(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-31
(45)【発行日】2024-06-10
(54)【発明の名称】フロート式水力発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 11/08 20060101AFI20240603BHJP
F03B 17/06 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
F03B11/08
F03B17/06
(21)【出願番号】P 2023177169
(22)【出願日】2023-10-13
【審査請求日】2023-10-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520263796
【氏名又は名称】いくつものかたち株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513276547
【氏名又は名称】木原 倫文
(74)【代理人】
【識別番号】100108545
【氏名又は名称】井上 元廣
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】木原 倫文
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-288373(JP,A)
【文献】特開昭57-029715(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0020097(US,A1)
【文献】特開2013-079539(JP,A)
【文献】特開昭61-254712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 5/08
E02B 9/02
F03B 11/08
F03B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中小河川や農業用水路等の開水路状の水路に浮動状に設置されて用いられるフロート式水力発電装置が、
前記水路を流れる流水からごみを除去する水車型除塵機ユニットと、水力発電機ユニットと、フロートとを備え、
前記水車型除塵機ユニットと前記水力発電機ユニットとは、前記水車型除塵機ユニットを前記水路の上流側に、前記水力発電機ユニットを前記水路の下流側にして、一体的に組み立てられて、ユニット組立体とされ、
前記水車型除塵機ユニットに設けられ、ごみが除去されて綺麗になった前記水路の流水がそこを通って流出する流出口には、前記水力発電機ユニットの水車がその内部に設置されるダクトが連結されて、綺麗になった前記水路の流水が、前記流出口を通って前記ダクトに流入して、前記水車を回転させるようにされており、
前記フロートは、前記ユニット組立体に連結されて、前記ユニット組立体を前記水路に浮動状に保持するようにされている
ことを特徴とするフロート式水力発電装置。
【請求項2】
前記水車型除塵機ユニットは、
多角形もしくは円形の筒状の形状をした回転体であって、平面視円形状の上側シールド板と、同じ形状をした下側シールド板との間に挟まれるようにして配置され、その回転する筒状の胴体部の略全域に、ごみをトラップするスクリーンが設けられ、その回転軸の上端と下端とが、除塵機ユニット枠体の上部及び下部にそれぞれ設けられた軸受にそれぞれ支持されて、回転可能に保持される回転体と、
水流の力を受けて前記回転体を回転させる複数の羽根であって、前記回転体の前記胴体部の外周部に、周方向に等間隔に、かつ、前記回転軸と平行に、それぞれ設けられ、それ自体倒立自在に回転して、その回転を止めるストッパー部材を有する複数の羽根とを備え、
前記上側シールド板と前記下側シールド板とには、前記流出口がそれぞれ設けられて、それぞれ上側流出口、下側流出口とされ、
前記羽根が、前記回転体と共に水流の下流に向って回転する時は、水流に押されて前記ストッパー部材が前記回転体の前記胴体部の外周部に当たるまで回転し、その位置で固定されると、水流を受けて前記回転体を回転させる回転力を発生し、
前記羽根が、前記回転体と共に水流の上流に向って回転する時は、水流の抵抗により逆方向に回転して、自動的に水流に対して一番抵抗の少ない角度位置に変位し、
前記水路の上流より流れて来て、前記スクリーンや前記羽根にトラップされたごみが、前記回転体の回転により前記水路の下流側に運ばれて、前記回転体の内部を流れる一部の流水及び前記回転体の外部を流れる流水により剥離され、引き離されて、流水と一緒に前記水路の下流に流出されて除去されるようにされている
ことを特徴とする請求項1に記載のフロート式水力発電装置。
【請求項3】
前記水力発電機ユニットは、
その前記ダクトが、長さ方向に、前方ダクト部分と、中央ダクト部分と、後方ダクト部分との3つのダクト部分からなり、
前記前方ダクト部分は、上下に分岐されて、上部取水ダクト部分と、下部取水ダクト部分との2つの取水ダクト部分からなり、これら上部取水ダクト部分と下部取水ダクト部分とは、前記水車型除塵機ユニットの前記上側流出口と前記下側流出口とにそれぞれ連結されて、それぞれの内部が連通するようにされ、
前記中央ダクト部分は、円筒状ダクト部分とされ、ここに、前記水車が設置され、
前記後方ダクト部分は、後方に行くに従い寸法が増大する末広がり状ダクト部分とされ、コアンダ効果により、綺麗になった前記水路の流水を、前記上側流出口と前記下側流出口とから前記末広がり状ダクト部分へと吸い込む力を発生するようにされている
ことを特徴とする請求項2に記載のフロート式水力発電装置。
【請求項4】
前記フロートは、
前記水路の上流方向に見て、細長い流線形状をした左側フロートと、同じ形状をした右側フロートとが、複数本の連結杆により連結されて、一体的に組み立てられてなり、
前記左側フロートと前記右側フロートとが、前記ユニット組立体の枠体の左側上部枠杆と右側上部枠杆とにそれぞれ連結されて、前記ユニット組立体を前記水路に浮動状に保持するようにされている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフロート式水力発電装置。
【請求項5】
前記左側フロートと前記右側フロートとには、それぞれの後端部の左右対照位置に、舵板が一体に設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載のフロート式水力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、中小河川や農業用水路等の開水路状の水路に浮動状に設置されて用いられるフロート式水力発電装置に関する。
このフロート式水力発電装置は、そのために、水力発電機ユニットと、水車型除塵機ユニットと、フロートとを一体に備えていて、この水車型除塵機ユニットが、同水路を流れる水流の力により、同水路を流れる流水中の草や木の枝や葉などのごみを除去しながら、綺麗になった流水のみが、同水力発電機ユニットの水車が設置された流路部分(ダクト)に流出されるようになっている。
【0002】
よって、この水力発電機ユニットの水車は、この綺麗な流水により、ごみによる妨害を受けることなく、円滑に回転して発電を続行させることができる。また、この水車型除塵機ユニットは、水流の力でごみを除去するので、その作動に外部動力が不要である。
さらに、このようにしてなるフロート式水力発電装置は、十分な流量と落差のある水力発電に適した水路を有する山間・平野部の地域であれば、どこにでも適宜運搬して、容易に設置可能である。特に、このような地域では、近年、過疎化と高齢化が進んでおり、例えば、ガソリンスタンドのように、そこで長年利用されてきた施設の維持さえ危ぶまれるような状況が生じており、化石燃料に代わるエネルギー源として、環境に負荷の少ない小水力発電の立地が望まれている。
【背景技術】
【0003】
一般に、中小河川や農業用水路等の開水路状の水路には、草や木の枝や葉などのごみが流れて来て、灌がい用の分岐水路を詰まらせたり、特に水路から分岐水路に水を引き込んで発電する水力発電装置では、ごみが発電用水車に引っ掛かって、水車の回転を阻害するといった問題がある。さらに、降雨等の影響により、水路の水位が著しく上昇して、水路を流れて来るごみの量が急に多くなったりすると、こういった問題が一層深刻化する。
【0004】
このような問題に対処するために、本出願人は、先に、発明の名称を「水路用ごみ除去装置」とする発明をして特許出願し、特許を得た(特許第6552144号、特許文献1)。
次に、この発明の水路用ごみ除去装置について、簡単に説明する。
この水路用ごみ除去装置(これは、本願の発明の「水車型除塵機ユニット」に相当する。)は、中小河川や農業用水路等の開水路状の主水路から分岐した分岐水路に主水路を流れる流水を取り込むために設けられる取水口(これは、本願の発明の「水車型除塵機ユニットの流出口」に対応する。)に設置される。そして、大略、多角形もしくは円形の筒状の形状をした回転体と、該回転体の胴体部の外周部に、周方向に等間隔に、該回転体の回転軸と平行に、それぞれ設けられ、水流の力を受けて該回転体を回転させる複数の羽根とを備えている。
【0005】
ここで、この回転体は、その回転軸を中心に回転可能に保持され、その胴体部の内部空間が、前記取水口に臨み、これを囲い、これと連通するようにして配置されている。また、この回転体には、その回転する胴体部の略全域に、ごみをトラップするスクリーンが設けられている。
【0006】
また、これらの複数の羽根は、それぞれ、それ自体が回転自在(倒立自在)に設けられるとともに、その回転を止めるストッパー部材を備えていて、羽根が、回転体と共に水流の下流に向って回転する時は、水流に押されてストッパー部材が回転体の胴体部の外周面に当たるまでそれ自体で回転し、その位置で固定されると、水流を受けて回転体の回転力を発生する。また、羽根が、回転体と共に水流の上流に向って回転する時は、水流の抵抗により逆方向にそれ自体で回転して、自動的に水流に対して一番抵抗の少ない角度に変位し、羽根が、回転体の回転の抵抗となるのを防いでいる。
【0007】
よって、主水路の上流より流れて来て、前記スクリーンや前記羽根にトラップされたごみは、回転体の回転により主水路の下流側に運ばれて、そこで、回転体の内部を流れる一部の流水と回転体の外部を流れる流水とにより剥離され、引き離されて、流水と一緒に主水路の下流に流出されて除去されるようになっている。
なお、ここで、「回転体の内部を流れる一部の流水」とは、前記スクリーンを透過して、回転体の内部に流入した主水路の流水のうちの一部の流水を指している。これより、「回転体の内部を流れる残部の流水」とは、回転体の内部に流入した主水路の流水のうち、前記取水口を経由して前記分岐水路に流入する流水を指す。したがって、これらの流水は、ごみが除去されて、綺麗になった流水である。
【0008】
この水路用ごみ除去装置は、前記のように構成されているので、次に述べるような効果を奏する。
回転体は、該回転体の胴体部の外周部に設けられた複数の羽根が受ける水流の力によって回転するので、スクリーンや羽根にトラップされたごみを除去するために、レーキ等の外部動力を要する装置は不要となり、回転体の内部から取水口を経て分岐水路に流入する流水からごみを無動力で自動的に除去することができる。
また、除去されたごみは、流水と一緒に主水路の下流に流出されるので、これらのごみを処理する特別なごみ処理装置も不要である。
さらに、これらにより、水路用ごみ除去装置の構造が簡単になり、これを取水口に容易に設置することができる。
【0009】
また、このような構造のため、主水路の流水の速度が変化すると、回転体の回転速度も自動的に変化する。したがって、雨などで主水路の水が増水し、流れて来るごみの量が増加しても、回転体の回転速度も速くなっているので、ごみを下流に運ぶ量も増えるため、回転体にごみが溜まることもない。
しかも、回転体の回転軸は、主水路の底面に対して縦に垂直に設置されるので、回転体は、主水路の水面が水量の変化により上下しても、これに影響されることなく回転して、ごみ除去を続行することができる。
【0010】
さらに、分岐水路には、前記のとおり、ごみが除去されて綺麗になった流水のみが取水口を通って流入するので、分岐水路に設置される水力発電装置(これは、本願の発明の「水力発電機ユニット」に相当する。)の水車は、流水中のごみによる妨害を受けることなく円滑に回転して、発電を続行させることができる。
【0011】
このように、本出願人の先の発明になる水路用ごみ除去装置と、このごみ除去装置の設置と共に設けられる水力発電装置とは、種々の効果を発揮するが、これらの装置は、その設置位置に関し、前者の場合は、主水路を流れる流水を分岐水路に取り込むために設けられる取水口に設置され、また、後者の場合は、この取水口に連通する分岐水路に設置されるので、それらの設置位置が限定されていた。
このため、中小河川や農業用水路等の開水路状の水路が、十分な流量と落差とを有していて、小水力発電に適していたとしても、その水路のある地域に適宜これらの装置を運搬、設置し、その利用を図ることが容易ではなかった。
【0012】
従来、水路用ごみ除去装置を浮動状に設置して、フロート式としたものは知られている(特許文献2)が、水路の個所が特定された位置での上下浮動であり、ごみの除去が求められる水路であれば、どこにでも簡単に運搬し、設置して、利用できるものとはされていない。
ましてや、水路用ごみ除去装置が組み込まれて、全体が一体化された水力発電装置が、全体的に浮動状に構成されて、水力発電に適した水路を有する所望の個所への運搬、設置が自在な、フロート式水力発電装置とされたものは、従来、見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特許第6552144号公報
【文献】特開2000-84551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本願の発明は、従来の水路用ごみ除去装置や水力発電装置が有する前記のような問題点を解決して、水車型除塵機ユニットを水力発電機ユニットに組み付けて、全体を一体化するとともに、全体を浮動状に構成して、これにより、水力発電に適した水路を有する所望の個所への運搬、設置を容易にし、しかも、ごみを除去しつつ水力発電が可能で、雨などで水路の水が増水し、流れて来るごみの量が増加しても、回転体にごみが溜まることもなく、運転を続行することができ、外部動力が不要な、フロート式水力発電装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記のような課題は、本願の特許請求の範囲の各請求項に記載された次のような発明により解決される。
すなわち、その請求項1に記載された発明は、中小河川や農業用水路等の開水路状の水路に浮動状に設置されて用いられるフロート式水力発電装置が、前記水路を流れる流水からごみを除去する水車型除塵機ユニットと、水力発電機ユニットと、フロートとを備え、前記水車型除塵機ユニットと前記水力発電機ユニットとは、前記水車型除塵機ユニットを前記水路の上流側に、前記水力発電機ユニットを前記水路の下流側にして、一体的に組み立てられて、ユニット組立体とされ、前記水車型除塵機ユニットに設けられ、ごみが除去されて綺麗になった前記水路の流水がそこを通って流出する流出口には、前記水力発電機ユニットの水車がその内部に設置されるダクトが連結されて、綺麗になった前記水路の流水が、前記流出口を通って前記ダクトに流入して、前記水車を回転させるようにされており、前記フロートは、前記ユニット組立体に連結されて、前記ユニット組立体を前記水路に浮動状に保持するようにされていることを特徴とするフロート式水力発電装置である。
【0016】
また、その請求項2に記載された発明は、前記水車型除塵機ユニットは、多角形もしくは円形の筒状の形状をした回転体であって、平面視円形状の上側シールド板と、同じ形状をした下側シールド板との間に挟まれるようにして配置され、その回転する筒状の胴体部の略全域に、ごみをトラップするスクリーンが設けられ、その回転軸の上端と下端とが、除塵機ユニット枠体の上部及び下部にそれぞれ設けられた軸受にそれぞれ支持されて、回転可能に保持される回転体と、水流の力を受けて前記回転体を回転させる複数の羽根であって、前記回転体の前記胴体部の外周部に、周方向に等間隔に、かつ、前記回転軸と平行に、それぞれ設けられ、それ自体倒立自在に回転して、その回転を止めるストッパー部材を有する複数の羽根とを備え、前記上側シールド板と前記下側シールド板とには、前記流出口がそれぞれ設けられて、それぞれ上側流出口、下側流出口とされ、前記羽根が、前記回転体と共に水流の下流に向って回転する時は、水流に押されて前記ストッパー部材が前記回転体の前記胴体部の外周部に当たるまで回転し、その位置で固定されると、水流を受けて前記回転体の回転力を発生し、前記羽根が、前記回転体と共に水流の上流に向って回転する時は、水流の抵抗により逆方向に回転して、自動的に水流に対して一番抵抗の少ない角度位置に変位し、前記水路の上流より流れて来て、前記スクリーンや前記羽根にトラップされたごみが、前記回転体の回転により前記水路の下流側に運ばれて、前記回転体の内部を流れる一部の流水及び前記回転体の外部を流れる流水により剥離され、引き離されて、流水と一緒に前記水路の下流に流出されて除去されるようにされていることを特徴とする請求項1に記載のフロート式水力発電装置である。
【0017】
また、その請求項3に記載された発明は、前記水力発電機ユニットは、その前記ダクトが、長さ方向に、前方ダクト部分と、中央ダクト部分と、後方ダクト部分との3つのダクト部分からなり、前記前方ダクト部分は、上下に分岐されて、上部取水ダクト部分と、下部取水ダクト部分との2つの取水ダクト部分からなり、これら上部取水ダクト部分と下部取水ダクト部分とは、前記水車型除塵機ユニットの前記上側流出口と前記下側流出口とにそれぞれ連結されて、それぞれの内部が連通するようにされ、前記中央ダクト部分は、円筒状ダクト部分とされ、ここに、前記水車が設置され、前記後方ダクト部分は、後方に行くに従い寸法が増大する末広がり状ダクト部分とされ、コアンダ効果により、綺麗になった前記水路の流水を、前記上側流出口と前記下側流出口とから前記末広がり状ダクト部分へと吸い込む力を発生するようにされている
ことを特徴とする請求項2に記載のフロート式水力発電装置である。
【0018】
また、その請求項4に記載された発明は、前記水路の上流方向に見て、細長い流線形状をした左側フロートと、同じ形状をした右側フロートとが、複数本の連結杆により連結されて、一体的に組み立てられてなり、前記左側フロートと前記右側フロートとが、前記ユニット組立体の枠体の左側上部枠杆と右側上部枠杆とにそれぞれ連結されて、前記ユニット組立体を前記水路に浮動状に保持するようにされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフロート式水力発電装置である。
【0019】
さらに、その請求項5に記載された発明は、前記左側フロートと前記右側フロートとには、それぞれの後端部の左右対照位置に、舵板が一体に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のフロート式水力発電装置である。
【発明の効果】
【0020】
本願の発明は、前記のように構成されているので、次のような種々の効果を奏することができる。
本願の発明のフロート式水力発電装置は、その水車型除塵機ユニットと水力発電機ユニットとが、一体的に組み立てられて、ユニット組立体とされ、フロートが、このユニット組立体に連結されて、ユニット組立体を水路に浮動状に保持するようにされているので、十分な流量と落差のある、水力発電に適した水路を有する山間・平野部の地域であれば、どこにでも、装置全体をそのままか、あるいは、いくつかの装置部分に分解するなどして、適宜運搬して、容易に設置することができ、その利便性が格段に向上する。
そして、これにより、今日、過疎化、高齢化が進み、ガソリンスタンドの維持、経営も危ぶまれるような状況が生じているこのような地域で、生産活動や日常生活の多くの場面で、本水力発電による電化が進められれば、生産活動の効率性や日常生活の質の維持、向上を図ることができるようになり、社会問題の解決に貢献することができる。
【0021】
また、このフロート式水力発電装置は、その水車型除塵機ユニットの流出口に、水力発電機ユニットの水車がその内部に設置されるダクトが連結されるので、ごみが除去(除塵)されて綺麗になった水路の流水が、その流出口を通ってダクト内に流入して、水車を回転させることができ、水車は、ごみによる妨害を受けることなく円滑に回転して、発電を続行させることができるので、安定した電力が得られて、その利用効率が向上する。
【0022】
また、その水車型除塵機ユニットは、上側シールド板と下側シールド板との間に挟まれるようにして配置され、その回転する筒状の胴体部の略全域に、ごみをトラップするスクリーンが設けられ、多角形もしくは円形の筒状の形状をした回転体が、該回転体の胴体部の外周部に設けられた複数の羽根が受ける水流の力によって自動的に回転するので、水路の上流より流れて来て、スクリーンや羽根にトラップされた草や木の枝や葉などのごみ(塵芥)は、該回転体の回転により自動的に水路の下流側に運ばれて、そこで、該回転体の内部を流れる一部の流水や該回転体の外部を流れる流水により、スクリーンや羽根から剥離され、引き離されて、流水と一緒に水路の下流に流出されて除去される。
このため、これらの羽根やスクリーンにトラップされたごみを除去するために、レーキ等の外部動力を要する装置は不要となり、回転体の内部から、上側シールド板と下側シールド板に設けられた流出口(上側流出口と下側流出口)を経て、水車が設置されたダクトに流入する水路の流水からごみを無動力で、自動的に除去することができる。
また、除去されたごみを処理する特別なごみ処理装置も不要となる。さらに、これらにより、水車型除塵機ユニットの構造が簡単になり、これを水路に容易に設置することができる。
【0023】
加えて、このような構造のため、水路の流水の速度が変化すると、回転体の回転速度も自動的に変化するので、雨などで水路の水が増水し、流れて来るごみの量が増加しても、回転体の回転速度も速くなっており、ごみを下流に運ぶ量も増えるため、回転体にごみが溜まることもない。
【0024】
また、その水力発電機ユニットは、その前方ダクト部分の上部取水ダクト部分と下部取水ダクト部分とが、水車型除塵機ユニットの上側流出口と下側流出口とにそれぞれ連結されて、ごみが除去されて綺麗になった水路の流水が、2つの流路に分かれて、水車型除塵機ユニットから水力発電機ユニットに流入し、吸い込まれるようにされているので、流水の流路が滑らかになり、流水が淀むことも、乱れることも少なくなり、水車の吸込み高さ(有効落差)が改善されて、発電効率が向上する。
【0025】
また、その水力発電機ユニットは、その後方ダクト部分が末広がり状ダクト部分とされていて、コアンダ効果により、綺麗になった水路の流水が、水車型除塵機ユニットの流出口(上側流出口と下側流出口)から末広がり状ダクト部分へと吸い込まれていく力を発生するので、この面からも、水車の吸込み高さが改善されて、発電効率が向上する。
【0026】
また、そのフロートは、水路の上流方向に見て、細長い流線形状をした左側フロートと、同じ形状をした右側フロートとが、複数本の連結杆により連結されて、一体的に組み立てられてなり、これら左側フロートと右側フロートとが、ユニット組立体の枠体の左側上部枠杆と右側上部枠杆とにそれぞれ連結されて、ユニット組立体を水路に浮動状に保持するようにされているので、ユニット組立体を水路に浮動状に保持するのに、フロートが受ける風の影響を低減することができ、本フロート式水力発電装置の姿勢、牽いては、その稼働を安定化することができる。
【0027】
さらに、それら左側フロートと右側フロートとには、それぞれの後端部の左右対照位置に、舵板が一体に設けられているので、本フロート式水力発電装置を、常時、水路を流れる流水の流路に沿わせて位置せしめて、その姿勢、牽いては、その稼働を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本願の発明の一実施例のフロート式水力発電装置の全体斜視図であって、回転体からスクリーンを取り除いて示す図である。
【
図2】同フロート式水力発電装置の左側面図である。
【
図7】
図1のフロート式水力発電装置の水路の流れ方向に沿った中央断面図である。
【
図8】ごみが除去されて綺麗になった水路の流水が、水車型除塵機ユニットの流出口を出て、水力発電機ユニットの上下部取水ダクト部分に吸入される状態を示した図である。
【
図9】ごみが除去されて綺麗になった水路の流水が、水力発電機ユニットのダクト内を流れる状態を示した図である。
【
図10】水路の流水中に置かれた水車型除塵機の平面図であって、水車型除塵機の作動を説明するための図である。
【
図11】同水車型除塵機の斜視図であって、回転体からスクリーンを取り除いて示す図である。
【
図12】
図11の水車型除塵機において、手前半分を切断除去して示す図である。
【
図13】
図11の水車型除塵機において、回転体にスクリーンを取り付けて示す図である。
【
図14】水車型除塵機ユニットの枠体の斜視図である。
【
図15】
図14の枠体のうち、上側シールド板及び軸受を含む上枠杆等一体組立体部分のみを取り出して示す図である。
【
図16】
図14の枠体に
図11の水車型除塵機を組み込んで完成された水車型除塵機ユニットの斜視図である。
【
図17】ユニット組立体の枠体に、水力発電機ユニットのダクトが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図18】
図17のユニット組立体の枠体に、
図16の水車型除塵機ユニットが更に取り付けられて完成されたユニット組立体の斜視図である。
【
図19】ユニット組立体の枠体の上部枠杆に、フロートを連結する仕方を説明するための図であって、水路の上流方向に見て、後方左上方から見た斜視図である。
【
図20】ユニット組立体の枠体の上部枠杆に、フロートを連結する仕方を説明するための図であって、水路の下流方向に見て、後方左下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(実施例)
次に、本願の発明のフロート式水力発電装置の一実施例を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
本実施例のフロート式水力発電装置は、主として地方の山間・平野部のような、近年、過疎化と老齢化が進む地域において、そこを流れる中小河川や農業用水路等の開水路状の水路に浮動状に設置されて用いられる。
以下、本実施例のフロート式水力発電装置の構造と作動と効果について、詳細に説明する。なお、以下においては、特にことわりのない限り、水路の上流方向に見て、前後、左右を定めることとする。
【0030】
(フロート式水力発電装置の全体構造と作動のあらまし)
先ず、本実施例のフロート式水力発電装置の全体構造と、その作動のあらましについて、説明する。
本実施例のフロート式水力発電装置1は、
図1~
図7に示されるように、あらまし、水路6を流れる流水からごみを除去する水車型除塵機ユニット2と、水力発電機ユニット3と、フロート4とを備えてなる。
ここで、水車型除塵機ユニット2と水力発電機ユニット3とは、水車型除塵機ユニット2を水路6の上流側に、水力発電機ユニット3を水路6の下流側にして、一体的に組み立てられて、ユニット組立体5とされている。そして、このユニット組立体5にフロート4が連結されて、このフロート4が、ユニット組立体5を水路6に浮動状に保持するようになっている。
【0031】
また、この場合、ユニット組立体5においては、水車型除塵機ユニット2に設けられ、ごみが除去されて綺麗になった水路6の流水がそこを通って流出する流出口15(
図14~
図16参照。上下に2個所ある。)に、水力発電機ユニット3の水車21(
図7参照)がその内部に設置されるダクト24の前方ダクト部分24aが連結されていて、綺麗になった水路6の流水が、流出口15を通って前方ダクト部分24aからダクト24に流入して、ダクト24内に設置された水車21を回転させる。
ここで、前方ダクト部分24aは、上部取水ダクト部分24a1と、下部取水ダクト部分24a2との上下2つの取水ダクト部分からなっていて、これらが、前記した上下2個所の流出口15にそれぞれ連結されている。
【0032】
そこで、今、草や木の枝や葉などのごみを含んだ水路6の流水が、水車型除塵機ユニット2の内部に入ると、その回転体7の胴体部に張設されたスクリーン27(
図13参照)で濾過されて、ごみが除去された綺麗な流水となる。このようにして綺麗にされた水路6の流水は、次いで、前記のとおり、2つの流出口15を通ってダクト24に流入し、そこに設置された水車21を回転させる。これにより、水力発電が行われる。この間の、綺麗にされた水路6の流水の流れの状況が、
図8及び
図9に示されている。
他方、ごみは、スクリーン27や、スクリーン27と同じように回転体7の胴体部に設けられた複数の羽根8にトラップ(捕捉)されて、回転体7の回転と共に水路6の下流側に運ばれ、そこで剥離され、引き離されて、下流に流出して除去される。
水車型除塵機ユニット2がごみを除去する作用については、後で詳しく説明される。
【0033】
(水車型除塵機ユニットの全体構造)
次に、本実施例の水車型除塵機ユニット2の全体構造を、
図10~
図16を参照して、詳しく説明する。
本実施例の水車型除塵機ユニット2は、ユニット組立体5の構成ユニットの片方をなすものであり、
図16に示されるように、あらまし、水車型除塵機20と、除塵機ユニット枠体10とを備えてなる。ここで、水車型除塵機20は、回転体7と、複数の羽根8とを組み合わせた、組立体からなっている。
そこで、以下では、回転体7と、複数の羽根8と、除塵機ユニット枠体10とについて、それぞれ、順次、説明する。
【0034】
(回転体)
先ず、回転体7について、
図10~
図16を参照して、説明する。
回転体7は、複数の羽根8の全てが畳まれた状態で、多角形もしくは円形(本実施例の場合、18角形)の筒状の形状をしていて、枠体10の上部に固定して設けられた平面視円形状の上側シールド板11aと、それと対向するようにして枠体10の下部に固定して設けられ、それと同じ形状、構造を有する下側シールド板11bとの間に挟まれるようにして配置され、その回転する筒状の胴体部の略全域に、前記した、ごみをトラップするスクリーン27が設けられている。そして、その回転軸13の上端と下端とが、枠体10の上部の上枠杆組立体14a、下部の下枠杆組立体14bにそれぞれ設けられた軸受12に支持されて、回転可能に保持されている。
なお、前記した上側シールド板11aと下側シールド板11bとは、これら上枠杆組立体14a、下枠杆組立体14bの側面であって、前記2個の軸受12がそれぞれ設けられた側と反対側の側面に固着されて保持されており、したがって、これら上側シールド板11aと下側シールド板11bとは、これら上枠杆組立体14a、下枠杆組立体14bを介して、枠体10にそれぞれ固定して取り付けられる。
上枠杆組立体14a、下枠杆組立体14bについては、後で除塵機ユニット枠体10について説明される中で、詳しく説明される。
また、
図13では、回転体7にスクリーン27が設けられた状態が図示されているが、それ以外の図では、スクリーン27の図示が省略されている。
【0035】
回転体7の胴体部は、複数の羽根8を取り付ける基体となる部分であり、18角形の角数に応じた、18枚の金属製の細長い枠板17が、18角形の角柱をなすようにして並べられて、上下3段に配された連結リング16a、16b、16cにより、固く連結されて、一体化されている。そして、このようにして一体化された回転体7の胴体部は、さらに、連結リング16bの位置において、回転軸13と9本の連結杆36を介して連結されて、回転体7の一体構造が完成されるようになっている(
図11参照)。
複数の羽根8は、その各々が、各枠板17に1枚ずつ取り付けられている。その取付け構造の詳細については、後述する。
【0036】
各枠板17は、また、スクリーン27が張設される単位枠体となるものであり、細長い板形状をしたその内方領域には、2つの窓部18、18が打ち抜き形成されていて、スクリーン27は、これらの窓部18、18を覆うようにして、各枠板17に設けられている。そして、このスクリーン27を通して、水路6の流水が、水車型除塵機ユニット2の内部に流入し、また、その外部に流出する。
2つの窓部18、18を仕切る枠板17の中央仕切り板部分17bは、枠板17の長さ方向に見て、連結リング16bと位置的に重なっていて、相互に結着されている。
【0037】
(複数の羽根)
次に、複数の羽根8について、
図10~
図13を参照して、説明する。
複数の羽根8は、金属製で、水流の力を受けて回転体7を回転させる機能を有するものであり、前記したところからも明らかなとおり、回転体7の胴体部を構成する18枚の枠板17の各々の外周部に、全ての羽根8が周方向に等間隔になるように、かつ、回転軸13と平行にして、それぞれ取り付けられるものであって、それ自体倒立自在に回転して、その回転を止めるストッパー部材9をそれぞれ有している。
図10には、複数の羽根8が、水流の力を受けて、倒伏状態から起立状態まで自動的に回転して、回転体7を回転させる力を得るに至るまでの各羽根8の倒立状態が示されている。各羽根8は、そのストッパー部材9が回転体7の胴体部の外周部の面(各枠板17の外周部の面)に衝突した時、完全な起立状態となり、回転体7の回転力は最大となる。
【0038】
(複数の羽根の回転体への取付け)
ここで、複数の羽根8の各々を枠板17の外周部に取り付ける取付け方について、詳細に説明する。
羽根8は、枠板17の幅方向中央部に位置するようにして、枠板17の外周部に取り付けられる。そのために、詳細な図示は省略するが、枠板17の2つの窓部18、18を仕切る中央部仕切り板部分17bと、上方の窓部18に接する上部枠板部分17aと、下方の窓部18に接する下部枠板部分17cとの各長さ方向中央部に、それぞれ羽根取付け金具が設けられていて、これら3個の羽根取付け金具と、羽根8の上部と中央部と下部との3個所にそれぞれ設けられた3個のストッパー部材9の下端部とが、羽根8それ自体の回転が可能になるような態様で、それぞれ緩くボルト連結されている。
このストッパー部材9は、細長い板状の形状をなし、羽根8の補強リブの役目も兼ねている。
【0039】
そして、ストッパー部材9の下端部には、また、枠板17の前記上部枠板部分17a、中央部仕切り板部分17b、下部枠板部分17cの各外周部の面に衝突して、水流による羽根8の自動回転を止めるストッパーの役目を果たす衝突子39(
図10参照)が、ストッパー部材9の前記ボルト連結の位置よりもわずかにその幅方向外方に位置をずらして、突出形成されている。
これにより、この衝突子39が、これらの面に当たると、羽根8は、その回転を止められ、これらの面に垂直な角度の位置で一時的に固定される。この固定されて起立した姿勢で、羽根
8は、水流3の力を最大に受けて、回転体7を
図10では左回転させる(矢印参照。詳しくは参考文献1参照。)。
【0040】
(除塵機ユニット枠体)
次に、除塵機ユニット枠体10について、
図14~
図16を参照して、説明する。
除塵機ユニット枠体10は、水車型除塵機20(回転体7と複数の羽根8との一体組立体)を囲み、枠体10を含めて、全体を水車型除塵機ユニット2としてまとめて、これを、本フロート式水力発電装置1の中に位置付け、取り付けるために用いられる。
なお、枠体10の素材をなす枠杆の材料としては、金属製のU字管が使用されている。この点は、他の枠体についても同様である。
【0041】
除塵機ユニット枠体10は、
図14及び
図16に示されるように、上枠杆組立体14a、下枠杆組立体14bと、その他の枠杆を組み合わせてなる枠杆構造体28との組立体からなっている。
ここで、上枠杆組立体14a、下枠杆組立体14bは、平面視T字状をなし、T字の横辺の部分は、特に2本の枠杆子の対から構成されている。
そして、上枠杆組立体14aの表裏両側面には、既に述べたとおり、上側シールド板11aと軸受12とが、それぞれ面を異ならせて固着して取り付けられており、また、下枠杆組立体14bの表裏側面にも、同じようにして、下側シールド板11bと軸受12とが、それぞれ面を異ならせて固着して取り付けられている。そして、それらは、全体として、上側枠杆・シールド板・軸受一体組立体19a(特に
図15参照)、下側枠杆・シールド板・軸受一体組立体19bをそれぞれ形成している。以下においては、これらを、それぞれ上枠杆等一体組立体19a、下枠杆等一体組立体19bと略称することとする。これらは、同じ構造のものであって、実際の使用に当たっては、同じ面同士が対向するようにして用いられる(なお
図3、
図4参照)。
なお、上側シールド板11aと下側シールド板11bとには、前記した、綺麗になった水路6の流水の流出口15が、打ち抜き形成により、それぞれ設けられている。
【0042】
また、枠杆構造体28は、これら上枠杆等一体組立体19aと下枠杆等一体組立体19bとを受け容れるスペースを有する複数の枠杆からなる枠杆構造体であって、平面視コの字状で、2段構成の1段目と2段目とが、合計5本の縦枠杆により連結されて組み立てられてなり、そのうちの1本の縦枠杆は、平面視コの字の底辺の中央部に配されている。また、1段(最下段)目の平面視コの字の両側辺の枠杆は、それぞれ2本の枠杆子の対からなるものとされている。
【0043】
そして、このような枠杆構造体28の1段目に下枠杆等一体組立体19bを嵌入し、また、その2段目に上枠杆等一体組立体19aを嵌入して、それぞれの下枠杆組立体14b、上枠杆組立体14aの各T字の3点が相手側と当接する個所をボルト止めすることにより、枠体10が完成されている(
図14参照)。
よって、このようにして除塵機ユニット枠体10が完成される時、自動的に、上側シールド板11a、下側シールド板11bの位置決め、固定がなされている。
【0044】
(除塵機ユニット枠体への水車型除塵機の組込み)
次に、このようにしてなる除塵機ユニット枠体10に、水車型除塵機20を組み込む組込み方について、詳細に説明する。
除塵機ユニット枠体10に水車型除塵機20を組み込むに当たっては、先ず、枠体10の状態を、完成された状態にある枠体10から上枠杆等一体組立体19aを取り除いた状態にしておく。
この状態において、水車型除塵機20を枠体10の上方から枠体10内に降ろし、その回転軸13の下端を、下枠杆等一体組立体19bに取り付けられている軸受12に嵌入して、水車型除塵機20を枠体10内に位置決めする。
【0045】
次いで、取り除いておいた上枠杆等一体組立体19aを、枠体10の上方から枠体10内に降ろし、水車型除塵機20の回転軸13の上端を、上枠杆等一体組立体19aに取り付けられている軸受12に嵌入し、同じく上枠杆等一体組立体19aに取り付けられている上枠杆組立体14aの各T字の3点が相手側と当接する個所をボルト止めして、上枠杆等一体組立体19aを枠体10に固着して取り付ける。
このようにすることにより、水車型除塵機20は、枠体10内に完全に位置決め、固定されて組み込まれる。
【0046】
なお、上側シールド板11aと下側シールド板11bとには、さらに、それらの対向面側であって、それらの外周縁近傍に、平面視円形状の帯状シールリング29が、それぞれ固着されて設けられており(
図14参照)、前記のようにして、水車型除塵機20が枠体10内に完全に位置決め、固定されて組み込まれた時、水車型除塵機20の回転体7の胴体部(18枚の枠板17の連結体からなる)の上下端部外周面が、これらの帯状シールリング29の内周面に接するようにされていて、これにより、回転体7の外部から内部にごみが侵入しないようにするとともに、回転体7の内外の流水の移動を制限して、回転体7の内部の綺麗になった流水が外部に漏れることのないようにしている。
【0047】
(水車型除塵機ユニットの作動)
本実施例の水車型除塵機ユニット2は、前記のように構成されているので、次のように作動する。
水車型除塵機20の複数の羽根8は、羽根8が、回転体7と共に水流の下流に向って回転する時は、水流に押されてストッパー部材9が回転体7の胴体部の外周部の面に当たるまで回転し、その位置で固定されると、水流を受けて回転体7を回転させる回転力を発生し、羽根8が、回転体7と共に水流の上流に向って回転する時は、水流の抵抗により逆方向に回転して、自動的に水流に対して一番抵抗の少ない角度位置に変位する。
なお、ここで、回転体7の胴体部の外周部の面とは、前記したところから明らかなとおり、回転体7の胴体部を構成する各枠板17の上部枠板部分17a、中央部仕切り板部分17b、下部枠板部分17cの各外周部の面を指している。
【0048】
そこで、今、羽根8が、前記のようにして回転体7を回転させる回転力を得て、回転体7を回転させている間に、
図1で左側から流れて来る水路6の流水は、回転体7に衝突し、回転体7を更に回転続行させるように作用するとともに、回転体7の胴体部に張設されたスクリーン27を透過して、回転体7の内部に流れ込む。この時、流水と一緒に流れて来たごみは、スクリーン27や羽根8にトラップされる。
そして、回転体7の内部に流れ込んだ流水のうちの一部の流水は、回転体7の内部を通過して、再びスクリーン27を抜けて回転体7の外部に出て、水路6の下流へと流出する。
【0049】
この時、回転体7の胴体部の略全域に張設されたスクリーン27のうち、水流6の下流側に位置するスクリーン27の部分では、前記一部の流水が、スクリーン27を抜けて、回転体7の外部に流出する際に、スクリーン27や羽根8を逆洗して、これらにトラップされたごみを剥離し、引き離して、流水と一緒に水路6の下流に流出させて除去する。
また、回転体7の外部を流れる流水も、羽根8にトラップされたごみを羽根8から引き離して、流水と一緒に水路6の下流に流出させて除去する。このようにして、水路6の流水と一緒に流れて来たごみ(塵埃)は、除塵される。
【0050】
また、回転体7の内部を流れる残部の流水は、一部の流水と同様に、スクリーン27を抜けて、ごみが除去されて綺麗になった流水であるが、この流水は、次いで、回転体7の内部の上下部に臨んで開口している、上側シールド板11aと下側シールド板11bとにそれぞれ設けられた流出口15から流出して、水力発電機ユニット3の上部取水ダクト部分24a1、下部取水ダクト部分24a2からダクト24に流入して、ダクト24内に設置された水車21を、ごみによる妨害なく、円滑に回転させる。
【0051】
(水力発電機ユニットの全体構造と作動)
次に、本実施例の水力発電機ユニット3の全体構造と作動を、
図1、
図7~
図9を参照して、詳細に説明する。
本実施例の水力発電機ユニット3は、ユニット組立体5の構成ユニットの他方をなすものであり、
図1及び
図7に示されるように、そのダクト24が、長さ方向に、前方ダクト部分24aと、中央ダクト部分24bと、後方ダクト部分24cとの3つのダクト部分からなるものとされている。
【0052】
ここで、前方ダクト部分24aは、さらに、上下に分岐されて、上部取水ダクト部分24a1と、下部取水ダクト部分24a2との2つの取水ダクト部分からなるものとされ、これら上部取水ダクト部分24a1と下部取水ダクト部分24a2とが、水車型除塵機ユニット2の上側流出口15、下側流出口15にそれぞれ連結されて、それぞれの内部が連通するようになっている。それぞれの連結部の詳細構造については、後で、ユニット組立体5の枠体30及び各ユニット2、3の該枠体30への取付けを説明する個所で、詳しく説明される。
したがって、水車型除塵機ユニット2により、ごみが除去されて綺麗になった水路6の流水は、水車型除塵機ユニット2より二手に分かれて流出することができ、流路における淀みが低減されて、流水の流れが円滑化する。
【0053】
また、中央ダクト部分24bは、円筒状ダクト部分とされ、ここに、水車21が設置されている。
水車21は、ここのダクト部分を流れる、ごみが除去されて綺麗になった水路6の流水により、ごみによる妨害を受けることなく円滑に回転して、その回転が、動力伝達軸22を介して発電機23に伝達され、ここで水力発電が行われる。動力伝達軸22は、ここのダクト部分の筒壁を軸封されて貫通して、発電機23へと伸びている。
【0054】
さらに、後方ダクト部分24cは、後方に行くに従い寸法が増大する末広がり状ダクト部分とされており、コアンダ効果が期待される形状となっている。
したがって、流水には、広がるダクトの曲面に沿って流れる作用が働いて、ダクトの開口面積の増加とともに水圧が下がるので、結果として、綺麗になった水路6の流水を、上側流出口15、下側流出口15から末広がり状ダクト部分24cへと吸い込む力が生ずることになり、これにより、水車21の吸込み高さ(有効落差)が改善される。
【0055】
(ユニット組立体の枠体、各ユニットの取付け)
水車型除塵機ユニット2と水力発電機ユニット3とは、
図1、
図7、
図17及び
図18に示されるように、これらの一体組立体であるユニット組立体5の枠体30に、それぞれ位置決めされて取り付けられる。
枠体30は、あらまし、
図17及び
図18に示されるように、その長さ方向の前方約3分の1を占める領域に、2段構成で、その2段目が平面視コの字状に枠組みされた、比較的高さの低い枠杆構造体30aと、その長さ方向の後方約3分の2を占める領域に枠組み構成された、比較的高さの高い枠杆構造体30bとの2つの部分からなっている。そして、これらは、最下段左右の長い枠杆が共用されることにより、連結されて一体化されている。
そこで、水車型除塵機ユニット2は、このような枠杆構造体30aの上部に、また、水力発電機ユニット3は、このような枠杆構造体30bの内部に、それぞれ位置決めされて取り付けられている。
【0056】
次に、枠体30への各ユニットの取付け方について、更に詳細に説明する。
先ず、水力発電機ユニット3の枠体30への取付け方について、
図17を参照して、説明する。なお、
図17には、その取付けが完了した状態が示されている。
水力発電機ユニット3を枠体30に取り付けるのには、通常の取付け方法が採用されて良いが、中央ダクト部分24bの筒壁を貫通して伸びる動力伝達軸22が、複数の縦横枠杆により損傷を受けないようにする必要がある。そのために、例えば、先ず、枠杆構造体30bの上方部の中央と前方もしくは中央と後方にある合計2本の横枠杆37を取り外しておいてから、その後、組付け、取付け作業を行うようにする。下方部の合計5本の横枠杆34は、水力発電機ユニット3を載置し、支持するのに使用される。
【0057】
次に、水車型除塵機ユニット2の枠体30への取付け方について、
図18を参照して、説明する。なお、
図18には、その取付けが完了した状態が示されている。
水車型除塵機ユニット2を枠体30に取り付けるのには、先ず、
図17に示される状態にある水力発電機ユニット3から、その上部取水ダクト部分24a1を取り外しておく。次いで、この状態において、水車型除塵機ユニット2を枠杆構造体30aの真上上方の位置から下方に降ろして、その上部(詳細には、
図17を参照して、その2段目の平面視コの字状枠杆構造体部分30a1の上面)に載置する。次いで、水車型除塵機ユニット2の下側流出口15(
図14、
図16参照)に水力発電機ユニット3の下部取水ダクト部分24a2の先端部分を連結し、水密に接続する。
次いで、取り外しておいた上部取水ダクト部分24a1を前方ダクト部分24aに戻して連結、水密に接続するとともに、その先端部分を水車型除塵機ユニット2の上側流出口15に連結し、水密に接続する。
最後に、水車型除塵機ユニット2を枠杆構造体30aの上部に正確に位置決めしてから、所要個所をボルト連結して取り付け、固定する。
【0058】
なお、ここで、水車型除塵機ユニット2を枠杆構造体30aの上部に載置するのには、次のようにして行われる。
すなわち、枠杆構造体30aの上部に載置されて面接触するのは、除塵機ユニット枠体10の枠杆構造体28(
図16参照)の1段目の平面視コの字状枠杆構造体部分であるが、この場合の「平面視コの字状枠杆構造体部分」には、その両側辺の枠杆それぞれを構成する2本の枠杆子のうちの内方に位置する枠杆子のみが使用されている。この結果、内方に位置する枠杆子と外方に位置する枠杆子との間の枠杆構造体部分は、ユニット組立体5の枠体30の領域から両側方にはみ出ることになる(
図5、
図6をも参照)。このようにすることにより、枠体30の大型化が避けられる。
【0059】
(フロートの全体構造と作動)
次に、本実施例のフロート4の全体構造と作動とを、
図1~
図7、
図17~
図20を参照して、詳細に説明する。なお、
図19及び
図20においては、ユニット組立体5の枠体30の図示が簡略化されている。
本実施例のフロート4は、
図1~
図7に示されるように、細長い流線形状をした断面矩形の左側フロート4aと、同じ形状をした右側フロート4bとが、複数本の連結杆25により連結されて、一体的に組み立てられてなる。
そして、左側フロート4aと右側フロート4bとの対向し合う両内壁板33a、33bの各下縁部の前後方向中央よりやや後方寄りの1個所と、同後端部の1個所とが、
図1、
図19及び
図20により良く示されるように、枠体30の一部をなす枠杆構造体30bの左右上方部の前端の位置と後端の位置とにそれぞれ設けられた左側上部縦枠杆31と右側上部縦枠杆32とにそれぞれ連結されて、フロート4が、ユニット組立体5を水路6に浮動状に保持することができるようになっている。
【0060】
この場合において、両壁板33a、33bの各下縁部の後端部の1個所は、そこの個所の壁板部分が、比較的小さい幅分だけ後方に長く延長されて、枠杆状の細長板部分35a、35bとされており、それらの先端部が、左側上部縦枠杆31と右側上部縦枠杆32との各上端部にそれぞれ連結されて、ユニット組立体5の後方部の荷重が、フロート4により分担されるようになっている。
なお、前記左側上部縦枠杆31と前記右側上部縦枠杆32との各上端部間は、前記のとおり、細長板部分35a、35bの各先端部が、左側上部縦枠杆31と右側上部縦枠杆32との各上端部にそれぞれ連結された後、横枠杆をなす連結杆38により連結される。
【0061】
また、左側フロート4aと右側フロート4bとには、それぞれの底壁板の後端部の左右対照位置に、舵板26が一体に取り付けられて設けられている。
これにより、本フロート式水力発電装置1を、常時、水路6を流れる流水の流路に沿わせて位置せしめて、その姿勢を安定化することができるようになっている。
【0062】
(実施例の効果)
本実施例のフロート式水力発電装置1は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
本実施例のフロート式水力発電装置1は、その水車型除塵機ユニット2と水力発電機ユニット3とが、一体的に組み立てられて、ユニット組立体5とされ、フロート4が、このユニット組立体5の枠体30に連結されて、ユニット組立体5を水路6に浮動状に保持するようにされているので、十分な流量と落差のある、水力発電に適した水路を有する山間・平野部の地域であれば、どこにでも、装置全体をそのままか、あるいは、いくつかの装置部分に分解するなどして、適宜運搬して、容易に設置することができ、その利便性が格段に向上する。
そして、これにより、今日、過疎化、高齢化が進み、ガソリンスタンドの維持、経営も危ぶまれるような状況になっているこのような地域で、生産活動や日常生活の多くの場面に本水力発電装置の利用による電化が進められれば、生産活動の効率性や日常生活の質の維持、向上を図ることが可能になり、社会問題の解決に貢献することができる。
【0063】
また、このフロート式水力発電装置1は、その水車型除塵機ユニット2の流出口15に、水力発電機ユニット3の水車21がその内部に設置されるダクト24が連結されるので、ごみが除去(除塵)されて綺麗になった水路6の流水が、その流出口15を通ってダクト内4に流入して、水車21を回転させることができ、水車21は、ごみによる妨害を受けることなく、円滑に回転して発電を続行させることができるので、安定した電力が得られて、その利用効率が向上する。
【0064】
また、その水車型除塵機ユニット2は、上側シールド板11aと下側シールド板11bとの間に挟まれるようにして配置され、その回転する筒状の胴体部の略全域に、ごみをトラップするスクリーン27が設けられ、18角形の筒状の形状をした回転体7が、該回転体7の胴体部の外周部に設けられた複数の羽根8が受ける水流の力によって自動的に回転するので、水路6の上流より流れて来て、スクリーン27や羽根8にトラップされた草や木の枝や葉などのごみ(塵芥)は、該回転体7の回転により自動的に水路6の下流側に運ばれて、そこで、該回転体7の内部を流れる一部の流水や該回転体7の外部を流れる流水により、スクリーン27や羽根8から剥離され、引き離されて、流水と一緒に水路6の下流に流出されて、除去される。
このため、これらのスクリーン27や羽根8にトラップされたごみを除去するために、レーキ等の外部動力を要する装置は一切不要となり、回転体7の内部から、上側シールド板11aと下側シールド板11bとにそれぞれ設けられた上側流出口15と下側流出口15とを経て、水車21が設置されたダクト4に流入する水路6の流水から、ごみを無動力で、自動的に除去することができる。また、除去されたごみを処理する特別なごみ処理装置も不要となる。さらに、これらにより、水車型除塵機ユニット2の構造が簡単になり、これを水路6に容易に設置することができる。
【0065】
また、このような構造のため、水路6の流水の速度が変化すると、回転体7の回転速度も自動的に変化するので、雨などで水路6の水が増水し、流れて来るごみの量が増加しても、回転体7の回転速度も速くなっており、ごみを下流に運ぶ量も増えるため、回転体7にごみが溜まることもない。
【0066】
また、上側シールド板11aと下側シールド板11bとには、それらの対向面側であって、それらの外周縁近傍に、平面視円形状の帯状シールリング29が、それぞれ固着されて設けられているので、これらの帯状シールリング29の内周面には、水車型除塵機20の回転体7の胴体部の上下端部外周面が、常時、接触するようになる。これにより、回転体7の外部から内部にごみが侵入するのを防止することができるとともに、回転体7の内外間の流水の移動を制限して、回転体7の内部の綺麗になった流水が外部に漏れるのを低減することができて、発電効率が向上する。
【0067】
また、その水力発電機ユニット3は、その前方ダクト部分24aの上部取水ダクト部分24a1と下部取水ダクト部分24a2とが、水車型除塵機ユニットの上側流出口15と下側流出口15とにそれぞれ連結されて、ごみが除去されて綺麗になった水路6の流水が、2つの流路に分かれて、水車型除塵機ユニット2から水力発電機ユニット3に流入し、吸い込まれるようにされているので、流水の流路が滑らかになり、流水が淀むことも、乱れることも少なくなり、水車の吸込み高さ(有効落差)が改善されて、発電効率が向上する。
【0068】
また、その水力発電機ユニット3は、その後方ダクト部分24cが末広がり状ダクト部分とされていて、コアンダ効果により、綺麗になった水路6の流水が、水車型除塵機ユニット2の上側流出口15と下側流出口15とから末広がり状ダクト部分へと吸い込まれていく力を発生するようにされているので、この面からも、水車21の吸込み高さが改善されて、発電効率が向上する。
【0069】
さらに、そのフロート4は、左側フロート4aと右側フロート4bとからなるものとされており、かつ、これらの左側フロート4aと右側フロート4bとには、それぞれの後端部の左右対照位置に、舵板26が一体に設けられているので、フロート4が受ける風の影響を低減することができるとともに、フロート式水力発電装置1を、常時、水路6を流れる流水の流路に沿わせて位置せしめることができる。これらにより、フロート式水力発電装置1の姿勢、牽いては、その稼働を安定化することができる。
【0070】
本願の発明は、以上の実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
例えば、実施例のフロート式水力発電装置1において、そのユニット組立体5(水車型除塵機ユニット2と水力発電機ユニット3との一体組立体からなる)は、フロート4により、水路6に浮動状に保持されて使用することとされたが、フロート4を用いずに、水路6の川底に固定的に設置して使用することも可能である。但し、この場合には、水力発電に適した水路を有する所望の個所への運搬、設置が容易になるとの効果は、やや犠牲にされる。
【符号の説明】
【0071】
1…フロート式水力発電装置、2…水車型除塵機ユニット、3…水力発電機ユニット、4…フロート、4a…左側フロート、4b…右側フロート、5…ユニット組立体、6…水路、7…回転体、8…羽根、9…ストッパー部材、10…除塵機ユニット枠体、11a…上側シールド板、11b…下側シールド板、12…軸受、13…回転軸、14a…上枠杆組立体、14b…下枠杆組立体、15…流出口(上側流出口、下側流出口)、16a~16c…連結リング、17…枠板、17a…上部枠板部分、17b…中央仕切り板部分、17c…下部枠板部分、18…窓部、19a…上枠杆等一体組立体、19b…下枠杆等一体組立体、20…水車型除塵機、21…水車、22…動力伝達軸、23…発電機、24…ダクト、24a…前方ダクト部分、24a1…上部取水ダクト部分、24a2…下部取水ダクト部分、24b…中央ダクト部分(円筒状ダクト部分)、24c…後方ダクト部分(末広がり状ダクト部分)、25…連結杆、26…舵板、27…スクリーン、28…枠杆構造体、29…帯状シールリング、30…ユニット組立体枠体、30a…枠杆構造体、30a1…枠杆構造体部分、30b…枠杆構造体、31…左側上部縦枠杆、32…右側上部縦枠杆、33a、33b…内壁板、34…横枠杆、35a、35b…枠杆状細長板部分、36…連結杆、37…横枠杆、38…連結杆(横枠杆)、39…衝突子。
【要約】 (修正有)
【課題】小水力発電に適した所望の個所への運搬、設置が容易で、水路を流れるごみによる妨害なく運転が可能で、外部動力が不要な、フロート式水力発電装置を提供する。
【解決手段】中小河川や農業用水路等の開水路状の水路6を流れる流水からごみを除去する水車型除塵機ユニット2と水力発電機ユニット3とフロート4とを備え、水車型除塵機ユニット2と水力発電機ユニット3とは、前者を水路6の上流側に、後者を水路6の下流側にして、一体的に組み立てられてユニット組立体5とされている。水車型除塵機ユニット2に設けられ、ごみが除去されて綺麗になった流水がそこを通って流出する流出口には、水力発電機ユニット3の水車がその内部に設置されるダクト24が連結、接続されて、綺麗になった流水が、前記流出口を通って前記ダクト24に流入して、前記水車を回転させる。フロート4は、ユニット組立体5に連結されて、これを水路6に浮動状に保持する。
【選択図】
図1