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  • 特許-車載装置 図1
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  • 特許-車載装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 33/02 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
G11B33/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021558579
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 JP2020038984
(87)【国際公開番号】W WO2022079870
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 伸介
(72)【発明者】
【氏名】次本 治矢
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-224099(JP,A)
【文献】特開2016-130037(JP,A)
【文献】特開2014-182268(JP,A)
【文献】特許第4485522(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
前記表示装置の背面に設置される本体装置と、
前記本体装置の上面に固定される板状の固定部と前記固定部に連続する折曲形成された板状の支持部とを有し、前記支持部に形成された板バネ部によって前記表示装置の背面を支持する支持板と
を備え
前記表示装置における前記板バネ部と当接する部分は、導電性部材によって形成される
ことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
表示装置と、
前記表示装置の背面に設置される本体装置と、
前記本体装置の上面に固定される板状の固定部と前記固定部に連続する折曲形成された板状の支持部とを有し、前記支持部に形成された板バネ部によって前記表示装置の背面を支持する支持板と
を備え
前記本体装置における前記固定部と当接する部分は、導電性部材によって形成される
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
前記表示装置における前記板バネ部と当接する背面および情報を表示する正面が鉛直方向に対して所定角度傾斜しており、
前記固定部が前記本体装置に固定された状態において、前記支持部が鉛直方向に対して前記所定角度傾斜している
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記本体装置は、
上面および底面間の長さが正面および背面間の長さよりも長い箱状の筐体と、
前記筐体の内部に、前記筐体の正面および背面と平行な面方向となるように配置され、前記支持板と電気的に接続される基板と
を備えることを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置と、表示装置の背面に設置される本体装置とを備える車載装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-351094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表示装置の背面に本体装置が設置される車載装置は、本体装置に対する表示装置の固定の仕方によって、表示装置の情報表示面に歪みが発生することがある。
【0005】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、表示装置における情報表示面に歪みが発生することを防止することができる車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る車載装置は、表示装置と、本体装置と、支持板とを備える。本体装置は、前記表示装置の背面に設置される。支持板は、前記本体装置の上面に固定される板状の固定部と前記固定部に連続する折曲形成された板状の支持部とを有し、前記支持部に形成された板バネ部によって前記表示装置の背面を支持する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様に係る車載装置は、表示装置における情報表示面に歪みが発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の対比例に係る車載装置の側断面模式図である。
図2図2は、第2の対比例に係る車載装置の側断面模式図である。
図3図3は、実施形態に係る車載装置の側断面模式図である。
図4図4は、実施形態に係る車載装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、車載装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、第1および第2の対比例に係る車載装置を説明した後に、実施形態に係る車載装置について説明する。以下に説明する車載装置は、オーディオ再生機能、ビデオ再生機能、およびカーナビゲーション機能を備えるマルチメディア機器である。
【0010】
図1は、第1の対比例に係る車載装置の側断面模式図である。図1に示すように、第1の対比例に係る車載装置100は、表示装置101と、本体装置102とを備える。表示装置101の筐体103の正面は、鉛直方向に対して所定角度傾斜している。一方、表示装置101の筐体103の背面は、鉛直方向と平行になっている。筐体103の正面側の内部には、液晶パネル104が設けられる。
【0011】
本体装置102の筐体105の内部には、基板106が設けられる。基板106には、液晶パネル104の駆動回路、およびオーディオ再生回路、およびビデオ再生回路などが設けられる。本体装置102の筐体105は、正面および背面間の長さが、上面および底面間の長さよりも長い横置きの箱形状をしている。
【0012】
表示装置101と本体装置102とは、金属製の前板107を介して、ネジ108によって固定される。前板107は、筐体105の蓋としての機能と、表示装置101と本体装置102を電気的に接続する機能とを備える。液晶パネル104および基板106は、金属製の前板107に接続されることによって、グランドが確保される。
【0013】
車載装置100が車両に搭載される場合、本体装置102の筐体105は、車両のダッシュボードに収納される。ここで、筐体105は、横置きになっているので、奥行き方向に広いスペースを占める。このため、車載装置100は、例えば、小型車のように、ダッシュボード内のスペースが小さな車両に搭載することが困難になる。このため、本体装置102を縦置きにした車載装置もある。
【0014】
図2は、第2の対比例に係る車載装置の側断面模式図である。ここでは、図2に示す構成要素のうち、図1に示す構成要素と同一の構成要素については、図1に示す符号と同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。
【0015】
図2に示すように、第2の対比例に係る車載装置200は、本体装置102が縦置きの状態で表示装置101の背面に取り付けられる。これにより、筐体105は、奥行き方向に占めるスペースが小さくなる。このため、車載装置200は、ダッシュボード内のスペースが小さな車両にも搭載が可能になる。
【0016】
ただし、単に本体装置102を縦置きにして表示装置101の背面に取り付けるだけでは、液晶パネル104のグランドを確保することができない。具体的には、前板107は、筐体105における長手方向の端面に取り付けられる。このため、本体装置102を縦置きにすると、前板107は、筐体105の上面に取り付けられることになり、筐体105の正面に取り付けられる表示装置101と電気的に接続されない。
【0017】
このため、車載装置200では、筐体105の上面に、前板107に代えて、金属製の支持板201が取り付けられる。支持板201は、本体装置102の上面に固定される板状の固定部202と、固定部202に連続する折曲形成された板状の支持部203とを有する。支持部203は、表示装置101の筐体103の正面と同様に、鉛直方向に対して所定角度傾斜している。
【0018】
固定部202は、筐体105の上面に対してネジ109によって固定される。支持部203は、表示装置101の筐体103の背面における上部の傾斜した面に対して、ネジ110によって固定される。これにより、表示装置101と、金属製の支持板201とが電気的に接続されるので、液晶パネル104は、グランドを確保することが可能になる。
【0019】
しかしながら、支持部203の傾斜角度は、折曲形成の精度によって僅かなバラツキが生じる。支持部203の傾斜角度と、表示装置101の背面の傾斜角度が一致していない状態において、支持部203と表示装置101の背面とを無理にネジ110によって固定すると、表示装置101では、破線円で囲む箇所に応力が掛かる。これにより、液晶パネル104では、歪み204が生じ、情報表示面に表示ムラが発生する。
【0020】
そこで、本実施形態に係る車載装置は、表示装置101における情報表示面に歪みが発生することを防止することができる支持板を備える。図3は、実施形態に係る車載装置の側断面模式図である。図4は、実施形態に係る車載装置の背面図である。ここでは、図3および図4に示す構成要素のうち、図2に示す構成要素と同一の構成要素については、図2に示す符号と同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。
【0021】
図3および図4に示すように、実施形態に係る車載装置1は、図2に示す支持板201に代えて、支持板301を備える。支持板301は、本体装置102の上面に固定される板状の固定部302と、固定部302に連続する折曲形成された板状の支持部303とを有する。支持部303には、板バネ部304が形成されている。
【0022】
板バネ部304は、支持部303から表示装置101の背面側に向けて折曲しており、表示装置101の背面を押す方向に付勢することによって、表示装置101の背面を支持する。板バネ部304は、弾性変形することによって、表示装置101の背面に対する支持部303の押圧力を吸収する。これにより、車載装置1では、表示装置101の背面に対する支持部303の押圧力が低減される。したがって、車載装置1によれば、液晶パネル104の情報表示面に歪みが生じることを防止することができる。
【0023】
また、支持部303の傾斜角度と、表示装置101の背面の傾斜角度が一致していない場合であっても、板バネ部304は、表示装置101の背面側に向けて折曲しているので、確実に表示装置101の背面に接触する。したがって、液晶パネル104は、グランドを確保することができる。
【0024】
また、車載装置1の表示装置101における板バネ部304と当接する部分は、導電性部材によって形成される。これにより、支持板301は、確実に表示装置101の背面と電気的に接続される。
【0025】
また、車載装置1の本体装置102における固定部302と当接する部分は、導電性部材によって形成される。これにより、支持板301は、確実に本体装置102の上面と電気的に接続される。
【0026】
また、車載装置1の表示装置101における板バネ部304と当接する背面および情報を表示する正面(情報表示面)は、鉛直方向に対して所定角度傾斜している。固定部302が本体装置102に固定された状態において、支持部303が鉛直方向に対して、表示装置101と同じく所定角度傾斜している。
【0027】
表示装置101によれば、情報を表示する正面が斜め上方を向くように、所定角度傾斜していることで、情報表示面の視認性を向上させることができる。また、支持板301によれば、支持部303の傾斜角度と、表示装置101の傾斜角度とが部品のバラツキによって僅かに違っていても、板バネ部304によって、過度な押圧力を与えることなく、表示装置101の背面を支持することができる。
【0028】
また、本体装置102は、箱状の筐体105と、基板106とを備える。箱状の筐体105は、上面および底面間の長さが正面および背面間の長さよりも長い。基板106は、筐体105の内部に、筐体105の正面および背面と平行な面方向となるように配置され、支持板301と電気的に接続される。これにより、基板106における長手方向の端部と支持板301とが最短距離で電気的に接続できる。
【0029】
また、図4に示すように、板バネ部304は、支持部303に等間隔を空けて設けられる。これにより、板バネ部304は、支持部303に面する表示装置101の背面領域を均等な押圧力によって支持することができる。
【0030】
板バネ部304は、支持板301と一体に形成される。例えば、板バネ部304は、支持部303にC字状の孔が形成されると同時に、舌状の部分が板バネ状になるようにプレスされることによって形成される。これにより、一度に複数の板バネ部304の形成が可能になる。また、車載装置1によれば、支持部303と表示装置101の背面とを接続固定するネジ110が不要になるので、製造コストが低減される。
【0031】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 車載装置
101 表示装置
102 本体装置
103 筐体
104 液晶パネル
105 筐体
106 基板
107 前板
108,109,110 ネジ
301 支持板
302 固定部
303 支持部
304 板バネ部
図1
図2
図3
図4