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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】免疫賦活剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/644 20150101AFI20240603BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240603BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20240603BHJP
   A23L 21/25 20160101ALI20240603BHJP
   A61K 131/00 20060101ALN20240603BHJP
   A61K 36/28 20060101ALN20240603BHJP
   A61K 36/13 20060101ALN20240603BHJP
   A61K 31/05 20060101ALN20240603BHJP
【FI】
A61K35/644
A61P37/04
A23L33/10
A23L21/25
A61K131:00
A61K36/28
A61K36/13
A61K31/05
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021000103
(22)【出願日】2021-01-04
(65)【公開番号】P2022105376
(43)【公開日】2022-07-14
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】598162665
【氏名又は名称】株式会社山田養蜂場本社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135242
【弁理士】
【氏名又は名称】江守 英太
(72)【発明者】
【氏名】結石 倫世
(72)【発明者】
【氏名】小西 花織
(72)【発明者】
【氏名】本間 千鶴
(72)【発明者】
【氏名】浅間 孝志
【審査官】長谷川 茜
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-052834(JP,A)
【文献】特開2000-226330(JP,A)
【文献】特開2009-046446(JP,A)
【文献】特開2011-084525(JP,A)
【文献】特開2003-061593(JP,A)
【文献】Frontiers in Nutrition,2020年,Vol.7, Article No.16,pp.1-15,doi: 10.3389/fnut.2020.00016
【文献】J Nutr Sci Vitaminol,2016年,Vol.62,pp.198-205
【文献】Food Funct,2020年,Vol.11,pp.5782-5787
【文献】Journal of Leukocyte Biology,2017年,Vol.102,pp.1261-1269
【文献】Immunology & Cell Biology,2018年,Vol.96,pp.630-641
【文献】Scientific Reports,2020年,Vol.10: 10060,pp.1-17,https://doi.org/10.1038/s41598-020-66964-0
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00-35/768
A61K 36/00-36/9068
A61K 31/00-33/44
A23L 33/00-33/29
A23L 21/00-21/25
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アカシア蜂蜜を有効成分として含有する、IgA分泌促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫賦活剤に関する。
【背景技術】
【0002】
IgA(免疫グロブリンA)は唾液などの粘膜に存在する抗体の一種で、体内に侵入してきたウイルスや細菌に感染するのを予防することが知られている。ここで、特許文献1及び2には、特定の乳酸菌がIgA産生促進作用を有することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/099883号
【文献】特開2014-73130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、新規な免疫賦活剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、蜂蜜、エキナセア及びその抽出物、メリンジョ及びその抽出物並びにプロポリスに唾液中のIgAの分泌を促進させる作用、及びIgAの分泌促進に基づく免疫賦活作用があることを見出した。本発明は、この新規な知見に基づくものである。
【0006】
すなわち、本発明は、蜂蜜、エキナセア及びその抽出物並びにメリンジョ及びその抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、免疫賦活剤を提供する。
【0007】
また、本発明は、蜂蜜、エキナセア及びその抽出物、メリンジョ及びその抽出物並びにプロポリスからなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、IgA分泌促進剤を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蜂蜜、エキナセア及びその抽出物並びにメリンジョ及びその抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、免疫賦活剤が提供される。また、本発明によれば、蜂蜜、エキナセア及びその抽出物、メリンジョ及びその抽出物並びにプロポリスからなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、IgA分泌促進剤が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態に係る免疫賦活剤は、蜂蜜、エキナセア及びその抽出物並びにメリンジョ及びその抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する。また、本実施形態に係るIgA分泌促進剤は、蜂蜜、エキナセア及びその抽出物、メリンジョ及びその抽出物並びにプロポリスからなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する。以下、本実施形態に係る免疫賦活剤及びIgA分泌促進剤をまとめて「本実施形態に係る剤」とも称する。
【0011】
蜂蜜は、ミツバチが、植物の花蜜、樹液、植物に寄生する虫の分泌液等から集めた蜜を主原料として作り出したものである。蜂蜜の種類には特に制限がなく、例えば、マヌカ蜂蜜、アカシア蜂蜜、甘露蜂蜜、クローバー蜂蜜、オレンジ蜂蜜、レンゲ蜂蜜、ローズマリー蜂蜜、ヒマワリ蜂蜜、菜の花蜂蜜、コーヒー蜂蜜等を用いることができる。蜂蜜は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。蜂蜜は、これらの中でも、マヌカ蜂蜜、アカシア蜂蜜又は甘露蜂蜜であることが好ましく、マヌカ蜂蜜又はアカシア蜂蜜であることがより好ましい。これらの種類の蜂蜜を用いると、IgA分泌促進作用及び免疫賦活作用をより高めることができる。
【0012】
本実施形態に係る剤に用いられる蜂蜜は、採取されたそのままであってもよく、タンパク質、ワックス、ゴミ、巣のカス等の除去、ろ過などの精製処理、殺菌、乾燥、濃縮等の処理が行われたものであってもよい。蜂蜜を採取するために利用されるミツバチの種類は特に限定されない。蜂蜜は、例えば、常法に従い養蜂産品として入手することができる。
【0013】
本実施形態に係る剤における蜂蜜の含有量は、剤全量に対して固形分で0.1質量%以上、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は100質量%であってよい。また、本実施形態に係る剤における蜂蜜の含有量は、剤全量に対して固形分で100質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、8質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下又は0.5質量%以下であってよい。
【0014】
本実施形態に係る剤が蜂蜜を有効成分として含有する場合、当該剤は、有効成分量換算で、体重60kgの成人に一日当たり1g以上50g以下の用量で用いることができ、2g以上40g以下の用量で用いることが好ましく、3g以上35g以下の用量で用いることがより好ましい。当該用量は、摂取する人の健康状態、投与方法及び他の剤との組み合わせ等の因子に応じて、上記範囲内で適宜設定することができる。
【0015】
エキナセア(別名:ムラサキバレンギク、学名:Echinaeca purpurea)は、キク科ムラサキバレンギク属に属する植物である。エキナセアの使用する部位としては、葉、樹皮、茎、幹、果実、種子、花、根などが挙げられ、これらを単独又は複数部位を組み合わせて使用することができる。また、エキナセアとしては、生のもの、乾燥したもの、切断又は粉砕されたものなどいずれの状態のものも使用することができる。さらに、エキナセアとしてその抽出物を使用することもできる。
【0016】
エキナセアの抽出物を製造する際の抽出方法としては、特に制限されず、例えば、抽出溶媒を用いて常温又は加熱抽出する方法、二酸化炭素等による超臨界抽出法などが挙げられる。このような抽出溶媒としては水、有機溶媒又は含水有機溶媒を使用することができ、有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール等の炭素数1~5の低級アルコール;ジエチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン等のケトン類;酢酸、氷酢酸、プロピオン酸等の有機酸等が挙げられる。
【0017】
エキナセアの抽出物としては、回収された抽出液(必要に応じて更に精製されたものも含む)、当該抽出液を濃縮した濃縮液、凍結乾燥、スプレードライ等により当該抽出液の溶媒が除去された固形物などが含まれる。ここで、抽出液の濃縮、凍結乾燥及びスプレードライは、常法に従って行うことができる。
【0018】
エキナセア及びその抽出物は、市販されているものを用いてもよい。市販されているエキナセア及びその抽出物の具体例としては、例えば、エキナセア粒(株式会社山田養蜂場製)、エキナセア茶(株式会社山田養蜂場製)、エキナセア(DHC製)等が挙げられる。
【0019】
本実施形態に係る剤におけるエキナセア又はその抽出物の含有量は、剤全量に対して固形分で60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であってもよい。また、本実施形態に係る剤におけるエキナセア又はその抽出物の含有量は、剤全量に対して固形分で100質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、又は70質量%以下であってもよい。
【0020】
本実施形態に係る剤がエキナセア又はその抽出物を有効成分として含有する場合、当該剤は、体重60kgの成人に一日当たり150mg以上1000mg以下の用量で用いることができ、300mg以上800mg以下の用量で用いることが好ましく、450mg以上650mg以下の用量で用いることがより好ましい。当該用量は、摂取する人の健康状態、投与方法及び他の剤との組み合わせ等の因子に応じて、上記範囲内で適宜設定することができる。
【0021】
メリンジョ(別名:グネツム、学名:Gnetum gnemon L.)は、グネツム科の植物である。メリンジョの使用する部位としては特に制限されず、実(又は種子)、花、葉などが挙げられ、好ましくは種子(胚乳)である。また、メリンジョとしては、生のもの、乾燥したもの、切断又は粉砕されたものなどいずれの状態のものも使用することができる。さらに、メリンジョとしてその抽出物を使用することもできる。
【0022】
メリンジョの抽出物の製造方法としては、特に制限されず、例えば、上述のエキナセアの抽出物の製造方法が挙げられる。メリンジョの抽出物としては、グネチンC、トランスレスベラトロール、グネモノシドA、グネモノシドD等のレスベラトロール類が知られている。
【0023】
メリンジョ及びその抽出物は、市販されているものを用いてもよい。市販されているメリンジョ及びその抽出物の具体例としては、例えば、レスベラトロールプラス(株式会社山田養蜂場製)、聖樹のチカラ(ロート製薬株式会社製)等が挙げられる。
【0024】
本実施形態に係る剤におけるメリンジョ又はその抽出物の含有量は、剤全量に対して固形分で5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、35質量%以上、38質量%以上、又は40質量%以上であってもよい。また、本実施形態に係る剤におけるメリンジョ又はその抽出物の含有量は、剤全量に対して固形分で50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、又は10質量%以下であってもよい。
【0025】
本実施形態に係る剤がメリンジョ又はその抽出物を有効成分として含有する場合、当該剤は、有効成分量換算で、体重60kgの成人に一日当たり50mg以上500mg以下の用量で用いることができ、50mg以上400mg以下の用量で用いることが好ましく、50mg以上300mg以下の用量で用いることがより好ましく、50mg以上200mg以下の用量で用いることが更に好ましい。当該用量は、摂取する人の健康状態、投与方法及び他の剤との組み合わせ等の因子に応じて、上記範囲内で適宜設定することができる。
【0026】
プロポリスとは、セイヨウミツバチの巣の巣壁を構成する樹脂状又は蝋状の物質である。プロポリスは、例えばブラジル、中国、ヨーロッパ諸国、オセアニア、アメリカ等、いずれの産地由来のものであってもよく、アレクリン由来、ユーカリ由来等、いずれの植物由来であってもよい。また、プロポリスは、スーパーグリーン、ウルトラグリーン等いずれのランクであってもよい。これらの中でも、ブラジル産グリーンプロポリスが、より高いIgA分泌促進作用及び免疫賦活作用を得ることができるので好ましい。プロポリスを採取するために利用されるミツバチの種類は特に限定されない。プロポリスは、例えば、常法に従い養蜂産品として入手することができる。
【0027】
プロポリスは、プロポリス原塊であってもよく、プロポリス原塊に、粉砕、超臨界抽出、水又は親水性有機溶媒抽出、抽出物の濃縮又は粉末化、粉末の造粒等の処理が施されたプロポリス処理物であってもよい。これらの中でもプロポリスの親水性有機溶媒抽出により得られる親水性有機溶媒抽出物は、プロポリスの有効成分が、短時間で効率的にバランスよく抽出されたものであるため好ましい。抽出に使用する親水性有機溶媒としてはエタノールが好ましい。
【0028】
プロポリスは、市販されているものを用いてもよい。市販されているプロポリスの具体例としては、例えば、プロポリス300(株式会社山田養蜂場製)、プロポリス液30(株式会社山田養蜂場製)等が挙げられる。
【0029】
本実施形態に係る剤におけるプロポリスの含有量は、剤全量に対して固形分で10質量%以上、15質量%以上、17質量%以上、20質量%以上、又は30質量%以上であってもよい。また、本実施形態に係る剤におけるプロポリスの含有量は、剤全量に対して固形分で40質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下であってもよい。
【0030】
本実施形態に係る剤がプロポリスを有効成分として含有する場合、当該剤は、有効成分量換算で、体重60kgの成人に一日当たり10mg以上1000mg以下の用量で用いることができ、100mg以上600mg以下の用量で用いることが好ましく、150mg以上350mg以下の用量で用いることがより好ましい。当該用量は、摂取する人の健康状態、投与方法及び他の剤との組み合わせ等の因子に応じて、上記範囲内で適宜設定することができる。
【0031】
蜂蜜、エキナセア及びその抽出物、メリンジョ及びその抽出物並びにプロポリスは、後述の実施例に示すように、唾液中におけるIgAの分泌速度及び/又はIgAの濃度を増加させる作用を有する。したがって、本実施形態に係る剤は、蜂蜜、エキナセア及びその抽出物、メリンジョ及びその抽出物並びにプロポリスからなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含むことにより、IgAの分泌速度を増加させる作用、IgAの産生を増加させる作用、及び免疫賦活作用を有する。すなわち、本実施形態に係る剤を摂取することによって唾液中のIgAの分泌量を増加させ、免疫力を高めることができる。
【0032】
本実施形態に係る剤は、経口投与(摂取)されてもよく、非経口により投与されてもよい。本実施形態に係る剤は、一日当たりの有効投与量が上述した範囲内にあれば、一日一回投与されてもよいし、一日二回、一日三回等、複数回に分けて投与されてもよい。
【0033】
本実施形態に係る剤は、有効成分に加えて、他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、例えば、薬学的に許容される成分(例えば、賦形剤、結合材、滑沢剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、基剤、溶解補助剤、懸濁化剤)、食品として許容される成分(例えば、ミネラル類、ビタミン類、フラボノイド類、キノン類、ポリフェノール類、アミノ酸、核酸、必須脂肪酸、清涼剤、結合剤、甘味料、崩壊剤、滑沢剤、着色料、香料、安定化剤、防腐剤、徐放調整剤、界面活性剤、溶解剤、湿潤剤)を挙げることができる。
【0034】
本実施形態に係る剤は、固体、液体、ペースト等のいずれの形状であってもよく、錠剤(素錠、糖衣錠、発泡錠、フィルムコート錠、チュアブル錠、トローチ剤等を含む)、カプセル剤、丸剤、粉末剤(散剤)、細粒剤、顆粒剤、液剤、懸濁液、乳濁液、シロップ、ペースト、注射剤(使用時に、蒸留水又はアミノ酸輸液若しくは電解質輸液等の輸液に配合して液剤として調製する場合を含む)等の剤形であってもよい。これらの各種製剤は、例えば、有効成分と、必要に応じて他の成分とを混合して上記剤形に成形することによって調製することができる。
【0035】
本実施形態に係る剤は、医薬品、医薬部外品、又は食品組成物そのものとして、又はこれらの製品中の成分として使用することができる。本実施形態に係る剤を一成分として含む医薬品、医薬部外品、又は食品組成物は、例えば、これら製品の製造工程における中間製品に、本実施形態に係る剤を添加することにより製造することができる。
【0036】
本実施形態に係る剤を食品組成物として又はその一成分として用いる場合、該食品組成物は、食品の3次機能、すなわち体調調節機能が強調されたものであることが好ましい。食品の3次機能が強調された製品としては、例えば、健康食品、機能性表示食品、栄養機能食品、栄養補助食品、サプリメント及び特定保健用食品を挙げることができる。
【0037】
食品組成物としては例えば、コーヒー、ジュース及び茶飲料等の清涼飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料、並びに、日本酒、洋酒、果実酒及びハチミツ酒等の酒などの飲料;カスタードクリーム等のスプレッド;フルーツペースト等のペースト;チョコレート、ドーナツ、パイ、シュークリーム、ガム、ゼリー、キャンデー、クッキー、ケーキ及びプリン等の洋菓子;大福、餅、饅頭、カステラ、あんみつ及び羊羹等の和菓子;アイスクリーム、アイスキャンデー及びシャーベット等の氷菓;カレー、牛丼、雑炊、味噌汁、スープ、ミートソース、パスタ、漬物、ジャム等の調理済みの食品;ドレッシング、ふりかけ、旨味調味料及びスープの素等の調味料などが挙げられる。
【実施例
【0038】
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0039】
〔試験方法〕
18歳以上の健常な男女のボランティア41名に、4週間毎日、アカシア蜂蜜(ルーマニア産) 2包(株式会社山田養蜂場製、15g/包)、マヌカ蜂蜜 2包(株式会社山田養蜂場製、15g/包)、エキナセア粒 3粒(株式会社山田養蜂場製、エキナセアエキス末(水抽出)として185mg/粒)、レスベラトロールプラス 2粒(株式会社山田養蜂場製、レスベラトロール類として17.5mg/粒)、メリンジョ胚乳配合食品 1粒(メリンジョ胚乳粉末として125mg/粒)、プロポリス300 3粒(株式会社山田養蜂場製、プロポリスエキスとして84.6mg/粒)、又はプロポリス液30(ブラジル産) 1mL(株式会社山田養蜂場製、プロポリスエキスとして30w/v%)を摂取してもらった。各ボランティアの摂取前後における唾液中のIgAの濃度(μg/mL)について、IgA測定キット(IDK(登録商標)sIgA ELISA、Immundiagnostik AG社製)を用い、ELISA法で定量することで求めた。また、上記で求めた唾液中のIgAの濃度と1分間当たりの唾液の分泌量から、IgAの分泌速度を求めた。表1に結果を示す。なお、表中の*はp<0.05、**はp<0.01(いずれもPaired-t検定)を表す。
【0040】
【表1】
【0041】
蜂蜜、エキナセアの抽出物、メリンジョの抽出物又はプロポリスの摂取により、唾液中のIgAの濃度及びIgAの分泌速度がいずれも有意に増加することが示された。