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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】電気機器ユニット
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/03 20060101AFI20240531BHJP
   H02B 1/28 20060101ALI20240531BHJP
   H02B 1/38 20060101ALI20240531BHJP
   H02B 3/00 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
H05K5/03 D
H02B1/28 L
H02B1/38 A
H02B3/00 J
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021034098
(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公開番号】P2022134740
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】古谷 峻千
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-082014(JP,A)
【文献】特開2002-021387(JP,A)
【文献】実開平06-084706(JP,U)
【文献】特開平11-350694(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0307205(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/03
H02B 1/28
H02B 1/38
H02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器を収容する内部に通じる開口部を開放及び閉塞する開閉部材を有するとともに並んで配置される少なくとも3つの筐体と、
隣り合う2つの前記筐体の前記開閉部材を連結するとともに、複数の前記開閉部材の連結を解除する際に定順に連結解除を許容し、前記筐体の数よりも1つ少ない棒状部材と、を備え、
前記棒状部材は、
前記複数の前記開閉部材の各々に設けられる支持部に対するスライド移動又は回転によって前記開閉部材の前記支持部の連結及び連結解除を行うとともに、
前記棒状部材のうち複数の前記支持部の連結状態で任意に隣り合う第1棒状部材及び第2棒状部材にて、前記第1棒状部材は、連結解除前で前記第2棒状部材による連結解除を規制するとともに連結解除後で前記第2棒状部材による連結解除を許容する
電気機器ユニット。
【請求項2】
前記支持部は、操作者の把持によって身体を支える手摺である請求項に記載の電気機器ユニット。
【請求項3】
電気機器を収容する内部に通じる開口部を開放及び閉塞する開閉部材を有するとともに並んで配置される少なくとも3つの筐体と、
隣り合う2つの前記筐体の前記開閉部材をそれぞれ別々に連結し、前記筐体の数よりも1つ少ない棒状部材と、
前記状部材による複数の前記開閉部材の連結を解除する際に前記筐体の並んでいる順に連結解除を許容する解除部と、
を備え
電気機器ユニット。
【請求項4】
前記解除部は、
前記状部材による連結解除の動作を規制及び規制解除するロック機構と、
前記ロック機構を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、所定の前記電気機器に電源から供給される電力の状態に関する信号に応じて前記ロック機構を制御し、前記電力の状態が所定条件を満たす場合に前記状部材による連結解除の動作を規制し、前記電力の状態が前記所定条件を満たさない場合に前記状部材による連結解除の動作の規制を解除する請求項に記載の電気機器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電気機器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一列に並んで配置される複数の制御盤をボルト等の部材によって連結する列盤構成の制御ユニットがある。
しかしながら、複数の制御盤の各々に独立的に設けられる扉を備える場合、各制御盤の内部でのアーク放電等に起因する内部圧力の上昇に対応できずに、外部への高圧ガスの噴出又は内部部品の飛散等の不具合が生じる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-275318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、開口部に設けられる開閉部材の剛性を増大させて防爆機能を高めることができる電気機器ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電気機器ユニットは、少なくとも3つの筐体と、筐体の数よりも1つ少ない棒状部材と、を備える。複数の筐体の各々は、電気機器を収容する内部に通じる開口部を開放及び閉塞する開閉部材を備える。複数の筐体は、並んで配置される。棒状部材は、隣り合う2つの筐体の開閉部材を連結する。棒状部材は、複数の開閉部材の連結を解除する際に定順に連結解除を許容する。棒状部材は、複数の開閉部材の各々に設けられる支持部に対するスライド移動又は回転によって開閉部材の支持部の連結及び連結解除を行うとともに、棒状部材のうち複数の支持部の連結状態で任意に隣り合う第1棒状部材及び第2棒状部材にて、第1棒状部材は、連結解除前で第2棒状部材による連結解除を規制するとともに連結解除後で第2棒状部材による連結解除を許容する
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の電気機器ユニットの構成を示す斜視図。
図2】実施形態の電気機器ユニットを上下方向(Z軸方向)の上方から見た図。
図3】実施形態の電気機器ユニットでの複数の手摺を破断して示すとともに、複数の手摺の連結状態から連結解除状態への遷移の例を示す図。
図4】実施形態の第1変形例の電気機器ユニットでの複数の手摺を破断して示すとともに、複数の手摺の連結状態から連結解除状態への遷移の例を示す図。
図5】実施形態の第1変形例の電気機器ユニットでのロック機構の制御に関する機能ブロック図。
図6】実施形態の第1変形例の電気機器ユニットでのロック機構の動作を示すフローチャート。
図7】実施形態の第2変形例の電気機器ユニットでの複数の手摺を破断して示すとともに、複数の手摺の連結状態から連結解除状態への遷移の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の電気機器ユニットを、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、実施形態の電気機器ユニット10の構成を示す斜視図である。図2は、実施形態の電気機器ユニット10を上下方向(Z軸方向)の上方から見た図。図3は、実施形態の電気機器ユニット10での複数の手摺25を破断して示すとともに、複数の手摺25の連結状態から連結解除状態への遷移の例を示す図である。
【0009】
以下、3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は、各軸に平行な方向である。例えば、電気機器ユニット10の左右方向は、X軸方向と平行である。電気機器ユニット10の前後方向は、Y軸方向と平行である。Y軸方向の正方向は、電気機器ユニット10の後部から前部に向かう方向である。電気機器ユニット10の上下方向及び鉛直方向は、Z軸方向と平行である。Z軸方向の正方向は、電気機器ユニット10の下部から上部に向かう方向である。
【0010】
図1及び図2に示すように、実施形態の電気機器ユニット10は、電気設備等に備えられる複数の盤11を備える。盤11は、例えば、電力変換装置、電源装置及びモータ駆動装置等を構成する配電盤、分電盤及び制御盤等である。
複数の盤11は、例えば、X軸方向に沿って順次に並んで配置される第1盤11aと、第2盤11bと、第3盤11cと、第4盤11dと、第5盤11eとである。例えば、第1盤11aは制御盤である。第1盤11aは、電気機器ユニット10の全体を統合的に制御するとともに、各盤11での電源からの電力供給のオン及びオフ等を制御する。
【0011】
複数の盤11の各々は、開口部21aが形成された筐体21と、開閉部材23と、手摺25と、電気機器27とを備える。
筐体21の開口部21aは、例えば筐体21の前部に形成されている。
開閉部材23は、開口部21aを開放及び閉塞する。開閉部材23は、例えば片開き等の扉である。片開きの扉は、例えば左右方向の一端に設けられる蝶番の軸の周りに回転する扉である。
【0012】
手摺25は、開閉部材23の前面に固定されている。手摺25の外形は、例えば左右方向に沿って延びる筒状等である。手摺25には、後述する棒状部材31の少なくとも一部が収容される収容部P(図3参照)が形成されている。収容部Pは、例えば手摺25の中心軸線に平行である軸線方向に沿って形成される貫通孔又は凹穴等である。
電気機器27は、筐体21の内部に収容されている。電気機器27は、例えば変圧器、開閉器、遮断器、計測機器及び制御装置等である。電気機器27の少なくとも一部は、開閉部材23によって筐体21の開口部21aが開放された場合に外部に露出する。
【0013】
電気機器ユニット10は、複数の盤11の手摺25を連結する複数の棒状部材31を備える。
複数の棒状部材31は、例えば、5つの盤11の手摺25のうち任意に隣り合う手摺25同士を連結する4つの棒状部材31である。4つの棒状部材31は、第1棒状部材31aと、第2棒状部材31bと、第3棒状部材31cと、第4棒状部材31dとである。第1棒状部材31aは、第1盤11aの手摺25a及び第2盤11bの手摺25bを連結する。第2棒状部材31bは、第2盤11bの手摺25b及び第3盤11cの手摺25cを連結する。第3棒状部材31cは、第3盤11cの手摺25c及び第4盤11dの手摺25dを連結する。第4棒状部材31dは、第4盤11dの手摺25d及び第5盤11eの手摺25eを連結する。
【0014】
複数の棒状部材31の各々は、隣り合う手摺25の各々の収容部Pに対してスライド移動することによって、隣り合う手摺25の連結及び連結解除を行う。各棒状部材31は、両端部を隣り合う手摺25の収容部Pに挿入することによって隣り合う手摺25を連結する。各棒状部材31は、隣り合う手摺25のうちの一方の収容部Pにのみ挿入されることによって隣り合う手摺25の連結を解除する。
複数の棒状部材31の各々は、スライド移動時に操作者によって把持される把持部Sを備える。把持部Sは、例えば棒状部材31の表面から突出する突起等である。
【0015】
図3に示すように、複数の棒状部材31は、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結を解除する際に、所定順に連結解除を許容する。例えば、複数の棒状部材31のうち複数の手摺25の連結状態で任意に隣り合う2つの棒状部材31は、互いに接近する方向のスライド移動を規制することによって各手摺25の収容部Pから離脱することを妨げ、任意に隣り合う手摺25の連結解除を規制する。
【0016】
以下に、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結を解除する工程の一例について説明する。
まず、第1盤11aの手摺25a及び第2盤11bの手摺25bを連結する第1棒状部材31aが、第2盤11bの手摺25bの収容部Pから離脱して第1盤11aの手摺25aの収容部Pに全収容されるようにスライド移動させられる。第1棒状部材31aのスライド移動によって、第2盤11bの手摺25bに対する第1盤11aの手摺25aの連結が解除される。
【0017】
次に、第2盤11bの手摺25b及び第3盤11cの手摺25cを連結する第2棒状部材31bが、第3盤11cの手摺25cの収容部Pから離脱して第2盤11bの手摺25bの収容部Pに全収容されるようにスライド移動させられる。第2棒状部材31bのスライド移動によって、第3盤11cの手摺25cに対する第2盤11bの手摺25bの連結が解除される。
【0018】
次に、第3盤11cの手摺25c及び第4盤11dの手摺25dを連結する第3棒状部材31cが、第4盤11dの手摺25dの収容部Pから離脱して第3盤11cの手摺25cの収容部Pに全収容されるようにスライド移動させられる。第3棒状部材31cのスライド移動によって、第4盤11dの手摺25dに対する第3盤11cの手摺25cの連結が解除される。
【0019】
次に、上記と同様に、第4棒状部材31dのスライド移動によって、第5盤11eの手摺25eに対する第4盤11dの手摺25dの連結が解除される。
以上のように、図3に示す例では、複数の棒状部材31は、第1盤11aの手摺25a(つまり開閉部材23)と、第2盤11bの手摺25b(つまり開閉部材23)と、第3盤11cの手摺25c(つまり開閉部材23)と、第4盤11dの手摺25d(つまり開閉部材23)との順に連結解除を許容する。
【0020】
以上説明した実施形態によれば、電気機器ユニット10は、複数の盤11の開閉部材23を連結する複数の棒状部材31を備えることにより、開閉部材23の剛性及び強度を増大させ、電気機器ユニット10の防爆機能を高めることができる。例えば、各盤11の内部でのアーク放電等に起因する内部圧力の上昇が生じる場合であっても、外部への高圧ガスの噴出又は内部部品の飛散等の不具合が生じることを防ぐことができる。
【0021】
相互のスライド移動を規制することによって複数の開閉部材23の連結を解除する際に所定順に連結解除を許容する複数の棒状部材31を備えることにより、複数の盤11の各々の開閉部材23を適切な順序で開放することができる。例えば、全体的な電力供給の有無を制御する制御盤である第1盤11aの開放前に他の盤11が開放されてしまうことを防ぎ、各種作業の安全性を確保することができる。
【0022】
複数の盤11の開閉部材23に設けられる手摺25を連結する複数の棒状部材31を備えることにより、操作者の把持によって身体を支持する部位を増やすことができる。例えば、風又波によって各種の動揺が生じる船舶等に搭載される場合であっても、操作者の安全性を向上させることができる。
【0023】
以下、変形例について説明する。なお、上述した実施形態と同一部分については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
上述した実施形態では、相互のスライド移動を規制する複数の棒状部材31を備えることによって、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結解除を所定順に許容するとしたが、これに限定されない。例えば、複数の棒状部材31の各々のスライド移動を規制するロック機構を備えてもよい。
【0024】
図4は、実施形態の第1変形例の電気機器ユニット10Aでの複数の手摺25を破断して示すとともに、複数の手摺25の連結状態から連結解除状態への遷移の例を示す図である。図5は、実施形態の第1変形例の電気機器ユニット10Aでのロック機構51の制御に関する機能ブロック図である。図6は、実施形態の第1変形例の電気機器ユニット10Aでのロック機構51の動作を示すフローチャートである。
【0025】
図4及び図5に示すように、第1変形例の電気機器ユニット10Aに備えられる複数の盤11のうち少なくとも制御盤である第1盤11aは、電気機器27として、例えば、電源スイッチ41と、負荷43と、受電ランプ45と、電圧センサ47と、制御装置49と、ロック機構51とを備える。
なお、例えば、制御盤である第1盤11aが電源スイッチ41によって各盤11での電源Rからの電力供給のオン及びオフを制御する場合、複数の盤11のうち第1盤11a以外は、電源スイッチ41を備えずに、負荷43と、受電ランプ45と、電圧センサ47と、制御装置49と、ロック機構51とを備えてもよい。
【0026】
電源スイッチ41は、盤11の電気機器27に電力を供給する電源Rに接続されている。電源スイッチ41は、操作者の操作によって電気機器27の負荷43等に対する電源Rからの電力供給の有無を切り替える。
受電ランプ45は、電気機器27の負荷43等に対する電源Rからの電力供給に起因する通電状態に応じて点灯する。
電圧センサ47は、受電ランプ45に印加される電圧を検出し、検出した電圧値の信号を出力する。
【0027】
制御装置49は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPU等のプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマー等の電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、制御装置49の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路であってもよい。
【0028】
制御装置49は、電圧センサ47から受け取る電圧値の信号に基づいて、ロック機構51の動作を制御する。例えば、制御装置49は、受電ランプ45の電圧値が所定の閾値よりも大きい場合、ロック機構51によって棒状部材31のスライド移動を規制する。制御装置49は、受電ランプ45の電圧値が所定の閾値以下である場合、ロック機構51によって棒状部材31のスライド移動の規制を解除する。
【0029】
ロック機構51は、例えばソレノイドを備える電磁ロック等である。ロック機構51は、例えば、複数の盤11の各々の手摺25に設けられている。ロック機構51は、複数の棒状部材31による複数の手摺25の連結状態で各棒状部材31のスライド移動を規制することによって、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結解除を規制する。ロック機構51は、複数の棒状部材31による複数の手摺25の連結状態で各棒状部材31のスライド移動の規制を解除することによって、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結解除を許容する。
【0030】
図4に示すように、複数の棒状部材31のスライド移動を規制及び規制解除する複数のロック機構51は、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結を解除する際に、所定順に連結解除を許容する。例えば、各ロック機構51は複数の手摺25の連結状態で各棒状部材31のスライド移動を規制することによって、各棒状部材31が手摺25の収容部Pから離脱することを妨げ、任意に隣り合う手摺25の連結解除を規制する。
【0031】
以下に、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結を解除する工程の一例について説明する。
まず、第1盤11aの手摺25a及び第2盤11bの手摺25bを連結する第1棒状部材31aに対してロック機構51によるスライド移動の規制が解除される。第1棒状部材31aは、第2盤11bの手摺25bの収容部Pから離脱して第1盤11aの手摺25aの収容部Pに全収容されるようにスライド移動させられる。第1棒状部材31aのスライド移動によって、第2盤11bの手摺25bに対する第1盤11aの手摺25aの連結が解除される。
【0032】
次に、第2盤11bの手摺25b及び第3盤11cの手摺25cを連結する第2棒状部材31bに対してロック機構51によるスライド移動の規制が解除される。第2棒状部材31bは、第3盤11cの手摺25cの収容部Pから離脱して第2盤11bの手摺25bの収容部Pに全収容されるようにスライド移動させられる。第2棒状部材31bのスライド移動によって、第3盤11cの手摺25cに対する第2盤11bの手摺25bの連結が解除される。
【0033】
次に、第3盤11cの手摺25c及び第4盤11dの手摺25dを連結する第3棒状部材31cに対してロック機構51によるスライド移動の規制が解除される。第3棒状部材31cは、第4盤11dの手摺25dの収容部Pから離脱して第3盤11cの手摺25cの収容部Pに全収容されるようにスライド移動させられる。第3棒状部材31cのスライド移動によって、第4盤11dの手摺25dに対する第3盤11cの手摺25cの連結が解除される。
【0034】
次に、上記と同様に、第4棒状部材31dに対してロック機構51によるスライド移動の規制が解除され、第4棒状部材31dのスライド移動によって、第5盤11eの手摺25eに対する第4盤11dの手摺25dの連結が解除される。
以上のように、図4に示す例では、複数のロック機構51は、第1盤11aの手摺25a(つまり開閉部材23)と、第2盤11bの手摺25b(つまり開閉部材23)と、第3盤11cの手摺25c(つまり開閉部材23)と、第4盤11dの手摺25d(つまり開閉部材23)との順に連結解除を許容する。
【0035】
図6に示すように、複数のロック機構51の各々は、各盤11での電源Rから供給される電力の状態が所定条件を満たす場合に複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結解除の動作を規制する。複数のロック機構51の各々は、各盤11での電源Rから供給される電力の状態が所定条件を満たさない場合に複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結解除の動作の規制を解除する。
【0036】
まず、制御装置49は、制御盤である第1盤11aの電源スイッチ41が操作者の操作等に応じてオンからオフに切り替えられることによって電源Rからの電力供給が停止されることを検知する(ステップS01)。
次に、制御装置49は、電圧センサ47から受け取る電圧値の信号に基づいて、受電ランプ45の電圧値が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS02)。
この判定結果が「NO」の場合、制御装置49はステップS02の判定処理を繰り返す。一方、この判定結果が「YES」の場合、制御装置49は処理をステップS03に進める。
次に、制御装置49は、ロック機構51による棒状部材31のスライド移動の規制を解除することによって、開閉部材23の開放を許容する(ステップS03)。
【0037】
以上説明した第1変形例によれば、電気機器ユニット10Aは、各棒状部材31のスライド移動を規制することによって複数の開閉部材23の連結を解除する際に所定順に連結解除を許容するロック機構51を備えることにより、複数の盤11の各々の開閉部材23を適切な順序で開放することができる。例えば、複数の棒状部材31を相互のスライド移動を規制するように形成する場合に比べて、複数の棒状部材31及び複数の手摺25の形状及び寸法等の自由度を向上させることができる。
【0038】
上述した実施形態の第1変形例では、制御装置49は、第1盤11aの電源スイッチ41のオフ後に受電ランプ45の電圧値が所定の閾値以下であるか否かを判定したが、これに限定されない。例えば、予め実施される試験等に基づいて、電源スイッチ41のオフ後の電気機器27での放電時間が既知である場合、制御装置49は、所定の放電時間が経過したか否かを判定してもよい。
【0039】
上述した実施形態及び第1変形例では、スライド移動する複数の棒状部材31を備えることによって、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結及び連結解除を行うとしたが、これに限定されない。例えば、回転する複数の棒状部材を備えてもよい。
図7は、実施形態の第2変形例の電気機器ユニット10Bでの複数の手摺25を破断して示すとともに、複数の手摺25の連結状態から連結解除状態への遷移の例を示す図である。
【0040】
図7に示すように、第2変形例の電気機器ユニット10Bでの各盤11の手摺25の外形は、例えば左右方向に沿って延びる溝形のチャンネル材等である。手摺25には、後述する棒状部材61の少なくとも一部が収容される収容部Pが形成されている。収容部Pは、例えば手摺25の中心軸線に平行である軸線方向に沿って形成される凹溝等である。
【0041】
第2変形例の電気機器ユニット10Bは、複数の盤11の手摺25を連結する複数の棒状部材61を備える。複数の棒状部材61は、例えば、5つの盤11の手摺25のうち任意に隣り合う手摺25同士を連結する4つの棒状部材61である。4つの棒状部材61は、第1棒状部材61aと、第2棒状部材61bと、第3棒状部材61cと、第4棒状部材61dとである。第1棒状部材61aは、第1盤11aの手摺25a及び第2盤11bの手摺25bを連結する。第2棒状部材61bは、第2盤11bの手摺25b及び第3盤11cの手摺25cを連結する。第3棒状部材61cは、第3盤11cの手摺25c及び第4盤11dの手摺25dを連結する。第4棒状部材61dは、第4盤11dの手摺25d及び第5盤11eの手摺25eを連結する。
【0042】
複数の棒状部材61の各々は、回転軸63の軸周りに回転することによって、隣り合う手摺25の連結及び連結解除を行う。各棒状部材61の両端部のうちの第1端部は回転軸63に接続されている。各棒状部材61の第1端部及び回転軸63は、隣り合う手摺25の一方に配置されている。各棒状部材61の第2端部は、回転軸63の軸周りの回転によって、隣り合う手摺25の一方の収容部P又は隣り合う手摺25の一方以外(他方)の収容部Pに配置される。各棒状部材61は、両端部(第1端部及び第2端部)を隣り合う手摺25の収容部Pに配置することによって隣り合う手摺25を連結する。各棒状部材31は、隣り合う手摺25のうちの一方の収容部Pにのみ配置されることによって隣り合う手摺25の連結を解除する。
【0043】
第2変形例の電気機器ユニット10Bに備えられる複数の盤11の各々は、上述した第1変形例と同様に、ロック機構51を備える。ロック機構51は、複数の棒状部材61による複数の手摺25の連結状態で各棒状部材61の回転を規制することによって、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結解除を規制する。
【0044】
以下に、複数の手摺25(つまり複数の開閉部材23)の連結を解除する工程の一例について説明する。
まず、第1盤11aの手摺25a及び第2盤11bの手摺25bを連結する第1棒状部材61aに対してロック機構51による回転の規制が解除される。第1棒状部材61aは、第2盤11bの手摺25bの収容部Pから第2端部を離脱させて第1盤11aの手摺25aの収容部Pに全収容されるように回転させられる。第1棒状部材31aの回転によって、第2盤11bの手摺25bに対する第1盤11aの手摺25aの連結が解除される。
【0045】
次に、第2盤11bの手摺25b及び第3盤11cの手摺25cを連結する第2棒状部材61bに対してロック機構51による回転の規制が解除される。第2棒状部材61bは、第3盤11cの手摺25cの収容部Pから第2端部を離脱させて第2盤11bの手摺25bの収容部Pに全収容されるように回転させられる。第2棒状部材31bの回転によって、第3盤11cの手摺25cに対する第2盤11bの手摺25bの連結が解除される。
【0046】
次に、第3盤11cの手摺25c及び第4盤11dの手摺25dを連結する第3棒状部材61cに対してロック機構51による回転の規制が解除される。第3棒状部材61cは、第4盤11dの手摺25dの収容部Pから第2端部を離脱させて第3盤11cの手摺25cの収容部Pに全収容されるように回転させられる。第3棒状部材61cの回転によって、第4盤11dの手摺25dに対する第3盤11cの手摺25cの連結が解除される。
【0047】
次に、上記と同様に、第4棒状部材61dに対してロック機構51による回転の規制が解除され、第4棒状部材61dの回転によって、第5盤11eの手摺25eに対する第4盤11dの手摺25dの連結が解除される。
以上のように、図7に示す例では、複数のロック機構51は、第1盤11aの手摺25a(つまり開閉部材23)と、第2盤11bの手摺25b(つまり開閉部材23)と、第3盤11cの手摺25c(つまり開閉部材23)と、第4盤11dの手摺25d(つまり開閉部材23)との順に連結解除を許容する。
【0048】
以上説明した第2変形例によれば、電気機器ユニット10Bは、各棒状部材61の回転を規制することによって複数の開閉部材23の連結を解除する際に所定順に連結解除を許容するロック機構51を備えることにより、複数の盤11の各々の開閉部材23を適切な順序で開放することができる。
【0049】
上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例では、各棒状部材31,61は隣り合う2つの手摺25(つまり開閉部材23)の連結及び連結解除を行うとしたが、これに限定されない。例えば、並んで配置される3つ以上の手摺25(つまり開閉部材23)の連結及び連結解除を行う棒状部材を備えてもよい。
【0050】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、複数の盤11の開閉部材23を連結するとともに、複数の開閉部材23の連結を解除する際に所定順に連結解除を許容する部材又は機構を備えることにより、開閉部材23の剛性及び強度を増大させ、電気機器ユニット10,10A,10Bの開閉部材23の防爆機能を高めることができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0052】
10,10A,10B…電気機器ユニット、11…盤、21…筐体、21a…開口部、23…開閉部材、25…手摺、27…電気機器、31,61…棒状部材、41…電源スイッチ、45…受電ランプ、47…電圧センサ、49…制御装置、51…ロック機構。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7