(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】交差格子を用いた導波管光マルチプレクサ
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240531BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240531BHJP
G02B 5/18 20060101ALN20240531BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
G02B5/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023112185
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2022201998の分割
【原出願日】2017-11-16
【審査請求日】2023-07-07
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チュルウ オ
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-085430(JP,A)
【文献】特開2004-184505(JP,A)
【文献】特開2014-089476(JP,A)
【文献】特開2001-091715(JP,A)
【文献】特開2016-177232(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0033698(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0346490(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0314789(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0242670(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/02
G02B 27/01
H04N 5/64
G02B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波管であって、
全内部反射(TIR)によって前記導波管内で光を伝搬するように構成された基板と、
前記基板上の光学要素であって、前記光学要素は、前記光を前記導波管内に内部結合しているかまたは前記光の少なくとも一部を前記導波管から外部結合しているときに、少なくとも第1の方向および前記第1の方向に実質的に垂直である第2の方向に、前記導波管内を伝搬している前記光を多重化するように配列され、前記光学要素は、
前記基板の第1の主要表面上に配置された1つ以上の第1の回折格子の第1の配列であって、前記1つ以上の第1の回折格子は、前記導波管内を伝搬している前記光が前記第1の方向に多重化されることをもたらすように配列されている、第1の配列と、
前記第1の主要平面とは反対の前記基板上の第2の主要平面上に配置された1つ以上の第2の回折格子の第2の配列であって、前記1つ以上の第2の回折格子は、前記導波管内を伝搬している前記光が前記第1の方向とは異なる前記第2の方向に多重化されることをもたらすように配列され、前記第1の方向および前記第2の方向は、異なる格子方向であり、前記異なる格子方向は、前記導波管の主要表面に実質的に平行であり、相互に実質的に垂直である、第2の配列と
を備える、光学要素と
を備え、前記1つ以上の第2の回折格子は、少なくとも部分的に、前記1つ以上の第1の回折格子と重複し、
前記第1の方向は、前記第2の方向に実質的に垂直であることにより、前記導波管内を伝搬している前記光が同一の導波管内で前記実質的に垂直である第1および第2の方向に多重化されることをもたらす、導波管。
【請求項2】
前記光学要素は、外部結合光学要素であり、前記外部結合光学要素は、前記光を少なくとも前記第1の方向および前記第2の方向に多重化しながら、前記導波管内を伝搬している前記光の少なくとも一部を前記導波管から外部結合するようにさらに配列されている、請求項1に記載の導波管。
【請求項3】
前記基板上の内部結合光学要素をさらに備え、前記内部結合光学要素は、前記光の少なくとも一部が前記導波管内を伝搬させられるように、前記内部結合光学要素に入射する光を前記導波管内に内部結合するように配列されている、請求項2に記載の導波管。
【請求項4】
前記内部結合光学要素は、前記外部結合光学要素から側方に変位した前記基板上の場所に位置付けられている、請求項3に記載の導波管。
【請求項5】
前記光学要素は、内部結合光学要素であり、前記内部結合光学要素は、前記光を少なくとも前記第1の方向および前記第2の方向に多重化しながら、前記光の少なくとも一部が前記導波管内を伝搬させられるように、前記内部結合光学要素に入射する前記光を前記導波管内に内部結合するようにさらに配列されている、請求項1に記載の導波管。
【請求項6】
前記基板上の外部結合光学要素をさらに備え、前記外部結合光学要素は、前記導波管内を伝搬している光の少なくとも一部を前記導波管から外部結合するように配列されている、請求項5に記載の導波管。
【請求項7】
前記外部結合光学要素は、前記内部結合光学要素から側方に変位した前記基板上の場所に位置付けられている、請求項6に記載の導波管。
【請求項8】
前記第1の配列および前記第2の配列の一方または両方は、少なくとも1つの対称回折格子を備える、請求項1に記載の導波管。
【請求項9】
前記第1の配列および前記第2の配列の一方または両方は、少なくとも1つの偏光格子を備える、請求項1に記載の導波管。
【請求項10】
前記第1の配列および前記第2の配列の一方または両方は、1つ以上の第1の非対称回折格子の第1の層と、1つ以上の第2の非対称回折格子の第2の層とを備える、請求項1に記載の導波管。
【請求項11】
前記1つ以上の第1の非対称回折格子は、第1の回折方向を有し、前記1つ以上の第2の非対称回折格子は、前記第1の回折方向とは異なる第2の回折方向を有する、請求項10に記載の導波管。
【請求項12】
前記1つ以上の第1の非対称回折格子は、前記基板上にある整合層上に堆積させられており、前記1つ以上の第2の非対称回折格子は、前記1つ以上の第1の非対称回折格子上に堆積させられている、請求項10に記載の導波管。
【請求項13】
前記1つ以上の第1の非対称回折格子は、第1の傾斜角度を有する1つ以上の第1の偏光格子を含み、前記1つ以上の第2の非対称回折格子は、前記第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度を有する1つ以上の第2の偏光格子を含む、請求項10に記載の導波管。
【請求項14】
前記1つ以上の第1の偏光格子は、第1のキラリティを有し、前記1つ以上の第2の偏光格子は、前記第1のキラリティとは異なる第2のキラリティを有する、請求項13に記載の導波管。
【請求項15】
前記第1の配列および前記第2の配列の一方または両方は、液晶材料を備える少なくとも1つの回折格子を含み、各非対称回折格子の前記傾斜角度は、前記非対称回折格子の前記液晶材料内のキラルドーパントの量に対応する、請求項14に記載の導波管。
【請求項16】
前記1つ以上の第1の非対称回折格子は、第1の円偏光掌性を呈し、前記1つ以上の第2の非対称回折格子は、前記第1の円偏光掌性に直交する第2の円偏光掌性を呈する、請求項10に記載の導波管。
【請求項17】
前記第1の配列および前記第2の配列の一方または両方は、コレステリック液晶材料を備える少なくとも1つの回折格子を含む、請求項1に記載の導波管。
【請求項18】
前記第1の配列および前記第2の配列の一方または両方は、少なくとも1つのブレーズド回折格子を備える、請求項1に記載の導波管。
【請求項19】
前記第1の配列および前記第2の配列の一方または両方は、少なくとも1つのバイナリ回折格子を備える、請求項1に記載の導波管。
【請求項20】
前記基板は、光学的に透明な部分を備える、請求項1に記載の導波管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本願は、米国仮特許出願第62/424,293号(2016年11月18日出願)に対する優先権の利益を主張し、上記出願の内容は、その全体が参照により本明細書に引用される。
【0002】
(参照による組み込み)
本願は、以下の特許出願の各々の全体を参照により組み込む:米国出願第14/555,585号(2014年11月27日出願)、米国出願第14/690,401号(2015年4月18日出願)、米国出願第14/212,961号(2014年3月14日出願)、米国出願第14/331,218号(2014年7月14日出願)、および米国出願第15/072,290号(2016年3月16日出願)
【0003】
(背景)
(分野)
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、光の多重化に関する。
【背景技術】
【0004】
(関連技術の説明)
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える様式、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであり、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見え、または別様にそれと相互作用するように知覚され得る。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面1が、描写されており、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム1120を特徴とする、実世界公園状設定1100が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、これらの要素1130、1110が実世界内に存在しないにもかかわらず、実世界プラットフォーム1120上に立っているロボット像1110と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ1130等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚する。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生産は、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
いくつかの実施形態によると、光学要素が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、光学要素は、導波管と、格子方向を有する少なくとも1つ以上の第1の回折格子であって、導波管の主要表面上に配置されている、1つ以上の第1の回折格子と、格子方向を有する少なくとも1つ以上の第2の回折格子であって、1つ以上の第1の回折格子の格子方向が1つ以上の第2の回折格子の格子方向と垂直であるように、1つ以上の第1の回折格子に対して配置されている、1つ以上の第2の回折格子とを備えている。
【0008】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の回折格子は、導波管の底部主要表面上に配置され、1つ以上の第2の回折格子は、導波管の上部主要表面上に配置される。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の回折格子は、導波管の上部主要表面上に配置され、1つ以上の第2の回折格子は、導波管の上部主要表面の上方に配置される。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の回折格子は、隔離層によって、1つ以上の第1の回折格子から分離される。いくつかの実施形態では、隔離層は、透明酸化物またはポリマー材料を備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の回折格子および1つ以上の第2の回折格子の各々は、対称回折格子を備えている。
【0009】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の回折格子はさらに、第1の回折方向を有する少なくとも1つ以上の第1の非対称回折格子と、第1の回折方向と逆平行の第2の回折方向を有する少なくとも1つ以上の第2の非対称回折格子とを備え、1つ以上の第2の回折格子はさらに、第3の優先回折方向を有する少なくとも1つ以上の第3の非対称回折格子と、第3の回折方向と逆平行の第4の回折方向を有する少なくとも1つ以上の第4の非対称回折格子とを備えている。
【0010】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、ブレーズド格子、ブラッグ格子、液晶格子、正弦波格子、バイナリ格子、体積位相格子、またはメタ表面格子を備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、液晶材料を備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、ネマチック液晶材料を備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、コレステリック液晶材料を備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、重合化可能液晶材料を備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、ナノインプリントプロセスによって形成される。いくつかの実施形態では第1の非対称回折格子は、第1の整合層上に堆積され、第3の非対称回折格子は、第2の整合層上に堆積される。
【0011】
いくつかの実施形態では、第2の非対称回折格子は、直接、第1の非対称回折格子上に堆積され、第4の非対称回折格子は、直接、第3の非対称回折格子上に堆積される。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、偏光格子を備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、偏光格子を備え、非対称回折格子の傾斜角度は、コレステリック液晶材料のキラリティ、掌性、および螺旋ピッチに対応する。いくつかの実施形態では、各非対称回折格子の傾斜角度は、液晶材料内のキラルドーパントの量に対応する。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、複数の液晶材料層を備え、該回折格子のうちの1つのための複数の液晶材料層のうちの少なくとも2つは、異なる傾斜角度を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の非対称回折格子は、第1の円偏光掌性を備え、1つ以上の第2の非対称回折格子は、第1の円偏光掌性に直交する第2の円偏光掌性を備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の第3の非対称回折格子は、第3の円偏光掌性を備え、1つ以上の第4の非対称回折格子は、第3の円偏光掌性に直交する第4の円偏光掌性を備えている。
【0012】
いくつかの側面によると、2次元で光信号を分散させる方法が、本明細書に説明される。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の回折格子を介して、光信号を第1の方向に分散させることと、導波管内の全内部反射を介して、光信号の一部を第1の方向に伝搬させることと、第1の回折格子を介して、第1の方向に伝搬する光信号の一部を外部結合方向に外部結合させることと、第2の回折格子を介して、光信号の一部を第2の方向に分散させることと、導波管内の全内部反射を介して、光信号の一部を第2の方向に伝搬させることと、第2の回折格子を介して、第2の方向に伝搬する光信号の一部を外部結合方向に外部結合させることとを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の方向は、第2の方向と垂直である。いくつかの実施形態では、光信号は、導波管の主要表面上に配置される複数の場所において外部結合される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
光学要素であって、前記光学要素は、
導波管と、
格子方向を有する少なくとも1つ以上の第1の回折格子であって、前記1つ以上の第1の回折格子は、前記導波管の主要表面上に配置されている、少なくとも1つ以上の第1の回折格子と、
格子方向を有する少なくとも1つ以上の第2の回折格子と
を備え、
前記1つ以上の第2の回折格子は、前記1つ以上の第1の回折格子の格子方向が前記1つ以上の第2の回折格子の格子方向と垂直であるように、前記1つ以上の第1の回折格子に対して配置されている、光学要素。
(項目2)
前記1つ以上の第1の回折格子は、前記導波管の底部主要表面上に配置され、前記1つ以上の第2の回折格子は、前記導波管の上部主要表面上に配置されている、項目1に記載の光学要素。
(項目3)
前記1つ以上の第2の回折格子は、隔離層によって、前記1つ以上の第1の回折格子から分離されている、項目1に記載の光学要素。
(項目4)
前記隔離層は、透明酸化物またはポリマー材料を備えている、項目3に記載の光学要素。
(項目5)
前記1つ以上の第1の回折格子および前記1つ以上の第2の回折格子の各々は、対称回折格子を備えている、項目1に記載の光学要素。
(項目6)
前記1つ以上の第1の回折格子は、第1の回折方向を有する少なくとも1つ以上の第1の非対称回折格子と、前記第1の回折方向と逆平行の第2の回折方向を有する少なくとも1つ以上の第2の非対称回折格子とをさらに備え、
前記1つ以上の第2の回折格子は、第3の優先回折方向を有する少なくとも1つ以上の第3の非対称回折格子と、前記第3の回折方向と逆平行の第4の回折方向を有する少なくとも1つ以上の第4の非対称回折格子とをさらに備えている、項目1に記載の光学要素。(項目7)
前記1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、ブレーズド格子、ブラッグ格子、液晶格子、正弦波格子、バイナリ格子、体積位相格子、またはメタ表面格子を備えている、項目6に記載の光学要素。
(項目8)
前記1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、液晶材料を備えている、前項目7に記載の光学要素。
(項目9)
前記1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、ネマチック液晶材料を備えている、項目8に記載の光学要素。
(項目10)
前記1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、コレステリック液晶材料を備えている、項目8に記載の光学要素。
(項目11)
前記1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、重合化可能液晶材料を備えている、項目8に記載の光学要素。
(項目12)
前記1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、ナノインプリントプロセスによって形成される、項目8に記載の光学要素。
(項目13)
前記第1の非対称回折格子は、第1の整合層上に堆積され、前記第3の非対称回折格子は、第2の整合層上に堆積されている、項目8に記載の光学要素。
(項目14)
前記第2の非対称回折格子は、直接、前記第1の非対称回折格子上に堆積され、前記第4の非対称回折格子は、直接、前記第3の非対称回折格子上に堆積されている、項目13に記載の光学要素。
(項目15)
前記1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、偏光格子を備えている、項目8に記載の光学要素。
(項目16)
前記1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、偏光格子を備え、非対称回折格子の傾斜角度は、前記コレステリック液晶材料のキラリティ、掌性、および螺旋ピッチに対応する、項目10に記載の光学要素。
(項目17)
各非対称回折格子の傾斜角度は、前記液晶材料内のキラルドーパントの量に対応する、項目15に記載の光学要素。
(項目18)
前記第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、複数の液晶材料層を備え、前記回折格子のうちの1つのための前記複数の液晶材料層のうちの少なくとも2つは、異なる傾斜角度を有する、項目15に記載の光学要素。
(項目19)
前記1つ以上の第1の非対称回折格子は、第1の円偏光掌性を備え、前記1つ以上の第2の非対称回折格子は、前記第1の円偏光掌性に直交する第2の円偏光掌性を備えている、項目15に記載の光学要素。
(項目20)
前記1つ以上の第3の非対称回折格子は、第3の円偏光掌性を備え、前記1つ以上の第4の非対称回折格子は、前記第3の円偏光掌性に直交する第4の円偏光掌性を備えている、項目15に記載の光学要素。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【
図2】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステムの例を図示する。
【
図3】
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【
図4】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【
図5】
図5A-5Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの例を図示する。
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの例を図示する。
【
図8】
図8は、各深度平面が複数の異なる原色を使用して形成される画像を含むスタックされた導波管アセンブリの例を図示する。
【
図9A】
図9Aは、各々が内部結合光学要素を含むスタックされた導波管の組の例の断面側面図を図示する。
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の例の見下げ平面図を図示する。
【
図10】
図10は、2次元で分散され、例示的2次元導波管光マルチプレクサによって外部結合される内部結合光の概略図を示す。
【
図11A】
図11Aは、例示的回折格子によって例示的導波管の中に内部結合される光の概略図を示す。
【
図11B】
図11Bは、例示的導波管を通して伝搬し、例示的回折格子を介して例示的導波管から外部結合される内部結合光の概略図を示す。
【
図11C】
図11Cは、第1の場所において例示的回折格子によって例示的導波管の中に内部結合され、第2の例示的回折格子によって第2の場所において外部結合される光の概略図を示す。
【
図12A】
図12Aは、いくつかの実施形態による、内部結合され、2次元で分散され、2次元導波管光マルチプレクサによって外部結合される光の概略図を示す。
【
図12B】
図12Bは、いくつかの他の実施形態による、内部結合され、2次元で分散され、2次元導波管光マルチプレクサによって外部結合される光の概略図を示す。
【
図13A】
図13Aは、例示的導波管の中に内部結合され、1つの方向に沿って1次元で分散され、優先回折方向を有する例示的回折格子を介して外部結合される光の概略図を示す。
【
図13B】
図13Bは、例示的導波管の中に内部結合され、2つの方向に沿って1次元で分散され、逆平行の優先回折方向を有する2つの例示的回折格子を介して外部結合される光の概略図を示す。
【
図13C】
図13Cは、第1の場所において優先回折方向を有する例示的回折格子によって、例示的導波管の中に内部結合され、優先回折方向を有する第2の例示的回折格子によって、導波管の第1の回折格子と同一側上の第2の場所において、片側から外部結合される光の概略図を示す。
【
図13D】
図13Dは、第1の場所において優先回折方向を有する例示的回折格子によって、例示的導波管の中に内部結合され、優先回折方向を有する第2の例示的回折格子によって、導波管の第1の回折格子と反対側上の第2の場所において、片側から外部結合される光の概略図を示す。
【
図14A】
図14Aは、いくつかの実施形態による、内部結合され、2次元で分散され、交差非対称格子を備えている2次元導波管光マルチプレクサによって、外部結合される光の概略図を示す。
【
図14B】
図14Bは、いくつかの他の実施形態による、内部結合され、2次元で分散され、交差非対称格子を備えている2次元導波管光マルチプレクサによって、外部結合される光の概略図を示す。
【
図15A】
図15Aは、例示的導波管の中に内部結合され、1つの方向に沿って1次元で分散され、例示的偏光格子を介して外部結合される左円偏光の概略図を示す。
【
図15B】
図15Bは、例示的導波管および偏光格子を通して透過される右円偏光の概略図を示す。
【
図15C】
図15Cは、例示的導波管の中に内部結合され、2つの方向に沿って1次元で分散され、2つの例示的逆平行偏光格子を介して外部結合される光の概略図を示す。
【
図16A】
図16Aは、いくつかの実施形態による、基板にオーバーレイする整合層上に堆積される例示的液晶回折格子の概略図を示す。
【
図16B】
図16Bは、いくつかの実施形態による、ナノインプリント整合プロセスを使用して液晶回折格子を形成するためのプロセスを示す概略図である。
【
図16C】
図16Cは、いくつかの実施形態による、ナノインプリント整合プロセスを使用して異なる格子周期を有する液晶回折格子層を形成するためのプロセスを示す概略図である。
【
図16D】
図16Dは、反対捻じり角度を有する2つの液晶層を備えている逆平行回折格子概略図を示す。
【
図16E】
図16Eは、いくつかの実施形態による、複数の入射角から例示的導波管の中に内部結合され、1つの方向に1次元で、異なる傾斜角度を有する液晶材料の複数の層を含む例示的液晶偏光格子によって分散される光の概略図を示す。
【
図16F】
図16Fは、いくつかの実施形態による、複数の入射角から例示的導波管の中に内部結合され、2つの方向に1次元で、異なる傾斜角度を有する液晶材料の複数の層を含む2つの逆平行の例示的液晶偏光格子によって分散される光の概略図を示す。
【
図17A】
図17Aは、いくつかの実施形態による、内部結合され、2次元で分散され、交差偏光格子を備えている2次元導波管光マルチプレクサによって外部結合される光の概略図を示す。
【
図17B】
図17Bは、いくつかの他の実施形態による、内部結合され、2次元で分散され、交差偏光格子を備えている2次元導波管光マルチプレクサによって外部結合される光の概略図を示す。
【
図17C】
図17Cは、いくつかの実施形態による、内部結合され、2次元で分散され、ナノインプリントプロセスを使用して加工される交差偏光格子を備えている2次元導波管光マルチプレクサによって外部結合される光の概略図を示す。
【
図17D】
図17Dは、いくつかの実施形態による、複数の入射角から内部結合され、2次元で分散され、複数の角度において、交差偏光格子を備えている2次元導波管光マルチプレクサによって外部結合される光の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面は、例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0015】
(詳細な説明)
いくつかの実施形態では、光学要素が、本明細書に説明され、これは、2次元で回折を介して光学要素上に入射する光を分散させることができる。すなわち、ある場所において光学要素の表面上に入射する光の光線は、2次元で、例えば、光学要素の長さおよび幅に沿って、光学要素を通して伝搬することができる。内部結合光はまた、光学要素から外に指向される、すなわち、2次元で光学要素の表面上で分散される複数の場所において、光学要素から外部結合され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような光学要素は、光分散要素として、例えば、光を対応する導波管の中および/または外に分散させ得る、光分散要素として使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような光学要素は、例えば、直交瞳エクスパンダ(OPE)として使用され得、これは、光を偏向または分散させることができ、また、伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させることもできる。有利には、いくつかの実施形態によると、2次元導波管光マルチプレクサが、光学信号を光の形態で拡張現実デバイス内の他の光学要素に効率的に指向および分散させる役割を果たすことができる。さらに、本明細書に説明されるような2次元導波管光マルチプレクサは、光ファイバ通信用途のための多重化光学信号のためにも有用であり得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、2次元導波管光マルチプレクサは、導波管および少なくとも2つの回折格子の形態をとってもよい。いくつかの実施形態では、各回折格子は、格子方向を有し得、回折格子は、第1の回折格子の格子方向が第2の回折格子の格子方向と整合されないように整合され得る。いくつかの実施形態では、第1の回折格子の格子方向は、第2の回折格子の格子方向と垂直である。回折格子は、導波管の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも2つの回折格子が、導波管の上部主要表面上に配置され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの回折格子は、導波管の底部主要表面上に配置され得る。いくつかの実施形態では、回折格子は、導波管の上部主要表面および回折格子の底部主要表面の両方上に配置され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、2つの回折格子が、第1の回折格子の格子方向が第2の回折格子の格子方向と垂直であるように配列され、本配列は、有利には、光の2次元分布を可能にすることができる。すなわち、いくつかの実施形態では、内部結合光が導波管を通して伝搬するにつれて、内部結合光が複数の場所において外部結合されるように、導波管上に配置される回折格子と相互作用し、これは、2次元導波管光マルチプレクサの主要表面にわたって2次元で分散される。光が2次元導波管光マルチプレクサの導波管を通して伝搬するにつれて、第1の回折格子と相互作用することができ、それによって、第1の回折格子の回折格子に沿って分散される。分散される光はまた、第2の回折格子と相互作用し、それによって、第1の方向に沿って分散される光は、第2の回折格子の格子方向に沿って分散され、それによって、例えば、2次元導波管光マルチプレクサの長さ次元および幅次元に沿って、2次元における光の分散を達成する。
【0019】
いくつかの実施形態では、2次元導波管光マルチプレクサの回折格子は、優先回折方向を有し得る。いくつかの実施形態では、回折格子は、優先回折方向を提供する、構造特徴を備え得る。いくつかの実施形態では、回折格子は、例えば、ブレーズド格子、ブラッグ格子、液晶格子、正弦波格子、バイナリ格子、体積位相格子、またはメタ表面格子であり得る。いくつかの実施形態では、回折格子は、非対称回折格子であり得る。いくつかの実施形態では、回折格子は、偏光格子、例えば、液晶偏光格子であり得る。いくつかの実施形態では、回折格子が、偏光格子である場合、回折格子は、液晶材料から成り得る。いくつかの実施形態では、液晶材料は、ネマチック液晶またはコレステリック液晶を備え得る。いくつかの実施形態では、液晶材料は、アゾ含有ポリマーを備え得る。いくつかの実施形態では、液晶材料は、重合化可能液晶材料を備え得る。いくつかの実施形態では、液晶材料は、反応性メソゲンを備え得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、液晶偏光格子は、ナノインプリントプロセスによって加工され得る。いくつかの実施形態では、液晶偏光格子は、液晶材料を整合層上に堆積させることによって加工され得る。いくつかの実施形態では、液晶偏光格子は、整合層を備えなくてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、液晶偏光格子は、1つ以上のキラル液晶層を備え得、同一キラリティの各層は、異なる傾斜角度を有する。複数の異なる傾斜角度を有する複数の液晶層を提供することによって、液晶偏光格子は、複数の傾斜角度を有する層を備えていない液晶偏光格子より広範囲の光の入射角のための高回折効率を達成することができる。このように、それぞれ複数の傾斜角度を有する複数の液晶層から成る、垂直液晶偏光格子を備えている、2次元導波管光マルチプレクサは、光を広範囲の入射角で2次元で効率的に分散させることができる。そのような2次元導波管光マルチプレクサは、例えば、拡張現実デバイスのための大瞳または大アイボックス等、広視野を有する画像を効率的に多重化するために使用され得る。
【0022】
ここで、図面を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。
【0023】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステム80の実施例を図示する。ディスプレイシステム80は、ディスプレイ62と、そのディスプレイ62の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールならびにシステムとを含む。ディスプレイ62は、フレーム64に結合され得、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者60によって装着可能であって、ディスプレイ62をユーザ60の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ62は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ66が、フレーム64に結合され、ユーザ60の外耳道に隣接して位置付けられる(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/調節可能音制御を提供する)。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、1つ以上のマイクロホン67または他のデバイスを含み、音を検出し得る。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが、入力またはコマンド(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)をシステム80に提供することを可能にするように構成され、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にし得る。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータを持続的に収集し得る(例えば、ユーザおよび/または環境から受動的に収集するため)。そのようなオーディオデータは、荒い息づかい等のユーザ音または近傍イベントを示す大騒動等の環境音を含み得る。ディスプレイシステムはまた、周辺センサ30aを含み得、これは、フレーム64と別個であって、ユーザ60の身体(例えば、ユーザ60の頭部、胴体、四肢等上)に取り付けられ得る。周辺センサ30aは、本明細書にさらに説明されるように、いくつかの実施形態では、ユーザ60の生理学的状態を特性評価するデータを入手するように構成され得る。例えば、センサ30aは、電極であり得る。
【0024】
図2を継続して参照すると、ディスプレイ62は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク68によって、ローカルデータ処理モジュール70に動作可能に結合され、これは、フレーム64に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホン内に内蔵される、または別様に、ユーザ60に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載され得る。同様に、センサ30aは、通信リンク30b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール70に動作可能に結合され得る。ローカル処理およびデータモジュール70は、ハードウェアプロセッサと、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリとを備え得、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ等のセンサ(例えば、フレーム64に動作可能に結合される、または別様に、ユーザ60に取り付けられ得る)から捕捉され、および/またはb)可能性として、処理または読出後、ディスプレイ62への通過のために、遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して、入手および/または処理される、データを含む。ローカル処理およびデータモジュール70は、これらの遠隔モジュール72、74が、相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール70へのリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク76、78によって、遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール70は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含み得る。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム64に取り付けられ得る、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール70と通信する、独立型構造であり得る。
【0025】
図2を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール72は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備え得る。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、デジタルデータ記憶設備を備え得、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、1つ以上の遠隔サーバを含み得、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツを生成するための情報をローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72に提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータは、記憶され、全ての算出は、ローカル処理およびデータモジュール内で実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0026】
「3次元」または「3-D」であるような画像の知覚は、画像の若干異なる提示を視認者の各眼に提供することによって達成され得る。
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。眼4、6毎に1つの2つの明確に異なる画像5、7が、ユーザに出力される。画像5、7は、視認者の視線と平行な光学またはz-軸に沿って、距離10だけ眼4、6から離間される。画像5、7は、平坦であって、眼4、6は、単一遠近調節状態をとることによって、画像に合焦させ得る。そのようなシステムは、ヒト視覚系が、画像5、7を組み合わせ、組み合わせられた画像のための深度および/またはスケールの知覚を提供することに依拠する。
【0027】
しかしながら、ヒト視覚系は、より複雑であって、深度の現実的知覚の提供は、より困難であることを理解されるであろう。例えば、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムを不快であると見出す、または深度の感覚を全く知覚しない場合がある。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、両眼離反運動と遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」であると知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の両眼離反運動移動(すなわち、瞳孔が、相互に向かって、またはそこから離れるように移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼のレンズおよび瞳孔の合焦(または「遠近調節」)と緊密に関連付けられる。通常条件下、焦点を1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに変化させるための眼のレンズの焦点の変化または眼の遠近調節は、「遠近調節-両眼離反運動反射」ならびに散瞳または縮瞳として知られる関係下、両眼離反運動の整合変化を自動的に同一距離に生じさせるであろう。同様に、両眼離反運動の変化は、通常条件下、レンズ形状および瞳孔サイズの遠近調節の整合変化を誘起するであろう。本明細書に記載されるように、多くの立体視、すなわち、「3-D」ディスプレイシステムは、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、若干異なる提示(したがって、若干異なる画像)を使用して、場面を各眼に表示する。しかしながら、そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供するが、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態で視認する状態では、「遠近調節-両眼離反運動反射」に反発するため、多くの視認者にとって不快である。遠近調節と両眼離反運動との間のより良好な整合を提供する、ディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し、増加された持続時間の装着、ひいては、診断および療法プロトコルへのコンプライアンスに寄与し得る。
【0028】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
図4を参照すると、z-軸上の眼4、6から種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが合焦するように、眼4、6によって遠近調節される。眼(4および6)は、特定の遠近調節状態をとり、オブジェクトをz-軸に沿って異なる距離に合焦させる。その結果、特定の遠近調節状態は、眼がその深度平面のための遠近調節状態にあるとき、特定の深度平面内のオブジェクトまたはオブジェクトの一部が合焦するように、関連付けられた焦点距離を有する、深度平面14の特定のうちの1つと関連付けられると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼4、6毎に画像の異なる提示を提供することによって、また、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって、シミュレートされ得る。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼4、6の視野は、例えば、z-軸に沿った距離が増加するにつれて、重複し得ることを理解されるであろう。加えて、例証の容易性のために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節状態において眼と合焦するように、物理的空間内で湾曲され得ることを理解されるであろう。
【0029】
オブジェクトと眼4または6との間の距離もまた、その眼によって視認されるように、オブジェクトからの光の発射量を変化させ得る。
図5A-5Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼4との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図5A-5Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成される明視野は、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率が増加すると、オブジェクトと眼4の間の距離が減少する。その結果、異なる深度平面では、光線の発散の程度もまたは、異なり、発散の程度は、深度平面と視認者の眼4との間の距離の減少に伴って増加する。単眼4のみが、
図5A-5Cおよび本明細書における他の図では、例証を明確にするために図示されるが、眼4に関する議論は、視認者の両眼4および6に適用され得ることを理解されるであろう。
【0030】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。異なる提示は、視認者の眼によって別個に合焦され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面のための異なる画像特徴に合焦させるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または焦点外にある異なる深度平面上の異なる画像特徴の観察に基づいて、ユーザに深度キューを提供することに役立ち得る。
【0031】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム1000は、複数の導波管182、184、186、188、190を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ178を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム1000は、
図2のシステム80であって、
図6は、そのシステム80のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、導波管アセンブリ178は、
図2のディスプレイ62の一部であり得る。ディスプレイシステム1000は、いくつかの実施形態では、明視野ディスプレイと見なされ得ることを理解されるであろう。
【0032】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ178はまた、複数の特徴198、196、194、192を導波管間に含み得る。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、1つ以上のレンズであり得る。導波管182、184、186、188、190および/または複数のレンズ198、196、194、192は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成され得る。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成され得る。画像投入デバイス200、202、204、206、208は、導波管のための光源として機能し得、画像情報を導波管182、184、186、188、190の中に投入するために利用され得、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼4に向かって出力のために各それぞれの導波管を横断して入射光を分散させるように構成され得る。光は、画像投入デバイス200、202、204、206、208の出力表面300、302、304、306、308から出射し、導波管182、184、186、188、190の対応する入力表面382、384、386、388、390の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面382、384、386、388、390の各々は、対応する導波管の縁であり得る、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界144または視認者の眼4に直接面する導波管表面のうちの1つ)であり得る。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力し得、これは、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼4に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管182、184、186、188、190と関連付けられ、その中に光を投入し得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208の各々は、それぞれ対応する導波管182、184、186、188、190の中への投入のために画像情報を生産する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス200、202、204、206、208のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス200、202、204、206、208によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含み得ることを理解されたい。
【0034】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光は、光プロジェクタシステム2000によって提供され、これは、光モジュール2040を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含み得る。光モジュール2040からの光は、ビームスプリッタ2050を介して、光変調器2030、例えば、空間光変調器によって指向および修正され得る。光変調器2030は、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光の知覚される強度を変化させるように構成され得る。光変調器2030は、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光の知覚される強度を変化させるように構成され得る。空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム1000は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管182、184、186、188、190の中に、最終的には、視認者の眼4に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備えている、走査ファイバディスプレイであり得る。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス200、202、204、206、208は、光を1つまたは複数の導波管182、184、186、188、190の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス200、202、204、206、208は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管182、184、186、188、190のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール2040から1つ以上の導波管182、184、186、188、190に透過するように構成され得ることを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管182、184、186、188、190との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管182、184、186、188、190の中に再指向し得ることを理解されたい。
【0036】
コントローラ210は、画像投入デバイス200、202、204、206、208、光源2040、および光変調器2030の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ178のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、ローカルデータ処理モジュール70の一部である。コントローラ210は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管182、184、186、188、190への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一一体型デバイスまたは有線もしくは無線通信チャネルによって接続される分散型システムであり得る。コントローラ210は、いくつかの実施形態では、処理モジュール70または72(
図1)の一部であり得る。
【0037】
図6を継続して参照すると、導波管182、184、186、188、190は、全内部反射(TIR)によって各それぞれの導波管内で光を伝搬するように構成され得る。導波管182、184、186、188、190の各々は、主要な上部および底部表面ならびにそれらの主要上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有し得る。図示される構成では、導波管182、184、186、188、190の各々は、各それぞれの導波管内で伝搬する光を導波管から再指向し、画像情報を眼4に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素282、284、286、288、290を含み得る。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素光はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内を伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力される。外部結合光学要素282、284、286、288、290は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であり得る。説明の容易性および図面の明確性のために、導波管182、184、186、188、190の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置され得る、ならびに/もしくは導波管182、184、186、188、190の体積内に直接配置され得る。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、透明基板に取り付けられ、導波管182、184、186、188、190を形成する、材料の層内に形成され得る。いくつかの他の実施形態では、導波管182、184、186、188、190は、材料のモノリシック部品であってもよく、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、材料のその部品の表面上および/またはその内部に形成され得る。
【0038】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管182、184、186、188、190は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管182は、眼4にコリメートされた光(そのような導波管182の中に投入された)を送達するように構成され得る。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管184は、眼4に到達し得る前に、第1のレンズ192(例えば、負のレンズ)を通過する、コリメートされた光を送出するように構成され得る。そのような第1のレンズ192は、眼/脳が、その次の上方の導波管184から生じる光を光学無限遠から眼4に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成され得る。同様に、第3の上方の導波管186は、眼4に到達する前に、その出力光を第1の192および第2の194レンズの両方を通過させる。第1の192および第2の194レンズの組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管186から生じる光が次の上方の導波管184からの光であった光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成され得る。
【0039】
他の導波管層188、190およびレンズ196、198も同様に構成され、スタック内の最高導波管190は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ178の他側の世界144から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ198、196、194、192のスタックを補償するために、補償レンズ層180が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック198、196、194、192の集約力を補償し得る。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であり得る(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であり得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有し得る。例えば、複数の導波管182、184、186、188、190が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成され得る、または導波管182、184、186、188、190の複数のサブセットが、深度平面毎に1つの組を伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成され得る。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0041】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をそのそれぞれの導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成され得る。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素282、284、286、288、290の異なる構成を有し得、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、体積または表面特徴であってもよく、これは、具体的角度で光を出力するように構成され得る。例えば、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であり得る。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であり得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、回折パターンまたは「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)を形成する、回折特徴である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差点を用いて眼4に向かって偏向される一方、残りが全内部反射を介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスするこの特定のコリメートされたビームに関して、眼4に向かって非常に均一パターンの出射放出となる。
【0043】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切り替え可能であり得る。例えば、切り替え可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備え得、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられ得る(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられ得る(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0044】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、提供され、眼4および/または眼4の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出し、および/またはユーザの生理学的状態を監視し得る。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであり得る。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含み得る。いくつかの実施形態では、カメラアセンブ500は、フレーム64(
図2)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ500からの画像情報を処理し、例えば、本明細書に議論されるように、ユーザの生理学的状態に関する種々の判定を行い得る、処理モジュール70および/または72と電気通信し得る。ユーザの生理学的状態に関する情報は、ユーザの挙動または感情状態を判定するために使用され得ることを理解されたい。そのような情報の実施例は、ユーザの移動および/またはユーザの顔の表情を含む。ユーザの挙動または感情状態は、次いで、挙動または感情状態、生理学的状態、および環境または仮想コンテンツデータ間の関係を判定するように、収集された環境および/または仮想コンテンツデータで三角測量され得る。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ500が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視し得る。
【0045】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ178(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ178は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光400が、導波管182の入力表面382において導波管182の中に投入され、TIRによって導波管182内を伝搬する。光400がDOE282上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム402として出射する。出射ビーム402は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管182と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼4に伝搬するように再指向され得る。略平行出射ビームは、眼4からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素の組は、より発散する、出射ビームパターンを出力し得、これは、眼4がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼4に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0046】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成され得る。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面14a-14fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられた3つ以上の原色画像を有し得る。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動し得る。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置され得る。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力され得、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有し得る。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供され得、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列され得ることを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力され得る。
【0048】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、赤色、緑色、もしくは青色のうちの1つ以上のものに加えて使用され得る、またはそれらに取って代わり得る。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、および192は、視認者の眼への周囲環境からの光を選択的に遮断するように構成される、能動または受動光学フィルタであり得る。
【0049】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、視認者によってその所与の色であるように知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されるであろうことを認識されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含み得、緑色光は、約492~577nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含み得、青色光は、約435~493nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含み得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、光源2040(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成され得る。加えて、ディスプレイ1000の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼4に向かって指向および放出するように構成され得る。
【0051】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用され得る。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット1200のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管の各々は、1つもしくはそれを上回る異なる波長または1つもしくはそれを上回る異なる波長範囲の光を出力するように構成され得る。スタック1200は、スタック178(
図6)に対応し得、スタック1200の図示される導波管は、複数の導波管182、184、186、188、190の一部に対応し得るが、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0052】
スタックされた導波管の図示されるセット1200は、導波管1210、1220、および1230を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素1212は、導波管1210の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1224は、導波管1220の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1232は、導波管1230の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232のうちの1つ以上のものは、それぞれの導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置され得る(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、そのそれぞれの導波管1210、1220、1230の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置され得、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232は、それぞれの導波管1210、1220、1230の本体内に配置され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。そのそれぞれの導波管1210、1220、1230の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素1212、1222、1232は、いくつかの実施形態では、そのそれぞれの導波管1210、1220、1230の他の面積内に配置され得ることを理解されたい。
【0053】
図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、相互から側方にオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通過せずに、光を受光するようにオフセットされ得る。例えば、各内部結合光学要素1212、1222、1232は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス200、202、204、206、および208から受光するように構成され得、光を内部結合光学要素1212、1222、1232の他のものから実質的に受光しないように、他の内部結合光学要素1212、1222、1232から分離され得る(例えば、側方に離間される)。
【0054】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素1214は、導波管1210の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素1224は、導波管1220の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素1234は、導波管1230の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置され得る。いくつかの他の実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の上部および底部両方の主要表面上に配置され得る、または光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管1210、1220、1230内の上部および底部主要表面の異なるもの上に配置され得る。
【0055】
導波管1210、1220、1230は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間ならびに分離され得る。例えば、図示されるように、層1218aは、導波管1210および1220を分離し得、層1218bは、導波管1220および1230を分離し得る。いくつかの実施形態では、層1218aおよび1218bは、低屈折率材料(すなわち、導波管1210、1220、1230の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層1218a、1218bを形成する材料の屈折率は、導波管1210、1220、1230を形成する材料の屈折率を0.05もしくはそれを上回って、または0.10もしくはそれを下回る。有利には、より低い屈折率層1218a、1218bは、導波管1210、1220、1230を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部および底部主要表面間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能し得る。いくつかの実施形態では、層1218a、1218bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット1200の上部および底部は、直近クラッディング層を含み得ることを理解されたい。
【0056】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、類似または同一であって、層1218a、1218bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なり得る、および/または層1218a、1218bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なり得る。
【0057】
図9Aを継続して参照すると、光線1240、1242、1244が、導波管の組1200に入射する。光線1240、1242、1244は、1つ以上の画像投入デバイス200、202、204、206、208(
図6)によって導波管1210、1220、1230の中に投入され得ることを理解されたい。
【0058】
いくつかの実施形態では、光線1240、1242、1244は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素1212、122、1232の各々は、光がTIRによって導波管1210、1220、1230のうちのそれぞれの1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。
【0059】
例えば、内部結合光学要素1212は、第1の波長または波長範囲を有する、光線1240を偏向させるように構成され得る。同様に、伝送される光線1242は、第2の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素1222に衝突し、それによって偏向される。同様に、光線1244は、第3の波長または波長の範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素1232によって偏向される。
【0060】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線1240、1242、1244は、対応する導波管1210、1220、1230を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素1212、1222、1232は、光をその対応する導波管1210、1220、1230の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線1240、1242、1244は、光をTIRによってそれぞれの導波管1210、1220、1230を通して伝搬させる角度で偏向される。光線1240、1242、1244は、導波管の対応する光分散要素1214、1224、1234に衝突するまで、TIRによってそれぞれの導波管1210、1220、1230を通して伝搬する。
【0061】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線1240、1242、1244は、それぞれ、内部結合光学要素1212、1222、1232によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管1210、1220、1230内でTIRによって伝搬する。光線1240、1242、1244は、次いで、それぞれ、光分散要素1214、1224、1234に衝突する。光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254に向かって伝搬するように、光線1240、1242、1244を偏向させる。
【0062】
いくつかの実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素1250、1252、1254に偏向または分散させることと、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させることの両方を行う。いくつかの実施形態では、例えば、ビームサイズがすでに所望のサイズである場合、光分散要素1214、1224、1234は、省略され得、内部結合光学要素1212、1222、1232は、光を直接外部結合光学要素1250、1252、1254に偏向させるように構成され得る。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254と置換され得る。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素1250、1252、1254は、光を視認者の眼4(
図7)内に指向する、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。
【0063】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管の組1200は、原色毎に、導波管1210、1220、1230と、内部結合光学要素1212、1222、1232と、光分散要素(例えば、OPE)1214、1224、1234と、外部結合光学要素(例えば、EP)1250、1252、1254とを含む。導波管1210、1220、1230は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされ得る。内部結合光学要素1212、1222、1232は、入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる(異なる内部結合光学要素は、異なる波長の光を受光する)。光は、次いで、それぞれの導波管1210、1220、1230内でTIRをもたらすであろう、角度で伝搬する。示される実施例では、光線1240(例えば、青色光)は、先に説明された様式において、第1の内部結合光学要素1212によって偏向され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)1214、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1250と相互作用する。光線1242および1244(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管1210を通過し、光線1242は、内部結合光学要素1222に衝突し、それによって偏向されるであろう。光線1242は、次いで、TIRを介して、導波管1220を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)1224、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1252に進む。最後に、光線1244(例えば、赤色光)は、導波管1220を通過し、導波管1230の光内部結合光学要素1232に衝突する。光内部結合光学要素1232は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)1234に、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)1254に伝搬するように、光線1244を偏向させる。外部結合光学要素1254は、次いで、最後に、光線1244を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管1210、1220から外部結合された光も受光する。
【0064】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の見下げ平面図を図示する。図示されるように、導波管1210、1220、1230は、各導波管の関連付けられた光分散要素1214、1224、1234および関連付けられた外部結合光学要素1250、1252、1254とともに、垂直に整合され得る。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、見下げ図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0065】
ここで、いくつかの実施形態による、TIRを介して2次元導波管光マルチプレクサ1320を通して伝搬する、内部結合光1310の例示的概略図を示す、
図10を参照する。光1310は、伝搬するにつれて、2次元導波管光マルチプレクサ1320と相互作用し、2つの方向に沿って、第1の次元、例えば、x-次元で分散または多重化され、それに応じて、法線方向に2次元導波管光マルチプレクサ1320から外部結合1312される。光1310はまた、2次元導波管光マルチプレクサ1320と相互作用し、2つの方向に沿って、第2の次元、例えば、y-次元で多重化され、それに応じて、2次元導波管光マルチプレクサ1320から法線方向に外部結合1314される。したがって、内部結合光1310は、2次元で多重化され、2次元導波管光マルチプレクサ1320から外部結合1312、1314される。
【0066】
図11Aは、例示的回折格子1430によって、例示的導波管1420の中に内部結合され、TIRを介して伝搬する、光1410の部分的概略図を示す。いくつかの実施形態では、回折格子1430は、導波管の屈折率(n)によって除算される光1410の波長(λ)より大きいが、光1410の波長(λ)より小さい、周期(Λ)を有する。いくつかの実施形態では、回折格子1430は、バイナリまたは正弦波表面レリーフ格子であり得る。TIRを達成するために、一次回折角度(θ)は、θ
cを上回り、θおよびθ
cは、導波管の外側の媒体が空気である場合、n・sin(θ)=λ/Λおよびn・sin(θ
c)=1であるようなものである。入射光1410は、回折格子1430と相互作用し、導波管1420の中に回折され、それに応じて、TIRが、達成される。回折された光1412が、TIRを介して導波管1420を通して伝搬するにつれて、一部の光は、複数回、回折格子1430に衝突し、それと相互作用する。
【0067】
図11Bに図示されるように、伝搬する回折光1412が、回折格子1430と相互作用する場合、2つの方向1414、1416において、x-次元に沿って、導波管1420から外部結合され、それによって、入射光1410の多重化を達成する。本外部結合は、+1および-1次回折を介して生じる。
【0068】
図11Cは、上で説明される現象が、導波管1420上の第1の場所における第1の回折格子1432および同一導波管上の第2の場所における第2の回折格子1434を介して、光多重化を達成するために使用され得る方法を実証する。光1410は、第1の回折格子1432上に入射し、それに応じて、上で説明されるように、TIRを介して、導波管1420を通して回折され、伝搬する。伝搬する光1412は、導波管1420上の第2の場所において、第2の回折格子1434と相互作用し、それに応じて、2つの法線方向1414、1416に外部結合される。したがって、第1の場所において導波管1420上に入射する光1410の単一入射ビームまたは光線は、両方向に沿ってx-次元に第2の場所において多重化および外部結合され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、
図12Aに示されるように、2次元導波管光マルチプレクサ1500が、
図11A-Cに関して上記で説明される現象を利用して、相互にわたって配置される2つの回折格子1532、1534を含むことによって、入射光の2次元多重化を達成することができる。いくつかの実施形態では、第1の回折格子1532は、導波管1520の底部主要表面上に位置し、第2の回折格子1534は、導波管1520の上部主要表面上に位置する。
【0070】
重要なこととして、各回折格子1532、1534は、対応する格子方向を有し、回折格子1532、1534は、第1の回折格子1532の格子方向が、x-次元に沿ってあり、y-次元に沿った第2の回折格子1534の格子方向と垂直であるように配列される。いくつかの実施形態では、第1の回折格子の格子方向が第2の回折格子の格子方向と垂直である、2つの回折格子の本配列は、交差回折格子と称され得る。いくつかの実施形態によると、
図12Aに示されるように、格子方向は、回折格子1532、1534の物理的配向に対応する。
【0071】
使用時、入射光1510は、第1の回折格子1532と相互作用し、それによって、両方向に沿って、x-次元で回折および拡散される。回折される光は、TIRを介して、導波管1520を通して伝搬する。光が伝搬するにつれて、再び、第1の回折格子1532と相互作用し、回折され、時として、導波管1520から外に外部結合1512され得る。しかしながら、回折光1512の一部は、第2の回折格子1534と相互作用し、導波管1520の中に内向きに逆回折される。第2の回折格子1534によって回折される本光は、第2の回折格子1534によって回折された後、光がTIRを介して導波管1520を通して伝搬するにつれて、両方向に沿って、y-次元で拡散され得る。光がy-次元で伝搬するにつれて、再び、第2の回折格子1534と相互作用し、回折され、導波管1520から外に外部結合1516され得る。本プロセスは、光が2次元で2次元導波管光マルチプレクサ1500から外部結合1512、1516されるまで、複数回、継続する。
【0072】
いくつかの実施形態では、
図12Bに図示されるように、2次元導波管光マルチプレクサ1500は、導波管1520の上部主要表面上に配置される、第1の回折格子1532と、第1の回折格子1532および導波管1520の上部主要表面の上方に配置される、第2の回折格子1534とを備え得る。本構成は、
図12Aに図示される2次元導波管光マルチプレクサと同様に機能し、同じ2次元光多重化1512を達成することができる。
図12Bを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、第1の回折格子1532および第2の回折格子1534は、スペーサ材料1540によって分離され得る。いくつかの実施形態では、スペーサ材料1540は、光学的に透明材料、例えば、光学的に透明酸化物材料または光学的に透明ポリマーを備え得る。
【0073】
加えて、いくつかの実施形態では、光1510は、最初に、
図11Cに関して上記で説明されものと類似様式において、別個の回折格子または導波管1520上の第1および第2の回折格子1532、1534と別個の場所に位置付けられる他の光学要素を介して、2次元導波管光マルチプレクサ1500の中に内部結合され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、回折格子は、回折格子が優先回折方向を有するように、非対称回折格子であり得る。いくつかの実施形態では、非対称回折格子は、例えば、ブレーズド格子、ブラッグ格子、液晶格子、正弦波格子、バイナリ格子、体積位相格子、またはメタ表面格子であり得る。いくつかの実施形態では、非対称回折格子は、偏光格子、例えば、液晶偏光格子であり得る。
図13Aに図示されるように、回折格子1630が、優先回折方向を有する非対称回折格子である場合、光1610は、主に、例えば、TIRを介して、例示的導波管1620内で優先回折方向に沿って分散されるであろう。いくつかの実施形態では、
図13Aに示されるように、回折格子1630は、+1次においてのみ、優先的に、左に、光1610を分散させる。有利には、
図11Aに示される回折格子1430と比較して、回折格子1630は、優先回折方向に沿って、+1次回折のみを呈する。さらに、非対称回折格子1630は、対称回折格子、例えば、バイナリまたは正弦波表面レリーフ格子より高い回折効率を呈することができる。より高い回折効率は、格子と相互作用するより多くの光が、優先回折方向に回折されることを可能にし、それによって、例えば、低減された信号損失またはより低い電力光信号を使用する能力につながり得る。故に、伝搬する光1612として図示される光多重化は、主に、優先回折方向に1次元で導波管1620を通して生じるであろう。本明細書に説明される他の実施形態と同様に、TIRを介して導波管1620を通して伝搬する、光1612が、優先回折方向に沿って回折格子1630と相互作用すると、相互作用が生じる場所において、回折格子1630に対して略法線に外部結合1614される。
【0075】
いくつかの実施形態では、
図13Bに示されるように、第1の非対称回折格子1632が、導波管1620の主要表面上に配置され得、第2の非対称回折格子1634が、第1の回折格子1632の上方に配置され得る。第2の回折格子1634は、回折方向が第1の回折格子1632の回折方向と逆平行であるように構成される。入射光1610は、
図13Aに関して上で説明されるように、導波管1620を通過し、第1の回折格子1632と相互作用する。一部の光は、第1の回折格子1632によって回折されず、法線方向に継続し、そこで、第2の回折格子1634と相互作用する。第2の回折格子1634の回折方向が、第1の回折格子1632の回折方向と逆平行であるため、第2の回折格子1634は、第1の回折格子1632と同一次元に沿って反対方向に、光を回折および拡散させる。第1の回折格子1632によって回折される光は、優先回折方向に沿って伝搬するにつれて、第1の回折格子1632と相互作用し、相互作用が生じる場所において、回折格子1632に対して法線に外部結合1614される。同様に、第2の回折格子1634によって回折される光は、優先回折方向に沿って伝搬するにつれて、第2の回折格子1634と相互作用し、相互作用が生じる場所において、回折格子1634に対して法線に外部結合1614される。このように、いくつかの実施形態によると、2つの逆平行の非対称回折格子1632、1634の配列は、1次元で双方向光多重化を達成することができる。
【0076】
図13Cは、上で説明される現象が、導波管1620上の第1の場所における第1の非対称回折格子1632および同一導波管上の第2の場所における第2の回折格子1634を介して、指向性光多重化を達成するために使用され得る方法を図示する。
図11Cに図示される実施形態と同様に、光1610が、第1の回折格子1632上に入射し、それに応じて、TIRを介して、導波管1620を通して回折され、伝搬する。光1610は、優先回折方向に回折され、したがって、回折格子1632は、光1410を2つの対向方向に回折する、
図11Cの回折格子1432より高い回折効率を達成し得る。伝搬する光1612は、導波管1620上の第2の場所において、第2の回折格子1634と相互作用し、それに応じて、法線方向と、光を2つの法線方向1414、1416に外部結合した
図11Cの回折格子1434と比較して反対方向とに、外部結合1614される。したがって、再び、
図13Cに図示される光学要素は、
図11Cに図示される光学要素と比較して、第2の回折格子1634から外部結合される光に関してより高い効率を達成することができる。したがって、第1の場所において導波管1620上に入射する光1610入射は、単一方向に沿って1次元で第2の場所において効率的に多重化および外部結合され得る。
【0077】
図13Dは、
図13Cの光学要素によって達成されるものと類似効果が、第2の回折格子1634を第2の場所において導波管1620の底部主要表面上に含むことによって達成されることができることを図示する。第2の回折格子1634は、反射性に動作し、反射回折格子と称され得る、
図13Cの第2の回折格子1634と比較して、透過性に動作し、透過回折格子と称され得る。
図13Cの光学デバイスと比較して、
図13Dに図示され、いくつかの実施形態による、光学デバイスは、単一方向に沿って1次元で効率的光多重化を達成することができる。
図13Dの光学デバイスは、単一方向に1次元で第2の場所において光1614外部結合することができる。
【0078】
図14Aに図示され、いくつかの実施形態による、2次元導波管光マルチプレクサ1700は、相互にわたって配置される、第1の非対称回折格子1732と、第2の非対称回折格子1734とを備えている。いくつかの実施形態では、第1の回折格子1732は、導波管1720の底部主要表面上に位置し、第2の回折格子1734は、導波管1720の上部主要表面上に位置する。第1の非対称回折格子1732は、上で議論されるように、優先回折方向が第2の非対称回折格子1734の優先回折方向と垂直であるように配列される。本配列における回折格子は、交差回折格子と称され得る。
【0079】
図14Aに図示され、いくつかの実施形態による、2次元導波管光マルチプレクサ1700は、
図12Aに図示される2次元導波管光マルチプレクサ1500と類似結果を達成するが、可能性として、より高い効率を伴う。使用時、入射光1710は、第1の回折格子1732と相互作用し、それによって、優先回折方向に沿って第1の次元で回折および拡散または多重化される。回折される光は、TIRを介して、導波管1720を通して伝搬する。光が伝搬するにつれて、第1の回折格子1732と相互作用し、回折および外部結合1712される。第1の回折格子1732によって回折される光の一部は、第2の回折格子1734と相互作用し、第1の回折格子1732の優先回折方向と垂直である、第2の回折格子の優先回折方向に沿って、TIRを介して、導波管内を伝搬するように、回折され得る。本光は、再び、第2の回折格子1732によって回折され、示されるように、前方(z)方向に、光導波路から外部結合され得る。本プロセスは、光が2次元導波管光マルチプレクサ1700から2次元で外部結合1712、1714されるまで、複数回、継続する。着目すべきこととして、非対称回折格子は、光を所望の優先回折方向に回折させるため、より少ない光が、他の方向または他の次数における回折を介して損失され、それによって、2次元導波管光マルチプレクサが、より多くの元の入射光信号を分散および多重化することを可能にする。
【0080】
図14Bは、いくつかの実施形態による、導波管1720の上部主要表面上に配置される、第1の非対称回折格子1732と、導波管1720の上部主要表面上の第1の回折格子1732の上方に配置される、第2の非対称回折格子1734とを備えている、2次元導波管光マルチプレクサ1700を図示する。
図14Aに図示される実施形態におけるように、第1の非対称回折格子1732および第2の非対称回折格子1734は、交差される。第1および第2の非対称回折格子の本構成は、
図14Aに図示される2次元導波管光マルチプレクサと同様に機能し、同じ2次元光多重化を達成することができる。いくつかの実施形態では、第1の非対称回折格子1732および第2の回折格子1734は、スペーサ材料によって分離され得る。いくつかの実施形態では、スペーサ材料は、光学的に透明材料、例えば、光学的に透明酸化物材料または光学的に透明ポリマーを備え得る。
【0081】
加えて、いくつかの実施形態では、光1710は、最初に、
図13Cに関して上記で説明されるものと類似様式において、導波管1720上の第1および第2の非対称回折格子1732、1734と別個の場所に位置付けられる別個の回折格子を介して、2次元導波管光マルチプレクサ1700の中に内部結合され得る。
【0082】
図15Aに示されるように、いくつかの実施形態では、回折格子は、偏光格子であり得る。偏光格子は、格子ベクトルに沿って周期的に変動する複屈折パターンを備え得る。いくつかの実施形態では、偏光格子の格子軸は、回折効率が、所望の角度、例えば、偏光格子1830が、
図15Aに図示されるように、導波管1820の主要表面上に配置されるとき、TIRを達成するであろう、回折角度において最大限にされるように、ブラッグ条件を満たすように傾斜されることができる。いくつかの実施形態では、偏光格子は、液晶材料から成り得る。例えば、偏光格子1830は、整合された液晶分子1840を備え得る。偏光格子1830の非対称構造および傾斜された格子軸に起因して、偏光格子1830は、偏光格子のパターンに応じて、所望のタイプの円偏光、例えば、左円偏光のためだけに、光1810を+1次回折の優先方向に回折する。このように、偏光格子上に入射する円偏光は、例えば、
図13Aに関して説明される非対称回折格子と同様に挙動することができる。直交偏光、例えば、右円偏光を有する、任意の光は、偏光格子1830を通して透過され、
図15Bに図示されるように、回折されないであろう。いくつかの実施形態では、偏光が、例えば、左円偏光を優先的に回折し、右円偏光を透過させる場合、偏光格子は、左偏光格子と称され得る。
【0083】
図15Cは、上で説明される現象が、第1の偏光を有する第1の偏光格子1832と、第1の偏光格子の上方に配置され、第1の偏光格子および導波管1820の回折方向と逆平行である、第1の偏光に直交する第2の偏光を有する、第2の偏光格子1843とを有する、光学要素または逆対称偏光格子1800を介して、双方向光多重化を達成するために使用され得る方法を図示する。いくつかの実施形態では、第1の偏光格子1832は、整合された液晶分子1842を備え得、第2の偏光格子1834は、整合された液晶分子1844を備え得る。
図15Cに示される2つの逆平行偏光格子を介して達成される、双方向多重化は、
図13Bに図示される逆平行回折格子を介して達成される、双方向多重化に類似する。線形または楕円形に偏光または非偏光され得る、光1810が、入射する。例えば、第1の偏光格子1832上では、第1の偏光格子の偏光に対応する光の一部は、偏光格子1832によって優先回折方向に沿って、回折または内部結合される。第1の偏光格子1832の偏光に対応しない偏光を有する、光は、第1の偏光格子1832を通して透過され、そこで、第2の偏光格子1834と相互作用する。第2の偏光格子1834との相互作用に応じて、第2の偏光格子1834の偏光に対応する偏光を有する、光は、第1の偏光格子1832の回折方向と逆平行である、第2の偏光格子1834の優先回折方向に沿って、回折または内部結合される。回折または内部結合光は、その対応する回折方向にTIRを介して伝搬を継続し、そこで、外部結合され、それによって、1次元で双方向多重化を達成するように、対応する偏光格子との相互作用に進む。
【0084】
いくつかの実施形態では、偏光格子は、液晶材料から成り得る。いくつかの実施形態では、偏光格子が、液晶材料を備えている場合、偏光格子軸の傾斜または角度は、液晶材料内のドーパントの量および/またはキラリティを制御することによって制御されることができる。いくつかの実施形態では、液晶が、ネマチック液晶を備えている場合、液晶材料内に存在するキラルドーパントの量および/またはキラリティが、偏光格子軸の所望の傾斜を達成するために調節され得る。いくつかの実施形態では、偏光格子が、コレステリック液晶材料を備えている場合、液晶材料のコレステリック液晶のキラリティまたは掌性が、所望の偏光格子軸傾斜を達成するために制御され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、液晶材料は、高キラリティ液晶材料とより低いキラリティを有する液晶材料の混合物を備え得る。いくつかの実施形態では、液晶材料のキラリティが、高キラリティ液晶材料と低キラリティ液晶材料の比率を調節することによって制御され得る。いくつかの実施形態では、液晶材料は、非キラル液晶材料と、キラルドーパントとを備え得る。いくつかの実施形態では、液晶材料のキラリティが、液晶材料内に存在するキラルドーパントの量を調節することによって制御され得る。いくつかの実施形態では、液晶材料は、キラルではない。いくつかの実施形態では、液晶材料の所望されるキラリティは、光の波長、光の入射角、導波管内の光の進行角度、または他の要因に対応し得る。いくつかの実施形態では、液晶材料は、重合化可能液晶材料であり得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、
図16Aに図示されるように、偏光格子等の回折格子は、整合層1910を基板1900上に堆積させることによって加工され得る。いくつかの実施形態では、整合層1910は、液晶材料の結晶分子1950を所望の配向に整合させる役割を果たし得る。いくつかの実施形態では、基板1900は、例えば、導波管を備え得る。いくつかの実施形態では、堆積される整合層1910は、液晶材料1920を所望の配向に整合させるようにパターン化され得る。いくつかの実施形態では、液晶材料1920は、続いて、整合層1910上に堆積され、それによって、回折格子を形成し得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、いくつかの異なる整合プロセスが、回折格子を加工するために利用され得る。いくつかの実施形態では、整合プロセスは、液晶材料の結晶を整合させ、それによって、回折格子を形成し得る。いくつかの実施形態では、回折格子は、例えば、2016年11月18日に出願された米国仮特許出願62/424,305号および第62/424,310号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示されるプロセスに従って加工され得る。いくつかの実施形態では、堆積される液晶層は、例えば、アゾ含有ポリマー等の液晶材料の光整合、微小研磨、ナノインプリント、またはホログラフィック記録によって整合され得る。いくつかの実施形態では、ナノインプリントプロセスが、液晶材料を整合させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、例えば、重合化可能液晶材料または反応性メソゲン材料が、回折格子を形成するために使用される。液晶材料の第1の層が、整合のためにインプリントされることができ、次いで、追加の整合層または処理の必要なく、任意の続いて堆積される液晶層のための整合層としての役割を果たすことができる。
【0088】
いくつかの実施形態によると、
図16Bに図示されるように、第1の重合化可能液晶層1920が、基板1900上に堆積され、これは、例えば、導波管を備え得る。堆積された第1の液晶層1920は、次いで、ナノインプリントプロセスを介して整合され得る。ナノ構造を備えている、インプリントテンプレート1930が、第1の液晶層1920の液晶が所望の様式で整合されるように、第1の液晶層1920の表面上に押圧され得る。第1の液晶層1920は、次いで、重合され得、インプリントテンプレート1930は、第1の液晶層1920から分離および除去され得、その表面は、インプリントテンプレート1930の構造に対応する、エンボス加工されたパターンを備えている。第2の液晶層1922が、次いで、第1の液晶層1920上に堆積され得る。いくつかの実施形態では、第2の液晶層1922は、第1の液晶層1920と同一材料を備え得る。いくつかの実施形態では、第2の液晶層1922は、第1の液晶層1920と異なるキラリティを有する、液晶材料から成り得る。いくつかの実施形態では、第2の液晶層1922は、第1の液晶層1920のキラリティによって判定されたキラリティを有する、液晶材料から成り得る。いくつかの実施形態では、第1の液晶層1920のインプリントされたパターンは、堆積された第2の液晶層1922を整合させる役割を果たす。追加の液晶層1924または複数の層が、追加のインプリントまたは整合ステップの必要なく、第2の液晶層1922上に堆積され得る。いくつかの実施形態では、追加の液晶層1924または複数の層は、第1または第2の液晶層1920、1922と同一材料から成り得る。いくつかの実施形態では、追加の液晶層は、1つ以上の他の液晶層と異なるキラリティを有し得る。いくつかの実施形態では、第2、第3、第4、第5、またはそれを上回る液晶層の堆積後、続いて堆積される液晶層がインプリントされた表面構造を充填し、それによって、平滑表面を格子上に残すため、インプリントシグネチャは、加工された回折格子の表面上に残らない。
【0089】
有利には、いくつかの実施形態によると、上で説明されるナノインプリントプロセスは、整合層をその間に伴わずに、種々の空間パターン、例えば、異なる格子周期を基板上に有する、格子パターンを有する、液晶層を堆積させるために使用されることができる。ある場合には、可変濃度のキラルドーパントを備えている、液晶層が、使用される。いくつかの異なる配向または異なる周期を有する、いくつかの堆積される液晶層が、各格子間の整合層の必要なく、1つ以上の異なるインプリントテンプレートを伴うインプリントによって、単一基板上に形成されることができる。
【0090】
いくつかの実施形態によると、
図16Cに図示されるように、第1の重合化可能液晶層1920が、基板1900上に堆積され、これは、例えば、導波管を備え得る。第1の液晶層1920は、例えば、1つ以上の液晶サブ層を備え得、
図16Bに関して上記で説明されるプロセスに類似するナノインプリントするプロセスを使用して整合され得る。いくつかの実施形態では、第1の液晶層1920は、第1の周期および/または第1の配向を有する、回折格子を備え得る。いくつかの実施形態では、隔離層1960が、第1の液晶層1920上に堆積されることができる。隔離層1960は、例えば、透明酸化物層、透明絶縁体層、または透明ポリマーを備え得る。
【0091】
いくつかの実施形態では第2の液晶サブ層1940は、隔離層1960上に堆積され得る。堆積された第2の液晶サブ層1940は、次いで、
図16Bに関して上で説明されるように、ナノインプリントプロセスを介して整合され得る。いくつかの実施形態では、第2の液晶サブ層のためのナノインプリントプロセスは、第1の液晶層1920をインプリントするために使用されるインプリントテンプレート、例えば、異なる周期または異なる配向を有するインプリントテンプレートと異なるインプリントテンプレートを利用し得る。したがって、第2の液晶サブ層1940は、第1の液晶層1920と異なる第2の周期または配向を有し得る。追加の液晶サブ層、例えば、液晶サブ層1942、1944が、次いで、
図16Bに関して上で説明されるように、追加のインプリントまたは整合ステップの必要なく、第2の液晶サブ層1940上に堆積され得る。
【0092】
1つ以上の後続液晶層、例えば、液晶サブ層1940、1942、および1944が、隔離層1960上に堆積される、いくつかの実施形態では、隔離層は、第1の液晶層1920と任意の後続液晶層との間の任意の断続性に起因して、回位を含む、液晶整合欠陥を回避するために、第1の液晶層1920を1つ以上の後続液晶層から分離する役割を果たし得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、逆対称または逆平行回折格子が、
図16Dに図示されるように、第1の掌性または捻じり角度を有する、第1の液晶層1920と、第2の反対掌性または捻じり角度を有する、第2の液晶層1922とを堆積させることによって、加工されることができる。いくつかの実施形態では、第1の液晶層1920は、第1の掌性を有する、キラルドーパントを備え得、第2の液晶層1922は、第2の反対掌性を有する、キラルドーパントを備え得る。いくつかの実施形態では、第1の液晶層1920は、第1の掌性を有する液晶分子1950を備えている、コレステリック液晶材料から成ってもよく、第2の液晶層1922は、第2の反対掌性を有する液晶分子1952を備えている、コレステリック液晶材料から成り得る。逆平行回折格子は、
図15Cに図示される逆平行回折格子光学要素と同様に機能する。いくつかの実施形態では、第1の液晶層1920は、基板1900、例えば、導波管上に堆積された整合層1910上に堆積され得る。
【0094】
図16Eは、本明細書に説明されるプロセスに従って、基板1900、例えば、導波管上に堆積された整合層1910上に堆積される、複数の液晶層1920、1922、1924を備えている、回折格子1901を図示する。いくつかの実施形態では、回折格子1901は、偏光格子を備え得る。体積位相格子を含む、従来のブラッグ格子は、典型的には、高回折効率、例えば、半値全幅回折角度に関して約5度未満を有する、狭範囲の入射角を有する。しかしながら、偏光格子は、高回折効率、例えば、半値全幅回折角度に関して約15~20度を有する、比較的に広範な入射角を呈することができる。いくつかの実施形態では、高回折効率を有する角度の範囲は、
図16Eに図示されるように、いくつかの層を異なる傾斜角度を有する偏光格子内に含むことによって、なおもさらに広げられ得る。上で説明されるように、各液晶層1920、1922、1924の傾斜角度は、層毎に、液晶材料のキラリティを制御することによって制御されることができる。いくつかの実施形態では、キラリティは、ネマチック液晶材料内に存在するキラルドーパントの量を介して制御され得る。いくつかの実施形態では、キラリティは、異なる螺旋捻じり力を有するコレステリック液晶を利用することによって制御されることができる。さらに、
図16Bに関して上で説明されるように、整合層またはパターン化もしくはインプリントは、異なる傾斜角度を有する液晶層1920、1922、1924のそれぞれ間に必要とされない。3つの液晶層を有するように図示されるが、いくつかの実施形態では、偏光格子1901は、2つ、3つ、4つ、5つ、10、20、50、またはそれを上回る液晶層を備え得る。
【0095】
図16Fは、2つの液晶層1920、1940がそれぞれ、複数の液晶サブ層を備え、各サブ層が、異なる傾斜角度を有する、逆平行または逆対称偏光格子1901を図示する。いくつかの実施形態では、逆対称または逆平行偏光格子1901は、第1の掌性または捻じり角度を有する第1の液晶層1920を堆積させることによって加工されることができる。第1の液晶層1920は、複数の液晶サブ層1922、1924、1926を堆積させることによって加工され、各液晶サブ層は、同一掌性を有するが、それぞれ、異なる傾斜角度を有する。いくつかの実施形態では、液晶サブ層1922、1924、1926は、本明細書に説明されるプロセスに従って堆積および整合される。第2の液晶層1940は、第1の液晶層1920の上方に堆積され、第2の液晶層は、複数の液晶サブ層1942、1944、1946を備え、各液晶サブ層は、同一掌性を有するが、それぞれ、異なる傾斜角度を有する。液晶層1940および液晶サブ層1942、1944、1946の掌性は、第1の液晶層1920および液晶サブ層1922、1924、1926の掌性と反対である。
図16Fに図示され、いくつかの実施形態による、非対称偏光格子は、
図15Cに図示される図示される逆対称偏光格子1800と類似様式において、双方向光多重化を達成することができる。しかしながら、逆対称偏光格子1901は、逆対称偏光格子の液晶サブ層の複数の傾斜角度に起因して、実質的により広範囲の入射角に対して効率的光多重化を達成することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、2次元導波管光マルチプレクサは、導波管と、導波管の主要表面上に配置される、第1の逆平行または逆対称偏光格子と、第1の逆平行偏光格子の上方に配置される、第2の逆平行または非対称偏光格子とを備えていることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の逆平行偏光格子は、各逆平行偏光格子の双方向多重化方向が相互に垂直であって、逆平行偏光格子が交差されると言え得るように配向される。いくつかの実施形態では、第1の逆平行偏光格子は、導波管の底部主要表面上に配置され得、第2の逆平行偏光格子は、導波管の上部主要表面上に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の逆平行偏光格子は、導波管の上部主要表面上に配置され得、第2の逆平行偏光格子は、第1の逆平行偏光格子および導波管の上部主要表面の上方に配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の逆平行のまたは偏光格子は、隔離層または整合層によって、第1の逆平行偏光格子から分離され得る。いくつかの実施形態では、逆平行偏光格子は、本明細書に説明されるように、液晶材料を備えていることができる。
【0097】
図17Aは、いくつかの実施形態による、導波管2020の底部主要表面上に配置される、
図16Eに関して説明される液晶逆平行偏光格子1901等の液晶の第1の逆平行偏光格子2030を備えている、2次元導波管光マルチプレクサ2000を図示する。2次元導波管光マルチプレクサはさらに、第1の逆平行偏光格子2030の上方の導波管2020の上部主要表面上に配置される、第2の液晶逆平行偏光格子2040を備えている。第2の液晶逆平行偏光格子2040はまた、
図16Eに関して説明される液晶逆平行偏光格子1901に類似する、逆平行偏光格子であり得る。第1および第2の逆平行偏光格子2030、2040は、第1の逆平行偏光格子2030の双方向多重化方向が第2の逆平行偏光格子2040の双方向多重化方向と垂直であるように配向される。本明細書に説明される2次元導波管光マルチプレクサの他の実施形態と同様に、逆平行偏光格子2030、2040は、交差逆平行偏光格子であると言え得る。2次元導波管光マルチプレクサはまた、本明細書に説明されるプロセスに従って、第1および後続液晶層と第1の逆平行偏光格子2030を備えているサブ層を整合させるために使用される、導波管2020の底部主要表面上に堆積される、第1の整合層2032を備えている。2次元導波管光マルチプレクサはまた、同様に、第1および後続液晶層と「第2の逆平行偏光格子2040を備えているサブ層を整合させるために使用される、導波管2020の上部主要表面上に堆積される、第2の整合層2042を備えている。
図17Aに図示され、いくつかの実施形態による、2次元導波管光マルチプレクサ2000は、例えば、12A、12B、14A、および14Bに図示される、2次元導波管光マルチプレクサと類似様式で機能する。しかしながら、2次元導波管光マルチプレクサ2000が交差逆平行偏光格子を利用する、いくつかの実施形態では、対称回折格子またはさらに非対称回折格子を使用する2次元導波管光マルチプレクサより高い効率で、より広範囲の入射角光2010に対して2次元光多重化2012を達成することができる。
【0098】
図17Bは、いくつかの実施形態による、2次元導波管光マルチプレクサ2000を図示し、第1の液晶逆平行偏光格子2030は、導波管2020の上部主要表面上に配置され、第2の液晶逆平行偏光格子2040は、第1の逆平行偏光格子2030および導波管2020の上部主要表面の上方に配置される。液晶逆平行偏光格子2030、2040は、本明細書に説明されるプロセスに従って、整合層を介して整合される。いくつかの実施形態では、第1の整合層2032は、導波管2020の上部主要表面上に堆積され得、第1の逆平行偏光格子2030が、その上に加工され得る。第2の整合層2042が、次いで、第1の逆平行偏光格子2030上に堆積され得、第2の逆平行偏光格子2040が、その上に加工され、2次元導波管光マルチプレクサ2000を形成し得る。したがって、いくつかの実施形態によると、2次元導波管光マルチプレクサ2000の第1の逆平行偏光格子2020および第2の逆平行の偏光格子2040は、整合層2042によって分離され得る。
【0099】
図17Cは、第1および第2の逆平行偏光格子2030、2040の両方が導波管の上部主要表面上に配置されるように、
図17Bに図示される2次元導波管光マルチプレクサと類似構成を有する、2次元導波管光マルチプレクサ2000を図示する。
図17Cに図示される2次元導波管光マルチプレクサ2000は、
図15Bに関して説明されるプロセス等のナノインプリントプロセスを介して加工および整合される、液晶逆平行偏光格子2030、2040を備えている。各逆平行偏光格子2030、2040は、別個の整合層が要求されないように加工される。故に、隔離層2050は、第1の逆平行偏光格子2030の上部主要表面上に堆積または形成され、第1の逆平行偏光格子2030を第2の逆平行偏光格子2040から分離する。いくつかの実施形態では、隔離層2050は、第2の逆平行偏光格子2040のインプリントの間、第1の逆平行偏光格子2030を保護する役割を果たし得る。いくつかの実施形態では、隔離層2050は、本明細書に説明される他の隔離層に類似し得、例えば、透明酸化物またはポリマーを備え得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、同一インプリントテンプレートが、第1および第2の逆平行偏光格子2030、2040の両方を加工するために使用され得る。いくつかの実施形態では、同一インプリントテンプレートが、第1および第2の逆平行偏光格子2030、2040の両方を加工するために使用される場合、インプリントテンプレートは、第1および第2の逆平行偏光格子2030、2040が交差されるように、第2の逆平行偏光格子2040を加工するとき、第1の逆平行偏光格子2030のインプリントの間のその配向に対して90度回転される。
【0101】
図17Dは、
図17Bの2次元導波管光マルチプレクサ2000を図示し、また、2次元光多重化が広範な入射角の光2010のために高効率で達成されることができることを図示する。本広範な入射は、光が、多重化され、2次元導波管光マルチプレクサ2000から、外部結合2012されるとき、広視野を有する画像を備えている光信号が2次元で効率的に多重化され得るように保存される。広視野画像を2次元で効率的に多重化する能力は、例えば、本明細書に説明されるように、拡張現実デバイスにおいて有用であり得る。
【0102】
(追加の実施例)
第1の実施例では、光学要素が、本明細書に提供され、光学要素は、導波管と、格子方向を有する少なくとも1つ以上の第1の回折格子であって、導波管の主要表面上に配置されている、1つ以上の第1の回折格子と、格子方向を有する少なくとも1つ以上の第2の回折格子であって、1つ以上の第1の回折格子の格子方向が1つ以上の第2の回折格子の格子方向と垂直であるように、1つ以上の第1の回折格子に対して配置されている、1つ以上の第2の回折格子とを備えている。
【0103】
第2の実施例では、第1の実施例の光学要素において、1つ以上の第1の回折格子は、導波管の底部主要表面上に配置され、1つ以上の第2の回折格子は、導波管の上部主要表面上に配置される。
【0104】
第3の実施例では、第1の実施例の光学要素において、1つ以上の第1の回折格子は、導波管の上部主要表面上に配置され、1つ以上の第2の回折格子は、導波管の上部主要表面の上方に配置される。
【0105】
第4の実施例では、第3の実施例の光学要素において、1つ以上の第2の回折格子は、隔離層によって、1つ以上の第1の回折格子から分離される。
【0106】
第5の実施例では、第4の実施例の光学要素において、隔離層は、透明酸化物またはポリマー材料を備えている。
【0107】
第6の実施例では、第1-第3の実施例のいずれかの光学要素において、1つ以上の第1の回折格子および1つ以上の第2の回折格子の各々は、対称回折格子を備えている。
【0108】
第7の実施例では、第1-第3の実施例のいずれかの光学要素において、1つ以上の第1の回折格子はさらに、第1の回折方向を有する少なくとも1つ以上の第1の非対称回折格子と、第1の回折方向と逆平行の第2の回折方向を有する少なくとも1つ以上の第2の非対称回折格子とを備え、1つ以上の第2の回折格子はさらに、第3の優先回折方向を有する少なくとも1つ以上の第3の非対称回折格子と、第3の回折方向と逆平行の第4の回折方向を有する少なくとも1つ以上の第4の非対称回折格子とを備えている。
【0109】
第8の実施例では、第7の実施例の光学要素において、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、ブレーズド格子、ブラッグ格子、液晶格子、正弦波格子、バイナリ格子、体積位相格子、またはメタ表面格子を備えている。
【0110】
第9の実施例では、第8の実施例の光学要素において、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、液晶材料を備えている。
【0111】
第10の実施例では、第9の実施例の光学要素において、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、ネマチック液晶材料を備えている。
【0112】
第11の実施例では、第9の実施例の光学要素において、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、コレステリック液晶材料を備えている。
【0113】
第12の実施例では、第9の実施例の光学要素において、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、重合化可能液晶材料を備えている。
【0114】
第13の実施例では、第9-12の実施例のいずれかの光学要素において、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、ナノインプリントプロセスによって形成される。
【0115】
第14の実施例では、第9-12の実施例のいずれかの光学要素において、第1の非対称回折格子は、第1の整合層上に堆積され、第3の非対称回折格子は、第2の整合層上に堆積される。
【0116】
第15の実施例では、第14の実施例の光学要素において、第2の非対称回折格子は、直接、第1の非対称回折格子上に堆積され、第4の非対称回折格子は、直接、第3の非対称回折格子上に堆積される。
【0117】
第16の実施例では、第9-15の実施例のいずれかの光学要素において、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、偏光格子を備えている。
【0118】
第17の実施例では、第11の実施例の光学要素において、1つ以上の第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、偏光格子を備え、非対称回折格子の傾斜角度は、コレステリック液晶材料のキラリティ、掌性、および螺旋ピッチに対応する。
【0119】
第18の実施例では、第16の実施例の光学要素において、各非対称回折格子の傾斜角度は、液晶材料内のキラルドーパントの量に対応する。
【0120】
第19の実施例では、第16の実施例の光学要素において、第1、第2、第3、および第4の非対称回折格子は、複数の液晶材料層を備え、該回折格子のうちの1つのための複数の液晶材料層のうちの少なくとも2つは、異なる傾斜角度を有する。
【0121】
第20の実施例では、16-19の実施例のいずれかの光学要素において、1つ以上の第1の非対称回折格子は、第1の円偏光掌性を備え、1つ以上の第2の非対称回折格子は、第1の円偏光掌性に直交する第2の円偏光掌性を備えている。
【0122】
第21の実施例では、第16-20の実施例のいずれかの光学要素において、1つ以上の第3の非対称回折格子は、第3の円偏光掌性を備え、1つ以上の第4の非対称回折格子は、第3の円偏光掌性に直交する第4の円偏光掌性を備えている。
【0123】
第22の実施例では、2次元で光信号を分散させる方法であって、本方法は、第1の回折格子を介して、光信号を第1の方向に分散させることを含む。本方法は、加えて、導波管内の全内部反射を介して、光信号の一部を第1の方向に伝搬させることを含む。本方法は、加えて、第1の回折格子を介して、第1の方向に伝搬する光信号の一部を外部結合方向に外部結合させることを含む。本方法は、加えて、第2の回折格子を介して、光信号の一部を第2の方向に分散させることを含む。本方法は、加えて、導波管内の全内部反射を介して、光信号の一部を第2の方向に伝搬させることを含む。本方法は、加えて、第2の回折格子を介して、第2の方向に伝搬する光信号の一部を外部結合方向に外部結合させることを含み、第1の方向は、第2の方向と垂直であって、光信号は、導波管の主要表面上に配置される複数の場所において外部結合される。
【0124】
前述の明細書では、種々の具体的な実施形態が説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに行われ得ることが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的と見なされるべきである。
【0125】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上で説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0126】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装され得る。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装され得る。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上で説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除され得、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要もしくは必須ではない。
【0127】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/もしくはステップが、1つもしくはそれを上回る実施形態に対していかようにも要求されること、または1つもしくはそれを上回る実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/もしくはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、もしくは実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「~を備えている」、「~を含む」、「~を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」もしくは「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、もしくは連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の追加の動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実装において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上で説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0128】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。