなどのポリ(エーテルアミン)、およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0049】
乳化剤は、好ましくは、マレイン/ビニルコポリマー、ナトリウムリグノスルホナート、無水マレイン酸/スチレンコポリマー、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、プロピレンオキシド、エチレンジアミンおよびエチレンオキシドのコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチル化されたソルビトールおよびナトリウムドデシルスルファートの脂肪酸エステル、からなる群から選択されるポリマー安定剤である。ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールは、G-ポリマータイプであり、85から99.9%までの範囲にある加水分解度を有し、商標名GOSHENOL(商標)の下でNippon Gohsei Nichigoから入手可能である。
ステップc)を行う際に、高分岐のポリマーの添加は、シェル-形成モノマー、プレポリマーまたは予備縮合体が、これらの材料の反応の間、反応を引き起こす前にされてもよい。高分岐のポリマーの全量は、1つの操作において添加されてもよく、または、それは連続しておよび/または分けて(portion wise)添加されてもよい。
【0050】
添加される高分岐のポリマーの量は、広い制限内で変化してもよく、およびより具体的には、系の総重量に基づき(すなわちカプセル化が起こる前に高分岐のポリマーが添加される場合においてエマルジョン、または、カプセル化の間または後に高分岐のポリマーが添加される場合においてスラリー)、約0.01から約1wt%まで、より具体的には約0.02から約0.5wt%まで、およびなおより具体的には0.05から0.25wt%までの量において添加されてもよい。
マイクロカプセルシェルの中またはマイクロカプセルシェルにおける高分岐のポリマーの組み込みの程度は、コーティングプロセスが完了した後のスラリーにおいて存在するフリーの高分岐のポリマーの量を、系にはじめに添加される高分岐のポリマーの名目の量から引くことにより得られ得る。
【0051】
沈着助剤として従来使用される線状ポリマーと比較した高分岐のポリマーの相当な利点は、増粘の低い可能性であり、高粘度の問題を誘導することなく、マイクロカプセルスラリーにおいてはるかにより高いレベルにて使用できることである。これは、マイクロカプセルシェル内または上での高分岐のポリマーのより高い組み込みの結果になる。
スラリーにおいて存在するフリーの高分岐の多糖類のレベルは、Alabamesh(A. Albalasmeh et aI., Carbohyd, POIy.2013,97,253-261)の方法を使用することにより、炭水化物のデュボア比色定量(M. Dubois et aI., Anal.Chem. 1956, 28, 350-356)に基づき決定されてもよい。この方法は、遠心分離によってスラリーの水相からマイクロカプセルを分離すること、希釈した上澄みに濃硫酸を添加し、350nmの波長でUV/VIS吸光度を測定することが関与する。詳細の手順は、例2において与えられる。
典型的には、添加された高分岐のポリマーの40から99%、より具体的には50から80%、さらにより具体的には55から70%が、マイクロカプセルシェルに有効に包埋、および/または付着される。
【0052】
スラリーに、1以上の、懸濁剤、防腐剤、または他の任意の従来の賦形剤を添加することは任意であるが、特定の周知の賦形剤を添加することによってスラリーを安定化することは従来である。
例えば、スラリーが形成されると、クリーミングまたは沈降などのスラリーの相分離を防ぐために、懸濁剤を添加することができる。従来の懸濁化剤の任意のものが、本発明において採用されてもよい。従来の懸濁化剤は、これらに限定されないが、修飾されたデンプン、デキストリン、麦芽デキストリンなどのデンプンおよびデンプン誘導体;アラビアガムガムアカシア、キサンタンガム、ガムトラガカント、ガムカラヤ、グアーガムなどのガム;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース/ラウリル-ジデシルジメチル-ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシ性セルロース(置換ポリクアテルニウム-4)、セルロースガムなどのセルロースおよびセルロース誘導体;カラギーナン;寒天;ペクチンおよびペクチン酸;ゼラチン;タンパク質加水分解物;ポリビニルピロリドン;ポリ(ビニルピロリドン-コ-ビニルアセタート)(より具体的には、85と92との間の%の加水分解度を有する加水分解されたポリビニルアセタート)などのビニルおよびアリルモノマーのポリマーおよびコポリマー;酢酸ビニル、ビニルピバラート、ビニルバーサテート(versatate)などのビニルエステルホモポリマーおよびコポリマー;ポリ(ビニル メチルエーテル)、4級化されたポリビニルアルキルアミン、ビニルピリジンおよび4級化されたビニルピリジン、ビニルイミダゾリン、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリニウム、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物、ビニルスルホナートホモポリマーおよび/またはコポリマーなどのポリビニルメチルアミン、エトキシル化されたポリアミン、メチルメチルアクリラート、エチルメタクリラート、2-エチル-ヘキシルアクリラート、ラウリルメタクリラート、C10-C30アルキルアクリラート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートなどの(メタ)アクリロイルモノマーに由来するポリマー、コポリマーおよびクロス-ポリマー、2-ヒドロキシプロピルアクリラートおよび2-ヒドロキシプロピルメタクリラートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート、アクリルアミドジメチルタウラート;フェニルアクリラートおよびベンジルアクリラート、(メタ)アクリル酸およびそれらの塩などのリール(メタ)アクリラート;ナトリウムアクリロイルジメチルタウラートなどのナトリウムおよびカリウム(メタ)アクリラート;(メタ)アクリルアミド;N,N-ジメチルアミノアルキルメタクリラート;メタクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウム塩化物などの4級化されたN-アルキル(メタ)アクリルアミド;アクリルアミドエチルトリモニウム塩化物;アクリルアミドラウリルトリメチルアンモニウム塩化物;および(メタ)アクリルアミドアルキルスルホナートポリ(マレイン無水物)およびポリ(無水マレイン酸-co-ビニルエーテル)、およびそれらの加水分解物;ポリ(アクリル酸-co-マレイン酸)コポリマー、ポリ(アルキレンオキシド)、アニオン性、カチオン性非イオン性および両性ポリウレタンおよびポリ尿素などのポリウレタンおよびポリ尿素;その混合コポリマー;およびそれらの混合物からなる群から選択されるハイドロコロイドを包含する。
【0053】
カビおよび他の微生物の不要な成長を防ぐために、水性スラリーに生物学的防腐剤を添加することもまた従来である。
好適な防腐剤は、四級化合物、ビグアニジン化合物(CAS No.:32289-58-0、27083-27-8、28757-47-3、133029-32-0)、ポリアミノプロピルビグアニジン、ヘキセチジン、パラ-クロロ-メタ-クレゾール、メテナミン、3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン、クオタニウム-15、安息香酸、サリチル酸、ウンデカ-10-エノイン酸、ギ酸、ビフェニル-2-オールおよびそれらの塩、4-ヒドロキシ安息香酸およびそのエステルおよび塩;ソルビン酸およびその塩、イソチアゾリノン、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-(チアゾール-4-イル)ベンズイミダゾール、ベンズイミダゾールカルバマート、3-(4-オロロフェニル)-1-(3,4-ジクロロフェニル)ウレエ、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバマート、エチル(2-メルカプトベンゾアート-(2-)-O,S)メルキュラート(1-)ナトリウム、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール、ジクロロベンジルアルコール、クロロキシルエノール、イミダゾリジニル尿素、フェノキシエタノール、ベンジルアルコールおよびそれらの混合物を包含するが、限定されない。
【0054】
コア-シェルマイクロカプセルのスラリーの形態の組成物は、すべての種類の消費者製品に組み込まれてもよい。しかしながら、いくつかの用途では、乾燥粉末の形態でコア-シェルマイクロカプセルを添加することが望ましいかもしれない。よって、本発明に従って、スラリーを脱水してコア-シェルマイクロカプセルの組成物を粉末の形態で形成するための任意のステップにおいて、スラリーは脱水され、乾燥粉末の形態の本発明の組成物を提供してもよい。
所望される場合、マイクロカプセルを乾燥粉末の形態で単離してもよい。例えば、固体カプセルは、濾過によって単離され、乾燥され得る。単離されたカプセルを乾燥することは、例として、オーブン内でまたは加熱されたガス流との接触により加熱することによって実施されてもよい。好ましくは、分散体の乾燥は、噴霧乾燥または流動床乾燥によって行われる。噴霧乾燥技術および装置は、当技術分野において周知である。噴霧乾燥プロセスは、懸濁されたカプセルをノズルから乾燥チャンバーに押す。カプセルは、乾燥チャンバー内を移動する流体(空気など)に同伴されてもよい。流体(例えば、150から120℃、より好ましくは170℃から200℃、さらにより好ましくは175℃から185℃の温度で加熱されてもよい)は、液体に蒸発を引き起させ、乾燥したカプセルを残し、次いでそれをプロセス機器から収集され、およびさらに処理され得る。
【0055】
噴霧乾燥ステップの前または後に、シリカなどの流動補剤をスラリーに添加し、低表面香料油をもつ、微細で流動性の高い粉末マイクロカプセルの実現を確実にすることは、望ましいかもしれない。流動補剤は、沈殿、ヒュームド、またはコロイド状シリカ、デンプン、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、変性セルロース、ゼオライト、または当技術分野で知られている他の無機粒子などのシリカまたはケイ酸塩を包含する。
マイクロカプセルのスラリーは、二流体ノズルを使用して、従来の噴霧乾燥塔で噴霧乾燥するか、または従来のスピン乾燥機でスピン乾燥されてもよい。所望される場合、少なくとも1つの親水コロイドは、それ自体で、または水溶液の形態でマイクロカプセルスラリーに添加されてもよい。典型的な親水コロイドは、デンプン、オクテニルコハク酸無水物で修飾されたデキストリンなどの修飾されたデンプン、およびアラビアゴムを包含する。任意に、マルトデキストリンおよびソルビトール、マンニトールまたはマルチトールなどの糖アルコールもまた添加されてもよい。親水コロイドはそれ自体が機能的材料を含み得る。この機能的材料は、カプセル内のコア材料と同じまたは異なる形態であってもよい。これは、(1)マルトデキストリンおよび糖または糖アルコールを任意に含む第2の機能的材料を親水コロイド水溶液に乳化し、第2のスラリーを形成する、(2)第2のスラリーと第1の機能的材料を含むマイクロカプセルのスラリーとを混合する、および、(3)この混合物を乾燥させる、ステップを実施することによって達成される。かかるプロセスは、WO 2007/137441 A1、例5に記載される。
本発明の手段によって、典型的には30から50までの重量%の範囲内、より具体的には35から45までの重量%の範囲内の高いコア含有物を有するコア-シェルマイクロカプセルのスラリーの形態で組成物を得ることが可能である。
【0056】
さらに、コア-シェルマイクロカプセルは、0.5から25マイクロメートル、より具体的には1から20マイクロメートル、さらにより具体的には5から15マイクロメートル、例えば10±2マイクロメートルの体積平均直径を有し得る。
【0057】
マイクロカプセルのサイズは、当技術分野において知られている方法で決定され得る。粒子サイズを測定する特定の方法は、光散乱である。光散乱測定は、Malvern Mastersizer 2000S装置、およびミー散乱理論を使用してされ得る。ミー理論、および光散乱の原理を使用して液滴サイズを測定する方法を見出だされてもよい。例えば、H.C.van de Hulstは、小さな粒子による光散乱である。ドーバー、ニューヨーク、1981年。静的光散乱によって提供される主要な情報は、光散乱強度の角度依存性であり、そしてそれは、液滴のサイズおよび形状に関連している。しかしながら、標準的な操作方法において、回折オブジェクトのサイズに相当するサイズを有する球のサイズは、この対象物の形状が何であれ、装置に備えられたMalvern専用ソフトウェアによって計算される。多分散試料の場合、全体的な散乱強度の角度依存性は、試料のサイズ分布に関する情報を含有する。出力は、カプセルサイズの関数として、特定のサイズクラスに属する液滴の総体積を表すヒストグラムであるが、50サイズクラスの任意の数は選択されてもよい。よって、得られたサイズは、体積平均粒子サイズと呼ばれる。
【0058】
実験的に、スラリーの数滴は、散乱セルを通って流れる脱気された水の循環流に添加される。散乱強度の角度分布は、Malvern専用ソフトウェアによって測定および分析され、試料に存在する液滴の平均サイズとサイズ分布を提供する。単峰性(単分散)液滴分布の場合、パーセンタイルDv(10)、Dv(50)、およびDv(90)は、液滴サイズ分布の特性として使用されるが、Dv(50)は、分布の中央値に対応し、およびマイクロカプセルの体積平均サイズの尺度として考えられる。本発明による組成物は、すべての種類の消費者製品に組み込まれてもよい。
【0059】
本発明に関係する典型的な消費者製品は、シャンプー、バスおよびシャワージェル、液体石鹸、石鹸バーおよび同様の物等のパーソナルケアクリーニングおよびクレンジング組成物、洗剤などのランドリーケア製品、およびハード表面クリーナーなどのホームケア製品を包含する。
多くの場合において、本発明に関係する消費者製品は、陰イオン性、陽イオン性、両性または非イオン性界面活性剤などの界面活性剤を含有する。
本発明の好ましい実施形態において、上記の組成物を含む消費者製品は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、水溶性溶媒、1つ以上の防腐剤、および任意に、保湿剤、エモリエント、増粘剤、アンチダンドラフ剤、発毛成長剤、ビタミン、栄養素、染料、ヘア着色剤などから選択されてもよい有益な剤を含むシャンプーである。
【0060】
マイクロカプセルをもつ、またはもたないシャンプーで使用するための典型的な配合成分は、例えば、EP 0 191 564 A2またはWO1997 /023194 A1に記載されている。
マイクロカプセルは、好ましくは、シャンプー組成物の総重量に関して、パーソナルケア製品の約0.01から5重量%、より具体的には約0.1から2.5重量%、さらにより具体的には約0.2から1重量%のレベルである。
【0061】
本発明の別の実施形態において、コア-シェルマイクロカプセルを含む消費者製品は、1つ以上の陰イオン界面活性剤、および、脂肪酸と中和脂肪酸との混合物、アミノオキシド界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る他の界面活性剤;電解質;1つ以上の防腐剤;および任意に、pH制御剤、スキンケア剤、保湿剤、スキン軟化剤、増粘剤、ビタミン、栄養素、染料などからなる群から選択され得る有益な剤を含む液体石鹸である。
液体石鹸において使用するための典型的な配合成分は、例えば、CA 2812137またはUS 2003/0050200 A1に見出され得る。
【0062】
コア-シェルマイクロカプセルは液体石鹸組成物の総重量に関し、好ましくは、パーソナルケア製品の約0.01から5重量%、より具体的には約0.1から2.5重量%、さらにより具体的には約0.2から1重量%のレベルである。
本発明の別の実施形態において、コア-シェルマイクロカプセルを含む消費者製品は、1つ以上の陰イオン界面活性剤、および、脂肪酸と中和脂肪酸との混合物、アミノオキシド界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る他の界面活性剤;1つ以上の防腐剤などの電解質;および任意に、pH制御剤、スキンケア剤、保湿剤、スキン軟化剤、増粘剤、ビタミン、栄養素、染料などからなる群から選択され得る有益な剤を含むシャワージェルである。
シャワージェルにおいて使用するための典型的な配合成分は、例えば、US 5,607,678またはUS 2012/0263668 A1に見出され得る。
ケラチン表面に沈着すると、コア-シェルマイクロカプセルは、マイクロカプセルシェルを介した拡散またはその後の拡散によって機能的材料を放出され得る。
マイクロカプセルシェルの機械的破裂は、こすり、圧搾、コーミング、洗浄など、または例えばヘアドライヤーを使用した加熱などの機械的作用に続いてもよい。
【0063】
機能的材料が芳香組成物である場合、この場合、マイクロカプセルを基質に適用した後、長期間、例えば数時間にわたっていい匂いが知覚され得るため、拡散媒介放出が特に所望される。一方、機械的破裂は、驚くほど心地よい匂いの増大を引き起こし得る。
本発明のさらなる利点および具体的な特徴は、
図1および以下のいくつかの例の説明から明らかになる。
図1は、例3で得られたシャンプーおよびヘアケアコンディショナー組成物の沈着およびすすぎ耐性を示す。
【0064】
例1:
コア-シェルマイクロカプセルのシェルに包埋された高分岐ポリマー、およびコア材料としてフレグランスを含むアミノプラストコア-シェルマイクロカプセルの調製。
マイクロカプセルは、以下のステップを実施することによって調製された。
a)72gの乳化剤LUPASOL(商標)PA140(ex.BASF、20%活性物質、活性物質の有効量:14g)、19gの樹脂前駆体LURACOLL(商標)SD(ex.BASF、70%活性物質、活性物質の有効量:13.3g)、および6.7gのレゾルシノール、および324gの水を含有する水溶液を調製する;
b)ピッチドビームを備えたクロスビーム撹拌機を使用して、1000rpmの撹拌速度で混合することにより、ステップa)において得られた水溶液に、355gのフレグランスを乳化する;
c)11.1gの10%ギ酸を添加し、およびエマルジョンを90℃にて加熱することにより、a)において得られたエマルジョンのpHを3.5±0.3の値に調節する;
d)撹拌下で1時間の期間にわたり温度を90℃にて維持し、液滴の周りに熱硬化性アミノプラスト樹脂壁を形成し、それによって直径10マイクロメートル(μm)のマイクロカプセルのスラリーを形成する;
e)水中において、2wt%の選択された高分岐多糖溶液の定義された量を添加する(以下に特定されるとおり);
f)90℃の温度にてさらに2時間維持しながら、11.1gの10%ギ酸と11.1gの樹脂前駆体LURACOLL(商標)SD(ex.BASF、70%活性物質、活性物質の有効量:7.8g)を添加する、
g)スラリーを室温まで冷却し、および10%アンモニア水溶液3.2gを添加し、5.5と7との間のpHを得る。
【0065】
水中における2wt%の高分岐多糖溶液の定義された量は、50gの溶液(スラリー中の0.1重量%の高分岐の多糖類に対応する)および150gの溶液(スラリー中の0.3重量%の高分岐の多糖に対応する)であった。高分岐の多糖類はアミロペクチンであった。
スラリーの固形含有物を、120℃にて作動するサーモバランスを使用して測定した。固形含有物は、バランスに沈着した最初のスラリーの重量パーセントとして表現され、乾燥によって誘導される重量変化率が0.1%/minを下回った点でされた。スラリーの固形含有物は42±1wt%であった。高分岐のポリマーをもたない比較例は、高分岐のポリマーの添加ステップf)の省略を除き、上記と実質的に同じプロセスによって得られる。
【0066】
例2:
例1に従って調製されたスラリー中の遊離多糖類の決定。
遊離多糖類のレベルは、以下のステップを実施することによって決定される。
a)スラリーを希釈し、約10wt%の固形含有物を得る(希釈係数4);
b)希釈されたスラリーを3000rpmにて30分間遠心分離する;
c)シリンジで上清をサンプリングし、および、この上清を13000rpmにて30分間超遠心分離する;
d)上清を再度サンプリングし、および、この上清を微孔性フィルターでろ過する;
e)脱イオン水で10倍に希釈した3mlのろ過した上清と7mlの98vol%の濃硫酸(Sigma Aldrichから供給)と混和する;
f)混合物を冷却し、および、脱イオン水で10mlに仕上げる;
g)350nmの波長での吸光度を測定し、および、標準的な高分岐のポリマー溶液から得られた検量線の吸光度値と比較する。
【0067】
さまざまな試料の遊離高分岐のポリマーのレベルを以下の表1に報告する。
コア-シェルマイクロカプセルのシェルに包埋された高分岐のポリマーのレベルは、スラリーに添加された高分岐のポリマーの総レベルから遊離高分岐のポリマーのレベルを引くことによって得られる。
【0068】
例3:
シャンプーおよびヘアケアコンディショナーの調製、および、沈着データ。
例1のマイクロカプセルスラリーを、パドルミキサーで穏やかに撹拌しながらシャンプー組成物に添加し、シャンプーベース中のスラリーのレベルが、シャンプーベースの総重量に対して0.5重量%であるようにした。沈着測定を実施することの前に、混合物を一晩浸軟させた。4.8gのベースを48gのヘア見本に20秒以上こすることにより塗布した。次いで、見本を1分間静置した後、手で見本に触れることなく、37℃の水道水を流しながら3.2I/minの流量で30秒間すすいだ。
沈着値を、Stream Motionソフトウェア、および、励起波長450nm、発光波長500nmの蛍光剤として香料中0.02wt%でHostasol Yellow 3Gを使用して、40倍の倍率の蛍光光学顕微鏡で得られた画像分析顕微鏡写真によって得た。
【0069】
ヘアコンディショナーの場合、例1のマイクロカプセルのスラリーを、パドルミキサーで穏やかに撹拌しながらヘアケアコンディショナー組成物に添加し、ヘアケアコンディショナーベース中のスラリーのレベルが、ヘアケアコンディショナーベースの総重量に対して1重量%になるようにした。1.5gのヘアケアコンディショナーを12gの水で加湿した15gの見本に塗布しました。見本にマッサージを受けさせ、1分間放置された後、手で見本に触れることなく、3.2I/minの流量で37℃の水道水を流しながら30秒間すすぎ洗いする。
シャンプーの場合について上術したように、沈着値を決定した。
モデルシャンプーとヘアケアコンディショナーベースの組成を表2および3に与える。
【0070】
【0071】
【0072】
表1および表2の結果を
図1に示す。これらは、高分岐のポリマーを含むシェルをもつコア-シェルマイクロカプセルは、ポリマーまたは線状ポリマーを使用しない状況と比較して、シャンプーとコンディショナーの両方の組成物から、ヘアの、増強された沈着、およびすすぎの耐性を確認する。
【0073】
【0074】