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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】絞り弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/06 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
F16K15/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021575484
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2020089880
(87)【国際公開番号】W WO2021012751
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】201921152976.5
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】宋 治国
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209012449(CN,U)
【文献】特開平09-144918(JP,A)
【文献】特開平06-235470(JP,A)
【文献】特開2005-098482(JP,A)
【文献】米国特許第07225830(US,B1)
【文献】特開2015-206413(JP,A)
【文献】特開2014-040791(JP,A)
【文献】特開2002-310314(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0019955(US,A1)
【文献】特開2016-223622(JP,A)
【文献】特開2015-218948(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159491(WO,A1)
【文献】特開2013-124713(JP,A)
【文献】特開2009-074656(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103591340(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109826969(CN,A)
【文献】中国実用新案第208311567(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00 - 1/54
F16K 15/00 - 15/20
F16K 17/18 - 17/34
F16K 31/12 - 31/165
F16K 31/36 - 31/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絞り弁であって、
流体通路を有する弁管(10)と、
前記弁管(10)の流体通路内に設けられ、第1通路、絞り通路、及び第2通路を有する弁座(20)であって、前記第1通路が前記絞り通路を介して前記第2通路に連通されている弁座(20)と、
前記弁座(20)内に移動可能に設けられ、本体部(31)及び突起部(32)を含むスピンドル(30)であって、前記本体部(31)が前記第2通路内に設けられ、前記突起部(32)が前記絞り通路の流れ容量を制御するために用いられるスピンドル(30)と、
前記第2通路内に設けられ、前記第1通路内の液体流量に応じて前記絞り通路内の液体流量を調節するように、一端が前記スピンドル(30)に当接され、他端が前記弁座(20)の少なくとも一部に当接された漸進的ばね(40)と、
を含み、
前記絞り弁は、前記弁座(20)に設けられているヘッダ(50)を更に含み、
前記ヘッダ(50)は、前記漸進的ばね(40)の前記スピンドル(30)から離れた一端に位置し、前記漸進的ばね(40)の他端は、前記ヘッダ(50)の少なくとも一部に当接され、
前記ヘッダ(50)には、第3通路(53)が設けられて、前記流体通路が前記第3通路(53)を介して前記第2通路に連通されており、
前記弁座(20)は、弁座本体(21)、及び弁座本体(21)から延び出た第1位置決め部(22)を含み、
前記第1位置決め部(22)は、前記ヘッダ(50)を位置決めするように前記弁座(20)の内部へ向けて曲げられた部分を備えた第1位置決め突起を含む、
絞り弁。
【請求項2】
前記漸進的ばね(40)は、タワーばね又は可変ピッチばねである、請求項1に記載の絞り弁。
【請求項3】
前記本体部(31)の側面は、位置決め側面及びドレイン面(311)を含み、前記位置決め側面は、前記弁座(20)の内壁面に対応し、前記ドレイン面(311)と前記弁座(20)の内壁との間には、流体間隙が形成されている、請求項1に記載の絞り弁。
【請求項4】
前記スピンドル(30)は第1取り付け部(33)を更に含み、前記第1取り付け部(33)は、前記本体部(31)の前記突起部(32)から離れた一端に設けられ、前記漸進的ばね(40)の一端は、前記第1取り付け部(33)に取り付けられている、請求項1に記載の絞り弁。
【請求項5】
前記ヘッダ(50)は、本体部(51)及び第2取り付け部(52)を含み、前記漸進的ばね(40)の他端は、前記第2取り付け部(52)に設けられている、請求項1に記載の絞り弁。
【請求項6】
記第1位置決め部(22)は、かしめ又は溶接によって前記ヘッダ(50)に固定されている、請求項1に記載の絞り弁。
【請求項7】
記第1位置決め突起は、フィッティングセグメント(221)及び折り曲げセグメント(222)を有し、前記フィッティングセグメント(221)と前記折り曲げセグメント(222)とは接続されており、前記フィッティングセグメント(221)は、前記弁座本体(21)に設けられており、前記フィッティングセグメント(221)の少なくとも一部は、前記ヘッダ(50)にフィットして前記ヘッダ(50)を位置決めし、前記折り曲げセグメント(222)の少なくとも一部は、前記ヘッダ(50)の端部に当接して前記ヘッダ(50)を位置決めする、請求項6に記載の絞り弁。
【請求項8】
前記弁管(10)には、第2位置決め部が設けられており、前記第2位置決め部は、前記弁座(20)の少なくとも一部に当接して、前記弁座(20)を位置決めするために用いられる、請求項1に記載の絞り弁。
【請求項9】
前記第2位置決め部は、第2位置決め突起(11)であり、前記弁座(20)には、前記第2位置決め突起(11)に係合される位置決め溝(23)が設けられており、前記第2位置決め突起(11)は、前記位置決め溝(23)内に設けられて、前記弁座(20)を位置決めする、請求項8に記載の絞り弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年07月22日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201921152976.5であり、発明の名称が「絞り弁」である特許出願の優先権を主張している。
【0002】
本出願は、絞り弁の技術分野に関し、具体的には絞り弁に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、絞り弁の内部の流量が大きいと、絞り弁のスピンドルの変位量が大きいため、絞り部を流れる液体の流量が大きくなり、これにより、コンプレッサシステムのエネルギー効率が低くなる。絞り弁の内部の流量が小さいと、絞り弁のスピンドルの変位量が小さいため、絞り部を流れる液体の流量が小さくなり、これにより、コンプレッサの吸気温度が高くなりすぎ、更には、システム全体の温度が上昇し続けることになる。従来技術の絞り弁は、実際の状況に応じて絞り部の流れ量を合理的に調節することができないため、コンプレッサ全体のエネルギー効率及び容量を効果的に確保することができない。
【発明の概要】
【0004】
本出願の主な目的は、従来技術における、絞り弁の流量を調節しにくいという技術的問題を解決するための絞り弁を提供することにある。
【0005】
上記の目的を達成するために、本出願は、流体通路を有する弁管と、弁管の流体通路内に設けられ、第1通路、絞り通路、及び第2通路を有し、第1通路は、絞り通路を介して第2通路に連通される弁座と、弁座内に移動可能に設けられ、本体部及び突起部を含み、本体部は、第2通路内に設けられ、突起部は、絞り通路の流れ容量を制御するために用いられるスピンドルと、第2通路内に設けられ、第1通路内の液体流量に応じて絞り通路内の液体流量を調節するように、一端がスピンドルに当接され、他端が弁座の少なくとも一部に当接される漸進的ばねと、を含む絞り弁を提供している。
【0006】
更に、漸進的ばねは、タワーばね又は可変ピッチばねである。
【0007】
更に、本体部の側面は、位置決め側面及びドレイン面を含み、位置決め側面とドレイン面とは接続され、位置決め側面は、弁座の内壁面に対応し、ドレイン面と弁座の内壁との間には、流体間隙が形成される。
【0008】
更に、スピンドルは、第1取り付け部を更に含み、第1取り付け部は、本体部の突起部から離れた一端に設けられ、漸進的ばねの一端は、第1取り付け部に取り付けられる。
【0009】
更に、絞り弁は、弁座に設けられるヘッダを更に含み、ヘッダは、漸進的ばねのスピンドルから離れた一端に位置し、漸進的ばねの他端は、ヘッダの少なくとも一部に当接され、ヘッダには、第3通路が設けられて、流体通路が第3通路を介して第2通路に連通されるようにする。
【0010】
更に、ヘッダは、本体部及び第2取り付け部を含み、漸進的ばねの他端は、第2取り付け部に設けられる。
【0011】
更に、弁座は、弁座本体、及び弁座本体から延び出た第1位置決め部を含み、第1位置決め部は、かしめ又は溶接によってヘッダに固定される。
【0012】
更に、第1位置決め部は、第1位置決め突起を含み、第1位置決め突起は、フィッティングセグメント及び折り曲げセグメントを有し、フィッティングセグメントと折り曲げセグメントとは接続され、フィッティングセグメントは、弁座本体に設けられ、フィッティングセグメントの少なくとも一部は、ヘッダにフィットしてヘッダを位置決めし、折り曲げセグメントの少なくとも一部は、ヘッダの端部に当接してヘッダを位置決めする。
【0013】
更に、弁管には、第2位置決め部が設けられ、第2位置決め部は、弁座の少なくとも一部に当接して、弁座を位置決めするために用いられる。
【0014】
更に、第2位置決め部は、第2位置決め突起であり、弁座には、第2位置決め突起に係合される位置決め溝が設けられ、第2位置決め突起は、位置決め溝内に設けられて、弁座を位置決めする。
【0015】
本出願の技術態様を適用して、第2通路内に漸進的ばねを増設し、且つ漸進的ばねの一端をスピンドルに当接させ、漸進的ばねの他端を弁座に当接させる。漸進的ばねの変位量が小さいと、漸進的ばねの弾性率が小さく、漸進的ばねの変位量の増加につれて、漸進的ばねの弾性率が徐々に大きくなる。これにより、漸進的ばね自体のパラメータを制御することによって、第1通路内の流量の大きさに応じて絞り部の流れ量を制御しやすくすることができる。具体的には、漸進的ばねの作用下で、第1通路内の流量が小さいと、スピンドルの位置のずれ量が小さく、この場合、流量の増加につれて、スピンドルの位置のずれ量の変化が速くなって、流れ面積を急速に増加させやすくなる。第1通路内の流量が大きいと、スピンドルのずれ量が大きく、この場合、流量の増加につれて、スピンドルの位置ずれの変化が比較的に緩やかになり、ひいては、ほぼ変わらない状況が生じ、これにより、流量が大きい場合に、流れ面積の増加を制限して、高圧流量を制限することができる。従って、本出願によって提供される技術態様を採用すると、従来技術における、絞り弁の流量を調節しにくいという技術的問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0017】
図1】本出願の実施例によって提供される絞り弁の構成模式図を示す。
図2図1におけるI部分の部分拡大模式図を示す。
図3】本出願の実施例によって提供される絞り弁の断面図を示す。
図4】本出願の実施例によって提供される可変ピッチばねである漸進的ばねの正面図を示す。
図5】本出願の実施例によって提供される可変ピッチばねである漸進的ばねの上面図を示す。
図6】本出願の実施例によって提供されるタワーばねである漸進的ばねの正面図を示す。
図7】本出願の実施例によって提供されるタワーばねである漸進的ばねの上面図を示す。
図8】本出願の実施例によって提供されるスピンドルの上昇量と絞り部の流れ面積との関係の模式図を示す。
図9】本出願の実施例によって提供されるスピンドルの上昇量と絞り弁の前後の圧力差との関係の模式図を示す。
【0018】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁管、11 第2位置決め突起、20 弁座、21 弁座本体、22 第1位置決め部、221 フィッティングセグメント、222 折り曲げセグメント、23 位置決め溝、30 スピンドル、31 本体部、311 ドレイン面、32 突起部、33 第1取り付け部、40 漸進的ばね、50 ヘッダ、51 本体部、52 第2取り付け部、53 第3通路。
【発明を実施するための形態】
【0019】
なお、矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照して実施例と併せて本発明を詳細に説明する。
【0020】
図1から図9に示すように、本出願の実施例は、弁管10、弁座20、スピンドル30、及び漸進的ばね40を含む絞り弁を提供している。ここで弁管10は、流体通路を有する。弁座20は弁管10の流体通路内に設けられ、弁座20は、第1通路、絞り通路、及び第2通路を有し、第1通路は絞り通路を介して第2通路に連通される。スピンドル30は弁座20内に移動可能に設けられ、本体部31及び突起部32を含み、本体部31は第2通路内に設けられ、突起部32は絞り通路の流れ容量を制御するために用いられ、具体的には、絞り通路の導通又は遮断を制御することを含む。漸進的ばね40は第2通路内に設けられ、第1通路内の液体流量に応じて絞り通路内の液体流量を調節するように、漸進的ばね40の一端がスピンドル30の少なくとも一部に当接され、他端が弁座20に当接される。本実施例における絞り弁は、主にコンプレッサに用いられる。具体的には、本実施例における漸進的ばね40の一端は、スピンドル30の端部に当接される。
【0021】
本実施例によって提供される絞り弁を採用すると、第2通路内に漸進的ばね40が増設されるため、漸進的ばね40の変位量の増加につれて漸進的ばね40の弾性率が増加する。具体的には、漸進的ばね40の変位量が小さいと漸進的ばね40の弾性率が小さく、漸進的ばね40の変位量が大きいと漸進的ばね40の弾性率が大きい。これにより、漸進的ばね40自体のパラメータを調節することによって、第1通路内の流量の大きさに応じて絞り部の流れ量を制御しやすくすることができる。具体的には、漸進的ばね40の作用下で、第1通路内の流量が小さいとスピンドル30の位置のずれ量が小さく、この場合、流量の増加につれて、スピンドル30の位置のずれ量の変化が速くなって、流れ面積を急速に増加させやすくなり、コンプレッサの吸気温度が高くなりすぎるのを防ぎ、更には、コンプレッサの使用寿命を延ばすことができる。第1通路内の流量が大きいとスピンドル30のずれ量が大きく、この場合、流量の増加につれて、スピンドル30の位置ずれの変化が比較的に緩やかになり、ひいてはほぼ変わらない状況が生じ、これにより、流量が大きい場合に、流れ面積の増加を制限して、高圧流量を制限することができ、更にはコンプレッサ全体の効率及び容量を確保している。
【0022】
図4から図7に示すように、本実施例において、漸進的ばね40はタワーばね又は可変ピッチばねであってよい。具体的には、本実施例におけるタワーばねはステップばねを指し、可変ピッチばねは可変螺旋ピッチばねを指す。具体的には、タワーばね又は可変ピッチばねの作用下で、タワーばね又は可変ピッチばねの変位量が小さいとタワーばね又は可変ピッチばねの弾性率が小さいため、流量が小さい場合に、流れ面積を急速に増加させやすい。タワーばね又は可変ピッチばねの変位量が大きいとタワーばね又は可変ピッチばねの弾性率が大きく、この場合、タワーばね又は可変ピッチばねの変位量の変化に対する流量の変化の影響が極めて小さく、ひいては、流量が増加しても、変位量がほとんど変わらない状況が生じて、高圧流量を制限することができる。
【0023】
具体的には、タワーばね又は可変ピッチばねは、スピンドル30の上昇量(変位量)と絞り部の絞り面積との関係を変えることができ、低圧力差において製品の流量が小さすぎる、コンプレッサの吸気温度が高すぎる、システム全体の温度が上昇し続けるという問題を減らすと同時に、高圧力差において製品の流量が大きすぎる、システムのエネルギー効率が低い、という問題を改善することができる。
【0024】
同時に、タワーばね又は可変ピッチばねは、スピンドル30の上昇量(変位変化量)と弁の前後の圧力差との関係を変えることもでき、低圧力差において製品の流量が小さすぎる、コンプレッサの吸気温度が高すぎる、システム全体の温度が上昇し続ける、という問題を減らすと同時に、高圧力差において製品の流量が大きすぎる、システムのエネルギー効率が低い、という問題を改善することができる。
【0025】
本実施例において、本体部31の側面は位置決め側面及びドレイン面311を含み、位置決め側面とドレイン面311とは接続され、位置決め側面は、弁座20の内壁面に対応することによって、位置決め側面を介して、スピンドル30を第2通路内で移動するように案内しやすくする。本実施例における本体部31の横断面積は第2通路の横断面積よりも小さく、具体的には、ドレイン面311と弁座20の内壁との間に流体間隙が形成されて、絞り通路内の液体が流体間隙を経由して流出するようにする。具体的には、本実施例におけるドレイン面311は、内側凹面又は平面であってよい。
【0026】
具体的には、本実施例におけるスピンドル30は第1取り付け部33を更に含み、第1取り付け部33は本体部31の突起部32から離れた一端に設けられ、漸進的ばね40の一端は第1取り付け部33に取り付けられる。このような設定を採用すると、漸進的ばね40の一端を本体部31の端部に当接させて、漸進的ばね40を位置決めしやすくすることができる。具体的には、本実施例における第1取り付け部33は、第1取り付け突起又は第1取り付け溝であってよく、第1取り付け部33が第1取り付け突起である場合、漸進的ばね40の一端は、第1取り付け突起上に嵌合され、第1取り付け部33が第1取り付け溝である場合、漸進的ばね40の一端は、第1取り付け溝内に設けられ、第1取り付け溝によって漸進的ばね40の一端が取り付けられて、漸進的ばね40を位置決めする。
【0027】
本実施例において、絞り弁はヘッダ50を更に含み、ヘッダ50は弁座20に設けられ、漸進的ばね40のスピンドル30から離れた一端に位置し、漸進的ばね40の他端はヘッダ50の少なくとも一部に当接されて、漸進的ばね40を位置決めしやすくする。ヘッダ50には第3通路53が設けられて、流体通路が第3通路53を介して第2通路に連通されるようにする。本実施例において、第3通路53をヘッダ50の中部に設けて、第2通路と流体通路とがより良く連通されるようにしてもよい。
【0028】
具体的には、本実施例におけるヘッダ50は本体部51及び第2取り付け部52を含み、漸進的ばね40の他端は第2取り付け部52に設けられる。具体的には、第2取り付け部52は、第2取り付け突起又は第2取り付け溝であってよく、第2取り付け部52が第2取り付け突起である場合、漸進的ばね40の他端は、第2取り付け突起上に嵌合され、第2取り付け部52が第2取り付け溝である場合、漸進的ばね40の他端は、第2取り付け溝内に設けられ、第2取り付け溝によって漸進的ばね40の他端が取り付けられて、漸進的ばね40を位置決めする。このような設定を採用すると、漸進的ばね40の他端を本体部51に当接させて、漸進的ばね40をより良く位置決めしやすくすることができることによって、漸進的ばね40をヘッダ50とスピンドル30との間で安定して変形させることができる。
【0029】
弁座20は、弁座本体21、及び弁座本体21から延び出た第1位置決め部22を含み、第1位置決め部22は弁座本体21の上端に設けられて、ヘッダ50を位置決めする。第1位置決め部22は、かしめ、溶接、又はねじ接続によってヘッダ50に固定される。具体的には、本実施例における第1位置決め部22は、弁座本体21の端部に設けられる。
【0030】
第1位置決め部22は第1位置決め突起を含み、第1位置決め突起はフィッティングセグメント221及び折り曲げセグメント222を有し、フィッティングセグメント221と折り曲げセグメント222とは接続され、フィッティングセグメント221は弁座本体21に設けられる。フィッティングセグメント221の少なくとも一部はヘッダ50にフィットしてヘッダ50を位置決めし、フィッティングセグメント221と弁座本体21の端部とは位置決め段差を形成し、ヘッダ50は、この位置決め段差に挟まって設けられ、折り曲げセグメント222の少なくとも一部は、ヘッダ50の端部に当接してヘッダ50を位置決めする。このような設定を採用すると、フィッティングセグメント221及び折り曲げセグメント222によって、ヘッダ50を安定して位置決めすることができ、使用過程において、ヘッダ50の位置にずれが生じることを防ぎ、構造全体の安定性を高めている。
【0031】
使用過程において、弁座20に位置ずれが生じることを防ぐために、本実施例では弁管10に第2位置決め部を設ける。第2位置決め部は、弁座20が弁管10に安定して設けられるように、弁座20の少なくとも一部に当接して、弁座20を位置決めするために用いられる。
【0032】
具体的には、本実施例における第2位置決め部は第2位置決め突起11であり、弁座20には第2位置決め突起11に係合される位置決め溝23が設けられる。第2位置決め突起11が位置決め溝23内に設けられて、弁座20を位置決めすることで、弁座20を弁管10に安定して設けることができる。他の実施例において、第2位置決め部は雌ねじ構造であり、弁座20には雌ねじに係合される雄ねじ構造が設けられ、雌雄ねじの互いの係合によって固定及び取り付けを行って、同様の効果を得てもよい。
【0033】
図8において、Lはスピンドル30の上昇量(変位変化量)を表し、Sは絞り通路の流れ面積を表す。図8に示すように、スピンドル30の上昇量が小さいと、流れ面積が急速に増加して、吸気温度が高すぎてコンプレッサの使用寿命に影響を与えることを防ぐ。スピンドル30の上昇量が大きいと、流れ面積の変化が比較的に緩やかになって、流れ面積の増加を制限し、更には、高圧流量を制限して、機械全体のエネルギー効率及び容量を確保している。
【0034】
図9において、Lはスピンドル30の上昇量(変位変化量)を表し、Pは絞り弁の前後の圧力差を表す。図9に示すように、スピンドル30の上昇量が小さいと、弁の前後の圧力差の変化が速くなって、流れ面積を増加させやすくなり、流量が小さくなりすぎる状況を防ぎ、スピンドル30の上昇量が大きいと、弁の前後の圧力差の変化が緩やかになる。
【0035】
以上の説明から、本出願の上述した実施例は、漸進的ばね40によって、絞り部の流量の大きさを制御しやすくすることができ、吸気温度が高くなりすぎるのを防ぎ、コンプレッサの使用寿命を延ばしており、高圧流量を制限して、機械全体のエネルギー効率及び容量を確保しており、構造が簡単で信頼性があるという技術効果を実現していることが分かる。
【0036】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は、何れも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9