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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 6/00 20200101AFI20240603BHJP
   B62J 6/022 20200101ALI20240603BHJP
   B62J 6/04 20200101ALI20240603BHJP
   B62J 6/26 20200101ALI20240603BHJP
【FI】
B62J6/00
B62J6/022
B62J6/04
B62J6/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022571531
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(86)【国際出願番号】 JP2021047474
(87)【国際公開番号】W WO2022138689
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2020212431
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】村松 謙一
(72)【発明者】
【氏名】井上 武宏
(72)【発明者】
【氏名】加茂 厚
(72)【発明者】
【氏名】高木 洋子
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0025962(US,A1)
【文献】特開2018-144573(JP,A)
【文献】特開2018-144798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 6/00 ー 6/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーン車両又は鞍乗型車両である車両であって、
前記車両は、
前記車両において前記車両の横方向に1人の乗員のみが着座することを許容する車両横方向シングルシートと、前記車両横方向シングルシートに着座した前記乗員が前記車両の運転中に足を載せる足載部とを備え、複数の車輪を支持する車体と、
前記車体に配置され、1個又は複数個のレーザ光源素子と、1個又は複数個のレーザ光源素子に共通の出力部とを有し、前記1個又は複数個のレーザ光源素子から出力されたレーザ光を前記出力部から発するように構成された1つのレーザ光源ユニットと、
前記車体の前後方向において、前記レーザ光源ユニットよりも前に配置され、前記レーザ光源ユニットから供給されるレーザ光により発光する前方発光部と、
前記車体の前後方向において、前記レーザ光源ユニットよりも後に配置され、前記レーザ光源ユニットから供給されるレーザ光により発光する後方発光部と、
前記レーザ光源ユニットから前後分岐部を介して前記前方発光部及び前記後方発光部の双方へ延び、前記レーザ光源ユニットから発せられたレーザ光を前記前後分岐部において分岐して前記前方発光部及び前記後方発光部の双方へ供給し、前記車両の側面視において、前記レーザ光源ユニットから前記前後分岐部までの長さが、前記前後分岐部から前記前方発光部及び前記後方発光部の各々までの合計長さよりも短くなるように設けられた光ファイバケーブルとを備え、
前記レーザ光源ユニットは、さらに、第1方向の端と、前記第1方向とは反対の方向である第2方向の端とを有し、前記第2方向の端よりも前記第1方向に位置するように設けられた前記出力部から発せられたレーザ光を、前記第1方向の端よりも前記第1方向に位置するように設けられた前記前後分岐部を介して、前記前方発光部及び前記後方発光部の各々に供給するように構成されており、前記第1方向及び前記第2方向は、前記車両の前後方向、左右方向、又は上下方向であり、
前記レーザ光源ユニットの少なくとも一部は、前記車両の側面視において、前記足載部よりも上に位置し、かつ、前記車両の平面視において、前記車両横方向シングルシートの左端と右端の間に位置する
ことを特徴とする車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両であって、
前記前方発光部は、前記車両の正面視において被視認可能であるように、及び/又は前記車両横方向シングルシートに着座した前記乗員から視認可能であるように、前記車両横方向シングルシートの前端よりも前に設けられ、
前記後方発光部は、前記車両の背面視において被視認可能であるように前記車両横方向シングルシートの前記前端よりも後に設けられる
ことを特徴とする車両。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両であって、
前記光ファイバケーブルは、前記車両の側面視において、前記レーザ光源ユニットから前記前後分岐部までの長さが、前記前後分岐部から前記前方発光部及び前記後方発光部の各々までの長さのうち、少なくとも一方の長さよりも短くなるように設けられる
ことを特徴とする車両。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1に記載の車両であって、
前記前方発光部及び前記後方発光部の各々は、フラッシャとして機能する
ことを特徴とする車両。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1に記載の車両であって、
前記車両は、さらに、
前記複数の車輪の少なくとも1つに伝達される動力を発生する動力源を備え、
前記前方発光部及び前記後方発光部の各々は、少なくとも前記動力源の動作中に常時点灯する
ことを特徴とする車両。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1に記載の車両であって、
前記前方発光部は、ポジションランプ及びメータランプの少なくとも一つのランプとして機能し、
前記後方発光部は、ポジションランプ及びライセンスランプの少なくとも一つのランプとして機能する
ことを特徴とする車両。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1に記載の車両であって、
前記車両の側面視において、前記光ファイバケーブルのうち、前記レーザ光源ユニットから前記前後分岐部までの第1部分、前記前後分岐部から前記前方発光部までの第2部分、及び、前記前後分岐部から前記後方発光部までの第3部分は、それぞれ、前記車両の高さ方向における上端と下端とを有しており、
前記車両の高さ方向において、前記第1部分の上端から下端までの長さは、前記第2部分の上端から下端までの長さよりも短く、かつ、前記第3部分の上端から下端までの長さよりも短い
ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーン車両又は鞍乗型車両である車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、レーザ光を利用した灯火器装置を有する車両が示されている。特許文献1の車両は鞍乗型車両である。また、特許文献1の鞍乗型車両は、左右へリーンする。
【0003】
灯火器装置は、レーザ光源と、レーザ光源から所望の位置まで導光する導光部と、導光部の先端に設けられて導光部からの光を車両周囲に照射する複数の発光部とを備える。複数の発光部の中には、発光態様が互いに異なる発光部が含まれている。
【0004】
特許文献1において、一つの実施形態の車両は、ハイビーム用光源として機能するようにフロントカバーに設けられた発光部と、補助ハイビーム用光源として機能するようにバックミラーに設けられた発光部とを備える。レーザ光源が、シート下に設けられている。導光部は、レーザ光源から前に延びる共通部分と、共通部分から各発光部へ延びる単独部分と、共通部分から各単独部分へ上下方向に分岐するようにハンドル近傍に設けられた分岐部分とを有する。
【0005】
特許文献1において、他の実施形態の車両は、ハイビーム用光源として機能するようにフロントカバーに設けられた左右一対の発光部と、ロービーム用光源として機能するようにフロントカバーに設けられた左右一対の発光部とを備える。2つのレーザ光源が、シート下に設けられている。一方のレーザ光源は、ハイビーム用である。他方のレーザ光源は、ロービーム用である。ハイビーム用及びロービーム用の導光部の各々は、レーザ光源から前に延びる共通部分と、共通部分から各発光部へ延びる単独部分と、共通部分から各単独部分へ左右方向に分岐するようにハンドル近傍に設けられた分岐部分とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-144573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、リーン車両又は鞍乗型車両である車両において、レーザ光源に関して、配置自由度を高め、コンパクトな配置と、スペースの効率的な利用とを実現するように、レーザ光源を採用することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述の目的を達成するために以下の検討を行った。
【0009】
リーン車両は、旋回などの動作を行う際に、乗員の体重移動を必要とする。鞍乗型車両は、乗員がシートに跨った状態で走行する。そのため、リーン車両又は鞍乗型車両である車両は、キャビンを有する一般的な四輪車と比べて、車幅が小さいように構成されている。一般的に、リーン車両又は鞍乗型車両である車両には、機動性・軽快性・簡便性が要求される。従って、リーン車両又は鞍乗型車両である車両に対する小型化及び軽量化の要求は非常に高い。ボディ内の構成は、密に配置されている。
【0010】
上述のように、特許文献1の車両では、レーザ光源がシート下に設けられる。導光部の共通部分が、レーザ光源からハンドル近傍の分岐部分まで延びる。共通部分は分岐部分で上下又は左右に分岐し、単独部分として各発光部に至る。特許文献1のレイアウトでは、レーザ光源の配置を変えると、共通部分の長さが大きく変わる。また、共通部分が比較的長い。そのため、コンパクトな配置が困難である。加えて、配策位置の確保及び/又は変更が必要になる。しかし、リーン車両又は鞍乗型車両である車両では、上述のように、構成が比較的密に配置される。そのため、配策スペースには制限があり、配策位置の確保及び/又は変更は容易ではない。その結果、レーザ光源の位置の自由な変更も困難である。レーザ光源は比較的大型であるため、レーザ光源の配置自由度が高くない場合、他の構成の位置関係の調整も容易ではない。その結果、機器設置スペースの効率的な利用が困難になる。リーン車両又は鞍乗型車両である車両にとって、軽快性、機動性及び簡便性は重要であり、コンパクトな配置とスペースの効率的な利用との両立が望ましい。
【0011】
本発明者らは、上述の事項について検討を行い、本発明を完成させた。本発明は、以下の構成を採用する。
【0012】
リーン車両又は鞍乗型車両である車両であって、
車両は、
車両において車両の横方向に1人の乗員のみが着座することを許容する車両横方向シングルシートと、車両横方向シングルシートに着座した乗員が車両の運転中に足を載せる足載部とを備え、複数の車輪を支持する車体と、
車体に配置され、1個又は複数個のレーザ光源素子と、1個又は複数個のレーザ光源素子に共通の出力部とを有し、1個又は複数個のレーザ光源素子から出力されたレーザ光を出力部から発するように構成された1つのレーザ光源ユニットと、
車体の前後方向において、レーザ光源ユニットよりも前に配置され、レーザ光源ユニットから供給されるレーザ光により発光する前方発光部と、
車体の前後方向において、レーザ光源ユニットよりも後に配置され、レーザ光源ユニットから供給されるレーザ光により発光する後方発光部と、
レーザ光源ユニットから前後分岐部を介して前方発光部及び後方発光部の双方へ延び、レーザ光源ユニットから発せられたレーザ光を前後分岐部において分岐して前方発光部及び後方発光部の双方へ供給し、車両の側面視において、レーザ光源ユニットから前後分岐部までの長さが、前後分岐部から前方発光部及び後方発光部の各々までの合計長さよりも短くなるように設けられた光ファイバケーブルと
を備え、
レーザ光源ユニットは、さらに、第1方向の端と、第1方向とは反対の方向である第2方向の端とを有し、第2方向の端よりも第1方向に位置するように設けられた出力部から発せられたレーザ光を、第1方向の端よりも第1方向に位置するように設けられた前後分岐部を介して、前方発光部及び後方発光部の各々に供給するように構成されており、第1方向及び第2方向は、車両の前後方向、左右方向、又は上下方向であり、
レーザ光源ユニットの少なくとも一部は、車両の側面視において、足載部よりも上に位置し、かつ、車両の平面視において、車両横方向シングルシートの左端と右端の間に位置する
ことを特徴とする車両。
【0013】
前方発光部と後方発光部とで1つのレーザ光源ユニットを兼用するので、複数のレーザ光源ユニットを用いる場合と比べて、レーザ光源ユニット全体として小型化を図ることができる。その結果、レーザ光源ユニットの配置自由度が高い。車両前後方向において、1つのレーザ光源ユニットが、前方発光部と後方発光部との間に配置されるので、分岐部の位置を変えても、光ファイバケーブル全体としての長さの変化を抑制又は防止できる。また、レーザ光源ユニットから前後分岐部までの光ファイバケーブル(共通部分)の長さが、前後分岐部から前方発光部及び後方発光部の各々までの光ファイバケーブル(単独部分)の合計長さよりも短い。よって、車両前後方向におけるレーザ光源ユニットの配置自由度が高い。機器のレイアウトの調整が行い易くなる。機器設置スペースの効率的な利用が可能になる。さらに、共通部分が短いので、配策スペースの大型化を防止又は抑制でき、コンパクトな配置が可能になる。リーン車両又は鞍乗型車両である車両にとって、軽快性、機動性及び簡便性が重要であるので、コンパクトな配置とスペースの効率的な利用との両立は好適である。
上記車両では、レーザ光源ユニットが、第2方向の端よりも第1方向に位置するように設けられた出力部から発せられたレーザ光を、第1方向の端よりも第1方向に位置するように設けられた前後分岐部を介して、前方発光部及び後方発光部の各々に供給するように構成されており、かつ、レーザ光源ユニットの少なくとも一部は、車両の側面視において、足載部よりも上に位置し、かつ、車両の平面視において、車両横方向シングルシートの左端と右端の間に位置する。そのため、レーザ光源ユニットから前後分岐部までの光ファイバケーブル(共通部分)の長さを短くしつつ、前後分岐部から前方発光部及び後方発光部の各々までの光ファイバケーブル(単独部分)の長さも短くできる。より詳細には、以下のとおりである。
前後分岐部を出力部に近づけることができるので、レーザ光源ユニットから前後分岐部までの光ファイバケーブル(共通部分)の長さを短くできる。また、前方発光部及び後方発光部は、視認性及び/又は被視認性の観点から、車両の上部に設けられることが多い。そのため、上記のように、レーザ光源ユニットの少なくとも一部が、車両の側面視において、足載部よりも上に位置することにより、レーザ光源ユニットを、車両の高さ方向において、前方発光部及び後方発光部の近くに配置できる。その結果、前後分岐部から前方発光部及び後方発光部の各々までの光ファイバケーブル(単独部分)の長さも短くできる。
【0014】
実施形態は、例えば、以下の構成を採用可能である。
【0015】
前方発光部は、車両の正面視において被視認可能であるように、及び/又は車両横方向シングルシートに着座した乗員から視認可能であるように、車両横方向シングルシートの前端よりも前に設けられ、後方発光部は、車両の背面視において被視認可能であるように車両横方向シングルシートの前端よりも後に設けられる。車両前後方向における前方発光部と後方発光部との距離が長く確保され、その間で、レーザ光源ユニットが配置されるので、レーザ光源ユニットの配置自由度が向上する。コンパクトな配置とスペースの効率的な利用との両立が、より高いレベルで実現可能である。
【0016】
光ファイバケーブルは、車両の側面視において、レーザ光源ユニットから前後分岐部までの長さが、前後分岐部から前方発光部及び後方発光部の各々までの長さのうち、少なくとも一方の長さよりも短くなるように設けられる。共通部分の更なる短縮化を図ることができる。コンパクトな配置とスペースの効率的な利用との両立が、より高いレベルで実現可能である。
【0017】
前方発光部及び後方発光部の各々は、フラッシャとして機能してもよい。
【0018】
車両は、さらに、複数の車輪の少なくとも1つに伝達される動力を発生する動力源を備え、前方発光部及び後方発光部の各々は、少なくとも動力源の動作中に常時点灯してもよい。「動力源の動作中」とは、例えば、乗員がアクセル操作子等を操作すれば、車両が走行する状況であればよい。つまり、動力源がエンジンの場合は、アイドリング状態を含む。動力源がモータの場合は、モータがいつでも駆動できる状態(スタンバイ状態)を含む。
【0019】
前方発光部は、ポジションランプ及びメータランプの少なくとも一つのランプとして機能し、後方発光部は、ポジションランプ及びライセンスランプの少なくとも一つのランプとして機能してもよい。
【0020】
車両の側面視において、光ファイバケーブルのうち、レーザ光源ユニットから前後分岐部までの第1部分、前後分岐部から前方発光部までの第2部分、及び、前後分岐部から後方発光部までの第3部分は、それぞれ、車両の高さ方向における上端と下端とを有しており、車両の高さ方向において、第1部分の上端から下端までの長さは、第2部分の上端から下端までの長さよりも短く、かつ、第3部分の上端から下端までの長さよりも短くてもよい。共通部分の更なる短縮化を図ることができる。コンパクトな配置とスペースの効率的な利用との両立が、より高いレベルで実現可能である。
【0021】
リーン車両又は鞍乗型車両である車両は、例えば、乗車定員が1名又は2名の小型車両である。車両は、例えば、車両の横方向に1人の乗員のみが着座することを許容する車両横方向シングルシートを1つ又は2つ備える。2つの車両横方向シングルシートは、例えば、車両の前後方向に並んで配置される。2つの車両横方向シングルシートは、例えば、別々に形成されていてもよいし、単一のシート部材として一体的に形成されていてもよい。
車両横方向シングルシートは、車両の横方向、すなわち、左右方向に1人の乗員のみが着座することを許容するものであればよい。例えば、乗員が跨るように着座するシートは、車両横方向シングルシートである。例えば、着座面が車両横方向に1人分しかないシートは、車両横方向シングルシートである。着座面は、例えば、車両を運転しているときに、乗員の臀部が接触する面、或いは、乗員の臀部を支持する面である。
車両横方向シングルシートにおける左右方向の最大長さは、例えば、車両における左右方向の最大長さの1/2よりも大きい。車両横方向シングルシートにおける左右方向の最大長さは、例えば、車体フレームにおける左右方向の最大長さの1/2よりも大きい。車両横方向シングルシートにおける左右方向の最大長さは、例えば、足載部における左右方向の最大長さの1/2よりも大きい。
足載部が左右両方の足を載せるものである場合、足載部における左右方向の最大長さは、車両の左右方向、つまり、車両横方向における足載部の左端から右端までの長さである。足載部が左右両方の足を載せるものとしては、例えば、スクーターのフートボードが挙げられる。
足載部が左足を載せる左足載部と右足を載せる右足載部とを含むものである場合、足載部における左右方向の最大長さは、車両の左右方向における左足載部の左端から右足載部の右端までの長さである。足載部が左足を載せる左足載部と右足を載せる右足載部とを含むものとしては、例えば、自動二輪車のステップが挙げられる。
車両横方向シングルシートは、車両における左右方向の中央部に位置する。車両横方向シングルシートが車両における左右方向の中央部に位置する態様には、例えば、車両横方向シングルシートが、平面視において、車両における左右方向の中心を通過しかつ車両における前後方向に延びる直線に重なる態様が含まれる。
車両の側面視において、レーザ光源ユニットの一部又は全部は、足載部よりも上に位置する。車両の側面視において、レーザ光源ユニットの一部又は全部は、足載部の真上に位置していてもよいし、足載部の真上に位置していなくてもよい。車両の側面視において、レーザ光源ユニットの一部又は全部は、車両の高さ方向で、足載部よりも上に位置する。例えば、車両の側面視において、レーザ光源ユニットの全部が、車両の高さ方向で、足載部よりも上に位置する。
車両の平面視において、レーザ光源ユニットの一部又は全部は、車両横方向シングルシートの左端と右端の間に位置する。別の表現をすれば、車両の平面視において、レーザ光源ユニットの一部又は全部は、車両横方向シングルシートの左端を通過しかつ車両の前後方向に延びる左端基準線と、車両横方向シングルシートの右端を通過しかつ車両の前後方向に延びる右端基準線との間に位置する。さらに別の表現をすれば、車両の平面視において、レーザ光源ユニットの一部又は全部は、車両横方向シングルシートの左端よりも右に位置し、かつ、車両横方向シングルシートの右端よりも左に位置する。車両の平面視において、レーザ光源ユニットの一部又は全部は、車両横方向シングルシートに重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。
車両横方向シングルシートにおける左右方向の両端部は、それぞれ、車体フレームに支持される。車体フレームは、例えば、車両横方向シングルシートの下方に配置される。車体フレームは、例えば、車両横方向シングルシートにおける左端部を支持する左フレーム部と、車両横方向シングルシートにおける右端部を支持する右フレーム部とを含む。車両の平面視において、レーザ光源ユニットの一部又は全部は、例えば、左フレーム部の右端よりも右に位置し、かつ、右フレーム部の左端よりも左に位置する。
車両は、例えば、少なくとも1つの前輪と、少なくとも1つの後輪とを備える。車両は、例えば、車輪に伝達される動力を発生させる駆動源を備える。駆動源は、例えば、エンジンであってもよいし、電気モータであってもよいし、エンジン及び電気モータであってもよい。
車両は、例えば、レーザ光の出力に用いられる電力を蓄える電源を備える。
車両は、例えば、ステアリングハンドルを備える。ステアリングハンドルは、例えば、車両が直進するときのハンドル位置であるハンドル中立位置に位置する場合に、車両の平面視において、車両における左右方向の最大長さの1/2よりも大きな左右方向の長さを有する。このようなステアリングハンドルは、例えば、バーハンドルである。バーハンドルは、例えば、車両の左右方向に連続して延びる単一のバーハンドルであってもよいし、車両の左右方向に離れて配置される左バーハンドル及び右バーハンドルを含んでいてもよい。
ステアリングハンドルがハンドル中立位置に位置する場合、車両横方向シングルシートは、例えば、車両の平面視において、ステアリングハンドルの左端と右端の間に位置する。車両横方向シングルシートにおける左右方向の最大長さは、例えば、ステアリングハンドルにおける左右方向の最大長さの1/2よりも大きい。
【0022】
鞍乗型車両は、例えば、運転者が鞍に跨るように着座する車両横方向シングルシートを備える車両である。鞍乗型車両は、例えば、運転者が鞍に跨るようにして乗車する形式の車両である。鞍乗型車両は、特に限定されず、例えば、自動二輪車が挙げられる。また、鞍乗型車両は、自動二輪車に限定されず、例えば、3つの車輪を有する自動三輪車、4つの車輪を有するATV(All-Terrain Vehicle)、又は、ROV(Recreational Off-highway Vehicle)であってもよい。
【0023】
リーン車両は、リーン姿勢で旋回する車両である。リーン車両は、旋回時にカーブの内方向にリーンするように構成されている。リーン車両は、旋回時にカーブの内方向に傾斜する車体を備える。リーン車両が、鞍乗型車両を兼ねていてもよい。リーン車両は、例えば、旋回時にカーブの内方向にリーンするように構成された鞍乗型車両が挙げられる。そのような車両としては、例えば、自動二輪車、自動三輪車等が挙げられる。自動三輪車は、前二輪型であってもよく、後二輪型であってもよい。リーン車両は、例えば、シットインタイプのシートを備えていてもよい。
【0024】
車体は、車両の横方向に1人の乗員のみが着座することを許容する車両横方向シングルシートを備える。車両横方向シングルシートは、例えば、車体を構成する車体フレームによって支持される。車体フレームは、例えば、左フレーム部と、右フレーム部とを含む。左フレーム部及び右フレーム部は、例えば、車両横方向シングルシートの下方に配置され、車両横方向シングルシートを支持する。車体は、複数の車輪をそれぞれ回転可能に支持する。複数の車輪は、例えば、少なくとも1つの前輪と、少なくとも1つの後輪とを含む。複数の車輪は、例えば、車両の前後方向に離れて配置される。複数の車輪は、例えば、少なくとも1つの操舵輪と、少なくとも1つの駆動輪とを含む。操舵輪は、例えば、車両の運転者がステアリングハンドルを操作することで操舵される。運転者は、ステアリングハンドルの代わりに、例えば、ジョイスティック等を操作してもよい。操舵輪が操舵されることにより、車両の進行方向が変化する。駆動輪は、例えば、車両に設けられた動力源からの動力が伝達されることで回転する。駆動輪が回転することにより、車両が走行する。
【0025】
レーザ光源ユニットは、外部にレーザ光を出力するユニットである。レーザ光源ユニットは、1つのレーザ光源素子を有する。しかし、レーザ光源ユニットは、特に限定されず、例えば、複数のレーザ光源素子を有してもよい。レーザ光源素子は、電力-光変換素子である。レーザ光源素子は、外部から電力の供給を受けて、外部にレーザ光を出力する。レーザ光源素子に供給される電力は、例えば、車両に設けられたバッテリに蓄えられている。つまり、レーザ光源素子は、車両に設けられたバッテリから電力の供給を受けて、レーザ光を出力する。レーザ光源ユニットは、例えば、レーザドライバ基板をさらに含む。レーザドライバ基板は、例えば、1個又は複数個のレーザ光源素子を制御するドライバ回路を有する。レーザ光源ユニットは、例えば、1個又は複数個のレーザ光源素子と、レーザドライバ基板とを収容するハウジングをさらに含む。出力部は、例えば、ハウジングに設けられる。レーザ光源ユニットは、前後分岐部に繋がる出力部の他に、レーザ光を出力する、他の出力部を有していてもよい。当該他の出力部は、前後分岐部に繋がらない。
レーザ光源ユニットは、例えば、前後上下左右のそれぞれに側面を有する。この場合、出力部は、何れかの側面に設けられていればよい。つまり、レーザ光源ユニットにおいてレーザ光が出力される方向は、特に限定されない。
レーザ光源ユニットは、例えば、車両の側面視において、車両横方向シングルシートの着座面よりも下に配置される。レーザ光源ユニットは、例えば、車両の高さ方向において、足載部よりも車両横方向シングルシートの近くに配置される。レーザ光源ユニットは、例えば、車両の高さ方向において、足載部よりも前方発光部又は後方発光部の近くに配置される。
レーザ光源ユニットは、さらに、第1方向の端と、第2方向の端とを有する。第2方向は、第1方向とは反対の方向である。第1方向及び第2方向は、車両の前後方向、左右方向、又は上下方向である。例えば、第1方向及び第2方向が車両の前後方向である場合、第1方向が車両の前方向であり、かつ、第2方向が車両の後方向であってもよいし、第1方向が車両の後方向であり、かつ、第2方向が車両の前方向であってもよい。第1方向及び第2方向が車両の左右方向である場合や、第1方向及び第2方向が車両の上下方向である場合についても、同様である。例えば、第1方向が車両の前方向であり、かつ、第2方向が車両の後方向である場合、レーザ光源ユニットは、車両の後方向の端よりも前方向に位置するように設けられた出力部から発せられたレーザ光を、前方向の端よりも前方向に位置するように設けられた前後分岐部を介して、前方発光部及び後方発光部の各々に供給するように構成されている。レーザ光源ユニットは、第1方向又は第2方向において、前後分岐部と重なっていてもよいし、前後分岐部と重なっていなくてもよい。
【0026】
前方発光部及び後方発光部は、それぞれ、レーザ光を受けて発光、或いは、レーザ光を透過するように構成されている。発光部は、特に限定されず、例えば、レーザ光を屈折させるレンズ、レーザ光を反射させるリフレクタ、及び、側面からレーザ光を放出するサイドエミッティングファイバの少なくとも一つを有する。前方発光部及び後方発光部の発光態様は、レーザ光源ユニットによってレーザ光源素子が制御されることで制御されてもよく、レーザ光源素子がレーザ光を出力している状況下でレーザ発光態様変換部材によって制御されてもよい。レーザ発光態様変換部材は、発光部の発光態様を変化させるための部材である。レーザ発光態様変換部材としては、例えば、光スイッチ、フィルタ、蛍光体などが挙げられる。前方発光部は、例えば、ポジションランプや、メータランプ、フラッシャ、ヘッドライト等である。メータランプは、例えば、メータインジケータランプを含む。メータランプやヘッドライトは、例えば、車両を走行させるための動力を発生する動力源の動作中に常時点灯する。後方発光部は、例えば、ポジションランプや、ライセンスランプ、フラッシャ等を含む。ポジションランプは、例えば、テールランプである。ポジションランプやライセンスランプは、例えば、車両を走行させるための動力を発生する動力源の動作中に常時点灯する。車両の側面視において、前方発光部及び後方発光部は、例えば、足載部よりも上に配置される。車両の側面視において、前方発光部及び後方発光部の少なくとも一方は、例えば、レーザ光源ユニットよりも上に配置される。
【0027】
光ファイバケーブルは、例えば、出力部に接続される。光ファイバケーブルは、例えば、出力部から出力されたレーザ光を複数の発光部の各々へ伝達する。
光ファイバケーブルのうち、レーザ光源ユニットから前後分岐部までの第1部分は、共通部分であり、前後分岐部から前方発光部までの第2部分、及び、前後分岐部から後方発光部までの第3部分は、それぞれ、単独部分である。
車両の側面視において、光ファイバケーブルのうち、第2部分又は第3部分の少なくとも一部は、例えば、レーザ光源ユニットと車両の高さ方向に重なる(或いは、並ぶ)。車両の平面視において、光ファイバケーブルのうち、第2部分又は第3部分の少なくとも一部は、例えば、レーザ光源ユニットと車両の横方向に重なる(或いは、並ぶ)。
光ファイバケーブルのうち、第2部分又は第3部分は、例えば、レーザ光の出力方向において、レーザ光源ユニットに重なる。光ファイバケーブルのうち、第2部分又は第3部分は、例えば、レーザ光の出力方向に対する直交方向において、レーザ光源ユニットに重なる。なお、レーザ光の出力方向は、例えば、出力部内においてレーザ光をレーザ光源ユニットの外部に導く部分が延びる方向である。
【0028】
上述した他の観点による構成を互いに組み合わせることは制限されない。実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されたまたは図面に図示された構成要素の構成および配置の詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態でも可能であり、様々な変更を加えた実施形態でも可能である。また、本発明は、後述する変形例を適宜組み合わせて実施することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、リーン車両又は鞍乗型車両である車両における機器設置スペースを効率的に利用し、車両の大型化を防止又は抑制しつつレーザ光源を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態に係る車両の側面図と、レーザ光源ユニットから各発光部までのレーザ光の経路とを併せて示す図面である。
図2】本発明の一実施形態に係る車両において、光ファイバケーブルにおける前後分岐部とレーザ光源ユニットの位置関係の変形例を示す図面である。
図3】本発明の一実施形態に係る車両において、光ファイバケーブルにおける前後分岐部とレーザ光源ユニットの位置関係の他の変形例を示す図面である。
図4】本発明の他の実施形態に係る車両として、スクーターを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態による車両の詳細について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例である。本発明は、以下に説明する実施形態によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0032】
図1を参照しながら、本発明の実施形態による鞍乗型車両10について説明する。鞍乗型車両10は、車体20と、複数の車輪30と、複数の発光部40と、レーザ光源ユニット50と、光ファイバケーブル60とを備える。
【0033】
車体20は、バーハンドル22を有する。車体20は、バーハンドル22を回転可能に支持する。車体20は、車両横方向シングルシート24を有する。車両横方向シングルシート24は、鞍乗型車両10において鞍乗型車両10の横方向(紙面に垂直な方向)に1人の乗員のみが着座することを許容する。鞍乗型車両10の運転者は、車両横方向シングルシート24に着座して、鞍乗型車両10を運転する。車体20は、足載部26を有する。足載部26は、車両横方向シングルシート24に着座した乗員が鞍乗型車両10の運転中に足を載せる部分である。鞍乗型車両10では、足載部26は、乗員が左足を載せる左ステップ26Lと、乗員が右足を載せる右ステップ(図示せず)とを含む。車体20は、鞍乗型車両10が左方向Lに旋回するときに左方向Lに傾斜し、鞍乗型車両10が右方向Rに旋回するときに右方向Rに傾斜する。なお、鞍乗型車両10における各種方向は、車両横方向シングルシート24に着座した運転者を基準にしている。
【0034】
車体20は、複数の車輪30を支持する。複数の車輪30は、鞍乗型車両10が左方向Lに旋回するときには車体20とともに左方向Lに傾斜し、鞍乗型車両10が右方向Rに旋回するときには車体20とともに右方向Rに傾斜する。複数の車輪30は、操舵輪としての前輪30Fと、駆動輪としての後輪30Rとを含む。つまり、操舵輪としての前輪30Fは、車体20に支持される。操舵輪としての前輪30Fは、鞍乗型車両10の運転者によるバーハンドル22への操作が機械的に伝達されることにより、当該操作に応じて操舵される。なお、駆動輪としての後輪30Rには、車体20が支持する駆動源28の動力が伝達されることで回転し、それによって、鞍乗型車両10が走行する。
【0035】
複数の発光部40は、車外から被視認可能であるように設けられている。複数の発光部40は、前方発光部40Fと、後方発光部40Rとを含む。前方発光部40Fは、車体20の前後方向において、レーザ光源ユニット50よりも前に配置され、レーザ光源ユニット50から供給されるレーザ光により発光する。前方発光部40Fは、鞍乗型車両10の正面視において被視認可能であるように車両横方向シングルシート24の前端よりも前に設けられる。前方発光部40Fは、車両横方向シングルシート24に着座した乗員から視認可能であるように車両横方向シングルシート24の前端よりも前に設けられていてもよい。後方発光部40Rは、車体20の前後方向において、レーザ光源ユニット50よりも後に配置され、レーザ光源ユニット50から供給されるレーザ光により発光する。後方発光部40Rは、鞍乗型車両10の背面視において被視認可能であるように車両横方向シングルシート24の前端よりも後に設けられる。前方発光部40F及び後方発光部40Rの各々は、例えば、フラッシャとして機能してもよい。前方発光部40F及び後方発光部40Rの各々は、例えば、少なくとも駆動源28の動作中に常時点灯してもよい。前方発光部40Fは、例えば、ポジションランプ及びメータランプの少なくとも一つのランプとして機能してもよい。後方発光部40Rは、例えば、ポジションランプ及びライセンスランプの少なくとも一つのランプとして機能してもよい。
【0036】
レーザ光源ユニット50は、複数の発光部40に出力するためのレーザ光を生成し、生成したレーザ光を複数の発光部40に出力する。レーザ光源ユニット50は、車体20に配置される。レーザ光源ユニット50は、レーザ光源素子52と、出力部58とを有する。レーザ光源ユニット50は、レーザ光源素子52から出力されたレーザ光を出力部58から発するように構成されている。
【0037】
光ファイバケーブル60は、出力されたレーザ光を複数の発光部40の各々へ伝達するレーザ光経路の少なくとも一部を構成する。光ファイバケーブル60は、レーザ光源ユニット50と複数の発光部40とを接続する。光ファイバケーブル60は、その途中で分岐している。光ファイバケーブル60は、レーザ光源ユニット50から前後分岐部62を介して前方発光部40F及び後方発光部40Rの双方へ延びる。光ファイバケーブル60は、レーザ光源ユニット50から発せられたレーザ光を前後分岐部62において分岐して前方発光部40F及び後方発光部40Rの双方へ供給する。光ファイバケーブル60は、鞍乗型車両10の側面視において、レーザ光源ユニット50から前後分岐部62までの長さL1が、前後分岐部62から前方発光部40F及び後方発光部40Rの各々までの合計長さ(L2+L3)よりも短くなるように設けられている。光ファイバケーブル60は、鞍乗型車両10の側面視において、レーザ光源ユニット50から前後分岐部62までの長さL1が、前後分岐部62から前方発光部40F及び後方発光部40Rの各々までの長さL2、L3のうち、少なくとも一方の長さよりも短くなるように設けられていてもよい。
【0038】
レーザ光源ユニット50は、さらに、第1方向の端501と、第2方向の端502とを有する。第2方向は、第1方向とは反対の方向である。図1に示す例では、第1方向は鞍乗型車両10の前方向であり、第2方向は鞍乗型車両の後方向である。レーザ光源ユニット50は、端502よりも前方向に位置するように設けられた出力部58から発せられたレーザ光を、端501よりも前方向に位置するように設けられた前後分岐部62を介して、前方発光部40F及び後方発光部40Rの各々に供給するように構成されている。
レーザ光源ユニット50の少なくとも一部は、鞍乗型車両10の側面視において、足載部26よりも上に位置し、かつ、鞍乗型車両10の平面視において、車両横方向シングルシート24の左端と右端の間に位置する。
【0039】
鞍乗型車両10の側面視において、光ファイバケーブル60のうち、レーザ光源ユニット50から前後分岐部62までの第1部分601、前後分岐部62から前方発光部40Fまでの第2部分602、及び、前後分岐部62から後方発光部40Rまでの第3部分603は、それぞれ、鞍乗型車両10の高さ方向における上端と下端とを有している。鞍乗型車両10の高さ方向において、第1部分601の上端から下端までの長さH1は、第2部分602の上端から下端までの長さH2よりも短く、かつ、第3部分603の上端から下端までの長さH3よりも短くてもよい。
【0040】
鞍乗型車両10の側面視において、光ファイバケーブル60のうち、第2部分602又は第3部分603の少なくとも一部は、レーザ光源ユニット50と鞍乗型車両10の高さ方向に重なる(或いは、並ぶ)。図1に示す例では、鞍乗型車両10の側面視において、第3部分603が、レーザ光源ユニット50と鞍乗型車両10の高さ方向に重なる(或いは、並ぶ)。
【0041】
鞍乗型車両10は、前方発光部40Fと後方発光部40Rとで1つのレーザ光源ユニット50を兼用するので、複数のレーザ光源ユニットを用いる場合と比べて、レーザ光源ユニット50全体として小型化を図ることができる。その結果、レーザ光源ユニット50の配置自由度が高い。鞍乗型車両10の前後方向において、1つのレーザ光源ユニット50が、前方発光部40Fと後方発光部40Rとの間に配置されるので、分岐部62の位置を変えても、光ファイバケーブル60全体としての長さの変化を抑制又は防止できる。また、レーザ光源ユニット50から分岐部62までの光ファイバケーブル60(共通部分)の長さL1が、分岐部62から前方発光部40F及び後方発光部40Rの各々までの光ファイバケーブル60(単独部分)の合計長さ(L2+L3)よりも短い。よって、鞍乗型車両10の前後方向におけるレーザ光源ユニット50の配置自由度が高い。鞍乗型車両10は、機器のレイアウトの調整を行い易くなる。機器設置スペースの効率的な利用が可能になる。さらに、共通部分が短いので、配策スペースの大型化を防止又は抑制でき、コンパクトな配置が可能になる。鞍乗型車両10にとって、軽快性、機動性及び簡便性が重要であるので、コンパクトな配置とスペースの効率的な利用との両立は好適である。
【0042】
(変形例)
図1では、前後分岐部62はレーザ光源ユニット50の前に位置している。しかし、前後分岐部62とレーザ光源ユニット50の位置関係は、これに限定されない。例えば、図2図3に示すような位置関係であってもよい。
【0043】
図1では、足載部26がステップである場合を説明した。しかし、足載部26は、左右のステップに限定されない。例えば、図4に示すように、足載部26は、フートボード26Aであってもよい。
【0044】
(その他の実施形態)
本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた実施形態及び変形例は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示の思想を限定するものではない。上記の実施形態及び変形例は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得る。当該趣旨は、本明細書に開示された実施形態に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、実施形態及び変形例に跨る特徴の組み合わせ)、改良、変更を包含する。特許請求の範囲における限定事項は当該特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態及び変形例に限定されるべきではない。そのような実施形態及び変形例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」、「よいがこれに限定されるものではない」を意味する。
【符号の説明】
【0045】
10 鞍乗型車両
20 車体
22 バーハンドル
24 車両横方向シングルシート
26 足載部
30 車輪
40 発光部
50 レーザ光源ユニット
52 レーザ光源素子
60 光ファイバケーブル
図1
図2
図3
図4