IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スプレイング システムズ カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-広角散布ノズル 図1
  • 特許-広角散布ノズル 図2
  • 特許-広角散布ノズル 図3
  • 特許-広角散布ノズル 図4
  • 特許-広角散布ノズル 図5
  • 特許-広角散布ノズル 図6
  • 特許-広角散布ノズル 図7
  • 特許-広角散布ノズル 図8
  • 特許-広角散布ノズル 図9
  • 特許-広角散布ノズル 図10
  • 特許-広角散布ノズル 図11
  • 特許-広角散布ノズル 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】広角散布ノズル
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/04 20060101AFI20240603BHJP
   B05B 9/08 20060101ALI20240603BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B05B1/04
B05B9/08
B65D83/00 G
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021562860
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 US2020032195
(87)【国際公開番号】W WO2020231847
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】62/846,055
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595170502
【氏名又は名称】スプレイング システムズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アレンソン, マーク
(72)【発明者】
【氏名】シダーバーグ, ダニエル
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-086265(JP,U)
【文献】特開2008-168167(JP,A)
【文献】特開平09-078073(JP,A)
【文献】米国特許第05921472(US,A)
【文献】特開2017-153392(JP,A)
【文献】特開2002-028545(JP,A)
【文献】特表2007-513763(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0186232(US,A1)
【文献】米国特許第05553783(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00-3/18
7/00-9/08
17/00-17/08
B05D 1/00-7/26
B65D 83/00
83/08-83/76
A01M 1/00-99/00
B22D 11/00-11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル本体と、流量制御要素と、第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスとを備えた散布ノズルであって、
前記ノズル本体は、第1の部分及び第2の部分を有し、前記第1の部分は円筒構成を有し、前記第2の部分は、ドーム状端部壁を含み、前記ノズル本体の前記第1の部分及び第2の部分は、内部流体通路を画成し、前記内部流体通路は、入口端部および前記ドーム状端部壁によって画定された下流端部を有し、
前記流量制御要素は、前記内部流体通路の前記入口端部に配列され、前記流量制御要素は、プレオリフィスを含み、前記プレオリフィスを通って、流体が前記ノズル本体の前記内部流体通路に入ることができ、
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスは、前記ドーム状端部壁内で、各々が、前記ドーム状端部壁の頂点の対向する第1の側および第2の側のそれぞれに配列され、前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスは、第1の端部が第2の端部よりも幅が相対的に狭く、第1の端部が第2の端部よりも頂点に相対的に接近して配列された、細長いスリット状の構成を有するファン形状の流体放出パターンを形成するように構成され、前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスのうち、各放出オリフィスの前記第1の端部の近傍の部分は、前記第1の側から前記第2の側に向かって互いに重なり合っている、散布ノズル。
【請求項2】
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスの各々は、それぞれの放出オリフィスが第1の端部から第2の端部まで延びるにつれて連続的に広がる、請求項1に記載の散布ノズル。
【請求項3】
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスは、互いに対向する方向に延びている、請求項1に記載の散布ノズル。
【請求項4】
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスの各々は、前記ノズル本体の縦軸と鋭角を形成する、それぞれの中心線を有する、請求項1に記載の散布ノズル。
【請求項5】
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスの中心線は、前記ノズル本体の縦方向軸に対して約10度未満の角度を形成する、請求項4に記載の散布ノズル。
【請求項6】
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスの各々は、前記第1の端部における幅よりも前記第2の端部において約3倍広い、請求項1に記載の散布ノズル。
【請求項7】
前記流量制御要素は、前記ノズル本体の前記入口端部に受け入れられるディスク状部材を備える、請求項1に記載の散布ノズル。
【請求項8】
前記プレオリフィスは、前記流量制御要素の中央に配置される、請求項1に記載の散布ノズル。
【請求項9】
前記ドーム状端部壁の外部表面には、前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスの中間の前記ドーム状端部壁の前記頂点を横断する配向リブが設けられている、請求項1に記載の散布ノズル。
【請求項10】
散布装置であって、
流体リザーバと、
前記流体リザーバと流体連通する可撓性導管によって前記流体リザーバに付けられたワンドと、
前記流体リザーバから流体を放出するための前記ワンドに付けられた散布ノズルと、
を備え、
前記散布ノズルは、ノズル本体と、流量制御要素と、第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスとを備え、
前記ノズル本体は、第1の部分及び第2の部分を有し、前記第1の部分は円筒構成を有し、前記第2の部分は、ドーム状端部壁を含み、前記ノズル本体の前記第1の部分及び第2の部分は、内部流体通路を画成し、前記内部流体通路は、入口端部および前記ドーム状端部壁によって画定された下流端部を有し、
前記流量制御要素は、前記内部流体通路の前記入口端部に配列され、前記流量制御要素は、プレオリフィスを含み、前記プレオリフィスを通って、流体が前記ノズル本体の前記内部流体通路に入ることができ、
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスは、前記ドーム状端部壁内で、各々が、前記ドーム状端部壁の頂点の対向する第1の側および第2の側のそれぞれに配列され、前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスは、第1の端部が第2の端部よりも幅が相対的に狭く、第1の端部が第2の端部よりも頂点に相対的に接近して配列された、細長いスリット状の構成を有するファン形状の流体放出パターンを形成するように構成され、前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスのうち、各放出オリフィスの前記第1の端部の近傍の部分は、前記第1の側から前記第2の側に向かって互いに重なり合っている、散布装置。
【請求項11】
前記流体リザーバを使用者の背中で支持するように構成されたショルダーストラップを更に含む、請求項10に記載の散布装置。
【請求項12】
フランジが、前記ノズル本体の前記入口端部に配列され、前記散布ノズルを前記ワンドの端部に固定するための装着ナットを更に含む、請求項10に記載の散布装置。
【請求項13】
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスの各々は、それぞれの前記放出オリフィスが前記第1の端部から前記第2の端部まで延びるにつれて連続的に広がる、請求項10に記載の散布装置。
【請求項14】
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスは、対向する方向に延びる、請求項10に記載の散布装置。
【請求項15】
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスの各々は、前記ノズル本体の縦軸と鋭角を形成する、それぞれの中心線を有する、請求項10に記載の散布装置。
【請求項16】
前記ノズル本体は、縦軸を有し、前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスの各々の中心線は、前記ノズル本体の前記縦軸に対して約10度未満の角度を形成する、請求項15に記載の散布装置。
【請求項17】
前記第1の放出オリフィス及び第2の放出オリフィスの各々は、前記第2の端部において前記第1の端部における幅よりも約3倍広い、請求項10に記載の散布装置。
【請求項18】
前記流量制御要素は、前記ノズル本体の前記入口端部に受け入れられるディスク状部材を備える、請求項10に記載の散布装置。
【請求項19】
前記プレオリフィスは、前記流量制御要素の中央に配置されている、請求項10に記載の散布装置。
【請求項20】
前記ドーム状端部壁の外部表面には、配向リブが設けられ、前記配向リブは、前記第1の放出オリフィスと前記第2の放出オリフィスとの中間の前記ドーム状端部壁の前記頂点を横断する、請求項10に記載の散布装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
【0002】
[0001]本出願は、2019年5月10日に出願された「WIDE ANGLE SPRAY NOZZLE」という名称の米国仮特許出願第62/846,055号の利益を主張し、その内容は、その参照文献を含めて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[発明の背景]
【0004】
[0002]散布装置は、農薬、除草剤および殺菌剤のような液体を散布するために農業産業において長い間使用されてきた。このような散布装置の一例は、操作者が農薬を植物に塗布するために使用する手持ちのワンド(wand)を有するバックパック式散布器である。ワンドは、典型的には、先細分布パターンを有する比較的狭い散布角度を有する散布ノズルを使用する。この種のバックパック式散布装置は安価であるが、多くの欠点を有する。たとえば、ノズルの形状は、植物の散布被覆率を一定にしないことにつながり、処理の効率を低下させる。また、散布角度が狭いため、操作者は、所与の領域に化学薬品を塗布するために多数のパスを行う必要がある。その結果、化学的塗布操作は時間がかかり、従って、より高価になり得る。
【0005】
【発明の目的】
【0006】
[0003]以上のことを考慮して、本発明の一般的な目的は、農業用途で使用される既存の散布器で達成されるよりも、液体のより効果的な塗布につながる改善された噴霧範囲を有する散布装置用散布ノズルを提供することである。
【0007】
[0004]本発明の関連する目的は、農業用途で使用される既存の散布器よりも効率的で時間のかからない方法で液体を塗布できるように、比較的広い分布パターンを生み出す散布装置用散布ノズルを提供することである。
【0008】
[0005]本発明の更なる目的は、均一な散布分布を生み出す散布装置用散布ノズルを提供することである。
【0009】
[0006]本発明の他の目的は、比較的安価に製造できる散布装置用散布ノズルを提供することである。
【0010】
[0007]本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによって明らかになるであろう。識別された目的は、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の教示による散布ノズルを備えたワンドを有する例示的なバックパック散布装置を使用する操作者の斜視図である。
図2図2は、散布ノズルを示す図1の散布装置のワンドの部分斜視図である。
図3図3は、図2の散布ノズルの斜視図である。
図4図4は、図2の散布ノズルの横断面図である。
図5図5は、ノズルの放出端を示す図2の散布ノズルの端面図である。
図6図6は、ノズルの入口端を示す図2の散布ノズルの端面図である。
図7図7は、図2の散布ノズルの側面図である。
図8図8は、図7に示す側とは反対側のノズルを示す図2の散布ノズルの側面図である。
図9図9は、図7に示す側面から90°回転した側面を示す図2の散布ノズルの別の側面図である。
図10図10は、図9に示される側とは反対側のノズルを示す図2の散布ノズルの別の側面図である。
図11図11は、本発明による散布ノズルの別の実施形態の斜視図である。
図12図12は、ノズルの放出端を示す図11の散布ノズルの端面図である。
【0012】
【発明の詳細な説明】
【0013】
[0020]図1および図2を参照すると、本発明に従って構成された散布ノズル12(図2に最もよく見られる)を有する散布装置10の例示的な実施形態が示されている。例示の散布装置10は、農薬、除草剤および殺菌剤のような化学物質を農業および芝生および庭の手入れ環境に放出するのに特に適したバックパック散布器である。しかしながら、本発明は、このような液体の散布またはこのような環境での使用に限定されない。むしろ、本発明の散布ノズル12は、広い角度および均一な分布パターンが有利な任意の適切な液体を散布するためのものである。さらに、本発明の散布ノズル12は、バックパック散布器と共に使用することに限定されない。反対に、本発明の散布ノズル12は、たとえば、自走式であってもよいし、自走式でなくてもよい車輪式散布装置と共に使用することができ、又は、たとえば、このような散布装置のブーム上の複数の離間したノズルの1つであってもよい。
【0014】
[0021]図1に示す実施形態では、バックパック散布装置10は、一般に、散布される液体を貯蔵するためのリザーバ14を含む。この場合のリザーバ14は、使用者の背中でリザーバ14を支持するように構成されたアタッチショルダーストラップ16(そのうちの1つは図1に見られる)を有する。流体リザーバ14は、用途に応じて、たとえば、手持ち式および車輪付き構成を含む他の構成を有することができる。散布される液体を導くために操作者が使用することができる散布ワンド18は、リザーバ14と流体連通する可撓性導管20を介してリザーバ14に付けられる。ワンド18は、リザーバ14内の流体の放出をトリガするように構成された作動装置(図示せず)を装着することができる。また、ワンド18は、たとえば散布ガンとして構成されることを含む、用途に応じて異なる構成を有することができる。
【0015】
[0022]液体を放出するために、図2に示すように、ワンド18の遠位端部に散布ノズル12が装着される。図示の実施形態において、散布ノズル12は、ワンド18のネジ付き端部(図示せず)に受けられる装着ナット22によってワンド18の端部に付けられる。図3に示されるように、フランジ24は、散布ノズル12の(流体の流れの方向に関して)上流の入口端部26に設けられてもよい。このフランジ24は、装着ナット22によってワンド18の遠位端部に捕捉されて、装着ナット22の中央開口部を通って突出する散布ノズル12の本体28を用いて散布ノズル12をワンド18に固定することができる。
【0016】
[0023]散布ノズル12への流体の流量を計量するために、図4および図6に示すように、流量制御要素30が散布ノズル12の入口端部26に設けられる。図示の実施形態において、流量制御要素30は、散布ノズル12の入口端部26に受け入れられるディスク状部材からなる。図示の流量制御要素30は、ノズル本体28の残りの部分とは別個の部品であるインサートとして構成される。しかしながら、代替の実施形態において、流量制御要素30は、ノズル本体28と一体に形成されてもよい。流量制御要素30は、流体がノズル本体28に入る中央に配置されたプレオリフィス32を含む。操作中、このプレオリフィス32は、リザーバから供給された流体がノズル本体28に入るときに、第1の圧力降下を生み出す。中央プレオリフィス32の大きさは、散布ノズル12に対して所望の流量容量を提供するために変化させることができる。
【0017】
[0024]図3図4図7および図8に最もよく示されるように、散布ノズル12の本体28は、上流側円筒部分34および下流側凸部分36を含む。図4に示すように、円筒部分34及び凸部分36は、共に、散布ノズル12の入口端部26から放出端部40まで延びる内部流体通路38を画成する。流量制御要素30のプリオリフィス32は、その下流端部で内部流体通路38に連通する。内部流体通路38の円筒部分34は、ノズル本体12内に流体が溜まるように構成されている。内部流体通路38の円筒部分34内の流体は、上昇するにつれて速度を失う。円筒部分34の長さは、散布ノズルの所望の流量に基づいて変化させることができ、円筒部分34の長さは、より大きな流量に対応する。一実施形態によれば、円筒部分34は、約0.35インチの長さを有することができる。次いで、円筒部分34の下流に配列され、ドーム状の端部壁42で終端する凸部分36は、散布される流体に第2の圧力降下を提供する。また、凸部分36は、散布ノズル12内の流体の霧化を提供するように構成される。一実施形態において、散布ノズル12は、約0.75~約2.0バールの操作圧力を有するように構成される。
【0018】
[0025]ノズル本体28の凸部分36のドーム状の端部壁42には、広角で均一な分布パターンを形成するために、2つの放出オリフィス44,46が設けられている。2つの放出オリフィス44,46は、図5の端面図に示すように、ドーム状の端部壁42の頂点48の両側で互いにオフセットされている。特に、一方の放出オリフィス44は、図7に示す端部壁42の第1の側50に配列され、他方の放出オリフィス46は、図8に示す端部壁42の第2の側52に配列される。2つの放出オリフィス44,46は、同一に構成されるが、反対の実質的に平行な方向に延びる。
【0019】
[0026]各放出オリフィス44,46は、第1の端部54,55から第2の端部56,57まで延びるにつれて広がる細長いスリット状の形状を有し、各オリフィス44,46の縁部は、ドーム状の端部壁42を越えて弧状に延びる。この場合、各放出オリフィス44,46は、第1の端部54,55から第2の端部56,57に向かって連続的に広がる。図示の実施形態において、各放出オリフィス44,46の第2の端部56,57(放出オリフィス44,46の比較的広い端部を表す)は、ノズル本体28の円筒部分34と凸部分36との間の移行部60(即ち、凸部分の上流端部)の近くにある。各放出オリフィス44,46の対向する第1の端部54,55(放出オリフィス44,46の比較的狭い端部を表す)は、端部壁42の頂点48に相対的に近い端部壁42の更に下流部分にある。2つの放出オリフィス44,46は、各々が、第1の方向50および第2の方向52(図7および図8で示す)で見たときに、オリフィス44,46の大部分が互いに重なり合うのに十分な長さに延びる。しかしながら、図5に示されるように、2つの放出オリフィス44,46は、それらの全長に沿って重複しない。さらに、図9および図10に示すように、放出オリフィス44,46は、各オリフィス44,46の中心線62,63がノズル本体の縦軸64に対して鋭角をなすように構成される。
【0020】
[0027]一実施形態において、各放出オリフィス44,46のそれぞれのベースにおける中心は、ノズル本体28の縦軸64から約0.1インチ未満、より具体的には、ノズル本体28の縦軸64から約0.08インチの間隔で配置される。別の実施形態において、各放出オリフィス44,46の中心線は、ノズル本体28の縦軸64に対して約10°未満の角度であり、より具体的には、ノズル本体28の縦軸64に対して約7.5°の角度である。一実施形態において、各放出オリフィス44,46は、ノズル本体28の縦軸64に垂直に延びる水平面で測定した場合、約0.23インチの長さである。さらに別の実施形態において、各放出オリフィス44,46の幅は、第1の端部54,55の幅よりも第2の端部56,57の方が約3倍大きい。例示的な一実施形態によれば、放出オリフィス44,46は、第1の端部54,55において約0.01インチであり、第2の端部56,57において約0.03インチである。2つの放出オリフィス44,46の幅は、所望の流量容量を提供するように調整され、比較的広いオリフィスが比較的高い流量容量を提供する。これらの寸法の全ては、散布ノズルの例示的な実施形態を参照していることを理解されたい。
【0021】
[0028]操作中には、2つの放出オリフィス44,46が一緒になって、放出オリフィスの重なり合う比較的狭い部分が散布パターンの中心を生み出し、放出オリフィスの比較的広い端部が散布パターンの対向する端部を形成する、均一な扇形の散布パターンを生み出す。開示された放出オリフィス構成は、比較的広い角度及び均一な分布を有する散布パターンを生み出す。このようなパターンは、直線経路内の領域を横断することによって、操作者が比較的広い領域にわたって均一に液体を放出することを可能にし、領域の各横断は、前の経路によって生み出された散布パターンの縁部から始まる。
【0022】
[0029]本発明による散布ノズル112の更なる実施形態を図11および図12に示す。散布操作中に散布ノズル112を配向する際に操作者を補助するために、図11および図12の散布ノズル112は、ノズル本体128のドーム状の端部壁142の外部表面から外側に延びる配向リブ170を備える配向特徴を備えて構成される。図示の実施形態において、配向リブ170は、頂点を通り、2つの放出オリフィス144,146との間の中間で、ドーム状の端部壁142の外部表面を横切って延びる。配向リブ170は、それぞれがノズル本体128の円筒部分134の長さに沿ってフランジ124まで延びる2つの側部分172を更に含む。側部分172の1つは図11内で見ることができるが、同一の第2の側部分(その一部は図12で見ることができる)は、ノズル本体128の円筒部分134の第1の側部分に対して180°離間している。この場合、配向リブ170の側部分172は、それぞれ、端部壁142からフランジ124に向かって円筒部分134を下方に延びるにつれて先細になる高さを有するが、高さが先細にならない側部分172を使用することもできる。
【0023】
[0030]使用に際して、操作者は、配向リブ170を使用して、図1に示される散布ワンド18のような、散布ノズル112が使用される散布装置内でどのように配向されるかをより良く見ることができる。また、配向リブ170は、散布ノズル112から放出される液体が操作中に取るであろうパターンの配向を操作者に知らせるのを助けることができる。たとえば、図示された配向リブ170では、散布ノズル112によって生み出された扇形パターンの長縁部はリブ170に対して平行である。配向特徴は、散布ノズル112の配向、特に、散布ノズル112の放出オリフィス144,146の配向の視覚的な表示を操作者に提供する限り、図11及び図12に示すリブ170以外の構成を有することができる。
【0024】
[0031]刊行物、特許出願、および特許を含む、本明細書に引用される全ての参考文献は、各参考文献が参照により援用されることが個々にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されているかのように、参照により本明細書に援用される。
【0025】
[0032]発明を説明する文脈において(特に、以下の請求項の文脈において)、用語「a」、「an」、「the」及び「少なくとも1つの」及び同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方をカバーするものと解釈されるべきである。「少なくとも1つ」という用語の後に1つ以上の項目のリスト(例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」)が続く使用は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、リストされた項目(AまたはB)から選択された1つの項目、またはリストされた項目(AおよびB)の2以上の任意の組合せを意味すると解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」、および「包含する」という用語は、特に断りのない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「含むがそれに限定されない」という意味)として解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中に別段の指示がない限り、範囲内にある各別個の値を個々に参照するための簡潔な方法として役立つことを意図したものに過ぎず、各別個の値は、本明細書中に個々に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供されるいずれかおよび全ての実施例または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより良く照明することを意図したものであり、特に特許請求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。明細書中のいかなる言語も、発明の実施に不可欠であるとしてクレームされていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0026】
[0033]本発明を実施するために本発明者に知られている最良の態様を含めて、本発明の好ましい実施形態をここに記載する。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読むことによって当業者に明らかになるであろう。本発明者らは、当業者が適宜このような変形を採用することを期待しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外に本発明を実施することを意図している。したがって、本発明は、適用可能な法律によって許可されるように、本明細書に添付された請求項に記載された主題の全ての修正および均等物を含む。さらに、本明細書に別段の記載がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、上記の要素の全ての可能な変形における任意の組合せが本発明によって包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12