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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】触感制御装置及び触感制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240603BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240603BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/0488
G06F3/041 480
G06F3/041 450
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020169113
(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公開番号】P2022061235
(43)【公開日】2022-04-18
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山脇 敦
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/186816(WO,A1)
【文献】特開2019-036144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0309573(US,A1)
【文献】特開2020-131729(JP,A)
【文献】特開2015-153369(JP,A)
【文献】特表2012-520523(JP,A)
【文献】特開2016-013747(JP,A)
【文献】国際公開第2016/120956(WO,A1)
【文献】特開2019-188329(JP,A)
【文献】特開2005-112251(JP,A)
【文献】国際公開第2015/121969(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
G06F 3/041
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の操作に用いられるパネルと、
車両のインストルメントパネルと隣り合って配置されるとともに、前記パネルのうち、表示領域以外の領域に前記インストルメントパネルの模様を付加する付加部と、
前記パネルの表示領域に前記模様を表示させる表示制御部と、
前記パネルにおける表面への接触操作を検出する検出部と、
前記表面のうち、前記付加部の領域又は前記表示領域への接触操作が前記検出部によって検出された場合に、前記模様に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させる振動制御部と、
を有することを特徴とする触感制御装置。
【請求項2】
電子機器の操作に用いられるパネルと、
前記パネルのうち、表示領域以外の領域に模様を付加する付加部と、
前記パネルにおける表面への接触操作を検出する検出部と、
前記表面のうち、前記模様に対応する領域への接触操作が前記検出部によって検出された場合に、前記模様に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させる振動制御部と、
を有し、
前記振動制御部は、前記パネルが交換された場合、交換後のパネルに付随する付加部によって付加される模様の情報を取得し、当該情報に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させる
ことを特徴とする触感制御装置。
【請求項3】
前記振動制御部は、前記パネル又は前記付加部に備えられた部材の形状に関する情報を取得し、前記形状に関する情報にあらかじめ対応付けられた振動条件に従って前記パネルを振動させることを特徴とする請求項に記載の触感制御装置。
【請求項4】
電子機器の操作に用いられるパネルと、
模様が印刷されたシート状の部材であって、前記パネルのうち、表示領域以外の領域に模様を付加する付加部と、
前記パネルにおける表面への接触操作を検出する検出部と、
前記表面のうち、前記模様に対応する領域への接触操作が前記検出部によって検出された場合に、前記模様に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させる振動制御部と、
を有し、
前記付加部は前記パネルとは独立して交換可能であり、前記振動制御部は、交換後の前記付加部によって付加される模様の情報を取得し、当該情報に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させることを特徴とする触感制御装置。
【請求項5】
電子機器の操作に用いられるパネルと、
車両のインストルメントパネルと隣り合って配置されるとともに、前記パネルのうち、表示領域以外の領域に前記インストルメントパネルの模様を付加する付加部と、
を有する触感制御装置によって実行される触感制御方法であって、
前記パネルの表示領域に前記模様を表示させる表示制御工程と、
前記パネルにおける表面への接触操作を検出する検出工程と、
前記表面のうち、前記付加部の領域又は前記表示領域への接触操作が前記検出工程によって検出された場合に、前記模様に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させる振動制御工程と、
を含むことを特徴とする触感制御方法。
【請求項6】
電子機器の操作に用いられるパネルと、
前記パネルのうち、表示領域以外の領域に模様を付加する付加部と、
を有する触感制御装置によって実行される触感制御方法であって、
前記パネルにおける表面への接触操作を検出する検出工程と、
前記表面のうち、前記模様に対応する領域への接触操作が前記検出工程によって検出された場合に、前記模様に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させる振動制御工程と、
を含み、
前記振動制御工程は、前記パネルが交換された場合、交換後のパネルに付随する付加部によって付加される模様の情報を取得し、当該情報に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させる
ことを特徴とする触感制御方法。
【請求項7】
電子機器の操作に用いられるパネルと、
模様が印刷されたシート状の部材であって、前記パネルのうち、表示領域以外の領域に模様を付加する付加部と、
を有する触感制御装置によって実行される触感制御方法であって、
前記パネルにおける表面への接触操作を検出する検出工程と、
前記表面のうち、前記模様に対応する領域への接触操作が前記検出工程によって検出された場合に、前記模様に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させる振動制御工程と、
を含み、
前記付加部は前記パネルとは独立して交換可能であり、前記振動制御工程は、交換後の前記付加部によって付加される模様の情報を取得し、当該情報に応じた振動条件に従って前記パネルを振動させることを特徴とする触感制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触感制御装置及び触感制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチセンサ式のインタフェースを備えたディスプレイに表示されたオブジェクトのテクスチャの触感を、振動によりフィードバックする方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2012-520522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、画面の表示領域に表示されたオブジェクトに応じた触感をフィードバックするものであり、表示領域以外の領域において触感をフィードバックするものではない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表示領域以外の部分において触感をフィードバックすることができる触感制御装置及び触感制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る触感制御装置は、パネルと、付加部と、検出部と、振動制御部とを有する。パネルは、電子機器の操作に用いられる。付加部は、パネルのうち、表示領域以外の領域に模様を付加する。検出部は、パネルにおける表面への接触操作を検出する。振動制御部は、表面のうち、模様に対応する領域への接触操作が検出部によって検出された場合に、模様に応じた振動条件に従ってパネルを振動させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示領域以外の部分において触感をフィードバックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る触感制御方法の概要を説明する図である。
図2図2は、触感制御装置の正面図及び断面図である。
図3図3は、実施形態に係る触感制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、触感制御情報の一例を示す図である。
図5図5は、触感制御方法の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る触感制御方法の概要を説明する図である。
図7図7は、触感制御装置の配置例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る触感制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する触感制御装置及び触感制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、図1を用いて、実施形態に係る触感制御装置について説明する。例えば、触感制御装置10は、自動車等の車両に搭載されたナビゲーション装置及びオーディオ装置等の電子機器の入出力に利用される。
【0011】
図1は、実施形態に係る触感制御方法の概要を説明する図である。図1に示すように、触感制御装置10は、パネル10a、表示部12及び外周部15を有する。パネル10aは、表示部12及び外周部15を覆うように設けられる。
【0012】
例えば、パネル10aはタッチセンサ付きのパネルであり、前述の電子機器の操作に用いられる。パネル10aは、透明なガラス及び樹脂等で構成される。
【0013】
表示部12は、例えば液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)であり、画像を表示することができる。
【0014】
パネル10aの表示部12と重なっている表面側の領域を表示領域と呼ぶ。
【0015】
外周部15は、例えばパネル10aの表示領域以外の領域に模様を付加することにより、パネル10aを加飾する。外周部15は例えばパネル10aに施された塗装である。なお、塗装はパネルの表面に施してもよいが、裏面側に施し、透明なパネル10aを透かして模様が見えるようにすると、指等が繰り返し接触しても塗膜の汚れや剥落等の劣化が生じる恐れがなく、より好適である。
【0016】
外周部15はまた、模様が印刷された紙及びフィルム等のシート状の部材であってもよい。なお、外周部15は付加部の一例である。このため、あらかじめ部材を準備しておくことで、容易に模様の付加を行うことができる。なお、シート状の部材はパネル10aに接着されていてもよいが、接着されずにパネル10aの裏面に挟み込まれているだけでもよい。このようにすることで、後述するように外周部15パネル10aとは独立に交換することができる。
【0017】
パネル10aの表示領域以外の領域のうち、外周部15によって裏面側に模様が付加されている領域の表面側の領域を加飾領域と呼ぶ。
【0018】
触感制御装置10は、パネル10aに触れたユーザに対し、領域に応じた触感をフィードバックすることができる。図1の例では、外周部15は皮革調の模様を付加しているものとする。
【0019】
例えば、ユーザが表示領域に触れた場合、触感制御装置10は本来のパネル10aの触感であるツルツルとした触感をフィードバックする。ツルツルとした触感は、凹凸が少なく摩擦が小さい触感ということができる。
【0020】
一方、ユーザが外周部15によって皮革調の模様が付加された領域に触れた場合、触感制御装置10は皮革調の触感をフィードバックする。皮革調の触感は、ツルツルとした触感と比べて凹凸が多く摩擦が大きい触感ということができる。
【0021】
触感制御装置10は、凹凸及び摩擦の違いによる触感の違いを振動によってフィードバックすることができる。
【0022】
実施形態に係る触感制御方法では、触感制御装置10は、電子機器の操作に用いられ、表示領域以外の領域に模様が付加されたパネル10aにおける表面への接触操作を検出する。
【0023】
また、実施形態に係る触感制御方法では、触感制御装置10は、表面のうち、模様に対応する領域への接触操作が検出された場合に、模様に応じた振動条件に従ってパネル10aを振動させる。
【0024】
本実施形態によれば、表示領域以外の領域において触感をフィードバックすることができる。
【0025】
図2は、触感制御装置の正面図及び断面図である。正面図に示される構成は図1を用いて説明した通りである。
【0026】
図2の断面図に示すように、パネル10aの下側には、表示部12及び外周部15が備えられている。さらに、外周部15の下側には振動部13が備えられている。
【0027】
振動部13は、設定された振動条件に従って振動する振動素子である。例えば、振動条件には周波数及び振幅等が含まれる。
【0028】
例えば、振動部13は、圧電素子(ピエゾ素子)等の圧電アクチュエータであって、与えられた電圧信号に応じて伸縮することで振動を発生させる。
【0029】
また、振動部13の数及び設置位置は、パネル10aに振動を伝達可能なものであればよく、図2の例に限られない。
【0030】
次に、図3を用いて、実施形態に係る触感制御装置10の構成例について説明する。図3は、実施形態に係る触感制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0031】
図3に示すように、触感制御装置10は、操作部11、表示部12、振動部13、制御部14及び記憶部16を有する。表示部12及び振動部13については、図1等を用いて説明した通りである。また、操作部11は例えば静電容量式のタッチセンサである。
【0032】
触感制御装置10の制御部14及び記憶部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0033】
コンピュータのCPUは、例えばROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部14の検出部141、表示制御部142及び振動制御部143として機能する。
【0034】
また、検出部141、表示制御部142及び振動制御部143の少なくともいずれか1つ又は全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0035】
また、記憶部16は、RAMやフラッシュメモリに対応する。RAMやフラッシュメモリは、触感制御情報161及び各種プログラムの情報等を記憶することができる。
【0036】
なお、触感制御装置10は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0037】
触感制御情報161は、振動部13を触感の制御に関する情報である。図4は、触感制御情報の一例を示す図である。
【0038】
図4に示すように、触感制御情報161は、触感制御ID、有効フラグ、キー値、領域条件、周波数及び振幅といった情報を含む。
【0039】
触感制御IDは、触感制御を識別するための情報である。有効フラグは、対応する触感制御が現在有効になっているか否かを表すフラグである。キー値は、有効にする触感制御を自動的に判断するためのキーである。
【0040】
領域条件は、パネル10a上の触感をフィードバックする領域の座標である。周波数は、振動部13の振動の周波数である。振幅は、振動部13の振動の振幅である。周波数及び振幅は、振動条件の一例である。
【0041】
図4の例では、触感制御IDが「LT01」である触感制御が有効になっている。また、触感制御「LT01」は、パネル10aの領域条件を満たす領域が触れられた場合に、周波数「a1」、振幅「強」の振動を発生させることが示されている。
【0042】
ここで、図1において、右方向をx軸の正の方向、上方向をy軸の正の方向とする。また、矩形である表示部12の左上の頂点の座標を(x1,y1)、右下の頂点の座標を(x2,y2)とする。
【0043】
触感制御「LT01」の領域条件「x<x1 or y>y1 or x>x2 or y<y2」は、表示部12の外側の領域を意味している。つまり、触感制御装置10は、表示領域の外側の領域が触れられた場合に振動を発生させる。
【0044】
例えば、「LT01」は皮革調の触感に対応する。また、例えば、「CB01」はカーボンクロス調の触感に対応する。また、例えば、「ST01」はサテン調の触感に対応する。その他にも、触感制御情報161には、布目調の触感に対応した情報が含まれていてもよい。
【0045】
次に、制御部14の各機能について説明する。図3に示すように、制御部14は、検出部141、表示制御部142及び振動制御部143を有する。
【0046】
検出部141は、パネル10aにおける表面への接触操作を検出する。検出部141は、操作部11によって取得される電気的なセンサ値等を基に、パネル10a上の接触操作が行われた位置を特定する。
【0047】
表示制御部142は、表示部12に画像を表示させる。表示制御部142は、ナビゲーション装置及びオーディオ装置等の操作画面を表示させる。また、表示制御部142は、皮革調、カーボンクロス調、サテン調等の模様を表示させることができる。
【0048】
振動制御部143は、表面のうち、模様に対応する領域への接触操作が検出部141によって検出された場合に、模様に応じた振動条件に従ってパネル10aを振動させる。
【0049】
振動制御部143は、接触操作が検出された場合、触感制御情報161を参照し、接触操作が行われた領域が有効な触感制御の領域条件を満たすか否かを判定する。
【0050】
振動制御部143は、領域条件が満たされている場合、振動条件に従って振動部13を振動させる。例えば、振動制御部143は、周波数及び振幅に応じた電圧信号を圧電素子である振動部13に与える。
【0051】
図5は、触感制御方法の一例を示す図である。図5に示すように、ユーザによる接触操作が行われた領域がパネル10a上の表示領域、すなわち裏面側が表示部12である領域である場合、振動制御部143は振動部13を振動させない。
【0052】
この場合、ユーザは、本来のパネル10aの触感を得る。例えば、ユーザは、ガラスのツルツルした触感を得る。
【0053】
例えば、スワイプ操作等により、接触操作の領域が図5の右側に移動し、表示領域の外側になった場合、振動制御部143は振動部13を振動させる。この場合、ユーザは皮革のような触感を得る。
【0054】
ここで、表示制御部142は、パネル10aの表示領域に模様を表示させることができる。例えば、外周部15が付加する模様が皮革調の模様である場合、表示制御部142は、皮革調の模様を表現した画像を表示部12に表示させてもよい。
【0055】
この場合、振動制御部143は、表示領域への接触操作が検出された場合に、模様に応じた振動条件に従ってパネル10aを振動させる。つまり、図6に示すように、ユーザは、表示領域及び加飾領域の両方から皮革のような触感を得る。
【0056】
これにより、表示領域を周囲に溶け込ませることができ、ユーザは表示領域が存在しないかのような感覚を得ることができる。
【0057】
また、図7に示すように、外周部15は、車両のインストルメントパネル20と隣り合って配置されるとともに、インストルメントパネル20の模様を付加することができる。図7は、触感制御装置の配置例を示す図である。
【0058】
このとき、表示制御部142は、インストルメントパネル20の表示領域に模様を表示させる。
【0059】
さらに、振動制御部143は、外周部15の領域又は表示領域への接触操作が検出された場合に、インストルメントパネル20の模様に応じた振動条件に従ってパネル10aを振動させる。
【0060】
例えば、インストルメントパネル20の表面の素材がカーボンクロスである場合、外周部15はカーボンクロス調の模様をパネル10aに付与する。そして、表示制御部142は、カーボンクロス調の模様を模した画像を表示部12に表示させる。
【0061】
さらに、振動制御部143は、表示領域及び加飾領域のいずれで接触操作が検出された場合であっても、カーボンクロス調に対応する触感制御の振動条件に従う振動を発生させる。
【0062】
これにより、加飾領域及び表示領域をインストルメントパネル20に溶け込ませることができ、ユーザは加飾領域及び表示領域が存在しないかのような感覚を得ることができる。
【0063】
パネル10a及び外周部15はユニットとして形成され、車両の製造、整備又は使用中の任意の段階で交換可能であってもよい。また、ユニットが交換された場合は、触感制御情報161の有効フラグが自動又は手動で更新される。
【0064】
例えば、外周部15が皮革調の模様を付加するものからカーボンクロス調の模様を付加するものに交換された場合、触感制御ID「LT01」の有効フラグは0に更新され、触感制御ID「CB01」の有効フラグは1に更新される。
【0065】
これにより、ユーザは好みの模様の意匠を選択し、容易に触感を得ることができるようになる。
【0066】
さらに、パネル10aが交換された場合、振動制御部143は、交換後のパネル10aに付随する外周部15によって付加される模様の情報を取得し、当該情報に応じた振動条件に従ってパネル10aを振動させることができる。
【0067】
なお、ここでは、前述の皮革調、カーボンクロス調、サテン調等の模様ごとに複数のパネル10aが存在するものとする。また、複数のパネル10aのそれぞれには、模様に応じた外周部15が付随するものとする。
【0068】
ここで、模様の情報は、外周部15によって付加される模様そのものであってもよい。つまり、振動制御部143は、模様の画像又は立体的な形状を読み取る。
【0069】
また、模様の情報は、例えば面に印字された2次元コード、又は溝や凸部を組み合わせた立体的な形状であってもよい。
【0070】
振動制御部143は、読み取った模様の情報をデータ化し、触感制御情報161のキー値と照合し、有効な触感制御を得ることができる。
【0071】
触感制御装置10が、交換後のユニットによって付加される模様を自動的に識別するようにしてもよい。
【0072】
これにより、触感制御の切り替えを効率良く行うことができるようになる。
【0073】
振動制御部143は、パネル10a又は外周部15に備えられた部材の形状に関する情報を取得し、形状に関する情報にあらかじめ対応付けられた振動条件に従ってパネル10aを振動させる。
【0074】
なお、以上の説明ではパネル10a及び外周部15を一体的に交換する例を示したが、外周部15が、模様が印刷された紙及びフィルム等のシート状の部材である場合には、外周部15だけをパネルとは独立に交換するようにしてもよい。このようにすることで、異なる模様が印刷された外周部15(シート状の部材)をいくつか用意しておき、好みに合わせて差し替えることでユーザは好みの模様の意匠を選択することができる。
【0075】
その場合、振動制御部143は、交換後の外周部15によって付加される模様の情報を取得し、当該情報に応じた振動条件に従ってパネル10aを振動させる。
【0076】
図8を用いて、実施形態に係る触感制御装置において実行される処理の手順について説明する。図8は、実施形態に係る触感制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【0077】
図8に示すように、触感制御装置10は、パネル10aに対する接触操作の検出を試みる(ステップS101)。
【0078】
触感制御装置10は、パネル10aに対する接触操作を検出しなかった場合(ステップS101:No)、ステップS105へ進む。例えば、触感制御装置10は、一定時間接触操作がなかった場合にステップS105へ進む。
【0079】
ステップS105では、触感制御装置10は振動部13が振動中であるか否かを判定する。
【0080】
振動部13が振動中でない場合(ステップS105:No)、触感制御装置10はステップS101へ戻る。
【0081】
振動部13が振動中である場合(ステップS105:Yes)、触感制御装置10は振動部13の振動を停止させ(ステップS106)、ステップS101に戻る。
【0082】
触感制御装置10は、パネル10aに対する接触操作を検出すると(ステップS101:Yes)、触感制御情報161を参照し、有効な触感制御があるか否かを確認する(ステップS102)。
【0083】
有効な触感制御がない場合(ステップS102:No)、触感制御装置10はステップS105へ進む。なお、有効な触感制御とは、例えば触感制御情報161の有効フラグが「1」である触感制御である。
【0084】
有効な触感制御がある場合(ステップS102:Yes)、触感制御装置10は接触操作が領域条件を満たしているか否かを判定する(ステップS103)。
【0085】
接触操作が領域条件を満たしていない場合(ステップS103:No)、触感制御装置10はステップS105へ進む。
【0086】
接触操作が領域条件を満たしている場合(ステップS103:Yes)、触感制御装置10は振動条件に従って振動部13に振動を開始させる(ステップS104)。
【0087】
上述してきたように、実施形態に係る触感制御装置10は、パネル10aと、外周部15と、検出部141と、振動制御部143とを有する。パネル10aは、電子機器の操作に用いられる。外周部15は、パネル10aのうち、表示領域以外の領域に模様を付加する。検出部141は、パネル10aにおける表面への接触操作を検出する。振動制御部143は、表面のうち、模様に対応する領域への接触操作が検出部141によって検出された場合に、模様に応じた振動条件に従ってパネル10aを振動させる。このため、本実施形態によれば、表示領域以外の領域において触感をフィードバックすることができる。
【0088】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
10 触感制御装置
10a パネル
11 操作部
12 表示部
13 振動部
14 制御部
15 外周部
16 記憶部
141 検出部
142 表示制御部
143 振動制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8