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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】ナビゲーションシステム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240603BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G01C21/26 B
G08G1/0969
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023223744
(22)【出願日】2023-12-29
【審査請求日】2024-01-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501403863
【氏名又は名称】株式会社オーイーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100189865
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 正寛
(74)【代理人】
【識別番号】100094215
【弁理士】
【氏名又は名称】安倍 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 健一郎
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-166834(JP,A)
【文献】特開平09-325041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーションファイルに格納されるナビゲーション情報及び特定指示情報に基づいて、車両を運転するユーザに必要な案内指示を行うナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション情報は、前記車両が走行する走行ルート上でかつナビゲーションが必要な位置における位置座標のみで構成され、
前記特定指示情報は、前記車両に対し、所定の指示を出すために必要な位置における位置座標である特定位置座標のみで構成されるとともに、検知される順番に前記位置座標がソートされ、
前記車両を中心とする所定半径の円で構成される第1の検出領域及び前記車両を中心とする、半径が前記第1の検出領域よりも広い円で構成される第2の検出領域内に、前記特定位置座標が存在するか否かによってナビゲーションの有無を判断し、
n番目(特定位置座標の個数≧n≧1)に検知されるべき特定位置座標が前記第2の検出領域内に侵入し、かつ、n番目に検知されるべき特定位置座標が前記第1の検出領域に侵入したときには、n番目に検知されるべき特定位置座標に到達したと判断し、必要な処理を実行し、
n番目(特定位置座標の個数≧n≧1)に検知されるべき特定位置座標が前記第2の検出領域内に侵入したが、n番目に検知されるべき特定位置座標が前記第1の検出領域に侵入せず、n+1番目(特定位置座標の個数≧n+1≧)に検知されるべき位置座標が前記第1の検出領域に侵入したときには、n番目に検知されるべき特定位置座標に到達したとみなし、必要な処理を実行するとともに、n+1番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断し必要な処理を実行するナビゲーションシステム。
【請求項2】
n番目(特定位置座標の個数≧n≧1)からn+m番目(特定位置座標の個数≧n≧1、 特定位置座標の個数≧m≧1)に検知されるべきすべての特定位置座標が、それぞれ前記第2の検出領域内に侵入したが、n番目からn+m番目に検知されるべきすべての特定位置座標が前記第1の検出領域に侵入せず、n+m+1番目(特定位置座標の個数≧n+m+1≧)に検知されるべき特定位置座標が前記第1の検出領域に侵入したときには、n番目からn+m番目に検知されるべきすべての特定位置座標に到達したとみなし、必要な処理を実行するとともに、n+m+1番目に検知されるべき特定位置座標に到達したと判断し必要な処理を実行する請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムにおいて所定の指示を出すために必要な位置への到着を検知する(もしくは到着したものとみなす)技術で、例えば、ゴミ回収業者、郵便や宅配業者が業務を行う際に、あらかじめ指定されたポイントに到達したか否かの確認を行うことが可能なナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用のナビゲーションシステムにおいて、車両の現在位置を検出する際に、車両の走行路と地図情報とを比較するマップマッチング処理によって検出精度を向上させることに主力が置かれている。その上で、特許文献1のように、マップマッチング処理の精度について、マッチング対象の走行路が長いほど精度が向上することや、特許文献2のように、AI技術を活用したナビゲーションシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-250718号公報
【文献】特開2022-132882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のナビゲーションシステムでは、あらかじめ指定されたポイントに到達したか否かの確認方法として、ナビゲーションシステムにあらかじめ、停車ポイント(目的地)を設定し、その停車ポイントに向けて車両を走行させることが行われていた。
この方法の場合、車両が侵入することができない地点に停車ポイントが設定された場合には、車両が停車ポイントに到達することができないため、ナビゲーションシステム上では、人為的に到着したものとして処理しない限り、目的地に一番近いナビゲーションポイントとして設定し、目的地付近に到着した旨を通知する。このため、数メートルから数十メートルといった短い距離で、ゴミ収集や郵便配達といった一度に大量の停車ポイント(目的地)を巡回するナビゲーションシステムでの利用は不適であった。
【0005】
そこで、発明者は、この問題を解決するためには、車両と目的ポイントとの位置関係と、ナビゲーション処理のフローに着目し、検出領域を、通常のナビゲーションで検知できる第1の検出領域と、当該領域よりも広い第2の検出領域とに分けて、第1の検出領域の領域で検出できなくても、特定の条件下において第2の検出領域で検出できたときに、所定の指示がなされたとみなすことにより、この問題を解決することができることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、ゴミ収集や郵便配達といった一度に大量の停車ポイント(目的地)を巡回するナビゲーションシステムでの利用を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ナビゲーションファイルに格納されるナビゲーション情報及び特定指示情報に基づいて、車両を運転するユーザに必要な案内指示を行うナビゲーションシステムにおいて、前記ナビゲーション情報は、前記車両が走行する走行ルート上でかつナビゲーションが必要な位置における位置座標のみで構成され、前記特定指示情報は、前記車両に対し、所定の指示を出すために必要な位置における位置座標である特定位置座標のみで構成されるとともに、検知される順番に前記位置座標がソートされ、前記車両を中心とする所定半径の円で構成される第1の検出領域及び前記車両を中心とする、半径が前記第1の検出領域よりも広い円で構成される第2の検出領域内に、前記特定位置座標が存在するか否かによってナビゲーションの有無を判断し、n番目(特定位置座標の個数≧n≧1)に検知されるべき特定位置座標が前記第2の検出領域内に侵入し、かつ、n番目に検知されるべき特定位置座標が前記第1の検出領域に侵入したときには、n番目に検知されるべき特定位置座標に到達したと判断し、必要な処理を実行し、n番目(特定位置座標の個数≧n≧1)に検知されるべき特定位置座標が前記第2の検出領域内に侵入したが、n番目に検知されるべき特定位置座標が前記第1の検出領域に侵入せず、n+1番目(特定位置座標の個数≧n+1≧)に検知されるべき位置座標が前記第1の検出領域に侵入したときには、n番目に検知されるべき特定位置座標に到達したとみなし、必要な処理を実行するとともに、n+1番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断し必要な処理を実行するナビゲーションシステムである。
【0007】
本発明によれば、ナビゲーションファイルに格納されている情報はナビゲーションが必要な位置の位置座標のみであり、また、特定指示情報は、前記車両に対し、所定の指示を出すために必要な位置における位置座標のみであり、ナビゲーション専用の地図データは用いない。
したがって、経時的に変化する地図データを更新するなど、新しい情報を追加する必要がなく、車両を運転するユーザに必要な案内指示を行うことができる。
特に、複雑なルートや、同じ地点を何度も走行する業務用車両の場合であっても、位置座標の設定さえ適切に設定されていれば、ナビゲーションシステムとして利用することができる。
そのうえで、1番目に検知されるべき位置座標から順に、第1、第2の検出領域に侵入したか判定し、それぞれ侵入したときに必要な処理を行う。このとき、次に検知すべきポイントがn番目(位置座標の個数≧n≧1)の位置座標が第1の検出領域に侵入したときには、n番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断し、必要な処理(例えば、目的地に到着したことをアナウンスする等)を実行する。例えば、3番目に検知されるべき位置座標が第1の検出領域に侵入したときには、3番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断し、目的地に到達したことをシステム上及び音声でアナウンスする。
また、n番目(位置座標の個数≧n≧1)に検知されるべき位置座標が第2の検出領域内に侵入したものの、n番目に検知されるべき位置座標が第1の検出領域に侵入せず、n+1番目(位置座標の個数≧n+1≧)に検知されるべき位置座標が第1の検出領域に侵入したときには、n番目に検知されるべき位置座標に到達したとみなし、必要な処理を実行するとともに、n+1番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断し必要な処理を実行する。つまり、n番目に検知されるべき位置座標の探索を打ち切り、n+1番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断し必要な処理を実行する。たとえば、3番目に検知されるべき位置座標が第2の検出領域内に侵入したものの、3番目に検知されるべき位置座標が第1の検出領域に侵入せず、4番目に検知されるべき位置座標が第1の検出領域に侵入したときには、3番目に検知されるべき位置座標の探索を打ち切り、4番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断し必要な処理を実行する。
これにより、車で侵入することができない地点を目標地点においたとき、第1の検出領域で検出できなくても、第2の検出領域で検出できたときに、所定の指示がなされたとみなすことができ、当該位置座標を探し続けることになく、次のポイントの探索が可能となる。
【0008】
ナビゲーションシステムでは、外部からプローブ情報(GPS情報)を受信する受信端末、プローブ情報から車両の位置情報(経緯度)を抽出し、案内指示を行う座標との離間距離を求める離間距離演算部、案内指示の内容を判断し、車両を運転するユーザに案内指示を行う案内部とを有している。
【0009】
第1の検出領域・第2の検出領域に目標となる位置情報が存在するか否かの判断手法は、座標上で判断し、車両を中心に第1の検出領域・第2の検出領域を設け、それぞれの領域に位置座標が位置するか否かで判断する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、n番目(特定位置座標の個数≧n≧1)からn+m番目(特定位置座標の個数≧n≧1、 特定位置座標の個数≧m≧1)に検知されるべきすべての特定位置座標が、それぞれ前記第2の検出領域内に侵入したが、n番目からn+m番目に検知されるべきすべての特定位置座標が前記第1の検出領域に侵入せず、n+m+1番目(特定位置座標の個数≧n+m+1≧)に検知されるべき特定位置座標が前記第1の検出領域に侵入したときには、n番目からn+m番目に検知されるべきすべての特定位置座標に到達したとみなし、必要な処理を実行するとともに、n+m+1番目に検知されるべき特定位置座標に到達したと判断し必要な処理を実行する請求項1に記載のナビゲーションシステムである。

【0011】
請求項2に記載の発明においては、n番目からn+m番目に検知されるべきすべての位置座標が、第2の検出領域内に侵入した第1の検出領域に侵入せず、n+m+1番目に検知されるべき位置座標が第1の検出領域に侵入したときには、n番目からn+m番目に検知されるべきすべての位置座標に到達したとみなす一括処理を行い、n+m+1番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断し必要な処理を実行する。
これにより、車で侵入することができない地点を目標地点においたとき、連続して、第1の検出領域で検出できなくても、第2の検出領域で検出できたときに、所定の指示がなされたとみなすことができ、当該位置座標を探し続けることになく、次のポイントの探索が可能となる。
【0012】
なお、本発明は、特定指示情報に格納されている位置座標を順番に探索することが前提とするものである。例えば、1番目の位置座標の探索を行った後に、2番目の位置座標の探索を行う。第2の検出領域、第1の検出領域内に、例えば、10番目に探索する位置座標が侵入したとしても、2番目の位置座標の探索を行っているときは、10番目に探索する位置座標に到達したとは判断しない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ナビゲーションファイルに格納されている情報はナビゲーションが必要な位置の位置座標のみであることから、経時的に変化する地図データを更新するなど、新しい情報を追加する必要がなく、車両を運転するユーザに必要な案内指示を行うことができる。
特に、複雑なルートや、同じ地点を何度も奏功する業務用車両の場合であっても、位置座標の設定さえ適切に設定されていれば、ナビゲーションシステムとして利用することができる。
そのうえで、車で侵入することができない地点を目標地点においたとき、第1の検出領域で検出できなくても、第2の検出領域で検出できたときに、所定の指示がなされたとみなすことができ、当該位置座標を探し続けることになく、次のポイントの探索が可能となる。
【0014】
特に、請求項2に記載の発明によれば、車で侵入することができない地点を目標地点においたとき、連続して、第1の検出領域で検出できなくても、第2の検出領域で検出できたときに、所定の指示がなされたとみなすことができ、当該位置座標を探し続けることになく、次のポイントの自動探索が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1に係るナビゲーションシステムにおいて、第1の領域および第2の領域の概念を示した説明図である。
図2】本発明の実施例1に係るナビゲーションシステムにける検知方法を説明するための簡易フローチャートである。
図3】本発明の実施例1に係るナビゲーションシステムにける検知方法を説明するためのルートと検知ポイントを示す地図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例1)
本発明の実施例1に係るナビゲーションシステムは、Uターンが求められているルートにおいても用いられるものである。
このナビゲーションシステムは、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置、制御装置から構成され、安定可能なOSが導入されたナビゲーション端末が搭載されている。
【0017】
ナビゲーション端末には、ナビゲーションプログラムを備えている。ナビゲーションプログラムには、GPS情報から車両の位置情報(経緯度)を抽出する機能、案内指示を行う位置の経緯度(案内位置座標)をナビゲーションファイルから読み取る機能、案内位置座標における案内指示の内容を判断し、必要な案内をする案内機能を有している。
【0018】
ナビゲーションファイルは、案内指示を出す順番に沿って、案内位置座標を格納している。位置座標は最低3か所(出発地点の位置座標、到着地点の位置座標および案内位置座標)が格納されている。ナビゲーションファイルは、管理を容易とするために、CSV(Comma Separated Value)ファイルで格納されている。
【0019】
ナビゲーションファイルの作成は、ナビゲーション端末上で作成してもよく、ナビゲーション端末以外の端末(例えば、別場所に設置のデスクトップ端末)で作成してもよい。
【0020】
この場合、ナビゲーション端末にナビゲーションファイルを格納する必要があるが、例えば、外部メディア媒体に格納されたナビゲーションファイルをナビゲーション端末に読み込ませる方法でも、有線・無線を問わずネットワーク回線を介してナビゲーションファイルをナビゲーション端末に読み込ませる方法であってもよい。
【0021】
なお、実施例1に係るナビゲーションシステムにおいて、案内指示の内容を決定する方法及び案内指示の方法については、本発明の要部ではないため、詳細な記述は省略するが、案内指示を行う地点の位置座標を端部として、その地点に到達するルートを基軸とし、案内指示を行う地点の位置座標を端部として、その先のルートを屈折軸とし、2軸から形成される角度を求め、当該角度からナビゲーションの案内指示の内容を決定する方法、案内指示を行うポイントでの案内指示の内容、その次のポイントでの案内指示の内容、及び案内指示を行うポイントとその次のポイントとの離間距離に基づいて案内指示を行う方法が挙げられる。
【0022】
処理の流れを簡易的に説明したフローチャートが図2であり、これを元に具体的な処理の流れについて説明する。なお、案内位置座標は複数存在し、案内指示を初めから順に探索する。
例えば、1番目の案内位置座標の探索を行った後に、2番目の案内位置座標の探索を行う。2番目の案内位置座標の探索を行った後に、3番目の案内位置座標の探索を行う。このとき、例えば、2番目の案内位置座標の探索を行っている最中に、10番目の案内位置座標が第1の検出領域(この後に記述する。)に入ったとしても、本システムでは、10番目の案内位置座標の探索を行っていないため、何ら処理を行わず、引き続き、2番目の案内位置座標の探索を行う。
そして、第1の検出領域は、車両を中心に例えば実際の距離が第1の検出領域の閾値(例えば直径5m等)に相当する座標軸上の円(図1における実線の円の領域)で構成し、第2の検出領域は、車両を中心に例えば実際の距離が第2の検出領域の閾値(例えば直径50m等)に相当する座標軸上の円(図1における破線の円の領域)で構成する。そして、案内指示座標が、第2の検出領域にさしかかったとき、案内位置座標における地点付近に到達したと判断する。第2の検出領域に入るまでは、案内位置座標における地点に到達していないと判断する。
その後、第1の検出領域内に入った時点で、案内位置座標における地点に到達したと判断し、運転者に必要な指示を出すとともに、ナビゲーションシステム上の必要な処理を行う。
【0023】
n-1番目までの案内位置座標の探索を終えた前提で、n(案内位置座標の個数≧n≧1)番目の案内位置座標の探索を行う場合のフローについて説明する。
【0024】
n番目に検知されるべき案内位置座標が第2の検出領域内及び第1の検出領域に侵入したときには、n番目に検知されるべき案内位置座標に到達したと判断し、必要な処理を実行する。本実施例では、n番目の案内位置座標に相当する地点に到達したことを運転者に伝えるとともに、n番目の案内位置座標の探索を終え、n+1番目の案内位置座標の探索を開始する。
【0025】
n番目に検知されるべき案内位置座標が第2の検出領域内に侵入したものの、第1の検出領域に侵入せず、n+1番目に検知されるべき案内位置座標が第1の検出領域に侵入したときには、n番目に検知されるべき案内位置座標にはすでに到達したとみなして、n番目に検知されるべき案内位置座標の探索を打ち切り、n+1番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断する。
【0026】
すなわち、n番目に検知されるべき案内位置座標が第2の検出領域内に侵入したときには、n番目の案内位置座標の探索を継続するともに、n+1番目の案内位置座標が第1の領域に侵入しているか否かの判定を開始する。
【0027】
そして、n番目の案内位置座標の探索中に、n+1番目に検知されるべき案内位置座標が第1の検出領域に侵入したと判定されたときには、n番目に検知されるべき案内位置座標の探索を打ち切り、n+1番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断する。
【0028】
本実施例では、n+1番目の案内位置座標に相当する地点に到達したことを運転者に伝えるとともに、n+1番目の案内位置座標の探索を終え、n+2番目の案内位置座標の探索を開始する。
【0029】
逆に、n番目の案内位置座標が、第2の検出領域に入らずに、n+1番目の案内位置座標が、第1の検出領域に入ったときであっても、n番目の案内位置座標の探索が行われている以上、n+1番目の案内位置座標の処理は行わない。
【0030】
(実施例2)
以上が、本発明の実施例1に係るナビゲーションシステムに関する説明となるが、連続して、検知されるべき案内位置座標が第2の検出領域内に侵入したものの、第1の検出領域に侵入しなかったときに、その次の案内位置座標が第1の検出領域内に侵入したときのフローを実施例2に係るナビゲーションシステムとして説明する。
【0031】
基本的な処理の流れは実施例1と同様である。
n-1番目までの案内位置座標の探索を終えた前提で、n(案内位置座標の個数≧n≧1)番目の案内位置座標の探索を行う場合のフローについて説明する。
【0032】
n番目に検知されるべき案内位置座標が第2の検出領域内に侵入したものの、第1の検出領域に侵入していないときは、n番目の案内位置座標の探索を行うともに、n+1番目の案内位置座標が第1の領域に侵入しているか否かの判定を開始する。
【0033】
その後、n番目に検知されるべき案内位置座標の探索中に、n+1番目に検知されるべき案内位置座標が第2の検出領域内に侵入した場合には、n番目及びn+1番目の案内位置座標の探索を行うともに、n+2番目の案内位置座標が第1の領域に侵入しているか否かの判定を開始する。
【0034】
その後、n番目・n+1番目の案内指示座標が検知されるべき案内位置座標が第2の検出領域内に侵入したものの、第1の検出領域に侵入していないときに、n+2番目に検知されるべき案内位置座標が第1の検出領域内に侵入したときには、n番目及びn+1番目に検知されるべき案内位置座標にはすでに到達したとみなして、n番目及びn+1番目に検知されるべき案内位置座標の探索を打ち切り、n+2番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断する。本実施例では、n+2番目の案内位置座標に相当する地点に到達したことを運転者に伝えるとともに、n番目及びn+1番目の案内位置座標の探索を終え、n+3番目の案内位置座標の探索を開始する。
【0035】
本構成によることで、車で侵入することができない地点を目標地点においたとき、第1の検出領域で検出できなくても、第2の検出領域で検出できたときに、所定の指示がなされたとみなすことができ、当該位置座標を探し続けることになく、次のポイントの探索が可能となり、目的地(経由地)が近い場合や複雑に入り組んだ場所を、指定順番通りにナビゲーションするシステムにおける自動検知として機能させることができる。
【0036】
(具体例)
実際に本機能を使って目的地(経由地)が近く複雑に入り組んだ複数の場所を指定順通りに検知する事例について、図3を使用して説明する。
図3は、第1領域で[001]のポイントを検知し、そこでの処理を行ったのち、[002]のポイントに向かっている途中を表している。この時[004]のポイントは第2の検知領域内に入っているが、[002]及び[003]のポイントを検知していないため、ポイント[004]における処理は実行しない。
その後、第1領域で次の検知先である[002]を検知したときは、 [003]のポイントを次の検知先として設定し、探索を行う。
[003]のポイントの到達付近において、[005]のポイントについても第1領域内に侵入する。しかし、この段階において、次の検知先である[004]を検知していないことから、 [005]は検知対象外となっている。
【0037】
[003]を検出したときは、[004]のポイントを次の検出先として設定し、探索を行う。図3によれば、[004]のポイントは第1の領域の範囲外に設けられているため、自動で検知することはできないが、既に第2領域で補足済みである。
[004]のポイントは、ゴミ収集や宅配の事例でいうと、最寄りの場所に車をとめて、徒歩等で[004]まで移動することを想定している。地点といえる。
[004]のポイントを探索中に、[005]のポイントを検出したときは、既に第2領域に到達済みの[004]について、正式に検知したものとみなす(みなし検知)。そのうえで、[005]のポイントについては、検知の処理を行い、[006]のポイントを次の検知先として設定する。
【0038】
[005]のポイントから [006]のポイントへ移動している途中で、 [007]のポイントが第1領域に侵入するが、 [006]のポイントが未検知であることから、[007]の検知扱いとはしない。
その後、第1領域で次の検知先である[006]を検知したときは、[007]のポイントを次の検知先として設定する。
そして、第1領域で次の検知先である[007]を検知したのち、[008]のポイントを次の検知先として設定している状態を表すが、[008]以降については記述を省略する。
【要約】      (修正有)
【課題】ゴミ回収業者、郵便や宅配業者が業務を行う際に、あらかじめ指定されたポイントに到達したか否かの確認を行うことが可能なナビゲーションシステムにおける検知機能を提供する。
【解決手段】車両を中心とする所定半径の円で構成される第1の検出領域及び車両を中心とする半径が第1の検出領域よりも広い円で構成される第2の検出領域内に案内位置座標が存在するか否かによってナビゲーションの有無を判断する。このとき、n番目からn+m番目(m≧1)に検知されるべき全ての位置座標が、第2の検出領域内に侵入したが、n番目からn+m番目に検知されるべき全ての位置座標が第1の検出領域に侵入せず、n+m+1番目に検知されるべき位置座標が第1の検出領域に侵入した時には、n番目からn+m番目に検知されるべき全ての位置座標に到達したとみなすとともに、n+m+1番目に検知されるべき位置座標に到達したと判断し必要な処理を実行する。
【選択図】図2
図1
図2
図3