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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   F21V 9/30 20180101AFI20240603BHJP
   C09K 11/64 20060101ALI20240603BHJP
   C09K 11/66 20060101ALI20240603BHJP
   C09K 11/68 20060101ALI20240603BHJP
   C09K 11/67 20060101ALI20240603BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240603BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240603BHJP
【FI】
F21V9/30
C09K11/64
C09K11/66
C09K11/68
C09K11/67
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021549846
(86)(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 FI2020050096
(87)【国際公開番号】W WO2020174124
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】20195144
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】513317138
【氏名又は名称】トゥルク ユリオピスト
【氏名又は名称原語表記】Turun yliopisto
【住所又は居所原語表記】Yliopistonmaki, Turun yliopisto, 20014 Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミカ・ラストゥサリ
(72)【発明者】
【氏名】イザベラ・ノルボ
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/015357(WO,A1)
【文献】特開2017-203147(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017212411(DE,A1)
【文献】特開2012-221634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 9/30
C09K 11/08
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整するための照明デバイス(1)であって、
- 予め選択された波長範囲の電磁放射に曝露されているとき白色光を発するように構成されている発光材料(2)と、
- 発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニット(3a)と、
- 発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニット(3b)と、
- 発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を調整して、予め選択された波長範囲の電磁放射に供された結果として発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整するように構成されている計量ユニット(4)と
を備え、
発光材料が、次式(I)
(M’)(M’’M’’’)24(X,X’):M’’’’
式(I)
[式中、
M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択されるアルカリ金属の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し、
M’’は、IUPAC元素周期表の第13族から選択される元素、若しくはIUPAC元素周期表の第3~12族のいずれかから選択される遷移元素の3価の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し、
M’’’は、IUPAC元素周期表の第14族から選択される元素、若しくはIUPAC元素周期表の第13族及び15族のいずれかから選択される元素、若しくはZnの単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し、
Xは、IUPAC元素周期表の第17族から選択される元素のアニオン、若しくはそのようなアニオンの任意の組合せを表し、又はXは存在せず、
X’は、IUPAC元素周期表の第16族から選択される元素のアニオン、若しくはそのようなアニオンの任意の組合せを表し、又はX’は存在せず、
M’’’’は、IUPAC元素周期表の遷移金属から選択される元素、又はTl、Pb、若しくはBiのドーパントカチオン、或いはそのようなカチオンの任意の組合せを表し、又はM’’’’は存在せず、
ただし、X及びX’の少なくとも一方は存在する]
によって表される、照明デバイス。
【請求項2】
第1の波長範囲と第2の波長範囲の差が、少なくとも20nm、又は少なくとも50nm、又は少なくとも100nmである、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
第1の波長範囲の電磁放射が、260~320nm、又は280~310nm、又は290~300nmの範囲から選択される、請求項1又は2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
第2の波長範囲の電磁放射が、330~400nm又は360~380nmの範囲から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
計量ユニット(4)が、発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を、発光材料を第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニット(3a)及び発光材料を第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの第2の励起ユニット(3b)に供給される電流の量を調整することによって調整するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項6】
発光材料によって発せられる白色光の色温度が、2000~13000K又は2400~12500Kの範囲内で調整される、請求項1から5のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項7】
発光材料(2)によって発せられる白色光の色温度を調整する方法であって、
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)によって表される発光材料を用意する工程と、
- 発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させる少なくとも1つの励起ユニット(3a)及び発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させる少なくとも1つの励起ユニット(3b)を用いて、発光材料を電磁放射に供する工程と
を含み、
発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を調整して、電磁放射に供された結果として発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整する、方法。
【請求項8】
第1の波長範囲と第2の波長範囲の差が、少なくとも20nm、又は少なくとも50nm、又は少なくとも100nmである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1の波長範囲の電磁放射が、260~320nm、又は280~310nm、又は290~300nmの範囲から選択される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
第2の波長範囲の電磁放射が、330~400nm又は360~380nmの範囲から選択される、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を、発光材料を第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニット(3a)及び発光材料を第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニット(3b)に供給される電流の量を調整することによって調整する工程を含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
発光材料によって発せられる白色光の色温度が、2000~13000K又は2400~12500Kの範囲内で調整される、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整するための照明デバイスに関する。本開示は更に、発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
建築物内部を照明するために、イルミネーションの色温度を考慮に入れることが重要であることが多い。共用部分では、より暖かい、すなわちより低い色温度の光を使用して、弛緩を促進することが多く、例えば学校及びオフィスでは、より冷たい、より高い色温度の光を使用して、集中を増強させる。光の色温度を調整するのに役立つさまざまな様式がある。調節可能な色温度を有する現在の白色発光ダイオード(LED)照明デバイスは、別個の赤色、緑色及び青色LEDの組合せを使用して、白色光を構成する。したがって、そのようなランプは、ヒトの眼にはっきりと見える別個の赤色、緑色及び青色ドットを含む。本発明者らは、照明デバイス、例えばさまざまな色のスポットを有する代わりに全面にわたって白色外観を有する電球を構成する必要性を認識した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Norrbo, I.; Gluchowski, P.; Paturi, P.; Sinkkonen, J.; Lastusaari, M.、Persistent Luminescence of Tenebrescent Na8Al6Si6O24(Cl,S)2: Multifunctional Optical Markers. Inorg. Chem.、2015、54、7717~7724頁
【文献】Armstrong, J.A.; Weller, J.A.、Structural Observation of Photochromism、Chem. Commun. 2006、1094~1096頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整するための照明デバイスが開示される。照明デバイスは、予め選択された波長範囲の電磁放射に曝露されると白色光を発するように構成されている発光材料と;発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニットと;発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニットと;発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を調整して、予め選択された波長範囲の電磁放射に供された結果として発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整するように構成されている計量ユニットとを備えることができる。発光材料は、次式(I)
(M’)(M’’M’’’)24(X,X’):M’’’’
式(I)
[式中、
M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択されるアルカリ金属の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し、
M’’は、IUPAC元素周期表の第13族から選択される元素、若しくはIUPAC元素周期表の第3~12族のいずれかから選択される遷移元素の3価の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し、
M’’’は、IUPAC元素周期表の第14族から選択される元素、若しくはIUPAC元素周期表の第13及び15族のいずれかから選択される元素、若しくはZnの単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し、
Xは、IUPAC元素周期表の第17族から選択される元素のアニオン、若しくはそのようなアニオンの任意の組合せを表し、又はXは存在せず、
X’は、IUPAC元素周期表の第16族から選択される元素のアニオン、若しくはそのようなアニオンの任意の組合せを表し、又はX’は存在せず、
M’’’’は、IUPAC元素周期表の遷移金属から選択される元素、又はTl、Pb、若しくはBiのドーパントカチオン、或いはそのようなカチオンの任意の組合せを表し、又はM’’’’は存在せず、
ただし、X及びX’の少なくとも一方は存在する]
によって表される。
【0005】
更に、発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整する方法が開示される。方法は、本開示に定義される式(I)によって表される発光材料を用意する工程と;発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させる少なくとも1つの励起ユニット(3a)及び発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させる少なくとも1つの励起ユニット(3b)を用いて、発光材料を電磁放射に供する工程とを含むことができ、発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比が調整されて、予め選択された波長範囲の電磁放射に供された結果として発光材料によって発せられる白色光の色温度が調整される。
【0006】
実施形態のさらなる理解をもたらし、本明細書の一部を構成するように含まれる添付の図面は、実施形態を例示し、明細書本文と共に、上記の原理を説明する助けとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】照明デバイスの一実施形態を示す概略図である。
図2】実施例2の試験結果を開示するグラフである。
図3】実施例2の試験結果を開示するグラフである。
図4】実施例2の試験結果を開示するグラフである。
図5】実施例2の試験結果を開示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整するための照明デバイスであって、
- 予め選択された波長範囲の電磁放射に曝露されると白色光を発するように構成されている発光材料と、
- 発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニットと、
- 発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニットと、
- 発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を調節して、予め選択された波長範囲の電磁放射に供された結果として発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整するように構成されている計量ユニットと
を備え、
発光材料が、次式(I)
(M’)(M’’M’’’)24(X,X’):M’’’’
式(I)
[式中、
M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択されるアルカリ金属の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し、
M’’は、IUPAC元素周期表の第13族から選択される元素、若しくはIUPAC元素周期表の第3~12族のいずれかから選択される遷移元素の3価の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し、
M’’’は、IUPAC元素周期表の第14族から選択される元素、若しくはIUPAC元素周期表の第13及び15族のいずれかから選択される元素、若しくはZnの単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し、
Xは、IUPAC元素周期表の第17族から選択される元素のアニオン、若しくはそのようなアニオンの任意の組合せを表し、又はXは存在せず、
X’は、IUPAC元素周期表の第16族から選択される元素のアニオン、若しくはそのようなアニオンの任意の組合せを表し、又はX’は存在せず、
M’’’’は、IUPAC元素周期表の遷移金属から選択される元素、又はTl、Pb、若しくはBiのドーパントカチオン、或いはそのようなカチオンの任意の組合せを表し、又はM’’’’は存在せず、
ただし、X及びX’の少なくとも一方は存在する]
によって表される、照明デバイスに関する。
【0009】
本開示は更に、発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整する方法であって、
- 本開示に定義される式(I)によって表される発光材料を用意する工程と、
- 発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させる少なくとも1つの励起ユニット(3a)及び発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させる少なくとも1つの励起ユニット(3b)を用いて、発光材料を電磁放射に供する工程と
を含み、
発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を調節して、予め選択された波長範囲の電磁放射に供された結果として発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整する、方法にも関する。
【0010】
一実施形態において、方法は、発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射及び第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させる工程を含む。
【0011】
一実施形態において、照明デバイスは、移動電話等の移動デバイス、ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、液晶ディスプレイ(LCD)、ウインドーディスプレイにおいて、道路灯、家庭用照明、又は装飾的構成要素として使用される。一実施形態において、照明デバイスは、発光ダイオード(LED)、又はマイクロLEDとして使用される。一実施形態において、照明デバイスは、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)、又はマイクロLEDにおいて使用される。一実施形態において、照明デバイスは、蛍光管、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)、又はマイクロLEDにおける部品として使用される。一実施形態において、照明デバイスは、前面灯、背面灯、光導電体、照明ガイド、ファイバー導体、リングライト、若しくはヘッドライト、又は蛍光管として使用される。一実施形態において、照明デバイスは、可撓性がありかつ/又は曲げられる。
【0012】
「予め選択された波長範囲の電磁放射」という用語は、発光材料が曝露されるとき、発光材料が白色光を発するような電磁放射を指すことができる。一実施形態において、発光材料は、230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲を有する電磁放射に曝露されると白色光を発する。一実施形態において、発光材料によって発せられる白色光の色温度は、更に発光材料を300~600nmの範囲、例えば330~600nmから選択され、第1の波長範囲と異なる第2の波長範囲を有する電磁放射に曝露して調整される。
【0013】
380nm~760nmの波長(400~790テラヘルツ)の電磁放射は、ヒトの眼で検出され、可視光として認知される。白色光は、可視スペクトルにおけるさまざまな波長の光の組合せである。本発明者らは、驚いたことに、発光材料を異なる2つの波長範囲の電磁放射に曝露させるときその材料によって発せられる白色光の色温度を調整できることを見出した。すなわち、本発明者らは、発光材料によって発せられる白色光の色温度が冷たい白色から暖かい白色まで調整されうることを見出した。色温度は、太陽光等の可視光、又はランプ等の照明デバイスからの光の測定可能な特性である。照明デバイスの色温度は、光源の光に匹敵する色の光を放射する理想的な黒体放射体の温度である。色温度は、ケルビン(K)で表される。
【0014】
一実施形態において、発光材料によって発せられる白色光の色温度は、2000~13000K又は2400~12500Kの範囲内で調整される。
【0015】
一実施形態において、第1の波長範囲と第2の波長範囲の差は、少なくとも20nm、又は少なくとも50nm、又は少なくとも100nmである。一実施形態において、第1の波長範囲と第2の波長範囲の差は、30nm以下、又は70nm以下、又は100nm以下、又は150nm以下、又は200nm以下、又は250nm以下、又は300nm以下、又は350nm以下である。
【0016】
一実施形態において、第1の波長範囲の電磁放射は、260~320nm、又は280~310nm、又は290~300nmの範囲から選択される。
【0017】
一実施形態において、第2の波長範囲の電磁放射は、330~400nm又は360~380nmの範囲から選択される。
【0018】
一実施形態において、計量ユニットは、発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を、発光材料を第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニット及び発光材料を第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニットに供給される電流の量を調整することによって調整するように構成されている。
【0019】
一実施形態において、第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比は、0から無限大に及ぶことができる。
【0020】
一実施形態において、照明デバイスは、発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている1つの励起ユニットを備える。一実施形態において、照明デバイスは、発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている1つの励起ユニットを備える。
【0021】
一実施形態において、照明デバイスは、発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている2つ以上の励起ユニットを備える。一実施形態において、照明デバイスは、発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている2つ以上の励起ユニットを備える。
【0022】
一実施形態において、照明デバイスは、発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている2つ以上の励起ユニットを備え、2つ以上の励起ユニットのそれぞれが、発光材料を他の励起ユニットとは異なる波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている。すなわち、発光材料を第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている2つ以上の励起ユニットは、発光材料を230~330nmの範囲から選択される異なる波長範囲に曝露させるように構成されうる。
【0023】
一実施形態において、照明デバイスは、発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている2つ以上の励起ユニットを備え、2つ以上の励起ユニットのそれぞれが、発光材料を他の励起ユニットとは異なる波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている。すなわち、発光材料を第1の波長範囲と異なる第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている2つ以上の励起ユニットは、発光材料を300~600nmの範囲から選択される異なる波長範囲に曝露させるように構成されうる。
【0024】
一実施形態において、照明デバイスは、発光材料を、230~600nmを除く範囲から選択される波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニットを備える。
【0025】
一実施形態において、励起ユニットは、紫外(UV)線源、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)、水銀蒸気ランプ、水銀ベース灯、マイクロLED、ガス放電ランプ、蛍光管、白熱ランプ、ハロゲンランプ、フィラメント灯、レーザー灯又はそれらの任意の組合せである。
【0026】
一実施形態において、方法は、発光材料が曝露される第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を、発光材料を第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニット及び発光材料を第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニットに供給される電流の量を調整することによって調整する工程を含む。
【0027】
一実施形態において、計量ユニットは、発光材料を第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニット及び/又は発光材料を第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニットに供給される電流の量を調整することができる任意のデバイス又はシステムである。一実施形態において、計量ユニットは、発光材料を第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニット及び/又は発光材料を第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている少なくとも1つの励起ユニットに供給される電流の比を調整することができる。一実施形態において、計量ユニットは調節可能な電源である。
【0028】
一実施形態において、照明デバイスは、計量ユニットに電流を生成しかつ/又は入れるための電源ユニットを備える。
【0029】
一実施形態において、照明デバイスは、発光材料が曝露される電磁放射が照明デバイスから周囲に移動するのを妨害又は阻止する遮断材料を備える。一実施形態において、遮断材料は、紫外線が照明デバイスから周囲に移動するのを遮断する材料である。一実施形態において、遮断材料は、励起ユニットからの電磁放射に曝露されている発光材料の側に対して発光材料の反対側に位置している。
【0030】
一実施形態において、照明デバイスは透明材料を備える。一実施形態において、透明材料は、電磁放射に曝露されている発光材料の側に位置している。一実施形態において、第1の波長範囲の電磁放射及び/又は第2の波長範囲の電磁放射は、発光材料上に曝露する前に透明材料を通して移動する。
【0031】
一実施形態において、発光材料を曝露させる予め選択された波長範囲の電磁放射は紫外線である。紫外光又は紫外線は、10nm(30PHz)~400nm(750THz)の波長の電磁放射である。紫外線(UVR)の電磁スペクトルは、紫外A(UVA)、紫外B(UVB)、紫外C(UVC)を含めて、ISO規格ISO-21348によって推奨されているいくつかの範囲に細分されうる。UVAの波長は、一般に315~400nmであるとみなされ、UVBの波長は、一般に280~320nmであるとみなされ、UVCの波長は、一般に100~290nmであるとみなされる。
【0032】
一実施形態において、M’は、Na、Li、K、及びRbからなる群から選択されるアルカリ金属の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表す。一実施形態において、M’は、Li、K、及びRbからなる群から選択されるアルカリ金属の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表す。
【0033】
一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択されるアルカリ金属の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表し;ただし、M’は、Na単独の単原子カチオンを表さない。一実施形態において、M’は、Na単独の単原子カチオンを表さない。
【0034】
一実施形態において、発光材料は合成材料である。一実施形態において、発光材料は合成によって調製される。
【0035】
X及びX’の少なくとも1つが存在するという条件は、本明細書において、別段の記載がない限り、X若しくはX’のどちらかが存在する、又はXとX’の両方が存在するように理解されるものとする。
【0036】
本明細書において、別段の記載がない限り、「単原子イオン」という表現は、単原子からなるイオンとして理解されるものとする。イオンが1個より多い原子を含有する場合、これらの原子が同じ元素である場合でも、多原子イオンとして理解されるものとする。したがって、本明細書において、別段の記載がない限り、「単原子カチオン」という表現は、単原子からなるカチオンとして理解されるものとする。
【0037】
ハックマナイトはさまざまなソーダライト材料であり、化学式NaAlSi24(Cl,S)を有する天然鉱物である。ハックマナイトベースの合成材料を調製することができる。式(I)によって表される発光材料には、例えば紫外線に曝露されている結果として、白色光を発するという技術的効果がある。「発光」という表現は、本明細書において、別段の記載がない限り、材料が加熱されることなく発光することができるという特性を指すことができる。
【0038】
一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表す。
【0039】
一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、66モルパーセント(mol-%)以下のNa単原子カチオンを含む。一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、50mol-%以下のNa単原子カチオンを含む。一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、40mol-%以下のNa単原子カチオン、又は30mol-%以下のNa単原子カチオン、又は20mol-%以下のNa単原子カチオンを含む。
【0040】
一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、0~98mol-%のNa単原子カチオンを含む。
【0041】
一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、0~99.99mol-%のK単原子カチオンを含む。一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、40mol-%以下のK単原子カチオン、又は30mol-%以下のK単原子カチオン、又は20mol-%以下のK単原子カチオンを含む。
【0042】
一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、0~99.99mol-%のRb単原子カチオンを含む。一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、40mol-%以下のRb単原子カチオン、又は30mol-%以下のRb単原子カチオン、又は20mol-%以下のRb単原子カチオンを含む。
【0043】
一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、0~99.99mol-%のLi単原子カチオンを含む。一実施形態において、M’は、IUPAC元素周期表の第1族から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表し、組合せが、40mol-%以下のLi単原子カチオン、又は30mol-%以下のLi単原子カチオン、又は20mol-%以下のLi単原子カチオンを含む。
【0044】
一実施形態において、M’は、Li、Na、K、及びRbからなる群から選択される異なるアルカリ金属の少なくとも2つの単原子カチオンの組合せを表す。一実施形態において、M’は、Li、Na、K、及びRbからなる群から選択される異なるアルカリ金属の2つの単原子カチオンの組合せを表す。一実施形態において、M’は、Li、Na、K、及びRbからなる群から選択される異なるアルカリ金属の3つの単原子カチオンの組合せを表す。一実施形態において、M’は、Li、Na、K、及びRbの単原子カチオンの組合せを表す。
【0045】
一実施形態において、M’は、Na単原子カチオンとLi単原子カチオン、K単原子カチオン及び/又はRb単原子カチオンとの組合せを表す。一実施形態において、M’は、Na単原子カチオンとK単原子カチオン又はRb単原子カチオンとの組合せを表す。一実施形態において、M’は、Na単原子カチオンとK単原子カチオン及びRb単原子カチオンとの組合せを表す。
【0046】
一実施形態において、M’は、Na単原子カチオン及びK単原子カチオンの組合せ;又はNa単原子カチオン及びRb単原子カチオンの組合せ;又はK単原子カチオン及びRb単原子カチオンの組合せ;又はNa単原子カチオン、K単原子カチオン、及びRb単原子カチオンの組合せ;又はK単原子カチオン及びRb単原子カチオンの組合せを表す。
【0047】
一実施形態において、M’は、Li単原子カチオン及びNa単原子カチオンの組合せ;又はLi単原子カチオン及びK単原子カチオンの組合せ;又はLi単原子カチオン及びRb単原子カチオンの組合せ;又はLi単原子カチオン、K単原子カチオン、及びRb単原子カチオンの組合せ;又はLi単原子カチオン、Na単原子カチオン、K単原子カチオン及びRb単原子カチオンの組合せを表す。
【0048】
一実施形態において、M’は、Li単原子カチオンを表す。一実施形態において、M’は、K単原子カチオンを表す。一実施形態において、M’は、Rb単原子カチオンを表す。
【0049】
一実施形態において、M’’は、Al及びGaからなる群から選択される金属の3価の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの組合せを表す。
【0050】
一実施形態において、M’’は、Bの3価の単原子カチオンを表す。
【0051】
一実施形態において、M’’は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、及びZnからなる群から選択される元素の3価の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表す。
【0052】
一実施形態において、M’’’は、Si、Ge、Al、Ga、N、P、及びAsからなる群から選択される元素の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表す。
【0053】
一実施形態において、M’’’は、Si及びGeからなる群から選択される元素の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの組合せを表す。
【0054】
一実施形態において、M’’’は、Al、Ga、N、P、及びAsからなる群から選択される元素の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表す。
【0055】
一実施形態において、M’’’は、Al及びGaからなる群から選択される元素の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの組合せを表す。
【0056】
一実施形態において、M’’’は、N、P、及びAsからなる群から選択される元素の単原子カチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表す。
【0057】
一実施形態において、M’’’は、Zn単原子カチオンを表す。
【0058】
一実施形態において、Xは、F、Cl、Br、I、及びAtからなる群から選択される元素のアニオン、又はそのようなアニオンの任意の組合せを表す。一実施形態において、Xは、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択される元素のアニオン、又はそのようなアニオンの任意の組合せを表す。一実施形態において、Xは存在しない。
【0059】
一実施形態において、X’は、O、S、Se、及びTeからなる群から選択される元素のアニオン、又はそのようなアニオンの任意の組合せを表す。一実施形態において、X’は、Sのアニオンを表す。一実施形態において、X’は存在しない。
【0060】
一実施形態において、発光材料は、少なくとも1つの遷移金属イオンがドーピングされている。一実施形態において、発光材料は式(I)によって表され、式中、M’’’’は、IUPAC元素周期表の遷移金属から選択される元素、又はTl、Pb、若しくはBiのカチオン、或いはそのようなカチオンの任意の組合せを表す。一実施形態において、M’’’’は、IUPAC元素周期表のf-ブロックの遷移金属から選択される元素のカチオンを表す。一実施形態において、M’’’’は、IUPAC元素周期表のd-ブロックの遷移金属から選択される元素のカチオンを表す。一実施形態において、M’’’’は、Yb、Er、及びEuからなる群から選択される元素のカチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表す。一実施形態において、M’’’’は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnからなる群から選択される元素のカチオン、又はそのようなカチオンの任意の組合せを表す。一実施形態において、M’’’’は、Tiのカチオンを表す。
【0061】
一実施形態において、発光材料は式(I)によって表され、式中、M’’’’は存在しない。この実施形態において、発光材料はドーピングされていない。
【0062】
一実施形態において、式(I)によって表される発光材料は、発光材料の全量に対して0.001~10mol-%、又は0.001~5mol-%、又は0.1~5mol-%の量のM’’’’を含む。
【0063】
一実施形態において、発光材料は、下記からなる群から選択される:
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Ga)Si24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Cr)Si24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Mn)Si24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Fe)Si24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Co)Si24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Ni)Si24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Cu)Si24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,B)Si24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbMnSi24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbCrSi24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbFeSi24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbCoSi24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbNiSi24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbCuSi24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbSi24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbGaSi24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbAl(Si,Zn)24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbAl(Si,Ge)24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbAlZn24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbAlGe24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbAl(Ga,Si,N)24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbAl(Ga,Si,As)24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbAl(Ga,N)24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbAl(Ga,As)24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Ga)Ge24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Cr)Ge24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Mn)Ge24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Fe)Ge24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Co)Ge24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Ni)Ge24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,Cu)Ge24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRb(Al,B)Ge24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbMnGe24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbCrGe24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbFeGe24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbCoGe24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbNiGe24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbCuGe24(Cl,S):Ti、
(LiNa1-x-y-zRbGe24(Cl,S):Ti、及び
(LiNa1-x-y-zRbGaGe24(Cl,S):Ti
[式中、
x+y+z≦1、
x≧0、y≧0、z≧0]。
【0064】
一実施形態において、発光材料は、(Li,Na)(AlSi)24(Cl,S):Ti、(Na,K)(AlSi)24(Cl,S):Ti、(Na,Rb)(AlSi)24(Cl,S):Ti、Na(AlSi)24(Cl,S):Ti、Na(AlSi)24(Cl,S):Ti、及びNa(AlSi)24(Cl,S):Tiからなる群から選択される。
【0065】
一実施形態において、発光材料は、Norrboら(Norrbo, I.; Gluchowski, P.; Paturi, P.; Sinkkonen, J.; Lastusaari, M.、Persistent Luminescence of Tenebrescent NaAlSi24(Cl,S): Multifunctional Optical Markers. Inorg. Chem.、2015、54、7717~7724頁)による反応によって合成され、その参考文献は、Armstrong & Weller(Armstrong, J.A.; Weller, J.A.、Structural Observation of Photochromism、Chem. Commun. 2006、1094~1096頁)に基づく。化学量論量のゼオライトA及びNaSO、並びにLiCl、NaCl、KCl及び/又はRbClを出発原料として使用することができる。少なくとも1つのドーパントは、TiO等の酸化物として添加される。材料は、以下の通り調製することができる:最初に、ゼオライトAを500℃で1時間乾燥する。次いで、初期の混合物を空気中850℃で48時間加熱する。次いで、生成物を室温に放冷し、粉砕する。最後に、生成物を、12%のH+88%のNの流動する雰囲気下に850℃で2時間再加熱する。調製されたままの材料を水で洗浄して、いずれか過剰のLiCl/NaCl/KCl/RbCl不純物を除去する。純度は、粉末X線回折測定で検証することができる。
【0066】
本明細書に開示された照明デバイスは、予め選択された波長の電磁放射への曝露時に白色光を発する単一の材料を使用することによって白色光の色温度の調整を可能にする付加的有用性を有する。照明デバイスは、単一の発光材料を使用し、白色光のみを生成する付加的有用性を有する。したがって、照明デバイスは、ヒトの眼に見える別個の赤色、緑色又は青色ドットを使用しない。照明デバイスは、使用者により気持ちのよい外観を有する付加的有用性を有する。
【0067】
上記の利益及び利点は、1つの実施形態に関することがあり、又はいくつかの実施形態に関することがあると理解される。実施形態は、記載の問題のいずれか若しくはすべてを解決する実施形態又は記載の利益及び利点のいずれか若しくはすべてを有する実施形態に限定されない。
【0068】
以上に記載した本発明の実施形態は、互いに任意に組み合わせて使用されうる。実施形態のいくつかを組み合わせて、本発明の別の実施形態をなすことができる。本明細書が関連づけられる照明デバイス又は方法は、以上に記載した実施形態の少なくとも1つを含むことができる。
【実施例
【0069】
次に、さまざまな実施形態について詳細に言及し、その実施例を添付の図面で説明する。
【0070】
以下の説明は、いくつかの実施形態を当業者が本開示に基づく実施形態を利用することができるように詳細に開示する。実施形態の工程又は特徴の多くは、本明細書に基づいて当業者に自明であるので、すべての工程及び特徴が詳細に述べられているわけではない。
【0071】
わかりやすくするために、次の例示的実施形態において部品を繰り返して述べる場合、品目番号を継続する。
【0072】
図1は、発光材料によって発せられた白色の色温度を調整するための照明デバイス1の一実施形態を概略的に図示する。図1に示す照明デバイス1は、予め選択された波長範囲の電磁放射に曝露されると白色光を発するように構成されている発光材料2を備える。図1に示す照明デバイス1は、発光材料を230~330nmの範囲から選択される第1の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている励起ユニット3a及び発光材料を第1の波長範囲と異なる300~600nmの範囲から選択される第2の波長範囲の電磁放射に曝露させるように構成されている励起ユニット3bを更に備える。
【0073】
図1に示す照明デバイス1は、発光材料が曝露される電磁放射が周囲に移動するのを妨害又は阻止する遮断材料7を備える。遮断材料は、励起ユニットからの電磁放射に曝露されている発光材料2の側に対して発光材料2の反対側に位置している。図1に示す照明デバイス1は、電磁放射に曝露されている発光材料の側に透明材料6を更に備える。
【0074】
図1に示す照明デバイス1は、発光材料2上に曝露している第1の波長範囲の電磁放射と第2の波長範囲の電磁放射の放射照度の比を調整して、予め選択された波長範囲の電磁放射に供された発光材料2によって発せられる白色光の色温度を調整するように構成されている計量ユニット4を更に備える。図1に示す照明デバイス1は、計量ユニットに電流を生成しかつ/又は入れるための電源ユニット5を更に備える。
【0075】
(実施例1)
材料の調製
次式によって表される材料を調製した:
(Li,Na)AlSi24(Cl,S):Ti3+
NaAlSi24(Cl0.6,S0.15:Ti3+
NaAlSi24(Cl0.8,S0.05:Eu3+,Ti3+、及び
(Na,Rb)AlSi24(Cl0.8,S0.05:Ti3+
【0076】
次の出発原料を使用した。
【0077】
【表1】
【0078】
材料を次の様式で調製した:出発原料を化学量論比で混合した。混合物を空気中850℃で48時間加熱した。生成物を室温に放冷し、粉砕した。最後に、生成物を、12%のH+88%のNの流動する雰囲気下に850℃で2時間再加熱した。
【0079】
(実施例2)
実施例1の材料の試料の試験
各試料に対して、デュアル出力電源を使用した。2つのLEDを、電源に2つの電流計を経由して接続した。LED1は、355nm(実施例1、結果を図2に示す)又は370nm(実施例2~4、結果を図3図5に示す)で操作した。LED2は295nmで操作した。電流計を用いて測定して、0~20mAの電流をLEDに供給した。LEDに対してさまざまな電流比を使用して、試料の発光を測定した。光ファイバーに接続している発光分光計を用いて、各実施例の材料の2つのLEDによる励起状態における発光スペクトルを測定した。専門ソフトウェア(Osram ColorCalculator)を使用して、スペクトルをCCT(相関色温度)値に変換した。放射照度計を用いて、各電流における個々のLEDのUV線強度を測定した。
【0080】
実施例の図2図3図4及び図5では、CCTを2つのLEDの励起放射照度の比の関数として提示する。
【0081】
(実施例3)
さまざまな材料の調製
実施例1に提示された概要に従って、次の出発原料を使用することによって、次の材料を調製した。
【0082】
【表2】
【0083】
上記の実施例2と同様の様式で試験するとき、上記の材料を、発光材料によって発せられる白色光の色温度を調整するときの発光材料として使用できることが認められた。
【0084】
技術の進歩と共に、基本概念はさまざまな形で実施されうることが当業者に自明である。したがって、実施形態は上記の実施例に限定されない。むしろ、実施形態は特許請求の範囲内でさまざまでありうる。
【0085】
以上に記載した実施形態は、互いに任意に組み合わせて使用されうる。実施形態のいくつかを組み合わせて、別の実施形態をなすことができる。本明細書に開示されるデバイス又は方法は、以上に記載した実施形態の少なくとも1つを含むことができる。上記の利益及び利点は、1つの実施形態に関することがあり、又はいくつかの実施形態に関することがあると理解される。実施形態は、記載の問題のいずれか若しくはすべてを解決する実施形態又は記載の利益及び利点のいずれか若しくはすべてを有する実施形態に限定されない。更に、「1つ(an)」の品目への言及は、それらの品目の1つ又は複数を指すと理解される。「含む(comprising)」という用語は、本明細書において、その後に続く特徴又は行為を、追加の1つ又は複数の特徴又は行為の存在を除外することなく含むことを意味するために使用される。
【符号の説明】
【0086】
1 照明デバイス
2 発光材料
3a 励起ユニット
3b 励起ユニット
4 計量ユニット
5 電源ユニット
6 透明材料
7 遮断材料
図1
図2
図3
図4
図5