(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】分析実験室
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
G01N35/00 F
G01N35/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020055380
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2022-09-30
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト・フォン・アルメン
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/213400(WO,A1)
【文献】特開2015-172509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0082279(US,A1)
【文献】特開平10-227797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0153096(US,A1)
【文献】特開2005-106746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 - 37/00
G16H 40/00 - 40/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の実験器具(10)を有する分析実験室(1)のための生産性ツール(5)であって、前記生産性ツールは、
- 第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)に通信可能に接続可能な制御ユニット(20)と、
- 第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の、1つまたは複数の外部監視ストリーム(surveillance stream(s))をキャプチャするように構成された、前記実験器具(10)の外部の1つまたは複数の監視デバイス(30)と、
- 実験室モニタリングインターフェースとを備え、
前記制御ユニット(20)は、
- 前記第1のグループの前記実験器具(10)からの1つまたは複数の内部データストリームと、前記第2のグループの前記実験器具(10)の1つまたは複数の外部監視ストリームとを受信することであって、前記内部データストリームは、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを示すデータを備える、受信することと、
- 前記第1のグループの前記実験器具(10)からの前記内部データストリームを処理して、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の前記動作ステータスを抽出することと、
- 前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを検出するために、前記第2のグループの前記実験器具(10)の前記外部監視ストリームを処理することと、
- 前記実験室モニタリングインターフェースを介して、前記第1のグループのいずれかの前記実験器具(10)の前記動作ステータスを出力することと、
- 前記実験室モニタリングインターフェースを介して、前記第2のグループのいずれかの前記実験器具(10)の前記動作ステータスを出力することと、
を行うように構成され
ており、
前記第2のグループの前記1つまたは複数の実験器具(10)が、器具であって、
・前記第2のグループの前記1つまたは複数の実験器具(10)の前記動作ステータスを示すデータの抽出を可能にする程度までの、前記第2のグループの前記1つまたは複数の実験器具(10)の内部データストリームへのアクセスを許可しない器具、或いは、
・前記制御ユニット(20)が前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の内部データストリームにアクセスすることが許可されないようにするための器具
を備える、分析実験室(1)のための生産性ツール(5)。
【請求項2】
前記第1のグループの前記実験器具(10)は、前記第2のグループの前記実験器具(10)の内部データストリームのデータ接続のタイプとは異なる、内部データストリームのデータ接続のタイプを提供する、請求項1に記載の分析実験室(1)のための生産性ツール(5)。
【請求項3】
前記監視デバイス(30)は、ビデオカメラ(32)を備え、前記外部監視ストリームは、前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)のビデオ信号を備え、前記制御ユニット(20)は、
- 前記実験器具(10)のユーザインターフェースの変化、特に、1つもしくは複数のアイコンの色および/または外観の変化を検出するために、ならびに/あるいは、
- 前記実験器具(10)の少なくとも一部の動きおよび/または位置、特に、前記実験器具(10)の消耗品をロードするための区画の開放または閉鎖位置を検出するために、ならびに/あるいは、
- 前記実験器具(10)のハウジングに配置された視覚的なステータスインジケータ、特に、ステータスLEDを検出するために、
第2のグループの前記1つまたは複数の実験器具(10)の前記ビデオ信号を分析することによって、動作ステータスを検出するように構成される、請求項1または2に記載の分析実験室(1)のための生産性ツール(5)。
【請求項4】
前記ビデオカメラ(32)は、前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の熱画像をキャプチャするように構成され、前記制御ユニット(20)は、前記実験器具(10)の少なくとも一部の動作温度を判定して、実験器具(10)の前記動作ステー
タスを判定するように、特に、それぞれの前記実験器具(10)の正常または異常の動作ステータスを区別するように構成される、請求項3に記載の分析実験室(1)のための生産性ツール(5)。
【請求項5】
前記監視デバイス(30)は、前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ノイズをキャプチャするように構成されたマイクロフォン(34)を備え、前記制御ユニット(20)は、その動作ノイズを分析することによって実験器具(10)の前記動作ステータスを判定するように、特に、それぞれの前記実験器具(10)の正常または異常の動作ステータスを区別するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の分析実験室(1)のための生産性ツール(5)。
【請求項6】
前記生産性ツール(5)、たとえば、前記実験室モニタリングインターフェースおよび/または前記制御ユニット(20)は、前記第1のグループおよび前記第2のグループの実験器具(10)の前記動作ステータスの集約を、動作ステータスダッシュボード(42)に表示するように構成され、前記動作ステータスダッシュボード(42)は、前記第1および第2の両グループの前記実験器具(10)の任意の組合せの前記動作ステータスを示すように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の分析実験室(1)のための生産性ツール(5)。
【請求項7】
複数の実験器具(10)を有する分析実験室(1)のための生産性ツール(5)であって、前記生産性ツールは、
- 第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)に通信可能に接続可能な制御ユニット(20)と、
- 第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の、1つまたは複数の外部監視ストリーム(surveillance stream(s))をキャプチャするように構成された、前記実験器具(10)の外部の1つまたは複数の監視デバイス(30)と、
- 実験室モニタリングインターフェースとを備え、
前記制御ユニット(20)は、
- 前記第1のグループの前記実験器具(10)からの1つまたは複数の内部データストリームと、前記第2のグループの前記実験器具(10)の1つまたは複数の外部監視ストリームとを受信することであって、前記内部データストリームは、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを示すデータを備える、受信することと、
- 前記第1のグループの前記実験器具(10)からの前記内部データストリームを処理して、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の前記動作ステータスを抽出することと、
- 前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを検出するために、前記第2のグループの前記実験器具(10)の前記外部監視ストリームを処理することと、
- 前記実験室モニタリングインターフェースを介して、前記第1のグループのいずれかの前記実験器具(10)の前記動作ステータスを出力することと、
- 前記実験室モニタリングインターフェースを介して、前記第2のグループのいずれかの前記実験器具(10)の前記動作ステータスを出力することと、
を行うように構成され、
前記生産性ツール(5)は、監視デバイス(30)への、および/または、監視デバイス(30)によってモニタされている実験器具(10)へのオペレータの近接(proximity)を検出するように設計されたウェアラブルデバイスを備え、前記生産性ツール(5)は、前記オペレータのプライバシを保護するために、それぞれの前記監視デバイス(30)を一時的に無効にするように構成される
、分析実験室(1)のための生産性ツール(5)。
【請求項8】
前記実験室モニタリングインターフェースは、オペレータの視野に仮想データのオーバレイを生成するように設計された拡張現実デバイス(44)を備え、前記オーバレイは、前記オペレータの前記視野内に実験器具の動作ステータスを表示するように生成され、前記動作ステータスの位置決めにより、前記オペレータは、前記動作ステータスを、それぞれの前記実験器具に関連付けることができる、請求項1から7のいずれか一項に記載の分析実験室(1)のための生産性ツール(5)。
【請求項9】
- 生体サンプルに対して1つまたは複数の処理ステップを実行するように構成された1つまたは複数の実験器具(10)と、
- 請求項1から8のいずれか一項に記載の生産性ツール(5)と
を備える、分析実験室(1)。
【請求項10】
複数の実験器具(10)の動作ステータスを判定するためのコンピュータ実施方法であって、
- 制御ユニット(20)を第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)に通信可能に接続するステップと、
- 監視デバイス(30)によって、第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の、1つまたは複数の外部監視ストリームをキャプチャするステップと、
- 前記制御ユニット(20)が、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)から内部データストリームを受信するステップであって、前記内部データストリームは、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを示すデータを備える、受信するステップと、
- 前記制御ユニット(20)が、前記第2のグループの前記実験器具(10)の前記外部監視ストリームを受信するステップと、
- 前記制御ユニット(20)が、前記第1のグループの前記実験器具(10)からの前記内部データストリームを処理して、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを抽出するステップと、
- 前記制御ユニット(20)が、前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを検出するために、前記第2のグループの前記実験器具(10)の前記外部監視ストリームを処理するステップと、
- 実験室モニタリングインターフェースを介して、前記第1のグループのいずれかの前記実験器具(10)の前記動作ステータスを出力するステップと、
- 実験室モニタリングインターフェースを介して、前記第2のグループのいずれかの前記実験器具(10)の前記動作ステータスを出力するステップと
を備え
、
前記第2のグループの前記1つまたは複数の実験器具(10)が、器具であって、
・前記第2のグループの前記1つまたは複数の実験器具(10)の前記動作ステータスを示すデータの抽出を可能にする程度までの、前記第2のグループの前記1つまたは複数の実験器具(10)の内部データストリームへのアクセスを許可しない器具、或いは、
・前記制御ユニット(20)が前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の内部データストリームにアクセスすることが許可されないようにするための器具
を備える、コンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記第1のグループの前記実験器具(10)は、前記第2のグループの前記実験器具(10)の内部データストリームのデータ接続のタイプとは異なる、内部データストリームのデータ接続のタイプを提供する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
監視デバイス(30)によって、第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の、1つまたは複数の外部監視ストリームをキャプチャするステップは、前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)のビデオ画像をキャプチャするステップを備え、前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを検出するために、前記第2のグループの前記実験器具(10)の前記外部監視ストリームを処理するステップは、
- 前記実験器具(10)のユーザインターフェースの変化、特に、明るい色の1つもしくは複数のアイコンの色および/または外観における変化を検出するステップ、ならびに/あるいは、
- 前記実験器具(10)の一部の動きおよび/または位置、特に、前記実験器具(10)の消耗品をロードするための区画の開放または閉鎖位置を検出するステップ、ならびに/あるいは、
- 視覚的なステータスインジケータ、特に、前記実験器具(10)のハウジングに配置されたステータスLEDを検出するステップ、ならびに/あるいは、
- 前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の熱画像をキャプチャし、前記実験器具(10)の少なくとも一部の動作温度を判定して、実験器具(10)の前記動作ステータスを判定するステップ、特に、それぞれの前記実験器具(10)の正常または異常の動作ステータスを区別するステップ
のうちの1つまたは複数を備える、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
マイクロフォン(34)によって、前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ノイズをキャプチャし、その動作ノイズを分析することによって、実験器具(10)の前記動作ステータスを判定する、特に、それぞれの前記実験器具(10)の正常または異常の動作ステータスを区別するステップを備える、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
複数の実験器具(10)の動作ステータスを判定するためのコンピュータ実施方法であって、
- 制御ユニット(20)を第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)に通信可能に接続するステップと、
- 監視デバイス(30)によって、第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の、1つまたは複数の外部監視ストリームをキャプチャするステップと、
- 前記制御ユニット(20)が、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)から内部データストリームを受信するステップであって、前記内部データストリームは、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを示すデータを備える、受信するステップと、
- 前記制御ユニット(20)が、前記第2のグループの前記実験器具(10)の前記外部監視ストリームを受信するステップと、
- 前記制御ユニット(20)が、前記第1のグループの前記実験器具(10)からの前記内部データストリームを処理して、前記第1のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを抽出するステップと、
- 前記制御ユニット(20)が、前記第2のグループの1つまたは複数の実験器具(10)の動作ステータスを検出するために、前記第2のグループの前記実験器具(10)の前記外部監視ストリームを処理するステップと、
- 実験室モニタリングインターフェースを介して、前記第1のグループのいずれかの前記実験器具(10)の前記動作ステータスを出力するステップと、
- 実験室モニタリングインターフェースを介して、前記第2のグループのいずれかの前記実験器具(10)の前記動作ステータスを出力するステップと
を備え、当該方法が更に、
- 実験器具(10)へのオペレータの近接を検出するステップと、
- 前記オペレータのプライバシを保護するために、その特定の実験器具(10)の外部監視ストリームをキャプチャするように構成された前記監視デバイス(30)を一時的に無効にするステップと
を備える
、方法。
【請求項15】
分析実験室(1)の制御ユニット(20)によって実行されたときに、前記分析実験室(1)に、請求項10から14に記載の方法のいずれか1つのステップを実行させる命令
を記録した、コンピュータプログラム
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、分析実験室、特に体外診断実験室、分析実験室を操作するコンピュータ実施方法、ならびに分析実験室を操作するための命令を備えたコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]体外診断試験は、臨床判断に大きな影響を及ぼし、医師に重要な情報を提供することができる。分析実験室、特に体外診断実験室では、患者の生理学的および生化学的状態を判定するために、生体サンプルに関する多数の分析が、実験器具によって実行され、これは、疾患、栄養習慣、薬物の有効性、臓器機能などを示すことができる。
【0003】
[0003]従来、実験室のユーザ/技術者は、適切な動作を保証するために、すべての実験器具を物理的に観察しなければならない。分析実験室の複雑さと規模の増大に伴い、大規模な分析実験室内の多数の実験器具を管理する生産性ツールを提供する必要がある。このような生産性ツールの1つの特定の要件は、実験器具の動作ステータスに関する最新の集約された情報を提供して、実験室ユーザ/技術者が、少ない労力で、見落としリスクを減らして、実験器具をモニタできるようにすることである。
【0004】
[0004]実験器具のダッシュボードタイプの統合されたモニタを提供するいくつかの生産性ソリューションが知られている。このような生産性ソリューションは、大規模な分析実験室内でほとんどの、またはすべての実験器具のモニタリングを可能にする場合にのみ、実験室ユーザ/技術者にとって非常に役立つ。そうでなければ、実験室ユーザ/技術者は、次善のソリューションである器具のサブセットを未だに個別にモニタする必要がある。しかしながら、既知のソリューションは、モニタされた実験器具へのデータ接続、特に実験器具への、そして実験器具からの内部データストリームへのアクセスを必要とする。実際には、すべての実験器具へのデータ接続を確立するのは、いくつかの理由で困難である。ほとんどの大規模な分析実験室では、様々な実験器具は、異なるベンダ/プロバイダからのものである。実験室をモニタする生産性ツールの1つの特定のプロバイダは、技術的またはセキュリティ上の理由から、または特定の器具がクローズドシステムとして設計されているため、他のベンダの実験器具のデータ接続へのアクセスを許可されないことがよくある。器具との間の内部データストリームへのアクセスを有していない、技術的な理由は、接続性を考慮して設計されていないレガシー器具、互換性のない通信技術などを含む。一方、特定のベンダは、競合他社が器具データにアクセスするのを防ぐために、器具をクローズドシステムとして意図的に設計する。それに加えて、プライバシ規制/懸念事項により、実験器具の内部データストリームへのアクセスにも制限が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]したがって、それぞれの内部データストリーム(レガシーおよびサードパーティ器具)にアクセスしなくても、分析実験室内のすべての実験器具の集約された動作ステータスを提供する実験室システム用の生産性ツールが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本明細書で開示される実施形態は、
- 動作ステータスを示すデータを備えた内部データストリームをキャプチャして処理することによって、第1のグループの器具の動作ステータスを判定することと、
- 第2のグループの1つまたは複数の実験器具の外部監視ストリームをキャプチャして処理することによって、第2のグループの器具の動作ステータスを判定することと、
を組み合わせることによって、この必要性に対処し、
第1および/または第2のグループのいずれかの実験器具の動作ステータスを、実験室モニタリングインターフェースを介して出力する。
【0007】
[0007]実験器具の動作ステータスは、
- 分析器具が、オン/オフまたは低電力モード(スリープ、休止状態)に切り替えられているか否かを示すインジケーション、
- 生体サンプルの処理に必要な分析器具のモジュールが動作しているか否かを示すインジケーション、
- 生体サンプルの処理に必要な消耗品が入手可能であるか否かを示すインジケーション、
- プロセスの生体サンプルが利用可能になる前に必要な品質管理および/または較正ステップが最新で有効であるか否かを示すインジケーション、
を含むがこれらに限定されない、生体サンプルを処理するための器具の準備状況に関連するインジケーションを備え得る。
【0008】
[0008]本明細書に開示される実施形態によれば、分析実験室のための生産性ツールは、制御ユニット、監視デバイス、および実験室モニタリングインターフェースを備える。制御ユニットは、第1のグループの実験器具から内部データストリームをキャプチャできるように、第1のグループの1つまたは複数の実験器具に通信可能に接続可能である。
【0009】
[0009]本明細書に開示される実施形態によれば、内部データストリームは、器具のユーザインターフェースの信号、器具の人間対話デバイス(キーボード、マウス、および/またはタッチスクリーンなど)の信号、実験器具のログファイル、実験室ミドルウェアまたは実験室情報システムLISとの外部データ通信、実験器具のアラート信号を備え得る。内部データストリームは、たとえば、器具の動作ステータスを直接示す、任意の種類の信号およびデータを備え得る。
【0010】
[0010]実験器具の外部の監視デバイスは、第2のグループの1つまたは複数の実験器具の、1つまたは複数の外部監視ストリームをキャプチャするように構成される。第2のグループの実験器具は、たとえば、動作ステータスを示す内部データストリームをキャプチャするための通信接続が妨害されているか不可能である器具(クローズドシステム、異なるベンダ、またはレガシー器具)を備え得る。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態によれば、第1のグループの実験器具は、第2のグループの実験器具の内部データストリームのデータ接続のタイプとは異なる、内部データストリームのデータ接続のタイプを提供する。本明細書における「データ接続のタイプ」とは、たとえば、インターフェースのタイプ、データフォーマットのタイプ、暗号化のタイプ、および/または、アクセス制御のタイプのような内部データストリームへの外部アクセス可能性を指す。例では、たとえば、レガシーデバイスの場合でもあり得るように、第1のグループの実験器具は、内部データストリームにアクセスするためのデータ接続を提供し、第2のグループの実験器具は、内部データストリームにアクセスするためのデータ接続を提供しないという点で、第1のグループの実験器具の内部データストリームのデータ接続のタイプは、第2のグループの実験器具の内部データストリームのデータ接続のタイプとは異なる。別の例では、第1のグループは、第1のベンダの実験器具で構成され、第2のグループは、他のベンダの実験器具で構成され、各ベンダは、異なるアクセス制御を使用して、内部データストリームへのアクセスを制御し、これによって、第1のベンダは、他のベンダの内部データストリームに簡単にアクセスできなくなる。
【0012】
[0012]両グループの実験器具の動作ステータスを収集するために、制御ユニットは、第1のグループの実験器具からの内部データストリームと、第2のグループの実験器具の外部監視ストリームとの両方を受信して処理するように構成される。実験器具からの内部データストリームを処理する際、制御ユニットは、第1のグループの1つまたは複数の実験器具の動作ステータスを抽出するように構成され、内部データストリームは、たとえば、動作ステータスを示すデータを容易に備え得る。第2のグループの実験器具の外部監視ストリームを処理する際に、制御ユニットは、第2のグループの1つまたは複数の実験器具の動作ステータスを検出するように構成され、処理は、たとえば、特定の動作ステータスを表す内部データストリームの要素を識別するための外部監視ストリームの処理を備え得る。
【0013】
[0013]判定されると、第1および/または第2のグループのいずれかの実験器具の動作ステータスが、実験室モニタリングインターフェースを介して出力され得る。
[0014]本明細書で開示される実施形態は、それらの内部データストリーム(たとえば、完全に統合されたまたはオープンシステム)へのアクセスありで、およびそれらの内部データストリーム(たとえば、レガシーシステムまたはクローズドシステム)へのアクセスなしでの両方で、器具を備えた実験室全体の全体的(包括的)なモニタリングを可能にするので、有利であり得る。
【0014】
[0015]開示された方法/デバイス/システムのさらなる特徴および利点は、説明によって、および以下の図面を参照することによって、以下に詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本明細書で開示される生産性ツールを備える分析実験室の非常に概略的なブロック図である。
【
図2】複数の実験器具の動作ステータスを判定するための本明細書に開示された方法の実施形態を例示するフローチャートである。
【
図3】実験室モニタリングインターフェースの一部としての拡張現実デバイスを示す図である。
【
図4】実験室モニタリングインターフェースの一部としての拡張現実デバイスのさらなる実施形態を示す図である。
【
図5】実験室モニタリングインターフェースの一部としての動作ステータスダッシュボードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0016]この特許出願では、特定の用語が使用され、その定式化は、選択された特定の用語によって限定されると解釈されるべきではなく、特定の用語の背後にある一般概念に関連するものとして解釈されるべきである。
【0017】
[0017]「サンプル」、「患者サンプル」、および「生体サンプル」という用語は、対象の分析物を潜在的に含む可能性がある物質を指す。患者サンプルは、血液、唾液、眼の水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、便、精液、乳、腹水、粘液、滑液、腹膜液、羊水、組織、培養細胞などを含む生理液などの任意の生物学的ソースからのものであり得る。患者サンプルは、血液からの血漿の調製、粘性流体の希釈、溶解など、使用前に前処理することができる。処理の方法は、ろ過、蒸留、濃縮、妨害成分の不活性化、および試薬の添加などを含むことができる。患者サンプルは、ソースから取得したまま直接使用することも、または、前処理後にサンプルの特性を変更するために使用することもできる。いくつかの実施形態では、最初は固体または半固体の生物学的物質は、それを適切な液体媒体とともに溶解または懸濁することによって液体にすることができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、特定の抗原または核酸を含むことが疑われる可能性がある。
【0018】
[0018]「分析物」という用語は、たとえば、様々なサイズの分子、イオン、タンパク質、代謝産物のように、分析されるサンプルの成分である。分析物について収集された情報は、組織または特定の細胞に対する薬物の投与の影響を評価するため、または診断を行うために使用され得る。したがって、「分析物」は、存在、不在、および/または濃度に関する情報が意図されている物質の一般的な用語である。分析物の例は、たとえば、グルコース、凝固パラメータ、内因性タンパク質(たとえば、心筋から放出されるタンパク質)、代謝産物、核酸などである。
【0019】
[0019]本明細書で使用される「分析物」または「分析試験」という用語は、分析物の存在または量または機能的活性を定性的に評価または定量的に測定するための生体サンプルのパラメータを特徴付ける実験手順を包含する。
【0020】
[0020]本明細書で使用される「試薬」という用語は、サンプル調製用試薬、調整試薬、分析物と反応して検出可能な信号を得るための試薬、および/または、分析物の検出に必要な試薬を含む、分析物の分析を実行するための物質を指す。そのような試薬は、分析物を分離するための試薬、および/または、サンプルを処理するための試薬、および/または、分析物と反応して検出可能な信号を得るための試薬、および/または、洗浄試薬および/または希釈剤を含み得る。
【0021】
[0021]本明細書で使用される「実験器具」という用語は、1つまたは複数の生体サンプルおよび/または1つもしくは複数の試薬に対して1つもしくは複数の処理ステップ/ワークフローステップを実行するように動作可能な任意の装置または装置構成要素を包含する。したがって、「処理ステップ」という表現は、遠心分離、分注、サンプル分析などの物理的に実行される処理ステップを指す。「器具」という用語は、分析前の器具、分析後の器具、および分析器具もカバーする。
【0022】
[0022]本明細書で使用される「分析器」/「分析器具」という用語は、測定値を得るように構成された任意の装置または装置構成要素を包含する。分析器は、様々な化学的、生物学的、物理的、光学的または他の技術的手順を介して、サンプルまたはその成分のパラメータ値を判定するように動作可能である。分析器は、サンプルの、または、少なくとも1つの分析物の前記パラメータを測定し、得られた測定値を返すように動作可能であり得る。分析器によって返される可能性のある分析結果のリストには、サンプル中の分析物の濃度、(検出レベルを超える濃度に対応する)サンプル中の分析物の存在を示すデジタル(はい、または、いいえ)結果、光学パラメータ、DNAまたはRNAシーケンス、タンパク質または代謝産物の質量分析から得られたデータ、および様々なタイプの物理的または化学的パラメータを含むが、これらに限定されない。分析器具は、サンプルおよび/または試薬のピペッティング、投与、および混合を支援するユニットを備え得る。分析器は、分析評価を実行するための試薬を保持するための試薬保持ユニットを備え得る。試薬は、たとえば、個々の試薬または試薬のグループを含む容器またはカセットの形態で配置され得、貯蔵区画またはコンベヤ内の適切なレセプタクルまたは位置に配置され得る。それは、消耗品供給ユニットを備え得る。分析器は、ワークフローが特定のタイプの分析用に最適化されたプロセスおよび検出システムを備え得る。そのような分析器の例は、化学的または生物学的反応の結果を検出するため、または化学的または生物学的反応の進行をモニタするために使用される臨床化学分析器、凝固化学分析器、免疫化学分析器、尿分析器、核酸分析器である。
【0023】
[0023]本明細書で使用される「分析前器具」という用語は、遠心分離、再懸濁(たとえば、混合またはボルテックスによる)、キャッピング、デキャッピング、リキャッピング、ソーティング、チューブタイプの識別、サンプル品質の判定、および/または分注ステップを備えるがこれらに限定されない1つまたは複数の分析前処理ステップ/ワークフローステップを実行するように構成された任意の装置または装置構成要素を包含する。前記処理ステップはまた、化学物質または緩衝液をサンプルに添加すること、サンプルを濃縮すること、サンプルを培養することなどを備え得る。
【0024】
[0024]本明細書で使用される「分析後器具」という用語は、サンプルのアンロード、輸送、リキャッピング、デキャッピング、一時貯蔵/バッファリング、アーカイブ(冷蔵または非冷蔵)、取り出しおよび/または廃棄を備えるがこれらに限定されない1つまたは複数の分析後処理ステップ/ワークフローステップを実行するように構成された任意の装置または装置構成要素を包含する。
【0025】
[0025]本明細書で使用される「サンプル輸送システム」という用語は、実験器具間で(各々が1つまたは複数のサンプル容器を保持する)サンプルキャリアを輸送するように構成された任意の装置または装置構成要素を包含する。特に、サンプル輸送システムは、一次元コンベヤベルトベースのシステム、二次元輸送システム(磁気サンプルキャリア輸送システムなど)、またはそれらの組合せであり得る。
【0026】
[0026]本明細書で使用される「制御ユニット」という用語は、ワークフローおよびワークフローステップが、実験器具/システムによって実行される手法で、実験器具/または、1つまたは複数の実験器具を備えるシステムを制御するように構成可能な任意の物理的または仮想的な処理デバイスを包含する。制御ユニットは、たとえば、実験器具/システムに、分析前、分析後、および分析ワークフロー/ワークフローステップを実行するように指示し得る。制御ユニットは、特定のサンプルでどのステップを実行する必要があるかに関する情報をデータ管理ユニットから受信し得る。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、データ管理ユニットと一体化され得、サーバコンピュータによって構成され得、および/または、1つの実験器具の一部であり得るか、または分析実験室の多数の器具にわたって分散され得る。制御ユニットは、たとえば、操作を実行するための命令を備えたコンピュータ可読プログラムを実行するプログラム可能な論理コントローラとして具現化され得る。
【0027】
[0027]「ストレージユニット」または「データベース」は、メモリ、ハードディスク、またはクラウドストレージのように、データをデジタル的に記憶および管理するためのユニットである。これは、自動システムによって処理される生体サンプルに関するデータを含み得る。データ管理ユニットは、LIS(実験室情報システム)および/またはHIS(病院情報システム)に接続され得る。データ管理ユニットは、実験器具内のユニットであること、または実験器具と同じ場所に配置されることが可能である。これは、制御ユニットの一部であり得る。あるいは、データベースは、離れて配置されたユニットであり得る。たとえば、これは、通信ネットワークを介して接続されたコンピュータにおいて具現化され得る。
【0028】
[0028]本明細書で使用される「通信ネットワーク」という用語は、WiFi(登録商標)、GSM(登録商標)、UMTS、または他のワイヤレスデジタルネットワーク、またはイーサネット(登録商標)などのケーブルベースのネットワークなどの任意のタイプのワイヤレスネットワークを包含する。特に、通信ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)を実施できる。たとえば、通信ネットワークは、ケーブルベースのネットワークとワイヤレスネットワークとの組合せを備える。
【0029】
[0029]本明細書で使用される「分析実験室」は、たとえば、1つまたは複数の分析用、分析前、および/または分析後の器具のような1つまたは複数の器具に動作可能に結合された制御ユニットを備え、制御ユニットは、器具を制御するように動作可能である。それに加えて、制御ユニットは、収集された分析データを評価および/または処理し、分析器のいずれかへの、および/または、いずれかからのサンプルのロード、貯蔵、および/または、アンロードを制御し、分析、または前記分析等のためのサンプル、サンプルチューブまたは試薬を調製するために使用される分析システムのハードウェアまたはソフトウェア動作を初期化するように動作可能であり得る。分析実験室および制御ユニットの器具は、通信ネットワークによって相互接続される。
【0030】
[0030]次に、特定の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本明細書で開示される生産性ツール5を備えた分析実験室の非常に概略的なブロック図を示す。分析実験室1は、特に分析物の存在、不在、および/または濃度を判定するために、生体サンプルに対して1つまたは複数の処理ステップを実行するように構成された複数の実験器具10を備える。実験器具10は、たとえば、動作ステータスモニタリングのために、接続性のレベルによって2つのグループに分割され得る。第1のグループ10.1の実験器具10は、たとえば、それらの内部データストリームを、それらの動作ステータスを示すデータの抽出を可能にする程度までキャプチャすることを許可する器具10(たとえば、完全に統合された器具)を備え得る。第2のグループ10.2の実験器具10は、たとえば、それらの動作ステータスを示すデータの抽出を可能にする程度まで内部データストリームへのアクセスを許可しない器具10(たとえば、クローズドシステムまたはレガシー器具)を備え得る。いくつかの実施形態によれば、第1のグループは第2のグループに含まれ、いくつかの特定の実施形態によれば、第2のグループは、(完全に)第1のグループに含まれない。他のいくつかの実施形態によれば、2つのグループは互いに分離している。
【0031】
[0031]同じく
図1に示されるように、生産性ツール5(破線によって、丸められた長方形で全体として示される)は、第1のグループ10.1の1つまたは複数の実験器具10に通信可能に接続可能な制御ユニット20を備える。制御ユニット20は、第1のグループ10.1の実験器具10から内部データストリームを受信し、第1のグループ10.1の実験器具10からの内部データストリームを処理し、第1のグループ10.1の1つまたは複数の実験器具10の動作ステータスを抽出するように構成される。第1のグループ10.1の1つまたは複数の実験器具10の内部データストリームは、
- 器具のモジュール間で交換されるデータ、特にそのようなモジュールのステータスに関連するデータ、
- 周辺器具(たとえば、キーボード、マウス、タッチパネルなど、器具の人間対話デバイスなど)との間のデータ、
- 実験室情報システムまたはミドルウェアと器具によって交換されたデータ、特に器具の動作ステータスを表すデータ、
- 画面へのビデオ信号のような、器具のディスプレイモジュールへのデータ、
- 器具のログファイル
を含む(ただし、これらに限定されない)。
【0032】
[0032]第2のグループ10.2の実験器具10のモニタリングを可能にするために、生産性ツール5はさらに、第2のグループ10.2の1つまたは複数の実験器具10の、1つまたは複数の外部監視ストリームをキャプチャするように構成された、実験器具10の外部にある監視デバイス30(破線によって、丸められた長方形で全体として示される)を備える。同様に、制御ユニット20は、第2のグループ10.2の1つまたは複数の実験器具10の動作ステータスを検出するために、第2のグループ10.2の実験器具10の外部監視ストリームを処理するように構成される。特に、制御ユニット20は、監視ストリームの特性を、(たとえば、データベースに記憶された)既知の特性の集合と比較するように構成され、前記既知の特性の各々は、実験器具の特定の動作ステータスを示す。
【0033】
[0033]本明細書に開示される実施形態によれば、
図1に示されるように、監視デバイス30は、ビデオカメラ32を備える。いくつかの特定の実施形態によれば、ビデオカメラ32は、熱画像を撮像するように設計されている。ビデオカメラ32は、実験器具10の外部にあり、外部監視ストリームの一部として、第2のグループ10.2の1つまたは複数の実験器具10のビデオ信号をキャプチャするように構成される。同様に、制御ユニット20は、第2のグループ10.2の1つまたは複数の実験器具10のビデオ信号を分析することによって、動作ステータスを検出するように構成される。制御ユニット20は、たとえば、
- 実験器具10のユーザインターフェースの変化、たとえば、明るい色の1つもしくは複数のアイコンの色および/または外観の変化を検出し、ならびに/あるいは、
- 実験器具10の少なくとも一部の動きおよび/または位置、たとえば、実験器具10の消耗品をロードするための区画の開放または閉鎖位置を検出し、ならびに/あるいは、
- 視覚的なステータスインジケータ、たとえば、実験器具10のハウジングに配置されたステータスLEDを検出する、
ように構成され得る。
【0034】
[0034]制御ユニット20が、ビデオカメラ32からのビデオ信号に基づいて、器具10の動作ステータスを判定できるようにするために、制御ユニット20は、本明細書に開示される実施形態に従って、画像認識を使用して、ビデオ信号内のデータベースからのシンボル/アイコンの集合の1つまたは複数を識別し、前記シンボル/アイコンの各々は、1つまたは複数の動作ステータスに関連付けられている。
【0035】
[0035]同様に、本明細書に開示される実施形態によれば、制御ユニット20は、画像認識を使用して、監視された実験器具10の部品の既知の動き/位置の(データベースに記憶された)集合の1つまたは複数から、ビデオ信号における偏差を識別し、偏差は、潜在的な誤動作を示す。
【0036】
[0036]本明細書に開示されるさらなる実施形態によれば、ビデオカメラ32は、第2のグループ10.2の1つまたは複数の実験器具10の熱画像をキャプチャするように構成され、制御ユニット20は、実験器具10の少なくとも一部の動作温度を判定して、実験器具10の動作ステータスを判定し、特に、実験器具10またはその一部の過熱によって示される、それぞれの実験器具10の正常または異常の動作ステータスを区別するように構成される。
【0037】
[0037]監視デバイス30は、たとえば、
図1に示すようなビデオカメラ32に加えて、マイクロフォン34を備え得る。マイクロフォン34は、第2のグループ10.2の1つまたは複数の実験器具10の動作ノイズをキャプチャするように構成される。制御ユニット20は、その動作ノイズを分析することにより、たとえば、それぞれの実験器具10の正常または異常の動作ステータスを区別することにより、実験器具10の動作ステータスを判定するように構成される。本明細書で開示される実施形態によれば、制御ユニット20は、パターン認識を使用して、監視された実験器具10の部品の既知の動作ノイズ/周波数の(たとえば、データベースに記憶された)集合から、マイクロフォン34からの信号の偏差を識別し、偏差は、潜在的な誤動作を示す。
【0038】
[0038]内部データストリームおよび/または外部監視ストリームが処理された後、生産性ツール5、たとえば、その制御ユニット20は、実験室モニタリングインターフェース40を介して、第1および/または第2のグループのいずれかの実験器具10の動作ステータスを出力するように構成される。出力は、たとえば、ディスプレイ上にグラフィックおよび/またはテキスト表現を表示するなど、インジケーションを出力することによって行われ得る。生産性ツール5は、オペレータが実験室モニタリングインターフェース40と対話して、動作ステータスを示すインジケーション、および任意選択で、その詳細レベルも調整できるように設計され得る。
【0039】
[0039]
図1は、提案された実験室モニタリングインターフェース40の2つの可能な実施形態、すなわち、動作ステータスダッシュボード42および拡張現実デバイス44の非常に概略的な図を示す。これらについては、それぞれ
図3/
図4および
図5に関連してより詳細に説明される。
【0040】
[0040]ここで
図2を参照して示すように、複数の実験器具の動作ステータスを判定するための開示されたコンピュータ実施方法の実施形態が説明される。
[0041]フローチャートは、制御ユニットを、第1のグループの実験器具に通信可能に接続するステップなどの、準備ステップに続く方法のステップを示す。その後、ステップ100において、制御ユニットは、第1のグループの実験器具から内部データストリームを受信し、内部データストリームは、1つまたは複数の実験器具の動作ステータスを示すデータを備える。後続するステップ102、104において、制御ユニットは、第1のグループの実験器具からの内部データストリームを処理して、第1のグループの1つまたは複数の実験器具の動作ステータスを(ステップ104において)抽出する。
【0041】
[0042]ステップ200からステップ204のシーケンスにおいて、場合によっては並列的に、第2のグループの実験器具の動作ステータスが判定される。第1に、ステップ200において、第2のグループの1つまたは複数の実験器具の、1つまたは複数の外部監視ストリームが、1つまたは複数の監視デバイスによってキャプチャされる。その後、ステップ202において、制御ユニットは、第2のグループの実験器具の外部監視ストリームを受信して処理し、第2のグループの1つまたは複数の実験器具の動作ステータスを(ステップ204において)検出する。
【0042】
[0043]ステップ300において、第1および/または第2のグループのいずれかの実験器具の動作ステータスが、実験室モニタリングインターフェースを介して出力される。
[0044]さらなる実施形態によれば、方法は、第2のグループの1つまたは複数の実験器具のビデオ信号、たとえばビデオ画像をキャプチャすることを、危険に曝す。したがって、第2のグループの1つまたは複数の実験器具の動作ステータスを検出するために、第2のグループの実験器具の外部監視ストリームを処理するステップは、
- 実験器具のユーザインターフェースの変化、たとえば、明るい色の1つもしくは複数のアイコンの色および/または外観の変化を検出すること、ならびに/あるいは、
- 実験器具の一部の動きおよび/または位置、たとえば、実験器具の消耗品をロードするための区画の開放または閉鎖位置を検出すること、ならびに/あるいは、
- 視覚的なステータスインジケータ、たとえば、実験器具のハウジングに配置されたステータスLEDの発光を検出すること、ならびに/あるいは、
- 第2のグループの1つまたは複数の実験器具の熱画像をキャプチャし、実験器具の少なくとも一部の動作温度を判定して、実験器具の動作ステータスを判定すること、たとえば、それぞれの実験器具の正常または異常の動作ステータスを区別すること、
のうちの1つまたは複数を備え得る。
【0043】
[0045]
図3は、拡張現実デバイス44を備えた、開示された実験室モニタリングインターフェース40の実施形態を示す。拡張現実デバイス44は、オペレータの視野上に(または上に)仮想データのオーバレイ46を生成するように設計されていることを特徴とする。
図3に示されているのは、たとえば、ウェアラブルグラスまたはゴーグルのような、光学ヘッドマウントディスプレイ(「OHMD」)として設計された拡張現実デバイス44である。
【0044】
[0046]
図3に示されるように、オーバレイは、オペレータの前記視野内に実験器具の動作ステータスを表示するように生成され得、前記動作ステータスの位置により、オペレータは、動作ステータスを、それぞれの実験器具に関連付けることができる。
図3に例示的に示されているように、動作ステータスは、それぞれの器具の上に「浮いて」表されているアイコンで示すことができる。いくつかの実施形態では、アイコンは、異常の動作ステータスにある実験器具についてのみ示され、生産性ツールは、正常な状態を有する器具に関連するアイコンを示さないことによって正常な状態を示す。
【0045】
[0047]本明細書に開示される実施形態によれば、拡張現実デバイス44は、オーバレイのコンテンツを制御するために、オペレータの対話を検出するためのセンサをさらに備える。センサは、カメラ、および/またはマイクロフォンを備え得る。いくつかの特定の実施形態によれば、拡張現実デバイス44は、注視コマンド、ジェスチャコマンド、および/または音声コマンドを認識するように設計されている。拡張現実デバイス44は、センサによって測定されたデータに基づいて、注視コマンド、ジェスチャコマンド、および/または音声コマンドを認識するように構成された人工知能ユニットを備えることができる。
【0046】
[0048]
図4は、カメラおよびスクリーンを備えたハンドヘルドデバイス(スマートフォンまたはタブレットなど)として構成された拡張現実デバイス44のさらなる実施形態を示し、スクリーンは、カメラの画像の上に重ねられたオーバレイ46を表示する。
【0047】
[0049]
図5は、たとえば、ダッシュボード42が表示されるディスプレイを備えることができる、実験室モニタリングインターフェース40の一部として、動作ステータスダッシュボード42を備えた、開示された実験室モニタリングインターフェース40のさらなる実施形態を示す。動作ステータスダッシュボード42は、実験器具10の第1のグループおよび第2のグループの動作ステータスの集約を示す。動作ステータスダッシュボード42は、第1および第2の両グループの実験器具10の任意の組合せの動作ステータスを示すように構成することができる。
【0048】
[0050]本明細書に開示される実施形態によれば、動作ダッシュボードは、実験器具のグラフィックおよび/またはテキスト表現を備える。
図5の左側に示されるように、実験器具のグラフィック表現は、任意選択で、動作ステータスによってグループ化された、アイコンまたはサムネイルのリストとして表示され得る。代わりに、またはそれに加えて、
図5の右側に示されるように、実験器具のグラフィック表現は、実験室における実験器具の物理的なレイアウトを表すマップとして提示され得る。
【0049】
[0051]一例では、第1のグループの実験器具の少なくとも1つの動作ステータスは、第1の時間間隔において、ディスプレイを備える実験室モニタリングインターフェース40を介して、グラフィックおよび/またはテキスト表現の形態で出力され、第2のグループの実験器具の少なくとも1つの動作ステータスは、第2の時間間隔において、前記ディスプレイを介して、グラフィックおよび/またはテキスト表現の形態で出力される。第1の時間間隔および第2の時間間隔は、オーバラップする(たとえば、同一である)か、オーバラップしないことがある。実験室モニタリングインターフェース40がOHMDを備える例では、生産性ツールは、OHMDのベアラの視野内に現在ある第1および第2のグループのすべての実験器具の動作ステータスを表示するように構成することができる。
【0050】
[0052]本明細書に開示されるさらなる実施形態によれば、生産性ツール5、たとえば、生産性ツール5に含まれるウェアラブルデバイス(たとえば、OHMD)は、監視デバイス30へのオペレータの近接を検出するように設計される。生産性ツール5、たとえば、そのウェアラブルデバイスは、たとえば、その特定の実験器具10の外部監視ストリームをキャプチャするように構成された監視デバイス30を一時的に無効にするように構成することができる。これは、オペレータのプライバシの保護をサポートできる。いくつかの特定の実施形態によれば、生産性ツール5は、生産性ツール5、たとえばそのウェアラブルデバイスが、もはやオペレータの近接を示していない後、および/または、指定されたタイムアウト期間の満了後、監視デバイス30を再び有効にするように構成される。
【0051】
[0053]それに加えて、または代替的に、生産性ツールは、たとえば、OHMDなどのウェアラブルデバイスを使用して、監視デバイス30によってモニタされている実験器具10へのオペレータの近接を検出するように設計され得る。オペレータの前記実験器具10への近接(たとえば、2メートル以内)を生産性ツールが検出した場合、生産性ツールは、それぞれの監視デバイス30を一時的に無効にするように構成され得る。一例では、監視デバイス30はビデオカメラを備え、生産性ツール5は、前記ビデオカメラがモニタするため、オペレータが前記ビデオカメラの視野に入り、オペレータの実験器具10への近接を検出した場合、生産性ツール5は、一時的に前記ビデオカメラを無効にする。いくつかの特定の実施形態によれば、生産性ツールは、オペレータの前記実験器具10への近接を生産性ツールが検出しなくなった後に、監視デバイス30を再び有効にするように構成される。
【0052】
[0054]
図6は、OHMD(光学ヘッドマウントディスプレイ)の形態の拡張現実デバイス44の例を示す。OHMDはユーザが着用できるように設計されており、着用者の視野にデジタル画像を表示して、拡張現実を作成する。OHMDは、たとえば、曲面鏡ベースおよび/または導波路ベースであり得る。市販のOHMDは、たとえばMicrosoft社のHoloLensである。OHMDは、画像および画像が表示される位置を計算するためのコンピュータ51(これは、プロセッサ52、揮発性メモリ53、不揮発性メモリ54、およびこれらの構成要素を接続するバス構造55を備えることができる)を備えることができる。OHMDは、たとえば、OHMDの位置/向きを判定するため、および/または着用者の目の位置を判定するため、1つまたは複数のセンサ56を備えることができる。センサ56によって収集されたデータは、意図された拡張現実を作成するために画像を表示する方法を判定するために使用することができる。センサ56によって収集されたデータはまた、入力のために使用することもでき、たとえば、目の位置センサは、注視コマンドを判定するために使用でき、カメラは、ジェスチャコマンドを判定するために使用でき、マイクロフォンは、音声コマンドを判定するために使用できる。OHMD、たとえば、そのコンピュータ51は、人工知能ユニット57を備えることができ、これは、たとえば、画像の計算、画像の位置の計算、および/またはコマンドの認識をサポートすることができる。
【0053】
[0055]さらに開示および提案されるものは、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されたときに、本明細書に含まれる実施形態の1つまたは複数において開示された方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品である。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアまたはサーバコンピュータに格納され得る。したがって、具体的には、上記したような1つ、2つ以上、またはすべての方法ステップは、たとえば、コンピュータプログラムを使用して、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行され得る。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、ダウンロード可能なファイル、オンプレミスのコンピュータ可読データキャリア、または遠隔場所(クラウド)に配置されたような、任意の形式で存在し得る。具体的には、コンピュータプログラム製品は、(クラウド環境などの)データネットワークを介して配信され得る。さらに、コンピュータプログラム製品だけでなく、実行ハードウェアも、オンプレミスまたはクラウド環境に配置され得る。
【0054】
[0056]さらに開示および提案されるものは、コンピュータシステムによって実行されたときに、分析実験室に、本明細書に開示される実施形態の1つまたは複数に従って方法を実行させる命令を備えたコンピュータ可読媒体である。
【0055】
[0057]さらに開示および提案されるものは、コンピュータシステムによって実行されたときに、分析実験室に、本明細書に開示される実施形態の1つまたは複数に従って方法を実行させる命令を備えた変調データ信号である。
【0056】
[0058]第1の態様によれば、複数の実験器具10を有する分析実験室1のための生産性ツール5が提案され、生産性ツールは、
- 第1のグループの1つまたは複数の実験器具10に通信可能に接続可能な制御ユニット20と、
- 第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の1つまたは複数の外部監視ストリームをキャプチャするように構成された、実験器具10の外部の1つまたは複数の監視デバイス30と、
- 実験室モニタリングインターフェースとを備え、
制御ユニット20は、
- 第1のグループの実験器具10からの1つまたは複数の内部データストリームと、第2のグループの実験器具10の1つまたは複数の外部監視ストリームとを受信することであって、内部データストリームは、第1のグループの1つまたは複数の実験器具10の動作ステータスを示すデータを備える、受信することと、
- 第1のグループの実験器具10からの内部データストリームを処理して、第1のグループの1つまたは複数の実験器具10の動作ステータスを抽出することと、
- 第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の動作ステータスを検出するために、第2のグループの実験器具10の外部監視ストリームを処理することと、
- 実験室モニタリングインターフェースを介して、第1または第2のグループのいずれかの実験器具10の動作ステータスを出力することと、
を行うように構成される。
【0057】
[0059]第2の態様によれば、第1の態様に従う分析実験室1のための生産性ツール5が提案され、監視デバイス30は、ビデオカメラ32を備え、外部監視ストリームは、第2のグループの1つまたは複数の実験器具10のビデオ信号を備え、制御ユニット20は、
- 実験器具10のユーザインターフェースの変化、特に、1つまたは複数のアイコンの色、外観の変化を検出するために、ならびに/あるいは、
- 実験器具10の一部の動きおよび/または位置、特に、実験器具10の消耗品をロードするための区画の開放または閉鎖位置を検出するために、ならびに/あるいは、
- 実験器具10のハウジングに配置された視覚的なステータスインジケータ、特に、ステータスLEDを検出するために、
第2のグループの1つまたは複数の実験器具10のビデオ信号を分析することによって、動作ステータスを検出するように構成される。
【0058】
[0060]第3の態様によれば、第2の態様に従う分析実験室1のための生産性ツール5が提案され、ビデオカメラ32は、第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の熱画像をキャプチャするように構成され、制御ユニット20は、実験器具10の一部の動作温度を判定して、実験器具10の動作ステータスを判定するように、特に、それぞれの実験器具10の正常または異常の動作ステータスを区別するように構成される。
【0059】
[0061]第4の態様によれば、第1または第2の態様に従う分析実験室1のための生産性ツール5が提案され、監視デバイス30は、第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の動作ノイズをキャプチャするように構成されたマイクロフォン34を備え、制御ユニット20は、その動作ノイズを分析することによって実験器具10の動作ステータスを判定するように、特に、それぞれの実験器具10の正常または異常の動作ステータスを区別するように構成される。
【0060】
[0062]第5の態様によれば、先行するいずれかの態様に従う分析実験室1のための生産性ツール5が提案され、制御ユニット20は、第1のグループおよび第2のグループの実験器具10の動作ステータスを、動作ステータスダッシュボード42に集約するように構成され、動作ステータスダッシュボード42は、第1および第2の両グループの実験器具10の任意の組合せの動作ステータスを示すように構成される。
【0061】
[0063]第6の態様によれば、先行するいずれかの態様に従う分析実験室1のための生産性ツール5が提案され、生産性ツール5は、監視デバイス30へのオペレータの近接を検出するように構成されたウェアラブルデバイスをさらに備え、オペレータのプライバシを保護するために、それぞれの監視デバイス30を一時的に無効にするように構成される。
【0062】
[0064]第7の態様によれば、先行するいずれかの態様に従う分析実験室1のための生産性ツール5が提案され、実験室モニタリングインターフェースは、オペレータの視野にオーバレイを生成するように構成された拡張現実デバイス44を備え、オーバレイは、オペレータの前記視野内に実験器具の動作ステータスを表示するように生成され、前記動作ステータスの位置決めにより、オペレータは、動作ステータスをそれぞれの実験器具に関連付けることができる。
【0063】
[0065]第8の態様によれば、分析実験室1が提案され、前記分析実験室1は、
生体サンプルに対して1つまたは複数の処理ステップを実行するように構成された1つまたは複数の実験器具10と、
第1から第7のいずれかの態様に従う生産性ツール5と、
を備える。
【0064】
[0066]第9の態様によれば、複数の実験器具10の動作ステータスを判定するためのコンピュータ実施方法が提案され、この方法は、
- 制御ユニット20を第1のグループの1つまたは複数の実験器具10に通信可能に接続するステップと、
- 監視デバイス30によって、第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の、1つまたは複数の外部監視ストリームをキャプチャするステップと、
- 制御ユニット20が、第1のグループの1つまたは複数の実験器具10から内部データストリームを受信するステップであって、内部データストリームは、第1のグループの1つまたは複数の実験器具10の動作ステータスを示すデータを備える、受信するステップと、
- 制御ユニット20が、第2のグループの実験器具10の外部監視ストリームを受信するステップと、
- 制御ユニット20が、第1のグループの実験器具10からの内部データストリームを処理して、第1のグループの1つまたは複数の実験器具10の動作ステータスを抽出するステップと、
- 制御ユニット20が、第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の動作ステータスを検出するために、第2のグループの実験器具10の外部監視ストリームを処理するステップとを備え、
実験室モニタリングインターフェースを介して、第1または第2のグループのいずれかの実験器具10の動作ステータスを出力する。
【0065】
[0067]第10の態様によれば、第9の態様に従う方法が提案され、監視デバイス30によって、第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の、1つまたは複数の外部監視ストリームをキャプチャするステップは、第2のグループの1つまたは複数の実験器具10のビデオ画像をキャプチャすることを備え、第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の動作ステータスを検出するために、第2のグループの実験器具10の外部監視ストリームを処理するステップは、
- 実験器具10のユーザインターフェースの変化、特に、明るい色の1つまたは複数のアイコンの色、外観における変化を検出すること、ならびに/あるいは、
- 実験器具10の一部の動きおよび/または位置、特に、実験器具10の消耗品をロードするための区画の開放または閉鎖位置を検出すること、ならびに/あるいは、
- 視覚的なステータスインジケータ、特に、実験器具10のハウジングに配置されたステータスLEDを検出すること、
- 第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の熱画像をキャプチャし、実験器具10の一部の動作温度を判定して、実験器具10の動作ステータスを判定すること、特に、それぞれの実験器具10の正常または異常の動作ステータスを区別すること、
のうちの1つまたは複数を備える。
【0066】
[0068]第11の態様によれば、第9または第10の態様に従う方法が提案され、この方法はさらに、マイクロフォン34によって、第2のグループの1つまたは複数の実験器具10の動作ノイズをキャプチャし、その動作ノイズを分析することによって、実験器具10の動作ステータスを判定する、特に、それぞれの実験器具10の正常または異常の動作ステータスを区別するステップを備える。
【0067】
[0069]第12の態様によれば、第9から第11のいずれかの態様に従う方法が提案され、この方法はさらに、第1のグループおよび第2のグループの実験器具10の動作ステータスを、動作ステータスダッシュボード42に集約することを備え、動作ステータスダッシュボード42は、第1および第2の両グループの実験器具10の任意の組合せの動作ステータスを示すように構成される。
【0068】
[0070]第13の態様によれば、第10から第12のいずれかの態様に従う方法が提案され、この方法はさらに、拡張現実デバイス44を使用して、オペレータの視野上にオーバレイ46を生成することを備え、オーバレイは、オペレータの前記視野内に実験器具の動作ステータスを表示するために生成され、前記動作ステータスの位置決めにより、オペレータは、動作ステータスを、それぞれの実験器具に関連付けることができる。
【0069】
[0071]第14の態様によれば、第10から第13のいずれかの態様に従う方法が提案され、この方法はさらに、
- 実験器具10へのオペレータの近接を検出することと、
- オペレータのプライバシを保護するために、その特定の実験器具10の外部監視ストリームをキャプチャするように構成された監視デバイス30を一時的に無効にすることと、
を備える。
【0070】
[0072]第15の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提案され、前記コンピュータプログラム製品は、分析実験室1の制御ユニット20によって実行されたときに、分析実験室1に、第10から第14の態様に従う方法のいずれか1つのステップを実行させる命令を備える。
【0071】
[0073]さらに、複数の実験器具10を有する分析実験室1のための生産性ツール5が提案され、この生産性ツールは、
- 複数の実験器具10のうちの1つまたは複数の実験器具10の、1つまたは複数の外部監視ストリームをキャプチャするように構成された、実験器具10の外部にある1つまたは複数の監視デバイス30と、
- 実験室モニタリングインターフェース40と、
- 1つまたは複数の監視デバイス30および実験室モニタリングインターフェース40に通信可能に接続可能な制御ユニット20とを備え、
制御ユニット20は、
- 複数の実験器具10のうちの1つまたは複数の実験器具10の、1つまたは複数の外部監視ストリームを受信し、
- 複数の実験器具10のうちの1つまたは複数の実験器具10の、外部監視ストリームを処理して、複数の実験器具10のうちの1つまたは複数の実験器具10の、少なくとも1つの実験器具10の動作ステータスを検出し、
- 実験室モニタリングインターフェース40を介して、検出された動作ステータスを出力する、
ように構成される。
【0072】
いくつかの特定の実施形態によれば、1つまたは複数の監視デバイスは、実験器具の動作ステータスを示すデータが表示されるディスプレイをモニタするように構成されたカメラを備える。互換性があり、それに応じて調整される場合、この生産性ツールは、本明細書で提案されている他の生産性ツールの任意の機能、特に、本明細書で提案されている第2のグループの(実験器具の)他の生産性ツールに接続されている任意の機能と組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 分析実験室
5 生産性ツール
10 実験器具
20 制御ユニット
30 監視デバイス
32 ビデオカメラ
34 マイクロフォン
40 実験室モニタリングインターフェース
42 動作ステータスダッシュボード
44 拡張現実デバイス
46 (拡張現実デバイスの)オーバレイ
51 コンピュータ
52 プロセッサ
53 揮発性メモリ
54 不揮発性メモリ
55 バス構造
56 センサ
57 人工知能ユニット
ステップ100 内部データストリームをキャプチャする
ステップ102 内部データストリームを処理する
ステップ104 (内部データストリームに基づき)動作ステータスを検出する
ステップ200 外部監視ストリームをキャプチャする
ステップ202 外部監視ストリームを処理する
ステップ204 (外部監視ストリームに基づき)動作ステータスを検出する
ステップ300 動作ステータスを出力する