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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】電気機器収納キャビネット用換気装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240603BHJP
   B01D 46/10 20060101ALI20240603BHJP
   H02B 1/28 20060101ALI20240603BHJP
   H02B 1/56 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
H05K7/20 K
B01D46/10 B
H02B1/28 C
H02B1/28 D
H02B1/56 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020021213
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2021128968
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 陵二
(72)【発明者】
【氏名】石川 晃大
(72)【発明者】
【氏名】澤井 浩司
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-221708(JP,A)
【文献】実開平03-106796(JP,U)
【文献】特開2007-305885(JP,A)
【文献】特開2012-238756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
B01D 46/10
H02B 1/28
H02B 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタの背面側に位置する枠部と、枠部より正面側に延びる延出部位を備え正面側が開口するフィルタ収納部が背面側に延出するケースと、
通気孔を有し、ルーバー部とケースの間に位置するように装着されることで、ケースの正面側においてフィルタ収納部の周縁部の上部と側部を覆った状態とすることが可能なアダプターと、
を備え、
正面視においてフィルタの下方に位置する前記延出部位の上面と重ならない部分を設けるようにアダプターを装着することで、フィルタ収納部内に浸入した水をフィルタ収納部の下部からケースの正面側に排水可能な経路が設けられる電気機器収納キャビネット用換気装置。
【請求項2】
排水可能な間隙をフィルタ収納部の下部に設けるようにアダプターが装着される請求項1に記載の電気機器収納キャビネット用換気装置。
【請求項3】
ケースに対するアダプターの移動を制限するために用いられる移動規制部をアダプターの下部に備えた請求項1又は2に記載の電気機器収納キャビネット用換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器収納キャビネット用換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、電気機器収納キャビネットには、内部に収納した機器等により発生した熱を外部へ逃がすための換気装置が設けられている。特許文献1の換気装置は、より高い防塵性能を確保するため、フィルタの周縁にパッキン部材を配置し、フィルタをケースに密着させることにより防塵性能を高める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-166707号公報
【0004】
ところで、フィルタとパッキン部材とが一体となっているため、メンテナンスにおいてフィルタを交換する際、周縁のパッキンも同時に交換することとなり、コストが高くなってしまう。また、フィルタの周縁のパッキン部材によりケースに密着させる構造であるため、特にキャビネットの内側からのフィルタの交換作業がしづらくなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、パッキンを備えたフィルタを用いなくてもフィルタをケース部に密着させることができる電気機器収納キャビネット用換気装置にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、正面側が開口するフィルタ収納部が背面側に延出するケースと、ケースの正面側において、フィルタ収納部の周縁部の上部と側部を覆うアダプターと、を備えた電気機器収納キャビネット用換気装置とする。
【0007】
また、排水可能な間隙をフィルタ収納部の下部に設けるようにアダプターが装着される構成とすることが好ましい。
【0008】
また、ケースに対するアダプターの移動を制限するために用いられる移動規制部をアダプターの下部に備えた構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、パッキンを備えたフィルタを用いなくてもフィルタをケース部に密着させることができる電気機器収納キャビネット用換気装置にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の換気装置(ルーバー)が取り付けられた電気機器収納キャビネットの一部を示す斜視図である。
図2図1に示す電気機器収納キャビネットとルーバーの分解斜視図である。
図3図2とは異なる方向から見た、電気機器収納キャビネットとルーバーの分解斜視図である。
図4】ルーバー部を分離したルーバーの分解斜視図である。
図5】正面側から見たケースの斜視図である。
図6】背面側から見たケースの斜視図である。
図7図1のVII-VII断面図である。
図8】ケースにアダプターを装着した状態を示す図である。
図9】ルーバー部を本体ルーバー部材とサブルーバー部材に分解した分解斜視図である。
図10図1のX-X断面図である。
図11図1のXI-XI端面図である。
図12図1のXII-XII断面図である。
図13】電気機器収納キャビネットに取り付けられたルーバーから本体ルーバー部材を取り外した状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図4に示されていることから理解されるように、本実施形態の換気装置は、電気機器収納キャビネット用ルーバー1であり、正面側が開口するフィルタ収納部34を背面側に延出するケース3と、ケース3の正面側において、フィルタ収納部34の周縁部の上部と側部を覆うアダプター61と、を備えている。このため、パッキンを備えたフィルタを用いなくてもフィルタ4をケース3に密着させることができる換気装置にすることができる。
【0012】
実施形態のケース3は、フィルタ4を収納するものであり、断面U字状のフィルタ収納部34を備えている。図5及び図6に示すことから理解されるように、このフィルタ収納部34は、ケース3の背面側に延出されるものであり、正面側全体が開口した正面開口部41を備えており、背面側には正面開口部41より狭い通気孔42を備えている。通気孔42の周囲には、フィルタ4の背面側に位置することになる枠部43と、枠部43より正面側に延びる側面部44を備えている。
【0013】
また、実施形態のケース3は、枠部43を横切るようにフィルタ押さえ部45を備えている。フィルタ押さえ部45は枠部43よりも正面側に突出するように形成されており、フィルタ4がフィルタ収納部34から脱落することを抑制できるようにしている。なお、フィルタ4がフィルタ収納部34から脱落しにくいことから、換気装置の背面側に換気扇を取り付けても、フィルタ4が換気扇に巻き込まれることを抑制することができる。
【0014】
図7に示すことから理解されるように、実施形態のアダプター61は、断面U字状のフィルタ収納部34を備えたケース3の正面側に設置されるものである。このため、フィルタ収納部34に備えられたフィルタ4と、フィルタ収納部34との間に生じる隙間を抑制することができる。したがって、フィルタ4と、フィルタ収納部34との間に生じる隙間から大きな塵が侵入することを抑制することができるため、周縁にパッキンを備えたフィルタを用いる必要がなく、フィルタ4を正面開口部41からフィルタ収納部34に容易に収納できる。また、フィルタ4を撓ませることでフィルタ収納部34の通気孔42側からフィルタ4を収納することができ、換気装置をキャビネット8に取り付けた場合には、キャビネット8の外側と内側とのどちらからもフィルタ4の交換を行うことができる。なお、水の浸入も抑制することができる。
【0015】
実施形態のアダプター61は、中央寄りに通気孔62を備えた板状の構造であり、アダプター61の中央からの通気性能は確保しつつ、アダプター61の剛性を確保できるようにしている。なお、アダプター61は、後述するサブルーバー部材22とフィルタ4との間に介在するように位置することになるため、サブルーバー部材22とフィルタ4の間に空間ができるようになる。このため、サブルーバー部材22側からフィルタ4側に移動した水がフィルタ4にしみ込んでしまうことを抑制することができる。図2に示すアダプター61は、アダプター61の通気孔62の中央寄りの位置に上下方向に延びる補助支え部63を備えている。この補助支え部63は、必須なものでは無いが、補助支え部63を設けることにより、フィルタ4の脱落のリスクを抑制することができる。
【0016】
また、図8に示すことから理解されるように、実施形態の換気装置は、排水可能な間隙Spをフィルタ収納部34の下部に設けるようにアダプター61が装着される。このため、フィルタ4に浸入した水を間隙Spから排水することができる。したがって、水が換気装置内に浸入しフィルタ4に多くの水が染み込み、ケース3からオーバーフローしてキャビネット8内に浸水することを抑制することができ、換気装置がもたらす防水性能を高めることができる。
【0017】
また、図2に示す例のアダプター61の下部には、ケース3に対するアダプター61の移動を制限するために用いられる移動規制部を備えている。図2に示す例では、移動規制部は、貫通した穴部65であり、図4に示すように、ケース3に設けられているボススタッド39を挿入することができるように構成されている。この穴部65にボススタッド39が挿入されるようにしてアダプター61をケース3に隣接させれば、ケース3に対するアダプター61の移動が制限される。ケース3に対するアダプター61の移動が制限できると、換気装置の組み立て時にアダプター61を手で保持する必要が無くなるため、組み立て作業がしやすくなる。なお、実施形態では、図7に示すことから理解されるように、ルーバー部2をケース3に固定することで、ルーバー部2とケース3の間にアダプター61が挟まれてしっかりと固定されることになる。
【0018】
図3に示すことから理解されるように、実施形態のアダプター61はケース3と対向する面側にパッキン67を備えている。つまり、このパッキン67はアダプター61とケース3に挟まれるように位置するものである。このような構成とすると、フィルタ4とフィルタ収納部34との間に隙間が生じることに起因する防塵性能の低下を、より効果的に抑制することができる。
【0019】
なお、アダプター61は換気装置において必須のものでは無いため、防塵性能の要求度合いに応じて、装着する場合と装着しない場合を選択すればよい。
【0020】
本実施形態の換気装置は電気機器収納キャビネット用ルーバー1であるが、図9及び図10に示すことから理解されるように、この電気機器収納キャビネット用ルーバー1は、垂直面から外側下向きに延びる複数の張出部27を備える本体ルーバー部材21と、垂直面から外側上向きに張出部27に向かって延びる複数の副張出部28を備えるサブルーバー部材22を組み合わせて二層に構成したルーバー部2を備え、サブルーバー部材22の下部に位置する副張出部28に、浸入した水を排水するための経路となる排水部を備えている。なお、ここに記載された「二層に構成」が意味することは、他のルーバー部材を加えて、三層以上に構成されるものでは無いことを意味している。このように、ルーバー部材は二つとし、かつ、副張出部28が張出部27に向かって延びる構成であるとともに、サブルーバー部材22の下部に位置する副張出部28に排水部を設けていることから、通気性を維持しながら、外部からの水の侵入を抑制し、また、侵入した水を排水しやすい構造とすることが可能となる。
【0021】
実施形態のルーバー1は、フィルタ4を収納するケース3と、ルーバー部2を備えている。また、ルーバー部2は、外部に露出する本体ルーバー部材21と、本体ルーバー部材21とケース3の間に位置するサブルーバー部材22を備えている。図2及び図3に示すことから理解されるように、本体ルーバー部材21は、垂直面から外側下向きに延びる張出部27を複数備えており、ケース3に係止する第1係止部23を内側の左右側面上部に備えている。また、サブルーバー部材22は、垂直面から外側上向きに延びる副張出部28を複数備えている。このサブルーバー部材22は、ケース3に係止する第2係止部24を左右側面下部に備えている。また、ケース3側に折り曲げた第1当接部25を上端の一側面にわたって備えている。更には、左右側面から本体ルーバー部材21側に突出させた第2当接部26を備えている。なお、実施形態では、本体ルーバー部材21の張出部27は、ルーバー1の外部に向けて斜め下方に延びる通路をなすように開かれており、サブルーバー部材22の副張出部28は、本体ルーバー部材21に向けて斜め上方に延びる通路をなすように開かれている。
【0022】
張出部27と副張出部28の通気がスムーズになされるように、副張出部28の開口の下端、すなわち副張出部28の先端が、正面側に位置する張出部27の垂直開口部Svの高さの範囲に位置するように構成するのが好ましい。副張出部28の開口の下端が、正面側に位置する張出部27の垂直開口部Svの高さの下端より高く上端よりも低い位置に位置するようにすれば、張出部27と副張出部28の通気のしやすさを確保する一方で、張出部27から侵入した水の一部を副張出部28に当てることができる。副張出部28に当たることで、張出部27から侵入した水の勢いが弱まるため、水がフィルタ4側に移動することを抑制できる。なお、図10などに示す例では、副張出部28の開口の下端は、正面側に位置する張出部27の出入口となる垂直開口部Svの高さの中央位置付近に位置する構成となっている。
【0023】
また、副張出部28の先端が、対向する張出部27の垂直開口部Svに隣接する構成とするのが好ましい。このようにすれば、本体ルーバー部材21とサブルーバー部材22を組み合わせて二層に構成しても、水平方向の厚みを抑制することができる。
【0024】
実施形態のサブルーバー部材22は、下部に位置する副張出部28に排水部を備えている。この排水部はルーバー部2の内部に浸入した水を排水するための経路となるものであり、副張出部28などを一部切り欠いたような形態とすることで排水部が構成されている。
【0025】
また、サブルーバー部材22の副張出部28の下方に位置する水平面51の一部を切り欠き、排水部を備えた構成とすることが望ましい。水平方向に延びる水平面51に副張出部28などから水が落ちてきても、水平面51に備えた排水部からルーバー1の下端に設けた水抜き孔18へと水を下方に向けて排水することができる。また本体ルーバー部材21とサブルーバー部材22を共締めする構造でも排水可能となる。
【0026】
また、サブルーバー部材22の副張出部28の下方に位置する垂直面52の一部を切り欠き、排水部を備えた構成とすることが望ましい。サブルーバー部材22で区画された空間を超えて水が移動できるため、サブルーバー部材22で区画された空間の一方側に水が溜まってきた場合に、水の一部を他方側の空間に移動させることができる。
【0027】
なお、図9から図12に示す例では、副張出部28と垂直面と水平面をまたにかけた排水部を備えた構成としており、排水部用の開口を副張出部28と垂直面と水平面に別々に設けずに済む。この例においては、排水部をサブルーバー部材22の左右方向の中央に一つだけ配置しているが、副張出部28の左右方向の中央に排水部を配置することに限る必要は無いし、副張出部28に複数の排水部を設けても良い。
【0028】
排水部としては、この位置にのみ設けるものである必要は無く、図11から図13に示す例では、サブルーバー部材22の下方の中央に第一の排水部D1を備え、サブルーバー部材22の下方の左右に第二の排水部D2を備えた構成としている。第一の排水部D1は、副張出部28から垂直面を経て水平面に続く開口であり、この副張出部28内に浸入した水は、基本的には、この第一の排水部D1を通って下方に移動する。
【0029】
なお、図13に示す例では、ルーバーの内部に浸入した水は、滴下することにより下方に流され、通常は、サブルーバー部材22とケース3との間に形成される第二の排水部D2を経て下方に流されるが、過大な水が浸入し、第二の排水部D2からの排水が滞ったような場合には、サブルーバー部材22のケース3側にある水の一部は第一の排水部D1を通り、下方に流れ落ちることができる。
【0030】
ところで、図2及び図3から理解されるように、ルーバー部2が覆うケース3は、本体ルーバー部材21の第1係止部23を係止する第1切欠部31を、正面側に立ち上がった左右側面の上部に備えている。また、このケース3は、サブルーバー部材22の第2係止部24を係止する第2切欠部32を、正面側に立ち上がった左右側面の下部に備えている。また、ケース3の上端は、電気機器収納キャビネット8のルーバー1の正面側に向けて折り曲げられた折り曲げ部38を備え、この折り曲げ部38とルーバー部2が接するように重ねることができる。このため、折り曲げ部38とルーバー部2の間から水がルーバー1内に浸入することを抑制できる。
【0031】
図2及び図3に示すケース3の下端には、背面側に折り曲げた帯状の規制部35が一側面にわたって設けられている。このように、規制部35を、ケース3の下端に帯状に形成すると、均一的にルーバー1を適切な位置に配置できる。また、フィルタ収納部34の周囲には、背面側に突出するように、ボルト36が溶接で固定されている。なお、ボルト36の基端側には、フランジ部37を備えているが、ルーバー1を電気機器収納キャビネット8の筐体などに取り付けた場合に、このフランジ部37と規制部35がともに、面に接することができるよう、各々の端面が同一面上となるように構成している。このように、ケース3に、キャビネット8に取り付けるためのボルト36を備えた構成とし、このボルト36の一端側に、規制部35と同様な制限量でパッキン91の圧縮量を制限するフランジ部37を備えた構成とすれば、より均一的にルーバー1を適切な位置に配置することができる。
【0032】
ここで、ルーバー1の組み立て方の例について説明する。先ず、ケース3のフィルタ収納部34に、フィルタ4を収納する。防塵性能を高める必要がある場合は、更に、アダプター61を装着する。その後、サブルーバー部材22の第2係止部24を、ケース3の第2切欠部32に挿入する。この際、第1当接部25は、ケース3に当接させることができる。そして、本体ルーバー部材21の第1係止部23を、ケース3の第1切欠部31に掛ける。この際、第2当接部26は、本体ルーバー部材21に内接させることができる。最後に、本体ルーバー部材21の正面外側からねじ止めする。実施形態では、この際、ねじ94は、本体ルーバー部材21とサブルーバー部材22に挿入された後、ケース3に設けられたボススタッド39に対してねじこまれている。
【0033】
この実施形態では、図10に示すことから理解されるように、サブルーバー部材22に備えられた第1当接部25とケース3、サブルーバー部材22に備えられた第2当接部26と本体ルーバー部材21を当接させ、ねじ固定しているためルーバー1のガタツキを抑制できる。また、サブルーバー部材22の上端を一側面にわたってケース3側に折り曲げて第1当接部25とし、ケース3と当接させているため、ルーバー1の上部(本体ルーバー部材21とケース3の折り曲げ部38との接合面)の隙間から浸入した水は、本体ルーバー部材21の張出部27へ排出されるか、ルーバー部2の内部を滴下してルーバー1の下端に設けた水抜き孔18から排出される。つまり、第1当接部25を設けることにより、フィルタ4側へ水が浸入しフィルタ4に染み込むことを抑制し、ルーバー1の外への排水流路が確保される。なお、実施形態の水抜き孔18は本体ルーバー部材21の下部の背面側を切り欠くようにして構成されている。
【0034】
次に、電気機器収納キャビネット8へのルーバー1の取り付け方の例について説明する。図2及び図3に示すことから理解されるように、電気機器収納キャビネット8の外壁80には、フィルタ収納部34に合わせたルーバー取付孔81とボルト36の位置に合わせた丸孔82を備えている。この例では、ルーバー1にパッキン91を取り付けた後、フィルタ収納部34をルーバー取付孔81に挿入したら、このルーバー1を、パッキン91を介して電気機器収納キャビネット8に取り付けるため、取付具を締め付ける。
【0035】
具体的には、ケース3に備えたボルト36を、パッキン91の丸孔92と電気機器収納キャビネット8の外壁80の丸孔82に挿通し、電気機器収納キャビネット8の内側からナット95を回して締め付けて固定する。この例では、ボルト36及びナット95が取付具である。
【0036】
ナット95をねじ込んでいくと、ケース3と電気機器収納キャビネット8との間に配置されたパッキン91が潰れるが、一定量を締め付けた位置で、ケース3の下端に設けた規制部35などが電気機器収納キャビネット8の外壁80と当接するように構成されているため、パッキン91の過度の締め付けを回避することができる。したがって、ナット95を締め付け過ぎて、電気機器収納キャビネット8の外壁80がルーバー1と近接して水抜き孔18と外壁80の間の空間を狭めてしまうようなことを防ぐことができる。また、ボルト36の周囲のフランジ部37の端面と規制部35の端面が同一面上にあるため、ルーバー1全体を均一的に締め付けることができる。よって、ルーバー1が斜めにならず、適切に取り付けることができる。
【0037】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、ルーバー部の構造は、図示したような実施例に限定するものではなく、本体ルーバー部材とサブルーバー部材の通気口の向きが、異なるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
3 ケース
34 フィルタ収納部
61 アダプター
Sp 間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13