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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】レンズ組立品、及びアイウェア
(51)【国際特許分類】
   G02C 9/00 20060101AFI20240603BHJP
   G02C 7/10 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G02C9/00
G02C7/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023070053
(22)【出願日】2023-04-21
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】514048741
【氏名又は名称】有限会社金栄堂
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】那須 丈雄
【審査官】鈴木 玲子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0066906(US,A1)
【文献】特開2002-268018(JP,A)
【文献】特開2003-156715(JP,A)
【文献】特開2005-134555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 9/00
G02C 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面に雌ネジが形成された非貫通穴が設けられる第1レンズと、
ネジが貫通可能な貫通穴が設けられる第2レンズとを備えるレンズ組立品であって、
前記第2レンズの前記貫通穴に挿入される前記ネジが前記非貫通穴と螺合することによって、前記第1レンズと前記第2レンズが磁力を用いずに固定され
前記第1レンズと前記第2レンズの間のスペーサによって、前記第1レンズと前記第2レンズが離れて配置されることを特徴とするレンズ組立品。
【請求項2】
前記第2レンズの前記貫通穴には雌ネジが形成されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ組立品。
【請求項3】
前記第2レンズの前記貫通穴には、内側面に雌ネジが形成されたインサートが取り付けられ、
前記インサートの内側面の雌ネジが前記ネジと螺合することを特徴とする請求項1に記載のレンズ組立品。
【請求項4】
前記インサートは、側壁の一部が欠落したC形の横断面であることを特徴とする請求項3に記載のレンズ組立品。
【請求項5】
前記インサートは、前記第1レンズの表面から前記第2レンズ側に突出することを特徴とする請求項3に記載のレンズ組立品。
【請求項6】
前記第1レンズは、前記レンズ組み立て品をアイウェアに取り付けた際に弦から遠い外側に配置され、
前記第2レンズは、前記レンズ組み立て品をアイウェアに取り付けた際に弦に近い内側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ組立品。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載のレンズ組立品を有するアイウェアであって、
前記第1レンズはサングラスレンズで、前記第2レンズは度付きレンズで構成されることを特徴とするアイウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、副レンズを着脱可能なレンズ組立品、及び、サングラスなどのアイウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
フレームに取り付けられた主レンズに副レンズを着脱可能に取り付け可能な前掛け式のメガネがある。例えば、特許文献1(特開2005-134555号公報)には、主レンズを保持する主メガネフレームと、主メガネフレームの前面側に着脱自在に設けられる副レンズとを備えたメガネであって、主メガネフレームのレンズ固定用のネジ締結体に吸着体を用い、吸着体に対応する各副レンズの部分に被吸着体を設け、吸着体と被吸着体とにより着脱機構を構成する。吸着体は、磁性体又は非磁性体からなるネジとネジに着脱自在な磁石とから構成される。被吸着体は磁性体からなる円板から構成される。吸着体のネジと被吸着体の円板とを吸着、離間させることにより、主メガネフレームと副レンズとが着脱されるメガネが記載されている。
【0003】
前述した主レンズをサングラスレンズに、副レンズを度付きレンズにすると、磁石で副レンズを着脱可能な度付きサングラスを提供できる。また、度付きのサングラスを提供する方法として、度付きサングラスレンズを用いる方法や、サングラスレンズと度付きレンズを一体に構成する方法や、インナークリップで度付きの副レンズを内側に取り付ける方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-134555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した磁石で取り付けられる副レンズは、衝撃によって外れやすい。また、主レンズと副レンズの間隔は磁石の大きさで定まり狭いことから、主レンズと副レンズの曲面を合わせる必要があり、副レンズの度数に制約がある。
【0006】
また、度付きサングラスレンズを用いる場合、レンズの周縁部を薄く加工してフレームに取り付けるので、周縁部を加工した段が外側から見えて美観を損ねる。加えて形状や度数等によって度付きサングラスレンズを度無しサングラスレンズと同じ形状にできない場合がある。また、周縁部までレンズがないため装着者の視野が狭くなる。また、周縁部の段の加工の難度が高い。さらに、段加工が可能なレンズの種類が限定され、ユーザが望む色やデザインのサングラスを提供できない。また、対応できるPDの範囲が狭く、ユーザのPD値によっては、度付きサングラスレンズの作成自体が不可能な場合がある。
【0007】
また、主レンズと副レンズを融着によって一体に構成する場合、主レンズと副レンズの曲面を合わせる必要があり、副レンズの度数に制約がある。また、対応できるPDの範囲が狭く、レンズの大きさを最大限活用しても、左右の側部まで副レンズを配置できないことがある。
【0008】
また、インナークリップで度付きの副レンズを取り付ける場合、専用のレンズアセンブリが必要となり、使用可能なレンズやフレームが限定される。また、主レンズと副レンズの曲面を合わせる必要があり、副レンズの度数に制約がある。
【0009】
そこで、本発明は、様々なフレームに装着でき、外れにくいレンズ組立品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、内面に雌ネジが形成された非貫通穴が設けられる第1レンズと、ネジが貫通可能な貫通穴が設けられる第2レンズとを備えるレンズ組立品であって、前記第2レンズの前記貫通穴に挿入される前記ネジが前記非貫通穴と螺合することによって、前記第1レンズと前記第2レンズが磁力を用いずに固定され、前記第1レンズと前記第2レンズの間のスペーサによって、前記第1レンズと前記第2レンズが離れて配置されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一例のレンズ組立品では、前記第2レンズの前記貫通穴には雌ネジが形成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一例のレンズ組立品では、前記第2レンズの前記貫通穴には、内側面に雌ネジが形成されたインサートが取り付けられ、前記インサートの内側面の雌ネジが前記ネジと螺合することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一例のレンズ組立品では、前記インサートは、側壁の一部が欠落したC形の横断面であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一例のレンズ組立品では、前記インサートは、前記第1レンズの表面から前記第2レンズ側に突出することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一例のレンズ組立品では、前記第1レンズは、前記レンズ組み立て品をアイウェアに取り付けた際に弦から遠い外側に配置され、前記第2レンズは、前記レンズ組み立て品をアイウェアに取り付けた際に弦に近い内側に配置されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一例のアイウェアは、前述のレンズ組立品を有し、前記第1レンズはサングラスレンズで、前記第2レンズは度付きレンズで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、様々なフレームに装着でき、外れにくいレンズ組立品を提供できる。また、ユーザは、好みに応じた度付きアイウェアを使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1のレンズ組立品を示す斜視図である。
図2】実施例1の取付部の組立前の拡大断面図である。
図3】実施例1の取付部の組立後の拡大断面図である。
図4】実施例1の取付部の組立前の拡大断面図である。
図5】実施例2の取付部の組立前の拡大断面図である。
図6】実施例2の取付部の組立後の拡大断面図である。
図7】実施例2の取付部の組立後の拡大断面図である。
図8】実施例2のインサートの上面図である。
図9図8に示すインサートの側面図である。
図10】実施例2の別な形状のインサートの上面図である。
図11図10に示すインサートの側面図である。
図12】実施例3のレンズ組立品の構成を示す斜視図である。
図13】実施例3の取付部の組立前の拡大断面図である。
図14】実施例3の取付部の組立後の拡大断面図である。
図15】実施例3の取付部の組立後の拡大断面図である。
図16】本発明の実施例における非貫通穴と貫通穴の配置例を示す図である。
図17】本発明の実施例における非貫通穴と貫通穴の配置例を示す図である。
図18】本発明の実施例における非貫通穴と貫通穴の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1のレンズ組立品を示す斜視図であり、図2は、実施例1の取付部の組立前の拡大断面図であり、図3は、実施例1の取付部の組立後の拡大断面図である。なお、図1では、左目側(アイウェアに正対した右側)のみを示すが、右目側も対称の構成である。
【0020】
本実施例のレンズ組立品は、外側の主レンズ1と、主レンズ1の内側に設けられる副レンズ2とを有する。主レンズ1の上部には主レンズ1を保持する破線で示すフレーム8が取り付けられ、フレーム8の端部には破線で示す弦7が取り付けられてアイウェアが構成される。図1では、主レンズ1の上部に設けられるフレーム8を例示するが、フレーム8は主レンズ1の全周に設けられても、下部に設けられてもよい。図1中、主レンズ1の全体を描くために、フレーム8を透視して図示しているが、通常、フレーム8は不透明である。アイウェアがサングラスである場合、主レンズ1を色付きや紫外線カット機能を有するサングラスレンズとし、副レンズ2を度付きレンズとするとよい。
【0021】
副レンズ2の所定の位置に貫通穴2Aが設けられる。貫通穴2Aにはネジ4と螺合する雌ネジが形成されるが、雌ネジが形成されない通し穴でもよい。貫通穴2Aに対応する位置の主レンズ1には非貫通穴1Aが設けられる。非貫通穴1Aにはネジ4と螺合する雌ネジが形成される。実施例1では、非貫通穴1Aの雌ネジは、主レンズ1を切削して形成されるが、後述する実施例2のように非貫通穴1Aに取り付けられた金属製のインサート5によって形成してもよい。
【0022】
ネジ4は、副レンズ2の後方から貫通穴2Aに挿入され、主レンズ1の非貫通穴1Aのネジ山と螺合する。主レンズ1と副レンズ2の間にスペーサ3が設けられてもよい。スペーサ3によって、主レンズ1と副レンズ2の間隔を調整でき、主レンズ1の曲面と副レンズ2の曲面が異なっても、副レンズ2を主レンズ1と接触せずに取り付けられる。
【0023】
ネジ4は、ネジ山部分に合成樹脂被覆を設けた金属製であると望ましく、合成樹脂によって組み付け後のネジ4の緩みを防止してもよい。また、非貫通穴1Aに接着剤を注入した後にネジ4を非貫通穴1Aに取り付けて、接着剤によって組み付け後のネジ4の緩みを防止してもよい。ネジ4は、合成樹脂製でもよい。この場合、ネジ4と主レンズ1や副レンズ2の硬度を近づけることができ、ネジ4と主レンズ1の硬度差による摩耗を抑制できる。
【0024】
主レンズ1と副レンズ2は、形状や曲率の違いによって、取付部において並行にならない場合がある。この場合、図4に示すように、厚さが不均一なテーパーワッシャー8A、8Bを用いて、ネジ4を副レンズ2に締結するとよい。
【0025】
<実施例2>
図5は、実施例2の取付部の組立前の拡大断面図であり、図6図7は、実施例2の取付部の組立後の拡大断面図であり、図8は、実施例2のインサート5を軸方向から見た上面図である。図10は、実施例2の別な形状のインサート5を軸方向から見た上面図であり、図11は、図10に示すインサート5の側面図である。実施例2では、前述した実施例1との相違点を主に説明し、実施例1と同じ構成の説明は省略する。
【0026】
実施例2では、副レンズ2の所定の位置に貫通穴2Aが設けられる。貫通穴2Aにはネジ4と螺合する雌ネジが形成されるが、雌ネジが形成されない通し穴でもよい。貫通穴2Aに対応する位置の主レンズ1には非貫通穴1Aが設けられる。非貫通穴1Aにはインサート5が挿入される。インサート5の内側面にはネジ4と螺合する雌ネジが形成される。インサート5の外形は、図示するように円筒形でもよいが、後述する実施例3のように、外側面にネジ山を形成し、主レンズ1の非貫通穴1Aに形成されたネジ山と螺合してもよい。インサート5は、図6に示すように、主レンズ1の内側表面から突出しない長さでも、図7に示すように、主レンズ1の内側表面から副レンズ2側に突出する長さでもよい。インサート5を主レンズ1の内側表面から突出させることによって、スペーサ3を設けずに、インサート5の長さによって主レンズ1と副レンズ2の間隔を調整できる。インサート5は、図8及び図9に示すように、全高さにわたって側壁の一部が欠落したC形の横断面の円筒形で、ネジ4の外径より少し小さい内径に形成されるとよい。また、図10及び図11に示すように、インサート5は、一部の高さにわたって側壁の一部が欠落した上部がC形、下部が円形の横断面の円筒形で、C形を形成する上部はネジ4の外径より少し小さい内径に形成されるとよい。図8及び図9、又は図10及び図11に示すようにインサート5を構成することで、ネジ4のインサート5への挿入によって、インサート5の外径が大きくなり、インサート5を主レンズ1と強く結合し、主レンズ1から離脱しづらくできる。
【0027】
ネジ4は、副レンズ2の後方から貫通穴2Aに挿入され、主レンズ1の非貫通穴1Aのネジ山と螺合する。図6に示すように、主レンズ1と副レンズ2の間にスペーサ3が設けられてもよい。スペーサ3によって、主レンズ1と副レンズ2の間隔を調整でき、主レンズ1の曲面と副レンズ2の曲面が異なっても、副レンズ2を主レンズ1と接触せずに取り付けられる。
【0028】
ネジ4は、ネジ山部分に合成樹脂被覆を設けた金属製であると望ましく、合成樹脂によって組み付け後のネジ4の緩みを防止してもよい。また、非貫通穴1Aに接着剤を注入した後にネジ4を非貫通穴1Aに取り付けて、接着剤によって組み付け後のネジ4の緩みを防止してもよい。
【0029】
<実施例3>
図12は、本発明の実施例3のレンズ組立品を示す斜視図であり、図13は、実施例3の取付部の組立前の拡大断面図であり、図14図15は、実施例3の取付部の組立後の拡大断面図である。なお、図12では、左目側(アイウェアに正対した右側)のみを示すが、右目側も対称の構成である。実施例3では、前述した実施例1との相違点を主に説明し、実施例1と同じ構成の説明は省略する。
【0030】
実施例3では、副レンズ2の所定の位置に貫通穴2Aが設けられる。貫通穴2Aにはネジ4と螺合する雌ネジが形成されるが、雌ネジが形成されない通し穴でもよい。貫通穴2Aに対応する位置の主レンズ1には非貫通穴1Aが設けられる。非貫通穴1Aにはインサートネジ6が挿入され、その内側面にはインサートネジ6と螺合する雌ネジが形成される。インサートネジ6の内側面にはネジ4と螺合する雌ネジが形成され、外側面には非貫通穴1Aの雌ネジと螺合するネジ山が形成される。インサートネジ6は、図14に示すように、主レンズ1の内側表面から副レンズ2側に突出する長さでも、図15に示すように、主レンズ1の内側表面から突出しない長さでもよい。図14のようにインサートネジ6を主レンズ1の内側表面から突出させることによって、スペーサ3を設けずに、主レンズ1と副レンズ2の間隔を調整できる。インサートネジ6は、図8に示すように、一部が欠落したC形で、ネジ4の外径より少し小さい内径に形成されるとよい。また、インサートネジ6は、図10及び図11に示すように、一部の高さにわたって側壁の一部が欠落した上部がC形、下部が円形の横断面の円筒形で、C形を形成する上部はネジ4の外径より少し小さい内径に形成されてもよい。このようにインサートネジ6を構成することで、ネジ4のインサートネジ6への挿入によって、インサート5の外径が大きくなり、インサート5を主レンズ1と強く結合し、主レンズ1から離脱しづらくできる。
【0031】
ネジ4は、副レンズ2の後方から貫通穴2Aに挿入され、主レンズ1の非貫通穴1Aのネジ山と螺合する。図15に示すように、主レンズ1と副レンズ2の間にスペーサ3が設けられてもよい。スペーサ3によって、主レンズ1と副レンズ2の間隔を調整でき、主レンズ1の曲面と副レンズ2の曲面が異なっても、副レンズ2を主レンズ1と接触せずに取り付けられる。
【0032】
ネジ4は、ネジ山部分に合成樹脂被覆を設けた金属製であると望ましく、合成樹脂によって組み付け後のネジ4の緩みを防止してもよい。また、非貫通穴1Aに接着剤を注入した後にネジ4を非貫通穴1Aに取り付けて、接着剤によって組み付け後のネジ4の緩みを防止してもよい。
【0033】
インサートネジ6は、内側の雌ネジ部分に合成樹脂被覆を設け、合成樹脂によって組み付け後のネジ4の緩みを防止してもよい。また、インサートネジ6の内側に接着剤を注入した後にネジ4をインサートネジ6に取り付けて、組み付け後のネジ4の緩みを防止してもよい。また、インサートネジ6は、外側のネジ山部分に合成樹脂被覆を設け、組み付け後のインサートネジ6の緩みを防止してもよい。また、非貫通穴1Aに接着剤を注入した後にインサートネジ6を非貫通穴1Aに取り付けて、組み付け後のインサートネジ6の緩みを防止してもよい。
【0034】
<非貫通穴と貫通穴の配置>
次に、非貫通穴1Aと貫通穴2Aの配置を説明する。図16図17及び図18は、本発明の実施例のアイウェアにおける非貫通穴1Aと貫通穴2Aの配置例を示す図である。図16図17及び図18に示す非貫通穴1Aと貫通穴2Aの配置例は、前述したいずれの実施例にも適用できる。図16図17及び図18において、正面視右側(左目側)はサングラスである主レンズ1を描き、正面視左側(右目側)は主レンズ1を省略して副レンズ2を描いているが、一点鎖線で示す中心線に対象に構成される。また、図16図17及び図18に示すレンズは、図1及び図12に示すレンズと異なる形状の例を示す。
【0035】
図16に示す配置例では、主レンズ1の内側上部に非貫通穴1Aが設けられ、非貫通穴1Aに対応する位置の副レンズ2に貫通穴2Aが設けられる。非貫通穴1A及び貫通穴2Aがアイウェアの内側上部に設けられるので、装着者の視野を妨げない。
【0036】
図17に示す配置例では、主レンズ1の左上部及び右上部のそれぞれに非貫通穴1Aが設けられ、二つの非貫通穴1Aに対応する位置の副レンズ2に二つの貫通穴2Aがそれぞれ設けられる。非貫通穴1A及び貫通穴2Aが上部に設けられるので、装着者の視野を妨げない。また、1枚のレンズに二つの非貫通穴1Aを設けるので、主レンズ1に取り付けた副レンズ2が回転せず、副レンズ2を主レンズ1に安定的に取り付けられる。
【0037】
図18に示す配置例では、主レンズ1の内側上部に上下に並んで二つの非貫通穴1Aが設けられ、二つの非貫通穴1Aに対応する位置の副レンズ2に二つの貫通穴2Aがそれぞれ設けられる。非貫通穴1A及び貫通穴2Aが内側に設けられるので、装着者の視野を妨げない。また、1枚のレンズに二つの非貫通穴1Aを設けるので、主レンズ1に取り付けた副レンズ2が回転せず、副レンズ2を主レンズ1に安定的に取り付けられる。
【0038】
以上、本発明の実施例のレンズ組立品及びアイウェアの主レンズ1には非貫通穴1Aが設けられるが、貫通穴でもよい。また、内側(装着者側)からネジ止めする例を説明したが、外側からネジ止めしてもよい。この場合、外側の主レンズ1に貫通穴が設けられ、内側の副レンズ2に非貫通穴やインサート5やインサートネジ6が設けられる。
【0039】
以上に説明したように、本発明の実施例によると、副レンズ2を主レンズ1にネジ4で取り付けるので、衝撃によって副レンズ2が外れることがない。また、スペーサ3又はインサート5又はインサートネジ6の長さによって主レンズ1と副レンズ2の間隔を調整できるので、主レンズ1と副レンズ2の曲面が異なっても、副レンズ2を主レンズ1に取り付けられ、副レンズ2の度数の制約を緩和できる。
【0040】
また、副レンズ2の形状を主レンズ1に似た形状に形成できるので、主レンズ1にサングラスレンズを用いる場合、外側から副レンズ2が見えづらく、サングラスの美観が低下しない。また、本発明の実施例では、主レンズ1に非貫通穴1Aを開け、副レンズ2に貫通穴2Aを開けるので、レンズ周縁部の段をより容易に加工できる。また、主レンズ1に段加工が不要なので、主レンズ1として様々なレンズを選択でき、ユーザが望む色やデザインのサングラスを提供できる。
【0041】
また、非貫通穴1A、貫通穴2Aの位置によって、副レンズ2の位置を変えられるので、広範なPDに対応できる。例えば、度付きサングラスレンズやインナークリップを用いる場合、狭いPDには対応が困難であるところ、本実施例の構成によるとPDが狭いアイウェアを提供できる。また、副レンズ2を主レンズ1の両側部まで配置でき、装着者の視野を広くできる。
【0042】
以上、本発明を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。
【符号の説明】
【0043】
1 主レンズ
1A 非貫通穴
2 副レンズ
2A 貫通穴
3 スペーサ
4 ネジ
5 インサート
6 インサートネジ
7 弦
8 フレーム
【要約】
【課題】様々なフレームに装着でき、外れにくいレンズ組立品を提供する。
【解決手段】内面に雌ネジが形成された非貫通穴が設けられる第1レンズと、ネジが貫通可能な貫通穴が設けられる第2レンズとを備えるレンズ組立品であって、前記第2レンズの前記貫通穴に挿入される前記ネジが前記非貫通穴と螺合することによって、前記第1レンズが外側に、前記第2レンズが内側に固定される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18