IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シグマ フェーズ コーポレーションの特許一覧

特許74973341杯分の冷凍菓子を提供するためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】1杯分の冷凍菓子を提供するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A23G 9/22 20060101AFI20240603BHJP
   A23G 9/28 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
A23G9/22
A23G9/28
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021178427
(22)【出願日】2021-11-01
(62)【分割の表示】P 2019518176の分割
【原出願日】2017-06-16
(65)【公開番号】P2022009779
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】62/351,001
(32)【優先日】2016-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518445388
【氏名又は名称】コールドスナップ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】フォンテ マシュー
【審査官】関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-525770(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02266418(EP,A1)
【文献】特開2014-008063(JP,A)
【文献】米国特許第05823675(US,A)
【文献】特表2003-505056(JP,A)
【文献】特表2013-544529(JP,A)
【文献】特開昭63-003760(JP,A)
【文献】国際公開第2015/032787(WO,A1)
【文献】米国特許第09346611(US,B1)
【文献】特開2002-068304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 9/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を備える、1杯分の冷凍菓子を提供するためのポッド(30):
外壁および力を加えることによって開口可能な部分を有する基部(580)を含む凹部を有する容器と;
前記容器に対して移動し、前記容器の前記基部と係合させるように構成されたキャップ(660)であって、外側縁部(700)と内孔(710)とを有するキャップと;
前記凹部内に移動可能に配置された少なくとも1つのらせん状スクレーパパドルであって、前記容器の前記外壁と密接に滑り嵌合する構成を有する少なくとも1つのらせん状スクレーパパドルと;
前記容器の前記凹部の内部に配置された、1杯分の冷凍菓子を形成するための液体冷凍菓子ミックス。
【請求項2】
出口ポート(830)をさらに備え、前記容器が、力を加えると破断し得るとともに、前記出口ポートに隣接して配置される脆弱部分(810)を備える、請求項1記載のポッド。
【請求項3】
前記少なくとも1つのらせん状スクレーパパドルが、金属およびプラスチックからなる群からの少なくとも1つを備える、請求項1記載のポッド。
【請求項4】
前記容器が高熱伝導性材料または硬質材料を含む、請求項1記載のポッド。
【請求項5】
前記キャップを回転させるために、突起または凹部のうちの少なくとも1つを前記キャップ上にさらに備える、請求項1記載のポッド。
【請求項6】
前記液体冷凍菓子ミックスは、4~6オンスの少なくとも1つの原料を含む、請求項1記載のポッド。
【請求項7】
前記液体冷凍菓子ミックスが、少なくとも0.1%の安定剤および0.5%の乳化剤を含む、請求項1記載のポッド。
【請求項8】
1杯分の冷凍菓子を提供するためのッドであって、
凹部を画定する基部(580)および側壁を有する硬質の容器であって、前記基部の一部が力を加えることによって開口されるように構成された、硬質の容器と;
前記容器に対して移動し、前記容器の前記基部と係合させるように構成されたキャップ(660)であって、外側縁部(700)と内孔(710)とを有するキャップと;
前記容器の前記凹部内に配置される、前記1杯分の冷凍菓子を形成するための少なくとも1つの原料と;
前記容器の前記凹部内に移動可能に配置された1つまたは複数のスクレーパパドルであって、前記容器の前記基部および前記側壁から、前記少なくとも1つの原料を掻き取り、前記容器内で前記少なくとも1つの原料を掻き混ぜるように動作可能であり、らせん状構成を有する、1つまたは複数のスクレーパパドルと
を備え、
前記1つまたは複数のスクレーパパドルは、空気が前記ポッドの内部に入る間、前記空気が少なくとも1つの原料と混合して、少なくとも30%のオーバーランを含む冷凍菓子を生成するように、スクレーピングおよび攪拌を同時に実行するように構成され、かつ、その後、力を加えることによって開口されるように構成された基部の一部を通して、前記ポッドの底から前記冷凍菓子を押し出すように構成されている、
ッド。
【請求項9】
前記容器がアルミニウムである、請求項8記載のッド。
【請求項10】
前記少なくとも1つの原料は、4~6オンスの少なくとも1つの原料を含む、請求項8記載のッド。
【請求項11】
前記少なくとも1つの原料はドライミックスを含み、前記ドライミックスの成分の大部分は50μm以下のサイズを有する、請求項8記載のッド。
【請求項12】
前記少なくとも1つの原料は、少なくとも0.1%の安定剤および0.5%の乳化剤を含む、請求項8記載のッド。
【請求項13】
前記1つまたは複数のスクレーパパドルが、前記基部および前記側壁と密接に滑り嵌合する、請求項8記載のッド。
【請求項14】
前記スクレーパパドルを回転させるために、前記ポッド上に突起と凹部のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項8記載のッド。
【請求項15】
前記ポッド上の突起と凹部のうちの前記少なくとも1つが、少なくとも1本のフィンガを備える、請求項14記載のッド。
【請求項16】
前記ポッドは、力を加えると貫通し得る少なくとも1つの脆弱部分を備える、請求項8記載のッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
係属中の先行特許出願の参照
本特許出願は、Xciting Innovations, LLCにより2016年6月16日に出願された、「SINGLE SERVE ICE CREAM MACHINE:COMPRESSOR, VORTEX TUBE, SPRAY NOZZLE, SINGLE POD OF DRY ICE CREAM MIX」と題する係属中の先の米国仮特許出願第62/351,001号の恩典を主張する(代理人整理番号MATT-1 PROV)。
【0002】
上記特許出願は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0003】
発明の分野
本発明は概して冷凍菓子(例えば、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、スムージーなど)を提供するシステムに関し、より詳細には1杯分の冷凍菓子を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
現在の家庭用アイスクリーム製造機は概して、典型的には1.0リットルから2.0リットル、またはそれ以上の比較的大きなバッチのアイスクリームを約20~60分の時間内で製造するように設計されている。加えて、ほとんどの現在の家庭用アイスクリーム製造機ではまた、アイスクリームを製造する前に、(アイスクリームがその中で製造される)容器を「冷凍」することが必要であり、すなわち容器は使用前に約4~8時間、冷凍庫に入れなければならない。従って、アイスクリームの製造が始まる時とアイスクリームのバッチが完成する時との間には実質的な遅延がある。さらに、アイスクリームのバッチが完成した後においても、アイスクリーム製造機からアイスクリームを手作業で取り出す必要があり、次いで消費のために1杯分のアイスクリームを掻き出して別個の容器(例えば、ボウル、コーンなど)の中に入れる必要もある。
【0005】
従って、1杯分の冷凍菓子を短時間で提供し、冷凍菓子が消費されることになる容器(例えば、ボウル、コーンなど)の中に、冷凍菓子を直接分配する新しいシステムが必要である。
【0006】
加えて、同じシステムが、1杯分の冷たい飲料、および/または1杯分の熱い飲料を提供できることも望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、1杯分の冷凍菓子を短時間で提供し、冷凍菓子が消費されることになる容器(例えば、ボウル、コーンなど)の中に、冷凍菓子を直接分配する新規なシステムの、提供および利用を含む。
【0008】
加えて、同じシステムはまた、1杯分の冷たい飲料、および/または1杯分の熱い飲料を提供することができる。
【0009】
本発明の1つの好ましい形態では、1杯分の摂取可能な物質を提供するためのポッドが提供され、ポッドは、以下を備える:
外周および内側開口部を有する基部と;
基部の外周に取り付けられた外側中空管と;
基部の内側開口部に取り付けられた内側中空管であって、基部、外側中空管、および内側中空管が共に凹部を画定する、内側中空管と;
凹部の内部に配置された、1杯分の摂取可能な物質を形成するための少なくとも1つの原料と;
外周および内側開口部を有するキャップであって、凹部内を基部に向かってキャップを前進させることができるように、キャップの外周が外側中空管の直径よりも僅かに小さく、キャップの内側開口部が内側中空管の直径よりも僅かに大きい、キャップ。
【0010】
本発明の別の好ましい形態では、1杯分の冷凍菓子を提供するためのポッドが提供され、ポッドは、以下を備える:
凹部を有する容器と;
凹部内に移動可能に配置された少なくとも1つのスクレーパパドル(scraper paddle)と;
容器の凹部の内部に配置された、1杯分の冷凍菓子を形成するための少なくとも1つの原料と;
容器の凹部の中に移動可能なキャップ。
【0011】
本発明の別の好ましい形態では、1杯分の冷凍菓子を提供するためのポッドが提供され、ポッドは、以下を備える:
凹部を有する実質的に硬質の容器と;
容器の凹部の内部に配置された、1杯分の冷凍菓子を形成するための少なくとも1つの原料と;
容器の凹部の中に移動可能なキャップ。
【0012】
本発明の別の好ましい形態では、1杯分の摂取可能な物質を提供するための装置が提供され、装置は、以下を備える:
1杯分の摂取可能な物質を形成するための少なくとも1つの原料を含有するポッドを収容するためのネストであって、環状構成を有するポッドを収容するための環状凹部を備える、ネストと;
ポッドを冷却するための冷却ユニットと;
ポッドの中に水を導入するための給水機と;
ポッドの中に空気を導入するための空気供給機。
【0013】
本発明の別の好ましい形態では、1杯分の摂取可能な物質を提供するための装置が提供され、装置は、以下を備える:
1杯分の摂取可能な物質を形成するための少なくとも1つの原料を含有するポッドを収容するためのネストであって、ポッドが少なくとも1つの内部パドルを備える、ネストと;
ポッドを冷却するための冷却ユニットと;
ポッドの中に水を導入するための給水機と;
ポッドの少なくとも1つの内部パドルを回転させるための回転ユニット。
【0014】
本発明の別の好ましい形態では、1杯分の摂取可能な物質を提供するための装置が提供され、装置は、以下を備える:
1杯分の摂取可能な物質を形成するための、少なくとも1つの原料を含有するポッドを収容するためのネストと;
(i)ポッドから熱を取り除くこと、および(ii)ポッドに熱を供給することが可能である、ポッドとネストとの間で熱を伝達するための熱伝達ユニットと;
ポッドの中に水を導入するための給水機。
【0015】
本発明の別の好ましい形態では、1杯分の冷凍菓子を提供するための方法が提供され、方法は、以下を含む:
1杯分の冷凍菓子を提供するための少なくとも1つの原料を含むポッドを提供する工程;
ポッドを冷却する工程;
ポッドの中に水を導入する工程;
ポッドの少なくとも1つの壁に冷凍菓子が堆積するのを防ぐために、ポッドの少なくとも1つの壁を掻き取りながら、同時にポッドの内容物を掻き混ぜる工程;および
ポッドから冷凍菓子を放出する工程。
[本発明1001]
以下を備える、1杯分の摂取可能な物質を提供するためのポッド:
外周および内側開口部を有する基部と;
前記基部の前記外周に取り付けられた外側中空管と;
前記基部の前記内側開口部に取り付けられた内側中空管であって、前記基部、前記外側中空管、および前記内側中空管が共に凹部を画定する、内側中空管と;
1杯分の摂取可能な物質を形成するための、前記凹部内に配置された少なくとも1つの原料と;
外周および内側開口部を有するキャップであって、前記凹部内を前記基部に向かってキャップを前進させることができるように、前記キャップの前記外周が前記外側中空管の直径よりも僅かに小さく、前記キャップの前記内側開口部が前記内側中空管の直径よりも僅かに大きい、キャップ。
[本発明1002]
前記摂取可能な物質が冷凍菓子である、本発明1001のポッド。
[本発明1003]
前記少なくとも1つの原料がドライミックスを含み、さらに前記ドライミックスの成分の大部分が、50μm以下のサイズを有する、本発明1001のポッド。
[本発明1004]
前記少なくとも1つの原料が、少なくとも0.1%の安定剤および0.5%の乳化剤を含む、本発明1001のポッド。
[本発明1005]
前記基部、前記外側中空管、および前記内側中空管のうちの少なくとも1つが高熱伝導性材料を含む、本発明1001のポッド。
[本発明1006]
前記高熱伝導性材料が、金属およびプラスチックからなる群からの少なくとも1つを含む、本発明1005のポッド。
[本発明1007]
前記高熱伝導性材料が、アルミニウムおよびプラスチック/金属薄膜複合材料からなる群からの少なくとも1つを含む、本発明1006のポッド。
[本発明1008]
前記基部、前記外側中空管、および前記内側中空管のうちの少なくとも1つが硬質材料を含む、本発明1001のポッド。
[本発明1009]
前記凹部が環状凹部であるように、前記基部が円形の外周と円形の内側開口部とを有し、前記外側中空管が円形の断面を有し、前記内側中空管が円形の断面を有する、本発明1001のポッド。
[本発明1010]
前記キャップが、円形の外周および円形の内側開口部を有する、本発明1009のポッド。
[本発明1011]
少なくとも1つのスクレーパパドルが、前記凹部内に配置されている、本発明1001のポッド。
[本発明1012]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、前記キャップに固定されている、本発明1011のポッド。
[本発明1013]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、長軸方向に押しつぶしが可能である、本発明1011のポッド。
[本発明1014]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、金属およびプラスチックからなる群からの少なくとも1つを含む、本発明1013のポッド。
[本発明1015]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、前記外側中空管および前記内側中空管のうちの少なくとも1つと密接に滑り嵌合する、本発明1011のポッド。
[本発明1016]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、
前記外側中空管と密接に滑り嵌合する外側スクレーパパドル、および
前記内側中空管と密接に滑り嵌合する内側スクレーパパドル
を含む、本発明1011のポッド。
[本発明1017]
前記外側スクレーパパドルがらせん構成を有し、前記内側スクレーパパドルがらせん構成を有する、本発明1016のポッド。
[本発明1018]
前記基部と密接に滑り嵌合する底部スクレーパパドルをさらに備える、本発明1016のポッド。
[本発明1019]
前記底部スクレーパパドルが、前記外側スクレーパパドルおよび前記内側スクレーパパドルに連結されている、本発明1018のポッド。
[本発明1020]
前記キャップを回転させるために、突起部および凹部のうちの少なくとも1つを前記キャップ上にさらに備える、本発明1001のポッド。
[本発明1021]
前記キャップ上の前記突起部および凹部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのフィンガを備える、本発明1020のポッド。
[本発明1022]
前記基部が、力を加えると破断し得る脆弱部分を備える、本発明1001のポッド。
[本発明1023]
前記脆弱部分に隣接して配置された出口ノズルをさらに備え、それにより前記脆弱部分を通って前記凹部から出る材料が前記出口ノズルを通過する、本発明1022のポッド。
[本発明1024]
前記キャップが、力を加えると貫通し得る少なくとも1つの脆弱部分を備える、本発明1001のポッド。
[本発明1025]
前記キャップが、2つの脆弱部分を備える、本発明1024のポッド。
[本発明1026]
前記摂取可能な物質が、飲料ミックスである、本発明1001のポッド。
[本発明1027]
前記飲料ミックスを収めるためのフィルタをさらに備える、本発明1026のポッド。
[本発明1028]
前記フィルタが圧縮可能である、本発明1027のポッド。
[本発明1029]
以下を備える、1杯分の冷凍菓子を提供するためのポッド:
凹部を有する容器と;
前記凹部内に移動可能に配置された少なくとも1つのスクレーパパドルと;
前記容器の前記凹部の内部に配置された、1杯分の冷凍菓子を形成するための少なくとも1つの原料と;
前記容器の前記凹部の中に移動可能なキャップ。
[本発明1030]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、前記キャップに固定されている、本発明1029のポッド。
[本発明1031]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、長軸方向に押しつぶしが可能である、本発明1029のポッド。
[本発明1032]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、金属およびプラスチックからなる群からの少なくとも1つを備える、本発明1029のポッド。
[本発明1033]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、前記容器の壁と密接に滑り嵌合する、本発明1029のポッド。
[本発明1034]
前記少なくとも1つのスクレーパパドルが、
前記容器の外壁と密接に滑り嵌合する外側スクレーパパドル、および
前記容器の内壁と密接に滑り嵌合する内側スクレーパパドル
を備える、本発明1029のポッド。
[本発明1035]
前記外側スクレーパパドルがらせん構成を有し、前記内側スクレーパパドルがらせん構成を有する、本発明1034のポッド。
[本発明1036]
前記凹部のフロアと密接に滑り嵌合する底部スクレーパパドルをさらに備える、本発明1034のポッド。
[本発明1037]
前記底部スクレーパパドルが、前記外側スクレーパパドルおよび前記内側スクレーパパドルに連結されている、本発明1036のポッド。
[本発明1038]
前記容器が高熱伝導性材料を含む、本発明1029のポッド。
[本発明1039]
前記容器が硬質材料を含む、本発明1029のポッド。
[本発明1040]
前記キャップを回転させるために、突起部および凹部のうちの少なくとも1つを前記キャップ上にさらに備える、本発明1029のポッド。
[本発明1041]
前記容器が、力を加えると破断し得る脆弱部分を備える、本発明1029のポッド。
[本発明1042]
前記脆弱部分に隣接して配置された出口ノズルをさらに備え、それにより前記脆弱部分を通って前記凹部から出る材料が前記出口ノズルを通過する、本発明1041のポッド。
[本発明1043]
前記容器が、
外周および内側開口部を有する基部と、
前記基部の前記外周に取り付けられた外側中空管と、
前記基部の前記内側開口部に取り付けられた内側中空管と
を備える、本発明1029のポッド。
[本発明1044]
以下を備える、1杯分の冷凍菓子を提供するためのポッド:
凹部を有する実質的に硬質の容器と;
前記容器の前記凹部の内部に配置された、1杯分の前記冷凍菓子を形成するための少なくとも1つの原料と;
前記容器の前記凹部の中に移動可能なキャップ。
[本発明1045]
以下を備える、1杯分の摂取可能な物質を提供するための装置:
1杯分の摂取可能な物質を作るための少なくとも1つの原料を含有するポッドを収容するためのネストであって、環状構成を有するポッドを収容するための環状凹部を備える、ネストと;
前記ポッドを冷却するための冷却ユニットと;
前記ポッドの中に水を導入するための給水機と;
前記ポッドの中に空気を導入するための空気供給機。
[本発明1046]
前記冷却ユニットが、
(i)前記ネストの前記環状凹部の外部、および
(ii)前記ネストの前記環状凹部の内部、
を冷却するように構成されている、本発明1045の装置。
[本発明1047]
前記ネストが複数の外部面を備え、さらに前記冷却ユニットが、前記複数の外部面に取り付けられた複数の熱電冷却要素を備える、本発明1046の装置。
[本発明1048]
前記冷却ユニットが、前記ネストの前記環状凹部の内部に配置された円筒状冷却器を備える、本発明1046の装置。
[本発明1049]
前記給水機が、常温水タンクおよび冷水タンクを備える、本発明1045の装置。
[本発明1050]
前記冷水タンクが、凍結の約2℃以内の温度に水を冷却するように構成されている、本発明1049の装置。
[本発明1051]
前記給水機が、前記ポッドの中に水滴を導入するためのノズルを備える、本発明1045の装置。
[本発明1052]
前記ポッドが移動可能なキャップを備え、さらに前記装置が、前記ポッドから前記摂取可能な物質を放出させるように前記ポッドの前記キャップに力を加えるためのプランジャを備える、本発明1045の装置。
[本発明1053]
前記ポッドが少なくとも1つの内部パドルを備え、さらに前記装置が、前記ポッドの前記少なくとも1つの内部パドルを回転させるための回転要素を備える、本発明1052の装置。
[本発明1054]
前記ポッドを加熱するように構成されている、本発明1053の装置。
[本発明1055]
前記冷却ユニットが熱電冷却ユニットを備え、さらに前記ポッドが、前記熱電冷却ユニットに供給される電流の方向を逆転させることによって加熱される、本発明1054の装置。
[本発明1056]
以下を備える、1杯分の摂取可能な物質を提供するための装置:
1杯分の摂取可能な物質を形成するための少なくとも1つの原料を含有するポッドを収容するためのネストであって、前記ポッドが少なくとも1つの内部パドルを備える、ネストと;
前記ポッドを冷却するための冷却ユニットと;
前記ポッドの中に水を導入するための給水機と;
前記ポッドの前記少なくとも1つの内部パドルを回転させるための回転ユニット。
[本発明1057]
以下を備える、1杯分の摂取可能な物質を提供するための装置:
1杯分の摂取可能な物質を形成するための少なくとも1つの原料を含有するポッドを収容するためのネストと;
(i)前記ポッドから熱を取り除くこと、および(ii)前記ポッドに熱を供給することが可能である、前記ポッドと前記ネストとの間で熱を伝達するための熱伝達ユニットと;
前記ポッドの中に水を導入するための給水機。
[本発明1058]
以下を含む、1杯分の冷凍菓子を提供するための方法:
1杯分の冷凍菓子を提供するための少なくとも1つの原料を含むポッドを提供する工程;
前記ポッドを冷却する工程;
前記ポッドの中に水を導入する工程;
前記ポッドの少なくとも1つの壁上に前記冷凍菓子が堆積するのを防ぐために、前記ポッドの前記少なくとも1つの壁を掻き取りながら、同時に前記ポッドの内容物を掻き混ぜる工程;および
前記ポッドから前記冷凍菓子を放出する工程。
【0016】
本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、添付の図面と共に考慮すべきである、本発明の好ましい態様の以下の詳細な説明により、より十分に開示されるかまたは明白になると考えられ、図面において類似の数字は類似の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】1杯分の冷凍菓子を提供するための新規なシステムを示す概略図であり、システムの全ての構成要素は不透明なものとして示されている。
図2】1杯分の冷凍菓子を提供するための新規なシステムを示す概略図であり、システムの全ての構成要素は不透明なものとして示されている。
図3】1杯分の冷凍菓子を提供するための新規なシステムを示す概略図であり、システムの全ての構成要素は不透明なものとして示されている。
図4】1杯分の冷凍菓子を提供するための新規なシステムを示す概略図であり、システムのいくつかの構成要素は透明なものとして示されている。
図5】1杯分の冷凍菓子を提供するための新規なシステムを示す概略図であり、システムのいくつかの構成要素は透明なものとして示されている。
図6】1杯分の冷凍菓子を提供するための新規なシステムを示す概略図であり、システムのいくつかの構成要素は透明なものとして示されている。
図7図1図6に示すシステムのネストアセンブリのさらなる詳細を示す概略図である。
図8図1図6に示すシステムのネストアセンブリのさらなる詳細を示す概略図である。
図9図1図6に示すシステムのネストアセンブリのさらなる詳細を示す概略図である。
図10図1図6に示すシステムのネストアセンブリのさらなる詳細を示す概略図である。
図11図1図6に示すシステムのネストアセンブリのさらなる詳細を示す概略図である。
図12図1図6に示すシステムのネストアセンブリのさらなる詳細を示す概略図である。
図13】(i)図1図6に示すシステムの蓋アセンブリ、(ii)図1図6に示すシステムの冷水および空気送達アセンブリの一部、および(iii)図1図6に示すシステムの制御電子機器のさらなる詳細を示す概略図である。
図14】(i)図1図6に示すシステムの蓋アセンブリ、(ii)図1図6に示すシステムの冷水および空気送達アセンブリの一部、および(iii)図1図6に示すシステムの制御電子機器のさらなる詳細を示す概略図である。
図15】とりわけ、図1図6に示すシステムの放熱アセンブリのさらなる詳細を示す概略図である。
図16】とりわけ、図1図6に示すシステムの放熱アセンブリのさらなる詳細を示す概略図である。
図17図1図6に示すシステムの制御電子機器のさらなる詳細を示す概略図である。
図18図1図6に示すシステムのポッドのさらなる詳細を示す概略図である。
図19図1図6に示すシステムのポッドのさらなる詳細を示す概略図である。
図20図1図6に示すシステムのポッドのさらなる詳細を示す概略図である。
図21図1図6に示すシステムの例示的な動作を示す概略図である。
図22図1図6に示すシステムのネストアセンブリの内側部分を冷却するための代替的手法を示す概略図である。
図23図1図6に示すシステムのネストアセンブリの内側部分を冷却するための代替的手法を示す概略図である。
図24図1図6に示すシステムと共に使用することができる別のポッドを示す概略図である。
図25図1図6に示すシステムと共に使用することができる別のポッドを示す概略図である。
図26図1図6に示すシステムと共に使用することができる別のポッドを示す概略図である。
図27図1図6に示すシステムと共に使用することができる別のポッドを示す概略図である。
図28】1杯分の冷凍菓子を提供するための別の新規なシステムを示す概略図である。
図29】1杯分の冷凍菓子を提供するための別の新規なシステムを示す概略図である。
図30】1杯分の冷凍菓子を提供するための別の新規なシステムを示す概略図である。
図31】1杯分の冷凍菓子を提供するための別の新規なシステムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、1杯分の冷凍菓子を短時間で提供し、冷凍菓子が消費されることになる容器(例えば、ボウル、コーンなど)の中に、冷凍菓子を直接分配する新規なシステムの提供および利用を含む。
【0019】
加えて、同じシステムはまた、1杯分の冷たい飲料、および/または1杯分の熱い飲料を提供することができる。
【0020】
システム全般
本発明の1つの好ましい形態では、最初に図1図6に注目すると、1杯分の冷凍菓子(例えば、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、スムージーなど)を提供するための新規なシステム10が提供される。システム10はまた、1杯分の冷たい飲料、および/または1杯分の熱い飲料を提供することができる。
【0021】
説明を明確にするために、システム10は最初に1杯分の冷凍菓子を提供することに関して説明され、次にシステム10は1杯分の冷たい飲料を提供することに関して説明され、次にシステム10は1杯分の熱い飲料を提供することに関して説明される。
【0022】
システム10は概して機械20およびポッド30を備え、機械20は、とりわけ、1杯分の冷凍菓子を形成するための原料の供給物を含有するポッド30を受け取り、ポッド30(およびその内容物)を冷却し、冷水および空気をポッド30の中に導入し、ポッド30の内容物を撹拌して冷凍菓子を形成し、次いで、冷凍菓子が消費されることになる容器(例えば、ボウル、コーンなど)の中に直接、ポッド30から冷凍菓子を放出するように構成されている。
【0023】
機械
機械20は、とりわけ、1杯分の冷凍菓子を形成するための原料の供給物を含有するポッド30を受け取り、ポッド30(およびその内容物)を冷却し、冷水および空気をポッド30の中に導入し、ポッド30の内容物を撹拌して冷凍菓子を形成し、次いで、冷凍菓子が消費されることになる容器(例えば、ボウル、コーンなど)の中に直接、ポッド30から冷凍菓子を放出するように構成されている。
【0024】
この目的のために、機械20は概して、ハウジング40、ネストアセンブリ50、蓋アセンブリ60、給水機70、冷水および空気送達アセンブリ80、放熱アセンブリ90、および制御電子機器100を備える、再使用可能な装置である。
【0025】
ハウジング40を図1図6に示す。ハウジング40は概して、基部110、基部110に取り付けられたカバー120、および基部110に取り付けられたトレイ130を備える。カバー120は、機械20の内部構成要素を取り囲み、機械20の他の構成要素を支持する役割を担う。トレイ130は容器(例えば、ボウル)を収容する役割を担い、容器の中に冷凍菓子が放出され、容器から冷凍菓子が消費される(代替として、冷凍菓子がコーンから消費される場合には、コーンはトレイ130の上方に保持される)。
【0026】
ネストアセンブリ50をさらに詳細に図7図12に示す。ネストアセンブリ50は、1杯分の冷凍菓子を形成するための原料の供給物を含有するポッド30を収容し、とりわけ、ポッド30(およびその内容物)を急冷して1杯分の冷凍菓子を短時間で提供する役割を担う。この目的のために、また以下で論じるように、ネストアセンブリ50およびポッド30はそれぞれ、ポッド30の冷却を加速するように独自の構成および独自の構造を備えている。
【0027】
より具体的には、ネストアセンブリ50は概して、上面150、底面160、および複数の外面170を有するネスト140を備える。
【0028】
本発明の1つの好ましい形態では、ネスト140は8つの外面170を有し、それによりネスト140は略八角形の構成を有する。代替として、ネスト140は異なる数の外面170を有してもよい。ネスト140は、好ましくは、アルミニウムなどの高熱伝達材料から形成される。
【0029】
ネスト140はまた、穴180および座ぐり穴190を備える。中空円筒200が穴180内に配置され、座ぐり穴190の中に上向きに延びる。この構成の結果として、環状凹部210(すなわちトロイダル型凹部210)がネスト140の上面150に形成される。環状凹部210は概して、外壁220(前述の座ぐり穴190によって画定される)および内壁230(前述の中空円筒200によって画定される)によって特徴付けられる。環状凹部210は、以下で論じるように、その中にポッド30を収容するように寸法決めされている。
【0030】
ネスト140はまた、ネスト140の底面160に開口し、環状凹部210の内部と連通する穴232を備える。出口ノズル233は、出口ノズル233の出口ポート234が環状凹部210の内部と連通するように、穴232でネスト140の底面160に取り付けられている。いつポッド30がネスト140の環状凹部210内に配置されたかを検出するために、ポッドセンサ235がネスト140内に設けられている。
【0031】
ネストアセンブリ50はまた、複数の熱電(TEC)アセンブリ240を備える。TECアセンブリ240はそれぞれ、熱電冷却器(TEC)要素250、ヒートシンク260、およびTEC要素250からヒートシンク260に熱を伝達するようにTEC要素250とヒートシンク260との間に延びる複数のヒートパイプ270を備える。所望であれば、単段のTEC要素250を用いて得ることができるものよりも大きな温度差を実現するように、複数のTEC要素250を各ヒートシンク260の上に積み重ねることができる。図7図8、および図11に示すように、TECアセンブリ240はネスト140の外面170に対して配置されているので、TEC要素250は、TEC要素250に供給される電流の方向に応じて、ネスト140の外面170に冷熱または温熱を供給し、これによりネスト140の環状凹部210の外壁220に冷熱または温熱を供給する(従って、ネスト140の環状凹部210に配置されたポッド30に冷熱または温熱を供給する)ことができる。機械20が冷凍菓子を提供するために使用される場合、TEC要素250に供給される電流の方向によって、ネスト140の外面170に冷熱が加えられることが理解されよう。
【0032】
ヒートパイプ270は、図12に示す種類のものであることが好ましい。すなわちヒートパイプ270は、TEC要素250からヒートシンク260に熱を伝達するための高熱伝達能力をもたらす。ヒートパイプ270はまた、放熱アセンブリ90に連結されることが好ましく、それによりヒートパイプ270によって集められた熱が放熱アセンブリ90に伝達され、さらに周囲に放散される。
【0033】
ネストアセンブリ50はまた、環状凹部210の内壁230に冷熱を供給するための円筒状TEC 280、および環状凹部210の内壁230に温熱を供給するための円筒状TEC 290を備える。
【0034】
蓋アセンブリ60は図13および図14にさらに詳細に示される。蓋310がハンドル300と連動して動くように、蓋アセンブリ60は概して、蓋310が取り付けられたハンドル300を備える。ハンドル300は、ハウジング40のカバー120にピボットピン320を介して枢動可能に取り付けられている。この構造の結果、蓋アセンブリ60はネストアセンブリ50に向かって、またはネストアセンブリ50から離れるように旋回することができる(図1参照)。蓋310が閉位置にある時を検出するために、蓋センサ325(図1および図2)が設けられている。
【0035】
蓋アセンブリ60は、蓋310に移動可能に取り付けられたプランジャ330を備える。より具体的には、プランジャ330は周方向ギヤ340および長手方向ギヤ350を備え、蓋アセンブリ60は、回転ギヤ370を駆動するための回転モータ360、および垂直ギヤ390を駆動するための垂直モータ380を備え、回転モータ360の回転ギヤ370はプランジャ330の周方向ギヤ340と係合し、垂直モータ380の垂直ギヤ390はプランジャ330の長手方向ギヤ350と係合している。この構造の結果、回転モータ360はプランジャ330を蓋310内で回転させることができ、垂直モータ380はプランジャ330を蓋310内で垂直に移動させることができる。
【0036】
プランジャ330は、ポッド30上の対応するフィンガと係合するための複数のフィンガ400(下記参照)、およびポッド30の頂部を貫通しポッド30の中に追加の原料を送達するための、一対の中空ファング(hollow fang)410、420をさらに備える(下記参照)。
【0037】
次に図1図6に注目すると、給水機70は概して常温水タンク430および冷水タンク440を備える。本発明の1つの好ましい形態では、常温水タンク430は約2.0リットルの水を保持することができ、冷水タンク440は約0.5リットルの水を保持することができる。常温水タンク430は取り外し可能なカバー445を備え、常温水タンク430を水で満たすことを可能にしている。常温水タンク430から冷水タンク440へ水を移動させるためのライン(図示せず)が設けられている。常温水タンク430内の水の存在を監視するために水センサ450(図4)が設けられ、冷水タンク440内の水の温度を監視するために水温センサ460(図6)が設けられる。冷水タンク440内の水を冷やすために複数のTECアセンブリ470が提供され、TECアセンブリ470の各々は好ましくは前述のTECアセンブリ240に類似しており、すなわちTECアセンブリ470は、TEC要素473、ヒートシンク475、およびヒートパイプ477を備える。TECアセンブリ470のヒートパイプ477は、TECアセンブリ470によって生成された熱を放熱アセンブリ90に伝達するように、放熱アセンブリ90に連結されることが好ましい。
【0038】
次に図6および図14に注目すると、冷水および空気送達アセンブリ80は概して、冷水を冷水タンク440からプランジャ330の中空ファング410の中にポンプで送り出す水ポンプ480、および空気をプランジャ330の中空ファング420の中に送り込む空気ポンプ490を備える。本発明の1つの好ましい形態では、中空ファング410は、霧状の水滴をポッド30の中に注入するためのスプレーノズルを含み(下記参照)、それにより冷凍菓子の形成を促進させる(下記参照)。そのようなスプレーノズルは、液体分散の技術分野において周知である。冷水および空気送達アセンブリ80はまた、水を冷水タンク440からプランジャ330の中空ファング410に移送し、空気をプランジャ330の中空ファング420の中に導入するための様々な流体ライン(図示せず)を備える。
【0039】
放熱アセンブリ90は図15および図16にさらに詳細に示される。放熱アセンブリ90は、ネスト140のTECアセンブリ240のヒートパイプ270から受け取った熱を放散させ、冷水タンク440のTECアセンブリ470のヒートパイプ477から受け取った熱を放散させる。放熱アセンブリ90は概して、ヒートパイプ510(ネスト140のTECアセンブリ240のヒートパイプ270、および冷水タンク440のTECアセンブリ470のヒートパイプ477に連結されている)から熱を奪う複数のヒートシンク500と、ヒートシンク500から熱を受け取るための複数の凝縮器520と、凝縮器520を冷却するための複数のファン530とを備える。
【0040】
制御電子機器100は概して、電源540(図14)、中央処理装置(CPU)550、およびユーザインタフェース570(図2)、例えば表示画面、操作ボタンなどを備える。図17に示すように、電源540およびCPU 550は、前述の水センサ450、水温センサ460、TECアセンブリ470、円筒状TEC 280、円筒状TEC 290、蓋センサ325、ポッドセンサ235、TECアセンブリ240、水ポンプ480、空気ポンプ490、回転モータ360、垂直モータ380、凝縮器520、ファン530、およびユーザインタフェース570に接続される。以下で論じるように、CPU 550は、ユーザインタフェース570から受信した命令に応答して機械20を動作させるように適切にプログラムされている。
【0041】
機械20は1800ワットの最大負荷で動作するように構成されることが好ましく、これは一般に台所の標準的なコンセントが処理できる最大負荷であると理解されよう。
【0042】
ポッド
ポッド30は、1杯分の冷凍菓子(例えば、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、スムージーなど)を提供するための原料の供給物を含有する。本発明の好ましい形態では、ポッド30は1回使用の使い捨てポッドとして提供され、すなわち冷凍菓子の一杯毎に新しいポッド30が使用される。
【0043】
上述したように、また以下で論じるように、ポッド30(およびその内容物)の冷却を加速し、それによって冷凍菓子を製造する過程を加速するように、ポッド30は独自の構成および独自の構造を備える。
【0044】
より具体的には、ここで図18図20に注目すると、ポッド30は概して、内部に開口部590が形成された基部580を備える。外側中空管600は、基部580の外周から上向きに立ち上がっており、内側中空管610は、基部580の開口部590内に配置され基部580の内周から上向きに立ち上がっている。この構造の結果、環状凹部620(すなわちトロイダル型凹部620)が基部580、外側中空管600、および内側中空管610の間に形成され、環状凹部620は概して、フロア630(基部580によって規定される)、外壁640(外側中空管600によって画定される)、および内壁650(内側中空管610によって画定される)によって特徴付けられる。ポッド30の外側中空管600がネスト140の外壁220と密接に滑り嵌合し、かつポッド30の内側中空管610がネストアセンブリ50の内壁230と密接に滑り嵌合して、ポッド30がネスト140の環状凹部210内に着座することができるように、ポッド30の外側中空管600の直径はネスト140の座ぐり穴190の直径より僅かに小さく、ポッド30の内側中空管610の直径はネストアセンブリ50の中空円筒200の直径より僅かに大きいことに留意されたい。
【0045】
好ましくは、ポッド30の基部580は高熱伝達材料(例えば、アルミニウム、成形ポリマーなど)を含み、ポッド30の外側中空管600は高熱伝達材料(例えば、アルミニウム、成形ポリマーなど)を含み、ポッド30の内側中空管610は高熱伝達材料(例えば、アルミニウム、成形ポリマーなど)を含む。本発明の1つの好ましい形態では、基部580、外側中空管600、および内側中空管610は、プラスチック/金属薄膜複合材料(すなわち、金属薄膜の被覆を有するプラスチック本体)を含む。プラスチック/金属薄膜複合材料は、熱伝達の改善を可能にし、ポッド30の内容物の保存を手助けし、また同時にポッド30に独特の包装外観を提供することを理解されたい。好ましくは、基部580、外側中空管600、および内側中空管610は実質的に硬質である。
【0046】
従って、ネストアセンブリ50およびポッド30の独特の構成および独特の構造により、ポッド30がネスト140の環状凹部210内に配置された場合、ネスト140の外壁220によってポッド30の外壁640に冷熱を効率的に与えることができ、ネストアセンブリ50の内壁230によってポッド30の内壁650に冷熱を効率的に与えることができ、ネスト140の環状凹部210のフロアによってポッド30の基部580に冷熱を効率的に与えることができることが分かるであろう。その結果、機械20はポッド30(およびその内容物)を急冷して、1杯分の冷凍菓子を短時間で提供することができる。
【0047】
ポッド30はまた、キャップ660、外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690を備える。
【0048】
キャップ660が、長軸方向にポッド30の環状凹部620の中へ、次いで環状凹部620に沿って移動することができるように、キャップ660はポッド30の外壁640の直径よりも僅かに小さいサイズの外側縁部700を有し、キャップ660はポッド30の内側中空管610よりも僅かに大きい直径を有する内孔710を有する(下記参照)。キャップ660は好ましくは実質的に硬質である。
【0049】
キャップ660はまた、プランジャ330の対応するフィンガ400と係合するためのフィンガ720を備え、それにより、以下で論じるように、プランジャ330によってポッド30のキャップ660に回転および長軸方向の動きを与えることができる。キャップ660はまた、以下でさらに詳細に論じるように、プランジャ330の中空ファング410、420による貫通のための、それぞれの脆弱部分730、740を備える。
【0050】
外側らせん状スクレーパパドル670は、キャップ660と底部スクレーパパドル690との間に延び、環状凹部620の外壁640と密接に滑り嵌合する外側縁部750を備える。内側らせん状スクレーパパドル680はキャップ660と底部スクレーパパドル690との間に延び、ポッド30の内側中空管610と密接に滑り嵌合する内側縁部760を備える。底部スクレーパパドル690は、基部580と接触し環状凹部620の外壁640と密接に滑り嵌合する外側リング770と、基部580と接触しポッド30の内側中空管610と密接に滑り嵌合する内側リング780と、基部580と接触し外側リング770と内側リング780との間に延びる一対のストラット790とを備える。この構造の結果、外側らせん状スクレーパパドル670が回転しポッド30の外壁640の内側表面を掻き取り、内側らせん状スクレーパパドル680が回転し、内側中空管610の外部表面を掻き取り、ストラット770が回転し、基部580のフロア630を掻き取るように、フィンガ720を使用してキャップ660を回転させることができる。外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690を設けることは非常に有利であると理解されよう。なぜなら、外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690は同時に、(i)冷凍菓子の均一かつ迅速な形成を確実にするようにポッド30の内容物を撹拌し、かつ(ii)ポッド30の内容物の冷却を阻害し得る、基部580、外側中空管600、および内側中空管610上での冷凍菓子の堆積を防止する、ことができるからである。
【0051】
外側らせん状スクレーパパドル670および内側らせん状スクレーパパドル680は、キャップ660に縦方向の力を加えることによって長軸方向に圧縮させることができ、それによりキャップ660をポッド30の環状凹部620の中に、およびそれに沿って移動させ、よってキャップ660を基部580と実質的に係合させるように構成され構築されている(下記参照)。本発明の1つの好ましい形態では、外側らせん状スクレーパパドル670および内側らせん状スクレーパパドル680は、ばね鋼から作られ、長軸方向の力がキャップ660を基部580に対して(またはより正確には、実質的に基部580に対してであり、それは、平坦になった外側らせん状スクレーパパドル670と平坦になった内側らせん状スクレーパパドル680が間に配置されてキャップ660は基部580から僅かに離れることになるからである)押し込んだ場合、外側らせん状スクレーパパドル670および内側らせん状スクレーパパドル680は実質的に平坦な構成に圧縮される。底部スクレーパパドル690もまた、ばね鋼から形成されてもよい。本発明の別の好ましい形態では、外側らせん状スクレーパパドル670および/または内側らせん状スクレーパパドル680(および/または底部スクレーパパドル690)はプラスチックから作られてもよい。所望であれば、外側らせん状スクレーパパドル670および/または内側らせん状スクレーパパドル680(および/または底部スクレーパパドル690)は形状記憶材料(例えば、ニチノール)を含んでもよい。
【0052】
穴800が基部580を貫通し、環状凹部620の内部と連通する。脆弱部分810は通常、穴800を塞いでいるが、材料(例えば、冷凍菓子)が穴800を通過するように適切な力を加えると破断し得る。穴800に隣接して出口ノズル820が基部580に取り付けられており、それにより脆弱部分810が破断した場合、出口ノズル820の出口ポート830が環状凹部620の内部と連通する。
【0053】
ポッド30は概して、2:1よりも大きい、好ましくは約8:1である表面積対体積比を有する。ポッド30の表面積を増大させると、ポッド30(およびその内容物)から熱をより迅速に奪うことが可能になるので、ポッド30内で冷凍菓子が形成される速度が増大することが理解されよう。また、ポッド30をトロイダル型構成(すなわち、内部および外部のアクセス表面を両方有する)で形成すると表面積が増大し、冷熱がポッド30の外側表面およびポッド30の内側表面の両方に同時に与えられ得るので、ポッド30およびその内容物の、より急速な冷却が可能になることが理解されよう。
【0054】
限定ではなく、例として、本発明の1つの好ましい形態では、ポッド30は2.25インチの外径および3.75インチの高さを有し(すなわち、外側中空管600は2.25インチの外径および3.75インチの高さを有する)、それにより26.49平方インチの表面積および14.90立方インチの容積をもたらし、ポッド30は1.4インチの内径および3.75インチの高さを有し(すなわち、内側中空管610は1.4インチの内径および3.75インチの高さを有する)、それにより16.49平方インチの表面積および5.77立方インチの容積をもたらし、それにより42.98平方インチ(すなわち、26.49平方インチ+16.49平方インチ=42.98平方インチ)の総ポッド表面積、および9.13立方インチ(すなわち、14.90立方インチ-5.77立方インチ=9.13立方インチ)の総ポッド容積、および表面積対体積比8.47:1が得られる。
【0055】
ポッド30は、冷凍菓子を形成するための原料(例えば、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、スムージーなど)の新鮮な供給物を含有する。より具体的には、ポッド30は、例えば砂糖および粉末結晶を含有する冷凍菓子ミックス(乾燥または液体)を含有してもよく、好ましくは冷凍菓子ミックスの多くは50μm未満のサイズであり、好ましくは少なくとも0.1体積%の安定剤を含有する。ドライ冷凍菓子ミックスは、好ましくは、その成分(例えば、砂糖および粉末結晶)の少なくとも50%が50μm以下のサイズを有する。
【0056】
ポッド30が1杯分のアイスクリームを製造する場合、本発明の好ましい形態では、ポッド30は約4~6オンスの原料を保持してもよく、原料は約8%の脂肪(例えば、クリーム、バター、無水乳脂肪、植物性脂肪など)、約1%の無脂乳固形分(MSNF)(例えば、脱脂粉乳(SMP)、全脂粉乳(WMP)、無糖練乳、練乳など)、約13%のショ糖、約0.5%の乳化剤、および約0.5%の安定剤を含んでもよい。
【0057】
限定ではなく、さらなる例として、ポッド30が1.25オンスの乾燥ヨーグルトミックスを含有する場合、機械20を運転した後に、5オンスのフローズンヨーグルトがポッド30内に形成されるであろう。
【0058】
システムの使用
ここで図21に注目すると、機械20は、常温水タンク430の中に水を導入し、機械20を作動させることによって、使用のための準備がなされる。水センサ450は、常温水タンク430内に水があることを確認する。次いで、機械20は、常温水タンク430から冷水タンク440の中に水をポンプで送り出し、冷水タンク440内の水を、TECアセンブリ470を使用して冷やす。水温センサ460は、冷水タンク440内の水の温度を監視する。好ましくは、冷水タンク440内の水は約1~3℃に冷却される。次に機械20は、この待機状態に置かれ、1杯分の冷凍菓子(例えばアイスクリーム、フローズンヨーグルト、スムージーなど)を調製する時まで、必要に応じて冷水タンク440内の水を再冷却する。
【0059】
1杯分の冷凍菓子を調製する場合、機械20の蓋アセンブリ60が開かれ、新しいポッド30がネスト140の環状凹部210内に配置される。これは、ポッド30の出口ノズル820がネスト140の出口ノズル233に着座するように行われる。次に、プランジャ330のフィンガ400がポッド30のフィンガ720と係合するように蓋アセンブリ60が閉じられ、それによりプランジャ330の中空ファング410、420がポッド30の2つの脆弱部分730、740を貫通する。加えて、容器(すなわち、冷凍菓子が消費されることになる容器)が、ネストアセンブリ50の出口ノズル233の下方の中央に置かれた状態で、機械20のトレイ130上に置かれる(代替として、冷凍菓子がコーンから消費される場合には、コーンはトレイ130の上方に保持される)。
【0060】
ポッドセンサ235がネスト140の環状凹部210内にポッド30の存在を感知すると、機械20はTECアセンブリ240および円筒状TEC 280を介してネストアセンブリ50を冷却し、これが次に、ネスト140の環状凹部210内に位置するポッド30(およびその内容物)を冷却する。TECアセンブリ240は、ネスト140の外面170を冷却して環状凹部210の外壁220を冷却し、それによってポッド30の中空外側管600を冷却し、円筒状TEC 280は中空円筒200を冷却して環状凹部210の内壁230を冷却し、それによってポッド30の中空内側管610を冷却することに留意されたい。そのトロイダル型構成によって提供されるポッド30の高い表面積対体積比は、ポッド30(およびその内容物)の、より速い冷却を可能にすることに留意されたい。限定ではなく、例として、ポッド30の内容物は約-30℃の温度に冷却することができ、それによりアイスクリームは2分以内に作られる(ポッド30の内容物は、-18℃の温度でアイスクリームに変わり、より低い温度ではアイスクリームがさらに速く製造されることになる)。また、TECアセンブリ240および円筒状TEC 280を介してポッド30から取り除かれた熱は放熱アセンブリ90に伝達され、周囲に放散されることにも留意されたい。
【0061】
ポッド30が適切に冷却された時、水ポンプ480は、適量の冷水(例えば、少なくとも1.25オンスの冷水)を冷水タンク440からプランジャ330の中空ファング410の中に、次いでキャップ660の脆弱部分730を通して送り出し、その結果、冷水がポッド30の内部に噴霧され、ポッド30の内容物と混ざり合う。本発明の好ましい一形態では、2℃の4オンスの水がポッド30の中に噴霧される。同時に、回転モータ360がプランジャ330を回転させ、それによってポッド30のキャップ660が回転し、それにより外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690がポッド30の環状凹部620内で回転する。
【0062】
ポッド30の出口ノズル820がネストアセンブリ50の出口ノズル233に配置されているので、キャップ660、外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690だけが回転し、ポッド30の残りの部分は静止したままであることに留意されたい。
【0063】
この回転動作によりポッド30の内容物が撹拌されて、ポッド30の内容物が均一かつ迅速に混ざり合うことが確保される。加えて、この回転動作により、外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690はポッド30の壁を連続的に掻き取るようになり、それにより、ポッド30の壁への冷凍菓子の(ポッド30の内容物の冷却を阻害し得る)堆積が防止される。次いで空気ポンプ490は、プランジャ330内の中空ファング420の中に、次いでキャップ660内の脆弱部分740を通して空気を送り出し、それにより空気はポッド30の内部に入りポッド30の内容物と混ざり合う。好ましくは、ポッド30内に約30%~50%のオーバーラン(すなわち、気泡)を与えるのに十分な空気がポッド30の中にポンプで送り込まれ、それによってアイスクリームに所望の「ロフト(loft)」がもたらされる。これが生じると、外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690はポッド30の内容物を撹拌し続けてポッド30の内容物が均一かつ迅速に混ざり合うことが確保され、それによりポッド30の壁を連続的に掻き取り、これによって、ポッド30の壁への冷凍菓子の(ポッド30の内容物の冷却を阻害し得る)堆積が防止される。
【0064】
「滑らかな」冷凍菓子を作るためには、冷凍菓子中に形成される氷晶の大部分は約50μmより小さくなければならない。多くの氷晶が50μmより大きい場合、または極端に大きい氷晶(すなわち、100μmを超える)が存在する場合、冷凍菓子は「きめが粗い」と考えられる。システム10は、大部分が約50μmより小さい氷晶を提供することによって「滑らかな」冷凍菓子を製造するように設計されている。
【0065】
より具体的には、適切な分散(数、サイズおよび形状)を有する氷晶を開発するためには、凍結プロセス、すなわち核形成と結晶成長の割合を制御することが必要である。システム10はこれを、ポッド30の環状凹部620の内側表面および外側表面を同時に掻き取ることによって実施する。加えて、多数の小さな氷晶を生成するために、ポッド30内の凍結条件は核形成を促進し、氷晶成長を最小限に抑えるものでなければならない。急速な核形成を促進するために、氷核形成を促進することは、非常に低い温度、例えば理想的には-30℃と低い温度を必要とする。システム10は、ポッド30の内容物を非常に急速に(例えば、2分以内に)凍結させ、それによって氷晶が「熟成する」(すなわち成長する)時間を有することを防ぐ。さらに、いったん氷核が形成されると、氷晶を可能な限り小さく保つためには、それらの成長を最小限に抑える条件が必要である。可能な限り小さい氷晶を得るためには、氷晶の「熟成」(すなわち成長)を最小限に抑えるために、滞留時間を可能な限り最短にすることが必要である。これを、システム10は、複数の内部スクレーパパドルを使用してポッドの壁から氷晶を取り除くことによって達成し、それにより氷晶を小さく(例えば、50μm未満に)保つ高いスループット率を生み出すことが促進される。
【0066】
ポッド30内の冷凍菓子が機械20のトレイ130上に置かれている容器(すなわち、冷凍菓子が消費されることになる容器)の中に、またはトレイ130の上方に保持されているコーンの中に分配される準備ができている時、垂直モータ380はプランジャ330を垂直方向に移動させ、その結果、プランジャ330はポッド30のキャップ660をポッド30の基部580に向かって下方に押し下げ、外側らせん状スクレーパパドル670および内側らせん状スクレーパパドル680はキャップ660の前進と共に長軸方向に圧縮される。この動作により、環状凹部620の容積は減少する。ポッド30内の冷凍菓子の力がポッド30の脆弱部分810を破断させ、冷凍菓子がポッド30の出口ポート830から押し出されるまで、垂直モータ380はプランジャ330を垂直方向に移動させ続け、環状凹部620の容積を減少させ、その時点で、冷凍菓子はネスト140の出口ポート234を通過し、トレイ130上にセットされた容器(すなわち冷凍菓子が消費されることになる容器)の中に、またはトレイ130の上方に保持されたコーンの中に入る。この動作は、キャップ660が基部580に押し付けられて、冷凍菓子の全てがポッド30からアイスクリームが消費されることになる容器の中に効果的に放出されるまで続く。
【0067】
その後、使用済みポッド30を機械20から取り除いてもよく、別の1杯分の冷凍菓子を調製する時には、それを新しいポッド30と交換し、前述のプロセスを繰り返してもよい。
【0068】
ネストアセンブリの内側部分を冷却するための代替的手法
所望であれば、ここで図22に注目すると、円筒状TEC 280はヘリカルコイル840によって置き換えられてもよく、ヘリカルコイル840はそれ自体がTEC要素 850によって冷却される。
【0069】
代替として、所望であれば、ここで図23に注目すると、TECアセンブリ240がネスト140の中空円筒200(およびネスト140の底面)を冷却できるように、TECアセンブリ240をネスト140の底面160に取り付けてもよい。
【0070】
冷たい飲料を提供するためのシステムの使用
システム10はまた、1杯分の冷たい飲料を提供するために使用することができる。限定ではなく例として、ポッド30は、冷たいティー(「アイスティー」と呼ばれることもある)、冷たいコーヒー(「アイスコーヒー」と呼ばれることもある)、冷たいソーダ、冷たいビールなどを作るための原料の供給物を含有してもよい。この状況では、ポッド30は、乾燥または液体の冷たいティーミックス、乾燥または液体の冷たいコーヒーミックス、乾燥または液体のソーダミックス、または乾燥または液体のビールミックスなどを含有してもよい。
【0071】
システム10が冷たい飲料を1杯分提供するために使用される場合、冷たい飲料を作るために使用される原料の供給物を含有するポッド30がネストアセンブリ50の中に挿入される。次いで、ネストアセンブリ50を使用してポッド30が冷却され、冷水が冷水タンク440からポッド30の中にポンプで送り出され、そこでポッド30内に含有されている原料と組み合わさり、外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690によって混ぜ合わされる。混ぜ合わせが完了すると、垂直モータ380が起動され冷たい飲料を待機中の容器の中に放出する。
【0072】
冷たい飲料が製造される場合、空気はポッド30の中にポンプで送り込まれても、送り込まれなくてもよいと理解されよう(例えば、冷たいティーまたは冷たいコーヒーが製造される場合は空気がポッド30の中にポンプで送り込まれなくてもよく、冷たいソーダまたは冷たいビールが製造される場合は空気がポッド30の中にポンプで送り込まれてもよい)。
【0073】
冷たい飲料が製造される場合には、所望に応じて、外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690はポッド30から省略してもよいことも理解されよう。
【0074】
熱い飲料を提供するためのシステムの使用
システム10はまた、1杯分の熱い飲料を提供するために使用することができる。限定ではなく例として、ポッド30は、ホット飲料、例えば、ホットチョコレート、ホットコーヒーなどを作るための原料の供給物を含有してもよい。この状況では、ポッド30は、お湯と混ぜ合わせた時に所望の飲料を提供する原料から作られたドライミックス、例えばホットチョコレートパウダー、インスタントコーヒーミックスなどを含有してもよい。
【0075】
システム10が熱い飲料を1杯分提供するために使用される場合、熱い飲料を作るために使用される原料の供給物を含有するポッド30がネストアセンブリ50の中に挿入される。次いで、ネストアセンブリ50を使用してポッド30が加熱され、常温水が常温水タンク430からポッド30の中にポンプで送り出され、そこでポッド30内に含有されている原料と組み合わさり、外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690によって混ぜ合わされる。
【0076】
TECアセンブリ240を使用して、TEC要素250に供給される電流の方向を単に逆転させることによって、ネスト140の外側表面に熱を供給してもよく、円筒状TEC 290を使用してネスト140の内側円筒に熱を供給し、それによってポッド30の内容物を加熱してもよいことに留意されたい。加えて、所望であれば、例えば常温水タンク430とプランジャ330の中空ファング410との間のラインに配置された抵抗加熱器を介して、常温水タンク430内の常温水をポッド30の中に注入する前に加熱してもよい。熱い飲料が製造される場合、一般に空気はポッド30の中にポンプで送り込まれないことが理解されよう。
【0077】
多くの場合、例えばコーヒーまたはティーの場合などには、粒状原料の供給物に水を通すことによって熱い飲料を「抽出する」ことが望ましい場合がある。その目的のために、ここで図24図27に注目すると、ポッド30は、抽出されるべき粒状原料(例えば、挽いたコーヒー豆、茶葉など)の供給物を収めるフィルタ860を備えることができる。本発明の1つの好ましい形態では、図24図27に示すように、フィルタ860はキャップ660に隣接して配置され、例えばフィルタ860はキャップ660に固定され、外側らせん状スクレーパパドル670、内側らせん状スクレーパパドル680、および底部スクレーパパドル690はポッド30から省略される。プランジャ330がキャップ660を基部580に向かって押しつぶすと、フィルタ860も押しつぶされることが好ましく、それによってフィルタ860内に含有される粒状原料の圧縮が可能になり、それにより例えばいわゆる「フレンチプレス」コーヒーメーカーのように、フィルタ860から流体が押し出されることにも留意されたい。フィルタ860は、押しつぶされている間にフィルタ860の粒状の内容物がポッド30から出ないように、その構造的完全性を維持するように構築されていることも理解されたい。
【0078】
代替的構成
所望であれば、ここで図28に注目すると、機械20はキャビネット870に取り付けることができ、キャビネット870は脚部880上に載っている。この構成では、キャビネット870は、放熱アセンブリ90から熱を除去するための追加の冷却装置(例えば、追加のヒートパイプ、凝縮器およびファン、または従来の冷却装置など)を含むことができる。キャビネット870はまた、新しいポッド30、および/または冷凍菓子(例えば、ボウルおよびコーン)、冷たい飲料(例えば、カップ)、および熱い飲料(例えば、カップ)を収容するための容器を収容するように構成され得る。
【0079】
冷凍コイルによるポッドの冷却
本発明の別の形態では、ここで図29図31に注目すると、ネストアセンブリ50は、外壁220Aおよび内壁230Aによって特徴付けられるトーラスの形態のネスト140Aを備える代替のネストアセンブリ50Aによって置き換えられてもよく、ここでトーラスは高熱伝達材料(例えば、アルミニウム)から形成され、さらにTECアセンブリ240は放熱アセンブリ90Aに連結されている冷凍コイル240Aによって置き換えられ、放熱アセンブリ90Aは冷凍コイル240Aを駆動するためのコンプレッサを備える。この構成の結果、ネストアセンブリ50A(従ってネストアセンブリ50A内に配置されたポッド30)は、従来の冷凍システムを介して冷却することができることが理解されよう。この構成は、ポッド30をTEC要素250の熱的性能を超える-40℃に急冷することができるので有利であり得る。
【0080】
代替的なネストおよびポッドの構造
前述の開示において、ネストアセンブリ50およびネストアセンブリ50Aは、内部冷却要素(例えば、TEC 280を含有する中空円筒200)、ならびに外部冷却要素(例えば、TECアセンブリ240)を備え、ポッド30はネストアセンブリ50および50Aの内部冷却要素を収容するための内側開口部(すなわち、内側中空管610の内腔)を備える。しかし、所望であれば、内部冷却要素をネストアセンブリ50および50Aから省略してもよく、その場合、ポッド30の内側開口部も省略してもよい。
【0081】
好ましい態様の変形例
本発明の本質を説明するために本明細書に記載および図示されている詳細、材料、工程および部品の配置において、多くの追加の変更が、本発明の原理および範囲内に依然として留まりつつ、当業者によってなされ得ると理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31