(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】液体循環冷却パッケージ基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20240603BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H01L23/36 C
(21)【出願番号】P 2023072072
(22)【出願日】2023-04-26
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】2022105268482
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】チェン ケンメイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ユチェンフェン ジンドン
(72)【発明者】
【氏名】ク キァオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ベンキア
(72)【発明者】
【氏名】フアン ガオ
【審査官】清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113675158(CN,A)
【文献】特開2005-243824(JP,A)
【文献】特開2007-266418(JP,A)
【文献】特開2021-027348(JP,A)
【文献】国際公開第2019/107400(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0043127(US,A1)
【文献】特開2023-008819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0010115(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0402873(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0098668(US,A1)
【文献】米国特許第9883579(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/473
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレームに囲まれた少なくとも1つの貫通キャビティ内に組み込まれた能動面と放熱面とを有するデバイスであって、前記支持フレームは高さ方向に沿って前記支持フレームを穿通する導通ピラーを含むデバイスと、
前記支持フレームの第1面における第1誘電体層及び前記支持フレームの第2面における第2誘電体層であって、第1誘電体層は前記デバイスと前記支持フレームとの間のギャップを完全に充填する第1誘電体層及び第2誘電体層と、
前記第1誘電体層内に形成されて前記放熱面を露出させた冷却キャビティと、前記冷却キャビティの内面に形成された金属放熱層と、前記金属放熱層に形成された直立した支持ピラーと、前記支持ピラーに支持されて前記冷却キャビティの周辺に沿って前記冷却キャビティを密閉する冷却カバーとを含む循環冷却構造であって、前記金属放熱層は前記放熱面と前記冷却キャビティの内側面とを完全に覆い、前記冷却カバーに給液口と排液口とが形成される循環冷却構造と、
前記第1誘電体層に形成された第1配線層及び第2誘電体層に形成された第2配線層であって、前記第2配線層は前記デバイスの能動面における端子に電気的に接続され、前記第1配線層と前記第2配線層とは前記導通ピラーにより電気的に接続される第1配線層及び第2配線層と、を含む、
ことを特徴とする液体循環冷却パッケージ基板。
【請求項2】
前記冷却カバーは半田又は耐腐食性接着剤で前記支持ピラーと前記金属放熱層の外周に接続され、それにより前記冷却キャビティを密閉することを特徴とする請求項1に記載の液体循環冷却パッケージ基板。
【請求項3】
前記給液口と前記排液口とは前記支持ピラーの両側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の液体循環冷却パッケージ基板。
【請求項4】
前記金属放熱層は銅層を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体循環冷却パッケージ基板。
【請求項5】
前記第1配線層と前記第2配線層の外面に設けられたソルダーレジスト層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の液体循環冷却パッケージ基板。
【請求項6】
(a)支持フレームを予め製作し、前記支持フレームは高さ方向に沿って前記支持フレームを穿通する導通ピラーと前記支持フレームに囲まれた少なくとも1つの貫通キャビティとを含むステップと、
(b)前記貫通キャビティに能動面と放熱面とを有するデバイスを取り付け、前記支持フレームの第1面に第1誘電体層を印加し、前記第1誘電体層が前記デバイスと前記支持フレームとの間のギャップを完全に充填するようにするステップと、
(c)前記第1誘電体層に孔を開けて第1パターンを形成し、前記第1パターンはデバイスの放熱面を露出させた冷却キャビティを含み、前記第1パターンを充填して第1配線層と前記放熱面における金属放熱層とを形成し、ここで、前記金属放熱層は前記放熱面と前記冷却キャビティの内側面とを完全に覆うステップと、
(d)前記支持フレームの第2面に第2誘電体層を印加し、前記第2誘電体層に孔を開けて第2パターンを形成し、前記第2パターンは前記デバイスの能動面における端子を露出させ、前記第2パターンを充填して第2回路層を形成し、ここで、前記第1配線層と前記第2配線層は前記導通ピラーにより電気的に接続されるステップと、
(e)前記デバイスの放熱面における前記金属放熱層に支持ピラーを形成し、前記支持ピラーに冷却カバーを印加し、前記冷却カバーは前記冷却キャビティの周辺に沿って前記冷却キャビティを密閉し、ここで、前記冷却カバーに給液口と排液口とが形成されるステップと、を含む、
ことを特徴とする液体循環冷却パッケージ基板の製造方法。
【請求項7】
前記ステップ(b)は、
(b1)前記支持フレームの第2面に一時的なキャリアを印加するステップと、
(b2)前記デバイスを前記貫通キャビティ内に配置し、前記デバイスの能動面が前記一時的なキャリアに付着するようにするステップと、
(b3)前記支持フレームの第1面に前記第1誘電体層を形成するステップと、
(b4)前記一時的なキャリアを取り除くステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ステップ(c)は、
(c1)前記第1誘電体層に第1金属シード層を形成するステップと、
(c2)前記第1金属シード層に第1フォトレジスト層を印加し、露光現像して前記第1パターンを形成するステップと、
(c3)前記第1パターンに前記第1配線層と前記放熱面における金属放熱層とを電気めっきして形成するステップと、
(c4)前記第1フォトレジスト層と前記第1金属シード層とを取り除くステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記ステップ(c)において、前記金属放熱層は銅層を含むことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項10】
前記ステップ(d)は、
(d1)前記第2誘電体層に第2金属シード層を形成するステップと、
(d2)前記第2金属シード層に第2フォトレジスト層を印加し、露光現像して前記第2パターンを形成するステップと、
(d3)前記第2パターンに前記第2配線層を電気めっきして形成するステップと、
(d4)前記第2フォトレジスト層と前記第2金属シード層とを取り除くステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項11】
前記ステップ(e)は、
(e1)前記冷却キャビティ内に誘電体材料を充填して第3誘電体層を形成するステップと、
(e2)前記第3誘電体層に対してレーザによる穴開けを行い、前記金属放熱層を露出させた第3パターンを形成するステップと、
(e3)前記第3パターンを電気めっきして充填して前記支持ピラーを形成するステップと、
(e4)前記第3誘電体層を取り除くステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項12】
前記ステップ(e)は、
(e1')前記冷却キャビティにフォトレジスト材料を充填して第3フォトレジスト層を形成するステップと、
(e2')前記第3フォトレジスト層に対して露光現像を行い、前記金属放熱層を露出させた第3パターンを形成するステップと、
(e3')前記第3パターンを電気めっきして充填して前記支持ピラーを形成するステップと、
(e4')前記第3フォトレジスト層を取り除くステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項13】
前記ステップ(e)において、前記冷却カバーは半田又は耐腐食性接着剤で前記支持ピラーと前記金属放熱層の外周に接続され、それにより前記冷却キャビティを密閉することを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項14】
(f)ステップ(e)の後、前記第1配線層と前記第2配線層にソルダーレジスト材料をそれぞれ印加し、ソルダーレジスト層を形成するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体パッケージ技術の分野に関し、特に、液体循環冷却パッケージ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展と進歩に伴い、電子製品が軽薄短小の方向に向かって進化する一方、電子製品の機能要求がますます強くなり、これは電子製品のパッケージ構造が高集積化、小型化の方向に向かって発展することを促進し、チップなどの部品の埋め込みパッケージングがそれに応じて登場し、それと共に電子素子の応用も高周波高速高電力の方向に向かって発展することに起因して単位面積の熱流束密度が急速に逓増する。周知のように、動作作業環境温度の上昇に伴い、電子素子の動作速度がそれに応じて低下し、損失がそれに応じて上昇し、そして、長時間に高温環境で動作し、電子製品の信頼性が相対的に低下する。それ故に、高周波高速高出力の電子素子が発生した熱をタイムリーに放熱できなければ、電子製品の性能及び信頼性はある程度の影響を受ける。そのため、高周波高速高出力の大きな傾向において、埋め込みパッケージ基板、パッケージ体の設計をどのように合理的に最適化し、埋め込みパッケージ構造の放熱性能を向上させるかは、現在重要な課題である。
【0003】
現在、基板を埋め込みパッケージングするためによく用いられている2種類の方式は以下のとおりである。(1)チップなどの部品を予め設定されたキャビティのポリマーフレーム又は芯材に実装し、またプラスチックパッケージ材料を用いてパッケージングする。しかし、この方式は以下の欠点が存在する。高周波高速高出力の製品の興ったことに伴い、組込み式パッケージ製品は極めて高い放熱要求を有し、放熱性に優れた有機ポリマー材料であっても、放熱特性に限界性が存在し、高周波高速高出力の埋め込み製品の放熱問題を根本的に解決することができず、(2)金属フレームを用いて部品を埋め込み、金属(例えば銅)板にキャビティを予め加工し、チップなどの部品をプリセットキャビティに実装し、また媒体材料を圧着することでパッケージングする。このような埋め込みパッケージング方式は金属の比較的良好な放熱性能を利用し、有機ポリマー材料フレームに代えて、埋め込みパッケージ構造の放熱性能を向上させる。しかし、チップなどの部品を金属フレームに実装し、またプラスチックパッケージ材料を用いてパッケージングする手段は以下のデメリットが存在する。加工フローが複雑で、コストが高く、且つ金属フレームが誘電体材料で被覆されることに起因して放熱速度が依然として遅い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本願の目的は、上記問題を解決するために、液体循環冷却パッケージ基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的に基づき、本願の第1態様にて提供される液体循環冷却パッケージ基板は、
支持フレームに囲まれた少なくとも1つの貫通キャビティ内に組み込まれた能動面と放熱面とを有するデバイスであって、前記支持フレームは高さ方向に沿って前記支持フレームを穿通する導通ピラーを含むデバイスと、
前記支持フレームの第1面における第1誘電体層及び前記支持フレームの第2面における第2誘電体層であって、第1誘電体層は前記デバイスと前記支持フレームとの間のギャップを完全に充填する第1誘電体層及び第2誘電体層と、
前記第1誘電体層内に形成されて前記放熱面を露出させた冷却キャビティと、前記冷却キャビティの内面に形成された金属放熱層と、前記金属放熱層に形成された直立した支持ピラーと、前記支持ピラーに支持されて前記冷却キャビティの周辺に沿って前記冷却キャビティを密閉する冷却カバーとを含む循環冷却構造であって、前記金属放熱層は前記放熱面と前記冷却キャビティの内側面とを完全に覆い、前記冷却カバーに給液口と排液口とが形成される循環冷却構造と、
前記第1誘電体層に形成された第1配線層及び第2誘電体層に形成された第2配線層であって、前記第2配線層は前記デバイスの能動面における端子に電気的に接続され、前記第1配線層と前記第2配線層とは前記導通ピラーにより電気的に接続される第1配線層及び第2配線層と、を含む。
【0006】
いくつかの実施例において、前記冷却カバーは半田又は耐腐食性接着剤で前記支持ピラーと前記金属放熱層の外周に接続され、それにより前記冷却キャビティを密閉する。
【0007】
いくつかの実施例において、前記給液口と前記排液口とは前記支持ピラーの両側に設けられる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記金属放熱層は銅層を含む。
【0009】
いくつかの実施例において、前記第1配線層と前記第2配線層の外面に設けられたソルダーレジスト層をさらに含む。
【0010】
同一の発明思想に基づき、本願の第2態様にて提供される液体循環冷却パッケージ基板の製造方法は、
(a)支持フレームを予め製作し、前記支持フレームは高さ方向に沿って前記支持フレームを穿通する導通ピラーと前記支持フレームに囲まれた少なくとも1つの貫通キャビティとを含むステップと、
(b)前記貫通キャビティに能動面と放熱面とを有するデバイスを取り付け、前記支持フレームの第1面に第1誘電体層を印加し、前記第1誘電体層が前記デバイスと前記支持フレームとの間のギャップを完全に充填するようにするステップと、
(c)前記第1誘電体層に孔を開けて第1パターンを形成し、前記第1パターンはデバイスの放熱面を露出させた冷却キャビティを含み、前記第1パターンを充填して第1配線層と前記放熱面における金属放熱層とを形成し、ここで、前記金属放熱層は前記放熱面と前記冷却キャビティの内側面とを完全に覆うステップと、
(d)前記支持フレームの第2面に第2誘電体層を印加し、前記第2誘電体層に孔を開けて第2パターンを形成し、前記第2パターンは前記デバイスの能動面における端子を露出させ、前記第2パターンを充填して第2回路層を形成し、ここで、前記第1配線層と前記第2配線層は前記導通ピラーにより電気的に接続されるステップと、
(e)前記デバイスの放熱面における前記金属放熱層に支持ピラーを形成し、前記支持ピラーに冷却カバーを印加し、前記冷却カバーは前記冷却キャビティの周辺に沿って前記冷却キャビティを密閉し、ここで、前記冷却カバーに給液口と排液口とが形成されるステップと、を含む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記ステップ(b)は、
(b1)前記支持フレームの第2面に一時的なキャリアを印加するステップと、
(b2)前記デバイスを前記貫通キャビティ内に配置し、前記デバイスの能動面が前記一時的なキャリアに付着するようにするステップと、
(b3)前記支持フレームの第1面に前記第1誘電体層を形成するステップと、
(b4)前記一時的なキャリアを取り除くステップと、を含む。
【0012】
いくつかの実施例において、前記ステップ(c)は、
(c1)前記第1誘電体層に第1金属シード層を形成するステップと、
(c2)前記第1金属シード層に第1フォトレジスト層を印加し、露光現像して前記第1パターンを形成するステップと、
(c3)前記第1パターンに前記第1配線層と前記放熱面における金属放熱層とを電気めっきして形成するステップと、
(c4)前記第1フォトレジスト層と前記第1金属シード層とを取り除くステップと、を含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記ステップ(c)において、前記金属放熱層は銅層を含む。
【0014】
いくつかの実施例において、前記ステップ(d)は、
(d1)前記第2誘電体層に第2金属シード層を形成するステップと、
(d2)前記第2金属シード層に第2フォトレジスト層を印加し、露光現像して前記第2パターンを形成するステップと、
(d3)前記第2パターンに前記第2配線層を電気めっきして形成するステップと、
(d4)前記第2フォトレジスト層と前記第2金属シード層とを取り除くステップと、を含む。
【0015】
いくつかの実施例において、前記ステップ(e)は、
(e1)前記冷却キャビティ内に誘電体材料を充填して第3誘電体層を形成するステップと、
(e2)前記第3誘電体層に対してレーザによる穴開けを行い、前記金属放熱層を露出させた第3パターンを形成するステップと、
(e3)前記第3パターンを電気めっきして充填して前記支持ピラーを形成するステップと、
(e4)前記第3誘電体層を取り除くステップと、を含む。
【0016】
いくつかの実施例において、前記ステップ(e)は、
(e1')前記冷却キャビティにフォトレジスト材料を充填して第3フォトレジスト層を形成するステップと、
(e2')前記第3フォトレジスト層に対して露光現像を行い、前記金属放熱層を露出させた第3パターンを形成するステップと、
(e3')前記第3パターンを電気めっきして充填して前記支持ピラーを形成するステップと、
(e4')前記第3フォトレジスト層を取り除くステップと、をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施例において、前記ステップ(e)において、前記冷却カバーは半田又は耐腐食性接着剤で前記支持ピラーと前記金属放熱層の外周に接続され、それにより前記冷却キャビティを密閉する。
【0018】
いくつかの実施例において、
(f)ステップ(e)の後、前記第1配線層と前記第2配線層にソルダーレジスト材料をそれぞれ印加し、ソルダーレジスト層を形成するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0019】
上記から分かるように、本願にて提供される液体循環冷却パッケージ基板及びその製造方法は、第1誘電体層内においてデバイスの放熱面に循環冷却構造を直接設け、当該循環冷却構造は埋め込みパッケージ基板の加工過程に形成され、加工フローが簡単で、コストが低く、循環冷却構造は外部液体冷却システムに接続することができ、外部冷却液は給液口から循環冷却構造に入り、冷却キャビティを流れた後、最終的に循環冷却構造の排液口から流出することができ、冷却液はデバイスが動作する時に発生する熱を速やかに受け取ることができ、埋め込みパッケージ構造の放熱性能を大幅に向上させる。また、循環冷却構造はデバイスの放熱面に接続され、放熱性能を向上させることができるだけでなく、基板内の空間を合理的に利用し、基板全体の厚さを低減させることができる。循環冷却構造に設けられた支持ピラーはさらに循環冷却構造に入った冷却液に乱れを発生させて乱流を形成させ、デバイスの放熱効率をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本願又は関連技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の記述に使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記述における図面は本願の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を行わずに、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明の一実施例による液体循環冷却パッケージ基板の概略断面図である。
【
図2】本発明の一実施例による循環冷却構造の概略断面図である。
【
図3】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【
図6】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【
図7】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【
図8】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【
図9】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【
図10】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【
図11】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【
図12】本発明の一実施例の液体循環冷却パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、具体的な実施例を結合し、図面を参照し、本願をさらに詳細に説明する。
【0022】
なお、特に定義しない限り、本願の実施例が使用する技術用語又は科学用語は本願の属する分野において一般的な業者が理解した普通の意味であるべきである。本願の実施例において使用される「第1」、「第2」及び類似の語句はいかなる順序、数又は重要性を表すものではなく、異なる構成要素を区別するためにのみ用いられる。「含む」又は「含有」などの類似する語句は当該語句の前に出現した素子又は物が当該語句の後に出現して列挙された素子又は物及びその均等物を包含するが、他の素子又は物を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」などの類似する語句は物理的又は機械的な接続に限定されず、電気的な接続を含むことができ、直接的でも間接的でもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは相対的な位置関係を表すだけのものであり、記述されたオブジェクトの絶対的な位置が変化すると、当該相対的な位置関係もそれに応じて変化することがある。
【0023】
図1を参照し、本願にて提供される液体循環冷却パッケージ基板は、
支持フレーム1に囲まれた少なくとも1つの貫通キャビティ12内に組み込まれた能動面21と放熱面22とを有するデバイス2であって、前記支持フレーム1は高さ方向に沿って前記支持フレーム1を穿通する導通ピラー11を含むデバイス2と、
前記支持フレーム1の第1面における第1誘電体層及び前記支持フレーム1の第2面における第2誘電体層5であって、第1誘電体層は前記デバイス2と前記支持フレーム1との間のギャップを完全に充填する第1誘電体層及び第2誘電体層5と、
前記第1誘電体層内に形成されて前記放熱面22を露出させる冷却キャビティ32と、前記冷却キャビティ32の内面に形成された金属放熱層31と、前記金属放熱層31に形成された直立した支持ピラー33と、前記支持ピラー33に支持されて前記冷却キャビティ32の周辺に沿って前記冷却キャビティ32を密閉する冷却カバー34とを含む循環冷却構造3であって、前記金属放熱層31は前記放熱面22と前記冷却キャビティ32の内側面とを完全に覆い、前記冷却カバー34に給液口341と排液口342とが形成される循環冷却構造3と、
前記第1誘電体層に形成された第1配線層6及び第2誘電体層5に形成された第2配線層7であって、前記第2配線層7は前記デバイス2の能動面21における端子に電気的に接続され、前記第1配線層6と前記第2配線層7とは前記導通ピラー11により電気的に接続される第1配線層6及び第2配線層7と、を含む。
【0024】
具体的には、前記支持フレーム1はポリマー材料で作られることができ、前記ポリマー材料はポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミド、トリアジン樹脂、ガラス繊維強化樹脂又はこれらの組み合わせであってもよい。理解すべきものとして、前記貫通キャビティ12の数は1つ又は複数であってもよく、叙述しやすいために、本実施例は1つの貫通キャビティ12を例にして説明する。前記導通ピラー11は少なくとも1つの導通銅ピラーをIOチャネルとして含むことができ、その断面寸法は同一であってもよく、異なってもよく、導通ピラー11の形状は実際の要求に応じて設定することができ、例えば、方形、円形などであってもよく、具体的に限定されない。
【0025】
前記デバイス2は、例えば集積回路の駆動チップ(IC driver)、電界効果トランジスタ(FET)などのベアチップであってもよく、例えばコンデンサ、抵抗又はインダクタンスなどの受動デバイス2であってもよく、また例えばボールグリッドアレイ(BGA)/ランドグリッドアレイ(LGA)などの予備パッケージングされた単一パッケージ体であってもよく、又はそのうちの様々なデバイス2の組み合わせであってもよく、デバイス2は、片面に端子を有するデバイス2であってもよく、両面にも端子を有するデバイス2であってもよい。本実施例において、デバイス2が片面端子を有するチップであることを例にして説明するが、片面端子を有するチップに対してのみ後続の操作を行うことに限定されない。
【0026】
前記第1誘電体層と前記第2誘電体層5とはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ABFなどのうちの少なくとも1種の材料を選択して作られることができる。
【0027】
前記循環冷却構造3は前記第1誘電体層内に位置し、且つデバイス2の放熱面22に接続され、放熱性能を向上させることができるだけでなく、基板内の空間を合理的に利用し、基板全体の厚さを低減させることができる。前記金属放熱層31はデバイス2を湿気から保護することができ、また自身の金属材質を利用して放熱を補助して行うことができ、基板の放熱性能を向上させる。ここで、前記金属放熱層31は銅層を含み、金属銅の良好な熱伝導性能を利用し、基板の放熱性能をさらに向上させる。
【0028】
前記支持ピラー33は前記放熱面22に対応する金属放熱層31に位置し、前記支持ピラー33は一端が前記冷却カバー34に接続され、他端が前記デバイス2の放熱面22に接続される。前記支持ピラー33は少なくとも1つの導通銅ピラーをIOチャネルとして含むことができる。
【0029】
図2を参照し、前記冷却カバー34は半田又は耐腐食性接着剤で前記支持ピラー33と前記金属放熱層31の外周に接続され、それにより前記冷却キャビティ32を密閉する。前記冷却カバー34に給液口341と排液口342とが形成され、前記給液口341と前記排液口342とは前記支持ピラー33の両側に設けられる。前記給液口341は外部給液システムに接続するために用いられ、前記排液口342は外部排液システムに接続するために用いられ、このように前記循環冷却構造3は外部給液システムと外部排液システムとに接続することができ、外部冷却液は給液口341から循環冷却構造3に入り、冷却キャビティ32を流れた後、最終的に循環冷却構造3の排液口342から流出することができ、冷却液はデバイス2が動作する時に発生する熱を速やかに受け取ることができ、埋め込みパッケージ構造の放熱性能を大幅に向上させる。また、循環冷却構造3はデバイス2の放熱面22に接続され、放熱性能を向上させることができるだけでなく、基板内の空間を合理的に利用し、基板全体の厚さを低減させることができる。
【0030】
いくつかの実施例において、前記基板は前記第1配線層6と前記第2配線層7の外面に設けられたソルダーレジスト層8をさらに含む。前記ソルダーレジスト層8は選択可能にソルダーレジスト材料を用いて作られることができ、塗布、フィルム貼付又は印刷の方式によりソルダーレジスト材料を印加し、露光現像してソルダーレジスト層8を形成することができ、露出した金属を金化、銀化、金めっき又は錫めっきなどの方式により表面処理を行うことができる。
【0031】
同一の発明思想に基づき、本願の第2態様にて提供される液体循環冷却パッケージ基板の製造方法は具体的に以下のステップを含む。
【0032】
ステップ(a)において、
図3を参照し、支持フレーム1を予め製作し、前記支持フレーム1は高さ方向に沿って前記支持フレーム1を穿通する導通ピラー11と前記支持フレーム1に囲まれた少なくとも1つの貫通キャビティ12とを含む。
【0033】
具体的には、前記貫通キャビティ12の数は1つ又は複数であってもよく、叙述しやすいために、本実施例は1つの貫通キャビティ12を例にして説明する。前記導通ピラー11は少なくとも1つの導通銅ピラーをIOチャネルとして含むことができ、その断面寸法は同一であってもよく、異なってもよく、導通ピラー11の形状は実際の要求に応じて設定することができ、例えば、方形、円形などであってもよく、具体的に限定されない。
【0034】
ステップ(b)において、
図4を参照し、前記貫通キャビティ12に能動面21と放熱面22とを有するデバイス2を取り付け、前記支持フレーム1の第1面に第1誘電体層を印加し、前記第1誘電体層が前記デバイス2と前記支持フレーム1との間のギャップを完全に充填するようにする。
【0035】
具体的には、前記ステップ(b)は具体的に以下のステップを含む。
【0036】
ステップ(b1)において、
図4を参照し、前記支持フレーム1の第2面に一時的なキャリア9を印加する。前記一時的なキャリア9はテープ、接着紙又は接着布などであってもよく、前記一時的なキャリア9は貫通キャビティ12の底部に仮担持面を提供する目的を達成する。
【0037】
ステップ(b2)において、前記デバイス2を前記貫通キャビティ12内に配置し、前記デバイス2の能動面21が前記一時的なキャリア9に付着するようにする。前記デバイス2を前記一時的なキャリア9に粘着し、前記一時的なキャリア9は前記デバイス2に安定的な支持作用を提供することができる。
【0038】
ステップ(b3)において、
図5を参照し、前記支持フレーム1の第1面に前記第1誘電体層を形成する。第1誘電体層は前記デバイス2と前記支持フレーム1との間のギャップを完全に充填する。
【0039】
ステップ(b4)において、
図6を参照し、前記一時的なキャリア9を取り除く。
【0040】
具体的には、前記一時的なキャリア9を取り除くことで、後続に前記支持フレーム1の第2面に第2誘電体層5を容易に印加する。
【0041】
ステップ(c)において、
図8、
図9を参照し、前記第1誘電体層に孔を開けて第1パターンを形成し、前記第1パターンはデバイス2の放熱面22を露出させた冷却キャビティ32を含み、前記第1パターンを充填して第1配線層6と前記放熱面22における金属放熱層31とを形成し、ここで、前記金属放熱層31は前記放熱面22と前記冷却キャビティ32の内側面とを完全に覆う。
【0042】
具体的には、前記ステップ(c)は具体的に以下のステップを含む。
【0043】
ステップ(c1)において、前記第1誘電体層に第1金属シード層を形成する。通常、無電解めっき又はスパッタリングの方式により前記第1誘電体層に第1金属シード層を形成することができ、第1金属シード層はチタン、銅、チタンタングステン合金又はそれらの組み合わせを含むことができる。好ましくは、チタン及び銅をスパッタリングして第1金属シード層を製造する。
【0044】
ステップ(c2)において、前記第1金属シード層に第1フォトレジスト層を印加し、露光現像して前記第1パターンを形成する。通常、フィルム貼付又は塗布の方式により第1金属シード層に第1フォトレジスト層を印加することができ、第1フォトレジスト層の厚さは必要に応じて調整することができる。
【0045】
ステップ(c3)において、前記第1パターンに前記第1配線層6と前記放熱面22における金属放熱層31とを電気めっきして形成する。前記第1配線層6及び前記放熱面22における金属放熱層31の厚さは実際の要求に応じて設定することができ、通常、その厚さは第1フォトレジスト層の厚さ以下である。ここで、前記金属放熱層31は銅層を含み、基板の放熱性能を向上させるために用いられる。
【0046】
ステップ(c4)において、前記第1フォトレジスト層と前記第1金属シード層とを取り除く。通常、第1フォトレジスト層をリフトオフにより取り除き、第1金属シード層をエッチングにより取り除くことができる。
【0047】
ステップ(d)において、
図7、
図8を参照し、前記支持フレーム1の第2面に第2誘電体層5を印加し、前記第2誘電体層5に孔を開けて第2パターンを形成し、前記第2パターンは前記デバイス2の能動面21における端子を露出させ、前記第2パターンを充填して第2回路層を形成し、ここで、前記第1配線層6と前記第2配線層7は前記導通ピラー11により電気的に接続される。
【0048】
具体的には、前記ステップ(d)は具体的に以下のステップを含む。
【0049】
ステップ(d1)において、前記第2誘電体層5に第2金属シード層を形成する。通常、無電解めっき又はスパッタリングの方式により前記第2誘電体層5に第2金属シード層を形成することができ、第2金属シード層はチタン、銅、チタンタングステン合金又はそれらの組み合わせを含むことができる。好ましくは、チタン及び銅をスパッタリングして第2金属シード層を製造する。
【0050】
ステップ(d2)において、前記第2金属シード層に第2フォトレジスト層を印加し、露光現像して前記第2パターンを形成する。通常、フィルム貼付又は塗布の方式により第2金属シード層に第2フォトレジスト層を印加することができ、第2フォトレジスト層の厚さは必要に応じて調整することができる。
【0051】
ステップ(d3)において、前記第2パターンに前記第2配線層7を電気めっきして形成する。前記第2配線層7の厚さは実際の要求に応じて設定することができ、通常、その厚さは第2フォトレジスト層の厚さ以下である。
【0052】
ステップ(d4)において、前記第2フォトレジスト層と前記第2金属シード層とを取り除く。通常、第1フォトレジスト層をリフトオフにより除去し、第1金属シード層をエッチングにより取り除くことができる。
【0053】
ステップ(e)において、
図10、
図11、
図12を参照し、前記デバイス2の放熱面22における前記金属放熱層31に支持ピラー33を形成し、前記支持ピラー33に冷却カバー34を印加し、前記冷却カバー34は前記冷却キャビティ32の周辺に沿って前記冷却キャビティ32を密閉し、ここで、前記冷却カバー34に給液口341と排液口342とが形成される。
【0054】
ここで、前記冷却カバー34は半田又は耐腐食性接着剤で前記支持ピラー33と前記金属放熱層31の外周に接続され、それにより前記冷却キャビティ32を密閉する。前記冷却カバー34に給液口341と排液口342とが形成され、前記給液口341と前記排液口342とは前記支持ピラー33の両側に設けられる。前記給液口341は外部給液システムに接続するために用いられ、前記排液口342は外部排液システムに接続するために用いられ、このように前記循環冷却構造3は外部給液システムと外部排液システムとに接続することができ、外部冷却液は給液口341から循環冷却構造3に入り、冷却キャビティ32を流れた後、最終的に循環冷却構造3の排液口342から流出することができ、冷却液はデバイス2が動作する時に発生する熱を速やかに受け取ることができ、埋め込みパッケージ構造の放熱性能を大幅に向上させる。また、循環冷却構造3はデバイス2の放熱面22に接続され、放熱性能を向上させることができるだけでなく、基板内の空間を合理的に利用し、基板全体の厚さを低減させることができる。
【0055】
具体的には、前記ステップ(e)は以下の2種類の具体的な実施方法を含むことができる。
【0056】
実施方法1において、前記ステップ(e)は具体的に以下のステップを含む。
【0057】
ステップ(e1)において、前記冷却キャビティ32内に誘電体材料を充填して第3誘電体層を形成する。前記誘電体材料は選択可能にFR4材料である。
【0058】
ステップ(e2)において、前記第3誘電体層に対してレーザによる穴開けを行い、前記金属放熱層31を露出させた第3パターンを形成する。通常、レーザ放射、穿孔又はプラズマエッチングの方式により前記第3誘電体層を局所的に薄めて、前記金属放熱層31を露出させた第3パターンを形成する。具体的に実施する時、研磨板又はプラズマエッチングの方式により前記第3誘電体層を全体的に薄めることができ、さらにレーザ放射又は穿孔の方式により前記第3誘電体層を局所的に薄めることができる。
【0059】
ステップ(e3)において、前記第3パターンを電気めっきして充填して前記支持ピラー33を形成する。
【0060】
ステップ(e4)において、前記第3誘電体層を取り除く。
【0061】
実施方法2において、前記ステップ(e)は具体的に以下のステップを含む。
【0062】
ステップ(e1')において、前記冷却キャビティ32内にフォトレジスト材料を充填して第3フォトレジスト層を形成する。本ステップにおいて、フォトレジスト材料を充填材料として用いることができ、誘電体材料と同様の作用を果たす。
【0063】
ステップ(e2')において、前記第3フォトレジスト層に対して露光現像を行い、前記金属放熱層31を露出させた第3パターンを形成する。
【0064】
ステップ(e3')において、前記第3パターンを電気めっきして充填して前記支持ピラー33を形成する。
【0065】
ステップ(e4')において、前記第3フォトレジスト層を取り除く。
【0066】
上記各ステップの具体的な実施形態は以上の内容を参照し、ここでは説明を省略する。
【0067】
いくつかの実施例において、前記液体循環冷却パッケージ基板の製造方法は、ステップ(e)の後、前記第1配線層6及び前記第2配線層7にソルダーレジスト材料をそれぞれ印加し、ソルダーレジスト層8を形成するステップ(f)をさらに含む。
【0068】
具体的には、塗布、フィルム貼付又は印刷の方式によりソルダーレジスト材料を印加し、露光現像してソルダーレジスト層8を形成することができる。さらに露出した金属を金化、銀化、金めっき又は錫めっきなどの方式により表面処理を行うことができる。
【0069】
以上、本願にて提供される液体循環冷却パッケージ基板の製造方法は、第1誘電体層内に循環冷却構造3を設け、当該循環冷却構造3は埋め込みパッケージ基板の加工過程に形成され、加工フローが簡単で、コストが低い。循環冷却構造3は外部給液システム及び外部排液システムに接続することができ、外部冷却液は給液口341から循環冷却構造3に入り、冷却キャビティ32を流れた後、最終的に循環冷却構造3の排液口342から流出することができ、冷却液はデバイス2が動作する時に発生する熱を速やかに受け取ることができ、埋め込みパッケージ構造の放熱性能を大幅に向上させる。また、循環冷却構造3はデバイス2の放熱面22に接続され、放熱性能を向上させることができるだけでなく、基板内の空間を合理的に利用し、基板全体の厚さを低減させることができる。そして、金属放熱層31自体は放熱を補助することができ、循環冷却液体の伝導放熱と相まって、冷却液体はデバイス2が動作する時に発生する熱を速やかに受け取ることができ、埋め込みパッケージ基板の放熱性能を大幅に向上させる。
【0070】
注意すべきものとして、本発明の実施例の記述において、方法のステップに対する連続番号は審査及び理解を容易にするためであり、本発明の全体的な技術的解決手段及び各ステップ間の論理関係と組み合わせて、ステップ間の実施順序を調整しても本発明の技術的解決手段が達成する技術的効果に影響を与えない。本実施例に係るいくつかの製造ステップ、例えばシード層加工、パターン転写及びパターン電気めっきなどのステップはここで詳述せず、これらのステップにおける材料及びプロセスフローはいずれも本分野の公知常識であるからである。確実に言えば、当業者は、ある特定の製品について、対応するステップを設計する際に、例えば生産ロット、基板の複雑さ、及び部品の解像度などのパラメータの明確な了解に基づき、種々の代替可能な材料や製造プロセスから適切な選択を行うことができる。
【0071】
なお、上記は本開示のいくつかの実施例について記述する。他の実施例は、添付の特許請求の範囲内である。場合によっては、特許請求の範囲に記載の動作又はステップは上記実施例と異なる順序で実行することができ且つ依然として所望の結果を実現することができる。また、図面に表現した過程は、示した特定の順序又は連続順序であればこそ所望の結果を実現できることを必ずしも要求しない。いくつかの実施形態において、マルチタスク処理及び並行処理でもよく又は有利である可能性がある。
【0072】
当業者は以下を理解すべきである。以上のいかなる実施例の検討は例示的なものであり、本発明の範囲(特許請求の範囲を含む)がこれらの例に限定されることを示唆するものではなく、本開示の構想において、以上の実施例又は異なる実施例における技術的特徴の間にも組み合わせを行うことができ、ステップは任意の順序で実現することができ、上記本開示の実施例の異なる点の多くの他の変化が存在し、簡潔のために、それらは詳細に示していない。
【0073】
本開示の実施例は、添付の特許請求の範囲の広範囲内におけるこのような全ての置換、修正及び変形を包含することが意図される。したがって、本開示の実施例の精神及び原則内で行われたいかなる省略、修正、均等置換、改良などはいずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0074】
1…支持フレーム、11…導通ピラー、12…貫通キャビティ、2…デバイス、21…能動面、22…放熱面、3…循環冷却構造、31…金属放熱層、32…冷却キャビティ、33…支持ピラー、34…冷却カバー、341…給液口、342…排液口、5…第2誘電体層、6…第1配線層、7…第2配線層、8…ソルダーレジスト層、9…一時的なキャリア。