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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/22 20060101AFI20240603BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B66B23/22 H
B66B31/00 E
B66B23/22 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022186877
(22)【出願日】2022-11-22
(65)【公開番号】P2024075420
(43)【公開日】2024-06-03
【審査請求日】2022-11-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】砂田 哲哉
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-328788(JP,A)
【文献】特開2019-123584(JP,A)
【文献】特開2004-203619(JP,A)
【文献】特開平07-247093(JP,A)
【文献】特開2011-184111(JP,A)
【文献】特開2005-029290(JP,A)
【文献】特開2021-107262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00 - 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向を有し、第1乗降口から第2乗降口へ又は前記第2乗降口から前記第1乗降口へ、前記長手方向に沿って乗客を搬送する乗客コンベアであって、
前記長手方向に沿って延びて手摺ベルトを案内する欄干と、
前記欄干の前記第1乗降口側の第1端部から前記第2乗降口側の第2端部に向かって前記手摺ベルトに沿って延びる第1光源ユニットと、前記第1光源ユニットに第1配線を介して接続する第1電源盤と、を有する第1照明装置と、
前記欄干の前記第2端部から前記第1端部に向かって前記手摺ベルトに沿って延びる第2光源ユニットと、前記第2光源ユニットに第2配線を介して接続する第2電源盤と、を有する第2照明装置と、
前記欄干に対して固定され、前記第1光源ユニットを覆う第1カバーと、
前記欄干に対して固定され、前記第2光源ユニットを覆う第2カバーと、を備え、
前記第1カバー及び前記第2カバーは、互いから独立して前記欄干から取り外し可能であり、
前記第1光源ユニットは、前記第1電源盤が接続する端部である第1基端と、前記第1基端とは反対側の端部である第1先端と、前記第1基端と前記第1先端との間において前記手摺ベルトに沿って並ぶ複数の第1LED発光部と、を含み、
前記第2光源ユニットは、前記第2電源盤が接続する端部である第2基端と、前記第2基端とは反対側の端部である第2先端と、前記第2基端と前記第2先端との間において前記手摺ベルトに沿って並ぶ複数の第2LED発光部と、を含み、
前記第1光源ユニットの前記第1基端は、前記欄干の前記第1端部に配置され、
前記第2光源ユニットの前記第2基端は、前記欄干の前記第2端部に配置され、
各光源ユニットにおいて、隣り合うLED発光部の距離をPとすると、前記第1光源ユニットの前記第1先端に最も近い第1LED発光部と前記第2光源ユニットの前記第2先端に最も近い第2LED発光部との距離が、0.5P以上2P以下である、乗客コンベア。
【請求項2】
長手方向を有し、第1乗降口から第2乗降口へ又は前記第2乗降口から前記第1乗降口へ、前記長手方向に沿って乗客を搬送する乗客コンベアであって、
前記長手方向に沿って延びて手摺ベルトを案内する欄干と、
前記欄干の前記第1乗降口側の第1端部から前記第2乗降口側の第2端部に向かって前記手摺ベルトに沿って延びる第1光源ユニットと、前記第1光源ユニットに第1配線を介して接続する第1電源盤と、を有する第1照明装置と、
前記欄干の前記第2端部から前記第1端部に向かって前記手摺ベルトに沿って延びる第2光源ユニットと、前記第2光源ユニットに第2配線を介して接続する第2電源盤と、を有する第2照明装置と、
前記第1光源ユニットと前記第2光源ユニットとの間を前記手摺ベルトに沿って延びる第3光源ユニットを有する第3照明装置と、
前記欄干に対して固定され、前記第1光源ユニットを覆う第1カバーと、
前記欄干に対して固定され、前記第2光源ユニットを覆う第2カバーと、
前記欄干に対して固定され、前記第3光源ユニットを覆う第3カバーと、を備え、
前記第1カバー、前記第2カバー及び前記第3カバーは、互いから独立して前記欄干から取り外し可能であり、
前記第1光源ユニットは、前記第1電源盤が接続する端部である第1基端と、前記第1基端とは反対側の端部である第1先端と、前記第1基端と前記第1先端との間において前記手摺ベルトに沿って並ぶ複数の第1LED発光部と、を含み、
前記第2光源ユニットは、前記第2電源盤が接続する端部である第2基端と、前記第2基端とは反対側の端部である第2先端と、前記第2基端と前記第2先端との間において前記手摺ベルトに沿って並ぶ複数の第2LED発光部と、を含み、
前記第3光源ユニットは、前記手摺ベルトに沿って並ぶ複数の第3LED発光部を含み、
前記第1光源ユニットの前記第1基端は、前記欄干の前記第1端部に配置され、
前記第2光源ユニットの前記第2基端は、前記欄干の前記第2端部に配置され、
各光源ユニットにおいて、隣り合うLED発光部の距離をPとすると、前記第1光源ユニットの前記第1先端に最も近い第1LED発光部と前記第3光源ユニットの前記第1先端に最も近い第3LED発光部との距離が、0.5P以上2P以下であり、前記第2光源ユニットの前記第2先端に最も近い第2LED発光部と前記第3光源ユニットの前記第2先端に最も近い第3LED発光部との距離が、0.5P以上2P以下である、乗客コンベア。
【請求項3】
前記欄干の下部に設置され、前記手摺ベルトが通過する第1開口、内部空間及び第2開口を有するスカートガードと、
前記スカートガードの下方に位置し、前記スカートガードの内部空間と連通し且つ前記手摺ベルトが走行する内部空間を有するトラスと、を更に備え、
前記第1開口は、前記スカートガードの前記第1乗降口側の端部に形成され、
前記第2開口は、前記スカートガードの前記第2乗降口側の端部に形成され、
前記第1電源盤及び前記第2電源盤は、前記トラスの内部空間に配置され、
前記第1光源ユニット又は前記第1配線は、前記第1開口を通じて前記スカートガードの内部空間に延び入り、
前記第2光源ユニット又は前記第2配線は、前記第2開口を通じて前記スカートガードの内部空間に延び入る、請求項1又は2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記第1電源盤は、前記長手方向における前記トラスの中央部よりも、前記トラスの前記第1乗降口側の端部の側に配置され、
前記第2電源盤は、前記長手方向における前記トラスの中央部よりも、前記トラスの前記第2乗降口側の端部の側に配置されている、請求項に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記乗客コンベアは、異なる階床間に掛け渡され、
前記トラスは、前記異なる階床間を延びる傾斜部を有し、
前記第1電源盤及び前記第2電源盤は、前記傾斜部の内部空間に配置されている、請求項に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記乗客コンベアは、エスカレータ又は動く歩道である、請求項1又は2に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2013-060275号公報に開示されているように、従来、欄干に固定されて欄干を照明する照明装置を備えたエスカレータが知られている。特開2013-060275号公報に開示された照明装置は、テープ式LED(Light Emission Diode)照明ユニットを有している。テープ式LED照明ユニットでは、複数のLED発光部がテープ式LED照明ユニットの長手方向に沿って並んでいる。LED発光部は、テープ式LED照明ユニットの一端に接続された電源盤からの電力供給を受けて発光する。LED照明ユニットは、エスカレータの一方の乗降口から他方の乗降口まで、手摺ベルトに沿って延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-060275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、欄干をその全長に亘ってより均一な明るさで照明することが求められている。一本のテープ式LED照明ユニットが欄干の全長に亘って延びる照明装置では、LED発光部に加わる電圧が、テープ式LED照明ユニットの電源盤に接続された端部から離れるに従って低下する。このため、テープ式LED照明ユニットの一方の端部と他方の端部とでは、LED発光部の明度が異なる。このことは、エスカレータの意匠性を低下させる原因となる。とりわけ、複数台のエスカレータが並んで設置されている場合、LED発光部の明度の違いが顕著になることがある。例えば、下階から上階へ移動する第1及び第2エスカレータにおいて、照明装置が、下階における明度が最も高く、上階における明度が最も低くなるように設けられている場合を考える。この場合、1階から2階に掛け渡された第1のエスカレータと、2階から3階に掛け渡された第2のエスカレータとが並んで設置されていると、2階における第1のエスカレータの照明装置と第2のエスカレータの照明装置との明度の違いが、顕著になる。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、乗客コンベアの意匠性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態による乗客コンベアは、
長手方向を有し、第1乗降口から第2乗降口へ又は前記第2乗降口から前記第1乗降口へ、前記長手方向に沿って乗客を搬送する乗客コンベアであって、
前記長手方向に沿って延びて手摺ベルトを案内する欄干と、
前記欄干の前記第1乗降口側の第1端部から前記第2乗降口側の第2端部に向かって前記手摺ベルトに沿って延びる第1光源ユニットと、前記第1光源ユニットに第1配線を介して接続する第1電源盤と、を有する第1照明装置と、
前記欄干の前記第2端部から前記第1端部に向かって前記手摺ベルトに沿って延びる第2光源ユニットと、前記第2光源ユニットに第2配線を介して接続する第2電源盤と、を有する第2照明装置と、
を備え、
前記第1光源ユニットは、前記第1電源盤が接続する端部である第1基端と、前記第1基端とは反対側の端部である第1先端と、前記第1基端と前記第1先端との間において前記手摺ベルトに沿って並ぶ複数の第1LED発光部と、を含み、
前記第2光源ユニットは、前記第2電源盤が接続する端部である第2基端と、前記第2基端とは反対側の端部である第2先端と、前記第2基端と前記第2先端との間において前記手摺ベルトに沿って並ぶ複数の第2LED発光部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の一実施形態による乗客コンベアの構成を模式的に示す側面図である。
図2図2は、図1に示す乗客コンベアの第1照明装置及び第2照明装置を示す斜視図である。
図3図3は、光源ユニットの隣り合う端部の断面を示す図である。
図4図4は、欄干及び第1又は第2照明装置の、手摺ベルトの走行方向に垂直な断面を示す図である。
図5図5は、図1に対応する図であって、変形例による乗客コンベアの構成を模式的に示す側面図である。
図6図5は、図2に対応する図であって、図5に示す乗客コンベアの第1照明装置、第2照明装置及び第3照明装置を示す斜視図である。
図7図7は、図3に対応する図であって、光源ユニットの隣り合う端部の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明による乗客コンベアの実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態による乗客コンベア1の構成を、模式的に示す側面図である。図2は、図1に示す乗客コンベア1の第1照明装置40及び第2照明装置50を示す斜視図である。図3は、光源ユニット41,51の先端41b,51bの長手方向DLに沿った断面を示す図である。図4は、欄干20及び第1又は第2照明装置40,50の、手摺ベルト24の走行方向に垂直な断面を示す図である。
【0009】
乗客コンベア1は、例えばエスカレータまたは動く歩道である。乗客コンベア1は、長手方向DLを有し、第1乗降口2から第2乗降口3へ、又は第2乗降口3から第1乗降口2へ、長手方向DLに沿って乗客を搬送する。図1及び図2に示す例において、乗客コンベア1は、エスカレータであり、建築物の異なる2つの階床F1,F2間に掛け渡されている。第1乗降口2は、下階F1に設けられている。第2乗降口3は、上階F2に設けられている。
【0010】
図1に示すように、乗客コンベア1は、長手方向DLに沿って延びるトラス4と、トラス4内を走行する複数の踏段5と、トラス4の両側に立設された一対の欄干20と、を有している。トラス4は、下階F1と上階F2との間に跨がって延びている。トラス4は、内部空間6を有する。トラス4は、一対の端部4a,4bと、一対の端部4a,4bの間を延びる傾斜部4cとを有する。端部4aは、下階F1に配置されている。端部4bは、上階F2に配置されている。傾斜部4cは、異なる階床F1,F2間を延びている。各端部4a,4bは、乗降板7で覆われている。端部4aの上方に第1乗降口2が形成されている。端部4bの上方に第2乗降口3が形成されている。端部4b内には、機械室8が形成されている。トラス4の内部空間6には、踏段5を案内する案内レール9が配置されている。複数の踏段5は、長手方向DLに沿って並んでいる。踏段5は、踏段チェーン10を介して無端環状に連結されている。踏段5は、環状に形成された案内レール9上を循環走行する。上方から見て、踏段5は、一対の欄干20の間を走行する。乗客は、踏段5に載ることで、一対の欄干20の間を、第1乗降口2から第2乗降口3、或いは第2乗降口3から第1乗降口2へ搬送される。
【0011】
各欄干20は、図2に示すように、長手方向DLに沿って延びている。各欄干20は、長手方向DLに沿って延びる欄干パネル21と、欄干パネル21に取り付けられたハンドレール30と、欄干20の下部に設けられたスカートガード25と、を有している。スカートガード25の下方にトラス4が位置している。図示された例では、欄干パネル21は透明である。欄干パネル21は、例えば、透光性を有する強化ガラス、または、透光性を有する強化プラスチックで形成され得る。ハンドレール30は、無端状の手摺ベルト24を案内する。ハンドレール30は、欄干パネル21の側縁部21a,21b及び上縁部21cに沿って延びている。ハンドレール30に案内されることで、手摺ベルト24は欄干パネル21の側縁部21a,21b及び上縁部21cに沿って移動する。
【0012】
スカートガード25は、長手方向DLに沿って延びている。スカートガード25は、内部空間26を有する。スカートガード25の内部空間26は、トラス4の内部空間6と連通している。スカートガード25の第1乗降口2側の端部には、第1開口27が形成されている。スカートガード25の第2乗降口3側の端部には、第2開口28が形成されている。手摺ベルト24は、ハンドレール30に沿って移動した後、第1開口27又は第2開口28を通じてスカートガード25及びトラス4の内部空間26,6に進入する。その後、手摺ベルト24は、第2開口28又は第1開口27を通じてトラス4及びスカートガード25の内部空間6,26から出て、再びハンドレール30に沿って移動する。
【0013】
踏段5や手摺ベルト24は、機械室8に設置されたモータ11や制御盤12、スプロケット13~15等によって駆動される。モータ11は、踏段チェーン10を駆動する。制御盤12は、乗客コンベア1の運転を制御する運転制御部12aを有する。運転制御部12aは、例えばモータ11の駆動を制御する。第1~第2スプロケット13,14には、踏段チェーン10が掛け渡されている。モータ11が踏段チェーン10を駆動すると、第1~第2スプロケット13,14が回転する。第3スプロケット15には、手摺ベルト24が掛け渡されている。第3スプロケット15は、図示しない伝達チェーンによって第1スプロケット13に連結され、第1スプロケット13の回転に従って回転する。このため手摺ベルト24は、踏段5と同期して移動する。
【0014】
以下では、欄干20の第1乗降口2側の端部を「第1端部20a」とも称する。また、欄干20の第2乗降口3側の端部を「第2端部20b」とも称する。また、欄干パネル21の第1乗降口2側の側縁部を「第1側縁部21a」とも称する。また、欄干パネル21の第2乗降口3側の側縁部を「第2側縁部21b」とも称する。図示された例では、欄干パネル21の第1乗降口2側の端部及び第2乗降口3側の端部は半円形であり、側縁部21b,21cは円弧状である。このため、欄干20の第1端部20a及び第2端部20bも半円形である。また、以下では、欄干パネル21の踏段5の側を向く面を「内側面21d」とも称する。また、欄干パネル21の内側面21dとは反対側の面を「外側面21e」とも称する。また、欄干パネル21の内側面21dと外側面21eとを接続する面を「縁面21f」とも称する(図4参照)。
【0015】
図1に示すように、欄干パネル21には、欄干パネル21等を照明する第1照明装置40及び第2照明装置50が取り付けられている。図1及び図2に示すように、第1照明装置40は、手摺ベルト24に沿って延びる第1光源ユニット41と、第1光源ユニット41の一端41aに第1配線45を介して接続した第1電源盤46と、を有する。第1光源ユニット41は、第1電源盤46からの電力供給を受けて発光する。また、第2照明装置50は、手摺ベルト24に沿って延びる第2光源ユニット51と、第2光源ユニット51の一端51aに第2配線55を介して接続した第2電源盤56と、を有する。第2光源ユニット51は、第2電源盤56からの電力供給を受けて発光する。図示された例では、光源ユニット41,51は、手摺ベルト24の内周側且つ欄干パネル21の外側面21e側を延びている。
【0016】
第1電源盤46及び第2電源盤56は、トラス4の内部空間6に配置されている。第1電源盤46及び第2電源盤56は、案内レール9に沿って走行する踏段5と干渉しない位置に配置されている。図示された例では、第1電源盤46及び第2電源盤56は、乗客コンベア1の側面視において、案内レール9で囲まれた領域内に配置されている。第1電源盤46は、トラス4の長手方向DLの中央部よりも第1乗降口2側の端部4aの側に配置されている。また、第2電源盤56は、トラス4の長手方向DLの中央部よりも第2乗降口3側の端部4bの側に配置されている。図示された例では、第1電源盤46及び第2電源盤56は、トラス4の傾斜部4cに固定されている。図2に示すように、第1電源盤46及び第2電源盤56は、機械室8に配置された主電源盤58から配線59を介して電力供給を受けてもよい。
【0017】
以下では、第1光源ユニット41の第1電源盤46に接続した端部を、「第1基端41a」とも称する。また、第1光源ユニット41の第1基端41aとは反対側の端部を「第1先端41b」とも称する。また、第2光源ユニット51の第2電源盤56に接続した端部を、「第2基端51a」とも称する。また、第2光源ユニット51の第2基端51aとは反対側の端部を「第2先端51b」とも称する。
【0018】
第1光源ユニット41は、欄干20の第1端部20aから第2端部20bに向かって延びている。第1光源ユニット41の基端41aは、欄干20の第1端部20aに位置している。図1及び図2に示す例では、第1光源ユニット41の先端41bは、欄干20の長手方向DLの中央部20cに位置している。言い換えると、第1光源ユニット41は、欄干20の第1端部20aから中央部20cまで延びている。図示された例では、第1光源ユニット41の基端41aは、スカートガード25の内部空間26に配置されている。第1光源ユニット41は、欄干パネル21の上縁部21c及び第1側縁部21aに沿って延び、スカートガード25の第1開口27を通じて内部空間26に延び入っている。第1光源ユニット41の基端41aに接続された第1配線45は、スカートガード25及びトラス4の内部空間26,6を延び、第1電源盤46に接続している。
【0019】
第2光源ユニット51は、欄干20の第2端部20bから第1端部20aに向かって延びている。第2光源ユニット51の基端51aは、欄干20の第2端部20bに位置している。図1及び図2に示す例では、第2光源ユニット51の先端51bは、欄干20の中央部20cに位置している。言い換えると、第2光源ユニット51は、欄干20の第2端部20bから中央部20cまで延びている。第2光源ユニット51の第2先端51bは、第1光源ユニット41の第1先端41bと、長手方向DLに沿って並んでいる。図示された例では、第2光源ユニット51の基端51aは、スカートガード25の内部空間26に配置されている。第2光源ユニット51は、欄干パネル21の上縁部21c及び第2側縁部21bに沿って延び、スカートガード25の第2開口28を通じて内部空間26に延び入っている。第2光源ユニット51の基端51aに接続された第2配線55は、スカートガード25及びトラス4の内部空間26,6を延び、第2電源盤56に接続している。
【0020】
なお、光源ユニット41,51は、スカートガード25の内部空間26に延び入っていなくてもよい。この場合、配線45,55が、スカートガード25の開口27,28を通じて内部空間26に延び入っていてよい。
【0021】
各光源ユニット41,51は、LED(Light Emission Diode)からなる複数の発光部42,52と、発光部42,52を支持する基材43,53と、を有する。発光部42,52は、電源盤46,56からの電力供給を受けて発光する。
【0022】
より具体的には、第1光源ユニット41は、手摺ベルト24に沿って並ぶ複数の第1LED発光部42と、第1LED発光部42を保持するテープ状の第1基材43と、を有する。複数の第1LED発光部42は、第1基材43の一方の面上に、第1基材43の長手方向に沿って並んでいる。
【0023】
第2光源ユニット51は、手摺ベルト24に沿って並ぶ複数の第2LED発光部52と、第2LED発光部52を保持するテープ状の第2基材53と、を有する。複数の第2LED発光部52は、第2基材53の一方の面上に、第2基材53の長手方向に沿って並んでいる。
【0024】
このように、欄干20は、手摺ベルト24に沿って並ぶ複数のLED発光部42,52によって照明される。しかしながら、欄干20の第1端部20a側の半分は、第1光源ユニット41の複数のLED発光部42によって照明され、欄干20の他の半分は、第2光源ユニット51の複数のLED発光部52によって照明される。第1光源ユニット41と第2光源ユニット51とは、異なる電源盤46,56から電力供給を受ける。第1光源ユニット41及び第2光源ユニット51の長さは、欄干20の全長に亘って延びる一つの光源ユニットの長さよりも短い。言い換えると、第1光源ユニット41及び第2光源ユニット51のLED発光部42,52の数は、欄干20の全長に亘って延びる一つの光源ユニットのLED発光部の数よりも少ない。このため、欄干20の全長に亘って延びる一つの光源ユニットと比較して、光源ユニット41,51の基端41a,51aと先端41b,51bとでのLED発光部42,52の明度の差を小さくすることができる。言い換えると、照明装置40,50は、その光源ユニット41,51の全長に亘ってより均一な光を射出することができる。この結果、欄干20の全長に亘って延びる一つの光源ユニットを有する照明装置と比較して、照明装置40,50は、欄干20をその全長に亘って均一な明るさで照明することができる。この結果、乗客コンベア1の意匠性を向上させることができる。
【0025】
また、上述した例では、第1光源ユニット41の第1基端41aは、欄干20の第1端部20aに配置されている。また、第2光源ユニット51の第2基端51aは、欄干20の第2端部20bに配置されている。配線45,55が接続される端部が欄干20の端部20a,20bに配置されることにより、配線45,55をスカートガード25によって隠蔽することが容易である。あるいは、配線45,55を隠蔽するための追加のカバー部材の寸法を小さくすることができ、追加のカバー部材が乗客コンベア1の意匠性に与える影響を小さくすることができる。
【0026】
また、上述した例では、第1光源ユニット41の第1基端41a及び第2光源ユニット51の第2基端51aは、スカートガード25の内部空間26に配置されている。この場合、配線45,55を隠蔽するための追加のカバー部材を必要としない。したがって、追加のカバー部材によって乗客コンベア1の意匠性が損なわれることがない。
【0027】
また、第1光源ユニット41及び第2光源ユニット51の長さは、欄干20の全長に亘って延びる一つの光源ユニットの長さよりも短い。このため、光源ユニット41,51の取付又は交換作業を容易に行うことができる。また、照明装置40,50の取付又は交換作業を、乗客コンベア1の第1乗降口2側の半分と、第2乗降口3側の半分とで、分けて行うことができる。例えば、第1照明装置40の取付又は交換作業を行う場合、スカートガード25の第1乗降口2側の半分のみを、取り外せばよい。このことは、照明装置40,50の取付又は交換作業を容易にする。また、照明装置40の取付又は交換作業と、照明装置50の取付又は交換作業とを、異なる日に行うことができるため、作業計画が立て易い。
【0028】
図示された例では、第1基材及43及び第2基材53は、可撓性である。これにより、第1光源ユニット41及び第2光源ユニット51の欄干20への設置が容易である。
【0029】
また、図3に示す例では、各光源ユニット41,51において、隣り合うLED発光部42,42;52,52の距離はPである。距離Pは特に限定されないが、例えば1cm以上10cm以下であり、好ましくは2cm以上5cm以下である。更に、第1光源ユニット41の先端41bに最も近い第1LED発光部42と、第2光源ユニット51の先端51bに最も近い第2LED発光部52との距離Qは、0.5P以上2P以下である。これにより、第1光源ユニット41と第2光源ユニット51との間の不連続部分を目立たなくすることができる。したがって、欄干20が複数の光源ユニット41,51で照明されることによって乗客コンベア1の意匠性が損なわれる、という虞を抑制することができる。なお、本明細書において、2つのLED発光部42,42;52,52;42,52の距離は、2つのLED発光部42,42;52,52;42,52の中心の距離である。
【0030】
図示された例では、各光源ユニット41,51は、ハンドレール30に固定された支持体60に支持されている。これにより、各光源ユニット41,51は、欄干20に対して固定されている。また、欄干20には、第1光源ユニット41を覆う第1カバー71と、第2光源ユニット51を覆う第2カバー72が、着脱可能に固定されている。以下、ハンドレール30、支持体60及びカバー71,72について詳述する。
【0031】
以下では、欄干パネル21の厚さ方向D4および手摺ベルト24の移動方向D3と直交する方向であって、欄干パネル21の縁面21fが向く方向を「第1方向D1」と称する。また、第1方向D1の反対方向を「第2方向D2」と称する。
【0032】
まず、ハンドレール30について説明する。図4に示すように、ハンドレール30は、欄干パネル21の縁部21a,21b,21cを覆っている。より具体的には、ハンドレール30は、欄干パネル21の縁部21a,21b,21cを、欄干パネル21の厚さ方向D4に跨がっている。ハンドレール30は、欄干パネル21の縁部21a,21b,21cに固定されている。ハンドレール30は、一対の側部32,32と、一対の側部32,32を接続する接続部31とを有している。一対の側部32の一方は、欄干パネル21の内側面21dに対面して配置されている。一対の側部32の他方は、欄干パネル21の外側面21eに対面して配置されている。言い換えると、一対の側部32,32の間に縁部21a,21b,21cが配置されている。接続部31は、欄干パネル21の縁面21fに対面して配置される。一対の側部32,32は、手摺ベルト24を案内する。
【0033】
各側部32は、一対の側壁32a,32bと、接続壁32cと、ガイド部32dとを有する。一対の側部32,32は、欄干パネル21の厚さ方向D4の中心を通り厚さ方向D4と直交する平面に関して面対称である。
【0034】
一対の側壁32a,32bは、厚さ方向D4に互いに離間している。側壁32aは、欄干パネル21の内側面21dまたは外側面21eに対面して配置されている。側壁32aは、接続部31に接続している。側壁32bは、側壁32aの欄干パネル21とは反対側に配置されている。接続壁32cは、一対の側壁32a,32bの第2方向D2の端部32aa,32baを接続している。ガイド部32dは、側壁32bの第1方向D1の端部に接続している。ガイド部32dは、側壁32bから欄干パネル21に向かう側とは反対側に延び出している。ガイド部32dは、手摺ベルト24を支持する。
【0035】
ハンドレール30は、更に手摺ベルト24を支持するローラ(不図示)を有していてもよい。この場合、光源ユニット41,51は、上記ローラから離間して配置される。
【0036】
次に、支持体60及びカバー71,72について説明する。支持体60は、光源ユニット41,51を収容するとともに光源ユニット41,51を支持している。支持体60は、ハンドレール30に沿って延びている。図示された例では、支持体60は、ハンドレール30の第1乗降口2側の端部から第2乗降口3側の端部に亘って延びている。支持体60は、ハンドレール30に固定されている。図示された例では、支持体60は、欄干パネル21の外側面21eに対面する側部32に固定されている。より具体的には、支持体60は、上記側部32の接続壁32cの第2方向D2を向く面に固定されている。
【0037】
支持体60は、ハンドレール30の接続壁32cに固定された取付壁61と、取付壁61の両縁部から第2方向D2に延び出す一対の側壁62,62と、を有している。各側壁62の他方の側壁62に対向する面には、カバー71,72と係合する係合部63が形成されている。係合部63は、凹凸面を有する。このような支持体60の取付壁61と一対の側壁62,62とによって画成された空間内に、光源ユニット41,51が収容される。光源ユニット41,51は、LED発光部42,52が第2方向D2を向くように、収容される。これにより、光源ユニット41,51は、第2方向D2に光を射出する。図示された例では、支持体60は、さらに、光源ユニット41,51を固定する固定部65を有する。固定部65は、例えば両面テープであり、光源ユニット41,51の基材43,53を取付壁61に固定する。
【0038】
カバー71,72は、ハンドレール30に沿って延びている。カバー71,72は、長手方向DLに沿って並んでいる。図示された例では、第1カバー71は、ハンドレール30の第1乗降口2側の端部から第2乗降口3側の端部に向かって延びている。第2カバー72は、ハンドレール30の第2乗降口3側の端部から第1乗降口2側の端部に向かって延びている。第1カバー71は、第1光源ユニット41をその全長に亘って覆う。また、第2カバー72は、第2光源ユニット41をその全長に亘って覆う。カバー71,72は、支持体60に着脱可能に取り付けられる。
【0039】
カバー71,72は、光源ユニット41,51を覆う透光性のカバー本体75を有する。カバー本体75は、光源ユニット41,51を、その発光部42,52の側から覆う。発光部42,52から射出された光は、カバー本体75を通って欄干パネル21等を照射する。カバー本体75のその長手方向に垂直な断面は、概ねU字形状である。カバー本体75の両縁部は、支持体60の一対の側壁62,62の間に配置される。カバー本体75の両縁部の側壁62に対面する面には、支持体60と係合する係合部76が形成されている。係合部76は、支持体60の係合部63の凹凸面に対応する凹凸面を有している。係合部76の凹凸面と支持体60の係合部63の凹凸面とが係合することにより、係合部76は、支持体60に着脱可能に接続される。
【0040】
カバー71,72は、互いから独立して、係合部76に着脱可能である。これにより、照明装置40の取付又は交換作業と、照明装置50の取付又は交換作業とを、異なる日に行うことができ、作業計画が立て易い。
【0041】
図示された例では、光源ユニット41,51は、スカートガード25の内部空間26に延び入っている。これに伴って、支持体60及びカバー71,72は、スカートガード25の内部空間26に延び入っている。スカートガード25の内部空間26において、カバー本体75は遮光性であってもよい。この場合、スカートガード25の内部空間26に配置されたLED発光部42,52が射出した光が、スカートガード25の外に漏れ出ることが抑制される。
【0042】
なお、上述してきた一実施の形態に対して、様々な変更を加えることが可能である。
【0043】
例えば、図5及び図6に示すように、乗客コンベア1は、第3照明装置80を更に備えていてもよい。図5及び図6に示す例において、第3照明装置80は、手摺ベルト24に沿って延びる第3光源ユニット81と、第3光源ユニット81の一端に第3配線85を介して接続した第3電源盤86と、を有する。図7に示すように、第3光源ユニット81は、手摺ベルト24に沿って並ぶ複数の第3LED発光部82と、第3LED発光部82を保持するテープ状の第3基材83と、を有する。複数の第3LED発光部82は、第3基材83の一方の面上に、第3基材83の長手方向に沿って並んでいる。第3光源ユニット81は、第1光源ユニット41及び第2光源ユニット51と同様の方法により、欄干20に取り付けられていてよい。また、第3光源ユニット81は、欄干20に固定された第3カバー73によって覆われていてよい。第3カバー73は、第1カバー71及び第2カバー72から独立して、欄干20から取り外し可能であってよい。以下では、第3光源ユニット81の第3電源盤86に接続した端部を、「第3基端81a」とも称する。また、第3光源ユニット81の第3基端81aとは反対側の端部を「第3先端81b」とも称する。
【0044】
図5及び図6に示す例では、第1光源ユニット41の第1先端41bと第2光源ユニット51の第2先端51bとは、互いから離間している。第1先端41bと第2先端51bとの間に、第3光源ユニット81が配置されている。図示された例では、第3光源ユニット81の第3基端81aが、第1先端41bと隣接している。また、第3光源ユニット81の第3先端81bが、第2先端51bと隣接している。第1先端41b、第3基端81a、第3先端81b及び第2先端51bは、この順で、長手方向DLに沿って並んでいる。しかしながら、これに限られない。第3先端81bが第1先端41bに隣接し、第3基端81aが第2先端51bに隣接していてもよい。
【0045】
第3電源盤86は、トラス4の内部空間6に配置されている。第3電源盤86は、案内レール9に沿って走行する踏段5と干渉しない位置に配置されている。図示された例では、第3電源盤86は、乗客コンベア1の側面視において、案内レール9で囲まれた領域内に配置されている。図示された例では、第3配線85は、第3基端81aから欄干パネル21上を第2方向D2に延び、スカートガード25に形成された第3開口29を通じてスカートガード25及びトラス4の内部空間26,6を延び、第3電源盤86に接続している。欄干パネル21には、第3配線85を隠蔽する追加のカバー部材87が取り付けられていてよい。
【0046】
図5乃至図7に示す例では、欄干20をその全長に亘ってさらに均一な明るさで照明することができる。この結果、乗客コンベア1の意匠性をさらに向上させることができる。
【0047】
また、図5乃至図7に示す例では、照明装置40,50,80の配線45,55,85のうち、第3配線85のみが欄干パネル21上を延びている。したがって、配線45,55,85または配線45,55,85を隠蔽するための追加のカバー部材87が乗客コンベア1の意匠性に与える影響が小さい。
【0048】
なお、第3配線85は、欄干パネル21の縁部21a,21b,21cに沿って延びて、スカートガード25の第1開口27又は第2開口28を通じてスカートガード25及びトラス4の内部空間26,6に延び入ってもよい。この場合、第3配線85が視認されにくくなり、第3配線85が乗客コンベア1の意匠性に与える影響を小さくすることができる。
【0049】
また、図5乃至図7に示す例でも、光源ユニット41,51,81の取付又は交換作業を容易に行うことができる。また、照明装置40,50,80の取付又は交換作業を容易に行うことができる。また、照明装置40,50,80に関する作業計画が立て易くなる。
【0050】
図7に示す例では、各光源ユニット41,51,81において、隣り合うLED発光部42,42;52,52;82,82の距離はPである。更に、第1光源ユニット41の第1先端41bに最も近い第1LED発光部42と、第1先端41bに最も近い第3光源ユニット81の第3LED発光部82との距離Rは、0.5P以上2P以下である。また、第2光源ユニット51の第2先端51bに最も近い第2LED発光部52と、第2先端51bに最も近い第3光源ユニット81の第3LED発光部82との距離Sは、0.5P以上2P以下である。これにより、第1光源ユニット41と第3光源ユニット81との不連続箇所、並びに、第2光源ユニット51と第3光源ユニット81との不連続箇所を目立たなくすることができる。したがって、欄干20が複数の光源ユニット41,51,81で照明されることによって乗客コンベア1の意匠性が損なわれる、という虞を抑制することができる。なお、本明細書において、2つのLED発光部42,42;52,52;82,82;42,82;82,52の距離は、2つのLED発光部42,42;52,52;82,82;42,82;82,52の中心の距離である。
【0051】
以上に説明した一実施の形態及びその変形例において、乗客コンベア1は、長手方向DLを有し、第1乗降口2から第2乗降口3へ又は第2乗降口3から第1乗降口2へ、長手方向DLに沿って乗客を搬送する。乗客コンベア1は、欄干20と、第1照明装置40と、第2照明装置50と、を備えている。欄干20は、長手方向DLに沿って延びて、手摺ベルト24を案内する。第1照明装置40は、第1光源ユニット41と、第1光源ユニット41に第1配線45を介して接続する第1電源盤46と、を有する。第1光源ユニット41は、欄干20の第1乗降口2側の第1端部20aから第2乗降口3側の第2端部20bに向かって、手摺ベルト24に沿って延びている。第2照明装置50は、第2光源ユニット51と、第2光源ユニット51に第2配線55を介して接続する第2電源盤56と、を有する。第2光源ユニット51は、欄干20の第2端部20bから第1端部20aに向かって、手摺ベルト24に沿って延びている。第1光源ユニット41は、第1電源盤46が接続する端部である第1基端41aと、第1基端41aとは反対側の端部である第1先端41bと、第1基端41aと第1先端41bとの間において手摺ベルト24に沿って並ぶ複数の第1LED発光部42と、を含む。第2光源ユニット51は、第2電源盤56が接続する端部である第2基端51aと、第2基端51aとは反対側の端部である第2先端51bと、第2基端51aと第2先端51bとの間において手摺ベルト24に沿って並ぶ複数の第2LED発光部52と、を含む。
【0052】
この場合、欄干20の全長に亘って延びる一つの光源ユニットと比較して、光源ユニット41,51の基端41a,51aと先端41b,51bとでのLED発光部42,52の明度の差を小さくすることができる。言い換えると、照明装置40,50は、その光源ユニット41,51の全長に亘ってより均一な光を射出することができる。この結果、欄干20をその全長に亘って、より均一な明るさで照明することができ、乗客コンベア1の意匠性を向上させることができる。また、この場合、照明装置40の取付又は交換作業と、照明装置50の取付又は交換作業とを、異なる日に行うことができるため、作業計画が立て易い。
【0053】
また、以上に説明した一実施の形態及びその変形例において、第1光源ユニット41の第1基端41aは、欄干20の第1端部20aに配置されている。また、第2光源ユニット51の第2基端51aは、欄干20の第2端部20bに配置されている。配線45,55が接続される端部が欄干20の端部20a,20bに配置されることにより、配線45,55をスカートガード25によって隠蔽することが容易である。あるいは、配線45,55を隠蔽するための追加のカバー部材の寸法を小さくすることができ、追加のカバー部材によって乗客コンベア1の意匠性が損なわれる虞を低減することができる。
【0054】
また、以上に説明した一実施の形態において、各光源ユニット41,51において、隣り合うLED発光部42,42;52,52の距離をPとすると、第1光源ユニット41の第1先端41bに最も近い第1LED発光部42と第2光源ユニット51の第2先端51bに最も近い第2LED発光部52との距離Qが、0.5P以上2P以下である。この場合、第1光源ユニット41と第2光源ユニット51との不連続箇所を目立たなくすることができる。したがって、欄干20が複数の光源ユニット41,51で照明されることによって乗客コンベア1の意匠性が損なわれる、という虞を抑制することができる。
【0055】
また、以上に説明した変形例において、乗客コンベア1は、第3照明装置80を更に備えている。第3照明装置80は、第1光源ユニット41と第2光源ユニット51との間を手摺ベルト24に沿って延びる第3光源ユニット81を有する。第3光源ユニット81は、手摺ベルト24に沿って並ぶ複数の第3LED発光部82を含む。この場合、欄干20をその全長に亘って、更に均一な明るさで照明することができ、乗客コンベア1の意匠性を更に向上させることができる。
【0056】
また、以上に説明した変形例において、各光源ユニット41,51,81において、隣り合うLED発光部42,42;52,52;82,82の距離をPとすると、第1光源ユニット41の第1先端41bに最も近い第1LED発光部42と第3光源ユニット81の第1先端41bに最も近い第3LED発光部82との距離Rが、0.5P以上2P以下である。また、第2光源ユニット51の第2先端51bに最も近い第2LED発光部52と第3光源ユニット81の第2先端51bに最も近い第3LED発光部82との距離Sが、0.5P以上2P以下である。この場合、第1光源ユニット41と第3光源ユニット81との不連続箇所、並びに、第2光源ユニット51と第3光源ユニット81との不連続箇所を目立たなくすることができる。したがって、欄干20が複数の光源ユニット41,51,81で照明されることによって乗客コンベア1の意匠性が損なわれる、という虞を抑制することができる。
【0057】
また、以上に説明した一実施の形態及びその変形例において、乗客コンベア1は、第1光源ユニット41を覆う第1カバー71と、第2光源ユニット51を覆う第2カバー72と、をさらに備えている。第1カバー71及び第2カバー72は、欄干20に対して固定されている。第1カバー71及び第2カバー72は、互いから独立して欄干20から取り外し可能である。この場合、照明装置40の取付又は交換作業と、照明装置50の取付又は交換作業とを、異なる日に行うことができるため、作業計画が立て易い。
【0058】
また、以上に説明した一実施の形態及びその変形例において、乗客コンベア1は、スカートガード25と、トラス4とを更に備えている。スカートガード25は、欄干20の下部に設置され、手摺ベルト24が通過する第1開口27、内部空間26及び第2開口28を有する。また、トラス4は、スカートガード25の下方に位置し、スカートガード25の内部空間26と連通し且つ手摺ベルト24が走行する内部空間6を有する。第1開口27は、スカートガード25の第1乗降口2側の端部に形成されている。第2開口28は、スカートガード25の第2乗降口3側の端部に形成されている。第1電源盤46及び第2電源盤56は、トラス4の内部空間6に配置されている。第1光源ユニット41又は第1配線45は、第1開口27を通じてスカートガード25の内部空間26に延び入っている。また、第2光源ユニット51又は第2配線55は、第2開口28を通じてスカートガード25の内部空間26に延び入っている。この場合、配線45,55をスカートガード25によって隠蔽することが容易である。あるいは、配線45,55を隠蔽するための追加のカバー部材の寸法を小さくすることができ、追加のカバー部材によって乗客コンベア1の意匠性が損なわれる虞を低減することができる。
【0059】
また、以上に説明した一実施の形態及びその変形例において、第1電源盤46は、長手方向DLにおけるトラス4の中央部よりも、トラス4の第1乗降口2側の端部4aの側に配置されている。また、第2電源盤56は、長手方向DLにおけるトラス4の中央部よりも、トラス4の第2乗降口3側の端部4bの側に配置されている。この場合、照明装置40の取付又は交換作業と、照明装置50の取付又は交換作業とを、異なる日に行うことができるため、作業計画が立て易い。
【0060】
また、以上に説明した一実施の形態及びその変形例において、乗客コンベア1は、異なる階床F1,F2間に掛け渡されている。トラス4は、異なる階床F1,F2間を延びる傾斜部4cを有している。第1電源盤46及び第2電源盤56は、傾斜部4cの内部空間に配置されている。この場合、第1電源盤46及び第2電源盤56の設置の自由度が高い。
【0061】
本発明の実施形態といくつかの変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内でこれらの実施形態および変形例を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0062】
1:乗客コンベア、2:第1乗降口、3:第2乗降口、4:トラス、4a,4b:トラスの端部、4c:トラスの傾斜部、5:踏段、6:トラスの内部空間、7:乗降板、8:機械室、9:案内レール、10:踏段チェーン、11:モータ、12:制御盤、12a:運転制御部、13:第1スプロケット、14:第2スプロケット、15:第3スプロケット、20:欄干、20a:第1端部、20b:第2端部、20c:中央部、21:欄干パネル、21a:第1側縁部、21b:第2側縁部、21c:上縁部、21d:内側面、21e:外側面、21f:縁面、24:手摺ベルト、25:スカートガード、26:スカートガードの内部空間、27:第1開口、28:第2開口、30:ハンドレール、31:接続部、32:側部、40:第1照明装置、41:第1光源ユニット、41a:第1基端、41b:第1先端、42:第1LED発光部、43:第1基材、45:第1配線、46:第1電源盤、50:第2照明装置、51:第2光源ユニット、51a:第2基端、51b:第2先端、52:第2LED発光部、53:第2基材、55:第2配線、56:第2電源盤、58:主電源盤、DL:乗客コンベアの長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7