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特許7497615画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20240604BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240604BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20240604BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240604BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240604BHJP
   B65H 9/00 20060101ALI20240604BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20240604BHJP
   B65H 1/04 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B65H7/02
B41J29/38 302
G03G21/14
G03G21/00 388
G03G15/00 405
G03G15/00 448
G03G15/00 450
B65H9/00 A
B65H1/26 310Z
B65H1/04 322
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020087871
(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公開番号】P2021181368
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩井 克敏
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-052964(JP,A)
【文献】特開2010-006597(JP,A)
【文献】特開2018-095392(JP,A)
【文献】特開2015-221718(JP,A)
【文献】特開2010-089868(JP,A)
【文献】特開2017-132583(JP,A)
【文献】特開2013-088627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00-7/20
B65H 9/00-9/20
B65H 13/00-15/02
B65H 43/00-43/08
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
B41J 29/00-29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるシートに画像を形成する画像形成装置であって、
収納トレイから送り出されるシートを搬送するシート搬送部と、
前記シート搬送部によって搬送される各々のシートに画像を形成する画像形成部と、 シート搬送方向と直交する方向のシートの位置ずれ量である片寄り量を検出する片寄り検出部と、
前記片寄り検出部によって検出される前記片寄り量に基づいて、前記シート搬送方向と直交する方向に前記シートを移動させることにより、シートの片寄りを補正する片寄り補正部と、
前記片寄り量に基づいて、複数のシートに対して形成される複数の画像を形成するための画像間隔を基準間隔よりも狭い第1の画像間隔に設定する第1の設定処理を行う画像間隔設定部と、を備え、
前記画像間隔設定部はさらに、前記収納トレイの開閉が行われた場合に、前記画像間隔を前記第1の画像間隔よりも広い第2の画像間隔に設定する第2の設定処理を行
前記第1の設定処理および前記第2の設定処理を行う収納トレイの対象範囲を選択可能な選択部をさらに備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の画像間隔は、前記基準間隔と同じ間隔である
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記基準間隔は、前記片寄り補正部で補正可能な最大の前記片寄り量に対応した間隔である
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像間隔設定部は、前記第2の設定処理を行った後、前記片寄り検出部によって検出された前記片寄り量に基づいて、前記画像間隔を前記基準間隔よりも狭い間隔に設定する
請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記基準間隔を記憶する第1の記憶部と、
前記第1の画像間隔を記憶する第2の記憶部と
を有する請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2の記憶部は、前記収納トレイごとに前記第1の画像間隔を記憶する
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記シート搬送部は、複数の収納トレイから送り出されたシートを搬送可能であり、 前記画像間隔設定部は、前記複数の収納トレイのうち、開閉が行われた収納トレイのみを対象に、前記第2の設定処理を行う
請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置と、
複数の収納トレイを有するシート供給装置と、
を備える画像形成システムであって、
前記画像間隔設定部は、前記複数の収納トレイのうち、開閉が行われた収納トレイのみを対象に、前記第2の設定処理を行う
画像形成システム。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置と、
複数の収納トレイを有するシート供給装置と、
を備える画像形成システムであって、
前記画像間隔設定部は、開閉が行われた収納トレイと、この収納トレイと同一のシート供給装置に設けられた他の収納トレイとを対象に、前記第2の設定処理を行う
画像形成システム。
【請求項10】
請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置と、
複数の収納トレイを有するシート供給装置と、
を備える画像形成システムであって、
前記シート供給装置は、シート搬送方向の異なる位置に複数配置され、
前記画像間隔設定部は、前記収納トレイの開閉が行われた場合に、開閉が行われた収納トレイと、この収納トレイを有するシート供給装置よりもシート搬送方向の上流側に配置されたシート供給装置の収納トレイとを対象に、前記第2の設定処理を行う
画像形成システム。
【請求項11】
前記収納トレイは、前記シート搬送方向と直交する方向でシートの位置を規制する規制部材を有する
請求項10のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
収納トレイから送り出されるシートを搬送するシート搬送部によって搬送される各シートに対し、画像形成部によって画像を形成する画像形成装置のコンピュータによって実行される画像形成制御プログラムであって、
前記シート搬送部によるシート搬送方向と直交する方向のシートの位置ずれ量である片寄り量を検出する片寄り検出ステップと、
検出された前記片寄り量に基づいて、前記シート搬送方向と直交する方向に前記シートを移動させることにより、シートの片寄りを補正する片寄り補正ステップと、
検出された前記片寄り量に基づいて、前記画像形成部が複数のシートに対して複数の画像を形成する場合の画像間隔を基準間隔よりも狭い第1の画像間隔に設定する第1の設定ステップと、
前記収納トレイの開閉が行われた場合に、前記画像間隔を前記第1の画像間隔よりも広い第2の画像間隔に設定する第2の設定ステップと、
前記第1の設定ステップおよび前記第2の設定ステップを行う収納トレイの対象範囲を選択する対象範囲選択ステップと、
を前記コンピュータに実行させる画像形成制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においてシートを搬送する場合、シートの位置がシート搬送方向と直交する方向(以下、「シート幅方向」ともいう。)にずれることがある。このようなシートの位置ずれは、「片寄り」とも呼ばれる。シートに片寄りが生じたまま画像を形成すると、シートと画像とに相対的な位置ずれが生じる。このため、従来においては、シートの片寄りを補正する技術が知られている。この技術は、シートの片寄り量を検出し、検出した片寄り量に基づいてシート幅方向にシートを移動させる技術である。
【0003】
シートの片寄り補正は、シートを挟持するレジストローラを、シートと一緒にシート幅方向に移動させる仕組みになっている。このため、複数のシートを連続して搬送する場合は、先行するシート(以下、「先行シート」ともいう。)がレジストローラを通過してから、後続のシート(以下、「後続シート」ともいう。)がレジストローラに到達するまでに、レジストローラを元の位置に戻す必要がある。
【0004】
一方で、上記複数のシートに形成される各画像の間隔(以下、「画像間隔」という。)は、最大の片寄り量を補正するのに必要なレジストローラの戻り時間をマージンとして含むように設定されている。そして、この設定に合わせて、先行シートと後続シートとの間隔(以下、「シート間隔」ともいう。)が設定されている。このように画像間隔とシート間隔とを設定することにより、シートの片寄り補正を確実に行うことができる。ただし、画像間隔やシート間隔が広く確保される分だけ、画像形成の生産性が低下してしまう。
【0005】
そこで、特許文献1には、画像形成装置の出荷時、設置時、使用時等に、数十枚のシートを搬送してシートの片寄り量のばらつき情報を取得し、取得したばらつき情報に基づいてシート間隔を調整する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-95392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術には、以下のような課題がある。
シートの片寄り量のばらつき傾向は、たとえば、シートの交換や補充のために収納トレイを開閉した場合に変わることがある。このため、収納トレイを開閉する前の、片寄り量のばらつき情報に基づいて、シート間隔を狭く設定していた場合は、収納トレイを開閉した後の画像形成動作において、シートの片寄り量を補正しきれずにジャムが発生するおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、シートの片寄り補正に起因するジャムの発生を抑制することができる画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、搬送されるシートに画像を形成する画像形成装置であって、収納トレイから送り出されるシートを搬送するシート搬送部と、シート搬送部によって搬送される各々のシートに画像を形成する画像形成部と、シート搬送方向と直交する方向のシートの位置ずれ量である片寄り量を検出する片寄り検出部と、片寄り検出部によって検出される片寄り量に基づいて、シート搬送方向と直交する方向にシートを移動させることにより、シートの片寄りを補正する片寄り補正部と、片寄り量に基づいて、複数のシートに対して形成される複数の画像を形成するための画像間隔を基準間隔よりも狭い第1の画像間隔に設定する第1の設定処理を行う画像間隔設定部と、を備え、画像間隔設定部はさらに、収納トレイの開閉が行われた場合に、画像間隔を第1の画像間隔よりも広い第2の画像間隔に設定する第2の設定処理を行い、第1の設定処理および第2の設定処理を行う収納トレイの対象範囲を選択可能な選択部をさらに備える。
【0010】
本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成装置と、複数の収納トレイを有するシート供給装置と、を備える画像形成システムであって、画像間隔設定部は、複数の収納トレイのうち、開閉が行われた収納トレイのみを対象に、第2の設定処理を行う、あるいは、開閉が行われた収納トレイと、この収納トレイと同一のシート供給装置に設けられた他の収納トレイとを対象に、前記第2の設定処理を行うものである。
【0011】
本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成装置と、複数の収納トレイを有するシート供給装置と、を備える画像形成システムであって、シート供給装置は、シート搬送方向の異なる位置に複数配置され、画像間隔設定部は、収納トレイの開閉が行われた場合に、開閉が行われた収納トレイと、この収納トレイを有するシート供給装置よりもシート搬送方向の上流側に配置されたシート供給装置の収納トレイとを対象に、第2の設定処理を行うものである。
【0012】
本発明に係る画像形成制御プログラムは、収納トレイから送り出されるシートを搬送するシート搬送部によって搬送される各シートに対し、画像形成部によって画像を形成する画像形成装置のコンピュータによって実行される画像形成制御プログラムであって、シート搬送部によるシート搬送方向と直交する方向のシートの位置ずれ量である片寄り量を検出する片寄り検出ステップと、検出された片寄り量に基づいて、シート搬送方向と直交する方向にシートを移動させることにより、シートの片寄りを補正する片寄り補正ステップと、検出された片寄り量に基づいて、画像形成部が複数のシートに対して複数の画像を形成する場合の画像間隔を基準間隔よりも狭い第1の画像間隔に設定する第1の設定ステップと、収納トレイの開閉が行われた場合に、画像間隔を第1の画像間隔よりも広い第2の画像間隔に設定する第2の設定ステップと、第1の設定ステップおよび第2の設定ステップを行う収納トレイの対象範囲を選択する対象範囲選択ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、シートの片寄り補正に起因するジャムの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図2】片寄り検出部および片寄り補正部の構成を示す平面図である。
図3】片寄り補正部の構成をシート搬送方向の上流側から見た図である。
図4】片寄り補正の原理を説明する平面図である。
図5】シートの片寄りをレジストローラの揺動によって補正する様子を時系列で示す模式図である。
図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
図7】第2の記憶部の記憶内容を説明する図である。
図8】シートの片寄り量と画像間隔との関係を示す図(その1)である。
図9】シートの片寄り量と画像間隔との関係を示す図(その2)である。
図10】シートの片寄り量と画像間隔との関係を示す図(その3)である。
図11】収納トレイを上から見た図である。
図12】収納トレイの開閉が行われた場合の画像間隔の設定例を示す図である。
図13】収納トレイの開閉が行われる前と後の画像間隔の設定例を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係る画像形成システムにおける画像形成装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15】本発明の第2実施形態に係る画像形成システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図16】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の操作表示部を選択部として機能させる場合に表示部に表示されるトレイ選択画面の一例を示す図である。
図17】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の操作表示部を選択部として機能させる場合に表示部に表示されるトレイ選択画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書および図面において、実質的に同一の機能または構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図1に示すように、画像形成システム10は、シート供給装置11と、画像形成装置30と、後処理装置16と、を備えている。シート供給装置11は、画像形成装置30に対してシート搬送方向の上流側に接続され、後処理装置16は、画像形成装置30に対してシート搬送方向の下流側に接続されている。すなわち、画像形成装置30は、シート供給装置11と後処理装置16との間に配置されている。
【0017】
シート供給装置11は、画像形成装置30にシートを供給する装置である。本実施形態においては、シートの一例として用紙を想定している。ただし、シートは、用紙に限らず、たとえば、樹脂シートであってもよいし、それ以外のシートであってもよい。
【0018】
シート供給装置11は、3つの収納トレイ12a,12b,12cと、3つのトレイセンサ13a,13b,13cと、シート搬送路36と、を有している。各々の収納トレイ12a,12b,12cは、画像形成(印刷)に用いるシートを収納するトレイである。各々の収納トレイ12a,12b,12cは、シート供給装置11の本体部分に対して開閉可能に設けられている。シート供給装置11の本体部分は、図示しない筐体によって構成される。各々の収納トレイ12a,12b,12cには、所定のサイズのシート2が収納されている。
【0019】
トレイセンサ13aは、収納トレイ12aの開閉が行われた否かを検出するセンサである。トレイセンサ13bは、収納トレイ12bの開閉が行われたか否かを検出するセンサであり、トレイセンサ13cは、収納トレイ12cの開閉が行われたか否かを検出するセンサである。各々のトレイセンサ13a,13b,13cは、接触式センサまたは非接触センサによって構成される。トレイセンサ13aが出力するセンサ信号は、収納トレイ12aの開閉によって変化する。たとえば、トレイセンサ13aが出力するセンサ信号は、シート供給装置11の本体部分から収納トレイ12aを開いた場合にオン状態となり、シート供給装置11の本体部分に収納トレイ12aを閉じた場合にオフ状態となる。この点は、他のトレイセンサ13b,13cについても同様である。なお、収納トレイ12a,12b,12cの開閉は、収納トレイ12a,12b,12cの脱着、あるいは、収納トレイ12a,12b,12cの抜き差しを含む。
【0020】
シート搬送路36は、いずれかの収納トレイ12a,12b,12cから送り出されるシート2を搬送するための搬送路である。シート供給装置11は、印刷ジョブなどでユーザーが指定したサイズのシート2、あるいは原稿のサイズなどに応じて自動的に選択されたサイズのシート2を供給する。以降の説明では、各々の収納トレイ12a,12b,12cを区別する必要がない場合に、収納トレイ12と記す。同様に、各々のトレイセンサ13a,13b,13cを区別する必要がない場合には、トレイセンサ13と記す。収納トレイは、収納対象物が用紙である場合を想定して、給紙トレイまたは給紙カセットとも呼ばれる。
【0021】
画像形成装置30は、シートに形成すべき画像を形成する画像形成部14と、シートに画像を定着させる定着部40と、原稿の画像を読み取る画像読取部18と、シートを搬送するシート搬送部19と、ユーザーインタフェースとなる操作表示部20と、を備えている。本実施形態においては、一例として、画像形成装置30が、電子写真方式に基づいて画像形成を行うタンデム式のカラー画像形成装置である場合について説明する。
【0022】
後処理装置16は、画像形成部14を経由して搬送されたシートに後処理を行う装置である。後処理装置16で実行可能な後処理には、たとえば、画像読取処理、ステープル処理、仕分け処理など、
種々の処理があるが、本発明は特定の処理に限定されない。画像読取処理は、画質の確認あるいは調整を目的として、シートに形成された画像を読み取る処理である。その場合、読み取りの対象となる画像には、通常の画像の他に、テストチャートやテストパターンなどが含まれる場合もある。本実施形態においては、後処理装置16が行う後処理が、シートを所定のトレイに排出する処理である場合を例に挙げて説明する。
【0023】
後処理装置16は、搬送切替部27と、シート搬送路38と、メイントレイ31mと、サブトレイ31sと、を有している。搬送切替部27は、シートの搬送先を切り替えるものである。シート搬送路38は、画像形成装置30から排出されるシート2を搬送するための搬送路である。シート搬送路38は、第1搬送路38aと第2搬送路38bとに分岐している。搬送切替部27は、第1搬送路38aと第2搬送路38bとの分岐部分に配置されている。搬送切替部27は、シート搬送路38に沿って搬送されるシートの搬送先を、メイントレイ31mまたはサブトレイ31sに切り替える。第1搬送路38aは、シート搬送路38に沿って搬送されるシート2をメイントレイ31mへと導く搬送路である。第2搬送路38bは、シート搬送路38に沿って搬送されるシート2をサブトレイ31sへと導く搬送路である。メイントレイ31mは、後処理装置16の側面部に設けられている。サブトレイ31sは、後処理装置16の上部に設けられている。
【0024】
画像読取部18は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り装置18aと、原稿画像走査装置18bとを備えている。自動原稿送り装置18aは、原稿トレイ18cに載置された原稿を、図示しない搬送機構により搬送して原稿画像走査装置18bへと送り込む。原稿画像走査装置18bは、自動原稿送り装置18aによってコンタクトガラス上に搬送された原稿、またはユーザーによってコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサ等の受光面に結像させることで、原稿の画像を読み取る。画像読取部18は、原稿トレイ18cに載置された多数枚の原稿の画像を、自動原稿送り装置18aと原稿画像走査装置18bとの協働により連続して読み取ることができる。画像読取部18は、原稿画像走査装置18bによる読取結果に基づいて画像データを生成する。
【0025】
シート搬送部19は、上述した3つの収納トレイ12a,12b,12cのうち、いずれかの収納トレイから送り出されるシート2を搬送するものである。シート搬送部19は、シート搬送路32と、シート搬送路32に沿ってシート2を搬送する複数の搬送ローラ34と、を備えている。シート搬送路32の上流端は、シート搬送路36の下流端に接続され、シート搬送路32の下流端は、シート搬送路38の上流端に接続されている。シート搬送路32は、シート供給装置11から画像形成装置30へと送り込まれるシート2を搬送するための搬送路である。シート供給装置11から画像形成装置30へと送り込まれたシート2は、シート搬送路32に沿ってY方向に搬送される。よって、シート搬送方向はY方向となる。
【0026】
複数の搬送ローラ34は、シート搬送路32に適度な間隔をおいて配置されている。各々の搬送ローラ34は、一対のローラによって構成されている。一対のローラのうち、一方のローラはシート搬送用モータの駆動力を受けて回転する駆動ローラであり、他方のローラは駆動ローラの回転に従って回転する従動ローラである。搬送ローラ34は、一対のローラの間にシートを挟んで回転することにより、シートに搬送力を付与する。
【0027】
なお、図1では省略しているが、画像形成装置30には、シート搬送路32の他に、シートの表裏を反転するための反転搬送路と、反転搬送路によって表裏を反転したシートを画像形成部14の二次転写部26に向けて再び搬送するための再搬送路とが形成されている。
【0028】
操作表示部20は、たとえばタッチパネル付の液晶ディスプレイを用いて構成されるものである。操作表示部20は、表示部20aおよび操作部20bとして機能する。表示部20aは、ユーザーに対して、各種操作画面、設定画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部20bは、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付ける。ユーザーは、操作表示部20を操作して、原稿設定、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定、片面印刷/両面印刷設定、およびシート設定など、画像形成に関する種々の設定を行うことができる。
【0029】
画像形成部14は、シート搬送部19によって搬送される各々のシート2に画像を形成するものである。本実施形態においては、画像形成装置30が電子写真方式の画像形成装置であるため、画像形成部14が形成する画像は、シートに転写すべきトナー画像となる。画像形成部14は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する4つの感光体ユニット22Y,22M,22C,22Kを備えている。
【0030】
感光体ユニット22Yは、像担持体であるドラム形状の感光体の表面にイエローのトナー画像を形成するものである。感光体ユニット22Yは、図示はしないが、帯電器、露光器、現像器、一次転写ローラ、クリーナー等を備える。帯電器は、感光体の表面を所定の電位に帯電するものである。露光器は、帯電器によって帯電された感光体の表面をレーザービームによって走査することにより、感光体の表面に静電潜像を形成するものである。現像器は、露光器によって静電潜像が形成された感光体の表面にイエローのトナーを供給することにより、感光体の表面にイエローのトナー画像を形成するものである。一次転写ローラは、現像器によるトナーの供給によって感光体の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト24に転写するものである。クリーナーは、一次転写ローラを通過した後に感光体の表面に残留するトナーを除去するものである。他の感光体ユニット22M,22C,22Kは、現像器が供給するトナーの色が異なるだけで、感光体ユニット22Yと同様の構成を有している。
【0031】
中間転写ベルト24は、図示しない複数のベルト支持ローラによってループ状に支持されている。中間転写ベルト24を支持する複数のベルト支持ローラのうちの一つは、中間転写ベルト24を矢印方向に周回移動させるためのベルト駆動ローラとなる。中間転写ベルト24は、各々の感光体ユニット22Y,22M,22C,22Kが有する感光体の表面に接触する状態で配置されている。感光体ユニット22Yによって形成されたイエローのトナー画像は、図示しない一次転写ローラにより、感光体から中間転写ベルト24へと転写される。一次転写ローラは、感光体ユニット22Yの感光体との間に中間転写ベルト24を挟んで回転するローラである。感光体から中間転写ベルト24へのトナー画像の転写は、一次転写とも言われる。
【0032】
カラー画像を形成する場合は、各々の感光体ユニット22Y,22M,22C,22Kに対応する一次転写ローラにより、イエローのトナー画像と、マゼンタのトナー画像と、シアンのトナー画像と、ブラックのトナー画像とが、中間転写ベルト24に順に重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト24にカラーのトナー画像が形成される。
【0033】
二次転写部26は、中間転写ベルト24の移動方向において、感光体ユニット22Kの下流側に配置されている。二次転写部26は、上述した一次転写ローラによって中間転写ベルト24に転写されたトナー画像を、中間転写ベルト24からシートへと転写するものである。二次転写部26は、二次転写ローラを用いて構成される。中間転写ベルト24からシートへのトナー画像の転写は、二次転写とも言われる。
【0034】
画像形成部14は、上述した感光体ユニット22Y,22M,22C,22K、中間転写ベルト24、一次転写ローラ、二次転写部26等により構成されている。
【0035】
定着部40は、二次転写部26よりもシート搬送方向の下流側に設けられている。定着部40は、二次転写部26によってシートに転写されたトナー画像を加熱および加圧によってシートに定着させるものである。定着部40は、ヒーター等を内蔵する加熱ローラ40aと、この加熱ローラ40aに所定の加圧力で接触する加圧ローラ40bとによって構成されている。加熱ローラ40aと加圧ローラ40bとの接触部分には定着ニップが形成される。そして、この定着ニップ部をシートが通過するときに、加熱ローラ40aによる加熱作用と加圧ローラ40bによる加圧作用とをシートが受けることにより、シートにトナー画像が定着される。
【0036】
一方、二次転写部26よりもシート搬送方向の上流側には、片寄り検出部42と、片寄り補正部44とが設けられている。片寄り検出部42は、シート搬送方向と直交する方向のシートの位置ずれ量である片寄り量を検出するものである。片寄り検出部42は、シート搬送部19によりシート搬送路36上を画像形成部14の二次転写部26へ向かって搬送されるシートの片寄り量を検出する。片寄り補正部44は、片寄り検出部42よりもシート搬送方向の上流側に配置されている。片寄り補正部44は、片寄り検出部42によって検出されるシートの片寄り量に基づいて、シート搬送方向と直交する方向(以下、「シート幅方向」ともいう。)にシートを移動させることにより、シートの片寄りを補正するものである。以下、片寄り検出部42および片寄り補正部44についてさらに詳しく説明する。
【0037】
図2は、片寄り検出部および片寄り補正部の構成を示す平面図であり、図3は、片寄り補正部の構成をシート搬送方向の上流側から見た図である。図2および図3においては、シート搬送方向をY方向、シート搬送方向に直交する方向をX方向、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向としている。
【0038】
図2に示すように、片寄り検出部42は、片寄り検出センサ85を用いて構成されている。片寄り検出センサ85は、たとえばラインセンサまたはCIS(Contact Image Sensor)によって構成される。片寄り検出センサ85は、片寄り検出センサ85の長手方向がX方向と平行となるように配置されている。片寄り検出センサ85は、図示しない発光素子と受光素子とを有する反射型の光学センサである。片寄り検出センサ85は、シート搬送方向Yに搬送されるシートの一方の端部と交差(直交)するように配置される。片寄り検出センサ85の発光素子は、搬送中のシートが片寄り検出センサ85の検出領域を通過している所定のタイミングで、シートの紙面に向けて発光する。このとき、片寄り検出センサ85の受光素子は、シートの紙面から反射する光を受光する。これにより、片寄り検出センサ85は、受光素子の受光量に応じたレベルのセンサ出力を生成する。このような片寄り検出センサ85を備える片寄り検出部42は、シートの幅方向の端部位置と基準位置とのずれ量を、シート幅方向のシートの片寄り量として検出し、この検出結果を出力する。
【0039】
片寄り補正部44は、図2および図3に示すように、一対のレジストローラ81,82と、一対のレジストローラ81,82をX方向(レジスト揺動方向)に揺動させるための駆動源である揺動用モータ83とを備えている。一対のレジストローラ81,82のうち、一方のレジストローラ81は駆動ローラであり、他方のレジストローラ82は従動ローラである。レジストローラ81は、たとえばゴム製のローラで構成され、レジストローラ82は、たとえば金属製のローラで構成される。レジストローラ82は、レジストローラ81に対して常に圧接された状態に保持される。レジストローラ82がレジストローラ81に圧接されることにより、一対のレジストローラ81,82の間にシートを挟んで搬送するためのレジストニップ部が形成される。片寄り補正部44は、一対のレジストローラ81,82によってシートを挟み込みその状態で一対のレジストローラ81,82をX方向に揺動させることにより、シート幅方向のシートの位置ずれである片寄りを補正する。
【0040】
一対のレジストローラ81,82は、フレーム88に取り付けられた軸受け(不図示)に挿通されることにより、それぞれ回転可能に設けられている。レジストローラ81はローラ軸81bを有し、レジストローラ82はローラ軸82bを有する。レジストローラ81のローラ軸81bとレジストローラ82のローラ軸82bとは、連結部材87によって連結されている。これにより、シートの片寄りを補正する際、一対のレジストローラ81,82は、シート搬送方向と直交する方向(X方向)に一緒に揺動する。レジストローラ81のローラ軸81bの一端側には歯車81aが取り付けられている。歯車81aは、ローラ軸81bと一体に回転するように、ローラ軸81bに固定されている。歯車81aには歯車86aが噛み合っている。
【0041】
レジストローラ81は、歯車81a,86aを含む動力伝達部を介して駆動用モータ86に接続されている。歯車81aは、レジスト揺動時にレジストローラ81が軸方向に揺動しても駆動力が伝達されるように、レジスト揺動方向であるX方向に所定の長さを有する。歯車86aは駆動用モータ86の出力軸に取り付けられている。これにより、駆動用モータ86の駆動力は、歯車86aおよび歯車81aを介してレジストローラ81に伝達される。この駆動力の伝達により、一対のレジストローラ81,82が回転する。
【0042】
また、レジストローラ81は、ラック84bおよびピニオン84aからなる動力伝達部84を介して揺動用モータ83に接続されている。つまり、片寄り補正部44は、動力伝達部84及び揺動用モータ83が発生する駆動力を利用して、一対のレジストローラ81,82をシートと共にシート幅方向に揺動させることにより、シートの片寄りを補正する構成となっている。ラック84bは、内面に軸受けを有する円筒状の部材である。ラック84bは、ローラ軸81bに挿通されている。ラック84bは、ローラ軸81bに固定された2つの座金(たとえば、Eリング)でラック84bの両端を挟み込むことにより、歯車81aの近傍に固定されている。つまり、ラック84bは、レジストローラ81の回転を許容する一方で、軸方向には揺動不能に固定されている。
【0043】
ここで、片寄り検出センサ85によって検出されるシートの片寄り量と、この片寄り量に基づくシートの片寄り補正について、図4を用いて説明する。
図4においては、シート幅方向に片寄りがないときのシートの位置を基準位置Rpとし、この基準位置Rpに配置されたシートの幅方向の端部位置(以下、「端部基準位置」という。)Erを片寄り検出センサ85で検出して得られる検出値を検出基準値X0としている。また、図4においては、シート幅方向に片寄りが生じたシート2の端部位置Epを片寄り検出センサ85で検出して得られる検出値を検出値Xiとしている。そうした場合、シート搬送方向Yに搬送されるシート2の片寄り量ΔXは、検出基準値X0と検出値Xiとの差分で表される。
【0044】
図4においては、シート搬送方向Yに搬送されるシート2の位置が基準位置Rpに対して-側(図4では右側)にΔXだけ片寄っている。この片寄り量ΔXは、シート幅方向におけるシート2の位置を基準位置Rpへと戻すために必要なシートの移動量となる。この場合、シート幅方向におけるシート2の端部位置Epが端部基準位置Erに一致するように一対のレジストローラ81,82(図4ではレジストローラ82のみ表示)を+側に揺動させることで、シート2の片寄りを補正することができる。端部基準位置Erは、一対のレジストローラ81,82の揺動動作によってシートの端部位置Epを位置合わせすべき目標位置となる。端部基準位置Erは、画像センター位置Icからシート幅方向にシート幅Wの1/2だけ離れた位置で表される。また、画像形成部14における画像の書き込み範囲は、画像センター位置Icおよびシート幅Wに基づいて設定される。
【0045】
なお、片寄り検出部42および片寄り補正部44の構成は、図2および図3に示す構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0046】
図5は、シートの片寄りをレジストローラの揺動によって補正する様子を時系列で示す模式図である。
まず、補正前の段階においては、シート幅方向Xにおけるシート2のセンター位置が、画像センター位置Icから最大補正量Hmaxだけ片寄ってレジストローラ81,82(図5ではレジストローラ82のみ表示)に挟持されている。最大補正量Hmaxは、画像形成装置30の仕様上、片寄り補正部44で補正可能な最大の片寄り量に相当する。最大補正量Hmaxは、画像センター位置Icを中心に、シート幅方向Xの一方と他方に設定される。
【0047】
一方、補正後の段階においては、レジストローラ81,82がシート2を挟持しながらシート幅方向Xに距離Lだけ移動し、この移動により、シート幅方向Xにおけるシート2のセンター位置が、画像センター位置Icに一致している。この場合、シート幅方向Xにおけるレジストローラ81,82の移動量Lは、上記最大補正量Hmaxと同じ量となり、シート幅方X向におけるレジストローラ81,82の移動方向は、補正前のシート2の片寄り方向に対して反対方向となる。これにより、シート2が最大補正量Hmaxだけ片寄っていた場合でも、この片寄りを補正することができる。
【0048】
上述のようにレジストローラ81,82を移動させた場合は、次に搬送されてくるシート2bがその前のシート2と同様に最大補正量Hmaxだけずれていた場合でも、シート2bの片寄りを補正できるよう、次のシート2bがレジストローラ81,82に到達する前に、レジストローラ81,82を元の位置に戻す必要がある。このため、画像形成部14で複数の画像を形成する場合の画像間隔は、最大補正量Hmaxに対応する移動量Lでレジストローラ81,82が往復移動するのに必要な時間を確保できるように設定されている。そして、この画像間隔の設定に合わせてシート間隔Spが設定される。ただし、シート2の片寄り量は、多くの場合、最大補正量Hmaxよりも小さくなる。このため、画像間隔を最大補正量Hmaxに対応した間隔(以下、「基準間隔」という。)に固定すると、たとえば、シート2の片寄り量がゼロに近い場合に、画像間隔が不必要に広く確保され、画像形成の生産性が低下してしまう。本実施形態に係る画像形成装置30においては、画像形成の生産性の低下を抑制するために、画像間隔を変更可能な構成になっている。具体的な構成については、後段で述べる。なお、上述したシート間隔Spは、シート搬送方向において隣り合う先行シートと後続シートとの間の間隔、より具体的には、先行シートの後端と後続シートの先端との間の距離で規定される間隔である。また、最大補正量Hmaxに対応した間隔とは、片寄り補正部44で補正可能な最大の片寄り量だけシート2の片寄りを補正する際に必要となるレジストローラ81,82の往復移動時間をマージンとして含む間隔である。
【0049】
図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、画像形成装置30は、前述した画像形成部14、画像読取部18、シート搬送部19、操作表示部20、定着部40、片寄り検出部42、片寄り補正部44などの他に、制御部17と、画像処理部45と、画像間隔設定部46と、通信部47と、記憶部48と、を備えている。
【0050】
制御部17は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)23、RAM(Random Access Memory)25等を備える。CPU21は、ROM23または記憶部48から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM25に展開し、展開したプログラムと協働して、画像形成装置30の各部の動作と、シート供給装置11および後処理装置16の動作とを統括的に制御する。制御部17には、制御対象として、画像形成装置30の各部の他に、シート供給装置11と後処理装置16とが接続されている。
【0051】
また、制御部17は、通信部47を介してLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続され、この通信ネットワークを通して外部の装置(たとえば、パーソナルコンピュータ)と各種データの送受信を行う。制御部17は、たとえば、外部の装置から送信されたページ記述言語(PDL:Page Description Language)を受信し、PDLに含まれる画像データに基づいて、画像形成部14や定着部40などの動作を制御することにより、シートに画像を形成させる。また、制御部17は、片寄り検出部42の検出結果に基づいて片寄り補正部44を駆動することにより、一対のレジストローラ81,82の揺動動作を制御する。すなわち、制御部17は、片寄り検出部42が検出する片寄り量に応じた片寄り補正によりシートと画像の位置合わせを行う。一対のレジストローラ81,82の揺動動作は、シート幅方向のシートの片寄りを補正するために行われる動作である。
【0052】
画像処理部45は、画像形成の対象となる画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。たとえば、画像処理部45は、制御部17の制御下で、階調補正データに基づいて階調補正を行う。また、画像処理部45は、画像データに対して、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。
【0053】
画像間隔設定部46は、画像形成部14において複数のシート2に対して形成される複数の画像を形成するための画像間隔を設定するものである。
以下に、画像間隔設定部46が設定する画像間隔について説明する。
画像間隔は、画像形成部14において複数のシート2に対して形成される複数の画像を形成する場合に、たとえば、1つの画像の形成を終了してから、次の画像の形成を開始するまでの時間の間隔である。より具体的に説明すると、電子写真式の画像形成装置30における画像間隔は、各々の感光体ユニット22Y,22M,22C,22Kにおいて、1つの画像の書き込みを終了するタイミングから、次の画像の書き込みを開始するタイミングまでの時間の間隔である。また、画像の書き込みとは、レーザービームの走査によって感光体の表面に静電潜像を書き込むことを意味する。なお、画像間隔は、上述した例に限らない。たとえば、画像間隔は、1つの画像の形成を開始してから、次の画像の形成を開始するまでの時間の間隔であってもよい。
【0054】
画像形成装置の中には、画像形成部14が画像の形成を開始した後に、シート供給装置11がシートの供給を開始するタイプの画像形成装置(以下、「画像形成先行型の画像形成装置」ともいう。)がある。この種の画像形成装置において、複数のシート2に画像を形成する場合は、画像形成部14における画像間隔に合わせてシート間隔を設定し、所定のタイミングで二次転写部26に各々のシート2を送り込む必要がある。本実施形態においては、一例として、画像形成装置30が画像形成先行型の画像形成装置であるものとする。
【0055】
画像間隔設定部46は、片寄り検出部42によって検出された片寄り量に基づいて、画像間隔を基準間隔よりも狭い第1の画像間隔に設定する第1の設定処理と、収納トレイ12の開閉が行われた場合に、画像間隔を第1の画像間隔よりも広い第2の画像間隔に設定する第2の設定処理とを行う。基準間隔は、片寄り補正部44で補正可能な最大の片寄り量(図5に示す最大補正量Hmax)に対応した間隔である。第1の画像間隔および第2の画像間隔については、後段で詳しく説明する。
【0056】
通信部47は、図示しない通信ネットワークを介して外部の装置(たとえば、パーソナルコンピュータなど)と通信可能に接続され、外部の装置との間で各種のデータの送受信を行う。通信部47は、たとえばNIC(Network Interface Card)、MODEM(MOdulator-DEModulator)、USB(Universal Serial Bus)等の各種インターフェースで構成される。
【0057】
記憶部48は、たとえば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブなどで構成される。記憶部48には、制御部17が各種の制御処理を行う際に参照する制御データが記憶される。また、記憶部48は、第1の記憶部48aおよび第2の記憶部48bを有している。第1の記憶部48aは、基準間隔を記憶する部分であり、第2の記憶部48bは、第1の画像間隔を記憶する部分である。第1の記憶部48aおよび第2の記憶部48bの各々は、記憶部48が有する記憶領域の一部によって構成される。
【0058】
第2の記憶部48bは、シート供給装置11が有する収納トレイ12a,12b,12cごとに第1の画像間隔を記憶する。たとえば、収納トレイ12aから送り出されるシート2への画像形成に適用される第1の画像間隔をGp1、収納トレイ12bから送り出されるシート2への画像形成に適用される第1の画像間隔をGp2、収納トレイ12cから送り出されるシート2への画像形成に適用される第1の画像間隔をGp3とすると、第2の記憶部48bには、図7に示すように、収納トレイ12a,12b,12cごとに第1の画像間隔Gp1,Gp2,Gp3が記憶される。ここで、第1の記憶部48aに記憶される基準間隔をGp0とすると、第1の画像間隔Gp1,Gp2,Gp3は、いずれも基準間隔Gp0より狭い間隔となる。
【0059】
次に、シートの片寄り量と画像間隔との関係について説明する。
【0060】
(シートの片寄り量がゼロの場合)
まず、シートの片寄り量がゼロの場合は、レジストローラ81,82を移動させる必要がない。このため、画像形成部14に適用する画像間隔は、図8に示すように最小間隔Aに設定し、この設定条件のもとで画像の書き込みを行うことができる。したがって、画像形成部14において、3つの画像を連続的に形成する場合は、最初の画像の書き込みを開始してから、最後の画像の書き込みを終了するまでの時間がTaとなる。最小間隔Aは、シート搬送方向におけるシートの位置のばらつきや、画像形成部14に適用する画像形成条件の切り替えなど、片寄り補正以外の要因によって決まる間隔である。
【0061】
(シートの片寄り量が最大の片寄り量の場合)
一方、シートの片寄り量が最大の片寄り量の場合は、上記図5に示すように最大の片寄り量(最大補正量Hmax)に対応した移動量Lをもってレジストローラ81,82を往復移動させる必要がある。このため、画像形成部14に適用する画像間隔は、その分の往復移動時間をマージンとして見込んで、図9に示すように、上記最小間隔Aよりも広い間隔Bに設定し、この設定条件のもとで画像の書き込みを行う必要がある。したがって、画像形成部14において、3つの画像を連続的に形成する場合は、最初の画像の書き込みを開始してから、最後の画像の書き込みを終了するまでの時間が、上記のTaよりも長いTbとなる。なお、図9に示す画像間隔Bは、上述した基準間隔Gp0に相当する間隔である。
【0062】
(シートの片寄り量が最大の片寄り量未満の場合)
シートの片寄り量が最大の片寄り量(最大補正量Hmax)未満の場合、画像形成部14に適用する画像間隔を上記の間隔Bと同一に設定すると、画像間隔が必要以上に広く設定される。具体的には、図10の上段に示すように、片寄り補正に必要なレジストローラ81,82の往復移動時間を見込んだ画像間隔が、上記の間隔Bよりも狭い間隔Cであるとすると、間隔Bと間隔Cとの差分である時間Dだけ、画像間隔が広く確保される。この場合、図10の下段に示すように、画像形成部14に適用する画像間隔を、上記の間隔Bよりも狭い間隔Cに設定すれば、画像形成の生産性を向上させることができる。具体的には、画像形成部14において、3つの画像を連続的に形成する場合に、最初の画像の書き込みを開始してから、最後の画像の書き込みを終了するまでの時間が、上記のTbよりも短いTcとなり、この時間短縮によって画像形成の生産性を高めることができる。
【0063】
したがって、シート供給装置11が有する収納トレイ12a,12b,12cごとに、各々の収納トレイ12a,12b,12cから送り出されるシート2が、シート幅方向のいずれの方向にどの程度の量で片寄るかといった傾向、すなわちシート2の片寄り量の傾向を把握し、把握した片寄り量の傾向に基づいて画像間隔を設定すれば、画像形成の生産性を向上させることが可能となる。シート2の片寄り量の傾向は、収納トレイ12から送り出されるシート2の片寄り量を片寄り検出部42によって検出し、この検出結果を、予め設定されたシート2の枚数分(たとえば、10枚分)だけ取得することにより、収納トレイ12a,12b,12cごとに把握することができる。そして、画像形成部14に適用する画像間隔を、片寄り検出部42によって検出された片寄り量に基づいて、上記の間隔Bよりも狭い間隔Cに設定する。この場合、画像間隔を間隔Bから間隔Cへと設定し直す処理が、第1の設定処理に相当する。また、間隔Bは基準間隔に相当し、間隔Cは第1の画像間隔に相当する。このように画像間隔を設定し直すことにより、画像形成の生産性を向上させることができる。
【0064】
ただし、シート2の片寄り量の傾向は、収納トレイ12が開閉されると、その前後で変わることがある。収納トレイ12の開閉は、シート供給装置11の本体部分に対して収納トレイ12を開く動作と収納トレイ12を閉じる動作によって行われる。また、収納トレイ12の開閉は、シート2の補充や入れ替えなどのためにユーザーによって行われる。実際に収納トレイ12を開閉すると、たとえば、収納トレイ12の内部でシート2の位置を規制している規制部材の位置が変わることにより、シート2の片寄り量の傾向が変わることがある。この点について、以下に詳しく説明する。
【0065】
図11は、収納トレイを上から見た図である。
図11に示すように、収納トレイ12には、上述した規制部材の一例として、一対の規制板28が設けられている。一対の規制板28は、シート搬送方向Yと直交する方向であるシート幅方向Xの両側からシート2を挟み込むことにより、シート幅方向Xでシート2の位置を規制するものである。一対の規制板28は、シート幅方向Xにおいて互いに同量ずつ接近または離間するよう、図示しない移動機構によってシート幅方向Xに移動可能に支持されている。移動機構は、たとえば、ラックアンドピニオン機構を用いて構成される。
【0066】
一対の規制板28によってシート2の位置を規制する場合は、収納トレイ12にセットしたシート2を一対の規制板28によって両側から挟み込むように、一対の規制板28を配置する。このとき、収納トレイ12にセットしたシート2の束と、各々の規制板28との間の隙間(以下、「シートガイド隙間」ともいう。)ができるだけ小さくなるように、一対の規制板28を配置することが好ましい。ただし、一対の規制板28は、ユーザーによって操作される。このため、シートガイド隙間は、ユーザーの操作の仕方によってばらつく。また、収納トレイ12を開閉すると、これに起因した振動などにより、規制板28の位置がずれたりシート2の位置がずれたりして、シート2の片寄り量の傾向が変わることがある。
【0067】
実際に収納トレイ12の開閉によってシート2の片寄り量の傾向が変わった場合に、画像形成部14に適用する画像間隔を間隔C(図10参照)に設定したまま、画像形成部14で画像の書き込みを行うと、シートの片寄り量を補正しきれずに、画像とシートとの相対的な位置精度が低下したり、ジャムが発生したりするおそれがある。
【0068】
そこで、本実施形態の画像形成装置30においては、収納トレイ12の開閉が行われた場合に、画像形成部14に適用する画像間隔を、上記の間隔Cよりも広い間隔、すなわち第2の画像間隔に設定する構成を採用している。具体的には、図12の上段に示すように、収納トレイ12の開閉が行われる前の画像間隔が間隔Cに設定されている状況下で、収納トレイ12の開閉が行われた場合は、図12の下段に示すように、間隔Cに時間αを加えた画像間隔となるように、画像間隔を設定する。この場合、画像間隔を間隔Cから「間隔C+時間α」へと設定し直す処理が、第2の設定処理に相当する。また、間隔Cは第1の画像間隔に相当し、「間隔C+時間α」は第2の画像間隔に相当する。このように画像間隔を設定し直すことにより、レジストローラ81,82の往復移動に許容される時間が、時間αの加算によって長くなるため、ジャムの発生を抑制することができる。ただし、画像形成部14において、3つの画像を連続的に形成する場合に、最初の画像の書き込みを開始してから、最後の画像の書き込みを終了するまでの時間は、Tcよりも長いTdとなる。
【0069】
そこで、本実施形態の画像形成装置30においては、上述のように画像形成部14に適用する画像間隔を、間隔Cから「間隔C+時間α」へと設定し直した後、片寄り検出部42により検出される片寄り量に基づいて、画像間隔を「間隔C+時間α」から、これよりも狭い間隔、たとえば、間隔Cに設定し直す。これにより、画像形成部14において、3つの画像を連続的に形成する場合に、最初の画像の書き込みを開始してから、最後の画像の書き込みを終了するまでの時間が、Tdよりも短いTcとなり、この時間短縮によって画像形成の生産性を高めることができる。この場合、画像間隔を「間隔C+時間α」から間隔Cへと設定し直す処理が、第1の設定処理に相当する。また、「間隔C+時間α」は第2の画像間隔に相当し、間隔Cは第1の画像間隔に設定する。
【0070】
このように、本実施形態の画像形成装置30においては、画像形成部14に適用する画像間隔を第1の設定処理によって第1の画像間隔に設定した後、収納トレイ12の開閉が行われた場合に、画像間隔を第2の設定処理によって第2の画像間隔に設定する。そして、第2の設定処理後は、再び第1の設定処理によって画像間隔を第1の画像間隔に設定し直す。ただし、収納トレイ12の開閉が行われる前の第1の設定処理によって設定される第1の画像間隔と、収納トレイ12の開閉が行われた後の第1の設定処理によって設定される第1の画像間隔とは、必ずしも同じ間隔にはならない。その理由は、収納トレイ12の開閉が行われる前と後では、片寄り検出部42によって検出される片寄り量が異なることがあり、この片寄り量の違いによって、第1の画像間隔の設定値が変わるからである。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0071】
まず、図13の上段に示すように、収納トレイ12の開閉が行われる前の第1の設定処理によって設定された第1の画像間隔が間隔Cであって、図13の中段に示すように、収納トレイ12の開閉が行われた場合に第2の設定処理によって設定された第2の画像間隔が「間隔C+時間α」であるとする。そうした場合、収納トレイ12の開閉の前後で、収納トレイ12におけるシート2のセット状態が変わらない、すなわち片寄り量が同一であれば、収納トレイ12の開閉が行われた後の第1の設定処理によって設定される第1の画像間隔は間隔Cとなる。これに対し、収納トレイ12にシート2をセットする際に、たとえば、一対の規制板28をシート2の束にほとんど隙間なく近接させて配置した場合は、収納トレイ12を開閉する前に比べて、片寄り量が小さくなる。このため、収納トレイ12の開閉が行われた後の第1の設定処理によって設定される第1の画像間隔は、図13の下段に示すように、間隔Cよりも狭い間隔Eとなる。したがって、画像形成部14において、3つの画像を連続的に形成する場合に、最初の画像の書き込みを開始してから、最後の画像の書き込みを終了するまでの時間が、Tcよりも短いTeとなり、この時間短縮によって画像形成の生産性を更に高めることができる。
【0072】
図14は、本発明の実施形態に係る画像形成システムにおける画像形成装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理の開始時点では、あらかじめ、各々の収納トレイ12a,12b,12cから送り出されたシート2の片寄り量に基づいて、各々の収納トレイ12a,12b,12cに対応する第1の画像間隔Gp1,Gp2,Gp3が、画像間隔設定部46による第1の設定処理によって設定されているものとする。そして、第1の設定処理によって設定された第1の画像間隔Gp1,Gp2,Gp3が、収納トレイ12a,12b,12cごとに第2の記憶部48bに記憶されているものとする。また、画像形成装置30の出荷時点では、基準間隔Gp0が第1の記憶部48aに記憶されているものとする。ただし、処理の開始時点は上記の状態に限らず、第2の記憶部48bが空欄になっていてもよい。この場合は、第1の設定処理が行われた収納トレイ12から順に、第2の記憶部48bに第1の画像間隔が記憶されることになる。
【0073】
まず、制御部17は、シート供給装置11が有する3つの収納トレイ12a,12b,12cのうち、いずれかの収納トレイ12が開閉されたか否かを判断する(ステップS1)。シート供給装置11には、3つの収納トレイ12a,12b,12cに対応して3つのトレイセンサ13a,13b,13cが設けられている。このため、制御部17は、各々のトレイセンサ13a,13b,13cのセンサ信号を監視することにより、いずれかの収納トレイが開閉されたか否かを判断する。
【0074】
次に、制御部17は、ステップS1において、いずれかの収納トレイ12が開閉されたと判断すると、開閉された収納トレイ12に対応して第2の記憶部48bに記憶されている第1の画像間隔をクリア(消去)する(ステップS2)。たとえば、開閉された収納トレイ12が収納トレイ12aであった場合は、この収納トレイ12aに対応して第2の記憶部48bに記憶されている第1の画像間隔Gp1をクリアする。第1の画像間隔Gp1をクリアすると、収納トレイ12aから送り出されるシート2への画像形成に適用される画像間隔は、第1の画像間隔Gp1よりも広い第2の画像間隔に設定される。この設定処理は、第2の設定処理に相当するもので、画像間隔設定部46によって行われる。第2の画像間隔は、たとえば、基準間隔Gp0と同じ間隔とする。基準間隔Gp0は、第1の記憶部48aに記憶されている。このため、制御部17は、第1の画像間隔Gp1をクリアした後、第1の記憶部48aから基準間隔Gp0を読み出して画像間隔設定部46に通知し、この通知を受けて画像間隔設定部46が、収納トレイ12aに適用する画像間隔を基準間隔Gp0と同じ間隔に設定する。
【0075】
また、制御部17は、ステップS1において、いずれの収納トレイ12も開閉されていないと判断すると、ステップS2の処理を行うことなく、ステップS3の処理に進む。なお、収納トレイ12が開閉された時点で、この収納トレイ12に対応する第1の画像間隔が第2の記憶部48bに記憶されておらず空欄となっている場合は、ステップS2の処理を実行する前と後で、第2の記憶部48bの状態は実質的に変わらない。
【0076】
次に、制御部17は、ステップS3において、プリント開始の指示を受け付けたか否かを確認する。プリント開始の指示は、操作表示部20を操作するユーザー、または通信部47を介して外部の装置によってなされる。そして、ステップS3において、制御部17が、プリント開始の指示を受け付けなかった場合は、上記ステップS1の処理に戻り、プリント開始の指示を受け付けた場合は、ステップS4の処理に進む。プリントは、画像形成と同義である。
【0077】
ステップS4において、制御部17は、画像形成部14を制御することにより、画像の書き込みを開始させる。画像の書き込みは、画像形成部14に設けられた各々の感光体ユニット22Y,22M,22C,22Kによって行われる。また、画像の書き込みを開始した後、制御部17は、シート供給装置11およびシート搬送部19を制御することにより、いずれかの収納トレイ12からシート2を送り出し、このシート2をシート搬送部19によって搬送する。
【0078】
次に、上述のように搬送されるシート2の片寄り量を片寄り検出部42で検出するとともに、検出した片寄り量を基に制御部17が片寄り補正部44を制御することにより、シート2の片寄り補正を実施する(ステップS5)。
【0079】
次に、制御部17は、第2の記憶部48bに第1の画像間隔が記憶されてない収納トレイ12を対象に、この収納トレイ12に対応する第1の画像間隔を設定するために必要なサンプル数だけ片寄り量の検出結果を取得したか否かを確認する(ステップS6)。第2の記憶部48bに第1の画像間隔が記憶されてない収納トレイ12には、上記ステップS2で第1の画像間隔をクリアした収納トレイ12も含まれる。サンプル数は、ある1つの収納トレイ12から送り出されるシート2の片寄り量の傾向を把握するために予め設定されるサンプル数であり、任意に設定可能である。たとえば、サンプル数は「10」に設定される。サンプル数は、たとえば、制御部17内に収納トレイ12ごとにカウンタを設け、このカウンタの値を制御部17が管理する構成とすればよい。具体的には、ある1つの収納トレイ12から送り出されたシート2の片寄り量を片寄り検出部42で検出したら、その都度、その収納トレイ12に対応するカウンタの値を1ずつ加算するように管理すればよい。また、カウンタの値は、収納トレイ12の開閉が行われた場合にリセットすればよい。
【0080】
次に、制御部17は、ステップS6において、必要なサンプル数だけ片寄り量の検出結果を取得していないと判断すると、上記ステップS4の処理に戻り、必要なサンプル数だけ片寄り量の検出結果を取得したと判断すると、次のステップS7の処理に進む。
【0081】
ステップS7において、制御部17は、必要なサンプル数だけ片寄り量の検出結果を取得した対象トレイについて第1の画像間隔を設定するよう、画像間隔設定部46に指令を出し、この指令を受けて、画像間隔設定部46が対象トレイに対応する第1の画像間隔を設定する。たとえば、対象トレイが収納トレイ12aであった場合、画像間隔設定部46は、サンプル数分の片寄り量の検出結果に基づいて、第1の画像間隔を所定の計算式により算出する。この算出処理は、実質的に第1の設定処理に相当する。所定の計算式は、片寄り量の傾向を把握するための計算式であり、たとえば、サンプル数分の片寄り量の平均値を求める式であってもよし、それ以外の要素を求める式であってもよい。また、第1の画像間隔は、計算以外の手法で求めてもよい。
【0082】
次に、制御部17は、上記ステップS7で画像間隔設定部46が求めた第1の画像間隔を第2の記憶部48bに記憶する(ステップS8)。たとえば、画像間隔設定部46が求めた第1の画像間隔が、収納トレイ12aに対応する第1の画像間隔、すなわちGp1であれば、このGp1を第2の記憶部48bに記憶する。第2の記憶部48bは、第1の画像間隔を収納トレイ12ごとに記憶する部分であるため、ステップS8においても第1の画像間隔を収納トレイ12ごとに記憶する。
【0083】
その後、制御部17は、プリントを完了したか否かを判断する(ステップS9)。そして、制御部17は、プリントを完了していない場合は上記ステップS4の処理に戻り、プリントを完了した場合は上記ステップS1の処理に戻る。プリントを完了したか否かは、上記ステップS3で受け付けたプリント開始の指示に含まれる、指定枚数または指定部数のシート2への画像形成を終了したか否かで判断すればよい。
【0084】
以上説明したように、本発明の第1実施形態においては、画像形成部14で複数の画像を形成する場合の画像間隔を設定する画像間隔設定部46を画像形成装置30が備えている。そして、画像間隔設定部46は、片寄り検出部42によって検出された片寄り量に基づいて、画像間隔を基準間隔よりも狭い第1の画像間隔に設定する第1の設定処理と、収納トレイ12の開閉が行われた場合に、画像間隔を第1の画像間隔よりも広い第2の画像間隔に設定する第2の設定処理とを行う構成になっている。これにより、収納トレイ12の開閉によってシート2の片寄り量の傾向が変わった場合、画像形成部14に適用する画像間隔を、第1の画像間隔よりも広い第2の画像間隔に広げることができる。したがって、シート2の片寄り補正に起因するジャムの発生を抑制することができる。また、第2の画像間隔を、片寄り補正部44で補正可能な最大の片寄り量に対応した間隔、すなわち基準間隔と同じ間隔とすれば、収納トレイ12の開閉が行われた後のジャムの発生を、より確実に抑制することができる。
【0085】
また、本発明の第1実施形態において、画像間隔設定部46は、第2の設定処理を行った後、片寄り検出部42によって検出された片寄り量に基づいて、画像間隔を基準間隔よりも狭い間隔に設定する。これにより、画像形成部14に適用する画像間隔を、第1の画像間隔よりも広い第2の画像間隔に広げた後、基準間隔よりも狭い間隔へと狭めることができる。したがって、シート2の片寄り補正に起因するジャムの発生を抑制しつつ、画像形成の生産性を向上させることができる。
【0086】
なお、上記第1実施形態においては、画像形成装置30にシート供給装置11を接続し、このシート供給装置11に収納トレイ12を設けた構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、画像形成装置30に1つまたは複数の収納トレイ12を設けた構成であってもよい。
【0087】
また、上記第1実施形態においては、第2の画像間隔が基準間隔と同じ間隔である場合を例に挙げて説明したが、本発明のこれに限らず、たとえば、第1の画像間隔に係数k(kは、1よりも大きい数)を掛け合わせて得られる間隔に第2の画像間隔を設定してもよい。すなわち、第2の画像間隔は、収納トレイ12を開閉する前(直前)に設定されている第1の画像間隔よりも広い間隔であれば、どのような条件、方法、計算式等によって設定してもかまわない。
【0088】
また、上記第1実施形態においては、3つの収納トレイ12a,12b,12cのうち、開閉が行われた収納トレイ12のみを対象に、画像間隔設定部46が第2の設定処理を行う場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、開閉が行われた収納トレイ12と同一のシート供給装置11に設けられている他の収納トレイ12も対象に、画像間隔設定部46が第2の設定処理を行う構成としてもよい。たとえば、収納トレイ12aの開閉が行われた場合は、この収納トレイ12aだけでなく、収納トレイ12bおよび収納トレイ12cも対象に、画像間隔設定部46が第2の設定処理を行う構成としてもよい。この構成を採用する技術的な意義は、次のとおりである。収納トレイ12aを開閉すると、これによって発生する振動により、収納トレイ12bまたは収納トレイ12cから送り出されるシート2の片寄り量の傾向が変化し、ジャムを引き起こすおそれがある。よって、ジャムの発生を抑制するには、開閉が行われる収納トレイ12aだけでなく、この収納トレイ12aと同一のシート供給装置11に設けられている収納トレイ12bおよび収納トレイ12cも対象に第2の設定処理を行うことが有効である。
【0089】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態においては、上述した第1実施形態で挙げた構成要素と同様の構成要素に同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0090】
図15は、本発明の第2実施形態に係る画像形成システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図15に示すように、画像形成システム100は、複数のシート供給装置110,120,130と、画像形成装置30と、後処理装置16と、を備えている。本実施形態においては、一例として、3つのシート供給装置110,120,130を備えた構成を採用している。3つのシート供給装置110,120,130は、シート搬送方向の異なる位置に配置されている。具体的には、シート供給装置110は、画像形成装置30よりもシート搬送方向の上流側に配置されている。また、シート供給装置120は、シート供給装置110よりもシート搬送方向の上流側に配置され、シート供給装置130は、シート供給装置120よりもシート搬送方向の上流側に配置されている。
【0091】
シート供給装置110は、3つの収納トレイ112a,112b,112cと、3つのトレイセンサ113a,113b,113cと、シート搬送路114と、を有している。各々の収納トレイ112a,112b,112cは、画像形成に用いるシートを収納するトレイである。各々の収納トレイ112a,112b,112cは、シート供給装置110の本体部分に対して開閉可能に設けられている。各々の収納トレイ112a,112b,112cには、所定のサイズのシート2が収納されている。トレイセンサ113aは、収納トレイ112aの開閉が行われた否かを検出するセンサである。トレイセンサ113bは、収納トレイ112bの開閉が行われたか否かを検出するセンサであり、トレイセンサ113cは、収納トレイ112cの開閉が行われたか否かを検出するセンサである。シート搬送路114は、いずれかの収納トレイ112a,112b,112cから送り出されるシート2を搬送するための搬送路である。また、シート搬送路114は、シート供給装置110よりもシート搬送方向の上流側に配置されたシート供給装置120,130から供給されるシート2を搬送するための搬送路でもある。シート搬送路114の下流端は、画像形成装置30が有するシート搬送路32(図1参照)の上流端に接続されている。
【0092】
シート供給装置120は、3つの収納トレイ122a,122b,122cと、3つのトレイセンサ123a,123b,123cと、シート搬送路124と、を有している。各々の収納トレイ122a,122b,122cは、画像形成に用いるシートを収納するトレイである。各々の収納トレイ122a,122b,122cは、シート供給装置120の本体部分に対して開閉可能に設けられている。各々の収納トレイ122a,122b,122cには、所定のサイズのシート2が収納されている。トレイセンサ123aは、収納トレイ122aの開閉が行われた否かを検出するセンサである。トレイセンサ123bは、収納トレイ122bの開閉が行われたか否かを検出するセンサであり、トレイセンサ123cは、収納トレイ122cの開閉が行われたか否かを検出するセンサである。シート搬送路124は、いずれかの収納トレイ122a,122b,122cから送り出されるシート2を搬送するための搬送路である。また、シート搬送路124は、シート供給装置120よりもシート搬送方向の上流側に配置されたシート供給装置130から供給されるシート2を搬送するための搬送路でもある。シート搬送路124の下流端は、シート搬送路114の上流端に接続されている。
【0093】
シート供給装置130は、3つの収納トレイ132a,132b,132cと、3つのトレイセンサ133a,133b,133cと、シート搬送路134と、を有している。各々の収納トレイ132a,132b,132cは、画像形成に用いるシートを収納するトレイである。各々の収納トレイ132a,132b,132cは、シート供給装置130の本体部分に対して開閉可能に設けられている。各々の収納トレイ132a,132b,132cには、所定のサイズのシート2が収納されている。トレイセンサ133aは、収納トレイ132aの開閉が行われた否かを検出するセンサである。トレイセンサ133bは、収納トレイ132bの開閉が行われたか否かを検出するセンサであり、トレイセンサ133cは、収納トレイ132cの開閉が行われたか否かを検出するセンサである。シート搬送路134は、いずれかの収納トレイ132a,132b,132cから送り出されるシート2を搬送するための搬送路である。シート搬送路134の下流端は、シート搬送路124の上流端に接続されている。
【0094】
画像形成装置30の制御系の構成は、上記の図6において、シート供給装置11の代わりに、シート供給装置110,120,130が制御部17に接続された構成となる。
【0095】
本発明の第2実施形態に係る画像形成システム100において、シート供給装置110が有する3つの収納トレイ112a,112b,112cと、シート供給装置120が有する3つの収納トレイ122a,122b,122cと、シート供給装置130が有する3つの収納トレイ132a,132b,132cのうち、いずれかの収納トレイが開閉された場合に、画像間隔設定部46が第2の設定処理を行う収納トレイの対象範囲は、種々の範囲が考えられる。以下に、3つの具体例を挙げる。
【0096】
第1の具体例は、開閉が行われた収納トレイのみを対象に、第2の設定処理を行う場合である。この場合、たとえば、収納トレイ122aの開閉が行われると、画像間隔設定部46は、収納トレイ122aのみを対象に第2の設定処理を行う。これにより、開閉が行われた収納トレイ122aから送り出されるシート2の片寄り量の傾向が変更した場合でも、ジャムの発生を抑制することができる。
【0097】
第2の具体例は、開閉が行われた収納トレイと、この収納トレイと同一のシート供給装置に設けられた他の収納トレイとを対象に、第2の設定処理を行う場合である。この場合、たとえば、収納トレイ132cの開閉が行われると、画像間隔設定部46は、収納トレイ132cだけでなく、収納トレイ132aおよび収納トレイ132bも対象に第2の設定処理を行う。収納トレイ132cの開閉が行われた場合、この開閉に起因した振動により、収納トレイ132aまたは収納トレイ132bから送り出されるシート2の片寄り量の傾向が変化し、ジャムを引き起こすおそれがある。よって、ジャムの発生を抑制するには、開閉が行われる収納トレイ132cだけでなく、収納トレイ132aおよび収納トレイ132bも対象に第2の設定処理を行うことが有効である。
【0098】
第3の具体例は、開閉が行われた収納トレイと、この収納トレイを有するシート供給装置よりもシート搬送方向の上流側に配置されたシート供給装置の収納トレイとを対象に、第2の設定処理を行う場合である。この場合、たとえば、収納トレイ112bの開閉が行われると、画像間隔設定部46は、収納トレイ112bだけでなく、収納トレイ122a,122b,122cおよび収納トレイ132a,132b,132cも対象に第2の設定処理を行う。また、収納トレイ122bの開閉が行われると、画像間隔設定部46は、収納トレイ122bだけなく、収納トレイ132a,132b,132cも対象に第2の設定処理を行う。
【0099】
第3の具体例の技術的な意義は、下記のとおりである。
収納トレイ112bの底部がシート搬送路114のガイドを兼ねている場合は、収納トレイ112bを開閉する前と後で、シート搬送路114を通して搬送されるシート2の片寄り量の傾向が変化することがある。シート搬送路114を通して搬送されるシート2は、収納トレイ122a,122b,122cおよび収納トレイ132a,132b,132cに収納されているシート2であり、このシート2の片寄り量の傾向が収納トレイ112bを開閉によって変化すると、ジャムが発生するおそれがある。よって、ジャムの発生を抑制するには、開閉が行われる収納トレイ112bだけでなく、収納トレイ122a,122b,122cおよび収納トレイ132a,132b,132cも対象に第2の設定処理を行うことが有効である。
【0100】
一方、収納トレイ122bの底部がシート搬送路124のガイドを兼ねている場合は、収納トレイ122bを開閉する前と後で、シート搬送路124を通して搬送されるシート2の片寄り量の傾向が変化することがある。シート搬送路124を通して搬送されるシート2は、収納トレイ132a,132b,132cに収納されているシート2であり、このシート2の片寄り量の傾向が収納トレイ122bを開閉によって変化すると、ジャムが発生するおそれがある。よって、ジャムの発生を抑制するには、開閉が行われる収納トレイ122bだけでなく、収納トレイ132a,132b,132cも対象に第2の設定処理を行うことが有効である。
【0101】
なお、第3の具体例においては、収納トレイ112aまたは収納トレイ112cの開閉が行われた場合に、開閉が行われた収納トレイ112aまたは収納トレイ112cだけでなく、収納トレイ122a,122b,122cおよび収納トレイ132a,132b,132cも対象に第2の設定処理を行う構成を採用してもよい。収納トレイ112aまたは収納トレイ112cの開閉による振動が、収納トレイ112bに伝わってシート搬送路114のガイド機能が変化し、これに起因してジャムが発生するおそれがあるためである。
【0102】
また、第3の具体例においては、収納トレイ122aまたは収納トレイ122cの開閉が行われた場合に、開閉が行われた収納トレイ122aまたは収納トレイ122cだけでなく、収納トレイ132a,132b,132cも対象に第2の設定処理を行う構成を採用してもよい。収納トレイ122aまたは収納トレイ122cの開閉による振動が、収納トレイ122bに伝わってシート搬送路124のガイド機能が変化し、これに起因してジャムが発生するおそれがあるためである。
【0103】
[第3実施形態]
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。
本発明の第3実施形態に係る画像形成装置および画像形成システムの構成は、上述した第1実施形態および第2実施形態の構成と比較して、第1の設定処理および第2の設定処理を行う収納トレイの対象範囲を選択可能な選択部を備える点にある。選択部は、たとえば、操作表示部20によって構成される。選択部を用いた対象範囲の選択は、第1の設定処理および第2の設定処理が行われる前であってもよいし、行われた後であってもよい。すなわち、対象範囲を選択するタイミングは任意である。対象範囲から外れた収納トレイ12のシート2に画像を形成する場合の画像間隔は、シート2の片寄り量の傾向や収納トレイ12の開閉にかかわらず、基準間隔に設定される。
【0104】
図16は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の操作表示部を選択部として機能させる場合に表示部に表示されるトレイ選択画面の一例を示す図である。なお、図16は、第1実施形態の画像形成システム10において、画像形成装置30の操作表示部20を選択部として機能させる場合のトレイ選択画面を示している。
【0105】
図16に示すように、トレイ選択画面101には、選択肢となる3つの収納トレイ12a,12b,12cのイメージ枠102a,102b,102cが表示されている。各々の収納トレイ12a,12b,12cのイメージ枠102a,102b,102c内には、チェックボックス103a,103b,103cが表示されている。操作表示部20を操作するユーザーは、第1の設定処理および第2の設定処理によって画像間隔の調整を行う収納トレイの対象範囲を、所望の収納トレイのチェックボックス103a,103b,103cにタッチ操作等によってチェックを入れることにより選択可能となる。また、画像間隔の設定処理の対象となる収納トレイ(以下、「対象トレイ」ともいう。)は、1つ、2つ、3つのいずれでも選択可能である。
【0106】
なお、図16においては、収納トレイ12aが対象トレイとして選択された状態を示している。また、図16においては、説明の便宜上、「収納トレイ12a」、「収納トレイ12b」、「収納トレイ12c」といった具合に符号付きで表記しているが、各々の収納トレイをユーザーが識別可能な表記であれば、どのような表記であってもかまわない。
【0107】
一方、第2実施形態の画像形成システム100において、画像形成装置30の操作表示部20を選択部として機能させる場合は、上記図16と同様に収納トレイ12単位で対象トレイを選択可能なトレイ選択画面を表示してもよいし、他のトレイ選択画面を表示してもよい。他のトレイ選択画面としては、たとえば、図17に示すように、トレイ選択画面104に3つの選択項目105a,105b,105cを表示し、各項目に対応する3つのラジオボタン106a.106b,106cを表示する。これにより、操作表示部20を操作するユーザーは、第1の設定処理および第2の設定処理によって画像間隔の設定を行う収納トレイの対象範囲を、所望の選択項目に対応するラジオボタン106a.106b,106cをタッチ操作等によって押すことにより選択可能である。なお、図17においては、選択項目105aが選択された状態を示している。
【0108】
このように、第1の設定処理および第2の設定処理を行う収納トレイの対象範囲を選択可能な構成を採用することにより、ユーザーの利便性を高めることができる。
【0109】
本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件、あるいは、その構成要件の組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
【0110】
また、本明細書においては、「平行」および「直交」などの用語を使用したが、各々の用語は、厳密な「平行」および「直交」のみを意味する用語ではなく、厳格な意味での「平行」および「直交」を含み、かつ、各構成要素がそれぞれの機能を発揮し得る範囲において「略平行」および「略直交」の意味をも含む用語である。
【符号の説明】
【0111】
2…シート
10,100…画像形成システム
11,110,120,130…シート供給装置
12a,12b,12c,112a,112b,112c,122a,122b,122c,132a、132b、132c…収納トレイ
28…規制板(規制部材)
42…片寄り検出部
44…片寄り補正部
46…画像間隔設定部
Gp0…基準間隔
Gp1,Gp2,Gp3…第1の画像間隔
Y…シート搬送方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17