(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】プログラム、ゲーム装置および方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/426 20140101AFI20240603BHJP
A63F 13/812 20140101ALI20240603BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20240603BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240603BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20240603BHJP
【FI】
A63F13/426
A63F13/812 B
A63F13/2145
A63F13/55
G06F3/0488
(21)【出願番号】P 2020063923
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-02-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼公開日 令和1年10月15日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス https://apps.apple.com/jp/app/winning-eleven-2017/id1117270703 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.konami.pesam&hl=ja ▲3▼公開者 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岸野 雄吾
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特許第5865535(JP,B1)
【文献】特開2018-102364(JP,A)
【文献】特開2018-083057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
G06F 3/01,3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のコンピュータに、
タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップ、または、
前記第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップを実行させるとともに、
(i)前記第2ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出した場合、および
(ii)前記第1ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、前記タッチパネルが当該タッチの終了を検出する前に前記第2ゲームステップに遷移した場合に
前記第2の操作体系のための初期設定処理を実行させ
、
前記第1の操作体系および前記第2の操作体系は、それぞれ前記タッチ位置が移動する方向に基づく前記1または複数のキャラクタの動作を定めたものであり、
前記第1の操作体系と前記第2の操作体系とで、前記1または複数のキャラクタを動作させるために参照する、前記タッチ位置を示す座標の成分の少なくとも一部が異なる、
プログラム。
【請求項2】
前記初期設定処理は、前記タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して初期位置を設定する処理を含み、
前記第2ゲームステップでは、前記初期位置をさらに参照して前記1または複数のキャラクタを動作させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2ゲームステップでは、前記タッチパネルが検出したタッチ位置と前記初期位置との位置関係に基づいて前記1または複数のキャラクタを動作させる、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1の操作体系は、前記タッチパネルが検出したタッチ位置の第1軸方向成分に基づく前記1または複数のキャラクタの動作を定めたものであり、
前記第2の操作体系は、前記タッチパネルが検出したタッチ位置の前記第1軸方向成分および第2軸方向成分に基づく前記1または複数のキャラクタの動作を定めたものである、
請求項1から3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2の操作体系は、前記タッチパネルが検出したタッチ位置の変化に基づく前記1または複数のキャラクタの動作方向を定めたものである、
請求項
4に記載のプログラム。
【請求項6】
タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップ、または、
前記第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップを実行するゲーム実行部と、
(i)前記第2ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出した場合、および
(ii)前記第1ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、前記タッチパネルが当該タッチの終了を検出する前に前記第2ゲームステップに遷移した場合に
前記第2の操作体系のための初期設定処理を実行させる初期設定実行部と、
を備え
、
前記第1の操作体系および前記第2の操作体系は、それぞれ前記タッチ位置が移動する方向に基づく前記1または複数のキャラクタの動作を定めたものであり、
前記第1の操作体系と前記第2の操作体系とで、前記1または複数のキャラクタを動作させるために参照する、前記タッチ位置を示す座標の成分の少なくとも一部が異なる、ゲーム装置。
【請求項7】
1または複数のコンピュータが実行する方法であって、
タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップと、
前記タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、前記第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップと、
(i)前記第2ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出した場合、および
(ii)前記第1ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、前記タッチパネルが当該タッチの終了を検出する前に前記第2ゲームステップに遷移した場合に
前記第2の操作体系のための初期設定処理を実行させる初期設定ステップと、
を含
み、
前記第1の操作体系および前記第2の操作体系は、それぞれ前記タッチ位置が移動する方向に基づく前記1または複数のキャラクタの動作を定めたものであり、
前記第1の操作体系と前記第2の操作体系とで、前記1または複数のキャラクタを動作させるために参照する、前記タッチ位置を示す座標の成分の少なくとも一部が異なる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを用いて実現するゲームにおいて、タッチパネルによりキャラクタを動作させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを用いてキャラクタの動作を制御するゲーム装置が従来から知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-161446号公報(2018年10月18日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タッチパネルを用いてキャラクタの動作を操作する場合、タッチパネルから指等の操作子を離すことなくキャラクタの動作の操作を継続したいことがある。しかしながら、従来のゲームでは、キャラクタの動作を操作している最中に、操作体系が切り替わることがあり、このような場合には、一旦操作子をタッチパネルから離してから、操作子をタッチパネルに再度接触させることが必要となる。
【0005】
本発明の一態様は、タッチパネルで操作する複数の操作体系を含むゲームにおいて、操作体系が切り替わった場合においても、タッチパネルから操作子を離すことなく、切り替え後の操作体系において、キャラクタの動作の操作を継続することができる技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップ、または、前記第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップを実行させるとともに、(i)前記第2ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出した場合、および(ii)前記第1ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、前記タッチパネルが当該タッチの終了を検出する前に前記第2ゲームステップに遷移した場合に前記第2の操作体系のための初期設定処理を実行させる、プログラムである。
【0007】
また、本発明の一態様に係るゲーム装置は、タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップ、または、前記第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップを実行するゲーム実行部と、(i)前記第2ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出した場合、および(ii)前記第1ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、前記タッチパネルが当該タッチの終了を検出する前に前記第2ゲームステップに遷移した場合に前記第2の操作体系のための初期設定処理を実行させる初期設定実行部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る方法は、1または複数のコンピュータが実行する方法であって、タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップと、前記第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップと、(i)前記第2ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出した場合、および(ii)前記第1ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、前記タッチパネルが当該タッチの終了を検出する前に前記第2ゲームステップに遷移した場合に前記第2の操作体系のための初期設定処理を実行させる初期設定ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、タッチパネルで操作する複数の操作体系を含むゲームにおいて、操作体系が切り替わった場合においても、タッチパネルから操作子を離すことなく、切り替え後の操作体系において、キャラクタの動作の操作を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】タッチパネルにおけるタッチセンサの状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るゲームにおけるゲーム画像の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る第1ゲームにおけるゲーム画像の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る第2ゲームにおけるゲーム画像の一例を示す図である。
【
図8】ゲーム進行部が実行する処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図9】ゲーム進行部が実行する処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図10】ゲーム進行部が実行する処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図17】ゲーム進行部が実行する処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態〕
<ゲームシステム1の構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1の構成の一例を示すブロック図である。ゲームシステム1は、ユーザ端末10-1(コンピュータ、ゲーム装置)、ユーザ端末10-2、・・・ユーザ端末10-N、およびゲームサーバ30を備えている。これらの装置は、インターネットを含むネットワークNを介して接続される。ユーザ端末10-1、ユーザ端末10-2、・・・ユーザ端末10-Nは、同様の構成であるため、特に区別しない場合には、「-1」、「-2」等の記載を省略してユーザ端末10として説明する。
【0012】
ユーザ端末10は、ユーザが利用するコンピュータである。ユーザ端末10の例として、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンおよびフィーチャーフォン等の携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、据え置き型ゲーム機、および携帯ゲーム機等が挙げられる。
【0013】
ゲームサーバ30は、ユーザ端末10にゲームを提供するための、サーバ機能を有するコンピュータ(装置)である。ゲームサーバ30は、ユーザ端末10に、ゲームサーバ30と通信しながら進行するゲームを提供する。ゲームは、ユーザ端末10に予めインストールされたゲームであればよい。
【0014】
(ユーザ端末10のハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係るユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末10は、例えば、プロセッサ11、通信部12、タッチパネル13、および記憶部14を備え、ネットワークNを介して接続されたゲームサーバ30および他の装置等と通信部12を介して通信する。これらの構成要素は、バス17を介して相互に通信可能に接続されている。プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の集積回路を含んで構成され、記憶部14に記憶された各種プログラムを実行し、ユーザ端末10の各部を制御する。
【0015】
通信部12は、例えば、イーサネット(登録商標)ポートやUSB等のデジタル入出力ポート、WiFi(登録商標)等の無線通信等を含んで構成される。
【0016】
記憶部14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)(登録商標)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、ユーザ端末10が処理する各種情報および画像、ならびにプログラム(ゲーム制御プログラムを含む)等を記憶する。なお、記憶部14は、ユーザ端末10に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。また、ユーザ端末10は、不図示のスピーカ、音声出力端子、カメラ、ジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)受信モジュールなどのハードウェア構成を含んで構成されてもよい。
【0017】
タッチパネル13は、表示装置と位置入力装置とを組み合わせた電子部品である。タッチパネル13は例えば、静電容量方式または抵抗膜方式のタッチパネルである。タッチパネル13に対するユーザの操作により、各種の指示が入力される。タッチパネル13は、タッチの開始、タッチの位置、およびタッチの終了を検出する。タッチとは、タッチパネル13に操作子が触れることをいう。操作子は、タッチパネルに触れるものであり、例えば、プレイヤの指またはタッチペンである。タッチの位置は、操作子が触れているタッチパネル13上の位置(タッチ位置)をいう。タッチ位置は例えば、(x、y)の2次元座標により表される。タッチ位置は例えば、フレームレートに基づいて定まる時間ごとに取得される。タッチ位置は、毎フレーム取得されてもよく、また、所定フレームが経過する毎に取得されてもよい。タッチの終了は、タッチパネル13に触れている操作子がタッチパネル13から離れることをいう。
【0018】
図3は、タッチパネル13におけるタッチセンサの状態の一例を示す図である。
図3の例では、タッチパネル13に操作子が触れると、「マウスON」という割り込み処理が発生する。「マウスON」は、タッチパネル13が検出する「タッチの開始」の一例である。その後、操作子を移動させると、「マウスMOVE」という割り込み処理が操作子を動かす毎に発生する。「マウスMOVE」は、タッチパネル13が検出する「タッチ位置の変化」の一例である。タッチパネル13から操作子が離れると、「マウスOVER(OFF)」という割り込み処理が発生する。「マウスOVER(OFF)」は、タッチパネル13が検出する「タッチの終了」の一例である。タッチパネル13は、「マウスON」および「マウスMOVE」時に、タッチ位置を検出する。これらの割り込み処理は、例えばオペレーティングシステム(OS)が発生させる。
【0019】
なお、ユーザ端末10は、例えばキーボード、マウス、タッチパッド、マイクロホン、およびその他の入力装置を含んでいてもよい。
【0020】
(ユーザ端末10の機能構成)
図4は、本実施形態に係るユーザ端末10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4では、記憶部14に記憶されているデータと、記憶部14に記憶されているゲームプログラムをプロセッサ11が実行することにより実現される機能構成である制御部110とを示し、
図2に示したその他の構成については省略している。
【0021】
制御部110は、ゲーム進行部111を備えている。記憶部14には、ゲームプログラム、端末内ゲーム情報およびユーザ情報が記憶されている。端末内ゲーム情報は、制御部110がゲームを実行するために参照するデータである。ユーザ情報は、ユーザに関連付けられたデータである。
【0022】
<ゲームの概要>
ゲームシステム1が実現するゲーム(以降、「本ゲーム」とも称する)のジャンルは特定のジャンルに限定されず、いかなるジャンルのゲームであってもよいが、好ましくは、現実世界における競技を模したスポーツゲームである。現実世界における競技は例えば、サッカー、野球、馬術、テニス、スキーである。本実施形態では、ゲームシステム1が、現実世界におけるサッカーを模したサッカーゲームを実現する場合について説明する。
【0023】
ここで、ゲームシステム1が実現するサッカーゲームは、シングルプレイゲームとして進行してもよいし、マルチプレイゲームとして進行してもよい。シングルプレイゲームの場合、ゲームシステム1は、ユーザ端末10のユーザによって操作可能なユーザチームと、当該ユーザの操作によらずにゲームシステム1によって動作が決定される相手チームとを対戦させる。また、マルチプレイゲームの場合、ゲームシステム1は、当該装置のユーザによって操作可能なユーザチームと、相手ユーザによって相手チームとを対戦させる。相手ユーザは、ユーザと同一のユーザ端末10を操作するユーザであってもよいし、ユーザとは異なる他のユーザ端末10を操作するユーザであってもよい。後者の場合、ユーザ端末10および他のユーザ端末10は、例えばゲームサーバ30等を介して、通信可能に接続される。
【0024】
(キャラクタ)
本ゲームにおいて、プレイヤは、タッチパネル13を用いて1または複数のキャラクタを動作させる。キャラクタは、ゲームにおいて各種の行動の主体となるものである。キャラクタは例えば、モンスター、動物、妖怪、人、植物、ロボット、またはアバターであるが、これらに限定されず、いかなる概念を投影したキャラクタであってもよい。
【0025】
(選手キャラクタ)
選手キャラクタは、ゲームにおいて使用されるキャラクタであり、特に競技を模したゲームにおいて使用されるキャラクタである。選手キャラクタは、競技を模したゲームにおいて競技を行う選手を表す。なお、選手キャラクタは、人物に限らず、動物(例えば、馬術で用いられる馬)のキャラクタであってもよい。選手キャラクタは、実際の競技で活躍している現実にいる選手を模したキャラクタであってもよいし、ゲームにおけるオリジナルの選手(すなわち架空の選手)のキャラクタであってもよい。
【0026】
本ゲームでは、ゲーム進行部111は、1または複数の選手キャラクタからなるユーザチームと相手チームとの対戦処理を実行する。
【0027】
図5は、本ゲームにおけるゲーム画像G2の一例を示す図である。ゲーム進行部111は、ゲーム画像G2をタッチパネル13に表示させる。ゲーム画像G2には、試合中のフィールドを表すオブジェクトO20、および、ユーザ操作の対象となるオブジェクトO21が含まれている。オブジェクトO20には、ユーザチームの選手キャラクタを示すオブジェクトO21、相手チームの選手キャラクタを示すオブジェクトO22、ボールを示すオブジェクトO23が示されている。ゲーム進行部111は、ユーザチームの選手キャラクタを示すキャラクタ情報、および、相手チームの選手キャラクタを示すキャラクタ情報を参照して、オブジェクトO21、O22およびO23を移動させ、サッカーゲームをシミュレートする。また、ゲーム進行部111は、タッチパネル13に表示されたオブジェクトO24へのタッチ操作がなされたことを検出した場合に、オブジェクトO24へのタッチ位置に応じて、ユーザチームの戦術の変更処理や、選手交代処理を行ってもよい。
【0028】
なお、
図5では、オブジェクトO20は、サッカーフィールドを2次元的に表現しているが、オブジェクトO20は、サッカーフィールドを3次元的に表現するものであってもよい。
【0029】
ゲーム進行部111は、試合が終了すると、ゲームサーバ30に試合終了を通知すると共に、タッチパネル13に試合結果を表示させる。
【0030】
本ゲームは、第1ゲームステップおよび第2ゲームステップを含む。ゲームステップとは、ゲームの一部分を指し、ゲームモードと称されることもある。本ゲームがサッカーゲームである場合、第1ゲームステップは、例えば、セットプレイを実行するゲームステップである。セットプレイは例えば、コーナーキック、ゴールキック、およびスローインである。第2ゲームステップは例えば、サッカーゲームの試合におけるセットプレイ以外のプレイを実行するゲームステップである。第1ゲームステップと第2ゲームステップは同時に進行せず、ゲームステップ間で遷移する。
【0031】
ゲーム進行部111は、第1ゲームステップにおいては、タッチパネル13が検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる。一方、第2ゲームステップにおいては、ゲーム進行部111は、第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる。
【0032】
本実施形態において、操作体系は、タッチパネル13に対するユーザ操作に基づく1または複数のキャラクタの動作を定めたものである。本ゲームは、複数の操作体系を含む。同様のユーザ操作であっても、操作体系が異なるとキャラクタの動作が異なる場合がある。複数の操作体系は、第1の操作体系、および第2の操作体系を含む。操作体系は、ゲームステップに紐付けられる。本実施形態において、第1の操作体系は、第1ゲームステップで用いられる。第2の操作体系は、第2ゲームステップで用いられる。
【0033】
タッチパネル13に対するユーザ操作は、例えば、タッチの開始操作、スライド操作、およびタッチの終了操作を含む。スライド操作は、タッチパネル13に操作子が触れた状態のままタッチ位置を移動させる操作をいう。
【0034】
本実施形態において、操作体系は特に、タッチパネル13が検出したタッチ位置に基づく、1または複数のキャラクタの動作を定めたものである。例えば、タッチ位置を示す座標(例えば、(x、y)座標)のうち、どの軸の座標(x座標とy座標の両方、または、x座標、等)を用いてキャラクタを動作させるかが、各操作体系において定められている。
【0035】
本実施形態において、第1の操作体系は、タッチパネル13が検出したタッチ位置の第1軸方向成分(x軸方向成分)に基づく、1または複数のキャラクタの動作を定めたものである。この場合、ゲーム進行部111は、第1の操作体系においては、タッチ位置のx軸方向成分を用いて選手キャラクタを動作させる。例えば、第1の操作体系は、タッチ位置のx軸方向成分と、選手キャラクタのボールを蹴る方向とを対応付けるものである。
【0036】
図6は、第1ゲームステップにおけるゲーム画像を例示する図である。
図6のゲーム画像は、選手キャラクタO31の後方の視点(仮想カメラ)からみた状態を表す画像である。
図6のゲーム画像は、そのほぼ中央において領域A11と領域B11との2つの領域に分かれている。領域A11におけるタッチ位置により、選手キャラクタO31の位置およびボールを蹴る方向が決定される。また、領域B11におけるタッチ位置により、選手キャラクタO31がボールを蹴る力、および弾道(カーブ等)が決定される。このとき、ゲーム進行部111は、領域A11におけるタッチ位置の第1軸方向成分(x軸方向成分)に基づいて、選手キャラクタO31の位置およびボールを蹴る方向を決定する。また、ゲーム進行部111は、領域B11におけるタッチ位置の第1軸方向成分(x軸方向成分)および第2軸方向成分(y軸方向成分)に基づいて、ボールを蹴る力および弾道を決定する。
【0037】
第2の操作体系は、タッチパネル13が検出したタッチ位置の第1軸方向成分(x軸方向成分)および第2軸方向成分(y軸方向成分)に基づく、1または複数のキャラクタの動作を定めたものである。この場合、ゲーム進行部111は、第2操作体系においては、タッチ位置のx軸方向成分、およびy軸方向成分を用いて、選手キャラクタを動作させる。
【0038】
図7は、第2ゲームステップにおけるゲーム画像を例示する図である。
図7のゲーム画像は、ピッチの上方に設けられた仮想カメラ(俯瞰視点)からみた状態を表す画像である。第2ゲームステップにおいて、選手キャラクタは、x軸方向およびy軸方向の両方に移動可能である。図において、領域A21におけるスライド操作により、マークM21が付された選手キャラクタが動作する。詳細には、領域A21においてタッチ開始すると、タッチ開始時のタッチ位置に基づいて原点が決定されたバーチャルパッドO41が表示され、バーチャルパッドO41上のタッチ位置の変化に応じて、マークM21が付された選手キャラクタの移動量および方向が変更される。すなわち、一態様において、第2の操作体系は、タッチパネル13が検出したタッチ位置の変化に基づく、1または複数のキャラクタの動作方向を定めたものである。また、領域B21における操作により、ボールを蹴る動作、タックル動作、または、キャラクタの変更等が行われる。
【0039】
<ゲームの仕組み>
続いて、ユーザに興趣性を与えるための本ゲームの仕組みの一つについて説明する。
【0040】
ユーザ端末10は、タッチパネル13が検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップ、または、第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップを実行するゲーム実行部と、(i)第2ゲームステップにおいてタッチパネル13がタッチの開始を検出した場合、および(ii)第1ゲームステップにおいてタッチパネル13がタッチの開始を検出し、かつ、タッチパネル13がタッチの終了を検出する前に第2ゲームステップに遷移した場合に第2の操作体系のための初期設定処理を実行させる初期設定実行部と、を備える。本実施形態において、ゲーム実行部および初期設定実行部は、ゲーム進行部111によって実現される。
【0041】
本実施形態において、ゲーム進行部111は、オペレーティングシステム(OS)上で動作するソフトウェアである。ゲーム進行部111は、OSが発生させるハンドラに応じて各種の処理を実行する。OSが発生させるハンドラは例えば、ハードウェア割り込みハンドラ、または、ソフトウェア割り込みハンドラである。すなわち、ゲーム進行部111は、イベントドリブン型のフレームワーク上で動作する。本実施形態において、OSが発生させた、タッチの開始、タッチの位置、およびタッチの終了に対応する各ハンドラに応じた処理をゲーム進行部111が実行する。
【0042】
図8は、ゲーム進行部111が実行する処理(方法)を例示するフローチャートである。なお、一部のステップは並行して、または順序を替えて実行されてもよい。ステップS100において、ゲーム進行部111は、後述する割り込み処理(
図9または
図10の処理)により生成されたデータを、記憶部14を介して取得する。割り込み処理が別スレッドにおいて実行される場合には、ゲーム進行部111は、記憶部14におけるスレッドセーフ領域を介してデータを取得することが好ましい。
【0043】
ゲーム進行部111が第1ゲームステップを実行している場合は、ゲーム進行部111は、例えば、選手キャラクタの位置もしくは方向の変化を示すパラメータ、および、アクションを行うか否かを示すパラメータ等を取得する。
【0044】
ゲーム進行部111が第1ゲームステップを実行している場合は、ゲーム進行部111は、例えば、選手キャラクタの移動量を示すパラメータ、選手キャラクタの方向を示すパラメータ、および、アクションを行うか否かを示すパラメータ等を取得する。
【0045】
ステップS102において、ゲーム進行部111は、ハンドラに応じたゲーム処理を実行する。ゲーム進行部111が実行するゲーム処理は例えば、第1ゲームステップにおける選手キャラクタの動作、第1ゲームステップから第2ゲームステップへの遷移、第2ゲームステップにおける選手キャラクタの動作、または、第2ゲームから第1ゲームへの遷移、である。
【0046】
第1ゲームステップにおける選手キャラクタの動作とは、例えばセットプレイにおける選手キャラクタの位置もしくは方向の変更、または、選手キャラクタによるキック、スローイン等のアクションである。ゲーム進行部111は、ステップS101において取得したパラメータに応じて、選手キャラクタの位置もしくは方向を変化させる処理、または、選手キャラクタのアクションを実行する処理を行う。
【0047】
第2ゲームステップにおける選手キャラクタの動作とは、例えば試合中(セットプレイ以外)における選手キャラクタの移動および方向の変更、または、選手キャラクタによるパス、シュート、スライディング、キャッチ(選手キャラクタがゴールキーパーである場合)等のアクションである。ゲーム進行部111は、ステップS101において取得したパラメータに応じて、選手キャラクタの移動量および方向を変更し、選手キャラクタを移動させる処理、または、選手キャラクタのアクションを実行する処理を行う。
【0048】
ゲームステップ間の遷移は、所定の条件が満たされた場合に行われる。例えば、第1ゲームステップから第2ゲームステップへの遷移は、選手キャラクタがセットプレイを完了させるアクション(例えば、コーナーキックにおけるキック、スローインにおけるスローイン等)が完了した場合に行われる。第2ゲームステップから第1ゲームステップへの遷移は、例えば、試合中にボールがラインから外に出た場合等に行われる。
【0049】
ステップS104において、ゲーム進行部111は、ゲームの進行に応じたゲーム画像の描画処理を行う。描画処理は例えば、3Dモデル等のレンダリング処理である。例えば、ステップS102において、オブジェクトが移動された場合、ゲーム進行部111は、オブジェクトの移動後のゲーム画像をレンダリングした描画データを生成し、生成した描画データをタッチパネル13に供給する。タッチパネル13は、ゲーム進行部111が供給した描画データに応じたゲーム画像を表示する。
【0050】
ステップS106において、ゲーム進行部111は、単位時間(例えば、32ms)が経過したかを判定する。単位時間が経過していない場合(ステップS106;NO)、ゲーム進行部111は、単位時間が経過するまで待機する。一方、単位時間が経過した場合(ステップS107;YES)、ゲーム進行部111は、ステップS100の処理に戻る。
【0051】
また、ゲーム進行部111は、タッチパネル13に関する割り込み処理が発生した場合に、
図9または
図10の処理を実行する。
図8、
図9および
図10に示す処理はそれぞれ、例えばOSが提供するマルチスレッド機能により並行して実行される。
【0052】
(タッチの開始)
タッチの開始の割り込み処理が発生した場合、ゲーム進行部111は、タッチパネル13が検出したタッチ位置がどの領域であるかを判定する。
【0053】
第1ゲームステップにおいてタッチパネル13が検出したタッチ位置が領域A11であった場合、または、第2ゲームステップにおいてタッチパネル13が検出したタッチ位置が領域A21であった場合には、ゲーム進行部111は、後述する初期設定処理を行う。第1ゲームステップにおいてタッチパネル13が検出したタッチ位置が領域B11であった場合、または、第2ゲームステップにおいてタッチパネル13が検出したタッチ位置が領域B21であった場合には、ゲーム進行部111は、タッチ位置に基づいてアクションを行うか否かを判定して、アクションを行うか否かを示すパラメータを生成し、記憶部14に記憶させる。
【0054】
図9は、ゲーム進行部111が実行する初期設定処理の流れを例示するフローチャートである。ステップS200において、ゲーム進行部111は、進行中のゲームステップに対応する操作体系のための初期設定処理を行う。第2ゲームステップが進行している場合、ゲーム進行部111は、第2の操作体系のための初期設定処理を実行する。一方、第1ゲームステップが進行中である場合、ゲーム進行部111は、第1の操作体系のための初期設定処理を実行する。
【0055】
初期設定処理は例えば、ゲーム進行部111が用いる操作体系に必要な設定情報の変更処理、および初期位置のリセット処理を含む。設定情報は例えば、タッチ位置の座標のうち、どの軸の座標(x座標とy座標の両方、または、x座標、等)を用いるかを示す情報(以下、「軸情報」という)である。例えば、第1操作体系においては、ゲーム進行部111は、上述したように、タッチ位置のx座標を用いて選手キャラクタを動作させる。一方、第2操作体系においては、ゲーム進行部111は、タッチ位置のx座標およびy座標の両方を用いて、選手キャラクタを動作させる。
【0056】
初期位置のリセット処理は、初期設定処理を実行するタイミングにおけるタッチ位置を参照して初期位置を設定する処理である。すなわち、本実施形態において、初期設定処理は、タッチパネル13が検出したタッチ位置を参照して初期位置を設定する処理を含む。設定される初期位置は、例えば、ゲームステップが遷移する直前のタッチ位置、または、ゲームステップが遷移した直後のタッチ位置である。また、設定される初期位置はこれらに限定されるものではなく、例えばゲームステップが遷移する所定時間前のタッチ位置等、他のタッチ位置であってもよい。また、設定される初期位置は、タッチ位置に限られず、タッチ位置を参照して特定される位置であってもよい。
【0057】
すなわち、本ゲームでは、第2ゲームステップにおいて、タッチパネル13がタッチの開始を検出すると、ゲーム進行部111は、ゲームで用いる操作体系に必要な設定情報を更新するとともに、初期位置を新たに設定する処理を実行する。
【0058】
なお、初期設定処理は、初期位置に基づいてジョイスティックを模したバーチャルパッド等の画像をタッチパネル13に表示する処理を含んでいてもよい。また、ゲーム進行部111は、進行中のゲームステップの種別を示すフラグを、記憶部14に記憶してもよい。
【0059】
(タッチ位置の変化)
タッチ位置の変化の割り込み処理が発生した場合、ゲーム進行部111は、タッチパネル13が検出したタッチ位置がどの領域であるかを判定する。
【0060】
第1ゲームステップにおいてタッチパネル13が検出したタッチ位置が領域A11であった場合、または、第2ゲームステップにおいてタッチパネル13が検出したタッチ位置が領域A21であった場合には、ゲーム進行部111は、後述する移動関連処理を行う。第1ゲームステップにおいてタッチパネル13が検出したタッチ位置が領域B11であった場合、または、第2ゲームステップにおいてタッチパネル13が検出したタッチ位置が領域B21であった場合には、ゲーム進行部111は、タッチ位置に基づいてアクションを行うか否かを判定して、アクションを行うか否かを示すパラメータを生成し、記憶部14に記憶させる。
【0061】
図10は、ゲーム進行部111が実行する移動関連処理の流れを例示するフローチャートである。まず、ステップS300において、ゲーム進行部111は、タッチが開始されたときから、ゲームステップ間の遷移が生じたかを判定する。一態様において、ゲーム進行部111は、ステップS200において記憶部14に記憶させたゲームステップの種別を示すフラグと、進行中のゲームステップの種別とを比較することにより、ゲームステップ間の遷移が生じたかを判定してもよい。ゲームステップ間の遷移が生じていた場合(ステップS300;YES)、ゲーム進行部111はステップS302の処理に進む。一方、ゲームステップ間の遷移が生じていない場合(ステップS300;NO)、ゲーム進行部111は、ステップS302の処理をスキップし、ステップS304の処理に進む。
【0062】
ステップS302において、ゲーム進行部111は、初期設定処理を行う。この処理は、
図9のステップS200の処理と同様である。すなわち、第1ゲームステップから第2ゲームステップに遷移した場合、ゲーム進行部111は、第2の操作体系のための初期設定処理を実行する。また、第2ゲームステップから第1ゲームステップに遷移した場合、ゲーム進行部111は、第1の操作体系のための初期設定処理を実行する。
【0063】
すなわち、本実施形態において、ゲーム進行部111は、(i)第2ゲームステップにおいてタッチパネル13がタッチの開始を検出した場合(
図9)、および、(ii)第1ゲームステップにおいてタッチパネル13がタッチの開始を検出し、かつ、タッチパネル13がタッチの終了を検出する前に第2ゲームステップに遷移した場合(
図10のステップS300;YES)に、第2の操作体系のための初期設定処理を実行する。
図9のステップS200、および、
図10のステップS302は、本発明に係る初期設定ステップの一例である。
【0064】
また、本実施形態において、ゲーム進行部111は、第1ゲームステップにおいてタッチパネル13がタッチの開始を検出した場合(
図9)、および、第2ゲームステップにおいてタッチパネル13がタッチの開始を検出し、かつ、タッチパネル13がタッチの終了を検出する前に第1ゲームステップに遷移した場合(
図10のステップS300;YES)、第1の操作体系のための初期設定処理を実行してもよい。
【0065】
ステップS304において、ゲーム進行部111は、タッチパネル13が検出したタッチ位置を参照して、進行中のゲームステップに対応する操作体系に応じて、1または複数の選手キャラクタの動作を特定するためのパラメータを生成し、記憶部14に記憶させる。
【0066】
一態様において、第1ゲームステップが進行中である場合、ゲーム進行部111は、タッチパネル13が検出したタッチ位置の変化と選手キャラクタの位置または方向の変化との対応関係を予め規定したデータを参照して、1または複数の選手キャラクタの位置または方向の変化を示すパラメータを生成する。例えば、ゲーム進行部111は、(i)タッチ位置が右方向に変化した場合には、ボールの周りを反時計回りに回転させるように選手キャラクタの位置または方向を変化させるパラメータを生成し、(ii)タッチ位置が左方向に変化した場合には、選手キャラクタをボールの周りを時計回りに回転させるように選手キャラクタの位置または方向を変化させるパラメータを生成してもよく、その他の態様で選手キャラクタを移動させるパラメータを生成してもよい。
【0067】
また、一態様において第2ゲームステップが進行中である場合、ゲーム進行部111は、第2操作体系のための初期設定処理において設定した初期位置、および、タッチパネル13が検出したタッチ位置を参照して、1または複数の選手キャラクタの移動量を示すパラメータおよび選手キャラクタの方向を示すパラメータを生成する。例えば、ゲーム進行部111は、初期位置からタッチ位置に向かう方向をキャラクタの方向として示すパラメータ、および、初期位置からタッチ位置までの長さに応じたキャラクタの移動量を示すパラメータを生成してもよい。
【0068】
(ゲーム操作の流れの一例)
ここで、第1ゲームステップ、および、第2ゲームステップにおけるゲーム操作の流れの一例について、
図11~
図16を参照しつつ説明する。
【0069】
図11は、第1ゲームステップにおけるタッチ位置の具体例を示す図である。プレイヤがタッチパネル13上で矢印A111方向にスライド操作を行うと、ゲーム進行部111は例えば、タッチ位置のx軸方向成分に基づき、選手キャラクタのボールを蹴る方向を決定する。
【0070】
図12~
図16は、第2ゲームステップにおけるタッチ位置の具体例を示す図である。
図12は、第1ゲームステップにおいてプレイヤがタッチを開始し、タッチを終了する前に第1ゲームステップから第2ゲームステップに遷移した場合を例示している。
【0071】
タッチパネル13がタッチの終了を検出する前に、ゲームステップが第1ゲームステップから第2ゲームステップに遷移した場合、ゲーム進行部111は、初期位置を更新する処理を実行する。
図12の例では、第1ゲームステップから第2ゲームステップに遷移したときのタッチ位置に基づき、初期位置として位置p121が設定される。すなわち、本実施形態では、タッチパネル13に操作子が触れた状態のまま第2ゲームステップに遷移した場合、タッチパネル13から操作子を一旦離さなくても、初期位置のリセット処理が行われる。
【0072】
図12の例では、バーチャルパッドO121の初期位置が位置p121に設定される。
【0073】
その後、
図13に例示するように、プレイヤが、タッチパネル13に操作子が触れた状態のまま、タッチ位置を位置p121から位置p131に移動させると、ゲーム進行部111は、初期位置(位置p121)とタッチ位置(位置p131)との位置関係に基づき、選手キャラクタ(図示略)を動作させる。
【0074】
このように、ゲーム進行部111は、タッチが終了する前にゲームステップが遷移した場合、タッチ位置に基づいて初期位置を更新し、更新した初期位置を参照して選手キャラクタを動作させる。例えば、ゲーム進行部111は、タッチの終了が検出される前に第1ゲームステップから第2ゲームステップに遷移した場合、第2のゲームステップ(
図10のステップS304)では、ステップS302で設定した初期位置をさらに参照して1または複数のキャラクタを動作させる。
【0075】
その後、プレイヤがタッチパネル13から一旦操作子を離し(
図14)、再度タッチパネル13に再度タッチすると(
図15)、ゲーム進行部111は、タッチ位置に基づきバーチャルパッドO151の初期位置を位置p151に設定する。
【0076】
その後、
図16に例示するように、プレイヤが、タッチパネル13に操作子が触れた状態のまま、タッチ位置を位置p151から位置p161に移動させると、ゲーム進行部111は、初期位置(位置p151)とタッチ位置(位置p161)との位置関係に基づき、選手キャラクタ(図示略)を動作させる。
【0077】
ところで、従来の装置では、例えばタッチパネル13に操作子が触れた状態のまま、セットプレイの画面から試合画面に遷移した場合、遷移後のゲームステップの操作体系における設定情報等が切り替わらないことによって、選手キャラクタがプレイヤの意図する動作を行わない場合があった。プレイヤは、自身の意図する動作を選手キャラクタに行わせるために、ゲームステップが遷移したときに操作子を一旦タッチパネル13から離して再度タッチを開始するという煩雑な操作を行う必要があった。
【0078】
それに対し本実施形態では、第1ゲームステップにおいてタッチパネル13がタッチの開始を検出し、かつ、当該タッチの終了を検出する前に第2ゲームステップに遷移した場合、ゲーム進行部111が第2の操作体系のための初期設定処理を行う。これにより、タッチの終了が検出される前にゲームステップが遷移した場合であっても、タッチパネル13から操作子を離すことなく、選手キャラクタの動作の操作を継続することができる。
【0079】
〔変形例〕
上述の実施形態では、ゲーム進行部111が、第1ゲームステップおよび第2ゲームステップを含むゲームを進行させる場合を説明した。ゲーム進行部111が進行させるゲームは、3以上の複数の種類のゲームステップを含んでいてもよい。この場合、ゲーム毎に操作体系がそれぞれ異なっていてもよい。
【0080】
上述の実施形態では、タッチパネル13に関する割り込み処理の発生をトリガとして、ゲーム進行部111が
図9および
図10に示す処理を実行した。割り込み処理によりこれらの処理が実行されるのに代えて、ゲーム進行部111が、ポーリング処理を実行することによりタッチパネル13に対するタッチの状態を判定してもよい。
【0081】
図17は、ゲーム進行部111がポーリング処理によりタッチの状態を判定する場合の処理の流れを例示するフローチャートである。なお、一部のステップは並行して、または順序を替えて実行されてもよい。
【0082】
ステップS400において、ゲーム進行部111は、タッチパネル13がタッチの開始を検出したかを判定する。この判定は例えば、ゲーム進行部111が、予め定められた記憶領域に記憶された情報を参照することにより行われる。タッチの開始を検出した場合(ステップS400;YES)、ゲーム進行部111は、ステップS402の処理に進む。一方、タッチの開始を検出していない場合(ステップS400;NO)、ゲーム進行部111は、ステップS402をスキップし、ステップS404の処理に進む。
【0083】
ステップS402において、ゲーム進行部111は、タッチの開始を検出した場合の処理(タッチ開始処理)を実行する。タッチ開始処理は、
図9に示した処理である。
【0084】
ステップS404において、ゲーム進行部111は、タッチパネル13がタッチ位置を検出したかを判定する。この判定は例えば、ゲーム進行部111が、予め定められた記憶領域に記憶されたフラグを参照することにより行われる。タッチ位置を検出した場合(ステップS404;YES)、ゲーム進行部111は、ステップS406の処理に進む。一方、タッチ位置を検出していない場合(ステップS404;NO)、ゲーム進行部111は、ステップS406をスキップし、ステップS400の処理に戻る。
【0085】
ステップS406において、ゲーム進行部111は、タッチ位置を検出した場合の処理(タッチ位置処理)を実行する。タッチ位置処理は、
図10に示した処理である。
【0086】
<複数のコンピュータが協働する態様>
上述した実施形態において、ユーザ端末10のハードウェア構成は、
図2に例示したものに限られない。上述の実施形態に係るユーザ端末10が実装する機能は、上述の実施形態で示したように、1台の装置により実装されてもよく、また、複数のコンピュータが協働することにより実装されてもよい。
【0087】
上述した実施形態では、ユーザ端末10およびゲームサーバ30を含むゲームシステム1によってゲームを実現する例について説明したが、上述した実施形態におけるゲームは、ユーザ端末10によって実現されてもよい。
【0088】
〔まとめ〕
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0089】
本発明の一態様に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップ、または、前記第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップを実行させるとともに、(i)前記第2ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出した場合、および(ii)前記第1ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、前記タッチパネルが当該タッチの終了を検出する前に前記第2ゲームステップに遷移した場合に前記第2の操作体系のための初期設定処理を実行させる、プログラムである。
【0090】
上記構成によれば、第1ゲームステップにおいてタッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、当該タッチの終了を検出する前に第2ゲームステップに遷移した場合、コンピュータが第2の操作体系のための初期設定処理を行う。これにより、タッチパネルに操作子が触れた状態のまま第1のゲームステップから第2のゲームステップに遷移した場合であっても、第2のゲームステップにおいて第2の操作体系のための初期設定処理を実行させるために、一旦操作子をタッチパネルから離してから、操作子をタッチパネルに再度接触させることは必要ない。これにより、タッチパネルで操作する複数の操作体系を含むゲームにおいて、操作体系が切り替わった場合においても、タッチパネルから操作子を離すことなく、切り替え後の操作体系において、キャラクタの動作の操作を継続することができる。
【0091】
上述したプログラムにおいて、前記初期設定処理は、前記タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して初期位置を設定する処理を含み、前記第2ゲームステップでは、前記初期位置をさらに参照して前記1または複数のキャラクタを動作させてもよい。
【0092】
上記構成によれば、タッチパネルにおいてタッチの開始が検出され、タッチの終了が検出される前に第2ゲームステップに遷移した場合、遷移したタイミングにおけるタッチ位置に基づいて初期位置が設定され、初期位置とタッチ位置とに基づきキャラクタが動作する。これにより、タッチパネルで操作する複数の操作体系を含むゲームにおいて、操作体系が切り替わった場合においても、タッチパネルから操作子を離すことなく、切り替え後の操作体系において、キャラクタの動作の操作を継続することができる。
【0093】
上述したプログラムにおいて、前記第2ゲームステップでは、前記タッチパネルが検出したタッチ位置と前記初期位置との位置関係に基づいて前記1または複数のキャラクタを動作させてもよい。
【0094】
上記構成によれば、第2ゲームステップでは、初期設定処理において設定される初期位置とのタッチ位置との位置関係に基づきキャラクタが動作する。そのため、第2ゲームステップでは、キャラクタの動作を操作するために初期設定処理が必須となる。このような構成であっても、第1ゲームステップにおいてタッチの開始が検出され、当該タッチの終了が検出される前に第2ゲームステップに遷移した場合に、第2の操作体系のための初期設定処理を行うことにより、タッチパネルから操作子を離すことなく、切り替え後の操作体系において、キャラクタの動作の操作を継続することができる。
【0095】
上述したプログラムにおいて、前記第1の操作体系は、前記タッチパネルが検出したタッチ位置の第1軸方向成分に基づく前記1または複数のキャラクタの動作を定めたものであり、前記第2の操作体系は、前記タッチパネルが検出したタッチ位置の前記第1軸方向成分および第2軸方向成分に基づく前記1または複数のキャラクタの動作を定めたものであってもよい。
【0096】
上記構成によれば、第1ゲームステップでは、タッチ位置の第1軸方向成分に基づいてキャラクタが動作し、第2ゲームステップでは、タッチ位置の第1軸方向成分および第2軸方向成分に基づいてキャラクタが動作する。このような構成において、タッチが継続されたまま第2ゲームステップに遷移した場合に、第2の操作体系のための初期設定処理を行うことにより、第2のゲームステップにおいて、第2の操作体系とは全く異なる第1の操作体系が用いられることによるゲームの誤作動が防止される。
【0097】
上述したプログラムにおいて、前記第2の操作体系は、前記タッチパネルが検出したタッチ位置の変化に基づく前記1または複数のキャラクタの動作方向を定めたものであってもよい。
【0098】
上記構成によれば、第2ゲームステップでは、タッチ位置の変化に基づいてキャラクタの動作方向が定まる。このような構成において、タッチが継続されたまま第2ゲームステップに遷移した場合に、第2の操作体系のための初期設定処理を行うことにより、第2のゲームステップにおいて、第2の操作体系とは全く異なる第1の操作体系が用いられることによるゲームの誤作動が防止される。
【0099】
本発明の一態様に係る第1のゲームシステムは、タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップ、または、前記第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップを実行するゲーム実行部と、(i)前記第2ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出した場合、および(ii)前記第1ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、前記タッチパネルが当該タッチの終了を検出する前に前記第2ゲームステップに遷移した場合に前記第2の操作体系のための初期設定処理を実行させる初期設定実行部と、を備える。
【0100】
上記構成によれば、上述したプログラムと同様の作用効果を奏する。
【0101】
また、本発明の一態様に係る方法は、1または複数のコンピュータが実行する方法であって、タッチパネルが検出したタッチ位置を参照して、第1の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第1ゲームステップ、または、前記第1の操作体系とは異なる第2の操作体系に従って1または複数のキャラクタを動作させる第2ゲームステップを実行させる実行ステップと、(i)前記第2ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出した場合、および(ii)前記第1ゲームステップにおいて前記タッチパネルがタッチの開始を検出し、かつ、前記タッチパネルが当該タッチの終了を検出する前に前記第2ゲームステップに遷移した場合に前記第2の操作体系のための初期設定処理を実行させる初期設定ステップと、を含む。
【0102】
上記構成によれば、上述した第1のプログラムと同様の作用効果を奏する。
【0103】
〔ソフトウェアまたはハードウェアによる実現例〕
上述した実施形態では、ユーザ端末10の制御部110が、ソフトウェアにより実現される例について説明した。すなわち、本発明の目的を達成するためにコンピュータによって実行されるプログラムが、
図4に示したコンピュータの記憶部14に記憶され、プロセッサ11が当該プログラムを読み取って実行することにより、ユーザ端末10の制御部110が実現される。
【0104】
なお、この場合、上記プログラムを記憶する記憶部14としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。
【0105】
また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。また、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0106】
なお、ユーザ端末10の制御部110は、ソフトウェアによる実現に限らず、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
【0107】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1 ゲームシステム
10 ユーザ端末
11 プロセッサ
12 通信部
13 タッチパネル
14 記憶部
17 バス
30 ゲームサーバ
110 制御部
111 ゲーム進行部