特許 7497213 人力駆動車用の制御装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-05-31

(45)【発行日】2024-06-10

(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置

(51)【国際特許分類】

   B62M 9/123 20100101AFI20240603BHJP

   B62J 45/00 20200101ALI20240603BHJP

   B62J 45/411 20200101ALI20240603BHJP

   B62J 45/412 20200101ALI20240603BHJP

   B62J 45/413 20200101ALI20240603BHJP

   B62J 45/415 20200101ALI20240603BHJP

【ＦＩ】

B62M9/123

B62J45/00

B62J45/411

B62J45/412

B62J45/413

B62J45/415

【請求項の数】 15

(21)【出願番号】P 2020094529

(22)【出願日】2020-05-29

(65)【公開番号】P2021187300

(43)【公開日】2021-12-13

【審査請求日】2023-05-24

(73)【特許権者】

【識別番号】000002439

【氏名又は名称】株式会社シマノ

(74)【代理人】

【識別番号】100105957

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 誠

(74)【代理人】

【識別番号】100068755

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 博宣

(72)【発明者】

【氏名】謝花 聡

(72)【発明者】

【氏名】川▲崎▼ 充彦

【審査官】中島 昭浩

(56)【参考文献】

【文献】特開２００３－１２０７９９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００３－１５６１３９（ＪＰ，Ａ）

【文献】中国特許出願公開第１０４３５４８２８（ＣＮ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０１６／０２００３９６（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６２Ｍ ９／１２２ － ９／１２３

Ｂ６２Ｍ ９／１３２ － ９／１３３

Ｂ６２Ｍ ２５／０８

Ｂ６２Ｊ ４５／００ － ４５／４１６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

人力駆動車用の制御装置であって、
人力駆動車のクランク軸の回転速度に対する車輪の回転速度の比率である変速比率を変更する変速機を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも１つに関するパラメータが所定範囲外になると、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御し、
前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に第１期間以上にわたり変化する場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、制御装置。

【請求項2】

前記所定範囲は、第１所定値以上の範囲であり、
前記制御部は、
前記パラメータが前記第１所定値よりも小さくなると、前記変速比率を増加および減少の一方である第１変速方向に変更するように前記変速機を制御し、
前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり減少する場合、前記第１変速方向に前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項１に記載の制御装置。

【請求項3】

前記所定範囲は、第２所定値以下の範囲であり、
前記制御部は、
前記パラメータが前記第２所定値よりも大きくなると、前記変速比率を増加および減少の一方である第２変速方向に変更するように前記変速機を制御し、
前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり増加する場合、前記第２変速方向に前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項１に記載の制御装置。

【請求項4】

前記所定範囲は、第２所定値以下の範囲であり、
前記制御部は、
前記パラメータが前記第２所定値よりも大きくなると、前記変速比率を増加および減少のうちの前記第１変速方向とは異なる方向である第２変速方向に変更するように前記変速機を制御し、
前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり増加する場合、前記第２変速方向に前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項２に記載の制御装置。

【請求項5】

前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化し、かつ、前記パラメータの増加および減少の一方の変化量が所定変化量以上になると、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項１から４のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項6】

前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間よりも長い第２期間以上にわたり変化し、かつ、前記パラメータの増加および減少の一方の変化量が前記所定変化量よりも少ない場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項５に記載の制御装置。

【請求項7】

前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり減少し、かつ、前記パラメータの減少量が前記所定変化量以上であり、かつ、前記パラメータが第１設定値以下の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項５または６に記載の制御装置。

【請求項8】

前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり増加し、かつ、前記パラメータの増加量が前記所定変化量以上であり、かつ、前記パラメータが第２設定値以上の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項５から７のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項9】

前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり減少し、かつ、前記パラメータの減少量が前記所定変化量よりも少なく、かつ、前記パラメータが第１設定値以下の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項５または６に記載の制御装置。

【請求項10】

前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり増加し、かつ、前記パラメータの増加量が前記所定変化量よりも少なく、かつ、前記パラメータが第２設定値以上の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項５、６、および、９のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項11】

前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間よりも短い第３期間において第３所定値以上変化する場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御しない、請求項１から１０のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項12】

前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化し、かつ、前記人力駆動車の車速が加速する場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御しない、請求項１から１１のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項13】

前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化する場合、ライダの負荷に応じて前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する、請求項１から１２のいずれか一項に記載の制御装置。

【請求項14】

前記制御部は、
前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化する場合、かつ、ライダの負荷が第１値以上の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御し、
前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化する場合、かつ、ライダの負荷が前記第１値よりも小さい場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御しない、請求項１３に記載の制御装置。

【請求項15】

前記パラメータは、前記人力駆動車のクランク軸の回転速度を含む、請求項１から１４のいずれか一項に記載の制御装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、人力駆動車用の制御装置に関する。

【背景技術】

【0002】

例えば、特許文献１に開示されている人力駆動車用の制御装置は、人力駆動車の変速比率を変更する変速機を制御する。特許文献１の人力駆動車用の制御装置は、クランク軸の回転速度に応じて変速機を制御する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０１３－４７０８５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

本発明の目的の１つは、変速機を好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本発明の第１側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、人力駆動車のクランク軸の回転速度に対する車輪の回転速度の比率である変速比率を変更する変速機を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも１つに関するパラメータが所定範囲外になると、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御し、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に第１期間以上にわたり変化する場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第１側面の制御装置によれば、パラメータが所定範囲内において増加および減少の一方に第１期間以上にわたり変化する場合、変速比率を変更するように変速機を制御できるため、変速機を好適に制御できる。

【0006】

前記第１側面に従う第２側面の制御装置において、前記所定範囲は、第１所定値以上の範囲であり、前記制御部は、前記パラメータが前記第１所定値よりも小さくなると、前記変速比率を増加および減少の一方である第１変速方向に変更するように前記変速機を制御し、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり減少する場合、前記第１変速方向に前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第２側面の制御装置によれば、パラメータが第１所定値よりも小さくなると、変速比率を第１変速方向に変更するように変速機を制御し、パラメータが所定範囲内において第１期間以上にわたり減少する場合、第１変速方向に変速比率を変更するように変速機を制御するため、変速比率を第１変速方向に変更しやすい。

【0007】

前記第１または第２側面に従う第３側面の制御装置において、前記所定範囲は、第２所定値以下の範囲であり、前記制御部は、前記パラメータが前記第２所定値よりも大きくなると、前記変速比率を増加および減少の一方である第２変速方向に変更するように前記変速機を制御し、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり増加する場合、前記第２変速方向に前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第３側面の制御装置によれば、パラメータが第２所定値よりも大きくなると、変速比率を第２変速方向に変更するように変速機を制御し、パラメータが所定範囲内において第１期間以上にわたり増加する場合、第２変速方向に変速比率を変更するように変速機を制御するため、変速比率を第２変速方向に変更しやすい。

【0008】

前記第１から第３側面のいずれか１つに従う第４側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化し、かつ、前記パラメータの増加および減少の一方の変化量が所定変化量以上になると、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第４側面の制御装置によれば、パラメータが所定範囲内において増加および減少の一方に第１期間以上にわたり変化し、かつ、パラメータの増加および減少の一方の変化量が所定変化量以上になると、変速比率を変更するため、変速比率の変更頻度を抑制できる。

【0009】

前記第４側面に従う第５側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間よりも長い第２期間以上にわたり変化し、かつ、前記パラメータの増加および減少の一方の変化量が前記所定変化量よりも少ない場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第５側面の制御装置によれば、パラメータの増加および減少の一方の変化量が小さい場合であっても、第１期間よりも長い第２期間にわたってパラメータが増加および減少の一方に変化する場合は、変速比率を変更できる。

【0010】

前記第４または第５側面に従う第６側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり減少し、かつ、前記パラメータの減少量が前記所定変化量以上であり、かつ、前記パラメータが第１設定値以下の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第６側面の制御装置によれば、パラメータが所定範囲内において第１期間以上にわたり減少し、かつ、パラメータの減少量が所定変化量以上であり、かつ、パラメータが第１設定値以下の場合、変速比率を変更するため、変速比率の変更頻度を抑制できる。

【0011】

前記第４から第６側面のいずれか１つに従う第７側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり増加し、かつ、前記パラメータの増加量が前記所定変化量以上であり、かつ、前記パラメータが第２設定値以上の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第７側面の制御装置によれば、パラメータが所定範囲内において第１期間以上にわたり増加し、かつ、パラメータの増加量が所定変化量以上であり、かつ、パラメータが第２設定値以上の場合、変速比率を変更するため、変速比率の変更頻度を抑制できる。

【0012】

前記第４または第５側面に従う第８側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり減少し、かつ、前記パラメータの減少量が前記所定変化量よりも少なく、かつ、前記パラメータが第１設定値以下の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第８側面の制御装置によれば、パラメータが所定範囲内において第１期間以上にわたり減少し、かつ、パラメータの減少量が所定変化量よりも少なく、かつ、パラメータが第１設定値以下の場合、変速比率を変更するため、変速比率を変更しやすい。

【0013】

前記第４、第５、および、第８側面のいずれか１つに従う第９側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において前記第１期間以上にわたり増加し、かつ、前記パラメータの増加量が前記所定変化量よりも少なく、かつ、前記パラメータが第２設定値以上の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第９側面の制御装置によれば、パラメータが所定範囲内において第１期間以上にわたり増加し、かつ、パラメータの増加量が所定変化量よりも少なく、かつ、パラメータが第２設定値以上の場合、変速比率を変更するため、変速比率を変更しやすい。

【0014】

前記第１から第９側面のいずれか１つに従う第１０側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間よりも短い第３期間において第３所定値以上変化する場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御しない。
上記第１０側面の制御装置によれば、パラメータが所定範囲内において増加および減少の一方に第１期間よりも短い第３期間において第３所定値以上変化する場合、変速比率の変更が抑制される。

【0015】

前記第１から第１０側面のいずれか１つに従う第１１側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化し、かつ、前記人力駆動車の車速が加速する場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御しない。
上記第１１側面の制御装置によれば、人力駆動車の車速が加速する場合、変速比率の変更が抑制される。

【0016】

前記第１から第１１側面のいずれか１つに従う第１２側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化する場合、ライダの負荷に応じて前記変速比率を変更するように前記変速機を制御する。
上記第１２側面の制御装置によれば、ライダの負荷に応じて変速比率を変更できる。

【0017】

前記第１２側面に従う第１３側面の制御装置において、前記制御部は、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化する場合、かつ、ライダの負荷が第１値以上の場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御し、前記パラメータが前記所定範囲内において増加および減少の一方に前記第１期間以上にわたり変化する場合、かつ、ライダの負荷が前記第１値よりも小さい場合、前記変速比率を変更するように前記変速機を制御しない。
上記第１３側面の制御装置によれば、ライダの負荷が第１値よりも小さい場合、変速比率の変更が抑制される。

【0018】

前記第１から第１３側面のいずれか１つに従う第１４側面の制御装置において、前記パラメータは、前記人力駆動車のクランク軸の回転速度を含む。
上記第１４側面の制御装置によれば、人力駆動車のクランク軸の回転速度に応じて変速比率を変更できる。

【発明の効果】

【0019】

本開示の人力駆動車用の制御装置は、変速機を好適に制御できる。

【図面の簡単な説明】

【0020】

【図1】第１実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の側面図。

【図2】第１実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図。

【図3】図２の制御部によって実行され、変速機を制御する処理のフローチャートの第１部分。

【図4】図２の制御部によって実行され、変速機を制御する処理のフローチャートの第２部分。

【図5】図２の制御部によって実行され、変速機を制御する処理の一例を示すタイミングチャート。

【図6】第２実施形態の制御部によって実行され、変速機を制御する処理のフローチャートの第２部分。

【図7】第１変形例の制御部によって実行され、変速機を制御する処理のフローチャートの第２部分。

【図8】第２変形例の制御部によって実行され、変速機を制御する処理のフローチャートの第２部分。

【発明を実施するための形態】

【0021】

＜第１実施形態＞
図１から図５を参照して、第１実施形態の人力駆動車用の制御装置５０について説明する。人力駆動車１０は、少なくとも１つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力Ｈによって駆動できる乗り物である。人力駆動車１０は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車１０が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車１０は、例えば１輪車および３輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車１０は、人力駆動力Ｈのみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車１０は、人力駆動力Ｈだけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク（Ｅ－ｂｉｋｅ）を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車１０を、自転車として説明する。

【0022】

人力駆動車１０は、人力駆動力Ｈが入力されるクランク１２を備える。人力駆動車１０は、車輪１４と、車体１６と、を、さらに備える。車輪１４は、後輪１４Ａと、前輪１４Ｂと、を含む。車体１６は、フレーム１８を含む。クランク１２は、フレーム１８に対して回転可能なクランク軸１２Ａと、クランク軸１２Ａの軸方向の端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム１２Ｂとを含む。各クランクアーム１２Ｂには、一対のペダル２０がそれぞれ連結される。後輪１４Ａは、クランク１２が回転することによって駆動される。後輪１４Ａは、フレーム１８に支持される。クランク１２は、駆動機構２２によって後輪１４Ａと連結される。駆動機構２２は、クランク軸１２Ａに連結される第１回転体２４を含む。クランク軸１２Ａは、第１回転体２４と一体回転するように連結されてもよく、第１ワンウェイクラッチを介して連結されていてもよい。第１ワンウェイクラッチは、クランク１２が前転した場合に、第１回転体２４を前転させ、クランク１２が後転した場合に、クランク１２と第１回転体２４との相対回転を許容するように構成される。第１回転体２４は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構２２は、第２回転体２６と、連結部材２８とをさらに含む。連結部材２８は、第１回転体２４の回転力を第２回転体２６に伝達する。連結部材２８は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。

【0023】

第２回転体２６は、後輪１４Ａに連結される。第２回転体２６は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第２回転体２６と後輪１４Ａとの間には、好ましくは、第２ワンウェイクラッチが設けられている。第２ワンウェイクラッチは、第２回転体２６が前転した場合に、後輪１４Ａを前転させ、第２回転体２６が後転した場合に、第２回転体２６と後輪１４Ａとの相対回転を許容するように構成される。

【0024】

フレーム１８には、フロントフォーク３０を介して前輪１４Ｂが取り付けられている。フロントフォーク３０には、ハンドルバー３４がステム３２を介して連結されている。本実施形態では、後輪１４Ａが駆動機構２２によってクランク１２に連結されるが、後輪１４Ａおよび前輪１４Ｂの少なくとも１つが、駆動機構２２によってクランク１２に連結されてもよい。

【0025】

人力駆動車１０は、変速機３６を備える。変速機３６は、人力駆動車１０のクランク軸１２Ａの回転速度Ｃに対する人力駆動車１０の車輪１４の回転速度Ｗの比率である変速比率Ｒを変更する。変速比率Ｒは、クランク１２の回転速度Ｃに対する駆動輪の回転速度の比率である。本実施形態では、駆動輪は後輪１４Ａである。変速機３６は、例えばフロントディレイラ、リアディレイラ、および、内装変速機の少なくとも１つを含む。変速機３６が内装変速機を含む場合、内装変速機は、例えば、後輪１４Ａのハブに設けられる。変速機３６は、アクチュエータ３８によって動作するように構成される。アクチュエータ３８は、電気アクチュエータを含む。アクチュエータ３８は、例えば、電気モータを含む。

【0026】

制御装置５０は、制御部５２を備える。制御部５２は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばＣＰＵ（Central Processing Unit）またはＭＰＵ（Micro Processing Unit）を含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部５２は、１または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、制御装置５０は、記憶部５４をさらに含む。記憶部５４には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部５４は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ＲＯＭ（Read-Only Memory）、ＥＰＲＯＭ（Erasable Programmable Read Only Memory）、ＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory）、および、フラッシュメモリの少なくとも１つを含む。揮発性メモリは、例えば、ＲＡＭ（Random access memory）を含む。

【0027】

好ましくは、人力駆動車１０は、パラメータＰを検出する検出部４０を含む。好ましくは、検出部４０は、クランク回転センサ４２、トルクセンサ４４、車速センサ４６、および、傾斜センサ４８の少なくとも１つを含む。

【0028】

クランク回転センサ４２は、クランク軸１２Ａの回転速度Ｃに応じた情報を検出するように構成される。クランク回転センサ４２は、例えば、人力駆動車１０のフレーム１８に設けられる。クランク回転センサ４２は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸１２Ａ、クランク軸１２Ａに連動して回転する部材、または、クランク軸１２Ａから第１回転体２４までの間の動力伝達経路に設けられる。クランク回転センサ４２は、クランク軸１２Ａの回転速度Ｃに応じた信号を出力する。磁石は、クランク軸１２Ａから第１回転体２４までの人力駆動力Ｈの動力伝達経路において、クランク軸１２Ａと一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、磁石は、クランク軸１２Ａと第１回転体２４との間に第１ワンウェイクラッチが設けられない場合、第１回転体２４に設けられてもよい。クランク回転センサ４２は、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよい。クランク回転センサ４２は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部５２に接続される。好ましくは、クランク回転センサ４２は、クランク１２が１回転する間において、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、２以上である。好ましくは、予め定める回数は、４以上である。予め定める回数は、好ましくは４の倍数である。好ましくは、予め定める回数は、８、１２、または、１６である。クランク回転センサ４２は、車速センサを含んで構成されていてもよい。クランク回転センサ４２が車速センサを含む場合、例えば、制御部５２は、車速センサによって検出される車速と、変速比率Ｒとに応じてクランク軸１２Ａの回転速度Ｃを算出するように構成される。

【0029】

トルクセンサ４４は、人力駆動力Ｈによってクランク１２に与えられるトルクに応じた信号を出力するように構成される。トルクセンサ４４は、例えば、動力伝達経路に第１ワンウェイクラッチが設けられる場合、好ましくは、第１ワンウェイクラッチよりも動力伝達経路の上流側に設けられる。トルクセンサ４４は、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。トルクセンサ４４は、動力伝達経路、または、動力伝達経路に含まれる部材の近傍に含まれる部材に設けられる。動力伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸１２Ａ、クランク軸１２Ａと第１回転体２４との間において人力駆動力Ｈを伝達する部材、クランクアーム１２Ｂ、または、ペダル２０である。トルクセンサ４４は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部５２に接続される。トルクセンサ４４は、人力駆動力Ｈに関する情報を取得できればどのような構成であってもよく、例えば、ペダル２０に与えられる圧力を検出するセンサ、または、チェーンの張力を検出するセンサなどを含んでいてもよい。

【0030】

車速センサ４６は、人力駆動車１０の車輪１４の回転速度Ｗに応じた情報を検出するように構成される。車速センサ４６は、例えば、人力駆動車１０の車輪１４に設けられる磁石を検出するように構成される。車速センサ４６は、車輪１４の回転速度Ｗに応じた信号を出力する。制御部５２は、車輪１４の回転速度Ｗと、車輪１４の周長に関する情報とに基づいて人力駆動車１０の車速Ｖを算出できる。記憶部５４には車輪１４の周長に関する情報が記憶される。車速センサ４６は、例えばリードスイッチを構成する磁性リード、または、ホール素子を含む。車速センサ４６は、人力駆動車１０のフレーム１８のチェーンステイに取り付けられ、後輪１４Ａに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォーク３０に設けられ、前輪１４Ｂに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。車速センサ４６は、車輪１４に設けられる磁石を検出する構成に限らず、例えば、光学センサなどを含んで構成されてもよい。車速センサ４６は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部５２に接続される。

【0031】

傾斜センサ４８は、人力駆動車１０の走行する路面の傾斜角度Ｂを検出するように構成される。人力駆動車１０の走行する路面の傾斜角度Ｂは、人力駆動車１０の進行方向における傾斜角度によって検出できる。人力駆動車１０の走行する路面の傾斜角度Ｂは、人力駆動車１０の傾斜角度と対応する。傾斜センサの一例は、ジャイロセンサまたは加速度センサである。別の例では、傾斜センサ４８は、ＧＰＳ（Global positioning system）受信部を含む。制御部５２は、ＧＰＳ受信部によって取得したＧＰＳ情報と、記憶部５４に予め記録されている地図情報に含まれる路面勾配とに応じて、人力駆動車１０の走行する路面の傾斜角度Ｂを演算してもよい。傾斜センサ４８は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部５２に接続される。

【0032】

制御部５２は、人力駆動車１０の走行状態および人力駆動車１０の走行環境の少なくとも１つに関するパラメータＰが所定範囲ＬＰ外になると、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化する場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化する場合、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内であっても、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。第１期間Ｔ１は、例えば、１．５秒である。

【0033】

好ましくは、所定範囲ＬＰは、第１所定値Ｐ１以上の範囲である。制御部５２は、パラメータＰが第１所定値Ｐ１よりも小さくなると、変速比率Ｒを増加および減少の一方である第１変速方向に変更するように変速機３６を制御する。好ましくは、所定範囲ＬＰは、第２所定値Ｐ２以下の範囲であり、制御部５２は、パラメータＰが第２所定値Ｐ２よりも大きくなると、変速比率Ｒを増加および減少の一方である第２変速方向に変更するように変速機３６を制御する。

【0034】

好ましくは、パラメータＰは、ライダの負荷に関するパラメータである。本実施形態において、好ましくは、パラメータＰは、ライダの負荷が大きくなるほど小さくなる傾向を有するパラメータである。パラメータＰは、ライダの負荷が大きくなるほど大きくなるパラメータであってもよく、例えば、人力駆動力Ｈおよび人力駆動車１０の走行路の勾配の少なくとも１つを含んでいてもよい。人力駆動力Ｈは、人力駆動力Ｈのトルクであってもよく、人力駆動力Ｈの仕事率であってもよい。人力駆動力Ｈの仕事率は、例えば、人力駆動力Ｈのトルクとクランク軸１２Ａの回転速度Ｃとを乗算した値である。

【0035】

本実施形態では、パラメータＰは、人力駆動車１０のクランク軸１２Ａの回転速度Ｃを含む。本実施形態では、パラメータＰが、第１所定値Ｐ１よりも小さくなると、制御部５２は、変速比率Ｒを減少させる方向である第１変速方向に変更するように変速機３６を制御する。本実施形態では、パラメータＰが、第２所定値Ｐ２よりも大きくなると、制御部５２は、変速比率Ｒを増加させる方向である第２変速方向に変更するように変速機３６を制御する。クランク軸１２Ａの回転速度Ｃが所定範囲ＬＰよりも小さい場合、制御部５２は、変速比率Ｒを小さくするため、ライダの負荷を小さくできる。このため、クランク軸１２Ａの回転速度Ｃが所定範囲ＬＰ内になりやすい。クランク軸１２Ａの回転速度Ｃが所定範囲ＬＰよりも大きい場合、制御部５２は、変速比率Ｒを大きくするため、ライダの負荷を大きくできる。このため、クランク軸１２Ａの回転速度Ｃが所定範囲ＬＰ内になりやすい。

【0036】

パラメータＰは、クランク軸１２Ａの回転速度Ｃに代えてまたは加えて、人力駆動力Ｈ、車速Ｖ、および、傾斜角度Ｂの少なくとも１つであってもよい。パラメータＰが、車速Ｖを含む場合、制御部５２は、例えば、車速Ｖが小さいほど変速比率Ｒが小さくなるように変速機３６を制御する。人力駆動力Ｈ、および、傾斜角度Ｂは、パラメータＰが大きくなるほどライダの負荷が大きくなる傾向を有する。パラメータＰが、人力駆動力Ｈ、および、傾斜角度Ｂの少なくとも１つを含む場合、制御部５２は、例えば、人力駆動力Ｈ、および、傾斜角度Ｂの少なくとも１つが大きいほど変速比率Ｒ小さくなるように変速機３６を制御する。

【0037】

好ましくは、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化する場合、ライダの負荷に応じて変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。

【0038】

本実施形態では、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少する場合、第１変速方向に変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少する場合、パラメータＰが第１所定値Ｐ１よりも小さくなる場合と同様の方向に変速比率Ｒを変更する。制御部５２は、例えば、パラメータＰが所定範囲ＬＰ外から所定範囲ＬＰ内に変化した場合、所定周期毎にパラメータＰが減少したか否かを判定する。第１期間Ｔ１が経過するまで継続的にパラメータＰが減少した旨が判定され続けると、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少したと判定する。所定周期は、例えば、検出部４０によるパラメータＰの検出周期である。所定周期は、検出部４０によるパラメータＰの検出周期よりも長くてもよい。制御部５２は、好ましくは、パラメータＰの減少が判定されてから第１期間Ｔ１が経過するまでにパラメータＰの増加が判定される場合、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少することによる第１変速方向への変速比率Ｒの変更を行わない。制御部５２は、例えば、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内においてパラメータＰの減少が判定されてから第１期間Ｔ１が経過するまでにパラメータＰの増加が判定されると、再びパラメータＰが所定範囲ＬＰ内においてパラメータＰの減少が判定されてから第１期間Ｔ１が経過した場合、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少したと判定する。

【0039】

好ましくは、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化し、かつ、パラメータＰの増加および減少の一方の変化量ＤＰが所定変化量ＤＰＸ以上になると、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。パラメータＰがクランク軸１２Ａの回転速度Ｃである場合、所定変化量ＤＰＸは、例えば、１０ｒｐｍである。変化量ＤＰは、例えば、前回の所定周期からのパラメータＰの変化量ＤＰである。

【0040】

好ましくは、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上よりも長い第２期間Ｔ２以上にわたり変化し、かつ、パラメータＰの増加および減少の一方の変化量ＤＰが所定変化量ＤＰＸよりも少ない場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。

【0041】

好ましくは、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少し、かつ、パラメータＰの減少量が所定変化量ＤＰＸ以上であり、かつ、パラメータＰが第１設定値ＰＸ以下の場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。第１設定値ＰＸは、例えば、所定範囲ＬＰにおける中央値、または、中央値よりも小さい値である。第１設定値ＰＸは、例えば、第２所定値Ｐ２から所定変化量ＤＰＸを減算した値であってもよい。第１設定値ＰＸは、第２所定値Ｐ２から所定変化量ＤＰＸを減算した値よりも小さくてもよく、第２所定値Ｐ２から所定変化量ＤＰＸを減算した値よりも大きくてもよい。

【0042】

好ましくは、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１にわたり変化した場合であっても、所定条件が成立する場合は、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御しない。

【0043】

例えば、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１よりも短い第３期間Ｔ３において第３所定値Ｐ３以上変化する場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御しない。第３期間Ｔ３は、例えば、所定周期と等しい。

【0044】

例えば、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化し、かつ、人力駆動車１０の車速Ｖが加速する場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御しない。制御部５２は、車速センサ４６によって検出される車速Ｖによって車速Ｖが加速しているか否かを判定する。制御部５２は、人力駆動車に加速度センサを備え、加速度センサの出力に応じて車速Ｖが加速するか否かを判定してもよい。

【0045】

例えば、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化する場合、かつ、ライダの負荷Ａが第１値Ａ１以上の場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化する場合、かつ、ライダの負荷Ａが第１値Ａ１よりも小さい場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御しない。ライダの負荷Ａは、例えば、人力駆動力Ｈのトルクであり、第１値Ａ１は、例えば、２０Ｎｍ以上かつ８０Ｎｍ以下の範囲に含まれる。第１値Ａ１は、例えば、３０Ｎｍ以上かつ６０Ｎｍ以下の範囲に含まれる。第１値Ａ１は、例えば、４０Ｎｍである。

【0046】

図３および図４を参照して、変速機３６を制御する処理について説明する。制御部５２は、制御部５２に電力が供給されると、処理を開始して図３に示すフローチャートのステップＳ１１に移行する。制御部５２は、図３のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップＳ１１からの処理を繰り返す。

【0047】

制御部５２は、ステップＳ１１において、パラメータＰが第２所定値Ｐ２よりも大きいか否かを判定する。本実施形態では、パラメータＰはクランク軸１２Ａの回転速度Ｃである。制御部５２は、パラメータＰが第２所定値Ｐ２よりも大きい場合、ステップＳ１２に移行する。制御部５２は、ステップＳ１２において、変速比率Ｒを第２変速方向に変更するように変速機３６を制御し、処理を終了する。本実施形態では、制御部５２は、ステップＳ１２において、変速比率Ｒを増加させる方向に変更するように変速機３６を制御する。

【0048】

制御部５２は、ステップＳ１１において、パラメータＰが第２所定値Ｐ２よりも大きくない場合、ステップＳ１３に移行する。制御部５２は、ステップＳ１３において、パラメータＰが第１所定値Ｐ１よりも小さいか否かを判定する。制御部５２は、パラメータＰが第１所定値Ｐ１よりも小さい場合、ステップＳ１４に移行する。制御部５２は、ステップＳ１４において、変速比率Ｒを第１変速方向に変更するように変速機３６を制御し、処理を終了する。本実施形態では、制御部５２は、ステップＳ１４において、変速比率Ｒを減少させる方向に変更するように変速機３６を制御する。

【0049】

制御部５２は、ステップＳ１３において、パラメータＰが第１所定値Ｐ１よりも小さくない場合、ステップＳ１５に移行する。制御部５２は、ステップＳ１１およびステップＳ１３の判定処理によって、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内である第２所定値Ｐ２以下かつ第１所定値Ｐ１以上の場合、ステップＳ１５に移行する。

【0050】

制御部５２は、ステップＳ１５において、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少しているか否かを判定する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少していない場合、処理を終了する。

【0051】

制御部５２は、ステップＳ１５において、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少している場合、ステップＳ１６に移行する。制御部５２は、ステップＳ１６において、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第２期間Ｔ２以上にわたり減少しているか否かを判定する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第２期間Ｔ２以上にわたり減少している場合、ステップＳ１９に移行する。制御部５２は、ステップＳ１６において、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第２期間Ｔ２以上にわたり減少していない場合、ステップＳ１７に移行する。

【0052】

制御部５２は、ステップＳ１７において、変化量ＤＰが所定変化量ＤＰＸ以上か否かを判定する。制御部５２は、変化量ＤＰが所定変化量ＤＰＸ以上ではない場合、処理を終了する。制御部５２は、変化量ＤＰが所定変化量ＤＰＸ以上の場合、ステップＳ１８に移行する。制御部５２は、ステップＳ１８において、パラメータＰが第１設定値ＰＸ以下か否かを判定する。制御部５２は、パラメータＰが第１設定値ＰＸ以下ではない場合、処理を終了する。制御部５２は、パラメータＰが第１設定値ＰＸ以下の場合、ステップＳ１９に移行する。

【0053】

制御部５２は、ステップＳ１９において、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第３期間Ｔ３において第３所定値Ｐ３以上減少しているか否かを判定する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第３期間Ｔ３において第３所定値Ｐ３以上減少している場合、処理を終了する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第３期間Ｔ３において第３所定値Ｐ３以上減少していない場合、ステップＳ２０に移行する。

【0054】

制御部５２は、ステップＳ２０において、車速Ｖが加速しているか否かを判定する。制御部５２は、車速Ｖが加速する場合、処理を終了する。制御部５２は、車速Ｖが加速しない場合、ステップＳ２１に移行する。

【0055】

制御部５２は、ステップＳ２１において、ライダの負荷Ａが第１値Ａ１以上か否かを判定する。制御部５２は、ライダの負荷Ａが第１値Ａ１以上ではない場合、処理を終了する。制御部５２は、ライダの負荷Ａが第１値Ａ１以上の場合、図３のステップＳ１４に移行する。制御部５２は、図３のステップＳ１４において、変速比率Ｒを第１変速方向に変更するように変速機３６を制御し、処理を終了する。本実施形態では、制御部５２は、ステップＳ１４において、変速比率Ｒを減少させる方向に変更するように変速機３６を制御する。

【0056】

図５を参照して、制御部５２が変速機３６を制御する処理の一例について説明する。
時刻ｔ１１は、パラメータＰが第２所定値Ｐ２よりも大きい状態から第２所定値Ｐ２以下になったことによって、所定範囲ＬＰ内になる時刻を示す。

【0057】

時刻ｔ１２は、時刻ｔ１１から所定周期が経過した時刻を示す。時刻ｔ１１から時刻ｔ１２までにおいてパラメータＰは減少している。このため、制御部５２は、第１期間Ｔ１の経過を判定するための時間のカウントを開始する。時刻ｔ１１から時刻ｔ１２までにおける変化量ＤＰ１は、所定変化量ＤＰＸよりも小さい。時刻ｔ１１から時刻ｔ１２までにおける変化量ＤＰ１は、第３所定値Ｐ３よりも小さい。

【0058】

時刻ｔ１３は、時刻ｔ１２から所定周期が経過した時刻を示す。時刻ｔ１２から時刻ｔ１３までの経過時間は、第１期間Ｔ１よりも短い。時刻ｔ１２から時刻ｔ１３までにおける変化量ＤＰ２は、所定変化量ＤＰＸよりも小さい。時刻ｔ１２から時刻ｔ１３までにおける変化量ＤＰ２は、第３所定値Ｐ３よりも小さい。時刻ｔ１１から時刻ｔ１３までにおける変化量ＤＰの累積は、所定変化量ＤＰＸよりも小さい。

【0059】

時刻ｔ１４は、時刻ｔ１３から所定周期が経過した時刻を示す。時刻ｔ１２から時刻ｔ１４までの経過時間は、第１期間Ｔ１よりも短い。時刻ｔ１３から時刻ｔ１４までにおける変化量ＤＰ３は、所定変化量ＤＰＸよりも小さい。時刻ｔ１３から時刻ｔ１４までにおける変化量ＤＰ３は、第３所定値Ｐ３よりも小さい。時刻ｔ１１から時刻ｔ１４までにおける変化量ＤＰの累積は、所定変化量ＤＰＸよりも小さい。

【0060】

時刻ｔ１５は、時刻ｔ１４から所定周期が経過した時刻を示す。時刻ｔ１２から時刻ｔ１５までの経過時間は、第１期間Ｔ１よりも短い。時刻ｔ１４から時刻ｔ１５までにおける変化量ＤＰ４は、所定変化量ＤＰＸよりも小さい。時刻ｔ１４から時刻ｔ１５までにおける変化量ＤＰ４は、第３所定値Ｐ３よりも小さい。時刻ｔ１１から時刻ｔ１５までにおける変化量ＤＰの累積は、所定変化量ＤＰＸよりも小さい。

【0061】

時刻ｔ１６は、時刻ｔ１５から所定周期が経過した時刻を示す。時刻ｔ１２から時刻ｔ１６までの経過時間は、第１期間Ｔ１以上である。時刻ｔ１５から時刻ｔ１６までにおける変化量ＤＰ５は、所定変化量ＤＰＸよりも小さい。時刻ｔ１５から時刻ｔ１６までにおける変化量ＤＰ５は、第３所定値Ｐ３よりも小さい。時刻ｔ１１から時刻ｔ１６までにおける変化量ＤＰの累積は、所定変化量ＤＰＸ以上である。このため、制御部５２は、時刻ｔ１６において変速比率Ｒを第１変速方向に変更するように変速機３６を制御する。

【0062】

制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内であっても、第１期間Ｔ１にわたりパラメータＰが減少する場合、変速比率Ｒを第１変速方向に変更するように変速機３６を制御する。本実施形態では、第１変速方向は、変速比率Ｒが小さくなる方向であるため、例えば、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内であってもライダの負荷が大きく、クランク軸１２Ａの回転速度Ｃが徐々に減少する場合に、パラメータＰが第１所定値Ｐ１よりも小さくなる前に変速比率Ｒを小さくできる。

【0063】

＜第２実施形態＞
図３および図６を参照して、第２実施形態の制御装置５０について説明する。第２実施形態の制御装置５０は、図３および図４の処理に変えて図３および図６の処理を実行する点以外は、第１実施形態の制御装置５０と同様であるので、第１実施形態と共通する構成については、第１実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。

【0064】

本実施形態では、所定範囲ＬＰは、第２所定値Ｐ２以下の範囲である。制御部５２は、パラメータＰが第２所定値Ｐ２よりも大きくなると、変速比率Ｒを増加および減少の一方である第２変速方向に変更するように変速機３６を制御する。好ましくは、所定範囲ＬＰは、第１所定値Ｐ１以上の範囲であり、制御部５２は、パラメータＰが第１所定値Ｐ１よりも小さくなると、変速比率Ｒを増加および減少の一方である第１変速方向に変更するように変速機３６を制御する。

【0065】

本実施形態では、パラメータＰは、人力駆動車１０のクランク軸１２Ａの回転速度Ｃを含む。

【0066】

本実施形態では、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり増加する場合、第２変速方向に変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり増加する場合、パラメータＰが第２所定値Ｐ２よりも大きくなる場合と同様の方向に変速比率Ｒを変更する。制御部５２は、例えば、パラメータＰが所定範囲ＬＰ外から所定範囲ＬＰ内に変化した場合、所定周期毎にパラメータＰが増加したか否かを判定する。第１期間Ｔ１が経過するまで継続的にパラメータＰが増加した旨が判定され続けると、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり増加したと判定する。所定周期は、例えば、検出部４０によるパラメータＰの検出周期である。所定周期は、検出部４０によるパラメータＰの検出周期よりも長くてもよい。制御部５２は、好ましくは、パラメータＰの増加が判定されてから第１期間Ｔ１が経過するまでにパラメータＰの減少が判定される場合、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり増加することによる第２変速方向への変速比率Ｒの変更を行わない。制御部５２は、例えば、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内においてパラメータＰの増加が判定されてから第１期間Ｔ１が経過するまでにパラメータＰの減少が判定されると、再びパラメータＰが所定範囲ＬＰ内においてパラメータＰの増加が判定されてから第１期間Ｔ１が経過した場合、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり増加したと判定する。

【0067】

好ましくは、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり増加し、かつ、パラメータＰの増加量が所定変化量ＤＰＸ以上であり、かつ、パラメータＰが第２設定値ＰＹ以上の場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。第２設定値ＰＹは、例えば、所定範囲ＬＰにおける中央値、または、中央値よりも大きい値である。第２設定値ＰＹは、例えば、第１所定値Ｐ１に所定変化量ＤＰＸを加算した値であってもよい。第２設定値ＰＹは、第１所定値Ｐ１に所定変化量ＤＰＸを加算した値よりも小さくてもよく、第１所定値Ｐ１に所定変化量ＤＰＸを加算した値よりも大きくてもよい。

【0068】

好ましくは、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化し、かつ、人力駆動車１０の車速Ｖが減速する場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御しない。

【0069】

例えば、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化する場合、かつ、ライダの負荷Ａが第２値Ａ２以下の場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１以上にわたり変化する場合、かつ、ライダの負荷Ａが第２値Ａ２よりも大きい場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御しない。ライダの負荷Ａは、例えば、人力駆動力Ｈのトルクであり、第１値Ａ１は、例えば、２０Ｎｍ以上かつ８０Ｎｍ以下の範囲に含まれる。第２値Ａ２は、例えば、３０Ｎｍ以上かつ６０Ｎｍ以下の範囲に含まれる。第２値Ａ２は、例えば、４０Ｎｍである。第２値Ａ２は、第１値Ａ１と同じでもよく、異なっていてもよい。

【0070】

図３および図６を参照して、変速機３６を制御する処理について説明する。制御部５２は、制御部５２に電力が供給されると、処理を開始して図３に示すフローチャートのステップＳ１１に移行する。制御部５２は、図３のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップＳ１１からの処理を繰り返す。

【0071】

制御部５２は、ステップＳ１１、ステップＳ１２、および、ステップＳ１４において、第１実施形態のステップＳ１１、ステップＳ１２、および、ステップＳ１４と同様の処理を実行する。

【0072】

制御部５２は、ステップＳ１３において、パラメータＰが第１所定値Ｐ１よりも小さい場合、ステップＳ１４に移行する。制御部５２は、ステップＳ１３において、パラメータＰが第１所定値Ｐ１よりも小さくない場合、図６のステップＳ３１に移行する。制御部５２は、ステップＳ１１およびステップＳ１３の判定処理によって、パラメータＰが所定範囲ＬＰである第２所定値Ｐ２以下かつ第１所定値Ｐ１以上の場合、ステップＳ３１に移行する。

【0073】

制御部５２は、ステップＳ３１において、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１にわたり増加しているか否かを判定する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１にわたり増加していない場合、処理を終了する。

【0074】

制御部５２は、ステップＳ３１において、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１にわたり増加している場合、ステップＳ３２に移行する。制御部５２は、ステップＳ３２において、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第２期間Ｔ２以上にわたり増加しているか否かを判定する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第２期間Ｔ２以上にわたり増加している場合、ステップＳ３５に移行する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第２期間Ｔ２以上にわたり増加していない場合、ステップＳ３３に移行する。

【0075】

制御部５２は、ステップＳ３３において、変化量ＤＰが所定変化量ＤＰＸ以上か否かを判定する。制御部５２は、変化量ＤＰが所定変化量ＤＰＸ以上ではない場合、処理を終了する。制御部５２は、変化量ＤＰが所定変化量ＤＰＸ以上の場合、ステップＳ３４に移行する。制御部５２は、ステップＳ３４において、パラメータＰが第２設定値ＰＹ以上か否かを判定する。制御部５２は、パラメータＰが第２設定値ＰＹ以上ではない場合、処理を終了する。制御部５２は、パラメータＰが第２設定値ＰＹ以上の場合、ステップＳ３５に移行する。

【0076】

制御部５２は、ステップＳ３５において、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第３期間Ｔ３において第３所定値Ｐ３以上増加しているか否かを判定する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第３期間Ｔ３において第３所定値Ｐ３以上増加している場合、処理を終了する。制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第３期間Ｔ３において第３所定値Ｐ３以上増加していない場合、ステップＳ３６に移行する。

【0077】

制御部５２は、ステップＳ３６において、車速Ｖが減速しているか否かを判定する。制御部５２は、車速Ｖが減速している場合、処理を終了する。制御部５２は、車速Ｖが減速しない場合、ステップＳ３７に移行する。

【0078】

制御部５２は、ステップＳ３７において、ライダの負荷Ａが第２値Ａ２以下か否かを判定する。制御部５２は、ライダの負荷Ａが第２値Ａ２以下ではない場合、処理を終了する。制御部５２は、ライダの負荷Ａが第２値Ａ２以下の場合、図３のステップＳ１２に移行する。制御部５２は、図３のステップＳ１２において、変速比率Ｒを第２変速方向に変更するように変速機３６を制御し、処理を終了する。

【0079】

制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内であっても、第１期間Ｔ１にわたりパラメータＰが増加する場合、変速比率Ｒを第２変速方向に変更するように変速機３６を制御する。本実施形態では、第２変速方向は、変速比率Ｒが大きくなる方向であるため、例えば、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内であってもライダの負荷が小さく、クランク軸１２Ａの回転速度Ｃが増加する場合に、パラメータＰが第２所定値Ｐ２よりも大きくなる前に変速比率Ｒを大きくできる。

【0080】

＜変形例＞
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも２つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。

【0081】

・第１実施形態と第２実施形態とを組み合わせてもよい。制御部５２は、例えば、図３のステップＳ１３においてＮＯの場合、図４のステップＳ１５に移行し、ステップＳ１５においてＮＯの場合、図６のステップＳ３１に移行する。

【0082】

・第１実施形態において、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり減少し、かつ、パラメータＰの減少量が所定変化量ＤＰＸよりも少なく、かつ、パラメータＰが第１設定値ＰＸ以下の場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御してもよい。例えば、制御部５２は、図４の処理に代えて図７の処理を実行する。制御部５２は、ステップＳ１７においてＹＥＳの場合、ステップＳ１９に移行する。制御部５２は、ステップＳ１７においてＮＯの場合、ステップＳ１８に移行する。

【0083】

・第１実施形態において、図４の処理からステップＳ１６の処理を省略してもよい。この場合、制御部５２は、ステップＳ１５においてＹＥＳの場合、ステップＳ１９に移行する。

【0084】

・第１実施形態において、図４の処理からステップＳ１６、ステップＳ１７、および、ステップＳ１８の処理を省略してもよい。この場合、制御部５２は、ステップＳ１５においてＹＥＳの場合、ステップＳ１９に移行する。

【0085】

・第１実施形態において、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１にわたり変化した場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御しない所定条件を備えていなくてもよい。例えば、図４の処理からステップＳ１９、ステップＳ２０、および、ステップＳ２１の少なくとも１つの処理を省略してもよい。

【0086】

・第２実施形態において、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において第１期間Ｔ１以上にわたり増加し、かつ、パラメータＰの増加量が所定変化量ＤＰＸよりも少なく、かつ、パラメータＰが第２設定値ＰＹ以上の場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御してもよい。例えば、制御部５２は、図６の処理に代えて図８の処理を実行する。制御部５２は、ステップＳ３３においてＹＥＳの場合、ステップＳ３５に移行する。制御部５２は、ステップＳ３３においてＮＯの場合、ステップＳ３４に移行する。

【0087】

・第２実施形態において、図６の処理からステップＳ３２の処理を省略してもよい。この場合、制御部５２は、ステップＳ３１においてＹＥＳの場合、ステップＳ３５に移行する。

【0088】

・第２実施形態において、図６の処理からステップＳ３２、ステップＳ３３、および、ステップＳ３４の処理を省略してもよい。この場合、制御部５２は、ステップＳ３１においてＹＥＳの場合、ステップＳ３５に移行する。

【0089】

・第２実施形態において、制御部５２は、パラメータＰが所定範囲ＬＰ内において増加および減少の一方に第１期間Ｔ１にわたり変化した場合、変速比率Ｒを変更するように変速機３６を制御しない所定条件を備えていなくてもよい。例えば、図６の処理からステップＳ３５、ステップＳ３６、および、ステップＳ３７の少なくとも１つの処理を省略してもよい。

【0090】

・第１実施形態において、制御部５２は、変速比率Ｒが大きくなるように変速機３６が制御された場合、変速比率Ｒが大きくなるように変速機３６が制御されてから第１所定期間が経過するまでの間は、ステップＳ１５以降の処理を実行しないようにしてもよい。または、制御部５２は、変速比率Ｒが大きくなるように変速機３６が制御された場合、変速比率Ｒが大きくなるように変速機３６が制御されてから第１所定期間が経過するまでの間は、第１期間Ｔ１の経過を判定するための時間のカウントを開始しないようにしてもよい。第１所定期間は、例えば、１秒である。

【0091】

・第２実施形態において、制御部５２は、変速比率Ｒが小さくなるように変速機３６が制御された場合、変速比率Ｒが小さくなるように変速機３６が制御されてから第２所定期間が経過するまでの間は、ステップＳ３１以降の処理を実行しないようにしてもよい。または、制御部５２は、変速比率Ｒが小さくなるように変速機３６が制御された場合、変速比率Ｒが小さくなるように変速機３６が制御されてから第２所定期間が経過するまでの間は、第１期間Ｔ１の経過を判定するための時間のカウントを開始しないようにしてもよい。第２所定期間は、例えば、１秒である。

【0092】

・第１実施形態において、制御部５２は、第１期間Ｔ１の経過を判定するための時間のカウントを開始した後にパラメータＰが増加した場合、パラメータＰが増加した後に所定範囲ＬＰ内においてパラメータＰが減少しても、変速比率Ｒを変更しないようにしてもよい。

【0093】

・第１実施形態において、制御部５２は、第１期間Ｔ１の経過を判定するための時間のカウントを開始した後にパラメータＰが増加した場合、パラメータＰが増加したと判定した所定周期の期間を第１期間Ｔ１の経過を判定するための時間のカウントに含めないようにしてもよい。

【0094】

・第２実施形態において、制御部５２は、第１期間Ｔ１の経過を判定するための時間のカウントを開始した後にパラメータＰが減少した場合、パラメータＰが減少した後に所定範囲ＬＰ内においてパラメータＰが増加しても、変速比率Ｒを変更しないようにしてもよい。

【0095】

・第２実施形態において、制御部５２は、第１期間Ｔ１の経過を判定するための時間のカウントを開始した後にパラメータＰが減少した場合、パラメータＰが減少したと判定した所定周期の期間を第１期間Ｔ１の経過を判定するための時間のカウントに含めないようにしてもよい。

【0096】

・第１実施形態において、パラメータＰが、ライダの負荷が大きくなるほど大きくなるパラメータ、例えば、人力駆動力Ｈのトルク、である場合、図３のステップＳ１２の第２変速方向は、変速比率Ｒが減少する方向であってもよい。この場合、図３のステップＳ１４の第１変速方向は、変速比率Ｒが増加する方向であってもよい。この場合、図４のステップＳ１５、ステップＳ１６、ステップＳ１７、ステップＳ１８、および、ステップＳ１９を、図６のステップＳ３１、ステップＳ３２、ステップＳ３３、ステップＳ３４、および、ステップＳ３５に置き換えてもよい。この場合、制御部５２は、ステップＳ２１において、ライダの負荷Ａが第１値Ａ１以上である場合、ステップＳ１２に移行するようにしてもよい。

【0097】

・第２実施形態において、パラメータＰが、ライダの負荷が大きくなるほど大きくなるパラメータ、例えば、人力駆動力Ｈのトルク、である場合、図３のステップＳ１２の第２変速方向は、変速比率Ｒが減少する方向であってもよい。この場合、図３のステップＳ１４の第１変速方向は、変速比率Ｒが増加する方向であってもよい。この場合、図６のステップＳ３１、ステップＳ３２、ステップＳ３３、ステップＳ３４、および、ステップＳ３５を、図４のステップＳ１５、ステップＳ１６、ステップＳ１７、ステップＳ１８、および、ステップＳ１９に置き換えてもよい。この場合、制御部５２は、ステップＳ３７において、ライダの負荷Ａが第２値Ａ２以下である場合、ステップＳ１４に移行するようにしてもよい。

【0098】

本明細書において使用される「少なくとも１つ」という表現は、所望の選択肢の「１つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも１つ」という表現は、選択肢の数が２つであれば「１つの選択肢のみ」または「２つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも１つ」という表現は、選択肢の数が３つ以上であれば「１つの選択肢のみ」または「２つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。

【符号の説明】

【0099】

１０…人力駆動車、１２Ａ…クランク軸、１４…車輪、３６…変速機、５０…制御装置、５２…制御部。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】