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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】光源駆動制御装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/497 20060101AFI20240603BHJP
   G01S 7/4913 20200101ALI20240603BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S7/4913
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022505653
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 KR2020017744
(87)【国際公開番号】W WO2021125651
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0169860
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518086871
【氏名又は名称】ドンウン アナテック カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】12F, 22, Banpo-daero, Seocho-gu, Seoul, 06716 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソヨル
(72)【発明者】
【氏名】イ、チュンソク
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-041201(JP,A)
【文献】特開平09-265592(JP,A)
【文献】特開平05-005621(JP,A)
【文献】米国特許第10444331(US,B1)
【文献】特開2012-235676(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0132333(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0117143(KR,A)
【文献】特開2006-280938(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0130203(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - 7/51
G01S 17/00 - 17/95
G01C 3/00 - 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCBに装着される光源と、ホルダーにより固定され、下部に位置する光源から出力された光を拡散通過させるディフューザーとを含む光源駆動制御装置であって、
前記光源側のPCBに装着され、反射されてくる光量に反応するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードの一側と連結され、フォトダイオード検出電圧を生成する電圧発生部と、
前記フォトダイオード検出電圧を前記ディフューザーの破損有無をチェックするために設定された第1基準電圧と比較するための第1比較器と、
前記フォトダイオード検出電圧を被写体近接有無をチェックするために設定された第2基準電圧と比較するための第2比較器と、
前記フォトダイオード検出電圧と第1基準電圧又は第2基準電圧との比較結果により前記光源のドライバーを選択的にオフさせるドライバー制御部と、
を含み、
前記電圧発生部は、
前記フォトダイオードと接地との間に連結されてフォトダイオード電圧を検出するための抵抗(RPD)と、
前記抵抗(RPD)の一側に連結され、前記フォトダイオード電圧の平均値を得るためのLPFとを含み、
前記ドライバー制御部が前記フォトダイオード検出電圧と前記第1基準電圧あるいは第2基準電圧との比較結果を周期的にモニタリングするための状態監視信号(EN_PROTECT)を生成するイネーブルジェネレーターをさらに含み、
前記イネーブルジェネレーターは、
前記光源駆動制御装置で利用される低電圧差等信号の発生時点から前記フォトダイオード検出電圧の平均値が安定化されるまで所定時間遅延して活性化される状態監視信号を発生させることを特徴とする、光源駆動制御装置。
【請求項2】
PCBに装着される光源と、ホルダーにより固定され、下部に位置する光源から出力された光を拡散通過させるディフューザーと、前記光源側のPCBに装着され、反射されてくる光量に反応する光反応素子と、前記光反応素子の一側と連結され、光反応素子の電圧を生成する電圧発生部とを含む3Dセンシングシステムの光源駆動制御方法であって、
光量によって変化する前記光反応素子の電圧を前記ディフューザーの破損有無をチェックするために設定された第1基準電圧と比較する段階と、
前記光反応素子の電圧を被写体近接有無をチェックするために設定された第2基準電圧と比較する段階と、
比較結果によって前記光源を駆動させるドライバーを選択的にオフ制御する段階と、
前記光反応素子の電圧と前記第1基準電圧あるいは第2基準電圧との比較結果を周期的にモニタリングするための状態監視信号(EN_PROTECT)を生成する段階と、
を含み、
前記電圧発生部は、
前記光反応素子と接地との間に連結されて光反応素子の電圧を検出するための抵抗(RPD)と、
前記抵抗(RPD)の一側に連結され、前記光反応素子の電圧の平均値を得るためのLPFとを含み、
前記状態監視信号を生成する段階は、前記3Dセンシングシステムで利用される低電圧差等信号の発生時点から前記光反応素子の電圧の平均値が安定化されるまで所定時間遅延して活性化される状態監視信号を発生させることを特徴とする、光源駆動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dセンシングシステムに関し、特にディフューザー状態によって光源の駆動を制御する装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体映像サービスに対する関心が増大されることにより立体映像を提供する装置が開発および普及されている。立体映像を実現するための3Dセンシング方式のうち、ステレオスコピック(stereoscopic)方式、時間測定(TOF:time of flight)方式、構造光(structure light)方式などがある。
【0003】
ステレオスコピック方式の基本原理は、人の左眼と右眼に互いに直交するように配列された映像を分離して入力し、人の頭脳で左眼と右眼にそれぞれ入力された映像が結合して立体映像が生成される方式である。ストレオ方式の3Dカメラには、二つのカメラ間の組立て誤差による品質問題が3D品質を低下させて、高精密組立て工程および収率の低下という問題点を抱えている。
【0004】
一方、構造光(structure 1ight)方式は、特定パターンがコーディングされたレーザー光を物体に照射し、反射光のパターンシフト(shift)量を計算することで物体の深さ情報を獲得する。この方式は、一般的に固定焦点レンズとパッシブ(passive)コーディング素子を使用する。よって、多様な環境によって解像度を変化させながらイメージを獲得することができないという短所がある。
【0005】
飛行時間測定(TOF:time of flight)方式は、被写体に直接的に光を照射し、反射して戻る反射光の時間を計算することで物体の深さ情報を獲得する方式である。
【0006】
上述した3Dセンシング方式のうち低い計算量による高いフレームレート(frame rate)、小さいフットプリント(footprint)、相対的に少ない製作費用、日光に強靭な特性などの利点があるTOF方式が多くの関心を受けている。
【0007】
TOF方式は、基本的に特定波長の光を被写体に透写し、被写体から反射された同波長の光をフォトダイオード(D)またはカメラで測定または撮影し、深さ映像を抽出するプロセッシングを経るようになる。
【0008】
TOF方式における3Dセンシング距離は、光パワー(optical power)に比例して決定されるため、セットメーカーでは、通常駆動電流を増やして光源(VCSEL)のパワーを増加させようとする。一般的にTOF方式が適用された3Dセンシングシステムには、点光源を面光源に変更するディフューザー(Diffuser)が備えられる。
【0009】
しかし、ディフューザーがないか図1に示すように破損されると、光源によるレーザー光が被写体である人の目や肌に直接照射されて被害を与えるおそれがあるため、これに対する新しい方案を講ずる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】大韓民国公開特許公報第10-2017-0130203号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、上述した必要性により案出された発明であって、本発明の主な目的は、ディフューザーの状態によって光源の駆動を制御して光源の直接照射による被害を最小化することができる3Dセンシングシステムの光源駆動制御装置およびその方法を提供することにある。
【0012】
さらに、本発明のまた他の目的は、被写体の近接接近の際に光源から照射された光により引き起こされる被写体の被害を最小化することができる3Dセンシングシステムの光源駆動制御装置およびその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するための本発明の実施形態による光源駆動制御装置は、PCBに装着される光源と、ホルダーにより固定され、下部に位置する光源から出力された光を拡散通過させるディフューザーとを含む3Dセンシングシステムに適用可能な装置であって、
前記光源側のPCBに装着され、反射されてくる光量に反応するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードの一側と連結され、フォトダイオード検出電圧を生成する電圧発生部と、
前記フォトダイオード検出電圧を前記ディフューザーの破損有無をチェックするために設定された第1基準電圧と比較するための第1比較器と、
前記フォトダイオード検出電圧と第1基準電圧との比較結果により前記光源のドライバーを選択的にオフさせるドライバー制御部とを含むことを特徴とする。
【0014】
さらに、上述した光源駆動制御装置は、前記フォトダイオード検出電圧を被写体近接有無をチェックするために設定された第2基準電圧と比較するための第2比較器をさらに含み、前記ドライバー制御部は、前記第2比較器の出力によって前記光源のドライバーを選択的にオフさせることをまた他の特徴とする。
【0015】
本発明のまた他の実施形態による光源駆動制御装置は、PCBに装着される光源と、ホルダーにより固定され、下部に位置する光源から出力された光を拡散通過させるディフューザーとを含む3Dセンシングシステムに適用可能な装置にであって、
前記ディフューザー上に形成され、透明電極を内包し、一定の抵抗値を有するようにパターン形成された透明電極層と、
前記透明電極に連結され、バイアス電流を印加するための電流供給源と、
前記バイアス電流の印加により生成される透明電極状態電圧を互いに異なる基準電圧とそれぞれ比較する比較器と、
前記透明電極状態電圧が前記互いに異なる基準電圧範囲から外れると、前記光源のドライバーをオフさせるドライバー制御部とを含むことをまた他の特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の実施形態による光源駆動制御方法は、PCBに装着される光源と、ホルダーにより固定され、下部に位置する光源から出力された光を拡散通過させるディフューザーと、前記光源側のPCBに装着され、反射されてくる光量に反応する光反応素子とを含む3Dセンシングシステムで実行可能な方法であって、
光量によって変化する前記光反応素子の電圧を前記ディフューザーの破損有無をチェックするために設定された第1基準電圧と比較する段階と、
前記比較結果によって前記光源を駆動させるドライバーを選択的にオフ制御する段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上述した技術的課題を解決するための手段によると、本発明は、光源側のPCBに装着され、反射されてくる光量に反応するフォトダイオードを通じてフォトダイオードの電圧を検出し、該検出電圧を、被写体近接有無をチェックするために設定された基準電圧と、或いはディフューザーの破損有無をチェックするために設定されたまた他の基準電圧と比較して、その比較結果によって光源のドライバーを強制的にオフさせることによって、ディフューザーの損傷或いは被写体の近接接近による被写体の被害を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】3Dセンシングシステムにおいてディフューザーの破損状態を例示した図面である。
図2】本発明の実施形態による光源駆動制御装置の光源(VCSEL)パッケージの断面例示図である。
図3】本発明の実施形態による光源駆動制御装置の光源(VCSEL)パッケージの断面例示図である。
図4】本発明の実施形態による光源駆動制御装置の構成例示図である。
図5図4に示した光源駆動制御装置の動作を説明するための波形例示図である。
図6図4に示した光源駆動制御装置の動作を説明するための波形例示図である。
図7図4に示した光源駆動制御装置の動作を説明するための波形例示図である。
図8】本発明の実施形態による光源駆動制御装置のまた他の光源パッケージの断面例示図である。
図9図8と関連したまた他の光源駆動制御装置の構成例示図である。
図10図9に示した光源駆動制御装置の動作を説明するための波形例示図である。
図11図9に示した光源駆動制御装置の動作を説明するための波形例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態によると、PCBに装着される光源と、ホルダーにより固定され、下部に位置する光源から出力された光を拡散通過させるディフューザーとを含む3Dセンシングシステムであって、前記光源側のPCBに装着され、反射されてくる光量に反応するフォトダイオードと、前記フォトダイオードの一側と連結され、フォトダイオード検出電圧を生成する電圧発生部と、前記フォトダイオード検出電圧を前記ディフューザーの破損有無をチェックするために設定された第1基準電圧と比較するための第1比較器と、前記フォトダイオード検出電圧と第1基準電圧との比較結果によって前記光源のドライバーを選択的にオフさせるドライバー制御部とを含むことを特徴とする光源駆動制御装置が提供される。
【0020】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明の目的、技術的解法および長所を明らかにするために本発明が実施されることができる特定の実施形態を例示したもので、図示の添付図面を参照する。これらの実施形態は、通常の技術者が本発明を十分に実施できるように詳しく説明される。
【0021】
また、本発明の詳細な説明および請求項において「含む」という単語およびその変形は、他の技術的特徴、付加物、構成要素または段階を除外するものとして意図されたものではない。通常の技術者であれば本発明の他の目的、長所および特性の一部は本説明書から、そして一部は本発明の実施から分かるであろう。下記の例示および図面は実例として提供され、本発明を限定するものとして意図されたものではない。さらに、本発明は、本明細書に表示された実施形態の全ての可能な組み合わせを含む。本発明の多様な実施形態は互いに異なるが、相互に排他的である必要はないことが理解されるべきである。従って、後述する詳細な説明は限定的な意味として採用するものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されれば、その請求項が主張するものと均等な全ての範囲と共に、添付の請求項によってのみ限定される。図面における類似した参照符号は、様々な側面で同一であるか類似した機能を指称する。
【0022】
本明細書において他に表示されるか明らかに文脈に矛盾しない限り、単数で指称された項目は、その文脈で他に要求されない限り、複数のものも含む。また、本発明を説明するにあたって、関連の公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合は、それに対する詳細説明は省略する。
【0023】
以下、通常の技術者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照して詳しく説明する。下記における3Dセンシングシステムは、3D顔面認識、自動走行、仮想/拡張現実などの様々な分野で多様に利用されるカメラ装置であると仮定する。
【0024】
図2および図3は、本発明の実施形態による光源駆動制御装置の光源(VCSEL)パッケージの断面を例示したものであり、図4は、本発明の実施形態による光源駆動制御装置の構成図を例示したものである。
【0025】
先ず、図2を参照すると、本発明の実施形態による3Dセンシングシステムは、PCBに装着される光源10を含む。光源10は、レーザーダイオードまたはVCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)からなることができる。前記光源10は、図示のようにホルダー20により固定され、下部に位置する光源10から出力された光を拡散通過させるディフューザー30を含む。下記では、光源10としてVCSELを採用しているものと図示した。
【0026】
ディフューザー30の破損有無をチェックするために、本発明の実施形態による光源駆動制御装置は、前記光源10側のPCBに装着され、ディフューザー30から反射されてくる光量に反応するフォトダイオード(PD)40をさらに含む。
【0027】
さらに、本発明の実施形態による光源駆動制御装置は、図4に示すように、PD40の一側と連結され、フォトダイオード検出電圧(VPD)を生成する電圧発生部を含む。前記電圧発生部は、フォトダイオード電圧を検出するための抵抗(RPD)と検出電圧の平均値を得るためのLPF50で構成することができる。
【0028】
また、本発明の実施形態による光源駆動制御装置は、平均化されたフォトダイオード検出電圧(LPF Out)をディフューザーの破損有無をチェックするために設定された第1基準電圧(PD_DEL_VTL)と比較するための第1比較器60と、
【0029】
前記平均化されたフォトダイオード検出電圧(LPF Out)と第1基準電圧(PD_DET_VTL)との比較結果によって光源10のドライバーを選択的にオフ(Driver off Signal)させ、ロジッグで実現することもできるドライバー制御部80とを含む。
【0030】
さらに、図3に示すように、本発明の実施形態による光源駆動制御装置は、平均化されたフォトダイオード検出電圧(LPF Out)を被写体近接有無をチェックするために設定された第2基準電圧(PD_DET_VTH)と比較するための第2比較器70をさらに含むことができる。このような場合、ドライバー制御部80は、第2比較器70の出力(OPD_ERR)によって光源のドライバーを選択的にオフ(Driver off Signal)させるための信号を出力する。前記第1比較器60と第2比較器70は、必要に応じていずれか一つ或いはいずれも具備されることができる。
【0031】
参考として、比較器60、70で比較される基準電圧のそれぞれは、レジスターを通じて電圧レベルを変更することができる。図4で説明していないイネーブルジェネレーター(Enable Gen)l00は、ドライバー制御部80がフォトダイオード検出電圧と第1基準電圧(PD_DET_VTL)或いは(および)第2基準電圧(PD_DET_VTH)との比較結果を周期的にモニタリングするための状態監視信号(EN_PROTECT)を生成してドライバー制御部80に伝達する。前記イネーブルジェネレーター100は、図5に示すように、3Dセンシングシステムで利用される低電圧差等信号(LVDS)の発生時点から所定時間(フォトダイオード検出電圧が安定化されるまでの時間)遅延して活性化される状態監視信号を生成する。このような状態監視信号は、ドライバー制御部80を活性化させるための信号として定義することもできる。このような場合、イネーブルジェネレーター100なしでドライバー制御部80は、上位プロセッサから印加されるイネーブル信号によって活性化されて、フォトダイオード検出電圧と第1基準電圧(PD_DEL_VTL)或いは(および)第2基準電圧(PD_DET_VTH)との比較結果を周期的にモニタリングして光源のドライバーを制御することもできる。
【0032】
以下、上述した構成を含む光源駆動制御装置の動作を図5図7を参照して詳しく説明すると、図5図7は、図4に示した光源駆動制御装置の動作を説明するための波形例示図をそれぞれ示したものである。
【0033】
先ず、図5図7に示したSPI/I2Cコマンド信号は、3Dセンシングシステムのパワーオン時の基準電圧をレジスターに設定するためのパルスを表したものであり、EN信号は、3Dセンシングシステムの全体ドライバーを活性化させるための信号を、LVDSは、低電圧差等信号を、PD LPF Out Voltageは、電圧発生部の一構成要素であるLPF50の出力電圧、即ち平均化されたフォトダイオード検出電圧をそれぞれ示したものである。
【0034】
仮にディフューザー30の破損がないか被写体が設定しておいた位置まで近接していなければ、状態監視信号(EN_PROTECT)が活性化される区間における平均化されたフォトダイオード検出電圧(PD LPF Out Voltage)は、図5に示すように、ディフューザー30の破損有無をチェックするために設定された第l基準電圧(PD_DET_VTL)より高く、被写体近接有無をチェックするために設定された第2基準電圧(PD_DET_VTH)よりは低いレベルを維持する。
【0035】
しかし、図3に示すように、被写体が設定しておいた位置よりさらに近く近接すると、より多くの光量が被写体により反射され、光量に比例して反応するフォトダイオード40の検出電圧は上昇する。このように被写体近接によりフォトダイオード検出電圧(PD LPF Qut Voltage)が図6に示すように被写体近接有無をチェックするために設定された第2基準電圧(PD_DET_VTH)以上になると、ドライバー制御部80は、光源のドライバーを強制的にオフ(EN_DRIVER)させることで、被写体近接によって被写体が損傷されるか被害を被ることを事前に防止する。
【0036】
一方、図1に示すように、ディフューザー30が損傷されると、それから反射される光量は減少するため、フォトダイオード40の検出電圧(PD LPF Out Voltage)は図7に示すように低くなり、フォトダイオード40の検出電圧(PD LPF Out Vol tage)がディフューザーの破損有無をチェックするために設定された第1基準電圧(PD_DET_VTL)以下になると、ドライバー制御部80は光源のドライバーを強制的にオフさせることで、ディフューザー30の損傷により被写体が損傷されるか被害を被ることを事前に予防する。
【0037】
したがって、本発明は、被写体の近接接近或いは(および)ディフューザー30の破損時に、光源で照射された光により引き起こされる被写体の被害を最小化することができる発明である。
【0038】
以下、本発明のまた他の実施形態による光源駆動制御装置の機構的構成と回路的構成の特徴について詳しく説明する。
【0039】
図8は、本発明の実施形態による光源駆動制御装置のまた他の光源パッケージの断面を例示したもので、図9は、図8と関連したまた他の光源駆動制御装置の構成図を、図10および図11は、図9に示した光源駆動制御装置の動作を説明するための波形図をそれぞれ例示したものである。
【0040】
図8に示すように、本発明のまた他の実施形態による光源駆動制御装置は、PCBに装着される光源10と、ホルダー20により固定され、下部に位置する光源10から出力された光を拡散通過させるディフューザー30とを含む3Dセンシングシステムの一部であって、前記ディフューザー30上に形成され、透明電極(ITO)を内包し、一定の抵抗値を有するようにパターン形成された透明電極層65をさらに含む。
【0041】
上述した透明電極層65の他に、本発明のさらに他の実施形態による光源駆動制御装置は、回路的特徴要素であり、図9に示すように、
前記透明電極(ITO)に連結され、バイアス電流を印加するための電流供給源(I)と、
前記バイアス電流の印加により生成される透明電極状態電圧(VITO)を互いに異なる基準電圧(RDET_VTL、RDET_VTH)とそれぞれ比較する比較器75、85と、
前記透明電極状態電圧(VITO)が前記互いに異なる基準電圧が形成する範囲から外れると、光源のドライバーをオフさせるドライバー制御部80とを含む。
【0042】
上述した構成において、透明電極(ITO)の抵抗に該当するRITOに多様な電圧レベルを生成できるようにバイアス電流値をレジスターで選択(レジスターセッティング)できるようにしてもよい。
【0043】
図9で説明していないEN_RDETは、上位プロセッサで印加される信号であり、透明電極の状態をチェックするための透明電極状態チェック信号として定義することができる。このような透明電極状態チェック信号(EN_RDET)は、図10に示すように、レジスター設定区間の終了時点(SPI/I2C Command)で活性化される。
【0044】
以下、図10および図11を参照して、図9に示した光源駆動制御装置の動作を詳しく説明すると、
先ず、ディフューザー30に図lに示すような損傷がなければ、電流供給源(I)により印加されるバイアス電流(I)によって、透明電極状態電圧(VITO)は図10に示すように事前設定された二つの基準電圧(RDET_VTL、RDET_VTH)の間で一定の電圧レベルを維持する。
【0045】
しかし、ディフューザー30が損傷された場合は、透明電極(ITO)の抵抗(RITO)値も変わるようになる。透明電極の抵抗(RITO)値が増加または減少すると、それにより透明電極状態電圧(VITO)も変わるようになり、図11に示すように予め設定された二つの基準電圧(RDET_VTL、RDET_VTH)範囲を上方或いは下方に外れるようになる。
【0046】
このような場合、ドライバー制御部80は、光源のドライバーを強制的にオフさせることで、ディフューザー30の損傷により被写体が損傷されるか被害を被ることを事前に予防する。
【0047】
したがって、図9に示した光源駆動制御装置もディフューザー30の破損時に光源から照射された光によって引き起こされる被写体の被害を最小化することができる効果を提供する。
【0048】
以上、図面に示された実施形態を参考として説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であればこれから多様な変形および均等な他の実施形態が可能であるという点が理解できるであろう。そこで、本発明の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみにより定められるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11