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特許7497644画像形成装置、及び、画像読み取り部の異常有無判定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】画像形成装置、及び、画像読み取り部の異常有無判定方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B41J2/01 201
B41J2/01 305
B41J2/01 451
B41J2/01 301
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020131410
(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公開番号】P2022028178
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大内 亨
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-142082(JP,A)
【文献】特開2012-133248(JP,A)
【文献】特開2013-054249(JP,A)
【文献】特開2016-041495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材の一方の面である第1面に第1の画像を形成する第1の画像形成部と、
前記第1の画像形成部によって形成された前記第1の画像を読み取る第1の画像読み取り部と、
前記記録材における第1面とは異なる面である第2面に第2の画像を形成する第2の画像形成部と、
前記第1の画像又は前記第2の画像を読み取る第2の画像読み取り部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果と、前記第2の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果とを比較することにより、前記第1の画像読み取り部又は前記第2の画像読み取り部における異常有無判定処理を行う
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1面に前記第1の画像が形成された前記記録材の面を反転させる用紙反転部をさらに備え、
前記制御部は、前記異常有無判定処理を行う場合、前記第1の画像形成部で前記第1の画像が形成された前記記録材の面を前記用紙反転部に反転させない制御、及び、前記第2の画像形成部に前記第2の画像を形成させない制御を行う
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の画像形成部及び前記第2の画像形成部は、それぞれ複数のノズルを有する複数の記録ヘッドを備え、
前記制御部は、前記異常有無判定処理において、前記第1の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果に基づいて判定した前記第1の画像形成部の前記ノズルの状態である第1のノズル状態と、前記第2の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果に基づいて判定した前記第1の画像形成部の前記ノズルの状態である第2のノズル状態と、を比較する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部が判定する前記第1のノズル状態は、前記第1の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果に基づいて検出した、前記第1の画像形成部において吐出不良が発生しているノズルの数である第1のノズル吐出不良発生数で表され、前記第2のノズル状態は、前記第2の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果に基づいて検出した、前記第1の画像形成部において前記吐出不良が発生しているノズルの数である第2のノズル吐出不良発生数で表され、
前記制御部は、前記第1のノズル吐出不良発生数と、前記第2のノズル吐出不良発生数とが異なる場合、前記第1の画像読み取り部又は前記第2の画像読み取り部に異常が発生していると判定する
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部が検出する前記第1のノズル状態は、前記第1の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果に基づいて検出した、前記第1の画像形成部において吐出不良が発生しているノズルの数である第1のノズル吐出不良発生数、及び、前記吐出不良が発生しているノズルの番号である第1の吐出不良発生ノズル番号で表され、前記第2のノズル状態は、前記第2の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果に基づいて検出した、前記第1の画像形成部において前記吐出不良が発生しているノズルの数である第2のノズル吐出不良発生数、及び、前記吐出不良が発生しているノズルの番号である第2の吐出不良発生ノズル番号で表され、
前記制御部は、前記第1のノズル吐出不良発生数と、前記第のノズル吐出不良発生数とが一致しており、かつ、前記第1の吐出不良発生ノズル番号と、前記第の吐出不良発生ノズル番号とが一致している場合に、前記第1の画像読み取り部及び前記第2の画像読み取り部に異常は発生していないと判定する
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1のノズル吐出不良発生数と、前記第のノズル吐出不良発生数とが一致しており、かつ、前記第1の吐出不良発生ノズル番号と、前記第2の吐出不良発生ノズル番号とが異なる場合、前記第1の画像読み取り部又は前記第2の画像読み取り部に異常が発生していると判定する
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果に基づいて、前記第1の画像形成部の前記ノズルにおける吐出不良用の補正を含む第1の画像用調整データを生成する第1の調整データ生成部と、
前記第2の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果に基づいて、前記第1の画像形成部の前記ノズルにおける吐出不良用の補正を含む第2の画像用調整データを生成する第2の調整データ生成部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の画像用調整データを用いて判定した検出した第1のノズル状態と、前記第2の画像用調整データを用いて判定した第2のノズル状態とを比較することにより、前記第1の画像読み取り部又は前記第2の画像読み取り部における異常の発生の有無を判定する
請求項3~6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の画像読み取り部における異常の原因は、前記第1の画像読み取り部の画像読取面の画像読取面への付着物、前記第1の画像読み取り部のシェーディング補正時に前記第1の画像読み取り部によって読み取られる白補正板への付着物、及び、前記第1の画像読み取り部が有する複数のセルのうちの特定のセルの不良のうちの少なくとも一つであり、前記第2の画像読み取り部における異常の原因は、前記第2の画像読み取り部の画像読取面の画像読取面への付着物、前記第2の画像読み取り部のシェーディング補正時に前記第2の画像読み取り部によって読み取られる白補正板への付着物、及び、前記第2の画像読み取り部が有する複数のセルのうちの特定のセルの不良のうちの少なくとも一つである
請求項3~6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
ユーザーへの報知を行う報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の画像読み取り部又は前記第2の画像読み取り部に異常が発生していると判定した場合、その旨を、前記報知部を介して前記ユーザーに報知する
請求項7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
記録材の一方の面である第1面に第1の画像を形成する第1の画像形成部と、前記第1の画像形成部によって形成された前記第1の画像を読み取る第1の画像読み取り部と、前記記録材における第1面とは異なる面である第2面に第2の画像を形成する第2の画像形成部と、前記第1の画像又は前記第2の画像を読み取る第2の画像読み取り部と、制御部と、を備えた画像形成装置による画像読み取り部の異常発生判定方法であって、
前記制御部が、前記第1の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果と、前記第2の画像読み取り部による前記第1の画像の読み取り結果とを比較することにより、前記第1の画像読み取り部又は前記第2の画像読み取り部における異常有無判定処理を行う手順を有する
画像読み取り部の異常有無判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び、画像読み取り部の異常有無判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットプリンタやLED(Light Emitting Diode)プリンタなどの画像形成装置では、印刷物をラインセンサ等で読み取って得られる読み取り画像を解析することにより、印刷物に縦スジ(副走査方向に沿ったスジ)等の不良が発生しているか否かを検査すること等が行われる。印刷物におけるスジは、画像形成部に異常(インクジェットプリンタのノズルの吐出不良など)が発生した場合に生じるが、印刷物を読み取るラインセンサの読取面や、シェーディング補正時に使用する白補正板にホコリ等の異物が付着している場合や、ラインセンサ内のセルに不具合が生じたりしていた場合などにも生じる。つまり、画像読み取り部に異常が発生している場合にも生じる。
【0003】
そして、印刷物を読み取るラインセンサの読取面や、シェーディング補正時に使用する白補正板にホコリ等の異物が付着しているにも関わらず、画像形成部に異常があると誤判定された場合、画像形成部の異常に起因する縦スジを解消する補正が行われてしまう。例えば、インクジェットプリンタのノズルの吐出不良の補正では、吐出不良が発生していると判定されたノズルの近隣のノズルからのインクの吐出量を増やす補正等が行われる。つまり、本来はノズルの吐出不良が発生していない箇所に対するインクの吐出量を増やすという、過補正が行われてしまう。この結果、その箇所において副走査方向に沿った縦スジが表れてしまう。したがって、ラインセンサの読取面や白補正板への異物の付着や、ラインセンサ内のセルの不具合などを含む、画像読み取り部における異常発生の有無が、適切に判定される必要があった。
【0004】
例えば、特許文献1には、原稿帳票の画像を示す光情報を転送する読取部と、転送された光情報を用いて画像を第1の解像度で画素を構成する第1の画素信号に変換する第1のセンサと、転送された光情報を用いて画像を第1の解像度よりも高い第2の解像度で画素を構成する第2の画素信号に変換する第2のセンサと、第1および第2の画素信号のいずれか一方の画素信号を他方の画素信号と同じ、解像度に変換する解像度変換部と、同じ解像度に変換された第1および第2の画素信号を用いて、対応する画素に異物があるか否かを検出する異物有無判定部と、少なくとも異物があると判定された画素については、その周辺に位置する画素に対応する第1および第2の画素信号を用いて、異物があると判定された画素の第1および第2の画素信号のどちらで異常が発生しているのかを検出する信号分別部と、異物有無判定部と信号分別部によって得られた検出結果に応じて、第1または第2の画素信号を補正する画質劣化補正部と、原稿帳票を任意のパターンに分類し、このパターン結果に応じて画質劣化補正部による補正を行うか否かを判断する補正判断部と、
を備えた画像読取装置が開示されている。
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、読取光路上の異物によるスジを検出することが可能となり、さらに、原稿上で異物による画質劣化が発生した際に、発生した場所が下地、文字部または写真部など、どのパターン上に発生しているかを検出することができる。
【0006】
また、特許文献2には、画像を読み取るスキャナと、印字するプリントヘッドとを備える画像形成装置であって、プリントヘッドがテストパターンを印字するように制御するヘッド制御手段と、スキャナで読み取られたテストパターンのイメージデータを判断処理することによりプリントヘッド及びスキャナの不良を診断する画像処理手段と、を備える画像形成装置が記載されている。特許文献2に記載の画像形成装置では、ヘッド制御手段が、複数回テストパターンを印字するか、又は、スキャナは、複数回テストパターンを読み取ることにより、ノズル不良又は光学系不良の判定結果の正解率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-246125号公報
【文献】特開2001-007969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、解像度が異なる複数のセンサを用いる必要があるため、処理が複雑になる上に、画像形成装置のコストも増加してしまう。また、特許文献2に記載の技術では、ノズル不良と光学系不良との判定の精度を向上させるために、テストパターンの印刷及びその読み込みを複数回実施する必要があり、ユーザーの手間がかかる。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ユーザーに手間をかけることなく、また、装置のコストを向上させることなく、画像読み取り部の異常を検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一側面の画像形成装置は、記録材の一方の面である第1面に第1の画像を形成する第1の画像形成部と、第1の画像形成部によって形成された第1の画像を読み取る第1の画像読み取り部と、記録材における第1面とは異なる面である第2面に第2の画像を形成する第2の画像形成部と、第1の画像又は第2の画像を読み取る第2の画像読み取り部と、制御部と、を備える。制御部は、第1の画像読み取り部による第1の画像の読み取り結果と、第2の画像読み取り部による第1の画像の読み取り結果とを比較することにより、第1の画像読み取り部又は第2の画像読み取り部における異常有無判定処理を行う。
【0011】
また、本発明の一側面の画像読み取り部の異常有無判定方法は、記録材の一方の面である第1面に第1の画像を形成する第1の画像形成部と、第1の画像形成部によって形成された第1の画像を読み取る第1の画像読み取り部と、記録材における第1面とは異なる面である第2面に第2の画像を形成する第2の画像形成部と、第1の画像又は第2の画像を読み取る第2の画像読み取り部と、制御部と、を備えた画像形成装置による画像読み取り部の異常発生判定方法である。そして、本発明の一側面の画像読み取り部の異常有無判定方法は、制御部が、第1の画像読み取り部による第1の画像の読み取り結果と、第2の画像読み取り部による第1の画像の読み取り結果とを比較することにより、第1の画像読み取り部又は第2の画像読み取り部における異常有無判定処理を行う手順を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1の画像読み取り部による第1の画像の読み取り結果と、第2の画像読み取り部による第1の画像の読み取り結果との比較により、第1の画像読み取り部又は第2の画像読み取り部における異常の有無が判定される。それゆえ、本発明によれば、ユーザーに手間をかけることなく、また、装置のコストを向上させることなく、画像読み取り部の異常を検出することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る第1の画像形成装置の画像形成部の全体構成を示す概略構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る用紙側から見た状態におけるヘッドユニットを示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る第1の画像読み取り装置及び白補正板の構成例を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る第1の画像形成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
図6】本発明の一実施形態に係る第1の画像読み取り装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る第1のプリンタコントローラーの制御系の構成例を示すブロック図である。
図8】本発明の一実施形態に係る第1の制御装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
図9】本発明の一実施形態に係る第1の画像読み取り装置の画像読取面又は白補正板、及び、第2の画像読み取り装置の画像読取面又は白補正板に付着物が付いていない場合における、ヘッド画像の読み取り画像の構成例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る第1の画像読み取り装置の画像読取面又は白補正板に付着物が付いている場合におけるヘッド画像の読み取り画像の構成例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る第2の画像読み取り装置の画像読取面又は白補正板に付着物が付いている場合におけるヘッド画像の読み取り画像の構成例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る図9又は図10に示した表面用調整データに基づくノズル吐出不良の確認用の、ヘッド画像の読み取り画像の例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る画像形成システムによる、通常時における画質調整方法の手順の例を示すフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態に係る画質調整実施後の画像形成システムによる画像形成処理の例を示すフローチャートである。
図15】従来の画像形成システムによる、画像読み取り装置に異常が発生している場合における画質調整方法の手順の例を示すフローチャートである。
図16】本発明の一実施形態に係る画質調整実施後における画像形成システムによる画像形成処理の例を示すフローチャートである。
図17】本発明の一実施形態に係る画像形成システムによる画質調整方法の手順の例を示すフローチャートである。
図18】本発明の一実施形態に係る第1の制御装置による画像読み取り装置の異常有無判定処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素は、同一の符号を付し、構成要素の重複説明は省略する。
【0015】
<画像形成システムの構成>
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、画像形成システム1(画像形成装置の一例)の全体構成を示す概略図である。なお、図1には、本発明の説明に必要とされる要素又はその関連要素を記載しており、本発明の画像形成システムは図1に示す例に限定されない。
【0016】
画像形成システム1は、図1に示すように、給紙装置10、第1の画像形成装置20、第1の画像読み取り装置30(第1の画像読み取り部の一例)、用紙反転部40、第2の画像形成装置50、第2の画像読み取り装置60(第2の画像読み取り部の一例)、及び、排紙装置70を含む。また、画像形成システム1は、第1のプリンタコントローラー101、第1の制御装置102(制御部の一例)、第2のプリンタコントローラー103、及び、第2の制御装置104を含む。画像形成システム1を構成するこれらの装置は、それぞれ、LAN(Local Area Network)等よりなるネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0017】
給紙装置10は、様々な紙種、用紙サイズの用紙(記録材の一例)が収容される複数の給紙トレイを有し、給紙トレイに収容された用紙を第1の画像形成装置20の用紙搬送部210(図5参照)に給紙する。
【0018】
第1の画像形成装置20は、インクジェット方式で用紙に画像を形成する画像形成装置であり、第1のプリンタコントローラー101から投入される印刷ジョブに基づいて、用紙の表面(第1面の一例)に画像を形成(印刷)する。第1の画像形成装置20は、第1のプリンタコントローラー101から表面用調整チャート用データが送信された場合には、用紙の表面に表面用調整チャート(第1の画像の一例)を形成する。
【0019】
第1のプリンタコントローラー101は、不図示の端末装置から送信された印刷ジョブに含まれる描画データに対してRIP(Raster Image Processor)処理を行って、表面用調整チャート用データ等の画像データを生成する。そして、第1のプリンタコントローラー101は、生成した画像データを第1の画像形成装置20に送信する。
【0020】
また、第1のプリンタコントローラー101は、第1の制御装置102から表面用調整データが送信された場合、第1の画像形成装置20に、表面用調整データに基づく画質調整処理を行わせる制御を行う。画質調整処理は、表面用調整データを次回以降の第1の画像形成装置20による画像形成に反映させる処理である。
【0021】
第1の画像読み取り装置30は、インラインセンサ330(図6参照)を備え、第1の画像形成装置20から出力された、表面用調整チャート等の画像が形成された用紙の、1ページ全面を読み取る。第1の画像読み取り装置30は、インラインセンサ330が読み取って得た読み取り画像を、第1の制御装置102に送信する。
【0022】
また、第1の画像読み取り装置30は、表面用調整チャートの読み取り時(画質調整の実施時)には、インラインセンサ330の画像読取面331(図4参照)の位置に白補正板332(図4参照)を移動させて、画質調整用のシェーディング補正を行う。インラインセンサ330及び白補正板332の構成については、後述の図4を参照して詳述する。
【0023】
第1の制御装置102は、第1の画像読み取り装置30の動作を制御する制御装置である。第1の画像読み取り装置30から送信された読み取り画像が、表面用調整チャートの読み取り画像である場合には、第1の制御装置102は、読み取り画像に基づいて表面用調整データ(第1の面用調整データの一例)を生成する。具体的には、第1の制御装置102は、読み取り画像の色毎、第1の画像形成装置20の各記録ヘッド242(図3参照)による形成画像毎に画像を分解する。そして、第1の制御装置102は、分解された各画像より得られる情報に基づいて表面用調整データを生成し、該表面用調整データを第1のプリンタコントローラー101に送信する。
【0024】
また、第1の制御装置102は、表面用調整データの作成時に、読み取り画像に基づいて、第1の画像形成装置20のヘッドユニット24の記録ヘッド242のノズルに吐出不良が発生しているか否かを判定する。つまり、第1の制御装置102は、本来インクが出力されるべきノズルからのインクの吹き出しを確認できない場合に、ヘッドに吐出不良が発生していると判定する。そして、この吐出不良を補完するための表面用調整データを生成する。ヘッドの吐出不良の補完は、例えば、吐出不良が発生しているノズルに隣接するノズルからのインクの吐出量を増やすこと等により行うことができる。
【0025】
さらに、第1の制御装置102は、第2の制御装置104から表面用調整データを受信した場合には、自装置で作成済みの表面用調整データと、第2の制御装置104から送信された表面用調整データとを比較する。第2の制御装置104から送信される表面用調整データは、第1の画像形成装置20によって印刷された表面用調整チャートを第2の画像読み取り装置60が読み取って得た読み取り画像に基づいて、第2の制御装置104が生成した表面用調整データである。つまり、第1の制御装置102は、同じ表面用調整チャートの読み取り画像に基づいて、第1の制御装置102及び第2の制御装置104のそれぞれで生成された表面用調整データ同士を比較する。
【0026】
そして、第1の制御装置102は、汚れや縦スジ等の原因が、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60の異常によるものか否かを判定する。第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60の異常には、インラインセンサ330の画像読取面331、又は、白補正板332(図4参照)へのホコリ等の異物の付着や、インラインセンサ330に含まれるセルのうちの、特定のセルの故障などがある。第1の制御装置102による画像読み取り装置の異常有無判定処理の詳細については、後述の図18を参照して詳述する。
【0027】
用紙反転部40は、印刷ジョブにおいて両面印刷が指示されている場合には、用紙反転部40は、第1の画像形成装置20から出力された用紙の表面を反転させて、第2の画像形成装置50に搬送する。一方、印刷ジョブにおいて片面印刷が指示されている場合には、第1の画像形成装置20から出力された用紙の表面を反転させずに、第2の画像形成装置50に搬送する。また、用紙反転部40は、第1の制御装置102による画像読み取り装置異常有無判定処理の実施時にも、第1の画像形成装置20から出力された用紙の表面を反転させずに、第2の画像形成装置50に搬送する。なお、用紙反転部40の機構、構成は、用紙の表面及び裏面を反転させることが可能な機構、構成であれば、どのようなものであってもよい。
【0028】
第2の画像形成装置50は、インクジェット方式で用紙に画像を形成する画像形成装置であり、第2のプリンタコントローラー103から投入される印刷ジョブに基づいて、用紙の裏面(第2面の一例)に画像を形成する。第2のプリンタコントローラー103から裏面用調整チャート用データが送信された場合には、第2の画像形成装置50は、用紙の裏面に裏面用調整チャート(第2の画像の一例)を形成する。
【0029】
なお、第2の画像形成装置50は、第1の制御装置102による画像読み取り装置異常有無判定処理の実施時には、搬送されてくる用紙に画像は印刷せずに、用紙をそのまま後段の第2の画像読み取り装置60まで搬送する。
【0030】
第2のプリンタコントローラー103は、不図示の端末装置から送信された印刷ジョブに含まれる描画データに対してRIP処理を行って、裏面用調整チャート用データ等の画像データを生成する。そして、第2のプリンタコントローラー103は、生成した画像データを第2の画像形成装置50に送信する。また、第2のプリンタコントローラー103は、第2の制御装置104から裏面用調整データが送信された場合、第2の画像形成装置50に、該表面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる画質調整処理を行う。
【0031】
なお、第2のプリンタコントローラー103は、第1の制御装置102による画像読み取り装置異常有無判定処理の実施時には、裏面用調整チャート用データを生成しない。
【0032】
第2の画像読み取り装置60はインラインセンサ(図示略)を備え、第2の画像形成装置50から出力された、裏面用調整チャート等の画像が形成された用紙の、1ページ全面を読み取る。第2の画像読み取り装置60は、インラインセンサが読み取って得た読み取り画像を、第2の制御装置104に送信する。また、第2の画像読み取り装置60は、第1の制御装置102による画像読み取り装置異常有無判定処理の実施時には、インラインセンサが表面用調整チャートを読み取って得た読み取り画像を、第2の制御装置104に送信する。
【0033】
第2の制御装置104は、第2の画像読み取り装置60の動作を制御する制御装置である。第2の画像読み取り装置60から送信された読み取り画像が、裏面用調整チャートの読み取り画像である場合には、第2の制御装置104は、読み取り画像に基づいて裏面用調整データを生成する。具体的には、第2の制御装置104は、読み取り画像の色毎、第2の画像形成装置50の各記録ヘッド(図示略)による形成画像毎に画像を分解する。そして、第2の制御装置104は、分解された各画像より得られる情報に基づいて、裏面用調整データを生成し、該裏面用調整データを第2のプリンタコントローラー103に送信する。
【0034】
また、第2の制御装置104は、第1の制御装置102による画像読み取り装置異常有無判定処理の実施時には、第2の画像読み取り装置60から送信された、表面調整チャートの読み取り画像に基づいて、表面用調整データを生成する。そして、第2の制御装置104は、該表面用調整データを第1の制御装置102に送信する。
【0035】
排紙装置70は、排紙トレイ71及びパージトレイ72を備える。排紙トレイ71には、正常に画像が形成された用紙が排紙される。パージトレイ72には、表面用/裏面用調整チャートが印刷された用紙、画像が正常に形成されなかった用紙が排紙される。
【0036】
<画像形成装置の画像形成部の構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る第1の画像形成装置20の画像形成部240(第1の画像形成部の一例:図5参照)の構成例について説明する。図2は、第1の画像形成装置20の画像形成部240の全体構成を示す概略構成図である。なお、第2の画像形成装置50の画像形成部の構成も図2に示す構成と同一であるため、ここでは画像形成部240の全体構成の説明のみを行い、第2の画像形成装置50の画像形成部の構成の説明は省略する。
【0037】
図2に示す第1の画像形成装置20の画像形成部240は、ヘッドユニット24の記録ヘッド242(図3参照)に設けられた複数のノズルからインク液滴を吐出(射出)することにより、用紙に画像を形成する。画像形成部240は、例えば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のインクを重ね合わせることにより、用紙に画像を形成する。なお、画像形成部240が使用する色の種類は、Y,M,C,Kの4種類に限定されず、他の色が使用されてもよい。
【0038】
図2に示すように、画像形成部240は、用紙供給部12、画像形成ドラム21、受け渡しユニット22、加熱部23、4つのヘッドユニット24、定着部25及び用紙排出部26等を含む。
【0039】
用紙供給部12は、給紙装置10から給紙された用紙を画像形成ドラム21に供給する。画像形成ドラム21は円筒状に形成され、不図示の駆動モータによって回転駆動されることより、反時計回り(図中に半円形状の矢印で示す方向)に回転する。画像形成ドラム21の外周面には、給紙装置10(図1参照)から供給された用紙が担持される。そして、画像形成ドラム21は、用紙を担持した状態で回転することにより用紙を搬送する。加熱部23、ヘッドユニット24及び定着部25は、それぞれ、画像形成ドラム21の外周面に対向して配置される。
【0040】
受け渡しユニット22は、用紙供給部12と画像形成ドラム21との間に設けられる。受け渡しユニット22は、爪部221、及び、円筒状の受け渡しドラム222等を含む。爪部221は、用紙供給部12により搬送された用紙の一端を担持する。受け渡しドラム222は、爪部221に担持された用紙を画像形成ドラム21に向けて誘導する。これにより、用紙は、受け渡しユニット22を介して用紙供給部12から画像形成ドラム21の外周面に受け渡される。
【0041】
受け渡しドラム222における用紙の搬送方向の下流側には、加熱部23が配置される。加熱部23は、例えば電熱線等を有し、通電されることによって発熱する。加熱部23は、制御部200(図5参照)による制御により、画像形成ドラム21に担持されて加熱部23の近傍を通過する用紙が所定の温度となるように加熱を行う。
【0042】
加熱部23における用紙の搬送方向の下流側には、ヘッドユニット24が設けられる。ヘッドユニット24は、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色に対応して4つ設けられる。4つのヘッドユニット24は、用紙の搬送方向に対して上流側から、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの順に配置されている。
【0043】
ヘッドユニット24は、複数の記録ヘッド242(図3参照)の各複数のノズルからインク液滴を吐出して用紙に画像形成を行う記録部である。ヘッドユニット24の長さは、用紙の搬送方向と直交する方向(用紙の幅方向)において用紙の全体を覆う長さ(ページ幅)に設定される。すなわち、本実施形態に係る第1の画像形成装置20(及び第2の画像形成装置50)は、ヘッドユニット24に用紙を一度だけ走査させることによって画像を形成するシングルパス方式のラインヘッド型インクジェット記録装置である。4つのヘッドユニット24は、それぞれ吐出するインクの色が異なるだけで、互いに同一の構成を有する。ヘッドユニット24の詳細については、図3を参照して後述する。
【0044】
定着部25は、用紙の搬送方向における4つのヘッドユニット24の下流側に配置される。定着部25としては、例えば、低圧水銀ランプ等の紫外線を照射する蛍光管等が適用される。そして、定着部25は、画像形成ドラム21により搬送された用紙に向けて紫外線を照射し、用紙上に吐出されたインク液滴を硬化させる。これにより、定着部25は、用紙に形成された画像を定着させる。
【0045】
用紙排出部26は、円筒状の分離ドラム261及び排出ベルト262等を含む。分離ドラム261は、画像形成ドラム21に担持された用紙を画像形成ドラム21の外周面から分離させる。そして、分離ドラム261は、用紙を排出ベルト262に用紙を誘導する。
【0046】
排出ベルト262は無端状に形成されており、不図示の複数のローラーにより回転可能に支持される。排出ベルト262は、分離ドラム261によって受け渡された用紙を後段の第1の画像読み取り装置30に送り出す。なお、第2の画像形成装置50内の排出ベルト262である場合には、排出ベルト262は、第2の画像読み取り装置60に送り出す。
【0047】
[ヘッドユニットの構成例]
次に、図3を参照して、第1の画像形成装置20のヘッドユニット24の構成例について説明する。図3は、用紙側から見た状態におけるヘッドユニット24を示す平面図である。第2の画像形成装置50のヘッドユニットの構成も、図3に示す構成と同一であるため、ここでは第1の画像形成装置20のヘッドユニット24の構成の説明のみを行い、第2の画像形成装置50のヘッドユニットの構成の説明は省略する。
【0048】
ヘッドユニット24は、複数の記録ヘッド242a~242fを備える。なお、以下の説明において、記録ヘッド242a~242fを個々に区別する必要がない場合には、これらを記録ヘッド242と総称する。
【0049】
図3には、記録ヘッド242のノズルの位置を模式的に示している。ノズルは、用紙の搬送方向(用紙搬送方向:図中に下向きの矢印で示す方向)と交差する方向(本実施形態では、主走査方向:図中に右向きの矢印で示す方向)に配列される。このノズルの配列方向をノズル列方向と呼ぶ。6つの記録ヘッド242a~242fは、それぞれ、ノズル列方向についての配置範囲が互いに一部重複するように千鳥状に配置される。そして、ノズル列方向に沿って奇数番目に配置された記録ヘッド242a,242c,242eのノズルがノズル列方向において同一直線上に位置するとともに、偶数番目に配置された記録ヘッド242b,242d,242fのノズルがノズル列方向において同一線上に位置する。
【0050】
また、6つの記録ヘッド242a~242fは、互いに隣接する一対の記録ヘッド242において、各々に設けられた複数のノズル(ノズル群)のうち、一の記録ヘッド242の一方側の端部近傍のノズルと、他の一の記録ヘッド242の他方側の端部近傍のノズルとのノズル列方向についての配置範囲が重なる位置関係で、ノズル列方向に互いにずれた状態で配置されている。
【0051】
言い換えると、6つの記録ヘッド242a~242fは、各々に設けられたノズル群のノズル列方向についての配置範囲が互いに異なる範囲を含み、ノズル列方向にインクを吐出可能な範囲が連続的に繋がるような位置関係で配置されている。記録ヘッド242a~242fのノズル群同士が重複して配置されるノズル列方向の各範囲内には、重複範囲R(繋ぎ目)が設定されている。各重複範囲Rでは、重複範囲Rにノズルが設けられている一対の記録ヘッド242の各々のノズルから相補的にインクが吐出される。本実施形態では、一対の記録ヘッド242のノズル群同士が重複して配置されるノズル列方向の範囲全体が重複範囲Rとされる。
【0052】
なお、記録ヘッド242の数及び配置は、上述した例に限定されるものではなく、5つ以下、あるいは、7つ以上の記録ヘッド242を配置する構成であってもよい。
【0053】
また、記録ヘッド242は、インク液滴を用紙に向けて吐出するノズルを含む複数の記録素子を有するインクジェットヘッドである。記録素子は、ノズルに加えて、インクを貯留する圧力室、及び、当該圧力室の側壁に設けられた圧電素子(図示略)を備えており、圧力室にノズルが連通している。記録ヘッド242にはヘッド駆動部241(図5参照)から、画像データの画素値に応じて、圧電素子を変形動作させる駆動電圧が駆動条件として供給される。
【0054】
そして、圧電素子が変形動作することにより、ヘッド駆動部241からの駆動電圧に応じて圧力室が変形して当該圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズルからインク液滴を吐出する動作が行われる。これにより、記録ヘッド242の各々において、画像データの画素値に応じた液量のインク液滴が、複数のノズルから用紙に向けて吐出され、画像形成ドラム21に担持された用紙に画像が形成される。
【0055】
<画像読み取り装置及び白補正板の構成>
次に、図4を参照して、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330及び白補正板の構成について説明する。図4は、インラインセンサ330及び白補正板332の構成例を示す斜視図である。第2の画像読み取り装置60のインラインセンサの構成も、図4に示す構成と同一であるため、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサの構成の説明のみを行い、第2の画像読み取り装置60のインラインセンサの構成の説明は省略する。
【0056】
図4Aには、インラインセンサ330の画像読取面331がZ方向における上側に配置された状態における、インラインセンサ330の構成を示す。図中に示す“X”は用紙幅方向(主走査方向)を示し、“Y”は用紙搬送方向(副走査方向)を示し、“Z”は鉛直方向を示す。インラインセンサ330の画像読取面331の表面はガラスで覆われており、ガラスのZ方向における下側に、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等よりなるラインカメラ(インラインセンサ)が設けられる。
【0057】
画像読取面331のX方向における長さは、用紙幅として想定される最大幅よりも長く設定される。これにより、インラインセンサ330は、用紙の主走査方向における情報を、主走査方向への走査を行うことなく一度に読み取ることができる。
【0058】
図4Bには、画像読取面331がZ方向における下側に配置された状態におけるインラインセンサ330の構成を示す。インラインセンサ330は、図4Bに示す姿勢で画像形成システム1内に配置され、破線で示される搬送面Sf上を搬送される用紙を読み取る。白補正板332は、シェーディング補正時の白レベル及び黒レベルを決定する際に使用される板であり、白補正板332において画像読取面331と対向する面は、ガラスで覆われている。
【0059】
白補正板332は、通常は、画像読取面331内のインラインセンサが読み取ることができない待機位置(図中に示す“(P1)”の位置)に退避しているが、シェーディング補正の実行時には、Z方向における画像読取面331の真下の位置(図中に一点鎖線で示す“(P2)”の位置)に移動する。そして、白補正板332をインラインセンサ330が読み取ることによって算出された白レベル及び黒レベルに基づいて、第1の制御装置102によって、インラインセンサ330のシェーディング補正が行われる。
【0060】
このとき、白補正板332の表面にホコリ等の付着物が付いていた場合、その箇所と対応する画素における白レベルが他の画素におけるそれよりも低くなるため、読み取り画像における付着物と対応する位置において、副走査方向に沿った縦スジが発生してしまう。
【0061】
なお、白補正板332を用いたシェーディング補正は、インラインセンサ330による表面用調整チャートの読み取り前に行われる。しかし、前回実施された表面用調整チャートの読み取りとの実施間隔が短い場合や、不図示の温度計により測定されたインラインセンサ330の温度に、時間方向における変化がない場合などには、実施されないこともある。
【0062】
<第1の画像形成装置の制御系の構成>
次に、図5を参照して、第1の画像形成装置20の制御系の構成について説明する。図5は、第1の画像形成装置20の制御系の構成例を示すブロック図である。なお、第2の画像形成装置50の制御系の構成も第1の画像形成装置20の制御系の構成と同様であるため、ここでは第1の画像形成装置20の制御系の構成についてのみ説明し、第2の画像形成装置50の制御系の構成の説明は省略する。
【0063】
図5に示すように、第1の画像形成装置20は、制御部200を備える。制御部200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)201、CPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)202、及び、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)203等を含む。
【0064】
制御部200のCPU201は、第1の画像形成装置20を構成する各部とシステムバスB1を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。
【0065】
また、制御部200は、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)等よりなる大容量記憶装置としての記憶部204を備える。記憶部204には、第1のプリンタコントローラー101から受け取った画像データや、複数の記録ヘッド242におけるノズル群からのインク液滴の吐出量に関するデータ(インク吐出量データ)などが記憶される。
【0066】
さらに、第1の画像形成装置20は、用紙搬送部210、操作表示部220、通信I/F(Interface)部230及び画像形成部240等を備える。
【0067】
用紙搬送部210は、受け渡しユニット22や用紙排出部26(図2参照)などの搬送系の機構を駆動することにより、用紙を搬送させる。
【0068】
操作表示部220は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機EL(Electro Luminescence)表示装置等のパネル式表示装置(報知部の一例)と、タッチパッド等の位置入力装置とを組み合わせたタッチパネルとによって構成される。この操作表示部220は、ユーザーに対する指示メニューや、取得した画像データに関する情報等を表示する。操作表示部220の表示装置には、例えば、第1の制御装置102が、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60での異常の発生を検出した場合における、異常の報知(通知)等が表示される。
【0069】
通信I/F部230は、第1のプリンタコントローラー101に接続される。そして、通信I/F部230は、第1のプリンタコントローラー101から画像データを受信して、受信した画像データを、システムバスB1を介して制御部200に供給する。
【0070】
画像形成部240は、第1のプリンタコントローラー101から送信された画像データに基づいて、用紙の表面に画像を形成する。第1のプリンタコントローラー101から表面用調整チャート用データが送信された場合には、用紙の表面に表面用調整チャートを形成する。ヘッドユニット24内のヘッド駆動部241は、記録ヘッド242を駆動する。画像形成部240を構成するその他各部については、図2を参照して説明済みであるため、ここではこれらについての説明は省略する。
【0071】
<第1の画像読み取り装置の制御系の構成>
次に、図6を参照して、第1の画像読み取り装置30の制御系の構成について説明する。図6は、第1の画像読み取り装置30の制御系の構成例を示すブロック図である。なお、第2の画像読み取り装置60の制御系の構成も第1の画像読み取り装置30の制御系の構成と同様であるため、ここでは第1の画像読み取り装置30の制御系の構成についてのみ説明し、第2の画像読み取り装置60の制御系の構成の説明は省略する。
【0072】
図6に示すように、第1の画像読み取り装置30は、制御部300を備える。制御部300は、例えば、CPU301、CPU301の作業領域として使用されるRAM302、及び、CPU301が実行するプログラム等を記憶するためのROM303等を含む。
【0073】
制御部300のCPU301は、第1の画像読み取り装置30を構成する各部とシステムバスB3を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。また、制御部300は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部304等を備える。
【0074】
また、第1の画像読み取り装置30は、用紙搬送部310、通信I/F部320及びインラインセンサ330等を備える。
【0075】
用紙搬送部310は、不図示の搬送系の機構の駆動を行う。通信I/F部320は、第1の制御装置102に接続される。そして、通信I/F部320は、第1の制御装置102から送信される制御信号を受信したり、インラインセンサ330によって読み取られた読み取り画像を第1の制御装置102に送信したりする。
【0076】
インラインセンサ330は、例えば、複数の検出素子が用紙の幅方向(主走査方向)に配列されてなるラインセンサである。インラインセンサ330は、用紙に形成された画像を複数の波長成分ごと、例えば、赤(R),緑(G),青(B)の3波長で取得することができる。インラインセンサ330は、表面用調整チャート等の画像が形成された用紙の1ページ全面を読み取り、読み取った画像を制御部300に出力する。
【0077】
白補正板332については、図4を参照して説明済みであるため、ここではその説明は省略する。
【0078】
<第1のプリンタコントローラーの制御系の構成>
次に、図7を参照して、第1のプリンタコントローラー101の制御系の構成について説明する。図7は、第1のプリンタコントローラー101の制御系の構成例を示すブロック図である。なお、第2のプリンタコントローラー103の構成も第1のプリンタコントローラー101の構成と同様であるため、ここでは第1のプリンタコントローラー101の構成についてのみ説明し、第2のプリンタコントローラー103の構成の説明は省略する。
【0079】
図7に示すように、第1のプリンタコントローラー101は、制御部110を備える。制御部110は、例えば、CPU111、CPU111の作業領域として使用されるRAM112、及び、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM113等を含む。
【0080】
制御部110のCPU111は、第1のプリンタコントローラー101を構成する各部とシステムバスB5を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。また、CPU111は、第1の制御装置102による制御(指示)に基づいて、通信I/F部115を介して接続される用紙反転部40(図1参照)に対して、用紙を反転させない制御も行う。
【0081】
また、制御部110は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部114を含む。記憶部114には、第1の画像形成装置20に送信した画像データ等が記憶される。
【0082】
また、第1のプリンタコントローラー101は、通信I/F部115、操作入力部116、表示部117及びRIP部118等を含む。
【0083】
通信I/F部115は、第1の画像形成装置20と接続されており、RIP部118で生成された画像データ等を第1の画像形成装置20に送信する。また、通信I/F部115は第1の制御装置102とも接続されており、第1の制御装置102から、表面用調整データや、第1の画像読み取り装置30の故障を知らせる通知などを受信する。
【0084】
また、通信I/F部115は第2の制御装置104とも接続されており、第2の制御装置104から表面用調整データを受信する。さらに、通信I/F部115は用紙反転部40とも接続されており、用紙反転部40に対して、用紙を反転させない旨を指示する制御信号等を送信する。
【0085】
操作入力部116は、例えば、キーボードやマウスなどで構成され、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。表示部117は、液晶表示装置や有機EL表示装置等のパネル式表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや、取得した画像データに関する情報等を表示する。
【0086】
RIP部118は、不図示の端末装置から送信された印刷ジョブに含まれる描画データに対してRIP処理を行って、表面用調整チャート用データ等の画像データを生成する。
【0087】
<第1の制御装置の制御系の構成>
次に、図8を参照して、第1の制御装置102の制御系の構成について説明する。図8は、第1の制御装置102の制御系の構成例を示すブロック図である。
【0088】
図8に示すように、第1の制御装置102は、制御部120を備える。制御部120は、例えば、CPU121、CPU121の作業領域として使用されるRAM122、及び、CPU121が実行するプログラム等を記憶するためのROM123等を含む。
【0089】
制御部120のCPU121は、第1の制御装置102を構成する各部とシステムバスB7を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。例えば、CPU121は、画像読み取り装置異常有無判定処理の実施時には、以下の制御を行う。
【0090】
(1)用紙反転部40に用紙を反転させないことを指示する制御信号等を送信する制御。
(2)第2のプリンタコントローラー103に、裏面用調整データを生成させないことにより、第2の画像形成装置50が用紙に裏面用調整チャートを形成しないようにする制御。
(3)第2の画像読み取り装置60に、表面用調整チャートを読み取らせる制御。
(4)第2の制御装置104に、表面用調整チャートの読み取り画像に基づく表面用調整データを生成させる制御。
【0091】
さらに、CPU121は、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60における異常の発生の有無を判定する異常有無判定処理を行う。画像読み取り装置の異常有無判定処理において、CPU121は、まず、第1の画像読み取り装置30による表面用調整チャートの読み取り画像に基づいて第1の制御装置102が生成した、表面用調整データ(第1の画像の読み取り結果の一例)に基づいて、第1の画像形成装置20の記録ヘッド242(図3参照)のノズルの吐出状態(以下、「第1のノズル状態」とも称する)を判定する。
【0092】
また、CPU121は、第2の画像読み取り装置60による表面用調整チャートの読み取り画像に基づいて第2の制御装置104が生成した、表面用調整データ(第1の画像の読み取り結果の一例)に基づいて、第1の画像形成装置20の記録ヘッド242のノズルの吐出状態(以下、「第2のノズル状態」とも称する)を判定する。
【0093】
そして、CPU121は、第1のノズル状態と第2のノズル状態とを比較することにより、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60における異常の発生の有無を判定する。CPU121は、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60に異常が発生していると判定した場合、その旨を操作表示部220の表示装置に表示することにより、異常の発生をユーザーに報知する制御も行う。
【0094】
異常の発生とともに、例えば、第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332、及び、第2の画像読み取り装置60の画像読取面又は白補正板に付着物がついている可能性についても通知し、これらの面の清掃を促すメッセージも共に通知してもよい。
【0095】
また、制御部120は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部124を含む。記憶部124には、第1の画像読み取り装置30から受信した表面の読み取り画像等が記憶される。
【0096】
さらに、第1の制御装置102は、通信I/F部125、操作入力部126、表示部127及び調整データ生成部128(第1の調整データ生成部の一例)等を備える。
【0097】
通信I/F部125は、第1の画像読み取り装置30と接続されており、第1の画像読み取り装置30から送信された表面の読み取り画像を受信する。また、通信I/F部125は、第1のプリンタコントローラー101とも接続されており、調整データ生成部128で生成された調整データ等を、第1のプリンタコントローラー101に送信する。
【0098】
操作入力部126は、例えば、キーボードやマウスなどで構成され、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。表示部127は、液晶表示装置や有機EL表示装置等のパネル式表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや、取得した画像データに関する情報等を表示する。
【0099】
調整データ生成部128は、第1の画像読み取り装置30から送信された読み取り画像に基づいて、表面用調整データ(第1の画像用調整データの例)を生成する。表面用調整データでは、記録ヘッド242(図3参照)のノズルの吐出不良用の補正や、ヘッドの傾き調整、ノズルの重なり調整、インクの吐き出し量を調整するための電圧調整、同色間での主走査方向/副走査方向での調整、ガンマ補正、シェーディング補正等が指示される。
【0100】
第2の制御装置104の制御系の構成は、第1の制御装置102の制御系の構成とほぼ同一であるが、通信I/F部が、第2の画像読み取り装置60、第2のプリンタコントローラー103と接続されるだけでなく、第1のプリンタコントローラー101とも接続される点が、第1の制御装置102と異なる。第2の制御装置104の制御部は、第1の制御装置102による画像読み取り装置異常有無判定処理の実施時には、表面用調整チャートの読み取り画像に基づいて表面用調整データを生成し、該表面用調整データを、通信I/F部を介して第1のプリンタコントローラー101に送信する。
【0101】
<第1の画像読み取り装置及び第2の画像読み取り装置のそれぞれで生成された表面用調整データの読み取り画像の構成>
次に、図9図12を参照して、第1の画像読み取り装置30及び第2の画像読み取り装置60のそれぞれで読み取られたヘッド画像の読み取り画像の構成について説明する。ヘッド画像は、記録ヘッド242(図3参照)を構成する各ノズルが詰まっていないかを確認する目的で印刷される画像である。
【0102】
ヘッド画像は、例えば、記録ヘッド242(図3参照)のノズルの奇数列と偶数列とをそれぞれ1つのヘッド画像における上側と下側とに分け、さらに、上側と下側においても何段かに分けてインクを吐出させることにより生成される。このようにして生成されたヘッド画像の読み取り画像を確認することにより、第1の制御装置102は、記録ヘッド242を構成する各ノズルにおけるインクの吐出状態を確認することができる。
【0103】
図9は、第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332、及び、第2の画像読み取り装置60の画像読取面又は白補正板に付着物が付いていない場合における、ヘッドの読み取り画像の構成例を示す図である。図10は、第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332に付着物が付いている場合におけるヘッド画像の読み取り画像の構成例を示す図である。
【0104】
図11は、第2の画像読み取り装置60の画像読取面又は白補正板(図示略)に付着物が付いている場合におけるヘッド画像の読み取り画像の構成例を示す図である。図12は、図9又は図10に示した表面用調整データに基づくノズル吐出不良の確認用の、ヘッド画像の読み取り画像の例を示す図である。なお、図9図12におけるX方向は、第1の画像形成装置20又は第2の画像形成装置50の主走査方向(用紙搬送方向)を示し、Y方向は、第1の画像形成装置20又は第2の画像形成装置50の副走査方向(用紙幅方向)を示す。
【0105】
図9Aには、第1の画像読み取り装置30によって読み取られたヘッド画像の読み取り画像の例を示し、図9Bには、第2の画像読み取り装置60によって読み取られたヘッド画像の読み取り画像の例を示す。
【0106】
第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332、及び、第2の画像読み取り装置60の画像読取面又は白補正板のいずれにも付着物がついていない場合、図9A及び図9Bに示すように、各ノズルにおけるインクの吐出状態は均一となる。
【0107】
ここで、例えば、表面用調整チャートの印刷時に、記録ヘッド242の特定の3つのノズルにおいて吐出不良が発生していたとする。この場合、表面調整用チャートにおいて、ノズルの吐出不良を示す3つの画質不良が発生する。これにより、第1の画像読み取り装置30によるヘッド画像の読み取り画像(図9A)、及び、第2の画像読み取り装置60によるヘッド画像の読み取り画像(図9B)の両方において、対応するノズルに吐出不良が発生していると想定される画素が、3つ出現する。
【0108】
すなわち、第1の画像読み取り装置30によるヘッド画像の読み取り画像に基づいて判定されるノズル吐出不良の発生数(以下、「第1のノズル吐出不良発生数」とも称する:第1のノズル状態の一例)と、第2の画像読み取り装置60によるヘッド画像の読み取り画像に基づいて判定されるノズル吐出不良の発生数(以下、「第2のノズル吐出不良発生数」と称する:第2のノズル状態の一例)とは、同数(3個)になる。
【0109】
一方、第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332に付着物が付いている場合には、第1の画像読み取り装置30によるヘッド画像の読み取り画像は10Aに示すものとなり、第2の画像読み取り装置60によるヘッド画像の読み取り画像は10Bに示すものとなる。
【0110】
つまり、図10Aに示すように、付着物が付いている第1の画像読み取り装置30によるヘッド画像の読み取り画像においては、縦スジが発生する。一方、図10Bに示す、付着物が付いていない第2の画像読み取り装置60によって読み取られた、ヘッド画像の読み取り画像においては、縦スジは発生していない。この場合、第1のノズル吐出不良発生数は、第2のノズル吐出不良発生数よりも、少なくなる。
【0111】
また、第2の画像読み取り装置60の画像読取面又は白補正板に付着物が付いている場合、図11Bに示す、第2の画像読み取り装置60によるヘッド画像の読み取り画像において、縦スジが発生する。一方、図11Aに示す、付着物が付いていない第1の画像読み取り装置30によって読み取られた、ヘッド画像の読み取り画像においては、縦スジは発生していない。したがって、第2のノズル吐出不良発生数は、第1のノズル吐出不良発生数よりも、少なくなる。
【0112】
しかしながら、第2の画像形成装置50の記録ヘッド242において実際にノズル吐出不良の発生している場合、第1のノズル吐出不良発生数(付着物の付着に基づいて判定)と、第2のノズル吐出不良発生数(実際に吐出不良が発生)とが、偶然同数になる可能性もある。
【0113】
例えば、第1の画像読み取り装置30によるヘッド画像の読み取り画像から検出された、吐出不良が発生しているノズルの番号(以下、「第1の吐出不良発生ノズル番号」とも称する:第1のノズル状態の一例)が、“1”,“23”,“45”,“1369”,“2486”であるとする。そして、第2の画像読み取り装置60によるヘッド画像の読み取り画像から検出された、吐出不良が発生しているノズルの番号(以下、「第2の吐出不良発生ノズル番号」とも称する:第2のノズル状態の一例)は、“54”,“76”,“387”,“2619”,“3751”であるとする。この場合、第1のノズル吐出不良発生数と、第2のノズル吐出不良発生数とは、どちらも5個で同数となる。しかしながら、この場合、第1の吐出不良発生ノズル番号と第1の吐出不良発生ノズル番号とは、異なる。
【0114】
本実施形態では、第1の制御装置102の制御部120は、第1のノズル吐出不良発生数及び第2のノズル吐出不良発生数と、第1の吐出不良発生ノズル番号及び第2の吐出不良発生ノズル番号と、に基づいて、画像読み取り装置の異常有無判定処理を行う。具体的には、第1の制御装置102の制御部120は、第1のノズル吐出不良発生数と、第2のノズル吐出不良発生数とが異なる場合には、より多い発生数が検出された方の読み取り画像を生成した画像読み取り装置において、付着物の付着等の異常が発生していると判定する。
【0115】
また、第1の制御装置102の制御部120は、第1のノズル吐出不良発生数と、第2のノズル吐出不良発生数とが同数である場合には、第1の吐出不良発生ノズル番号と、第2の吐出不良発生ノズル番号とが一致するか否かを判定する。そして、第1の吐出不良発生ノズル番号と、第2の吐出不良発生ノズル番号とが一致する場合、第1の制御装置102の制御部120は、第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332と、第2の画像読み取り装置60の画像読取面又は白補正板のいずれにも、付着物は付着していないと判定する。
【0116】
一方、第1のノズル吐出不良発生数と、第2のノズル吐出不良発生数とが同数であっても、第1の吐出不良発生ノズル番号と、第2の吐出不良発生ノズル番号とが一致しない場合、第1の制御装置102の制御部120は、第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332、もしくは、第2の画像読み取り装置60の画像読取面又は白補正板に、付着物が付着していると判定する。
【0117】
次に、図12を参照して、実際には第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332に付着物が付いているにも関わらず、表面用調整データに基づくノズル吐出不良確認用の、ヘッド画像の読み取り画像の例について説明する。第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332に付着物が付いているにも関わらず、ノズル吐出不良が発生していると誤判定された場合、ノズル吐出不良用の補正が行われてしまう。具体的には、吐出不良が発生していると判定されたノズルに隣接するノズルからのインクの吐出量を増やす等の補完が行われる。
【0118】
これにより、図12に一点鎖線の円で囲んだ箇所に見られるように、インク吐出領域同士が連結してしまう現象が起こる。このような過補正が行われた場合、画像形成部240によって用紙に形成された画像において、副走査方向に沿った縦スジ(図示略)が現れてしまう。本実施形態では、このような誤判定を防ぐ手法を提案する。
【0119】
<画像形成システムによる画質調整方法>
[通常時における画質調整方法]
次に、図13を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1による画質調整方法の手順について説明する。図13は、画像形成システム1による、通常時における画質調整方法の手順の例を示すフローチャートである。通常時とは、異常等が検出されずにジョブが正常に実施される場合である。図13の画質調整処理は、本番の印刷に先立って行われるテスト印刷の実施後に行われる。
【0120】
まず、不図示の端末装置から送信された画質調整ジョブに基づいて、第1のプリンタコントローラー101が画質調整処理を開始する(ステップS1)。次いで、給紙装置10(図1参照)は、第1の画像形成装置20に給紙を開始する(ステップS2)。次いで、第1のプリンタコントローラー101のRIP部118(図7参照)は、表面用調整チャート用データを生成する(ステップS3)。
【0121】
次いで、第1の画像形成装置20の画像形成部240(図5参照)は、表面用調整チャートを用紙の表面に印刷する(ステップS4)。次いで、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330(図6参照)は、用紙に印刷された表面用調整チャートを読み取る(ステップS5)。その後、表面用調整チャートの読み取り結果は、第1の画像読み取り装置30から第1の制御装置102に送信される。なお、表面用調整チャートの読み取りの前には、第1の画像読み取り装置30の制御部300による制御に基づいて、白補正板332(図4参照)を用いたシェーディング補正が行われるものとする。
【0122】
次いで、第1の制御装置102の調整データ生成部128(図8参照)は、表面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、表面用調整データを生成する(ステップS6)。次いで、第1の制御装置102の通信I/F部125は、表面用調整データを第1のプリンタコントローラー101に送信する(ステップS7)。
【0123】
次いで、用紙反転部40(図1参照)は、第1の画像読み取り装置30から搬送された用紙の表面及び裏面を反転させる(ステップS8)。次いで、第2のプリンタコントローラー103のRIP部(図示略)は、裏面用調整チャート用データを生成する(ステップS9)。次いで、第2の画像形成装置50の画像形成部(図示略)は、裏面用調整チャートを用紙の裏面に形成する(ステップS10)。
【0124】
次いで、第2の画像読み取り装置60のインラインセンサ(図示略)は、裏面用調整チャートを読み取る(ステップS11)。次いで、第2の制御装置104の調整データ生成部(図示略)は、裏面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、裏面用調整データを生成する(ステップS12)。次いで、第2の制御装置104の通信I/F部(図示略)は、裏面用調整データを第2のプリンタコントローラー103に送信する(ステップS13)。次いで、用紙が、排紙装置70(図1参照)のパージトレイ72に搬送される(ステップS14)。
【0125】
[通常時における画像形成方法]
次に、図14を参照して、画質調整実施後の画像形成システム1による画像形成処理の例について説明する。図14は、画質調整実施後の画像形成システム1による画像形成処理の例を示すフローチャートである。まず、不図示の端末装置から送信された通常のジョブに基づいて、第1のプリンタコントローラー101がジョブを開始する(ステップS15)。次いで、第1の画像形成装置20が、ジョブに基づく印刷(本番印刷)を行う(ステップS16)。上述した画質調整処理が適切に行われたことにより、ジョブに基づく印刷時に異常は発生しないため、ジョブは正常に出力される。
【0126】
[画像読み取り装置に異常が発生している場合における従来の画質調整方法]
次に、図15を参照して、従来の画像形成システムによる、画像読み取り装置に異常が発生している場合における画質調整方法の手順について説明する。図15は、従来の画像形成システムによる、画像読み取り装置に異常が発生している場合における画質調整方法の手順の例を示すフローチャートである。従来の画像形成システムも、図1に示す本実施形態に係る画像形成システム1と同様の構成を有するものとする。
【0127】
まず、不図示の端末装置から送信された画質調整ジョブに基づいて、第1のプリンタコントローラー101は、画質調整処理を開始する(ステップS21)。次いで、給紙装置10は、第1の画像形成装置20に給紙を開始する(ステップS22)。次いで、第1のプリンタコントローラー101のRIP部118は、表面用調整チャート用データを生成する(ステップS23)。
【0128】
次いで、第1の画像形成装置20の画像形成部240は、表面用調整チャートを用紙の表面に印刷する(ステップS24)。次いで、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330は、表面用調整チャートを読み取る(ステップS25)。その後、表面用調整チャートの読み取り結果は、第1の画像読み取り装置30から第1の制御装置102に送信される。このとき得られた読み取り結果には、スジや汚れなどが検出されたことが示されているものとする。
【0129】
次いで、第1の制御装置102の調整データ生成部128は、表面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、表面用調整データを生成する(ステップS26)。次いで、第1の制御装置102の通信I/F部125は、表面用調整データを第1のプリンタコントローラー101に送信する(ステップS27)。ここで第1のプリンタコントローラー101に送られる表面用調整データは、スジや汚れなどが検出されたことに基づき、ノズル吐出不良用の補正が行われた調整データである。
【0130】
ステップS28~ステップS34までの処理は、図13のステップS8~ステップS14までの処理と同一であるため、これらのステップに関する説明は省略する。
【0131】
[ノズル吐出不良の誤検知があった場合における従来の画像形成方法]
次に、図16を参照して、画質調整実施後における画像形成システム1による画像形成処理の例について説明する。図16は、画質調整実施後における画像形成システム1による画像形成処理の例を示すフローチャートである。まず、不図示の端末装置から送信された通常のジョブに基づいて、第1のプリンタコントローラー101がジョブを開始する(ステップS35)。次いで、第1の画像形成装置20は、ジョブに基づく印刷(本番印刷)を行う(ステップS36)。このとき印刷される画像は、スジや汚れなどの検出結果に基づいて生成された、ノズル吐出不良補正用の調整データによって、過補正された画像である。よって、印刷画像には縦スジが現れている。
【0132】
次いで、ユーザーによる原因の調査が行われる(ステップS37)。つまり、ユーザーは、画質調整後の本番印刷による印刷画像に縦スジを見つけた場合、その原因がどこにあるかを調査する。次いで、ユーザーは、第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332の表面に付着物が付いていることを検出する(ステップS38)。
【0133】
つまり、従来の手法では、第1の画像読み取り装置30の画像読取面331又は白補正板332の表面に付着物が付いている等の異常が発生しているにもかかわらず、ノズル吐出不良が発生していると誤検知された場合、過補正が行われてしまう。これにより、画質調整実施後の本番印刷による印刷物において、縦スジが発生してしまう。ユーザーは、本番印刷の実施時にこの縦スジを発見することになり、かつ、原因の調査にも時間がかかってしまう。
【0134】
[画質調整方法]
次に、図17を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1による画質調整方法の手順について説明する。図17は、画像形成システム1による画質調整方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0135】
まず、不図示の端末装置から送信された画質調整ジョブに基づいて、第1のプリンタコントローラー101が画質調整処理を開始する(ステップS41)。次いで、給紙装置10は、第1の画像形成装置20に給紙を開始する(ステップS42)。次いで、第1のプリンタコントローラー101のRIP部118は、表面用調整チャート用データを生成する(ステップS43)。
【0136】
次いで、第1の画像形成装置20の画像形成部240は、表面用調整チャートを用紙の表面に印刷する(ステップS44)。次いで、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330は、表面用調整チャートを読み取る(ステップS45)。その後、表面用調整チャートの読み取り結果は、第1の画像読み取り装置30から第1の制御装置102に送信される。
【0137】
次いで、第1の制御装置102の調整データ生成部128は、表面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、表面用調整データを生成する(ステップS46)。このとき得られた読み取り結果には、スジや汚れなどが検出されたことが示されているものとする。次いで、第1の制御装置102の通信I/F部125は、表面用調整データを第1のプリンタコントローラー101に送信する(ステップS47)。
【0138】
次いで、用紙反転部40(図1参照)は、用紙を反転せずにそのまま通過させ、第2の画像形成装置50に搬送する(ステップS48)。次いで、第2の画像読み取り装置60は、用紙に印刷された表面用調整チャートを読み取る(ステップS49)。次いで、第2の制御装置104の調整データ生成部(図示略)は、表面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、表面用調整データを生成する(ステップS50)。
【0139】
次いで、第2の制御装置104の通信I/F部(図示略)は、表面用調整データを第1の制御装置102に送信する(ステップS51)。ここで第1の制御装置102に送られる表面用調整データは、スジや汚れなどが検出されたことに基づき、ノズル吐出不良用の補正が行われた調整データである。次いで、用紙が、排紙装置70のパージトレイ72に搬送される(ステップS52)。次いで、第1の制御装置102は、画像読み取り装置の異常有無判定処理を行う(ステップS53)。第1の制御装置102による画像読み取り装置の異常有無判定処理については、次の図18を参照して詳述する。
【0140】
[第1の制御装置による画像読み取り装置の異常有無判定処理]
次に、図18を参照して、第1の制御装置102による画像読み取り装置の異常有無判定処理の手順について説明する。図18は、第1の制御装置102による画像読み取り装置の異常有無判定処理の例を示すフローチャートである。
【0141】
まず、第1の制御装置102の制御部120は、第1のノズル吐出不良発生数(第1の画像読み取り装置30が検出した第1の画像形成装置20における吐出不良ノズル数)と、第2のノズル吐出不良発生数(第2の画像読み取り装置50が検出した第1の画像形成装置20における吐出不良ノズル数)とが同数であるか否かを判定する(ステップS61)。第1の制御装置102の制御部120は、第1のノズル吐出不良発生数を、調整データ生成部128が生成した表面用調整データを用いて検出する。また、第1の制御装置102の制御部120は、第2のノズル吐出不良発生数を、第2の制御装置104の調整データ生成部が生成した表面用調整データを用いて検出する。
【0142】
ステップS61で、第1のノズル吐出不良発生数と、第2のノズル吐出不良発生数とが同数であると判定された場合(ステップS61がYES判定の場合)、制御部120は、第1の吐出不良発生ノズル番号(第1の画像形成装置20における吐出不良ノズル番号)と、第2の吐出不良発生ノズル番号(第2の画像形成装置50における吐出不良ノズル番号)とが一致しているか否かを判定する(ステップS62)。
【0143】
ステップS62で、第1の吐出不良発生ノズル番号と、第2の吐出不良発生ノズル番号とが一致していると判定された場合(ステップS62がYES判定の場合)、制御部120は、第1の画像読み取り装置30において、ホコリ等の付着物の付着等の異常は発生していないと判定する(ステップS63)。
【0144】
一方、ステップS62で、第1の吐出不良発生ノズル番号と、第2の吐出不良発生ノズル番号とは一致していないと判定された場合(ステップS62がNO判定の場合)、制御部120は、第1の画像読み取り装置30及び第2の画像読み取り装置60のいずれかに、付着物の付着等の異常が発生していると判定する(ステップS64)。
【0145】
ステップS61で、第1のノズル吐出不良発生数と、第2のノズル吐出不良発生数とは異なると判定された場合(ステップS61がNO判定の場合)、制御部120は、第1のノズル吐出不良発生数は、第2のノズル吐出不良発生数よりも多いか否かを判定する(ステップS65)。
【0146】
ステップS65で、第1のノズル吐出不良発生数は、第2のノズル吐出不良発生数よりも多いと判定された場合(ステップS65がYES判定の場合)、制御部120は、第1の画像読み取り装置30に、付着物の付着等の異常が発生していると判定する(ステップS66)。一方、第1のノズル吐出不良発生数は、第2のノズル吐出不良発生数よりも少ないと判定された場合(ステップS65がNO判定の場合)、制御部120は、第2の画像読み取り装置60に、付着物の付着等の異常が発生していると判定する(ステップS67)。
【0147】
上述した実施形態では、第1の制御装置102の制御部120が、第1の画像読み取り装置30による第1の画像の読み取り結果と、第2の画像読み取り装置60による第1の画像の読み取り結果とを比較することにより、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60における異常有無判定処理を行う。したがって、本実施形態によれば、ユーザーに手間をかけることなく、また、装置のコストを向上させることなく、縦スジを引き起こす原因の誤判定を低減することができる。
【0148】
また、上述した実施形態では、第1の制御装置102の制御部120は、異常有無判定処理を行う場合、第1の画像形成装置20で表面用調整チャートが形成された用紙の面を、用紙反転部40に反転させない制御、及び、第2の画像形成装置50に画像を形成させない制御を行う。つまり、本実施形態では、画像形成システム1がもともと有する各装置を用いて、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60における異常有無判定処理が行われるため、専用の機器や装置などを新たに設ける必要がない。それゆえ、本実施形態によれば、装置のコストを増大させずに、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60における異常の有無を判定することができる。
【0149】
また、上述した実施形態では、制御部120は、異常有無判定処理において、第1のノズル状態と第2のノズル状態とを比較する。第1のノズル状態は、上述したように、第1の画像読み取り装置30による第1の画像の読み取り結果に基づいて制御部120が判定した、第1の画像形成部20のノズルの状態である。また、第2のノズル状態は、上述したように、第2の画像読み取り部60による第1の画像の読み取り結果に基づいて制御部120が判定した、第1の画像形成部20のノズルの状態である。したがって、本実施形態によれば、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60に異常が発生しているにも関わらず、第1の画像形成部20又は第2の画像形成装置50に異常があると誤判定されることを防ぐことができる。つまり、本実施形態によれば、誤判定による過補正が行われることを防ぐことができる。
【0150】
また、上述した実施形態では、第1のノズル吐出不良発生数と第2のノズル吐出不良発生数、又は、第1のノズル吐出不良発生数と第2のノズル吐出不良発生数と第1の吐出不良発生ノズル番号と第2の吐出不良発生ノズル番号とに基づいて、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60における異常の有無が判定される。それゆえ、本実施形態によれば、第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60における異常の有無の判定精度が向上する。
【0151】
さらに、上述した実施形態では、第1の制御装置102の制御部120が第1の画像読み取り装置30又は第2の画像読み取り装置60に異常が発生していると判定した場合、その旨を、第1の画像形成装置20の操作表示部220を介してユーザーに報知する。それゆえ、本実施形態によれば、ユーザーは、異常の対策を迅速にとることができる。
【0152】
<各種変形例>
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得る。
【0153】
上述した実施形態では、第1の制御装置102が、画像読み取り装置の異常有無判定処理を行う例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。第1の制御装置102の代わりに、第2の制御装置104が画像読み取り装置の異常有無判定処理を行ってもよい。
【0154】
また、上述した実施形態では、第1の画像形成装置20と第1の画像読み取り装置30とが別の装置として設けられ、第2の画像形成装置50と第2の画像読み取り装置60とが別の装置として設けられる例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。第1の画像読み取り装置30は第1の画像形成装置20と一体に形成されてもよく、第2の画像読み取り装置60は第2の画像形成装置50と一体に形成されてもよい。
【0155】
また、上述した本実施形態では、本発明の画像形成装置(第1の画像形成装置20、第2の画像形成装置50)をインクジェット方式の画像形成装置に適用する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。本発明の画像形成装置は、ドラムやローラー、ベルトなどを介して用紙を搬送する画像形成装置であれば、例えば、LED(Liquid Crystal Display)プリンタ、電子写真プリンタ等の他の画像形成装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0156】
1…画像形成システム、20…第1の画像形成装置、24…ヘッドユニット、30…第1の画像読み取り装置、40…用紙反転部、50…第2の画像形成装置、60…第2の画像読み取り装置、70…排紙装置、101…第1のプリンタコントローラー、102…第1の制御装置、103…第2のプリンタコントローラー、104…第2の制御装置、120…制御部、128…調整データ生成部、242…記録ヘッド、320…白補正板、330…インラインセンサ、331…画像読取面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18