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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】通知装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240604BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06F3/01 510
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020010583
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021117729
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 計英
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-288503(JP,A)
【文献】特開2018-045703(JP,A)
【文献】特開2002-304536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリとプロセッサとを有し、前記プロセッサは、
利用者の操作を該操作がされる工程ごとに前記メモリに記憶し、
決められた条件を満たさない第1操作が検出された場合に、該第1操作をした第1利用者に対し、前記メモリに記憶された前記操作の中から該第1操作がされた第1工程に類似する第2工程において前記条件を満たす第2操作をした第2利用者の情報を通知する
通知装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第2操作をした複数の利用者のうち、前記第1利用者に指定された基準により選定される、前記第2利用者の情報を通知する
請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第2操作をした複数の利用者のうち、前記第1利用者と決められた関係にある、前記第2利用者の情報を通知する
請求項1又は2に記載の通知装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第2利用者を識別する識別情報、及び、該第2利用者がした前記第2操作を示す操作情報を通知する
請求項1からのいずれか1項に記載の通知装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記情報を通知した前記第1利用者から、該情報が示す前記第2利用者の評価を示す評価情報を受付け、
前記第2操作をした複数の利用者のうち、前記評価情報に応じて選定される、前記第2利用者の情報を通知する
請求項1からのいずれか1項に記載の通知装置。
【請求項6】
メモリを有するコンピュータに、
利用者の操作を前記メモリに記憶するステップと、
決められた条件を満たさない第1操作が検出された場合に、該第1操作をした第1利用者に対し、前記メモリに記憶された前記操作の中から前記条件を満たす第2操作をした第2利用者の情報を通知するステップと
を実行させるためのプログラムであって、
前記操作を、該操作がされる工程ごとに記憶し、
前記第1操作が検出された場合に、該第1操作がされた第1工程に類似する第2工程において前記第2操作をした、前記第2利用者の情報を通知する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等において複数の構成員が共同して業務を遂行する際に用いる一連のソフトウェアがある。これらのソフトウェアは、エンタープライズコンテンツ管理(ECM:Enterprise Content Management)ソフトウェア等とも呼ばれる。一般的に、これらのソフトウェアは、操作がわからなくなった利用者に対して操作方法等を提示するヘルプ機能を備える。
【0003】
ところで、これらのソフトウェアは企業ごとにカスタマイズされていることがある。カスタマイズにより、企業ごとに、操作方法や入力すべきデータ等が異なっている場合、ヘルプ機能で提供される一般的な説明だけでは利用者が正しい操作を学ぶことが難しいこともある。
【0004】
そこで、一般的な説明によってわからない事柄があると利用者は、その事柄について、又はその事柄に関連する人物について、能動的に検索する必要が生じる。これらの検索に関する技術として、例えば、特許文献1、2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-117940号公報
【文献】特開2007-287046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、するべき操作が分からない利用者に、その操作について知見のある人(以下、知見者ともいう)を紹介することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る通知装置は、メモリとプロセッサとを有し、前記プロセッサは、利用者の操作を該操作がされる工程ごとに前記メモリに記憶し、決められた条件を満たさない第1操作が検出された場合に、該第1操作をした第1利用者に対し、前記メモリに記憶された前記操作の中から該第1操作がされた第1工程に類似する第2工程において前記条件を満たす第2操作をした第2利用者の情報を通知する通知装置である。
【0008】
本発明の請求項2に係る通知装置は、請求項1に記載の態様において、前記プロセッサは、前記第2操作をした複数の利用者のうち、前記第1利用者に指定された基準により選定される、前記第2利用者の情報を通知する通知装置である。
【0010】
本発明の請求項に係る通知装置は、請求項1又は2に記載の態様において、前記プロセッサは、前記第2操作をした複数の利用者のうち、前記第1利用者と決められた関係にある、前記第2利用者の情報を通知する通知装置である。
【0011】
本発明の請求項に係る通知装置は、請求項1からのいずれか1項に記載の態様において、前記プロセッサは、前記第2利用者を識別する識別情報、及び、該第2利用者がした前記第2操作を示す操作情報を通知する通知装置である。
【0012】
本発明の請求項に係る通知装置は、請求項1からのいずれか1項に記載の態様において、前記プロセッサは、前記情報を通知した前記第1利用者から、該情報が示す前記第2利用者の評価を示す評価情報を受付け、前記第2操作をした複数の利用者のうち、前記評価情報に応じて選定される、前記第2利用者の情報を通知する通知装置である。
【0015】
本発明の請求項に係るプログラムは、メモリを有するコンピュータに、利用者の操作を前記メモリに記憶するステップと、決められた条件を満たさない第1操作が検出された場合に、該第1操作をした第1利用者に対し、前記メモリに記憶された前記操作の中から前記条件を満たす第2操作をした第2利用者の情報を通知するステップとを実行させるためのプログラムであって、前記操作を、該操作がされる工程ごとに記憶し、前記第1操作が検出された場合に、該第1操作がされた第1工程に類似する第2工程において前記第2操作をした、前記第2利用者の情報を通知するプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1乃至6に係る発明によれば、第1利用者は、或る工程でするべき操作が分からないとき、その工程に類似する工程で決められた条件を満たす第2操作をした第2利用者を、その工程の知見者として通知される。
請求項1、に係る発明によれば、第1利用者は、するべき操作が分からないとき、その操作についての知見者である第2利用者の情報を知らされる。
請求項2に係る発明によれば、第1利用者は、するべき操作が分からないとき、指定した基準により選定される第2利用者の情報を知らされる。
請求項に係る発明によれば、第1利用者は、するべき操作が分からないとき、知見の深さだけではなく、精神的・物理的な距離等、第1利用者にとっての相談のし易さを加味することができる。
請求項に係る発明によれば、第1利用者は、例えば、第2利用者の氏名、所属等の情報だけではなく、その第2利用者が過去に行った正しい操作の情報を知らされる。
請求項に係る発明によれば、第2利用者の選定の精度は、第1利用者による評価により高められる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】情報処理システム9の全体構成の例を示す図。
図2】通知装置1の構成の例を示す図。
図3】利用者DB121の例を示す図。
図4】ワークフローDB122の例を示す図。
図5】操作履歴DB123の例を示す図。
図6】評価情報DB124の例を示す図。
図7】端末2の構成の例を示す図。
図8】通知装置1の機能的構成の例を示す図。
図9】通知装置1が第2利用者の情報を通知する動作の流れの例を示すフロー図。
図10】ECMソフトウェアによって端末2に表示される入力フォームの例を示す図。
図11】第2利用者の情報を通知する入力フォームの例を示す図。
図12】入力フォームに表示されるメッセージ領域の例を示す図。
図13】第1利用者に指定基準を問い合わせるメッセージ領域の例を示す図。
図14】問い合わせの応答が示す指定基準に沿って表示されるメッセージ領域の例を示す図。
図15】第1利用者に第2利用者の情報を通知するチャットウィンドウの例を示す図。
図16】第1利用者が見るチャットウィンドウの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
<情報処理システムの構成>
図1は、情報処理システム9の全体構成の例を示す図である。情報処理システム9は、するべき操作が分からない利用者(以下、第1利用者という)に、その操作について知見のある利用者(以下、第2利用者という)の情報を通知するシステムである。情報処理システム9は、図1に示す通り通知装置1、端末2、及び通信回線3を有する。
【0019】
端末2は、情報処理システム9の利用者がそれぞれ所有する端末であり、例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等である。図1に示す情報処理システム9は、複数の端末2を有する。
【0020】
通知装置1は、いわゆるECMソフトウェアにより、企業等、複数の構成員が所属する組織の業務の遂行を支援するとともに、その操作が分からない第1利用者に向けて、知見者である第2利用者の情報を通知する情報処理装置である。通知装置1は、例えばコンピュータであり、クライアント装置である端末2の要求に応答するサーバ装置である。
【0021】
通信回線3は、通知装置1と端末2とを通信可能に接続する回線である。通信回線3は、例えばLAN(Local Area Network)のほか、WAN(Wide Area Network)であってもよいし、インターネットであってもよいし、これらの組合せであってもよい。また、通信回線3は、公衆交換通信網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)やサービス統合デジタル網(ISDN:Integrated Services Digital Network)等を含むものでもよい。
【0022】
なお、情報処理システム9における通知装置1、端末2、及び通信回線3の、それぞれの数は図1に示したものに限られず、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0023】
<情報処理装置の構成>
図2は、通知装置1の構成の例を示す図である。図2に示す通知装置1は、プロセッサ11、メモリ12、及びインタフェース13を有する。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
【0024】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読出して実行することにより通知装置1の各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0025】
インタフェース13は、有線又は無線により通信回線3を介して、通知装置1を端末2に通信可能に接続する通信回路である。
【0026】
メモリ12は、プロセッサ11に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶手段である。メモリ12は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を有する。なお、メモリ12は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。
【0027】
また、メモリ12は、利用者DB121、ワークフローDB122、操作履歴DB123、評価情報DB124、及び文書リポジトリ125を記憶する。
【0028】
文書リポジトリ125は、上述したECMソフトウェア等によって扱われる文書を記憶する領域である。この文書リポジトリ125に記憶された文書は、企業における業務に関連してやり取りされる文書であり、例えば、交通費申請書、見積書、請求書、売上伝票、発注書等である。
【0029】
<利用者DBの構成>
図3は、利用者DB121の例を示す図である。利用者DB121は、利用者の識別に用いる識別情報である利用者IDごとに、その利用者の情報を記憶するデータベースである。図3に示す利用者DB121において、利用者の情報は、その利用者の名前である利用者名、その利用者が所属する部署の名前である部署名、その利用者のメールアドレス等の連絡先、及び、その利用者が、この情報処理システム9において情報を提供することについて許可しているか否かの設定(以下、情報提供の可否ともいう)である。
【0030】
<ワークフローDBの構成>
図4は、ワークフローDB122の例を示す図である。ワークフローDB122は、通知装置1が取り扱うワークフローごとに、それらワークフローの情報を記憶するデータベースである。ここでワークフローとは、企業等、組織において、その組織に所属する構成員が業務を遂行する際に行う、情報のやり取りの、一連の流れを表現したものである。
【0031】
図4に示すワークフローDB122は、ワークフロー表1221、及び工程表1222を有する。ワークフロー表1221は、ワークフローを識別する識別情報であるワークフローIDと、そのワークフローを管轄する部署の名称である部署名と、を対応付ける表である。このワークフロー表1221に含まれるワークフローIDには、それぞれ1つずつ工程表1222が対応付けられている。
【0032】
工程表1222は、対応付けられているワークフローIDで示されるワークフローを構成する複数の工程の情報を記述した表である。この工程表1222は、上述したワークフローにおいて行われる工程の順番を示す工程番号ごとに、その工程における操作対象、入力項目、処理名、担当者ID、分岐数、及び分岐条件をそれぞれ対応付ける。
【0033】
ここで、工程とは、ワークフローにおいて順に行われる処理の単位である。工程は、例えば、「交通費を精算する部員が、交通費申請書を作成して交通費の申請をする」、「部員の上司が、従業員から受け取った交通費申請書を承認し、上司の承認印が付された交通費申請書を所属部署の部長に送る」、「部長が、受け取った交通費申請書を承認し、部長の承認印が付された交通費申請書を、経理部の担当者に送る」、「経理部の担当者が、受け取った交通費申請書を確認して決済し、銀行に振り込みを指示する」等といった内容である。
【0034】
また、工程とは、ECMソフトウェアによって端末2に表示される入力フォームに対して、利用者が入力する操作の単位であってもよい。この場合、工程は、例えば、申請の承認を求める入力フォームに対して、その申請の名称を入力する操作、その申請の種類を選択する操作、その申請の対象が発生した日時を入力する操作、申請者である自身の名前を入力する操作、等といった内容である。
【0035】
この工程において、操作対象とは、例えば、入力フォームでマウスのクリック等によりフォーカスが移動し、入力を受付ける入力欄である。また、この工程において、入力項目とは、上述した入力欄が受付ける項目である。また、この工程において、処理名とは、入力項目によって行われる、交通費精算処理等の処理の名称である。また、この工程において、担当者IDとは、この処理を担当する利用者の識別情報である。また、この工程において、分岐数とは、この処理の後に続く処理の数である。また、この工程において、分岐条件とは、入力欄が受付ける入力データに応じて、処理が分岐する場合に、その入力データを判定する条件と、その分岐先の処理と、の組を示す情報である。処理が分岐する場合とは、例えば、精算する交通費が閾値を超えて高額であるために、別途、重役の承認が必要となる場合、等である。
【0036】
この工程表1222は、例えば、ワークフローを構成する各工程の特徴を特定することや、各工程の類似・非類似を判定すること等に利用される。
【0037】
<操作履歴DBの構成>
図5は、操作履歴DB123の例を示す図である。操作履歴DB123は、利用者が端末2を操作した履歴を記憶するデータベースである。通知装置1は、通信回線3を介して利用者のそれぞれが操作する端末2から各種の要求を受付けている。通知装置1のプロセッサ11は、この要求を生成した端末2における、利用者の操作を検出して、その操作の情報を操作履歴DB123に記憶する。
【0038】
図5に示す操作履歴DB123は、利用者リスト1231、及び操作履歴表1232を有する。利用者リスト1231は、利用者の識別情報である利用者IDを列挙したリストである。この利用者リスト1231に含まれる利用者IDには、それぞれ1つずつ操作履歴表1232が対応付けられている。
【0039】
操作履歴表1232は、対応付けられている利用者IDで示される利用者が端末2に対して行った操作を記述した表である。この操作履歴表1232は、上述した利用者が行った操作ごとに、その操作が行われた日時、その操作の対象を示す操作対象、その操作の内容を示す操作内容、その操作において入力された入力データ、その操作に誤りがあったか否かを示す正誤、及び、利用者がその操作を考慮することに費やした時間を示す考慮時間をそれぞれ対応付ける。
【0040】
<評価情報DBの構成>
図6は、評価情報DB124の例を示す図である。評価情報DB124は、知見者として、その情報が第1利用者に通知された第2利用者の、その第1利用者による評価を記憶するデータベースである。評価情報DB124は、操作対象リスト1241、利用者リスト1242、及び評価表1243を有する。
【0041】
操作対象リスト1241は、第1利用者において停滞が検出された操作の対象である操作対象の識別情報を列挙したリストである。この操作対象リスト1241に含まれる操作対象の識別情報には、それぞれ1つずつ、利用者リスト1242が対応付けられている。
【0042】
利用者リスト1242は、対応付けられている操作対象についての知見者として、その情報が第1利用者に通知された第2利用者の利用者IDを列挙したリストである。この利用者リスト1242に含まれる利用者IDには、それぞれ1つずつ、評価表1243が対応付けられている。
【0043】
評価表1243は、対応付けられている利用者IDで識別される第2利用者の、上述した操作対象に関する知見についての評価を記述した表である。この評価表1243は、操作対象と、第2利用者との組ごとに、その操作対象についてその第2利用者から説明を受けた第1利用者が、その第2利用者のその説明を評価した結果を示す。評価表1243には、評価者としての第1利用者の利用者IDと、第1利用者が第2利用者を評価した日時と、その評価の点数である評価点数と、が対応付けられている。評価表1243に記述された評価点数を集計することにより、プロセッサ11は、対応する操作対象に関する第2利用者の、知見者としての適格性を判断する。
【0044】
<端末の構成>
図7は、端末2の構成の例を示す図である。図7に示す端末2は、プロセッサ21、メモリ22、インタフェース23、操作部24、及び表示部25を有する。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
【0045】
プロセッサ21は、メモリ22に記憶されているプログラムを読出して実行することにより端末2の各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0046】
メモリ22は、プロセッサ21に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶手段である。メモリ22は、RAMやROMを有する。なお、メモリ22は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。
【0047】
インタフェース23は、有線又は無線により通信回線3を介して、端末2を通知装置1に通信可能に接続する通信回路である。
【0048】
操作部24は、各種の指示をするための操作ボタン、キーボード、タッチパネル、マウス等の操作子を備えており、操作を受付けてその操作内容に応じた信号をプロセッサ21に送る。この操作は、例えば、キーボードに対する押下やタッチパネルに対するジェスチャー等である。
【0049】
なお、操作部24は、例えば、赤外線センサ等を備え、利用者が端末2を操作可能な範囲内にいるか否かを検知してもよい。この検知結果は、利用者が操作をするときに費やした考慮時間の特定に用いられてもよい。例えば、端末2を操作可能な範囲内に利用者がいないと判定された時間は、利用者が離席等をしている時間であって、端末2に対する操作を迷っている時間ではない。そのため、この情報を得た通知装置1は、例えば、この時間を操作に対応付ける考慮時間から差し引いてもよい。
【0050】
表示部25は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有しており、プロセッサ21の制御の下、画像を表示する。表示画面の上には、操作部24の透明のタッチパネルが重ねて配置されてもよい。
【0051】
<通知装置の機能的構成>
図8は、通知装置1の機能的構成の例を示す図である。通知装置1のプロセッサ11は、メモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより、検出部111、記憶制御部112、受付部113、選定部114、補正部115、及び通知部116として機能する。
【0052】
検出部111は、通信回線3及びインタフェース13を介して、端末2から各種の要求を受信し、これらの要求に基づいて、端末2が利用者から受付けた操作を検出する。
【0053】
記憶制御部112は、検出部111が検出した操作をメモリ12の操作履歴DB123に記憶する。すなわち、記憶制御部112として機能するプロセッサ11は、利用者の操作をメモリに記憶するプロセッサの例である。
【0054】
記憶制御部112は、例えば、利用者の操作を、その操作がされる工程ごとに記憶してもよい。
【0055】
受付部113は、第2利用者を選定する基準の指定を第1利用者から受付ける。この基準とは、例えば、「利用した日時が新しい人を優先する」、「利用した回数が多い人を優先する」、「誤入力が少ない人を優先する」、「入力時間の短い人を優先する」といったものである。
【0056】
また、受付部113は、通知装置1が第2利用者の情報を第1利用者に通知した場合に、第1利用者による第2利用者の評価を受付けてもよい。つまり、この受付部113として機能するプロセッサ11は、通知装置1が情報を通知した第1利用者から、その情報が示す第2利用者の評価を示す評価情報を受付けるプロセッサの例である。この評価は、後述する補正部115により評価情報DB124に記憶される。
【0057】
選定部114は、検出部111が検出した操作のうち、決められた条件を満たさないもの(以下、第1操作という)があった場合に、その第1操作をした利用者を、第1利用者として特定する。
【0058】
ここで、第1操作とは、利用者がするべき操作が分からないときにする操作である。するべき操作が分からないとき、利用者は、例えば、操作をするまでに費やす時間が、するべき操作が分かっているときに比べて長い。また、利用者が誤った入力をして通知装置1により、その入力が拒絶された場合、利用者は、するべき操作が分かっていない可能性が高い。
【0059】
したがって、考慮時間が閾値を超えたときや、誤った入力のため拒絶されたとき等、決められた条件を満たさない操作が検出された場合に、選定部114は、その操作を第1操作として捉え、この第1操作をした利用者を第1利用者として特定する。つまり、決められた条件を満たさない操作とは、本来に比べて停滞している操作である。第1利用者は、或る工程でするべき操作が分からないとき、その工程に類似する工程で決められた条件を満たす第2操作をした第2利用者を、その工程の知見者として通知される。
【0060】
そして、選定部114は、特定したこの第1利用者に向けて、紹介すべき知見者である第2利用者を、操作履歴DB123に記憶された操作の内容に基づいて選定する。
【0061】
選定部114は、操作履歴DB123に記憶された操作のうち、例えば、第1操作と操作対象が共通していて、かつ、上述した条件を満たす操作(以下、第2操作という)を抽出し、その第2操作をした利用者を第2利用者として選定する。選定部114は、操作履歴DB123において、第2操作をする割合が閾値を超えている利用者を第2利用者として選定してもよい。
【0062】
つまり、この選定部114として機能するプロセッサ11は、決められた条件を満たさない第1操作が検出された場合に、この第1操作をした第1利用者を特定し、この第1利用者に対し、メモリに記憶された操作の中から上述した条件を満たす第2操作をした第2利用者を選定するプロセッサの例である。
【0063】
なお、選定部114は、利用者DB121を参照して、情報提供の可否を「否」と設定している利用者(つまり、情報の提供を許可していない利用者)を、第2利用者の選定対象から除外してもよい。
【0064】
また、操作が第2操作であるか否かを判定する条件(以下、第2条件という)は、操作が第1操作であるか否かを判定する条件(以下、第1条件という)と共通であってもよいし、異なってもよい。第2条件を満たす第2操作は、少なくとも、第1条件を満たす操作であればよい。
【0065】
また、選定部114は、選定に用いる基準の指定を受付部113が受付けている場合、この指定された基準により第2利用者を選定する。つまり、この選定部114として機能するプロセッサ11は、第2操作をした複数の利用者のうち、第1利用者に指定された基準により第2利用者を選定するプロセッサの例である。
【0066】
また、選定部114は、操作履歴DB123に記憶された操作のうち、第1操作と操作対象が共通するものの中から、第2操作を抽出するだけに限られない。例えば、記憶制御部112が、利用者の操作を、その操作がされる工程ごとに記憶している場合、選定部114は、操作履歴DB123に記憶された操作のうち、第1操作と工程が共通、又は類似するものの中から、上述した条件を満たす第2操作を抽出してもよい。
【0067】
類似する工程において行われた操作の中から第2操作を抽出する場合、選定部114として機能するプロセッサ11は、第1操作が検出された場合に、この第1操作がされた第1工程に類似する第2工程において第2操作をした、第2利用者を選定するプロセッサの例である。
【0068】
補正部115は、上述した通り、受付部113が第1利用者による第2利用者の評価を受付けたときに、その評価を評価情報DB124に記憶する。そして、補正部115は、選定部114が第2利用者を選定したとき、その第2利用者に対しての評価を示す評価情報が評価情報DB124に記憶されていれば、その評価情報に応じて選定する第2利用者を補正してもよい。この場合、選定部114、及び補正部115として機能するプロセッサ11は、第2操作をした複数の利用者のうち、評価情報に応じて選定される、第2利用者を選定するプロセッサの例である。
【0069】
通知部116は、選定部114によって選定された第2利用者、又は、その後に補正部115によって補正された第2利用者の情報を、第1利用者に通知する。
【0070】
<通知装置の動作>
図9は、通知装置1が第2利用者の情報を通知する動作の流れの例を示すフロー図である。通知装置1のプロセッサ11は、端末2から送信される要求に基づいて、その端末2を所有する利用者からの操作を監視する(ステップS101)。そして、プロセッサ11は、監視している操作が決められた条件を満たすか否かにより、操作の停滞が検出されるか否かを判定する(ステップS102)。
【0071】
図10は、ECMソフトウェアによって端末2に表示される入力フォームの例を示す図である。図10に示すこの入力フォームは、「申請承認 処理システム」というタイトルと、複数の入力欄と、を有する。入力欄F1は、申請の名称を入力する欄である。
【0072】
入力欄F2は、申請の種類をいわゆるプルダウンメニューから選択する欄である。入力欄F3は、申請する費用の発生した日付を入力する欄である。入力欄F4は、申請者の氏名を入力する欄である。入力欄F5は、申請に割り当てられたコードである申請コードを入力する欄である。この入力欄F5は、入力欄F2と連動していて入力欄F2の入力に伴って設定される。
【0073】
入力欄F6は、申請する費用が分類されるコストに割り当てられたコードであるコストコードを入力する欄である。入力欄F7は、申請する費用によって行われたプロジェクトのコードであるPJコードを入力する欄である。入力欄F8は、申請の宛先である申請先、又は申請を承認する承認者、を入力する欄である。
【0074】
プロセッサ11は、これらの入力欄に対する操作を監視して、決められた条件を満たすか否かにより、操作の停滞が検出されるか否かを判定する。プロセッサ11は、例えば、監視した操作が、閾値を超える考慮時間を経て行われたときや、誤っていて通知装置1により拒絶されるとき等に、これを第1操作として捉える。
【0075】
図9に示す通り、操作の停滞が検出されていないと判定する場合(ステップS102;NO)、プロセッサ11は、処理をステップS101に戻す。
【0076】
一方、操作の停滞が検出されたと判定する場合(ステップS102;YES)、プロセッサ11は、メモリ12に記憶された操作履歴DB123を参照し(ステップS103)、第2利用者の選定対象を、情報提供を許可している利用者に限定する(ステップS104)。
【0077】
例えば、図10に示す入力欄F6に対する操作は、閾値を超える考慮時間を経て行われ、又は誤っている。その結果、プロセッサ11は、この入力欄F6に対する操作を、停滞を生じさせている第1操作として特定する。
【0078】
そして、プロセッサ11は、停滞が検出された操作、つまり第1操作を行った工程と共通の工程(以下、共通工程ともいう)における操作履歴が操作履歴DB123にあるか否かを判断する(ステップS105)。
【0079】
上述した共通工程における操作履歴が操作履歴DB123にある、と判定する場合(ステップS105;YES)、プロセッサ11は、その共通工程における操作履歴の中から、決められた条件を満たす第2操作を抽出し、これに基づいて、その工程の知見者として、それらの第2操作をした第2利用者を抽出する(ステップS106)。
【0080】
一方、第1操作を行った工程と共通の工程における操作履歴が操作履歴DB123にない、と判定する場合(ステップS105;NO)、プロセッサ11は、第1操作を行った工程と類似の工程(以下、類似工程ともいう)を特定する(ステップS107)。このときプロセッサ11は、例えば、ワークフローDB122の工程表1222を参照して、ワークフローに含まれる工程の類否を判定することで、上述した類似工程を特定する。そして、この類似工程における操作履歴の中から、上述した第2操作を抽出して、これに基づいて、その工程の知見者として、それらの第2操作をした第2利用者を抽出する(ステップS108)。
【0081】
プロセッサ11は、抽出された第2利用者に対しての評価を示す評価情報が評価情報DB124に記憶されていれば、その評価情報に応じて第2利用者を補正する(ステップS109)。
【0082】
また、プロセッサ11は、上述した第1操作を行った第1利用者により、端末2を介して指定された基準(以下、指定基準ともいう)を受付け(ステップS110)、この指定基準により知見者である第2利用者を選定して、第1利用者に通知する(ステップS111)。
【0083】
図11は、第2利用者の情報を通知する入力フォームの例を示す図である。第1利用者の端末2には、予めメモリ22に第1利用者の指定基準が記憶されている。そして、通知装置1のプロセッサ11は、この指定基準を端末2から受付ける。
【0084】
例えば、予めメモリ22に記憶された指定基準が「利用した日時が新しい人を優先する」である場合、通知装置1は、端末2に指示をして図11に示す通り、停滞した第1操作の対象である入力欄F6に重ねてメッセージ領域Mを表示させる。このメッセージ領域Mは、「コストコードでお悩みですか?最近、同様の名称の申請をXXX部のYYYさんが行っています。mail:yyyy@*******.co.jp」という文字列を含む領域である。
【0085】
以上、説明した動作をすることにより、情報処理システム9は、するべき操作が分からない第1利用者に、その操作について知見のある第2利用者の、名前や所属する部署名、連絡先等、情報を通知して、この第2利用者を紹介する。これにより、第1利用者は、するべき操作が分からないときに、別途、能動的に検索等の操作をしなくても、相談すべき第2利用者を知ることとなる。
【0086】
また、通知装置1が第1利用者から指定基準を受付ける場合、例えば、第1利用者は、社内規則が変わったことを知っていれば、それ以前の評価が高い第2利用者より、それ以降に操作した第2利用者を選ぶことができる。
【0087】
また、通知装置1が、停滞を引き起こしている第1操作を行った工程と共通の工程をした利用者の他、類似工程における操作をした利用者も、第2利用者の選定対象とする場合、第1利用者は、例えば、新しい工程で操作に迷った場合でも、類似工程が存在していれば、相談すべき第2利用者が見つかる。
【0088】
また、通知装置1が、第2利用者の情報の通知を受けた第1利用者から、この第2利用者の評価を受付ける場合、次からは、その評価を踏まえて第2利用者が選定され、その情報が通知される。例えば、通知された第2利用者に連絡を取って、停滞してしまった操作について実際に教えてもらったとしても、第1利用者は、依然としてその操作のやり方が分からないこともある。この情報処理システム9によれば、操作が上手く、各種の知識を持っていても、他人にその内容を教えることが不得手な人は、教えられた人による評価によって、知見者として紹介され難くなる。
【0089】
<変形例>
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例は、組合されてもよい。
【0090】
<1>
上述した実施形態において、情報処理システム9は、通知装置1と端末2とを接続した、いわゆるクライアントサーバシステムとして、利用者に取るべき行動を伝えていたが、一台の装置でこれを行ってもよい。この場合、例えば、通知装置1は、端末2が有する操作部24、及び表示部25に相当する構成を有してもよい。利用者は、直接、この通知装置1を操作して、表示された内容を確認すればよい。
【0091】
<2>
上述した実施形態において、通知装置1のプロセッサ11は、決められた条件を満たす第2操作をした第2利用者の情報を通知していたが、第2操作をした利用者の中から、第1利用者と決められた関係にある利用者を、第2利用者として選定し、その情報を通知してもよい。つまり、この変形例におけるプロセッサ11は、第2操作をした複数の利用者のうち、第1利用者と決められた関係にある、第2利用者の情報を通知するプロセッサの例である。
【0092】
図12は、入力フォームに表示されるメッセージ領域の例を示す図である。図12(a)に示すメッセージ領域Maには、「コストコードでお悩みですか?あなたと同じXXX部に所属するYYYさんをご紹介します。mail:yyyy@*******.co.jp」という文字列が記述されている。通知装置1のプロセッサ11は、端末2に指示して、このメッセージ領域Maを表示させることにより、知見者のうち、第1利用者と同じ部署に所属する第2利用者の情報を通知する。
【0093】
操作について深い知見を有していても、異なる部署や世代の利用者に操作方法を聞きに行くことは、精神的な負担になることがある。また、部署や社屋が物理的に遠くて、質問をすること自体が困難な場合もある。この変形例における情報処理システム9において、例えば、第1利用者は、異なる部署・世代の社員よりも、同じ部署・世代の社員を紹介される。また、例えば、第1利用者は、異なる社屋やフロアに勤務する社員よりも、同社屋や同フロアに勤務する社員を紹介される。
【0094】
つまり、この変形例によれば、第1利用者は、より質問し易い知見者を知らされる。
【0095】
<3>
上述した実施形態において、通知装置1のプロセッサ11は、第2利用者の名前や連絡先等の情報を第1利用者に通知していたが、通知する内容はこれに限られない。例えば、プロセッサ11は、第2利用者がした第2操作を示す操作情報を通知してもよい。つまり、この変形例におけるプロセッサ11は、第2利用者を識別する識別情報、及び、この第2利用者がした第2操作を示す操作情報を通知するプロセッサの例である。
【0096】
例えば、図12(b)に示すメッセージ領域Mbには、「コストコードでお悩みですか?以前YYYさんは以下のコードを入力しました。123-456/456-123」という文字列が記述されている。通知装置1のプロセッサ11は、端末2に指示して、このメッセージ領域Mbを表示させることにより、第2操作を示す操作情報を第1利用者に通知する。
【0097】
この変形例において、第1利用者は、第2操作そのものを知るため、例えば、直接、第2利用者に正しい操作の手順等を聞きに行かなくてもよい。
【0098】
<4>
上述した実施形態において、通知装置1のプロセッサ11は、一人の第2利用者の情報を通知していたが、複数の第2利用者の情報をそれぞれ通知してもよい。また、プロセッサ11は、正しい入力が複数存在して、そのそれぞれに知見者が存在する場合に、これらの状況を含めた情報を通知してもよい。
【0099】
例えば、図12(c)に示すメッセージ領域Mcには、「次の処理でお悩みですか?過去の実行履歴を見ると、申請内容によって実施内容が異なるようです。入力時間の短い操作者をそれぞれご紹介します。長距離申請:AAA部DDDDさん/近隣申請:BBB部EEEEさん」という文字列が記述されている。通知装置1のプロセッサ11は、端末2に指示して、このメッセージ領域Mcを表示させることにより、条件ごとにそれぞれ異なる第2利用者の情報を第1利用者に通知する。
【0100】
<5>
上述した実施形態において、通知装置1のプロセッサ11は、「利用した日時が新しい人を優先する」という指定基準に沿った第2利用者を選定していたが、これに限られない。例えば、「誤入力が少ない人を優先する」という指定基準を受付けている場合、プロセッサ11は、端末2に指示して、図12(d)に示すメッセージ領域Mdを表示させてもよい。このメッセージ領域Mdには「PJコード入力ミスによる差し戻しが多発しています。差し戻しが少ない利用者をご紹介します。AAA部CCCCさん」という文字列が記述されている。
【0101】
つまり、第1利用者は指定基準を変えることにより、多様な観点から見て優秀な操作をしている知見者の情報を知らされる。
【0102】
<6>
上述した実施形態及び変形例において、通知装置1のプロセッサ11は、予めメモリ22に記憶された指定基準を端末2から受付けていたが、端末2を操作中の第1利用者に指定基準を問い合わせ、その応答を受付けてもよい。
【0103】
図13は、第1利用者に指定基準を問い合わせるメッセージ領域の例を示す図である。図13に示すメッセージ領域Meには「コストコードでお悩みですか?以下の利用者に問い合わせできます。」という文字列が記述されている。そして、このメッセージ領域Meには、上述した文字列に続いて複数のボタンBも含まれている。第1利用者は、これらのボタンBのいずれかを例えばクリックすることにより、上述した基準を指定すればよい。
【0104】
図14は、問い合わせの応答が示す指定基準に沿って表示されるメッセージ領域の例を示す図である。図13に示すメッセージ領域Meに対して、例えば、第1利用者が「直近で利用した人」という文字列が記述されたボタンBをクリックした場合、指定基準は利用した日時の新しい人を優先するものとなる。このとき、この指定基準に沿って表示するメッセージ領域Mfは、図14に示す通り、直近で利用した人の情報として、その名前である「XXX部 YYYさん」、その操作した内容である「交通費申請(MM月dd日)」、及びその連絡先である「mail:yyyy@*******.co.jp」を通知する。
【0105】
<7>
上述した実施形態及び変形例において、通知装置1のプロセッサ11は、第1利用者に第2利用者の情報を通知していたが、第2利用者に第1利用者の情報を通知してもよい。つまり、この変形例におけるプロセッサ11は、利用者の操作をメモリに記憶し、決められた条件を満たさない第1操作が検出された場合に、この第1操作をした第1利用者の情報を、メモリに記憶された操作の中から条件を満たす第2操作をした第2利用者に通知するプロセッサの例である。
【0106】
図15は、第1利用者に第2利用者の情報を通知するチャットウィンドウの例を示す図である。プロセッサ11は、第1操作が検出された場合に、この第1操作をした第1利用者に有益な助言をし得る第2利用者を選定する。そして、プロセッサ11は、選定したこの第2利用者が所有する端末2に指示して、図15に示すチャットウィンドウC1を表示させる。このチャットウィンドウC1には、システムからの通知として「『交通費申請』の申請先の入力でXXX部の方が迷っているようです。」という文字列が記述される。そして、このチャットウィンドウC1には、上述した文字列に続けて、この第2利用者だけ見える通知として「あなたは交通費申請をよく実施しているようですね。XXX部の方に情報提供できますか?」という文字列が記述される。
【0107】
この文字列を見た第2利用者は、チャットウィンドウC1の下端に配置された記入欄に「XXX部でしたら承認次郎さんです。」という助言を示す文字列を書き込み、「記名送信」と書かれたボタンBa、又は「匿名送信」と書かれたボタンBbのいずれかをクリックする。
【0108】
図16は、第1利用者が見るチャットウィンドウの例を示す図である。図15に示すチャットウィンドウC1に対して、第2利用者が上述した助言を示す文字列を記入して、ボタンBbをクリックした場合、第1利用者の端末2には、図16に示すチャットウィンドウC2が表示される。このチャットウィンドウC2により、第2利用者が記入した助言を示す文字列は、匿名の投稿として第1利用者に通知される。
【0109】
この変形例によれば、例えば「迷っている人がいます」という通知を第2利用者たちに送ることができる。なお、操作が分からない第1利用者の情報は、名前に限らず、例えば、ただ単に「いる」というだけの情報であってもよい。
【0110】
<8>
上述した実施形態において、通知装置1のプロセッサ11は、決められた条件を満たす第2操作をした第2利用者の情報を通知していたが、これに限られない。プロセッサ11は、例えば、同じ工程を操作中の他の利用者に、第1利用者の情報を通知してもよい。つまり、この変形例におけるプロセッサ11は、利用者の操作をメモリに記憶し、決められた条件を満たさない第1操作が検出された場合に、この第1操作をした第1利用者の情報を、この第1操作がされた第1工程に対して操作中の、他の利用者に通知するプロセッサの例である。
【0111】
この変形例によれば、第1利用者は、同時に共通の工程について操作している他の利用者から有益な情報を得られることがある。同時に操作している他の利用者は、いわゆる知見者でない場合もあるが、そのそれぞれが知得している情報の欠片が集まることで、問題が解決することもあるからである。
【0112】
<9>
上述した通知装置1は、CPUで構成されるプロセッサ11を有していたが、通知装置1を制御する制御手段は他の構成であってもよい。例えば、通知装置1は、CPU以外にも各種のプロセッサ等を有してもよい。
【0113】
ここでプロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば上述したCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0114】
<10>
上記各実施形態におけるプロセッサ11の動作は、1つのプロセッサ11によって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。例えば、上述した端末2のプロセッサ21は、上述したプロセッサ11の機能の少なくとも一部を兼ねてもよい。
【0115】
また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0116】
<11>
上述した通知装置1のプロセッサ11によって実行されるプログラムは、メモリを有するコンピュータに、利用者の操作を前記メモリに記憶するステップと、決められた条件を満たさない第1操作が検出された場合に、この第1操作をした第1利用者に対し、前記メモリに記憶された前記操作の中から前記条件を満たす第2操作をした第2利用者の情報を通知するステップと、を実行させるためのプログラム、の例である。
【0117】
これらのプログラムは、磁気テープ及び磁気ディスク等の磁気記録媒体、光ディスク等の光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の、コンピュータ装置が読取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムは、インターネット等の通信回線経由でダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1…通知装置、11…プロセッサ、111…検出部、112…記憶制御部、113…受付部、114…選定部、115…補正部、116…通知部、12…メモリ、121…利用者DB、122…ワークフローDB、1221…ワークフロー表、1222…工程表、123…操作履歴DB、1231…利用者リスト、1232…操作履歴表、124…評価情報DB、1241…操作対象リスト、1242…利用者リスト、1243…評価表、125…文書リポジトリ、13…インタフェース、2…端末、21…プロセッサ、22…メモリ、23…インタフェース、24…操作部、25…表示部、3…通信回線、9…情報処理システム、C1~C2…チャットウィンドウ、F1~F8…入力欄。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16