(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】食品容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/20 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
B65D25/20 F
(21)【出願番号】P 2020168703
(22)【出願日】2020-10-05
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】592098193
【氏名又は名称】三宝化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】奥 圭司
(72)【発明者】
【氏名】米倉 良
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-335671(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0088505(KR,A)
【文献】独国実用新案第202013104506(DE,U1)
【文献】特開2004-331086(JP,A)
【文献】特開2017-171307(JP,A)
【文献】特開2014-045930(JP,A)
【文献】実開平02-120339(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0008299(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
A47G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂により一体成形され、食品を収容可能な収容体と、該収容体から切り離し可能に設けられ、前記収容体に収容された食品を取り出す食品取出部を長手方向一側に有する一方、飲食者が把持する把持部が長手方向中途部から他端に亘って設けられた飲食用具とを備えた可撓性を有する食品容器であって、
前記飲食用具の少なくとも把持部は、直線状に延びる折り曲げ可能な節部を有し、該節部を起点に折り畳んで当該節部を境に区画形成された一側の第1領域に他側の第2領域を重ね合わせ可能に構成され
、
前記第1領域には、凹部が設けられ、
前記第2領域には、前記節部を起点とした折り畳み動作により前記凹部に嵌合する凸部が設けられていることを特徴とする食品容器。
【請求項2】
請求項
1に記載の食品容器において、
前記節部、凹部及び凸部は、前記飲食用具の長手方向に沿って延びる形状をなしていることを特徴とする食品容器。
【請求項3】
合成樹脂により一体成形され、食品を収容可能な収容体と、該収容体から切り離し可能に設けられ、前記収容体に収容された食品を取り出す食品取出部を長手方向一側に有する一方、飲食者が把持する把持部が長手方向中途部から他端に亘って設けられた飲食用具とを備えた可撓性を有する食品容器であって、
前記飲食用具の少なくとも把持部は、直線状に延びる折り曲げ可能な節部を有し、該節部を起点に折り畳んで当該節部を境に区画形成された一側の第1領域に他側の第2領域を重ね合わせ可能に構成され、
前記食品取出部は、先端先細の形状をなしていることを特徴とする食品容器。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか1つに記載の食品容器において、
前記収容体及び飲食用具は、ポリプロピレンにより成形されていることを特徴とする食品容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を収容する合成樹脂製の食品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂製の食品容器に食品が入れられた状態の商品を販売することが一般的に行われ、これらの商品には、例えば、購入直後において飲食者が食品を即座に食せるように、スプーンやフォークといった飲食用具を付属させている場合がある。
【0003】
ところで、上述の如き商品は、飲食用具を付属させる分だけ商品単価が高くなってしまうおそれがある。
【0004】
これに対応するために、食品容器と飲食用具とを同時に製造して製造コストを下げることが考えられる。
【0005】
例えば、特許文献1の食品容器は、上方に開口する食品を収容可能な収容体と、該収容体の開口を覆う蓋体とを備え、収容体の底面部には、切り離し可能な飲食用具が一体的に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の如き飲食用具は、剛性が低い構造であると、飲食者が飲食時において食品を収容体から上手く取り出すことができない使い難いものになってしまうという問題がある。
【0008】
これに対応するために、食品容器の製造時において、当該食品容器全体の厚みを増やすことで飲食用具の領域の剛性を高めたり、或いは、飲食用具の領域だけ厚みを増やすことで飲食用具の剛性を高めることが考えられる。
【0009】
しかし、前者の場合、収容体と飲食用具との間の切り離し部分の厚みも増えてしまうので、収容体から飲食用具を切り離し難くなってしまうという問題がある。また、後者の場合、例えば射出成形により成形可能ではあるが、比較的製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、食品を収容する収容体からの飲食用具の切り離しが容易であり、しかも、飲食用具の使用感が良い低コストな食品容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明では、飲食用具を折り畳んで使用できるようにしたことを特徴とする。
【0012】
具体的には、合成樹脂により一体成形され、食品を収容可能な収容体と、該収容体から切り離し可能に設けられ、前記収容体に収容された食品を取り出す食品取出部を長手方向一側に有する一方、飲食者が把持する把持部が長手方向中途部から他端に亘って設けられた飲食用具とを備えた可撓性を有する食品容器を対象とし、次のような対策を講じた。
【0013】
すなわち、第1の発明では、前記飲食用具の少なくとも把持部は、直線状に延びる折り曲げ可能な節部を有し、該節部を起点に折り畳んで当該節部を境に区画形成された一側の第1領域に他側の第2領域を重ね合わせ可能に構成され、前記第1領域には、凹部が設けられ、前記第2領域には、前記節部を起点とした折り畳み動作により前記凹部に嵌合する凸部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
第2の発明では、第1の発明において、前記節部、凹部及び凸部は、前記飲食用具の長手方向に沿って延びる形状をなしていることを特徴とする。
【0015】
第3の発明では、合成樹脂により一体成形され、食品を収容可能な収容体と、該収容体から切り離し可能に設けられ、前記収容体に収容された食品を取り出す食品取出部を長手方向一側に有する一方、飲食者が把持する把持部が長手方向中途部から他端に亘って設けられた飲食用具とを備えた可撓性を有する食品容器であって、前記飲食用具の少なくとも把持部は、直線状に延びる折り曲げ可能な節部を有し、該節部を起点に折り畳んで当該節部を境に区画形成された一側の第1領域に他側の第2領域を重ね合わせ可能に構成され、前記食品取出部は、先端先細の形状をなしていることを特徴とする。
【0016】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、前記収容体及び飲食用具は、ポリプロピレンにより成形されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明では、収容体から切り離した飲食用具を節部を起点に折り畳むと、飲食用具の厚みが増して剛性が高くなる。したがって、飲食者が飲食用具における把持部を把持して食品を収容体から食品取出部で取り出し易くなり、飲食用具の使用感を良くすることができる。また、飲食用具の使用感を向上させるにあたり、食品容器の成形時において食品容器全体の厚みを増やす必要がないので、収容体と飲食用具との間の切り離し部分の厚みが増えて収容体から飲食用具を切り離すのが難しくなるのを防ぐことができる。さらに、飲食用具の剛性を高めるために食品容器の成形時において飲食用具の領域だけ厚みを増す必要も無いので、例えば比較的製造コストの嵩む射出成形の如き成形法を用いて食品容器を成形する必要がなく、製造コストを抑えた食品容器にすることができる。
【0018】
また、第1の発明では、第1領域の凹部と第2領域の凸部とが互いに嵌り合うと、飲食用具が折り畳まれた形状で維持されるようになる。したがって、飲食者が飲食用具を使用する際において不意に第1領域と第2領域とが離間して飲食用具の剛性が低下してしまうといったことを回避することができ、常に使用感の良い飲食用具にすることができる。また、節部を起点に飲食用具を折り曲げる動作時において凹部と凸部とが嵌合するので、飲食者が飲食前に行う作業が簡単になり、飲食者が食品を食すまでにかかる時間を極力減らすことができる。
【0019】
第2の発明では、折り畳まれた状態の飲食用具の形状が細長くなるので、使用者が操作し易い飲食用具にすることができる。また、凹部と凸部との嵌合する領域が飲食用具の長手方向に長くなるので、全体の剛性がさらに高められた使用感の良い飲食用具にすることができる。
【0020】
第3の発明では、飲食者は、収容体に入った食品に食品取出部を刺して食すことができるようになり、突き刺し可能な食品を食す際に使い勝手の良い飲食用具にすることができる。
【0021】
第4の発明では、ポリスチレンにより成形される場合に比べて、収容体から飲食用具を切り離す際に要する力が小さくて済むので、飲食者は飲食用具の収容体からの切り離し作業を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る食品容器の斜視図である。
【
図2】
図1のA-A線断面で示す食品容器の要部説明図である。
【
図3】
図1の収容体から飲食用具を切り離した状態を示す図である。
【
図4】
図3のC-C線断面で示す飲食用具の折り畳み説明図である。
【
図5】
図3の飲食用具の折り畳み後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る食品容器1を示す。該食品容器1は、ポリプロピレンからなる樹脂シートを用いて真空成形により一体成形して得られたものであり、食品S1を流通させる際に当該食品S1を収容するためのものである。
【0025】
食品容器1は、板厚が略一定で、且つ、その全体が可撓性を有しており、食品S1を収容可能な収容体2と、該収容体2から切り離し可能に設けられた飲食用具3とを備えている。
【0026】
収容体2は、
図1及び
図2に示すように、外周縁部がそれぞれ直線状をなす4辺からなる平面視で略矩形状をなしており、上方に開口部22を有する底の浅い略碗形状をなす収容部21と、上記開口部22の開口周縁から外側方に広がる鍔状部23とを備えている。
【0027】
該鍔状部23の四隅には、平面視で略三角形状か、或いは、略三日月形状をなす密着防止部25が形成されている。
【0028】
該密着防止部25は、上面側において上方に開口する凹状部分が形成されるとともに当該凹状部分に対応する凸状部分が下面側において形成された形状をなしていて、例えば、保管や輸送時において複数の食品容器1を重ねた際、当該各食品容器1が互いに密着した状態になって離間し難くなってしまうのを防ぐようになっている。
【0029】
鍔状部23の外周縁部には、当該鍔状部23の外周縁部に沿って延びる環状壁部24が設けられ、該環状壁部24は、鍔状部23の外周縁部から下方に突出するとともに突出端から外側方に延出する断面L字状をなしている。
【0030】
飲食用具3は、
図1に示すように、環状壁部24における鍔状部23とは反対側に連続して設けられ、環状壁部24の外周縁部の一辺に沿って延びる略帯板状をなしている。
【0031】
飲食用具3と環状壁部24との連続部分には、ミシン目状の切れ込みからなる脆弱部4が直線状に形成されていて、飲食者は、飲食用具3を把持するとともに収容体2から引き離すことにより、脆弱部4を破断させて飲食用具3を収容体2から切り離すことができるようになっている。
【0032】
飲食用具3の長手方向一端側には、一端に行くにつれて幅寸法が次第に狭くなる平面視で山形状をなす先端先細の食品取出部34が設けられる一方、長手方向中途部から他端に亘る領域は、飲食者が把持可能な把持部35になっている。
【0033】
飲食用具3の幅方向中央部には、当該飲食用具3の長手方向全域に亘って直線状に延びる節部31が設けられている。
【0034】
飲食用具3は、節部31を中心として互いに対称な外形をなしていて、節部31を境に飲食用具3の幅方向一側(収容体2に近い側)と他側(収容体2から遠い側)とが第1領域32と第2領域33とに区画形成されている。
【0035】
第1領域32の食品取出部34に対応する領域には、平面視で略二等辺三角形状をなす第1先細領域32aが形成される一方、第2領域33の食品取出部34に対応する領域には、平面視で略二等辺三角形状をなす第2先細領域33aが形成されている。
【0036】
節部31は、
図2に示すように、飲食用具3の幅方向に交互に屈曲しながら延びる上方に開放する断面略W字状をなしており、飲食用具3の長手方向に沿って延びる5か所の屈曲線31a~31eが収容体2側から順に形成されていて、板厚方向に折り曲げ可能になっている。
【0037】
また、節部31の長手方向両側部分には、端部に行くにつれて次第に断面形状が小さくなる縮幅部31f,31gが形成されている。
【0038】
第1領域32の把持部35に対応する領域には、上方に開口する断面U字状をなす第1凹部36aが上面側に形成されるとともに当該第1凹部36aに対応する下方に突出する第1凸部36bが下面側に形成されている。
【0039】
第1凹部36a及び第1凸部36bは、飲食用具3の長手方向に沿って直線状に延びる形状をなしていて、第1凹部36aの幅寸法は、深さ方向において一定になっている。
【0040】
一方、第2領域33の把持部35に対応する領域には、下方に開口する断面U字状をなす第2凹部37aが下面側に形成されるとともに当該第2凹部37aに対応する上方に突出する第2凸部37bが上面側に形成され、第2凹部37a及び第2凸部37bは、飲食用具3の長手方向に沿って直線状に延びる形状をなしている。
【0041】
第2凸部37bの幅寸法は、突出端に向かうにつれて漸次拡大しており、突出端の幅寸法は、第1凹部36aの幅寸法よりも若干大きく設定されている。また、第2凸部37bの突出方向の寸法は、第1凹部36aの深さ寸法よりも若干小さくされている。
【0042】
そして、飲食用具3は、
図4に示すように、節部31を起点に折り畳んで第1領域32に第2領域33を重ね合わせることができるようになっている。
【0043】
また、飲食用具3は、節部31を起点に折り畳むと、
図5及び
図6にも示すように、第2凸部37bが第1凹部36aに嵌合するようになっている。
【0044】
すなわち、第2凸部37bは、節部31を起点とした飲食用具3の折り畳み動作によって第1凹部36aに嵌合するよう構成されていて、飲食者は、第1凹部36aに第2凸部37bを嵌合させることにより組み立てた飲食用具3の把持部35を把持するとともに、収容体2に収容された食品S1に食品取出部34を突き刺して収容体2から食品S1を取り出すことができるようになっている。
【0045】
次に、食品容器1の収容体2に収容された食品S1を飲食者が飲食する際について詳述する。
【0046】
まず初めに、飲食者は、食品S1の入った食品容器1を手に取り、
図3に示すように、収容体2と飲食用具3とをそれぞれ把持して飲食用具3に対して収容体2から引き離す方向に力を加えたり、或いは、収容体2と飲食用具3とを相対的に捻るなどして脆弱部4を破断させて飲食用具3を収容体2から切り離す。
【0047】
次に、飲食者は、
図4に示すように、飲食用具3の第1領域32と第2領域33とをそれぞれ把持するとともに、節部31を起点に飲食用具3を折り畳んで第2領域33を第1領域32に重ね合わせる。その際、飲食者は、第2領域33の第2凸部37bを適度な力で第1領域32の第1凹部36aに押し込んで当該第1凹部36aに第2凸部37bを嵌合させる。すると、
図5及び
図6に示すように、飲食用具3が長細いフォークや串のような形状になるとともに、把持部35の厚みが2倍になり、さらには、第1凹部36a及び第2凸部37bにより断面ハット形状になってその形態が維持される。また、縮幅部31f,31gがそれぞれ折り返されて先端先細の略テーパ形状になる。
【0048】
このように、本発明の実施形態に係る食品容器1は、収容体2から切り離した飲食用具3を節部31を起点に折り畳むと、飲食用具3の厚みが増して剛性が高くなる。したがって、飲食者が飲食用具3における把持部35を把持して食品S1を収容体2から食品取出部34で取り出し易くなり、飲食用具3の使用感を良くすることができる。
【0049】
また、飲食用具3の使用感を向上させるにあたり、食品容器1の成形時において食品容器1全体の厚みを増やす必要がないので、収容体2と飲食用具3との間の切り離し部分の厚みが増えて収容体2から飲食用具3を切り離すのが難しくなるのを防ぐことができる。さらに、飲食用具3の剛性を高めるために食品容器1の成形時において飲食用具3の領域だけ厚みを増す必要も無いので、例えば比較的製造コストの嵩む射出成形の如き成形法を用いて食品容器1を成形する必要がなく、製造コストを抑えた食品容器1にすることができる。
【0050】
また、飲食用具3における第1領域32の第1凹部36aと第2領域33の第2凸部37bとが互いに嵌り合うと、飲食用具3が折り畳まれた形状で維持されるようになる。したがって、飲食者が飲食用具3を使用する際において不意に第1領域32と第2領域33とが離間して飲食用具3の剛性が低下してしまうといったことを回避することができ、常に使用感の良い状態を維持できる。
【0051】
また、第1凹部36aの幅寸法よりも第2凸部37bの突出端の幅寸法の方が若干大きく設定されているため、第1凹部36aと第2凸部37bとの間に大きな摩擦力が発生するようになり、第1凹部36aと第2凸部37bとの嵌合状態を強固に維持しておくことができる。
【0052】
また、節部31を起点に飲食用具3を折り曲げる動作時において第1凹部36aと第2凸部37bとが嵌合するので、飲食者が飲食前に行う作業が簡単になり、飲食者が食品S1を食すまでにかかる時間を極力減らすことができる。
【0053】
また、飲食用具3に設けられた節部31が飲食用具3の長手方向に沿って延びているので、折り畳まれた状態の当該飲食用具3の幅が折り畳まれる前の半分の細長い形状となり、使用者が収容体2に入った食品S1を取り出す操作の行い易い飲食用具3にすることができる。さらに、第1凹部36a及び第2凸部37bが互いに嵌合する断面略ハット形状をなす断面係数の大きい領域が飲食用具3の長手方向に沿って長く設定されているので、第1凹部36a及び第2凸部37bが所謂リブのような役割も果たして飲食用具3全体の剛性をさらに高めて使用感を良くすることができる。
【0054】
また、飲食用具3における食品取出部34が先端先細の形状をなしているので、飲食者は収容体2に入った食品S1に食品取出部34を刺して食すことができ、突き刺し可能な食品S1を食す際の使い勝手が良い。
【0055】
また、飲食用具3における節部31には、複数の屈曲線31a~31eが設けられているので、飲食用具3を折り畳んだ際の曲げ応力が各屈曲線31a~31eの各部位に分散するようになり、飲食用具3の節部31において破断を生じさせないようにすることができる。
【0056】
また、本発明の実施形態に係る食品容器1は、ポリプロピレンからなるので、ポリスチレンにより成形される場合に比べて収容体2から飲食用具3を切り離す際に要する力が小さくて済むようになり、飲食者は飲食用具3の収容体2からの切り離し作業を簡単に行うことができる。
【0057】
また、収容体2における外周縁部には、飲食用具3に脆弱部4を介して繋がる環状壁部24が切れ目無く連続して設けられた断面係数の大きい断面略L字状をなしているので、環状壁部24には一定の剛性が備わっており、収容体2から飲食用具3を引き離す際に環状壁部24によって収容体2が変形し難くなる。したがって、脆弱部4に応力が集中しやすくなり、飲食者は収容体2からの飲食用具3の切り離し作業を簡単に行うことができる。
【0058】
尚、本実施形態では、第1凹部36aと第2凸部37bとの嵌合によって飲食用具3の折り畳み形状を維持するようにしているが、折り畳み形状を維持するために、例えば、係合爪を係合穴に係合させる構造にしたり、或いは、その他の構造を適用して折り畳み状態を維持するようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、第1凹部36a及び第2凸部37bは飲食用具3の長手方向に沿って延びる構成としているが、例えば、第1凹部36a及び第2凸部37bを長手方向に沿って所定の間隔をあけて設けたり、第1凹部36a及び第2凸部37bを1つの狭小な範囲に限定して設けるようにしてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、節部31は5本の屈曲線31a~31eを有しているが、節部31の屈曲線は、4本以下は6本以上であってもよい。
【0061】
また、本実施形態では、節部31が飲食用具3の長手方向に沿って延びているが、幅方向に延びる構成であってもよい。
【0062】
また、本実施形態では、節部31を飲食用具3の長手方向の全域に亘って設けているが、例えば、節部31を把持部35の領域にのみ設けて、食品取出部34を折り畳まない構造、すなわち、スプーンの様な形状となるようにしてもよい。
【0063】
さらに、食品取出部34は、飲食用具3の長手方向の両側に設けるようにしてもよく、具体的な形状については、用途に応じて適宜変更しうる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、食品を収容する合成樹脂製の食品容器であれば適用できる。
【符号の説明】
【0065】
1 食品容器
2 収容体
3 飲食用具
31 節部
32 第1領域
33 第2領域
34 食品取出部
35 把持部
36a 第1凹部
37b 第2凸部