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▶ テスラ ナノコーティングス,インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】自己重層化コーティング
(51)【国際特許分類】
   C09D 183/04 20060101AFI20240603BHJP
   C09D 5/10 20060101ALI20240603BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20240603BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240603BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240603BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
C09D183/04
C09D5/10
C09D201/00
C09D7/61
B05D7/24 302Y
B05D7/24 303B
B05D1/02 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022553608
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021021528
(87)【国際公開番号】W WO2021183530
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】16/814,334
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316002040
【氏名又は名称】テスラ ナノコーティングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルターネン ジョルマ
(72)【発明者】
【氏名】ハマー テオドア
【審査官】井上 莉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-113526(JP,A)
【文献】特開2000-129168(JP,A)
【文献】特開2016-164261(JP,A)
【文献】特開2005-068278(JP,A)
【文献】特開2006-143815(JP,A)
【文献】特公昭45-022226(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第108102539(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1974698(CN,A)
【文献】特許第6162912(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D
B05D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己重層化防食コーティングであって、
犠牲金属粒子と、
少なくとも2つの異なるモノマー又はポリマーと、
アルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシランからなる群から選択されるシランと、
アミン、チオール、フェノール、及びカルボン酸無水物からなる群から選択される硬化剤と、
アミノアルキルジアルコキシシラン、ジメトキシシラン、及びアミノアルキルトリアルコキシシランからなる群から選択される結合剤と、
黒鉛材料と、
溶媒と、
水捕捉剤と
を含むコーティング。
【請求項2】
前記少なくとも2つの異なるモノマー又はポリマーが、エポキシ、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、脂環式エポキシド、オキセタン、エポキシド、フォトポリマー、ポリウレタン、シロキサン、及びポリ尿素からなる群から選択される請求項1に記載のコーティング。
【請求項3】
前記黒鉛材料が、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、単層グラフェン、二層グラフェン、又は多層グラフェンからなる群から選択される請求項1から請求項のいずれか1項に記載のコーティング。
【請求項4】
前記水捕捉剤が、液体水捕捉剤、モレキュラーシーブ、シリカ、金属塩、及び金属酸化物からなる群から選択される請求項1から請求項のいずれか1項に記載のコーティング。
【請求項5】
前記犠牲金属粒子が、鉄よりも正の酸化還元電位を有する任意の金属からなる群から選択される請求項1から請求項のいずれか1項に記載のコーティング。
【請求項6】
前記犠牲金属粒子が、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、及びこれらの合金からなる群から選択される請求項1から請求項のいずれか1項に記載のコーティング。
【請求項7】
前記コーティングが、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタン、5,7-ジヨード-3-ブトキシ-6-フルオロン、2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-6-フルオロン、及び2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-9-シアノ-6-フルオロンからなる群から選択される光開始剤をさらに含む請求項から請求項のいずれか1項に記載のコーティング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自己重層化防食コーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
自己重層化コーティングは、通常、溶媒の助けを借りて混合される非混和性又は低混和性の成分から作製される。熱力学は、溶媒の一部又は全部が蒸発した後の成分の分離のための推進力である。相分離が起こって層状構造を形成しても、プライマーが基材に接着する保証はない。代わりに、トップコートは、一方は基材に接し、他方は上部にあるというように、2つの層に分離する可能性がある。これは、電気防食(ガルバニ保護)が使用されることになる場合、望ましくない。というのも、基材上の電気絶縁層がカソード防食(陰極保護)を妨げるからである。
【0003】
表面自由エネルギー差も、相分離を駆動するために使用されてもよい。亜鉛リッチプライマーは、エポキシ又はウレタン等の高表面エネルギー樹脂から構成される。トップコートは、重層化に有利な低表面樹脂から構成される。これらの樹脂は、重層化を強化するためにシリコーン又はフッ素官能基を含んでもよい。例としては、アミン又はエポキシ官能性ポリシロキサン、シリコーン変性アルキル、フルオロエチレンビニルエーテル樹脂、及び種子油が挙げられる。
【0004】
防食コーティングは、自己重層化系に対するさらなる要件を設定する。最良の場合、プライマーはカソード防食を提供すべきである。従来、カソード防食は、亜鉛、マグネシウム、又はアルミニウムの粒子等の犠牲金属粒子を混合することによって達成される。これらは相分離を妨げる可能性がある。犠牲金属粒子と基材との間の電気的接続が失われる可能性があるため、基材の表面上のトップコートの部分的な分離でさえも、おそらくカソード防食を破壊するであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本教示は、これらの問題のすべてを解決する。プライマーは、有利には亜鉛リッチエポキシであり、ポリマーマトリクスは、カーボンナノチューブ(CNT)又はグラフェン等の黒鉛材料で導電性にされる。トップコートは、湿気硬化シロキサンである。シロキサンモノマーは低い粘度を有し、他の溶媒に加えてプライマーのための溶媒として使用されてもよい。水は、付与後にコーティングの内部から排除され、シロキサン重合は、空気中の水分に起因してコーティング-空気界面でのみ起こってもよい。これは、プライマーとトップコートの分離をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下、本教示は添付の図面を参照して説明される。
【0007】
図1図1は、シロキサンの形成を示す。
図2A図2Aは、オキサゾリジンの切断を示す。
図2B図2Bは、二量体オキサゾリジンを示す。
図3A図3Aは、シロキサン層に組み込まれた染料の模式図を示す。
図3B図3Bは、シロキサン層に組み込まれた染料の模式図を示す。
図4A図4Aは、UV硬化性自己重層化系のIRオーバーレイを示し、上のスペクトルは空気コーティング界面であり、下のスペクトルは基材コーティング界面である。
図4B図4Bは、UV硬化性自己重層化系のIRオーバーレイを示し、上のスペクトルはUV硬化後の光開始剤及びビニルエーテル混合物であり、下のスペクトルは空気コーティング界面である。
図4C図4Cは、UV硬化性自己重層化系のIRオーバーレイを示し、上のスペクトルはビスフェノールAジグリシジルエーテルであり、下のスペクトルは基材コーティング界面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
自己重層化コーティング:少なくとも2つの異なる材料の混合物である単一のコーティング材料が、単一のプロセスを使用して表面に塗布することができ、塗布後、それらの成分は2つ以上の層を形成する。
【0009】
プライマー層又は底部層:基材と接触しているコーティング層。
【0010】
トップコート層又は最上層:空気と直接接触しているコーティング層。
【0011】
外部エフェクタ:塗布後にモノマーの硬化を誘発するコーティングの外部の化学的又は物理的因子。外部エフェクタは、水、アミン等の一般的な硬化剤、又は電磁放射線等の物理的因子であってもよい。
【0012】
詳細な説明
図1は、ジメトキシシランを描く。これは、ケイ素に結合した2つの他の部分を有する。これらはアルキル、アリール基であってもよく、又は官能基、例えばアルコキシ、カルボニル、エポキシ、又はアミノ基を含有してもよい。アルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、又はテトラアルコキシシランが使用されてもよい。トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランは架橋をもたらし、よりガラス様のコーティングを与える。メトキシ基は容易に加水分解される。得られたケイ酸誘導体は自発的に重合し、第1の工程で使用された水のいくらかを放出する。しかしながら、このプロセスを完了するためにより多くの水が必要とされる。本教示では、水は湿った空気に由来する。従って、この態様では、水は外部エフェクタである。
【0013】
本教示の1つの態様では、プライマー中のモノマーは、アミンによって硬化されるエポキシである。チオール、フェノール、及びカルボン酸無水物を含む多くの他の硬化剤が可能である。エポキシの硬化はシロキサン硬化を妨害せず、逆もまた同様である。プライマー及びトップコートの結合を確実にするためではあるが、いくらかのアミノアルキルジアルコキシシラン又はアミノアルキルトリアルコキシシランを混合物に添加してもよい。アミノ基はエポキシと結合し、ジメトキシシランはシロキサン層と結合する。
【0014】
コーティング内部でのシロキサン形成を防止するために、いくつかの水捕捉剤が添加される。基材の表面上に水が存在してもよく、これは顕著なシロキサン形成をもたらすことがある。また、工業用エポキシは、少量の水を含有している可能性がある。従って、シロキサンはコーティングの内部に均一に形成されることが可能であろう。シロキサンの形成を抑制するために、液体及び固体の水捕捉剤が添加されてもよい。液体捕捉剤は、基材の表面から水を効果的に除去する。しかしながら、液体捕捉剤は、空気界面から水をあまりに効果的に除去することもある。従って、基材が濡れていない限り、比較的少量の液体水捕捉剤のみが使用される。モレキュラーシーブ、シリカ、並びに多くの金属塩及び酸化物等の固体水捕捉剤は、コーティングの内部であまり移動せず、コーティングの内部を乾燥状態に保つ。液体及び固体の水捕捉剤を組み合わせることは、金属-コーティング界面並びにコーティング内部でのシロキサンの重合を防止する。重合は、空気界面でのみ起こってもよい。これは、プライマーとトップコートの自動分離をもたらす。このプロセスは、互いにあまり混合しないモノマーを選択することによってさらに増幅されてもよい。混合は、適切な溶媒が使用されるため製造中にのみ起こり、均一な生成物が得られる。
【0015】
オキサゾリジンは、液体水捕捉剤の一例である(図2A)。水は二重結合を切断し、第一級アミノ基が放出される。これは、エポキシと反応することになり、有害である場合がある。しかしながら、二量体オキサゾリジン(図2B)は、エポキシの硬化剤として作用することができ、有益であると思われるジアミンを形成する。
【0016】
本教示の別の態様では、エポキシプライマー及びポリ尿素トップコートも使用することができる。この場合、エポキシモノマーとジイソシアネートが混合され、防食成分が添加される。二量体オキサゾリジンは、加水分解後、二量体オキサゾリジンから形成されるジアミンがジイソシアネート及びエポキシを両方とも硬化させるような充分な量で添加される。ジアミンはエポキシに化学的に結合する。加水分解反応は空気コーティング表面で起こり、ジイソシアネートはエポキシよりもはるかに速く反応し、尿素ポリマーが界面で形成される。ジイソシアネート分子は表面の近くに拡散し、そこで捕捉される。亜鉛及び他のミクロンサイズの粒子は、非常にゆっくりと移動し、望ましいように、主にエポキシ層中に留まる。分子染料が使用される場合、それらも、表面の近くに拡散してもよい。すべてのジイソシアネートが消費されると、プライマーの硬化が起こる。
【0017】
効果的なカソード防食を得るために、犠牲金属粒子の濃度は、50重量%超、通常は70重量%超であるべきであるということは、一般的な共通認識である。これらの限界は、ポリマーマトリクスが導電性ポリマーである場合、より低い可能性がある。犠牲金属粒子は、主に、ほぼ球状の粒子(ほぼ球状は、微視的な不規則な表面構造を含む)からなってもよい。しかしながら、犠牲粒子の一部がフレーク状の構造を有していてもよい。これは、電気伝導率及び電解活性(ガルバニック活性)を増加させる。
【0018】
犠牲粒子は、原則として、鉄よりも正の酸化還元電位を有する任意の金属から作製されてもよい。アルカリ金属等のほとんどの正のものは、酸素及び水とあまりにも迅速に反応し、実用的ではない。通常使用される犠牲金属としては、亜鉛、マグネシウム、及びアルミニウムが挙げられる。亜鉛/マグネシウム合金を含むいくつかの合金を使用することができる。
【0019】
本教示の別の態様では、約20重量%のZnフレークを使用して、光がコーティングの下半分に侵入するのを防止するミラー効果を得る。同様に、約1重量%のCNTがコーティングの上半分に光を制限すると推定することができる。約10~30重量%のZnフレーク及び約0.5~2.0重量%のCNT/グラフェンの組み合わせを使用することができる。ミラー効果は、光が最上層を通って2回進行することを可能にし、従って、硬化は吸収粒子の場合よりも速い。
【0020】
本教示の別の態様では、バリア特性を提供するために、プライマーモノマー又はプライマーポリマーが組成物中で利用される。1つの態様では、組成物中のプライマーモノマー又はプライマーポリマーは、約15重量%超を構成し、別の態様では、約20重量%超が利用される。本教示ではエポキシ樹脂を使用することができる。トップコートモノマー又はトップコートポリマーは、組成物の約10重量%~約20重量%であることができる。
【0021】
導電性材料は、カーボンナノチューブ又はグラフェン等の黒鉛材料であってもよく、これらは多くの形態を有してもよい。例えば、CNTは、単層(SWNT)、二層(DWNT)、又は多層(MWNT)であってもよい。グラフェンは、単層(シングルシート)、二層(ダブルシート)、又は多層(マルチシート)であってもよい。CNTとグラフェンの混合物を使用することもできる。黒鉛材料の量は、プライマーポリマーの約0.1~2重量%であることができる。
【0022】
染料が上記混合物に添加されてもよい。染料は、典型的にはシランと結合してもよい多くの官能基を有し、その結果、染料はトップコートと化学的に結合する。図3において、模式図は、染料のカルボキシル基がシランの一部であるアミノ基とどのように連結されてもよいかを描く。多数の異なる反応性染料が市販されている。これらはほとんどが布地用に開発されたものであるが、その多くは本教示の自己重層化(自己層別化、self-stratifying)コーティングに適用可能である。
【0023】
黒鉛材料は電磁放射線を吸収し、これは光誘起自己重層化を可能にする。トップコートが光重合性材料で作製される場合、塗布後にコーティングが照射されたときにのみ、表面で重合が起こる。黒鉛材料は放射線を反射又は吸収するので、電磁エネルギーは乾燥前のコーティングに浸透しない。加えて、犠牲金属粒子、とりわけフレークは電磁放射線を反射する。従って、トップコートは、モノマーが表面層に拡散すると、表面上にのみ自動的に形成される。本教示の1つの態様では、外部エフェクタは光子である。放射線硬化性組成物に使用することができる好適なモノマー及び樹脂としては、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、脂環式エポキシド、オキセタン、又はエポキシドといった官能基を有するものが挙げられる。
【0024】
放射線硬化に関して、適切な光開始剤が、放射線硬化機構を開始するために必要とされる。紫外線光開始剤又は可視光線光開始剤を使用することができる。光開始剤の選択は、重合性基の官能基(すなわち、系がフリーラジカルプロセスによって硬化するかカチオンプロセスによって硬化するか)に依存する。本教示の1つの態様では、好適な光開始剤は、約200nm~約700nmの放射線に曝露されると重合を開始するものである。好適な光開始剤としては、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩、及びトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩が挙げられる。これらは単独で又は互いに組み合わせて使用することができる。組み合わせは、適切な表面硬化及び浸透硬化(through cure)を達成するのに有用である。
【0025】
可視光の波長で重合を開始する光開始剤は、フィールド用途に使用することができる。これらには、約380nm~約740nmを吸収するものが含まれる。このタイプの好適な光開始剤としては、例えば、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタン、5,7-ジヨード-3-ブトキシ-6-フルオロン、2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-6-フルオロン、及び2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-9-シアノ-6-フルオロンが挙げられる。
【0026】
本教示は分離された層を提供するが、この分離は100%でなくてもよい。完全な分離の欠如は、層間のさらなる接着を提供することができる。図4A~4Cに示されるように、プライマー層はほとんど純粋なエポキシであるが、トップコートはエポキシをほとんど又は全く有さない。
【実施例
【0027】
例1.
プライマーは、181gのEpon(商標)828(希釈されていない透明な二官能性ビスフェノールA/エピクロロヒドリンから誘導された液状エポキシ樹脂)、121gの、Aromatic 100(溶媒ナフサ)中の2.9%MWNT分散液、18gの酢酸t-ブチル、4.1gのDisparlon(商標)6500(非反応性ポリアミドチキソトロープ)、1.2gのThixotrol(商標)ST(ヒマシ油の変性誘導体であるレオロジー添加剤)、423gのUP#6亜鉛粉、212gの亜鉛フレーク、54gのZn/Mg合金、54gのエポキシ化ガラスフレーク、32gのAromatic 100、1.2gのフェニルトリメトキシシラン、及び2gのグリシドオキシプロピルトリエトキシシランからなっていた。
【0028】
90gの前段落からのプライマー混合物に、10gの4Åモレキュラーシーブ粉末(Sylosiv(商標)4A、GraceDavison(グレースダヴィソン))を添加した。ジメチルジメトキシシラン(16g)、フェニルトリメトキシシラン(4g)及びアミノプロピルトリメトキシシラン(2g)を混合することによってシランストック混合物を作製し、この混合物10gをプライマー混合物100gに加えた。このプライマー混合物10gに1gのAncamide(商標)2767(高性能変性ポリアミド硬化剤)を添加し、ドローダウンバーを用いて5ミル(mil)のフィルムをプロピレンシート上に広げた。このコーティングを周囲温度で1週間硬化させた。コーティングをプロピレンシートから取り外し、IRスペクトルを上面及び底面のいくつかのスポットで記録した(図4A~4C)。同じ側からのスペクトルは同じであったが、互いに異なっていた。IRスペクトルは、上部にエポキシがほとんどなく、底部はほとんどエポキシのみであることを明らかにしている。従って、自己重層化が起こった。
【0029】
例2.
プライマーは、181gのEpon(商標)828、121gの、Aromatic 100中の2.9%MWNT分散液、18gの酢酸t-ブチル、4.1gのDisparlon(商標)6500、1.2gのThixotrol(商標)ST、423gのUP#6亜鉛粉、212gの亜鉛フレーク、54gのZn/Mg合金、54gのエポキシ化ガラスフレーク、32gのAromatic 100、1.2gのフェニルトリメトキシシラン、及び2gのグリシドオキシプロピルトリエトキシシランからなっていた。
【0030】
上記のプライマーに、炭酸プロピレン(50重量%)中の30gのトリエチレングリコールジビニルエーテル、3gのジエチレングリコールモノビニルエーテル、及び0.3gのトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩を添加した。この混合物の一部(10g)を1gのAncamide(商標)2767と混合し、5ミルのドローダウンバーを用いてポリプロピレンシート上にキャストした。4時間後、UVスポット硬化システムを用いてフィルムを高強度UV放射線に曝露した。光源から試料までの距離10cmで試料を1分間放射線に曝露した。
【0031】
本教示は、材料の1回の噴霧を可能にする。プライマー及びトップコートが混合され、次いで、この2つが接触時に分離して2つの層を形成する。通常、混合物は非混和性であるが、溶媒によって混和性にされる。本教示の1つの態様では、トップコートは水溶性トップコートであり、これはシロキサンを使用して達成することができる。本教示の1つの態様では、シランが加水分解されてケイ酸を生成し、次いでケイ酸が自発的に重合してシロキサンになる。シランの加水分解は、周囲空気中の湿度によって引き起こされることが可能である。コーティングは、モノマーの組み合わせ、又はモノマーとポリマーの組み合わせから作製することができる。
【0032】
本教示の別の態様では、絶縁層は使用されない。モレキュラーシーブを使用して、水のみを通過させる多孔質材料として作用させることができる。他の分子は浸透できない。モレキュラーシーブは、コーティングの内部から水を除去することができ、金属基材から水を除去することもできる。金属基材上で重合は起こらない。別の態様では、ジアミノ基をエポキシの硬化剤として使用することができる。この硬化剤は、顧客によってコーティングに添加することができる。エポキシは、典型的には数時間で重合する。
【0033】
本教示の別の態様では、太陽光を使用して重合を生じさせることができる。しかしながら、太陽光は、黒色カーボンナノチューブ、並びに光を反射する犠牲金属フレークのために、コーティングを完全には貫通しない。
【0034】
本教示の別の態様では、自己重層化コーティングの付与の前に、以下の方法を適用することができる:付随する基材を防食コーティングでコーティングする方法であって、第1の硬化性液体層を上記付随する基材に付与する(塗布する、設ける)工程であって、上記第1の硬化性液体層は少なくとも約100マイクロメートルの厚さを有し、上記第1の硬化性層は、少なくとも1種のポリマー又は少なくとも1種のモノマー、準一次元粒子又は準二次元粒子、犠牲金属粒子、及び溶媒を含み、上記準一次元粒子又は上記準二次元粒子の浸透(percolation)閾値は上記溶媒の存在下では到達されず、上記準一次元粒子又は上記準二次元粒子の浸透閾値は、上記溶媒の約1%~約20%が蒸発したときに到達される工程と、上記準一次元粒子又は上記準二次元粒子の浸透閾値が到達され、上記第1の硬化性液体層の粘度が50%を超えて上昇した後、少なくとも100マイクロメートルの厚さを有する第2の硬化性液体層を上記第1の硬化性液体層の上に付与する工程とを含む方法。上述の方法の後、次いで自己重層化コーティングを適用し、それによって3つの別々の層を作り出すことができる。
【0035】
条項1 - 自己重層化防食コーティングは、亜鉛リッチエポキシと、アミン、チオール、フェノール、及びカルボン酸無水物からなる群から選択される硬化剤と、アミノアルキルジアルコキシシラン、ジメトキシシラン、及びアミノアルキルトリアルコキシシランからなる群から選択される結合剤と、黒鉛材料と、溶媒と、水捕捉剤とを含む。
【0036】
条項2 - 自己重層化防食コーティングは、犠牲金属粒子と、黒鉛材料と、第1のモノマーと、少なくとも第2のモノマー又は少なくとも第1のポリマーと、コーティング内部での少なくとも1種のモノマーの重合を防止する材料とを含む。
【0037】
条項3 - 硬化剤及び結合剤をさらに含む、条項2に記載のコーティング。
【0038】
条項4 - 上記少なくとも2つの異なるモノマー又はポリマーが、エポキシ、ポリウレタン、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、脂環式エポキシド、オキセタン、エポキシド、フォトポリマー、シロキサン、及びポリ尿素からなる群から選択される、条項2又は条項3に記載のコーティング。
【0039】
条項5 - 上記黒鉛材料が、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、単層グラフェン、二層グラフェン、又は多層グラフェンからなる群から選択される、条項2から条項4のいずれか1つに記載のコーティング
【0040】
条項6 - 上記コーティング内部での少なくとも1種のモノマーの重合を防止する材料が、液体水捕捉剤、モレキュラーシーブ、シリカ、金属塩、及び金属酸化物からなる群から選択される水捕捉剤である、条項2から条項5のいずれか1つに記載のコーティング。
【0041】
条項7 - 上記犠牲金属粒子が、鉄よりも正の酸化還元電位を有する任意の金属からなる群から選択される、条項2から条項6のいずれか1つに記載のコーティング。
【0042】
条項8 - 上記犠牲金属粒子が、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、及びこれらの合金からなる群から選択される、条項2から条項7のいずれか1つに記載のコーティング。
【0043】
条項9 - 上記硬化剤が、アミン、チオール、フェノール、及びカルボン酸無水物からなる群から選択され、上記結合剤が、少なくとも2つのアルキル基を有するシランからなる群から選択される、条項2から条項8のいずれか1つに記載のコーティング。非限定的な例として、アミノアルキルジアルコキシシラン、ジメトキシシラン及びアミノアルキルトリアルコキシシラン。
【0044】
条項10 - 上記コーティングが、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタン、5,7-ジヨード-3-ブトキシ-6-フルオロン、2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-6-フルオロン、及び2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-9-シアノ-6-フルオロンからなる群から選択される光開始剤をさらに含む、条項2から条項9のいずれか1つに記載のコーティング。
【0045】
条項11 - 付随する基材上での自己重層化防食コーティングの方法であって、モノマー又はポリマー、溶媒、黒鉛材料、及び犠牲金属粒子を一緒に混合する工程と、上記付随する基材上への付与の前及び直後の上記コーティング内部での重合を防止する材料を添加する工程と、シラン混合物を添加する工程とを含む方法。
【0046】
条項12 - 硬化剤を添加する工程と、上記モノマー又はポリマー、上記溶媒、上記黒鉛材料、及び上記犠牲金属粒子、上記シラン混合物、及び上記硬化剤の混合物を、1回の噴霧において、上記付随する基材に付与する工程とをさらに含み、外部エフェクタが上記シラン混合物を加水分解してケイ酸を生成し、このケイ酸が自発的に重合してシロキサンになる、条項11に記載の方法。
【0047】
条項13 - 絶縁層が使用されない、条項11又は条項12に記載の方法。
【0048】
条項14 - 外部エフェクタが周囲水分又は光子である、条項11から条項13のいずれか1つに記載の方法。
【0049】
条項15 - 上記モノマー又はポリマーが、エポキシ、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、脂環式エポキシド、オキセタン、エポキシド、フォトポリマー、シロキサン、及びポリ尿素からなる群から選択される、条項11から条項14のいずれか1つに記載の方法。
【0050】
条項16 - 上記黒鉛材料が、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、単層グラフェン、二層グラフェン、又は多層グラフェンからなる群から選択される、条項11から条項15のいずれか1つに記載の方法。
【0051】
条項17 - 上記コーティング内部での重合を防止する材料が、液体水捕捉剤、モレキュラーシーブ、シリカ、金属塩、及び金属酸化物からなる群から選択される水捕捉剤である、条項11から条項16のいずれか1つに記載の方法。
【0052】
条項18 - 上記犠牲金属粒子が、鉄よりも正の酸化還元電位を有する任意の金属からなる群から選択される、条項11から条項17のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
条項19 - 上記犠牲金属粒子が、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、及びこれらの合金からなる群から選択される、条項11から条項18のいずれか1つに記載の方法。
【0054】
条項20 - 上記コーティングが、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタン、5,7-ジヨード-3-ブトキシ-6-フルオロン、2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-6-フルオロン、及び2,4,5,7-テトラヨード-3-ヒドロキシ-9-シアノ-6-フルオロンからなる群から選択される光開始剤をさらに含み、上記硬化剤が、アミン、チオール、フェノール、及びカルボン酸無水物からなる群から選択され、上記結合剤が、アミノアルキルジアルコキシシラン、ジメトキシシラン、及びアミノアルキルトリアルコキシシランからなる群から選択される、条項11から条項19のいずれか1つに記載の方法。
【0055】
条項21 - 付随する基材を防食コーティングでコーティングする方法であって、第1の硬化性液体層を上記付随する基材に付与する工程であって、上記第1の硬化性液体層は少なくとも約100マイクロメートルの厚さを有し、上記第1の硬化性層は、少なくとも1種のポリマー又は少なくとも1種のモノマー、準一次元粒子又は準二次元粒子、犠牲金属粒子、及び溶媒を含み、上記準一次元粒子又は上記準二次元粒子の浸透閾値は上記溶媒の存在下では到達されず、上記準一次元粒子又は上記準二次元粒子の浸透閾値は、上記溶媒の約1%~約20%が蒸発したときに到達される工程と、上記準一次元粒子又は上記準二次元粒子の浸透閾値が到達され、上記第1の硬化性液体層の粘度が50%を超えて上昇した後、少なくとも100マイクロメートルの厚さを有する第2の硬化性液体層を上記第1の硬化性液体層の上に付与する工程とを含む方法。
【0056】
条項22 - 上記第1の硬化性液体層及び第2の硬化性液体層を同時に硬化させることをさらに含む、条項21に記載の方法。
【0057】
条項23 - 上記少なくとも1種のモノマーが少なくとも2種のモノマーであり、この少なくとも2種のモノマーのうちの1種が少なくとも2つのエポキシ基を含有し、上記少なくとも2種のモノマーのうちの1種がカルボン酸無水物を含有し、上記少なくとも2種のモノマーのうちの1種が、アミノ、チオール、フェノール性ヒドロキシルの任意の組み合わせを含有する、条項21又は条項22に記載の方法。
【0058】
条項24 - 上記コーティングが実質的に水又は二酸化炭素を吸収せず、上記ポリマーが、いかなる界面も伴わずに連続的である、条項21から条項23のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
条項25 - 上記第1硬化性液体層が、準一次元粒子及び準二次元粒子を含有する、条項21から条項24のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
条項26 - 上記準一次元粒子が約0.1重量パーセント~約2.0重量パーセントの濃度を有し、上記準二次元粒子が約2.0重量パーセント~約20重量パーセントの濃度を有する、条項21から条項25のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
条項27 - 上記少なくとも1種のポリマーは、硬化させると、ポリウレタン、ポリ尿素又はその2つの混合物を形成する、条項21から条項26のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
条項28 - 上記準一次元粒子又は準二次元粒子が、黒鉛粒子、カーボンナノチューブ、グラフェン、ガラスフレーク、又はマイカから選択され、上記溶媒が、メチルエチルケトン、酢酸t-ブチル、キシレン、ヘキサン、オクタン、ノナン、又はデカンを含む脂肪族炭化水素を含有し、上記方法は、アミンブラッシュ又はブルームを回避する、条項21から条項27のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
条項29 - 上記コーティングは24時間未満で付与する(設ける)ことができる、条項21から条項28のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
条項30 - 上記第1の硬化性液体層の洗浄又は研磨(sanding)を含まない、条項21から条項29のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
条項31 - 上記準一次元粒子又は準二次元粒子が官能化されている、条項21から条項30のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
条項32 - 上記溶媒が200℃未満の沸点を有する、条項21から条項31のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
条項33 - ケトンは使用されない、条項21から条項32のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
条項34 - 上記準一次元粒子又は準二次元粒子が黒鉛材料であり、この黒鉛材料は、剥離され、分散中に切断され、上記少なくとも1種のポリマー又は少なくとも1種のモノマーに化学的に結合される、条項21から条項33のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
条項35 - 上記準一次元粒子又は準二次元粒子がガラスフレークであり、このガラスフレークがシリルコーティングされている、条項21から条項33のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
条項36 - 揮発性有機化合物が、上記コーティング中に25重量パーセント未満存在する、条項21から条項35のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
条項37 - 上記第2の硬化性液体層が、少なくとも1種のポリマー又は少なくとも1種のモノマー、犠牲金属粒子、及び溶媒を含む、条項21から条項36のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
条項38 - 防食コーティングされた基材であって、基材に付与された第1の硬化性液体層であって、この第1の硬化性液体層は、少なくとも約100マイクロメートルの厚さを有し、第1の硬化性層は、少なくとも1種のポリマー又は少なくとも1種のモノマー、準一次元粒子又は準二次元粒子、犠牲金属粒子、及び溶媒を含む第1の硬化性液体層と、上記第1の硬化性液体層の上の少なくとも100マイクロメートルの厚さを有する第2の硬化性液体層とを含み、上記準一次元粒子又は準二次元粒子の浸透閾値が到達され、上記第1の硬化性液体層及び第2の硬化性液体が同時に硬化されたものである、基材。
【0073】
条項39 - 上記少なくとも1種のモノマーが少なくとも2種のモノマーであり、上記少なくとも2種のモノマーのうちの1種が少なくとも2つのエポキシ基を含有し、上記少なくとも2種のモノマーのうちの1種がカルボン酸無水物を含有し、上記少なくとも2種のモノマーのうちの1種が、アミノ、チオール、フェノール性ヒドロキシルの任意の組み合わせを含有する、条項38に記載の基材。
【0074】
条項40 - 上記少なくとも1種のポリマーは、硬化させると、ポリウレタン、ポリ尿素、又はこれら2つの混合物を形成し、上記準一次元粒子又は準二次元粒子が、黒鉛粒子、カーボンナノチューブ、グラフェン、ガラスフレーク、又はマイカから選択され、上記溶媒が、メチルエチルケトン、酢酸t-ブチル、キシレン、ヘキサン、オクタン、ノナン、又はデカンを含む脂肪族炭化水素を含有する、条項38又は条項39に記載の基材。
【0075】
以上、様々な態様が説明された。上記の方法及び装置は、本教示の一般的な範囲から逸脱することなく変更及び改変を組み込んでもよいことが当業者には明らかであろう。本教示は、添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内に入る限り、すべてのそのような改変及び変更を含むことが意図される。上記の説明は、多くの特定の内容を含むが、これは、本教示の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、本教示の態様のうちのいくつかの例示を提供するにすぎないと解釈されるべきである。様々な他の態様及び変法が、その範囲内で可能である。
【0076】
さらには、本教示の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含有する。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C