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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】温度履歴判定方法
(51)【国際特許分類】
   G01K 11/12 20210101AFI20240604BHJP
   G01K 1/024 20210101ALI20240604BHJP
   G06K 19/02 20060101ALI20240604BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G01K11/12 B
G01K1/024
G06K19/02
G06K19/06 046
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020035720
(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公開番号】P2021139670
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】嶋村 高志
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 梓
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175033(JP,A)
【文献】特許第6233734(JP,B2)
【文献】特開2020-21314(JP,A)
【文献】特表2018-523168(JP,A)
【文献】特許第6613371(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
G06K 19/00-19/18
G06K 7/00-7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度履歴表示体を使用した温度履歴判定方法であって、
前記温度履歴表示体は、
基材上に形成されたバーコードまたは二次元コードからなるコード部と、コード部の白抜け部に形成された示温インキからなる温度表示部とを備え、
前記示温インキは、指定した温度範囲においては消色または変色せず、指定した温度範囲から一定時間、逸脱した場合において不可逆的に消色または変色するものであり、
前記温度履歴判定方法は、事前登録工程と、読取り・判定工程と、を備えており、
前記事前登録工程は、
撮像・通信手段が、前記示温インキが消色または変色する前の状態と前記示温インキが消色または変色した後の状態のうち、少なくとも前者の状態の前記温度履歴表示体を、適切な温度管理がなされた温度表示体として撮像し、取得した画像情報をクラウドサーバに送信する工程と、
前記クラウドサーバが、受信した画像情報から特徴点情報Aを抽出する工程と、を備えており、
前記読取り・判定工程は、
前記撮像・通信手段が、流通過程において前記温度履歴表示体を撮像し、取得した画像情報をクラウドサーバに送信する工程と、
クラウドサーバが、受信した画像情報から特徴点情報Bを抽出し、前記特徴点情報Bを前記特徴点情報Aと照合する工程と、
照合した結果、両者が一致する場合は、温度管理が適切に行われたと判定し、前記クラウドサーバに記録し、両者が一致しない場合は、温度管理が適切に行われなかったと判定し、前記クラウドサーバに記録する工程と、を備えている事を特徴とする温度履歴判定方法。
【請求項2】
前記撮像・通信手段がスマートフォンである事を特徴とする請求項1に記載の温度履歴判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度管理を必要とする物品に貼り付けて、流通過程における温度履歴を検知可能とする温度履歴表示体を使用した温度履歴判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生鮮食料品、日本酒、医学検査用検体、医薬品などの温度管理が重要な物品は、流通過程においても温度管理が求められる。これらの物品は、例えば、低温保存された状態で輸送され、消費地まで運ばれ、消費地にて再び低温保存される。
【0003】
この様な流通過程において、何らかの原因で、温度管理が不十分となり、物品の温度が管理温度を超えてしまった場合は、物品の品質に不具合が生じる虞がある。その為、物品の温度履歴を確実に記録し、検出可能とする事が求められる。
【0004】
物品の温度履歴を確実に記録し、検出可能とする装置は、温度ロガーまたは温度データロガーと呼ばれ、国内外でそのニーズが高まっている。
【0005】
温度ロガーには、温度センサーと記録装置を備えたもの、RFIDに温度センサー機能を付加したもの、および温度が変わると色が不可逆的に変化する示温インキを使用したラベルなどがある。
【0006】
温度センサーと記録装置を備えたものは、温度変化の履歴やその時刻を克明に記録可能であり、温度履歴に関する詳細な情報を得る事が可能である。しかしながら、装置が高価である事や物品に直接貼り付ける事ができないなどのデメリットもある。
【0007】
RFIDに温度センサー機能を付加したものは、前者より安価な為、使い捨て用途にも適用可能であり、リーダ/ライタやスマートフォンによるデータの読取りも可能である。また、ラベル化して物品に直接貼り付ける事も可能である。しかしながら、金属製の物品に貼り付けた場合は読取り不能となる為、適用困難である。また、使い捨て用途としては、ある程度高価格帯の商品に限定される。
【0008】
示温インキを使用したラベルは、安価である為、使い捨て用途に適している。また、物品に直接貼り付ける事ができる。しかしながら、目視による色の変化を確認する事は可能であるが、機器を使用した読取りができない。また、色変化を起こした部分に、インキを上塗りする事により、不正や改竄を容易に行う事ができる問題がある。
【0009】
示温インキを使用したラベルを使用して、機械読取り可能とする先行技術としては、例えば、特許文献1に、基材上に、設定温度域を逸脱すると不可逆的に変色し、示温材同士は、変色する温度が互いに±2℃以内であり、設定温度域を逸脱してから色変化するまでの時間が異なる示温材が、複数備えられている温度履歴表示体が開示されている。この温度履歴表示体により、設定温度域を逸脱した時間を特定可能となる。この様な温度履歴表示体に、バーコードや二次元コードなどコードを備えておき、当該商品に関する情報を担うコードの読取りと示温インキの色の読取りを同時に行う事で温度管理を行うものである。
【0010】
しかしながら、この技術においても、インキを上塗りする事により、不正や改竄を容易に行う事ができる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特許第6613371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の問題点を解決する為、本発明は、機械読取り可能で、且つ不正や改竄を容易に行う事ができない示温インキを使用した温度履歴表示体を用いた温度履歴判定方法を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に用いられる温度履歴表示体は、基材上に形成されたバーコードまたは二次元コードからなるコード部と、コード部の白抜け部に形成された示温インキからなる温度表示部と、を備えている温度履歴表示体であって、
示温インキは、指定した温度範囲においては消色または変色せず、指定した温度範囲から一定時間、逸脱した場合において不可逆的に消色または変色する事を特徴とする温度履歴表示体である。
【0016】
請求項1に記載の発明は、上記温度履歴表示体を使用した温度履歴判定方法である。
この温度履歴判定方法は、事前登録工程と、読取り・判定工程と、を備えており、
事前登録工程は、
撮像・通信手段が、前記示温インキが消色または変色する前の状態と前記示温インキが消色または変色した後の状態のうち、少なくとも前者の状態の前記温度履歴表示体を、適切な温度管理がなされた温度表示体として撮像し、取得した画像情報をクラウドサーバに送信する工程と、
クラウドサーバが、受信した画像情報から特徴点情報Aを抽出する工程と、を備えており、
読取り・判定工程は、
撮像・通信手段が、流通過程において前記温度履歴表示体を撮像し、取得した画像情報をクラウドサーバに送信する工程と、
クラウドサーバが、受信した画像情報から特徴点情報Bを抽出し、特徴点情報Bを特徴点情報Aと照合する工程と、
照合した結果、両者が一致する場合は、温度管理が適切に行われたと判定し、クラウドサーバに記録し、両者が一致しない場合は、温度管理が適切に行われなかったと判定し、クラウドサーバに記録する工程と、を備えている事を特徴とする温度履歴判定方法である。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記撮像・通信手段がスマートフォンである事を特徴とする請求項1に記載の温度履歴判定方法である。
【発明の効果】
【0018】
上記温度履歴表示体によれば、バーコードや二次元コードなどのコード部に白抜け部を形成しておき、その白抜け部に示温インキを配置した構成となっている。示温インキが消色または変色する温度領域に入らない場合は、コード部に変化が起こらない。その為、コード部の特徴点情報に変化が生じない。逆に、示温インキが消色または変色する温度領域に入った場合は、コード部に変化が起こる。その為、コード部の特徴点情報に変化が生じる。本発明の温度履歴表示体は、この事を利用して、機械読取りによって、温度管理が適切に行われたかどうかを検知可能である。また、コード部の微細な白抜け部に白黒反転したパターンとして示温インキからなる温度表示部を形成する為、微細な温度表示部を微細なコード部に形成したり、示温インキの変化が分かり難いものを選択する事により、温度表示部の存在が分かり難くなる。その為、不正や改竄を困難にする事が可能である。
【0019】
また、本発明の温度履歴判定方法によれば、予め、物品に貼付された本発明の温度履歴表示体を撮像し、その画像情報をクラウドサーバに送信し、クラウドサーバ内で受信した画像情報から特徴点情報Aを抽出し、記憶しておく。一方、物品の流通過程において、物品に貼付された温度履歴表示体を撮像し、画像情報を取得する。その画像情報をクラウドサーバに送信すると、クラウドサーバがその画像情報から特徴点情報Bを抽出する。そして、特徴点情報Aと特徴点情報Bとを比較し、両者が一致していれば、示温インキが消色または変色していないという事である為、温度管理が適切に行われたと判定する事ができる。一方、一致していなければ、示温インキが消色または変色したという事を示しており、温度管理が適切に行われなかったと判定する事ができる。その為、物品が流通過程において適切に温度管理されたかどうか、を的確に判定する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の温度履歴表示体の構成の一例を説明する上面説明図であり、(a)は白抜け部3を備えたコード部2、(b)は示温インキからなる温度表示部4、(c)は(a)と(b)を重ね合わせる事により形成された温度履歴表示体1、をそれぞれ示している。
図2】本発明の温度履歴表示体1を撮像する事により取得した画像情報をクラウドサーバ8に送信する撮像・通信手段7と、温度履歴表示体1と、クラウドサーバ8と、の関係を説明する説明図。
図3】本発明の温度履歴判定方法を説明するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<温度履歴表示体>
本発明の温度履歴表示体について、図1を用いて説明する。
本発明の温度履歴表示体1は、基材6上に形成されたバーコードまたは二次元コードからなるコード部2と、コード部2の白抜け部3に形成された示温インキからなる温度表示部4と、を備えている。
【0022】
示温インキは、指定した温度範囲においては消色または変色せず、指定した温度範囲から一定時間、逸脱した場合において不可逆的に消色または変色する事が特徴であるインキである。
【0023】
コード部2の白抜け部3とは、図1(a)に例示した様に、コード部2を形成するインキが除去された部分である。白抜け部3は、例えば基材6上にコード部2を墨インキなどの印刷インキを用いてバーコードや二次元コードなどを印刷した後、レーザー刻印などのインキ層除去手段により所定に部分のインキ層を除去する事により形成する事ができる。また、予め、コード部2を白抜け部3を含むパターンとして印刷しても良い。
【0024】
コード部2は、墨インキで印刷するのが好ましいが、読取り可能であればインキ色を限定する必要は無い。コード部2は、バーコードや二次元コードの読取りが可能な範囲で微細である事が好ましい。微細なほど、上塗りなどの改竄が困難となる為である。印刷方法としては、スクリーン印刷、各種のオフセット印刷、平版印刷、フレキソ印刷、グラビア
印刷、凸版印刷、インクジェット印刷、熱転写プリント、レーザー刻印などを使用する事ができる。
【0025】
次に、基材6上に形成された白抜け部3を備えたコード部2に、示温インキからなる温度表示部4を形成する。示温インキは、一定時間、指定温度を外れた温度に晒されると不可逆的に消色または変色するインキである。示温インキの色は、コード部2の色と同色または類似した色である事が好ましいが、全く異なる色であっても良い。また、示温インキの指定温度は1つであっても良いし、複数あるものであっても良い。
【0026】
温度表示部4の形成方法としては、コード部2の白抜け部3とは、白黒反転した示温インキのパターンを印刷または転写すれば良い。
コード部2の白抜け部3と、示温インキからなる温度表示部4と、は両者が重ならない毛抜き合わせで形成されていても良いが、生産を考慮すると、ある程度の重なりが有っても良い。例えば、両者の重なりを1.0mm以下とする事により、容易に生産する事ができる。
【0027】
また、示温インキの面積は、コード部2の面積の5%~20%である事が望ましい。5%未満である場合は、特徴点の差異が少なく、同一コードと誤認する恐れがあり、20%を超えると、コード自体の読取り適正に影響する恐れがある為である。
【0028】
(基材)
基材6としては、バーコードや二次元コードなどが印刷可能なフィルム状やシート状の材料であれば、特に限定する必要は無い。例えば、各種の紙、樹脂フィルム、金属箔、ガラスフィルム、などを挙げることができる。
【0029】
(示温インキ)
生鮮食料品、日本酒、医学検査用検体、医薬品などと言った低温管理用の示温インキに使用可能な示温材料としては、例えば、-20~10℃の温度範囲の温度を境にして、不可逆的に消色または変色するメタモインキ((株)パイロットコーポレーション製)などを挙げる事ができる。これらの示温材料と、顔料、ワニス、溶剤、滑剤や硬化剤などの添加剤を均一に混合する事により、印刷可能な示温インキを作製する事ができる。
【0030】
<温度履歴判定方法>
次に、本発明の温度履歴表示体を使用した温度履歴判定方法について、図2図3を使用して説明する。
【0031】
図2は、本発明の温度履歴表示体1を撮像・通信手段7を用いて撮像し、温度履歴表示体1の画像情報を取得し、その画像情報をクラウドサーバ8に送信する構成を説明した説明図である。
【0032】
撮像・通信手段7としては、300dpi(dot per inch)以上の解像度を持つ撮像装置と、その撮像装置が取得した画像情報を送信可能な通信機能を備えている装置である事が必要である。その様な構成としては、撮像カメラとインターネット回線と接続可能なコンピュータ装置からなるものであっても良いし、カメラ機能を備えたスマートフォンであっても良い。
【0033】
また、撮像・通信手段7が撮像可能な光の波長域は、可視光線であっても良いし、赤外線および紫外線の波長域であっても良い。
【0034】
例えば、適切な温度管理がなされた生産現場や集荷センターなどから物品が出荷される
際に、物品に貼付された温度履歴表示体1を撮像する撮像・通信手段7は、専用の撮像カメラがコンピュータ装置に接続されたものであっても良いし、スマートフォンであっても良い。出荷される前に撮像・通信手段7が温度履歴表示体1を撮像する事により取得する画像情報を画像情報aとする。画像情報aは、適切な温度管理の下に取得された画像情報である。
【0035】
また、物品が出荷され、流通過程において物品の温度履歴表示体1を撮像する場合の撮像・通信手段7としては、取り扱いの容易なスマートフォンが望ましいが、これに限定する必要はない。流通過程において、撮像・通信手段7が取得する画像情報を画像情報bとする。スマートフォンは、専用のアプリケーションソフトウェアをインストールしておくことによって、温度履歴表示体1を撮像し、その画像情報を取得した後、無線によりインターネット回線に接続し、クラウドサーバに画像情報を送信可能である。
【0036】
画像情報aと画像情報bは、共にクラウドサーバに送信され、それらの特徴点情報が抽出される。画像情報aからは特徴点情報Aが抽出され、予めクラウドサーバに記録または登録されている。画像情報bからは特徴点情報Bが抽出され、クラウドサーバに記録または登録される。
【0037】
クラウドサーバ8が、特徴点情報Aと特徴点情報Bを比較する事によって、本発明の温度履歴表示体1が適切な温度環境の下で取り扱われて来たか、どうかを判定する。
【0038】
特徴点情報Aと特徴点情報Bが一致している場合は、温度履歴表示体1の示温インキからなる温度表示部4に変化が生じていない事により、特徴点情報が一致している為、示温インキが消色または変色しない温度範囲に、適切に管理された事を示している。
【0039】
また、特徴点情報Aと特徴点情報Bが一致していない場合は、温度履歴表示体1の示温インキからなる温度表示部4に変化が生じている事により、特徴点情報が一致していない為、示温インキが消色または変色しない温度範囲から逸脱し、適切に温度管理されなかった事を示している。
【0040】
次に、具体的な温度履歴判定方法について、図1図3を用いて説明する。
本発明の温度履歴判定方法は、本発明の温度履歴表示体1を使用した温度履歴判定方法であり、事前登録工程(S1~S3)と、読取り・判定工程(S4~S10)と、を備えている。
【0041】
(事前登録工程)
事前登録工程は、撮像・通信手段7が、示温インキ4が消色または変色する前の状態と示温インキ4が消色または変色した後の状態のうち、少なくとも前者の状態の温度履歴表示体1を撮像する事により画像情報を取得し(S1)、その画像情報をクラウドサーバ8に送信する(S2)工程と、クラウドサーバ8が、該画像情報から特徴点情報Aを抽出する(S3)工程と、を備えている。
【0042】
S1では、本発明の温度履歴表示体1の初期状態、即ち、適切な温度管理環境下で取り扱われた温度履歴表示体1の画像情報を取得し、これを適切な温度管理がなされた画像情報として、S2でその画像情報をクラウドサーバに送信し、記憶する。この時、不適切な温度管理がなされた温度履歴表示体1、即ち、適切な温度範囲から逸脱した温度環境に一定時間以上晒された温度履歴表示体1を撮像し、その画像情報を取得し、クラウドサーバ8に送信し、記憶させておいても良い。両方の情報を備えておく事で、より確実に判定する事が可能となる。
【0043】
なお、これらの画像情報は、一時的に記憶させておくことでも良い。S3で、クラウドサーバ8が受信した画像情報から特徴点情報Aを抽出する。この特徴点情報Aを抽出した後は、クラウドサーバ8が受信した画像情報は消去しても良い。
【0044】
(読取り・判定工程)
読取り・判定工程は、撮像・通信手段7が、流通過程におい記温度履歴表示体1を撮像し、その画像情報を取得し(S4)、クラウドサーバ8に送信する(S5)工程と、クラウドサーバ8が、受信した画像情報から特徴点情報Bを抽出して記憶し(S6)、事前登録された特徴点情報Aと照合する(S7)。
【0045】
その結果が、抽出した特徴点情報Bと事前登録された特徴点情報Aが、一致する場合は、温度管理が適切に行われたと判定してクラウドサーバに記録し(S8)、一致しない場合は、温度管理が適切に行われなかったと判定してクラウドサーバに記録する(S9)工程と、を備えている。
【0046】
S4における撮像・通信手段7は、S1における撮像・通信手段7と同一または同等の装置であっても良いが、軽量で取り扱いの容易なスマートフォンを好適に使用する事ができる。
【0047】
S5において、撮像・通信手段7からクラウドサーバ8に送信する手段としては、インターネット回線を介した無線通信による送信が可能である。
【0048】
S6においては、流通過程で取得した画像情報から、クラウドサーバ8が特徴点情報Bを抽出し記憶する。
【0049】
S7においては、事前登録された特徴点情報Aと、特徴点情報Bを照合し、一致するか、一致しないか、を判定する。
【0050】
画像情報から特徴点情報を抽出する方法は、一定の手法を用いて抽出していれば、特に限定する必要は無い。例えば、温度表示部の図形の重心の座標を特徴点情報とする事ができる。この場合、温度表示部の図形の重心の座標の許容範囲を決めて置き、特徴点情報Bが特徴点情報Aの許容範囲に入っている場合を両者が一致すると判定する事ができる(S9)。逆に、許容範囲に入っていない場合を、不一致であると判定する事ができる(S10)。
これらの判定結果は、クラウドサーバに記憶される。
【符号の説明】
【0051】
1・・・温度履歴表示体
2・・・コード部
3・・・(コード部の)白抜け部
4・・・(示温インキからなる)温度表示部
5・・・コード部の輪郭
6・・・基材
7・・・撮像・通信手段
8・・・クラウドサーバ
図1
図2
図3