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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】熱風乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/20 20060101AFI20240603BHJP
   F26B 3/04 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
F26B17/20 B
F26B3/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020523576
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 JP2019018559
(87)【国際公開番号】W WO2019235126
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】P 2018109924
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594148520
【氏名又は名称】株式会社新日南
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100075292
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】竹本 裕介
(72)【発明者】
【氏名】加島 洋一
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-000585(JP,U)
【文献】特開2009-276009(JP,A)
【文献】中国実用新案第205718370(CN,U)
【文献】特開2010-284632(JP,A)
【文献】実開昭56-173414(JP,U)
【文献】特開2015-114046(JP,A)
【文献】特開2007-255807(JP,A)
【文献】特開昭58-168880(JP,A)
【文献】特開昭58-002578(JP,A)
【文献】特開昭48-092944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 17/20
F26B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を含んだ細かい物質である被乾燥物を撹拌、搬送しながら被乾燥物に熱風を吹きかけて被乾燥物を乾燥する熱風乾燥装置であって、
撹拌部材を複数螺旋状に立設した回転軸と、
前記回転軸を収納した筐体と、
前記筐体の両側下方部に接続され、筐体下方部に熱風を水平方向あるいは斜め上方に吹き込む給気部と、を備え、
前記給気部から筐体下方部に吹き込まれた熱風を被乾燥物間に通気させて通気流として上昇させ、該通気流となった熱風により被乾燥物を乾燥させ
前記筐体の内側方向に向かって張り出すように、前記筺体の内側左右面に設けられた斜壁であって、通気流となって前記筐体の側部を上昇する熱風を、被乾燥物に向けて内側に押しやる斜壁を設けたことを特徴とする熱風乾燥装置。
【請求項2】
前記給気部は、給気ダクトと、給気ダクトにそれぞれ接続され回転軸の延びる方向に複数配置された給気管とから構成され、該給気管がそれぞれ筐体下方に接続されて熱風が筐体内に供給されることを特徴とする請求項1に記載の熱風乾燥装置。
【請求項3】
前記熱風は、筐体上方部に設けられた排気口より排出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱風乾燥装置。
【請求項4】
前記回転軸を第1の回転軸として、第1の回転軸の撹拌部材と逆螺旋状に撹拌部材を複数立設した第2の回転軸を第1の回転軸と平行に設け、第1と第2の回転軸を不等速に回転させ、第1と第2の回転軸の撹拌部材を、第1と第2の回転軸の回転数比と同比の角度ピッチで配列することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の熱風乾燥装置。
【請求項5】
前記撹拌部材が被乾燥物を一方向に送るように回転軸の軸心に対して傾斜したパドル面を有する送りパドルとして構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱風乾燥装置。
【請求項6】
前記送りパドルとして構成された撹拌部材の他に、被乾燥物を逆方向に戻す戻しパドルとして構成された撹拌部材が回転軸に立設されることを特徴とする請求項5に記載の熱風乾燥装置。
【請求項7】
送りパドルとして構成された撹拌部材と戻しパドルとして構成された撹拌部材が交互に回転軸に立設されることを特徴とする請求項6に記載の熱風乾燥装置。
【請求項8】
被乾燥物の滞留時間を長くし、被乾燥物に含まれる水分を減少させるためのせき止め板を筐体内部に設けたことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の熱風乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被乾燥物を撹拌、搬送しながら被乾燥物に熱風を吹きかけて被乾燥物を乾燥する熱風乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水分を含んだ細かい物質、例えば鉄鋼湿ダスト、焼却湿灰、石炭粉、食品・飼料粕、その他汚泥・粉体などを、工場の排熱を利用して撹拌しながら乾燥して粒状化することが行われている。
【0003】
例えば、複数の撹拌部材が互いに逆螺旋状に並ぶように立設された2つの回転軸を不等速回転させることにより、汚泥物を混練しながら一方向に搬送し、その過程で上部から熱風を吹きかけて被乾燥物を乾燥する熱風乾燥装置が知られている(下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-276009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような乾燥装置では、熱風を上部に設けた給気ダクトから被乾燥物に吹きかけているので、熱風は被乾燥物の表面を通過する平行流に近い流れとなり、熱風が下方にある被乾燥物間に充分行きわたらず、乾燥効率が悪い、という問題があった。
【0006】
また、熱風を上部から吹き付ける乾燥装置では、熱風を排気するために、上部に排気ダクトを設けているので、給気ダクトと排気ダクトを上部に分離して配置する必要があり、構造が複雑になる、という問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するもので、装置を小型化でき、かつ乾燥効率を向上させることが可能な熱風乾燥装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
被乾燥物を撹拌、搬送しながら被乾燥物に熱風を吹きかけて被乾燥物を乾燥する熱風乾燥装置であって、
撹拌部材を複数螺旋状に立設した回転軸と、
前記回転軸を収納した筐体と、
前記筐体の両側下方部に接続され、筐体下方部に熱風を水平方向あるいは斜め上方に吹き込む給気部と、を備え、
前記給気部から筐体下方部に吹き込まれた熱風を被乾燥物間に通気させて通気流として上昇させ、該通気流となった熱風により被乾燥物を乾燥させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、水平方向あるいは斜め上方から筐体下方部に吹き込まれた熱風を被乾燥物間に通気させて通気流として上昇させ、該通気流となった熱風により被乾燥物を乾燥させているので、熱風が被乾燥物間に充分に行きわたり、乾燥効率を高めることができる。
【0010】
また、熱風は筐体下方部から供給され、筐体上方部から排気されるので、熱風の給気部と排気部の分離が容易になり、全体の構造を簡単なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】筐体の上側の大部分を取り払った状態での熱風乾燥装置を示す上面図である。
図2】筐体内の一方の回転軸を側方から見たときの状態を示した熱風乾燥装置の側面図である。
図3図1のA-A’線に沿った断面図である。
図4】熱風が通気流となって被乾燥物を乾燥させる乾燥過程を示した説明図である。
図5】熱風を斜め上方から筐体下方部に吹き込む実施例を示した図3に対応する断面図である。
図6】回転軸を1軸とした実施例を示す図1に対応する上面図である。
図7】回転軸を1軸とした実施例を示す図2に対応する側面図である。
図8】回転軸を1軸とした実施例を示す図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の熱風乾燥装置を詳細に説明する。本発明では、水分を含んだ細かい物質、例えば鉄鋼湿ダスト、焼却湿灰、石炭粉、食品・飼料粕、その他汚泥・粉体などを被乾燥物として熱風を利用して乾燥する例を説明するが、被乾燥物はこれら例示した物質に限定されるものでなく、他の被乾燥物にも適用されるものである。
【実施例1】
【0013】
図1図3において、符号1は熱風乾燥装置(以下、乾燥装置という)の筐体であり、フレーム2上に水平に設けられる。筐体1は、ステンレススチールなどの金属製であり、ここでは細長い直方体形状に形成される。筐体1内には、その長手方向に沿って同径の2本の回転軸3、4が互いに平行に架設されている。回転軸3、4はステンレススチールなどの金属製であり、断面が円形となっている。
【0014】
図2に示す右端部の上側には、不図示のホッパーから、鉄鋼湿ダスト、焼却湿灰、石炭粉、食品・飼料粕、その他汚泥・粉体などの水分を含んだ被乾燥物を筐体1内に投入するための投入口1aが設けられる。また左端部の下側には、乾燥物を筐体1から不図示のコンベア上へ排出するための排出口1bが設けられる。
【0015】
回転軸3、4の右端部は、それぞれ筐体1から外部に突出して軸受部5、6に回転可能に軸受される。また、回転軸3、4の左端部は筐体1の外部に取り付けられた軸受部7、8に回転可能に軸受される。
【0016】
回転軸3、4の右端部はギアボックス12に挿通されており、ギアボックス12内の回転軸3、4には、互いに噛合するギア13、14が固定される。
【0017】
回転軸3の軸受部5の外側には、スプロケット15が固定される。また、フレーム10上にはモーター18が取り付けられており、その出力軸にはスプロケット17が固定される。スプロケット15とスプロケット17間には、チェーン16が張り渡される。
【0018】
モーター18の一方向への回転駆動力がスプロケット17、チェーン16及びスプロケット15を介して回転軸3に伝達されて回転軸3が一方向に回転し、さらにその回転駆動力がギア13、14を介して回転軸4に伝達されて回転軸4が逆方向に回転する。回転軸3、4は、ギア13、14を介して、Nを2以上の整数としてN:N-1の回転数比で不等速で回転される。例えば、Nは2~6に設定され、本実施例では、Nは5に設定されて、回転軸3、4は5:4の回転数比で回転される。なお、回転軸3、4の回転方向は、図1図3に示すように、上方から見て互いに内側へ向かって回転する方向となっている。
【0019】
回転軸3の外周には、撹拌部材としてのパドル3a、3bが、また回転軸4の外周には同様に撹拌部材としてのパドル4a、4bが、相手側の回転軸のパドルと対向するように、それぞれ軸方向に等距離隔てて回転軸に対して所定角度傾斜して複数取り付けられる。この場合、図1で右から奇数番目のパドル3a、4aは、回転軸3、4が回転した場合、そのパドル面が被乾燥物を排出口1bに向けて送る送りパドルとなっているのに対して、偶数番目のパドル3b、4bはパドル面が被乾燥物を投入口1aに向けて戻す戻しパドルとなっている。
【0020】
送りパドル3a、4a、戻しパドル3b、4bは、回転軸3と4の回転数比(5:4)と同比の角度ピッチ(90°:72°)で、また回転軸3と4の回転数比(5:4)と逆比(1.25:1)の螺旋ピッチで互いに逆螺旋状に回転軸3と4に配列される。
【0021】
回転軸3が矢印で示した方向に内側に向けて回転すると、回転軸4は逆方向に回転する。送りパドル3a、4aは、被乾燥物を排出口1bに向けて送り、戻しパドル3b、4bは被乾燥物を投入口1aに向けて戻し、送りパドルと戻しパドルは軸方向に交互に配置されるので、パドルによる搬送力は相殺されるが、回転軸3のパドル3a、3bと回転軸4のパドル4a、4bは互いに逆螺旋状に配列されるので、スクリュー効果により、投入口1aから投入された被乾燥物は矢印で示したように図1でみて左方向に排出口1bに向けて搬送される。
【0022】
本実施例では、被乾燥物の搬送中に、被乾燥物を乾燥させるために、図3に図示したように、筐体1の下方部でその左右に熱風を筐体1内に給気するための給気部20、21が設けられる。給気部20、21は、給気ダクト20a、21aと、給気ダクト20a、21aの下方部にそれぞれ接続され回転軸3、4の延びる方向に複数配置された給気管20b、21bとから構成される。給気ダクト20a、21aは、一方端部が開放し、他方端部が閉塞した円筒形状をしており、回転軸3、4の延びる方向にほぼ筐体1の全域に渡って回転軸3、4に平行に延びている。
【0023】
一方、給気管20b、21bは、ほぼ回転軸3、4に直交する方向に水平に横方向に延びており、回転軸3、4の延びる方向に、等間隔に複数(図示例では8個)設けられる。給気管20b、21bの他端20c、21cは、それぞれ筐体1の下方部に接続される。
【0024】
工場からの排熱が熱風となって給気ダクト20a、21aの開放端から供給され、供給された熱風は、給気ダクト20a、21aから横方向に分岐して給気管20b、21bに流れ、その他端20c、21cを介して筐体1の下方部に吹き込まれる。筐体1内に供給された熱風は、後述するように、対流伝熱の熱風になり、撹拌される被乾燥物間に流通して通気流となって上昇し、被乾燥物を乾燥させる。また、熱風は排熱となって筐体1の上部に設けられた排気口23から排気される。
【0025】
なお、乾燥装置には、図3に図示したように、筺体1の内側左右面に、上辺が下方に傾斜し、下辺が上方に傾斜し、残りの辺が垂直な三角形の断面形状を有する斜壁24、25が設けられ、被乾燥物が筺体1の内側面の上方に付着して残留するのを防止している。斜壁24、25は、被乾燥物間を流通して通気流となって筐体側部を上昇する熱風を、被乾燥物に向けて内側に押しやる機能も有している。
【0026】
また、本実施例では、被乾燥物の滞留時間を長くし、被乾燥物に含まれる水分を減少するために、せき止め板26を排出口1bの近傍に設けている。なお、せき止め板26は、排出口1bの近傍ではなく、筐体1の内部、例えば、筐体1内の中間部に設けるようにしてもよい。
【0027】
次に、このように構成された乾燥装置の動作について説明する。
【0028】
モーター18を駆動すると、回転軸3、4は、上述したように、N:N-1(本実施例では、5:4)の回転数比で互いに内側に不等速で逆回転する。
【0029】
この状態で、投入口1aから被乾燥物が投入される。投入された被乾燥物は、回転軸3、4の回転に伴って回転する送りパドル3a、4aにより撹拌され、排出口1bに向けて搬送され、また戻しパドル3b、4bにより撹拌されて逆方向に戻されるので、搬送力は相殺されるが、各パドルは全体として互いに逆螺旋状に送り螺旋で配列されるので、そのスクリュー効果により、被乾燥物は低速度で排出口1bに向けて搬送される。このとき、各パドルは対向する回転軸に近接し、そこに付着した被乾燥物を掻き落とすので、セルフクリーニング効果が得られる。また、被乾燥物は、搬送される過程でパドルにより解砕されて粒状化される。
【0030】
本実施例では、被乾燥物を投入する前、あるいは投入直後に、工場の排熱などの熱風が給気部20、21から供給される。熱風は、例えばその温度が90℃~150℃程度とされる。
【0031】
熱風は、給気ダクト20a、21aから分岐して給気管20b、21bを横方向に水平に流れ、給気管の他端20c、21cから筐体1の下方部に横方向から吹き込まれる。筐体1の下方部に吹き込まれた熱風は、図4に矢印で示したように、筐体1の下方部から被乾燥物間に通気流となって流れ上昇する。この過程で被乾燥物は通気流と接触し乾燥される。
【0032】
図4には、被乾燥物30の乾燥過程が模式的に図示されている。被乾燥物30は、右上に示したように、筐体1の左右側とその上部にある被乾燥物30a~30dの温度が上昇し始め、つづいて左下に図示したように、被乾燥物30全体がほぼ同じ温度となり、最終的に右下に示したように、供給された熱風と近い温度になって、被乾燥物30から水分がなくなり乾燥される。この乾燥過程で、筐体1の上部に上昇した熱風は排気口23より排出される。なお。図4では、網点の密度が多くなるほど、温度が高くなっていることを示している。
【0033】
給気管20b、21bは、筐体1の下方部にパドルが設けられている筐体全域に渡って複数設けられており、また送りパドル3a、4aと戻しパドル3b、4bが交互に設けられていることから、被乾燥物は送りと戻しを交互に繰り返して搬送されるので、図4に示したような乾燥は、パドルの設けられている各箇所で行われ、筐体1の内部全体で乾燥が効率的に行われることが分かる。
【0034】
また、筐体1の下方部から横方向に吹き込まれた熱風は、撹拌される被乾燥物間を上方に向かって通気流として流れるので、被乾燥物の全体が熱風に直接接触するようになり、乾燥効率を高めることができる。また、被乾燥物は、戻しパドル3b、4bにより投入口1aの方向に戻されるので、筐体内に留まる時間が長くなり、被乾燥物を充分に乾燥することができる。
【0035】
また、筺体1の内側左右面には、斜壁24、25が設けられており、この斜壁により、被乾燥物間を流通して通気流となって上昇する熱風は、斜め上方に傾斜する部分で内側に押しやられ、被乾燥物を再び乾燥させるので、乾燥効率を向上させることができる。
【0036】
なお、上述した実施例では、熱風を横方向から水平に筐体下方部に吹き込んでいるが、図5に図示したように、斜め上方に吹き込むようにしてもよい。図5に示した実施例では、給気管20b、21bの他端20c、21cの位置は同じであるが、給気ダクト20a、21aの位置は、図3に示した位置から下方に配置されるので、給気管20b、21bは斜め上方に傾斜するようになる。この実施例でも、熱風は斜め上方に筐体1の下方部に吹き込まれ、撹拌される被乾燥物間を上方に向かって通気流として流れるので、図3の実施例と同様に、乾燥効率を高めることができる。
【実施例2】
【0037】
実施例1では、筐体1内に不等速に回転する2つの回転軸を配置して被乾燥物を撹拌、搬送しながら乾燥するようにしたが、図6図8に示すように、一つの回転軸で被乾燥物を撹拌、搬送しながら乾燥するようにしてもよい。
【0038】
図6図8に示す実施例は、図1図3の実施例と比較して、回転軸4並びにそこに立設された撹拌部材などを取り除き、回転軸を1軸にしたところが相違するところで、図6図8と同様な部分には、同一の符号が付されており、その詳細な説明は省略する。
【0039】
実施例2において、モーター18を駆動すると、回転軸3が回転して、投入口1aから投入された被乾燥物は、回転軸3の回転に伴って送りパドル3aと戻しパドル3bにより撹拌されて、排出口1bに向けて搬送される。この過程で、給気ダクト20a、21aから給気管20b、21bに供給された熱風は、横方向に水平に流れ、給気管の他端20c、21cから筐体1の下方部に横方向に吹き込まれる。筐体1の下方部に吹き込まれた熱風は、筐体1の下方部から被乾燥物間に通気流となって流れ上昇し、被乾燥物は通気流と接触して乾燥される。
【0040】
実施例2においても、筐体1の下方部から横方向に吹き込まれた熱風は被乾燥物間を上方に向かって通気流として流れるので、乾燥効率を高めることができる。なお、実施例2においても、図5に図示したように、給気管20b、21bを斜め上方に傾斜するように配置して熱風を筐体1の下方部から斜め上方に吹き込むようにしてもよい。
【0041】
なお、実施例1、2において回転軸に配置されたパドルは、送りパドルと戻しパドルが交互に配列されているが、送りパドルの数を増やして、送りパドル、送りパドル、戻しパドルの順で繰り返して配列し送り方向の搬送力を高めるようにしてもよい。また、回転軸3、4の全てのパドルを送りパドルとすることもできる。また、実施例1、2において撹拌部材は、パドルであったが、それに代えてロッドで構成される撹拌部材を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 筐体
1a 投入口
1b 排出口
3、4 回転軸
3a、4a 送りパドル
3b、4b 戻しパドル
5、6、7、8 軸受部
12 ギアボックス
13、14 ギア
15、17 スプロケット
16 チェーン
18 モーター
20、21 給気部
20a、21a 給気ダクト
20b、21b 給気管
23 排気口
26 せき止め板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8