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特許7496867車両シートとサイドエアバッグアセンブリとを備える車両シートアセンブリ及びサイドエアバッグユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】車両シートとサイドエアバッグアセンブリとを備える車両シートアセンブリ及びサイドエアバッグユニット
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/207 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
B60R21/207
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022503563
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 EP2020071099
(87)【国際公開番号】W WO2021023542
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】102019121475.0
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】サンディング、パー
(72)【発明者】
【氏名】ビョルクヴィスト、ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ルンドクヴィスト、シャーロット
(72)【発明者】
【氏名】ディリンジャー、トーマス
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/034742(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0123382(US,A1)
【文献】特開平09-193734(JP,A)
【文献】特開2018-052275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの側部(17)を有するフレーム(16)を備えた座部背もたれ(14)を含む車両シート(10)と、
展開されていない状態で少なくとも部分的に巻かれたエアバッグパッケージ(28)を形成し、前記フレーム(16)の側部(17)に取り付けられたサイドエアバッグ(20)を含むサイドエアバッグアセンブリと、
前記サイドエアバッグ(20)を膨張させるためのインフレータ(40)と、
前記エアバッグパッケージ(28)の周りに少なくとも部分的に延びるラッパーと、を備える車両シートアセンブリであって、
展開された前記サイドエアバッグ(20)は後端(20a)から前端(20b)まで延び、
前記ラッパーは、前記エアバッグパッケージ(28)を保持するラッピングセクション(31c、31d)と、前記ラッピングセクションの後端において前記サイドエアバッグ(20)に連結された第1の端部(31a、32a)と、前記ラッピングセクションの前端において前記フレーム(16)、又は前記フレーム(16)に接続された取り付け要素に連結された第2の端部(31b、32b)と、を含み、
前記ラッパーは、下部取り付けラッパー(31)と、上部取り付けラッパー(32)と、前記下部取り付けラッパー(31)と前記上部取り付けラッパー(32)との間に配置する第1の追加ラッパー(33)と、を含み、
前記第1の追加ラッパーは、前記サイドエアバッグアセンブリを前記フレーム(16)の前記側部(17)に装着する前に、前記エアバッグパッケージ(28)を取り囲むように構成されていることを特徴とする車両シートアセンブリ。
【請求項2】
前記エアバッグパッケージ(28)の長さ(l)は、前記エアバッグパッケージ(28)の最大厚さ(tmax)の10倍を超えるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両シートアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の追加ラッパー(33)の両方の端(33a、33b)は、前記サイドエアバッグ(20)、前記第1の追加ラッパー(33)自体、又は前記上部取り付けラッパー(31)、下部取付けラッパー(32)のうちの1つに直接取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両シートアセンブリ。
【請求項4】
追加的に、第2の追加ラッパー(34)が設けられており、前記第2の追加ラッパーの両方の端(34a、34b)は、前記サイドエアバッグに直接取り付けられており、前記第2の追加ラッパーは、前記下部取り付けラッパー(31)よりも下方に配置されている、請求項1,2又は3に記載の車両シートアセンブリ。
【請求項5】
すべての取り付けラッパー(31、32)及びすべての追加ラッパー(33、34)はブレークライン(39)を備える、請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両シートアセンブリ。
【請求項6】
すべての取り付けラッパー(31、32)及び追加ラッパー(33、34)は、ラッパー要素(30)の一部分であり、前記ラッパー要素(30)は、一体構造化されている、請求項1乃至5の何れか一項に記載の車両シートアセンブリ。
【請求項7】
前記ラッパー要素(30)は、三角形又はくさび形を有する、請求項6に記載の車両シートアセンブリ。
【請求項8】
前記エアバッグパッケージ(28)は、軸(Ap)を画定し、前記サイドエアバッグ(20)と前記ラッパー要素(30)とを備えるエアバッグユニットが、前記エアバッグユニットの圧縮された装着前の状態であるときに、前記軸は、前記サイドエアバッグの後縁(20d)に対して傾斜し、それにより、前記エアバッグ(20)は、巻かれていない三角形のセクション(29)を有する、請求項6又は7に記載の車両シートアセンブリ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の車両シートアセンブリにおける使用のためのサイドエアバッグ(20)及び少なくとも1つのラッパーを備えるエアバッグユニット(18)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両シートと、この車両シートに取り付けられたサイドエアバッグアセンブリとを備える、請求項1のプリアンブルに記載の車両シートアセンブリに関し、請求項9に記載のサイドエアバッグユニットに関する。
【0002】
サイドエアバッグアセンブリの使用は、現代の自動車技術において普及している。このようなサイドエアバッグアセンブリは、サイドエアバッグと、当該サイドエアバッグを膨張させるためのインフレータとを備える。通常、サイドエアバッグアセンブリは、車両シートの背もたれのフレームの側部に取り付けられている。ほとんどの場合、サイドエアバッグアセンブリは、ドアなどの車両構造の隣に配置されたフレームの側部上に配置されている。この位置は、「外側」と呼ばれる。このようなサイドエアバッグの役割は、車両の側部構造が側部衝突に起因して車両の内部に侵入したときに、乗員の骨盤及び胸部をこの側部構造の一部分に接触することから保護することである。また、エアバッグが2つのシート間に展開するように、車両の内側に配置されたフレームの側部上にサイドエアバッグアセンブリを設けることが知られているが、これはより一般的な場合であるため、主に「外側に位置する」サイドエアバッグアセンブリに言及する。
【0003】
圧縮された状態で、サイドエアバッグの大部分は、通常、巻かれており又は折り畳まれており、エアバッグパッケージに巻かれており、エアバッグパッケージは、フレームの側部の外側上に配置されており、それにより、このエアバッグパッケージは、フレームと車両の外側構造との間に配置されている。左ハンドル車のドライバ側サイドエアバッグアセンブリの場合、サイドエアバッグアセンブリは、フレームの左側部の左に配置されている。
【0004】
一般的な車両シートアセンブリは、米国特許第2015/0123382 A1号に記載されている。この文献に記載のサイドエアバッグアセンブリは、サイドエアバッグと、インフレータと、エアバッグパッケージの周りに完全に延びるラッパーとを備える。このラッパーの第1の端は、エアバッグの後端に縫合されており、それにより、エアバッグ及びラッパーはエアバッグユニットを形成する。このラッパーの第2の端は、インフレータから延びるスタッドによって保持されている。
【0005】
ドイツ特許第10 2017 113 105 A1号はまた、エアバッグと、インフレータと、エアバッグパッケージの周りに完全に延びるラッパーとを備えるエアバッグアセンブリを示す。ここで、ラッパーの両方の端はインフレータスタッドによって保持されている。追加フラップは、このラッパーからシートフレームまで延びる。この追加フラップは、内装材がシートフレームに適用されているときに、エアバッグパッケージを所定の位置に保つのに役立つ。
【0006】
サイドエアバッグアセンブリに伴う一般的な問題は、使用可能な圧縮空間が厳しく制限されていることである。追加的に、フレームの側部と車両の内側構造との間の展開のために使用可能な空間は、比較的小さいことがある。
【0007】
この従来技術から出発して、本発明の課題は、車両シートと、サイドエアバッグアセンブリとを備える車両シートアセンブリであって、使用可能な空間の使用が最適化されている、車両シートアセンブリを提供することである。
【0008】
この課題は、請求項1の特徴を有する車両シートアセンブリによって解決される。このような車両シートアセンブリにおける使用のためのサイドエアバッグユニットは、請求項9に定義されている。
【0009】
本発明によれば、エアバッグパッケージの形状、及び当該エアバッグパッケージをフレームにおいて保持する方法が最適化されている。
【0010】
エアバッグパッケージは長く細く、これは、エアバッグパッケージの長さが、エアバッグパッケージの最大厚さの少なくとも10倍、好ましくは12~15倍を超えることを意味する。追加的に、2つの機能、すなわち、この長く細いエアバッグパッケージをこの小さい厚さの形状に保つ機能と、このエアバッグパッケージをフレームに取り付ける機能とを有する少なくとも1つのラッパーが設けられている。両方の役割を果たすために、このラッパーは、ラッパーの第1の端から延びる第1のセクションを有し、ラッパーの第1の端は、サイドエアバッグの後端において又はこの近くでサイドエアバッグに取り付けられている。ラッパーのこの第1のセクションは、エアバッグパッケージに当接する。ラッパーの第2の端は、該第2の端がフレームに当接するがパッケージに当接しないように、フレームに取り付けられる。したがって、最終パッケージ成形ステップ、及びフレームへのパッケージの取り付けは、ラッパーの第2の端をフレームに取り付けるときに、接合ステップで行われる。したがって、このラッパーは、取り付けラッパーである。好ましくは、この取り付けラッパーは、エアバッグパッケージを圧縮し、この圧縮されたエアバッグパッケージをエアバッグパッケージの最終装着状態でフレーム上に保つ。
【0011】
エアバッグパッケージをエアバッグパッケージの巻かれた又は折り畳まれ巻かれた状態で保つために、少なくとも2つの取り付けラッパー、すなわち、下部取り付けラッパー及び上部取り付けラッパー、並びに下部取り付けラッパーと上部取り付けラッパーとの間に配置された追加ラッパーを設けることが好ましい。この追加ラッパーは、エアバッグ又はラッパー自体に排他的に接続されており、それにより、追加ラッパーは、追加層を追加せずに、エアバッグパッケージをエアバッグパッケージの巻かれた又は折り畳まれ巻かれた状態で保つために使用され得る。好ましくは、取り付けラッパー及び追加ラッパーは、接合された、好ましくは一体構造化されたラッパー要素の一部分である。多くの場合、特にエアバッグパッケージの下端において少なくとも1つのさらなる追加ラッパーを設けることが好ましい。
【0012】
追加ラッパーの代替として又は追加ラッパーに加えて、パッケージは、単にシーム若しくは接着をパッケージに適用することによって、又は巻かれた/折り畳まれたパッケージにプラスチックタグをはさめることによって、薄く/細く保持され得る。
【0013】
さらなる好ましい実施形態は、さらなる従属請求項に定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
ここで、本発明について、図を参照して好ましい実施形態によってより詳細に説明する。図は、以下を示す。
図1】サイドエアバッグユニットのすべての切断片の図である。
図2】切断片のうちの1つ、すなわち、図1のラッパー要素の拡大図である。
図3】第1の縫合ステップ後の図1に示す切断片のうちのいくつかの図である。
図4】さらなる縫合ステップ後の図3に示すものの図である。
図5】完全なサイドエアバッグユニットの図である。
図6図5のサイドエアバッグの下部セクションのステップでの折り畳み後の図5のサイドエアバッグユニットの図である。
図7】サイドエアバッグの折り畳み及び巻きプロセスの図である。
図8】サイドエアバッグの折り畳み及び巻きプロセスの図である。
図9】サイドエアバッグの折り畳み及び巻きプロセスの図である。
図10】サイドエアバッグの折り畳み及び巻きプロセスの図である。
図11】追加ラッパーをエアバッグパッケージの周りに巻き付け、追加ラッパーの第2の端をサイドエアバッグに接続した後の図10に示すものの図である。
図11a図11の平面E-Eに沿う断面図である。
図12】前面から左ハンドル車のドライバ側の車両シートアセンブリ上への概略平面図である。
図13】請求項12のフレーム及びエアバッグアセンブリの拡大図である。
図14図12の方向Rからの図12の車両シートアセンブリの図である。
図15図13の平面A-Aに沿う断面図である。
図16図13の平面B-Bに沿う断面図である。
図17】サイドエアバッグが展開されたときの図14の車両シートアセンブリの図である。
【0015】
図1は、本発明のサイドエアバッグユニットの記載されている実施形態のすべての切断片を示す。関連する切断片は、外皮21及びラッパー要素30用の切断片である。さらに、補強層及びディフューザ要素用の5つの切断片25a~25eが示されている。すべての切断片(ラッパー要素30を含む)は、特にプラスチック材料で作製された糸から織られた同じ種類の布から作製され得る。本出願で選択された定義内で、サイドエアバッグの外皮用の切断片21及び補強層/ディフューザ用の切断片25a~25e、並びにラッパー要素は、サイドエアバッグユニットを形成する。
【0016】
外皮用の切断片21は、基本的に「蝶の形状」を有する。外皮用の切断片21は、外皮用の切断片21の中央軸上に、インフレータ用の穴22と、インフレータスタッド用の穴23とを有する。追加的に、通気孔24が設けられている。通気孔24を除いて、切断片は鏡対称である。
【0017】
図2を参照して、ラッパー要素30について説明する。このラッパー要素30は、一体構造化されており、第1の縁30aから第2の縁30bまで延びる。第1の縁30aの近くの領域は、第1の端31a、32a、33a、34aと呼ばれ、第2の縁30bの近くの領域は、第2の端31b、32b、33b、34bと呼ばれる。切断片は基本的にくさび形を有し、これは、縁30a、30bが互いに平行ではないことを意味する。ラッパー要素30は、4つのセクションを備えるように見られてもよく、各セクションは、セクションの第1の端31a、32a、33a、34aからセクションの第2の端31b、32b、33b、34bまで延びる。これらの4つのセクションは、下部取り付けラッパー31、上部取り付けラッパー32、下部取り付けラッパー31と上部取り付けラッパー32との間に位置する第1の追加ラッパー33、及び下部取り付けラッパー31よりも下方に配置された第2の追加ラッパー34である。図示の実施形態では、追加ラッパー33及び34は、下部取り付けラッパー31及び上部取り付け32よりも短く、このため、ラッパー要素30の第2の縁30bは段差を有する。すべてのラッパー31~34はブレークライン39を備え、ブレークライン39は、例えば、穿孔の形態であり得る。図示の実施形態では、下部取り付けラッパー31及び上部取り付けラッパー32は各々、下部取り付けラッパー31及び上部取り付けラッパー32の第2の端31b、32bにおいて取り付け穴35を備える。さらに、インフレータ用の穴37a及びインフレータスタッド用の穴37bが、第1の取り付けラッパー31の第1の端31aにおいて設けられている。
【0018】
第1のプロセスでは、ラッパー要素30、及び補強層/デフレクタ用の切断片25a~25eは、サイドエアバッグの外皮用の切断片21に縫合される(図3に示す)。本発明を理解するために、ラッパー要素30とサイドエアバッグの外皮用の切断片21との間の接続のみが関連する。これら2つの部分間の接続は、接続シーム36a~36cによって作られる。第1の接続シーム36aは、ラッパー要素30の後縁30aに近接して、第2の取り付けラッパー32の第1の端32a、第1の追加ラッパー33の第1の端33a、及び第1の取り付けラッパー31の第1の端31aの一部分を通って、基本的にはサイドエアバッグの外皮用の切断片21の対称軸に沿って延びる。第2の接続シーム36b及び第3の接続シーム36cは、インフレータ用及びインフレータスタッド用の穴の周りに延び、したがって、第1の取り付けラッパーの第1の端31a内に配置される。インフレータ用の穴37aは、少なくとも第2の追加ラッパー34の第1の端34aに近接する。これらの接続シーム36a~36cによって、ラッパーの第1の端31a~34aは、サイドエアバッグの外皮、したがってサイドエアバッグ自体にサイドエアバッグの後端において接続される。
【0019】
図4に示すように、残りの補強層用の切断片25aは、ここで、外皮用の切断片21に縫合される。ここで、外皮用の切断片21、したがって、外皮用の切断片21に取り付けられた切断片は、外皮用の切断片21の対称軸に沿って折り畳まれ、外周シーム27は、外皮用の切断片21に適用され、それにより、外皮は閉じられ、サイドエアバッグ20が完成する。このため、サイドエアバッグ20とラッパー要素30とを備えるエアバッグユニットが形成される。このユニットは図5に示されている。
【0020】
次のステップでは、サイドエアバッグの下部領域20cは、サイドエアバッグ20の長さを低減するために内側に押し込まれる。長く薄いパッケージを形成することが望ましいため、この押し込まれた下部領域は、可能な限り小さく選択される。ここで(図7図11に示すように)サイドエアバッグ20は、サイドエアバッグ20の前端20bからサイドエアバッグ20の後端20aに向かって巻かれるが、サイドエアバッグの三角形の巻かれていないセクション29が残る。この巻きプロセスが完了し、それにより、パッケージ28が形成された後に、第1の追加ラッパー33の第2の端33b及び第2の追加ラッパー34の第2の端34bは、好ましくは接着又は縫合の形態である接続38を介して、巻かれていないセクション内でサイドエアバッグに取り付けられる。他の実施形態(図示せず)では、追加ラッパーの第2の端、又は該第2の端うちの少なくとも1つは、例えば、サイドエアバッグ20の後縁20bの周りに延びることによって、ラッパー自体に取り付けられ得る。さらに、サイドエアバッグ20及び/又はラッパー要素30に接続されたタブを設けることが可能であり、追加ラッパーの第2の端はタブに接続される。
【0021】
この状態で、追加ラッパー33及び34は、パッケージ28を完全に取り囲み、それにより、追加ラッパー33及び34は、このパッケージ28の形状を保つ。このパッケージ28は、下端から上端までの軸方向Dに延び、それにより、パッケージ28は長さlを有する。さらに、パッケージ28は、軸方向Dに垂直な幅wmaxを有する。図11で分かるように、パッケージ28は、軸方向Dに平行である軸Aを画定する。この軸Aは、サイドエアバッグ20の後縁20dに対して傾斜し、サイドエアバッグ20の三角形の巻かれていないセクション29が、エアバッグパッケージ28と後縁20dとの間に残る。この幾何学的形状は、追加的に、パッケージ空間を節約するのに役立ち、これは、パッケージ28の長く細い形状に起因して、サイドエアバッグ内に挿入されるインフレータが、通常、エアバッグパッケージよりもはるかに短いためであり、これは、インフレータが、このパッケージの上端まで延びないことを意味する。このため、サイドエアバッグの「巻かれない」部分をサイドエアバッグの上端の近くに設ける必要がある。
【0022】
図11bは、軸Aに垂直である図11の平面E-Eに沿う断面図である。この図から分かるように、巻かれたパッケージは丸くなく平らであり、これは、巻かれたパッケージの最大幅wmaxが巻かれたパッケージの最大厚さtmaxを超えることを意味する。最大厚さtmaxは、まだ巻き付けられていない取り付けラッパー31、32によって画定される平面に垂直に測定され、最大幅wmaxはこの平面に平行に測定される。パッケージ28は細く、これは、長さlがパッケージ28の最大厚さtmaxの少なくとも10倍を超えることを意味する。
【0023】
サイドエアバッグユニット18の製造プロセスはここで終了する。次のステップは、インフレータ(図示せず図11)を挿入することであり、それにより、サイドエアバッグユニット18及びインフレータは、車両シートの背もたれのフレームの側部に取り付けられる用意ができたサイドエアバッグアセンブリを形成する。これについて、ここで図12図17を参照して説明する。
【0024】
図12は、前面から左ハンドル車のドライバシート10上への概略平面図であり、上記のサイドエアバッグアセンブリは、ドライバシート10の背もたれのフレーム16の外側部分17に設置されている。
【0025】
図13図12のフレーム及びエアバッグアセンブリの拡大概略図である)及び図14図12の方向Rからの図である)に示すように、エアバッグパッケージ28は、基本的に、フレームの側部17の前端に向かって配置されており、基本的に、フレームの側部と車両の外側構造との間に配置されている。ここで示す実施形態では、フレームの側部17の前端は凹部を有し、インフレータ40は、凹部内に少なくとも部分的に収容されている(図15及び図16を参照されたい)。
【0026】
第1の組み立てステップでは、サイドエアバッグアセンブリは、サイドエアバッグ内の穴37bを通って延びるインフレータスタッドによってフレームに取り付けられる。次いで、取り付けラッパー31及び32は、エアバッグパッケージ28の前部領域の周りで引っ張られ、取り付けラッパー31及び32の第2の端は、フレームの側部17に取り付けられる。図示の実施形態では、取り付け穴35、及びフレームから延びる突出部15が、この取り付けのために使用される。これは、図15に第1の取り付けラッパー31によって示されている。15。このため、完全に組み立てられた状態で、第1の取り付けラッパー31は、サイドエアバッグ20の後端20aにおいてサイドエアバッグ20に取り付けられた第1の端31aから延びる第1のセクション31cと、第2の端31bから延びる第2のセクション31dとを備えると見られてもよい。第1のセクション31cは、エアバッグパッケージ28に当接し、第2のセクション31dは、フレーム(ここではフレームの側部17)に当接するが、パッケージ28に当接しない。突出部(又は他の保持要素)がフレームの側部17の前端において直接配置されている場合、第2のセクションは、非常に短いことがあるが、取り付けラッパー31の第2の端31bは、エアバッグパッケージ28に依然として接触しない。これは、第2の取り付けラッパー32にも当てはまる。この状態で、取り付けラッパー31及び32は張力下にあり、このため、取り付けラッパー31及び32は2つの目的に役立つ。すなわち、取り付けラッパー31及び32は、エアバッグパッケージ28をさらに圧縮し、取り付けラッパー31及び32は、この圧縮されたエアバッグパッケージ28をエアバッグパッケージ28の最終装着状態でフレーム上に保つ。取り付けラッパー31及び32は、エアバッグパッケージ28の完全な長さにほぼ沿って延びるため、このエアバッグパッケージは、車両の内装材がフレームに装着されているときに妨害されない。
【0027】
特に、上部取り付けラッパー32は、内装材がフレームに装着されているときに、エアバッグパッケージ28の上部領域が下方に曲げられるのを防止するのに役立つ。これは、上部領域が意図せずに曲げられた場合、エアバッグが適切に展開しないため、非常に重要である。
【0028】
図示の実施形態では、取り付けラッパーの第2の端は、フレームに直接引っ掛けられているが、当然のことながら、他の種類の接続が可能であり、また、フレームが別個の取り付け要素を有することが可能である。この場合、取り付けラッパーの第2の端は、少なくともこれらの別個の取り付け要素に接触し、必ずしもフレームに直接接触しないが、取り付けラッパーの第2の端は、サイドエアバッグに依然として接触しない。
【0029】
本発明は、シートフレームの外側部分に装着されたサイドエアバッグアセンブリよって記載されているが、当然のことながら、本発明はまた、サイドエアバッグが2つのシート間で展開するようにシートフレームの内側部分に装着されたサイドエアバッグアセンブリに適用され得る。
【0030】
符号の説明
10 車両シート/ドライバシート
12 座部
14 背もたれ
15 突出部
16 背もたれのフレーム
17 背もたれのフレームの側部
17a 後端
17b 前端
18 サイドエアバッグユニット
20 サイドエアバッグ
20a 後端
20b 前端
20c 下部領域
20d 後縁
21 サイドエアバッグの外皮用の切断片
21a 第1の層
21b 第2の層
22 インフレータ用の穴
23 インフレータスタッド用の穴
24 通気孔
25a~25e 補強層用の切断片
27 外周シーム
28 エアバッグパッケージ
29 巻かれていないセクション
30 ラッパー要素(ラッパー用の切断片)
30a 後縁
31 下部取り付けラッパー
31a 第1の端
31b 第2の端
31c 第1のセクション
31d 第2のセクション
32 第2の取り付けラッパー
32a 第1の端
32b 第2の端
33 第1の追加ラッパー
33a 第1の端
33b 第2の端
34 第2の追加ラッパー
34a 第1の端
34b 第2の端
35 取り付け穴
36a、b、c 接続シーム
37a インフレータ用の穴
37b インフレータスタッド用の穴
38 接続
39 ブレークライン
40 インフレータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図11a
図12
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