(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】スタック出口白煙低減装置
(51)【国際特許分類】
F23J 15/00 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
F23J15/00 F
(21)【出願番号】P 2022183002
(22)【出願日】2022-11-16
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0161652
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0161653
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】510225487
【氏名又は名称】ビーエイチアイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【氏名又は名称】緒方 和文
(72)【発明者】
【氏名】イ ナム ジュ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヨン ムン
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョン ウク
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ケ ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョン ス
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-050811(JP,A)
【文献】特開2002-323216(JP,A)
【文献】特開昭48-002234(JP,A)
【文献】実開昭62-198366(JP,U)
【文献】特開昭58-193017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J 13/00 - 99/00
F23G 5/14 - 7/08
F23L 1/00 - 99/00
F02C 1/00 - 9/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスが流入する流入ダクト(100);
前記流入ダクト(100)を通じて排ガスが流入する過熱器(200);
前記過熱器(200)の後端に位置する蒸発器(300);
前記過熱器(200)と連通し、熱交換器(410)を含むエコノマイザ(400);及び
前記エコノマイザ(400)の後端に位置するスタック(500);を含み、
前記スタック(500)は、前記スタック(500)の上側末端の外側に位置するガス噴射装置(510)を含み、
前記過熱器(200)は、前記ガス噴射装置(510)と連結されるバイパス流路(210)を含み、
前記バイパス流路(210)上には流入ファン(211)が位置し、
前記ガス噴射装置(510)は、前記スタック(500)の前記上側末端の外周に沿って位置するが、それぞれは直線状であるn個の第1~第n噴射装置(510)を含み、
前記第1~第n噴射装置ごとにそれぞれ長手方向に延びて形成される第1~第nホール(511c)を含み、
前記第1~第nホール(511c)の一側に第1~第nダンパー(512)が位置し、前記第1~第nホール(511c)から噴射される排ガスの角度が調節
され、
前記スタック(500)の前記上側末端に位置し、前記スタック(500)から排出される排ガスの温度を感知する温度センサー;及び
前記温度センサーで測定された値に応じて前記第1~第nダンパー(512)の角度を制御する制御部;をさらに含み、
前記制御部は前記測定値が予め設定された値未満である場合、前記第1~第nダンパー(512)の角度を減少させ、前記排ガスの温度を増加させる、
システム。
【請求項2】
前記第1~第n噴射装置(510)は、隣接するそれぞれの噴射装置(510)間の角度が同一のn角形構造である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御部は前記温度センサーで測定された値に応じて前記流入ファン(211)の強度を制御
する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1~第nホール(511c)から噴出される排ガスの水平に対する噴出角度は、45°~80°である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スタック出口白煙低減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近になって環境汚染問題に対する認識変化及び法規強化により、産業分野における環境汚染問題は設計段階から優先的に考慮されている。
【0003】
一般に、冷却水を使用して設備や製品などを冷却する産業では必然的に水蒸気を含む排気ガスが発生する。排気ガスは多量の水分と様々な物質を含んでおり、煙突から排出する際、白煙(white smoke)現象が発生する。大気温度が低く湿度が高いほど水蒸気が冷却凝縮し、小さな水滴で可視化された白煙の発生量が多くなる。このような現象は特に冬季に多く発生する。
【0004】
このような白煙は汚染物質の影響はないが、視覚的な効果のため公害物質と誤認した請願が続いている実情である。白煙を防止するための別途の装置が求められる。
【0005】
白煙を低減するためには、煙突から熱い排気ガスが吐出される前に排気ガスに含まれた水蒸気を冷却及び除湿方法を利用して除去することが効果的であるが、関連施設の費用が少なくとも100億ウォン以上かかるだけでなく、追加の敷地が必要である。
【0006】
特に、HRSGコジェネレーションの場合、住民への熱供給のために大都市近隣に位置しているが、大都市近隣には高価な地価が形成されている。これにより、追加の敷地買い入れのために高い投資費用が必要となり、白煙低減装置を構築しようとする事業者に金銭的な面で負担が加重される。
【0007】
また、HRSGコジェネレーションの内部に排ガスを冷却させる追加の熱交換設備は、排ガスの差圧を増加させ、1mbar(10mmH2O)の差圧増加時、GT出力は約0.15MWの電力生産損失が発生する。これに対し、発電会社の立場では設備構築が敬遠される実情であり、まだ冷却、除湿法による白煙低減設備を国内外で使用できない原因となり得る。
【0008】
従来は、スタックから排出される白煙を低減するために、スタックに供給される排ガスを予熱したり温度を高め、湿潤して空気中に凝結されて霧状になりやすい出口の燃焼排気ガスに温めて乾燥された白煙防止用空気を混合し、燃焼排気ガスの相対湿度を低下させることにより白煙防止を図る技術が開示された。
【0009】
例えば、日本公開特許文献第2002-129984号は、ガスタービン設備の白煙防止方法及び装置に関し、ガスタービン装置(22)から発生した高温の排ガスの一部が白煙制御装置(30)に供給された後、スタック(26)に移動することが開示される。このような技術は、低い空気温度の使用により排ガス冷却防止のための多くの流量が必要であり、煙突排ガスの全体温度を上げて白煙を低減するところ、白煙低減効率が低下する。
【0010】
他の例として、韓国登録特許文献第10-2067302号は、加圧流動路システムの起動方法に関し、白煙防止用予熱器(70)で排ガスが予熱された後、排煙処理塔(80)に移動することが開示される。ただし、このような技術は空気予熱器の使用による差圧が発生し、これは、消費動力増加の運営費が上昇する問題がある。また、低い空気温度の使用により排ガス冷却防止のための多くの流量が必要であり、煙突排ガスの全体温度を上げて白煙を低減するところ、白煙低減効率が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】日本公開特許文献第2002-129984号
【文献】韓国登録特許文献第10-2067302号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記のような問題点を解決するために案出されたものである。
具体的には、本発明は、スタックにおける白煙を最適に低減するための技術である。特に、本発明は、HRSGコジェネレーションシステムの差圧を増加させることなく、排出される白煙を低減するための技術である。
【0013】
また、本発明は、設備費用及び追加敷地を必要とせず、白煙を効果的に低減するための技術である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような課題を解決するための本発明の一実施例は、排ガスが流入する流入ダクト100;前記流入ダクト100を通じて排ガスが流入する過熱器200;前記過熱器200の後端に位置する蒸発器300;前記過熱器200と連通し、熱交換器410を含むエコノマイザ400;及び前記エコノマイザ400の後端に位置するスタック500;を含み、前記スタック500は、前記スタック500の上側末端の外側に位置するガス噴射装置510;を含み、前記過熱器200は、前記ガス噴射装置510と連結されるバイパス流路210を含み、前記バイパス流路210上には流入ファン211が位置し、前記ガス噴射装置510は、前記スタック500の前記上側末端の外周に沿って位置するが、それぞれは直線状であるn個の第1~第n噴射装置510を含み、前記第1~第n噴射装置ごとにそれぞれ長手方向に延びて形成される第1~第nホール511cを含み、前記第1~第nホール511cの一側に第1~第nダンパー512が位置し、前記第1~第nホール511cから噴射される排ガスの角度が調節される、システムを提供する。
【0015】
一実施例において、前記スタック500の前記上側末端に位置し、前記スタック500から排出される排ガスの温度を感知する温度センサー;及び前記温度センサーで測定された値に応じて前記第1~第nダンパー512の角度を制御する制御部;をさらに含むことができる。
【0016】
一実施例において、前記第1~第n噴射装置510は、隣接するそれぞれの噴射装置510間の角度が同一のn角形構造であってもよい。
【0017】
一実施例において、前記スタック500の一側に前記スタック500から排出される排ガスの温度を感知する温度センサー;及び前記温度センサーで測定された値に応じて前記流入ファン211の強度を制御する制御部;をさらに含むことができる。
【0018】
前記のような課題を解決するための本発明の他の実施例は、排ガスが流入される流入ダクト100;前記流入ダクト100を通じて排ガスが流入する過熱器200;前記過熱器200の後端に位置する蒸発器300;前記過熱器200と連通し、熱交換器410を含むエコノマイザ400;及び前記エコノマイザ400の後端に位置するスタック10500;を含み、前記スタック10500は、前記スタック10500の内側面と所定間隔離隔されて位置する排ガス分離板10510と、前記スタック10500の高さ方向の末端で前記スタック10500の外側に位置し、前記排ガス分離板10510の外側空間と連通される燃焼装置10520;とを含み、前記燃焼装置10520は、前記排ガス分離板10510の外側空間に突出するガス吐出口10521、前記ガス吐出口10521にガスを流動させるガス流路10522、及び前記ガス流路10522が結合され、前記スタック10500の外周に沿って形成される結合板10523をさらに含む、システムを提供する。
【0019】
他の実施例において、前記排ガス分離板10510を通じて前記排ガス分離板10510の外側空間に排ガスが流動され、前記ガス吐出口10521からガスが供給されて当該排ガスと反応することができる。
【0020】
他の実施例において、前記ガス流路10522は、前記結合板10523の周囲に沿って多数位置し、前記結合板10523は、前記ガス流路10522が結合されるように放射状中心が同一の多数のホールが形成されてもよい。
【0021】
他の実施例において、前記ガス吐出口10521の一側に位置する点火装置をさらに含むことができる。
【0022】
他の実施例において、前記スタック10500の一側に前記スタック10500から排出される排ガスの温度を感知する温度センサー;及び前記温度センサーで測定された値に応じて前記ガス吐出口10521に流動するガスの流量を制御する制御部;をさらに含むことができる。
【0023】
他の実施例において、前記多数のガス流路10522上にそれぞれ位置する多数の弁;をさらに含み、前記制御部は、前記温度センサーで測定される値に応じて前記多数の弁の開閉を個別に制御することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、次のような効果が達成される。
【0025】
本発明は、スタックにおける白煙を最適に低減できる構造を含み、スタックの全体温度を増加させることなく効率よく白煙を低減することができる。
【0026】
特に、本発明は、HRSGコジェネレーションシステムにおいて差圧を増加させることなく、排出される白煙を低減することができる。
【0027】
また、本発明は、設備費用及び追加敷地を必要とせず、白煙を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による熱併合システムを説明するための図である。
【
図2】本発明の第1実施例によりスタック出口で白煙を低減するための構造を説明するための図である。
【
図3】本発明の第2実施例によりスタック出口で白煙を低減するための構造を説明するための図である。
【
図4】本発明の第3実施例によりスタック出口で白煙を低減するための構造を説明するための図である。
【
図5】本発明の第4実施例によりスタック出口で白煙を低減するための構造を説明するための図である。
【
図6】本発明による白煙低減装置により白煙が低減される過程を説明するための図である。
【
図7】本発明によりスタックから排出される排ガスの温度分布を説明するための図である。
【
図8】
図7のスタックにおける温度分布を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心としたブロック図の形式で示される。
【0030】
また、本発明の実施例を説明するにおいて、公知機能または構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不要に分かりにくくなると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。そして後述する用語は、本発明の実施例における機能を考慮して定義された用語であり、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などにより変わり得る。したがって、その定義は、本明細書全般にわたる内容に基づいて下されるべきである。
【0031】
本発明は、流入ダクト100、過熱器200、蒸発器300、エコノマイザ400、スタック500,10500及び発電部600を含む。
【0032】
流入ダクト100に排ガスが流入する。
【0033】
流入ダクト100を通じて流入する排ガスは高温の排ガスである。
【0034】
このとき、流入ダクト100の大きさ及び形状は、図示されたことに制限されるものではない。
【0035】
過熱器200は、流入ダクト100から排ガスが伝達され、伝達された排ガスを高温に過熱する。
【0036】
このとき、過熱器200が伝達された排ガスを過熱する方法は、特定の方法に制限されるものではない。
【0037】
過熱器200は、バイパス流路210、第1流路220を含むことができる。
【0038】
バイパス流路210は、過熱器200から後述するスタック500に連結される。
【0039】
具体的には、バイパス流路210は、過熱器200から過熱した排ガスを後述するガス噴射装置510に供給するようにガス噴射装置510と連結される。
【0040】
このとき、バイパス流路210の位置、形状及び長さは図示されたことに制限されるものではなく、過熱器200からガス噴射装置510に排ガスが供給されれば足りる。
【0041】
バイパス流路210上には流入ファン211が位置する。
【0042】
バイパス流路210は過熱器200の一側に形成され、高温の排ガスをガス噴射装置510に供給することができる。
【0043】
特に、バイパス流路210は、過熱器200の後端側に位置することができる。
【0044】
流入ファン211の動作は、後述する制御部により制御することができる。流入ファン211の動作はスタック500における温度を利用して制御できる。流入ファン211を通じてガス噴射装置510に供給される排ガスの流速及び流量の調節が可能である。これに関する詳しい説明は、後述する。
【0045】
また、流入ファン211の後端にはダンパーがさらに位置し、ダンパーの角度調節を通じてバイパス流路210を介して流入する排ガスの流量を調節することができる。これに関する詳しい説明は、後述する。
【0046】
このとき、流入ファン211の種類はID(induce)ファンであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0047】
このように、本発明では過熱器200における高温の排ガスをガス噴射装置510に供給し、これを利用して白煙を低減することができる。これに関する詳しい説明は、後述する。
【0048】
第1流路220は、過熱器200からスチームタービン610に連結される流路であり、過熱器200はスチームタービン610に過熱した蒸気を供給する。
【0049】
蒸発器300は、過熱器200の後端に位置し、排ガスの熱を吸収して排ガスの温度を低減する。
【0050】
蒸発器300は、第2流路310を含む。
【0051】
第2流路310は蒸発器300から過熱器200に連結される流路であり、蒸発器300から排ガスの熱吸収後に生成された蒸気を過熱器200に供給し、過熱器200はこれを利用してスチームタービン610に過熱した蒸気を供給することができる。
【0052】
エコノマイザ400は、排ガスの残熱を利用して給水を加熱する。
【0053】
エコノマイザ400は、過熱器200と連通する。
【0054】
エコノマイザ400は、
図1において蒸発器300の後端に位置してもよいが、これに制限されるものではなく、蒸発器300の前端に位置してもよい。
【0055】
エコノマイザ400の内側に熱交換器410を含み、排ガスの残熱を吸収して熱交換器410の内側を流動する流体の温度を増加させることができる。
【0056】
また、エコノマイザ400は、第3流路420をさらに含み、第3流路420は、熱交換機410の出口と蒸発器300に連結される。
【0057】
第3流路420は、熱交換器410の出口で残熱を吸収した温水を蒸発器300に供給することができ、これは、蒸発器300で使用することができる。
【0058】
スタック500,10500は、エコノマイザ400の後端に位置し、排ガスを外部に排出する。
【0059】
第1~第3実施例によるスタック500は、ガス噴射装置510を含む。
【0060】
このとき、スタック500の上側末端は円形であってもよいが、これに制限されるものではない。
【0061】
ガス噴射装置510は、スタック500の高さ方向末端の外側に位置する。
【0062】
ガス噴射装置510は、前述のバイパス流路210から過熱した排ガスが供給される。
【0063】
ガス噴射装置510は、スタック500の外側から高温の排ガスを噴射することができる。
【0064】
このとき、ガス噴射装置510は、スタック500と結合して固定される構造であればよく、特定の結合または固定方式に制限されるものではない。
【0065】
また、第4実施例によるスタック10500は、排ガス分離板10510(
図5を参照)と燃焼装置10520を含む。
【0066】
本発明では、第1実施例~第3実施例において、スタック500のガス噴射装置510を説明する。
【0067】
【0068】
第1実施例では、ガス噴射装置510は、スタック500の上側末端の外周に沿って形成される。
【0069】
ガス噴射装置510は、スタック500の上側末端の構造により異なる形状を有することができるが、一般に、円形管で形成されてもよい。
【0070】
また、ガス噴射装置510の内側周囲に沿ってホール511aが多数形成される。
【0071】
このとき、
図2を参照すれば、ホール511aは円形に一定の大きさで形成されるが、これに制限されるものではなく、ホール511aの大きさは調節することができ、一定の大きさで形成されなくてもよいことはもちろんである。
【0072】
ホール511aは、ガス噴射装置510の内側周囲に沿って形成されるが、スタック500に設置された状態で放射状に同一の位置にあるように形成されてもよい。
【0073】
これにより、ホール511aから噴射される排ガスの吐出角度は45度~80度の角度に吐出できる。
【0074】
図2において、ホール511aからa角度に噴射されることが示され、a角度は45度~80度の範囲を含むことができる。
図2において、点線はスタック500に沿って上昇する排ガスであり、ホール511aから排出される排ガスに会って昇温して上昇することが示される(太い矢印)。
【0075】
【0076】
第2実施例は、ガス噴射装置510は、スタック500の上側末端の外周に沿って形成することができる。
【0077】
ガス噴射装置510は、スタック500の上側末端の構造により異なる形状を有してもよいが、一般に、円形管で形成されてもよい。
【0078】
ホール511bは、ガス噴射装置510の放射状の内側周囲に沿って放射状方向に延びて形成され、ホール511bは所定の幅を有する。
【0079】
図3において、ホール511bからb角度に噴射されることが示され、b角度は45度~80度の範囲を含むことができる。
図3において、点線はスタック500に沿って上昇する排ガスであり、ホール511bから排出される排ガスに会って昇温して上昇することが示される(太い矢印)。
【0080】
【0081】
第3実施には、ガス噴射装置510は高さ方向末端の外周に沿って、それぞれは直線状のn個(nは2以上の自然数)の第1~第n噴射装置510で形成される。
【0082】
ガス噴射装置510は、スタック500の上側末端の構造により異なる形状を有することができるが、一般に、円形管で形成されてもよい。第1~第n噴射装置510は、互いに同一の角度で形成されてもよい。
【0083】
すなわち、第1~第n噴射装置510の内側中心を連結すれば、正n角形の形状であってもよい。
【0084】
このとき、
図4において、nは10と図示されるが、これに限られるものではない。
【0085】
第1~第n噴射装置510ごとにそれぞれ長手方向に延びて形成される第1~第nホール511cを含む。
【0086】
第1~第nホール511cは、それぞれ第1~第n噴射装置510の放射状の内側周囲に沿って放射状方向に延びて形成され、第1~第nホール511cは所定の幅を有する。
【0087】
第1~第nホール511cの一側に、第1~第nダンパー512が位置する。
【0088】
第1~第nダンパー512は、第1~第nホール511cの下側末端に結合され、上下方に回転することにより、第1~第nホール511cから噴射される排ガスの吐出角度を調節することができる。
【0089】
このとき、第1~第nダンパー512は、回転軸(図示せず)により回転することができる。
【0090】
第1~第nダンパー512は、後述する制御部の動作によりその角度を調節することができる。これに関する詳しい説明は、後述する。
【0091】
図4において、ホール511cからc角度に噴射されることが示され、c角度は45度~80度の範囲を含むことができる。
図4において、点線はスタック500に沿って上昇する排ガスであり、ホール511cから排出される排ガスに会って昇温して上昇することが示される(太い矢印)。
【0092】
【0093】
本発明では、第4実施例において、スタック10500の排ガス分離板10510と燃焼装置10520を説明する。
【0094】
図5において、ガス排出口10521からガスが排出され、スタック10500に沿って流動する排ガスが排ガス分離板10510の外側空間に導くことが示される。
【0095】
排ガス分離板10510は、スタック10500の内側面と所定間隔離隔されて位置する。
【0096】
排ガス分離板10510は、スタック10500の内側面と所定間隔離隔されて位置するところ、排ガス分離板10510の外側空間が形成される。
【0097】
このとき、排ガス分離板10510の外側空間は、スタック10500の内側面と排ガス分離板10510との間に形成される空間である。
【0098】
このとき、排ガス分離板10510に固定される構造は、特定の構造に制限されるものではない。
【0099】
排ガス分離板10510は、スタック10500に沿って上側に移動する排ガスを燃焼装置10520に導くことができる。
【0100】
このとき、排ガス分離板10510は、通常、3~10%の排ガスを排ガス分離板10510の外側空間に導くことができるが、これに制限されるものではない。
【0101】
本発明では、排ガス分離板10510を通じて燃焼装置10520に導かれた排ガス中の空気を酸化剤として使用し、後述するガス吐出口10521が噴射するガスを燃焼させることができる。これにより、スタック10500の排ガスを昇温させることができる。
【0102】
燃焼装置10520は、スタック10500の高さ方向末端の外側に位置する。
【0103】
燃焼装置10520は、ガス吐出口10521、ガス流路10522及び結合板10523を含む。
【0104】
ガス吐出口10521は、ガス流路10522からガスが流動し、ガス流路10522の末端に形成される。
【0105】
ガス吐出口10521は、排ガス分離板10510の外側空間に突出するように形成される。
【0106】
ガス流路10522は、ガス吐出口10521にガスを流動させる。
【0107】
このとき、ガス流路10522から流動するガスは、天然ガスLNGであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0108】
ガス流路10522は、結合板10523の周囲に沿って多数位置することができ、これによりガス吐出口10521の個数が多数形成することができる。
【0109】
また、多数のガス流路10522上には、それぞれ位置する多数の弁が位置することができる。
【0110】
ガス流路10522上に位置する弁は、後述する制御部の制御により開閉を制御することができる。
【0111】
結合板10523は、スタック10500と連結され、スタック10500の上側に結合される。
【0112】
結合板10523の周囲には、多数のガス流路10522が結合できるようにガス流路10522が結合される個数に対応するようにホールが形成されてもよい。
【0113】
また、燃焼装置10520は、点火装置をさらに含むことができる。
【0114】
点火装置は、燃焼装置10520の外側に位置し、ガス流路10522から供給されたガスとスタック10500に沿って流動した排ガスに点火が行われるようにし、点火用火炎を持続的に供給することができる。
【0115】
点火装置は、空気とガスを混合して燃焼ガスを分散供給し、ガスバーナーのバーナーヘッドに設置して混合ガスに点火が行われるようにし、点火用火炎を持続的に供給することができる。
【0116】
発電部600は、過熱器200と連結され、電力を生産することができる。
【0117】
発電部600は、スチームタービン610と発電機620を含む。
【0118】
スチームタービン610は、発電機620と連結され、過熱器200から過熱した蒸気の供給を受ける。
【0119】
発電機620は、スチームタービン610から供給されたスチームを利用して電力を生産することができる。
【0120】
本発明は、温度センサーと制御部をさらに含むことができる。
【0121】
温度センサーは、スタック500,10500の一側に前記スタック500,10500から排出される排ガスの温度を感知することができる。
【0122】
温度センサーは、スタック500,10500の上側または外側末端に形成されて排出される排ガスの温度を測定することができるが、これに制限されるものではない。
【0123】
温度センサーは、測定した温度情報を制御部に伝送する。
【0124】
制御部は、温度センサーが測定した温度情報を利用してガス噴射装置510を制御することができる。
【0125】
制御部は、温度センサーで測定された値に応じて第1~第nダンパー512の角度を制御する。
【0126】
例えば、制御部は、温度センサーで測定された値が既に設定された値未満であれば、第1~第nダンパー512の角度を減少させ、排ガスの温度を増加させることができる。
【0127】
また、制御部は、温度センサーで測定された値に応じて流入ファン211の強度を制御することができる。
【0128】
例えば、制御部は、温度センサーで測定された値が既に設定された値未満であれば、流入ファン211の強度を増加させ、バイパス流路210を通じてガス噴射装置510に供給される排ガスの流量をさらに増加させることができる。
【0129】
また、制御部は、前述のように流入ファン211の後端に位置したダンパーの角度を調節してガス噴射装置510に供給される排ガスの流量を調節することができる。
【0130】
また、制御部は、温度センサーが測定した温度情報を利用して燃焼装置10520を制御することができる。
【0131】
制御部は、温度センサーで測定された値に応じてガス吐出口10521に流動するガスの流量を制御することができる。
【0132】
また、制御部は、温度センサーで測定される値に応じて弁の開閉数を個別的に制御することができる。
【0133】
また、制御部は、温度センサーから測定される値を利用して白煙が特に多く観測される冬季、昼間に一時的に本発明によるガス噴射装置510または燃焼装置10520を使用するように制御することができる。
【0134】
図6を参照し、本発明による白煙低減装置により白煙が低減される過程を説明する。
【0135】
白煙を防止するためには、低い温度の外気から排気ガス温度を維持させて高い高度で拡散させなければならず、スタック500,10500の外側の上部の特定の高さ以上で露点に到達することが重要である。当該特定の高さは、スタック500,10500の直径及び断面積により異なる。
【0136】
特定の高さは、CTI(Cooling Tower Institute)ATC 150 Codeを遵守することを基準に算定でき、これにより、スタック500,10500の直径により一定比率以上を基準とすることができる。
【0137】
例えば、スタック500,10500の外側から上部15m以上における高さ以上で露点に到達するかどうかを判断できるが、これに制限されるものではない。
【0138】
本発明の第1~第3実施例では、過熱器200の後端からバイパス流路210を通じてスタック500に供給する。
【0139】
特に、本発明では、スタック500の末端外周にガス噴射装置510を含み、ガス噴射装置510からバイパス流路210を流動した排ガスを噴射することができるところ、外気との熱伝達により湿り空気(白煙)が生じる部分に対して高温の排ガスをバイパスさせて温度を上昇させることができる。
【0140】
排ガスの一部(3~10%)を、流入ファン211を通じてスタック500の出口にバイパスさせ、排ガスの外郭から噴射を通じて排ガス周辺に熱遮断膜を形成させ、排ガスが露点に到達する時間を遅延させることができる。
【0141】
本発明の第4実施例では、スタック10500の高さ方向末端の外周に燃焼装置10520を含み、燃焼装置10520からバイパス流路210を流動した排ガスを噴射することができるところ、外気との熱伝達により湿り空気(白煙)が生じる部分に対して高温の排ガスを燃焼させて温度を上昇させることができる。
【0142】
排ガスの一部(3~10%)が排ガス分離板10510に移動し、排ガスの郭から噴射を通じて排ガス周辺の熱遮断膜を形成させ、排ガスが露点に到達する時間を遅延させることができる。
【0143】
図6において、スタック500,10500と、スタック500,10500の外周における温度分布を説明する。
【0144】
図6(a)は、従来の排ガスの温度分布を示し、従来は外気により排ガス冷却で白煙が発生する。
【0145】
図6(b)は、本発明による排ガスの温度分布を示す。本発明では、スタック500,10500の外周での温度を増加させ、排ガスが露点に到達する時間を遅延させることができる。
【0146】
これにより、後述するように、スタック500,10500から排出される排ガスが浮力により高く上昇することができ、露点に到達する排ガスの層の厚さを薄くすることができ、白煙が拡散することを防止することができる。
【0147】
図7及び
図8を参照し、本発明によりスタックから排出される排ガスの温度分布を説明する。
【0148】
このとき、外気の温度は-18.7℃に設定される。
【0149】
図7(a)は、従来のスタックにおける排ガスの温度分布であり、
図6(b)は、本発明によるシステムにおける排ガスの温度分布である。
【0150】
図7(a)は、スタック500から排出される排ガスが
図6(b)においてスタック500,10500から排出される排ガスより低く排出されることが分かる。
【0151】
また、
図8(a)は、
図7(a)を拡大した図であり、
図8(a)を参照すれば、従来のスタックにおける排ガスは、スタックから15mで側面に2.4m程度の低温領域が形成されることが示される。
【0152】
一方、
図8(b)を参照すると、本発明によるスタック500,10500における排ガスは、同じ高さで側面に1.2m程度の低温領域が形成されることが示される。
【0153】
これにより、本発明によるシステムが従来のスタックに比べて排ガスの高さが上昇し、排ガスが上昇することにより白煙の拡散が速いことが分かる。本発明によるシステムにおいて白煙の拡散が速いところ、白煙を効果的に低減することができる。
【0154】
これは、本発明においてバイパス流路210を通じてガス噴射装置510または燃焼装置10520を通じて高い温度の排ガスを供給し、スタック500,10500における排ガスの温度を上昇させ、上昇した高い温度により排ガスが浮力で上昇することができる。
【0155】
また、ガス噴射装置510は、ホール511を含み、ホール511から排ガスを速い流速で供給できるスタック500における排ガスがさらに上昇することができる。
【0156】
以上、本明細書には、本発明を当業者が容易に理解し、再現できるように図面に示された実施例を参考として説明されたが、これは、例示に過ぎず、当業者であれば、本発明の実施例から多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するだろう。したがって、本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲により定められなければならない。
【符号の説明】
【0157】
100:流入ダクト 200:過熱器
210:バイパス流路 211:流入ファン
220:第1流路 300:蒸発器
310:第2流路 400:エコノマイザ
410:熱交換器 420:第3流路
500:スタック 510:ガス噴射装置
511:ホール 512:ダンパー
600:発電部 610:スチームタービン
620:発電機
10500:スタック 10510:排ガス分離板
10520:燃焼装置 10521:ガス吐出口
10522:ガス流路 10523:結合板