(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】血管内機器の検出及び圧着測定のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240603BHJP
A61B 1/313 20060101ALI20240603BHJP
A61B 1/01 20060101ALI20240603BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
A61B1/00 526
A61B1/313 510
A61B1/01 512
A61B1/045 622
A61B1/045 614
A61B1/045 618
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022092650
(22)【出願日】2022-06-08
【審査請求日】2022-10-07
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】アタナジウ ランプロス
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-519018(JP,A)
【文献】特開2019-088772(JP,A)
【文献】国際公開第2012/126070(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0169566(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成される実行可能命令を格納した1つ以上のコンピュータ可読媒体と、
を備えるシステムであって、
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
血管の壁及び血管内機器の血管内画像データを取得することであって、前記血管内画像データは複数の画像を含む、取得することと、
前記複数の画像を表す信号を生成することと、
前記複数の画像を表す前記信号に基づいて、前記複数の画像のうち、前記血管内機器に対応する1つ以上の画像を特定することと、
前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像に基づいて、前記血管内機器の3次元(3D)形状の表現を生成することと、
前記血管内機器に対応する管腔セグメントの3D形状の表現を用いて、前記血管の壁に対する前記血管内機器の圧着値を決定することであって、前記圧着値は、前記管腔セグメントの前記3D形状と前記血管内機器の前記3D形状との間のボリューム差に基づく、決定することと、
前記圧着値を示す情報を提示することと、
を実行させるように構成される、
システム。
【請求項2】
前記複数の画像の各々は、前記血管の断面画像であり、前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像の各々は、前記血管内機器のそれぞれの断面に対応する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の画像の各々は、それぞれのAライン群に対応し、前記複数の画像を表す前記信号を生成するために、前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
前記複数の画像の各々に対応する前記それぞれのAライン群に基づいて、前記複数の画像の各々についてそれぞれの信号値を生成すること、
を実行させるように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
前記複数の画像を表す前記信号をセグメントに分割することであって、信号セグメントの各々は、前記複数の画像のうちの2つ以上の連続する画像に対応する、分割することと、
各信号のセグメントのデータを分類器に入力することであって、前記分類器は、前記血管内機器の画像データの表現であるもの、或いは前記血管内機器の画像データの表現ではないもののいずれかとして、前記信号セグメントの各々の分類を出力する、入力することと、
を実行させるように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像を特定するために、前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
1つ以上の信号セグメントを前記血管内機器の画像データの表現とする分類に基づいて、前記1つ以上の信号セグメントに対応する1つ以上の画像を、前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像として特定すること、
を実行させるように更に構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記分類器は、サポートベクタマシン分類器である、
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記分類器は、訓練された分類器であり、
前記信号セグメントの各々についての前記分類は、1つ以上の信号特徴に基づく、
請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記信号セグメントの各々の前記分類は、各信号セグメントの低相レベル及び高相レベル、並びに、各信号セグメントと当該信号セグメントの移動平均平滑化信号との間の信号対雑音比に基づく、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
前記血管内画像データの2次元表現を用いて、ガイドワイヤの表現を含むバイナリマスクを生成することと、
前記バイナリマスクに基づいて、前記血管内機器に対応する画像において前記ガイドワイヤを検出し、前記画像から前記ガイドワイヤを除外又は除去することと、
を実行させるように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像の各々に対して、
Aライン画像のAラインを平均化することによって、Aライン信号を生成することと、
それぞれのAライン信号の谷において、血管内機器のストラット候補を検出することと、
前記Aライン信号の平均値を2で割った値として、谷閾値を計算することと、
前記谷閾値未満であり、かつ、ガイドワイヤ画素に属さないそれぞれのAライン信号の谷に、前記血管内機器の1つ以上のストラットの各々が対応するという決定に基づいて、前記血管内機器の前記1つ以上のストラットを検出することと、
を実行させるように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像の各々について、前記血管内機器の1つ以上のストラットを検出することと、
前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像の各々について、それぞれのオブジェクトを生成することと、
を実行させるように更に構成され、
各オブジェクトは、前記血管内機器のそれぞれの表面セグメントを表し、前記血管内機器の前記3D形状の前記表現は、前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像に対応する前記それぞれのオブジェクトを用いて生成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像の各々についてそれぞれのオブジェクトを生成するために、前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
複数の前記オブジェクトの各々について、前記1つ以上のストラットのそれぞれにわたってそれぞれのスプラインを適用することによって、複数のオブジェクトを生成すること、
を実行させるように更に構成され、
前記複数のオブジェクトは、前記血管内機器の連続する表面セグメントを表す、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像の各々についてそれぞれのオブジェクトを生成するために、前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
第1のオブジェクトを生成すること、
を実行させるように更に構成され、
前記第1のオブジェクトは、前記第1のオブジェクトと比べて前記血管内機器の先行する表面セグメントを表す第2のオブジェクトのデータを用いて、或いは、前記第1のオブジェクトと比べて前記血管内機器の後続する表面セグメントを表す第3のオブジェクトのデータを用いて、或いは、前記第2のオブジェクトの前記データと前記第3のオブジェクトの前記データの両方を用いて、前記第1のオブジェクトの1つ以上の部分を補間することによって、生成される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のオブジェクトを生成するために、前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
前記第1のオブジェクトのサイズを閾値と比較することと、
前記第1のオブジェクトのサイズが前記閾値未満である場合に、前記第2のオブジェクトの1つ以上のストラットと、前記第3のオブジェクトの1つ以上のストラットとを用いて、前記第1のオブジェクトの1つ以上の欠測ストラットを補間することにより、前記第1のオブジェクトを生成することと、
を実行させるように更に構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体及び前記1つ以上のプロセッサは、前記システムに、
前記血管内機器の前記3D形状が前記管腔セグメントの前記3D形状と重ね合わされるように、前記血管内機器の前記3D形状の前記表現を、前記管腔セグメントの前記3D形状の前記表現とともに提示すること、
を実行させるように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記管腔セグメントの前記3D形状の前記表現は、前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像に基づいて生成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記圧着値を示す前記情報は、前記血管内機器が前記血管の壁に完全に圧着されていない割合の標示を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記血管内機器はステントであり、前記血管内画像データは、前記血管の管腔内に配置された前記ステントの画像データを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
1つ以上のプロセッサを備える計算システム
の作動方法であって、
前記計算システムが、血管の壁及び血管内機器の血管内画像データを取得するステップであって、前記血管内画像データは複数の画像を含む、取得するステップと、
前記計算システムが、前記複数の画像を表す信号を生成するステップと、
前記計算システムが、前記複数の画像を表す前記信号に基づいて、前記複数の画像のうち、前記血管内機器に対応する1つ以上の画像を特定するステップと、
前記計算システムが、前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像に基づいて、前記血管内機器の3次元(3D)形状の表現を生成するステップと、
前記計算システムが、前記血管内機器に対応する管腔セグメントの3D形状の表現を用いて、前記血管の壁に対する前記血管内機器の圧着値を決定するステップであって、前記圧着値は、前記管腔セグメントの前記3D形状と前記血管内機器の前記3D形状との間のボリューム差に基づく、決定するステップと、
前記計算システムが、前記圧着値を示す情報を提示するステップと、
を含む方法。
【請求項20】
命令を格納した1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、1つ以上の計算装置によって実行されたときに、前記1つ以上の計算装置に、
血管の壁及び血管内機器の血管内画像データを取得するステップであって、前記血管内画像データは複数の画像を含む、取得するステップと、
前記複数の画像を表す信号を生成するステップと、
前記複数の画像を表す前記信号に基づいて、前記複数の画像のうち、前記血管内機器に対応する1つ以上の画像を特定するステップと、
前記血管内機器に対応する前記1つ以上の画像に基づいて、前記血管内機器の3次元(3D)形状の表現を生成するステップと、
前記血管内機器に対応する管腔セグメントの3D形状の表現を用いて、前記血管の壁に対する前記血管内機器の圧着値を決定するステップであって、前記圧着値は、前記管腔セグメントの前記3D形状と前記血管内機器の前記3D形状との間のボリューム差に基づく、決定するステップと、
前記圧着値を示す情報を提示するステップと、
を実行させる、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療機器の検出及び圧着に関し、より詳細には、ステント等の血管内機器の検出と血管内機器圧着の測定のための機器、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冠動脈疾患は、先進国では主要な死因であり、35歳以上の人の全死因のほぼ3分の1を占める。動脈壁内に動脈硬化性プラークが蓄積すると、動脈狭窄が引き起こされ、血流が悪くなり、最終的に心筋梗塞の原因となる。
【0003】
動脈狭窄の低侵襲治療としては、ステントとして知られる血管内インプラントの使用が挙げられ、これは、動脈形状を復元し、心筋への血流供給を増加させることを目的とする。ステントは、カテーテルを通して狭窄血管に挿入され、ステント内でバルーンを膨らませることによって拡張され、これにより、同時に狭窄を開くとともにステントを膨らませる。バルーンがしぼんだ後、ステントは、標的領域において膨らんだままとなり、そこを開いた状態に保持する。しかしながら、ステントが動脈壁に完全に圧着されず、将来的に深刻な事態を引き起こす場合がある。ステント圧着は、光干渉断層撮影法(OCT)等の血管内イメージングモダリティを用いて視覚的に検証されるが、これは、経験豊富な読影者への依存度が高い手技である。この制約を克服するために、文献上では自動処理方法が導入されている。一部の方法では、ステントストラットを検出し、ステント圧着測定を実行することが可能である。しかしながら、従来の方法では、一部の血管内画像においてステントが完全にイメージングされず、圧着の程度を計算するために2次元(2D)距離測定が用いられる。したがって、従来の方法では、ステントが全ての血管内画像に完全に写っているわけではなく、かつ/又は、圧着率が2D測定に基づいて大まかに推定される場合があるので、従来の方法は、ステントの特定の断面に基づく場合がある。
【発明の概要】
【0004】
血管内機器を検出し、血管壁に対する血管内機器の圧着を測定するためのシステム、方法及びコンピュータ可読媒体が開示される。
【0005】
本開示の一部の実施形態によれば、システムは、1つ以上のプロセッサと、当該1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成された実行可能命令を格納した1つ以上のコンピュータ可読媒体と、を備え、1つ以上のコンピュータ可読媒体及び1つ以上のプロセッサは、システムに、以下を実行させるように構成される:血管壁及び血管内機器の血管内画像データを取得することであって、血管内画像データは複数の画像を含む、取得すること;複数の画像を表す信号を生成すること;複数の画像を表す信号に基づいて、複数の画像のうち、血管内機器に対応する1つ以上の画像を特定すること;血管内機器に対応する1つ以上の画像に基づいて、血管内機器の3次元(3D)形状の表現を生成すること;血管内機器に対応する管腔セグメントの3D形状の表現を用いて、血管壁に対する血管内機器の圧着値を決定することであって、圧着値は、管腔セグメントの3D形状と血管内機器の3D形状との間のボリューム差に基づく、決定すること;及び、圧着値を示す情報を提示すること。
【0006】
一部の実施形態では、血管内機器(ステント等)の各断面にそれぞれ対応する画像が特定され、それを用いて、血管壁に完全に圧着していないステントの割合を示す圧着値が決定される。本開示の実施形態では、例えばステントの撮像断面の全てを使用することにより、また、3Dでステント圧着を測定することにより、圧着測定の精確性が向上する。
【0007】
本開示の更なる特徴は、添付の図面を参照した例示の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。図中、同様の参照文字は、その図面全体を通して同じ又は類似の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面(本明細書に組み込まれ、その一部を構成する)は、本開示の実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0009】
【
図1】
図1は、例示の光干渉断層撮影(OCT)システムを示す。
【
図3】
図3は、対象と、ステントと、イメージングプローブのらせん状経路の例を示す。
【
図4】
図4は、らせん状経路上のOCTイメージングプローブによる例示のAラインスキャンの位置を示す。
【
図5】
図5A~
図5Cは、OCT画像データの一連のフレームにおけるステント外観を示す例示のAライン画像を示す。
【
図6】
図6は、ステント検出に用いられる例示の動作フローを示す。
【
図7】
図7は、血管内画像データの2次元表現を示す例示のカーペットビュー画像を示す。
【
図8】
図8は、
図7の血管内画像データの表現に基づいて生成された例示の信号を示す。
【
図9】
図9は、
図8の信号に重ね合わされた移動平均平滑化信号の例を示すとともに、例示の信号セグメントを示す。
【
図10】
図10は、ステント検出に用いられる例示の動作フローを示す。
【
図13】
図13は、
図12のAライン信号の検出された谷を示し、検出された谷の各々は候補ステントストラットに対応する。
【
図14】
図14は、ステント検出に用いられる例示の動作フローを示す。
【
図15】
図15A~
図15Cは、処理の異なる段階での例示のカーペットビュー画像を示す。
図15Aは、カーペットビュー画像を示す。
図15Bは、
図15Aのカーペットビュー画像のバイラテラルフィルタリングを示す。
図15Cは、カーペットビュー画像のバイラテラルフィルタリング及びバイナリセグメンテーションの後の例示のバイナリ画像を示すとともに、ガイドワイヤオブジェクトの表現を示す。
【
図16】
図16は、例示のカーペットビュー画像を示す。
図16は、
図17に示されるフレームXに対応する縦白線を含み、縦白線は、
図17に示されるガイドワイヤ画素に対応する灰色セグメント(白線を両断する)を含む。
【
図17】
図17は、フレームX(
図16では縦白線として示される)の例示のAライン画像を示す。
図17は、Aライン画像とガイドワイヤ画素(
図16では、縦白線を両断する灰色セグメントとして示される)との間の対応関係を示す。
【
図18】
図18は、例示のAライン信号と、検出されたステントストラットを示す。
図18(並びに対応する
図19及び
図20)は、ステントストラット検出の例を示す。
【
図19】
図19は、
図18の検出されたステントストラットを表示する極座標OCT画像を示す。
【
図20】
図20は、
図18の検出されたステントストラットを表示するデカルトOCT画像を示す。
【
図21】
図21は、ステント圧着測定に用いられる例示の動作フローを示す。
【
図22】
図22A~
図22Cは、3つの連続するバイナリフレームの例を示し、それぞれ、ステントストラット(星印)と、ステントストラットにわたるスプラインを用いて作成された対応するオブジェクト(白色)とを示す。
【
図24】
図24は、ステントボリュームの表現である、ステントの3D形状の例示表現を示す。
【
図25】
図25は、管腔ボリュームの表現である、管腔の3D形状の例示表現を示す。
【
図29】
図29は、機械学習モデルの訓練のための例示の動作フローを示す。
【
図30】
図30は、機械学習モデルの訓練のための例示の訓練データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の段落では、特定の説明的な実施形態を記載する。他の実施形態は、代替、均等物及び変更を含む場合がある。加えて、説明的な実施形態はいくつかの特徴を含む場合があり、特定の特徴は、本明細書に記載の装置、システム及び方法の一部の実施形態には必須ではない場合がある。更に、一部の実施形態は、以下の説明的な実施形態の2つ以上からの特徴を含む。また、本明細書で用いられる場合、「又は」という接続詞は、一般に包括的な「又は」を指すが、明示的に示される場合、或いは文脈上「又は」が排他的な「又は」でなければならないことが示される場合、「又は」は排他的な「又は」を指す場合がある。
【0011】
本明細書には、ステントの検出とステント圧着の測定のためのシステム及び方法の改善が開示される。本開示の特徴は、より速いステント検出や圧着率の精度の向上等、現在の検出方法に優る改善点を提供する。例えば、一部の実施形態は、処理されるデータ量を低減しながらステント検出を実行し、それにより、ステント検出に要する計算時間を短縮することを含む。更に、本開示の特徴によって、より正確な圧着測定が提供される。例えば、一部の実施形態は、ステントの表面に沿って欠測データを補間することと、各フレームのステント輪郭及び対応する管腔輪郭を用いて、ステント及び管腔の3次元(3D)ボリュームを生成することと、を含む。管腔3Dボリュームからステント3Dボリュームが差し引かれて、それぞれの3Dボリューム間のボリューム差が取得され、ボリューム差に基づいてステント圧着率が決定される。本開示の更なる特徴及び改善点を後述する。
【0012】
血管内イメージングプルバックにより、動脈血管を表す多数の2次元(2D)画像が得られる。ステントは、プルバック画像の1/5~1/8に相当する動脈血管のごく一部に配置される。更に、ステントフレームに示されるステントストラットの数は、プルバック時の撮像信号のらせん動作の影響を受ける。各フレーム内に見えるステントストラットは、断面の1/8を表す画像の小さなセグメントから、断面全体を表す画像全体に至るまで、変化し得る。現在利用可能な方法は、動脈プルバック全体をスキャンすること(計算時間を増加させる)と、2D画像に見られる個々のステントストラットの全てを検出することを重視している。これにより、3D空間に存在する問題点であるステント圧着の程度を計算するために、2D距離測定を行うことになる。3Dでステントを表現する方法も導入されているが、そのような方法では3D測定を行うことができず、可視化のみを目的として用いられている。
【0013】
本開示の実施形態は、先に特定した現在利用可能な方法の制約を克服し、高速かつ現実的なステント圧着測定を提供する。一部の実施形態によれば、本明細書に開示されるシステム及び方法は、以下のうちの1つ以上を実行する。A)光干渉断層撮影(OCT)システムのプルバックフレーム(2DのAライン画像フレーム)をインポートし、各画像のAラインを平均化することによってプルバックのカーペットビューを構築し、カーペットビュー画像の各縦線を平均化することによってカーペットビュー信号を抽出する。B)信号を10値のセグメントに分割し、各セグメントについて特徴を抽出し、それらをステント又は非ステントに分類する(カーペットビューのどこからどこまでがステントであるかを示す)。C)ステントに対応する各フレームについて、各フレームのAラインを平均化することによってAライン信号を作成し、Aライン信号の谷を検出する。検出された谷の各々は、ステント候補Aラインに対応する。D)フレームのAライン信号の平均値を計算し、それを2で割って、ステント谷閾値(Thr)を定義する。次に、ステップBのカーペットビュー画像にOtsu自動二値化を適用し、ガイドワイヤオブジェクトを、カーペットビューを貫通するオブジェクトとして定義する。E)各フレーム内のステントAラインを、谷<Thrに対応し、かつガイドワイヤオブジェクト画素に属さないAラインとして検出する。次に、各ステントAラインの最も明るい画素を、ステントストラットとして定義する。F)前後のフレームストラットを用いて、フレームの欠測/未検出ストラットを平均化し、スプラインを用いてそれらを接続する。G)管腔輪郭(例えば独立した管腔検出アルゴリズムによって提供される)を用いて、各輪郭セット(管腔及びステント)を3D空間に変換する。各輪郭セットについてボリュームを作成し、それらのボリューム差としてステント圧着を計算する。本明細書では、先に特定したプロセス及び特徴を詳述する。
【0014】
ここで図面の詳細に目を向けると、
図1は、本開示の1つ以上の態様に係る光学プローブを用いて、本明細書に記載のステント、管腔及び/又はアーチファクトの検出技術の1つ以上の実施形態等のOCT技術を利用するように機能するOCTシステム100を示す。一部の実施形態では、計算システム101は、OCTシステム100を制御するように機能する。一部の実施形態では、計算システム101は、本明細書で説明又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行する。一部の実施形態では、計算システム101は、本明細書に記載又は図示される機能を提供する。一部の実施形態では、計算システム101上で動作するソフトウェアは、本明細書で説明又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行し、又は、本明細書で説明又は図示される機能を提供する。特定の実施形態は、計算システム101の1つ以上の部分を含む。一部の実施形態では、計算システム101は、OCTシステム100の1つ以上の実在物とインタラクトして、OCTシステム100を制御する。計算システム101は、OCTシステム100の実在物の1つ以上と通信し情報を送受信するために、任意の適切なプロトコル、規格、データ交換形式、又はこれらのうちの組合わせを用いてよい。
【0015】
計算システム101は、アプリケーション112及びデータ記憶部113を含む。計算システム101のこれらのコンポーネントは、任意の適切な方式で計算システム101に存在する。例えば、これらのコンポーネントは、1つ又は複数の装置に存在してよい。一部の実施形態では、これらのコンポーネントの一方又は両方は、ソフトウェアアプリケーションの一部として提供されてよい。一部の実施形態では、これらのコンポーネントの一方又は両方は、スタンドアロンのソフトウェアアプリケーションとして提供されてよい。
【0016】
アプリケーション112は、プログラム及び関連データを含む。一部の実施形態では、計算システム101上で動作するアプリケーションは、本明細書で説明又は図示される1つ以上の動作を実行し、又は、本明細書で説明又は図示される機能を提供する。例えば、アプリケーション112のプログラムは、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、本明細書で説明又は図示される1つ以上の動作を計算システム101に実行させる命令を含んでよい。一部の実施形態では、アプリケーションは、計算システム101上でプログラム命令を実行し、本明細書に記載の1つ以上の動作を実行することによってステント検出及びステント圧着測定を実行するための、データ及び1つ以上のプログラムを含む。一部の実施形態では、計算システム101上で動作するアプリケーション112は、OCTシステム100の1つ以上の実在物とインタラクトする。一部の実施形態では、計算システム101上で動作するアプリケーション112は、ネットワーク上の1つ以上の実在物との間で、要求を送信したり情報を受け取ったりすることができる。一部の実施形態では、計算システム101上で動作するアプリケーション112は、ディスプレイ111上に情報を提示する。
【0017】
計算システム101は、データ記憶部113に格納された情報の保持及びアクセスのための機能を提供する。一部の実施形態では、計算システム101上で動作するアプリケーション112は、データ記憶部113に関する動作を実行する。計算システム101は、例えば、エントリをデータ記憶部113に追加すること;データ記憶部113からエントリを削除すること;データ記憶部113内のエントリを変更すること;データ記憶部113内のエントリを検索すること;及び、データ記憶部113からエントリを再取得すること等の、様々な動作を実行することができる。データ記憶部113内の情報は、任意の適切な方式で編成されてよく、また、アプリケーション112の機能を実装するため等の任意の適切な理由のために編成されてよい。一部の実施形態では、計算システム101は、1つ以上の動作を実行して、データ記憶部113において以下のうちの1つ以上を追加、削除、変更、検索又は再取得することができる:OCTシステム100から取得された血管内画像データ;血管内画像データを用いて生成された情報;機械学習モデルに関する情報;又は、その他の適切な情報。血管内画像データは、例えば、血管及び当該血管の管腔内に配置されたステントの画像データや、血管の管腔内の複数の場所で信号を発信及び受信するOCT器具(光学プローブ等)によって取得された複数の画像を含む血管内画像データであってよい。血管内画像データを用いて生成される情報としては、例えば、カーペットビューでの血管内画像データの2D表現、カーペットビュー画像から生成された信号、信号の特徴についての情報、バイナリマスク、輪郭オブジェクト、ステントの3D形状の表現、管腔の3D形状の表現、ステント圧着値を示す情報、その他の適切な情報が挙げられる。
【0018】
OCTシステム100は、光源109、参照アーム102、サンプルアーム103、スプリッタ104、参照ミラー105及び1つ以上の検出器107を備える。OCTシステム100は移相デバイス又はユニット108を含んでよく、1つ以上の実施形態では、移相デバイス又はユニットは省略することができる。1つ以上の実施形態では、OCTシステム100は、患者インタフェースデバイス又はユニット(PIU)110及びカテーテル120(
図1~
図2に図式的に示される)を含んでよく、OCTシステム100は、サンプル又は標的106とインタラクトすることができる(例えばカテーテル120及び/又はPIU110を介して)。1つ以上の実施形態では、OCTシステム100は干渉計を含み、或いは、干渉計は、少なくとも光源109、参照アーム102、サンプルアーム103、スプリッタ104及び参照ミラー105等の、OCTシステム100の1つ以上のコンポーネントによって画成される。
【0019】
光源109はスプリッタ104への光を生じるように機能し、スプリッタ104は、光源109からの光を、参照アーム102に入る参照ビームとサンプルアーム103に入るサンプルビームとに分離する。スプリッタ104は、参照ミラー105、1つ以上の検出器107及びサンプル又は標的106に対して、角度を成して位置付け又は配置される。参照ビームは移相ユニット108(システムに含まれる場合、OCTシステム100に示される)を通過し、参照ビームは参照アーム102の参照ミラー105に反射される。一方、サンプルビームは、サンプルアーム103のPIU(患者インタフェースユニット)110及びカテーテル120を通して、サンプル106から反射又は散乱される。参照ビームとサンプルビームの両方は、スプリッタ104で結合(又は再結合)し、干渉縞を生成する。OCTシステム100及び/又はその干渉計の出力は、1つ以上の検出器107(例えばフォトダイオードやマルチアレイカメラ等)で連続的に取得される。1つ以上の検出器107は、結合又は再結合された2つの放射線又は光ビーム間の干渉又は干渉縞を測定する。1つ以上の実施形態では、フリンジ効果が作り出され、1つ以上の検出器107によって測定することができるように、参照ビームとサンプルビームは、異なる光路長を進む。OCTシステム100及び/又はその干渉計の出力から得られる電気アナログ信号は、デジタル信号に変換されて、計算システム101等のコンピュータによって解析される。1つ以上の実施形態では、光源109は、放射線源であってもよいし、又は、広帯域の波長で放射される広帯域光源であってもよい。1つ以上の実施形態では、ソフトウェア及び電子機器を含むフーリエ解析器を用いて、電気アナログ信号を光スペクトルに変換することができる。
【0020】
光源109は、複数の光源を含んでもよいし、単一の光源であってもよい。光源109は、1つ以上の実施形態において、広帯域レーザ光を発生する。光源109は、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、発光ダイオード(LED)、ハロゲンランプ、白熱灯、レーザによって励起される超連続光源、及び/又は蛍光灯のうち1つ以上を含んでよい。光源109は、少なくとも3つのバンドに分離できる光を提供する任意の光源であってよく、各バンドは更に分散されて、空間情報のスペクトル符号化に用いられる光を提供する。光源109は、OCTシステム100の他のコンポーネントにファイバ結合されてもよいし、自由空間結合されてもよい。
【0021】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、OCTシステムの機能は、光ファイバを用いて実装される。前述したように、本開示のOCT技術の1つの用途は、
図1~
図2に概略的に示されるように、カテーテル120とともにOCTを使用することである。
【0022】
図2は、シース221、コイル222、プロテクタ223及び光学プローブ224を含むカテーテル120の実施形態を示す。
図1~
図2に概略的に示されるように、カテーテル120は、プルバックでコイル222をスピンさせるために、PIU110に接続されることが好ましい(例えば、PIU110の少なくとも1つの実施形態は、プルバックでコイル222をスピンさせるように機能する)。コイル222は、その近位端から遠位端へ(例えば、PIU110の回転モータを介して、又はそれによって)トルクを送達する。1つ以上の実施形態では、評価されている生体器官、サンプル又は物質(血管や心臓等の中空器官等)の全方向ビューを見るために光学プローブ224の遠位端もスピンするように、コイル222は、光学プローブ224とともに/光学プローブ224に固定される。例えば、アクセスするのが困難な内臓器官(血管内画像や消化管、その他の狭域等)へのアクセスを提供するために、OCT干渉計のサンプルアーム(
図1に示されるサンプルアーム103等)内には、光ファイバのカテーテル及び内視鏡が存在してよい。カテーテル120又は内視鏡の内部の光学プローブ224を通る光のビームが関心表面にわたって回転すると、1つ以上のサンプルの断面画像が得られる。3Dデータを取得するために、光学プローブ224は、回転スピン中に長手方向に同時に並進されて、らせん状のスキャンパターンをもたらす。この並進は、プローブ224の先端を近位端に向かって引き戻すことによって行うことができるので、プルバックと呼ばれる。
【0023】
1つ以上の実施形態では、1つ以上のコンポーネント(プローブの1つ以上のコンポーネント(例えばカテーテル120(例えば
図1及び
図2))、針、カプセル、患者インタフェースユニット(例えば患者インタフェースユニット110))を、1つ以上の他のコンポーネント(光学部品、光源(例えば光源109)、偏向部(例えば、光源からの光を光学干渉系へ偏向してから、光学干渉系から受け取った光を少なくとも1つの検出器に向けて送るように機能するコンポーネントである偏向又は被偏向部;1つ以上の干渉計、サーキュレータ、スプリッタ、アイソレータ、カプラ、融着ファイバカプラ、穴を有する部分切断ミラー、タップを有する部分切断ミラー等のうちの少なくとも1つを含む偏向又は被偏向部)、サンプルアーム102、接続コンポーネント及び又は患者ユーザインタフェース110に電力供給するように機能するモータ)に接続するために、患者ユーザインタフェース110は、接続コンポーネント(又はインタフェースモジュール)(回転接合部等)を備えてよく、或いは含んでよい。例えば、接続部材又はインタフェースモジュールが回転接合部である場合、回転接合部は後述するように機能することが好ましい。1つ以上の他の実施形態では、回転接合部は、接触型回転接合部、レンズレス回転接合部、レンズベース回転接合部、又は当業者に既知の他の回転接合部のうちの少なくとも1つであってよい。
【0024】
少なくとも1つの実施形態では、PIU110は、光ファイバ回転接合部(FORJ)と、回転モータ及び並進電動ステージ(例えばPIU110の一部)と、カテーテルコネクタ(例えばPIU110の一部)とを含んでよい。FORJにより、ファイバをファイバ軸に沿って回転させながら、光信号を途切れることなく伝送することができる。FORJは、ロータ及びステータを含む自由空間光ビームコンバイナを有してよい。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、計算システム101は、モータ及び並進電動ステージの動きを制御し、少なくとも1つの検出器107から強度データを取得し、スキャン画像をディスプレイ111(例えばモニタ、スクリーン)上に表示するように機能する。1つ以上の実施形態では、計算システム101は、モータの速度を変更し、かつ/又は、モータを停止するように機能する。モータは、速度を制御して位置の精度を高めるために、ステッピング又はDCサーボモータであってよい。
【0026】
1つ以上の実施形態では、計算システム101は、OCTシステム100、カテーテル120、及び/又は、OCTシステム100の1つ以上の他の前述のコンポーネントを制御するように機能する。少なくとも1つの実施形態では、計算システム101は、OCTシステム100の少なくとも1つの検出器107から強度データを得るように機能し、また、ディスプレイ111上に画像を表示する。OCTシステム100の1つ以上のコンポーネントの出力は、例えばフォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、ラインスキャンカメラ又はマルチアレイカメラ等の、OCTシステム100の少なくとも1つの検出器107によって取得することができる。OCTシステム100又はその1つ以上のコンポーネントの出力から得られる電気アナログ信号は、デジタル信号に変換されて、計算システム101等のコンピュータによって解析される。1つ以上の実施形態では、光源109は、放射線源であってもよいし、又は、広帯域の波長で放射される広帯域光源であってもよい。1つ以上の実施形態では、ソフトウェア及び電子機器を含むフーリエ解析器を用いて、電気アナログ信号を光スペクトルに変換することができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの検出器107は、3つの異なる帯域の光を検出するように構成された3つの検出器を含む。
【0027】
一部の実施形態では、計算システム101はディスプレイ111を含み、ディスプレイ111は、計算システム101の内蔵コンポーネントである。一部の実施形態では、ディスプレイ111と計算システム101は別個の機器であり、ディスプレイ111は、計算システム101と通信する出力機器或いは入出力機器である。
【0028】
計算システム101は、イメージングを実行するためにPIU110、カテーテル120、及び/又はOCTシステム100の1つ以上の他のコンポーネントと通信し、取得された強度データから画像を再構成する。ディスプレイ111は、再構成された画像を表示し、また、撮像条件又は撮像対象の物体に関する他の情報を表示することができる。一部の実施形態では、ディスプレイ111は、液晶ディスプレイ(LCD)とバックライトを含み、これにより、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)に情報を提示する等の出力操作が可能となる。一部の実施形態では、ディスプレイ111は、ディスプレイ111上のGUIに提示されたインタフェース要素に対する接触に基づいて、ユーザ入力又はコマンドを受け取るように動作可能なタッチセンサ式要素を含む。インタフェース要素は、ディスプレイ111上に表示されるグラフィックオブジェクトであり得る。また、ディスプレイ111は、例えば、ステント、管腔エッジ及び/又はアーチファクトの検出等のOCTその他のイメージング技術を実施する際に、ユーザがOCTシステム100を操作するためのGUIを提供する。入力は、例えば、計算システム101に接続又は包含されるタッチパネル機器、キーボード、マウスその他の入力機器を用いて提供することができる。計算システム101は、入力に基づく1つ以上の命令に従って、撮像条件を設定若しくは変更し、イメージングを開始若しくは終了し、かつ/又は、管腔検出、ステント検出及び/若しくはアーチファクト検出を開始若しくは終了するように、OCTシステム100に指示する。OCTシステム100の光源109は、ステータス情報及び制御信号を送受信するために計算システム101と通信するインタフェースを有してよい。
【0029】
1つ以上の実施形態では、ステントストラット検出のために、極座標での画像の各1次元(1D)信号(例えばAライン)に検索を適用することができる。本開示の1つ以上の実施形態では、Aラインから極座標系でOCT画像が形成される。各Aラインは、狭い信号幅並びに/又は鋭い立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのような、金属オブジェクト(例えばステント、ステントストラット、ガイドワイヤ)からのアーチファクトを明確に示すもの;広い信号幅や緩やかな立ち下がりエッジのような、シース反射や他のアーチファクトと比較した場合の、遮るもののない軟部組織の信号の強度及び形状における有意差等、撮像されたオブジェクトに関する情報を含む。各Aラインは、特定の視野角に沿った標的、サンプル又はオブジェクト(血管等)の断面1Dサンプリングを表す。イメージングプローブ又はデバイスが回転すると(例えば約0度から約360度、約180度から約360度、約360度)、対応するAラインにより、極座標において標的、サンプル又はオブジェクト(例えば血管)の完全な2次元断面が形成され、それがデカルト座標に変換されて、標的、サンプル又はオブジェクト(例えば血管)の断面の断層撮影ビュー画像が形成される。
【0030】
図3は、対象(動脈301)と、プルバック時のイメージングプローブのらせん状経路302と、ステント303との例を示す。ステント303は血管内インプラントであり、狭窄血管内に配置されて、該血管を開いた状態に保ち、血流量を増加させる。ステント303は、金属製の円形メッシュ機器であってよい。OCTシステム100は、冠動脈壁の構造を撮像するために用いることができる。イメージングプローブは、大腿動脈を通して冠動脈に挿入される侵襲性光学カテーテルであってよい。カテーテルは、プルバック時に回転スピンを行い、反射した光信号(Aラインと呼ばれる)を収集する。
【0031】
図4は、
図3に示すように動脈301内にステント303が配置された状態で、らせん状経路302上のOCTイメージングプローブによる4つの別個のAラインスキャン401の位置を示す。一部の実施形態では、Aラインの各群は、カテーテルのフルスピンを表し、動脈301のそれぞれの断面(2DOCT画像フレーム)に対応する。
図4に示される例では4つのAラインスキャン401が示されているが、OCT用途では、例えば、血管の断面に対応する各フレームについて約500個のAラインスキャンが含まれ得る。各フレームのデータ収集には、任意の適切な数のAラインスキャン(300~1,000個のAラインスキャン等)を用いることができる。Aラインスキャン401から収集されたデータは、1つ以上のコンピュータ可読媒体に格納することができる。一部の実施形態では、イメージングプローブが回転し、画像又は映像をスキャン及び記録しながらプルバック又は推進される。一部の実施形態では、収集されたデータから3次元データセットが得られる。一部の実施形態では、収集されたデータから2次元画像フレーム(例えばAライン画像)が得られ、各フレームは、異なる長手方向位置で血管の360°スライスを提供する。ステント留置された動脈301が撮像される場合、ステントストラットは、プルバック画像の一部に存在し、光がその金属構造を透過できないので、影が続く明るい形で現れる。カテーテルのらせん運動と、Aライン画像の形成のために各回転で収集されるAライン光サンプルの数により、一部のOCT画像では一部のステントストラットが見えないことがある。ステントの外観は、Aラインスキャン401の各々の位置と、Aラインスキャン401が辿るらせん状経路302とに依存する。OCT画像の一連のフレームにおけるステントストラットの外観の変化を、
図5A~
図5Cに示す。
【0032】
図5A~
図5Cは、OCTAライン画像の一連のフレームにおけるステントの外観を示す。一部の実施形態では、
図5A、
図5B及び
図5Cのそれぞれのフレームにおける各Aライン画像は、1フレーム当たり約500回のAラインスキャンで収集されたそれぞれのデータで構成される。一連のフレームのAライン画像は、異なる数のステントストラットを示す。例えば、
図5Aでは、10個のステントストラット(白い矢印で示す)が見える。一方、
図5Bでは、4個のステントストラットのみ(白い矢印で示す)が見える。そして、
図5Cでは、8個のステントストラット(白い矢印で示す)が見える。この現象により、一部の検出方法によって検出できるステントストラットの数が減少し、これにより、可視ストラットの2D測定に基づくステント圧着測定の精度も下がってしまうおそれがある。本開示の実施形態は、このような問題を軽減する。
【0033】
1つ以上の実施形態では、プルバックの血管内画像データでのステントの位置は、自動的に検出される。1つ以上の実施形態では、個々のステントストラットが自動的に検出される。1つ以上の実施形態では、ステント圧着率が自動的に計算される。
【0034】
図6は、ステント検出に用いられる例示の動作フローを示す。一部の実施形態では、
図6のステップの1つ以上は、計算システム101において、計算システム101上のアプリケーション112のプログラム命令を実行することによって、実行される。
【0035】
ステップS601において、計算システム101は、血管内画像データを取得する。一部の実施形態では、計算システム101は、血管壁と、血管の管腔内に配置された血管内機器(ステント等)の血管内画像データを取得する。血管内画像データは、複数の画像を含んでよい。例えば、血管内画像データは複数のOCT画像フレームであってよく、各OCT画像フレームは、血管内のカテーテルのフルスピンを表すAラインのそれぞれの群に対応する。一部の実施形態では、OCT画像フレームの各々は、血管のそれぞれの断面画像である。一部の実施形態では、複数のOCT画像フレームは、血管内機器に対応する1つ以上の画像を含み、1つ以上の画像の各々は、血管内機器のそれぞれの断面に対応する。一部の実施形態によれば、血管内画像データは、複数のAライン画像を含む。
【0036】
血管内画像データは、ステップS601において適切な方法で取得される。限定ではない例として、OCTシステム100、計算システム101上の1つ以上のコンピュータ可読媒体(例えばメモリや記憶装置)、リモートストレージ、別のソース、或いはこれらのうちの2つ以上の組合わせのうちの1つ以上から、血管内画像データを取得することができる。一部の実施形態では、血管内画像データは、OCTシステム100の少なくとも1つの検出器107から取得される。例えば、計算システム101は、検出器107から強度データを得ることができる。一部の実施形態では、血管内画像データの全部又は一部がデータ記憶部113に含まれており、計算システム101は、データ記憶部113内の血管内画像データにアクセスすることにより、血管内画像データを取得する。例えば、計算システム101は、OCTシステム100その他のソースから血管内画像データを受け取り、データ記憶部113に血管内画像データを格納することができる。その後、計算システム101は、データ記憶部113から血管内画像データを取り出すことができる。一部の実施形態では、血管内画像データの全部又は一部は、ネットワークを介して取得される。例えば、
図27を参照して論じるようなサーバ計算システム2701、クライアント計算システム2702、ネットワーク2703に接続された別の実在物、或いはこれらの組合わせから、血管内画像データの少なくとも一部を受信することができる。
【0037】
ステップS602において、計算システム101は、寸法A×Lを有する血管内画像データの2D表現を生成する。ここで、Aは、1フレームあたりのAライン数であり、Lは、フレーム数である。一部の実施形態によれば、血管内画像データの2D表現は、プルバックのフレーム(L)ごとのAライン(A)の各々を平均化することによって生成される。例えば、一部の実施形態では、計算システム101は、プルバック中に取得されたフレームL(例えばOCT画像フレーム)のAライン画像を全てインポートし、Aライン画像ごとのAラインの各々を平均化する。
【0038】
一部の実施形態では、計算システム101は、ステップS602においてカーペットビュー画像を生成する。例えば、ステップS602において、計算システム101は、ステップS601で取得された血管内画像データを用いて、カーペットビュー画像を生成することができる。一部の実施形態によれば、カーペットビュー画像は、断面OCT画像の2D表現であるが、カーペットの筒を広げるのと似たような方法で展開される。カーペットビュー画像は、縦断面図に沿って横断面図又は極座標図を展開することによる、Aラインの表現である。例えば、計算システム101は、プルバックから取得されたAライン画像ごとのAラインの各々を平均化し、フレームごとのAラインの各々の平均を、2次元A×L(すなわち1フレームあたりのAライン数にフレーム数を掛けたもの)で表示することによって、カーペットビュー画像を生成することができる。カーペットビュー画像の例を
図7に示す。
【0039】
図7は、血管内画像データの2次元表現を示す例示のカーペットビュー画像を示す。寸法A×Lをもつカーペットビュー画像(AはAライン数であり、Lはフレーム数である)は、プルバックからの全ての画像をインポートし、フレームごとのAラインの各々を平均化することによって、作成される。よって、各フレームは、カーペットビュー画像の単一の縦線に対応する。カーペットビュー画像の各縦線は、各フレームのそれぞれのAラインに対応する様々な強度値を含む。
図7は、カーペットビュー画像の特定領域間の対照的な強度値を示す。例えば、カーペットビュー画像は、ステントストラットの影やガイドワイヤの影等の影を落とす金属オブジェクトの領域における、対照的な強度値を含む。ガイドワイヤオブジェクトの影は、例えば、
図7のカーペットビュー画像にわたって水平に現れる。更に、カーペットビュー画像の領域701は、可視パターンの中にステントストラットの影を含む。領域701は、ステントを表す画像データを含むフレームのセットに対応する。例えば、領域701のフレームは、ステントストラットの影が表示されているカーペットビュー画像のそれぞれの縦線に対応する。
【0040】
ステップS603において、計算システム101は、血管内画像データに含まれる複数の画像を表す信号を生成する。例えば、計算システム101は、ステップS602で生成された2D表現のフレーム(L)に対応する複数の画像を表す信号を生成することができる。一部の実施形態では、ステップS603において、計算システム101は、複数の画像の各々に対応するAラインのそれぞれの群に基づいて、血管内画像データの複数の画像の各々についてそれぞれの信号値を生成することによって、信号を生成する。一部の実施形態では、計算システム101は、カーペットビュー画像の縦線を平均化して、各フレームについてそれぞれの平均強度値を取得することによって、信号を生成する。ステップS603で生成される信号の例を、
図8に示す。
【0041】
図8は、
図7のカーペットビュー画像の縦線を平均化することによって生成された信号801を示す。
図8に示される例では、信号801は、横軸に示すように、画像データの400個のフレームに対応する。各フレームは、
図7のカーペットビュー画像のそれぞれの縦線に対応するAライン画像を含む。例えば、プルバックで取得された各Aライン画像は、Aラインのそれぞれの群(例えば1フレームあたりのAラインスキャンの数に基づく)に対応する。また、Aラインの各群は、カーペットビュー画像のそれぞれの縦線に対応する。ステップS602に関して示されるように、カーペットビュー画像は、フレームごとのAラインの各々を平均化することによって生成される。よって、
図7に示される例では、カーペットビュー画像は、連続して配置された400本の縦線を含み、これは、Aライン画像の400個のフレームに対応する。カーペットビュー画像の各縦線は、各Aライン画像に関連付けられたそれぞれのAラインに基づく様々な強度値を含む。
図8では、信号801は一連の平均強度値であり、各強度値は、カーペットビュー画像のそれぞれの縦線に対応する。
【0042】
一部の実施形態では、ステップS603において、計算システム101は、各縦線について表現情報を決定する。表現情報は、縦線、Aライン画像、縦線の特徴又は特性、Aライン画像の特徴又は特性、或いはこれらのうちの2つ以上の組合わせを表現し、対応し、特定し、或いは関連する任意の情報であってよい。一部の実施形態では、表現情報は単一の値である。次に、計算システム101は、各縦線及び/又はAライン画像に対応するそれぞれの表現情報を用いて、信号801を生成することができる。一部の実施形態では、各Aライン画像は、信号801のそれぞれの信号値によって表される。一部の実施形態では、ステップS603は、カーペットビュー画像の各縦線を平均化することによって信号801を生成することを含む。例えば、各縦線に関連付けられたAラインのそれぞれの強度値に基づいて、各縦線の平均強度値を決定することができる。一部の実施形態では、カーペットビュー画像の各縦線に対応するそれぞれの平均強度値を用いて、信号801が生成される。
【0043】
したがって、一部の実施形態では、画像データの各フレームは、信号801のそれぞれの信号値に対応する。例えば、カーペットビュー画像の各縦線を平均化することにより、画像データの各フレームについて単一の値を取得することができる。次に、それぞれの信号値に基づいて信号を作成することができる。ステップS603において、カーペットビュー画像の縦線を用いて信号を作成することにより、一部の実施形態によれば、血管内画像データの各Aライン画像を単一の値によって表すことができる。これにより、一部の実施形態では、プルバック全体を処理して、1つの信号のみを用いてステントの位置特定を行うことができ、従来の方法と比較して計算時間を短縮することができる。例えば、一部の実施形態では、例えば2D画像に見られる個々のステントストラットの全てを検出するために、動脈プルバック全体をスキャンすることによってステント検出を実行することと比較して、ステップS603で生成された信号を用いて血管内のステントの位置特定を行うことにより、計算時間が短縮される。
【0044】
図8では、カーペットビュー画像の縦線の平均強度を表す信号801は、最初の約150個のフレームでは着実に大きくなる。フレーム番号がステントの縁又は境界に近付くと、フレーム150とフレーム200の間の信号801によって示されるように、平均強度に急激な上昇が見られる。ステントストラットの影パターンを含む
図7の領域701は、信号801の変動の増大に対応する。すなわち、ステントの縁又は境界(例えばステントの開始位置と終了位置)に位置するカーペットビュー画像の縦線の平均強度にスパイクがあり、ステントストラットの影を含む領域701内の平均強度には、より鮮明かつ頻繁な変動がある。ステントストラットの影のパターンを含む領域701は、フレーム250とフレーム300の間に延在する。ステントに対応する領域701の外側では、
図8のフレーム300付近からフレーム380にかけての信号801によって示されるように、平均強度は着実に低下する。
【0045】
ステップS604において、計算システム101は、信号801を信号セグメントに分割する。一部の実施形態では、計算システム101は、各信号セグメントの所定数の信号値に基づいて、信号801を信号セグメントに分割する。例えば、信号801は、それぞれ10個の信号値を有する1つ以上の信号セグメントに分割されてよい。1つ以上の実施形態では、計算システム101は、信号801を、少なくとも10個の画像に対応する少なくとも1つの信号セグメントを含む信号セグメントに分割する。例えば、一部の実施形態では、400個のフレームを含む各Aライン画像は、ステップS603で生成された信号801のそれぞれの信号値によって表され、ステップS604において計算システム101は、信号801を、それぞれ10個の信号値を有する信号セグメントに分割する。したがって、各信号セグメントは、10個のAライン画像に対応する10個の信号値を含むことができ、10個の信号値の各々は、10個のAライン画像の各々を表す。
【0046】
一部の実施形態では、信号セグメントの各々は、血管内画像データの複数の画像のうちの2つ以上の一連の画像に対応する。例えば、信号セグメントの各々は、一連のフレームの2つ以上のAライン画像に対応し得る。一部の実施形態では、信号セグメントは任意の適切なサイズであってもよいし、信号801の分割に任意の適切な根拠又は基準が用いられてもよい。一部の実施形態では、信号801の各信号セグメントが信号801の他の各信号セグメントと同じサイズになるように、信号801が分割される。一部の実施形態では、信号801の少なくとも第1の信号セグメントが信号801の少なくとも第2の信号セグメントと異なるサイズになるように、信号801が分割される。一部の実施形態に従って、ステップS604で生成された信号セグメントの例を、
図9に示す。
【0047】
図9は、5つの例示の信号セグメント902を示す。更に、
図9は、
図8の信号801に重ね合わされた移動平均平滑化信号901を示す。例として、
図9は、5つの信号セグメント902に分割された信号801及び移動平均平滑化信号901を示す。信号セグメント902の各々は、
図9ではそれぞれ10個のフレーム(フレーム1~10、11~20、21~30、31~40、41~50)に対応する。
図9の例では、説明を分かりやすくするために、信号データの特定の区間(フレーム0~50)にわたって5つの信号セグメント902を示しているが、本開示は、
図9の例に限定されない。本開示は、信号データの全部又は一部にわたる任意の適切な数の信号セグメント902を企図する。一部の実施形態では、
図9の信号801と移動平均平滑化信号901の全体が、信号セグメント902に分割される。例えば、一部の実施形態では、信号801と移動平均平滑化信号901は、
図9の400個のフレームにわたって40個の均等な信号セグメント902に分割され、各信号セグメントは、それぞれ10個のフレームのセットに対応する。
【0048】
ステップS605において、計算システム101は、各信号セグメントの1つ以上の信号特徴を抽出する。1つ以上の実施形態によれば、計算システム101は、各信号セグメントについて低相レベル及び高相レベルを抽出する。例えば、一部の実施形態では、計算システム101は、各信号セグメントについて、ヒストグラム法を用いて、信号セグメントのバイレベル波形の低相レベル及び高相レベルを抽出する。1つ以上の実施形態によれば、計算システム101は、各信号セグメントについて、信号セグメントとその移動平均平滑化信号の間の信号対雑音比を抽出する。例えば、
図9に示されるように、信号801のそれぞれの信号値を用いて移動平均を計算することによって、移動平均平滑化信号901を生成することができる。移動平均平滑化信号901の生成には、移動平均の任意の適切な方法又は変形を用いることができる。次に、各信号セグメントについて、信号セグメントと対応する移動平均平滑化信号との間の信号対雑音比が抽出される。
【0049】
1つ以上の実施形態によれば、ステップS605では、少なくとも以下の3つの信号特徴、すなわち、ヒストグラム法を用いた、信号セグメントのバイレベル波形の低相レベル及び高相レベル、並びに、信号セグメントとその移動平均平滑化信号の間の信号対雑音比が抽出される。例えば、一部の実施形態では、各信号セグメントについて特徴のセットが抽出され、特徴のセットは、少なくとも上記の3つの信号特徴を含む。一部の実施形態では、ステップS605で抽出された1つ以上の特徴は、機械学習モデルによって使用されてよい。例えば、抽出された特徴の1つ以上が、機械学習モデルの訓練に使用されてよい。更なる例として、抽出された特徴のうちの1つ以上は、機械学習モデルに提供された1つ以上の入力を機械学習モデルが分類する際に用いられてよい。
【0050】
ステップS606において、計算システム101は、信号セグメント特徴データを分類器に入力する。1つ以上の実施形態では、ステップS606は、ステップS605で抽出された1つ以上の信号特徴を分類器に入力することを含む。1つ以上の実施形態では、分類器は機械学習モデルである。例えば、分類器は、サポートベクタマシン(SVM)分類器であってよい。一部の実施形態では、分類器は、血管内機器(例えばステント)の画像データの表現であるもの、或いは血管内機器の画像データの表現ではないもののいずれかとして、信号セグメントの分類を出力するように構成される。1つ以上の実施形態では、分類器は訓練済み分類器であり、信号セグメントの分類は、信号セグメントの特徴データに含まれる1つ以上の信号特徴に基づく。機械学習モデルを訓練するための例示の動作フローと、機械学習モデルの訓練のための例示の訓練データを、
図29及び
図30を参照しながら更に後述する。
【0051】
1つ以上の実施形態によれば、ステップS606において、計算システム101は、信号セグメントの低相レベル及び高相レベル、並びに、信号セグメントと該信号セグメントの移動平均平滑化信号との間の信号対雑音比を、分類器に入力する。一部の実施形態では、信号セグメントは、ヒストグラム法を用いた信号セグメントのバイレベル波形の低相レベル及び高相レベルと、信号セグメントとその移動平均平滑化信号の間の信号対雑音比とに基づいて、分類器によって分類される。例えば、サポートベクタマシン(SVM)を用いて、各信号セグメントを(それらのそれぞれの特徴値を用いて)ステントであるか否かに分類することができる。一部の実施形態では、ステップS604(信号801が信号セグメント902に分割される)を参照して説明した信号セグメント902の各々が、分類器によって分類される。例えば、それぞれ10値信号を含む信号セグメント902を、ステップS606で分類器に入力された信号セグメントの特徴データに基づいて、ステントであるか否かに分類することができる。
【0052】
ステップS607では、分類器が、血管内機器の画像データの表現であるもの、或いは血管内機器の画像データの表現ではないもののいずれかとして、各信号セグメントの分類を出力する。例えば、一部の実施形態では、サポートベクタマシン(SVM)を用いて、信号セグメント902が(ステップ605で抽出された各信号セグメントに対応する特徴値を用いて)、ステントであるか否かに分類される。1つ以上の実施形態によれば、各信号セグメントは、ステントセグメント又は非ステントセグメントとして分類される。例として、血管内機器の画像データの表現であると分類される1つ以上の信号セグメントは、カーペットビュー画像の領域701(ステントストラットの影パターンが見える)の1つ以上のフレームに対応する信号セグメントである。
【0053】
1つ以上の実施形態によれば、ステップS607では、訓練済みの分類器が、1つ以上の信号特徴(例えば、ヒストグラム法を用いた信号セグメントのバイレベル波形の低相レベル及び高相レベルと、信号セグメントとその移動平均平滑化信号の間の信号対雑音比とを含む)に基づいて、信号セグメント902の各々の分類を出力する。
図7及び
図8に示されるように、ステントストラットの影パターンを含む領域701は、信号801の変動の増大に対応する。すなわち、ステントの縁又は境界(例えばステントの開始位置と終了位置)に位置するカーペットビュー画像の縦線の平均強度にスパイクがあり、ステントストラットの影を含む領域701内の平均強度には、より鮮明かつ頻繁な変動がある。更に、
図9に示されるように、移動平均平滑化信号901が信号801に重ね合わされると、信号801のうち、カーペットビュー画像の領域701に対応する領域は、信号801の他の領域よりも高い信号対雑音比を含む。例えば、カーペットビュー画像の領域701のフレームに対応する信号セグメントの多くでは、カーペットビュー画像の領域701の外側のフレームに対応する信号セグメントの多くのものよりも、信号セグメントとその移動平均平滑化信号901の間の差が大きい。カーペットビュー画像の領域701に対応するフレームの信号801の変動に基づいて、カーペットビュー画像の領域701に対応する信号セグメントの様々な特徴は、カーペットビュー画像の領域701の外側のフレームに対応する信号セグメントの対応する特徴と比較して、明確な特徴を含み得る。例えば、信号セグメントの信号値の低相レベル及び高相レベルや、信号セグメントの信号対雑音比等の特徴を用いて、信号セグメントを、血管内機器の画像データの表現であるもの、或いは血管内機器の画像データの表現ではないもののいずれかとして特定することができる。すなわち、
図29及び
図30に示される分類器の訓練に基づいて、信号セグメントの低相レベル及び高相レベルと、信号セグメントの信号対雑音比との解析に基づいて、カーペットビュー画像の領域701に対応するフレームを表す信号セグメントを、カーペットビュー画像の領域701外の領域に対応するフレームを表す信号セグメントと区別することができる。
【0054】
分類器が、血管内機器の画像データの表現であるとして信号セグメントの分類を出力した場合(ステップS607でYes)、フローはステップS608へ進む。例えば、一部の実施形態では、信号セグメントは、信号セグメントの信号セグメント特徴データに基づいて、ステントセグメントに分類される。一方、分類器が、血管内機器の画像データの表現ではないとして信号セグメントの分類を出力した場合(ステップS607でNo)、フローはステップS609へ進む。例えば、一部の実施形態では、信号セグメントは、信号セグメントの信号セグメント特徴データに基づいて、非ステントセグメントに分類される。
【0055】
ステップS608において、計算システム101は、ステントに対応する画像を特定する。一部の実施形態では、ステントセグメントに対応するプルバックシーケンスのフレームが、ステントに対応する画像を含むものとして特定される。すなわち、ステップS607で血管内機器の画像データの表現であると分類された信号セグメントが、ステントフレームとして特定される。1つ以上の実施形態では、1つ以上の信号セグメントを血管内機器の画像データの表現とする分類に基づいて、計算システム101は、1つ以上の信号セグメントに対応する1つ以上の画像を、血管内機器に対応する1つ以上の画像として特定する。したがって、計算システム101は、複数の画像を表す信号801に基づいて、プルバックシーケンスの複数の画像のうち、血管内機器に対応する1つ以上の画像を特定する。
【0056】
一部の実施形態では、カーペットビュー画像の領域701に対応するフレームを表す信号セグメントは、血管内のステント位置を示すステントフレームを含むものとして特定される。例として、カーペットビュー画像の領域701に対応するフレームに対応する信号セグメント902は、約50~80個のフレーム(フレーム190付近からフレーム270付近まで)を含み得る。カーペットビュー画像の領域701に対応するこれらのフレームは、この領域のフレームの強度測定値の変動に基づいて、カーペットビュー画像の領域701外のフレームよりも、血管内機器の画像データの表現として分類される(すなわち、ステントセグメントとして分類される)可能性が高い。ステップS608において計算システム101がステントに対応する画像を特定した後、フローはステップS609へ進む。
【0057】
ステップS609において、計算システム101は、信号801を信号セグメント902に分割することによって生成されたセグメントの中で、分類の必要がある別のセグメントが存在するかどうかを決定する。まだ分類されていない別の信号セグメント902が存在する場合(ステップS609にてYes)、フローはステップS606へ進む。例えば、まだ分類されていない特定された信号セグメント902が解析される。すなわち、特定された信号セグメントについて、信号セグメントの特徴データがステップS606で分類器に入力され、信号セグメント902について、ステップS607での分類が繰り返される。一方、計算システム101が、他の信号セグメント902を分類する必要がないと決定した場合(ステップS609でNo)、フローは
図10のS1001へ進む。
【0058】
したがって、ステップS604で分割された信号801の信号セグメント902の各々について、ステップS605で抽出された特徴データが、ステップS606で分類器に入力され、ステップS607において、各信号セグメントが、ステントセグメントであるか否かに分類される。信号801を作成し、機械学習モデル(例えばSVM分類器)を適用することにより、ステント領域の位置が特定され、この領域(例えばカーペットビュー画像の領域701に対応する領域)のみにステント検出を適用することができるので、処理時間が短縮される。上記の処理により、本開示は、信号801に対して機械学習を用いて、カーペットビュー画像内のステント領域701の位置特定を行う。信号801に対して機械学習を用いてステントの位置特定を行うことにより、プルバックシーケンスの全フレームを検索する場合と比較して、特徴抽出の次元が縮小され、計算時間が短縮される。1つ以上の実施形態では、このように、血管内プルバック内の血管内機器(ステント)位置を自動的に検出することを含む。そして、
図10を参照して説明するように、カーペットビュー画像のステントセグメントに対応するプルバックのフレームを更に解析することができる。
【0059】
図10は、ステント検出に用いられる例示の動作フローを示す。一部の実施形態では、
図10のステップの1つ以上は、計算システム101において、計算システム101上のアプリケーション112のプログラム命令を実行することによって、実行される。
【0060】
ステップS1001において、計算システム101は、ステントに対応する画像のAライン信号を生成する。例えば、ステップS608でステントに対応するものとして特定された画像の各々は、各画像についてそれぞれのAライン信号を生成することによって、更に解析される。血管内機器に対応する1つ以上の画像の各々について、計算システム101は、Aライン画像のAラインを平均化することによって、Aライン信号を生成する。例示のAライン画像を、
図11に示す。
【0061】
図11は、ステントストラットを表すAライン画像の例を示す。例えば、検出されたステントストラットを示す極座標OCT画像が描出される。ステントストラットの金属構造は光を通さないので、検出されたステントストラットは、影が続く明るい形で現れる。一部の実施形態では、ステップS1001では、カーペットビュー画像の領域701に対応する各フレームについて、各フレームのAラインを平均化することによってAライン信号が作成される。計算システム101は次に、ステントフレームのAライン信号を解析する。
【0062】
図12は、
図11のAライン画像に対応するAライン信号1201を示す。Aライン信号1201は、平均Aライン値を示し、複数の山と谷を含む。
図12に示される例示の谷1202は、
図11に示される検出されたステントストラットの1つに対応するステントストラットを表す。
【0063】
ステップS1002において、計算システム101は、Aライン信号の谷においてストラット候補を検出する。一部の実施形態では、計算システム101は、
図13に示されるようなそれぞれのAライン信号の谷において、血管内機器のストラット候補を検出する。
【0064】
図13は、
図12のAライン信号1201に対応するAライン信号1301の検出された谷を示し、Aライン信号1301の検出された谷の各々は、ステント候補Aラインに対応する。Aライン信号1301の検出された谷は、それぞれアスタリスク(*)で示されている。例えば、
図13においてアスタリスクが付された検出された谷1302の例は、
図12に示される谷1202に対応する。検出された例示の谷1302は、
図13のAライン信号1301に沿って検出されたいくつかの谷のうちの1つである。
【0065】
ステップS1003において、計算システム101は、Aライン信号の谷閾値(Thr)を計算する。一部の実施形態では、谷閾値(Thr)は、Aライン信号1201の平均値を2で割った値である。計算システム101は、Aライン信号1201を構成する平均Aライン値の平均値を決定し、該平均値を2で割ることによって、谷閾値(Thr)を計算する。一部の実施形態では、計算システム101は、谷閾値(Thr)を自動的に計算する。1つ以上の実施形態によれば、谷閾値(Thr)は次に、ステントストラットの検出に用いられる。例として、
図13のAライン信号1301では、検出された谷(アスタリスクで標示)のうち、計算された谷閾値(Thr)よりも下にある一部が、ステントストラット候補とみなされる。
【0066】
ステップS1004において、計算システム101は、ガイドワイヤの表現を含むバイナリマスクを取得する。例として、ガイドワイヤとその影の検出は、ステントストラット検出を改善するために用いられる。ガイドワイヤという既知の影を検出することによって、誤検出が減少する。よって、ステントストラット処理よりも前にガイドワイヤの影を検出することによって、ガイドワイヤの影をストラット検出から除外することができる。
【0067】
1つ以上の実施形態では、計算システム101は、自動二値化法(例えばOtsu自動二値化法、k平均法)を用いて、バイナリカーペットビュー画像を作成する。カーペットビュー画像は、バイラテラルフィルタリングを用いてフィルタリングされ、例えばOtsuの自動二値化法を用いて自動的に二値化される。セグメント化された画像を用いて、カーペットビュー画像を貫通するオブジェクトを、ガイドワイヤオブジェクトとして定義する。
【0068】
1つ以上の実施形態では、ステップS1004は、
図14に示されるステップを実行することによって実施される。
図14は、ステント検出に用いられる例示の動作フローを示す。一部の実施形態では、
図14のステップの1つ以上は、計算システム101において、計算システム101上のアプリケーション112のプログラム命令を実行することによって、実行される。
図14のステップを、
図15A~
図15Cを参照して説明する。
【0069】
図15A~
図15Cは、フィルタ処理の異なる段階でのカーペットビュー画像を示す。
図15Aは、カーペットビュー画像を示す。
図15Bは、自動二値化を適用した後の対応するバイナリ画像を示す。
図15Cは、検出されたガイドワイヤオブジェクトを示す。
【0070】
ステップS1401において、計算システム101は、寸法A×Lを有する血管内画像データの2D表現を取得する。ここで、Aは、1フレームあたりのAライン数であり、Lはフレーム数である。1つ以上の実施形態では、ステップS1401は、ステップS602で生成されたカーペットビュー画像を取得することを含む。1つ以上の実施形態によれば、ステップS1401は、ステップS602で生成されたカーペットビュー画像の一部を取得することを含む。
【0071】
1つ以上の実施形態では、ステップS1401は、血管内画像データの2D表現を用いて、ガイドワイヤの表現を含むバイナリマスクを生成することを含む。
図15Aは、ガイドワイヤ1501Aの表現を含むカーペットビュー画像を示す。更に、
図15Aは、ステント1502Aの表現を示す可視パターンの中にステントストラットの影を含む。
【0072】
ステップS1402において、計算システム101は、血管内画像データの2D表現に対してバイラテラルフィルタリングを実行する。例えば、ガウスフィルタと同様に、バイラテラルフィルタは非線形平滑化フィルタである。それらの基本的な違いは、画素強度の違いを考慮に入れることであり、これにより、ノイズ低減と同時にエッジのメンテナンスが実現される。畳込みを使用すると、近傍画素の強度の加重平均により、マスクの中央画素の強度が置換される。画像Iのバイラテラルフィルタと、ウィンドウマスクWは、以下のように定義することができ、
【数1】
以下の正規化因子をもつ。
【数2】
式中、xは、マスクの中央画素の座標であり、パラメータf
r及びg
sは、強度の差を平滑化するためのガウスカーネルと、座標の差を平滑化するための空間ガウスカーネルである。
【0073】
図15Bは、画像バイラテラルフィルタリングが実行された後のカーペットビュー画像を示す。
図15Bには、ガイドワイヤ1501Bの表現が示されている。更に、
図15Bは、ステント1502Bの表現を示すパターンの中にステントストラットの影を含む。
【0074】
ステップS1403において、計算システム101は、二値化法を用いてバイナリマスクを生成する。例えば、一部の実施形態では、血管内画像データの2D表現を用いて、計算システム101は、ガイドワイヤの表現を含むバイナリマスクを生成する。
【0075】
カーペットビュー画像を自動で二値化するために、Otsu法を用いて画像I’の閾値Thr
otsuが計算され、Thr
otsuよりも小さい画像I’の画素がゼロ値に設定される。その結果は、ガイドワイヤがゼロオブジェクトによって表されるバイナリ画像である。例えば、
図15Cは、Otsu自動二値化法を用いて自動で二値化された後の画像として、検出されたガイドワイヤオブジェクト1501Cを示す。一部の実施形態では、自動二値化を実行するために別の方法が利用される。例えば、一部の実施形態では、k平均法を用いて、自動二値化が実行されてもよい。
【0076】
ステップS1404において、計算システム101は、
図15Cに示されるバイナリマスクにおいてガイドワイヤオブジェクト1501Cを検出する。一部の実施形態では、ステップS1404は、バイナリマスクに基づいて、血管内機器に対応する画像においてガイドワイヤを検出することと、画像からガイドワイヤを除外又は除去することと、を含む。バイナリカーペットビュー画像においてカテーテルガイドワイヤオブジェクト1501Cを検出することにより、ガイドワイヤアーチファクトをステントストラットから分離し、ストラット検出精度を上げることができる。このように、
図14のステップを用いて、カーペットビュー画像を用いたガイドワイヤの除去を実行することができる。更に、ガイドワイヤアーチファクトを検出するためのカーペットビュー画像の処理は、ステントが留置されたプルバックシーケンスとステントが留置されていないプルバックシーケンスの両方で、素早く正確に実行することができる。このように、1つ以上の実施形態によれば、ステップS1004は、
図14及び
図15を参照して説明したプロセスを用いて実行される。
【0077】
更にステップS1004を参照して、
図16及び
図17には、フレーム及びそのガイドワイヤ画素とカーペットビュー画像との対応関係が示されている。
図16は、画像フレームX(
図17に示す)に対応する白縦線1601を有するカーペットビュー画像を示す。
図16に示される小さな灰色のセグメント(縦白線1601を両断している)は、ガイドワイヤ画素に対応する。
図17は、フレーム(フレームXと標示されたAライン画像)とそのガイドワイヤ画素1701(Aライン画像の灰色の帯)との対応関係を示す。
【0078】
図16及び
図17に関して示されるように、各Aライン画像はフレーム(例えばフレームX)に対応する。各フレームは、カーペットビュー画像の単線(
図16では縦白線1601によって示される)に対応する。また、各フレームのうちガイドワイヤに重なる部分(灰色の帯によって示される)1701は、ステップS1002で検出されたステントストラット候補から除外又は除去され得るガイドワイヤ画素を示す。
【0079】
ステップS1005において、計算システム101は、S1002でAライン信号の谷において検出された各ストラット候補について、Aラインの谷が、ステップS1003で計算された谷閾値(Thr)未満であり、かつ、ステップS1004で特定されたガイドワイヤ画素に属さないかどうかを決定する。1つ以上の実施形態によれば、計算システム101は、1つ以上のストラットの各々が、谷閾値未満であり、かつガイドワイヤ画素に属さないそれぞれのAライン信号の谷に対応するという決定に基づいて、1つ以上のストラットを検出する。例えば、Aラインの谷(検出された谷1302等)が、計算された谷閾値(Thr)未満であり、かつ、ガイドワイヤオブジェクトの画素(ガイドワイヤ画素1701等)に属さない場合、そのAラインの谷はステントAラインに属する。
【0080】
図18~
図20は、ステントストラット検出の例を示す。
図18は、
図19及び
図20に示されるAライン画像に対応するAライン画像のAライン信号を示す。
図18のAライン信号では、谷の各々にアスタリスク(*)が付されている。11個の谷(*)が、ステップS1003で計算された谷閾値(Thr)よりも小さいことが分かる。これらの11個の谷は、
図18では11個の矢印によって特定されている。すなわち、ステップS1002で検出された全ての谷(*)のうち、11個の谷のみが、ステップS1003で計算された谷閾値(Thr)よりも小さいことが分かった。谷閾値(Thr)未満の例示の谷1801は、矢印で特定されているように示されている。
図18において矢印で特定される11個の谷のうち、4個の谷1802は、ガイドワイヤオブジェクト画素に属する。例えば、
図18で特定される4つの谷1802は、
図17に示されるようなガイドワイヤ画素1701に属する。よって、ステップS1005では、7つの谷(矢印で識別)のみが、計算された谷閾値(Thr)未満であり、かつ、ガイドワイヤ画素に属さないAラインの谷であることが分かる。これらの7つの谷を、
図19及び
図20に示す。
【0081】
図19は、
図18に対応するとともに、ステントストラットに属するAラインを示す、例示のAライン画像を示す。ステントAラインの最大強度画素は、ステントストラットである。
図19には、極座標OCT画像が示され、矢印が7つの検出されたステントストラットを特定している。
図20は、
図19に対応する検出されたストラットを含むデカルトOCT画像を示す。
【0082】
ステップS1005では、各Aライン画像について、任意のAラインの谷が閾値谷(Thr)未満であり、かつ、ガイドワイヤ画素に属さないことが分かった場合(ステップS1005でYes)、フローはステップS1006へ進む。一方、Aライン画像について、閾値谷(Thr)未満であり、かつ、ガイドワイヤ画素に属さないAラインの谷が見つからなかった場合(ステップS1005でNo)、フローはステップS1007へ進む。
【0083】
ステップS1006において、計算システム101は、Aライン画像内のステントのストラットを検出する。一部の実施形態では、計算システム101は、血管内機器に対応する1つ以上の画像の各々について、血管内機器の1つ以上のストラットを検出する。ステントストラットは、谷閾値(Thr)未満であり、かつガイドワイヤオブジェクト画素に属さない谷に対応するAラインの最も明るい画素として検出される。1つ以上の実施形態によれば、ステントストラットを検出するために、計算システム101は、最大強度のステントラインを見つけ、それをステントストラットとして指定する。例えば、
図19に示される例では、谷閾値(Thr)未満であり、かつガイドワイヤオブジェクト画素に属さない谷として特定された7本のAラインの最も明るい画素を検出することにより、7つのステントストラットが検出される。検出された7つのステントストラットは、例えば
図19では、白い矢印で特定されている。計算システム101がAライン画像内のステントのストラットを検出した後、フローはステップS1007へ進む。
【0084】
ステップS1007において、計算システム101は、まだステントストラット検出のために解析されていない別のAライン画像が存在するかどうかを決定する。例えば、一部の実施形態では、計算システム101は、ステップS608でステントに対応すると特定された画像の中で、まだステントストラット検出のために解析されていない残りの画像があるかどうかを決定する。ステントストラットについてまだ解析されていない別のAライン画像が存在する場合(ステップS1007でYes)、フローはステップS1001へ進む。例えば、
図10のステップを繰り返すことによって、まだ解析されていない特定されたAライン画像が解析される。一方、計算システム101が、他のAライン画像を解析する必要がないと決定した場合(ステップS1007でNo)、フローは
図21のS2101へ進む。
【0085】
図21は、ステント圧着測定に用いられる例示の動作フローを示す。一部の実施形態では、
図21のステップの1つ以上は、計算システム101において、計算システム101上のアプリケーション112のプログラム命令を実行することによって、実行される。
【0086】
ステップS2101において、計算システム101は、それぞれのストラットに基づいて、ステントに対応する画像の各々のオブジェクトを生成する。1つ以上の実施形態では、計算システム101は、血管内機器に対応する1つ以上の画像の各々についてそれぞれのオブジェクトを生成し、各オブジェクトは、血管内機器のそれぞれの表面セグメントを表す。例えば、一部の実施形態では、ステップS608で特定された画像の各々についてオブジェクトが生成され、ここで、各オブジェクトの輪郭は、各画像についてステップS1006で検出されたそれぞれのストラットに基づいている。
【0087】
1つ以上の実施形態では、ステップS2101は、複数のオブジェクトの各々について1つ以上のストラットのそれぞれにわたってそれぞれのスプラインを適用することによって、複数のオブジェクトを生成することを含む。複数のオブジェクトは、血管内機器の連続する表面セグメントを表す。例えば、各画像について検出されたストラットを用いて、スプラインが適用され、各画像においてステントの表面を表すバイナリオブジェクトが作成される。
【0088】
ステップS2102において、計算システム101は、オブジェクト領域を閾値と比較する。例えば、一部の実施形態では、各オブジェクトの領域がチェックされて、当該オブジェクトが1つ以上の基準を満たすかどうかが決定される。一部の実施形態では、計算システム101は、各オブジェクトのサイズを閾値と比較する。例えば、1つ以上の実施形態では、バイナリオブジェクトがその前のオブジェクトの90%未満の面積を有する場合、計算システム101は、オブジェクトが閾値未満であると決定する。
【0089】
ステップS2102での比較には、任意の適切な閾値又は基準を用いることができる。限定ではない例として、オブジェクトの面積を、チェック対象のオブジェクトの直前又は直後に配置された連続するオブジェクトの面積と比較してもよいし、或いは、オブジェクトの面積を、閾値としての所定の面積サイズと比較してもよいし、或いは、オブジェクトの形状を所定の形状と比較してもよい。或いは、ステップS2102での閾値は、検出されたステントストラットの閾値数であってよい。例えば、ステップS2102において、計算システム101は、検出されオブジェクトの生成に用いられたステントストラットの数を、閾値としてのステントストラットの所定数と比較することができる。
【0090】
ステップS2103において、計算システム101は、関連するオブジェクト特徴が閾値未満であるかどうかを決定する。例えば、一部の実施形態では、計算システム101は、オブジェクトの面積が閾値未満であるかどうかを決定する。1つ以上の実施形態では、バイナリオブジェクトがその前のオブジェクトの90%未満の面積を有する場合、計算システム101は、オブジェクトが閾値未満であると決定する。或いは、計算システム101は、オブジェクトの形状が所定の形状の閾値以内にないかどうかを決定することができる。或いは、計算システム101は、オブジェクトの生成に用いられたステントストラットの数が所定数よりも少ないかどうかを決定することができる。ステップS2103では、任意の適切な閾値特徴と任意の適切な閾値が実装されてよい。
【0091】
オブジェクト特徴が閾値未満である場合(ステップS2103でYes)、フローはステップS2104へ進む。一方、オブジェクト特徴が閾値未満ではない場合(ステップS2103でNo)、フローはステップS2105へ進む。
【0092】
ステップS2104において、計算システム101は、第2のオブジェクトの1つ以上のストラットと、第3のオブジェクトの1つ以上のストラットとを用いて、オブジェクトの1つ以上の欠測ストラットを補間することにより、ステップS2103で閾値未満であると決定されたオブジェクトを生成する。例えば、第1のオブジェクトのサイズが閾値未満である場合、計算システム101は、第2のオブジェクトの1つ以上のストラットと、第3のオブジェクトの1つ以上のストラットとを用いて、第1のオブジェクトの1つ以上の欠測ストラットを補間することができる。例として、一部の実施形態では、バイナリオブジェクトがその前のオブジェクトの90%未満の面積を有する場合、計算システム101は、前後のフレームのオブジェクトのポイントを補間することによって、このオブジェクトを再計算することができる。
【0093】
一部の実施形態では、ステップS2104は、オブジェクトの全部又は一部を補間によって生成することを含む。例えば、1つ以上の実施形態では、計算システム101は、第1のオブジェクトと比べて血管内機器の先行する表面セグメントを表す第2のオブジェクトのデータを用いて、或いは、第1のオブジェクトと比べて血管内機器の後続する表面セグメントを表す第3のオブジェクトのデータを用いて、或いは、第2のオブジェクトのデータと第3のオブジェクトのデータの両方を用いて、第1のオブジェクトの1つ以上の部分を補間することにより、第1のオブジェクトを生成する。一部の実施形態では、計算システム101は、第1のオブジェクトのサイズが閾値未満である場合に、第2のオブジェクトの1つ以上のストラットと、第3のオブジェクトの1つ以上のストラットとを用いて、第1のオブジェクトの1つ以上の欠測ストラットを補間することにより、第1のオブジェクトを生成する。例として、フレームの欠測ストラット又は未検出ストラットは、前後のフレームのストラットを用いて補間することができる。計算システム101は、このようなオブジェクトを、前後のフレームのオブジェクトのポイントを補間することによって再計算することができる。1つ以上の実施形態では、計算システム101は、前後のフレームのストラットを用いてフレームの欠測ストラットを平均化し、それらをスプラインを用いて接続することができる。
【0094】
限定ではなく例として、ステントストラット補間の例を、
図22A~
図22C及び
図23A~
図23Cに概略的に示す。
図22A~
図22Cは、3つの連続するバイナリフレームを示し、それぞれ、ステントストラット(星印)と、ステントストラットにわたるスプラインを用いて作成された対応するオブジェクト(白色)とを示す。例えば、
図22Aは、検出された6つのステントストラット(星印)と、6つのステントストラットにわたるスプラインを用いて作成された対応するオブジェクト(白色)とを含むフレームを示す。
図22Bは、検出された3つのステントストラット(星印)と、3つのステントストラットにわたるスプラインを用いて作成された対応するオブジェクト(白色)とを含むフレームを示す。
図22Cは、検出された5つのステントストラット(星印)と、5つのステントストラットにわたるスプラインを用いて作成された対応するオブジェクト(白色)とを含むフレームを示す。
【0095】
図23A~
図23Cは、3つの連続するバイナリフレームを示すが、ステントストラットは示されていない(すなわち星印は図示されていない)。
図23Aに示されるオブジェクトの輪郭は、
図22Aに示されるオブジェクトの輪郭に対応する。更に、
図23Cに示されるオブジェクトの輪郭は、
図22Cに示されるオブジェクトの輪郭に対応する。これは、例えば、
図22Aに示されるオブジェクトと
図22Cに示されるオブジェクトは両方とも、ステップS2103で閾値未満ではないと決定されたからである。したがって、ステップS2103におけるNoの決定に基づいて、フローはステップS2105へ進む。
図22A及び
図23Aに対応する画像フレームには、ステップS2101で生成されたオブジェクトが用いられ、同様に、
図22C及び
図23Cに対応する画像フレームには、ステップS2101で生成されたオブジェクトが用いられる。その一方、
図23Bは、再計算されたオブジェクトを表す。例えば、ステップS2102において、
図22Bに示されるオブジェクトの特徴が閾値と比較される。1つ以上の実施形態では、
図22Bのオブジェクトの特徴は、ステップS2103において閾値未満であると決定される。例えば、
図22Bのバイナリフレームの欠測又は未検出のストラットが原因で、
図23Bのバイナリオブジェクトは、前後のオブジェクトを用いて再計算される。例えば、
図23Bに示されるオブジェクトを生成するために、
図23Aに示されるオブジェクト及び
図23Cに示されるオブジェクトを用いて、
図22Bのバイナリオブジェクトが再計算される。前後のストラットを用いて欠測又は未検出のストラットを補間することにより、ステントの表面がリアルに可視化される。一部の実施形態では、計算システム101は、前後のフレームのストラットを用いてフレームの欠測ストラットを平均化し、それらをスプラインを用いて接続する。欠測又は未検出のストラットを補完することにより、圧着率の精度を高めることができる。
【0096】
図22A~
図22Cと
図23A~
図23Cに示される例において、例えば、
図22Bのオブジェクトの面積が、
図22Aに示されるオブジェクトの面積の90%未満であったことを理由に、
図22Bは閾値未満であると決定された場合がある。したがって、1つ以上の実施形態では、
図22Bに示されるオブジェクトは削除された可能性がある。計算システム101は、
図23Bに示される補間されたバイナリオブジェクトを生成するために、
図23Aに示されるフレーム(又は
図22Aに示される対応するフレーム)と、
図23Cに示されるフレーム(又は
図22Cに示される対応するフレーム)とのポイントを補間することによって、このオブジェクトを再計算することができる。ステップS2104においてオブジェクトの全部又は一部を補間によって生成した後、フローはステップS2105へ進む。
【0097】
ステップS2105において、計算システム101は、ステップS2101で生成されたオブジェクトの中に、閾値と比較する必要のある別のオブジェクトが存在するかどうかを決定する。別のオブジェクトが存在する場合(ステップS2105でYes)、フローはステップS2102へ進む。例えば、特定されたオブジェクトの特徴が閾値と比較される。すなわち、各オブジェクトについてステップS2102及びS2103が実行され、オブジェクトの特徴が閾値未満である場合に、ステップS2104も実行される。一方、計算システム101が、他のオブジェクトを閾値と比較する必要がないと決定した場合(ステップS2105でNo)、フローはS2106へ進む。
【0098】
ステップS2106において、計算システム101は、ステントのオブジェクトの輪郭を、2次元から3次元に変換する。1つ以上の実施形態では、計算システム101は、血管内機器に対応する1つ以上の画像(ステップS608で特定された)に基づいて、血管内機器の3次元形状の表現を生成する。一部の実施形態では、血管内機器に対応する1つ以上の画像に対応するそれぞれのオブジェクトを用いて、血管内機器の3次元形状の表現が生成される。例えば、ステップS2101及び/又はステップS2104で補間によって生成されたオブジェクトの各々を用いて、オブジェクトの輪郭を変換することにより、血管内機器の3次元形状が生成される。
【0099】
1つ以上の実施形態では、ステップS2106は、輪郭セット(血管内機器(例えばステント)に対応する)を3D空間に変換することを含む。血管内機器のバイナリオブジェクトの輪郭が、2D空間から3Dに変換される。バイナリオブジェクトを変換するには、各バイナリ輪郭のM(M≠偶数)個の等距離点を時計回りに抽出し、三角測量法を実施して、3Dステントのメッシュサーフェスを構築する。M個の輪郭点は、接続され、三角メッシュとそのボリュームを構築する。
【0100】
ステップS2107において、計算システム101は、ステントに対応する画像について管腔輪郭データを取得する。例えば、一部の実施形態では、計算システム101は、少なくとも、ステップS608でステントについて特定された画像に対応する画像について、管腔輪郭データを取得する。管腔の境界は、任意の適切な方法を用いて、画像内で自動的又は半自動的に検出することができる。
【0101】
ステップS2108において、計算システム101は、管腔輪郭データを2次元から3次元に変換する。1つ以上の実施形態では、計算システム101は、血管内機器に対応する1つ以上の画像に基づいて、管腔セグメントの3次元形状の表現を生成する。例えば、管腔セグメントは、血管内機器の画像フレームに対応する管腔輪郭データの一部であってよい。一部の実施形態では、ステップS2108は、輪郭セット(ステップS2107で取得された管腔輪郭データに対応する)を3D空間に変換することを含む。1つ以上の実施形態では、独立したアルゴリズムによって提供された対応するフレーム(ステント留置されたフレーム)の管腔セグメント輪郭は、ステント輪郭についてステップS2106で用いられたのと同じ手順を用いて、3Dボリュームに変換される。例えば、管腔境界オブジェクトの輪郭が、2D空間から3Dに変換される。管腔輪郭を変換するには、管腔輪郭の各々のM(M≠偶数)個の等距離点を時計回りに抽出し、三角測量法を実施して、3D管腔のメッシュサーフェスを構築する。M個の輪郭点は、接続され、三角メッシュとそのボリュームを構築する。
【0102】
ステップS2109において、計算システム101は、ステントの3次元形状の表現を、管腔の3次元形状の表現に重ね合わせて提示する。例えば、一部の実施形態では、計算システム101は、血管内機器に対応する1つ以上の画像(ステップS608で特定された)に基づいて、血管内機器の3次元形状の表現を生成する。1つ以上の実施形態では、計算システムは、血管内機器の3次元形状が管腔セグメントの3次元形状に重ね合わされるように、血管内機器の3次元形状の表現を、管腔セグメントの3次元形状の表現とともに提示す。すなわち、ステントボリュームと管腔セグメントボリュームが、一緒に3次元空間に投影される。
【0103】
図24は、例示のステントボリューム2401を示す。例えば、例示のステントボリューム2401は、血管内機器に対応する1つ以上の画像(ステップS608で特定された)に基づいて生成された血管内機器の3次元形状の表現である。
【0104】
図25は、例示の管腔ボリューム2501を示す。例えば、例示の管腔ボリューム2501は、血管内機器の画像フレームに対応する管腔輪郭データに基づいて生成された管腔セグメントの3次元形状の表現である。
【0105】
図26A~
図26Cは、管腔セグメントの3次元形状の表現に重ね合わされたステントの3次元形状の表現の3つの例示のビューを示す。
図26A~
図26Cでは、重ね合されたビュー2601の3つの例により、ステントと管腔セグメントの間のボリューム差が示されており、
図26A(ビュー1)、
図26B(ビュー2)、
図26C(ビュー3)において異なる角度で提示されている。1つ以上の実施形態によれば、3次元管腔セグメント内のステントの3次元ビューを提供することにより、動脈の湾曲が示されるので、ステントの不完全圧着(完全に圧着されていない状態)をより良好に理解することができる。例示のビュー1、ビュー2、ビュー3は例示のビューであり、本開示は、
図26A~
図26Cに示されるビューに限定されない。例えば、重ね合わされたビュー2601は、ディスプレイ(例えばディスプレイ111)上に提示することができ、ビューがどのように操作されるのかを示す入力がユーザによって提供することにより、回転又はその他の方法で調整することができる。
【0106】
ステップS2110において、計算システム101は、管腔の3次元形状とステントの3次元形状の間のボリューム差に基づいて、血管壁に対するステントの圧着値を計算及び提示する。一部の実施形態では、計算システム101は、血管内機器に対応する管腔セグメントの3D形状の表現を用いて、血管壁に対する血管内機器の圧着値を決定し、圧着値は、管腔セグメントの3D形状と血管内機器の3D形状との間のボリューム差に基づく。例えば、一部の実施形態では、管腔3Dボリュームからステント3Dボリュームが差し引かれて、それぞれの3Dボリューム間のボリューム差が取得され、ボリューム差に基づいてステント圧着率が決定される。1つ以上の実施形態では、圧着値を示す情報を提示することができる。一部の実施形態では、圧着値を示す情報は、血管内機器が血管壁に完全に圧着されていない割合の標示を含む。例えば、計算システム101は、2つのボリュームを計算し、管腔ボリュームからステントボリュームを差し引いて、ステント圧着率を得ることができる。
【0107】
1つ以上の実施形態によれば、3次元の空間に忠実に表現された機器と構造において3次元測定を実行することにより、現実的な割合を計算することができる。更に、結果を3次元空間に描出することにより、ユーザに圧着現象をより良好に理解してもらうことができる。このように、1つ以上の実施形態により、計算システム101は、機器の何パーセントが血管内に完全に圧着されていないのかを計算する。例えば、ステントボリュームと管腔セグメントボリュームの間のボリューム差により、ステントの現実的な圧着率が定義される。したがって、3次元空間でステント圧着を計算することにより、圧着精度が向上する。1つ以上の実施形態では、ボリュームを重ね合わせたビューと、圧着値を示す情報が、同時に提示される。そのような情報を同時に提供することにより、機器圧着不良をより良好に理解することができる。
【0108】
図27は、例示のネットワーク環境2700を示す。OCTシステム100と、サーバ計算システム2701と、クライアント計算システム2702は、ネットワーク2703に接続される。一部の実施形態では、OCTシステム100に含まれる計算システム101が、ネットワーク2703に接続される。一部の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の動作又は機能は、ネットワーク2703に接続されたOCTシステム100、サーバ計算システム2701及びクライアント計算システム2702のうちの1つ以上によって実行される。ネットワーク2703は、1つ以上のサーバと1つ以上のクライアントを互いに結合する。ネットワーク2703は、任意の適切なネットワークであってよい。例えば、ネットワーク2703の1つ以上の部分は、アドホックネットワーク、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベートネットワーク(VPN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、広域ネットワーク(WAN)、無線WAN(WWAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(PSTN)の一部、携帯電話ネットワーク、又はこれらのうちの2つ以上の組合わせを含み得る。ネットワーク2703は、1つ以上のネットワークを含んでよい。
【0109】
一部の実施形態によれば、OCTシステム100と、サーバ計算システム2701と、クライアント計算システム2702とのうちの1つ以上は、ネットワーク2703上の1つ以上の他の実在物とインタラクトする。OCTシステム100と、サーバ計算システム2701と、クライアント計算システム2702は、本明細書に記載の装置及び計算システムの1つ以上と通信し情報を送受信するために、任意の適切なプロトコル、規格、データ交換形式、又はこれらのうちの組合わせを用いてよい。一部の実施形態では、OCTシステム100、サーバ計算システム2701及びクライアント計算システム2702のうちの1つ以上は、本明細書に記載の1つ以上の動作、機能及び/又はプロセスを実行するための1つ以上のプログラム、アプリケーション、GUI、データ、その他の適切なリソースを含む。
【0110】
一部の実施形態では、サーバ計算システム2701は、本明細書に記載のファイル(例えば医用画像)、データ及び/又はアプリケーションプログラムを格納するために1つ以上のサーバ又はデータ記憶部を含む。例えば、OCTシステム100によって生成された血管内画像を含む画像データセットを、サーバ計算システム2701に送ることができる。一部の実施形態では、サーバ算システム2701は、本明細書に記載の1つ以上の方法の全部又は一部を実行する。例えば、サーバ計算システム2701は、画像データを取得し、画像データを用いて1つ以上の動作又はプロセスを実行することができる。例えば、サーバ計算システム2701は、ステント、アーチファクト及び/又は管腔エッジを検出することができ、或いは、要求に応じてステント圧着情報を出力することができる。サーバ計算システム2701は、1つ以上のアプリケーションサーバ、ウェブサーバ、ファイルサーバ、データベースサーバ、その他のサーバを含んでよい。一部の実施形態では、サーバ計算システム2701はユニタリである。一部の実施形態では、サーバ計算システム2701は分散される。サーバ計算システム2701は、複数の場所にまたがることができる。サーバ計算システム2701は、複数のマシン(例えばサーバ、メインフレーム、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ)にまたがることができる。
【0111】
一部の実施形態では、クライアント計算システム2702は、ネットワーク2703上のリソースにアクセスするためにブラウザ及び/又はアプリケーションを実行する1つ以上の計算装置(例えばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ)を含む。クライアント計算システム2702は、OCTシステム100(又はサーバ計算システム2701)からファイル(例えば医用画像)を取得することができ、画像を処理することができる。例えば、クライアント計算システム2702は、ステント、アーチファクト及び/又は管腔エッジを検出することができ、或いは、ステント圧着情報を出力することができる。一部の実施形態では、クライアント計算システム2702は、本明細書に記載の1つ以上の方法の全部又は一部を実行する。
【0112】
図28は、例示の計算システム2800を示す。様々な実施形態によれば、計算システム2800の説明の全部又は一部は、計算システム101、サーバ計算システム2701、クライアント計算システム2702及びOCTシステム100のうちの1つ以上の全部又は一部に対して適用可能である。一部の実施形態では、計算システム101は、計算システム2800を含む。一部の実施形態では、計算システム2800は、本明細書に記載される機能を提供する。一部の実施形態では、計算システム2800上で動作するソフトウェアが、本明細書に記載の1つ以上の動作を実行する。
【0113】
本明細書で用いられる計算システムという用語は、電子データに対して演算を実行するために連携する、1つ以上のソフトウェアモジュール、1つ以上のハードウェアモジュール、1つ以上のファームウェアモジュール、又はそれらの組合わせ等を含む。モジュールの物理的レイアウトは、異なる場合がある。計算システムは、ネットワークを介して結合された複数の計算機器を含んでよい。計算システムは、内部モジュール(メモリ及びプロセッサ等)が協働して電子データに対して演算を実行する単一の計算機器を含んでよい。また、本明細書で用いられるリソースという用語は、計算システムで処理され得るオブジェクト等を含む。リソースは、実行可能命令又はデータの一部であり得る。
【0114】
一部の実施形態では、計算システム2800は、本明細書で説明又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行する。一部の実施形態では、計算システム2800は、本明細書に記載又は図示される機能を提供する。一部の実施形態では、計算システム2800上で動作するソフトウェアは、本明細書で説明又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行し、又は、本明細書で説明又は図示される機能を提供する。一部の実施形態は、計算システム2800の1つ以上の部分を含む。
【0115】
計算システム2800は、1つ以上のプロセッサ2801、メモリ2802、記憶装置2803、入出力(I/O)インタフェース2804、通信インタフェース2805及びバス2806を含む。計算システム2800は、任意の適切な物理的形態をとってよい。例として、計算システム2800は、組込みコンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、シングルボードコンピュータシステム(SBC)(例えばコンピュータオンモジュール(COM)やシステムオンモジュール(SOM)等)、デスクトップ型コンピュータシステム、ラップトップ又はノートブック型のコンピュータシステム、インタラクティブキオスク、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、携帯電話、PDA、サーバ、タブレットコンピュータシステム、又はこれらの2つ以上の組合わせであってよい。
【0116】
プロセッサ2801は、コンピュータプログラムを構成するもの等、命令を実行するためのハードウェアを含む。プロセッサ2801は、メモリ2802、記憶装置2803、内部レジスタ又は内部キャッシュから命令を取り出すことができる。次に、プロセッサ2801は、命令を復号して実行する。次に、プロセッサ2801は、1つ以上の結果を、メモリ2802、記憶装置2803、内部レジスタ又は内部キャッシュに書き込む。プロセッサ2801は、オペレーティングシステム、プログラム、ユーザインタフェース及びアプリケーションインタフェース、並びに計算システム2800の任意の他の機能を実行するための処理能力を提供することができる。
【0117】
プロセッサ2801は、中央処理装置(CPU)、1つ以上の汎用マイクロプロセッサ、特定用途向けマイクロプロセッサ及び/若しくは専用マイクロプロセッサ、又はそのような処理コンポーネントの何らかの組合わせを含んでよい。プロセッサ2801は、1つ以上のグラフィックプロセッサ、ビデオプロセッサ、オーディオプロセッサ及び/又は関連チップセットを含んでよい。
【0118】
一部の実施形態では、メモリ2802は、プロセッサ2801が実行するための命令又はプロセッサ2801が演算するためのデータを格納するためのメインメモリを含む。例として、計算システム2800は、記憶装置2803又は別のソースからメモリ2802に命令をロードすることができる。命令の実行中又は実行後に、プロセッサ2801は、1つ以上の結果(中間結果又は最終結果であり得る)をメモリ2802に書き込んでよい。1つ以上のメモリバス(それぞれがアドレスバス及びデータバスを含んでよい)は、プロセッサ2801をメモリ2802に結合してよい。1つ以上のメモリ管理ユニット(MMU)は、プロセッサ2801とメモリ2802との間に存在し、プロセッサ2801によって要求されたメモリ2802へのアクセスを容易にすることができる。メモリ2802は、1つ以上のメモリを含んでよい。メモリ2802は、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってよい。
【0119】
記憶装置2803は、データ及び/又は命令を格納する。限定ではなく例として、記憶装置2803は、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ若しくはユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、又はこれらのうちの2つ以上の組合わせを含んでよい。一部の実施形態では、記憶装置2803は、着脱可能な媒体である。一部の実施形態では、記憶装置2803は、固定媒体である。一部の実施形態では、記憶装置2803は、計算システム2800の内部にある。一部の実施形態では、記憶装置2803は、計算システム2800の外部にある。一部の実施形態では、記憶装置2803は、不揮発性のソリッドステートメモリである。一部の実施形態では、記憶装置2803は、リードオンリーメモリ(ROM)を含む。必要に応じて、このROMは、マスクプログラムされたROM、プログラム可能なROM(PROM)、消去可能なPROM(EPROM)、電気的に消去可能なPROM(EEPROM)、電気的に変更可能なROM(EAROM)若しくはフラッシュメモリ、又はこれらの2つ以上の組合わせであってよい。記憶装置2803は、1つ以上のメモリデバイスを含んでよい。記憶装置2803に格納された1つ以上のプログラムモジュールは、本明細書に記載の様々な動作及びプロセスを実行させるように構成されてよい。記憶装置2803は、アプリケーションデータ、プログラムモジュール及び他の情報を格納してよい。一部の実施形態では、アプリケーション112は、記憶装置2803上に存在し、計算システム2800上で実行される。一部の実施形態では、データ記憶部113は、記憶装置2803上に存在する。記憶装置2803に格納された1つ以上のプログラムモジュールは、本明細書に記載の様々な動作及びプロセスを実行させるように構成される。例えば、アプリケーション112のプログラムは命令を含んでよく、当該命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、
図6、
図10、
図14、
図21及び
図29のうちの1つ以上に関して記載された1つ以上の動作を1つ以上のプロセッサに実行させる。
【0120】
I/Oインタフェース2804は、計算システム2800と1つ以上のI/Oデバイスとの間の通信のための1つ以上のインタフェースを提供するハードウェア、ソフトウェア、又は両方を含む。計算システム2800は、必要に応じて、これらのI/Oデバイスのうちの1つ以上を含んでよい。これらのI/Oデバイスの1つ以上により、人と計算システム2800の間の通信が可能となる。限定ではなく例として、I/Oデバイスは、光源、キーボード、キーパッド、マイク、モニタ、マウス、スピーカ、スチルカメラ、スタイラス、タブレット、タッチスクリーン、トラックボール、ビデオカメラ、別の適切なI/Oデバイス、又はこれらのうちの2つ以上の組合わせを含んでよい。I/Oデバイスは、1つ以上のセンサを含んでよい。一部の実施形態では、I/Oインタフェース2804は、プロセッサ2801がこれらのI/Oデバイスの1つ以上を駆動することを可能にする1つ以上のデバイス又はソフトウェアドライバを含む。I/Oインタフェース2804は、1つ以上のI/Oインタフェースを含んでよい。
【0121】
通信インタフェース2805は、計算システム2800と1つ以上の他の計算システム又は1つ以上のネットワークとの間の通信(例えばパケットベースの通信等)のための1つ以上のインタフェースを提供する、ハードウェア、ソフトウェア又は両方を含む。限定ではなく例として、通信インタフェース2805は、イーサネット又は他の有線ネットワークと通信するためのネットワークインタフェースカード(NIC)又はネットワークコントローラ、又は、無線ネットワーク(WI-FIネットワーク等)と通信するための無線NIC(WNIC)又は無線アダプタを含んでよい。本開示は、任意の適切なネットワークと、そのための任意の適切な通信インタフェース2805を想定している。限定ではなく例として、計算システム2800は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又はインターネットの1つ以上の部分、又はこれらのうちの2つ以上の組合わせと通信してよい。これらのネットワークのうちの1つ以上の1つ以上の部分は、有線であっても無線であってもよい。一例として、計算システム2800は、無線PAN(WPAN)(例えばBluetooth WPAN又は超広帯域(UWB)ネットワーク等)、WI-FIネットワーク、WI-MAXネットワーク、携帯電話ネットワーク(例えばGSM(Global System for Mobile Communications)ネットワーク等)、又は他の適切な無線ネットワーク、又はこれらのうちの2つ以上の組合わせと通信してよい。計算システム2800は、必要に応じて、これらのネットワークのいずれかのための任意の適切な通信インタフェース2805を含んでよい。通信インタフェース2805は、1つ以上の通信インタフェース2805を含んでよい。
【0122】
バス2806は、計算システム2800の様々なコンポーネントを相互接続し、それにより、データの伝送と様々なプロセスの実行を可能にする。バス2806は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、及び様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するローカルバスを含む、1つ以上のタイプのバス構造を含んでよい。
【0123】
図29は、機械学習モデルの訓練のための例示の動作フローを示す。一部の実施形態では、
図29のステップの1つ以上は、計算システム2800において、計算システム2800上のアプリケーション112のプログラム命令を実行することによって、実行される。
【0124】
ステップS2901において、計算システム2800は、機械学習モデルを訓練するための訓練データを取得する。訓練データは、信号セグメントに対応する特徴データを含む複数の訓練例を含む。一部の実施形態では、ステップS2901は、
図30に示される訓練データの取得を含む。
【0125】
図30は、機械学習モデルの訓練のための例示の訓練データ3000を示す。1つ以上の実施形態によれば、訓練データ3000は、特徴データ3001及び専門家推定3002を含む。
【0126】
1つ以上の実施形態では、特徴データ3001は、複数の信号セグメントの信号セグメント特徴データを含む。1つ以上の実施形態では、特徴データ3001は、各信号セグメントの低相レベル及び高相レベルを含む。例えば、一部の実施形態では、特徴データ3001は、各信号セグメントについて、ヒストグラム法を用いた信号セグメントのバイレベル波形の低相レベル及び高相レベルを含む。1つ以上の実施形態では、特徴データ3001は、各信号セグメントについて、信号セグメントとその移動平均平滑化信号の間の信号対雑音比を含む。特徴データ3001は、信号セグメントに関連付けられた任意の適切な特徴データを含んでよい。
【0127】
1つ以上の実施形態では、訓練データ3000は専門家推定3002を含む。例えば、1つ以上の実施形態によれば、訓練データ3000は、多くのOCTプルバックシーケンスから得られるステント留置セグメントと非ステント留置セグメントのバランスの取れたデータセットを含むように、1人以上の専門家又は監督者によって選択された信号セグメント特徴データ3001を含む。一部の実施形態では、信号セグメントの特徴データ3001は、専門家推定3002を用いて、ステント留置セグメント又は非ステント留置セグメントとして特定される。一部の実施形態では、専門家推定3002は、例えば、信号セグメントの分類及び/又は信号セグメントの特徴に関する1つ以上のラベルを含む。
【0128】
1つ以上の実施形態では、ステップS2901は、訓練データ3000を機械学習モデルに入力することを含む。一部の実施形態では、機械学習モデルは分類器である。例えば、機械学習モデルは、サポートベクタマシン(SVM)分類器であってよい。
【0129】
ステップS2902において、計算システム2800は、機械学習モデルを訓練する。例えば、計算システム2800は、ステップS2901で取得された訓練データを用いて、機械学習モデルを訓練することができる。一部の実施形態では、機械学習モデルは、
図30の訓練データ3000に基づいて訓練される。一部の実施形態では、ステップS2902は、機械学習モデルが分類器であるように、機械学習モデルを訓練することを含む。
【0130】
1つ以上の実施形態では、機械学習モデルは、ステップS2902において、信号セグメントの1つ以上の信号特徴に基づいて、血管内機器の画像データの表現であるもの、或いは血管内機器の画像データの表現ではないもののいずれかとして、信号セグメントを分類するように訓練される。一部の実施形態では、機械学習モデルは、以下の信号特徴のうちの1つ以上に基づいて、各信号セグメントを分類するように訓練される:ヒストグラム法に用いた信号セグメントのバイレベル波形の低相レベル及び高相レベル;及び、信号セグメントとその移動平均平滑化信号の間の信号対雑音比。
【0131】
1つ以上の実施形態によれば、機械学習モデルを訓練するために、信号セグメント(例えば10個のフレームに対応する
図9の10値信号セグメント902)は、専門家推定を用いてステント留置又は非ステント留置として分類され、少なくとも7つのステント留置動脈から得られたセグメントの特徴のバランスの取れたデータセットが作成される。一部の実施形態では、機械学習モデルは、信号セグメントの各々について、ステントセグメント又は非ステントセグメントのいずれかとして分類を出力するように訓練される。
【0132】
上記の説明は、本開示の原理を説明するのに役立つ。しかし、本開示は、上記の例に限定されるべきではない。例えば、様々な動作のうち一部の順序及び/又はタイミングは、本開示の範囲から逸脱することなく、上記に与えられた例とは異なってよい。更に例として、ネットワーク及び/又はコンピューティングシステムのタイプは、本開示の範囲から逸脱することなく、上記の例とは異なってよい。本開示の範囲から逸脱することなく、上記で与えられた例からの他の変形も存在し得る。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、図示された例の様々な特徴を修正、再配置又は除去することができ、又は、1つ以上の特徴を追加することができる。
【0133】
本開示の範囲は、命令を格納したコンピュータ可読媒体を含み、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、本明細書に記載される本開示の1つ以上の実施形態を1つ以上のプロセッサに実行させる。コンピュータ可読媒体の例として、ハードディスク、フロッピーディスク、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、記録可能なコンパクトディスク(CD-R)、CD-Rewritable(CD-RW)、デジタル多用途ディスクROM(DVD-ROM)、DVD-RAM、DVD-RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性メモリカード及びROMが挙げられる。コンピュータ実行可能命令は、ネットワークを介してダウンロードされることにより、コンピュータ可読記憶媒体に供給することもできる。
【0134】
本明細書の開示は特定の実施形態を参照して説明されてきたが、当然のことながら、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の例示にすぎない(そして、それに限定されない)。したがって、当然のことながら、例示の実施形態には多くの変更を加えることができ、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく他の構成を考案することができる。以下の特許請求の範囲は、そのような変更並びに均等の構造及び機能を全て包含するように、最も広い解釈が与えられるべきである。