(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】電線ガイド構造及び給電装置
(51)【国際特許分類】
H02G 11/00 20060101AFI20240603BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20240603BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
H02G11/00
H02G3/04 068
H02G3/04 037
B60R16/02 623U
B60R16/02 620C
(21)【出願番号】P 2022043658
(22)【出願日】2022-03-18
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸次
(72)【発明者】
【氏名】柴田 友容
(72)【発明者】
【氏名】井口 杉之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓将
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 陸哉
(72)【発明者】
【氏名】土田 和弘
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136809(JP,A)
【文献】特開2020-005381(JP,A)
【文献】特開2006-327328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 11/00
H02G 3/04
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に収められた電線を保護する可撓性の保護チューブと、
端部に係止フランジを有し、所定の屈曲方向とは異なる方向の屈曲が規制された長尺形状に形成され、前記保護チューブの一端部の開口から、前記電線に沿うとともに前記係止フランジが前記開口の外側に位置するように挿入されて、前記保護チューブ及び前記電線が前記屈曲方向に屈曲するように案内するガイド部材と、
前記電線とともに前記ガイド部材が収められた前記保護チューブの前記一端部を収める収容溝、及び、当該収容溝の内側で前記ガイド部材の前記係止フランジに係止するガイド係止部、を有するプロテクタと、を備え、
前記保護チューブが、前記一端部の内面に、周方向に延在する溝状に形成されて長手方向について前記ガイド部材を位置決めするチューブ側位置決め部、を備え、
前記ガイド部材が、前記チューブ側位置決め部に係止するリブ状に形成され、前記プロテクタにおける前記ガイド係止部への前記係止フランジの係止を可能とする間隙が、前記保護チューブの前記開口と前記係止フランジとの間に開くように、前記保護チューブに対して前記ガイド部材を位置付けるガイド側位置決め部、を備えていることを特徴とする電線ガイド構造。
【請求項2】
前記ガイド部材が、前記係止フランジに向かう前記保護チューブの動きを規制する部位を備えており、当該部位が、前記保護チューブの前記開口と前記係止フランジとの間に位置し、前記開口に当接することで前記保護チューブの動きを規制するストッパーとなっていることを特徴とする請求項1に記載の電線ガイド構造。
【請求項3】
前記保護チューブは、前記長手方向と交差する断面形状が、所定の第1幅方向の幅寸法と、当該第1幅方向と直交する第2幅方向の幅寸法とが互いに異なることで、前記保護チューブの内部における軸回りについて前記ガイド部材の回転を規制するチューブ側規制形状となっており、
前記ガイド部材は、前記長手方向と交差する断面形状が、前記ガイド部材が前記軸回りに回転しようとすると前記チューブ側規制形状と干渉して当該ガイド部材の回転を規制するガイド側規制形状となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電線ガイド構造。
【請求項4】
前記保護チューブが、内面側と外面側の双方で凹凸を交互に繰り返す蛇腹状に形成されたコルゲートチューブであり、
前記チューブ側位置決め部が、前記コルゲートチューブにおける内面側の凹溝部分であることを特徴とする請求項1~3のうち何れか一項に記載の電線ガイド構造。
【請求項5】
前記保護チューブが、当該保護チューブの外面に、周方向に延在する溝状に形成され、前記プロテクタに前記保護チューブを係止させるチューブ側係止部、を備え、
前記プロテクタが、前記収容溝の内面に、前記チューブ側係止部に係止するリブ状に形成されたプロテクタ側係止部、を備えたことを特徴とする請求項1~4のうち何れか一項に記載の電線ガイド構造。
【請求項6】
前記保護チューブが、内面側と外面側の双方で凹凸を交互に繰り返す蛇腹状に形成されたコルゲートチューブであり、
前記チューブ側係止部が、前記コルゲートチューブにおける外面側の凹溝部分であることを特徴とする請求項5に記載の電線ガイド構造。
【請求項7】
電源が搭載された電源側構造物、及び、前記電源からの電力で動作する機器が搭載されると共に前記電源側構造物に対して相対移動可能に取り付けられた機器側構造物、に亘って配策される電線と、
前記電線を保護するとともに、前記機器側構造物の移動に伴う前記電線の屈曲を案内する請求項1~6のうち何れか一項に記載の電線ガイド構造と、
を備えたことを特徴とする給電装置。
【請求項8】
前記プロテクタが前記電源側構造物に固定され、
前記保護チューブにおける前記一端部とは反対側の他端部が前記機器側構造物に支持されていることを特徴とする請求項7に記載の給電装置。
【請求項9】
前記電源側構造物が、自動車の車体であり、
前記機器側構造物が、前記車体に対してスライド移動可能に取り付けられたスライドドアであることを特徴とする請求項7又は8に記載の給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線を保護するとともに屈曲を案内する電線ガイド構造と、そのような電線ガイド構造を備えた給電装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電線を保護するとともに屈曲を案内する電線ガイド構造として、電線を内側に収めた保護チューブに、所定の屈曲方向とは異なる方向の屈曲が規制されたガイド部材を電線に沿うように挿入した構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、この電線ガイド構造では、長尺形状のガイド部材の一端に設けられた係止フランジが、保護チューブの開口の外側に位置するととともに、保護チューブの一端部を保持するプロテクタのガイド係止部に係止するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述の電線ガイド構造では、保護チューブの一端部は、開口からガイド部材の係止フランジを露出させた状態でプロテクタに取り付けられる。このとき、プロテクタのガイド係止部にガイド部材の係止フランジを係止させるためには、保護チューブの開口と係止フランジとの間に所定の間隙が必要である。多くの場合、作業者は、このような間隙が開くように保護チューブとガイド部材の係止フランジを手で押さえて位置調整をしながらプロテクタのガイド係止部に係止フランジを係止させるという作業を行うこととなる。そして、このような位置調整を伴う作業は、多くの作業者にとって困難であり、もっと容易に組立作業を行うことができる電線ガイド構造が求められている。
【0005】
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、容易に組立作業を行うことができる電線ガイド構造、及び、そのような電線ガイド構造を備えた給電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、電線ガイド構造は、内側に収められた電線を保護する可撓性の保護チューブと、端部に係止フランジを有し、所定の屈曲方向とは異なる方向の屈曲が規制された長尺形状に形成され、前記保護チューブの一端部の開口から、前記電線に沿うとともに前記係止フランジが前記開口の外側に位置するように挿入されて、前記保護チューブ及び前記電線が前記屈曲方向に屈曲するように案内するガイド部材と、前記電線とともに前記ガイド部材が収められた前記保護チューブの前記一端部を収める収容溝、及び、当該収容溝の内側で前記ガイド部材の前記係止フランジに係止するガイド係止部、を有するプロテクタと、を備え、前記保護チューブが、前記一端部の内面に、周方向に延在する溝状に形成されて長手方向について前記ガイド部材を位置決めするチューブ側位置決め部、を備え、前記ガイド部材が、前記チューブ側位置決め部に係止するリブ状に形成され、前記プロテクタにおける前記ガイド係止部への前記係止フランジの係止を可能とする間隙が、前記保護チューブの前記開口と前記係止フランジとの間に開くように、前記保護チューブに対して前記ガイド部材を位置付けるガイド側位置決め部、を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するために、給電装置は、電源が搭載された電源側構造物、及び、前記電源からの電力で動作する機器が搭載されるとともに前記電源側構造物に対して相対移動可能に取り付けられた機器側構造物、に亘って配策される電線と、前記電線を保護するとともに、前記機器側構造物の移動に伴う前記電線の屈曲を案内する上述の電線ガイド構造と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記の電線ガイド構造及び給電装置によれば、容易に組立作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る給電装置を自動車における上方から見て模式的に示す図である。
【
図2】
図1に示されている給電装置に設けられた電線ガイド構造を分解斜視で示した図である。
【
図3】
図2に示されているプロテクタの内側及びプロテクタ蓋部の内面を示す平面図である。
【
図4】
図2に示されているプロテクタの収容溝にガイド部材挿入済のコルゲートチューブの一端部が収容された様子を、収容溝の内側を見る平面視で示す図である。
【
図5】コルゲートチューブのプロテクタへの収容時における煩雑な位置調整を省くために電線ガイド構造に施された工夫を、ガイド部材について示す斜視図である。
【
図6】
図5に示されているガイド側位置決め部及びストッパーが、コルゲートチューブのプロテクタへの収容時における煩雑な位置調整を省くための工夫となっていることを、
図4中のV11-V11線に沿った断面で示す図である。
【
図7】
図6中のV12-V12線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、電線ガイド構造及び給電装置の一実施形態について説明する。本実施形態の給電装置は、自動車の車体における搭載電源からスライドドアの搭載機器へと電力を供給する装置である。
【0011】
図1は、一実施形態に係る給電装置を自動車における上方から見て模式的に示す図である。
図1には、スライドドアDR1が、全閉位置にあるときの給電装置1が示されている。この給電装置1は、スライドドアDR1を有する自動車C1に搭載されて、車体C11に対してスライド移動可能に取り付けられたスライドドアDR1に搭載された各種機器に電力を供給する装置である。
図1における左右方向が自動車C1の前後方向D11に相当し、図中左側が前方に相当し、図中右側が後方に相当する。給電装置1は、給電用のワイヤーハーネス11と、車体側ユニット12と、ドア側ユニット13と、を備えている。
【0012】
ワイヤーハーネス11は、自動車C1の車体C11からスライドドアDR1へと渡される渡り部分11aを有し、車体C11の搭載電源からスライドドアDR1の搭載機器への電力供給を担っている。渡り部分11aは、複数本の電線111が屈曲可能な保護チューブであるコルゲートチューブ112の内側に通された構造を有している。電線111は、電源側構造物である車体C11、及び、電力供給対象の機器が搭載された機器側構造物である、車体C11に対して相対移動可能に取り付けられたスライドドアDR1、に亘って配策される。この電線111の中途部分がコルゲートチューブ112の内側に通されて渡り部分11aが構成されている。車体側ユニット12は渡り部分11aを車体C11の側で支持する部材であり、具体的には、コルゲートチューブ112の車体C11の側の端部を支持している。この端部開口から延出した電線111は、車体側ユニット12の内部を通って車体C11の搭載電源へと配策されて接続されている。他方、ドア側ユニット13は渡り部分11aをスライドドアDR1の側で支持する部材であり、具体的には、コルゲートチューブ112のスライドドアDR1の側の端部を支持している。この端部開口から延出した電線111は、ドア側ユニット13の内部を通ってスライドドアDR1の搭載機器へと配策されて接続されている。
【0013】
車体側ユニット12は、コルゲートチューブ112の車体C11の側の端部を支持するとともに内側に電線111を通すように筒状に形成されている。車体側ユニット12は、コルゲートチューブ112の一端部等を収める溝状の車体側プロテクタ121と、その溝開口を覆うプロテクタ蓋部122と、を備えている。車体側プロテクタ121にプロテクタ蓋部122が被せられることで、コルゲートチューブ112の車体C11の側の端部開口を延出した電線111を電源の側の出口まで案内する筒が形成される。このような筒状の車体側ユニット12が車体C11に固定される。
【0014】
ドア側ユニット13は、ドア側ロータ131及びドア側プロテクタ132を備えている。ドア側ロータ131は、自動車C1の前後方向D11と交差するとともにスライドドアDR1に沿った回動軸13aの回りに回動可能に設けられて渡り部分11aを支持する筒状の部位である。ドア側プロテクタ132は、スライドドアDR1に固定され、回動軸13aの回りに回動可能となるようにドア側ロータ131の一端を軸支する。このドア側プロテクタ132には、電線111を次のように案内するドア側案内筒132aが設けられている。即ち、ドア側案内筒132aは、コルゲートチューブ112のスライドドアDR1の側の端部開口を延出し、更に筒状のドア側ロータ131の内部を通過した電線111を、スライドドアDR1の搭載機器の側の出口まで案内する。このドア側案内筒132aは、スライドドアDR1に沿って延出するように自動車C1の上方へと突出して形成されている。
【0015】
スライドドアDR1の開閉に応じ、ドア側ロータ131が回動軸13aの回りに回動することでワイヤーハーネス11における渡り部分11aがスライドドアDR1の動きに追随する。スライドドアDR1が全閉位置にあるときには、渡り部分11aは車体側ユニット12を出て前方へと略伸び切った状態で延出する。このときには、ドア側ロータ131は、渡り部分11aを後方へと向かわせるような姿勢となる。
【0016】
スライドドアDR1がこの全閉位置から後方側の全開位置へとスライド移動するときには、渡り部分11aをU字状に変形させつつドア側ロータ131が前方側へと回動する。そして、全開位置では、ドア側ロータ131は渡り部分11aを前方へと向かわせるような姿勢となる。逆に、スライドドアDR1が全開位置から前方側の全閉位置へとスライド移動するときには、ドア側ロータ131は後方側へと回動し、全閉位置に至って上記のような姿勢となる。
【0017】
そして、本実施形態では、この給電装置1に、スライドドアDR1の移動に伴う電線111の屈曲を案内する電線ガイド構造14が車体C11の側に設けられている。
【0018】
図2は、
図1に示されている給電装置に設けられた電線ガイド構造を分解斜視で示した図である。
【0019】
この
図2に示されている電線ガイド構造14は、上述した保護チューブとしてのコルゲートチューブ112と、ガイド部材141と、車体側プロテクタ121及びプロテクタ蓋部122を有する車体側ユニット12と、を備えている。尚、
図2では、コルゲートチューブ112及びガイド部材141は、何れも、車体C11の側の一部のみが具体的に描かれており、他の部分については点線で模式的に示されている。
【0020】
コルゲートチューブ112は、上述のように内側に収められた電線111を保護する可撓性の保護チューブであり、樹脂で内面側と外面側の双方で凹凸を交互に繰り返す蛇腹状に形成されたチューブ部材である。
【0021】
ガイド部材141は、端部に係止フランジ141aを有し、所定の屈曲方向D12とは異なる方向の屈曲が規制された次のような長尺形状に樹脂で形成された部材である。このガイド部材141は、電線111に沿うように配列された複数の部材片141bが、部材片141bよりも薄厚で屈曲可能な連結部141cで互いに連結されたものである。本実施形態では、複数の部材片141b及び連結部141cが、樹脂によって互いに一体に成型されている。複数の部材片141bそれぞれは、電線111を相互間に挟むように互いに対向する一対の対向壁と、それらを繋ぐ結合壁と、で長手方向に対する直交断面形状が略C字状に形成されている。そして、ガイド部材141は、複数の部材片141bが互いに干渉しない屈曲方向D12について連結部141cの屈曲性によって屈曲可能となっている。他方、屈曲方向D12の反対方向については、部材片141b同士の干渉によって屈曲が規制され、自動車C1の上下方向については、連結部141cが屈曲不可であることを以て屈曲が規制される。係止フランジ141aは、ガイド部材141における車体C11の側の端部を、車体側ユニット12の車体側プロテクタ121の内側に係止固定するための部位である。係止フランジ141aは、複数の部材片141bのうち、車体側ユニット12における車体C11の側の出口に最も近い出口側端部片141b-1の、その出口側端部から長手方向に対する直交方向へと張り出すように形成されたC字状のリブである。
【0022】
このガイド部材141は、コルゲートチューブ112の車体C11の側の一端部112aの開口112a-1から、電線111に沿うとともに係止フランジ141aが開口112a-1の外側に位置するように挿入方向D15に挿入される。そして、コルゲートチューブ112の内側で、このコルゲートチューブ112及び電線111が屈曲方向D12に屈曲するように屈曲を案内する。
【0023】
ここで、本実施形態では、コルゲートチューブ112の内部における軸回りのガイド部材141の回転を規制するために、コルゲートチューブ112及びガイド部材141は、長手方向と交差する断面形状が各々次のような形状に形成されている。まず、コルゲートチューブ112は、長手方向と交差する断面112cの形状が、所定の第1幅方向D13の幅寸法W11と、当該第1幅方向D13と直交する第2幅方向D14の幅寸法W12とが互いに異なる長円形状となっている。図示例では、第1幅方向D13の幅寸法W11が第2幅方向D14の幅寸法W12よりも長い長円形状となっている。本実施形態では、ガイド部材141の回転を規制するためのチューブ側規制形状としてこのような長円形状が採用されている。
【0024】
他方、ガイド部材141は、長手方向と交差する断面形状が、ガイド部材141が軸回りに回転しようとするとチューブ側規制形状(長円形状)と干渉してガイド部材141の回転を規制するガイド側規制形状となっている。本実施形態におけるガイド側規制形状はガイド部材141を構成する部材片141bの断面形状であり、第1幅方向D13の長さが第2幅方向D14の長さよりも長い縦長のC字形状となっている。
【0025】
車体側ユニット12は、コルゲートチューブ112車体C11の側の一端部112aを保持する筒状の部材であって、上述のように車体側プロテクタ121とプロテクタ蓋部122とを備えている。そして、車体側プロテクタ121が、電線111とともにガイド部材141が収められたコルゲートチューブ112の一端部112aを収める収容溝121aを備えている。更に、この収容溝121aの内側に、以下に説明するガイド係止部121b及びプロテクタ側係止部121cが形成されている。また、収容溝121aを覆うプロテクタ蓋部122の内面には、プロテクタ側係止部121cと同様の部位が形成されている。
【0026】
図3は、
図2に示されているプロテクタの内側及びプロテクタ蓋部の内面を示す平面図である。
【0027】
車体側プロテクタ121における収容溝121aの内側に形成されるガイド係止部121bは、ガイド部材141の係止フランジ141aに係止する部位である。ガイド係止部121bは、収容溝121aにおけるスライドドアDR1側の開口寄りの中途位置に、C字板状の係止フランジ141aが嵌め込まれて係止されるように溝状に形成されている。
【0028】
また、収容溝121aの内側に形成されるプロテクタ側係止部121cは、コルゲートチューブ112を車体側プロテクタ121に係止させるための部位である。ここで、本実施形態では、蛇腹状のコルゲートチューブ112における外面側の凹溝部分がチューブ側係止部112b(
図2)となっており、プロテクタ側係止部121cはこのチューブ側係止部112bに係止するリブ状に形成されている。また、本実施形態では、リブ状のプロテクタ側係止部121cが、ガイド係止部121bよりもスライドドアDR1側の開口寄りに3列形成されている。そして、コルゲートチューブ112の外面側で周方向に延在する凹溝部分のうち、これら3列のプロテクタ側係止部121cに対応する3列の凹溝部分がチューブ側係止部112bとして利用される。チューブ側係止部112bは、車体側プロテクタ121にコルゲートチューブ112を係止させるためのチューブ側の部位である。
【0029】
また、収容溝121aを覆うプロテクタ蓋部122の内面には、プロテクタ側係止部121cと同様の部位として、コルゲートチューブ112における3列のプロテクタ側係止部121cに係止するリブ状の蓋側係止部122aが3列形成されている。
【0030】
以上に説明した電線ガイド構造14とともに車体側ユニット12が組み立てられる。その組立作業は、
図2に模式的に示されているように、まず、電線111が通されたコルゲートチューブ112の一端部112aの開口112a-1から、ガイド部材141が挿入方向D15に挿入される。この挿入は、ガイド部材141が電線111に沿うとともに係止フランジ141aが開口112a-1の外側に位置するように行われる。その後、ガイド部材141挿入済のコルゲートチューブ112の一端部112aが車体側プロテクタ121の収容溝121aの内側に収容方向D16へと収容される。このときの収容は、ガイド部材141の係止フランジ141aがガイド係止部121bに係止し、3列のプロテクタ側係止部121cが3列のチューブ側係止部112bに係止するように行われる。最後に、収容溝121aを覆うようにプロテクタ蓋部122が車体側プロテクタ121に取り付けられる。この取付け段階では、チューブ側係止部112bへのプロテクタ側係止部121cの係止によって、収容溝121aの内部においてコルゲートチューブ112の一端部112aが所定の位置に位置決めされた状態となっている。プロテクタ蓋部122は、この位置決め済のコルゲートチューブ112の一端部112aに被せるように車体側プロテクタ121に取付け方向D17へと取り付けられる。プロテクタ蓋部122の内面における3列の蓋側係止部122aは、3列のプロテクタ側係止部121cに対応する位置に形成されている。このような位置への形成によって、車体側プロテクタ121への取付け時には、3列の蓋側係止部122aが、位置決め済のコルゲートチューブ112の一端部112aにおける3列のチューブ側係止部112bに係止することとなる。ここで、一部繰返しになるが、車体側プロテクタ121の収容溝121aへのガイド部材141挿入済のコルゲートチューブ112の一端部112aの収容について更に説明する。
【0031】
図4は、
図2に示されているプロテクタの収容溝にガイド部材挿入済のコルゲートチューブの一端部が収容された様子を、収容溝の内側を見る平面視で示す図である。尚、この
図4、及び後述の
図6、
図7では、コルゲートチューブ112及びガイド部材141は、何れも、車体C11の側の一部のみが具体的に描かれており、他の部分については図示が省略されている。
【0032】
車体側プロテクタ121の収容溝121aへのガイド部材141挿入済のコルゲートチューブ112の一端部112aの収容は、上述したように、ガイド部材141の係止フランジ141aがガイド係止部121bに係止するように行われる。このとき、係止フランジ141aをガイド係止部121bに係止させるためには、コルゲートチューブ112の開口112a-1と係止フランジ141aとの間に、ガイド係止部121bへの係止に十分な間隙d11が必要である。多くの作業者にとって、このような間隙d11が開くようにコルゲートチューブ112と係止フランジ141aを手で押さえて位置調整をしながらコルゲートチューブ112の一端部112aの収容を行う等といった作業は困難なものとなる。そこで、本実施形態では、このような煩雑な位置調整を行わずにコルゲートチューブ112の収容が可能となるように、
図2に示されている電線ガイド構造14に次のような工夫が施されている。
【0033】
図5は、コルゲートチューブのプロテクタへの収容時における煩雑な位置調整を省くために電線ガイド構造に施された工夫を、ガイド部材について示す斜視図である。この
図5には、工夫に関わる箇所が見えるように、ガイド部材141が2方向からの斜視図で示されている。
【0034】
このガイド部材141には、コルゲートチューブ112の車体側プロテクタ121への収容時における煩雑な位置調整を省くための工夫として、ガイド側位置決め部141dと、ストッパー141eと、が設けられている。
【0035】
図6は、
図5に示されているガイド側位置決め部及びストッパーが、コルゲートチューブのプロテクタへの収容時における煩雑な位置調整を省くための工夫となっていることを、
図4中のV11-V11線に沿った断面で示す図である。また、
図7は、
図6中のV12-V12線に沿った断面図である。
【0036】
以下、コルゲートチューブ112の車体側プロテクタ121への収容時における煩雑な位置調整を省くための工夫について、主に
図4~
図7を参照しながら説明する。
【0037】
本実施形態では、コルゲートチューブ112の一端部112aにおける内面側の凹溝部分がガイド部材141をコルゲートチューブ112に対して位置決めするチューブ側位置決め部112dとして利用される。ガイド部材141におけるガイド側位置決め部141dは、チューブ側位置決め部としてのチューブ側位置決め部112dに係止する、周方向に延在するリブ状に形成される。そして、ガイド側位置決め部141dは、チューブ側位置決め部112dへの係止によって、コルゲートチューブ112のの一端部112aの開口112a-1と係止フランジ141aとの間に上記の間隙d11が開くようにガイド部材141を位置付ける。ガイド部材141はコルゲートチューブ112の一端部112aの開口112a-1から挿入されるが、リブ状のガイド側位置決め部141dは、挿入の最後の段階で開口112a-1に進入する。その際には、ガイド側位置決め部141dは、コルゲートチューブ112の一端部112aを内側から押し広げながら進み、上記の間隙d11に対応する位置のチューブ側位置決め部112dにガイド側位置決め部141dが係止することとなる。
【0038】
ストッパー141eは、係止フランジ141aに向かうコルゲートチューブ112の動きを規制する部位である。このストッパー141eは、コルゲートチューブ112の一端部112aの開口112a-1と係止フランジ141aとの間に位置し、上記の開口112a-1に当接することでコルゲートチューブ112の動きを規制する。本実施形態では、ストッパー141eは、C字状リブのガイド側位置決め部141dにおける上下の2腕それぞれからコルゲートチューブ112の開口112a-1の側へと矩形ブロック状に突出する形状に形成されている。この矩形ブロック状のストッパー141eの厚み、つまり係止フランジ141aからの突出量が上記の間隙d11と略等しくなっている。そして、上記のガイド側位置決め部141dは、ストッパー141eが開口112a-1に当接するまでガイド部材141が押し込まれたときに上記の間隙d11に対応する位置のチューブ側位置決め部112dに係止する位置に設けられている。
【0039】
ガイド側位置決め部141dのチューブ側位置決め部112dへの係止によって位置決めされた状態でガイド部材141が挿入されたコルゲートチューブ112の一端部112aが車体側プロテクタ121の収容溝121aに収容される。この収容時には、コルゲートチューブ112の開口112a-1と係止フランジ141aとの間には、ガイド係止部121bへの係止フランジ141aの係止を可能とする間隙d11が上記の位置決めによって確保された状態となっている。コルゲートチューブ112の一端部112aは、このように確保された間隙d11に車体側プロテクタ121のガイド係止部121bが嵌め込まれるように行われ、この嵌め込みによって係止フランジ141aにガイド係止部121bが係止することとなる。また、このときには、コルゲートチューブ112の外面側における3列のチューブ側係止部112bに、車体側プロテクタ121の収容溝121aの内面に設けられた3列のプロテクタ側係止部121cが係止する。更に、コルゲートチューブ112の開口112a-1を出た電線111が収容溝121aの内部を通って車体C11の側の出口から延出するように配策される。その後、プロテクタ蓋部122が取り付けられて電線ガイド構造14及び車体側ユニット12が完成する。
【0040】
以上に説明した電線ガイド構造14によれば、ガイド部材141のガイド側位置決め部141dがコルゲートチューブ112の内面側のチューブ側位置決め部112dに係止する。この係止によって、ガイド係止部121bへの係止フランジ141aの係止を可能とする間隙d11が、コルゲートチューブ112の開口112a-1と係止フランジ141aとの間に開く。このような間隙d11の形成は、コルゲートチューブ112へのガイド部材141の挿入によって、車体側プロテクタ121へのコルゲートチューブ112の取付けに先立って行うことが可能となる。そして、コルゲートチューブ112の取付けは、上記の間隙d11が設けられたままガイド部材141の係止フランジ141aを車体側プロテクタ121のガイド係止部121bに係止させて容易に行うことができる。つまり、上記の電線ガイド構造14によれば、容易に組立作業を行うことができる。
【0041】
ここで、本実施形態では、ガイド部材141が、係止フランジ141aに向かうコルゲートチューブ112の動きを規制するストッパー141eを備えている。この構成によれば、仮に、上記の2つの位置決め部の係止を外すような外力がコルゲートチューブ112やガイド部材141に加わったとしても、ストッパー141eが開口112a-1に当接することによってコルゲートチューブ112の動きが規制される。この規制により、チューブ側位置決め部112dとガイド側位置決め部141dとの係止外れが抑制され、コルゲートチューブ112の開口112a-1と係止フランジ141aとの間の間隙d11が維持される。そして、このような間隙d11の維持により、上記のような外力が加わっても変わらずに電線ガイド構造14の組立作業を続けることができる。
【0042】
また、本実施形態では、コルゲートチューブ112は、長手方向と交差する断面112cの形状が、内部におけるガイド部材141の回転を規制するチューブ側規制形状(長円形状)となっている。そして、ガイド部材141は、その断面形状が、チューブ側規制形状(長円形状)と干渉して当該ガイド部材141の回転を規制するガイド側規制形状(縦長のC字形状)となっている。この構成によれば、コルゲートチューブ112の内部でガイド部材141が軸回りに回転しようとするとコルゲートチューブ112に干渉することで、このようなガイド部材141の回転に対する回り止めを行うことができる。
【0043】
また、本実施形態では、電線111の保護チューブがコルゲートチューブ112であり、その内面側に元々備わっている凹溝部分がチューブ側位置決め部112dとして利用されている。この構成によれば、コルゲートチューブ112とは別途の部品としてチューブ側位置決め部を用意する場合等に比べて製造コストを低減させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、コルゲートチューブ112の外面に溝状のチューブ側係止部112bが設けられ、車体側プロテクタ121における収容溝121aの内面にリブ状のプロテクタ側係止部121cが設けられている。この構成によれば、チューブ側係止部112bをプロテクタ側係止部121cに係止させることで、車体側プロテクタ121の収容溝121aの内部におけるコルゲートチューブ112のズレ等を効果的に抑えることができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のチューブ側係止部112bとして、コルゲートチューブ112における外面側の凹溝部分が利用されている。この構成によれば、コルゲートチューブ112とは別途の部品としてチューブ側係止部を用意する場合に比べて製造コストを低減させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、給電装置1が、電線111の屈曲を案内する上述の電線ガイド構造14を備えていることから、容易に組立作業を行うことができる。
【0047】
また、本実施形態では、車体側プロテクタ121が電源側構造物である車体C11に固定され、コルゲートチューブ112における上記の一端部112aとは反対側の他端部が機器側構造物であるスライドドアDR1に支持されている。つまり、自動車C1の車体C11の側に上述の電線ガイド構造14が設けられている。この構成によれば、自動車のスライドドアに対する給電装置として多く見られる車体側に電線ガイド構造を設ける形態に、上述の電線ガイド構造14を適用することで、当該電線ガイド構造14による組立容易性を有効活用できる。
【0048】
また、本実施形態では、電源側構造物が、自動車C1の車体C11であり、機器側構造物がスライドドアDR1となっている。自動車C1の車体C11とスライドドアDR1との間に亘って配策される電線111については、スライドドアDR1のスライド移動に良好に追随するように屈曲させることが求められる。上記の構成によれば、このような電線111のガイドについて上述の電線ガイド構造14が利用されており、当該電線ガイド構造14による組立容易性を有効活用することができる。
【0049】
尚、以上に説明した実施形態は電線ガイド構造及び給電装置の代表的な形態を示したに過ぎず、電線ガイド構造及び給電装置は、この実施形態に限定されるものではない。即ち、電線ガイド構造及び給電装置は、その骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0050】
例えば、上述の実施形態では、電線ガイド構造の一例として、自動車C1の車体C11からスライドドアDR1に亘って配策される電線111を保護して屈曲をガイドする電線ガイド構造14が例示されている。また、給電装置の一例として、車体C11に搭載された電源からスライドドアDR1に搭載された機器に上記の電線111を介して電力を供給する給電装置1が例示されている。しかしながら、電線ガイド構造及び給電装置は、これに限るものではない。電線ガイド構造は、保護チューブに収められた電線の屈曲をガイドするものであれば、電線がどのような対象に取り付けられているかは問うものではない。同様に、給電装置も、電源側構造物に対して相対移動可能な機器側構造物へと電線を介して給電を行うものであれば、どのような構造物に取り付けられているかは問うものではない。
【0051】
また、上述の実施形態では、ガイド部材の一例として、複数の部材片141bが薄厚の連結部141cで互いに連結された樹脂の一体成型品であるガイド部材141が例示されている。しかしながら、ガイド部材は、これに限るものではなく、例えば、複数の部材片が互いに回動可能に連結されたキャタピラ構造を有するもの等であってもよく、その具体的な形態を問うものではない。
【0052】
また、上述の実施形態では、ガイド部材の一例として、係止フランジ141aに向かうコルゲートチューブ112の動きを規制するストッパー141eを備えたガイド部材141が例示されている。しかしながら、ガイド部材は、これに限るものではなく、上記のようなストッパーを備えないものであってもよい。ただし、ストッパー141eを設けることで、外力等によるチューブ側位置決め部112dとガイド側位置決め部141dとの係止外れを抑えて電線ガイド構造14の組立作業を続けることができる点は上述した通りである。
【0053】
また、上述の実施形態では、電線ガイド構造の一例として、チューブ側規制形状(長円形状)とガイド側規制形状(縦長のC字形状)との干渉により、チューブ内部でのガイド部材141の回転が規制される電線ガイド構造14が例示されている。しかしながら、電線ガイド構造は、これに限るものではなく、このような回転規制構造が設けられておらず、チューブ内部でガイド部材が軸回りに回転可能となったもの等であってもよい。ただし、上記のような回転規制構造を設けることで、ガイド部材141の回転に対する回り止めを効果的に行うことができる点は上述した通りである。また、回転規制構造を設ける場合であっても、チューブ側規制形状は長円形状に限るものではなく、ガイド側規制形状も縦長のC字形状に限るものではない。チューブ側規制形状及びガイド側規制形状は、互いに干渉可能な形状であれば、その具体的な形状を問うものではない。
【0054】
また、上述の実施形態では、電線ガイド構造の一例として、電線111の保護チューブがコルゲートチューブ112であり、その内面側の凹溝部分がチューブ側位置決め部112dとして利用された電線ガイド構造14が例示されている。しかしながら、電線ガイド構造は、これに限るものではなく、例えば円管状の保護チューブと、当該保護チューブとは別途の部品としてチューブ側位置決め部を備えた構造等であってもよい。ただし、コルゲートチューブ112の内面側の凹溝部分をチューブ側位置決め部112dとして利用することで、チューブ側位置決め部を別途部品として用意する場合等に比べて製造コストを低減させることができる点は上述した通りである。
【0055】
また、上述の実施形態では、電線ガイド構造の一例として、コルゲートチューブ112の外面に溝状のチューブ側係止部112bが設けられた電線ガイド構造14が例示されている。この電線ガイド構造14では、更に、車体側プロテクタ121の収容溝121aの内面にリブ状のプロテクタ側係止部121cが設けられている。しかしながら、電線ガイド構造は、これに限るものではなく、電線の保護チューブの外面側とプロテクタとの間に上記のような係止構造を設けない形態であってもよい。ただし、上記のような係止構造を設けることで、車体側プロテクタ121の収容溝121aの内部におけるコルゲートチューブ112のズレ等を効果的に抑えることができる点は上述した通りである。
【0056】
また、上述の実施形態では、電線ガイド構造の一例として、電線111の保護チューブがコルゲートチューブ112であり、その外面側の凹溝部分がチューブ側係止部112bとして利用された電線ガイド構造14が例示されている。しかしながら、電線ガイド構造は、これに限るものではなく、例えば円管状の保護チューブと、当該保護チューブとは別途の部品としてチューブ側係止部を備えた構造等であってもよい。ただし、コルゲートチューブ112の外面側の凹溝部分をチューブ側係止部112bとして利用することで、チューブ側係止部を別途部品として用意する場合等に比べて製造コストを低減させることができる点は上述した通りである。
【0057】
また、上述の実施形態では、給電装置の一例として、自動車C1の車体C11の側に上述の電線ガイド構造14が設けられた給電装置1が例示されている。しかしながら、給電装置は、これに限るものではなく、本実施形態とは逆に、スライドドアの側に電線ガイド構造を設けることとしてもよい。ただし、車体C11の側に設ける電線ガイド構造として上述の電線ガイド構造14を利用することで、当該電線ガイド構造14による組立容易性を有効活用できる点は上述した通りである。
【0058】
また、上述の実施形態では、給電装置の一例として、自動車C1の車体C11からスライドドアDR1へと給電を行うとともに上述の電線ガイド構造14が適用された給電装置1が例示されている。しかしながら、給電装置は、これに限るものではなく、その具体的な給電対象を問うものではない。ただし、電線111の良好な追随屈曲を求められることが多いスライドドアDR1を給電対象とした給電装置1に上述の電線ガイド構造14が適用されることで、当該電線ガイド構造14による組立容易性を有効活用できる点は上述した通りである。
【符号の説明】
【0059】
1 給電装置
11 ワイヤーハーネス
11a 渡り部分
12 車体側ユニット
13 ドア側ユニット
13a 回動軸
14 電線ガイド構造
111 電線
112 コルゲートチューブ
112a 一端部
112a-1 開口
112b チューブ側係止部
112c 断面
112d チューブ側位置決め部
121 車体側プロテクタ(プロテクタ)
121a 収容溝
121b ガイド係止部
121c プロテクタ側係止部
122 プロテクタ蓋部
122a 蓋側係止部
131 ドア側ロータ
132 ドア側プロテクタ
132a ドア側案内筒
141 ガイド部材
141a 係止フランジ
141b 部材片
141b-1 出口側端部片
141c 連結部
141d ガイド側位置決め部
141e ストッパー
C1 自動車
C11 車体(電源側構造物)
DR1 スライドドア(機器側構造物)
D11 前後方向
D12 屈曲方向
D13 第1幅方向
D14 第2幅方向
D15 挿入方向
D16 収容方向
D17 取付け方向
d11 間隙
W11,W12 幅寸法