IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許7497304空気質センサーを備えたエアロゾル生成システム
<>
  • 特許-空気質センサーを備えたエアロゾル生成システム 図1
  • 特許-空気質センサーを備えたエアロゾル生成システム 図2
  • 特許-空気質センサーを備えたエアロゾル生成システム 図3
  • 特許-空気質センサーを備えたエアロゾル生成システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】空気質センサーを備えたエアロゾル生成システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/51 20200101AFI20240603BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20240603BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/57
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020570721
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2019068464
(87)【国際公開番号】W WO2020011815
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】18182797.3
(32)【優先日】2018-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ベサント ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】タック フィリップ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-537610(JP,A)
【文献】特開2017-079747(JP,A)
【文献】特表2013-524835(JP,A)
【文献】特表2017-518733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0331036(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0265806(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成システムであって、
エアロゾル生成装置であって、
エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバを有するハウジングであって、前記チャンバが、前記装置の近位端に配置されている、ハウジングと、
前記エアロゾル形成基体が前記チャンバ内に受容されているときに、前記エアロゾル形成基体を加熱するための加熱構成と、
前記システムの近傍の周囲空気の特性を検知するように配置された周囲空気質センサーであって、前記周囲空気質センサーが、一酸化炭素、揮発性有機化合物、二酸化炭素、微粒子状物質、二酸化窒素、酸素(O2)、圧力、およびニコチンのうちの1つ以上を検知するように構成されており、前記周囲空気質センサーが、前記近位端の反対側の前記装置の遠位端に配置されている、周囲空気質センサーと、
前記周囲空気質センサーに接続されたコントローラであって、前記周囲空気質センサーから周囲空気質読取値を受信するように構成されており、および前記周囲空気質センサーの前記読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するように構成されている、コントローラと、を含み、
前記周囲空気質センサーが、前記エアロゾル生成装置のチャンバから実質的に分離されており、前記周囲空気質センサーが、前記ハウジング内に配置されており、前記ハウジングが、周囲空気が前記ハウジングに入って、前記周囲空気質センサーに到達することを可能にする、第1の開口部と、周囲空気が前記ハウジングから出ることを可能にする、第2の開口部と、をさらに含み、気流通路が、前記第1の開口部から、前記周囲空気質センサーを越えて、前記第2の開口部まで前記ハウジングを通して形成される、エアロゾル生成装置を含む、エアロゾル生成システム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記装置の前記ハウジング上またはその中に配置されている、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項3】
前記エアロゾル生成装置が、電力供給源と、前記電力供給源から加熱アセンブリへの電力の供給を制御するように構成された電力供給源制御回路と、をさらに含み、
前記電力供給源制御回路が、前記コントローラから前記周囲空気質信号を受信し、前記周囲空気質信号に基づいて前記電力供給源から前記加熱アセンブリへの前記電力の供給を制御するように構成されている、請求項1または2に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項4】
前記電力供給源制御回路が、前記周囲空気質センサーからの前記周囲空気質信号と、所定の周囲空気質状態とを比較し、前記周囲空気質信号が前記所定の周囲空気質状態外であるときに、前記電力供給源から前記加熱アセンブリへの前記電力の供給を防ぐように構成されている、請求項3に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項5】
前記周囲空気質センサーが、電気化学センサー、化学抵抗性センサー、金属酸化物半導体(MOS)センサー、触媒センサー、ガス分光計、およびニコチンセンサーのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項6】
前記エアロゾル生成システムが、前記コントローラに接続されるか、または接続可能であるディスプレイであって、前記コントローラから前記周囲空気質信号を受信し、前記周囲空気質信号に基づいて周囲空気質情報を表示するように構成されている、ディスプレイをさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項7】
前記エアロゾル生成システムが、前記周囲空気質信号を送信するように構成された無線トランシーバをさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項8】
エアロゾル生成装置であって、
エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバを有するハウジングであって、前記チャンバが、前記装置の近位端に配置されている、ハウジングと、
前記エアロゾル形成基体が前記チャンバ内に受容されているときに、前記エアロゾル形成基体を加熱するための加熱構成と、
前記装置の近傍の周囲空気の特性を検知するように配置された周囲空気質センサーであって、前記周囲空気質センサーが、一酸化炭素、揮発性有機化合物、二酸化炭素、微粒子状物質、二酸化窒素、酸素(O2)、圧力、およびニコチンのうちの1つ以上を検知するように構成されており、前記周囲空気質センサーが、前記近位端の反対側の前記装置の遠位端に配置されている、周囲空気質センサーと、
前記周囲空気質センサーに接続されたコントローラであって、前記周囲空気質センサーから周囲空気質読取値を受信するように構成されており、および前記周囲空気質センサーの前記読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するように構成されている、コントローラと、を含み、
前記周囲空気質センサーが、前記エアロゾル生成装置のチャンバから実質的に分離されており、前記周囲空気質センサーが、前記ハウジング内に配置されており、前記ハウジングが、周囲空気が前記ハウジングに入って、前記周囲空気質センサーに到達することを可能にする、第1の開口部と、周囲空気が前記ハウジングから出ることを可能にする、第2の開口部と、をさらに含み、気流通路が、前記第1の開口部から、前記周囲空気質センサーを越えて、前記第2の開口部まで前記ハウジングを通して形成される、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成システム、エアロゾル生成システムのエアロゾル生成装置、およびエアロゾル生成システムの充填ユニットに関する。
【0002】
エアロゾル形成基体を受容し、エアロゾル形成基体からエアロゾルを生成するように適合されたエアロゾル生成装置を含むエアロゾル生成システムが公知である。こうしたシステムは、一般に、加熱アセンブリを介してエアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾルを発生させるように構成されており、そのエアロゾルは、システムのユーザによって吸入され得る。一部のシステムは、典型的にはたばこを含む、固体エアロゾル形成基体からエアロゾルを生成するように構成されている。固体エアロゾル形成基体は、従来の紙巻たばこに類似したロッドを形成するために、フィルターおよびその他の要素と一緒に包まれていてもよい。その他のシステムは、典型的にはニコチンを含有する、液体エアロゾル形成基体からエアロゾルを生成するように構成されている。液体エアロゾル形成基体は、使い捨てカートリッジに含まれてもよく、これはまた、基体を加熱し、および蒸発させるためのエアロゾル生成装置から電力が供給される発熱体を含んでもよい。
【0003】
エアロゾル生成システムは、様々な環境条件下で使用され得る。システムの近傍の環境条件は、エアロゾル生成システムによって生成されるエアロゾルに影響を及ぼす場合がある。例えば、固体エアロゾル形成基体を有するシステムの近傍の湿度は、固体エアロゾル形成基体の水分に影響を及ぼし得、これは、基体から生成されるエアロゾルの組成を変化させ得る。システムの近傍の環境条件はまた、システムによって生成されるエアロゾルのユーザの知覚に影響を及ぼす場合がある。
【0004】
様々な環境条件下で一貫したエアロゾルを生成することができるエアロゾル生成システムを提供することが望ましい。また、様々な環境条件での使用に適応可能なエアロゾル生成システムを提供することが望ましい。
【0005】
本発明によれば、エアロゾル生成装置と、周囲空気質センサーと、コントローラと、を含むエアロゾル生成システムが提供される。エアロゾル生成装置は、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバを有するハウジングと、エアロゾル形成基体がチャンバ内に受容されているときに、エアロゾル形成基体を加熱するための加熱構成と、を含む。周囲空気質センサーは、システムの近傍の周囲空気の特性を検知するように配置されており、コントローラは、周囲空気質センサーに接続され、周囲空気質センサーから周囲空気質読取値を受信し、および周囲空気質センサーの読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するように構成されている。
【0006】
有利なことに、本発明の発明者らは、エアロゾル生成システムの近傍の周囲環境が、ユーザに対するエアロゾル生成体験に影響を与え得ることを認識した。例えば、周囲環境内の湿度の変動は、エアロゾル形成基体の特性に影響を与え得、エアロゾル生成システムが使用される周囲環境に関係なく一貫したエアロゾルを生成するために、加熱アセンブリの温度を調整することを必要とし得る。したがって、システムの近傍の周囲空気の特性を監視することによって、ユーザに対するエアロゾル生成体験を改善することが可能であり得る。
【0007】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル生成装置を含むエアロゾル生成システムが提供されており、エアロゾル生成装置は、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバを有するハウジングであって、チャンバが、装置の近位端に配置されている、ハウジングと、エアロゾル形成基体がチャンバ内に受容されているときに、エアロゾル形成基体を加熱するための加熱構成と、システムの近傍の周囲空気の特性を検知するように配置された周囲空気質センサーであって、周囲空気質センサーが、近位端の反対側の装置の遠位端に配置されている、周囲空気質センサーと、周囲空気質センサーに接続され、周囲空気質センサーから周囲空気質読取値を受信し、および周囲空気質センサーの読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するように構成されている、コントローラと、を含む。
【0008】
有利なことに、周囲空気質センサーのこの配置は、周囲空気質センサーを、装置のエアロゾル生成部分から可能な限り遠ざけて、チャンバおよび加熱アセンブリに位置決めすることができる。これは、エアロゾル生成装置によって生成されるエアロゾルが、周囲空気質センサーからの周囲空気質読取値に影響を与え得る可能性を低減し得る。
【0009】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル生成装置と、充電ユニットと、を含むエアロゾル生成システムが提供されている。エアロゾル生成装置は、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバを有するハウジングと、エアロゾル形成基体がチャンバ内に受容されているときに、エアロゾル形成基体を加熱するための加熱構成と、ハウジング内に収容された電力供給源と、を含む。充電ユニットは、エアロゾル生成装置の電力供給源に電力を伝達するための電力伝達回路と、システムの近傍の周囲空気の特性を検知するように配置された周囲空気質センサーと、周囲空気質センサーに接続されたコントローラであって、周囲空気質センサーから周囲空気質読取値を受信するように構成されており、および周囲空気質センサーの読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するように構成されている、コントローラと、を含む。
【0010】
有利なことに、エアロゾル生成装置内ではなく、エアロゾル生成システムの充電ユニット内に周囲空気質センサーを提供することにより、周囲空気質センサーを、システムのエアロゾル生成部分からさらに遠ざけて、エアロゾル生成装置のチャンバおよび加熱アセンブリに位置決めすることができる。これは、エアロゾル生成装置によって生成されるエアロゾルが、周囲空気質センサーからの周囲空気質読取値に影響を与え得る可能性をさらに低減し得る。
【0011】
本明細書で使用される場合、「周囲空気」という用語は、システム周辺の周囲環境内の空気を意味するために使用される。言い換えれば、「周囲空気」という用語は、システムを直接的に取り囲む空気を意味するために使用される。「周囲空気」という用語は、エアロゾル形成基体がチャンバ内に受容され、加熱アセンブリによって加熱されて、エアロゾルを生成する場合に、装置のチャンバ内部の空気とエアロゾルの混合物をカバーすることを意図していない。
【0012】
本明細書で使用される場合、「周囲空気質センサー」という用語は、システムの近傍の周囲空気の1つ以上の特性を検知するように構成されたセンサーを指すために使用される。本発明の特に好ましい実施形態では、周囲空気質センサーは、一酸化炭素、揮発性有機化合物、湿度(特に、相対湿度)、二酸化炭素、微粒子状物質、二酸化窒素、二酸素、圧力、およびニコチンのうちの1つ以上を検知するように構成されている。
【0013】
周囲空気質センサーは、システム周辺の周囲環境内の1つ以上のガスの存在を検出するための1つ以上のガスセンサーを含んでいてもよい。特に、1つ以上のガスセンサーは、システムを囲む周囲空気中の1つ以上のガスの濃度を検出するように構成されてもよい。好ましくは、1つ以上のガスセンサーは、一酸化炭素、揮発性有機化合物、二酸化炭素、二酸化窒素、二酸素、およびニコチンのうちの1つ以上を検知するように構成されてもよい。好ましくは、エアロゾル生成システムは、システムを囲む周囲空気中の一酸化炭素を検知するように構成された周囲空気質センサーを含む。
【0014】
1つ以上のガスセンサーは、任意の適切なタイプのガスセンサーとし得る。適切なタイプのガスセンサーには、化学電界効果トランジスタなどの電気化学ガスセンサー、化学抵抗性センサー、金属酸化物半導体(MOS)センサー、触媒センサー(ペリスタ)、マイクロカンチレバーアレイセンサー、表面音響波(SAW)センサー、光イオン化検出器(PID)、および赤外線センサーが含まれる。
【0015】
現在利用可能ないくつかの例示的な適切なガスセンサーには、Sensirion AG製のSGP30およびSGPC3、FIGARO USA.,INC製のCDM7160-C00およびTGS2602、ならびにSGX Sensortech Limited製のMiCS-VZ-89TEが含まれる。
【0016】
周囲空気質センサーは、揮発性有機化合物(VOC)を検知するための1つ以上のセンサーを含んでいてもよい。本明細書で使用される場合、「有機化合物」という用語は、炭素酸化物ならびに無機炭酸塩および重炭酸塩を除いて、少なくとも元素炭素、および水素、ハロゲン、酸素、硫黄、リン、ケイ素、または窒素のうちの1つ以上を含む任意の化合物を意味する。本明細書で使用される場合、「揮発性有機化合物(VOC)」という用語は、293.15ケルビン(K)で0.01キロパスカル(kPa)以上の蒸気圧力を有する、または特定の使用条件下で対応する揮発性を有する、任意の有機化合物を意味する。本明細書で使用される「有機化合物」および「揮発性有機化合物」の定義は、産業排出物に関する2010年11月24日の欧州議会および評議会の指令2010/75/EU(統合された汚染防止および管理)から得られる。
【0017】
1つ以上の揮発性有機化合物センサーは、任意の適切なタイプのセンサーとし得る。例えば、適切なVOCセンサーには、化学電界効果トランジスタなどの電気化学ガスセンサー、化学抵抗性センサー、金属酸化物半導体(MOS)センサー、触媒センサー(ペリスタ)、マイクロカンチレバーアレイセンサー、表面音響波(SAW)センサー、光イオン化検出器(PID)、および赤外線センサーが含まれる。
【0018】
現在入手可能ないくつかの例示的な適切なVOCセンサーには、Sensirion AG製のSGP30およびSGPC3、FIGARO USA.,INC製のTGS2602、ならびにSGX Sensortech Limited製のMiCS-VZ-89TEが含まれる。
【0019】
周囲空気質センサーは、1つ以上の湿度センサーを含んでいてもよい。本明細書で使用される場合、「湿度」という用語は、絶対湿度、相対湿度、または比湿度を指す場合がある。本明細書で使用される場合、「絶対湿度」という用語は、単位体積の空気中の水蒸気の質量を指し、これは立方メートル当たりグラムで表され得る。本明細書で使用される場合、「相対湿度」という用語は、所与の温度における実際の蒸気密度および飽和蒸気密度の比を指し、これはパーセンテージで表され得る。言い換えれば、「相対湿度」という用語は、所与の温度における混合物中の水蒸気の分圧と、その所与の温度における純水の平坦な表面上の水の平衡蒸気圧との比を指す。本明細書で使用される場合、「比湿度」とは、水蒸気と空気の混合物の総質量に対する水蒸気の質量の比を指し、これは空気1キログラム当たりの蒸気のグラム単位で表され得る。
【0020】
1つ以上の湿度センサーは、任意の適切なタイプのセンサーとし得る。例えば、適切な湿度センサーには、静電容量式湿度センサー、抵抗式湿度センサー、および熱伝導率ベースの湿度センサーが含まれる。
【0021】
現在入手可能ないくつかの例示的な適切な湿度センサーには、Sensirion AG製のSHT3x、SHTW2、SHTC3、およびSHT7x湿度センサーが含まれる。
【0022】
1つ以上の湿度センサーは、1つ以上の温度センサーと組み合わされてもよい。特に、1つ以上の湿度センサーが、エアロゾル生成システムの近傍の空気の相対湿度を検知するように構成されている場合、1つ以上の湿度センサーはまた、温度センサーを含む。1つ以上の温度センサーは、帯域ギャップ温度センサー、抵抗温度検出器(RTD)、熱電対、サーミスタ(特に負の温度係数(NTC)サーミスタ)、および半導体温度センサーなどの、任意の適切なタイプの温度センサーであってもよい。
【0023】
周囲空気質センサーは、エアロゾル生成システムの近傍の周囲空気中の微粒子状物質を検知するように構成された1つ以上のセンサーを含んでいてもよい。本明細書で使用される場合、「微粒子状物質」という用語は、粒子を指し、エアロゾル生成システムの近傍の周囲空気中に浮遊する。特に、粒子状物質は、一般に10マイクロメートル以下の直径(PM10)の吸入可能な粒子と、一般に2.5マイクロメートル以下の直径(PM2.5)の微細な吸入可能な粒子と、を含む。
【0024】
より具体的には、本明細書で使用される場合、微粒子状物質は、PM10を含み、これは、空気力学的直径10μmで効率カットオフが50%のサイズ選択入口を通過する粒子状物質を指す。PM10のサンプリングおよび測定の基準方法は、EN12341:1999「空気質-浮遊粒子状物質のPM10割合の決定-測定方法の基準同等性を実証するための基準方法およびフィールドテスト手順」に記載されている。本明細書で使用される場合、本明細書で使用される場合、微粒子状物質はまた、PM2.5を含み、これは、空気力学的直径2.5μmで効率カットオフが50%のサイズ選択入口を通過する粒子状物質を指す。PM2.5のサンプリングおよび測定の基準方法は、EN14907:2005「浮遊粒子状物質のPM2,5質量割合を決定するための標準的な重量測定方法」に記載されている。本明細書で用いられるPM10およびPM2.5の定義は、欧州の周囲空気質および清浄な空気に関する2008年5月21日の欧州議会および理事会の指令2008/50/ECから得られる。
【0025】
1つ以上の微粒子状物質センサーは、抵抗性粒子状物質センサー、熱発振粒子状物質センサー、レーザーベースの光散乱粒子状物質センサーなどの、任意の適切なタイプの粒子状物質センサーであってもよい。
【0026】
周囲空気質センサーは、1つ以上の周囲圧力センサーを含んでいてもよい。周囲圧力読取値は、湿度、温度、および圧力読取値の組み合わせが、湿度決定の信頼性を改善し得るので、湿度と温度読取値との組み合わせにおいて特に有利であり得る。
【0027】
1つ以上の周囲圧力センサーは、容量性圧力センサー、圧電圧力センサー、およびピエゾ抵抗圧力センサーなどの任意の適切なタイプの圧力センサーであってもよい。1つ以上の圧力センサーは、絶対圧力センサーまたは差圧センサーであってもよい。
【0028】
1つ以上の周囲空気質センサーは、電気化学センサー、化学抵抗性センサー、金属酸化物半導体(MOS)センサー、触媒センサー、および質量分析計のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0029】
1つ以上の周囲空気質センサーは、電気機械装置であってもよい。1つ以上の周囲空気質センサーは、機械式装置、光学式装置、光学機械式装置、および微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサーのうちのいずれかであってもよい。好ましくは、1つ以上の周囲空気質センサーは、微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサーである。
【0030】
1つ以上の周囲空気質センサーは、ガスセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、一酸化炭素を検知するように構成されたガスセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、二酸化炭素を検知するように構成されたガスセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、ニコチンを検知するように構成されたガスセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、一酸化炭素を検知するように構成されたガスセンサーおよび二酸化炭素を検知するように構成されたガスセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、一酸化炭素を検知するように構成されたガスセンサーおよびニコチンを検知するように構成されたガスセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、二酸化炭素を検知するように構成されたガスセンサーおよびニコチンを検知するように構成されたガスセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、一酸化炭素を検知するように構成されたガスセンサー、二酸化炭素を検知するように構成されたガスセンサー、およびニコチンを検出するように構成されたガスセンサーから構成され得る。
【0031】
1つ以上の周囲空気質センサーは、VOCを検知するためのセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、ガスセンサーおよびVOCを検知するためのセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、微粒子状物質を検知するためのセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、ガスセンサーおよび微粒子状物質を検知するためのセンサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、ガスセンサー、VOCを検知するためのセンサー、および微粒子状物質を検知するためのセンサーから構成され得る。
【0032】
1つ以上の周囲空気質センサーは、ガスセンサーおよび湿度センサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、ガスセンサー、および周囲温度センサーを含む湿度センサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、湿度センサーおよび圧力センサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、周囲温度センサーを含む湿度センサー、および圧力センサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、ガスセンサー、湿度センサー、および圧力センサーから構成され得る。1つ以上の周囲空気質センサーは、ガスセンサー、周囲温度センサーを含む湿度センサー、および圧力センサーから構成され得る。
【0033】
エアロゾル生成システムは、コントローラを含む。コントローラは、周囲空気質センサーに接続された電気回路である。コントローラは、周囲空気質センサーから周囲空気質読取値を受信し、および周囲空気質センサーの読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するように構成されている。
【0034】
コントローラは、マイクロプロセッサを含んでいてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路であってもよい。コントローラは、さらなる電子構成要素を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、周囲空気質センサーを含んでいてもよい。
【0035】
有利なことに、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成装置は、周囲空気質センサーを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル発生装置は、コントローラを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、周囲空気質センサーは、装置のハウジング上またはハウジング内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、装置のハウジング上またはハウジング内に配置されてもよい。有利なことに、周囲空気質センサーをエアロゾル生成装置のハウジング上またはハウジング内に配置することは、周囲空気質読取値が装置の近傍の周囲環境を表すことを確実にし得る。そのような配置は、周囲空気質センサーを、装置のチャンバ、加熱アセンブリ、およびチャンバ内に受容されたエアロゾル形成基体と同じ周囲環境に位置決めする。
【0036】
一部の好ましい実施形態では、周囲空気質センサーは、装置のハウジング内に配置される。これらの好ましい実施形態では、装置のハウジングは、周囲空気がハウジングに入り、周囲空気質センサーに到達することを可能にするための少なくとも1つの開口部を含み得る。開口部は、周囲空気質センサーに隣接して、またはその近くに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは、周囲空気がハウジングに入って、周囲空気質センサーに到達することを可能にする、第1の開口部と、周囲空気がハウジングから出ることを可能にする、第2の開口部と、を含んでいてもよい。気流通路は、第1の開口部から、周囲空気質センサーを越えて、第2の開口部までハウジングを通して形成され得る。気流経路は、周囲空気質センサーにわたる周囲空気の流れを可能にし得る。
【0037】
周囲空気質センサーは、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバ内またはその周りに配置されていない。周囲空気質センサーは、エアロゾル生成システムによって生成されるエアロゾルがチャンバ内およびその周辺で生成されるため、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバ内またはその周辺に配置されていない。したがって、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバ内およびその周辺の空気は、一般に、システムを囲む周囲空気を表していない。
【0038】
周囲空気質センサーは、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバから離間していてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成装置は、長手方向軸を有する細長いものであり、周囲空気質センサーは、長手方向軸に沿ってエアロゾル形成基体を受容するためのチャンバから離間している。
【0039】
いくつかの実施形態において、エアロゾル発生装置は、近位端と、近位端の反対側の遠位端と、を含み得る。本明細書で使用される場合、「近位」および「遠位」という用語は、エアロゾル発生装置および充電ユニットの構成要素または構成要素の部分の相対的位置を記述するために使用される。装置のチャンバは、装置の近位端に配置され得る。周囲空気質センサーは、装置の遠位端に配置され得る。有利なことに、この配置は、周囲空気質センサーを、装置のエアロゾル生成部分から可能な限り遠ざけて、チャンバおよび加熱アセンブリに位置決めすることができる。これは、装置によって生成されるエアロゾルが、周囲空気質センサーからの周囲空気質読取値に影響を与え得る可能性を低減し得る。
【0040】
周囲空気質センサーは、エアロゾル生成装置のエアロゾル生成領域から実質的に分離されてもよい。例えば、周囲空気質センサーは、エアロゾル生成装置のチャンバから実質的に分離されてもよい。充電ユニットが周囲空気質センサーを含み、かつ充電ユニットがエアロゾル生成装置を受容するためのチャンバを含む場合、周囲空気質センサーは、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバから実質的に分離されてもよい。言い換えれば、周囲空気質センサーは、エアロゾル生成装置が充電ユニットのチャンバ内に受容されているときに、エアロゾル生成装置から実質的に分離されてもよい。
【0041】
周囲空気質センサーをエアロゾル生成装置のエアロゾル生成領域から実質的に分離することにより、エアロゾル生成システムによって生成されたエアロゾルが周囲空気質センサーと接触しないことを確実にすることができる。
【0042】
エアロゾル生成システムは、空気が、エアロゾル生成システムのエアロゾル生成領域を通ってシステム内に引き込まれ、エアロゾル生成システムからユーザに排出される、第1の気流通路を含んでいてもよい。こうした気流通路は、エアロゾル生成システムによって生成されたエアロゾルが、第1の気流通路を通る気流に流入され、第1の気流通路を通ってユーザに送達されることを可能にし得る。第1の気流通路は、エアロゾル生成装置のチャンバを含んでいてもよい。周囲空気質センサーは、第1の気流通路から実質的に分離されてもよい。
【0043】
周囲空気質センサーは、任意の適切な様式で、エアロゾル生成装置のエアロゾル生成領域から実質的に分離されてもよい。例えば、1つ以上のガス不透過性バリアは、周囲空気質センサーと第1の気流通路との間に配置され得る。例えば、周囲空気質センサーは、エアロゾル生成装置の反対側の端で、エアロゾル生成装置のチャンバに位置付けられ得る。例えば、周囲空気質センサーは、エアロゾル生成システムの第2の気流通路に配置されてもよく、第2の気流通路は、第1の気流通路から実質的に分離されている。
【0044】
周囲空気質センサーが、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバを有する充電ユニット内に設けられる場合、周囲空気質センサーは、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバの外側に配置されてもよい。周囲空気質センサーは、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバに対して、充電ユニットの反対側の端に配置されてもよい。
【0045】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は、加熱アセンブリに電力を供給するように構成された電力供給源を含む。電力供給源は、DC電力供給源であることが好ましい。電力供給源は、装置のハウジング内に収容され得る。一般的に、電力供給源は、リン酸鉄リチウム電池などの電池である。しかしながら、いくつかの実施形態において、電力供給源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電力供給源は再充電を要するものとしてもよく、例えば1回以上のエアロゾル発生の体験などの1回以上のユーザ操作のために十分なエネルギーの蓄積が許容される容量を有し得る。例えば、電力供給源は、従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾル形成基体の連続的な加熱を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電力供給源は、所定回数の吸煙、または加熱アセンブリの不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0046】
好ましくは、エアロゾル生成装置は、電力供給源および加熱アセンブリに接続された電力供給源制御回路をさらに含み得る。電力供給源制御回路は、電力供給源から加熱アセンブリへの電力の供給を制御するように構成されている。電力供給源制御回路は、加熱アセンブリへの電流の供給を調節するように構成された電気回路である。電流は装置の起動後、加熱アセンブリに連続的に供給されてもよく、断続的に供給(例えば、吸煙するごとに供給)されてもよい。
【0047】
電力供給源制御回路は、任意の適切な様式で、電力供給源から加熱アセンブリに供給される電力を制御するように構成され得る。一部の好ましい実施形態では、電力供給源制御回路は、電力供給源から加熱アセンブリにパルス電力信号で電力を供給するように構成されてもよい。これらの好ましい実施形態では、電力供給源制御回路は、周波数変調によって、またはパルス電力信号のパルス幅変調によって、加熱アセンブリに供給される電力を制御するように構成され得る。
【0048】
エアロゾル生成装置がコントローラを含む場合、電力供給源制御回路は、コントローラの一部であってもよく、またはコントローラに接続された別個の電気回路であってもよい。電力供給源制御回路がコントローラに接続されている場合、電力供給源制御回路は、コントローラから周囲空気質信号を受信し、周囲空気質信号に基づいて電力供給源から加熱アセンブリへの電力の供給を制御するように構成されている。このようにして、コントローラは、周囲空気質読取値のうちの1つ以上に基づいて、加熱アセンブリに供給される電力を制御するように構成され得る。
【0049】
一部の好ましい実施形態では、電力供給源制御回路は、コントローラの一部である。これらの好ましい実施形態では、コントローラは、1つ以上の周囲空気質読取値に基づいて、電力供給源から加熱アセンブリに供給される電力を制御するように構成され得る。これらの実施形態では、電力供給源回路は、電力信号の形態で周囲空気質信号を加熱アセンブリに出力し得る。
【0050】
コントローラは、周囲空気質読取値が、周囲空気質が1つ以上の所定の周囲空気質状態を満たすことを示すときに、加熱アセンブリに供給される電力を減少させるように構成され得る。例えば、コントローラは、周囲空気質読取値が所定の閾値を超えたときに、加熱アセンブリに供給される電力を減少させるように構成され得る。加熱アセンブリに供給される電力を減少させることは、システムによって生成されるエアロゾルの量を減少させ得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、制御回路は、周囲空気質読取値が、周囲空気質が特定の空気質状態を満たすか、または特定の品質閾値を超えたことを示すときに、電力供給源から加熱アセンブリに供給される電力を増加させるように構成され得る。
【0052】
例示的な実施形態では、コントローラは、周囲空気質信号が、湿度が特定の湿度閾値を超えたことを示すときに、電力供給源から加熱アセンブリに供給される電力を増加させるように構成され得る。コントローラは、ユーザがエアロゾル生成体験を開始する前に、湿度による基体内のいくつかの付加的な水分が蒸発するように、初期の所定の期間、電力供給源から加熱アセンブリに供給される電力を増加させるように構成され得る。別の例示的な実施形態では、コントローラは、周囲空気質信号が、一酸化炭素および二酸化炭素などの1つ以上のガスの濃度が所定の濃度閾値を超えたことを示すときに、電力供給源から加熱アセンブリに供給される電力を減少させるように構成され得る。
【0053】
コントローラは、1つ以上の所定の周囲空気質状態または周囲空気質閾値を記憶するように構成され得る。コントローラは、1つ以上の所定の周囲空気質状態または周囲空気質閾値をコントローラのメモリに記憶するように構成され得る。1つ以上の所定の周囲空気質状態または周囲空気質閾値は、ルックアップテーブルに記憶され得る。
【0054】
任意の適切な周囲空気質状態または閾値は、コントローラのメモリに記憶され得る。
【0055】
適切な一酸化炭素(CO)濃度閾値は、少なくとも100万分の1(ppm)、少なくとも5ppm、少なくとも10ppm、少なくとも20ppm、少なくとも30ppm、少なくとも40ppm、少なくとも50ppm、少なくとも60ppm、少なくとも70ppm、少なくとも80ppm、少なくとも90ppm、少なくとも100ppm、少なくとも150ppm、少なくとも200ppmの周囲空気中の一酸化炭素を含み得る。
【0056】
適切なPM2.5粒子状物質濃度閾値は、立方メートルあたり少なくとも5マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも7マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも10マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも12マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも15マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも20マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも25マイクログラム、および立方メートルあたり少なくとも30マイクログラムの周囲空気中のPM2.5を含み得る。適切なPM10粒子状物質濃度は、立方メートルあたり少なくとも10マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも15マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも20マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも25マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも30マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも40マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも50マイクログラム、および立方メートルあたり少なくとも60マイクログラムの周囲空気中のPM10を含み得る。
【0057】
適切な二酸化窒素(NO2)濃度閾値は、立方メートルあたり少なくとも20マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも25マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも30マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも35マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも40マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも45マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも50マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも60マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも100マイクログラム、立方メートルあたり少なくとも150マイクログラム、および立方メートルあたり少なくとも200マイクログラムの周囲空気中の二酸化窒素を含み得る。
【0058】
適切な二酸化炭素(CO2)濃度閾値は、少なくとも350ppm、少なくとも500ppm、少なくとも750ppm、少なくとも1000ppm、少なくとも1500ppm、少なくとも2000ppm、少なくとも3000ppm、少なくとも4000ppm、少なくとも5000ppm、少なくとも5000ppm、少なくとも6000ppmの周囲空気中の二酸化炭素を含むことができる。
【0059】
第1の実施例として、いくつかの実施形態では、制御回路は、周囲空気中の一酸化炭素の濃度が少なくとも1ppmであると決定されたときに、電力供給源から加熱アセンブリへの減少された電力を供給するように構成され得る。これらの実施形態では、制御回路は、周囲空気中の一酸化炭素の濃度が少なくとも70ppmであると決定されたときに、電力供給源から加熱アセンブリに電力が供給されることを防ぐようにさらに構成され得る。
【0060】
第2の実施例として、いくつかの実施形態では、制御回路は、周囲空気中の二酸化窒素の濃度が少なくとも25ppmであると決定されたときに、電力供給源から加熱アセンブリへの減少された電力を供給するように構成され得る。これらの実施形態では、制御回路は、周囲空気中の二酸化窒素の濃度が少なくとも150ppmであると決定されたときに、電力供給源から加熱アセンブリに電力が供給されることを防ぐようにさらに構成され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、電力供給源制御回路は、エアロゾル生成体験にわたって加熱アセンブリに一定の平均電力を供給するように構成され得る。一部の好ましい実施形態では、電力供給源制御回路は、エアロゾル生成体験の間、時間とともに変化する所定の電力プロファイルで、電力供給源から加熱アセンブリに電力を供給するように構成されている。例えば、電力供給源制御回路は、予熱期間にわたって、加熱アセンブリに供給される電力を初期電力から動作電力に徐々に増加させ、その後、加熱アセンブリに供給される電力を一定の平均電力に維持するように構成され得る。例えば、電力供給源制御回路は、初期の予熱期間にわたって、加熱アセンブリに供給される電力を初期電力から予熱電力に上げ、その後、電力を予熱電力よりも少ない動作電力に減少させるように構成され得る。電力供給源制御回路は、エアロゾルが生成される間、動作期間中に加熱アセンブリに供給される電力を経時的に減少させるように構成され得る。
【0062】
周囲空気質センサーからの周囲空気質読取値が、周囲空気質が通常の範囲内にあることを示す場合、コントローラは、加熱アセンブリに通常の電力プロファイルを供給するように構成され得る。
【0063】
周囲空気質センサーが湿度センサーを含み、周囲空気質読取値が、周囲空気の湿度が所定の湿度閾値を超えていることを示す場合、コントローラは、予熱期間中に加熱アセンブリに供給される電力を増加させるように構成され得る。これは、湿度の高い周囲環境でより急速にエアロゾル形成基体の温度を上昇させて、予熱期間中に湿度の高い環境から生じる基体中の任意の追加的な水分を蒸発させ得る。例えば、コントローラは、初期の予熱期間中に加熱アセンブリに供給される電力を増加させて、加熱アセンブリの温度を通常の予熱温度より約10度上げるように構成され得る。これにより、システムは、より湿度の低い環境で生成されたエアロゾルと一致する予熱期間後にエアロゾルを生成することができるようになり得る。予熱期間後、コントローラは、加熱アセンブリに通常の動作電力を供給するように構成され得る。
【0064】
周囲空気質センサーが一酸化炭素センサーを含み、周囲空気質読取値が、一酸化炭素レベルが所定の一酸化炭素閾値を超えることを示す場合、コントローラは、動作期間中に加熱アセンブリに供給される電力を減少させて、エアロゾル生成システムによって生成されるエアロゾルの量を減少させるように構成され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、コントローラは、エアロゾル生成体験中に加熱アセンブリに供給される電力を監視し、加熱アセンブリに供給される電力を標的電力プロファイルに維持するように構成され得る。コントローラは、周囲空気質センサーからの1つ以上の読取値に基づいて、標的電力プロファイルを制御するように構成され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、コントローラは、エアロゾル生成体験中に、加熱アセンブリの抵抗などの電力制御回路または加熱アセンブリの別の特性を監視し、加熱アセンブリに供給される電力を制御して、加熱アセンブリの特性を標的値またはプロファイルに維持するように構成され得る。例えば、制御回路は、加熱アセンブリの抵抗を監視し、加熱アセンブリに供給される電力を制御して、加熱アセンブリの抵抗を標的抵抗プロファイルに維持するように構成され得る。制御回路は、周囲空気質センサーからの1つ以上の読取値に基づいて、標的プロファイルを調整するように構成され得る。
【0067】
一部の好ましい実施形態では、電力供給源制御回路は、周囲空気質センサーからの周囲空気質読取値を所定の周囲空気質状態と比較するように構成されている。所定の周囲空気質状態は、所定の閾値または所定の範囲であってもよい。所定の周囲空気質状態は、コントローラのメモリに記憶されてもよい。コントローラは、1つ以上の周囲空気質読取値が所定の周囲空気質状態外にあるときに、電力供給源から加熱アセンブリへの電力の供給を実質的に防止または阻止するようにさらに構成され得る。言い換えれば、コントローラは、1つ以上の周囲空気質読取値が所定の範囲外であるか、または所定の閾値を超えるときに、電力供給源から加熱アセンブリへの電力の供給を停止するように構成され得る。有利なことに、これにより、ユーザが周囲環境から生じる望ましくないエアロゾル生成体験を受けないことを確実にし得る。
【0068】
例えば、周囲空気質センサーは、一酸化炭素ガスセンサーを含んでいてもよく、コントローラは、周囲空気質センサーからの1つ以上の読取値が、周囲空気中の一酸化炭素の濃度が所定の一酸化炭素濃度閾値を超えていることを示したときに、加熱アセンブリに電力が供給されることを防ぐように構成されていてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、システムは、充電ユニットをさらに含む。充電ユニットは、エアロゾル生成装置の電力供給源に電力を伝達するための電力伝達回路を含む。電力伝達回路は、任意の適切なタイプの回路であってもよい。
【0070】
電力伝達回路は、有線電力伝達回路を含んでもよい。これらの実施形態では、充電ユニットは、電気コネクタを含み、エアロゾル生成装置は、充電ユニットの電気コネクタと電気的に係合するように構成された相補的な電気コネクタを含む。
【0071】
電力伝達回路は、無線電力伝達回路を含み得る。これらの実施形態では、充電ユニットは、第1のインダクタコイルを含んでいてもよく、エアロゾル生成装置は、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間の電力の伝達のために第1のインダクタコイルと連結するように構成された第2のインダクタコイルを含んでいてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、充電ユニットは、周囲空気質センサーを含んでいてもよい。これらの実施形態では、充電ユニットは、コントローラを含んでいてもよい。周囲空気質センサーは、充電ユニット上または充電ユニット内に配置されてもよい。コントローラは、充電ユニット上または充電ユニット内に配置されてもよい。有利なことに、充電ユニットのサイズは、エアロゾル生成装置のサイズよりも大きい場合があり、これは、エアロゾル生成装置よりも充電ユニット内により多くの数のセンサーを備える、より大きな周囲空気質センサーを可能にし得る。
【0073】
一部の好ましい実施形態では、充電ユニットは、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバを有する充電ケースである。チャンバは、エアロゾル生成装置を受容するようにサイズ決めおよび成形されてもよい。
【0074】
充電ケースは、ハウジング内に収容される電力供給源を含むことが好ましい。電力供給源は、DC電力供給源であることが好ましい。一般的に、電力供給源は、リン酸鉄リチウム電池などの電池である。しかしながら、いくつかの実施形態において、電力供給源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電力供給源は、再充電を必要とする場合があり、またエアロゾル生成装置の電力供給源を複数回、例えば10回または20回充電するのに十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有していてもよい。
【0075】
充電ユニットは、ハウジング内に収容される電力伝達回路をさらに含んでいてもよい。電力伝達回路は、エアロゾル生成装置が充電ケースのチャンバ内に受容されているときに、充電ケースの電力供給源からエアロゾル生成装置の電力供給源に電力を伝達するように配置され得る。
【0076】
一部の好ましい実施形態では、周囲空気質センサーは、充電ケースのハウジング内に配置される。これらの好ましい実施形態では、充電ケースのハウジングは、周囲空気がハウジングに入り、周囲空気質センサーに到達することを可能にするための少なくとも1つの開口部を含み得る。開口部は、周囲空気質センサーに隣接して、またはその近くに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは、周囲空気がハウジングに入って、周囲空気質センサーに到達することを可能にする、第1の開口部と、周囲空気がハウジングから出ることを可能にする、第2の開口部と、を含んでいてもよい。気流通路は、第1の開口部から、周囲空気質センサーを越えて、第2の開口部までハウジングを通して形成され得る。気流経路は、周囲空気質センサーにわたる周囲空気の流れを可能にし得る。
【0077】
周囲空気質センサーは、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバ内またはその周りに配置されていない。周囲空気質センサーは、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバ内およびその周りの空気が、システムを囲む周囲空気を一般的に表さないため、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバ内またはその周辺に配置されていない。
【0078】
周囲空気質センサーは、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバから離間していてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、充電ケースは、近位端と、近位端の反対側の遠位端と、を含み得る。充電ケースのチャンバは、充電ケースの近位端で開くことができる。充電ケースのチャンバは、充電ケースの近位端で閉じてもよい。周囲空気質センサーは、充電ケースの遠位端に配置され得る。有利なことに、この配置は、エアロゾル生成装置が充電ケースのチャンバ内に受容されているときに、周囲空気質センサーを、エアロゾル生成装置のエアロゾル生成部分から可能な限り遠ざけて位置決めすることができる。これは、装置によって生成されるエアロゾルが、周囲空気質センサーからの周囲空気質読取値に影響を与え得る可能性を低減し得る。
【0080】
一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル生成装置および充電ユニットの両方は、周囲空気質センサーを含んでいてもよい。エアロゾル生成装置は、第1の周囲空気質センサーを含んでいてもよく、充電ユニットは、第2の周囲空気質センサーを含んでいてもよい。
【0081】
エアロゾル生成システムが充電ケースを含み、かつエアロゾル生成装置が周囲空気質センサーを含む実施形態では、コントローラは、エアロゾル生成装置が充電ケースのチャンバ内に受容されているときに、エアロゾル生成装置の周囲空気質センサーが周囲空気質読取値を取得するのを防ぐように構成され得る。これは、充電ケースのチャンバ内の空気が、システムの近傍の周囲空気を表すものではない可能性があるため、有利であり得る。これは、特に、エアロゾル生成装置が、熱分解によって装置のチャンバ内の残留物を燃焼させるために、加熱アセンブリに電力を供給することを含む充電ケースで受容されているときに、洗浄サイクルを実行するように構成されている場合に適用され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成システムは、コントローラに接続された、またはそれに接続可能なディスプレイをさらに含む。ディスプレイは、コントローラから周囲空気質信号を受信し、周囲空気質信号に基づいて周囲空気質情報を表示するように構成され得る。
【0083】
こうした表示装置を提供することで、ユーザのシステムとの対話をより効率的かつより効果的にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、ユーザが、加熱アセンブリが加熱される温度および加熱の期間などの装置の1つ以上の設定を変更することができ、その結果、ユーザがエアロゾル生成体験を変更することができるように構成されてもよい。これらの実施形態では、周囲空気質情報を表示するように構成されたディスプレイの提供は、ユーザが、特定のエアロゾル生成体験要件が確実にシステムによって満たされるように調節され得る潜在的設定を素早くかつ容易に決定することを可能にし得る。
【0084】
ディスプレイは、ユーザ入力を受信するようにさらに構成されたタッチスクリーン装置が好ましい。好ましくは、タッチスクリーンは、ユーザがエアロゾル生成装置の1つ以上の設定を調整できるようにするように構成される。
【0085】
ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)またはLEDディスプレイなどの任意の適切なタイプのディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態において、システムは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含み得る。グラフィカルユーザインターフェースは、タッチスクリーンを含んでいてもよい。
【0086】
コントローラによってディスプレイに出力される周囲空気質信号は、1つ以上の周囲空気質読取値に基づいてユーザに推奨される操作を含み得る。例えば、周囲空気質読取値が、所定の閾値を超える微粒子物質の濃度などの、周囲空気質不良を示す場合、周囲空気質信号は、窓を開けるか、またはエアロゾル生成体験を開始する前に新しい場所に移動するという推奨される操作を含み得る。推奨される操作が、ユーザが見るために、ディスプレイ上に表示され得る。
【0087】
充電ケースを含む好ましい実施形態では、充電ケースは、コントローラに接続される、またはそれに接続可能であり、およびコントローラから周囲空気質信号を受信し、周囲空気質信号に基づいて周囲空気質情報を表示するように構成されたディスプレイを含む。
【0088】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル生成システムは、周囲空気質アラームをさらに含んでいてもよい。これらの実施形態では、コントローラは、特定の状態下で周囲空気質信号を周囲空気質アラームに出力するように構成され得る。例えば、コントローラは、周囲空気質センサーからの1つ以上の周囲空気質読取値を1つ以上の所定の閾値または所定の状態と比較するように構成されてもよい。コントローラは、比較が、1つ以上の周囲空気質読取値が所定の閾値を超えているか、または所定の状態を満たさないことを示すときに、周囲空気質信号をアラームに出力して、アラームを作動させるようにさらに構成され得る。
【0089】
エアロゾル生成装置は、アラームを含み得る。充電ユニットを含む実施形態では、充電ユニットは、アラームを含んでいてもよい。充電ユニットおよびエアロゾル発生装置は両方とも、アラームを含んでいてもよい。充電ユニットおよびエアロゾル生成装置は、同じタイプのアラームを有してもよい。充電ユニットおよびエアロゾル生成装置は、異なるタイプのアラームを有してもよい。
【0090】
アラームは、任意の適切なタイプのアラームであってもよい。いくつかの実施形態では、アラームは、1つ以上のLEDまたはシステムのディスプレイ上に表示される特定のメッセージなどの視覚的アラームであってもよい。いくつかの実施形態では、アラームは、ブザーまたはラウドスピーカーなどの可聴アラームであってもよい。
【0091】
一部の好ましい実施形態では、コントローラは、外部装置またはサーバとの通信リンクを介して周囲空気質信号と通信するように構成されている。外部装置は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォンなどの任意の適切な外部装置であってもよい。外部サーバは、リモートサーバであってもよい。いくつかの実施形態では、システムは、インターネットを介してクラウドサーバと通信するように構成されてもよい。
【0092】
通信リンクは、エアロゾル生成システムと外部装置またはサーバとの間のデータの流れに適していることが好ましい。通信リンクは、エアロゾル生成システムから外部装置またはサーバへのデータの流れに適し得る。通信リンクは、外部装置またはサーバからエアロゾル生成システムへのデータの流れに適し得る。好ましくは、通信リンクは、エアロゾル生成システムから外部装置またはサーバへの、および外部装置またはサーバからエアロゾル生成システムへのデータの双方向の流れに適している。
【0093】
いくつかの例示的な実施形態では、通信リンクは、有線通信リンクである。いくつかの例示的な実施形態では、通信リンクは、無線通信リンクである。通信リンクは、インターフェース規格に基づき動作することが好ましい。インターフェース規格は、2つ以上のシステムまたは装置の部品間での情報交換を許容するために必要な、コード変換、ライン割り当て、またはプロトコル準拠などの1つ以上の機能的特性、または電気的、機械的、または光学的な特性などの物理的特性を描写した規格である。通信リンクのための適切なインターフェース規格の例としては、Recommended Standard 232(RS-232)系統の規格、ユニバーサルシリアルバス(USB)、Bluetooth、FireWire(Apple,Incのブランド名で、自社のIEEE 1394インターフェース用)、IrDA(Infrared Data Association-赤外線による短距離データ交換のための通信規格)、Zigbee(無線パーソナルエリアネットワーク用のIEEE 802.15.4規格に基づくアプリケーション)およびその他のWi-Fi規格が含まれるが、これに限定されない。
【0094】
コントローラは、サーバ、ネットワーク装置、パーソナルコンピュータ、通信インターフェースを有するその他のエアロゾル生成システム、およびこれに類するものなどの他の外部装置と、インターネットおよびこれに類するものなどの他のネットワークとの双方向通信のための通信インターフェース(例えば、少なくともテレメトリ回路およびアンテナなど)を含むことが好ましい。より具体的には、データおよびコマンドは、通信インターフェースを使用して、エアロゾル生成システムと他の外部装置および/またはネットワークとの間のアップリンクテレメトリまたはダウンリンクテレメトリ中に送信および受信されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、通信インターフェースは、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、極超短波(UHF)帯における任意のプロトコル、センチメートル波(SHF)帯における任意のプロトコル、低周波などの1つ以上の無線(無線周波数)データ送信プロトコルを使用する無線インターフェースである。
【0095】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成装置は、通信インターフェースを有するコントローラを含み得る。充電ユニットを含むいくつかの実施形態では、充電ユニットは、通信インターフェースを有するコントローラを含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成装置は、第1の通信インターフェースを有する第1のコントローラを含み、充電ユニットは、第2の通信インターフェースを有する第2のコントローラを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、コントローラは、通信リンクを介して、エアロゾル生成装置からの空気質信号を充電ユニットに通信するように構成されている。いくつかの実施形態では、コントローラは、通信リンクを介して、充電ユニットからの空気質信号をエアロゾル生成装置に通信するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信リンクは、エアロゾル生成装置と充電ユニットとの間のデータの双方向の流れに適している。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成装置は、第1の通信インターフェースを有する第1のコントローラを含み、充電ユニットは、第2の通信インターフェースを有する第2のコントローラを含み、第1および第2のコントローラは、第1の通信インターフェースと第2の通信インターフェースとの間の通信リンクを介して周囲空気質信号を通信するように構成されている。好ましくは、通信リンクは、エアロゾル生成装置と充電ユニットとの間のデータの双方向の流れに適している。
【0097】
いくつかの好ましい実施形態では、エアロゾル生成システムのコントローラは、Bluetooth(登録商標)などの短距離通信プロトコルを介して、ユーザのスマートフォンなどの外部装置に周囲空気質信号を通信するように構成されていてもよく、外部装置は、インターネットなどのネットワークを介して、クラウドサーバなどの外部サーバに周囲空気質信号を通信するように構成されていてもよい。
【0098】
外部装置またはサーバは、エアロゾル生成システムから通信されたデータを記憶するように構成され得る。外部装置またはサーバは、エアロゾル生成システムから通信されるデータを分析するように構成され得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成システムのコントローラは、さらなるセンサーを含んでもよく、エアロゾル生成システムの使用データおよび地理的場所データなどのさらなるデータを収集するように構成されてもよい。コントローラはまた、外部装置またはサーバに追加データを通信するように構成されてもよく、外部装置またはサーバは、使用データおよび場所データなどの追加データと併せて周囲空気質データを解析するように構成されてもよい。
【0099】
エアロゾル生成装置は、装置のチャンバ内に受容されたエアロゾル形成基体を加熱するための加熱アセンブリを含む。加熱アセンブリは、任意の適切な加熱アセンブリであってもよい。
【0100】
加熱アセンブリは、1つ以上の発熱体を含み得る。特に、加熱アセンブリは、1つ以上の抵抗性発熱体を含み得る。エアロゾル形成基体が固体基体である場合、1つ以上の発熱体は、エアロゾル形成基体を貫通するように構成された内部発熱体であってもよい。1つ以上の発熱体は、エアロゾル形成基体での、またはその周りでの配置のために構成された外部発熱体であってもよい。加熱アセンブリは、1つ以上の内部発熱体および1つ以上の外部発熱体を含み得る。
【0101】
1つ以上の発熱体は、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバ内に延在していてもよい。1つ以上の発熱体は、エアロゾル形成基体がチャンバ内に受容されたときにエアロゾル形成基体内に挿入され得る針、ピン、ロッド、またはブレードとして便利に成形され得る。
【0102】
1つ以上の発熱体は、電気抵抗性材料を含み得る。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とでできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例には、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporation(1999 Broadway Suite 4300,Denver Colorado)の登録商標である。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料内に包埋、断熱材料内に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。1つ以上の発熱体は、二層の不活性材料の間で絶縁された、金属製でエッチング加工が施された箔を含んでもよい。その場合、不活性材料はKapton(登録商標)、全層ポリイミドまたはマイカ箔を含んでもよい。Kapton(登録商標)は、E.I. du Pont de Nemours and Company(1007 Market Street,Wilmington,Delaware 19898,United States of America)の登録商標である。このタイプの可撓性発熱体は、チャンバの形状に適合してもよく、チャンバの周辺部の周りを延在し得る。
【0103】
電気発熱体は、温度と比抵抗の間で明確な関係を有する金属を使用して形成され得る。こうした実施形態で、金属は二層の適切な絶縁材の間のトラックとして形成し得る。このように形成された電気発熱体は、ヒーターおよび温度センサーのどちらとしても使用され得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、加熱アセンブリは、誘導性加熱アセンブリであってもよい。これらの実施形態では、サセプターは、エアロゾル形成基体と共にチャンバ内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、サセプターは、エアロゾル生成装置の一部であってもよい。一部の好ましい実施形態では、サセプターは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル生成物品またはカートリッジ内に含まれる。
【0105】
本明細書で使用される「サセプター素子」は、変動磁界に供されたときに加熱する導電性素子を意味する。これはサセプター素子に誘起された渦電流および/またはヒステリシス損失の結果であり得る。
【0106】
エアロゾル生成装置は、チャンバの少なくとも一部分を囲むインダクタコイルを含んでいてもよい。これらの実施形態では、エアロゾル生成装置の電力供給源制御回路は、チャンバ内に変動電磁場を生成するように構成され得る。インダクタコイル、電力供給源、および電力供給源制御回路は、1~30MHzの変動電磁場、例えば2~10MHz、例えば5~7MHzの変動電磁場を発生させる能力があり得ることが好ましい。電力供給源、電力供給源制御回路、およびインダクタコイルは、1~5kA/mの磁界強度(H場)、例えば2~3kA/m、例えば約2.5kA/mの磁界強度を有する変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。
【0107】
エアロゾル生成装置は、ハウジングを含む。ハウジングは、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバを含み得る。ハウジングは、近位端および遠位端を有し得る。チャンバは、装置の近位端に配置され得る。
【0108】
装置ハウジングは、細長くてもよい。装置ハウジングは、円筒形の形状であることが好ましい。装置ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの1つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0109】
エアロゾル生成装置は、携帯型であることが好ましい。エアロゾル生成装置は、およそ70ミリメートル~およそ120ミリメートルの長さを有してもよい。エアロゾル生成装置は、ハンドヘルド装置であってもよい。言い換えれば、エアロゾル生成装置は、ユーザの手に保持されるようにサイズ決め、および成形され得る。
【0110】
充電ケースを含む実施形態では、充電ケースのハウジングは、エアロゾル生成装置と類似した材料から形成され得る。充電ケースのチャンバは、エアロゾル生成装置を受容するように構成されている。充電ケースは、携帯型であることが好ましい。充電ケースは、ハンドヘルドケースであってもよい。言い換えれば、充電ケースは、ユーザの手に保持されるようにサイズ決め、および成形され得る。
【0111】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル形成基体と相互作用して、エアロゾルを生成するように構成されている。
【0112】
本明細書で使用される場合、エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。
【0113】
エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体であってもよい。固体エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、高密度で安定したエアロゾルの形成を容易にするエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0114】
固体エアロゾル形成基体は例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの1つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち1つ以上を含み得る。本明細書で使用される「均質化したたばこ」は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を意味する。均質化したたばこは、シートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5%超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含み得る。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起またはコルゲーションを有するシートを意味する。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態になっていてもよく、または適切な容器もしくはカートリッジの区画内で提供されてもよい。
【0115】
エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体でもよい。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。ニコチンを含有する液体エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、1つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが含まれる。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。
【0116】
エアロゾル形成基体は、ゲルを含んでもよい。室温では、ゲルは、安定したサイズおよび形状を有してもよく、流動しない場合がある。ゲルは、熱可逆性ゲルを含み得る。これは、ゲルが溶解温度に加熱された時に流体になり、ゲル化温度で再びゲルになることを意味する。ゲル化温度は、室温以上であり、かつ大気圧以上であることが好ましい。溶融温度は、ゲル化温度より高いことが好ましい。ゲルの溶解温度は、摂氏50度または摂氏60度または摂氏70度より高いことが好ましく、摂氏80度より高いことがより好ましい。この文脈において溶融温度は、ゲルがもはや固体ではなくなり、流れ始める温度を意味する。ゲルは、寒天またはアガロースまたはアルギン酸ナトリウムを含むことが好ましい。ゲルは、ジェランガムを含み得る。ゲルは、材料の混合物を含み得る。ゲルは、水を含み得る。
【0117】
エアロゾル形成基体は、約70℃~約230℃の蒸発温度を有してもよい。エアロゾル生成システムは、エアロゾル形成基体を約60℃~約240℃の平均温度に加熱するように構成され得る。
【0118】
本発明の第2の態様によると、エアロゾル形成基体を受容するためのチャンバを有するハウジングと、エアロゾル形成基体がチャンバ内に受容されているときに、エアロゾル形成基体を加熱するするための加熱構成と、を含む、エアロゾル生成装置が提供されている。エアロゾル生成装置は、装置の近傍の周囲空気の特性を検知するように配置された周囲空気質センサーと、周囲空気質センサーに接続されたコントローラであって、周囲空気質センサーから周囲空気質読取値を受信し、および周囲空気質センサーの読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するように構成されている、コントローラと、をさらに含む。
【0119】
本発明の第3の態様によれば、エアロゾル生成システムのための充電ケースが提供されており、充電ケースは、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバを含むハウジングと、エアロゾル生成装置がチャンバ内に受容されているときに、エアロゾル生成装置の電力供給源に電力を伝達するように構成された電力伝達回路と、を含む。充電ケースは、充電ケースの近傍の周囲空気の特性を検知するように配置された周囲空気質センサーと、周囲空気質センサーに接続されたコントローラであって、周囲空気質センサーから周囲空気質読取値を受信し、および周囲空気質センサーの読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するように構成されている、コントローラと、をさらに含む。
【0120】
本発明の第4の態様によれば、加熱アセンブリおよび周囲空気質センサーを含むエアロゾル生成システムを動作させる方法が提供されており、方法は、周囲空気質センサーを使用して、システムの近傍の周囲空気の特性を測定することと、周囲空気質センサーからの周囲空気質の1つ以上の測定値に基づいて加熱アセンブリへの電力の供給を制御することと、を含む。
【0121】
誤解を避けるために、本発明の1つの態様に関する上述の特徴は、本発明の他の態様に適用されてもよい。特に、第1の態様に関連して説明される任意の特徴は、第2、第3、および第4の態様に等しく適用可能であってもよく、第2の態様に関連して説明される任意の特徴は、第1、第3、および第4の態様に等しく適用可能であってもよく、第3の態様に関連して説明される任意の特徴は、第1、第2、および第4の態様に等しく適用可能であってもよく、第4の態様に関連して説明される任意の特徴は、第1、第2、および第3の態様に等しく適用可能であってもよい。
【0122】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0123】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による、周囲空気質センサーを有する充電ケースを示している。
図2図2は、本発明の第2の実施形態による、周囲空気質センサーを有するエアロゾル生成装置を示している。
図3図3は、図1の充電ケース内に受容された図2のエアロゾル生成装置、および本発明の態様による外部クラウドサーバと通信する充電ケースを示している。
図4図4は、図2のエアロゾル生成装置のコントローラが従うように構成されている、例示的な論理図を示している。
【0124】
図1は、本発明の第1の実施形態によるエアロゾル生成システムのための充電ユニットの概略図を示している。図1に示す充電ユニットは、充電ケース100である。充電ケース100は、ユーザが手でつかみ、およびユーザの衣服のポケットに入るように成形およびサイズ決めされたハウジング102を有する携帯型ケースである。ハウジング102は、一般に、約20mmの長さ、約50mmの幅、および約110mmの高さを有する長方形の立方体である。
【0125】
ハウジング102は、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバ104を含む。チャンバ104は、ハウジング102の近位端で開いて、エアロゾル生成装置を受容し、ハウジング102の近位端の反対側の遠位端で閉じられる。リッド105は、ヒンジを介してハウジング102の近位端に旋回可能に取り付けられており、閉位置に旋回されたときにチャンバ104の開放端を覆い、開位置に旋回されたときにチャンバ104の開放端を明らかにするように構成されている。
【0126】
約2900ミリアンペア時間(mAh)の容量を有するリチウムイオン電池の形態の電力供給源106が、ハウジング102内に収容されている。
【0127】
電気コネクタ108は、エアロゾル生成装置を受容するためのチャンバ104の閉じた遠位端部に配置されている。電力供給源106に接続された電気コネクタ108は、エアロゾル生成がチャンバ104内に完全に受容されたときに、エアロゾル生成装置の対応する電気コネクタと電気的に接続するように配置されている。
【0128】
コントローラ110がまた、ハウジング102内に収容されている。コントローラ110は、電力供給源106および電気コネクタ108に接続されており、電力供給源106から電気コネクタ108への電力の供給を制御するように構成されている。
【0129】
コントローラ110および電気コネクタ108は、チャンバ104内に受容されたエアロゾル生成装置に電力を供給するように構成されており、また、エアロゾル生成装置と通信し、エアロゾル生成装置にデータを転送し、かつエアロゾル生成装置からデータを受信するように構成されている。
【0130】
コントローラ110は、マイクロプロセッサ(図示せず)を含み、また通信インターフェース112を含み、この実施形態では、この通信インターフェースは、テレメトリ回路および外部装置またはサーバとの双方向通信のためのアンテナを含む。この実施形態では、通信112インターフェースは、Bluetooth(登録商標)プロトコルを使用して、外部装置またはサーバと通信する無線インターフェースである。典型的には、通信インターフェース112は、ユーザのスマートフォンと通信するように構成されている。
【0131】
本発明によれば、周囲空気質センサー116がまた、ケース100のハウジング102内に収容されている。この実施形態では、周囲空気質センサー116は、一酸化炭素濃度(CO)および揮発性有機化合物(VOC)濃度を検知するためのガスセンサー、微粒子状物質センサー、周囲空気の温度を含む、ケース周囲の周囲空気の相対湿度を検知するように適合された湿度センサー、および周囲圧力センサーを含む、複数の空気質センサーから構成される。当然のことながら、いくつかの実施形態では、周囲空気質センサー116は、二酸化窒素(NO2)濃度、二酸化炭素(CO2)濃度、および酸素(O2)濃度を検知するためのさらなるガスセンサーをさらに含み得る。
【0132】
有利なことに、周囲空気センサー116は、ハウジング102の遠位端に向かって、チャンバ104の開放端および近位端のリッド105の反対側、ならびにチャンバ104に対してハウジング102の反対側に配置されている。この配置は、チャンバ104内に受容されたエアロゾル生成装置から可能な限り遠ざけて、周囲空気センサー116を位置決めする。この配置は、エアロゾル生成装置が最近、ケース100内に挿入されたときに使用されていた可能性があり、ケース内に挿入されたときに、依然として少量のエアロゾルを生成している可能性があるため、有利である。このシナリオでは、センサー116によって受信される周囲空気が装置によって生成されるエアロゾルを含む場合、装置によって生成されるエアロゾルは、センサー116の周囲空気質読取値に影響を与え得る。さらに、エアロゾル生成装置は、熱分解によって望ましくない残留物を燃焼させるために、比較的高い電力をヒーターに供給することを含み得る、チャンバ内に挿入されたときの洗浄ルーチンを実行するように構成されてもよい。熱分解からの製品はまた、センサー116によって受信される周囲空気が熱分解製品の一部を含む場合、センサー116からの周囲空気質読取値に影響を与え得る。
【0133】
第1の開口部118は、周囲空気質センサー116の近くでハウジング内に設けられる。第1の開口部118は、ケースの近傍の周囲空気がハウジング102に入り、周囲空気質センサー116に到達することを可能にするように配置されている。第2の開口部120はまた、周囲空気質センサー116の近くでハウジング102内に設けられる。第2の開口部120は、周囲空気質センサー116によって受信される周囲空気がハウジング102から出ることを可能にするように配置されている。したがって、気流通路122は、第1の開口部118から、周囲空気質センサー116を越えて、第2の開口部120までハウジング102を通して形成される。
【0134】
ケース100のコントローラ110は、周囲空気質センサー116に接続されており、周囲空気質センサー116から周囲空気質読取値を受信するように構成されている。コントローラ110は、周囲空気質センサー116から定期的に読取値を取得するように構成されている。周囲空気質センサー116からの読取値は、周囲空気中の一酸化炭素濃度、周囲空気中の揮発性有機化合物濃度、周囲空気中の微粒子濃度、周囲空気の温度を含む相対湿度、および周囲空気の圧力を含む、情報を含む。当然のことながら、いくつかの実施形態では、周囲空気質センサーからの読取値は、二酸化炭素濃度、二酸化窒素濃度、および酸素濃度を含む、追加情報を含み得る。
【0135】
コントローラ110は、周囲空気質センサー116の読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するようにさらに構成されている。
【0136】
コントローラ110は、周囲空気質センサーの読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を、通信インターフェース112に出力するようにさらに構成されている。通信インターフェース112は、Bluetooth(登録商標)プロトコルを使用して、通信リンクを介してユーザのスマートフォンと第1の周囲空気質信号を通信するように構成されている。
【0137】
第1の周囲空気質信号における周囲空気質情報を分析するために、ユーザのスマートフォンにプログラムを記憶してもよいことが想定される。いくつかの実施形態において、ユーザのスマートフォンに記憶されたプログラムは、第1の周囲空気質信号で受信されたデータを分析するように構成されていなくてもよく、むしろ、データまたは信号を、分析のためにクラウドサーバなどの外部サーバに転送するように構成され得る。
【0138】
充電ケース100は、ハウジング102の外表面にグラフィックディスプレイ124をさらに含む。コントローラ110は、周囲空気質センサーの1つ以上の読取値に基づいて第2の周囲空気質信号をディスプレイ124に出力するようにさらに構成されている。ディスプレイ124は、ユーザが充電ユニット100の近傍の現在の空気質に関する情報をケース自体から受信することができるように、第2の周囲空気質信号に含まれる周囲空気質情報を表示するように構成されている。
【0139】
図2は、本発明の第2の実施形態によるエアロゾル生成装置200の概略図を示している。図2に示すエアロゾル生成装置200は、固体エアロゾル形成基体と、従来の紙巻たばこのようなロッドの形態で一緒に包まれたフィルターとを含む、エアロゾル生成物品(図示せず)を受容するように構成された装置である。エアロゾル生成装置200は、ユーザの手に保持されるように構成されている携帯型装置である。エアロゾル生成装置200は、従来の葉巻に類似した、約90mmの長さ、約14mmの直径を有する、略円筒形であるハウジング202を含む。装置200のハウジング202は、図1に示す充電ケース100のチャンバ104の形状および寸法に一般的に相補的である形状および寸法を有する。したがって、装置200は、充電ケース100のチャンバ104内に受容されるように構成されている。
【0140】
開放チャンバ204は、エアロゾル生成物品のエアロゾル形成基体を受容するための装置200のハウジング202の近位端に設けられる。抵抗性加熱ブレードまたはピンの形態の加熱アセンブリ206は、チャンバ204内に受容されたエアロゾル生成物品のエアロゾル形成基体内に貫通するために、チャンバ204内に延在している。
【0141】
約120ミリアンペア時間の容量を有するリチウムイオン電池の形態の電力供給源208が、ハウジング202内に収容されている。
【0142】
コントローラ210がまた、ハウジング202内に収容されている。コントローラ210は、マイクロプロセッサ(図示せず)を含む。コントローラ210は、加熱アセンブリ206および電力供給源208に接続されており、コントローラ210は、電力供給源208から加熱アセンブリ206への電力の供給を制御するように構成されている。
【0143】
電気コネクタ212は、チャンバ204の反対側のハウジング202の遠位端面に配置されている。電力供給源208およびコントローラ210は、電気コネクタ212に接続されている。電気コネクタ212は、装置200がケース100のチャンバ104内に受容されているときに、ケース100のハウジング102内のチャンバ104の遠位端で電気コネクタ108と電気的に接続されるように配置され、構成されている。したがって、装置200がケース100のチャンバ104内に受容されると、ケース100の電気コネクタ108は、装置200の電気コネクタ212に電気的に接続される。ケース100の電気コネクタ108および装置200の電気コネクタ212が電気的に接続されると、ケース100のコントローラ110は、装置200の電力供給源208を充電するために、ケース100の電力供給源106から装置200の電力供給源208に電力を供給するように構成されている。コントローラ210は、電力供給源208を充電するために、電気コネクタ212から電力供給源208への電力の供給を制御するように構成されている。これにより、コントローラ210は、装置200の電力供給源208を過充電から保護することができる。
【0144】
ケース100のコントローラ110および装置200のコントローラ210は、電気接続した電気コネクタ108、212を介してデータの双方向通信のためにさらに構成されている。
【0145】
本発明によれば、周囲空気質センサー214は、装置200のハウジング202内に収容されている。この実施形態では、周囲空気質センサー214は、装置200を囲む周囲空気中の一酸化炭素(CO)濃度を検知するためのガスセンサーと、周囲空気の温度を含む、装置200の周囲の周囲空気の相対湿度を検知するように適合された湿度センサーと、を含む、複数の空気質センサーを含む。エアロゾル生成装置200の周囲空気質センサー214は、エアロゾル生成装置200のサイズが充電ケース100のサイズよりも著しく小さいため、充電ケース100の周囲空気質センサー116よりも少ないセンサーを含み、エアロゾル生成装置200のハウジング202内の限られた空間は、エアロゾル生成装置200の周囲空気質センサー214に設けられ得るセンサーの数およびタイプを制限する。
【0146】
有利なことに、周囲空気センサー214は、ハウジング202の遠位端に向かって、近位端のチャンバ204に対して装置200の反対側の端部に配置されている。この配置は、加熱アセンブリ206および装置200によって生成されるエアロゾルから可能な限り遠ざけて、周囲空気センサー214を位置決めする。この配置は、周囲空気質センサー214によって受信される周囲空気が装置200によって生成されるエアロゾルを含む場合、エアロゾル生成装置によって生成されるエアロゾルがセンサー214の周囲空気質読取値に影響を与え得るので、有利である。
【0147】
第1の開口部216は、周囲空気質センサー214の近くでハウジング202内に設けられる。第1の開口部216は、装置の近傍の周囲空気がハウジング202に入り、周囲空気質センサー214に到達することを可能にするように配置されている。第2の開口部218はまた、周囲空気質センサー214の近くでハウジング202内に設けられる。第2の開口部218は、周囲空気質センサー214によって受信される周囲空気がハウジング202から出ることを可能にするように配置されている。気流通路220は、第1の開口部216から、周囲空気質センサー214を越えて、第2の開口部218までハウジング202を通して形成される。
【0148】
装置200のコントローラ210は、周囲空気質センサー214に接続されており、周囲空気質センサー214から周囲空気質読取値を受信するように構成されている。コントローラ210は、周囲空気質センサー214の読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するようにさらに構成されている。
【0149】
コントローラ210は、周囲空気質センサー214の読取値のうちの1つ以上に基づいて周囲空気質信号を出力するように構成されている。特に、コントローラ210は、図4を参照して下記により詳細に説明するように、周囲空気質センサー214からの1つ以上の周囲空気質読取値に基づいて、電力供給源208から加熱アセンブリ206への電力の供給を制御するように構成されている。
【0150】
コントローラ210は、装置200が充電ケース100内に受容されるまで、周囲空気質センサー214からの周囲空気質読取値をメモリ(図示せず)に記憶するように構成され得る。コントローラ210は、装置200が充電ケース100のチャンバ104内に受容されたときに、記憶された周囲空気質読取値を充電ケース100のコントローラ110に伝達するように構成され得る。
【0151】
図3は、図1の充電ケース100のチャンバ104内に受容された図2のエアロゾル生成装置200の概略図を示している。
【0152】
エアロゾル生成装置200がケース100内に受容されたときに、エアロゾル生成装置200のコントローラ210は、電気接続された電気コネクタ108、212を介して充電ケース100のコントローラ110と通信するように構成されている。特に、装置200のコントローラ210は、記憶された周囲空気質読取値をケース100のコントローラ110に伝達するように構成されている。
【0153】
装置200のコントローラ210はまた、装置200が充電ケース100内に受容されたときを、ケース100のコントローラ110から情報を得ること、または電力供給源208が充電されていると決定することのいずれかによって決定するように構成されている。装置200のコントローラ210は、装置200がケース100のチャンバ104内に受容されている間に、周囲空気質読取値の取得を停止するようにさらに構成されている。コントローラ210は、チャンバ104内の空気がシステムの近傍の周囲空気を表すものではない可能性があるため、装置200がチャンバ104内に受容されている間に、周囲空気質読取値の取得を停止するように構成されている。ケース100のチャンバ104内の空気質とシステムの近傍の周囲空気質との間の差は、装置200がケース100のチャンバ104内に受容されているときに熱分解によって残留物を焼却するために加熱アセンブリに電力を供給することなど、装置200のコントローラ210が洗浄動作を実行するように構成されている場合に、特に大きくなり得る。
【0154】
図3はまた、Bluetooth(登録商標)プロトコルを使用して、無線通信リンクを介してユーザのスマートフォン300と通信する、充電ケース100のコントローラ110を示している。
【0155】
充電ケース100のコントローラ110は、通信インターフェース112を介してユーザのスマートフォン300に第1の周囲空気質信号を定期的に伝達するように構成されている。コントローラ110は、通信インターフェース112を介して、無線通信リンクを介してエアロゾル生成装置200のコントローラ210から受信した周囲空気質信号を、ユーザのスマートフォン300に伝達するようにさらに構成されている。
【0156】
この実施形態では、ユーザのスマートフォンは、受信した周囲空気質信号に受信した周囲空気質データを記憶し、インターネットを介して、記憶した周囲空気質データを外部クラウドサーバに定期的に伝達するように構成されている。周囲空気質データは、例えば、周囲空気質データを過去の周囲空気質データと比較することによって、クラウドサーバによって分析されてもよい。ユーザのスマートフォンは、周囲空気質データの地理的マップがクラウドサーバによって構築され得るように、周囲空気質データを用いて地理的場所情報を外部クラウドサーバに伝達するようにさらに構成され得る。
【0157】
図4は、図2のエアロゾル生成装置200のコントローラ210が従うように構成されている、例示的な論理図を示している。言い換えれば、図4は、本発明による周囲空気質センサーを有するエアロゾル生成装置の動作の例示的な方法を示している。
【0158】
第1のステップ401では、コントローラ210は、周囲空気質センサー214から周囲空気質読取値を受信するように構成されている。この実施形態では、周囲空気質読取値は、一酸化炭素濃度読取値および相対湿度読取値を含む。
【0159】
第2のステップ403では、コントローラ210は、一酸化炭素濃度読取値を、コントローラ210のメモリ内のルックアップテーブル上に記憶された最小一酸化炭素濃度閾値と比較するように構成されている。
【0160】
第2のステップ403において、一酸化炭素濃度読取値が所定の最小閾値を超えていると決定された場合、第3のステップ405において、コントローラ210は、一酸化炭素濃度読取値を、コントローラ210のメモリ内のルックアップテーブル上に記憶された所定の最大一酸化炭素濃度閾値と比較するように構成されている。
【0161】
第3のステップ405において、一酸化炭素濃度読取値が、所定の最大一酸化炭素濃度閾値を超えていると決定された場合、第4のステップ407において、コントローラ210は、電力供給源208から加熱アセンブリ206への電力の供給を防ぐように構成されている。言い換えれば、コントローラ210は、周囲空気中の一酸化炭素のレベルが所定の最大閾値を超えている場合、装置200の動作を防ぐように構成されている。
【0162】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成装置200には、例えば、LEDなどの視覚的アラーム、またはブザーなどの可聴アラームなどのアラームが提供されていてもよく、コントローラ210は、コントローラ20が測定された一酸化炭素濃度が所定の最大一酸化炭素濃度閾値を超えていると決定したときに、アラーム信号をアラームに送信して、アラームを作動させるように構成され得る。
【0163】
第3のステップ405において、一酸化炭素濃度読取値が所定の最大一酸化炭素濃度閾値未満であると決定された場合、第5のステップ409において、コントローラ210は、装置によって、周囲空気中の一酸化炭素濃度が所定の最小閾値未満である通常の条件下よりも低い量のエアロゾルが生成され得るように、低減された電力プロファイルを加熱アセンブリ206に供給するように構成されている。低減された電力プロファイルは、コントローラ210のメモリ上のルックアップテーブルに記憶される。
【0164】
第2のステップ403において、一酸化炭素濃度読取値が所定の最小一酸化炭素濃度閾値未満であると決定された場合、第6のステップ411において、コントローラ210は、相対湿度読取値を、コントローラ210のメモリ上のルックアップテーブル上に記憶された所定の湿度閾値と比較するように構成されている。
【0165】
第6のステップ411において、相対湿度読取値が所定の湿度閾値未満であると決定された場合、コントローラ210は、ユーザが消費する標準的なエアロゾルを生成するための標準的な温度プロファイルで加熱アセンブリ206の温度を維持するために、加熱アセンブリ206に標準的な電力プロファイルを供給するように構成されている。標準的な電力プロファイルは、コントローラ210のメモリ上のルックアップテーブルに記憶される。
【0166】
第6のステップ411において、相対湿度読取値が所定の湿度閾値を超えていると決定された場合、コントローラ210は、加熱アセンブリ206の温度が、予熱期間中に、標準的な電力プロファイルよりも高温に上昇して、湿度の結果として基体中に存在し得る任意の付加的な水分を蒸発させるように、初期予熱期間中に、増大した電力プロファイルを加熱アセンブリ206に供給するように構成されている。増加した電力プロファイルは、コントローラ210のメモリ上のルックアップテーブルに記憶される。
【0167】
このように、エアロゾル生成装置200のコントローラ210は、周囲空気質センサーからの周囲空気質読取値に基づいて、加熱アセンブリ206への電力の供給を制御するように構成されている。
【0168】
この実施形態では、コントローラ210は、加熱アセンブリ206に電力を供給する前に、周囲空気質センサー214から読取値を取得するように構成されている。結果として、エアロゾル生成が開始される前に、周囲空気質読取値が取得される。これは、エアロゾル生成装置200によって生成されるエアロゾルを含むことから、装置200の周囲空気質センサー214によって検知される周囲空気の可能性をさらに低減する。さらに、エアロゾル生成開始前に分析される周囲空気質の読取値のみを要求することによって、コントローラは、エアロゾル生成体験のための周囲空気質を決定する際のプロセッサリソースの使用を最小限に抑え、装置を動作させるために必要な電力を減少し、電池寿命を節約することができる。
【0169】
上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことによって、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態も当業者には明らかとなろう。
図1
図2
図3
図4