(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】バッテリアダプタアセンブリおよび手持ち式動力工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/02 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
B25F5/02
(21)【出願番号】P 2022519134
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 EP2020077480
(87)【国際公開番号】W WO2021064086
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-02-03
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】511268591
【氏名又は名称】ハスクバーナ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イェルム、ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】マルティンソン、パール
(72)【発明者】
【氏名】ステノー、フィリップ
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0012526(US,A1)
【文献】特開2014-128856(JP,A)
【文献】特開2011-173219(JP,A)
【文献】特開2012-048885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/02
A01G 3/00
A01D 34/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動型手持ち式の動力工具(3)のためのバッテリアダプタアセンブリ(1)であって、前記バッテリアダプタアセンブリ(1)は、
前記動力工具(3)のバッテリ接続インタフェース(7)に接続されるように構成されたバッテリアダプタ(5)と、および
前記バッテリアダプタ(5)に接続される第1端(11)と、電源(27)に接続するための第2端(12)とを備える電源コード(9)と、を備えており、
前記電源コード(9)は、前記電源コード(9)を前記動力工具(3)のコード保持配置(15)に固定するように構成された少なくとも第1固定要素(21)を備えて
おり、
前記コード保持配置(15)は溝(15′)を備えており、
前記電源コード(9)は、第1および第2固定要素(21、22)の間に電源コード部(9′)を形成するように前記電源コード(9)に沿って前記第1固定要素(21)から距離(d)をおいて配置された前記第2固定要素(22)を備えており、
前記電源コード部(9′)は前記動力工具(3)の前記コード保持配置(15)によって保持されるように構成されており、
前記電源コード部(9′)は、溝(15′)に挿入されるように構成されており、
前記第2固定要素(22)は、前記電源コード(9)にスライド可能に取り付けられるとともに、前記電源コード(9)に沿って前記第1固定要素(21)に向かう方向(d1)に付勢されている、
バッテリアダプタアセンブリ。
【請求項2】
前記第1固定要素(21)は錐体状である、
請求項
1に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記第2固定要素(22)は錐体状である、
請求項
1または2に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記第1固定要素(21)は、前記コード保持配置(15)の第1端(17)に対して当接するように配置されており、
前記第2固定要素(22)は、前記コード保持配置(15)の第2端(19)に対して当接するように配置されている、
請求項
1~
3のいずれか
1項に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記電源コード(9)は、前記第2固定要素(22)を前記第1固定要素(21)に向かう方向(d1)に前記電源コード(9)に沿って付勢するように構成されたバネ要素(23)を備えている、
請求項
1~4のいずれか1項に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記電源コード(9)は、前記電源コード(9)に剛体的に取り付けられたストッパ(26)を備えており、
前記バネ要素(23)は、前記ストッパ(26)と前記第2固定要素(22)との間に付勢力を加えるように配置されている、
請求項
5に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記バネ要素(23)はコイルバネである、
請求項
5または
6に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記バネ要素(23)は、ストッパ(26)の領域(23′)よりも前記第2固定要素(22)の領域(23′′)においてより小さなピッチを有する、
請求項
7に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記バッテリアダプタ(5)は、前記動力工具(3)の特定のタイプのバッテリ接続インタフェース(7)にのみ前記バッテリアダプタ(5)の接続を可能にするように構成された機械的キー配置(28)を備えている、
請求項1~
8のいずれか1項に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記機械的キー配置(28)は、所定の電力消費量以下の電力消費量を有する前記動力工具(3)のバッテリ接続インタフェース(7)のみに前記バッテリアダプタ(5)の接続を可能にするよう構成されている、
請求項
9に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項11】
前記電源コード(9)の第2端(12)は、前記電源コード(9)をバッテリ(27)に接続するためのコネクタ(25)を備えている、
請求項1~
10のいずれか1項に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記バッテリ(27)は、リュックサック型バッテリまたはベルト装着型バッテリのような、ユーザの身体に携帯されるように適合されたバッテリ(27)である、
請求項
11に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)。
【請求項13】
工具部(31)と、
前記工具部(31)に動力を供給するように構成された電気モータ(33)と、
バッテリアダプタアセンブリ(1)を介して前記電気モータ(33)に電気を伝送するために、前記バッテリアダプタアセンブリ(1)のバッテリアダプタ(5)を受け入れるように構成されたバッテリ接続インタフェース(7)と、
を備えている手持ち式の動力工具(3)であって、
前記動力工具(3)は、前記バッテリアダプタアセンブリ(1)の電源コード(9)の電源コード部(9′)を保持するように構成されたコード保持配置(15)を備えて
おり、
前記コード保持配置(15)は溝(15′)を備えており、
前記動力工具(3)は、第1グリップ部(37)を具備する第1ハンドルユニット(35)を備えており、前記コード保持配置(15)は前記第1ハンドルユニット(35)上に配置されており、
前記第1ハンドルユニット(35)は、前記第1グリップ部(37)から距離をおいて配置されたシールド部(39)を備えており、前記コード保持配置(15)は前記シールド部(39)上に配置されている、
動力工具(3
)。
【請求項14】
前記コード保持配置(15)は第
1端部分(17
)と第2端部分(19)
とを備えており、
前記第
1端部分(17
)は、前記電源コード(9)の
第1固定要素(2
1)を受け入れるように構成されて
いる一方で、
前記第2端部分(19)は、前記電源コード(9)の第2固定要素(22)を受け入れるように構成されている、
請求項
13に記載の動力工具(3)。
【請求項15】
前記第1および第2端部分(17、19)のうちの少なくとも一方は漏斗状である、
請求項
14に記載の動力工具(3)。
【請求項16】
前記コード保持配置(15)の前記第2端部分(19)は、前記工具部(31)から離れる方向に向いた前記動力工具(3)の後部(41)に配置されている、
請求項
14または
15に記載の動力工具(3)。
【請求項17】
前記コード保持配置(15)は、前記第1グリップ部(37)から離れる方向に向いた前記シールド部(39)の側面(39′)に配置されている、
請求項
13~16のいずれか1項に記載の動力工具(3)。
【請求項18】
前記第1グリップ部(37)は、前記シールド部(39)に向かう前記第1グリップ部(37)の側面(37′)に配置されたスロットルアクチュエータ(43)を備えている、
請求項
13~17のいずれか1項に記載の動力工具(3)。
【請求項19】
前記第1ハンドルユニット(35)は、前記動力工具(3)の前記工具部(31)から離れる方向に向いた後部(41)に配置された後部ハンドルユニットである、
請求項
13~18のいずれか1項に記載の動力工具(3)。
【請求項20】
前記動力工具(3)は、
前記電気モータ(33)を具備する本体(6)を備えており、
前記第1ハンドルユニット(35)は前記本体(6)に旋回可能に取り付けられている、
請求項
13~19のいずれか1項に記載の動力工具(3)。
【請求項21】
前記第1ハンドルユニット(35)は、第1端位置と第2端位置との間で前記本体(6)に旋回可能に取り付けられており、
前記第1端位置と前記第2端位置との間の角度は、少なくとも90
度である、
請求項
20に記載の動力工具(3)。
【請求項22】
前記第1端位置と前記第2端位置との間の前記角度は、少なくとも170度である、
請求項21に記載の動力工具(3)。
【請求項23】
前記動力工具(3)は、前記第1ハンドルユニット(35)と前記工具部(31)との間の前記動力工具(3)の位置に配置された第2ハンドルユニット(45)を備えている、
請求項
13~22のいずれか
1項に記載の動力工具(3)。
【請求項24】
請求項1~
12のいずれか1項に記載のバッテリアダプタアセンブリ(1)を備えている、
請求項
13~23のいずれか1項に記載の動力工具(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気駆動型の手持ち式動力工具(ハンドヘルドパワーツール)のためのバッテリ(電池)アダプタアセンブリに関する。本開示はさらに、手持ち式動力工具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、動力工具(パワーツール)は多くの種類が販売されている。動力工具に共通する特徴は、人力のみ以外の動力源によって駆動可能にした工具部(工具)を備えていることである。動力源(パワーソース)は、電気モータまたは燃焼機関(コンバッションエンジン)で構成されている場合がある。
【0003】
動力工具を設計する際には、いくつかの懸念事項がある。主な関心事は安全性である。すなわち動力工具を設計する場合、ユーザが動力工具を安全に操作できることを保証しなければならない。もう一つの懸念は、人間工学(ergonomics)である。動力工具は通常、さまざまな操作方向や角度で操作できるように設計されていることが望ましいので、動力工具の設計には要件が課される。また、使い勝手の良さ(ユーザフレンドリー)についても考慮する必要がある。例えば、ユーザが簡単かつ邪魔にならない方法で動力工具を操作できるように、動力工具が設計されていると有利である。
【0004】
上記の懸念同士は、少なくとも部分的には関連している。すなわち、人間工学的で使いやすい動力工具は、通常、非人間工学的で使いにくい動力工具よりも安全であるので、そのような動力工具の誤った使用によるリスクが低減されることも理由の一つである。
【0005】
電気駆動の動力工具(電動工具)は、特に動力工具から発生する排気ガスや騒音に関して、燃焼機関によって駆動される動力工具に比べていくつかの利点がある。しかし、いくつかの欠点もある。そのひとつが、電気モータへの電力供給である。多くの動力工具は高い出力レベルで作動するので、多くの電気エネルギーを必要とする。
【0006】
動力工具の中には、動力工具にバッテリを接続するためのバッテリ接続インタフェースを備えているものがある。このような動力工具は、通常、簡単に使用することができる。しかし、バッテリは、動力工具に重量を加えるので、動力工具の操作中に使用者の腕、手、および背中に余分な負担をかける虞れがある。また、バッテリが蓄えることができる電気エネルギーは限られているので、動力工具の使用可能時間に制限がある。
【0007】
そこで、近年では、リュックサック型(バックパック型)やベルト装着型(ベルトマウント型)など、身体に携帯(携行。装着)して使用するタイプのバッテリが開発されている。このようなバッテリは、重量を動力工具からユーザの身体に移動させることができるという利点がある。このように、動力工具を操作する際に、腕や手、腰などにかかる負担を軽減することができる。さらに、より大きなサイズのバッテリを使用することができるので、動力工具の使用可能時間が長くなる。
【0008】
バッテリアダプタアセンブリは、そのようなバッテリと、動力工具のバッテリ接続インタフェースとの間の電気的接続を提供するために使用することができる。通常、バッテリアダプタアセンブリはバッテリアダプタと電源コードとを備えており、バッテリアダプタは動力工具のバッテリ接続インタフェースに接続されるように構成されている。電源コードは通常、バッテリアダプタに接続される第1端と、バッテリに接続するための第2端とを備えて構成されている。小さな作業の場合、ユーザはバッテリをバッテリ接続インタフェースに直接接続することで、動力工具を操作することができる。より多くの時間と電気エネルギーとが必要な大きな作業のためには、ユーザは、バッテリアダプタをバッテリ接続インタフェースに接続することで、動力工具を操作するためにユーザの身体に携帯されているバッテリを使用することができる。このようにすれば、ユーザは、腕、手、および背中に負担をかけずに、動力工具を操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2011/121782号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のように、この種の動力工具とこの種のバッテリアダプタアセンブリは、多くの利点を提供する。しかし、人間工学や使いやすさに関する懸念や欠点も残っている。
本発明の目的は、上記の懸念および欠点の少なくともいくつかを克服するか、または少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1側面によれば、その目的は、電気駆動型手持ち式の動力工具のためのバッテリアダプタアセンブリによって達成される。バッテリアダプタアセンブリは、動力工具のバッテリ接続インタフェースに接続されるように構成されたバッテリアダプタと、および電源コードとを備えている。電源コードは、バッテリアダプタに接続される第1端と、電源(パワーソース)に接続するための第2端とを備えている。電源コードは、電源コードを動力工具のコード保持配置に固定するように構成された少なくとも第1固定要素を備えている。
【0012】
電源コードが少なくとも第1固定要素を備えているので、電気駆動される手持ち式動力工具の使用を容易にすることができるバッテリアダプタアセンブリが提供される。これは、少なくとも第1固定要素が、電源コードを動力工具のコード保持配置に固定することで、電源コードによって引き起こされる妨害を低減することができるからである。
【0013】
また、さらなる結果として、電気駆動型手持ち式の動力工具のより人間工学的な使用を提供することができるバッテリアダプタアセンブリが提供される。
さらに、バッテリアダプタアセンブリは、電気駆動型手持ち式の動力工具の使用を容易にするとともに、より人間工学的な使用を提供することができるので、電気駆動型の動力工具の操作中の安全性を向上させることができるバッテリアダプタアセンブリが提供される。
【0014】
従って、上述の懸念および欠点の少なくともいくつかを克服するか、または少なくとも軽減することができるバッテリアダプタアセンブリが提供される。その結果、上述の目的は達成される。
【0015】
任意選択で、コード保持配置は溝を備えている。よって、電源コードの少なくとも一部は、動力工具の使用中に損傷することから保護され得る。さらに電源コードは、コード保持配置において、より確実な方法で保持され得る。よって、動力工具の操作中の安全性をさらに向上させることができる。
【0016】
任意選択で、第1固定要素は、錐体形状(frustoconical)である。よって、電源コードは、さらに安全な方法でコード保持配置に固定することができる。
任意選択で、電源コードは、第1固定要素と第2固定要素との間に電源コード部(パワーコードセクション)を形成するように電源コードに沿って第1固定要素から距離をおいて配置された第2固定要素を備えており、電源コード部は、動力工具のコード保持配置によって保持されるように構成されている。よって、電源コードは、動力工具の操作中に電源コードが緩むリスクをさらに低減するとともに、さらに安全な方法でコード保持配置に固定されることが可能である。
【0017】
任意選択で、第2固定要素は錐体状である。よって、電源コードは、さらに安全な方法でコード保持配置に固定されることができる。
任意選択で、電源コード部は、溝の中に挿入されるように構成されている。よって、電源コード部は、動力工具の使用中に損傷することから保護される。よって、動力工具の操作中の安全性がさらに向上され得る。
【0018】
任意選択で、第1固定要素は、コード保持配置の第1端部分(ファーストエンドポーション)に対して当接(abut。隣接)するように配置されており、第2固定要素は、コード保持配置の第2端部分に対して当接するように配置されている。よって、電源コードは、動力工具の操作中に電源コードが緩むリスクをさらに低減するとともに、さらに安全な方法でコード保持配置に固定することができる。
【0019】
任意選択で、第2固定要素は、電源コードにスライド(摺動)可能に取り付けられているとともに、電源コードに沿って第1固定要素に向かう方向に付勢されて(バイアスされて)いる。よって、電源コードは、動力工具の操作中に電源コードが緩むリスクをさらに低減するとともに、さらに安全な方法でコード保持配置に固定されることができる。これは、電源コードに沿った第2固定要素の付勢力(バイアス力)が、コード保持配置の第1端部分および第2端部分に対して、第1固定要素および第2固定要素をさらに確実な方法で固定し得るからである。さらに、電源コードが、より簡単かつより使いやすい方法でコード保持配置に取り付けられることができるとともに、コード保持配置から取り外されることができるバッテリアダプタアセンブリが提供される。
【0020】
任意選択で、電源コードは、電源コードに沿って第2固定要素を第1固定要素に向かう方向に付勢(バイアス)するように構成されたバネ要素を備えている。よって、第2固定要素の、簡単で、信頼性が高く、効率的な付勢(バイアス。偏り)が、電源コードに沿って提供される。さらに、バッテリアダプタアセンブリは、コード保持配置に電源コードを着脱するための条件を、さらに単純で、より使いやすい方法で提供する。
【0021】
任意選択で、電源コードは、電源コードに剛性的に取り付けられたストッパを備えており、バネ要素は、ストッパと第2固定要素との間に付勢力(バイアス力。偏倚力)を加えるように配置されている。よって、第2固定要素の簡単で、信頼性が高く、効率的な付勢(バイアシング。偏倚)が、電源コードに沿って提供される。さらに、電源コードをコード保持配置に、より簡単で、より使いやすい方法で取り付けることができるとともに、取り外すことができるバッテリアダプタアセンブリが提供される。
【0022】
任意選択で、バネ要素はコイルバネである。よって、第2固定要素の簡単で、信頼性が高く、効率的な付勢が、電源コードに沿って提供される。さらに、コイルバネは、電源コードを安定させるとともに、電源コードが損傷する最大曲げ角度度(最大曲げ度合い)以上に曲げられることから電源コードを保護するグロメットとして機能してもよい。よって、動力工具の操作中の安全性をさらに向上させることができる。さらに、これらの特徴によって、動力工具の使用をさらに容易にするとともに、動力工具をより人間工学的に使用するための条件を提供することができるバッテリアダプタアセンブリが提供される。さらに、バッテリアダプタアセンブリは、コード保持配置に対する電源コードの着脱のための条件を、さらに簡単でより使い勝手のよい方法で提供する。
【0023】
任意選択で、バネ要素は、ストッパの領域よりも第2固定要素の領域において、より小さなピッチを有する。よって、バネ要素は、第2固定要素の領域で曲げに対してより大きな抵抗(レジスタンス)を提供するので、電源コードが最大曲げ角度を超えて曲げられることからさらに保護される。さらに、曲げに対するより低い抵抗がストッパの領域で提供されるので、動力工具の人間工学および使い勝手をさらに改善し得る。
【0024】
任意選択で、バッテリアダプタは、動力工具の特定のタイプのバッテリ接続インタフェースにのみバッテリアダプタの接続を可能にするように構成された機械的キー配置(メカニカルキーアレンジメント)を備えている。よって、バッテリアダプタアセンブリの誤った使用のリスクを大幅に低減するバッテリアダプタアセンブリが提供される。その結果、バッテリアダプタアセンブリの使用中の安全性をさらに向上させることができる。
【0025】
任意選択で、機械的キー配置は、所定(予め定められた。プレデターミンド)の電力消費量以下の電力消費量を有する動力工具のバッテリ接続インタフェースにのみバッテリアダプタの接続を可能にするように構成されている。よって、これらの特徴によって、ユーザは、所定の電力消費量を超える電力消費量を有する動力工具のバッテリ接続インタフェースにバッテリアダプタを接続することが阻止される。よって、電源コードのようなバッテリアダプタアセンブリの構成部品が、過剰な電気によって損傷するのを防ぐことができる。さらに、これらの特徴によって、バッテリアダプタアセンブリの使用中の安全性をさらに向上させることができるとともに、バッテリアダプタアセンブリの誤った使用のリスクを大幅に低減するバッテリアダプタアセンブリが提供される。
【0026】
任意選択で、電源コードの第2端は、電源コードをバッテリに接続するためのコネクタを構成する。よって、ユーザがバッテリを選択するとともにバッテリアダプタアセンブリを使用することで、バッテリを動力工具のバッテリ接続インタフェースに接続するための条件を提供する、ユーザフレンドリーなバッテリアダプタアセンブリが提供される。
【0027】
任意選択で、バッテリは、リュックサック型バッテリやベルト装着型バッテリなど、ユーザの身体に携行(携帯。装着)されるように適合されたバッテリである。このようにして、ユーザは、腕、手、および背中への負担が少ない状態で動力工具による操作を行うことができるので、動力工具の使用時間を延長するための条件が提供される。
【0028】
本発明の第2側面によれば、その目的は、工具部(ツール)と、工具部に動力を供給するように構成された電気モータと、バッテリアダプタアセンブリを介して電気モータに電力を伝送するためにバッテリアダプタアセンブリのバッテリアダプタを受け入れる(レシーブする)ように構成されたバッテリ接続インタフェースと、を備える手持ち式の動力工具によって達成される。動力工具は、バッテリアダプタアセンブリの電源コードの電源コード部を保持するように構成されたコード保持配置を備えている。
【0029】
動力工具がコード保持配置を備えているので、簡単かつ人間工学的な方法で使用することができる動力工具が提供される。これは、コード保持配置が、バッテリアダプタアセンブリの電源コードの電源コード部を保持することで、電源コードによる妨害を減少させることができるからである。
【0030】
さらに、動力工具を簡単かつ人間工学的な方法で使用することができるので、その操作中の安全性を向上させる条件を有する動力工具が提供される。
したがって、上記の懸念および欠点の少なくともいくつかを克服するか、または少なくとも軽減する動力工具が提供される。その結果、上述の目的が達成される。
【0031】
任意選択で、コード保持配置は溝を備えている。よって、バッテリアダプタアセンブリの電源コード部は、動力工具の使用中に損傷することから保護される。よって、動力工具の操作中の安全性をさらに向上させることができる。
【0032】
任意選択で、コード保持配置は、第1端部分および第2端部分を備えており、第1端部分および第2端部分のうちの少なくとも一方は、電源コードの固定要素を受け入れるように構成されている。よって、電源コードは、動力工具の操作中に電源コードが緩むリスクを低減し得るさらに安全な方法でコード保持配置に固定され得る。
【0033】
任意選択で、第1端部分および第2端部分のうちの少なくとも一方は、漏斗状である。よって、電源コードは、動力工具の操作中に電源コードが緩むリスクを低減し得るさらなる安全な方法でコード保持配置に固定され得る。
【0034】
任意選択で、コード保持配置の第2端部分は、工具部から離れる方向に向いた動力工具の後部に配置されている。よって、さらに簡単で人間工学的な方法で使用することができる動力工具が提供される。また、さらに安全な動力工具が提供され得る。なぜなら、バッテリアダプタアセンブリの電源コードは、動力工具の後部において確実に保持されるとともに、動力工具の工具部から離れた位置で動力工具から延びることになるからである。
【0035】
任意選択で、動力工具は、第1グリップ部を具備する第1ハンドルユニットを備えており、コード保持配置は、第1ハンドルユニット上に配置されている。よって、さらに簡単で人間工学的な方法で使用することができる動力工具が提供される。さらに、より安全な動力工具が提供され得る。なぜなら、バッテリアダプタアセンブリの電源コードは、動力工具の第1ハンドルユニットにおいて確実に保持されるとともに、動力工具の工具部から離れた位置で動力工具から延びることになるからである。
【0036】
任意選択で、第1ハンドルユニットは、第1グリップ部から距離をおいて配置されたシールド部を備えており、コード保持配置は、シールド部上に配置されている。よって、さらに簡単で人間工学的な方法で使用することができる動力工具が提供される。また、さらに安全な動力工具が提供され得る。なぜなら、バッテリアダプタアセンブリの電源コードは、第1ハンドルユニットのシールド部に確実に保持されるとともに、動力工具の工具部から離れた位置で動力工具から延びることになるからである。
【0037】
任意選択で、コード保持配置は、第1グリップ部から離れる方向に向いたシールド部の側面に配置されている。よって、さらに簡単かつ人間工学的な方法で使用することができる動力工具が提供される。なぜなら、バッテリアダプタアセンブリの電源コードは、動力工具の使用者を邪魔する確率が低い第1ハンドル部の位置に配置されることになるからである。
【0038】
任意選択で、第1グリップ部は、シールド部に向かう第1グリップ部の側面に配置されたスロットルアクチュエータを備えている。よって、スロットルアクチュエータは、電源コードによって邪魔されることなく作動させることができる。よって、動力工具の操作時の安全性をさらに向上させることができる。
【0039】
任意選択で、第1ハンドルユニットは、動力工具から離れる方向に向いた動力工具の後部に配置された後部ハンドルユニットである。よって、さらに簡単で人間工学的な方法で使用することができる動力工具が提供される。さらに、より安全な動力工具が提供され得る。なぜなら、バッテリアダプタアセンブリの電源コードは、第1ハンドルユニットにしっかりと保持されるとともに、動力工具の工具部から離れた位置で動力工具から延びていてもよいからである。
【0040】
任意選択で、動力工具は、電気モータを具備する本体を備えており、第1ハンドルユニットは、本体に旋回可能(ピボット可能。枢動可能)に取り付けられている。よって、さらに簡単で人間工学的な方法で使用することができる動力工具が提供される。そのさらなる結果として、より安全な動力工具が提供される。なぜなら、バッテリアダプタアセンブリの電源コードがしっかりと保持され得る第1ハンドルユニットは、負担のかかる作業姿勢をとることなく、動力工具の工具部の異なる操作方向および角度を可能にするように、本体に対して旋回可能であるからである。
【0041】
任意選択で、第1ハンドルユニットは、第1端位置と第2端位置との間で本体に対して旋回可能に取り付けられており、第1端位置と第2端位置との間の角度は、少なくとも90度、または少なくとも170度である。よって、さらに簡単で人間工学的な方法で使用することができる動力工具が提供される。そのさらなる結果として、さらに安全な動力工具が提供され得る。なぜなら、バッテリアダプタアセンブリの電源コードがしっかりと保持され得る第1ハンドルユニットは、負担のかかる作業姿勢をとることなく、動力工具の工具部の異なる操作姿勢を可能にするように、本体に対して少なくとも90度、または少なくとも170度で旋回され得るからである。
【0042】
任意選択で、動力工具は、第1ハンドルユニットと工具部との間の動力工具の位置に配置された第2ハンドルユニットを備えている。よって、さらに簡単で人間工学的な方法で使用することができる動力工具が提供される。
【0043】
任意選択で、動力工具は、本開示のいくつかの実施形態によるバッテリアダプタアセンブリを備えている。よって、単純で、人間工学に基づいた、使いやすい方法で使用することができる動力工具が提供される。
【0044】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および以下の詳細な説明を検討すると明らかになるであろう。
その特定の特徴および利点を含む本発明の様々な態様は、以下の詳細な説明および添付図面において論じられる例示的な実施形態から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による電気駆動型手持ち式の動力工具(電動工具)を例示する図。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態によるバッテリアダプタアセンブリを示す図。
【
図3】
図1に示された実施形態による動力工具を示しており、第1ハンドルユニットが、動力工具の本体に対して第1端位置まで旋回された状態を示す図。
【
図4】
図1および
図3に示された実施形態による動力工具を示しており、第1ハンドルユニットが動力工具の本体に対して第2端位置まで旋回した状態を示す図。
【
図5】
図1、
図3、および
図4に示された実施形態による動力工具を、動力工具のコード保持配置から電源コード部を取り外した状態で示す図。
【
図6】
図1および
図3~
図5に示された実施形態による動力工具を、動力工具のバッテリ接続インタフェースからバッテリアダプタが取り外されるとともに、バッテリがバッテリ接続インタフェースに接続されている状態で示す図。
【
図7】本開示のいくつかのさらなる実施形態による動力工具の上面図を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次に、本発明の態様をより完全に説明する。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。よく知られた機能または構造は、簡潔さおよび/または明瞭さのために必ずしも詳細に説明されない。
【0047】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による電気駆動型手持ち式の動力工具(パワーツール。電動工具)3を示す図である。簡潔かつ明確さの理由から、本明細書では、電気駆動型手持ち式の動力工具3は、いくつかの箇所で「手持ち式の動力工具3」、または単に「動力工具3」と称される。図示された実施形態によれば、動力工具3は、ヘッジトリマーである。図示されたヘッジトリマーは、本発明の例示的な実施形態を構成しており、この発明は添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されよう。したがって、本明細書の実施形態によれば、動力工具3は、ヘッジトリマーとは別の種類の動力工具であってもよく、これについては、本明細書でさらに説明する。
【0048】
動力工具3は、図示された例示的な実施形態によれば、草木(vegetation)を切断するための切断工具である工具部31を備えている。さらに、動力工具3は、電気モータ33を具備している本体6を備えて構成されている。電気モータ33は、工具部31に動力(パワー)を供給するように構成されている。さらに、動力工具3は、バッテリ接続インタフェース7を具備している。
【0049】
また、
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるバッテリアダプタアセンブリ1を示している。バッテリアダプタアセンブリ1は、バッテリアダプタ5と、電源コード9とを備えている。電源コード9は、バッテリアダプタ5に接続される第1端11と、バッテリ27などの電源(27)に接続するための第2端12とを備えている。図示の実施形態によれば、電源コード9の第2端12は、電源コード9をバッテリ27に接続するためのコネクタ25を備えて構成されている。バッテリ27は、本明細書でさらに説明するように、リュックサック型バッテリやベルト装着型バッテリなど、ユーザの身体に携帯(携行。装着)されるように適合されたバッテリ27であってよい。
【0050】
図1において、バッテリアダプタ5は、動力工具3のバッテリ接続インタフェース7に接続されている。バッテリ接続インタフェース7は、動力工具3の制御配置(コントロールアレンジメント)を介して動力工具3の電気モータ33に接続されている電気接点を備えている。バッテリアダプタ5は、バッテリアダプタ5がバッテリ接続インタフェース7に接続されたときに、バッテリ接続インタフェース7の電気接点に対して当接するように構成された電気接点を備えている。このようにして、電気エネルギーは、バッテリ27などの電源(27)から、バッテリアダプタアセンブリ1を介して、電気モータ33に伝達(伝送)され得る。上記で言及した電気接点および制御配置は、簡潔かつ明確であるという理由から、
図1では図示されていない。
【0051】
図1に示されるように、動力工具3は、コード保持配置(コードホールディングアレンジメント)15を備えて構成されている。コード保持配置15は、本明細書でさらに説明するように、バッテリアダプタアセンブリ1の電源コード9の電源コード部9′を保持するように構成されている。図示された実施形態によれば、コード保持配置15は溝15′を具備しており、電源コード部9′は溝15′に挿入されるように構成されている。
【0052】
動力工具3は、第1グリップ部37を具備する第1ハンドルユニット35を備えている。図示された実施形態によれば、また本明細書でさらに説明されるように、第1ハンドルユニット35は、本体6に対して旋回可能に取り付けられている。第1グリップ部37は、電気モータ33の動力を制御するためのスロットルアクチュエータ43を備えて構成されている。第1ハンドルユニット35は、動力工具3の工具部31から離れる方向に向いた動力工具3の後部41に配置された後部ハンドルユニットである。動力工具3はさらに、第1ハンドルユニット35と工具部31との間の動力工具3の位置に配設された第2ハンドルユニット45を備えている。図示された実施形態によれば、コード保持配置15は、第1ハンドルユニット35上に配置されている。さらに、第1ハンドルユニット35は、第1グリップ部37から離間して配置されたシールド部39を備えており、コード保持配置15は、第1ハンドルユニット35のシールド部39に配置されている。スロットルアクチュエータ43は、第1グリップ部37のシールド部39に向かう側面37′に配設されている。さらに、コード保持配置15は、シールド部39の第1グリップ部37から離れる方向に向いた側面39′に配置されている。これらの特徴によって、バッテリアダプタアセンブリ1の電源コード9は、動力工具3の使用中に動力工具3の使用者の邪魔にならないとともに、電源コード9は、動力工具3の工具部31から離れた位置で動力工具3から延びることになる。
【0053】
図2は、
図1に示された実施形態によるバッテリアダプタアセンブリ1を示す図である。以下、特に示されていない場合、
図1および
図2への同時参照が行われる。電源コード9は、電源コード9を動力工具3のコード保持配置15に固定するように構成された第1固定要素21を備えている。さらに、図示された実施形態によれば、電源コード9は、電源コード9を動力工具3のコード保持配置15に固定するように構成された第2固定要素22を備えている。第2固定要素22は、第1および第2固定要素21、22の間に電源コード部(パワーコードセクション)9′を形成するように、電源コード9に沿って第1固定要素21から距離dをおいて配置されている。
【0054】
図示された実施形態によれば、第1および第2固定要素21、22の各々は、第1および第2固定要素21、22の間の電源コード部9′に隣接して配置された錐体状の固定要素(21、22)の狭い部分を有する錐体状である。さらなる実施形態によれば、第1および第2固定要素21、22のうちの少なくとも一方は、錐体状の固定要素(21、22)の狭い部分が電源コード部9′に隣接して配置された錐体状であってもよい。図示された実施形態によれば、第1固定要素21は、電源コード9に沿って第2固定要素22よりも電源コード9の第1端11に近い位置、すなわちバッテリアダプタ5に近い位置に配置されている。
【0055】
図3は、
図1に示された実施形態による動力工具3を示し、第1ハンドルユニット35が動力工具3の本体6に対して第1端位置まで旋回された状態を示している。
図3において、第1ハンドルユニット35は、動力工具3の後部41に向かう方向で見たとき、
図1に図示された第1ハンドルユニット35の位置に対して反時計回りに約90度旋回している。
【0056】
図4は、
図1および
図3に図示された実施形態による動力工具3を示しており、第1ハンドルユニット35が動力工具3の本体6に対して第2端位置まで相対的に旋回された状態を示す。
図4において、第1ハンドルユニット35は、
図1に図示された第1ハンドルユニット35の位置に対して時計回りに約90度、すなわち動力工具3の後部に向かう方向で見たときに
図3に図示された第1ハンドルユニット35の位置に対して時計回りに約180度旋回されている。
【0057】
このように、第1ハンドルユニット35は、第1端位置と第2端位置との間の枢軸axを中心として本体6に旋回可能に取り付けられており、図示された実施形態によれば、第1端位置と第2端位置との間の角度は約180度である。さらなる実施形態によれば、第1端位置と第2端位置との間の角度は、少なくとも90度、または少なくとも170度であってよい。
【0058】
図2~
図4に示されているように、電源コード9は、第1固定要素21とバッテリアダプタ5との間に第2電源コード部9′′を備えている。第2電源コード部9′′の長さによって、第1ハンドルユニット35は、第1端位置と第2端位置との間で旋回することができる。
【0059】
図3に最もよく見られるように、第1固定要素21は、コード保持配置15の第1端部分17に対して当接するように配置されている。さらに、第2固定要素22は、コード保持配置15の第2端部分19に対して当接するように配置されている。このようにして、電源コード9は、本明細書でさらに説明するように、コード保持配置15にしっかりと固定されている。したがって、図示された実施形態によれば、コード保持配置15は、第1および第2端部分17、19を備えており、第1および第2端部分17、19のうちの少なくとも一方は、電源コード9の第1および第2固定要素21、22のいずれかを受け入れるように構成されている。さらに、図示された実施形態によれば、第1および第2端部分17、19の各々は、漏斗状(ファンネルシェイプ)である。このようにして、電源コード9は、コード保持配置15にさらにしっかりと固定されている。さらなる実施形態によれば、第1および第2端部分17、19のうちの少なくとも一方は、漏斗状であってもよい。
【0060】
以下、
図2を参照しながら説明する。図示の実施形態によれば、第2固定要素22は、電源コード9にスライド可能に取り付けられている。さらに、第2固定要素22は、電源コード9に沿って、第1固定要素21へ向かう方向d1に付勢(バイアス)されている。図示された実施形態によれば、電源コード9は、第2固定要素22を電源コード9に沿って第1固定要素21に向かって方向d1に付勢する(バイアスする。偏らせる)ように構成されたバネ要素23を備えている。電源コード9は、電源コード9に剛体的に取り付けられるストッパ26を備えて構成されている。バネ要素23は、ストッパ26と第2固定要素22との間に反発する付勢力(バイアス力。偏倚力)を加えるように配置されている。このようにして、電源コード部9′をコード保持配置に取り付ける処理(プロセス)は、本明細書でさらに説明するように、コード保持配置から電源コード部9′を取り外す処理と同様に著しく容易化されている。さらに、バネ要素23の付勢力は、第1および第2固定要素21、22の間の収縮力を保証するので、コード保持配置15への電源コード部9′の固定がさらに保証されている。図示された実施形態によれば、第1固定要素21は、電源コード9に剛性的に取り付けられている。上記から理解されるように、
図2に示される第1および第2固定要素21、22の間の距離dは、電源コード部9′がコード保持配置15に配置されているときのコード保持配置15の長さに対応する。
【0061】
図示された実施形態によれば、バネ要素23は、コイルバネである。
図1に示されるように、コード保持配置15の第2端19は、工具部31から離れる方向に向いた動力工具3の後部41に配置されている。
図1および
図2に示されるように、バネ要素23は、ストッパ26の領域23′よりも第2固定要素22の領域23′′においてより小さなピッチを有する。従って、バネ要素23のセグメント同士間の距離は、ストッパ26の領域23′よりも第2固定要素22の領域23′′の方がより小さい。よって、バネ要素23が第2固定要素22の領域23′′において曲げに対するより大きな抵抗を提供するので、電源コード9は最大曲げ角度を超えて曲げられることからさらに保護される。さらに、ストッパ26の領域23′において曲げに対するより低い抵抗が提供されるので、動力工具3の人間工学および使い勝手がさらに改善され得る。
【0062】
図2から分かるように、図示された実施形態によれば、バッテリアダプタ5は、機械的キー配置28を備えて構成されている。機械的キー配置28は、動力工具3の特定のタイプのバッテリ接続インタフェース7にのみバッテリアダプタ5の接続を可能にするように構成されている。機械的キー配置28は、所定の電力消費量以下の電力消費量を有する動力工具3のバッテリ接続インタフェース7にのみ、バッテリアダプタ5の接続を可能にするように構成されてもよい。図示された実施形態によれば、機械的キー配置28は、一組の突起(28)を備えている。
【0063】
図3に示されるように、動力工具3のバッテリ接続インタフェース7は、対応する一組の凹部(28′)を具備する機械的キー配置28′を備えている。バッテリアダプタ5の機械的キー配置28の突起(28)は、動力工具3のバッテリ接続インタフェース7の機械的キー配置28′の凹部(28′)に嵌まるように構成されている。所定の電力消費量以上の電力消費量を有する動力工具のバッテリ接続インタフェースは、凹部(28′)の1つまたは複数を欠いていてもよい(持っていなくてもよい)。この場合、
図2に示された実施形態によるバッテリアダプタ5は、そのようなバッテリ接続インタフェースに接続することができない。よって、電源コード9のようなバッテリアダプタアセンブリ1の構成要素は、過度の電気によって損傷することから保護される。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、所定の電力消費量は、1000Wまたは800Wであってもよい。このように、これらの実施形態によれば、バッテリアダプタアセンブリ1は、細い電源コード9、例えば2.5mm2未満のケーブル面積を有する電源コード9を備えていることができるので、動力工具3の使用を容易にする柔軟な電源コード9に対する条件が提供される。
【0065】
図5は、
図1、
図3、および
図4に示された実施形態による動力工具3を示しており、動力工具3のコード保持配置15から電源コード部9′が取り外された状態を示している。
図1、
図2、および
図5に示されるように、第2固定要素22は、使用者の指と第2固定要素22との間の摩擦を増加させるように構成された一組の隆起(リッジ)を備えるグリップ表面22′を備えている。グリップ表面22′は、電源コード9に沿って、第1固定要素21から離れる方向d2に第2固定要素22を変位させることを容易にする。第1固定要素21から離れる電源コード9に沿った方向d2は、
図2に示されている。
【0066】
以下、
図1を参照しながら説明する。動力工具3の使用者は、第2固定要素22のグリップ面22′を握ることで、第2固定要素22を、動力工具3の後部41に位置するコード保持配置15の第2端部分19から離れる方向に引っ張ることができる。その結果、バネ要素23が圧縮されるので、
図2に示される第1および第2固定要素21、22の間の距離dが増加する。このようにして、第2固定要素22および電源コード部9′は、迅速かつ簡単な方法で、コード保持配置15から取り外すことができる。取り外されると、電源コード9は、
図5に示されるような位置をとることになる。
【0067】
図6は、
図1および
図3~
図5に図示された実施形態による動力工具3を、バッテリアダプタアセンブリ1のバッテリアダプタ5が取り外されているとともに、バッテリ27′が動力工具3のバッテリ接続インタフェース7に接続されている状態で図示している。したがって、ユーザは、例えば、時間および/またはエネルギーがそれほど消費されないより小さな作業を行いたいときに、バッテリアダプタアセンブリ1をバッテリ27′と交換することができる。バッテリ27′は多数のバッテリセルを備えているので、バッテリ27′は、動力工具3のバッテリ接続インタフェース7に接続されると、動力工具3に重量を加える。追加された重量は、動力工具3の操作中に、使用者の腕、手、および背中に負担をかける。
【0068】
使用者が、より多くの時間および/または電気エネルギーを必要とするより大きな作業を行いたい場合、使用者は、
図5に示されるように、バッテリ27′をバッテリ接続インタフェース7から取り外すとともに、バッテリアダプタアセンブリ1のバッテリアダプタ5を動力工具3のバッテリ接続インタフェース7に接続することができる。次に、ユーザは、第1固定要素21をコード保持配置15の第1端17に配置するとともに、電源コード部9′の少なくとも一部をコード保持配置15に挿入してもよい。次に、ユーザは、第2固定要素22のグリップ面22′を握るとともに、第2固定要素22を、
図2に示す、第1固定要素21から離れる方向d2に引っ張ってもよい。その結果、バネ要素23が圧縮されるので、第1および第2固定要素21、22の間の距離dが増加する。このようにして、電源コード部9′をコード保持配置15に完全に挿入することで、第2固定要素22を迅速かつ簡単な方法で第2端部分19に位置決めすることができる。その後、ユーザは、第2固定要素22からの引張力を解除することができる。その結果、第2固定要素22は、バネ要素23の付勢力によってコード保持配置15の第2端部分19に向かって変位するので、電源コード部9′はコード保持配置15に確実に保持される。したがって、この態様では、電源コード部9′を迅速、確実、かつ簡単な方法で、コード保持配置15に取り付けることができる。
【0069】
図7は、本開示のいくつかのさらなる実施形態による動力工具3の上面図である。
図7に例示された実施形態による動力工具3は、以下に説明するいくつかの例外を除き、
図1および
図3~
図6に例示された実施形態による動力工具3と同じ特徴、機能、および利点を構成する。
【0070】
図7に図示された実施形態によれば、動力工具3は、片側(シングルサイド)後部ハンドルユニット35を備えている。片側後部ハンドルユニット35は、動力工具3の本体6に旋回可能に取り付けられてもよい。さらに、
図7に示す実施形態に係る動力工具3は、後部ハンドルユニット35と動力工具3の工具部31との間の動力工具3の位置に配置された片側前部ハンドルユニット45を備えて構成されている。
図7に図示された動力工具3は、動力工具3に取り付けられたバッテリアダプタアセンブリ1を備えている。
【0071】
図8は、
図7に図示された動力工具3の側面図である。
図8で最もよく分かるように、バッテリアダプタアセンブリ1のバッテリアダプタ5は、動力工具3のバッテリ接続インタフェース7に接続されている。さらに、バッテリアダプタアセンブリ1の電源コード部9′は、動力工具3のコード保持配置15に保持されている。
図7および
図8に図示された実施形態によるバッテリアダプタアセンブリ1は、以下に説明するいくつかの例外を除いて、
図1~
図6に図示された実施形態によるバッテリアダプタアセンブリ1と同じ特徴、機能、および利点を構成することができる。同様に、
図7および
図8に例示された実施形態による動力工具3のコード保持配置15は、以下に説明されるいくつかの例外を除いて、
図1および
図3~
図6に例示された実施形態による動力工具3のコード保持配置15と同じ特徴、機能、および利点を構成することができる。
【0072】
図7および
図8に図示された実施形態によれば、バッテリアダプタアセンブリ1の電源コード部9'は、
図1~
図6に図示された実施形態と比較して、電源コード9の第1および第2固定要素21、22の間の距離が短いことを意味するより短い長さで提供されている。同様に
図7および
図8に図示された実施形態によれば、コード保持配置15の長さは、
図1および
図3~
図6に図示された実施形態によるコード保持配置15の長さよりも短い。
【0073】
図示の実施形態によれば、動力工具3は、ヘッジトリマーである。しかしながら、さらなる実施形態によれば、本明細書で言及される動力工具3は、ヘッジトリマーとは別の種類の手持ち式動力工具であってもよい。純粋に例として、動力工具は、園芸工具、回転工具、往復工具、マルチ工具、リーフブロワー、チェーンソー等であってもよい。
【0074】
前述は、様々な例示的な実施形態の例示であり、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解されたい。当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、例示の実施形態が修正されてもよく、例示の実施形態の異なる特徴が組み合わされることで、本書に記載された以外の実施形態を作成してもよいことを理解することができる。
【0075】
本明細書で使用される場合、用語「具備する」または「備える」は、オープンエンドであり、1つ以上の述べられた特徴、要素、工程(ステップ)、構成要素(コンポーネント)、または機能を含むが、1つ以上の他の特徴、要素、ステップ、コンポーネント、機能、またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。