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特許7497064有害廃棄物物質処分場のための地下水試験
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】有害廃棄物物質処分場のための地下水試験
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/34 20060101AFI20240603BHJP
   E21B 49/08 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G21F9/34 C
E21B49/08
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021549528
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 US2020019231
(87)【国際公開番号】W WO2020205084
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】62/808,523
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/833,285
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/911,560
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/934,894
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518222642
【氏名又は名称】ディープ アイソレーション, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, リチャード エー.
(72)【発明者】
【氏名】グリムシック, ジョン ライナス
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-199033(JP,A)
【文献】国際公開第2017/112479(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/00-9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、前記方法は、
地表の下方の地下層からの流体サンプル中の複数の希ガス同位体のうちの少なくとも1つの希ガス同位体の濃度を決定することと、
前記少なくとも1つの希ガス同位体の生産率と最小滞留時間とに基づいて、前記地下層における前記少なくとも1つの希ガス同位体の生産量を決定することと、
前記少なくとも1つの希ガス同位体の前記決定された生産量に対する前記流体サンプル中の前記少なくとも1つの希ガス同位体の前記決定された濃度の比率を計算することと、
前記計算された比率が閾値またはその近傍であることに基づいて、前記地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記生産率は、前記地下層における岩石の1つ以上の特性に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の特性は、
前記地下層の全岩化学組成、
前記地下層における単位体積あたりのウランの量、
前記地下層における単位体積あたりのトリウムの量、
前記地下層におけるウランの崩壊率、または、
前記地下層におけるトリウムの崩壊率
のうちの少なくとも1つを備えている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの希ガス同位体は、He、Ne、Ar、Kr、またはXeのうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
地表の下方の地下層からの流体サンプル中の前記複数の希ガス同位体のうちの別の希ガス同位体の濃度を決定することと、
前記別の希ガス同位体の生産率と、前記地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを示すために十分である最小滞留時間とに基づいて、前記地下層における前記別の希ガス同位体の生産量を決定することと、
前記別の希ガス同位体の前記決定された生産量に対する前記流体サンプル中の前記別の希ガス同位体の前記決定された濃度の別の比率を計算することと、
前記別の計算された比率が閾値またはその近傍であることに基づいて、前記地下層が前記有害廃棄物処分場として好適であることを決定することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記計算された比率を前記別の計算された比率と比較することと、
前記比較に基づいて、前記地下層が前記有害廃棄物処分場として好適であることを決定することと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの希ガス同位体は、第1の生産モードから生産され、前記別の希ガス同位体は、前記第1の生産モードと異なる第2の生産モードから生産される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記流体サンプルを前記地下層の中に形成された掘削孔から収集することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記流体サンプルを収集することは、
前記掘削孔内の坑内ツールを動作させ、コアサンプルを前記地下層から収集することと、
前記コアサンプルを前記地表まで回収することと、
前記流体サンプルを前記コアサンプルから除去することと
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
削孔を前記地表から前記地下層まで形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記閾値は、1である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも部分的に前記地下層が前記有害廃棄物処分場として好適であることを決定することに基づいて、前記地下層の中またはその下における前記有害廃棄物処分場の生成を開始することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記地下層の中またはその下における前記有害廃棄物処分場の生成を開始することは、
アクセス掘削孔を前記地表から前記地下層に向かって形成することと、
前記地下層の中またはその下に前記アクセス掘削孔に結合された貯蔵掘削孔を形成することと
を含み、
前記貯蔵掘削孔は、有害廃棄物貯蔵エリアを備えている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アクセス掘削孔は、垂直掘削孔を備えている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記掘削孔はアクセス掘削孔の一部を備えている、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記貯蔵掘削孔は、湾曲部分と水平部分とを備えている、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
有害廃棄物物質を前記有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記流体サンプルは、液体かん水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記最小滞留時間は、前記地下層が前記有害廃棄物処分場として好適であることを示すために十分である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、地下水を試験することに関し、より具体的に、有害廃棄物物質処分場のための1つ以上の放射性同位体のために地下水を試験することに関する。
【背景技術】
【0002】
有害廃棄物物質を地下に貯蔵することは、大きなリスクを有し得る。1つのリスクは、有害廃棄物物質または有害廃棄物物質の副産物が、人間が飲用可能な水源の中に進入し得ることであり得る。いくつかの地下層が、可動水を可能にする:それは、層内に貯蔵された水の人間が消費可能な水が位置する場所への移動である。したがって、地下に貯蔵された任意の有害廃棄物物質は、可動水源から遠ざけられなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一般的実装では、方法は、地表の下方の地下層から流体サンプル中の複数の希ガス同位体のうちの少なくとも1つの希ガス同位体の濃度を決定することと、少なくとも1つの希ガス同位体の生産率と最小滞留時間とに基づいて、地下層における少なくとも1つの希ガス同位体の生産量を決定することと、少なくとも1つの希ガス同位体の決定された生産量に対する流体サンプル中の少なくとも1つの希ガス同位体の決定された濃度の比率を計算することと、計算された比率が閾値またはその近傍であることに基づいて、地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することとを含む。
【0004】
一般的実装と組み合わせ可能なある側面において、生産率は、地下層における岩石の1つ以上の特性に基づく。
【0005】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の特性は、地下層の全岩化学組成を含む。
【0006】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の特性は、地下層における単位体積あたりのウランまたはトリウムまたは両方の量を含む。
【0007】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の特性は、地下層内のウランまたはトリウムまたは両方の崩壊率を含む。
【0008】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、少なくとも1つの希ガス同位体は、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、またはキセノン(Xe)のうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、地表の下方の地下層からの流体サンプル中の複数の希ガス同位体のうちの別の希ガス同位体の濃度を決定することと、別の希ガス同位体の生産率と、地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを示すために十分である最小滞留時間とに基づいて、地下層における別の希ガス同位体の生産量を決定することと、別の希ガス同位体の決定された生産量に対する水サンプル中の別の希ガスの決定された濃度の別の比率を計算することと、別の計算された比率が閾値またはその近傍であることに基づいて、地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することとをさらに含む。
【0010】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、計算された比率を別の計算された比率と比較することと、比較に基づいて、地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することとをさらに含む。
【0011】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、少なくとも1つの希ガス同位体は、第1の生産モードから生産され、別の希ガス同位体は、第1の生産モードと異なる第2の生産モードから生産される。
【0012】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、水サンプルを地下層の中に形成された掘削孔から収集することをさらに含む。
【0013】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、水サンプルを収集することは、掘削孔内の坑内ツールを動作させ、コアサンプルを地下層から収集することと、コアサンプルを地表まで回収することと、水サンプルをコアサンプルから除去することとを含む。
【0014】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、掘削孔を地表から地下層まで形成することをさらに含む。
【0015】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、掘削孔は、垂直掘削孔を含む。
【0016】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、頁岩層を含む。
【0017】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、不浸透性層を含む。
【0018】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、最小滞留時間は、少なくとも10,000年である。
【0019】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、閾値は、1である。
【0020】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、地下層の中またはその下における有害廃棄物処分場の生成を開始することをさらに含む。
【0021】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層の中またはその下における有害廃棄物処分場の生成を開始することは、アクセス掘削孔を地表から地下層に向かって形成することと、アクセス掘削孔に結合された貯蔵掘削孔を地下層の中またはその下に形成することであって、貯蔵掘削孔は、有害廃棄物貯蔵エリアを含む、こととを含む。
【0022】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、アクセス掘削孔は、垂直掘削孔を含む。
【0023】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、掘削孔は、アクセス掘削孔の一部を含む。
【0024】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔は、湾曲部分と、水平部分とを含む。
【0025】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、少なくとも約200フィートの有害廃棄物貯蔵エリアに近い厚さを含む。
【0026】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、有害廃棄物物質の半減期に基づく時間量にわたって地下層を通した有害廃棄物物質の拡散を阻止する有害廃棄物貯蔵エリアに近い厚さを含む。
【0027】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面はさらに、地表またはそれに近接する場所から、アクセス掘削孔および貯蔵掘削孔を通して、貯蔵掘削孔の有害廃棄物貯蔵エリアの中に延びているケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔内に据え付けることを含む。
【0028】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、ケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔にセメントで固めることをさらに含む。
【0029】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、アクセス掘削孔を形成することに続いて、炭化水素流体を地下層から、アクセス掘削孔を通して、地表まで生産することをさらに含む。
【0030】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することをさらに含む。
【0031】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することは、地表の中に延びているアクセス掘削孔の入口を通して、貯蔵キャニスタを移動させることであって、入口は、少なくとも地表に近接し、貯蔵キャニスタは、有害廃棄物物質を封入するようにサイズを決定された内部空洞を含む、ことと、アクセス掘削孔を通して貯蔵掘削孔の中に貯蔵キャニスタを移動させることと、貯蔵掘削孔を通して有害廃棄物貯蔵エリアまで貯蔵キャニスタを移動させることとを含む。
【0032】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物貯蔵エリアをアクセス掘削孔の入口から隔離するシールをアクセス掘削孔または貯蔵掘削孔のうちの少なくとも1つ内に形成することをさらに含む。
【0033】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質は、使用済み核燃料を備えている。
【0034】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の貯蔵キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を含む。
【0035】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することをさらに含む。
【0036】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、シールを除去することと、貯蔵キャニスタを有害廃棄物貯蔵エリアから地表に回収することとを含む。
【0037】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔の有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、貯蔵キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を有害廃棄物貯蔵エリアに近接して位置付けられたセンサから監視することと、監視された変数を地表において記録することとを含む。
【0038】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、監視される変数は、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、または地震性活動のうちの少なくとも1つを含む。
【0039】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、監視された変数が閾値を超えていることに基づいて、シールを除去し、貯蔵キャニスタを有害廃棄物貯蔵エリアから地表まで回収することとをさらに含む。
【0040】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、流体サンプルは、液体かん水を含む。
【0041】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、最小滞留時間は、地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを示すために十分である。
【0042】
別の一般的実装では、方法は、地下層から収集された地下水サンプル中のクリプトン同位体の濃度を計算することと、クリプトン同位体の濃度が閾値未満であることを決定することと、決定に基づいて、地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することとを含む。
【0043】
一般的実装と組み合わせ可能なある側面において、クリプトン同位体は、Kr-81である。
【0044】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、計算することは、原子トラップトレース分析を使用して、クリプトン同位体の濃度を計算することを含む。
【0045】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、閾値は、地表水サンプル中のクリプトン同位体の濃度に基づく。
【0046】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、閾値は、地下水サンプル中のクリプトン同位体の16~20個の原子である。
【0047】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、地下水サンプルを地下層の中に形成された掘削孔から収集することをさらに含む。
【0048】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下水サンプルを収集することは、掘削孔内の坑内ツールを動作させ、コアサンプルを地下層から収集することと、コアサンプルを地表まで回収することと、地下水サンプルをコアサンプルから除去することとを含む。
【0049】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、掘削孔を地表から地下層まで形成することをさらに含む。
【0050】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、掘削孔は、垂直掘削孔を含む。
【0051】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、頁岩層を含む。
【0052】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、不浸透性層を含む。
【0053】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、地下層の中またはその下における有害廃棄物処分場の生成を開始することをさらに含む。
【0054】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層の中またはその下における有害廃棄物処分場の生成を開始することは、アクセス掘削孔を地表から地下層に向かって形成することと、アクセス掘削孔に結合された貯蔵掘削孔を地下層の中またはその下に形成することであって、貯蔵掘削孔は、有害廃棄物貯蔵エリアを含む、こととを含む。
【0055】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、アクセス掘削孔は、垂直掘削孔を含む。
【0056】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、掘削孔は、アクセス掘削孔の一部を含む。
【0057】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔は、湾曲部分と、水平部分とを含む。
【0058】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、少なくとも約200フィートの有害廃棄物貯蔵エリアに近い厚さを含む。
【0059】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、有害廃棄物物質の半減期に基づく時間量にわたって地下層を通した有害廃棄物物質の拡散を阻止する有害廃棄物貯蔵エリアに近い厚さを含む。
【0060】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面はさらに、地表またはそれに近接する場所から、アクセス掘削孔および貯蔵掘削孔を通して、貯蔵掘削孔の有害廃棄物貯蔵エリアの中に延びているケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔内に据え付けることを含む。
【0061】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、ケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔にセメントで固めることをさらに含む。
【0062】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、アクセス掘削孔を形成することに続いて、炭化水素流体を地下層から、アクセス掘削孔を通して、地表まで生産することをさらに含む。
【0063】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することをさらに含む。
【0064】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することは、地表の中に延びているアクセス掘削孔の入口を通して、貯蔵キャニスタを移動させることであって、入口は、少なくとも地表に近接し、貯蔵キャニスタは、有害廃棄物物質を封入するようにサイズを決定された内部空洞を含む、ことと、アクセス掘削孔を通して貯蔵掘削孔の中に貯蔵キャニスタを移動させることと、貯蔵掘削孔を通して有害廃棄物貯蔵エリアまで貯蔵キャニスタを移動させることとを含む。
【0065】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物貯蔵エリアをアクセス掘削孔の入口から隔離するシールをアクセス掘削孔または貯蔵掘削孔のうちの少なくとも1つ内に形成することをさらに含む。
【0066】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質は、使用済み核燃料を含む。
【0067】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の貯蔵キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を含む。
【0068】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することをさらに含む。
【0069】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、シールを除去することと、貯蔵キャニスタを有害廃棄物貯蔵エリアから地表に回収することとを含む。
【0070】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔の有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、貯蔵キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を有害廃棄物貯蔵エリアに近接して位置付けられたセンサから監視することと、監視された変数を地表において記録することとを含む。
【0071】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、監視される変数は、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、または地震性活動のうちの少なくとも1つを含む。
【0072】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面はさらに、監視された変数が閾値を超えていることに基づいて、シールを除去し、貯蔵キャニスタを有害廃棄物貯蔵エリアから地表まで回収することとを含む。
【0073】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下水サンプルは、かん水を含む。
【0074】
別の一般的実装では、方法は、地下層における第1の同位体の中性子束を決定することと、少なくとも部分的に第1の同位体の決定された中性子束に基づいて、地下層における第2の同位体の予測される生産率を計算することと、第2の同位体の安定形態の理論的生産率に対する第2の同位体の予測される生産率の第1の比率を計算することと、地下層からの地下水サンプル中の第2の同位体および第2の同位体の安定形態のそれぞれの濃度を測定することと、第2の同位体の安定形態の測定された濃度に対する第2の同位体の測定された濃度の第2の比率を計算することと、第1の比率と第2の比率との比較に基づいて、地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することとを含む。
【0075】
一般的実装と組み合わせ可能なある側面において、第1の同位体は、第1の半減期を含み、第2の同位体は、第1の半減期より長い第2の半減期を含む。
【0076】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1の同位体は、Ar-39、Fe-59、Co-60、Ni-63、Kr-85、Ni-63、またはC-14を含む。
【0077】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の同位体は、Cl-36を含む。
【0078】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の同位体の安定形態は、Cl-35を含む。
【0079】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1の比率と第2の比率とを比較することは、第1の比率と第2の比率とが等しいことを決定することを含む。
【0080】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1の同位体の中性子束を決定することは、地下層の全岩化学組成に基づいて、中性子束を決定することを含む。
【0081】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、全岩化学組成は、地下層の単位体積あたりのウランまたはトリウム(または両方)の量を含む。
【0082】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、地下水サンプルを地下層の中に形成された掘削孔から収集することをさらに含む。
【0083】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下水サンプルを収集することは、掘削孔内の坑内ツールを動作させ、コアサンプルを地下層から収集することと、コアサンプルを地表まで回収することと、地下水サンプルをコアサンプルから除去することとを含む。
【0084】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、掘削孔を地表から地下層まで形成することをさらに含む。
【0085】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、掘削孔は、垂直掘削孔を含む。
【0086】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、頁岩層を含む。
【0087】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、不浸透性層を含む。
【0088】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、地下層の中またはその下における有害廃棄物処分場の生成を開始することをさらに含む。
【0089】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層の中またはその下における有害廃棄物処分場の生成を開始することは、アクセス掘削孔を地表から地下層に向かって形成することと、アクセス掘削孔に結合された貯蔵掘削孔を地下層の中またはその下に形成することであって、貯蔵掘削孔は、有害廃棄物貯蔵エリアを含む、こととを含む。
【0090】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、アクセス掘削孔は、垂直掘削孔を含む。
【0091】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、掘削孔は、アクセス掘削孔の一部を含む。
【0092】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔は、湾曲部分と、水平部分とを含む。
【0093】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、少なくとも約200フィートの有害廃棄物貯蔵エリアに近い厚さを含む。
【0094】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、有害廃棄物物質の半減期に基づく時間量にわたって地下層を通した有害廃棄物物質の拡散を阻止する有害廃棄物貯蔵エリアに近い厚さを含む。
【0095】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、地表またはそれに近接する場所から、アクセス掘削孔および貯蔵掘削孔を通して、貯蔵掘削孔の有害廃棄物貯蔵エリアの中に延びているケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔内に据え付けることをさらに含む。
【0096】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、ケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔にセメントで固めることをさらに含む。
【0097】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、アクセス掘削孔を形成することに続いて、炭化水素流体を地下層から、アクセス掘削孔を通して、地表まで生産することをさらに含む。
【0098】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することをさらに含む。
【0099】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することは、地表の中に延びているアクセス掘削孔の入口を通して、貯蔵キャニスタを移動させることであって、入口は、少なくとも地表に近接し、貯蔵キャニスタは、有害廃棄物物質を封入するようにサイズを決定された内部空洞を含む、ことと、アクセス掘削孔を通して貯蔵掘削孔の中に貯蔵キャニスタを移動させることと、貯蔵掘削孔を通して有害廃棄物貯蔵エリアまで貯蔵キャニスタを移動させることとを含む。
【0100】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物貯蔵エリアをアクセス掘削孔の入口から隔離するシールをアクセス掘削孔または貯蔵掘削孔のうちの少なくとも1つ内に形成することをさらに含む。
【0101】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質は、使用済み核燃料を含む。
【0102】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の貯蔵キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を含む。
【0103】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することをさらに含む。
【0104】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、シールを除去することと、貯蔵キャニスタを有害廃棄物貯蔵エリアから地表に回収することとを含む。
【0105】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔の有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、貯蔵キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を有害廃棄物貯蔵エリアに近接して位置付けられたセンサから監視することと、監視された変数を地表において記録することとを含む。
【0106】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、監視される変数は、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、または地震性活動のうちの少なくとも1つを含む。
【0107】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、監視された変数が閾値を超えていることに基づいて、シールを除去し、貯蔵キャニスタを有害廃棄物貯蔵エリアから地表まで回収することとをさらに含む。
【0108】
本開示による、地下水試験システムおよび方法の実装は、以下の特徴のうちの1つ以上も含み得る。例えば、本開示による、地下水試験システムおよび方法は、特定の地下層が有害廃棄物物質処分場として好適であることを識別または決定するために使用され得る。決定された有害廃棄物物質処分場は、人間が消費可能な水源から隔離されるように、使用済み核燃料等の有害廃棄物物質を貯蔵するために使用され得る。決定された有害廃棄物物質処分場は、最大で、例えば、1,000,000年の持続時間にわたって、有害廃棄物物質を貯蔵するために好適であり得る。別の例として、本開示による地下水試験システムおよび方法は、特定の地質学層が有害廃棄物物質処分場として好適であることを確認し得る。
【0109】
本開示に説明される主題の1つ以上の実装の詳細が、付随の図面および下記の説明に記載される。主題の他の特徴、側面、および利点が、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
方法であって、前記方法は、
地表の下方の地下層からの流体サンプル中の複数の希ガス同位体のうちの少なくとも1つの希ガス同位体の濃度を決定することと、
前記少なくとも1つの希ガス同位体の生産率と最小滞留時間とに基づいて、前記地下層における前記少なくとも1つの希ガス同位体の生産量を決定することと、
前記少なくとも1つの希ガス同位体の前記決定された生産量に対する前記流体サンプル中の前記少なくとも1つの希ガス同位体の前記決定された濃度の比率を計算することと、
前記計算された比率が閾値またはその近傍であることに基づいて、前記地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することと
を含む、方法。
(項目2)
前記生産率は、前記地下層における岩石の1つ以上の特性に基づく、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記1つ以上の特性は、
前記地下層の全岩化学組成、
前記地下層における単位体積あたりのウランの量、
前記地下層における単位体積あたりのトリウムの量、
前記地下層におけるウランの崩壊率、または、
前記地下層におけるトリウムの崩壊率
のうちの少なくとも1つを備えている、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記少なくとも1つの希ガス同位体は、He、Ne、Ar、Kr、またはXeのうちの少なくとも1つを備えている、項目1に記載の方法。
(項目5)
地表の下方の地下層からの流体サンプル中の前記複数の希ガス同位体のうちの別の希ガス同位体の濃度を決定することと、
前記別の希ガス同位体の生産率と、前記地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを示すために十分である最小滞留時間とに基づいて、前記地下層における前記別の希ガス同位体の生産量を決定することと、
前記別の希ガス同位体の前記決定された生産量に対する前記水サンプル中の前記別の希ガス同位体の前記決定された濃度の別の比率を計算することと、
前記別の計算された比率が閾値またはその近傍であることに基づいて、前記地下層が前記有害廃棄物処分場として好適であることを決定することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記計算された比率を前記別の計算された比率と比較することと、
前記比較に基づいて、前記地下層が前記有害廃棄物処分場として好適であることを決定することと
をさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記少なくとも1つの希ガス同位体は、第1の生産モードから生産され、前記別の希ガス同位体は、前記第1の生産モードと異なる第2の生産モードから生産される、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記水サンプルを前記地下層の中に形成された掘削孔から収集することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記水サンプルを収集することは、
前記掘削孔内の坑内ツールを動作させ、コアサンプルを前記地下層から収集することと、
前記コアサンプルを前記地表まで回収することと、
前記水サンプルを前記コアサンプルから除去することと
を含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記掘削孔を前記地表から前記地下層まで形成することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記閾値は、1である、項目1に記載の方法。
(項目12)
少なくとも部分的に前記地下層が前記有害廃棄物処分場として好適であることを決定することに基づいて、前記地下層の中またはその下における前記有害廃棄物処分場の生成を開始することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記地下層の中またはその下における前記有害廃棄物処分場の生成を開始することは、
アクセス掘削孔を前記地表から前記地下層に向かって形成することと、
前記地下層の中またはその下に前記アクセス掘削孔に結合された貯蔵掘削孔を形成することと
を含み、
前記貯蔵掘削孔は、有害廃棄物貯蔵エリアを備えている、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記アクセス掘削孔は、垂直掘削孔を備えている、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記掘削孔は、前記アクセス掘削孔の一部を備えている、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記貯蔵掘削孔は、湾曲部分と水平部分とを備えている、項目13に記載の方法。
(項目17)
有害廃棄物物質を前記有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目18)
前記流体サンプルは、液体かん水を含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記最小滞留時間は、前記地下層が前記有害廃棄物処分場として好適であることを示すために十分である、項目1に記載の方法。
(項目20)
方法であって、前記方法は、
地下層から収集された地下水サンプル中のクリプトン同位体の濃度を決定することと、
前記クリプトン同位体の前記濃度が閾値未満であることを決定することと、
前記決定に基づいて、前記地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することと
を含む、方法。
(項目21)
方法であって、前記方法は、
地下層における第1の同位体の中性子束を決定することと、
少なくとも部分的に前記第1の同位体の前記決定された中性子束に基づいて、前記地下層における第2の同位体の予測される生産率を計算することと、
前記第2の同位体の安定形態の理論的生産率に対する前記第2の同位体の前記予測される生産率の第1の比率を計算することと、
前記地下層からの地下水サンプル中の前記第2の同位体と前記第2の同位体の前記安定形態とのそれぞれの濃度を測定することと、
前記第2の同位体の前記安定形態の前記測定された濃度に対する前記第2の同位体の前記測定された濃度の第2の比率を計算することと、
前記第1の比率と前記第2の比率との比較に基づいて、前記地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することと
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0110】
図1図1は、本開示による、地下水試験システムの例示的実装の概略図である。
【0111】
図2A図2Aは、本開示による、埋蔵または回収動作中の有害廃棄物物質貯蔵処分場システムの例示的実装の概略図である。
【0112】
図2B図2Bは、有害廃棄物物質の貯蔵中の有害廃棄物物質貯蔵処分場システムの例示的実装の概略図である。
【0113】
図3A図3A-3Fは、本開示による、地下水を試験し、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセスを図示するフローチャートである。
図3B図3A-3Fは、本開示による、地下水を試験し、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセスを図示するフローチャートである。
図3C図3A-3Fは、本開示による、地下水を試験し、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセスを図示するフローチャートである。
図3D図3A-3Fは、本開示による、地下水を試験し、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセスを図示するフローチャートである。
図3E図3A-3Fは、本開示による、地下水を試験し、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセスを図示するフローチャートである。
図3F図3A-3Fは、本開示による、地下水を試験し、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセスを図示するフローチャートである。
【0114】
図4図4は、そこから水が放射性同位体濃度パーセンテージに関して試験されている、地下層内に有害廃棄物物質を貯蔵するための例示的プロセスを図示するフローチャートである。
【0115】
図5図5は、本開示による、コントローラまたは制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0116】
放射性廃棄物(例えば、使用済み核燃料、高レベル廃棄物、またはその他)は、数千~数十万年にわたって持続する成分を含む。放射性廃棄物は、地下層内に形成される有害廃棄物処分場(例えば、小さすぎて人間が進入または占有することができない、人間が占有不能な掘削孔または坑井ボア)を形成する、または備えている深層方向性掘削孔(同様に、人間が占有不能な)内に廃棄されることができる。例えば、高レベル放射性廃棄物および他の有害物質は、水平掘削孔内に廃棄されることができる。そのように廃棄される場合、人間の安全性への脅威は、放射性廃棄物の一部がかん水および他の水の中に溶解され得ること、または別様に組み込まれ得ることであり、それは、多くの場合、貯蔵される放射性廃棄物と同じ深度において見られる。これらの液体の流動は、放射性廃棄物を地表または帯水層(または他の水源)に運び得る。放射性廃棄物の毒性は、長寿命であるので、放射性廃棄物が貯蔵された地下層が、そのような層内の流体が数千、数万、数十万、数百万年、またはそれを上回って、確実に隔離される(例えば、地表または水源から)ことを示すことが望ましい。
【0117】
いくつかの側面において、隔離は、そのような地下層内の液体の任意の流動が極度に低速であることを示すことによって実証され得る。例えば、放射性廃棄物が、1,000メートル(m)の深度に廃棄される場合、年間1ミリメートル(mm)の層内の液体の流動は、そのような廃棄物(例えば、液体中に溶解または同伴された)を百万年以内に表面にもたらし得る。現在の測定技法は、そのような極めて小さい流速の直接決定を行うことが可能ではない。結果として、地中廃棄のための安全性は、典型的に、多くの場合、複雑なコンピュータコードを用いて表面までの深層流体の予期される流動の率を計算するための駆動力(例えば、流体中の圧力勾配)の説得力のある仮定と組み合わせられたその深度における岩石の浸透性の測定によって実証される。
【0118】
隔離を推定するための代替または補足技法は、処分場を保持する岩石層の過去の履歴に基づくことができる。層内のかん水または他の液体が、例えば、百万年にわたって、地表に向かって流動せずに地下層内に存続したことが示され得る場合、そのような存続は、地下層の隔離性質の証拠であり、それを有害廃棄物処分場のための可能な場所にする。そのような決定は、例えば、表面特徴と異なり、地中地質学が極度にゆっくりと変化するという事実に基づく。新しい地震断層の生成等、モデル化することが困難である事象は、それらが過去にあったほど将来において普遍的ではないと仮定され得る。
【0119】
図1は、地下水試験システム100の例示的実装の概略図である。この例に示されるように、システム100は、地表102から、地表水層106を通して、地表水層106より深い、地下層108および110の中、およびそれらを通して形成された試験掘削孔104を含む。層106、108、および110の各々は、1つ以上の岩石タイプと、水(例えば、淡水またはかん水)と、ある場合、他の流体(例えば、炭化水素流体)とから形成される地質学層を備え得る。この例では、試験掘削孔104は、垂直掘削孔として示される。しかしながら、代替実装では、方向性掘削孔124(破線で示される)が、本開示によると、形成され、試験掘削孔104の代わりに、(またはそれに加え)システム100において使用され得る。
【0120】
試験掘削孔104は、地表層から地下層108または110の一方または両方(および層108または110の一方または両方より浅いまたは深い層)まで掘削または別様に形成され得る。試験掘削孔104は、炭化水素を生産する目的のために形成される坑井ボアより(例えば、直径が)比較的に小さくあり得る。代替として、試験掘削孔104は、炭化水素を生産する目的のために形成される坑井ボアと同様であり得、いくつかの側面において、炭化水素がそれから生産されていたこともある。
【0121】
地表水層106は、この例では、1つ以上の層状岩石層から成る地質学層であり、1つ以上の地表水源を含む。例えば、地表水層106は、1つ以上の開放水源116(例えば、湖、池、川、小川)を含み得る。いくつかの側面において、開放水源116は、直接、大気101と接触する水源である。地表水層106は、大気101と直接接触しないが、人間が消費するために好適である(例えば、従来の水処理ありで、またはなしで)1つ以上の帯水層118も含み得る。したがって、システム100のこの例示的実装では、地表水は、開放水源116および帯水層118の両方を含む。地表水層106が成り得る岩石層の例は、他の層の中でもとりわけ、多孔質砂岩および石灰岩を含む。
【0122】
この例示的実装では、地下層108および110が、地表水層106の下方にある。地下層108または110の一方または両方は、地下水を含むか、または、保持し得る。地下水は、この例示的システムでは、開放水源または帯水層ではなく、現在、大気101と接触していない(但し、これまでのある時点で接触していたこともある)水である。いくつかの側面において、地下水は、飲用に適していないか、または、人間が消費するために適さない(または両方である)。システム100は、そのような層に見出される地下水に従って、有害廃棄物物質貯蔵のために地下層108または110の一方または両方を試験するために使用され得る(例えば、図3およびプロセス300を参照して説明されるように)。
【0123】
システム100は、坑内ツール112(例えば、コアドリル)も含み、坑内ツール112は、試験掘削孔104の中に、層106、108、および110の1つまたは全てまで運搬され、コアサンプル114またはコアサンプル120を調達し得る。この例では、コアサンプル114は、地下水を含む一方、コアサンプル120は、地表水を含む。したがって、地下水サンプルは、コアサンプル114から取得され得る一方、地表水サンプルは、コアサンプル120(または開放水源116または帯水層118)から取得され得る。コアサンプル114は、地下層110から取得されるように示されるが、1つ以上のコアサンプル114は、この層または地下層108(または両方)から取得され得る。
【0124】
システム100は、試験システム122として図式的に表される地下水(または他の流体)試験システムを含む。本明細書でさらに詳細に説明されるように、試験システム122は、例えば、地下流体(例えば、かん水等の水)サンプル、いくつかの側面において、地表流体(例えば、水または他の液体)サンプルに対して1つ以上の試験を実施し得る。本明細書でより具体的に説明されるように、試験システム122は、いくつかの側面において、サンプル中の1つ以上の放射性同位体(安定またはその他)の存在または濃度に関して、地下流体サンプル(およびいくつかの側面において、地表流体サンプル)を試験するプロセッサベースの制御システムであり得る。
【0125】
ある例示的実装では、流体試験システム122は、加速器質量分析法システム(AMS)を含む。AMSシステムは、概して、多くの試験機能を実施するように動作させられ得る。例えば、AMSシステムは、水等の物質を分析し、ベリリウム-10(10Be)、塩素-36(36Cl)、アルミニウム-26(26Al)、ヨウ素-129(129I)、および炭素-14(すなわち、放射性炭素または14C)等のそのような物質中の(元素の)自然発生永続放射性同位体を検出し得る。ある場合、36Clおよび129I等のある放射性同位体は、宇宙線によって大気101中で生産され、地表水と混合され得るか、または、直接、地表水または表面岩石中で生産される。したがって、地表水源等の物質は、物質がさらされていた大気101の期間に基づいて、元素のそのような放射性同位体の特定の濃度を有し得る。地下水等の大気101にもはやさらされていない物質は、そのような暴露を伴わずに時間が経過するにつれて、そのような放射性同位体の濃度における減衰を経験する(例えば、元素塩素の安定同位体37Clの濃度に対する36Cl、元素ヨウ素の安定同位体127Iの濃度に対する129I、元素ベリリウムの安定同位体Beの濃度に対する10Be、元素炭素の安定同位体12Cまたは13Cの濃度に対する14C、元素アルミニウムの安定同位体27Alの濃度に対する26Al)。したがって、地下水等の物質中の放射性同位体の濃度の測定はまた、物質が最後に大気101または地表水にさらされたとき以降に経過した時間量を示し得る。
【0126】
流体試験システム122(またはシステム122の一部)としてAMSを含むシステム100の例示的動作では、地下水サンプルは、掘削孔104から(または地下層108および110の一方または両方からのコアサンプルから)収集され得る。「収集」は、事前に集められた地下水サンプルを識別することを含むか、または、意味し得る。地表水サンプルは、地表水源からも収集され得る。「収集」は、事前に集められた地下水サンプルを識別すること、または地表水中の元素の安定同位体に対して放射性同位体の濃度の事前に決定された値を識別することを含むか、または、意味し得る。安定同位体(この場合、127I)のそれと比較した放射性同位体(129I等)の濃度は、地表水から求められたこれらの比率の以前の測定から決定されることができる(例えば、プロセス300の実行に先立って)。AMSシステムは、地下水サンプル中の放射性同位体の濃度を決定する。例えば、AMSシステムは、地下水サンプル中の36Clまたは129I(または両方)等の特定の放射性同位体の濃度を決定するように動作させられ得る(例えば、その元素の対応する安定同位体に対して)。いくつかの側面において、これは、同様に、地表水サンプル中の特定の放射性同位体の濃度を決定することも含み得る。代替として、地表水サンプル中の放射性同位体の濃度は、既知であり得る。AMSシステムを用いた放射性同位体の濃度の決定は、同じ元素(それぞれ、塩素またはヨウ素)の安定(非放射性)同位体(例えば、35Clまたは127I)に対する特定の水サンプル中の放射性同位体(例えば、36Clまたは129I)の比率を測定することを含み得る。したがって、放射性元素の濃度を決定することの言及は、いくつかの側面において、特定の(地表または地下または両方の)サンプル中の同じ元素の安定(非放射性)同位体に対する放射性同位体の比率を決定することを意味する。AMSシステップムは、次いで、地下水サンプルと地表水サンプルとにおける放射性同位体の濃度を比較し得る。比較に基づいて、AMSシステムは、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることを決定する(少なくとも部分的に)ために使用され得る。例えば、地下層(108または110または両方)が有害廃棄物物質(例えば、使用済み核燃料)の長期(例えば、100、1000、10,000年またはそれを上回る)貯蔵のために好適であることを決定するための基準は、特定の持続時間にわたって、大気101にさらされておらず、それによって、それを通した可動水を可能にしない、または別様にその層から地表水層106に向かう液体の流動を可能にしない地質学層としての地下層を立証する水の存在であり得る。そのような証拠は、そのような物質が、地表水層106における人間の消費のために適した飲用水に混合する、またはそれを汚染する機会を殆どまたは全く伴わずに、有害廃棄物物質を貯蔵するための地下層の証明であり得る。その決定に基づいて、有害廃棄物貯蔵処分場が、地下層(108または110または両方)内または下に生成され得る(または生成が、始動され得る)。
【0127】
本開示は、流体(例えば、水、かん水、およびガス)が数万~数百万年の期間にわたって地下層内に本質的に停滞していたことの決定に基づいて、地下層(例えば、形成108または110、両方、または別の地下層)が深層の人間が占有不能な方向性掘削孔内に形成される有害(例えば、核または放射性)廃棄物処分場として好適であることを決定するためのシステムおよび方法の例示的実装も説明する。例えば、地質学的環境(地下層等)内のかん水が長期間にわたって停滞し、地表水から隔離されると、いくつかの地球化学的、生物学的、放射性、および核原性マーカが、隔離された水中に現れ得、それらは、かん水の停滞および隔離に関する独立および補強的証拠を提供する。組み合わせにおいて使用されると、これらのマーカは、深層方向性掘削孔内に形成される有害廃棄物処分場としての使用のための地下層の好適性を査定する説得力があり、内部自己チェック式のシステムを提供することができる。
【0128】
例として、特定の地下層においての流体(例えば、かん水液体)の長期(例えば、数百、数千、数万、数百万年)隔離の間接インジケータも存在し得る。ある場合、そのような間接マーカは、かん水隔離の持続時間に関する明示的年代推定を提供せずに、かん水の物理的隔離に関する証拠を提供する。それにもかかわらず、これらのマーカは、潜在的有害廃棄物処分場現場の初期スクリーニングのための有力なツールであることができ、自己矛盾のないデータのより大きいマトリクスの一部として使用され、処分場現場の適切性に対する洞察を提供することができる。例えば、ある深度における強塩分勾配および高塩分は、高密度地層を示し、より浅い環境の中への深層水の混合および/または上向き移動がないことを含意し得る。同様に、地質学的層を通した低熱流束および/または低温勾配は、層を通して熱的に導出される限定された上向き浮力流、または上向き浮力流がないことを示唆し得る。他の事例では、かん水の安定同位体組成の変化、例えば、全地球平均水位線から離れるような重水素と18-酸素同位体比のシフトは、地表水から隔離された長期の非生物起源水と岩石の相互作用を示し得る。同様に、異なる代謝性要件および同位体マーカを伴う浅層対深層地球生物圏内の異なる生物形態の地層は、異なる生物形態が、地表水からの栄養素の混合および輸送を伴わずに異なる深度で互いに隔離して存在することを示し得る。
【0129】
上記の間接マーカ(およびその他)のうちの1つ以上は、以下の確認を提供し得る:(a)かん水の上向き流動および浅層または地表水との混合を引き起こすための物理的駆動力(例えば、塩分密度および熱浮力)が現在ないこと、および/または、(b)水と岩石の相互作用および異なる深度で階層化された微生物集団の存在に関して安定同位体マーカ内に反映されるような地表水からの深層かん水の隔離が過去にかなりの時間量にわたって存続したことの証拠。これらのタイプの間接マーカは、隔離の一般的指示を提供し得るが、深層かん水が地表から隔離されていた持続時間に関して厳密な時間限定を課さないこともある。最低でも、これらのマーカは、数千~数万年の隔離を示し得るが、数百万~>十億年にわたる地表環境からの深層かん水の隔離とも一貫し得る。したがって、これらの例示的間接マーカは、その深度におけるかん水の隔離に関する明示的時間限定を課す補強的地質年代学的証拠の二次的であるが重要な独立したシステムを提供し得る。
【0130】
例として、特定の地下層内の流体(例えば、かん水液体)の長期(例えば、数百、数千、数万、数百万年)隔離の直接的な地質年代学的インジケータも存在し得る。明示的時間限定を深層かん水の過去の隔離に課すために、地球の大気、地表、浅層地表下(数十メートル)、および深層地表下(数百~数千メートル)内の異なる安定および不安定同位体の生産および崩壊に基づく、いくつかの地質年代学的ツールが、もたらされ得る。これらの地質年代学的ツールは、独立かつ異なる生産モードを有し、一緒に、以下の統合された内部自己矛盾のない概念を提供し得る:(a)例えば、1~1.5百万年(Ma)の時間枠を伴う大気および浅層地表下導出宇宙線起源放射性同位体(例えば、81Kr、36Cl、その他)をトレースすることによる、地表水の下向き流動および深層かん水との混合、
(b)長期間(36Clse1~1.5Ma、129Ise60~80Ma、その他)にわる異なる永続的平衡濃度を発達させる深層地表下(例えば、>100m)内で生産される核原性同位体の測定された濃度を通した、例えば、100キロ年(kyr)~80Maの時間枠を伴う深層かん水の中期の停滞および隔離、(c)各々が深層地表下において異なる生産モードを有し、深層かん水の保持性および隔離の独立した尺度を提供する異なる希ガス同位体(4He、40Ar、20-21-22Ne、Kr、124-139Xe、およびその他)の測定された蓄積からのかん水の中期~非常に長期、例えば、1Ma>十億年(Ga)の隔離。
【0131】
例として、上で述べられた地質年代学的マーカの各々は、地下層内の深層かん水の隔離の独立した査定および(例えば、放射性または核廃棄物のための)有害廃棄物処分場として使用のための層の好適性の独立した尺度を提供し得る。組み合わせにおいて使用されると、そのような地質年代学的マーカは、地表下におけるかん水の移動度/停滞のより説得力があり、かつ完全な概念を提供することができる。
【0132】
例えば、ある例では、81Kr、36Cl、20-21-22Ne同位体存在度の測定は、ある層からの地下流体(例えば、液体かん水)のサンプルから行われ得る。測定は、以下を示し得る:(1)81Krが約400個以下の原子/リットルの検出限度にある、(2)36Cl濃度が比較的に高いが、36Cl/Cl比がその層に関して計算された永続的平衡濃度値と一貫すること、および/または、(3)21Neのかなりの超過および約0.5の21Ne/22Ne比があること。そのような場合、81Krの不在は、深層かん水の中への地表水の下向き浸透が微量であるかまたは無であること、または地表水による深層水の非常に低速の交換および置換(例えば、10,000年あたり1%未満の交換)が存在することのインジケータであり得る。深層地表下における計算された36Cl生産と一貫した低36Cl/Cl比と結合された36Clの比較的に高絶対濃度は、かん水が、停滞し、最低でも1~1.5Maにわたって地表から隔離されていることを示し得る。層内の21Neの蓄積および滞留および21Ne/22Ne比は、ネオンが、>100Maにわたって、深層層内に生産および滞留させられていたことを示し得る。これらの同位体系の各々は、例えば、生産モードおよび隔離の推定の異なり、特有のマーカを表す。その全3つのインジケータの一致も、マーカの相互確認を提供し、結果の全体的確実性に寄与し得る。
【0133】
本開示のいくつかの側面において、隔離の間接マーカは、直接マーカの代替的指標として使用され得る。例えば、直接的な地質年代学的尺度に加え、他のインジケータの中でもとりわけ、(1)深度に伴う塩分密度地層、(2)深度に伴う酸素および重水素等の安定同位体測定の異なる変化、および、(3)深度の関数としての生物形態のタイプ、代謝性プロセス、および多様性の変化等のかん水の隔離年代の間接マーカは、二次的裏付け証拠および深層かん水の長期隔離の代替的指標としての役割を果たし得る。いくつかの側面において、これらの物理的および化学的特性を測定することは、詳細な地質年代学的年代決定を実施することより単純で、より高速で、かつより安価であり得る。いくつかの例示的側面において、単に、塩分、温度、および酸素および重水素同位体等の他の代替的指標に関するデータを収集することでも、有害物質処分場現場に関する良好な初期スクリーニングを提供することができる。
【0134】
例えば、潜在的有害廃棄物処分場現場が、深度の関数としての比較的に高熱流および低塩分勾配を有する場合、これは、現場が、かなりの上昇流の潜在性と、核廃棄物処分場のために適切である比較的に低確率とを有することの指示であり得る。対照的に、現場が、増加深度における比較的に低熱勾配および塩分の比較的に急峻な増加を有する場合、これは、その深度におけるかん水の停滞および隔離と互いに関係があり得る。酸素および重水素(または他の)同位体が、塩分とさらに互いに関係がある場合、これは、その深度におけるかん水が、密度階層化され、長期間にわたって隔離されていることの別の指示を提供し得る。このタイプのスクリーニングは、(例えば、有害廃棄物処分場のための)いくつかの現場が、最初に、比較的に高速様式で評価され、より広範な同位体(例えば、81-Kr、希ガス、および他の同位体)に関するデータに関連付けられた困難な掘削、サンプリング、および測定プロセスに関連付けられたコストを限定することを可能にする。この初期スクリーニングは、完全な詳細な地球化学的および同位体測定に関連付けられたコストおよび時間を節約しながら、最も実行可能である現場の位置を特定し、それに集中するためのツールとして、隔離の間接的代替的指標の使用を活用し得る。
【0135】
いくつかの側面において、そのような実装は、自然ウランまたはトリウム(または両方)地下層内に有する地下層において適用されることができる。頁岩層および結晶質基盤岩石を含む多くの堆積、変成、および火成岩石は、説明される実装のために、好適なレベルのウランまたはトリウム(または両方)を有する。
【0136】
ここで図3Aに目を向けると、この図は、ウラン、トリウム、またはカリウムのうちの1つ以上の自然崩壊(および、おそらく、他の二次核原性反応)に基づいて、地下層内の1つ以上の希ガス同位体(および、おそらく、他の核種)の生産および蓄積の分析によって、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセス300を図示する。いくつかの側面において、プロセス300は、流体試験システム122を含むシステム100によって、またはそれを用いて実装され得る。
【0137】
プロセス300は、深層地下層において生じ、地下層の元の岩石の中に存在しなかった、またはより少ない程度でしか存在しなかった種々の同位体の生産につながる自然放射性崩壊に基づき得る。例えば、ウランおよびトリウムのアルファ崩壊は、2個の中性子と、2個の陽子とから成るアルファ粒子を生産する。追加のアルファ粒子は、ウランおよびトリウム崩壊生産物の放射性崩壊から生産される。U-238の1個の原子が崩壊すると、7個の追加のアルファ粒子が崩壊生産物から生産される。これらのアルファ粒子の大部分は、地下層の岩石の中に静止した状態になる。その強い正電荷により、これらのアルファ粒子は、外側電子を他の原子から取り込む。アルファ+電子は、ヘリウム原子であり、これらは、岩石の中に蓄積し得る。多くの多孔性岩石では、この生産されたヘリウムは、拡散し、多くの場合、不浸透性岩石から成る「キャップ」層下に捕捉される。そのような蓄積は、採集されることができ、それらは、本質的に、商業用ヘリウムの全てを提供する。
【0138】
しかしながら、岩石が、非常に低浸透性を有する場合、ヘリウムは、岩石の中に捕獲され得る。ウランおよびトリウムから予期されるヘリウム生産と比較したヘリウム濃度の尺度は、ガス拡散または移動流体による移送に対する岩石の保持力の尺度を提供し得る。例えば、岩石が、ウランおよびトリウムから生産するために1,000万年かかるであろう十分なヘリウムを含む場合、ヘリウムガスを保持するための地下層の能力は、約1,000万年である。そのような決定は、核または放射性廃棄物における1つ以上の放射性同位体の拡散がヘリウムのそれより低速であることが既知であるので、地下層が(例えば、深層方向性掘削孔内に形成される)有害廃棄物処分場として好適であることの決定を提供することができる。
【0139】
プロセス300は、ステップ301から開始し得、それは、試験掘削孔を地表から地下層まで形成することを含む。例えば、試験掘削孔104が、地表102から地下層110まで形成(例えば、掘削)され得る。プロセス300は、ステップ302において継続し得、それは、地下水サンプルを地下層から収集することを含む。いくつかの側面において、水サンプルは、かん水である。代替として、ステップ302は、地下流体サンプルを収集することを含み得る。いくつかの側面において、ステップ301および302は、以前に収集された地下流体サンプル(例えば、液体かん水)を識別することによって、置換または回避され得る。
【0140】
プロセス300は、ステップ303において継続し得、それは、地下水サンプル中の少なくとも1つの希ガス同位体の濃度を決定することを含む。例えば、ヘリウムの例では、ヘリウム濃度が、地下層から得られた液体(例えば、かん水)サンプルから決定され得る。例えば、ヘリウムは、かん水中に溶解されたガスであり、標準的坑内ツールが、かん水サンプルを地下層から取得するために使用され得る。しかしながら、地下層が、非常に低かん水流率(例えば、地下層の圧力に起因して)を有する場合、かん水を含む岩石コアサンプルが、収集され得る。かん水サンプルが、収集されると(直接、またはコアサンプルからのいずれか)、ガス抽出方法が、かん水サンプル中のヘリウムを収集するために使用され得る。いくつかの側面において、ヘリウムの濃度は、地下層における岩石タイプに依存し得る。
【0141】
プロセス300は、ステップ304において継続し得、それは、希ガス同位体の生産率および最小滞留時間に基づいて、地下層内の希ガス同位体の生産量を決定することを含む。例えば、ヘリウムの例を継続すると、濃度がかん水サンプルから決定されると(例えば、公知のサンプリング技法によって)、仮定または所望の滞留時間(原子単位)中の地下層内のヘリウムの生産量が、決定される。地下層内のヘリウムの生産率(年あたりの原子)は、地質学に伴って変動し得るが、この率は、層内のウランおよびトリウムの濃度(すなわち、層の単位体積あたりのウランおよびトリウムの量)の関数である。いくつかの側面において、ウランおよび/またはトリウムの濃度、したがって、ヘリウム(または別の希ガス同位体)の生産率は、既知であるか、または、既知の地下層の全岩化学組成によって決定され得る。いくつかの側面において、滞留時間は、ヘリウムが地下層内に流動的に隔離される期間、および有害廃棄物が地下層内に貯蔵および流動的に隔離されることが所望される期間、例えば、数千年、数万年、数百万年、または他の期間を表す。
【0142】
プロセス300は、ステップ305において継続し得、それは、少なくとも1つの希ガス同位体の決定された生産量に対する決定された濃度の比率を計算することを含む。例えば、ヘリウムの例を継続すると、決定された濃度は、潜在的有害物質処分場として検査されている地下層内のヘリウムの実際の量(例えば、濃度)を表す。決定された生産量は、例えば、層からの流体サンプルの特定の最小滞留時間において地下層内に存在するはずであるヘリウムの理論的量(例えば、濃度)を表す。特定の最小滞留時間は、説明されるように、例えば、地下層内に貯蔵される有害廃棄物が地下層において(例えば、可動水源から)隔離される所望の時間量に基づいて、選択され得る。この期間は、例えば、数十年、数百年、数千年、またはそれを上回り得る(または、ある場合、より少ない)。
【0143】
プロセス300は、ステップ306において継続し得、それは、少なくとも部分的に計算された比率が閾値またはその近傍であることに基づいて、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることを決定することを含む。いくつかの側面において、閾値は、1または1に非常に近く、それによって、地下流体サンプル中のヘリウム濃度が、所望またはほぼ所望の最小滞留時間持続時間にわたって層内で隔離されていることを示し得る。例えば、計算された比率が、1をはるかに下回る場合、決定された濃度は、決定された生産量をはるかに下回り、それによって、ヘリウムが、地下層から漏れ出している(すなわち、おそらく、可動または地表水を伴う層を含む他の層から流動的に隔離されていない)ことを示す。計算された比率が、1を上回る場合、決定された濃度は、決定された生産量を上回り、それによって、ヘリウムが、地下層から漏れ出していない(すなわち、おそらく、可動または地表水を伴う層を含む他の層から流動的に隔離されている)ことを示す。
【0144】
プロセス300は、ステップ307において継続し得、それは、ステップ306の決定に基づいて、有害廃棄物貯蔵処分場を地下層の中またはその下に生成する(または少なくとも有害廃棄物処分場の生成を開始する)ことを含む。プロセス300は、ステップ308において継続し得、それは、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵処分場の中に貯蔵することを含む。ステップ307および308ための例示的方法およびプロセスは、図2A-2Bおよび4を参照して説明される。
【0145】
いくつかの側面において、プロセス300は、地下流体サンプル中で元々試験された希ガス同位体と異なる希ガス同位体に関して、ステップ303-305を繰り返すことを含む。例えば、説明されるように、ヘリウムは、特定の生産モードを伴う特定の希ガス同位体である。流体サンプルは、ヘリウムと異なる生産モードを有し得るヘリウムと異なる希ガス同位体にも関して試験され得る。いくつかの側面において、他の希ガス同位体の決定された生産量に対する決定された濃度の別の比率が、計算され、閾値に対して比較される。他の計算された比率が、閾値またはその近傍にある場合、この決定は、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることのさらなる確認であり得る。他の希ガス同位体の決定された生産量に対する決定された濃度の追加の計算された比率は、第1の計算された比率と比較されることもできる。この比較(例えば、計算された比率が、等しいまたは等しいに近い場合)も、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることのさらなる確認であり得る。
【0146】
説明されるように、異なる希ガス同位体は、異なる生産モードを有し得る。ヘリウムに関する例示的生産モードは、前述の通りである。代替側面において、ウランまたはトリウム崩壊からのアルファ粒子が放出されるとき、停止し、ヘリウム原子の核となる代わりに、それらは、頻繁に、他の元素(例えば、アルミニウム、シリコン、マグネシウム、酸素、およびフッ素)の核と衝突し、稀な事例(1:1,000万未満)では、元素によるアルファ粒子の捕捉をもたらす。アルファ粒子の捕捉は、他の稀な希ガス同位体の生産をもたらし得、それらも、これらの稀な同位体が地表下に蓄積している時間の長さを決定するために使用されることができる。
【0147】
例証的例として、3つの安定同位体:ネオン-20(Ne-20)、ネオン-21(Ne-21)、およびネオン-22(Ne-22)を有するネオンの希ガス同位体を想定する。これらの同位体の天然濃度は、それぞれ、90.48%、0.27%、および9.25%である。しかしながら、ネオンが、数百万年にわたって、地表下アルファ放射線にさらされると、アルファ粒子の吸収(主に、酸素、フッ素、およびマグネシウム同位体による)は、同位体の絶対濃度および互いに対するそれらの比率の両方を著しく変化させる。異なるネオン同位体の生産の率は、UまたはTh放射体の約40ミクロン半径内の標的同位体(この事例では、17O、18O、19F)の濃度に依存する。主な核反応は、17O(α,n)Ne-20、18O(α,n)Ne-21、および19F(α,n)Ne-22である。地表下における(α,n)反応を通したネオン同位体の生産は、その元の同位体存在度に対するNe-21の生産に著しく有利である。結果として、長期間にわたって、Ne-21の絶対および相対的存在度は、変化する。深層地下層では、Ne-21/Ne-22比は、0.027から0.6に増え、20倍増加することが観察されている。そのような同位体組成の著しい変化は、Ne-21の数十~数億年の蓄積に関する証拠を提供する。地下層における岩石が形成された後に超過が生産されたので、この超過Ne-21の存在は、ガスであるネオンに関する地下層の保持能力の尺度である。
【0148】
いくつかの地表下核原性反応(40Kから40Arへのベータ崩壊、Xe同位体の生産のための238Uの分裂、および他の反応)によって生産される他の希ガス、例えば、アルゴン、クリプトン、およびキセノンの濃度の追加の変化も、かん水の隔離および停滞に関する情報に寄与する。したがって、希ガスヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、およびキセノンの同位体の比率の測定は、地下層の流体隔離能力の推定をもたらす。したがって、いくつかの側面において、そのような推定は、地下層が、例えば、放射性廃棄物のための有害廃棄物処分場として好適であることの決定を提供し得る。これらの希ガス同位体系の各々は、異なる生産モードを有するので、各々は、深層かん水の流体隔離容量の独立した推定を提供する。深層地質学的層内のかん水の年代および隔離を推定するための独立した地質年代学的マーカとしての複数の希ガス同位体の使用は、年代および隔離推定の相互確認および検証の有力かつ統合されたシステムを提供する。
【0149】
本開示はまた、地下層からの流体サンプルからのクリプトン同位体の測定に基づいて、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するためのプロセスを説明する。例えば、図3Bに目を向けると、この図は、地下層からの流体サンプルからのクリプトン同位体の測定に基づいて、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセス310を図示する。いくつかの側面において、プロセス310は、流体試験システム122を含むシステム100によって、またはそれを用いて実装され得る。
【0150】
例えば、例示的実装では、地下層内の(例えば、層内のかん水等の液体中の)クリプトン-81(Kr-81)の量の測定が、地下層の有害廃棄物処分場としての好適性を決定するために使用され得る。例えば、深層地下層では、層の流体隔離能力の別の尺度は、(例えば、地表上の水域または浅層帯水層からの)地表水が、地下層におけるかん水と著しく混合していないことの決定を含み得る。この隔離の1つの尺度は、地球の大気中またはある深度の地表下近傍で生産される放射性核種がないことである。この隔離を実証するための一例示的放射性同位体は、特定の希ガス、すなわち、クリプトン-81(半減期229,000年)であり、それは、地球の表面に生産され、地表水内に組み込まれ、それとともに進行し、有意な地表下生産モードを有していない。地表水が、地下層におけるかん水と著しく混合している場合、Kr-81は、かん水中に測定可能量で存在するであろう。Kr-81が、地下層におけるかん水中で観察されない場合、年代限度が、高精度で決定され、ゼロレベルが決定されるであろう。この年代限度は、約1.5百万年であり得る。
【0151】
したがって、現在の測定感度において地下層の中に測定可能Kr-81がないことは、その地下層におけるかん水が、1.5百万年またはそれを上回って、地表または浅層帯水層から流動的に隔離されていることを示す。したがって、地下層におけるKr-81の測定は、地下層の流体隔離能力の推定をもたらし得る。したがって、いくつかの側面において、そのような推定は、地下層が、例えば、放射性廃棄物のために、有害廃棄物処分場として好適であることの決定を提供し得る。
【0152】
プロセス310は、ステップ311から開始し得、それは、試験掘削孔を地表から地下層まで形成することを含む。例えば、試験掘削孔104が、地表102から地下層110まで形成(例えば、掘削)され得る。プロセス310は、ステップ312において継続し得、それは、地下水サンプルを地下層から収集することを含む。いくつかの側面において、水サンプルは、かん水である。代替として、ステップ312は、地下流体サンプルを収集することを含み得る。いくつかの側面において、ステップ311および312は、以前に収集された地下流体サンプル(例えば、液体かん水)を識別することによって、置換または回避され得る。
【0153】
プロセス310は、ステップ313において継続し得、それは、地下水サンプル中のクリプトン同位体の濃度を決定することを含む。例えば、いくつかの側面において、Kr-81の濃度は、水(または流体)サンプルから決定され得る。いくつかの側面において、Kr-81は、非常まれであり得るので、水サンプルは、約10~100リットルであり得る。Kr-81濃度は、流体サンプル中のKr-81の個々の原子を捕獲し、これらの原子を計数するシステムである原子トラップトレース分析(ATTA)を使用して測定され得る。
【0154】
プロセス310は、ステップ314において継続し得、それは、クリプトン同位体の濃度が閾値未満であることを決定することを含む。例えば、地下流体サンプル中のKr-81の濃度が、決定されると、地表水サンプル中の既知のKr-81の濃度(例えば、閾値)と比較され得る。例えば、地表水サンプル中では、平均Kr-81濃度は、約1,300個の原子/リットルであり得る。約4~5半減期後(および80%抽出効率を考慮して)、1リットルあたり約60個の原子が残り得る。
【0155】
プロセス310は、ステップ315において継続し得、それは、少なくとも部分的に濃度が閾値より少ないことに基づいて、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることを決定することを含む。例えば、地下流体サンプル濃度が、地下層が好適な流体隔離能力を有するために十分に低い(すなわち、Kr-81が可動水または地表水層から離れるように地下層において隔離されている)ことを示すかどうかを決定するために、ATTAは、100リットルのサンプルを使用し得、したがって、その中に地下層が有害廃棄物処分場のために好適である例では、Kr-81の約6,000個の原子が残っているであろう。ATTAにおける計数効率は、約1~2%である。したがって、残っている6,000個の原子のうち、ATTAは、かん水サンプルから約60~120個の原子を計数するであろう。地下層からのかん水サンプル中のそのようなKr-81の濃度(すなわち、60~120計数)は、事実上、本明細書に説明されるKr-81分析に従って、地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを示す。
【0156】
プロセス310は、ステップ316において継続し得、それは、ステップ315の決定に基づいて、有害廃棄物処分場を地下層の中またはその下に生成する(または少なくとも有害廃棄物処分場の生成を開始する)ことを含む。プロセス310は、ステップ317において継続し得、それは、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵処分場の中に貯蔵することを含む。ステップ316および317のための例示的方法およびプロセスは、図2A-2Bおよび4を参照して説明される。
【0157】
本開示は、追加の同位体の分析も説明し、それらは、Cl-36、I-129、およびAr-39等の地表下核プロセスを通して形成され、かん水の年代および隔離を査定するさらに他の独立かつ相補的手段を提供し得る。例えば、ウランまたはトリウム崩壊からのアルファ粒子が、放出されると、停止し、ヘリウム原子の核となる代わりに、それらは、頻繁に、他の元素の核(例えば、アルミニウム、シリコン、マグネシウム、酸素、およびフッ素)と衝突し、これらの標的元素からの中性子の解放を引き起こす。ウランおよびトリウム濃度の測定は、全岩化学組成の推定または測定と組み合わせられ、地下層内の中性子束の流動の推定を可能にする。生産された中性子は、静止した状態になり、崩壊し得る(10.3分の半減期を伴う)が、より典型的に、生産された中性子は、層内の別の核上に吸収される。吸収の結果は、新しい同位体である。
【0158】
中性子が、いくつかの安定核上に吸収されると、それらは、不安定、すなわち、放射性元素を生成し得る。例えば、塩素-35(Cl-35)(塩素の最も豊富な安定同位体)の核上に吸収される中性子は、301,000年の半減期を伴う放射性原子である、塩素-36(Cl-36)を形成する。塩素のいずれも、層内の岩石を通して、運ばれない場合、または拡散されない場合、Cl-36の濃度は、生産率(中性子束およびCl-35濃度によって固定される)が、崩壊率(存在するCl-36の量に比例して増加する)に合致するまで、蓄積し続けるであろう。この同位体平衡比は、漸近的に到達されるが、その大部分は、Cl-36の4~5半減期、すなわち、1.2~1.5百万年後に遂行される。
【0159】
Cl-35およびCl-36のこの同位体平衡比は、Cl-35、ウラン、およびトリウムの存在度から、および地下層における岩石の化学組成から計算されることができる。しかしながら、この同位体平衡比は、塩素が地下層から漏れ出る(例えば、可動性の液体中において、例えば、地表に向かって移動する)場合、到達されないであろう。その場合、比率に関するより低い値は、層内の塩素原子の滞留時間が1.5百万年未満であることを示すであろう。いくつかの側面において、そのような比率は、Cl-36自体が地中廃棄物の漏出からの人間の健康への脅威であるので、地下層が有害廃棄物処分場として好適であるかどうかの決定に関して有益であり得る。したがって、塩素の同位体の比率の測定は、地下層の流体隔離能力の推定をもたらす。したがって、いくつかの側面において、そのような推定は、地下層が、例えば、放射性廃棄物のために、有害廃棄物処分場として好適であることの決定を提供し得る。
【0160】
他の同位体も、同様の方式において使用されることができる。これらのうちの1つは、ヨウ素-129(I-129)であり、それは、16百万年の半減期を有する。この同位体は、ウランおよびトリウムの分裂によって、地中で生産される。I-129は、4~5半減期または6~70,000万年以内に定常状態レベルに到達する。この定常状態レベルからの逸れは、ヨウ素が、数百万年またはそれ未満の時間規模で拡散していること、または運ばれていることを示し得る。したがって、ヨウ素の同位体の比率の測定は、地下層の流体隔離能力の推定をもたらす。したがって、いくつかの側面において、そのような推定は、地下層が、例えば、放射性廃棄物のために、有害廃棄物処分場として好適であることの決定を提供し得る。
【0161】
例示的実施形態によると、本明細書に説明されるような同位体平衡比の決定(例えば、例として、希ガス、塩素、ヨウ素に対する)は、中性子束を正確に計算することを含み得る(例えば、流体試験システム122によって)。例えば、中性子束は、ガンマ線束を決定することによって決定されることができる(例えば、坑内ガンマ線ロギング器具によって)。決定されたガンマ線束は、次いで、ウランまたはトリウム崩壊率(または両方)を推定するために使用されることができる。計算された崩壊率(または複数の率)から、アルファ粒子束が、決定されることができる。地下層から収集される1つ以上の岩石サンプルから、最も中性子を生成する、アルファ標的(例えばアルミニウム、シリコン、マグネシウム、または酸素のうちの1つ以上)の存在度の測定が、行われる。これらの測定から、中性子束は、十分な精度を伴って計算され、同位体平衡比決定が、次いで、地下層の流体隔離能力を推定するために使用されることを可能にすることができる。
【0162】
いくつかの側面において、高精度の中性子束決定が、有用である。中性子モニタを使用した地下層内の中性子束の直接測定は、不確実性を低減させ得る。いくつかの側面において、中性子束は、そのようなシステムが実践的であるためには少なすぎ、典型的に、数ヶ月の観察を要求し得る。
【0163】
本開示のいくつかの側面において、正確な中性子束が、地下層において生産される核工学同位体の濃度を決定することによって決定され得、その核工学同位体も、放射性であり、同位体は、測定されるとき、確実に同位体平衡の状態にあるであろう十分に短半減期を有する。例えば、そのような測定が平衡が到達される短時間に起因する中性子束を決定するので、流動に対し非常にわずかなロスしかないこともある。
【0164】
ある例示的実装では、同位体は、アルゴン-39(Ar-39)である。アルゴン-39は、中性子捕捉反応、39K(n,p)39Arから生産され、269年の半減期を有し得る。カリウム-39(K-39)は、最も豊富なカリウム同位体(93%)であり、鉱物を形成する岩石の最も一般的成分である。カリウム-39濃度は、Ar-39の測定およびK-39の既知の中性子捕捉断面と相まって、アルゴン-40(Ar-40)の同位体平衡濃度に到達するために必要とされる時間である約1,500年にわたって平均された地表下中性子束の直接的な尺度を提供する。直接的な測定によって確立されるこの中性子束推定は、次いで、より長い半減期放射性核種(例えば、Cl-36)および他の核原性安定同位体の生産率のための計算に適用されることができる。この方法は、中性子束の第1の原理推定およびガンマ線に基づく推測中性子束推定の両方に優るかなりの改良をもたらす。
【0165】
いくつかの側面において、中性子束は、説明される実装に従う決定における中間パラメータである。したがって、事実上、それは、同位体平衡の存在、したがって、他の同位体に対するAr-39の比率の測定であり、それは、使用のための有害廃棄物処分場としての層の好適性を決定する。
【0166】
本開示は、1つ以上の同位体の測定された中性子束に基づいて、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するためのプロセスも説明する。例えば、図3Cに目を向けると、この図は、特定の同位体の計算された中性子束と計算された中性子束に基づく第2の同位体の予測される生産率とに基づいて、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセス320を図示する。予測される生産率は、地下流体サンプルに見出される第2の同位体の濃度に対して比較される。いくつかの側面において、プロセス320は、流体試験システム122を含むシステム100によって、またはそれを用いて実装され得る。
【0167】
プロセス320は、ステップ321から開始し得、それは、試験掘削孔を地表から地下層まで形成することを含む。例えば、試験掘削孔104が、地表102から地下層110まで形成(例えば、掘削)され得る。プロセス320は、ステップ322において継続し得、それは、地下水サンプルを地下層から収集することを含む。いくつかの側面において、水サンプルは、かん水である。代替として、ステップ322は、地下流体サンプルを収集することを含み得る。いくつかの側面において、ステップ321および322は、以前に収集された地下流体サンプル(例えば、液体かん水)を識別することによって、置換または回避され得る。
【0168】
プロセス320は、ステップ323において継続し得、それは、地下層における第1の同位体の中性子束を決定することを含む。いくつかの側面において、第1の同位体は、Ar-39、Fe-59、Co-60、Ni-63、Kr-85、Ni-63、またはC-14のうちの1つであり得る。いくつかの側面において、中性子束は、地下層の全岩化学組成(例えば、地下層の単位体積あたりのウランまたはトリウム(または両方)の量)に従って決定され得る。いくつかの側面において、中性子束値は、ウランまたはトリウム(または両方)崩壊からのアルファ粒子の解放からの中性子捕捉を通してK-39から生産されるAr-39等の(比較的に)短半減期放射性同位体に関して決定され得る。したがって、地下層内のウランまたはトリウムの量を示す地下層の全岩化学組成は、Ar-39をK-39から生産するために解放される中性子の量を示す。この情報から、Ar-39に関する中性子束値が、決定されることができる。
【0169】
プロセス320は、ステップ324において継続し得、それは、少なくとも部分的に決定された中性子束に基づいて、地下層における第2の同位体の予測される生産率を計算することを含む。いくつかの側面において、第2の同位体は、Cl-36である。Cl-36の安定形態は、Cl-35である。いずれの場合も、いくつかの側面において、第1の同位体は、第2の同位体より短い半減期(例えば、数年)を有する。例えば、例えば、Ar-39に関する中性子束が、決定されると、この値は、例えば、Cl-36のような放射性同位体等の地下層内の他のより長い半減期の物質の予測される生産率を決定するために使用されることができる。
【0170】
プロセス320は、ステップ325において継続し得、それは、第2の同位体の安定形態の理論的生産率に対する第2の同位体の予測される生産率の第1の比率を計算することを含む。いくつかの側面において、例えば、Cl-36の予測される生産率と、それぞれの安定(または他の)同位体、例えば、Cl-35(またはCl)の予測される生産率との比率。この例では、安定同位体の予測される生産率は、地下層の全岩化学組成に基づき、地下層から外への安定同位体の移行がないと仮定する(すなわち、地下層が安定同位体から流動的に隔離されると仮定する)。
【0171】
プロセス320は、ステップ326において継続し得、それは、地下水サンプル中の第2の同位体および第2の同位体の安定形態のそれぞれの濃度を測定することを含む。例えば、ステップ344の地下層からの地下水(または流体)サンプルが、より長い半減期同位体およびより長い半減期同位体の安定形態の濃度を決定するために測定される。例えば、例えば、Cl-36、および、例えば、Cl-35(またはCl)の濃度が、それぞれ、決定される。
【0172】
プロセス320は、ステップ327において継続し得、それは、第2の同位体の安定形態の測定された濃度に対する第2の同位体の測定された濃度の第2の比率を計算することを含む。例えば、例えば、Cl-36の測定された濃度と、それぞれの安定(または他の)同位体、例えば、Cl-35(またはCl)の測定された濃度の比率が、決定される。
【0173】
プロセス320は、ステップ328において継続し得、それは、少なくとも部分的に第1の比率と第2の比率との比較に基づいて、地下層が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することを含む。例えば、第1の比率は、地下層が、十分な期間(例えば、数十、数百、数千、または数百万年)にわたって、その中の流体を他の層から隔離すると仮定することの比率を表すので、ステップ356の比較が等しいか、または等しいことから十分に小さい逸れ以内にある場合、地下層は、有害廃棄物処分場のために好適であると決定され得る。
【0174】
プロセス320は、ステップ329において継続し得、それは、ステップ328の決定に基づいて、有害廃棄物処分場を地下層の中またはその下に生成する(または少なくとも有害廃棄物処分場の生成を開始する)ことを含む。プロセス320は、ステップ330において継続し得、それは、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵処分場の中に貯蔵することを含む。ステップ329および330のための例示的方法およびプロセスは、図2A-2Bおよび4を参照して説明される。
【0175】
したがって、図3Cによる本開示の実装は、より長い半減期種の解釈のために、およびこれらの長半減期種が同位体平衡にあるかどうかの決定の較正を提供する目的のために、短半減期放射性同位体を使用し、それは、局所的中性子束によって生成されるが、流動または拡散によって枯渇させられないような比較的に短時間にわたって存在する。他の比較的に短半減期同位体も、Fe-59(44.5日の半減期)、Co-60(5.3年の半減期)、Ni-63(100年の半減期)、Kr-85(10.8年の半減期の半減期)、ニッケル-63(100年の半減期)、炭素-14(5,730年の半減期)、および中性子が地下層の岩石内の元素と衝突するときに生産されるその他等、Ar-39の代わりに使用され得る。
【0176】
ここで図3Dに目を向けると、この図は、地下流体の移動度(または移動がないこと)を示すための地表の下方の異なる垂直深度に位置する地下層における地下流体(例えば、かん水)中に同伴された1つ以上の放射性同位体の濃度の分析によって、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセス340を図示する。いくつかの側面において、プロセス340は、流体試験システム122を含むシステム100によって、またはそれを用いて実装され得る。
【0177】
例えば、プロセス340は、水が、数千~数百万年にわたって、地表からある深度まで移送されていないことのインジケータとして使用され得るその深度におけるある放射性同位体の濃度の測定を含み得る。例えば、いくつかの放射性同位体は、宇宙線によって生物圏内で生産される。ある深度におけるそのような放射性同位体のより低い濃度または不在は、表面からのそれらの移送が数半減期を要したことを示す。このアプローチのための例示的放射性同位体は、C-14、Cl-36、Kr-81、およびI-129を含む。
【0178】
しかしながら、これらの例は、上向き移行ではなく、放射性同位体の下向き移行に関する限度を与え得る。2つの限度は、連結され得るが、例えば、放射性同位体の上向き移行に限度を課す地下ゾーンにおける水移動度の決定を行うことも有利である。
【0179】
概して、プロセス340は、地表からの深度関数として水の体積(例えば、リットル)あたりの1つ以上の放射性核種の濃度を測定し、測定に基づいて、地下ゾーン内の上向き水移動度を決定することを含む例示的実装を説明する。例えば、地下深くの放射性同位体は、いくつかの源から生じる。いくつかの例は、以下を含む:(1)ある深度まで移行した生物圏内で生産された放射性同位体、(2)太陽系の層内で生成され、それらの長い半減期により依然として地質学的層内に存在する原始放射性同位体(例えば、U-238、U-235、Th-232、およびK-40を含む)、(3)原始放射性同位体から地下深くで生産された二次放射性同位体(I-131(ウランおよびトリウム分裂からの分裂断片)を含む)、および中性子吸収から生産された放射性同位体(Cl-36を含む)。
【0180】
プロセス340のいくつかの側面において、(1)または(2)、またはそれらの両方の放射性同位体が、測定され得る。そのような放射性同位体に関する測定は、上向き放射性同位体移行に関する決定および限度を提供することができる。次いで、この決定は、水サンプルが採取された地下ゾーンの有害廃棄物処分場としての好適性を決定するために使用されることができ、有害廃棄物処分場において、有害廃棄物(例えば、使用済み核燃料または高レベル廃棄物等の核廃棄物)が、深層の人間が占有不能な掘削孔に貯蔵され得る。
【0181】
プロセス340は、ステップ341から開始し得、それは、試験掘削孔を地表から第1および第2の岩石層を通して(すなわち、地表の下方に)形成することを含む。例えば、試験掘削孔104は、地表102から地下層108および110を通して形成(例えば、掘削)され得る。いくつかの側面において、第1および第2の岩石層は、地下層に隣接(例えば、接触)して位置する。いくつかの側面において、第1および第2の岩石層は、1つ以上の介在地下層によって分離され得る。いくつかの側面において、第1および第2の岩石層は、単一の岩石タイプを備え得るが、異なる層内にあり得る。
【0182】
プロセス340は、ステップ342において継続し得、それは、第1の水サンプルを地表の下方の第1の深度における第1の岩石層から収集することを含む。いくつかの側面において、水サンプルは、かん水である。代替として、ステップ342は、流体サンプルを収集することを含み得る。いくつかの側面において、ステップ341および342は、第1の岩石層から以前に収集された水サンプル(例えば、液体かん水)を識別することによって、置換または回避され得る。
【0183】
プロセス340は、ステップ343において継続し得、それは、第1の水サンプル中の特定の放射性同位体の第1の濃度を決定することを含む。いくつかの側面において、特定の同位体は、ウラン(U)および/またはトリウム(Th)であり得る。いくつかの側面において、濃度は、ガンマ線ログを使用して、例えば、地表からの深度の関数として自然ガンマ線を測定する坑内坑井ボアロギングツールを使用して、決定されることができる。そのようなログは、いくつかの岩石(例えば、頁岩)が、典型的に、他の岩石タイプ(例えば、石灰石)より高いこれらの同位体の濃度を有するので、典型的に、岩石タイプの証拠として解釈される。ガンマ線の一部は、K-40から生じ(粘土中で高い)、その他は、ウランおよびトリウムから生じる。いくつかの側面において、隔離決定の目的のために、ガンマ線ログが、岩石層内の上向き水移動度の程度の初期インジケータとして使用され得る。したがって、ステップ343は、Uおよび/またはThの濃度を第1の岩石層から採取されたコアサンプルから決定することも含み得る。
【0184】
別の例として、特定の放射性同位体は、カリウム40であり得、それは、K-40と省略され、カリウムと同様の輸送特性を有する元素に関するトレーサとしての役割も果たす。ステップ343は、したがって、第1の水サンプル中のK-40の濃度を決定することを含み得る。
【0185】
他の例として、Cl-36およびI-129の両方が、特定の放射性同位体であり得る。これらの放射性同位体は、U-238の自発分裂に起因して、地中で生産される。したがって、Cl-36およびI-129の高レベルは、頁岩等の層に見出されることが予期され、それらは、ウランにおいて高い。ヨウ素は、典型的に、直接分裂断片であるが、塩素は、分裂からの中性子が豊富かつ安定した同位体Cl-35上に吸収されるときに生産される。ステップ343は、したがって、第1の水サンプル中のCl-36および/またはI-129の濃度を決定することを含み得る。
【0186】
プロセス340は、ステップ344において継続し得、それは、第2の水サンプルを第1の深度より深い地表の下方の第2の深度における第2の岩石層から収集することを含む。いくつかの側面において、水サンプルは、かん水である。代替として、ステップ344は、流体サンプルを収集することを含み得る。いくつかの側面において、ステップ344は、第2の岩石層から以前に収集された水サンプル(例えば、液体かん水)を識別することによって、置換または回避され得る。
【0187】
プロセス340は、ステップ345において継続し得、それは、第2の水サンプル中の特定の放射性同位体の第2の濃度を決定することを含む。ステップ345は、いくつかの側面において、ステップ343に類似し得るが、第1の水サンプルではなく、第2の水サンプルを用いる。したがって、ステップ345に続いて、地表下の2つの異なる深度における特定の放射性同位体の決定された2つの濃度が存在する。
【0188】
プロセス340は、ステップ346において継続し得、それは、少なくとも部分的に第2の濃度が第1の濃度を規定されたパーセンテージ上回ることに基づいて、第2の岩石層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることを決定することを含む。いくつかの側面において、規定されたパーセンテージは、例えば、50%またはそれを上回ってもよい。
【0189】
プロセス340は、ステップ347において継続し得、それは、ステップ346の決定に基づいて、有害廃棄物貯蔵処分場を第2の岩石層の中またはその下に生成する(または少なくとも有害廃棄物処分場の生成を開始する)ことを含む。プロセス340は、ステップ348において継続し得、それは、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵処分場の中に貯蔵することを含む。ステップ347および348のための例示的方法およびプロセスは、図2A-2Bおよび4を参照して説明される。
【0190】
説明されるように、プロセス340の例示的実装は、特定の放射性同位体が、より浅い岩石層に対してより深い岩石層において、より高度に濃縮されていることを示すことによって、より深い岩石層が、所望の時間持続時間(例えば、数十、数百、数千、または数百万年)にわたって、特定の放射性同位体をより深い岩石層内に流動的に隔離していることを示す。そのような情勢は、より深い岩石層が有害廃棄物処分場として好適であることを示し得る。
【0191】
例えば、放射性同位体がK-40である場合、第1の岩石層の上方に低濃度のK-40を伴う第2の岩石層を伴う高濃度のK-40(水の体積あたりの原子で測定される)を有する第1の岩石層の存在は、第1の岩石層内のK-40が上向きに可動ではないことの指示を提供する。別の例として、ウラン/トリウムが低い層の下方にこれらの高元素を伴う深層の存在は、より深い層内で殆どまたは全く上向き水(すなわち、UまたはThを含む)移動度を示さないこともある。例えば、高U/Th濃度を伴う層の上方の低U/Th濃度層の存在は、ウランおよびトリウムが数百万年の期間にわたって上向きに移動していないことの指示を与える。そのような決定は、ウランおよびトリウム同位体が、廃棄された燃料から解放される場合、表面に急速に移行しないであろうことを示すために有用である。ウランまたはトリウムに加え、アメリシウム等のウランおよびトリウムのそれと同様の化学的特性を有する他の放射性同位体も、上で説明されるように測定され得る。
【0192】
別の例として、上向き水流の推定は、有害廃棄物が貯蔵されるべき層の上方にある岩石層内のCl-36およびI-129レベルを測定することによって、行われることができる。これらの同位体の移送のための主要機構は、移動水による移送であり得るので、測定は、選択された層における水の体積あたりの濃度(原子の数)として行われるべきである。実質的に第2のより深い岩石レベルにおける濃度未満である第1の岩石層における濃度は、第2の岩石層から第1の層への水の移送が測定された放射性同位体の半減期より時間がかかることのインジケータである。いくつかの側面において、Cl-36およびI-129の両方の流動は、塩素およびヨウ素が、可変期間にわたって、周囲岩石上に吸収され、後に解放され得るので、それらを運ぶ水の流動より低速であり得る。しかしながら、核廃棄物の廃棄のために、重要な数値は、水(無害であり得る)の流動の速度ではなく、放射性同位体の流動の速度である。特に、放射性同位体Cl-36およびI-129は、それらが、核廃棄物中に豊富であり、長半減期であるので、懸念される。その理由から、自然に生じるCl-36およびI-129の上向き流動の測定は、水(または他の流体)の実際の流動より、安全に(例えば、上向き漏出を伴わずに)そのような核廃棄物を貯蔵する(例えば、数千または数百万年までではないにしても、数百年にわたって)ための地下層の好適性により直接的に関連する。
【0193】
ここで図3Eに目を向けると、この図は、地表の下方の異なる垂直深度に位置する地下層における地下流体(例えば、かん水)中に同伴された1つ以上の放射性同位体の永続的平衡を決定し、地下流体の移動度(または、移動がないこと)を示すことによって、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセス350を図示する。いくつかの側面において、プロセス350は、流体試験システム122を含むシステム100によって、またはそれを用いて実装され得る。
【0194】
例えば、プロセス350は、特定の地下層(すなわち、岩石層)が核廃棄物のための有害廃棄物処分場として好適であるかどうかを決定する目的のために、地下流体の移動に限度を課すために塩素、ヨウ素、およびヘリウムの自然同位体の濃度を分析し得る。これらの同位体の垂直プロファイルの測定は、過去のかん水の垂直流動の率を決定することができる。そのような測定は、形成が有害廃棄物処分場として好適であるかどうかを決定すること、例えば、率が十分に低く、任意の可動水/かん水が漏出される核廃棄物を地表に向かって運ばないであろうことを示すかどうかを決定することに役立ち得る。
【0195】
説明されるように、岩石層は、微量レベルのUおよびThを継続する。これらの元素の主要成分は、45億年(U-238)および14億年(Th-232)の半減期を伴って放射性である。これらの放射性同位体は、主に、アルファ放出によって崩壊するが、ウラン同位体238および235の自発分裂からの寄与が存在する。これらの同位体の放射性崩壊は、長い半減期により、数百万年にわたって一定である。放射性崩壊は、二次放射性同位体の一定生産率をもたらす。
【0196】
特に、UおよびThは、塩素-36(Cl-36)およびヨウ素-129(I-129)の一定生産につながる。Cl-36の生産は、複雑なプロセスである。主要生産は、いくつかのステップの結果である:ウランまたはトリウム原子が、放射性崩壊を受け、アルファ粒子を放出する。アルファが、岩石の中に存在する別の元素(ナトリウムまたはマグネシウム等)と衝突し、それは、多くの場合、中性子放出をもたらす。最後に、中性子は、塩素の安定同位体Cl-35によって吸収され、放射性同位体Cl-36を生産する。
【0197】
Cl-36が、安定している場合、その寄与は、高まり続けるであろう。しかしながら、それは、300,000年の半減期を伴って放射性である。この崩壊は、Cl-36のための一次枯渇源であり、何ら特定の岩石層から漏れ出さない場合、その岩石層内のCl-36のレベルは、「永続的平衡」と称される値に到達し、永続的平衡において、生産率は、崩壊率に等しい。永続的平衡は、深層地下層において捕獲され、隔離された水中で観察されている。これらのかん水中のCl-36の観察されるレベルは、約30%正確度を伴って、岩石および水の化学および同位体構成を使用して永続的平衡レベルを計算することによって予期されるレベルと一致する。しかしながら、平衡値は、例えば、流体流動、すなわち、「流動漏出」によって、Cl-36の喪失が存在する場合、シフトするであろう。
【0198】
静水圧平衡のため、任意の漏出されたかん水は、新しいかん水によって置換される。シフトは、漏出される成分に取って代わるかん水が、より低い生産率(ウランおよびトリウムが低減させられた濃度を有すること、または、中性子生産が中性子生産標的原子のより低い濃度から低減させられることによる)を伴う岩石から生じる場合、Cl-36のレベルを低減させ得る。
【0199】
プロセス350は、ステップ351から開始し得、それは、試験掘削孔を地表から第1および第2の岩石層を通して(すなわち、地表の下方に)形成することを含む。例えば、試験掘削孔104は、地表102から地下層108および110を通して形成(例えば、掘削)され得る。いくつかの側面において、第1および第2の岩石層は、地下層に隣接(例えば、接触)して位置する。いくつかの側面において、第1および第2の岩石層は、1つ以上の介在地下層によって分離され得る。いくつかの側面において、第1および第2の岩石層は、単一の但し、異なる層内にある、岩石タイプを備えてもよい。
【0200】
プロセス350は、ステップ352において継続し得、それは、第1の水サンプルを地表の下方の第1の深度における第1の岩石層から収集することを含む。いくつかの側面において、水サンプルは、かん水である。代替として、ステップ352は、流体サンプルを収集することを含み得る。いくつかの側面において、ステップ351および351は、第1の岩石層から以前に収集された水サンプル(例えば、液体かん水)を識別することによって、置換または回避され得る。
【0201】
プロセス350は、ステップ353において継続し得、それは、第1の水サンプル中の特定の放射性同位体の第1の濃度を決定することを含む。ある例では、特定の放射性同位体は、Cl-36である。Cl-36の濃度は、直接、第1の水サンプルから測定され得る。代替実施形態では、第1の水サンプル中のCl-36の濃度は、第1の岩石層内の中性子束の直接測定を用いて実施され得る。例えば、これは、中性子モニタ(例えば、有線、作業ストリング、または他の坑内運搬機上に)を掘削孔の中に通し、深度の関数として中性子を検出することによって行われることができる。Cl-36を生成するこれらの中性子は、測定された束値および通常の塩素35の容易に測定された濃度を生成する。次いで、第1の岩石層におけるCl-36の濃度が、決定されることができる。
【0202】
他の例示的実施形態では、放射性同位体は、I-129であって、ステップ353は、第1の水サンプル中のI-129の濃度の決定を含む。例えば、この同位体は、いくつかの方法において、但し、例えば、1kmの深度において、層内で自然に生産される。主要方法は、層に見出される微量のウラン235の自発分裂である。ヨウ素129は、約160万年の半減期を有し、ウラン生産が崩壊率+任意の流動損失に合致する永続的平衡に到達するにも同様にかかる。
【0203】
別の例示的実施形態では、I-129の濃度を評価するために、ヨウ素パルスが、評価される層が、比較的に若い(例えば、1億年未満)場合、評価されることができる。この方法は、有機物が炭化水素に変換するときに生成されるヨウ素のパルスに基づく。このパルスは、生体内に存在する非常に高濃度のヨウ素から派生し、それは、有機物が後に炭化水素を生産するときに解放される。ヨウ素は、水自体中の濃度と比較して、典型的に、4,500倍、海洋有機物中に高度に濃縮されている。炭化水素成熟中のヨウ素の解放は、固有のI-129/I-127の年代特徴を伴うヨウ素のパルスを生成する。そのような深層有機層から動員されるヨウ素は、層を通して上向きに移行し得る。ヨウ素パルスの存在およびその固有の年代は、炭化水素に関する源層の年代を制約するために使用されることができる。炭化水素生産中に解放されたI-129濃度は、概して、背景I-129永続的平衡濃度よりはるかに高いので、この古いヨウ素パルス(I-129/I-127の年代特徴を維持する)の移動は、岩石層を通して上向きに決定および追跡されることができる。
【0204】
いくつかの例示的実施形態では、特定の放射性同位体は、ヘリウム(He)であって、ステップ353は、第1の水サンプル中のHeの濃度を決定することを含む。例えば、深度の関数としてのHeガスの測定は、この非常に可動性の元素に関する層の隔離を示すことができる。ヘリウムに関する高い進行速度を見出すことは、放射性同位体Cl-36およびI-129が岩石を通して迅速に移動することを必ずしも意味せず、低速度がHeに関して見出される場合、それは、岩石が非常に緊密であることの指示であり得る。塩素およびヨウ素は、一般に、ヘリウムより遅い速度で移動するであろう。
【0205】
ヘリウムは、主に、ウラン238、ウラン235、および/またはトリウム232のアルファ崩壊から層内に生成され得る。ヘリウムは、安定しているので、崩壊せず、濃度は、主に、漏出率に依存する。ヘリウムの生産は、ウランおよびトリウム同位体の密度から計算されることができる。次いで、ステップ353において測定されたヘリウムの濃度は、ヘリウムガスの停滞に関する直接結果を与える。いくつかの事例では、ヘリウムガス流動は、塩素またはヨウ素より高速で生じることが予期される。したがって、ヘリウムの流動速度が、遅いことが見出される場合、それは、層に関する隔離の高い程度(例えば、地表または地下水源からの流体隔離)のインジケータであり得る。
【0206】
プロセス350は、ステップ354において継続し得、それは、第2の水サンプルを第1の深度より深い地表の下方の第2の深度における第2の岩石層から収集することを含む。いくつかの側面において、水サンプルは、かん水である。代替として、ステップ354は、流体サンプルを収集することを含み得る。いくつかの側面において、ステップ354は、以前に収集された水サンプル(例えば、液体かん水)を第2の岩石層から識別することによって、置換または回避され得る。
【0207】
プロセス350は、ステップ355において継続し得、それは、第2の水サンプル中の特定の放射性同位体の第2の濃度を決定することを含む。ステップ355は、いくつかの側面において、ステップ353に類似し得るが、第1の水サンプルではなく、第2の水サンプルを用いる。したがって、ステップ355に続いて、地表下の2つの異なる深度における特定の放射性同位体の決定された2つの濃度が存在する。
【0208】
プロセス350は、ステップ356において継続し得、それは、特定の放射性同位体の第1の濃度と第2の濃度との比率に基づいて、第2の水サンプル中の特定の放射性同位体が永続的平衡にあることを決定することを含む。いくつかの側面において、特定の同位体が永続的平衡にあることの決定は、比率が1であること、またはそれに近いことの決定を含む。例えば、特定の放射性同位体が、ウランであるときのいくつかの側面において、永続的平衡レベルは、ステップ353および355において決定されたウランの濃度から計算されることができる。1から離れるような濃度の比率からの任意の測定された逸れは、岩石内のI-129の流動の指示であり得る。岩石内の深度の関数としてのI-129の測定は、I-129が、停滞しているかどうか、または人間の安全性にとって懸念となるほど十分に高い(例えば、地表または地下水源に到達するほど十分に高い)速度で流動しているかどうかを決定することができる。ヨウ素濃度対深度の測定は、いくつかの地質学的層を横断したヨウ素の濃度勾配を決定するために使用されることができる。ヨウ素勾配は、次いで、層を通したヨウ素の拡散または伝導性流動速度を推定するために使用されることができる。ヨウ素に関する低速上向き移動率は、岩石地層が、長期間にわたってI-129を保持し得、有害廃棄物処分場内における核廃棄物廃棄のためのホスト層のために好適であり得ることの指示をもたらす。
【0209】
ある例では、特定の同位体がCl-36であるとき、Cl-36の濃度の比率は、ステップ353および355において、深度の関数として測定され得る。これから、見られる任意の変動性が、局所的(例えば、1つの層内または2つ以上の層間の)永続的平衡と一貫するかどうかが決定され得る。例えば、提案される廃棄層(例えば、有害廃棄物処分場が、方向性掘削孔内に、またはそれとともに形成される層)の上方の地下層が、低ウランおよびトリウム含有量を有し、局所的永続的平衡と一貫するより低い濃度のCl-36も示す場合、その事実は、Cl-36が、下側廃棄層からこの上側層の中に漏出しないことの強力な証拠を提供し、それは、隔離(したがって、処分場としての好適性)のインジケータを提供する。他方で、観察されるCl-36レベルが、永続的平衡から予期されるより高い場合、それは、下方からの漏出の可能なインジケータであり、下側層の隔離が、流動によって損なわれる(したがって、処分場として好適ではない)ことを示す。
【0210】
プロセス350は、ステップ357において継続し得、それは、特定の放射性同位体が永続的平衡にあることの決定に基づいて、第2の岩石層形成が有害廃棄物処分場として好適であることを決定することを含む。
【0211】
プロセス350は、ステップ358において継続し得、それは、ステップ357の決定に基づいて、有害廃棄物貯蔵処分場を第2の岩石層の中またはその下に生成する(または少なくとも有害廃棄物処分場の生成を開始する)ことを含む。プロセス350は、ステップ359において継続し得、それは、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵処分場の中に貯蔵することを含む。ステップ358および359のための例示的方法およびプロセスは、図2A-2Bおよび4を参照して説明される。
【0212】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるプロセス350の特性は、かん水自体ではなく、Cl-36の流動速度に関する限度を課すことである。かん水が流動するとき、溶解された塩素は、岩石と相互作用し、より低い速度で流動することができる。したがって、プロセス350の例示的実施形態は、水のそれではなく、塩素(または他の放射性同位体)の流動を測定する。いくつかの側面において、塩素の移動は、人間の安全のためにより重要な考慮点のうちの1つであり得る。放射性廃棄物自体が、その最も有害な成分のうちの1つとして、Cl-36を有する:Cl-36流動の直接測定は、したがって、水流動の測定より関連する。この考慮点では、本開示の実施形態は、安全性のための潜在的要件に緊密に結び付けられる。何故なら、安全性のための潜在的要件が、公衆の安全性に最大の影響を及ぼす地表および/または地下水源(例えば、飲用に適した水またはその他)に到達するためにCl-36が要する時間であるからである。Cl-36の進行速度は、放射性物質の多くが、地表または地下水源に到達することに先立って、崩壊しているであろう(300,000年のその半減期を伴って)ほど十分に低速であることが重要である。
【0213】
いくつかの側面において、選択された地下ゾーン(例えば、第2の岩石層)は、地表と有害物質処分場が位置する地下層との間の深度における「キャップ層」を含み得る。いくつかの側面において、キャップ層は、それを通した全てまたは実質的に全ての流体流動を防止し得る。例えば、上向きに可動性のヘリウムが停止させられるキャップ層が存在する場合、それは、より深い深度における廃棄が確実な隔離をもたらす(例えば、放射性廃棄物が有害物質処分場から地表まで流動することを防止する)ことのインジケータとしても捉えられ得る。ヘリウムは、Cl-36またはI-129または他の長半減期放射性同位体より層内で可動性である傾向にあるので、キャップ層の存在は、処分場のために使用される第2の岩石層が漏出される放射性同位体のための上向き流動経路を含む場合でも、地質学的隔離を提供し得る。
【0214】
本開示は、地下流体サンプルが収集される試験掘削孔等の坑井ボアを形成するために使用される掘削流体に添加されたトレーサ流体の測定に基づいて、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するためのプロセスも説明する。例えば、図3Fに目を向けると、この図は、地下層からの流体サンプルからのトレーサ流体の測定に基づいて、有害廃棄物処分場としての地下層の好適性を決定するための例示的プロセス360を図示する。いくつかの側面において、プロセス360は、流体試験システム122を含むシステム100によって、またはそれを用いて実装され得る。
【0215】
深層かん水の年代は、炭素-14、塩素-36、ヨウ素-131、および/または宇宙線から地表上で生産される他の放射性同位体のレベルを測定することによって、推定されることができる。これらの放射性同位体のうちの1つ以上のレベルが、地表に関してよりある深度でより低い場合、地表水が、放射性同位体の半減期によって決定される期間にわたってかん水を保持する岩石層へ下向きに流動していないと結論付けられ得る。「地表水」は、本開示では、1950年代および1960年代に行われた大気核爆弾試験に起因する放射性同位体の人工的増加を有していない地表水域またはより浅い帯水層からの水を意味する。
【0216】
例えば、地下水中のヨウ素-129レベルが、地表水中で観察されるヨウ素-129レベルの半分未満である場合、かん水は、最低でも、160万年であるヨウ素-129の半減期と同程度に古いと結論付けられ得る。この年代測定は、160万年にわたって、地表水と地下水との間で流体連通していないこと(例えば、可動水がその間を流動していないこと)、したがって、地下水を保持する岩石層を好適な有害廃棄物処分場として確立することの結論を可能にし得る。
【0217】
地下水は、汚染のリスクを被り得る。例えば、深層坑井から得られた地下水は、掘削プロセスにおいて使用される水(例えば、掘削泥中で使用される水)と混合されていることもある。そのような汚染は、典型的に、掘削において使用される水が、典型的に、より高い放射性同位体含有量を有する地表水であるので、年代の過少推定につながる。したがって、いくつかの側面において、地下水と掘削泥中の地表水の汚染は、汚染されたかん水を保持する、地下層が、有害廃棄物処分場として好適ではないという誤った決定につながり得る。
【0218】
プロセス360は、ステップ361から開始し得、それは、試験掘削孔を地表から地下層まで形成することを含む。例えば、試験掘削孔104が、地表102から地下層110まで形成(例えば、掘削)され得る。プロセス360は、ステップ362において継続し得、それは、地下水サンプルを地下層から収集することを含む。いくつかの側面において、水サンプルは、かん水である。代替として、ステップ362は、地下流体サンプルを収集することを含み得る。いくつかの側面において、ステップ361および362は、以前に収集された地下流体サンプル(例えば、液体かん水)を識別することによって、置換または回避され得る。
【0219】
プロセス360は、ステップ363において継続し得、それは、地下水サンプル中のトレーサ流体の濃度を決定することを含む。例えば、試験掘削孔(または他の掘削孔または坑井ボア)のための掘削プロセスにおいて使用される掘削流体(例えば、掘削泥)が、トレーサ(すなわち、掘削流体中に溶解し、それ自体は、地下層内の深層岩石表面に沈殿しない、または付着しないもの)と混合され得る。したがって、地下水サンプルは、特定の量または濃度のトレーサを含み得る。トレーサの例は、チオシアン酸塩(多くの場合、SCNと省略される)およびフルオロ安息香酸(FBA)を含む。いくつかの色素トレーサは、検出性の容易性(フルオロメータを使用して)の特性、および非常に少量の色素(例えば、十億分の1)が容易に検出され得るという事実を含み得る。3つの潜在的色素は、ローダミン、ピラニン、およびスルホローダミンである。他のトレーサも、可能である。
【0220】
プロセス360は、ステップ364において継続し得、それは、トレーサ流体の決定された濃度を閾値濃度に対して比較することを含む。例えば、閾値は、地下水(または流体)サンプル中に殆どまたは全くトレーサ汚染が存在しないことを示すように選択され得る。
【0221】
プロセス360は、ステップ365において継続し得、それは、トレーサ流体の決定された濃度が閾値未満であることに基づいて、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場を備えていることを決定することを含む。例えば、トレーサがない場合、または低い(例えば、所定の閾値を下回る)場合、掘削泥の一部である地表水からの汚染が、ないこと、または低いことが決定され得る。そのような決定では、地下層は、有害廃棄物(例えば、核廃棄物)処分場として好適であると決定され得る。
【0222】
いくつかの側面において、プロセス360は、直接、ステップ365から366に継続し得る。代替側面において、他の試験は、プロセス360の一部として実施され得る。例えば、いくつかの側面において、例えば、加速器質量分析法(AMS)システムまたはレーザベースの共鳴イオン化(安定同位体Kr-80、Kr-82、Kr-84、またはKr-86のうちの1つの放射性同位体Kr-81を測定する)を用いたさらなる試験が、放射性同位体の濃度を決定し、地下水サンプルの正確な年代を決定するために開始され得る。年代が、容認可能である(それによって、地下層への地表水の移動が存在していないことを示す)場合、その層は、有害廃棄物(例えば、核廃棄物)処分場として好適であると確認され得る。
【0223】
プロセス360は、ステップ366において継続し得、それは、ステップ365の決定に基づいて、有害廃棄物処分場を地下層の中またはその下に生成する(または少なくとも有害廃棄物処分場の生成を開始する)ことを含む。プロセス360は、ステップ367において継続し得、それは、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵処分場の中に貯蔵することを含む。ステップ366および367のための例示的方法およびプロセスは、図2A-2Bおよび4を参照して説明される。
【0224】
図2Aは、本開示による、埋蔵または回収動作中の有害廃棄物物質の長期(例えば、数十、数百、または数千年、またはそれを上回る)であるが回収可能な安全かつ確実な貯蔵のための有害廃棄物物質貯蔵処分場、例えば、地下場所の例示的実装の概略図である。有害廃棄物物質貯蔵処分場は、例えば、本開示に説明されるように、地下水の放射性同位体試験に基づいて、地下層108または110の一方または両方が好適であることの決定に続いて、形成および動作させられ得る。
【0225】
図2Aに目を向けると、この図は、埋蔵(または下記に説明されるような回収)プロセス中、例えば、地下層内への有害廃棄物物質の1つ以上のキャニスタの配備中の例示的有害廃棄物物質貯蔵処分場システム200を図示する。図示されるように、有害廃棄物物質貯蔵処分場システム200は、地表102から、地下層106、108、および110を通して形成される(例えば、掘削または別様に)掘削孔204を含む。いくつかの側面において、掘削孔204は、図1に示される試験掘削孔104と同じであり得る。代替として、掘削孔204は、試験掘削孔104の拡大(例えば、広げられた、または再掘削された)バージョンであり得る。代替として、掘削孔204は、地下層106、108を通して、110の中に形成される別個の掘削孔であり得る。
【0226】
図示される掘削孔204は、有害廃棄物物質貯蔵処分場システム200のこの例では、方向性掘削孔である。例えば、掘削孔204は、円弧または湾曲部分208に結合されたアクセス掘削孔206を含み、湾曲部分208は、次に、貯蔵掘削孔210に結合される。この例では、貯蔵掘削孔210は、水平である。代替として、湾曲部分208は、排除され得、貯蔵掘削孔210は、垂直アクセス掘削孔204に結合し、連続した垂直掘削孔を形成する垂直掘削孔であり得る。代替として、湾曲部分208は、方向における90度の変化と異なり得、その場合、貯蔵掘削孔210は、傾けられ得る。
【0227】
図示される掘削孔204は、この例では、地表102から地中の特定の深度まで掘削孔204の周囲に位置付けられ、固化された表面ケーシング220を有する。例えば、表面ケーシング220は、浅い層において、掘削孔204の周囲に固化された(例えば、セメントで固められた)比較的に大径管状部材(または部材のストリング)であり得る。本明細書で使用される場合、「管状」は、円形断面、楕円形断面、または他の成形断面を有する部材を指し得る。例えば、有害廃棄物物質貯蔵処分場システム200のこの実装では、表面ケーシング220は、地表から表面層106を通して延びている。いくつかの側面において、表面ケーシング220は、掘削孔204を地表水源から隔離し得、他のケーシングストリングが掘削孔204内に据え付けられるための吊り場所も提供し得る。
【0228】
図示されるように、生産ケーシング222は、掘削孔204内で、表面ケーシング220の坑内側に位置付けられ、固化される。「生産」ケーシングと称されるが、この例では、ケーシング222は、炭化水素生産動作を経験していることも、経験していないこともある。したがって、ケーシング222は、側の掘削孔204内で、表面ケーシング220の坑内側に設置される任意の形態の管状部材を指し、それを含む。有害廃棄物物質貯蔵処分場システム200のいくつかの例では、生産ケーシング222は、円弧部分108の端部から開始し、傾斜部分110全体を通して延び得る。ケーシング222は、円弧部分108の中および垂直部分106の中にも延び得る。
【0229】
示されるように、セメント230が、ケーシング220および222の周囲で、ケーシング220および222と掘削孔204との間の環状体内に位置付けられる(例えば、圧送される)。セメント230は、例えば、ケーシング220および222(および掘削孔204の任意の他のケーシングまたはライナ)を地表102の下の地下層を通して固定し得る。いくつかの側面において、セメント230は、ケーシング(例えば、ケーシング220および222および任意の他のケーシング)の全長に沿って据え付けられ得るか、または、セメント230は、特定の掘削孔204のために適正である場合、ケーシングのある部分に沿って使用され得る。いくつかの側面において、セメントは、完全に省略され得る。セメント230は、使用される場合、キャニスタ226内の有害廃棄物物質のための閉じ込めの追加の層を提供することもできる。
【0230】
掘削孔204の貯蔵掘削孔部分210は、有害廃棄物物質が長期貯蔵のために回収可能に設置され得る部分210の遠位部内に貯蔵エリアを含む。例えば、示されるように、作業ストリング224(例えば、管類、コイル状管類、ワイヤライン、またはその他)が、ケーシングされた掘削孔204の中に延長され、1つ以上の(3つが、示されるが、より多いまたはより少ないものが存在し得る)有害廃棄物物質キャニスタ226を部分210内の長期であるが、いくつかの側面において、回収可能な貯蔵部の中に設置し得る。例えば、図2Aに示される実装では、作業ストリング224は、キャニスタ226に結合する坑内ツール228を含み得、掘削孔204の中への各工程で、坑内ツール228は、特定の有害廃棄物物質キャニスタ226を貯蔵掘削孔部分210内に埋蔵し得る。
【0231】
坑内ツール228は、いくつかの側面において、ねじ山付き接続またはラッチ接続等の他のタイプの接続によって、キャニスタ226に結合し得る。代替側面において、坑内ツール228は、坑内ツール228の回転(または線形移動または電気または油圧スイッチ)がキャニスタ226に掛止(またはそこから掛止解除)し得るように、相互係止ラッチを用いて、キャニスタ226に結合し得る。代替側面において、坑内ツール228は、1つ以上の磁石(例えば、希土類磁石、電磁石、それらの組み合わせ、またはその他)を含み得、それは、キャニスタ226に誘引結合する。いくつかの例では、キャニスタ226はまた、坑内ツール228上の磁石と反対の極性の1つ以上の磁石(例えば、希土類磁石、電磁石、それらの組み合わせ、またはその他)を含み得る。いくつかの例では、キャニスタ226は、坑内ツール228の磁石に誘引可能な鉄または他の物質から作製される、またはそれを含み得る。キャニスタ226を移動させるための代替技法も、使用され得る。
【0232】
図2Aは、掘削孔204の貯蔵掘削孔部分210内の有害廃棄物物質の回収動作の例も図示する。回収動作は、坑内ツール228(例えば、採場ツール)が、掘削孔204の中に通され、最後に埋蔵されたキャニスタ226に結合され(例えば、ねじ式、掛止、磁石によって、または別様に)、キャニスタ226を地表102まで引っ張り得るように、埋蔵動作の逆であり得る。複数の回収工程が、複数のキャニスタを掘削孔204の貯蔵掘削孔部分210から回収するために、坑内ツール228によって行われ得る。
【0233】
各キャニスタ226は、有害廃棄物物質を封入し得る。そのような有害廃棄物物質は、いくつかの例では、生物学的または化学的廃棄物または他の生物学的または化学的有害廃棄物物質であり得る。いくつかの例では、有害廃棄物物質は、原子炉(例えば、商業用電力または試験反応器)から回収される使用済み核燃料または防衛用核物質等の核物質を含み得る。例えば、ギガワット規模核プラントは、年間、30トンの使用済み核燃料を生産し得る。その燃料の密度は、典型的に、核廃棄物の年間体積が約3mであるような約10(10gm/cm=10kg/リットル)である。使用済み核燃料は、核燃料ペレットの形態において、反応器から採取され、修正されないこともある。核燃料ペレットは、固体であるが、それらは、三重水素(13年の半減期)、クリプトン-85(10.8年の半減期)、およびC-14(5,730年の半減期)を含む二酸化炭素を含む種々の放射性ガスを含み、放出し得る。
【0234】
いくつかの側面において、地下層108または110の一方または両方は、いくらかの放射性産物(例えば、ガス)をその中に含み得る(そのような産物がキャニスタ226から漏れ出る場合でも)。例えば、地下層108または110の一方または両方は、図1および3を参照して説明されるように、地下水試験の試験結果に基づいて、放射性産物を含むことが示され得る。
【0235】
他の基準も、本明細書に説明されるような地下水試験に加え、地下層108または110がいくらかの放射性産物(例えば、ガス)をその中に含むことを決定するために使用され得る。例えば、地下層108または110の一方または両方は、層108または110を通した放射性産物の拡散時間に基づいて選択され得る。例えば、地下層108または110から漏れ出る放射性産物の最小拡散時間は、例えば、核燃料ペレットの任意の特定の成分に関する半減期の50倍に設定され得る。最小拡散時間としての50半減期は、放射性産物の量を1×10-15倍で低減させるであろう。別の例として、最小拡散時間を30半減期に設定することは、放射性産物の量を十億倍で低減させるであろう。
【0236】
例えば、プルトニウム-239は、多くの場合、24,200年のその長い半減期により、使用済み核燃料における有害廃棄物生成物と見なされる。この同位体に関して、50半減期は、1.2百万年となるであろう。プルトニウム-239は、水中で低可溶性を有し、揮発性ではなく、固体として、その拡散時間は、図示される地下層108または110(例えば、頁岩または他の層)を備えている岩石層の基層を通して、非常に短い(例えば、数百万年)。例えば、頁岩から成る地下層108または110は、数百万年にわたってガス状炭化水素(例えば、メタンおよびその他)を含む地質学的歴史によって示されるように、そのような隔離時間(例えば、数百万年)を有する能力をもたらし得る。対照的に、従来の核物質貯蔵方法では、一部のプルトニウムが、閉じ込めからの漏れ出し時、移動地下水を備えている層中に溶解し得る危険が存在した。
【0237】
いくつかの側面において、掘削孔204は、有害廃棄物物質の長期貯蔵の主要目的のために形成され得る。代替側面において、掘削孔204は、炭化水素生産(例えば、油、ガス)の主要目的のために事前に形成されていることもある。例えば、地下層108または110の一方または両方は、炭化水素が掘削孔204および地表102の中に生産される炭化水素産出層であり得る。いくつかの側面において、地下層108または110は、炭化水素生産に先立って、油圧破壊されていたこともある。さらにいくつかの側面において、生産ケーシング222は、油圧破壊に先立って、掘削されていてもよい。そのような側面において、生産ケーシング222は、有害廃棄物物質の埋蔵動作に先立って、穿孔プロセスから作製される任意の孔を修理するために継ぎを当てられ(例えば、セメントで固められ)得る。加えて、ケーシングと掘削孔との間のセメント内の任意の亀裂または開口部も、その時点で充填されることができる。
【0238】
例えば、有害廃棄物物質としての使用済み核燃料の場合、掘削孔は、その場所も頁岩層等の適切な地下層108または110を含むことを所与として、特定の場所、例えば、原子力プラントの近傍に、新しい掘削孔として形成され得る。代替として、すでにシェールガスを生産している既存の坑井または「枯渇」として廃棄されたもの(例えば、現場のガスが商業用開発のためには少なすぎる、十分に低い有機物量を伴う)が、掘削孔204として選択され得る。いくつかの側面において、掘削孔204を通した地下層108または110の以前の油圧破壊は、掘削孔204の有害廃棄物物質貯蔵能力に殆ど差異をもたらしないこともある。しかし、そのような以前の活動も、数百万年にわたってガスおよび他の流体を貯蔵する地下層108または110の一方または両方の能力を確認し得る。したがって、有害廃棄物物質または有害廃棄物物質の産物(例えば、放射性ガスまたはその他)が、キャニスタ226から漏れ出し、地下層108または110の破壊層に進入するようなことがある場合、そのような破壊は、その物質が、破壊のそれとサイズが匹敵する距離にわたって、比較的に急速に拡散することを可能にし得る。いくつかの側面において、掘削孔204は、炭化水素の生産のために掘削されていたが、そのような炭化水素の生産は、失敗していた。何故なら、例えば、地下層108または110の一方または両方が、生産のためにあまりに靭性があり、破壊が困難であるが、有害廃棄物物質の長期貯蔵のために有利な靭性がある岩石層(例えば、頁岩またはその他)を備えていたからである。
【0239】
図2Bは、本開示による、貯蔵および監視動作中の有害廃棄物物質貯蔵処分場200の例示的実装の概略図である。例えば、図2Bは、長期貯蔵動作における有害廃棄物物質貯蔵処分場200を図示する。1つ以上の有害廃棄物物質キャニスタ226が、掘削孔204の貯蔵掘削孔部分210内に位置付けられる。シール234が、貯蔵掘削孔部分210内のキャニスタ226の場所と地表102(例えば、坑井ヘッド)におけるアクセス掘削孔206の開口部との間の掘削孔204内に設置される。この例では、シール234は、湾曲部分108の坑口側端部に設置される。代替として、シール234は、アクセス掘削孔206内、湾曲部分208内、またはさらにキャニスタ226の貯蔵掘削孔部分210の坑口側の別の場所に位置付けられ得る。いくつかの側面において、シール234は、少なくとも、地表水層106等の地表水の任意の源より深く設置され得る。いくつかの側面において、シール234は、実質的にアクセス掘削孔206の全長に沿って形成され得る。
【0240】
図示されるように、シール234は、キャニスタ226を貯蔵する貯蔵掘削孔110の容積を地表102におけるアクセス掘削孔206の開口部から流動的に隔離する。したがって、キャニスタ226から漏れ出る任意の有害廃棄物物質(例えば、放射性物質)は、シールされ得る(例えば、液体、ガス、または固体有害廃棄物物質が、掘削孔104から漏れ出さないように)。シール234は、いくつかの側面において、掘削孔204内に位置付けられるか、または、形成されるセメントプラグまたは他のプラグであり得る。別の例として、シール234は、掘削孔204内に位置付けられた1つ以上の膨張可能または別様に拡張可能パッカから形成され得る。別の例として、シール234は、岩石およびベントナイトの組み合わせから形成され得る。別の例として、シール234は、粘土が豊富な頁岩等の近傍の層に見出される岩石と組成物が類似する岩石から形成され得る。
【0241】
回収動作(例えば、図2Aを参照して議論されるように)に先立って、シール234は、除去され得る。例えば、セメントまたは他の恒久的に固化されたシール234の場合、シール234は、掘削または別様にミリングされ得る。パッカ等の半恒久的または除去可能シールの場合、シール234は、公知のように、従来のプロセスを通して、掘削孔204から除去され得る。
【0242】
監視動作は、キャニスタ226の長期貯蔵中、実施され得る。例えば、いくつかの側面において、キャニスタ226内の有害廃棄物物質の長期貯蔵中、1つ以上の変数を監視することが有利であり得、または、要求され得る。ある例では、監視システムは、掘削孔204内(例えば、貯蔵掘削孔210内)に設置され、ケーブル(例えば、電気、光学、油圧、またはその他)を通して、または非ケーブル方法(例えば、音響信号)を通して、監視制御システムに通信可能に結合される1つ以上のセンサを含む。センサは、ケーシングの外側に設置されるか、または、ケーシングが掘削孔204内に据え付けられる前にケーシングの中に構築することさえされ得る。センサは、ケーシングの外側にも配置され得る。
【0243】
センサは、例えば、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、地震活動、またはそれらの組み合わせ等の1つ以上の変数を監視し得る。そのような変数に関連するデータ値は、ケーブルに沿って、監視制御システムに伝送され得る。監視制御システムは、次に、データを記録し、データ内の傾向(例えば、温度の上昇、放射性レベルの上昇)を決定し、データを国内のセキュリティまたは環境センタの場所等の他の監視場所に送信し得、さらに、自動的に、そのようなデータまたは傾向に基づいて、措置(例えば、キャニスタ226の回収)を推奨し得る。例えば、特定の閾値レベルを上回る掘削孔204内の温度または放射性レベルの上昇は、回収推奨をトリガし、例えば、キャニスタ226が放射性物質を漏出しないことを確実にし得る。いくつかの側面において、センサとキャニスタ226の1対1の比率が存在し得る。代替側面において、キャニスタ226あたり複数のセンサが存在し得るか、または、より少ないものが存在し得る。
【0244】
図4は、水が放射性同位体濃度パーセンテージに関して試験された地下層内に有害廃棄物物質を貯蔵するためのプロセス400の例示的実装を図示するフローチャートである。プロセス400は、ステップ402から開始し得、それは、地表の中に延びている掘削孔の入口を通して、貯蔵キャニスタを移動させることを含む。貯蔵キャニスタは、化学的、生物学的、または核廃棄物、または別の有害廃棄物物質等の有害廃棄物物質を封入する。いくつかの側面において、貯蔵キャニスタは、直接、有害廃棄物物質を掘削孔の現場にもたらす輸送モード(例えば、トラック、電車、レール、またはその他)から、入口内に位置付けられ得る。いくつかの側面において、輸送中の有害廃棄物物質のパッケージングは、入口の中への貯蔵キャニスタの移動のために除去されない。いくつかの側面において、そのような輸送パッケージングは、貯蔵キャニスタが完全に掘削孔に進入してからのみ除去される。
【0245】
プロセス400は、ステップ404に継続し得、それは、実質的に垂直な部分と、移行部分と、実質的に水平な部分とを含む掘削孔を通して、貯蔵キャニスタを移動させることを含む。いくつかの側面において、掘削孔は、方向性または傾斜掘削孔である。貯蔵キャニスタは、種々の様式において、掘削孔を通して移動させられ得る。例えば、ツールストリング(例えば、管状作業ストリング)またはワイヤラインは、貯蔵キャニスタに結合し、貯蔵キャニスタを入口から掘削孔の水平部分に移動(例えば、押動)させる、坑内ツールを含み得る。別の例として、貯蔵キャニスタは、掘削孔、例えば、ケーシングされた掘削孔内に据え付けられたレール上に乗せられ得る。さらに別の例として、貯蔵キャニスタは、掘削孔トラクター(例えば、モータ式または電動式トラクター)を用いて、掘削孔を通して移動させられ得る。別の例では、トラクターは、貯蔵キャニスタの一部として構築され得る。なおもさらなる例として、貯蔵キャニスタは、掘削孔を通して循環させられる流体(例えば、ガスまたは液体)を用いて、掘削孔を通して移動させられ得る。
【0246】
プロセス400は、ステップ406において継続し得、それは、貯蔵キャニスタを有害廃棄物処分場として好適であると決定されている、地下層内またはその下方に位置する貯蔵エリアの中に移動させることを含む。例えば、掘削孔の水平部分は、貯蔵エリアを含むか、または、それに結合され得、地下層を通して形成され得る。いくつかの側面において、地下層は、層を越えた(例えば、垂直にまたは水平に)任意の有害廃棄物物質の漏れ出しに対して流体シール(例えば、ガスおよび液体)を提供する1つ以上の地質学的品質(本明細書に説明されるプロセスのうちの1つ以上によって証明されている)を含み得る。
【0247】
プロセス400は、ステップ408に継続し得、それは、掘削孔の貯蔵部分を掘削孔の入口から隔離するシールを掘削孔内に形成することを含む。例えば、貯蔵キャニスタが、貯蔵エリアの中に移動させられると(または全ての貯蔵キャニスタが、貯蔵エリアの中に移動させられた後)、シールが、掘削孔内に形成され得る。シールは、セメントプラグ、膨張可能シール(例えば、パッカ)、岩石およびベントナイトの混合物を含む領域、または他のシール、またはそのようなシールの組み合わせであり得る。いくつかの側面において、シールは、貯蔵キャニスタの後の回収動作を促進するように、除去可能である。
【0248】
プロセス400は、ステップ410に継続し得、それは、貯蔵エリアに近接して位置付けられたセンサから、貯蔵キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を監視することを含む。変数は、(例えば、掘削孔内、貯蔵キャニスタの外側、岩石層内、または別様に)有害廃棄物物質の存在を示す温度、放射性、地震活動、酸素、水蒸気、酸性度、または他の変数のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの側面において、1つ以上のセンサは、掘削孔内に位置付けられた貯蔵キャニスタ上、掘削孔内に据え付けられたケーシング内、または掘削孔に近接する岩石層内に取り付けられ得る。センサは、いくつかの側面では、貯蔵エリアから離れた別個の掘削孔(例えば、別の水平または垂直掘削孔)内にも据え付けられ得る。
【0249】
プロセス400は、ステップ412に継続し得、それは、監視された変数を地表において記録することを含む。例えば、1つ以上のセンサにおいて受信される変数データは、地表における監視システムに伝送され得る(例えば、導体上または無線で)。監視システムは、種々の動作を実施し得る。例えば、監視システムは、監視される変数のうちの1つ以上の履歴を記録し得る。監視システムは、記録される変数データにおける傾向分析を提供し得る。別の例として、監視システムは、監視される変数の各々のための1つ以上の閾値限度を含み、そのような閾値限度を超えると、指示を提供し得る。
【0250】
プロセス400は、ステップ414に継続し得、それは、監視される変数が閾値を超えるかどうかを決定することを含む。例えば、1つ以上のセンサは、掘削孔内の放射能、例えば、アルファまたはベータ粒子、ガンマ光線、X線、または中性子であるかどうかにかかわらず、有害廃棄物物質によって放出される放射線の量を監視し得る。センサは、例えば、キューリー(Ci)および/またはベクレル(Bq)、ラド、グレー(Gy)の測定単位、または他の放射線の単位において、放射能の量を決定し得る。放射能の量が、例えば、貯蔵キャニスタからの有害核物質の大きい漏出を示すであろう閾値を超えない場合、プロセス400は、ステップ410に戻り得る。
【0251】
決定が、「はい」である場合、プロセス400は、サブステップ416に継続し得、それは、シールを掘削孔から除去することを含む。例えば、いくつかの側面において、閾値(または値)を超えると、回収動作が、シールを除去することによって始動され得る。代替側面において、閾値の超過は、自動的に、回収動作または掘削孔シールの除去をトリガしないこともある。いくつかの側面において、複数の監視される変数が存在し得、「はい」決定は、全ての監視される変数がそれらのそれぞれの閾値を超える場合のみ、行われる。代替として、「はい」決定は、少なくとも1つの監視される変数がそのそれぞれの閾値を超える場合、行われ得る。
【0252】
プロセス400は、ステップ418に継続し得、それは、貯蔵キャニスタを貯蔵エリアから地表まで回収することを含む。例えば、シールが、除去される(例えば、掘削される、または地表まで除去される)と、作業ストリングは、点検、修理、またはその他のために、掘削孔の中に通され、貯蔵キャニスタを除去し得る。いくつかの側面において、シールを掘削孔から除去し、貯蔵キャニスタを回収するのではなく、他の是正措置が、講じられ得る。例えば、決定が、ステップ414において「はい」である場合、有害廃棄物物質を回収するのではなく、決定は、シールを改良するために行われ得る。これは、例えば、ベントナイト、セメント、または他のシーラントをボア孔の中に注入し、以前にガスで充填された空間を充填することによって行われ得る。
【0253】
図5は、本開示による、例示的コントローラ500(または制御システム)の概略図である。例えば、コントローラ500は、前述の動作のために、例えば、図3A-3Fおよび4に説明されるプロセスのうちの任意の1つのステップの全てまたはいくつかを実装するように、使用されることができる。
【0254】
コントローラ500は、印刷回路基板(PCB)、プロセッサ、デジタル回路網、またはその他等の種々の形態のデジタルコンピュータを含むように意図される。加えて、システムは、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ等のポータブル記憶媒体を含むことができる。例えば、USBフラッシュドライブは、オペレーティングシステムおよび他のアプリケーションを記憶し得る。USBフラッシュドライブは、別のコンピューティングデバイスのUSBポートの中に挿入され得る無線送信機またはUSBコネクタ等の入力/出力コンポーネントを含むことができる。
【0255】
コントローラ500は、プロセッサ510と、メモリ520と、記憶デバイス530と、入力/出力デバイス540とを含む。コンポーネント510、520、530、および540の各々は、システムバス550を使用して互いに接続される。プロセッサ510は、コントローラ500内での実行のための命令を処理することが可能である。プロセッサは、いくつかのアーキテクチャのいずれかを使用して設計され得る。例えば、プロセッサ510は、CISC(複合命令セットコンピュータ)プロセッサ、RISC(縮小命令セットコンピュータ)プロセッサ、またはMISC(最小限の命令セットコンピュータ)プロセッサであり得る。
【0256】
1つの実装では、プロセッサ510は、シングルスレッドプロセッサである。別の実装では、プロセッサ510は、マルチスレッドプロセッサである。プロセッサ510は、メモリ520内または記憶デバイス530上に記憶される命令を処理し、入力/出力デバイス540上のユーザインターフェースのためのグラフィカル情報を表示することが可能である。
【0257】
メモリ520は、情報をコントローラ500内に記憶する。1つの実装では、メモリ520は、コンピュータ読み取り可能な媒体である。1つの実装では、メモリ520は、揮発性メモリユニットである。別の実装では、メモリ520は、不揮発性メモリユニットである。
【0258】
記憶デバイス530は、コントローラ500のための大容量記憶を提供することが可能である。1つの実装では、記憶デバイス530は、コンピュータ読み取り可能な媒体である。種々の異なる実装では、記憶デバイス530は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、テープデバイス、フラッシュメモリ、ソリッドステートデバイス(SSD)、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0259】
入力/出力デバイス540は、コントローラ500のための入力/出力動作を提供する。1つの実装では、入力/出力デバイス540は、キーボードおよび/またはポインティングデバイスを含む。別の実装では、入力/出力デバイス540は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するためにディスプレイユニットを含む。
【0260】
説明される特徴は、デジタル電子回路網内に、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせ内に実装されることができる。装置は、プログラマブルプロセッサによる実行のために、情報キャリア内に、例えば、機械読み取り可能な記憶デバイス内に有形に具現化されるコンピュータプログラム製品内に実装されることができ、方法ステップは、プログラマブルプロセッサが、命令のプログラムを実行し、入力データに作用し、出力を発生させることにより、説明される実装の機能を実施することによって実施されることができる。説明される特徴は、有利なこととして、データ記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスに結合され、データおよび命令をそれらから受信し、データおよび命令をそれらに伝送する少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能な1つ以上のコンピュータプログラム内に実装されることができる。コンピュータプログラムは、直接または間接的に、コンピュータ内で使用され、あるアクティビティを実施する、またはある結果をもたらし得る命令の組である。コンピュータプログラムは、コンパイルまたは解釈型言語を含むプログラミング言語の任意の形態で書き込まれることができ、独立型プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境において使用するために好適な他のユニットとしてを含む任意の形態で展開されることができる。
【0261】
命令のプログラムの実行のために好適なプロセッサは、例として、一般的および特殊目的の両方のマイクロプロセッサ、および任意の種類のコンピュータの単一のプロセッサまたは複数のプロセッサのうちの1つを含む。概して、プロセッサは、命令およびデータを読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたは両方から受信するであろう。コンピュータの不可欠な要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1つ以上のメモリである。概して、コンピュータはまた、データファイルを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイスを含むか、または、それと通信するように動作可能に結合されるであろう。そのようなデバイスは、磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスク、光磁気ディスク、および光ディスクを含む。コンピュータプログラム命令およびデータを有形に具現化するために好適な記憶デバイスは、あらゆる形態の不揮発性メモリを含み、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、ソリッドステートドライブ(SSD)、およびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補完される、またはその中に組み込まれることができる。
【0262】
ユーザとの相互作用を提供するために、特徴が、ディスプレイデバイス、例えば、情報をユーザに表示するためのCRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)またはLED(発光ダイオード)モニタと、それによってユーザが入力をコンピュータに提供することができる、キーボードおよびポインティングデバイス、例えば、マウスまたはトラックボールとを有するコンピュータ上に実装されることができる。加えて、そのようなアクティビティは、タッチ画面フラットパネルディスプレイおよび他の適切な機構を介して実装されることができる。
【0263】
特徴は、バックエンドコンポーネント、例えば、データサーバを含むか、または、ミドルウェアコンポーネント、例えば、アプリケーションサーバまたはインターネットサーバを含むか、または、フロントエンドコンポーネント、例えば、グラフィカルユーザインターフェースまたはインターネットブラウザを有するクライアントコンピュータを含むか、または、それらの任意の組み合わせを含む制御システム内にも実装されることができる。システムのコンポーネントは、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信、例えば、通信ネットワークによって接続されることができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、ピアツーピアネットワーク(アドホックまたは静的部材を有する)、グリッドコンピューティングインフラストラクチャ、およびインターネットを含む。
【0264】
本明細書は、多くの具体的実装詳細を含むが、これらは、任意の発明または請求され得る内容の範囲に関する限定ではなく、むしろ、特定の発明の特定の実装に具体的である特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実装の文脈において本明細書に説明されるある特徴は、単一実装において組み合わせて実装されることもできる。逆に言えば、単一実装の文脈に説明される種々の特徴は、別個にまたは任意の好適な副次的組み合わせにおいて、複数の実装で実装されることもできる。さらに、特徴は、ある組み合わせにおいて作用するように上で説明され、最初に、そのように請求さえされ得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、ある場合、組み合わせから除去されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。
【0265】
同様に、動作は、特定の順序において図面に描写されるが、それは、示される特定の順序で、または順次順序において、そのような動作が実施されることを要求するものとして、または全ての図示される動作が、望ましい結果を達成するために実施されるものとして理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上で説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実装においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一ソフトウェア製品内にともに統合される、または複数のソフトウェア製品の中にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0266】
本開示による、第1の例示的実装は、第1の水サンプルを地表の下方の第1の深度における第1の岩石層から収集することと、第1の水サンプル中の特定の放射性同位体の第1の濃度を決定することと、第2の水サンプルを第1の深度より深い地表の下方の第2の深度における第2の岩石層から収集することと、第2の水サンプル中の特定の放射性同位体の第2の濃度を決定することと、第2の濃度が第1の濃度を規定されたパーセンテージ上回ることに基づいて、第2の岩石層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることを決定することとを含む方法を含む。
【0267】
第1の例示的実装と組み合わせ可能な側面は、第2の岩石層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることの決定に基づいて、アクセス掘削孔を地表から第2の岩石層に向かって形成することをさらに含む。
【0268】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、特定の放射性同位体は、U-238、U-235、Th-232、K-40、I-129、またはCl-36のうちの少なくとも1つを含む。
【0269】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、規定されたパーセンテージは、少なくとも50パーセントである。
【0270】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1の水サンプルを収集することは、試験掘削孔内の坑内ツールを動作させ、第1のコアサンプルを第1の岩石層から収集することと、第1のコアサンプルを地表まで回収することと、第1の水サンプルを第1のコアサンプルから除去することとを含む。
【0271】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の水サンプルを収集することは、試験掘削孔内の坑内ツールを動作させ、第2のコアサンプルを第2の岩石層から収集することと、第2のコアサンプルを地表まで回収することと、第2の水サンプルを第2のコアサンプルから除去することとを含む。
【0272】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、試験掘削孔を地表から第2の岩石層まで形成することをさらに含む。
【0273】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、試験掘削孔は、垂直掘削孔を備えている。
【0274】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、頁岩層を備えている。
【0275】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、不浸透性層を備えている。
【0276】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、10,000年またはそれを上回る有害廃棄物物質の漏出に関する時間定数によって定義される漏出障壁を備えている。
【0277】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、炭化水素または二酸化炭素算出層を備えている。
【0278】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、第2の岩石層の中またはその下における有害廃棄物貯蔵処分場の生成を開始することをさらに含む。
【0279】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層の中またはその下における有害廃棄物貯蔵処分場の生成を開始することは、アクセス掘削孔を地表から第2の岩石層に向かって形成することと、アクセス掘削孔に結合された貯蔵掘削孔を第2の岩石層の中またはその下に形成することとを含み、貯蔵掘削孔は、有害廃棄物貯蔵エリアを備えている。
【0280】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、アクセス掘削孔は、垂直掘削孔を備えている。
【0281】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、アクセス掘削孔は、試験掘削孔は、アクセス掘削孔の一部を備えている。
【0282】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔は、湾曲部分と水平部分とを備えている。
【0283】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、少なくとも約200フィートの有害廃棄物物質貯蔵エリアに近い厚さを備えている。
【0284】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、有害廃棄物物質の半減期に基づく時間量にわたって第2の岩石層を通した有害廃棄物物質の拡散を阻止する有害廃棄物物質貯蔵エリアに近い厚さを備えている。
【0285】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、地表またはそれに近接する場所から、アクセス掘削孔および貯蔵掘削孔を通して、貯蔵掘削孔の有害廃棄物物質貯蔵エリアの中に延びているケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔内に据え付けることをさらに含む。
【0286】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、ケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔にセメントで固めることをさらに含む。
【0287】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、アクセス掘削孔を形成することに続いて、炭化水素流体を第2の岩石層から、アクセス掘削孔を通して、地表まで生産することをさらに含む。
【0288】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することをさらに含む。
【0289】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することは、地表の中に延びているアクセス掘削孔の入口を通して、貯蔵キャニスタを移動させることであって、入口は、少なくとも地表に近接し、貯蔵キャニスタは、有害廃棄物物質を封入するようにサイズを決定された内部空洞を備えている、ことと、アクセス掘削孔を通して貯蔵掘削孔の中に貯蔵キャニスタを移動させることと、貯蔵掘削孔を通して有害廃棄物貯蔵エリアまで貯蔵キャニスタを移動させることとを含む。
【0290】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物貯蔵エリアをアクセス掘削孔の入口から隔離するシールをアクセス掘削孔または貯蔵掘削孔のうちの少なくとも1つ内に形成することをさらに含む。
【0291】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質は、使用済み核燃料を備えている。
【0292】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の貯蔵キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を備えている。
【0293】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、貯蔵掘削孔の有害廃棄物物質貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することをさらに含む。
【0294】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔の有害廃棄物物質貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、シールを除去することと、貯蔵キャニスタを有害廃棄物物質貯蔵エリアから地表まで回収することとを含む。
【0295】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔の有害廃棄物物質貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、貯蔵キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を有害廃棄物物質貯蔵エリアに近接して位置付けられたセンサから監視することと、監視された変数を地表において記録することとを含む。
【0296】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、監視される変数は、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、または地震性活動のうちの少なくとも1つを備えている。
【0297】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、監視された変数が閾値を超えていることに基づいて、シールを除去することと、貯蔵キャニスタを有害廃棄物物質貯蔵掘削孔部分から地表まで回収することとをさらに含む。
【0298】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、第1または第2の水サンプルのいずれかを収集することに先立って、第1または第2の岩石層のうちの少なくとも1つから出力される複数のガンマ線を測定することと、測定に基づいて、第1または第2の水サンプルのうちの少なくとも1つを収集することとをさらに含む。
【0299】
本開示による、第2の例示的実装は、地表の下方の第1の深度における第1の岩石層からの第1の水サンプル中の特定の放射性同位体の第1の濃度を決定することと、第1の深度より深い地表の下方の第2の深度における第2の岩石層からの第2の水サンプル中の特定の放射性同位体の第2の濃度を決定することと、特定の放射性同位体の第1の濃度と第2の濃度との比率に基づいて、第2の水サンプル中の特定の放射性同位体が永続的平衡にあることを決定することと、第2の水サンプル中の特定の同位体が永続的平衡にあることの決定に基づいて、第2の岩石層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることを決定することとを含む方法を含む。
【0300】
第2の例示的実装と組み合わせ可能な側面は、第2の岩石層が有害廃棄物貯蔵処分場として好適であることの決定に基づいて、アクセス掘削孔を地表から第2の岩石層に向かって形成することをさらに含む。
【0301】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、特定の放射性同位体は、I-129、He、またはCl-36のうちの少なくとも1つを備えている。
【0302】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、特定の同位体の第1および第2の濃度を決定することは、第1の岩石層の第1の深度における第1の中性子束を測定し、第1の濃度を決定することと、第2の岩石層の第2の深度における第2の中性子束を測定し、第2の濃度を決定することとを含む。
【0303】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の水サンプル中の特定の放射性同位体が永続的平衡にあることを決定することは、測定された第1の中性子束と第2の中性子束とを比較することを含む。
【0304】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、第1の水サンプルを第1の岩石層の中に形成された試験掘削孔から収集することをさらに含む。
【0305】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1の水サンプルを収集することは、試験掘削孔内の坑内ツールを動作させ、第1のコアサンプルを第1の岩石層から収集することと、第1のコアサンプルを地表まで回収することと、第1の水サンプルを第1のコアサンプルから除去することとを含む。
【0306】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、第2の水サンプルを第2の岩石層の中に形成された試験掘削孔から収集することをさらに含む。
【0307】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の水サンプルを収集することは、試験掘削孔内の坑内ツールを動作させ、第2のコアサンプルを第2の岩石層から収集することと、第2のコアサンプルを地表まで回収することと、第2の水サンプルを第2のコアサンプルから除去することとを含む。
【0308】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、試験掘削孔を地表から第2の岩石層まで形成することをさらに含む。
【0309】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、試験掘削孔は、垂直掘削孔を備えている。
【0310】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、頁岩層を備えている。
【0311】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、不浸透性層を備えている。
【0312】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、10,000年またはそれを上回る有害廃棄物物質の漏出に関する時間定数によって定義される漏出障壁を備えている。
【0313】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、炭化水素または二酸化炭素算出層を備えている。
【0314】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、第2の岩石層の中またはその下における有害廃棄物貯蔵処分場の生成を開始することをさらに含む。
【0315】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層の中またはその下における有害廃棄物貯蔵処分場の生成を開始することは、アクセス掘削孔を地表から第2の岩石層に向かって形成することと、アクセス掘削孔に結合された貯蔵掘削孔を第2の岩石層の中またはその下に形成することとを含む。貯蔵掘削孔は、有害廃棄物貯蔵エリアを含む。
【0316】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、アクセス掘削孔は、垂直掘削孔を備えている。
【0317】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、アクセス掘削孔は、アクセス掘削孔の一部を備えている試験掘削孔である。
【0318】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔は、湾曲部分と水平部分とを備えている。
【0319】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、少なくとも約200フィートの有害廃棄物物質貯蔵エリアに近い厚さを備えている。
【0320】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層は、有害廃棄物物質の半減期に基づく時間量にわたって第2の岩石層を通した有害廃棄物物質の拡散を阻止する有害廃棄物物質貯蔵エリアに近い厚さを備えている。
【0321】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、地表またはそれに近接する場所から、アクセス掘削孔および貯蔵掘削孔を通して、貯蔵掘削孔の有害廃棄物物質貯蔵エリアの中に延びているケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔内に据え付けることをさらに含む。
【0322】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、ケーシングをアクセス掘削孔および貯蔵掘削孔にセメントで固めることをさらに含む。
【0323】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、アクセス掘削孔を形成することに続いて、炭化水素流体を第2の岩石層から、アクセス掘削孔を通して、地表まで生産することをさらに含む。
【0324】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することをさらに含む。
【0325】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質を有害廃棄物貯蔵エリア内に貯蔵することは、地表の中に延びているアクセス掘削孔の入口を通して、貯蔵キャニスタを移動させることであって、入口は、少なくとも地表に近接し、貯蔵キャニスタは、有害廃棄物物質を封入するようにサイズを決定された内部空洞を備えている、ことと、アクセス掘削孔を通して貯蔵掘削孔の中に貯蔵キャニスタを移動させることと、貯蔵掘削孔を通して有害廃棄物貯蔵エリアまで貯蔵キャニスタを移動させることとを含む。
【0326】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、有害廃棄物貯蔵エリアをアクセス掘削孔の入口から隔離するシールをアクセス掘削孔または貯蔵掘削孔のうちの少なくとも1つ内に形成することをさらに含む。
【0327】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質は、使用済み核燃料を備えている。
【0328】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵キャニスタは、坑内ツールストリングまたは別の貯蔵キャニスタのうちの少なくとも1つに結合するように構成された接続部分を備えている。
【0329】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、貯蔵掘削孔の有害廃棄物物質貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することをさらに含む。
【0330】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔の有害廃棄物物質貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、シールを除去することと、貯蔵キャニスタを有害廃棄物物質貯蔵エリアから地表まで回収することとを含む。
【0331】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、貯蔵掘削孔の有害廃棄物物質貯蔵エリア内に貯蔵された有害廃棄物物質を監視することは、貯蔵キャニスタに関連付けられた少なくとも1つの変数を有害廃棄物物質貯蔵エリアに近接して位置付けられたセンサから監視することと、監視された変数を地表において記録することとを含む。
【0332】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、監視される変数は、放射線レベル、温度、圧力、酸素の存在、水蒸気の存在、液体水の存在、酸性度、または地震性活動のうちの少なくとも1つを備えている。
【0333】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、監視された変数が閾値を超えていることに基づいて、シールを除去することと、貯蔵キャニスタを有害廃棄物物質貯蔵掘削孔部分から地表まで回収することとをさらに含む。
【0334】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、永続的平衡は、特定の同位体の生産率が特定の同位体の崩壊率に等しい比率を備えている。
【0335】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、特定の放射性同位体の第1の濃度と第2の濃度との比率に基づいて、第2の岩石層と第1の岩石層との間の特定の放射性同位体の流動速度を決定することをさらに含む。
【0336】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の岩石層と第1の岩石層との間の特定の放射性同位体の流動速度を決定することは、特定の放射性同位体を含む第2の岩石層と第1の岩石層との間で流動するかん水の流動速度から独立して、第2の岩石層と第1の岩石層との間の特定の放射性同位体の流動速度を決定することを含む。
【0337】
本開示による、第3の例示的実装は、地表から地下層まで形成された試験掘削孔から、地下層からの地下水サンプルを収集することと、地下水サンプル中のトレーサ流体の濃度を決定することであって、トレーサ流体は、試験掘削孔を形成するための掘削プロセスにおいて使用された掘削流体の中に混合された流体を含む、ことと、トレーサ流体の決定された濃度を閾値濃度に対して比較することと、トレーサ流体の決定された濃度が閾値未満であることに基づいて、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場を備えていることを決定することとを含む方法を含む。
【0338】
第3の例示的実装と組み合わせ可能な側面はさらに、トレーサ流体の決定された濃度が閾値未満であることの決定に続いて、低レベル放射性同位体年代測定技法を実施することを含む。
【0339】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、低レベル放射性同位体年代測定技法を実施することは、加速器質量分析法(AMS)システムを用いて、地下水サンプル中の元素の安定同位体に対する地下水サンプル中の元素の放射性同位体の濃度を決定することと、地下水サンプル中の元素の放射性同位体の決定された濃度を地表水サンプル中の元素の安定同位体に対する地表水サンプル中の元素の放射性同位体の濃度と比較することと、地下水サンプル中の放射性同位体の決定された濃度が地表水サンプル中の放射性同位体の濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場を備えていることを決定することとを含む。
【0340】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射性同位体は、炭素-14(14C)であり、安定同位体は、12Cまたは13Cであり;放射性同位体は、塩素-36(36Cl)であり、安定同位体は、35Clであり;放射性同位体は、ヨウ素-129(129I)であり、安定同位体は、127Iであり;放射性同位体は、ベリリウム-10(10Be)であり、安定同位体は、Beであり;または放射性同位体は、アルミニウム-26(26Al)であり、安定同位体は、27Alである。
【0341】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、規定されたパーセンテージは、50パーセント未満である。
【0342】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、低レベル放射性同位体年代測定技法を実施することは、レーザベースの共鳴イオン化システムを用いて、地下水サンプル中の元素の安定同位体に対する地下水サンプル中の元素の放射性同位体の濃度を決定することと、地下水サンプル中の元素の放射性同位体の決定された濃度を地表水サンプル中の元素の安定同位体に対する地表水サンプル中の元素の放射性同位体の濃度と比較することと、地下水サンプル中の放射性同位体の決定された濃度が地表水サンプル中の放射性同位体の濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場を備えていることを決定することとを含む。
【0343】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射性同位体は、Kr-81であり、安定同位体は、Kr-80、Kr-82、Kr-84、またはKr-86のうちの少なくとも1つである。
【0344】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地表水源は、地球の大気と接触する地表における帯水層または水源のうちの少なくとも1つを含む。
【0345】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、トレーサ流体は、チオシアン酸塩、フルオロ安息香酸、ローダミン、ピラニン、またはスルホローダミンのうちの少なくとも1つを備えている。
【0346】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、トレーサ流体は、色素を備えている。
【0347】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、トレーサ流体は、岩石中への低吸収性と検出性の容易性との特性を備えている流体を備えている。
【0348】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物貯蔵処分場は、核廃棄物を貯蔵するように構成されている。
【0349】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、核廃棄物は、使用済み核燃料を備えている。
【0350】
本開示による、第4の例示的実装は、地表から地下層まで形成された試験掘削孔から、地下層からの地下水サンプルを収集するように構成された地下水サンプル収集装置と、地下水サンプル試験装置とを含むシステムを含む。地下水サンプル試験装置は、地下水サンプル中のトレーサ流体の濃度を決定することであって、トレーサ流体は、試験掘削孔を形成するための掘削プロセスにおいて使用された掘削流体の中に混合された流体を備えている、ことと、トレーサ流体の決定された濃度を閾値濃度に対して比較することと、トレーサ流体の決定された濃度が閾値未満であることに基づいて、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場を備えていることの指示を提供することとを行うように構成されている。
【0351】
第4の例示的実装と組み合わせ可能な側面は、トレーサ流体の決定された濃度が閾値未満であることの決定に続いて、地下水サンプル中の元素の安定同位体に対する地下水サンプル中の元素の放射性同位体の濃度を決定することと、地下水サンプル中の元素の放射性同位体の決定された濃度を地表水サンプル中の元素の安定同位体に対する地表水サンプル中の元素の放射性同位体の濃度と比較することと、地下水サンプル中の放射性同位体の決定された濃度が地表水サンプル中の放射性同位体の濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場を備えていることの指示を提供することとを行うように構成された加速器質量分析法(AMS)システムをさらに含む。
【0352】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射性同位体は、炭素-14(14C)であり、安定同位体は、12Cまたは13Cであり;放射性同位体は、塩素-36(36Cl)であり、安定同位体は、35Clであり;放射性同位体は、ヨウ素-129(129I)であり、安定同位体は、127Iであり;放射性同位体は、ベリリウム-10(10Be)であり、安定同位体は、Beであり;または放射性同位体は、アルミニウム-26(26Al)であり、安定同位体は、27Alである。
【0353】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、規定されたパーセンテージは、50パーセント未満である。
【0354】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、トレーサ流体の決定された濃度が閾値未満であることの決定に続いて、地下水サンプル中の元素の安定同位体に対する地下水サンプル中の元素の放射性同位体の濃度を決定することと、地下水サンプル中の元素の放射性同位体の決定された濃度を地表水サンプル中の元素の安定同位体に対する地表水サンプル中の元素の放射性同位体の濃度と比較することと、地下水サンプル中の放射性同位体の決定された濃度が地表水サンプル中の放射性同位体の濃度の規定されたパーセンテージであることに基づいて、地下層が有害廃棄物貯蔵処分場を備えていることの指示を提供することとを行うように構成されたレーザベースの共鳴イオン化システムをさらに含む。
【0355】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射性同位体は、Kr-81であり、安定同位体は、Kr-80、Kr-82、Kr-84、またはKr-86のうちの少なくとも1つである。
【0356】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地表水源は、地球の大気と接触する地表における帯水層または水源のうちの少なくとも1つを備えている。
【0357】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、トレーサ流体は、チオシアン酸塩、フルオロ安息香酸、ローダミン、ピラニン、またはスルホローダミンのうちの少なくとも1つを備えている。
【0358】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、トレーサ流体は、色素を備えている。
【0359】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、トレーサ流体は、岩石中への低吸収性と検出性の容易性との特性を備えている流体を備えている。
【0360】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物貯蔵処分場は、核廃棄物を貯蔵するように構成されている。
【0361】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、核廃棄物は、使用済み核燃料を備えている。
【0362】
いくつかの実装が、説明された。それにもかかわらず、種々の修正が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。例えば、本明細書に説明される例示的動作、方法、またはプロセスは、説明されるものよりも多いステップまたは少ないステップを含み得る。さらに、そのような例示的動作、方法、またはプロセスにおけるステップは、説明されるものまたは図に図示されるものと異なる並びにおいて実施され得る。故に、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5