(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】半導体デバイス、その製造方法および応用
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20240603BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20240603BHJP
H01L 21/20 20060101ALI20240603BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20240603BHJP
H01L 21/337 20060101ALI20240603BHJP
H01L 29/808 20060101ALI20240603BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20240603BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20240603BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L21/20
H01L29/80 H
H01L29/80 C
H01L29/80 W
H01L29/50 J
H01L29/58 Z
H01L29/44 L
(21)【出願番号】P 2022549769
(86)(22)【出願日】2021-03-02
(86)【国際出願番号】 CN2021078736
(87)【国際公開番号】W WO2021175222
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】202010149409.5
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522184383
【氏名又は名称】広東致能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黎子蘭
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0008299(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0009304(US,A1)
【文献】国際公開第2019/188767(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 21/20
H01L 21/337
H01L 29/417
H01L 29/423
H01L 29/41
H01L 29/778
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップ1.第1表面を有するベース材を用意し、
ステップ2.前記ベース材の第1表面に、前記ベース材の第1表面に平行な第1表面を有する第1絶縁層を形成し、
ステップ3.前記第1絶縁層および一部の前記ベース材をエッチングして、垂直であるとともに間隔をあけて並んでいる複数の第1階段状構造および第2階段状構造を形成し、複数の前記第1階段状構造の第1表面および前記第2階段状構造の第2表面の下部が、それぞれ前記ベース材の第2表面および第3表面からなるものであり、複数の前記第1階段状構造の第1表面および前記第2階段状構造の第2表面の上部が、それぞれ前記第1絶縁層の第2表面および第3表面からなるものであり、
ステップ4.前記第1階段状構造および前記第2階段状構造の第3表面に第2絶縁層を形成し、
ステップ5.前記第1階段状構造の、前記ベース材の第3表面からなる第2表面に単結晶核生成層を形成し、前記第2階段状構造の、前記ベース材の第2表面からなる第1表面に単結晶核生成層を形成し、
ステップ6.前記単結晶核生成層を核生成中心として、第1半導体層を側方にエピタキシャル成長させる、
を含むことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【請求項2】
ステップ1.第1表面を有するベース材を用意し、
ステップ2.前記ベース材の第1表面に、前記ベース材の第1表面に平行な第1表面を有する第1絶縁層を形成し、
ステップ3.前記第1絶縁層および一部の前記ベース材をエッチングして、垂直であるとともに間隔をあけて並んでいる複数の第1トレンチおよび第2トレンチを形成し、複数の前記第1トレンチおよび第2トレンチのそれぞれの第1表面および第2表面の下部が、それぞれ前記ベース材の第2表面および第3表面からなるものであり、複数の前記第1トレンチおよび前記第2トレンチのそれぞれの第1表面および第2表面の上部が、それぞれ前記第1絶縁層の第2表面および第3表面からなるものであり、
ステップ4.前記第1トレンチおよび前記第2トレンチの第3表面に第2絶縁層を形成
し、
ステップ5.前記第1トレンチの、前記ベース材の第3表面からなる第2表面に単結晶核生成層を形成し、前記第2トレンチの、前記ベース材の第2表面からなる第1表面に単結晶核生成層を形成し、
ステップ6.前記単結晶核生成層を核生成中心として、第1半導体層を側方にエピタキシャル成長させる、
を含むことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記ベース材の第2表面および第3表面は、六方対称の格子構造を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ベース材の第2表面および第3表面は、六方対称の格子構造を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
ステップ5において、前記第1階段状構造の、前記ベース材の第3表面からなる第2表面の一部に単結晶核生成層を形成し、前記第2階段状構造の、前記ベース材の第2表面からなる第1表面の一部に単結晶核生成層を形成する
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ステップ5において、前記第1トレンチの、前記ベース材の第3表面からなる第2表面の一部に単結晶核生成層を形成し、前記第2トレンチの、前記ベース材の第2表面からなる第1表面の一部に単結晶核生成層を形成する
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップ5の代わりに、前記単結晶核生成層を核生成中心として、前記第1トレンチおよび第2トレンチにおいて第1半導体層の第1サブ層を側方にエピタキシャル成長させ、そして、前記第1サブ層を核として、ドーピングがされた第3半導体層を成長させ、そして、前記第1半導体層の第2サブ層を成長させ、前記第3半導体層がN-型ドーピングまたはP-型ドーピングである、ステップ5’を使用する
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ベース材と、第1絶縁層と、複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、単結晶核生成層と、第1半導体層と、を含み、
前記ベース材は第1表面を有し、
前記第1絶縁層は、前記ベース材の第1表面に形成され、前記ベース材の第1表面に平行な第1表面を有し、
前記複数の第1トレンチおよび第2トレンチは、ベース材の第1表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでおり、
前記第1トレンチおよび前記第2トレンチのそれぞれの第1表面および第2表面の下部が、それぞれ前記ベース材の第2表面および第3表面からなるものであり、前記第1トレンチおよび第2トレンチのそれぞれの第1表面および第2表面の上部が、それぞれ前記第1絶縁層の第2表面および第3表面からなるものであり、
前記単結晶核生成層は、前記第1トレンチの、前記ベース材の第3表面からなる第2表面、および前記第2トレンチの、前記ベース材の第2表面からなる第1表面に形成され、前記第1半導体層は、前記単結晶核生成層を核生成中心として側方にエピタキシャル成長されるものである
ことを特徴とする半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1トレンチの第2表面の一部に前記単結晶核生成層が形成され、前記第2トレンチの第1表面の一部に前記単結晶核生成層が形成される
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1半導体層は、前記
複数の第1トレンチおよび第2トレンチの長手方向に沿って第1半導体層の第1サブ層および第2サブ層に分けられ、前記第1サブ層と第2サブ層との間にドーピングがされた第3半導体層がさらに設けられる
ことを特徴とする請求項8または9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記ベース材の第2表面および第3表面は、六方対称の格子構造を有する
ことを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
ベース材と、複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、第2絶縁層と、単結晶核生成層と、第1半導体層と、第2半導体層と、を含み、
前記ベース材は、第1表面を有し、
前記複数の第1トレンチおよび第2トレンチは、前記ベース材に形成され、前記ベース材の第1表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでおり、
前記第2絶縁層は、複数の前記第1トレンチおよび第2トレンチの第3表面に形成され、
前記単結晶核生成層は、前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に形成され、
前記第1半導体層は、前記単結晶核生成層を核生成中心として成長され、前記
複数の第1トレンチおよび第2トレンチの第1表面および第2表面に平行であるとともに前記ベース材の第1表面に垂直である自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面とそれに対向する第2面とを有し、
前記第2半導体層は、前記第1半導体層に覆うように形成され、前記第2半導体層の禁制帯幅が前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きく、これによって、前記第1半導体
層の第1面および第2面にそれぞれ二次元電子ガスおよび二次元正孔ガスが形成される
ことを特徴とする半導体デバイス。
【請求項13】
ベース材と、第3絶縁層と、複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、第2絶縁層と、単結晶核生成層と、第4絶縁層と、前記第1トレンチおよび第2トレンチにおける第1半導体層と、第2半導体層と、を含み、
前記ベース材は、第4表面を有し、
前記第3絶縁層は、前記ベース材の第4表面に形成され、
前記複数の第1トレンチおよび第2トレンチは、前記ベース材に形成され、前記ベース材の第4表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでおり、
前記第2絶縁層は、複数の前記第1トレンチおよび前記第2トレンチの第3表面に形成され、
前記単結晶核生成層は、前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に形成され、前記第4絶縁層は、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面に形成され、
前記第1半導体層は、前記ベース材の第4表面から突出し、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面に平行であり前記ベース材の第4表面に垂直でありかつ前記ベース材の第4表面から突出する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面とそれに対向する第2面とを有し、
前記第2半導体層は、前記第1半導体層に覆うように形成され、前記第2半導体層の禁制帯幅が前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きく、これによって、前記第1半導体
層の第1面および第2面にそれぞれ二次元電子ガスおよび二次元正孔ガスが形成される
ことを特徴とする半導体デバイス。
【請求項14】
ベース材と、第3絶縁層と、複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、第2絶縁層と、単結晶核生成層と、第4絶縁層と、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチにおける
第1半導体層と、第2半導体層と、を含み、
前記ベース材は、第1表面と、前記第1表面に平行であるとともに前記第1表面より低い第5表面とを有し、
前記第3絶縁層は、前記ベース材の第1表面および第5表面に形成され、
前記複数の第1トレンチおよび第2トレンチは、前記ベース材に形成され、前記ベース材の第1表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでおり、
前記第2絶縁層は、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチの第3表面に形成され、前記単結晶核生成層は、前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に形成され、前記第4絶縁層は、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面のそれぞれに形成され、
前記第1半導体層は、前記ベース材の第5表面から突出し、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面に平行であるとともに前記ベース材の第5表面に垂直に上へ延伸する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面を有し、
前記第2半導体層は、前記第1半導体層の前記第1面に覆うように形成され、前記第2半導体層の禁制帯幅が前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きく、これによって、前記第1半導体
層の第1面に二次元電子ガスが形成される
ことを特徴とする半導体デバイス。
【請求項15】
ベース材と、第3絶縁層と、複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、第2絶縁層と、単結晶核生成層と、第4絶縁層と、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチにおける第1半導体層と、第2半導体層と、を含み、
前記ベース材は、第1表面と、前記第1表面に平行であるとともに前記第1表面より低い第6表面とを有し、
前記第3絶縁層は、前記ベース材の第1表面および第6表面に形成され、
前記複数の第1トレンチおよび第2トレンチは、前記ベース材に形成され、前記ベース材の第1表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでおり、
前記第2絶縁層は、前記第1トレンチおよび第2トレンチの第3表面に形成され、
前記単結晶核生成層は、前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に形成され、前記第4絶縁層は、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面のそれぞれに形成され、
前記第1半導体層は、前記ベース材の第6表面から突出し、前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に平行であるとともに前記ベース材の第6表面に垂直に上へ延伸する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第2面を有し、
前記第2半導体層は、前記第1半導体層の前記第2面に覆うように形成され、前記第2半導体層の禁制帯幅が前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きく、これによって、前記第1半導体
層の第2面に二次元正孔ガスが形成される
ことを特徴とする半導体デバイス。
【請求項16】
一次回路と、二次回路と、変圧器とを備え、
前記一次回路および前記二次回路のそれぞれにスイッチ素子を有し、前記スイッチ素子が請求項8~11のいずれか1項に記載の半導体デバイスを採用する
ことを特徴とする電源装置。
【請求項17】
携帯電話であって、
前記携帯電話の充電ユニットが請求項8~11のいずれか1項に記載の半導体デバイスを備える
ことを特徴とする携帯電話。
【請求項18】
請求項8~11のいずれか1項に記載の半導体デバイスを備える電力増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関係出願の相互参照
本開示は、2020年3月5日に中国専利局に提出された、出願番号が202010149409.5であり、名称が「半導体デバイス、その製造方法および応用」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【0002】
本開示は、半導体デバイスの分野に属し、より具体的に、III族窒化物半導体デバイス、その製造方法および応用に関する。
【背景技術】
【0003】
III族窒化物半導体は、重要な新型半導体材料であり、主にAlN、GaN、InNおよびこれらの材料の化合物であるAlGaN、InGaN、AlInGaNなどを含む。前記III族窒化物半導体の、直接バンドギャップ、ワイドバンドギャップ、高破壊電界強度などの利点を利用し、デバイス構造およびプロセスを最適化することで、III族窒化物半導体がパワー半導体の分野で応用の見込みがある。高電子移動度および高正孔移動度トランジスタは、III族窒化物半導体を応用する重要なデバイスであり、耐電圧が高く、パワーが高く、オン抵抗が低いなどの高い性能をもつ高電子移動度および高正孔移動度トランジスタが望まれる。
【0004】
従来の高電子移動度および高正孔移動度トランジスタの構造上の設計は、単位面積での集積度が高くなく、そして従来の高電子移動度および高正孔移動度トランジスタは、多くがノーマリオン型デバイスであり、省エネに不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の状況に鑑みて、本開示は、新しい半導体デバイス構造およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のいくつかの形態に対する基本的な理解を提供するため、以下、本開示の簡略内容を提供する。なお、この内容は、本開示のすべての内容ではないことを理解すべきである。これは、本開示の重点または重要な特定をするためのものでもないし、本開示の範囲を限定するものでもなく、いくつかの概念を簡略に提出してその後のより詳細な説明の前書きとされるものにすぎない。
【0007】
本開示の内容の一局面として、半導体デバイスの製造方法を提供し、該半導体デバイスの製造方法は、
第1表面を有するベース材を用意するステップ1と、
前記ベース材の第1表面に、前記ベース材の第1表面に平行な第1表面を有する第1絶縁層を形成するステップ2と、
前記第1絶縁層および一部の前記ベース材をエッチングして、垂直であるとともに間隔をあけて並んでいる複数の第1階段状構造および第2階段状構造を形成し、複数の前記第1階段状構造の第1表面および前記第2階段状構造の第2表面の下部が、それぞれ前記ベース材の第2表面および第3表面からなるものであり、複数の前記第1階段状構造の第1表面および前記第2階段状構造の第2表面の上部が、それぞれ前記第1絶縁層の第2表面および第3表面からなるものである、ステップ3と、
前記第1階段状構造および前記第2階段状構造の第3表面に第2絶縁層を形成するステップ4と、
前記第1階段状構造の、前記ベース材の第3表面からなる第2表面に単結晶核生成層を形成し、前記第2階段状構造の、前記ベース材の第2表面からなる第1表面に単結晶核生成層を形成するステップ5と、
前記単結晶核生成層を核生成中心として、第1半導体層を側方にエピタキシャル成長させるステップ6と、を含む。
【0008】
本開示の内容の他の局面において、半導体デバイスの製造方法を提供し、該半導体デバイスの製造方法は、
第1表面を有するベース材を用意するステップ1と、
前記ベース材の第1表面に、前記ベース材の第1表面に平行な第1表面を有する第1絶縁層を形成するステップ2と、
前記第1絶縁層および一部の前記ベース材をエッチングして、垂直であるとともに間隔をあけて並んでいる複数の第1トレンチおよび第2トレンチを形成し、複数の前記第1トレンチおよび第2トレンチのそれぞれの第1表面および第2表面の下部が、それぞれ前記ベース材の第2表面および第3表面からなるものであり、複数の前記第1トレンチおよび前記第2トレンチのそれぞれの第1表面および第2表面の上部が、それぞれ前記第1絶縁層の第2表面および第3表面からなるものである、ステップ3と、
前記第1トレンチおよび前記第2トレンチの第3表面に第2絶縁層を形成するステップ4と、
前記第1トレンチの、前記ベース材の第3表面からなる第2表面に単結晶核生成層を形成し、前記第2トレンチの、前記ベース材の第2表面からなる第1表面に単結晶核生成層を形成するステップ5と、
前記単結晶核生成層を核生成中心として、第1半導体層を側方にエピタキシャル成長させるステップ6と、を含む。
【0009】
任意選択で、前記ベース材の第2表面および第3表面は、六方対称の格子構造を有する。
【0010】
任意選択で、前記ベース材の第2表面および第3表面は、Siの(111)面、Al2O3の(0001)面、SiCの(0001)面、SiCの(000-1)面、GaNの(0001)面またはGaNの(000-1)面から選択される。
【0011】
任意選択で、ステップ5は、前記第1トレンチまたは前記第1階段状構造の、前記ベース材の第3表面からなる第2表面の一部に単結晶核生成層を形成し、前記第2トレンチまたは前記第2階段状構造の、前記ベース材の第2表面からなる第1表面の一部に単結晶核生成層を形成する。
【0012】
任意選択で、前記ステップ5の代わりに、前記単結晶核生成層を核生成中心として、前記トレンチにおいて第1半導体層の第1サブ層を側方にエピタキシャル成長させ、そして、前記第1サブ層を核生成中心として、ドーピングされた第3半導体を成長させ、そして、前記第1半導体層の第2サブ層を成長させ、前記第3半導体層がN-型ドーピングまたはP-型ドーピングである、ステップ5’を利用する。
【0013】
任意選択で、前記ステップ5において、前記第1半導体層を成長させる前に、前記核生成層にバッファ層を成長させる。
【0014】
任意選択で、前記第トレンチおよび第2トレンチまたは前記第1階段状構造および第2階段状構造が形成されたあと、同一面蒸着により犠牲層を形成することを含み、前記犠牲層と前記第1絶縁層とが高エッチング選択比を有し、そして、ドライエッチングにより前記第1トレンチおよび第2トレンチの前記第1表面および第2表面のぞれぞれにおける前記犠牲層を残す。
【0015】
任意選択で、前記犠牲層を利用し、前記第1トレンチおよび第2トレンチまたは前記第1階段状構造および第2階段状構造の第3表面に第2絶縁層を形成して、前記犠牲層を除去する。
【0016】
任意選択で、前記第1トレンチおよび第2トレンチまたは前記第1階段状構造および第2階段状構造の第1表面および第2表面のそれぞれに第4絶縁層を形成する。
【0017】
任意選択で、フォトエッチングパターンにより、前記第1トレンチと第2トレンチまたは前記第1階段状構造と第2階段状構造との間の一部の前記第1絶縁層を露光し、エッチングにより、露光された、前記第1トレンチまたは第1階段状構造の第2表面および前記第2トレンチまたは第2階段状構造の第1表面のそれぞれにおける前記第4絶縁層を露光し、これによって、前記第1トレンチにおける前記ベース材の第3表面および前記第2トレンチにおける前記ベース材の第2表面を露出する。
【0018】
任意選択で、単結晶核生成層が形成されたあと、上記のすべての絶縁層における核生成層を別途除去する必要があり、または、核生成層を形成するとき、前記核生成層を前記ベース材だけで成長させ、上記のすべての絶縁層で成長させないように、塩素含有ガスを導入する。
【0019】
任意選択で、前記第1半導体層の成長が、前記ベース材の第1表面に垂直な方向における成長を含み、前記ベース材の第1表面に垂直な方向における前記第1半導体層の成長が、前記トレンチまたは前記階段状構造の高さよりも高く成長する場合、平坦化またはエッチング技術により、前記第1半導体層の、前記トレンチまたは前記階段状構造を超えた部分を除去する。
【0020】
任意選択で、前記第1半導体層の第1サブ層および第2サブ層の成長および前記第3半導体層の成長が、前記ベース材の第1表面に垂直な方向における成長を含み、前記ベース材の第1表面に垂直な方向における前記第1半導体層の第1サブ層、第2サブ層および前記第3半導体層の成長が、前記トレンチまたは前記階段状構造の高さよりも高く成長する場合、平坦化またはエッチング技術により、前記トレンチまたは前記階段状構造を超えた部分を除去し、または前記トレンチまたは前記階段状構造を超えた部分を残す。
【0021】
任意選択で、フォトエッチングパターンを形成して隣接する前記第1トレンチと前記第2トレンチとの間の領域を露光し、前記領域における前記第1絶縁層および一部の前記ベース材をエッチングして、前記第1半導体層の、自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面およびそれに対向する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第2面を露出する。
【0022】
任意選択で、フォトエッチングパターンを形成して隣接する前記第1トレンチと前記第2トレンチとの間の領域の一部を露光して、前記第1半導体層の、自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面または第2面を露出し、前記領域における前記第1絶縁層、一部の前記ベース材および前記第1半導体層の露出する前記第1面または第2面をエッチングして、前記第1半導体層の前記第2面またはそれに対向する前記第1面を露出する。
【0023】
任意選択で、フォトエッチングパターンを形成して隣接する前記第1トレンチと前記第2トレンチとの間の領域の一部を露光し、前記第1絶縁層おおび一部の前記ベース材をエッチングして、前記第1半導体層の、自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面または第2面を露出し、それに対向する前記第2面または第1面が依然として前記ベース材および前記第1絶縁層により覆われる。
【0024】
任意選択で、エッチングがされた前記ベース材に第3絶縁層を形成し、そして前記第1半導体層における前記第3絶縁層を除去する。
【0025】
任意選択で、露出した前記第1半導体層に第2半導体層を形成し、これによって、第2半導体層と隣接する前記第1半導体層の第1面の界面で二次元電子ガス、および/または第2半導体層と隣接する前記第1半導体層の第2面の界面で二次元正孔ガスを形成する。
【0026】
任意選択で、前記第2半導体層にさらに複数の前記第1半導体層および第2半導体層が交互に積層した構造を形成する。
【0027】
任意選択で、媒体層を堆積させ、前記媒体層に対してフォトエッチングを行い、そして、金属を堆積し、これによって、前記第1半導体層の第1面または第2面側で前記トレンチの長手方向に沿って第1電極、第2電極および第3電極を形成し、前記第2電極が前記第2半導体層と接触し、前記第1電極および第3電極が前記第2半導体層または前記第1半導体層と接触する。
【0028】
任意選択で、前記第1電極、第2電極および第3電極に対向する前記第1半導体層の第2面または第1面に第4電極を形成し、前記第4電極が前記第3半導体層と接続する。
【0029】
任意選択で、前記核生成層は、前記第1電極と対応する位置、前記第3電極と対応する位置または前記第2電極と前記第3電極との間の位置と対応する位置に設置される。
【0030】
任意選択で、前記核生成層が前記第3電極と対応する位置に設置される場合、前記トレンチの第1面または第2面に垂直な方向において電流遮断層をさらに形成する。
【0031】
任意選択で、前記第1半導体層の、第1電極と対応する領域および第3電極と対応する領域で相応のドーピングを行って第1電極領域および第3電極領域を相応に形成する。
【0032】
任意選択で、HEMTデバイスを形成する場合、前記第1電極および第3電極領域に対してN-型ドーピングを行い、HHMTデバイスを形成する場合、前記第2電極および第3電極領域に対してP-型ドーピングを行う。
【0033】
任意選択で、前記第1電極領域および第3電極領域のドーピングと前記第3半導体層のドーピングとを同時に行ってもよく、前記第1電極領域のドーピング、第3電極領域のドーピングおよび前記第3半導体層のドーピングを前後して行ってもよい。
【0034】
本開示の内容の一局面において、半導体デバイスを提供し、該半導体デバイスは、ベース材と、第1絶縁層と、複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、単結晶核生成層と、第1半導体層とを含み、
前記ベース材は、第1表面を有し、
前記第1絶縁層は、前記ベース材の第1表面に形成され、前記ベース材の第1表面に平行な第1表面を有し、
前記複数の第1トレンチおよび第2トレンチは、ベース材の第1表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでおり、
前記第1トレンチおよび前記第2トレンチのそれぞれの第1表面および第2表面の下部が、それぞれ前記ベース材の第2表面および第3表面からなるものであり、前記第1トレンチおよび第2トレンチのそれぞれの第1表面および第2表面の上部が、前記第1絶縁層の第2表面および第3表面からなるものであり、
前記単結晶核生成層は、前記第1トレンチの、前記ベース材の第3表面からなる第2表面に形成される単結晶核生成層と、前記第2トレンチの、前記ベース材の第2表面からなる第1表面に形成される単結晶核生成層とを含み、
前記第1半導体層は、前記単結晶核生成層を核生成中心として側方にエピタキシャル成長したものである。
【0035】
任意選択で、前記第1トレンチの第2表面の一部に前記単結晶核生成層が形成され、前記第2トレンチの第1表面の一部に前記単結晶核生成層が形成される。
【0036】
任意選択で、前記第1半導体層は、前記トレンチの長手方向に沿って第1半導体層の第1サブ層および第2サブ層に分けられ、前記第1サブ層と第2サブ層との間に、ドーピングされた第3半導体層がさらに設けられる。
【0037】
任意選択で、前記ベース材の第2表面および第3表面は、六方対称の格子構造を有する。
【0038】
任意選択で、前記ベース材の第2表面および第3表面は、Siの(111)面、Al2O3の(0001)面、SiCの(0001)面、SiCの(000-1)面、GaNの(0001)面またはGaNの(000-1)面から選択される。
【0039】
任意選択で、前記第1トレンチおよび第2トレンチの第3表面に第2絶縁層が形成される。
【0040】
任意選択で、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面のそれぞれに第4絶縁層が形成される。
【0041】
任意選択で、前記第1半導体層は、前記第1絶縁層と揃えるように設けられ、または前記第1半導体層が前記第1絶縁層から突出した部分を有するように設けられる。
【0042】
任意選択で、前記第1絶縁層、第2絶縁層および第4絶縁層は、二酸化ケイ素層である。
【0043】
本開示の内容の一局面において、半導体デバイスを提供し、該半導体デバイスは、
第1表面を有するベース材と、
前記ベース材に形成される、前記ベース材の第1表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでいる複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、
複数の前記第1トレンチおよび第2トレンチの第3表面に形成される第2絶縁層と、
前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に形成される単結晶核生成層と、
前記単結晶核生成層を核生成中心として成長する、前記トレンチの第1表面および第2表面に平行であるとともに前記ベース材の第1表面に垂直であり自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面とそれに対向する第2面とを有する第1半導体層と、
前記第1半導体層に覆うように形成される第2半導体層と、を含み、
前記第2半導体層の禁制帯幅が前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きく、これによって、前記第1半導体の第1面および第2面にそれぞれ二次元電子ガスおよび二次元正孔ガスが形成される。
【0044】
本開示の内容の一局面において、半導体デバイスを提供し、該半導体デバイスは、ベース材と、第3絶縁層と、複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、第2絶縁層と、単結晶核生成層と、第4絶縁層と、前記第1トレンチおよび第2トレンチにおける第1半導体層と、第2半導体層とを含み、
前記ベース材は、第4表面を有し、
前記第3絶縁層は、前記ベース材の第4表面に形成され、
前記複数の第1トレンチおよび第2トレンチは、前記ベース材に形成され、前記ベース材の第4表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでおり、
前記第2絶縁層は、複数の前記第1トレンチおよび前記第2トレンチの第3表面に形成され、
前記単結晶核生成層は、前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に形成され、前記第4絶縁層は、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面に形成され、
前記第1半導体層は、前記ベース材の第4表面から突出し、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面に平行であるとともに前記ベース材の第4表面に垂直であるとともに前記ベース材の第4表面から突出する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面とそれに対向する第2面とを有し、
前記第2半導体層は、前記第1半導体層に覆うように形成され、前記第2半導体層の禁制帯幅が前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きく、これによって、前記第1半導体の第1面および第2面にそれぞれ二次元電子ガスおよび二次元正孔ガスが形成される。
【0045】
本開示の内容の一局面において、半導体デバイスを提供し、該半導体デバイスは、ベース材と、第3絶縁層と、複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、第2絶縁層と、単結晶核生成層と、第4絶縁層と、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチにおける第1半導体層と、第2半導体層とを含み、
前記ベース材は、第1表面と、前記第1表面に平行であるとともに前記第1表面より低い第5表面とを有し、
前記第3絶縁層は、前記ベース材の第1表面および第5表面に形成され、
前記複数の第1トレンチおよび第2トレンチは、前記ベース材に形成され、前記ベース材の第1表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでおり、
前記第2絶縁層は、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチの第3表面に形成され、
前記単結晶核生成層は、前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に形成され、前記第4絶縁層は、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面のそれぞれに形成され、
前記第1半導体層は、前記ベース材の第5表面から突出し、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面に平行であるとともに前記ベース材の第5表面に垂直に上へ延伸する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面を有し、
前記第2半導体層は、前記第1半導体層の前記第1面に覆うように形成され、前記第2半導体層の禁制帯幅が前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きく、これによって、前記第1半導体の第1面に二次元電子ガスが形成される。
【0046】
本開示の内容の一局面において、半導体デバイスを提供し、該半導体デバイスは、ベース材と、第3絶縁層と、複数の第1トレンチおよび第2トレンチと、第2絶縁層と、単結晶核生成層と、第4絶縁層と、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチにおける第1半導体層と、第2半導体層とを含み、
前記ベース材は、第1表面と、前記第1表面に平行であるとともに前記第1表面より低い第6表面とを有し、
前記第3絶縁層は、前記ベース材の第1表面および第6表面に形成され、
複数の第1トレンチおよび第2トレンチは、前記ベース材に形成され、前記ベース材の第1表面に垂直であるとともに間隔をあけて並んでおり、
前記第2絶縁層は、前記第1トレンチおよび第2トレンチの第3表面に形成され、
前記単結晶核生成層は、前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に形成され、前記第4絶縁層は、前記第1トレンチの第1表面および前記第2トレンチの第2表面のそれぞれに形成され、
前記第1半導体層は、前記ベース材の第6表面から突出し、前記第1トレンチの第2表面および前記第2トレンチの第1表面に平行であるとともに前記ベース材の第6表面に垂直に上へ延伸する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第2面を有し、
前記第2半導体層は、前記第1半導体層の前記第1面に覆うように形成され、前記第2半導体層の禁制帯幅が前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きく、これによって、前記第1半導体の第2面に二次元正孔ガスが形成される。
【0047】
任意選択で、前記第1半導体層は、前記トレンチの長手方向に沿って前記第1半導体層の第1サブ層および第2サブ層に分けられ、前記第1サブ層と第2サブ層との間に第3半導体層がさらに設けられる。
【0048】
任意選択で、前記トレンチの第1表面および第2表面は、六方対称の格子構造を有する。
【0049】
任意選択で、前記ベース材の第2表面および第3表面は、Si(111)面、Al2O3の(0001)面、SiCの(0001)面、SiCの(000-1)面、GaNの(0001)面またはGaNの(000-1)面から選択される。
【0050】
任意選択で、前記第3半導体層は、P-型埋め込み層またはN-型埋め込み層である。
【0051】
任意選択で、前記トレンチの長手方向に沿って前記第1半導体の第1面または第2面側で、前記第3絶縁層にそれぞれ第1電極、第2電極および第3電極が形成され、前記第1電極、第2電極および第3電極のそれぞれが前記第2半導体層に接続され、または前記第1電極、第3電極が前記第1半導体層に接続され、前記第2電極が前記第2半導体層に接続される。
【0052】
任意選択で、前記第3半導体層の前記第1半導体層の第1面/第2面における投影は、前記第2電極の前記第1半導体層の第1面/第2面における投影の範囲内に位置し、または前記第2電極の前記第1半導体層の第1面/第2面における投影と部分的に重なり合う。
【0053】
任意選択で、媒体層を利用して前記第1電極、第2電極および第3電極を隔離する。
【0054】
任意選択で、前記第1電極、第2電極および第3電極が位置する前記第1半導体の第2面/第1面側に対向する第1面/第2面側で、前記第3絶縁層に第4電極が形成され、前記第4電極が前記第3半導体層に接続される。
【0055】
任意選択で、前記第3半導体層のドーピング濃度は、デバイスのバイアスのない場合、第2電極の投影領域と重なり合った部分の少なくとも一部の領域における二次元電子ガス/二次元正孔ガスの95%~100%を空乏化できるように設定される。
【0056】
任意選択で、前記核生成層は、前記第1電極と対応する位置、前記第3電極と対応する位置または前記第2電極と前記第3電極との間の位置と対応する位置に設置される。
【0057】
任意選択で、前記核生成層が前記第3電極と対応する位置に設置される場合、前記トレンチの第1面または第2面に垂直な方向において電流遮断層を形成する。
【0058】
任意選択で、前記第1半導体層の、第1電極と対応する領域および第3電極と対応する領域で相応のドーピングを行って第1電極領域および第3電極領域を相応に形成する。
【0059】
任意選択で、HEMTデバイスを形成する場合、前記第1電極および第3電極領域に対してN-型ドーピングを行い、HHMTデバイスを形成する場合、前記第2電極および第3電極領域に対してP-型ドーピングを行う。
【0060】
本開示の内容の他の局面において、電子装置を提供する。
【0061】
任意選択で、前記電子装置は、電源装置、携帯電話、または通信システムにおける電力増幅器である。
【0062】
本開示の目的、特徴および利点をより容易に理解するため、以下、図面を参照しながら本開示の具体的な内容を説明する。図面は、本開示の原理を示すものにすぎず、図面において、ユニットの寸法および相対位置を比例で描くとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図2】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図3】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図4】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図5】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図6】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図7】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図8】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図9】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図10】一実施形態による半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図11】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図12】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図13】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図14】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図15】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図16】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図17】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図18】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図19】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図20】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図21】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図22】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図23】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図24】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図25】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図26】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図27】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図28】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
【
図29】選択可能な半導体デバイスの製造方法の模式図である。
【
図30】選択可能な半導体デバイスの製造方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、図面を参照しながら、本開示の例示的な内容を説明する。明瞭および簡単のため、明細書において、本開示の内容を実現するすべての特徴を説明するものではない。しかしながら、開発者の具体的な目標を実現するため、本開示を実現する過程において本開示の内容を実施できる多くの方式を採用してもよく、本開示の内容によってはこれらの方式が変更することもある。
【0065】
ここで、必須でない細部で本開示の内容が複雑になることを避けるため、図面において、本開示の案に深く関わっているデバイス構造のみを示し、いくつかの細部を省略する。
【0066】
なお、以下、図面を用いて本開示の内容を説明したが、本開示の内容は、説明された実施形態に限定されない。本明細書において、実施可能である限り、異なる実施形態の間で特徴を置き換えまたは組み合わせてもよく、または、1つの実施形態において1つまたは複数の特徴を省略してもよい。
【0067】
具体的に、本開示に係る半導体デバイスは、窒化物半導体材料を含む化合物半導体デバイスであり、窒化物半導体デバイスとも呼ばれ、窒化物半導体デバイスがIII族窒化物半導体デバイスである。さらに、III族窒化物半導体デバイスは、ウルツ鉱(Wurtzite)III族窒化物半導体材料を用いるトランジスタを含む。さらに、トランジスタは、GaN半導体材料を含むGaNトランジスタである。特に、GaNトランジスタは、ノーマリオフ型のトランジスタGaN-HEMTおよび/またはGaN-HHMTである。
【0068】
図1~
図10を参照しながら、一実施形態による半導体デバイスおよびその製造方法を説明する。
【0069】
図1~
図10に示すように、該半導体デバイスは、ベース材100を備える。ベース材100の材質は、実際のニーズに応じて選択することができ、本開示では、ベース材100の具体的な材料が限定されなく、ベース材100の表面に形成されたその表面に垂直な垂直トレンチの側面が六方対称性の格子構造を有するものであればよい。例示的に、ベース材100の材料は、Si、Al2O3、SiC、GaNなどであってもよい。シリコンベース材は、安価で、加工性が良いなどの利点を有するため、本開示において、Siベース材を例にして説明する。
【0070】
例示的に、単結晶シリコンベース材は、(110)または(112)面を採用するシリコンベース材であり得る。
図1に示すように、第1表面1001を有するベース材100を用意し、ベース材100の第1表面1001に第1絶縁層101を形成し、例示的に、第1絶縁層101が、熱酸化処理または気相成長により形成されるSiO2層であり、例示的に、第1絶縁層101の厚さが約0.5μmである。本開示に記載の数値範囲などは、例示するためのものにすぎず、本開示を限定するものではない。第1絶縁層101は、ベース材の第1表面1001に平行な第1表面1011を有する。一部の第1絶縁層101およびその下方のベース材100をエッチングして、複数の垂直のトレンチを形成する。具体的に、トレンチが、間隔をあけて並んでいる第1トレンチ102および第2トレンチ102’を含み、第1トレンチおよび第2トレンチは、寸法が同じである。例示的に、第1トレンチおよび第2トレンチは、深さが約5μmである。各トレンチの第1表面1021および第2表面1022の下部は、それぞれベース材の露出した第2表面1002および第3表面1003からなり、ベース材の第2表面1002および第3表面1003が、六方対称の格子構造を有し、例えば、Si(111)面を有する。なお、ベース材の第2表面および第3表面は、Al2O3(0001)面、SiC(0001)面、またはSiC(000-1)面、GaN(0001)面、またはGaN(000-1)面などであってもよい。各トレンチの第1表面1021および第2表面1022の上部は、それぞれ第1絶縁層101の第2表面1012および第3表面1013からなる。
図5、
図6に示すように、トレンチの第3表面1023に第2絶縁層103を形成し、例示的に、第2絶縁層103が、酸化により形成される二酸化ケイ素層であり、例示的に、その厚さが約500nmである。
図7に示すように、トレンチの第1表面1021および第2表面1022に第4絶縁層105を形成し、例示的に、第4絶縁層の厚さが約100nmである。該第4絶縁層によれば、エピタキシャル成長するときのシリコンベース材とGa含有前駆体との相互作用を避けることができるとともに、エピタキシャル成長するときの選択性の向上に寄与できる。さらに、
図8、
図9に示すように、第1トレンチの第2表面および第2トレンチの第1表面のそれぞれに形成される第4絶縁層105の一部を除去し、第1トレンチに露出したベース材100の第3表面1003および第2トレンチに露出したベース材100の第2表面1002のそれぞれに単結晶核生成層106を形成する。例示的に、単結晶核生成層がALN層であり、ALN結晶は、成長方向が<0001>方向であり、表面が(0001)面である。例示的に、単結晶核生成層の位置が、後で形成されるデバイスの第1電極(ソース)の形成する位置と対応する。後で形成されるデバイス構造は、第1電極(ソース)を参照点とする場合に半導体デバイス構造が対称の構造と形成されかつ第1電極領域(ソース領域)の電圧が非常に低いため、結晶品質の影響を受け難く、核生成領域の結晶品質の劣りによる影響を最小限に抑えることができる。
図10に示すように、核生成層106を核生成中心として第1半導体層201を選択的に成長させ、第1半導体層201が窒化物であり得、例示的に、真性GaN(i-GaN)または非意図的にドープされたGaN層である。トレンチ102の存在により、第1半導体層201が核生成層からトレンチ102に沿って成長し、成長が、トレンチに沿った第1方向における成長およびトレンチに垂直な第2方向における成長を含み、また、第1半導体層201がトレンチの外にも成長してもよく、この場合、平坦化またはエッチング技術によりトレンチの外の第1半導体層201を除去する。
【0071】
トレンチ102の制限により、第1半導体層が横方向にエピタキシャル成長するとき、非常にストレートに成長することができ、したがって、機能層として構成される半導体デバイスの垂直表面がトレンチにより非常にストレートに成長することができ、したがって、比較的に高いアスペクト比を容易に実現できる。より具体的に、第1半導体層201が垂直チャネルとして使用するとき、単位面積でより高いチャネル密度を実現し、デバイスの抵抗を低下させ、デバイスの性能を向上させることができる。
【0072】
【0073】
ステップ1は、
図1に示すように、ベース材100を用意し、ベース材が(110)または(112)面を採用するシリコンベース材であり、ベース材100の第1表面1001に第1絶縁層101を形成し、例示的に、第1絶縁層101が熱酸化処理または気相成長により形成されるSiO2層である。例示的に、第1絶縁層101の厚さが約0.5μmである。
【0074】
ステップ2は、
図2に示すように、第1絶縁層101に間隔をあけてフォトエッチングして第1絶縁層101の内部の一部を露光し、そして、フォトエッチング位置で第1絶縁層101およびその下方のベース材100をエッチングして、垂直なトレンチを形成し、トレンチが、間隔をあけて並んでいる第1トレンチ102および第2トレンチ102’を含む。各トレンチの2つの側表面である第1表面1021および第2表面1022の下部は、それぞれエッチングされたベース材の露出した第2表面1002および第3表面1003からなるものである。ベース材の第2表面1002および第3表面1003は、六方対称の格子構造を有し、例えば、Si(111)面を有する。ベース材の第2表面および第3表面は、Al2O3(0001)面、SiC(0001)面、SiC(000-1)面、GaN(0001)面またはGaN(000-1)面などであり得る。
【0075】
ステップ3は、
図3に示すように、ステップ2で形成した構造において、同一面蒸着により犠牲層104を形成し、例示的に、犠牲層104が、窒化ケイ素層であり、その厚さが約100nmである。なお、第1絶縁層および犠牲層の選択について、両方が高エッチング選択比を有すればよく、例えば、犠牲層をエッチングするとき、エッチング剤が第1絶縁層に対してほとんどエッチングしなく、または非常にゆっくりとエッチングする。
【0076】
ステップ4は、
図4に示すように、ドライエッチングを行い、第1絶縁層101の第1表面1011における犠牲層104とトレンチ102、102’の第3表面1023における犠牲層104とを除去し、トレンチ102(102’)の第1表面1021および第2表面1022のそれぞれにおける第1犠牲層104を残す。
【0077】
ステップ5は、
図5に示すように、酸化工程により、各トレンチの第3表面1023に第2絶縁層103(二酸化ケイ素層)を形成し、トレンチの第1表面および第2表面が、残された第1犠牲層104の保護で酸化されなく、絶縁層により、後で窒化物半導体が成長するときにガリウム原子とシリコンベース材との不適合を避け、メルトバック(melt-back)現象の発生を避けることができる。そして、該第2絶縁層により、窒化物半導体とシリコンベース材との間の漏れ電流を効果的に遮断し、シリコンベース材による寄生容量を効果的に低減することができる。
【0078】
ステップ6は、
図6に示すように、第1犠牲層104および二酸化ケイ素層のエッチング選択比を利用して、選択的ウェットエッチングにより、各トレンチの第1表面および第2表面における第1犠牲層104を除去する。
【0079】
ステップ7は、
図7に示すように、酸化工程により、トレンチ102の第1表面および第2表面のそれぞれに比較的に薄い第4絶縁層105(二酸化ケイ素層)を形成し、後で第4絶縁層が除去されたときにベース材を保護できる十分厚い第1絶縁層および第2絶縁層が依然として存在するように、第4絶縁層の厚さを第1絶縁層、第2絶縁層の厚さと異なって設定する。これらの絶縁層により、後で窒化物半導体が成長するときにガリウム原子とシリコンベース材との不適合を避け、メルトバック(melt-back)現象の発生を避けることができ、シリコンベース材に窒化ガリウム半導体デバイスを作製することにとって不可欠なことである。
【0080】
ステップ8は、
図8に示すように、フォトレジストを塗布し、第1トレンチと第2トレンチとの間にフォトエッチングパターンを形成して第1トレンチと第2トレンチとの間の一部の第1絶縁層101を露光する。なお、フォトエッチングパターンにより、第1トレンチと第2トレンチとの間の全部の第1絶縁層101を露光してもよい。
【0081】
ステップ9は、
図9に示すように、露光された、第1トレンチの第2表面および第2トレンチの第1表面のそれぞれにおける第4絶縁層105を除去し、第1絶縁層の厚さが第4絶縁層の厚さよりはるかに厚いため、一部の第4絶縁層を除去する過程において、露光された第1絶縁層部分は、完全に除去されず、非常に薄くエッチングされ、そして、フォトレジストを除去し、これによって、第1トレンチにおいて一部のベース材100の第3表面1003を露出し、第2トレンチにおいて一部のベース材100の第2表面1002を露出する。
【0082】
ステップ10は、
図9に示すように、シリコンベース材とガリウムとのメルトバック(melt-back)効果のため、シリコンベース材にGaNを直接成長させることができなく、一般的に、AlNの核生成層を先に成長させ、そしてそれをもとに後の窒化物半導体構造を形成し、したがって、露光された、第1トレンチにおけるベース材100の第3表面1003、および、露光された、第2トレンチにおけるベース材100の第2表面1002のそれぞれに単結晶AlN核生成層106を形成し、単結晶ALN結晶の成長方向が<0001>であり、その表面が(0001)面である。なお、AlNの選択性が比較的に低く、通常のプロセス条件下で絶縁層にも多結晶または非晶質のAlNが生成しやすいため、所望の構造の形成に不利である。このため、核生成層が形成されたあと、二酸化ケイ素層におけるAlNを別途除去することが必要である。または、AlN核生成層を成長させるとき、AlN核生成層をシリコンベース材だけで成長させ、二酸化ケイ素層で成長させないことを保証するように、塩素含有ガスを導入する。
【0083】
なお、他のベース材、例えば、Al2O3を採用する場合、核生成層がGaNであってもよい。このとき、プロセス調整により、露出されたベース材の表面だけで核を形成することを容易に実現する。
【0084】
ステップ11は、
図10に示すように、核生成層106を核生成中心として第1半導体層201を側方にエピタキシャル成長させ、トレンチ102の存在により、第1半導体層201が核生成層からトレンチ102に沿って側方にエピタキシャル成長し、成長が、トレンチに沿った第1方向における成長およびトレンチに垂直な第2方向における成長を含み、また、第1半導体層201がトレンチの外にも成長することもの可能であり、この場合、平坦化またはエッチング技術によりトレンチの外の第1半導体層201を除去する。側方エピタキシャルによれば、側方エピタキシャル領域の窒化物半導体結晶の品質を効果的に向上させ、デバイスの電気的性能を向上させることができる。トレンチの外の第1半導体層を除去することによれば、デバイスが形成する過程において制限される状態に保たれ、特定の構造および寸法の形成に有利であり、アスペクト比の比較的に高いデバイスの形成に寄与でき、成長プロセスパラメータの調整以外の、アスペクト比の比較的に高いデバイスを実現できる手段が提供され、そして、トレンチでの第1半導体層の成長がトレンチの第1表面および第2表面に制限されるため、第1半導体層の成長過程において、完全垂直に保つことができなくまたは成長面が同一平面に位置しない状況、多くかつ複雑の成長面が形成される状況が避けられ、デバイスに対する制御およびその電気的性能の向上の実現に寄与できる。なお、トレンチの外に成長した第1半導体層201を除去しなく、トレンチから突出した部分として形成してもよい。
【0085】
なお、第1半導体層を成長させる前にバッファ層を先に成長させて形成してもよい。
【0086】
任意選択で、第1トレンチおよび第2トレンチの構造をそれぞれ第1階段状構造および第2階段状構造にしてもよく、この場合、各階段状構造の1つの側壁に核生成層を形成するとともに、ベース材の第1表面およびベース材の第1表面に平行な階段状構造の第3表面に絶縁層を形成し、そして、核生成層を核生成中心として相応のバッファ層、第1半導体層201をエピタキシャル成長させる。これについて上記の製造方法を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0087】
【0088】
上記の内容をもとに、第1半導体層の外側の第1絶縁層101およびベース材100に対してエッチングを行い、第1絶縁層101および一部のベース材100を除去して、第1半導体層201を、エッチングがされたベース材100の第4表面1004から突出させる。第1半導体層201の、自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面2013、それに対向する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第2面2014について、第1半導体層がGaNである場合、第1面2013が(0001)面であり、第2面2014が(000-1)面である。エッチングがされたベース材100に第3絶縁層107を形成して、露出したシリコンベース材を隔離する。例示的に、第3絶縁層が二酸化ケイ素層である。そして、第1半導体層201を覆うように第2半導体層202を形成し、第2半導体層がAlN層またはAlGaN層であり、第1半導体層の第1面2013および第2面2014にそれぞれ二次元電子ガス2DEGおよび二次元正孔ガス2DHGが形成される。
【0089】
そして、トレンチの長手方向に沿って第2半導体層202に第1電極401、第2電極402および第3電極403をそれぞれ形成する。任意選択で、第1電極がソースであり、第2電極がゲートであり、第3電極がドレインである。第1電極および第3電極を二次元電子ガスの伝送方向に沿って第1半導体層201に形成してもよい。
【0090】
第1電極~第3電極がいずれもベース材100の第3絶縁層の表面に形成されることによれば、半導体デバイスの構造が垂直チャネルを有するとともに、電極の設置が平面化プロセスに特に適しており、半導体デバイスの集積密度の向上に寄与できる。
【0091】
以下、該半導体デバイスを製造する製造方法を例示的に説明する。上記の製造方法は、下記のステップをさらに含む。
【0092】
ステップ12は、
図11に示すように、フォトエッチングパターンを形成して隣接する第1トレンチと第2トレンチとの間の全部の領域を上から露光し、該領域における第1絶縁層101および一部のベース材100の材料をエッチングして、トレンチ102における、第4絶縁層で覆われる第1半導体層を、エッチングがされたベース材の第4表面1004から突出させる。
【0093】
ステップ13は、
図12に示すように、エッチングがされたベース材100の第4表面1004に第3絶縁層107を形成し、例示的に、第3絶縁層が酸化により形成される二酸化ケイ素層であり、そして、第1半導体層201を覆う第4絶縁層を除去して、第1半導体層201の、自発分極効果およびピエゾ効果を有する第1面2013、および、それに対向する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第2面2014を露出する。
【0094】
ステップ14は、
図13に示すように、第1半導体層201を覆うように第2半導体層202を形成し、第2半導体層がAlN層またはAlGaN層であり、第1半導体層の第1面2013および第2面2014にそれぞれ二次元電子ガス2DEGおよび二次元正孔ガス2DHGが形成される。
【0095】
なお、第2半導体層に、複数の第1半導体層と複数の第2半導体層とが交互に積層した構造を被せてもよく、これによって、複数の二次元電子ガス2DEGおよび複数の二次元正孔ガス2DHGからなる多チャネル構造を形成する。
【0096】
ステップ15は、
図14に示すように、媒体層を堆積させ、第1媒体層に対してフォトエッチングを行い、そして、その上に金属を堆積させ、これによって、二次元電子ガスの伝送方向に沿って第1半導体層201の第1面で第1電極、第3電極を形成し、二次元電子ガスの伝送方向に沿って第2半導体層202に第2電極を形成し、第2電極が第1電極と第3電極との間に位置する。任意選択で、第1電極がソースであり、第2電極がゲートであり、第3電極がドレインである。任意選択で、第1電極~第3電極がいずれも二次元電子ガスの伝送方向に沿った第2半導体層202に形成される。
【0097】
【0098】
任意選択で、トレンチ内においてチャネルの第1表面および第2表面の方向に沿って第1半導体の第1サブ層2011、第3半導体層203、第1半導体の第2サブ層2012層が形成され、第1サブ層、第3半導体層203および第2サブ層によりトレンチが完全に埋められ、それらの各層が第1半導体の第1表面に平行であるとともに同一面に揃えられている。なお、第3半導体層においてP-型ドーピングまたはN-型ドーピングを有し、例示的に、P-型ドーピングがP-型GaNであり、N-型ドーピングがN-型GaNである。例示的に、ドーピング濃度は、1E17~5E19/cm3であり、1E+18/cm3~5E+19/cm3がより好ましい。P-型GaN層は、第1半導体層の第1面の二次元電子ガスを空乏化することができ、N-型GaN層は、第1半導体層の第2面の二次元正孔ガスを空乏化することができ、これによって、デバイスがノーマリオフ状態を有する。具体的にP-型ドーピングを行うか、N-型ドーピングを行うかは、後に形成するデバイスの具体的なタイプによって決まり、HEMTデバイスである場合、P-型ドーピングを行い、HHMTデバイスである場合、N-型ドーピングを行う。なお、ドーピングがグレーデッドドーピングであってもよい。他の構造特徴は上記の実施形態と同じであるため、ここで説明を省略する。第3半導体層の、第1半導体層の第1面における投影は、第2電極の該方向における投影の範囲内に位置し、または第2電極の該方向における投影と部分的に重なり合う。第3半導体層のドーピング濃度、寸法などのパラメータは、デバイスのパラメータに基づいて設置することができ、そのうちの二次元電子ガスまたは二次元正孔ガスの95%~100%を空乏化できればよく、二次元電荷キャリアガスの濃度が高いほど、相応のドーピング濃度をそれに応じて上げることができる。
【0099】
以下、選択可能な半導体デバイスを製造する製造方法を具体的に説明する。
【0100】
ステップ11’は、
図15~
図17に示すように、核生成層106を形成したあと、核生成層106を核生成中心として第1半導体層の第1サブ層2011を選択的に成長させ、トレンチ102の存在により、第1サブ層2011が核生成層からトレンチ102に沿って側方にエピタキシャル成長し、成長が、トレンチの第1表面または第2表面に沿った第1方向における成長およびトレンチの第3表面に垂直な成長を含む。そして、第1サブ層2011を核生成中心として、ドーピングされた第3半導体層203を成長させ、第3半導体層203の成長がも、トレンチの第1表面または第2表面に沿った第1方向における成長、トレンチの第1表面または第2表面に垂直な第2方向における成長およびトレンチの第3表面に垂直な成長を含む。第3半導体層203は、後のデバイスの投影方向におけるゲートの投影範囲内に位置し、またはゲートの該方向における投影と部分的に重なり合うようにすればよい。
【0101】
さらに、第3半導体層203を核生成中心として第1半導体層の第2サブ層2012を成長させ、第1半導体層の第2サブ層が真性GaN層または非意図的にドープされたGaN層であり得る。第1半導体層の第2サブ層2012の成長方向は、第1サブ層または第3半導体層の成長方向と同じである。最後に、平坦化またはエッチング技術によりトレンチの第3表面に垂直に成長しかつ第1サブ層、第3半導体層および第2サブ層の、トレンチの外に位置する部分を除去し、これによって、第1サブ層、第3半導体層および第2サブ層がいずれもトレンチ内に位置し、同一面に揃えられた構造として形成される。同一面に揃えられた構造によれば、デバイスの形成過程において制限される状態に保たれ、特定の構造および寸法の形成に有利であり、アスペクト比の比較的に高いデバイスの形成に寄与でき、成長プロセスパラメータの調整以外の、アスペクト比の高いデバイスを実現できる手段が提供され、そして、トレンチでの第1半導体層および第3半導体層の成長がトレンチの第1表面および第2表面に制限されるため、第1半導体層および第3半導体層の、成長過程において、完全垂直に保つことができなくまたは成長面が同一平面に位置しない状況、多くかつ複雑の成長面が形成される状況が避けられ、デバイスに対する制御およびその電気的性能の向上の実現に寄与できる。
【0102】
なお、第1サブ層、第3半導体層および第2サブ層のそれぞれの一部がトレンチの外に位置してもよい。
【0103】
図18を参照しながら、選択可能な半導体デバイスおよびその製造方法を説明する。
図18は、平面図である。
【0104】
任意選択で、上記の内容をもとに、二次元正孔ガスの伝送方向に沿って、つまり二次元電子ガスの伝送方向の逆方向に沿って、第1半導体層201に第4電極404を形成する。第4電極は、ボディ電極であり、第3半導体層と接触するように構成され、これによって、閾値電圧をよりよく制御することができる。なお、第4電極をベース材の第4表面に形成してもよく、ここで、第4電極の形成位置および方法に対して具体的に限定しなく、第3半導体層と接触できればよい。
【0105】
任意選択で、第1半導体層の片側をエッチングして、第1絶縁層101および一部のベース材100を除去し、ベース材が、第1表面および第1表面より低いとともに第1表面に平行な第5表面を有するようにされる。第1半導体層201の自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面2013を露出し、第1半導体層がGaNである場合、第1面2013が(0001)面である。このとき、第1面2013に対向する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第2面2014が依然としてベース材および第1絶縁層により覆われ、第2面2014がGaNの(000-1)面である。エッチングがされたベース材100に第3絶縁層107を形成することにより、露出したシリコンベース材を隔離する。例示的に、第3絶縁層が二酸化ケイ素層であってもよい。そして、第1半導体層201の第1面2013に第2半導体層202を形成し、第2半導体層がAlN層またはAlGaN層であり、これによって、第1半導体層の第1面2013に二次元電子ガス2DEGを形成する。なお、第1半導体層と第2半導体層とが複数交互に積層する構造を形成することができ、したがって、複数の二次元電子ガス2DEGを有する多チャネル構造のHEMTデバイスを形成することができる。
【0106】
上記の製造方法および
図19~
図21を参照しながら、該半導体デバイスを製造する製造方法を例示的に説明する。
【0107】
ステップ12’は、
図19に示すように、フォトエッチングパターンを形成して第1半導体層の第1面2013側の領域を露光し、該領域における第1絶縁層101および一部のベース材100をエッチングして、第1半導体層201の自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面側の第4絶縁層を露出する。第1面2013に対向する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第2面2014が依然として第4絶縁層、ベース材および第1絶縁層により囲まれている。
【0108】
ステップ13’は、
図20に示すように、エッチングがされたベース材100に第3絶縁層107’を形成し、例示的に、第3絶縁層が酸化により形成される二酸化ケイ素層である。露出したシリコンベース材を第3絶縁層により隔離する状態で、第1半導体層201の第1面2013を覆う第4絶縁層を除去する。
【0109】
ステップ14’は、
図21に示すように、第1半導体層201の第1面2013に化学成長により第2半導体層202を形成し、第2半導体層がAlN層またはAlGaN層であり、したがって、第1半導体層の第1面2013に二次元電子ガス2DEGを形成することができる。
【0110】
任意選択で、第1半導体層の片側だけをエッチングして、第1絶縁層101および一部のベース材100を除去し、ベース材が、第1表面および第1表面より低いとともに第1表面に平行な第6表面を有するようにされる。第1半導体層201の自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第2面2014を露出し、第1半導体層がGaNである場合、第2面2014が(000-1)面である。このとき、第2面2014に対向する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面2013が依然としてベース材および第1絶縁層により覆われ、第1面2013がGaNの(0001)面である。エッチングがされたベース材100に第3絶縁層107を形成することにより、露出したシリコンベース材を隔離する。例示的に、第3絶縁層が酸化により形成される二酸化ケイ素層であり得る。そして、第1半導体層201の第2面2014を覆うように第2半導体層202を形成し、第2半導体層がAlN層またはAlGaN層であり、これによって、第1半導体層の第2面2014に二次元正孔ガス2DHGが形成される。なお、第1半導体層と第2半導体層とが複数交互に積層した構造を形成することができ、したがって、複数の二次元正孔ガス2DHGを有するチャネル構造のHHMTデバイスを形成することができる。
【0111】
上記の製造方法および
図22~
図24を参照しながら、該半導体デバイスを製造する製造方法を例示的に説明する。
【0112】
ステップ12’は、
図22に示すように、フォトエッチングパターンを形成して第1半導体層の第2面2014側の領域を露光し、該領域における第1絶縁層101および一部のベース材100の材料をエッチングして、第1半導体層201の自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第2面2014側の第4絶縁層を露出する。第2面2014に対向する自発分極効果およびピエゾ分極効果を有する第1面2013が依然として第4絶縁層、ベース材および第1絶縁層により囲まれている。
【0113】
ステップ13’は、
図23に示すように、エッチングがされたベース材100に第3絶縁層107’を形成し、例示的に、第3絶縁層が酸化により形成される二酸化ケイ素層である。露出したシリコンベース材を該第3絶縁層により隔離する状態で、第1半導体層201の第2面2014を覆う第4絶縁層を除去する。
【0114】
ステップ14’は、
図24に示すように、第1半導体層201の第2面2014に、被せるように第2半導体層202を化学成長により形成し、第2半導体層がAlN層またはAlGaN層であり、したがって、第1半導体層の第2面2014に二次元正孔ガス2DHGが形成される。
【0115】
なお、いくつかの実施形態において、フォトエッチングパターンの形成方式を変更し、隣接する第1トレンチと第2トレンチとの間の全部の領域を上から露光し、該領域における第1絶縁層101および一部のベース材100をエッチングして、トレンチ102における、第4絶縁層で覆われる第1半導体層をエッチングがされたベース材の第4表面から突出させ、そして、第1半導体層の第1面または第2面側の領域だけに対してさらにエッチングして、ベース材の第5表面または第6表面を露出し、その具体的な方法は、上記の内容を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0116】
任意選択で、単結晶核生成層の位置が、後のデバイスの第3電極(ドレイン)の形成位置と対応する。このとき、核生成領域の結晶品質が劣り、漏れ電流が比較的に大きいなどの問題を防止するため、単結晶核生成層に電流遮断層を加えてもよく、電流遮断層は、例えば、CまたはFe元素で高濃度にドープされたものであり、CまたはFeのドーピング範囲が1E17~1E20/cm3であり得る。
【0117】
任意選択で、単結晶核生成層は、第2電極と第3電極との間の領域に設置されてもよい。例示的に、核生成層の位置と後のドレイン電極領域の位置とを、間隔をあけて設置することにより上記の技術的問題を克服するようにしてもよい。
【0118】
任意選択で、単結晶核生成層が設置される領域に対して、フォトエッチングにより相応の第1トレンチおよび第2トレンチの領域を露光するようにしてもよい。
【0119】
電流遮断層は、単結晶核生成層を核生成中心としてエピタキシャル成長を行うときに、相応のドーピングを行うことにより形成されてもよい。
【0120】
任意選択で、第1電極領域(ソース領域)および第3電極領域(ドレイン領域)でドーピングを行って接触抵抗を低下させる。なお、HEMTデバイスを形成する場合、ソース領域およびドレイン領域のドーピングはN-型であり、HHMTデバイスを形成する場合、ソース領域およびドレイン領域のドーピングはP-型である。
【0121】
任意選択で、HEMTデバイスにおいて、第2半導体層を除去して第1電極および/または第3電極を、第1半導体層と物理的に接触させるとともに二次元電子キャリアガス(2DEG)とオーミック接触を形成し、ドーピングされた第1電極領域および第3電極領域が存在するため、プロセスおよび構造の設計により、このような、第1半導体層と直接物理的に接触する方式が、オーミック接触抵抗の低減にはより有利である。
【0122】
任意選択で、HHMTデバイスにおいて、P-型オーミック接触の形成が比較的に難しいため、第2半導体層を除去して第1電極(および/または第3電極)を、第1半導体層と物理的に接触させるとともに二次元正孔キャリアガス(2DHG)とオーミック接触を形成する場合、ドーピングがされた第1電極および第3電極の領域が存在するため、プロセスおよび構造の設計により、このような、第1半導体層と直接物理的に接触する方式が、よりオーミック接触抵抗の低減に有利である。
【0123】
上記の製造方法および
図25~
図28を参照しながら、該半導体デバイスを製造する製造方法を例示的に説明する。
【0124】
核生成層とソース領域とが対応する例を用いてソース領域およびドレイン領域のドーピングを説明する。核生成層とドレイン領域とが対応する構成、または核生成層がゲートとドレイン領域との間に位置する構成は、核生成層とソース領域とが対応する構成と類似するため、ここで説明を省略する。
図25に示すように、核生成層を形成したあと、核生成層を核とする第1半導体層201の成長を行う過程において、ソース領域で相応のP-型ドーピングまたはN-型ドーピングを行う。
【0125】
任意選択で、核生成層を核とする第1半導体層201の成長を行う過程において、相応のドーピングを行う前に、真性(アンドープ)第1半導体層または非意図的にドープされた第1半導体層を先に成長させ、そしてドーピングがされたソース領域の成長を行う。
【0126】
そして、
図26~
図27に示すように、ドーピングがされたソース領域が形成されたあと、真性第1半導体層または非意図的にドープがされた第1半導体層のエピタキシャル成長を行ってチャネル領域を形成する。なお、第2電極に対応するチャネル領域で相応のドーピングを行って第3半導体層を形成する。
【0127】
そして、
図28に示すように、上記の後ステップの、第1半導体層のエピタキシャル成長過程において、ドレイン領域で相応のP-型ドーピングまたはN-型ドーピングを行う。
【0128】
なお、ドレイン領域およびソース領域のドーピングと第3半導体層のドーピングとを同時に行ってもよく、ドレイン領域のドーピング、ソース領域のドーピングおよび第3半導体層のドーピングを前後して行ってもよい。
【0129】
上記の半導体デバイスのいずれか1種を備える電源装置を提供する。電源装置は、一次回路、二次回路および変圧器などを備え、一次回路および二次回路のそれぞれにスイッチ素子を備え、スイッチ素子が上記の半導体デバイスのいずれか1種を採用する。
【0130】
上記の半導体デバイスのいずれか1種を備える携帯電話を提供する。携帯電話は、ディスプレイおよび充電ユニットなどを備え、充電ユニットが上記の半導体デバイスのいずれか1種を備える。
【0131】
携帯電話基地局、光通信システムなどの分野における電力増幅器に使用される増幅器を提供する。前記電力増幅器は、上記の半導体デバイスのいずれか1種を備える。
【0132】
本開示に係る案は、少なくとも下記の効果を実現することができる。前記半導体デバイスは、ゲートの漏れ電流を減少させることができ、閾値電圧が高く、パワーが高く、信頼性が高く、低オン抵抗およびデバイスのノーマリオフ状態を実現することができ、安定な閾値電圧を提供することができ、したがって、半導体デバイスが優れるスイッチング特性を有することができる。
【0133】
本開示に係る案は、下記の効果をさらに実現することができる。比較的に高いアスペクト比を容易に実現することができ、単位面積でより高いチャネル密度を実現することができ、平面化プロセスに適し、半導体デバイスの集積密度の向上に寄与でき、前記半導体デバイスは、構造および製造プロセスが比較的に簡単であり、生産コストを効果的に削減することができる。
【0134】
具体的な実施形態を用いて本開示の内容を説明したが、当業者であればわかるように、これらの説明は、例示的なものにすぎず、本開示の保護範囲を限定するものではない。当業者が、本開示の精神および原理を逸脱しない限り、本開示に対して行った各種の変形および変更も本開示の範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本開示に係る新たな半導体デバイス構造およびその製造方法は、プロセスが簡単で、コストが低く、比較的に高いアスペクト比を有し、単位面積でより高いチャネル密度を実現することができ、耐電圧が高く、パワーが高く、オン抵抗が低いなどの高い性能をもつ省エネの半導体デバイスを提供する。