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特許7497404エアロゾルフレーバー調節装置及び霧化装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】エアロゾルフレーバー調節装置及び霧化装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/30 20200101AFI20240603BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240603BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/42
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022175441
(22)【出願日】2022-11-01
(65)【公開番号】P2023099455
(43)【公開日】2023-07-13
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202111678771.2
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】文治華
(72)【発明者】
【氏名】陳厚林
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼鳳雷
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0265517(US,A1)
【文献】中国実用新案第212590266(CN,U)
【文献】国際公開第2020/205826(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
A24D 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトマイザーが装着された電子霧化装置に用いられ、前記アトマイザーが形成した第1エアロゾルに対しフレーバー調節を行うことで第2エアロゾルを形成するエアロゾルフレーバー調節装置であって、
前記エアロゾルフレーバー調節装置は、筐体(13)と、前記筐体(13)内に設置される通気管(11)を含み、前記筐体(13)と前記通気管(11)の間には収容室(A)が形成されており、前記収容室(A)は、フレーバー調節基質(12)を収容するために用いられ、
前記通気管(11)の側壁には第1通過孔(111)が設けられており、前記第1エアロゾルは、前記通気管(11)に進入すると、前記第1通過孔(111)を通じて前記収容室(A)に進入し、前記フレーバー調節基質(12)の有効物質と混合されたあと、第2エアロゾルを形成して外部に流出し、
前記収容室(A)の両端には、エアロゾルが出入りする入口(131)及び出口(132)がそれぞれ設けられており、前記第1エアロゾルの少なくとも一部は前記入口(131)から前記収容室(A)に進入し、前記第2エアロゾルの少なくとも一部は前記出口(132)から流出し、
前記通気管(11)における前記出口(132)に対応する端部は密閉されており、前記第2エアロゾルは、前記出口(132)のうち通気管(11)の端部を除く場所から流出することを特徴とするエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項2】
前記通気管(11)における前記出口(132)に対応する端部は尖端となっていることを特徴とする請求項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項3】
アトマイザーが装着された電子霧化装置に用いられ、前記アトマイザーが形成した第1エアロゾルに対しフレーバー調節を行うことで第2エアロゾルを形成するエアロゾルフレーバー調節装置であって、
前記エアロゾルフレーバー調節装置は、筐体(13)と、前記筐体(13)内に設置される通気管(11)を含み、前記筐体(13)と前記通気管(11)の間には収容室(A)が形成されており、前記収容室(A)は、フレーバー調節基質(12)を収容するために用いられ、
前記通気管(11)の側壁には第1通過孔(111)が設けられており、前記第1エアロゾルは、前記通気管(11)に進入すると、前記第1通過孔(111)を通じて前記収容室(A)に進入し、前記フレーバー調節基質(12)の有効物質と混合されたあと、第2エアロゾルを形成して外部に流出し、
前記収容室(A)の両端には、エアロゾルが出入りする入口(131)及び出口(132)がそれぞれ設けられており、前記第1エアロゾルの少なくとも一部は前記入口(131)から前記収容室(A)に進入し、前記第2エアロゾルの少なくとも一部は前記出口(132)から流出し、
前記通気管(11)における前記出口(132)に対応する端部には第2通過孔が開設されており、且つ、前記フレーバー調節基質(12)は、前記通気管(11)の端部における第2通過孔を覆うことを特徴とするエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項4】
前記通気管(11)の側壁における各前記第1通過孔(111)は、前記出口(132)の方向に向かって密になるよう分布しており、或いは、前記通気管(11)の側壁における各前記第1通過孔(111)は、前記出口(132)の方向に向かって大きくなるよう分布していることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項5】
前記第1通過孔(111)は、軸対称又は中心対称に設置されることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項6】
前記筐体(13)と前記通気管(11)は一体構造であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項7】
前記通気管(11)の数は複数であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項8】
前記筐体(13)の外側には加熱装置(14)が設けられており、前記加熱装置(14)は、前記収容室(A)に収容されているフレーバー調節基質(12)を加熱することで、前記フレーバー調節基質(12)に有効物質を放出させるために用いられることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項9】
前記加熱装置は、前記筐体(13)の外側に覆設される加熱リングである、或いは、前記加熱装置は、前記筐体(13)の外側に覆設される電磁コイルであることを特徴とする請求項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項10】
前記加熱装置は、前記筐体(13)の外側に設置される加熱フィルムである、或いは、前記加熱装置は、前記筐体(13)の外側を包囲するよう設置されるFPCであることを特徴とする請求項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項11】
前記加熱装置は赤外線加熱装置であることを特徴とする請求項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置。
【請求項12】
アトマイザーと、請求項1~のいずれか1項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置を含み、前記アトマイザーがエアロゾル発生基質を霧化することで形成された第1エアロゾルは、少なくとも一部が前記エアロゾルフレーバー調節装置に進入して、ユーザが吸入する第2エアロゾルを形成することを特徴とする電子霧化装置。
【請求項13】
アトマイザーと、請求項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置を含み、前記アトマイザーがエアロゾル発生基質を霧化することで形成された第1エアロゾルは、少なくとも一部が前記エアロゾルフレーバー調節装置に進入して、ユーザが吸入する第2エアロゾルを形成することを特徴とする電子霧化装置。
【請求項14】
アトマイザーと、請求項に記載のエアロゾルフレーバー調節装置を含み、前記アトマイザーがエアロゾル発生基質を霧化することで形成された第1エアロゾルは、少なくとも一部が前記エアロゾルフレーバー調節装置に進入して、ユーザが吸入する第2エアロゾルを形成することを特徴とする電子霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化の分野に関し、より具体的には、エアロゾルフレーバー調節装置及び霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術には、フレーバーを混合する電子霧化装置が存在する。一般的に、このような電子霧化装置は、アトマイザー及びフレーバー調節器を含む。アトマイザーが発生させた第1エアロゾルは前記フレーバー調節器に進入し、前記第1エアロゾルの温度によって前記フレーバー調節器内のフレーバー調節基質が加熱されることで、前記フレーバー調節基質の有効物質が放出されて、ユーザが吸入する第2エアロゾルが形成される。このような電子霧化装置によれば、多種類のフレーバーを同時に有し得る。しかし、この種の霧化方式には、有効物質の放出量が低く、有効物質の放出量が前後で一致しないため吸い応えに劣るとの課題が存在する。
【0003】
また、第1エアロゾルでフレーバー調節基質を加熱して有効物質を放出させるだけでなく、更に、フレーバー調節基質を別途加熱する二次加熱霧化方式も存在する。即ち、フレーバー調節基質を2回加熱する。このような方式によれば、有効物質の放出量をある程度向上させることはできるが、有効物質が前後で一致しないため吸い応えに劣るとの課題は依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術における上記の欠点に対し、エアロゾルフレーバー調節装置及び霧化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一局面において、本発明の実施例は、エアロゾルフレーバー調節装置を提供する。前記エアロゾルフレーバー調節装置は、アトマイザーが装着された電子霧化装置に用いられ、前記アトマイザーが形成した第1エアロゾルに対しフレーバー調節を行うことで第2エアロゾルを形成する。当該エアロゾルフレーバー調節装置は、以下を特徴とする。前記エアロゾルフレーバー調節装置は、筐体と、前記筐体内に設置される通気管を含む。前記筐体と前記通気管の間には収容室が形成されている。前記収容室は、フレーバー調節基質を収容するために用いられる。
【0006】
前記通気管の側壁には第1通過孔が設けられている。よって、前記第1エアロゾルは、前記通気管に進入すると、前記第1通過孔を通じて前記収容室に進入し、前記フレーバー調節基質の有効物質と混合されたあと、第2エアロゾルを形成して外部に流出する。
【0007】
選択的な実施形態において、収容室の両端には、エアロゾルが出入りする入口及び出口がそれぞれ設けられている。前記第1エアロゾルの少なくとも一部は前記入口から前記収容室に進入し、前記第2エアロゾルの少なくとも一部は前記出口から流出する。
【0008】
選択的な実施形態において、前記通気管における前記出口に対応する端部は密閉されており、前記第2エアロゾルは、前記出口のうち通気管の端部を除く場所から流出する。
【0009】
選択的な実施形態において、前記通気管における前記出口に対応する端部は尖端となっている。
【0010】
選択的な実施形態において、前記通気管における前記出口に対応する端部には第2通過孔が開設されている。且つ、前記フレーバー調節基質は、前記通気管の端部における第2通過孔を覆う。
【0011】
選択的な実施形態において、前記通気管の側壁における各前記第1通過孔は、前記出口の方向に向かって密になるよう分布している。
【0012】
選択的な実施形態において、前記通気管の側壁における各前記第1通過孔の孔径は、前記出口の方向に向かって大きくなるよう分布している。
【0013】
選択的な実施形態において、前記通気管の側壁における各前記第1通過孔は軸対称又は中心対称に設置される。
【0014】
選択的な実施形態において、前記筐体と前記通気管は一体構造である。
【0015】
選択的な実施形態において、前記通気管の数は複数である。
【0016】
選択的な実施形態において、前記筐体の外側には加熱装置が設けられている。前記加熱装置は、収容室に収容されているフレーバー調節基質を加熱することで、前記フレーバー調節基質に有効物質を放出させるために用いられる。
【0017】
選択的な実施形態において、前記加熱装置は前記筐体の外側に覆設される加熱リングである。
【0018】
選択的な実施形態において、前記加熱装置は前記筐体の外側に覆設される電磁コイルである。
【0019】
選択的な実施形態において、前記加熱装置は、前記筐体の外側に設置される加熱フィルムである。或いは、前記加熱装置は、前記筐体の外側を包囲するよう設置されるFPCである。
【0020】
選択的な実施形態において、前記加熱装置は赤外線加熱装置である。
【0021】
他の局面において、本発明の実施例は、アトマイザー及び前記エアロゾルフレーバー調節装置を含む電子霧化装置を提供する。前記アトマイザーがエアロゾル発生基質を霧化することで形成された第1エアロゾルは、少なくとも一部が前記エアロゾルフレーバー調節装置に進入して、ユーザが吸入する第2エアロゾルを形成する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例で提供するエアロゾルフレーバー調節装置及び霧化装置は、エアロゾルフレーバー調節装置に多孔質通気部材が設置されている。これにより、アトマイザーで霧化された第1エアロゾルの一部は前記エアロゾルフレーバー調節装置の底部から前記収容室に直接進入するが、一部は多孔質通気部材を通じて収容室に進入する。そして、これら2つの第1エアロゾルとエアロゾルフレーバー調節装置内の有効物質が混合されたあと、第2エアロゾルが形成されて、使用者の口内に進入する。この場合、2つの第1エアロゾルが更に十分に混合される。このことは、収容室内のフレーバー調節基質の有効物質を放出するのに有利であり、有効物質の放出総量が増加する。また、口当たりがソフトとなり、バランスも更によくなるため、有効物質の減少が深刻であり、吸い応えに劣るとの課題が改良される。
【0023】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の実施例におけるエアロゾルフレーバー調節装置の立体構造の概略図である。
図2図2は、図1におけるエアロゾルフレーバー調節装置の断面構造の概略図である。
図3図3は、図1におけるエアロゾルフレーバー調節装置の筐体と通気管が一体の場合の断面構造の概略図である。
図4図4は、図1におけるエアロゾルフレーバー調節装置の通気管のうち出口に対応する端部に第1通過孔が設けられている場合の断面構造の概略図である。
図5図5は、図1におけるエアロゾルフレーバー調節装置の外側に加熱装置が設けられている場合の立体構造の概略図である。
図6図6は、図5におけるエアロゾルフレーバー調節装置の断面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の技術的特徴、目的及び効果がより明瞭に理解されるよう、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。
【0026】
本発明の記載において、理解すべき点として、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0027】
また、「第1」、「第2」との用語は記載の便宜上のものにすぎず、相対的な重要性を明示又は暗示するものと解釈すべきでも、対象となる技術的特徴の数を示唆するものと解釈すべきでもない。そのため、「第1」、「第2」で限定される特徴は、明示的又は暗示的に少なくとも1つの当該特徴を含み得る。また、本発明の記載において、別途明確且つ具体的に限定している場合を除き、「複数」とは少なくとも2つの意味であり、例えば、2つ、3つ等である。
【0028】
本発明では、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「装着する」、「連なる」、「接続する」、「固定する」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、別途明確に限定している場合を除き、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体をなしていてもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよいし、2つの部材内部の連通であってもよいし、2つの部材の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的状況に応じて、本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0029】
本発明では、別途明確に規定及び限定している場合を除き、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1及び第2の特徴が直接的に接触していてもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触していてもよい。且つ、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上方にあってもよいし、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことを表していてもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真下又は斜め下方にあってもよいし、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも低いことを表していてもよい。
【0030】
説明すべき点として、部材が別の部材に「固定される」或いは「設置される」とは、部材が別の部材上に直接存在していてもよいし、介在する部材が存在してもよい。また、一方の部材が他方の部材に「接続される」とみなされる場合には、他方の部材に直接接続してもよいし、介在部材が同時に存在してもよい。また、本文中で使用する「垂直の」、「水平の」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の記載は説明の便宜上のものにすぎず、唯一の実施形態を表すものではない。
【0031】
本発明の実施例で提供する電子霧化装置は、エアロゾル発生基質を加熱することで、ユーザが使用するエアロゾルを発生させる。前記エアロゾル発生基質の形態は、リキッド、ゲル、ペースト又は固体等とすることができる。エアロゾル発生基質が固体の場合には、粉砕状、顆粒状、粉末状、粒状、帯状又はシート状形式の固体とすることができる。前記エアロゾル発生基質は、医療、養生、健康、美容目的の材料を含むが、これらに限らない。例えば、エアロゾル発生基質は薬液やオイル類である。或いは、前記エアロゾル発生基質は、例えば、植物の根、茎、葉、花、芽、種子等の植物系材料である。
【0032】
本発明の実施例で提供するフレーバー調節装置において、フレーバー調節基質の形態は、リキッド、ゲル、ペースト又は固体等とすることができる。フレーバー調節基質が固体の場合には、粉砕状、顆粒状、粉末状、粒状、帯状又はシート状形式の固体とすることができる。前記フレーバー調節基質は、医療、養生、健康、美容目的の材料を含むが、これらに限らない。例えば、フレーバー調節基質は薬液やオイル類である。或いは、前記フレーバー調節基質は、例えば、植物の根、茎、葉、花、芽、種子等の植物系材料である。
【0033】
図1図2は、本発明の実施例で提供するエアロゾルフレーバー調節装置1を示している。前記エアロゾルフレーバー調節装置1は、アトマイザーが装着された電子霧化装置に用いられ、前記アトマイザーが形成した第1エアロゾルに対しフレーバー調節を行うことで第2エアロゾルを形成する。前記エアロゾルフレーバー調節装置1は、筐体13と、前記筐体13内に設置される通気管11を含む。前記筐体13と前記通気管11の間には収容室Aが形成されている。前記収容室Aは、フレーバー調節基質12を収容するために用いられる。また、通気管11の側壁には第1通過孔111が設けられている。よって、霧化された第1エアロゾルは、通気管11に進入すると、前記第1通過孔111を通じて前記収容室Aに進入し、前記フレーバー調節基質12の有効物質と混合されたあと、第2エアロゾルを形成して外部に流出する。収容室A内には、ユーザの要望に応じて、異なる種類及びフレーバーのフレーバー調節基質12を配置可能である。
【0034】
エアロゾルフレーバー調節装置1の中央に多孔質通気部材を設置することで、アトマイザーで霧化された第1エアロゾルの一部はエアロゾルフレーバー調節装置1の底部からフレーバーカプセルに直接進入するが、一部は多孔質通気部材を通じてフレーバーカプセルに進入し、これらが合流したあと、第2エアロゾルが形成されて、使用者の口内に進入する。こうすることで、有効物質の放出がより十分になるほか、口当たりがソフトとなり、バランスも更によくなる。よって、有効物質の減少が深刻であり、吸い応えに劣るとの課題が改良される。
【0035】
選択的な実施形態において、前記通気管11は複数とし、前記筐体13内に均一に設置する。こうすることで、フレーバー調節基質12中の有効物質をより良好に放出可能となるため、形成される第2エアロゾルの一致度が更によくなり、吸い応えにいっそう優れる。
【0036】
収容室Aの両端には、アトマイザーからのエアロゾルを進入させる入口131と、進入後に流出させる出口132がそれぞれ設けられている。選択的に、エアロゾルを均一に通過させるために、入口は網目構造となっている。
【0037】
アトマイザーからの第1エアロゾルの一部は前記入口131を通じて収容室A内に進入するが、一部は通気管11に進入する。また、通気管11内の第1エアロゾルは、前記第1通過孔111を通じて収容室Aに流入する。上記双方の第1エアロゾルは、それぞれ、前記フレーバー調節基質12中の有効物質と混合されたあと、第2エアロゾルを形成して出口132から流出する。
【0038】
選択的な実施形態において、前記通気管11における前記出口132に対応する端部は密閉されており、前記第2エアロゾルは、前記出口132のうち通気管11の端部を除く場所から流出する。このように設置することで、通気管11に進入した第1エアロゾルがより良好に収容室Aに進入し、収容室内のフレーバー調節基質の有効物質と一段と効果的に混合されるため、形成される第2エアロゾルの吸い応えが更に良好となる。
【0039】
選択的な実施形態において、前記通気管11における前記出口132に対応する端部は尖端となっている。この場合、生産及び組み立て時に一段と都合がよい。
【0040】
選択的な実施形態において、前記通気管11における前記出口132に対応する端部には前記第2通過孔113が開設されている。且つ、前記フレーバー調節基質12は、前記通気管11の端部における第2通過孔113を覆う。即ち、通気管11の長さを前記筐体13の長さよりも小さくすることで、形成された第2エアロゾルを前記出口132から流出させる前に、異なる気圧の作用で更に攪拌的に混合可能とする。
【0041】
選択的な実施形態において、第1エアロゾルは、通気管11内での通過速度が次第に遅くなり、且つ密度が次第に低下する。通気管11の各部分で収容室Aに進入するエアロゾルをより均一とするために、通気管11の側壁における各第1通過孔111は、出口132の方向に向かって密になるよう分布している。こうすることで、第1エアロゾルは、通気管11に進入した直後は速度が速く、第1通過孔111の数の少ないエリアから収容室Aに進入する。また、第1エアロゾルは、通気管11内で流動し続けるにつれて、速度と密度の双方が低下する。そこで、後方でより多くの第1エアロゾルを収容室Aに進入させるために、第1通過孔111の数を徐々に増加させることで、通気管11の各部分で収容室Aに進入する第1エアロゾルの量がより均一となるよう保証可能とする。
【0042】
また、通気管11の各部分で収容室Aに進入するエアロゾルをより均一とするために、通気管11の側壁における各第1通過孔111の孔径を、出口132の方向に向かって大きくなるよう分布させてもよい。こうすることで、第1エアロゾルは、通気管11に進入した直後は速度が速く、第1通過孔111の小径エリアから収容室Aに進入するため、収容室Aに進入するエアロゾルの量が制御される。また、第1エアロゾルは、通気管11内で流動し続けるにつれて、速度と密度の双方が低下する。そこで、後方でより多くの第1エアロゾルを収容室Aに進入させるために、第1通過孔111の孔径を徐々に増大させることで、通気管11の各部分で収容室Aに進入する第1エアロゾルの量がより均一となるよう保証可能とする。
【0043】
選択的な実施形態において、通気管11の側壁における各第1通過孔111は、軸対称又は中心対称に設置される。これにより、第1エアロゾルを周方向の第1通過孔111からいっそう均一に収容室Aに進入させて、収容室A内のフレーバー調節基質12から放出される有効物質と十分に攪拌及び混合することが可能となる。
【0044】
選択的な実施形態において、前記通気管11における出口132に位置する端部の外周にはフランジ112が設けられている。これにより、フレーバー調節基質12をフランジ112の位置に装着した場合には、フレーバー調節基質12に対する圧着及び位置決め作用が奏され得る。また、フランジ112は、通気管を取り出す際に力を受けるのにも都合がよいため、通気管11を取り出しやすくなる。更に、フランジ112は、フィルタ15との接触面を増加可能とするため、通気管11の位置決めがより安定的となる。
【0045】
図3に示すように、第2実施例において、霧化装置はアトマイザー及びエアロゾルフレーバー調節装置1を含む。アトマイザーには排気口が設けられている。アトマイザーがフレーバー調節基質12を霧化することで発生した第1エアロゾルは、排気口を通じてエアロゾルフレーバー調節装置1の通気管11に進入する。
【0046】
エアロゾルフレーバー調節装置1は、通気管11と、通気管11の外側に設置されるフレーバー調節基質12を含む。また、通気管11の側壁には第1通過孔111が設けられている。よって、霧化された第1エアロゾルは、通気管11に進入すると、第1通過孔111を通じて通気管11の外部に進入する。そして、フレーバー調節基質12を加熱したあと、通気管11の外部からフレーバー調節基質12に進入した第1エアロゾルと混合されて、第2エアロゾルを形成し、外部に流出する。
【0047】
選択的な実施形態において、通気管11の側壁には、いくつかの第1通過孔111が分布している。更に、エアロゾルは、通気管11内での通過速度が次第に遅くなり、且つ密度が次第に低下する。通気管11の各部分で収容室Aに進入する第1エアロゾルをより均一とするために、通気管11の側壁における各第1通過孔111は、出口132の方向に向かって密になるよう分布している。こうすることで、エアロゾルは、通気管11に進入した直後は速度が速く、第1通過孔111の数の少ないエリアから収容室Aに進入する。また、第1エアロゾルは、通気管11内で流動し続けるにつれて、速度と密度の双方が低下する。そこで、後方でより多くのエアロゾルを収容室Aに進入させるために、第1通過孔111の数を徐々に増加させることで、通気管11の各部分で収容室Aに進入する第1エアロゾルの量がより均一となるよう保証可能とする。
【0048】
選択的な実施形態において、通気管11の各部分で収容室Aに進入するエアロゾルをより均一とするために、通気管11の側壁における各第1通過孔111の孔径を、出口132の方向に向かって大きくなるよう分布させてもよい。こうすることで、第1エアロゾルは、通気管11に進入した直後は速度が速く、第1通過孔111の小径エリアから収容室Aに進入するため、収容室Aに進入する第1エアロゾルの量が制御される。また、第1エアロゾルは、通気管11内で流動し続けるにつれて、速度と密度の双方が低下する。そこで、後方でより多くの第1エアロゾルを収容室Aに進入させるために、第1通過孔111の孔径を徐々に増大させることで、通気管11の各部分で収容室Aに進入する第1エアロゾルの量がより均一となるよう保証可能とする。
【0049】
選択的な実施形態において、通気管11の側壁における各第1通過孔111は、軸対称又は中心対称に設置される。これにより、エアロゾルを周方向の第1通過孔111からいっそう均一に収容室Aに進入させて、収容室A内のフレーバー調節基質12から放出される有効物質と十分に攪拌及び混合することで、第2エアロゾルを形成可能となる。
【0050】
選択的な実施形態において、第1実施例と比較して、筐体13と通気管11は一体構造となっているため、組み立てステップが省略される。また、通気管11の外周面は平坦となっており、出口132に対応する端部の外周にフランジは設けられていない。よって、内部へのフレーバー調節基質12の充填、及び内部からのフレーバー調節基質12の取り出しが容易である。
【0051】
選択的な実施形態において、通気管11における出口132に対応する端部は密閉されており、通気管11に進入したエアロゾルは側壁の第1通過孔111から流出する。
【0052】
本発明の実施例で提供する多孔質部材構造では、エアロゾルが第1通過孔111を通過して、タバコ葉等のフレーバー調節基質12から放出される有効物質と攪拌及び混合されるため、エアロゾルの有効物質との混合がより十分となる。このことは、エアロゾルに有効物質を付着させるのに有利であり、有効物質の放出総量が増加する。また、口当たりがソフトとなり、バランスも更によくなるため、有効物質の減少が深刻であり、吸い応えに劣るとの課題が改良される。
【0053】
図5図6に示すように、更に、第3実施例では、上記の第1、第2実施例をベースとして、筐体13の外側に加熱装置14を設置可能である。周辺加熱と組み合わせてフレーバー調節基質12の顆粒及びフレーバーカプセルの温度を上昇させることで、エアロゾル経路の温度差が減少するため、凝縮が減少し、且つ凝縮液が減少する。このことは、フレーバー調節基質12の顆粒の有効物質を放出するのに有利であり、且つ、吸入の前段と後段で放出にムラができるとの課題が改良される。また、フレーバー調節基質12の顆粒に対する熱伝導距離が短縮されることで、フレーバー調節基質12中の有効物質が更に十分に放出されるため、形成される第2エアロゾルの吸い応えがより良好となる。
【0054】
第3実施例において、加熱装置14は、筐体13の外側に覆設される加熱リングとすることができる。加熱リングは、通電後に発熱して、内部のフレーバー調節基質12を加熱する。
【0055】
第3実施例において、加熱装置14は、筐体13の外側に覆設される電磁コイルとしてもよい。電磁コイルは、通電後に熱を発生させて、内部のフレーバー調節基質12を加熱する。
【0056】
第3実施例において、加熱装置14は抵抗発熱体を更に含んでもよい。抵抗発熱体には、巻線を巻き付ける方式を採用してもよいし、筐体13の外周全体を覆う方式を採用してもよい。
【0057】
更に、筐体13は金属材質からなる。また、抵抗発熱体は、筐体13の外側を覆うFPCを含む。FPCは、通電後に熱を発生させて、内部のフレーバー調節基質12を加熱する。或いは、抵抗発熱体は、筐体13の外側を覆う発熱フィルムを含んでもよい。発熱フィルムは、通電後に熱を発生させて、内部のフレーバー調節基質12を加熱する。或いは、抵抗発熱体は、筐体13の外側を覆う金属発熱体を含む。FPC、発熱フィルム、金属発熱体は通電後に発熱する。
【0058】
更に、第3実施例において、加熱装置14は、筐体13の外側に設置される赤外線発熱体を含む。更に、これに対応して、筐体13は石英ガラス管である。また、赤外線発熱体は、石英ガラス管の外側にコーティングされる赤外線発熱ペーストを含む。赤外線が放射されると、赤外線発熱体が発熱して、内部のフレーバー調節基質12を加熱する。或いは、筐体13は金属管である。また、赤外線発熱体は、金属管内にコーティングされる赤外線発熱ペーストと、金属管の外側に設置される発熱フィルムを含む。赤外線が放射されると、赤外線発熱ペーストが発熱し、熱が筐体13、発熱フィルムを通じて外側に伝達されて、内部のフレーバー調節基質12を加熱する。
【0059】
加熱装置を設置して前記エアロゾルフレーバー調節装置内のフレーバー調節基質12を加熱することで、前記フレーバー調節基質12中の有効物質が更に放出されるため、有効物質が一段と多く、フレーバーが更に良好な第2エアロゾルが形成される。
【0060】
本発明の実施例は、電子霧化装置を提供する。前記電子霧化装置は、アトマイザー及びエアロゾルフレーバー調節装置を含む。前記アトマイザーがエアロゾル発生基質を霧化することで形成された第1エアロゾルは、少なくとも一部が前記エアロゾルフレーバー調節装置に進入して、ユーザが吸入する第2エアロゾルを形成する。
【0061】
使用時には、エアロゾルフレーバー調節装置1の入口131がアトマイザー(図示しない)に対応するよう接続及び組み付けられる。アトマイザーには排気口が設けられており、アトマイザーがフレーバー調節基質12を霧化することで発生したエアロゾルは、排気口を通じてエアロゾルフレーバー調節装置の通気管11に進入する。
【0062】
エアロゾルフレーバー調節装置1の中央には多孔質通気部材が設置されている。アトマイザーで霧化された第1エアロゾルの一部はエアロゾルフレーバー調節装置1の底部からフレーバーカプセルに直接進入するが、一部は多孔質通気部材を通じてフレーバーカプセルに進入し、これらが合流したあと、第2エアロゾルが形成されて、使用者の口内に進入する。
【0063】
当該電子霧化装置の実施例におけるエアロゾルフレーバー調節装置1については、上記のエアロゾルフレーバー調節装置1を参照すればよいため、ここでは改めて詳述しない。
【0064】
エアロゾルフレーバー調節装置1の多孔質部材構造によって、アトマイザーが発生させた第1エアロゾルは、第1通過孔111を通過して、エアロゾルフレーバー調節装置1中のフレーバー調節基質12から放出される有効物質と攪拌及び混合される。これにより、形成される第2エアロゾルに付着する有効物質が更に多くなり、有効物質の放出総量が増加する。また、口当たりがソフトとなり、バランスも更によくなるため、有効物質の減少が深刻であり、吸い応えに劣るとの課題が改良される。
【0065】
理解可能なように、本発明の実施例における上記のフレーバー調節装置は、排出する第2エアロゾルが第1エアロゾルのフレーバーと異なっていればよい。即ち、フレーバー調節装置は、例えば、濃度の変化、成分の変化、或いは、ユーザに違いを感じさせるその他何らかの変化といったフレーバー調節を行うとみなされる。理解可能なように、本発明の実施例における上記の有効物質には、ニコチン、プロパンジオール、芳香族化合物、テルペン系物質等を含む(ただし、これらに限らない)第2エアロゾルを第1エアロゾルのフレーバーと異ならせる任意の物質が含まれる。
【0066】
理解可能なように、上記の各技術的特徴は、制限なく任意に組み合わせて使用することが可能である。
【0067】
以上の記載は本発明の実施例にすぎず、これにより本発明の権利範囲は制限されない。本発明の明細書及び図面の内容を用いて実施される等価の構造又は等価のフローの変更、或いは、その他関連の技術分野における直接的又は間接的な運用は、いずれも同様の理由で本発明の権利保護の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6