(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
F25C 1/25 20180101AFI20240603BHJP
F25C 1/147 20180101ALI20240603BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
F25C1/25 D
F25C1/147 Z
F25D11/00 102J
(21)【出願番号】P 2020088668
(22)【出願日】2020-05-21
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】嘉戸 修治
(72)【発明者】
【氏名】水谷 保起
(72)【発明者】
【氏名】大谷 輝彦
(72)【発明者】
【氏名】田代 秀行
(72)【発明者】
【氏名】三輪 奈美
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-020562(JP,A)
【文献】米国特許第05484538(US,A)
【文献】特開2007-003062(JP,A)
【文献】特開2020-020561(JP,A)
【文献】特開2019-219095(JP,A)
【文献】特開2021-067390(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2120039(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第102735652(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0075068(KR,A)
【文献】特開2016-006376(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0052404(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/00 - 5/20
F25D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が流入する流入部と水が流出する流出部とを有し、内部に水を貯蔵可能なタンクと、
前記流出部から流出した水を凍結させて氷を生成する製氷部と、
紫外線を照射して水を殺菌するUV殺菌装置と、を備え、
前記UV殺菌装置は、その紫外線照射範囲が、少なくとも前記流入部から流入した水の流入途上を含むこととなるように配されており、
前記流入部は、
前記タンクの内部に向けて開口した流入口部と、
前記タンクの外部から前記流入口部に向かう水の流路となる流路部と、を備え、
前記流路部は、前記流入口部側において水の流速を低下可能な複数の屈曲部を有
し、
前記タンクは、内部側に膨出した膨出部を備え、
前記膨出部は、前記流入口部に対向する位置に設けられ、前記流入口部から流入する水が当たる先端部が、先尖り状をなしていることを特徴とする製氷機。
【請求項2】
前記タンクは、
水が貯蔵される貯蔵部と、
前記貯蔵部から溢れ出た水を外部に排水する排水部と、を備え、
前記排水部は、前記UV殺菌装置から前記貯蔵部側に照射される紫外線を遮らない形をなすことを特徴とする請求項1に記載の製氷機。
【請求項3】
前記タンクは、底面を構成する底面部を備え、
前記流出部は、前記底面部に設けられ、
前記底面部は、前記流出部側に向かうほど下方に傾いた形をなし、
前記UV殺菌装置は、前記底面部において、前記流出部の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製氷機。
【請求項4】
前記流出部から流出し供給路を通って前記製氷部に流入した水を、ポンプの駆動によって前記供給路とは異なる流路を通って前記タンクに再び流入させる循環機構と、
前記UV殺菌装置の紫外線の照射に応じて前記ポンプの駆動を制御する制御部と、を備えることを特徴とする請求項1から
請求項3のいずれか1項に記載の製氷機。
【請求項5】
前記UV殺菌装置の紫外線の照射に応じて可視光を照射する可視光照射装置を備え、
当該製氷機は、前記可視光照射装置から照射される可視光を目視可能な目視部を備えることを特徴とする請求項1から
請求項4のいずれか1項に記載の製氷機。
【請求項6】
前記タンクは、
水が貯蔵される貯蔵部と、
前記貯蔵部から溢れ出た水を外部に排水する排水部と、を備え、
前記排水部は、排水された水を一時的に貯めるトラップを備え、
前記トラップには、紫外線を照射して水を殺菌するトラップ側UV殺菌装置が設けられていることを特徴とする請求項1から
請求項5のいずれか1項に記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製氷機として、特許文献1に記載のものが知られている。具体的には、蒸発器プレートを有する蒸発器と、氷を形成するために分配器水を蒸発器プレートに分配する分配器と、分配器水および水源からの源水を受け取る水溜めと、水溜めから分配器へ水を配向するポンプと、を備えた製氷機が記載されている。また、特許文献1には、水溜め、分配器および蒸発器プレートを含む食物ゾーンに微生物が入り込むのを防止するために、製氷機が、膜濾過、銀イオン、抗菌剤、オゾン及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される微生物制御部を備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の製氷機は、菌(微生物)が外部から侵入することに対処するものであり、水溜め等の内部において菌が繁殖することを抑制できるとは言い難い。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、菌の繁殖を抑制して衛生的な氷を製氷できる製氷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、製氷機であって、水が流入する流入部と水が流出する流出部とを有し、内部に水を貯蔵可能なタンクと、前記流出部から流出した水を凍結させて氷を生成する製氷部と、紫外線を照射して水を殺菌するUV殺菌装置と、を備え、前記UV殺菌装置は、その紫外線照射範囲が、少なくとも前記流入部から流入した水の流入途上を含むこととなるように配されていることに特徴を有する。
【0007】
このような製氷機によると、流入部から流入し、タンクの内部に貯蔵される水は、流入部から流入した流入途上においてUV殺菌装置から照射される紫外線によって殺菌されていることとなるので、タンクの内部に貯蔵される水を効果的に殺菌し、タンクの内部において清潔に保つことができる。また、滅菌され、タンクの内部で清潔に保たれた水をタンクの流出部から製氷部に流出させることができるので、製氷部において、衛生的な氷を製氷することができる。
【0008】
また、上記構成において、前記タンクは、水が貯蔵される貯蔵部と、前記貯蔵部から溢れ出た水を外部に排水する排水部と、を備え、前記排水部は、前記UV殺菌装置から前記貯蔵部側に照射される紫外線を遮らない形をなすこととすることができる。このような製氷機によると、貯蔵部において排水部によって紫外線が遮られた部分(排水部の影になる部分)が生じなくなるため、このような部分において菌が繁殖することを防ぐことができる。
【0009】
また、上記構成において、前記タンクは、底面を構成する底面部を備え、前記流出部は、前記底面部に設けられ、前記底面部は、前記流出部側に向かうほど下方に傾いた形をなし、前記UV殺菌装置は、前記底面部において、前記流出部の近傍に設けられていることとすることができる。このような製氷機によると、タンクの内部において、UV殺菌装置が流出部側の水中からタンクの内壁の全面に向けて紫外線を照射しやすくなるため、タンクの内部に貯蔵された水やタンクの内壁を効果的に清潔に保つことができる。
【0010】
また、上記構成において、前記タンクは、内部側に膨出した膨出部を備え、前記膨出部は、前記流入部に臨んだ先端部が、先尖り状をなしていることとすることができる。このような製氷機によると、流入部から流入する水が先端部に当たり、静かにタンクの内部に貯まることができる。これにより、タンクの内部に貯蔵した水の水面が波立ったり、タンクの内部に流入した水が飛び散って水滴がUV殺菌装置に付着したりすることで、紫外線がうまく水に当たらずに殺菌効果が低下することを抑制することができる。
【0011】
また、上記構成において、前記流入部は、前記タンクの内部に向けて開口した流入口部と、前記タンクの外部から前記流入口部に向かう水の流路となる流路部と、を備え、前記流路部は、前記流入口部側において屈曲した形をなしていることとすることができる。このような製氷機によると、流路部の流入口部側を水が屈曲して流通することで、水の流速を低下させ、タンクの内部に水が勢いよく流入することを抑制することができる。これにより、タンクの内部に貯蔵した水の水面が波立ったり、タンクの内部に流入した水が飛び散って水滴がUV殺菌装置に付着したりすることで、紫外線がうまく水に当たらずに殺菌効果が低下することを抑制することができる。
【0012】
また、上記構成において、前記流出部から流出し供給路を通って前記製氷部に流入した水を、ポンプの駆動によって前記供給路とは異なる流路を通って前記タンクに再び流入させる循環機構と、前記UV殺菌装置の紫外線の照射に応じて前記ポンプの駆動を制御する制御部と、を備えることとすることができる。このような製氷機によると、タンクと製氷部とを循環する水をUV殺菌装置で効果的に殺菌しつつ、UV殺菌装置とポンプとを効率的に駆動させて耐用年数を向上させることができる。
【0013】
また、上記構成において、前記UV殺菌装置の紫外線の照射に応じて可視光を照射する可視光照射装置を備え、当該製氷機は、前記可視光照射装置から照射される可視光を目視可能な目視部を備えることとすることができる。このような製氷機によると、使用者がタンク等を分解することなくUV殺菌装置の動作を外部から容易に確認することができる。また、UV殺菌装置から照射される紫外線に使用者が曝露することを防ぎ、安全に使用可能な製氷機を提供することができる。
【0014】
また、上記構成において、前記タンクは、水が貯蔵される貯蔵部と、前記貯蔵部から溢れ出た水を外部に排水する排水部と、を備え、前記排水部は、排水された水を一時的に貯めるトラップを備え、前記トラップには、紫外線を照射して水を殺菌するトラップ側UV殺菌装置が設けられていることとすることができる。排水部にトラップを設けた場合、菌がトラップで繁殖して例えば泥状の物体が、トラップを流れる水の流路を詰まらせてしまう可能性が考えられる。しかしながら、上記のような製氷機によると、排水部において菌の繁殖を防ぎ、トラップが詰まることを好適に抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、菌の繁殖を抑制して衛生的な氷を製氷できる製氷機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1に係る製氷機を前上方から視た斜視図
【
図3】製氷機の構成を概略的に示す説明図(貯水タンクと製氷部は断面を示す)
【
図5】蓋部を外した貯水タンクを後上方から視た斜視図
【
図8】変形例1に係る製氷機の貯水タンク付近を拡大した断面図
【
図9】変形例2に係る製氷機の貯水タンク付近を拡大した断面図
【
図10】変形例3に係る製氷機の貯水タンク付近を拡大した断面図
【
図11】実施形態2に係る製氷機の貯水タンク付近を拡大した断面図
【
図12】変形例4に係る製氷機の貯水タンク付近を拡大した断面図
【
図13】変形例5に係る製氷機の貯水タンク付近を拡大した断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を
図1から
図7によって説明する。本実施形態では、オーガ式の製氷機10について例示する。なお、矢印方向Lを左方、矢印方向Rを右方、矢印方向Fを前方、矢印方向Bを後方、矢印方向Uを上方、矢印方向Dを下方として各図を説明する。
図1に示すように、製氷機10は、前側の壁部をなす前壁部11、左右側の壁部をなす側壁部12、及び上側の壁部をなす上壁部13、等を備え、全体として筐体状をなしている。前壁部11には、生成された氷を落下させて外部に排出する氷排出部14が設けられている。
【0018】
図2及び
図3に示すように、製氷機10は、製氷部20と、冷凍回路40と、貯水タンク(タンク)60と、貯氷タンク70と、制御部80と、を備える。製氷部20は、貯水タンク60から供給された製氷水(水)を貯留する貯水部Sを有し、その貯水部Sに貯められた製氷水を冷凍回路40によって凍結させて氷を生成する。生成された氷は、貯氷タンク70に送られ、氷排出部14(
図1参照)から排出される。製氷部20の貯水部Sは、貯水タンク60との間を接続する供給路30を介して、貯水タンク60の流出部61Aから流出した製氷水の供給を受ける。また、貯水部Sは、供給路30とは別に設けられ、貯水タンク60との間を接続する回収路31を介して、当該貯水部Sで製氷されなかった製氷水を貯水タンク60へ再び流入させる。回収路31は、供給路30とは異なる流路となる。回収路31には、ポンプ装置(ポンプ)32が設けられており、そのポンプ装置32の駆動によって、貯水部Sの製氷水が貯水タンク60に送られる。尚、供給路30、回収路31及びポンプ装置32を、循環機構33と呼ぶ。制御部80は、CPU,RAM,ROM等を有するコンピュータを主体として構成され、製氷部20、冷凍回路40、及びポンプ装置32の駆動等を制御する。
【0019】
製氷部20は、氷を生成する主体となる製氷機構20Aと、その製氷機構20Aを駆動する駆動部20Bと、製氷機構20Aと駆動部20Bとを機械的に連結して駆動部20Bの駆動力を製氷機構20Aに伝達する連結部20Cと、を備える。
図3に示すように、製氷機構20Aは、シリンダ(製氷筒、冷却筒)21と、オーガ22と、成型部材(固定刃、圧縮ヘッド)23と、断熱材24と、を備える。シリンダ21は、金属(例えばステンレス鋼)製で円筒状をなしており、その外周面に冷凍回路40を構成する蒸発管44が巻き回されている。シリンダ21において蒸発管44より下側の側壁には、給水口21Aおよび排水口21Bが設けられている。供給路30から供給される製氷水は、給水口21Aからシリンダ21内に給水される。また、シリンダ21内の製氷水は排水口21Bからシリンダ21外へ排出される。断熱材24は、蒸発管44の外面を覆っており、冷却効果を高めている。
【0020】
冷凍回路40は、圧縮機41と、凝縮器42と、膨張弁43と、蒸発管44と、を備え、これらが冷媒管45によって連結されて構成されている。圧縮機41は、冷媒ガスを圧縮する。凝縮器42は、圧縮した冷媒ガスをファン46の送風により冷却して液化させる。膨張弁43は、液化した冷媒を膨張させる。蒸発管44は、膨張弁43によって膨張された冷媒を気化させて、シリンダ21を冷却する。そして、冷凍回路40は、シリンダ21の内周面に、製氷水を凍結させて氷を付着させる。また、冷凍回路40は、ドライヤ47と、温度センサ48と、をさらに備える。ドライヤ47は、冷凍回路40に混入した水分を除去する。温度センサ48は、冷媒管45における蒸発管44の出口部分、および、凝縮器42とドライヤ47との間に設けられており、冷媒の温度を検出する。
【0021】
製氷機構20Aを構成するオーガ22は、上下方向に延びる棒状をなし、シリンダ21の内部空間に挿入されている。オーガ22は、外周面において螺旋状をなす削氷刃22Aを備える。削氷刃22Aは、オーガ22の棒状の本体からシリンダ21の内面21Fに向かって突出しており、その突出長は、シリンダ21の内面21Fに僅かに到達しない程度とされる。削氷刃22Aは、回転してシリンダ21の内面21Fに付着した氷を削り取ることができる。
【0022】
成型部材23は、シリンダ21の内部の上側に固定されている。成型部材23は、略筒状をなし、オーガ22の上部22Bが内部に挿入され、オーガ22を回転可能に保持している。成型部材23は、外周面に軸線方向に沿って延びる複数の溝が成形された歯車状の部材であり、シリンダ21の内面21Fとの間に上下に貫通する氷通過経路23Aを有する。削氷刃22Aによって削り取られた氷は、オーガ22の回転によって上方に運搬されて氷通過経路23Aに押し込まれ、柱状に圧縮成形されつつ、貯氷タンク70の内部に送られる。
【0023】
図4及び
図5に示すように、貯水タンク60は、内部に製氷水を貯蔵可能な貯蔵部61と、貯蔵部61から溢れ出た製氷水を外部に排水する排水部62と、貯蔵部61及び排水部62の上側を覆う蓋部63と、を備える。貯蔵部61は、前後方向を長手とし、上方が開口した筐体状をなしている。貯蔵部61の前側の壁部61Fには、回収路31が繋がる回収口部64と、内部側に膨出した膨出部65と、が設けられている。
【0024】
図4及び
図7に示すように、膨出部65は、上方に向かうほど先尖り状をなした先端部65Uを備える。蓋部63において、先端部65Uの直上には、貯蔵部61の内部に製氷水が流入する流入部68が設けられている。先端部65Uは流入部68の流入口部68Aに対向する位置(流入口部68Aに臨んだ位置)に配されている。先端部65Uの左方には、回収口部64が配されている。
図4及び
図5に示すように、貯蔵部61の下側の壁部(底面を構成する底面部)61Dは、その中央部分に、当該貯蔵部61の内部に貯まった製氷水が流出する流出部61Aを有しており、中央側に向かうほど(流出部61A側に向かうほど)下方に傾斜した形をなしている。流出部61Aは、供給路30に接続されている。
【0025】
排水部62は、貯蔵部61の右側の壁部61R側に設けられており、上下方向に延在した筒状をなしている。排水部62は、上方から視た場合に、貯蔵部61の内部側に向かうほど前後方向における長さが短くなる形で先細るV字状をなしている。これにより、排水部62は、後述するUV殺菌装置90から貯蔵部61の内部側に照射される紫外線を遮らない形(影が生じない形)をなしている。排水部62の上端部は、上方に開口した上側開口部62Uとされ、貯蔵部61に貯蔵された製氷水が当該上側開口部62Uを乗り越えて溢れ出る部分とされる。上側開口部62Uは、膨出部65の先端部65Uに対し上下方向における高さが等しくなる(又はそれ以上となる)位置に配されている。排水部62の下側の内部側には、排水路66につながる開口を構成する下側開口部62Dが設けられている。排水路66は、余分な製氷水を貯蔵部61の外部に排水する流路とされ、
図3に示すように、その途中部分において、排水する水を一時的に貯めるS字状のトラップ66Tを備える。
【0026】
図4に示すように、蓋部63には、貯蔵部61に貯蔵された製氷水の水位を検知するフロートスイッチ67と、膨出部65の直上に配され、製氷水としての水道水が流入する流入部68と、フロートスイッチ67と流入部68との間であって、左右方向(紙面奥手前方向)における中央部分に配され、紫外線を照射して製氷水を殺菌するUV殺菌装置90と、が設けられている。流入部68は、貯蔵部61の内部に向けて開口した流入口部68Aと、水道管から水道水を給水する給水管53に接続した給水バルブ68Cと、給水バルブ68Cから(貯水タンク60の外部から)流入口部68Aに向かう水の流路となる流路部68Bと、を備える。
【0027】
図6に示すように、流路部68Bは、流入口部68A側においてS字状に屈曲した形をなしている。具体的には、流路部68Bは、第1屈曲部68B1、第2屈曲部68B2、第3屈曲部68B3、及び第4屈曲部68B4を備える。第1屈曲部68B1は、給水バルブ68C側から直下に延びる流路が左方に曲がった形をなす部分である。第2屈曲部68B2は、第1屈曲部68B1から左方に延びる流路が下方に曲がった形をなす部分である。第3屈曲部68B3は、第2屈曲部68B2から下方に延びる流路が右方に曲がった形をなす部分である。第4屈曲部68B4は、第3屈曲部68B3から右方に延びる流路が下方に曲がった形をなす部分であり、第1屈曲部68B1よりも右方に配されている。第4屈曲部68B4の直下には、流入口部68Aが配されている。給水バルブ68Cから製氷水として給水された水道水は、流路部68Bを屈曲するように流通し、流入口部68Aから膨出部65の先端部65Uに向かって注水され、膨出部65の壁面を伝って静かに流下し、貯蔵部61の内部に貯まる。
【0028】
図6及び
図7に示すように、蓋部63は、フロートスイッチ67が取り付けられた後側部63Aと、後側部63Aの前側において後側部63Aから上方に立ち上がった立上部63Bと、立上部63Bの前側において後側部63Aよりも上方に位置した前側部63Cと、を有する。前側部63Cには、UV殺菌装置90及び流入部68が取り付けられている。UV殺菌装置90は、前側部63Cの後端部(立上部63B側の端部)に配されている。
図7に示すように、UV殺菌装置90は、紫外線を照射する照射部91が貯蔵部61の内部側に向くように配され、その紫外線照射範囲が、少なくとも流入部68から貯蔵部61の内部に流入した製氷水の流入途上を含むこととなるように配されている。照射部91は、下方から視た場合に円形をなしており、底面部61D、前側の壁部61F、排水部62、及び膨出部65等、貯蔵部61の内部側に位置する各部に向けて紫外線を照射する。従って、UV殺菌装置90は、流入口部68Aから膨出部65の先端部65Uに向かって注水され、膨出部65の壁面を伝って流下する製氷水や、貯蔵部61の内部に貯まった製氷水に向けて紫外線を照射する。UV殺菌装置90としては、照射する紫外線の波長が253nm~285nmの範囲のものを採用することができる。照射部91と流入口部68Aとの間には、前側部63Cから下方に突出し、下方から視た場合に中心角が約180度の半円弧状をなし、照射部91の円周に沿った形で延在している突条部92が設けられている。
図4に示すように、突条部92が前側部63Cから下方に突出した高さ(突条部92の上下方向における長さ)は、立上部63Bの高さ(上下方向における長さ)よりも小さく、後側部63Aを超えない高さとなっている。突条部92は、流入口部68Aから注水された水が膨出部65の先端部65Uで撥ねて照射部91に付着することを防いでいる。尚、
図3に示すように、貯水タンク60は、UV殺菌装置90の他にも、排水路66のトラップ66Tの内部に紫外線を照射可能なUV殺菌装置(トラップ側UV殺菌装置)93を備える。これにより、トラップ66Tの内部において菌が繁殖することを防ぐことができる。
【0029】
制御部80(
図2参照)は、UV殺菌装置90の紫外線の照射に応じてポンプ装置32の駆動を制御する。具体的には、制御部80は、UV殺菌装置90の紫外線の照射量が10~30mJ/cm
2に達するまでの間、ポンプ装置32の駆動をOFFにし、その後、貯蔵部61の内部に貯蔵された製氷水の約半分が入れ替わるまでの間、ポンプ装置32の駆動をONにし、これを交互に切り替えるようにポンプ装置32を制御する。これにより、循環機構33によって循環する製氷水を好適に殺菌しつつ、ポンプ装置32を効率的に駆動させてその寿命を延ばすことができる。尚、制御部80は、UV殺菌装置90が紫外線を照射している間、ポンプ装置32の駆動をOFFにし、UV殺菌装置90が紫外線を照射していない間、ポンプ装置32の駆動をONにし、これを交互に切り替えるようにUV殺菌装置90及びポンプ装置32を制御してもよい。また、制御部80は、このような手順に加え、UV殺菌装置90が紫外線を照射した時間を通算し、その通算した照射時間が長くなるほどポンプ装置32の駆動をOFFにする時間を長くするように、ポンプ装置32を制御してもよい。
【0030】
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、製氷機10であって、水が流入する流入部68と水が流出する流出部61Aとを有し、内部に水を貯蔵可能な貯水タンク60と、流出部61Aから流出した水を凍結させて氷を生成する製氷部20と、紫外線を照射して水を殺菌するUV殺菌装置90と、を備え、UV殺菌装置90は、その紫外線照射範囲が、少なくとも流入部68から流入した水の流入途上を含むこととなるように配されている、製氷機10を示した。
【0031】
このような製氷機10によると、流入部68から流入し、貯水タンク60の内部に貯蔵される水は、流入部68から流入した流入途上においてUV殺菌装置90から照射される紫外線によって殺菌されていることとなるので、貯水タンク60の内部に貯蔵される水を効果的に殺菌し、貯水タンク60の内部において清潔に保つことができる。また、滅菌され、貯水タンク60の内部で清潔に保たれた水を貯水タンク60の流出部61Aから製氷部20に流出させることができるので、製氷部20において、衛生的な氷を製氷することができる。
【0032】
また、貯水タンク60は、水が貯蔵される貯蔵部61と、貯蔵部61から溢れ出た水を外部に排水する排水部62と、を備え、排水部62は、UV殺菌装置90から貯蔵部61側に照射される紫外線を遮らない形をなしている。このような製氷機10によると、貯蔵部61において排水部62によって紫外線が遮られた部分(排水部62の影になる部分)が生じなくなるため、このような部分において菌が繁殖することを防ぐことができる。
【0033】
また、貯水タンク60は、内部側に膨出した膨出部65を備え、膨出部65は、流入部68に臨んだ先端部65Uが、先尖り状をなしている。このような製氷機10によると、流入部68から流入する水が先端部65Uに当たり、静かに貯水タンク60の内部に貯まることができる。これにより、貯水タンク60の内部に貯蔵した水の水面が波立ったり、貯水タンク60の内部に流入した水が飛び散って水滴がUV殺菌装置90に付着したりすることで、紫外線がうまく水に当たらずに殺菌効果が低下することを抑制することができる。
【0034】
また、流入部68は、貯水タンク60の内部に向けて開口した流入口部68Aと、貯水タンク60の外部から流入口部68Aに向かう水の流路となる流路部68Bと、を備え、流路部68Bは、流入口部68A側において屈曲した形をなしている。このような製氷機10によると、流路部68Bの流入口部68A側を水が屈曲して流通することで、水の流速を低下させ、貯水タンク60の内部に水が勢いよく流入することを抑制することができる。これにより、貯水タンク60の内部に貯蔵した水の水面が波立ったり、貯水タンク60の内部に流入した水が飛び散って水滴がUV殺菌装置90に付着したりすることで、紫外線がうまく水に当たらずに殺菌効果が低下することを抑制することができる。
【0035】
また、流出部61Aから流出し供給路30を通って製氷部20に流入した水を、ポンプ装置32の駆動によって供給路30とは異なる流路31を通って貯水タンク60に再び流入させる循環機構33と、UV殺菌装置90の紫外線の照射に応じてポンプ装置32の駆動を制御する制御部80と、を備える。このような製氷機10によると、貯水タンク60と製氷部20とを循環する水をUV殺菌装置90で効果的に殺菌しつつ、UV殺菌装置90とポンプ装置32とを効率的に駆動させてこれらの寿命を向上させることができる。
【0036】
また、貯水タンク60は、水が貯蔵される貯蔵部61と、貯蔵部61から溢れ出た水を外部に排水する排水部62と、を備え、排水部62は、排水された水を一時的に貯めるトラップ66Tを備え、トラップ66Tには、紫外線を照射して水を殺菌するトラップ側UV殺菌装置93が設けられている。排水部62にトラップ66Tを設けた場合、菌がトラップ66Tで繁殖して例えば泥状の物体が、トラップ66Tを流れる水の流路を詰まらせてしまう可能性が考えられる。しかしながら、上記のような製氷機10によると、排水部62において菌の繁殖を防ぎ、トラップ66Tが詰まることを好適に抑制することができる。
【0037】
<変形例1>
次に、本発明の変形例1を
図8によって説明する。本変形例では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。貯水タンク160は、貯蔵部161から溢れ出た製氷水を外部に排水する排水部162を備える。排水部162は、貯蔵部161の右側の壁部61R側に設けられており、上下方向に延在した筒状であって、下方に向かうほど水平方向における径が大きくなる拡径状をなしている。排水部162は、上方から視た場合に、貯蔵部161の内部側に向かうほど前後方向における長さが短くなる形で先細るV字状をなしている。以上のような構成により、排水部162は、UV殺菌装置90から貯蔵部161の内部側に照射される紫外線を遮らない形をなしている。尚、排水部162の下側の内部側には、排水路66につながる開口を構成する下側開口部162Dが設けられている。
【0038】
<変形例2>
次に、本発明の変形例2を
図9によって説明する。本変形例では、上記実施形態及び上記変形例と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。貯水タンク260は、貯蔵部261と、排水部62と、貯蔵部261及び排水部62の上側を覆う蓋部63と、を備える。貯蔵部261の前側の壁部261Fには、回収路31が繋がる回収口部64が設けられている。蓋部263において、回収口部64の上方やや右方(紙面奥方)には、貯蔵部261の内部に製氷水が流入する流入部268が設けられている。流入部268は、貯蔵部261の内部に向けて開口した流入口部268Aと、水道管から水道水を給水する給水管53に接続した給水バルブ68Cと、給水バルブ68Cから(貯水タンク260の外部から)流入口部268Aに向かう水の流路となる流路部68Bと、を備える。流入部268は、流入口部268Aが貯蔵部261の前側の壁部261Fに対向するように、全体として後方に傾いた形で蓋部263に取り付けられている。給水バルブ68Cから製氷水として給水された水道水は、流路部68Bを屈曲するように流通し、流入口部268Aから貯蔵部261の前側の壁部261Fに対しその水流が斜めに接触するように注水される。即ち、流入口部268Aから貯蔵部261の内部に流入する製氷水は、流入口部268Aから直下に流下するのではなく、流入口部268Aから前下方に傾いた形で注水される。このように、流入部268が傾いた形で蓋部263に取り付けられていることにより、壁部261Fに対し斜めに注水された製氷水は、当該前側の壁部261Fを伝って静かに流下し、貯蔵部261の内部に貯まる。これにより、貯蔵部261の内部に貯蔵した製氷水の水面が波立ったり、貯蔵部261の内部に流入し製氷水が飛び散って水滴がUV殺菌装置90に付着したりすることで、紫外線がうまく製氷水に当たらずに殺菌効果が低下することを抑制することができる。
【0039】
<変形例3>
次に、本発明の変形例3を
図10によって説明する。本変形例では、上記実施形態及び上記変形例と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。貯水タンク360は、貯蔵部361から溢れ出た製氷水を外部に排水する排水部362を備える。排水部362は、貯蔵部361の右側の壁部361Rの外部側に設けられており、上下方向に延在した筒状をなしている。貯蔵部361の右側の壁部361Rには、排水部362の上端部付近において左右方向に開口した開口部362Uが設けられており、貯蔵部361に貯蔵された製氷水が当該開口部362Uを乗り越えて排水部362に溢れ出るものとされる。開口部362Uは、膨出部65の先端部65Uに対し上下方向における高さが等しくなる(又はそれ以上となる)位置に配されている。
【0040】
蓋部63には、UV殺菌装置90と、可視光を照射する可視光照射部(可視光照射装置)394と、が設けられている。可視光照射部394は、例えば、制御部80(
図2参照)の制御により、UV殺菌装置90が紫外線を照射している間、貯蔵部361の内部へ可視光を照射するものとされる。このとき、制御部80は、可視光照射部394から照射される可視光を点滅させてもよい。一方、貯蔵部361の左側の壁部61Lには、可視光を透過可能な素材(透明又は半透明な樹脂素材等)からなる目視部369が設けられている。これにより、例えば、製氷機10の側壁部12(
図1参照)において、目視部369の外部側となる部分に開口を設ける等により、目視部369を通して可視光照射部394から照射される可視光を目視することができる。このような製氷機によると、使用者が貯水タンク360等を分解することなくUV殺菌装置90の動作を外部から容易に確認することができる。また、例えば目視部369の素材として、可視光を透過しつつ、紫外線を遮る素材を採用することで、UV殺菌装置90から照射される紫外線に使用者が曝露することを防ぎ、安全に使用可能な製氷機を提供することができる。
【0041】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を
図11によって説明する。本実施形態では、上記実施形態及び上記変形例と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。貯水タンク460において、貯蔵部461の下側の壁部(底面を構成する底面部)461Dには、その中央部分に、当該貯蔵部461の内部に貯まった製氷水が流出する流出部461Aと、流出部461Aの近傍(紙面手前側)に配されたUV殺菌装置490と、が設けられている。底面部461Dは、中央側に向かうほど(流出部461A側に向かうほど)下方に傾斜した形をなしている。UV殺菌装置490は、貯蔵部461に製氷水が貯蔵された場合、水中に水没した状態となり、貯蔵部461の内部において、水底から上方に向けて紫外線を照射することとなる。尚、底面部461Dは、上方に向かうほど水平方向に拡径する形とされるが、その拡径する角度は、UV殺菌装置490の紫外線の配光角よりも小さい。このような製氷機によると、貯水タンク460の内部において、UV殺菌装置90が流出部461A側の水中から貯水タンク460の内壁の全面に向けて紫外線を照射しやすくなるため、貯水タンク460の内部に貯蔵された製氷水や貯水タンク460の内壁を効果的に清潔に保つことができる。
【0042】
<変形例4>
次に、本発明の変形例4を
図12によって説明する。本変形例では、上記実施形態及び上記変形例と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。貯水タンク560は、貯蔵部561と、貯蔵部561及び排水部62の上側を覆う蓋部563と、を備える。貯蔵部561の左側の壁部561Lの下方には、当該貯蔵部561の内部に製氷水が流入する流入部568が設けられている。流入部568は、貯蔵部561の内部に向けて開口した流入口部568Aと、水道管から水道水を給水する給水管に接続した流路部568Bと、を備える。一方、貯蔵部561の底面を構成する底面部561Dにおいて、流入部568側には、UV殺菌装置590が配されている。UV殺菌装置590は、貯蔵部561に製氷水が貯蔵された場合、水中に水没した状態となり、貯蔵部561の内部において、水底から上方に向かって紫外線を照射することとなる。水道管から製氷水として給水された水道水は、流路部568Bを流通し、流入口部568AからUV殺菌装置590の直上付近に向かって注水され、貯蔵部561の内部に貯まる。尚、流入部568は、流入口部568Aから流入する製氷水が、UV殺菌装置590の上面(貯蔵部561の内部に対し紫外線を照射する面)に向けて直接注水されるように壁部561Lに設けられていてもよい。これにより、UV殺菌装置590の上面に付着した製氷水(水道水)中の不純物等の汚れを、当該UV殺菌装置590の上方に配された流入口部568Aから流入する製氷水の水流によって除去することができ、UV殺菌装置590の殺菌効果の低下を抑制することができる。
【0043】
<変形例5>
次に、本発明の変形例5を
図13によって説明する。本変形例では、上記実施形態及び上記変形例と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。貯水タンク660は、貯蔵部661と、貯蔵部661及び排水部62の上側を覆う蓋部663と、を備える。蓋部663には、貯蔵部661の内部に製氷水が流入する3つの流入部668D,668E,668Fが設けられている。流入部668D,668E,668Fは、前方からこの順で一列に並んで配されており、それぞれが、貯蔵部661の内部に向けて開口した流入口部668Aと、水道管から水道水を給水する給水管に接続した流路部668Bと、を備える。一方、貯蔵部661の底面を構成する底面部661Dには、3つのUV殺菌装置690D,690E,690Fが配されている。UV殺菌装置690D,690E,690Fは、前方からこの順で一列に並んで配されており、貯蔵部661に製氷水が貯蔵された場合、水中に水没した状態となり、貯蔵部661の内部において、水底から上方に向かって紫外線を照射することとなる。UV殺菌装置690D,690E,690Fのそれぞれの直上には、流入部668D,668E,668Fのそれぞれの流入口部668Aが配されている。水道管から製氷水として給水された水道水は、流入部668D,668E,668Fのそれぞれの流路部668Bを流通し、それぞれの流入口部668AからUV殺菌装置690D,690E,690Fの直上に向かって注水され、貯蔵部661の内部に貯まる。このとき、UV殺菌装置690D,690E,690Fの表面に付着した製氷水(水道水)中の不純物等の汚れは、当該UV殺菌装置690D,690E,690Fのそれぞれの直上に配された流入部668D,668E,668Fから流入する製氷水の水流によって除去される。これにより、UV殺菌装置690D,690E,690Fの殺菌効果の低下を抑制することができる。
【0044】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0045】
(1)上記実施形態以外にも、UV殺菌装置の構成は適宜変更可能である。例えば、UV殺菌装置は、回収路が繋がる回収口部の直下に配され、水底から上方に紫外線を照射する構成であってもよい。その場合、制御部は、ポンプ装置を駆動させる前に、先に、製氷部に貯まり、菌や不純物が濃縮された製氷水を排水した後、貯蔵部等に製氷水を給水するものとしてもよい。
【0046】
(2)上記変形例3では、製氷機は、貯蔵部の壁部の一部において、可視光を透過可能な構成としたが、これに限られない。例えば、製氷機は、貯蔵部の壁部の全部又は蓋部の一部若しくは全部において、可視光を透過可能な構成としてもよい。また、製氷機は、貯蔵部の内部から外部に延設され、可視光を導光する導光体を備え、可視光照射部から導光体に照射された可視光を当該製氷機の外部から確認可能な構成としてもよい。
【0047】
(3)上記実施形態では、製氷機は、蓋部に配されたフロートスイッチによって貯蔵部に貯蔵された製氷水の水位を検知するものとしたが、これに限られない。例えば、製氷機は、蓋部において、紫外線を検知するUV線検知装置を備え、UV殺菌装置から照射され、貯蔵部に貯蔵された製氷水に反射する紫外線をUV検知装置が検知することにより、制御部が当該貯蔵部に貯蔵された製氷水の水位を判定する構成としてもよい。
【0048】
(4)上記実施形態以外にも、製氷機の製氷態様は適宜変更可能である。上記実施形態では、製氷機は、オーガ式としたが、これに限られない。例えば、製氷機は、噴流式や流下式であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…製氷機、20…製氷部、32…ポンプ装置(ポンプ)、33…循環機構、60,160,260,360,460,560,660…貯水タンク(タンク)、61,161,261,361,461,561,661…貯蔵部、61A,461A…流出部、62,162,362…排水部、65…膨出部、65U…先端部、66T…トラップ、68268,568,668D,668E,668F…流入部、68A,268A,568A,668A…流入口部、68B,568B,668B…流路部、80…制御部、90,490,590,690D,690E,690F…UV殺菌装置、93…トラップ側UV殺菌装置