(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】電池起動回路及びリチウム電池
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
(21)【出願番号】P 2022539105
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2020091100
(87)【国際公開番号】W WO2021128711
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】201911366543.4
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201922381615.4
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521176053
【氏名又は名称】上海派能能源科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100131381
【氏名又は名称】黒田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】劉 明
(72)【発明者】
【氏名】施 ▲ルウ▼
(72)【発明者】
【氏名】向 金風
(72)【発明者】
【氏名】曹 笑吟
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-210665(JP,A)
【文献】特開平08-190937(JP,A)
【文献】特開平09-331631(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0067957(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信制御モジュール、リレー、通信制御回路、スイッチ及び通信連接端子を含む電池起動回路において、
前記スイッチは第1端子、第2端子及び制御端子を含み、前記スイッチの制御端子の信号は第1端子及び第2端子の間の導通及び遮断を制御することができ、
前記スイッチの第1端子は電源に接続され、前記スイッチの第2端子は電源入力端子に接続され、前記電源入力端子に通電された後前記リレーのコイルに通電され、
前記通信制御回路は通信入力端子及び制御信号出力端子を含み、
前記通信入力端子は前記リレーの第2接点に接続され、前記制御信号出力端子は前記スイッチの制御端子に接続され、
前記通信制御モジュールは通信信号端子を含み、前記通信制御モジュールの通信信号端子は前記リレーの第1接点に接続され、前記リレーの共通接点は前記通信連接端子に接続され、前記リレーのコイルが通電されれば前記共通接点を前記第1接点に選択的に導通させ、通電されなければ前記共通接点を前記第2接点に選択的に導通させ、前記通信連接端子は上位機器に接続するのに用いられ、
前記リレーのコイルに通電されていない起動前に前記上位機器から出力された高レベル信号が、前記通信連接端子、前記リレーの共通接点、前記第2接点、前記通信入力端子及び前記制御信号出力端子を経て前記スイッチの制御端子に入力されて前記第1端子及び第2端子の間を導通させ、前記電源入力端子に通電されて機器全体を起動する
ことを特徴とする電池起動回路。
【請求項2】
前記通信制御回路は、さらに光結合器、第1抵抗及び第1MOS FETを含み、前記通信入力端子は第1通信入力端子及び第2通信入力端子を含み、
それらのうち前記光結合器の第1入力端子は前記第1通信入力端子に電気接続され、前記光結合器の第2入力端子は前記第2通信入力端子に電気接続され、前記光結合器の第1出力端子は電源端子に接続され、前記光結合器の第2出力端子は前記第1MOS FETのゲートに電気接続され、
前記第1MOS FETの第1極は接地され、前記第1MOS FETの第2極は前記スイッチの制御端子に接続され、前記第1抵抗の第1端子は接地され、前記第1抵抗の第2端子は前記光結合器の第2出力端子に接続された
ことを特徴とする請求項1に記載の電池起動回路。
【請求項3】
前記通信制御回路は、さらに第1ダイオードを含み、前記第1ダイオードの正極は前記光結合器の第2出力端子に接続され、前記第1ダイオードの負極は前記第1MOS FETのゲートに接続されたことを特徴とする請求項2に記載の電池起動回路。
【請求項4】
前記通信制御回路は、さらに第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗及び第5抵抗を含み、それらのうち前記第2抵抗の第1端子は前記第1通信入力端子に電気接続され、前記第2抵抗の第2端子は前記光結合器の第1入力端子に電気接続され、前記第3抵抗は前記光結合器の第1入力端子と第2入力端子の間に接続され、前記第4抵抗の第1端子は前記第1MOS FETの第2極に接続され、前記第4抵抗の第2端子は前記スイッチの制御端子に接続され、前記第5抵抗の第1端子は前記第4抵抗の第2端子に接続され、前記第5抵抗の第2端子は前記電源端子に接続されたことを特徴とする請求項2に記載の電池起動回路。
【請求項5】
前記スイッチは第2MOS FETであり、前記第2MOS FETのゲートは前記スイッチの制御端子であり、前記第2MOS FETの第1極は前記スイッチの第1端子であり、前記第2MOS FETの第2極は前記スイッチの第2端子であることを特徴とする請求項1に記載の電池起動回路。
【請求項6】
第3MOS FET、第6抵抗及び第7抵抗をさらに含み、前記第6抵抗と前記第7抵抗は直列接続され、前記第6抵抗の第1端子は前記電源入力端子に接続され、前記第6抵抗の第2端子は前記第7抵抗の第1端子に接続され、前記第7抵抗の第2端子は接地され、前記第6抵抗の第2端子は前記第3MOS FETのゲートに接続され、前記第3MOS FETの第1極は接地され、前記第3MOS FETの第2極は前記リレーのコイルの第1端子に接続され、前記電源入力端子は前記リレーのコイルの第2端子に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の電池起動回路。
【請求項7】
第8抵抗及び第2ダイオードをさらに含み、前記第8抵抗の第1端子は前記電源入力端子に接続され、前記第8抵抗の第2端子は前記リレーのコイルの第2端子に接続され、前記第2ダイオードの正極は前記第3MOS FETの第2電極に接続され、前記第2ダイオードの負極は前記電源入力端子に接続されたことを特徴とする請求項6に記載の電池起動回路。
【請求項8】
前記通信連接端子は485通信連接端子であることを特徴とする請求項1に記載の電池起動回路。
【請求項9】
前記共通接点は第1共通接点及び第2共通接点を含み、前記通信連接端子は第1通信連接端子及び第2通信連接端子を含み、前記第1通信連接端子は前記第1共通接点に接続され、前記第2通信連接端子は前記第2共通接点に接続され、
前記通信信号端子は第1通信信号端子及び第2通信信号端子を含み、前記第1接点は第1甲接点及び第1乙接点を含み、前記リレーのコイルに通電されれば前記共通接点は前記第1接点に選択的に接続され、前記第1通信信号端子は前記第1甲接点に接続され、前記第2通信信号端子は前記第1乙接点に接続され、
前記通信入力端子は第1通信入力端子及び第2通信入力端子を含み、前記第2接点は第2甲接点及び第2乙接点を含み、前記リレーのコイルに通電されなければ前記共通接点は前記第2接点に選択的に接続され、前記第1通信入力端子は前記第2甲接点に接続され、前記第2通信入力端子は前記第2乙接点に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の電池起動回路。
【請求項10】
請求項1ないし9に記載の電池起動回路を含むことを特徴とするリチウム電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、リチウム電池管理技術に関し、特に電池起動回路及びリチウム電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電池を電源とする応用において、通常機器をオフにして電力消費を下げる目的を実現する。よって、機器オフの状態で機器全体を起動することは重要である。
【0003】
常用の方法としては、電池充電回路及び起動切替回路を介して機器全体を起動する。しかしこの方法は、関連するハードウェア数が比較的多く、ハードウェアの回路が比較的複雑で、かつ制御信号伝送の安定性も比較的低い。
【0004】
発明内容
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電池起動回路及びリチウム電池を提供することにより、機器全体の電源遮断後の正常な起動及び通信を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1に、本発明の実施例は電池起動回路を提供する。当該回路は、通信制御モジュール、リレー、通信制御回路、スイッチ及び通信連接端子を含む。
【0007】
通信制御モジュールは通信信号端子を含む。通信制御モジュールの通信信号端子はリレーの第1接点に接続され、リレーの共通接点は通信連接端子に接続され、リレーのコイルに通電されれば共通接点と第1接点が連通し通電されなければ共通接点と第2接点が連通するように制御する。通信連接端子は上位機器に接続できるようにされる。
【0008】
スイッチは第1端子、第2端子及び制御端子を含む。スイッチの制御端子からの信号は、第1端子と第2端子の間の導通と遮断を制御することができる。スイッチの第1端子は電源に接続され、スイッチの第2端子は電源入力端子に接続され、電源入力端子に通電された後、リレーのコイルに通電される。
【0009】
通信制御回路は通信入力端子と制御信号出力端子を含む。通信入力端子はリレーの第2接点に接続され、制御信号出力端子はスイッチの制御端子に接続される。
【0010】
オプションとして、通信制御回路は、光結合器、第1抵抗と第1MOS FETを含む。通信入力端子は、第1通信入力端子と第2通信入力端子を含む。それらのうち、光結合器の第1入力端子は第1通信入力端子に電気接続され、光結合器の第2入力端子は第2通信入力端子に電気接続され、光結合器の第1出力端子は電源端子に接続され、光結合器の第2出力端子は第1MOS FETのゲートに電気接続され、第1MOS FETの第1極は接地され、第1MOS FETの第2極はスイッチの制御端子に接続され、第1抵抗の第1端子は接地され、第1抵抗の第2端子は光結合器の第2出力端子に接続される。
【0011】
オプションとして、通信制御回路は、さらに第1ダイオードを含む。第1ダイオードの正極は光結合器の第2出力端子に接続され、第1ダイオードの負極は第1MOS FETのゲートに接続される。
【0012】
オプションとして、通信制御回路は、さらに第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗及び第5抵抗を含む。そのうち、第2抵抗の第1端子は第1通信入力端子に電気接続され、第2抵抗の第2端子は光結合器の第1入力端子に電気接続され、第3抵抗は光結合器の第1入力端子と第2入力端子の間に接続され、第4抵抗の第1端子は第1MOS FETの第2極に接続され、第4抵抗の第2端子はスイッチの制御端子に接続され、第5抵抗の第1端子は第4抵抗の第2端子に接続され、第5抵抗の第2端子は電源端子に接続される。
【0013】
オプションとして、スイッチは第2MOS FETであり、第2MOS FETのゲートはスイッチの制御端子であり、第2MOS FETの第1極はスイッチの第1端子であり、第2MOS FETの第2極はスイッチの第2端子である。
【0014】
オプションとして、さらに第3MOS FET、第6抵抗及び第7抵抗を含む。第6抵抗と第7抵抗は直列接続され、第6抵抗の第1端子は電源入力端子に接続され、第6抵抗の第2端子は第7抵抗の第1端子に接続され、第7抵抗の第2端子は接地され、第6抵抗の第2端子は第3MOS FETのゲートに接続され、第3MOS FETの第1極は接地され、第3MOS FETの第2極はリレーコイルの第1端子に接続され、電源入力端子はリレーコイルの第2端子に接続される。
【0015】
オプションとして、さらに第8抵抗と第2ダイオードを含む。第8抵抗の第1端子は電源入力端子に接続され、第8抵抗の第2端子はリレーコイルの第2端子に接続され、第2ダイオードの正極は第3MOS FETの第2極に接続され、第2ダイオードの負極は電源入力端子に接続される。
【0016】
オプションとして、通信連接端子は485通信連接端子である。
【0017】
オプションとして、共通接点は第1共通接点と第2共通接点を含む。通信連接端子は第1通信連接端子と第2通信連接端子を含む。第1通信連接端子は第1共通接点に接続され、第2通信連接端子は第2共通接点に接続される。
【0018】
通信信号端子は第1通信信号端子と第2通信信号端子を含む。第1接点は第1甲接点と第1乙接点を含む。リレーコイルに通電されれば、共通接点と第1接点との選択的連通において、第1通信信号端子は第1甲接点に接続され第2通信信号端子は第1乙接点に接続される。
【0019】
通信入力端子は第1通信入力端子と第2通信入力端子を含む。第2接点は第2甲接点と第2乙接点を含む。リレーコイルに通電されなければ、共通接点と第2接点との選択的連通において、第1通信信号端子は第2甲接点に接続され第2通信信号端子は第2乙接点に接続される。
【0020】
第2に、本発明実施例は、第1に記載した電池起動回路を含むリチウム電池も提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、電池起動回路を提供する。当該回路は、通信制御モジュール、リレー、通信制御回路、スイッチ及び通信連接端子を含む。通信制御モジュールは通信信号端子を含む。通信制御モジュールの通信信号端子はリレーの第1接点に接続され、リレーの共通接点は通信連接端子に接続される。リレーコイルに通電されれば共通接点を第1接点に選択的に接続し、リレーコイルに通電されなければ共通接点を第2接点に選択的に接続する。通信連接端子は上位機器に接続される。スイッチは第1端子、第2端子及び制御端子を含む。スイッチの制御端子の信号は、第1端子と第2端子間の接続及び遮断を制御することができる。スイッチの第1端子は電源に接続され、スイッチの第2端子は電源入力端子に接続され、電源入力端子に通電された後リレーコイルに通電される。通信制御回路は通信入力端子と制御信号出力端子を含む。通信入力端子はリレーの第2接点に接続され、制御信号出力端子はスイッチの制御端子に接続される。これでわかるように、上述の方策を通じて、機器全体の電源遮断の状態で通信制御モジュールを利用してまず機器全体の起動を実現し、さらに正常な通信を実現する。既存技術に存在する関連ハードウェア数が比較的多く、ハードウェアの回路が比較的複雑で、かつ制御信号伝送の安定性も比較的低いという問題を解決し、機器全体の電源遮断後に正常に起動して通信するという効果を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は本発明の実施例1の電池起動回路の回路図である。
【0023】
【
図2】
図2は本発明の実施例2の電池起動回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面と実施例を参考にして本発明について詳細に説明する。ここで記載する実施例は、本発明を説明するためであり、本発明を限定するものではない。また、添付図面は、説明の便宜上、全体の構成ではなく本発明に関連する部分のみを示している。
【0025】
実施例1
【0026】
図1は本発明の実施例1に係る電池起動回路を示す図である。
図1を参照して、当該回路は、通信制御モジュール1、リレー110、通信制御回路120、スイッチ130及び通信連接端子2を含む。
【0027】
通信制御モジュール1は通信信号端子を含む。通信制御モジュール1の通信信号端子はリレー110の第1接点に接続され、リレー110の共通接点は通信連接端子2に接続され、リレー110のコイル111に通電されれば共通接点を第1接点に選択的に接続し、通電されなければ共通接点を第2接点に選択的に接続する。通信連接端子2は上位機器3に接続される。
【0028】
スイッチ130は第1端子131、第2端子132及び制御端子133を含む。スイッチ130の制御端子133の信号は、第1端子131と第2端子132間の接続と遮断を制御することができる。スイッチ130の第1端子131は電源に接続され、スイッチ130の第2端子132は電源入力端子4に接続され、電源入力端子4に通電された後リレー110のコイル111に通電される。
【0029】
通信制御回路120は、通信入力端子及び制御信号出力端子E0を含む。通信入力端子はリレー110の第2接点に接続され、制御信号出力端子E0はスイッチ130の制御端子133に接続される。
【0030】
ここで、通信制御モジュール1はRS485チップであってもよい。
【0031】
オプションとして、共通接点は第1共通接点D1と第2共通接点D2を含む。通信連接端子2は第1通信連接端子F1と第2通信連接端子F2を含む。第1通信連接端子F1は第1共通接点D1に接続され、第2通信連接端子F2は第2共通接点D2に接続される。
【0032】
通信信号端子は、第1通信信号端子A1と第2通信信号端子A2を含む。第1接点は第1甲接点B1と第1乙接点B2を含む。リレー110のコイル111に通電されれば、共通接点と第1接点との選択的連通において、第1通信信号端子A1は第1甲接点B1に接続され第2通信信号端子A2は第1乙接点B2に接続される。
【0033】
通信入力端子は、第1通信入力端子E1と第2通信入力端子E2を含む。第2接点は第2甲接点C1と第2乙接点C2を含む。リレー110のコイル111に通電されなければ、共通接点と第2接点との選択的連通において、第1通信入力端子E1は第2甲接点C1に接続され第2通信入力端子E2は第2乙接点C2に接続される。
【0034】
ここで、リレーコイル111に通電されない状態において、リレー110の共通接点は第2接点に選択的に接続され、すなわち第1共通接点D1と第2共通接点D2はそれぞれ第2甲接点C1と第2乙接点C2に選択的に接続され、したがって第1共通接点D1と第1通信入力端子E1の接続及び第2共通接点D2と第2通信入力端子E2の接続を実現する。この時、上位機器3が出力した信号は、第2甲接点C1と第2乙接点C2を通じ、通信制御回路の第1通信入力端子E1と第2通信入力端子E2へ伝達される。リレーコイル111に通電され励起されたとき、リレー110の共通接点は第2接点と切り離され、すなわち第1共通接点D1及び第2共通接点D2はそれぞれ第2甲接点C1及び第2乙接点C2と切り離され、共通接点は第1接点に選択的に接続され、すなわち第1共通接点D1及び第2共通接点D2はそれぞれ第1甲接点B1及び第1乙接点B2に選択的に接続されることにより、第1共通接点D1と第1通信信号端子A1の接続及び第2共通接点D2と第2通信信号端子A2の接続を実現し、通信制御モジュール1を作動させる。この時、上位機器3が出力した信号は、第1甲接点B1及び第1乙接点B2を通じ、通信制御モジュール1の第1信号端子A1と第2通信信号端子A2へ伝達され、正常な通信を制御する。
【0035】
本実施例の技術方策において、
図1を参照すると、当該電池起動回路の実現過程は例えば、電池が機器全体に給電して機器全体を起動する必要があるとき、起動スイッチを押すか又は上位機器3から高レベル信号を出力する。例えば、上位機器が連続して1111111111111(1は高レベル信号である)を出力するとき、リレー110のコイル111は通電されない状態にあるため、共通接点は第2接点に選択的に接続され、かつ第1接点と切り離される。すなわち、第2接点の第2甲接点C1は第1通信入力端子E1に接続され、第2乙接点C2は第2通信入力端子E2に接続されることにより、上位機器が出力した高レベル信号が通信制御回路120へ入力され、通信制御回路を作動させ、通信制御回路120を制御して第1制御信号を出力し、通信制御回路120が出力した第1制御信号によりスイッチ130の第1端子131と第2端子132を導通させる。それにより電源入力端子4に給電電圧を生成させ、すなわち機器全体を起動する。起動後、電源入力端子4が生成した給電電圧によりリレー110のコイル111に通電されて励起される。コイル111に通電され励起されたことにより、リレーの共通接点が第2接点と切り離され、第2接点の第2甲接点C1が第1通信入力端子E1と切り離され、第2乙接点C2が第2通信入力端子E2と切り離される。同時に、リレー110の共通接点が第1接点と選択的に接続され、第1接点の第1甲接点B1が第1通信信号端子A1に接続され、第1乙接点B2が第2通信信号端子A2に接続され、それにより上位機器が通信制御モジュールと正常に通信できるようにする。
【0036】
本実施例の技術方策は電池起動回路を提供し、当該回路は通信制御モジュール、リレー、通信制御回路、スイッチ及び通信連接端子を含む。通信制御モジュールは通信信号端子を含み、通信制御モジュールの通信信号端子はリレーの第1接点に接続され、リレーの共通接点は通信連接端子に接続され、リレーのコイルに通電されれば共通接点を第1接点に選択的に接続し、通電されなければ共通接点を第2接点に選択的に接続する。通信連接端子は上位機器に接続される。スイッチは第1端子、第2端子及び制御端子を含む。スイッチの制御端子の信号は第1端子と第2端子の間の接続と遮断を制御することができる。スイッチの第1端子は電源に接続され、スイッチの第2端子は電源入力端子に接続され、電源入力端子に通電された後、リレーコイルに通電される。通信制御回路は通信入力端子及び制御信号出力端子を含む。通信入力端子はリレーの第2接点に接続され、制御信号出力端子はスイッチの制御端子に接続される。これでわかるように、上述の方策を通じて、機器全体の電源遮断の状態で通信制御モジュールを利用してまず機器全体の起動を実現し、さらに正常な通信を実現する。既存技術に存在する関連ハードウェア数が比較的多く、ハードウェアの回路が比較的複雑で、かつ制御信号伝送の安定性も比較的低いという問題を解決し、機器全体の電源遮断後に起動して正常に通信するという効果を達成した。
【0037】
実施例2
【0038】
図2は本発明の実施例2に係る電池起動回路の回路図である。上述の技術方策に基づき、
図2を参照して、通信制御回路は光結合器121、第1抵抗122及び第1MOS FET123を含む。通信入力端子は、第1通信入力端子E1及び第2通信入力端子E2を含む。それらのうち、光結合器121の第1入力端子は第1通信入力端子E1に電気接続され、光結合器121の第2入力端子は第2通信入力端子E2に電気接続され、光結合器121の第1出力端子は電源端子5に接続され、光結合器121の第2出力端子は第1MOS FET123のゲートに電気接続される。第1MOS FET123の第1極は接地され、第1MOS FET123の第2極はスイッチ130の制御端子131に接続され、第1抵抗122の第1端子は接地され、第1抵抗122の第2端子は光結合器121の第2出力端子に接続される。
【0039】
それらのうち、光結合器121はPC817光電結合器であってもよく、通信入力端子が受けた電気信号を「電気―光―電気」変換を通して伝達することにより、電気信号伝達の信頼性を確保する。
【0040】
オプションとして、通信制御回路は、さらに第1ダイオード124を含む。第1ダイオード124の正極は光結合器121の第2出力端子に接続され、第1ダイオード124の負極は第1MOS FET123のゲートに接続される。
【0041】
ここで、第1ダイオード124は分離用である。
【0042】
オプションとして、通信制御回路はさらに第2抵抗125、第3抵抗126、第4抵抗127及び第5抵抗128を含む。それらのうち、第2抵抗125の第1端子は第1通信入力端子E1に電気接続され、第2抵抗125の第2端子は光結合器121の第1入力端子に電気接続され、第3抵抗126は光結合器121の第1入力端子と第2入力端子の間に接続され、第4抵抗127の第1端子は第1MOS FET123の第2極に接続され、第4抵抗127の第2端子はスイッチ130の制御端子に接続され、第5抵抗128の第1端子は第4抵抗127の第2端子に接続され、第5抵抗128の第2端子は電源端子4に接続される。
【0043】
それらのうち、第2抵抗125と第3抵抗126は分圧用で、第1MOS FETはNPN型MOS FETであってよく、高レベル信号のとき導通する。
【0044】
オプションとして、スイッチ130は第2MOS FETであり、第2MOS FETのゲートはスイッチの制御端子であり、第2MOS FETの第1極はスイッチの第1端子であり、第2MOS FETの第2極はスイッチの第2端子である。
【0045】
ここで、第2MOS FETはPNP型であってよく、低レベル信号のとき導通する。
【0046】
例を示すと、上位機器3が出力した制御信号を通信入力端子が受信してから、スイッチ130を導通させる過程は次のようである。
図2を参照して、起動を要するとき上位機器3が高レベル信号を出力し、そのときリレー110の共通接点が第2接点に接続導通し、高レベル信号が第2接点を通じて通信入力端子に伝達され、さらに第2抵抗125と第3抵抗126により分圧されて光結合器121に伝達され、光結合器121が導通して高レベル信号を出力する。出力された高レベル信号は第3抵抗122と第1ダイオード124を経て第1MOS FETのゲートに伝達されて第1MOS FET123を導通させ、第1MOS FET123は低レベル信号を出力する。つまり第2MOS FETのゲートの電位を下げて第2MOS FET130を導通させ、第2MOS FET130の第1極を電源端子5に接続し、第2MOS FET130の第1極と第2極を導通させ、第2MOS FETの第2極に通電して起動をはたす。
【0047】
オプションとして、さらに第3MOS FET140、第6抵抗150及び第7抵抗160を含む。第6抵抗150と第7抵抗160は直列接続され、第6抵抗150の第1端子は電源入力端子4に接続され、第6抵抗150の第2端子は第7抵抗160の第1端子に接続され、第7抵抗160の第2端子は接地され、第6抵抗150の第2端子は第3MOS FET140のゲートに接続され、第3MOS FET140の第1極は接地され、第3MOS FET140の第2極はリレーコイル111の第1端子に接続され、電源入力端子4はリレーコイル111の第2端子に接続される。
【0048】
それらのうち、リレーコイルの励起の過程を例示すると、
図1及び
図2を参照して、スイッチ130の第1端子131と第2端子132が導通した後、電源入力端子4が電圧を生成供給し、第6抵抗150及び第7抵抗160を経て第3MOS FET140のゲートに通電され、さらにリレーコイル111に通電して励起する。
【0049】
オプションとして、さらに第8抵抗170と第2ダイオード180を含む。第8抵抗170の第1端子は電源入力端子4に接続され、第8抵抗170の第2端子はリレーコイル111の第2端子に接続され、第2ダイオード180の正極は第3MOS FET140の第2極に接続され、第2ダイオード180の負極は電源入力端子4に接続される。
【0050】
オプションとして、通信連接端子は485通信連接端子である。
【0051】
電池起動回路を実現する過程を例示すると、
図1及び
図2を参照して、機器全体を起動する必要があるとき、上位機器3は高レベル信号を発出し、このときリレー110は通電されない状態で、リレー110の共通接点は第2接点に接続される。そのため高レベル信号は第2接点を経て通信入力端子へ伝達され、第2抵抗125及び第3抵抗126の分圧作用を経て光結合器121へ伝達され、光結合器121から出力された後も高レベルであり、さらに第1抵抗122及び第1ダイオード124を経て第1MOS FET123へ伝達され、第1MOS FET123を導通させる。第1MOS FET123を導通させて低レベル信号を出力し、第2MOS FET130を導通させて機器全体を起動させる。機器全体の起動後、給電電圧を出力する。すなわち電源入力端子4は給電電圧を生成し、当該給電電圧は第6抵抗150及び第7抵抗160を経て第3MOS FET140を導通させ、第3MOS FET140の導通によりリレーコイル111に通電し励起して、コイル111の通電により共通接点を第2接点から切り離す。同時に共通接点を第1接点に選択的に接続させ、第1接点を通信制御モジュール1の通信信号端子に接続し、通信制御モジュール1を作動させ、正常の通信機能をはたす。上述した方策により、機器全体の電源遮断の状態で通信制御モジュールを利用してまず機器全体の起動を実現し、さらに正常な通信を実現する。
【0052】
実施例3
【0053】
本発明実施例は、上述した本発明のいずれかの実施例に記載の電池起動回路を含むリチウム電池を提供する。
【0054】
ここで、リチウム電池は可充電のリチウム電池で、該リチウム電池は電気自動車、飛行機、高速鉄道などの電池給電を要する場合に用いられる。
【0055】
留意すべき点として、前記内容は本発明の比較的好ましい実施形態及びそれに適用される技術原理に限って述べたことが挙げられる。当業者は、本発明が本明細書に記載される特定の実施形態に限定されないことを理解できる。当業者は本発明の保護範囲を逸脱せず、各種の顕著な変更、再調整及び置換を行うことができる。 したがって、本発明は上記実施形態により詳細に説明したが、本発明は上記内容に限定されるものではない。本発明の概念を逸脱しない場合、他の同等の実施形態を含むことができる。また、本発明の範囲は添付の請求項によって決定される。